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特許7626851給電ケーブルおよびコネクタ付き給電ケーブル
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-27
(45)【発行日】2025-02-04
(54)【発明の名称】給電ケーブルおよびコネクタ付き給電ケーブル
(51)【国際特許分類】
   H01B 7/42 20060101AFI20250128BHJP
   F28D 15/02 20060101ALI20250128BHJP
【FI】
H01B7/42 C
F28D15/02 101A
F28D15/02 101L
F28D15/02 E
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2023527481
(86)(22)【出願日】2022-02-03
(86)【国際出願番号】 JP2022004310
(87)【国際公開番号】W WO2022259605
(87)【国際公開日】2022-12-15
【審査請求日】2023-06-13
(31)【優先権主張番号】P 2021097989
(32)【優先日】2021-06-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000005186
【氏名又は名称】株式会社フジクラ
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100206081
【弁理士】
【氏名又は名称】片岡 央
(74)【代理人】
【識別番号】100188891
【弁理士】
【氏名又は名称】丹野 拓人
(72)【発明者】
【氏名】ランディープ シン
(72)【発明者】
【氏名】高宮 明弘
(72)【発明者】
【氏名】川原 洋司
(72)【発明者】
【氏名】小川 剛
(72)【発明者】
【氏名】照沼 一郎
(72)【発明者】
【氏名】菅 貴博
【審査官】中嶋 久雄
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-066994(JP,A)
【文献】特開2018-018748(JP,A)
【文献】特表2017-507640(JP,A)
【文献】実開昭51-069164(JP,U)
【文献】実開平06-030672(JP,U)
【文献】特開2004-198096(JP,A)
【文献】特開2020-204429(JP,A)
【文献】特開2013-033807(JP,A)
【文献】特開2015-072083(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01B 7/42
F28D 15/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテナおよび前記コンテナの外周に形成された絶縁層を有するヒートパイプと、
前記ヒートパイプの径方向外側に配置され、導電線を有する複数の電力線と、を備える給電ケーブルであって
前記ヒートパイプはループ状であり、前記給電ケーブルの第1の端部および第2の端部から延出している、給電ケーブル。
【請求項2】
コンテナおよび前記コンテナの外周に形成された絶縁層を有するヒートパイプと、
前記ヒートパイプの径方向外側に配置され、導電線を有する複数の電力線と、を備える給電ケーブルであって
前記ヒートパイプは線状であり、前記給電ケーブルの第1の端部および第2の端部から延出している、給電ケーブル。
【請求項3】
複数の前記電力線は、プラス電位で使用されるプラス電位電力線とマイナス電位で使用されるマイナス電位電力線とを有する、請求項1または2に記載の給電ケーブル。
【請求項4】
前記コンテナは、径方向外側に突出した凸部と径方向内側に窪んだ凹部とが、前記ヒートパイプの長手方向に沿って交互に配置されたコルゲート部を有する、請求項1から3のいずれか1項に記載の給電ケーブル。
【請求項5】
前記コルゲート部における前記コンテナの内面には複数の溝が形成され、
前記溝は前記ヒートパイプの長手方向に沿って螺旋状に延びている、請求項4に記載の給電ケーブル。
【請求項6】
前記給電ケーブルの端部から延出した前記ヒートパイプの少なくとも一部において、断面形状が扁平に形成されている、請求項1から5のいずれか1項に記載の給電ケーブル。
【請求項7】
前記ヒートパイプにおいて作動流体が凝縮する凝縮部は、前記ヒートパイプにおいて前記作動流体が蒸発する蒸発部より鉛直方向において高い位置にある、請求項1から6のいずれか1項に記載の給電ケーブル。
【請求項8】
前記ヒートパイプにおいて、液相の作動流体が移動する液相移動部の前記コンテナの内径が、気相の作動流体が移動する気相移動部の前記コンテナの内径よりも小さい、請求項1から7のいずれか1項に記載の給電ケーブル。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか1項に記載の前記給電ケーブルと、
