(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-27
(45)【発行日】2025-02-04
(54)【発明の名称】薬液ポンピング装置及びこれを用いた薬液注入準備方法
(51)【国際特許分類】
A61M 5/142 20060101AFI20250128BHJP
【FI】
A61M5/142 500
(21)【出願番号】P 2023513522
(86)(22)【出願日】2021-08-12
(86)【国際出願番号】 KR2021010698
(87)【国際公開番号】W WO2022045653
(87)【国際公開日】2022-03-03
【審査請求日】2023-04-20
(31)【優先権主張番号】10-2020-0106990
(32)【優先日】2020-08-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0001398
(32)【優先日】2021-01-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】520139848
【氏名又は名称】キム ヨンヒョン
(74)【代理人】
【識別番号】110002675
【氏名又は名称】弁理士法人ドライト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キム ヨンヒョン
【審査官】小野田 達志
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/047339(WO,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2019-0044478(KR,A)
【文献】特表2011-524227(JP,A)
【文献】特表2009-516577(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 5/142
A61M 5/145
A61M 5/178
A61M 5/31
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬液が満たされておらず、空気が満たされた内部空間と、前記内部空間に連結された注入口と、前記内部空間に連結され、前記注入口と異なる流入口と、前記流入口と異なる別途の通路であるベントホールとが形成されるチャンバ;
前記薬液が満たされておらず、空気が満たされた内部空間が所定のボリューム
のまま前記チャンバの内部でスライディングしないように配置されるプランジャー;
前記プランジャーが移動し、スライディング可能な前記チャンバの内側面に塗布された潤滑剤;
前記流入口に配置され、外部から前記内部空間に移動する薬液の流れを許容し、前記内部空間から外部に移動する薬液の流れを防ぐように構成されるワンウェイバルブ;及び
前記内部空間から前記ベントホールを経て外部に排出される空気の通過を許容し、液体の通過を防ぐように構成される疎水性フィルタを含む、薬液ポンピング装置。
【請求項2】
前記疎水性フィルタは、前記内部空間を基準に前記プランジャーの反対側に位置する、請求項1に記載の薬液ポンピング装置。
【請求項3】
前記チャンバは、前記内部空間が前記反対側の方向に突出した形状を有するように構成され、
前記疎水性フィルタは、前記内部空間の前記突出した形状を有する部分に位置する、請求項2に記載の薬液ポンピング装置。
【請求項4】
前記内部空間のボリュームが減るように前記プランジャーを加圧可能に構成される加圧動作部を含む、請求項1に記載の薬液ポンピング装置。
【請求項5】
前記加圧動作部は、内部に発生する気体の圧力によって前記プランジャーを加圧可能に構成される、請求項4に記載の薬液ポンピング装置。
【請求項6】
内部空間が形成され、前記内部空間に連結された互いに異なる注入口及び流入口が形成され
、内側面に潤滑剤が塗布されたチャンバ;前記内部空間が所定のボリューム
のまま前記チャンバの内部でスライディングしないように配置されるプランジャー;前記内部空間のボリュームが減るように前記プランジャーを加圧可能に構成される加圧動作部;及び前記注入口と連結される薬液流動流路を有する薬液流動ラインを含む薬液注入装置を用いる薬液注入準備方法であり、
前記内部空間に薬液が満たされた状態で前記流入口を介して追加の薬液を前記内部空間に流入させ、前記プランジャーが前記内部空間のボリュームが大きくなるように移動することで、前記プランジャーが前記薬液を押す圧力が発生する追加薬液充填段階;及び
前記圧力によって前記薬液が移動し、前記薬液流動流路を満たすプライミング段階を含む、薬液注入準備方法。
【請求項7】
前記追加薬液充填段階で、前記プランジャーを基準に前記内部空間の反対側の密閉空間が圧縮されることにより前記圧力が発生する、請求項6に記載の薬液注入準備方法。
【請求項8】
前記追加薬液充填段階の前に前記内部空間に満たされた前記薬液の量は、前記追加薬液充填段階で充填する前記薬液の量より多い、請求項6に記載の薬液注入準備方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は薬液ポンピング装置及びこれを用いた薬液注入準備方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
