(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-28
(45)【発行日】2025-02-05
(54)【発明の名称】石炭焚きボイラの音響温度測定機器の詰まり防止パージシステム及び使用方法
(51)【国際特許分類】
F22B 37/38 20060101AFI20250129BHJP
F23J 3/00 20060101ALI20250129BHJP
G01K 11/24 20060101ALI20250129BHJP
【FI】
F22B37/38 B
F23J3/00 Z
F23J3/00 101Z
G01K11/24
(21)【出願番号】P 2023529133
(86)(22)【出願日】2023-05-08
(86)【国際出願番号】 CN2023092668
(87)【国際公開番号】W WO2023236701
(87)【国際公開日】2023-12-14
【審査請求日】2023-05-16
(31)【優先権主張番号】202210646591.4
(32)【優先日】2022-06-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】523137740
【氏名又は名称】華能重慶珞▲ファン▼発電有限責任公司
(73)【特許権者】
【識別番号】520455014
【氏名又は名称】西安熱工研究院有限公司
【氏名又は名称原語表記】Xi’an Thermal Power Research Institute CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.136 Xingqing Road,Beilin District,Xi’an City,Shaanxi Province,China
(74)【代理人】
【識別番号】100088063
【氏名又は名称】坪内 康治
(74)【代理人】
【識別番号】100207561
【氏名又は名称】柳元 八大
(72)【発明者】
【氏名】唐 栄富
(72)【発明者】
【氏名】余 長開
(72)【発明者】
【氏名】呉 迅
(72)【発明者】
【氏名】周 顕春
(72)【発明者】
【氏名】梁 晏萱
(72)【発明者】
【氏名】陳 飛雲
(72)【発明者】
【氏名】汪 亮
(72)【発明者】
【氏名】程 煥洋
(72)【発明者】
【氏名】張 丹平
(72)【発明者】
【氏名】李 超
(72)【発明者】
【氏名】王 軍
(72)【発明者】
【氏名】彭 文乾
(72)【発明者】
【氏名】梁 昊
【審査官】小川 悟史
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第102588943(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第115069693(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2003/0136318(US,A1)
【文献】特開平05-093502(JP,A)
【文献】特開平09-133321(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F22B 37/38
F23J 3/00
G01K 11/24
B08B 9/032
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
サージタンク及びそれと連通する自動排水弁を含み、前記サージタンクの内部に圧縮空気が充填され、下流パージ用空気を保圧する、自動排水サージタンクと、
パージ主管路であって、上流がサージタンクに接続され、下流が各音響温度測定部品に接続され、前記サージタンクとパージ主管路との間に主管路手動弁が設けられ、パージ主管路と各音響温度測定部品との間に微圧パージ分岐路及び定期パージ分岐路が設けられ、定期パージ分岐路のパージ圧力及び空気量がいずれも微圧パージ分岐路の場合より高い、パージ主管路と、を含み、
正常動作時、主管路手動弁が開いており、サージタンク内の圧縮空気がパージ主管路を通過して各音響温度測定部品に到達し、途中でそれぞれ各微圧パージ分岐路及び定期パージ分岐路に接続されてパージを実現し、微圧パージ分岐路の空気量を制御することにより、音響温度測定部品の音波導管内の静圧を微正圧に保持する、
ことを特徴とする石炭焚きボイラの音響温度測定装置の詰まり防止パージシステム。
【請求項2】