前記給電ケーブルの第1の端部に設けられ、かつ電力供給源と接続可能であるコネクタと、を備え、
前記コネクタはコネクタ端子を有し、前記コネクタ端子は前記給電ケーブルから延出した前記ヒートパイプに接している、コネクタ付き給電ケーブル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、給電ケーブルおよびコネクタ付き給電ケーブルに関する。
本願は、2021年6月11日に、日本に出願された特願2021-097989号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
【背景技術】
【0002】
従来から、下記特許文献1に示されるような給電ケーブルが知られている。この給電ケーブルは、導体を有する電線と、電線を覆う被覆部とを有し、電線と被覆部との間の隙間部分に介在物が配置されている。介在物は熱抵抗の低い材料であり、導体で発生した熱を被覆部に伝達し放熱することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】日本国特開2012-146542号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
給電ケーブルを用いて、電気自動車用バッテリーを急速充電する場合には、例えば400A以上の大電流が電力線内を流れる。このような大電流を流している状態では、給電ケーブルが高温になる場合があるため、給電ケーブルの温度を所定の範囲内に抑える必要がある。
【0005】
本発明はこのような事情を考慮してなされ、大電流が流れる場合でも効率よく冷却可能な給電ケーブルおよびコネクタ付き給電ケーブルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様に係る給電ケーブルは、コンテナおよび前記コンテナの外周に形成された絶縁層を有するヒートパイプと、前記ヒートパイプの径方向外側に配置され、導電線を有する複数の電力線と、を備える。
【0007】
上記態様によれば、導電線に大電流が流れる場合でも、給電ケーブルを効率よく冷却できる。400A以上の大電流を流す場合、ヒートパイプによる冷却方法を有さない従来の給電ケーブルではケーブル径を太く設計する必要があり、ケーブル重量が重くなる場合があった。これに対して、ヒートパイプにより効率よく冷却可能であるため上記態様の給電ケーブルではケーブルの細径化や軽量化が可能になる。
また、ヒートパイプを用いた冷却方法は、外部からの補助電源を用いることなくケーブルの冷却が可能となる。補助電源や補助電源用の導体による電気短絡が発生することがないので、より安全な冷却方法を提供することができる。また、従来のケーブルと比較し、ケーブル長が長い場合でも、全長に亘って適切に冷却することができる。給電ケーブルを適切に冷却することができるので、構成材料の劣化を防ぎ、製品の寿命を延ばすことができる。
さらに、給電ケーブルでは大電流を流すことが可能となるので、電気自動車を急速充電することができる。
【0008】
また、前記ヒートパイプはループ状であり、前記給電ケーブルの第1の端部および第2の端部から延出していてもよい。
【0009】
また、前記ヒートパイプは線状であり、前記給電ケーブルの第1の端部および第2の端部から延出していてもよい。
【0010】
また、複数の前記電力線は、プラス電位で使用されるプラス電位電力線とマイナス電位で使用されるマイナス電位電力線とを有していてもよい。
【0011】
また、前記コンテナは、径方向外側に突出した凸部と径方向内側に窪んだ凹部とが、前記ヒートパイプの長手方向に沿って交互に配置されたコルゲート部を有していてもよい。
【0012】
また、前記コルゲート部における前記コンテナの内面には複数の溝が形成され、前記溝は前記ヒートパイプの長手方向に沿って螺旋状に延びていてもよい。
【0013】
また、前記給電ケーブルの端部から延出した前記ヒートパイプの少なくとも一部において、断面形状が扁平に形成されていてもよい。
【0014】
また、前記ヒートパイプにおいて作動流体が凝縮する凝縮部は、前記ヒートパイプにおいて前記作動流体が蒸発する蒸発部より鉛直方向において高い位置にあってもよい。
【0015】
また、前記ヒートパイプにおいて、液相の作動流体が移動する液相移動部の前記コンテナの内径が、気相の作動流体が移動する気相移動部の前記コンテナの内径よりも小さくてもよい。
【0016】
本発明の第2の態様に係るコネクタ付き給電ケーブルは、上記の給電ケーブルと、前記給電ケーブルの第1の端部に設けられ、かつ電力供給源と接続可能であるコネクタと、を備え、前記コネクタはコネクタ端子を有し、前記コネクタ端子は前記給電ケーブルから延出した前記ヒートパイプに接している。
【発明の効果】
【0017】