患者に薬物を供給するために、患者に液状の薬液(例えば、注射液)を注入する薬液注入装置が知られている。前記薬液注入装置を用いて、所定の貯蔵空間内にある薬液が患者と連結される通路(例えば、管及び注射針の内部空間)を通過し、患者の体内に流入する。
【0003】
従来の薬液注入装置は膨張及び収縮の過程を経て薬液を注入する。具体的には、薬液注入装置の内部に薬液を充填する際、薬液が充填される空間が膨張し、薬液が充填された空間を収縮させる圧力を発生させることで、前記空間が本来のボリュームに戻ろうとするエネルギーを用いて薬液注入装置内の薬液が患者に注入されることができる。例えば、スプリング式、バルーン(balloon)式、空気圧縮式などの弾性体や空気の圧縮エネルギーを用いて前記の収縮させる圧力を発生させる薬液注入装置が知られている。また、薬液注入装置のチャンバの内側面には、プランジャーのスライディングのための潤滑剤が塗布され得る。
【0004】
また、薬液注入装置を用いて患者の体内に薬液を注入するためには、薬液注入装置内部に薬液を充填する作業が必要であり、薬液注入装置のチューブ内に食塩水や薬液を満たしてチューブ内部の空気を除去するプライミング(priming)作業が必要となる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
韓国企業の(株)イファバイオメディクス(E-WHA Biomedics Co., Ltd.)は既に薬品注入装置である「ANAPA」という製品を販売してきたが、本開示の少なくとも一部の実施例は、既存の「ANAPA」装置のアップグレードバージョンである、より革新的な薬品注入装置を提示している。
【0006】
従来の薬液注入装置では、薬液注入装置のチャンバの内部空間に薬液が充填されながらプランジャーが前記チャンバの内側面に沿ってスライディング(sliding)すると同時に、前記内部空間の膨張が発生する。この過程で、前記プランジャーが前記チャンバの内側面に沿ってスライディングするため、前記内側面に塗布された潤滑剤が損傷または絡まって変形する現象が発生し得る。その後、薬液注入のために前記内部空間が収縮する過程で、前記プランジャーが膨張過程における移動方向と反対方向へ、同じ内側面に沿って再度スライディングする場合、前記プランジャーに作用する摩擦抵抗が増加する。また、潤滑剤が損傷または絡まって変形する程度を調節できないため、前記摩擦抵抗を設計するのは非常に困難であり、前記収縮過程中においても前記内側面のどの部分に前記プランジャーが接触しているのかによって前記摩擦抵抗が異なる。従って、このような潤滑剤膜の変形は、前記収縮過程で前記プランジャーに加えられる摩擦力の一定の設定を困難にし、一定の薬液流入速度の設定が難しいという問題を引き起こす。本開示の薬液ポンピング装置の各実施例はこのような従来技術の問題を解決する。
【0007】
また、従来の薬液注入装置はプライミング作業を進めるために、非常にわずらわしい作業を進めなければならないという問題がある。もし従来の薬液注入装置において薬液を注入する過程で、加圧力を発生させる加圧動作部(例えば、空気圧縮式の加圧動作部)を用いてプライミング作業を進める場合、必ず加圧動作部の作動を開始させなければならないという問題がある。本開示の薬液注入準備方法の各実施例はこのような従来技術の問題を解決する。
【0008】
また、薬液注入装置のプランジャーがチャンバ内のある位置で相当な時間配置される場合、前記チャンバの内側面と前記プランジャーの癒着が起こり得る。特に前記チャンバの内側面に潤滑剤が塗布された場合には、前記潤滑剤の影響でこのような癒着が強くなり、薬液注入装置の使用時に、前記プランジャーを前記収縮過程のための加圧方向に直ちに移動させるために、既設定の圧力より高圧力が必要となる。これにより、薬液注入装置の正常な作動開始が難しくなる可能性があり、このような作動開始過程で設定された薬液注入速度が維持されない問題が発生し得る。本開示の薬液注入準備方法の実施例はこのような問題を解決する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した潤滑剤の膜の変形を防止するために、本開示の一側面は薬液ポンピング装置の各実施例を提供する。代表的実施例による薬液ポンピング装置は、薬液が満たされていない内部空間及び前記内部空間に連結された注入口が形成されるチャンバ;前記内部空間が所定のボリュームになるように前記チャンバの内部に配置されるプランジャー;及び前記内部空間のボリュームが減るように前記プランジャーを加圧可能に構成される加圧動作部を含む。
【0010】
一実施例において、前記チャンバには、前記内部空間に連結され、前記注入口と異なる流入口が形成され得る。前記薬液ポンピング装置は、前記流入口に配置され、外部から前記内部空間に移動する薬液の流れを許容して前記内部空間から外部に移動する薬液の流れを防ぐように構成されるワンウェイバルブを更に含むことができる。
【0011】
一実施例において、前記チャンバにはベントホールが形成され得る。前記薬液ポンピング装置は、前記内部空間から前記ベントホールを経て外部に排出される空気の通過を許容し、液体の通過を防ぐように構成される疎水性フィルタを更に含むことができる。
【0012】
上述したプライミング作業の問題及び上述した薬液注入装置の前記プランジャーの癒着による作動開始の不具合問題を解決するために、本開示のもう一つの側面は、薬液注入準備方法の各実施例を提供する。代表的実施例による薬液注入準備方法に用いられる薬液注入装置は、内部空間が形成され、前記内部空間に連結された互いに異なる注入口及び流入口が形成されるチャンバ;前記内部空間が所定のボリュームになるように前記チャンバの内部に配置されるプランジャー;前記内部空間のボリュームが減るように前記プランジャーを加圧可能に構成される加圧動作部;及び前記注入口と連結される薬液流動流路を有する薬液流動ラインを含む。代表的実施例による薬液注入準備方法は、前記内部空間に薬液が満たされた状態で前記流入口を介して追加の薬液を前記内部空間に流入させ、前記プランジャーが前記内部空間のボリュームが大きくなるように移動することで、前記プランジャーが前記薬液を押す圧力が発生する追加薬液充填段階;及び前記圧力により前記薬液が移動して前記薬液流動流路を満たすプライミング段階を含む。
【発明の効果】
【0013】
前記薬液ポンピング装置の一実施例で薬液が満たされていない内部空間が所定のボリュームを有するように前記チャンバの内部にプランジャーを配置することで、使用者の薬液を前記所定のボリュームだけ充填する際、前記プランジャーが前記チャンバの内側面にスライディングしないようにし、前記チャンバの内側面に塗布された潤滑剤膜の損傷を最小化することができる。これにより、患者に薬液を注入するための上述した収縮過程で前記プランジャーに加えられる摩擦力の一定の設定が可能であり、設定された一定の薬液流入速度で薬液を患者に注入することができる。
【0014】
前記薬液注入準備方法の一実施例を通して、前記加圧動作部の作動開始前にも前記プライミング段階における該加圧により、前記内部空間に追加で流入された薬液(追加流入量の薬液)が前記連結流路に沿って移動し、素早く簡単にプライミング作業が行われ得る。また、前記薬液注入準備方法の一実施例を通して、使用者が前記追加流入量の薬液を前記内部空間に充填すれば、追加操作なしで前記プランジャーを前記プライミング段階のために移動すべき方向に押し出す圧力が発生し、最小限の行為で便利にプライミング作業を行うことができる。
【0015】
前記プランジャーを最初の停止状態からすぐに前記収縮過程のための加圧方向に移動させれば、上述した癒着の影響で設定された圧力より高圧力が要求されることがあるため、これを防止するために前記薬液注入準備方法の一実施例は、前記追加薬液充填段階で最初に前記プランジャーを前記加圧方向の反対方向に少し移動させることで、上述した癒着を解除することができる。これにより、前記追加薬液充填段階の後、既設定の圧力で前記プランジャーを前記加圧方向に押す際は、上述した癒着の影響がないため、薬液ポンピング装置または薬液注入装置の正常な作動開始を自然に誘導でき、別途の追加圧力がなくても一定の薬液注入速度で患者に薬液を注入することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1は本開示の一実施例による薬液注入装置(1)のシステム全体を示す概念図である。
【0017】
図2は第1実施例による薬液ポンピング装置(100)の断面図である。
【0018】
図3は第2実施例による薬液ポンピング装置(100')の断面図である。
【0019】
図4は第3実施例による薬液ポンピング装置(100'')の断面図である。
【0020】
図5は第4実施例による薬液ポンピング装置(100''')の断面図である。
【0021】
図6は本開示の一実施例による薬液注入準備方法を示すフローチャートである。
【0022】
図7は
図6の準備方法のチャンバ充填段階(S10)でチャンバ(110)内部に薬液(M)が充填される様子を示す薬液ポンピング装置(100)の断面図である。
【0023】
図8は
図6の準備方法のチャンバ充填段階(S10)でチャンバ(110)内部に薬液(M)の充填が完了した様子を示す薬液ポンピング装置(100)の断面図である。
【0024】
図9は
図6の準備方法の追加薬液充填段階(S20)でチャンバ(110)内部に追加の薬液(M)が充填される様子を示す薬液ポンピング装置(100)の断面図である。
【0025】
図10は
図6の準備方法のプライミング段階(S30)で薬液(M)によりプライミングが進む様子を示す薬液ポンピング装置(100)の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本開示の各実施例は、本開示の技術的思想を説明する目的で例示されたものである。本開示による権利範囲が下記で提示される実施例や各実施例に関する具体的説明に限定されるわけではない。
【0027】
本開示に用いられる全ての技術的用語及び科学的用語は、特に定義されない限り、本開示が属する技術分野で通常の知識を有する者に一般的に理解される意味を有する。本開示に用いられる全ての用語は本開示をより明確に説明する目的で選択されたものであり、本開示による権利範囲を制限するために選択されたわけではない。