本発明の上記態様によれば、大電流が流れる場合でも効率よく冷却可能な給電ケーブルおよびコネクタ付き給電ケーブルを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】第1実施形態に係る給電ケーブルの横断面図である。
図2】第1実施形態に係る給電ケーブルおよびコネクタの模式図である。
図3】ヒートパイプを径方向外側から見た側面図である。
図4図2のヒートパイプのIV-IV断面矢視図である。
図5】第2実施形態に係る給電ケーブルおよびコネクタの模式図である。
図6】第3実施形態に係る給電ケーブルの横断面図である。
図7】第3実施形態に係る給電ケーブルおよびコネクタの模式図である。
図8】給電ケーブルの変形例を説明するための模式図である。
図9】給電ケーブルの異なる変形例を説明するための模式図である。
図10】給電ケーブルのその他の変形例を説明するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
(第1実施形態)
以下、本実施形態の給電ケーブル1の構成を図面に基づいて説明する。
図1および図2に示すように、給電ケーブル1は、ヒートパイプ10と、複数の電力線20と、複数の通信コード30と、シース40とを備えている。
【0020】
(方向定義)
本実施形態では、給電ケーブル1の中心軸線に沿う方向を長手方向という。また、中心軸線に直交する横断面視において、中心軸線に直交する方向を径方向といい、中心軸線周りに周回する方向を周方向という。
【0021】
(ヒートパイプ10)
図1に示すように、ヒートパイプ10は、ウイック12と、コンテナ13と、絶縁層14と、を備える。ヒートパイプ10は、コンテナ13内に封入された作動流体の潜熱を利用して熱を輸送する熱輸送素子である。
【0022】
コンテナ13は、円筒状の中空容器である。コンテナ13は、例えば、金属で構成される。コンテナ13を構成する金属としては、銅、スチール、アルミニウムなどが挙げられる。本実施形態では、コンテナ13として銅管を用いている。
【0023】
給電ケーブル1は、自動車の中にワイヤーハーネスに沿って容易に配線できるよう、一部分において曲げ易いことが求められる場合がある。そこで、図3に示すように、ヒートパイプ10のコンテナ13は、長手方向において、コルゲート加工がされたコルゲート部13aと、コルゲート加工がされていない非コルゲート部13bと、を有する。
コルゲート部13aでは、コンテナ13は、径方向外側に突出した複数の凸部13a1と、径方向内側に窪んだ複数の凹部13a2と、を有しており、凸部13a1および凹部13a2は長手方向に沿って交互に形成されている。
【0024】
図3におけるコルゲート部13aの複数の凸部13a1および凹部13a2は、筒状のコンテナ13の外周面および内周面に沿って螺旋状に形成されている。このようなコルゲート形状は、例えば円筒状の銅の筒を加熱し捻じることにより形成される。コルゲート形状は、筒状のコンテナ13の径方向外側から押圧を加えることで形成されてもよい。ただし、凸部13a1および凹部13a2は螺旋状でなくてもよく、リング状であってもよい。
コルゲート部13aでは、ヒートパイプ10を目的に応じて曲げることが可能になる。
【0025】
図1に示すように、コンテナ13の外周面には絶縁層14が形成されている。絶縁層14は、絶縁性を有する材料により形成されており、例えば厚さ0.1~0.5mm程度である。給電ケーブル1において漏電が発生した場合でも、絶縁層14があることで、ヒートパイプ10を介した電気短絡を防ぐことができる。
絶縁層14は、熱抵抗の低い材料で形成されることが好ましい。この場合、導電線21で発生した熱をヒートパイプ10内へ効率よく伝達することができる。
【0026】
コンテナ13の内部空間11には、作動流体が封入されている。作動流体は、相変化することが可能な周知の熱輸送媒体であって、コンテナ13内で液相と気相とに相変化する。作動流体としては、例えば、水、アルコール、アンモニアなどを採用できる。また、作動流体としてR134a等の冷媒を採用してもよい。なお、本明細書では液相の作動流体を「作動液」と称し、気相の作動流体を「蒸気」と称する場合がある。また、液相と気相とを特に区別しない場合には単に作動流体と記載する。作動流体は図示されていない。
【0027】
コンテナ13内には、ウイック12が配置されている。
ウイック12は、例えば図1に示すように、コンテナ13の内周面に沿って形成されている。ウイック12はコンテナ13の内周面のうち、周方向および長手方向の一部の領域のみに形成されていてもよい。
ウイック12は、例えば、複数本の金属細線、例えば銅細線を束ねて形成されている。銅細線は、コンテナ13の長手方向に延在する線条体である。ウイック12は、例えば、複数本の銅細線である。銅細線の外径は、例えば、数μm~数百μmである。
【0028】