【0028】
本開示で用いられる「含む」、「備える」、「有する」等のような表現は、該表現が含まれる語句または文章で特に言及されない限り、他の実施例を含む可能性を内包する開放型用語(open-ended terms)と理解されるべきである。
【0029】
本開示で記述された単数形の表現は、特に言及しない限り複数形の意味を含むことが可能であり、これは特許請求の範囲に記載された単数形の表現においても同様に適用される。
【0030】
本開示で用いられる「第1」、「第2」等の表現は複数の構成要素を互いに区分するために用いられ、該構成要素の順序または重要度を限定するわけではない。
【0031】
本開示で用いられる「上流」及び「下流」は、薬液ポンピング装置(100)が薬液を加圧する際に薬液が流れる方向を基準に定義される。具体的には、
図1の矢印Fの方向が下流方向と定義され、前記下流方向の反対方向が上流方向と定義される。
【0032】
以下、添付した各図面を参照し、本開示の各実施例を説明する。添付の図面で、同一または対応する構成要素には同一の参照符号が付与されている。また、以下の実施例の説明において、同一または対応する構成要素の重複記述は省略され得る。しかし、構成要素に関する記述が省略されたとしても、そのような構成要素が、ある実施例に含まれていないことを意図するわけではない。
【0033】
図1は本開示の一実施例による薬液注入装置(1)のシステム全体を示す概念図である。
【0034】
図1を参照すると、薬液注入装置(1)は薬液ポンピング装置(100)を含む。薬液注入装置(1)は薬液ポンピング装置(100)と連結した薬液流動部(300)を含むことができる。
【0035】
薬液ポンピング装置(100)は薬液が満たされていない内部空間(110s)が形成されるチャンバ(110)を含む。チャンバ(110)には内部空間(110s)に連結された注入口(110a)が形成される。薬液流動部(300)は注入口(110a)に連結され得る。内部空間(110s)に薬液を充填した後、薬液は注入口(110a)を介して薬液流動部(300)に排出され得る。
【0036】
薬液ポンピング装置(100)は内部空間(110s)が所定のボリューム(volume)になるようにチャンバ(110s)の内部に配置されるプランジャー(120)を含む。プランジャー(120)はチャンバ(110)の内部で移動可能に構成される。プランジャー(120)は、所定の加圧方向に移動することで、チャンバ(110)内部の薬液を加圧することができる。
【0037】
薬液ポンピング装置(100)は内部空間(110s)のボリュームが減るようプランジャー(120)を加圧可能に構成される加圧動作部(130)を含む。加圧動作部(130)はプランジャー(120)が前記加圧方向に移動するように動力を提供することができる。一例として、加圧動作部(130)は、ガス活性(gas activation)またはバルーン(balloon)等を通して内部に発生する気体の圧力によってプランジャー(120)を前記加圧方向に加圧可能に構成されることができる。別例として、加圧動作部(130)はスプリングなどの弾性体の力でプランジャー(120)を前記加圧方向に移動させることができる。本実施例において、加圧動作部(130)はガス活性によって内部に気体(例えば、二酸化炭素)を発生させてプランジャー(120)を加圧するようにする。
【0038】
薬液流動部(300)は薬液流動ライン(320)を含む。薬液流動部(300)はエアフィルタ(330)及び薬液移送管装置(340)を含むことができる。
【0039】
薬液注入装置(1)を用いて薬液を患者に注入するために、薬液注入準備過程であるプライミング(Priming)過程と薬液注入過程が進行され得る。前記プライミング過程で、プライミング用の液体が薬液流動ライン(320)に沿って流れるようにする。エンドキャップ(500)が薬液流動部(300)の下流側の末端に結合された状態で、プライミング過程が進行され得る。前記プライミング過程は患者と薬液注入装置が分離された状態で行われ得る。薬液流動ライン(320)に沿って流れる前記プライミング用の液体はエアフィルタ及び流量調節用の毛細管装置(例えば、フィルタ一体形薬液移送管装置)(330、340)内に流入する。薬液注入装置(1)は薬液移送管装置(340)の下流側に分離可能に連結されるエンドキャップ(500)を含むことができる。薬液流動ライン(320)の内部の空気はエンドキャップ(500)を経て外部に排出され得る。本実施例で、薬液ポンピング装置(100)内部に薬液が満たされた後、該薬液を前記プライミング用の液体として用いることができる。
【0040】
エンドキャップ(500)は薬液移送管装置(340)を経た空気及び前記プライミング用の液体が内部に流入されるように構成される。エンドキャップ(500)は空気を外部に流出させるものの、前記プライミング用の液体が外部に流出されるのを防ぐように構成され得る。
【0041】
エンドキャップ(500)は前記プライミング用の液体の通過を防ぐものの、気体の通過を許容するベントフィルタ(510)を含む。ベントフィルタ(510)は疎水性フィルタを含む。エンドキャップ(500)はベントフィルタ(510)の上流側に配置されるスポンジ(520)を含むことができる。エンドキャップ(500)はベントフィルタ(510)を内部に収容するエンドキャップケーシング(530)を含む。エンドキャップケーシング(530)は気体が通過するベントホール(530a)を形成する。エンドキャップ(500)は薬液移送管装置(340)の下流連結部(341a)と結合可能に構成されるエンドキャップ結合部(540)を含む。
図1の矢印E1はエンドキャップ結合部(540)の下流連結部(341a)に対する結合及び分離方向を図示する。
【0042】
エンドキャップ(500)に前記プライミング用の液体が満たされれば、エンドキャップ(500)を薬液移送管装置(340)から分離し、薬液移送管装置(340)と患者連結ユニット(600、600')を連結することができる。
【0043】
患者連結ユニット(600、600’)は注射針(610)やカテーテル(catheter)等を含むことができる。患者連結ユニット(600、600')は注射針(610)等、患者の体内に引き入れられる構成要素を含む。
【0044】
患者連結ユニット(600、600')は、注射針(610)等、患者の体内に引き入れられる構成要素を含む「引入部品」と「残りの部品」を含むことができる。前記引入部品と前記残りの部品は互いに分離可能に結合され得る。この場合、前記引入部品は患者と連結されているものの、前記残りの部品と分離された状態であり、使用者は前記残りの部品を薬液移送管装置(340)と結合させた後、前記引入部品と前記残りの部品を互いに結合させることができる。この場合、薬液移送管装置(340)を経た液体は順次前記残りの部品と前記引入部品を経て、患者の体内に流入することができる。
【0045】
患者連結ユニット(600、600')は注射針(610)を支持する注射支持部(620)を含む。患者連結ユニット(600、600')は薬液移送管装置(340)の下流連結部(341a)と結合可能に構成されるユニット結合部(630)を含む。
図1の矢印E2はユニット結合部(630)の下流連結部(341a)に対する結合及び分離方向を示す。
【0046】
一例として、患者連結ユニット(600)は注射針(610)、注射支持部(620)及びユニット結合部(630)が順次連結されて構成され得る。
【0047】
別例として、患者連結ユニット(600')はユニット結合部(630)の下流側に連結される患者連結管固定部(650')を更に含む。患者連結ユニット(600')は、患者連結管固定部(650')と注射支持部(620)を連結する患者連結管(640')を更に含む。患者連結管(640')はフレキシブル(flexible)な材質で形成され得る。患者連結ユニット(600')は注射針(610)、注射支持部(620)、患者連結管(640')、患者連結管固定部(650')及びユニット結合部(630)が順次連結されて構成され得る。
【0048】
薬液流動ライン(320)は前記プライミング用の液体の流れを案内するように構成される。薬液流動ライン(320)の上流側の末端はチャンバ(110)の注入口(110a)に連結される。例えば、薬液流動ライン(320)はフレキシブルなチューブになり得る。一実施例による薬液注入段階で、矢印Fを参照して、プランジャー(120)を前記加圧方向に移動させ、チャンバ(110)内部に充填された薬液が薬液流動ライン(320)、エアフィルタ(330)及び薬液移送管装置(340)を順次通過することができる。
【0049】
エアフィルタ(330)は薬液流動ライン(320)と連結されるフィルタケーシング(331)と、フィルタケーシング(331)内に配置されるフィルタ(332)を含むことができる。エアフィルタ(330)のフィルタ(332)は気泡を濾過することができる。
【0050】
薬液移送管装置(340)はエアフィルタ(330)と連結される移送管ケーシング(341)と、移送管ケーシング(341)内に配置される薬液移送管(342)を含むことができる。薬液移送管(342)は薬液が流れるように構成された毛細流路を有することができる。薬液移送管(342)は薬液流動ライン(320)に沿って流れる薬液の時間当たりの流量を一定に維持させる機能を有することができる。
【0051】
図2は第1実施例による薬液ポンピング装置(100)の断面図である。
図2を参照して薬液ポンピング装置(100)をより具体的に説明すると次のとおりである。
【0052】
プランジャー(120)は内部空間(110s)の薬液を加圧するように構成された加圧面(121)を含む。加圧面(121)は内部空間(110s)の一側面を限定する。プランジャー(120)は内部空間(110s)が所定のボリュームになるようにチャンバ(110s)の内部に配置されるが、前記所定のボリューム内には薬液が満たされていない状態になるように薬液ポンピング装置(100)が提供され、使用者により内部空間(110s)に薬液が充填され得る。薬液ポンピング装置(100)の内部空間(110s)に薬液が満たされる前には滅菌空気が満たされ得る。
【0053】