銅細線どうしの間には長手方向に延びる隙間が形成される。その隙間は作動液を流動させる液体流路として用いられ、作動液を凝縮部Cから蒸発部Eへ還流させるための還流路(以下、「流路」という)となる。流路内の作動液は、毛管力によって長手方向に流動する。
ウイック12は、金属細線に限らず、金属メッシュ(網状体)、および金属粉末の焼結体なども使用できる。
【0029】
ウイック12を構成する金属としては、銅、アルミニウム、ステンレス、これらの合金などが挙げられる。ウイック12は、金属製に限らず、カーボン材などで構成されていてもよい。例えば、ウイック12は、カーボン細線、カーボンメッシュなどで構成されていてもよい。
【0030】
(電力線20)
電力線20は、それぞれ複数の導電線21と、絶縁被覆22と、を有する。導電線21には、例えば400A以上の直流電流が流れる。
図1に示す横断面視では、各電力線20はヒートパイプ10の外周面に沿うように弧状に形成されている。また、給電ケーブル1は2本の電力線20を有し、各電力線20は、ヒートパイプ10の径方向外側においてヒートパイプ10を挟むように配置されている。
【0031】
導電線21は、複数本の素線を束ねて撚ることで形成されている。導電線21を構成する素線としては、例えば錫メッキ軟銅線を用いることができる。複数の導電線21は、ヒートパイプ10の外周面の曲面に沿うように弧状に配置されていので、導電線21は、周方向において偏りなく冷却される。
なお、1つの電力線20が有する導電線21および素線の本数は適宜変更可能である。
【0032】
絶縁被覆22は、導電線21を被覆している。絶縁被覆22の材質としては、例えばEPゴムを用いることができる。
本実施形態では、給電ケーブル1は2本の電力線20を有し、各電力線20は、ヒートパイプ10の外周面に接するように配置されている。なお、図示は省略するが、ヒートパイプ10のコルゲート部13aが給電ケーブル1の内部に配置されている場合には、ヒートパイプ10と電力線20との間に、凹部13a2に沿って延びる隙間が形成されていてもよい。
【0033】
(通信コード30)
通信コード30は、例えば給電対象物である車両と電力供給源との間の通信に用いられる。通信コード30は、ヒートパイプ10の径方向外側に配置されている。図1に示す横断面図では、2本の通信コード30が、径方向でヒートパイプ10を挟むように配置され、周方向で電力線20と同等の位置に配置されている。また、周方向において、通信コード30と電力線20とが交互に配置されている。2本の通信コード30の外径は、互いに略同等となっており、径方向における電力線20の厚さと同等になっている。
【0034】
通信コード30は、4本の信号線31と、信号線31を包む被覆32と、を備えている。信号線31は、導体に絶縁被覆が被覆された構成となっている。通信コード30内で、信号線31は、螺旋状に撚り合わされた状態で、被覆32に包まれている。また、通信コード30は、可撓性を有している。
各信号線31は、例えば、給電ケーブル1のコネクタ50のロック機構の制御、給電時に点灯するLEDの電源線、コネクタ50が温度センサーを備えている場合には温度センサーの信号線などの用途に用いられる。また、信号線31の一部は給電対象物への補助給電線として使用されてもよい。
【0035】
シース40は、ヒートパイプ10、電力線20、および通信コード30を被覆している。電力線20及び通信コード30はヒートパイプ10に沿って直線状に配置されていてもよいし、ヒートパイプ10に螺旋状に巻きつけられていてもよい。シース40は、例えばクロロプレンゴムなどを用いて、押出し成形などによって形成することができる。
【0036】
図2は、給電ケーブル1を備えたコネクタ付き給電ケーブル60の概略図である。なお、通信コード30の図示は省略している。
コネクタ付き給電ケーブル60は、2本の給電ケーブル1と、各給電ケーブル1の第1の端部1aに配置された給電コネクタ(以下、単にコネクタ50という)と、を備えている。
本実施形態の給電ケーブル1は、電気自動車(車両)の内部に配置され、例えば電気自動車用の充電スタンドから延びる不図示のコネクタ付きリードケーブル(electric car charging gun)と電気自動車のバッテリー100とを電気的に接続して、バッテリー100に電力を供給する際に用いられる。給電ケーブル1の長手方向の長さは、例えば0.5~1.5m程度とすることができるが、コネクタ50からバッテリー100までの長さに応じて、適宜変更できる。コネクタ50は、例えば車両の側面近傍に配置され、充電時以外は蓋(不図示)によって覆われる。
【0037】
給電ケーブル1の第1の端部1aには、リードケーブルのコネクタと接続可能なコネクタ50が配置されている。給電ケーブル1の第2の端部1bでは電力線20が給電対象物のバッテリー100に電気的に接続されている。本実施形態において、給電対象物は、電気自動車(車両)のバッテリー100として説明するが、その他の給電対象物であってもよい。