チャンバ(110)にはプランジャー(120)と加圧動作部(130)の間に位置する密閉空間(110t)が形成され得る。加圧動作部(130)はガス活性(gas activation)を通して内部に発生する気体の圧力によって薬液を加圧するように構成され得る。加圧動作部(130)によってプランジャー(120)を基準に内部空間(110s)の反対側の密閉空間(110t)に圧力を発生させてその圧力を一定に維持させ、プランジャー(120)を前記加圧方向に加圧して患者に薬液を注入することができる。
【0054】
一実施例で、加圧動作部(130)は収容空間(110u)に保存された液体物質(例えば、クエン酸)と、加圧動作部(130)の動作前の隔壁によって前記液体物質と区分されて保存された固体物質(133)(例えば、炭酸ナトリウム)を含むことができる。加圧動作部(130)は使用者が押圧可能に構成された押圧部(131)を含むことができる。加圧動作部(130)は収容空間(110u)内で発生した気体が密閉空間(110t)に移動するように通過させるものの、液体を通過させない空気通過フィルタ(135)を含むことができる。加圧動作部(130)は密閉空間(110t)内の圧力が既設定の圧力を超える場合、開放動作を行い、密閉空間(110t)と外部の空間を連結する圧力調節バルブ(137)を含むことができる。圧力調節バルブ(137)は密閉空間(110t)の圧力が前記既設定の圧力を超えない時、スプリング(138)の弾性力によって閉鎖状態を維持することができる。
【0055】
一実施例で、押圧部(131)に外力が加えられると、前記隔壁が離脱して固体物質(133)が収容空間(110u)内に投入され、前記液体物質と反応することで気体(例えば、二酸化炭素)が発生する。収容空間(110u)内で発生した気体は空気通過フィルタ(135)を通過して密閉空間(110t)に流入し、密閉空間(110t)の圧力が高くなることにより、プランジャー(120)は前記加圧方向に移動することができる。
【0056】
薬液ポンピング装置(100)はプランジャー(120)が移動し、スライディング可能なチャンバ(110)の内側面に塗布された潤滑剤(L)を含むことができる。潤滑剤(L)はプランジャー(120)が移動し、スライディング可能なチャンバ(110)の内側面に塗布され得る。潤滑剤(L)は薬液が満たされていない内部空間(110s)を限定するチャンバ(110)の内側面に塗布され得る。例えば、潤滑剤(L)はシリコンオイル(Silicon Oil)等になり得る。潤滑剤(L)はチャンバ(110)の内側面に塗布及び粘着(Curing)され、プランジャー(120)がチャンバ(110)の内側面に沿って前記加圧方向にスライディングする際、抵抗値を一定に維持するようにすることで、薬液の流速に変化を与える要因の発生を防止または低減する。薬液ポンピング装置(100)の製造過程で、前記内側面に塗布された潤滑剤(L)の上をプランジャー(120)がスライディングしない方式でプランジャー(120)をチャンバ(110)内部に配置することで、製造及び使用者の薬液充填の際に、塗布された潤滑剤(L)の損傷や変形を最小化することができる。
【0057】
チャンバ(110)には内部空間(110s)に連結される注入口(110a)が形成される。薬液流動ライン(320)は注入口(110a)に連結される薬液流動流路(320p)を有する。
【0058】
チャンバ(110)には、内部空間(110s)と連結される流入口(110b)が形成される。流入口(110b)を介して薬液が内部空間(110s)に充填され得る。第1~第3実施例において流入口(110b)は注入口(110a)と異なるが、後述の第4実施例のように流入口(110b)と注入口(110a)は同一のものになり得る。
【0059】
チャンバ(110)は流入口(110b)を形成する流入口形成部(115)を含む。流入口形成部(115)はチャンバ(110)の一側に固定された第1部分(115a)と、第1部分(115a)に固定された第2部分(115b)とを含むことができる。流入口(110b)は第1部分(115a)及び第2部分(115b)を貫いて形成され得る。
【0060】
薬液ポンピング装置(100)は流入口(110b)に配置されるワンウェイバルブ(116)を含み得る。ワンウェイバルブ(116)はチェックバルブの機能を遂行する。ワンウェイバルブ(116)は、流入口(110b)から薬液が内部空間(110s)の外側に流れる逆流を防止する。ワンウェイバルブ(116)は、外部から内部空間(110s)に移動する薬液の流れ(流入の流れ)を許容しつつ、内部空間(110s)から外部に移動する薬液の流れ(流出の流れ)を防ぐ。ワンウェイバルブ(116)は前記流入の流れの方向に突出した突出部(不図示)を含むことができ、前記突出部の突出末端にホール(不図示)が形成され得る。ワンウェイバルブ(116)の前記ホールは流入口(110b)内の薬液が流れる方向に応じて開閉如何が変わる。流入口(110b)内の薬液が前記流入の流れの方向に流れるとき、ワンウェイバルブ(116)の前記ホールが開かれ、流入口(110b)内の薬液の流れがない場合や、薬液が前記流出の流れの方向に流れようとする場合、ワンウェイバルブ(116)の前記ホールが閉じられる。ワンウェイバルブ(116)は第1部分(115a)及び第2部分(115b)に挟まって安着するフランジ部(不図示)を含むことができる。ワンウェイバルブ(116)はフレキシブルな材質から成り得る。
【0061】
薬液ポンピング装置(100)は流入口(110b)の開閉如何を変更する加圧バルブ(117)を含み得る。例えば、加圧バルブ(117)はスワバブルバルブ(swabable valve)になり得る。第2部分(115b)は加圧バルブ(117)を支持することができる。加圧バルブ(117)は、外部から押圧された時に開放されるホール(117h)を形成する表面を含み得る。加圧バルブ(117)のホール(117h)を形成する表面に外部から注射器のチップ(tip)が加圧された場合、前記表面が曲がりながらホール(117h)が開かれ得る。加圧バルブ(117)はフレキシブルな材質から形成され得る。
【0062】
チャンバ(110)にはベントホール(110c)が形成され得る。ベントホール(110c)は注入口(110a)及び流入口(110b)と異なる別途の通路である。
【0063】
薬液ポンピング装置(100)は、内部空間(110s)からベントホール(110c)を経て外部に排出される空気の通過を許容し、液体の通過を防ぐように構成される疎水性フィルタ(118)を含むことができる。使用者が内部空間(110s)に薬液を充填する際、内部空間(110s)内の空気が疎水性フィルタ(118)を通過し、ベントホール(110c)を介して外部に排出され得る。これを通して、注入口(110a)が詰まった状態で使用者が薬液を充填できるため、より衛生的に薬液注入を準備することができる。
【0064】
疎水性フィルタ(118)は、内部空間(110s)を基準に、プランジャー(120)の反対側に位置し得る。例えば、内部空間(110s)を基準にプランジャー(120)は下側に、疎水性フィルタ(118)は上側に位置する。チャンバ(110)は内部空間(110s)が前記反対側(即ち、前記内部空間を基準に前記プランジャーの反対側)方向に突出した形状を有するように構成され得る。疎水性フィルタ(118)は内部空間(110s)の前記突出した形状を有する部分に位置し得る。これにより内部空間(110s)内の空気が効率よく疎水性フィルタ(118)に誘導されて外部に排出されることができる。
【0065】
図示はされていないが、薬液ポンピング装置(100)は外部に掛かるように構成された掛け部(不図示)を含むことができる。前記掛け部は、外部に掛けた際、重力によって疎水性フィルタ(118)が内部空間(110s)に対して上側に配置するように薬液ポンピング装置(100)の既設定の位置に結合され得る。例えば、前記掛け部は輪及びコネクターなどを含むことができる。
【0066】
図3は第2実施例による薬液ポンピング装置(100')の断面図である。
図3を参照し、
図2の第1実施例による薬液ポンピング装置(100)との差を中心に第2実施例による薬液ポンピング装置(100')を説明すると次のとおりである。
【0067】
薬液ポンピング装置(100')で注入口(110a)の一側にベントホール(110c)が形成される。薬液ポンピング装置(100')のチャンバ(110)は内部空間(110s)が前記反対側(即ち、前記内部空間を基準に前記プランジャーの反対側)の方向に突出した形状を有するように構成され得る。また、前記突出した形状を有する部分に注入口(110a)及び疎水性フィルタ(118)が位置し得る。これを通して内部空間(110s)内の空気が効率よく疎水性フィルタ(118)に誘導されて外部に排出されることができる。
【0068】
図4は第3実施例による薬液ポンピング装置(100'')の断面図である。
図4を参照し、
図2の第1実施例による薬液ポンピング装置(100)との差を中心に第3実施例による薬液ポンピング装置(100'')を説明すると次のとおりである。
【0069】
薬液ポンピング装置(100'')のチャンバ(110)は疎水性フィルタ(118)を含まない。注入口(110a)を薬液流動ライン(320)と連結していない状態で、使用者は流入口(110b)を介して内部空間(110s)に薬品を充填し、内部の空気は注入口(110a)を介して外部に排出することができる。使用者は薬品充填を完了した後、注入口(110a)と薬液流動ライン(320)を連結することができる。例えば、チャンバ(110)と薬液流動ライン(320)を互いに結合するようにスクリュ(119)が備えられ得る。
【0070】
図5は第4実施例による薬液ポンピング装置(100''')の断面図である。
図5を参照し、
図4の第3実施例による薬液ポンピング装置(100'')との差を中心に第4実施例による薬液ポンピング装置(100''')を説明すると次のとおりである。
【0071】