本実施形態では、一方の給電ケーブル1(第1給電ケーブル1P)の電力線20Pは、プラス電位で使用され、他方の給電ケーブル1(第2給電ケーブル1N)の電力線20Nは、マイナス電位で使用される。
【0038】
(給電ケーブル1の第1の端部1a)
コネクタ50は、複数のコネクタ端子51と、ケース52と、を備えている。ケース52は、例えばプラスチックなどの材料で形成されており、給電ケーブル1の第1の端部1aから延出したヒートパイプ10の第1の端部10a、およびコネクタ端子51を収容する。
【0039】
各コネクタ端子51は、それぞれ電力線20内の導電線21に電気的に接続されている。コネクタ端子51は、リードケーブルのコネクタの端子が挿入される孔を有する雌型コネクタである。図2の例では、コネクタ端子51は2つ配置されており、それぞれプラス電位で使用される電力線20P、またはマイナス電位で使用される電力線20Nが接続されている。
【0040】
コネクタ50内には、給電ケーブル1のヒートパイプ10が延出している。本実施形態のヒートパイプ10はループ状であり、2本の給電ケーブル1P、1N内にそれぞれ配置された2本のヒートパイプ10の第1の端部10a同士が、コネクタ50内で互いに接続されている。以降、互いに接続された2本のヒートパイプ10の第1の端部に符号10aを付して説明する。
コネクタ50内には、ヒートパイプ10のコルゲート部13aが配置されていてもよいし、非コルゲート部13bが配置されていてもよい。2本のヒートパイプ10同士は接続管(不図示)により互いに接続されていてもよい。
コネクタ50内において、ヒートパイプ10とコネクタ端子51とは接触している。これにより、コネクタ端子51で発生した熱をヒートパイプ10により輸送することができる。
【0041】
(給電ケーブル1の第2の端部1b)
給電ケーブル1の第2の端部1bでは、電力線20およびヒートパイプ10が延出している。延出した電力線20は、バッテリー100に接続される。
給電ケーブル1の第2の端部1bから延出したヒートパイプ10は、車体内に配置された冷却装置まで延び、冷却装置に接するように配置される。本実施形態における冷却装置はコールドプレート110である。例えば、ヒートパイプ10の延出部は、バッテリー100を冷却するためのコールドプレート110の空きスペース上に配置されてもよい。なお、ヒートパイプ10はコールドプレート110に間接的に接するように配置されていてもよい。つまり、ヒートパイプ10とコールドプレート110との間に、熱を伝導する介在物が配置されていてもよい。
図2では、コールドプレート110とバッテリー100とが離れて配置されているが、コールドプレート110はバッテリー100に接するように配置されてバッテリー100を冷却してもよい。あるいは、コールドプレート110とバッテリー100とが離れて配置され、両者が熱輸送素子(他のヒートパイプ等)によって接続されていてもよい。バッテリー100用のコールドプレート110を用いてヒートパイプ10を冷却することで、給電ケーブル1の冷却装置(ヒートシンク等)を車体の内部にさらに設置する必要がなくなるため、省スペース化が図れる。
【0042】
給電ケーブル1の第2の端部1bから延出したヒートパイプ10は、部分的にコルゲート部13aが形成されていてもよい。これにより、ヒートパイプ10を部分的に曲げながら、コールドプレート110まで到達させることができる。
2本のヒートパイプ10の第2の端部10b同士は互いに接続されている。以降、互いに接続された2本のヒートパイプ10の第2の端部に符号10bを付して説明する。2本のヒートパイプ10の第2の端部10b同士は接続管(不図示)により互いに接続されていてもよい。
【0043】
図4に示すように、ヒートパイプ10は、コールドプレート110と接触する箇所において、断面形状が扁平、すなわち、コールドプレート110に接触する面の幅が厚みより大きい形状になっている。コンテナ13の横断面は、概略、長円形状である。「長円形状」は、平行で向かい合う2つの直線部10cと、これら2つの直線部10cの端部同士をそれぞれ結ぶ湾曲凸状(例えば半円状、楕円弧状など)の曲線とで構成される形状である。
【0044】
図4に示すように、ヒートパイプ10の直線部10cがコールドプレート110に接するように配置される。これにより、ヒートパイプ10とコールドプレート110との接触面積を大きくすることができるため、より効率よく熱を輸送することができる。図2に示すように、2本のヒートパイプ10同士が接続された第2の端部10bにおけるU字状の部分が、コールドプレート110の上に配置されていてもよい。この場合、当該U字状の部分でも、ヒートパイプ10からコールドプレート110に熱を輸送することができる。
なお、図1に示す絶縁層14は、ヒートパイプ10の全体にわたって設けられていてもよい。この場合、コールドプレート110とコンテナ13との間に絶縁層14が挟まれ、絶縁層14を介して熱の受け渡しが行われる。