薬液ポンピング装置(100''')の注入口(110a)及び流入口(110b)は互いに同一のものである。薬液ポンピング装置(100''')は疎水性フィルタ(118)を含まない。薬液ポンピング装置(100''')はワンウェイバルブ(116)及び加圧バルブ(117)を含まない。注入口(110a)を薬液流動ライン(320)と連結していない状態で、使用者は注入口(110a)である流入口(110b)を介して内部空間(110s)に薬品を充填し、内部の空気は流入口(110b)を介して外部に排出されることができる。使用者は薬品の充填を完了した後、注入口(110a)と薬液流動ライン(320)を連結することができる。例えば、チャンバ(110)と薬液流動ライン(320)を互いに結合するようにスクリュ(119)が備えられ得る。
【0072】
図6は本開示の一実施例による薬液注入準備方法を示すフローチャートである。前記薬液注入準備方法は、内部空間(100s)が形成されて内部空間(100s)に連結された互いに異なる注入口(110a)及び流入口(110b)が形成されるチャンバ(110)を含む薬液注入装置を用いる方法になり得る。以下、
図6~
図10を参照し、第1実施例による薬液ポンピング装置(100)を含む薬液注入装置(1)を基準に前記薬液注入準備方法を具体的に説明するが、前記薬液注入準備方法は注入口(110a)と異なる流入口(110b)を有する第2及び第3実施例による薬液ポンピング装置(100'、100'')を含む薬液注入装置を用いて進めることもできる。
【0073】
図7は
図6の準備方法のチャンバ充填段階(S10)でチャンバ(110)内部に薬液(M)が充填される様子を示す薬液ポンピング装置(100)の断面図である。
図6及び
図7を参照し、前記準備方法はチャンバ(110)の内部空間(110s)に薬液(M)を充填するチャンバ充填段階(S10)を含むことができる。チャンバ充填段階(S10)で、薬液(M)が流入口(110b)を介してチャンバ(110)の内部空間(110s)に流入し(矢印F1参照)、内部空間(110s)の空気が疎水性フィルタ(118)を経てベントホール(110c)を介して外部に排出され得る(矢印A1参照)。実施例により、チャンバ充填段階(S10)は病院などで、薬液注入を進める前に使用者によって進められることもできるが、プレフィルド(pre-filled)薬液ポンピング装置(100)を製造する使用者がプレフィルド(pre-filled)薬液ポンピング装置を製造する過程でチャンバ充填段階(S10)が行われることもできる。
【0074】
図8は
図6の準備方法のチャンバ充填段階(S10)でチャンバ(110)内部に薬液(M)の充填が完了した様子を示す薬液ポンピング装置(100)の断面図である。
図8を参照し、チャンバ充填段階(S10)を完了すると、チャンバ(110)の内部空間(110s)は薬液(M)が満たされた状態となる。
【0075】
図9は
図6の準備方法の追加薬液充填段階(S20)でチャンバ(110)内部に追加の薬液(M)が充填される様子を示す薬液ポンピング装置(100)の断面図である。
図6及び
図9を参照し、前記準備方法は、内部空間(110s)に薬液(M)が満たされた状態で流入口(110b)を介して追加の薬液(M)を内部空間(110s)に流入させ、プランジャー(120)が内部空間(110s)のボリュームが大きくなるように移動することで(矢印M1参照)、プランジャー(120)が薬液(M)を押す圧力が発生する追加薬液充填段階(S20)を含む。追加薬液充填段階(S20)で、追加の薬液(M)は流入口(110b)を介して内部空間(110s)に流入することができる(矢印F2参照)。
【0076】
ここで、プランジャー(120)が薬液(M)を押す前記圧力は密閉空間(110t)で大きくなる圧力であってもよい。追加薬液充填段階(S20)で、プランジャー(120)を基準に内部空間(110s)の反対側の密閉空間(110t)が圧縮されることにより前記圧力が発生し得る。プランジャー(120)は内部空間(110s)に追加される薬液(M)によって前記加圧方向の反対方向(M1)に移動して密閉空間(110t)が圧縮され得る。
【0077】
追加薬液充填段階(S20)の前に内部空間(110s)に満たされた薬液(M)の量(
図8に示された薬液の量を参照)は追加薬液充填段階(S20)で充填する薬液(M)の量より多い。追加薬液充填段階(S20)で充填する薬液(M)の量は薬液流動流路(320p)等の薬液流動部(300)の流路内を満たすための薬液の量(即ち、プライミングに必要な薬液の量)になり得る。
【0078】
図10は
図6の準備方法のプライミング段階(S30)で薬液(M)によってプライミングが進む様子を示す薬液ポンピング装置(100)の断面図である。
図6及び
図10を参照し、前記準備方法は、追加薬液充填段階(S20)で発生するプランジャー(120)が薬液(M)を押す前記圧力により薬液(M)が移動して薬液流動流路(320p)を満たすプライミング段階(S30)を含む。前記追加薬液充填段階(S20)が先に始まった後、終了する前にプライミング段階(S30)が始まることもある。
【0079】
以上、一部の実施例と添付の図面に示された例により本開示の技術的思想が説明されたが、本開示が属する技術分野において通常の知識を有する者が理解できる本開示の技術的思想及び範囲を逸脱しない範囲で様々な置換、変形及び変更がなされるという点に注意する必要がある。また、そのような置換、変形及び変更は添付の特許請求の範囲内に属するものと考えられるべきである。