このように、給電ケーブル1P、1Nにそれぞれ含まれるヒートパイプ10は、第1の端部10aおよび第2の端部10bにおいて互いに接続され、ループ状になっている。
【0045】
[熱輸送サイクル]
次に、ヒートパイプ10による熱輸送サイクルについて説明する。電力線20およびコネクタ端子51が通電に伴い温度が上昇することにより、給電ケーブル1およびコネクタ50近傍ではヒートパイプ10内の作動液が蒸発する。すなわち、電力線20およびコネクタ端子51の近傍がヒートパイプ10の蒸発部Eとなる。蒸発部Eでは、ウイック12の流路内に浸透している作動液が蒸発する。
【0046】
蒸発部Eで生じた蒸気は、蒸発部Eよりも圧力および温度が低いヒートパイプの第2の端部10b側(ヒートパイプ10が給電ケーブル1から延出した部分)へ向けて内部空間11を流動する。ヒートパイプ10がコールドプレート110に接触する部分では、蒸気の一部が凝縮する。すなわち、コールドプレート110に配置されたヒートパイプ10の一部が凝縮部Cとなる。凝縮部Cで生じた作動液は、ウイック12の流路内に浸透し、毛管力によって流路内を流動して凝縮部Cから蒸発部Eへ還流される。
【0047】
蒸発部Eに還流した作動液は、蒸発部Eにおいて再び蒸発する。作動液は、蒸発部Eで蒸発し、凝縮部Cで凝縮して蒸発部Eに還流するサイクル(熱輸送サイクル)を繰り返す。これにより、電力線20およびコネクタ端子51を冷却することができる。
【0048】
以上説明したように、本実施形態の給電ケーブル1は、コンテナ13およびコンテナ13の外周に形成された絶縁層14を有するヒートパイプ10と、ヒートパイプ10の径方向外側に配置され、導電線21を有する複数の電力線20と、を備える。
これにより、導電線21に大電流が流れる場合でも、給電ケーブル1を効率よく冷却できる。400A以上の大電流を流す場合、ヒートパイプによる冷却方法を有さない従来の給電ケーブルではケーブル径を太く設計する必要があり、ケーブル重量が重くなる場合があった。これに対して、ヒートパイプ10により効率よく冷却可能であるため本実施形態の給電ケーブル1ではケーブルの細径化や軽量化が可能になる。
また、ヒートパイプ10を用いた冷却方法は、外部からの補助電源を用いることなくケーブルの冷却が可能となる。補助電源や補助電源用の導体による電気短絡が発生することがないので、より安全な冷却方法を提供することができる。また、従来のケーブルと比較し、ケーブル長が長い場合でも、全長に亘って適切に冷却することができる。給電ケーブル1を適切に冷却することができるので、構成材料の劣化を防ぎ、製品の寿命を延ばすことができる。
さらに、給電ケーブル1では大電流を流すことが可能となるので、電気自動車を急速充電することができる。
【0049】
また、ヒートパイプ10はループ状であり、給電ケーブル1の第1の端部1aおよび第2の端部1bから延出していてもよい。この場合、蒸気(気相の作動流体)の圧力の急激な低下を抑えることができる。また、ヒートパイプ10や給電ケーブル1の長さが長く(例えば5m以上に)なった場合でも、ケーブル全長を良好に冷却できる。
【0050】
また、コンテナ13は、径方向外側に突出した凸部13a1と径方向内側に窪んだ凹部13a2とが、ヒートパイプ10の長手方向に沿って交互に配置されたコルゲート部13aを有していてもよい。
コルゲート部13aが形成されている部分では、ヒートパイプ10は曲げ易くなる。このため、ヒートパイプ10の少なくとも一部にコルゲート部13aを形成することで、給電ケーブル1および給電ケーブル1から延出したヒートパイプ10を、車体の内部の限られたスペースに容易に配置することが可能になる。
【0051】
また、給電ケーブル1の第2の端部1bから延出したヒートパイプ10の少なくとも一部において、断面形状が扁平に形成されていてもよい。
これにより、コールドプレート110とヒートパイプ10との接触面積が大きくなるので、効率よく熱交換できる。
【0052】
本実施形態のコネクタ付き給電ケーブル60は、上述の給電ケーブル1と、給電ケーブル1の第1の端部1aに設けられ、かつ電力供給源と接続可能であるコネクタ50と、を備え、コネクタ50はコネクタ端子51を有し、コネクタ端子51は給電ケーブル1から延出した前記ヒートパイプ10に接している。
これにより、大電流が流れるコネクタ端子51も効率よく冷却できる。
【0053】
<第2実施形態>
次に、本発明に係る第2実施形態について説明するが、第1実施形態と基本的な構成は同様である。このため、同様の構成には同一の符号を付してその説明は省略し、異なる点についてのみ説明する。
図5に、第2実施形態に係る給電ケーブル1およびコネクタ50を示す。本実施形態のヒートパイプ10は線状であり、2本の給電ケーブル1の端部からそれぞれ延出するヒートパイプ10同士が互いに接続されていない点が第1実施形態と異なる。つまり、本実施形態のコネクタ付き給電ケーブルは、2本の独立したヒートパイプ10を有する。
【0054】
第1給電ケーブル1Pの第1の端部1aから延出するヒートパイプ10は、プラス側のコネクタ端子51に接し、第2給電ケーブル1Nの第1の端部1aから延出するヒートパイプ10は、マイナス側のコネクタ端子51に接している。
コネクタ50内において、2本のヒートパイプ10の第1の端部10a同士は互いに接続されていない。言い換えると、2本のヒートパイプ10の第1の端部10aはそれぞれ、コネクタ50内で互いに離れて配置されている。
【0055】
給電ケーブル1の第2の端部1bから延出するヒートパイプ10は、コールドプレート110と接する第2の端部10bにおいて、扁平に形成されている。2本のヒートパイプ10の第2の端部10b同士は互いに接続されていない。言い換えると、2本のヒートパイプ10の第2の端部10bはそれぞれ、互いに離れた状態でコールドプレート110に接している。
【0056】
以上説明したように、本実施形態のヒートパイプ10は線状であり、給電ケーブル1の第1の端部1aおよび第2の端部1bから延出している。
本実施形態では、第1実施形態と同様、ヒートパイプ10により導電線21およびコネクタ端子51の熱を効率よく輸送することができる。さらに、2本のヒートパイプ10同士が接続されていないので、ヒートパイプ10の配置の自由度をより高めることができる。
【0057】
<第3実施形態>
次に、本発明に係る第3実施形態について説明するが、第1実施形態と基本的な構成は同様である。このため、同様の構成には同一の符号を付してその説明は省略し、異なる点についてのみ説明する。
【0058】
図6、7に、第3実施形態に係る給電ケーブル1およびコネクタ付き給電ケーブル60を示す。
1つの給電ケーブル1に4本の電力線20が配置されており、4本の電力線20のうち2本がプラス電位で使用されるプラス電位電力線20Pであり、残りの2本がマイナス電位で使用されるマイナス電位電力線20Nである。図6に示されているように、給電ケーブル1の第1側面側(図6における紙面上側)に2本のプラス電位電力線20Pが配置されており、給電ケーブル1の第2側面側(図6における紙面下側)にマイナス電位電力線20Nが配置されている。
【0059】
コネクタ50内で、プラス電位電力線20Pは、プラス側のコネクタ端子51に、マイナス電位電力線20Nはマイナス側のコネクタ端子51にそれぞれ接続される。
給電ケーブル1の第1の端部1aから延出するヒートパイプ10は、2つのコネクタ端子51に接している。
給電ケーブル1の第2の端部1bから延出するヒートパイプ10は、コールドプレート110と接する箇所において扁平に形成されている。
【0060】
以上説明したように、本実施形態の給電ケーブル1では、複数の電力線20は、プラス電位で使用されるプラス電位電力線20Pとマイナス電位で使用されるマイナス電位電力線20Nとを有する。
1本の給電ケーブル1がプラス電位電力線20Pとマイナス電位電力線20Nとを備えているため、より小さなスペースにも給電ケーブル1を配線することが可能になる。
【0061】
なお、本発明の技術的範囲は前記実施形態または実施例に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
【0062】
例えば、上記の実施形態ではウイック12が生じさせる毛管力を用いて作動液を移動させたが、ウイック12を用いずに作動液の移動が行われるような構成になっていてもよい。
例えば、図8に示すように、鉛直方向において、コールドプレート110が上側(+X側)に配置され、コネクタ50が下側(-X側)に配置されている場合には、ヒートパイプ10の第2の端部10bがヒートパイプ10の第1の端部10aよりも上側(+X側)に配置される。この場合、鉛直方向において、凝縮部Cが蒸発部Eより高い位置にあり、重力により作動液を移動させることができるため、ヒートパイプ10内にウイック12が配置されていなくてもよい。ただし、例えばウイック12が生じさせる毛管力を用いれば、重力に逆らって作動液を移動させることも可能である。したがって、凝縮部Cが蒸発部Eより鉛直方向において低い位置にあってもよい。また、凝縮部Cと蒸発部Eとが鉛直方向において同等の位置にあってもよい。
【0063】
また、コルゲート部13aを長手方向に切った断面を表示する図9に示されるように、コルゲート部13aにおけるコンテナ13の内面に複数の溝gが形成され、当該溝gがヒートパイプ10の長手方向に沿って螺旋状に延びるような構成となっている場合は、溝gを伝って、作動液をヒートパイプ10の長手方向に沿って移動させることができる。さらに、この溝gによって毛管力を生じさせることで、作動液を移動させてもよい。この場合、コルゲート部13aにはウイックが配置されていなくてもよい。また、コルゲート部13aの溝gとウイック12とを組み合わせて作動液の流路が形成されてもよい。なお、図9に示す例では、コンテナ13の内面において、コルゲート部13aの複数の凸部13a1の内側に相当する箇所に溝gが形成されている。しかしながら、図9の例に限定されず、コンテナ13の内面において、コルゲート部13aの複数の凸部13a1の内側に相当しない箇所に溝gが形成されていてもよい。
【0064】
また、例えば、図10に示すように、ループ状に形成されたヒートパイプ10の中で、作動液および蒸気が同じ方向に循環するように移動する場合がある。この場合、ヒートパイプ10のうち、主に蒸気が移動する箇所では、配置されるウイック12の体積が、主に作動液が移動する箇所のウイック12よりも小さくてもよい。もしくは、主に蒸気が移動する箇所では、ウイック12が配置されていなくてもよい。
図10に示す例では、ヒートパイプ10は、1本の給電ケーブル1の両方の端部から延出しループ状に形成されている。ヒートパイプ10の内部で図中の矢印A1、A2の方向に作動流体が循環している。より詳しくは、ループ状のヒートパイプ10は、コールドプレート110側から給電ケーブル1に向かって主に作動液が移動する液相移動部10dと、給電ケーブル1からコールドプレート110側へ主に蒸気が移動する気相移動部10eと、を有する。液相移動部10dでは、矢印A1の示す方向に作動液が移動し、気相移動部10eでは、矢印A2の示す方向に蒸気が移動する。
【0065】
作動液は、作動流体が蒸気となった状態よりも非常に体積が小さい。このため、液相移動部10dのコンテナ13の直径(内径)D1は気相移動部10eのコンテナ13の直径(内径)D2よりも小さくできる。これにより、給電ケーブル1をより細径化できる。
作動流体が一方向に循環していない場合には、ヒートパイプ10のコンテナ13内の同一の管内で、蒸気と、作動液とが移動し、その移動方向が互いに対向することになる。この場合と比較し、図10に示すループ状のヒートパイプ10では、蒸気と作動液とが異なる部分を移動するため、蒸気圧力のロスを小さくすることができる。
【0066】
このように、ヒートパイプ10の形状や配置を変更することで、ヒートパイプ10内にウイック12を配置する量や箇所を減らすことができる。これにより、ヒートパイプ10の軽量化が可能になり、また、より容易にヒートパイプ10を製造することができるようになる。
【0067】
また、ヒートパイプ10は、コネクタ端子51に接する第1の端部10aにおいて扁平になっていてもよい。さらに、コネクタ端子51の形状に合わせて、ヒートパイプ10を変形させてもよい。これにより、より効率よくコネクタ端子51を冷却することができる。
【0068】
また、ヒートパイプ10のコルゲート部13aは、ヒートパイプ10の全長に亘って形成されていてもよいし、車体内に配置する際に曲げられる部分だけに形成されていてもよい。なお、複数の導電線21を有する電力線20、複数の信号線31を有する通信コード30は、可撓性を有するので、少なくとも一部においてコルゲート部13aを含むヒートパイプ10を有する給電ケーブル1は、容易に変形させることができる。
【0069】
また、ヒートパイプ10の第1の端部10aおよび第2の端部10bにおいて、コネクタ端子51またはコールドプレート110に接触する部分はコルゲート部13aが形成されていなくてもよい。コルゲート部13aが形成されていないことで、ヒートパイプ10と、コネクタ端子51またはコールドプレート110とが、直接接触する面積を大きくすることが可能となるため、熱交換の効率を高くすることができる。
【0070】
また、ヒートパイプ10の絶縁層14は、ヒートパイプ10の全長に亘って外周面に形成されている。これにより、より確実にヒートパイプ10を介した電気短絡を防ぐことができる。なお、絶縁層14がヒートパイプ10と別体となっており、ヒートパイプ10と電力線20との間に配置されていてもよい。
【0071】
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上記した実施形態や変形例を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0072】
1…給電ケーブル 1a…第1の端部 1b…第2の端部 10…ヒートパイプ 10a…ヒートパイプの第1の端部 10b…ヒートパイプの第2の端部 11…内部空間 12…ウイック 13…コンテナ 13a…コルゲート部 13a1…凸部 13a2…凹部 14…絶縁層 20…電力線 20P…プラス電位電力線 20N…マイナス電位電力線 21…導電線 22…絶縁被覆 30…通信コード 40…シース 50…コネクタ 51…コネクタ端子 60…コネクタ付き給電ケーブル 100…バッテリー 110…コールドプレート C…凝縮部 E…蒸発部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10