前記サージタンクの吸気口は、タンク本体の中下部に設けられ、その通気口は、タンク本体の上部に設けられ、発電所によって提供された計器用圧縮空気は、
パージ主管路を介してサージタンクに接続され、計器用圧縮空気に水が含まれる場合、水分は、サージタンクの中下部に残留し、かつ自動排水弁によりサージタンクから排出され、
パージ主管路に入らない、
ことを特徴とする請求項1に記載の石炭焚きボイラの音響温度測定装置の詰まり防止パージシステム。
【請求項3】
前記微圧パージ分岐路には、調圧弁調整分岐路及び手動弁調整分岐路が取り付けられ、前記調圧弁調整分岐路及び手動弁調整分岐路の下流は、いずれも音響温度測定部品の音波導管に接続される、
ことを特徴とする請求項1に記載の石炭焚きボイラの音響温度測定装置の詰まり防止パージシステム。
【請求項4】
前記調圧弁調整分岐路には、微圧パージ分岐路調圧弁が取り付けられ、微圧パージ分岐路調圧弁の調整と圧力計の数値の観察により、調圧弁調整分岐路の空気量を小さい流量に設定し、音波導管内の静圧を微正圧に保持し、炉床内の局所的な微正圧時に煙中の灰が音波導管に入ることを防止する、
ことを特徴とする請求項3に記載の石炭焚きボイラの音響温度測定装置の詰まり防止パージシステム。
【請求項5】
前記手動弁調整分岐路には、現場で手動でパージする微圧パージ分岐路手動弁が取り付けられ、明らかな詰まりが発生する場合、パージ空気量を増加させ、音波導管内に堆積された灰をタイムリーに吹き飛ばす、
ことを特徴とする請求項3に記載の石炭焚きボイラの音響温度測定装置の詰まり防止パージシステム。
【請求項6】
前記定期パージ分岐路には、定期パージ分岐路手動弁及び定期パージ分岐路電磁弁が順に設けられ、前記定期パージ分岐路電磁弁の下流が音響温度測定部品の音波導管に接続され、定期パージ分岐路における圧縮空気は、順に定期パージ分岐路手動弁及び定期パージ分岐路電磁弁を通過した後に音波導管に入り、定期パージ分岐路手動弁により定期パージ分岐路の排気量を手動で調整する、
ことを特徴とする請求項2に記載の石炭焚きボイラの音響温度測定装置の詰まり防止パージシステム。
【請求項7】
前記定期パージ分岐路電磁弁は、定期パージ分岐路電磁弁回路によりパージコントローラに接続される、
ことを特徴とする請求項6に記載の石炭焚きボイラの音響温度測定装置の詰まり防止パージシステム。
【請求項8】
前記音波導管には、圧力センサが取り付けられ、前記圧力センサは、音波導管内の圧力センサ回路によりパージコントローラに接続される、
ことを特徴とする請求項1、3、4、5又は6に記載の石炭焚きボイラの音響温度測定装置の詰まり防止パージシステム。
【請求項9】
前記音波導管は、部品接続フランジ、音波導管キャビティ、微風量正圧遮断エアダクト内部キャビティ、旋回パージエアダクト及び管座接続フランジを含み、前記音波導管キャビティの一端に部品接続フランジが設けられ、部品接続フランジは、音響温度測定部品を接続固定し、音波導管キャビティの対向する他端に管座接続フランジが設けられ、音波導管キャビティ全体は、90°円弧状エルボ構造を呈し、音波導管キャビティの他端に微風量正圧遮断エアダクト内部キャビティ、複数の旋回パージエアダクト及び複数の微風量正圧遮断エアダクト入口が設けられ、音波導管キャビティ内部は、旋回パージエアダクトと連通し、微風量正圧遮断エアダクト入口は、微風量正圧遮断エアダクト内部キャビティと連通し、微風量正圧遮断エアダクト内部キャビティに微風量正圧遮断エアダクト送風口が形成され、微風量正圧遮断エアダクト送風口は、音波導管キャビティ内部に設けられた音波導管内部キャビティと連通し、圧縮空気は、旋回パージエアダクトから円周方向の接線方向に沿って音波導管キャビティ内部に入り、パージ風は、旋回パージエアダクトを通過して旋回パージ風を形成し、少量の圧縮空気は、微風量正圧遮断エアダクト入口を通過して微風量正圧遮断エアダクト内部キャビティに入り、そして、微風量正圧遮断エアダクト送風口を通過して音波導管内部キャビティに入り、音波導管内部のヘッド部に剛性エアーカーテンを形成し、音波導管ヘッド部の微正圧を保持する、
ことを特徴とする請求項1、3、4、5又は6に記載の石炭焚きボイラの音響温度測定装置の詰まり防止パージシステム。
【請求項10】
正常動作時、サージタンク内の圧縮空気がパージ主管路を通過して各音響温度測定部品に到達するように、主管路手動弁、定期パージ分岐路電磁弁、定期パージ分岐路手動弁、微圧パージ分岐路手動弁、微圧パージ分岐路調圧弁を開くステップと、
パージを必要とする場合、パージコントローラによりパージプログラムを設定し、定期パージ分岐路手動弁により定期パージ分岐路の排気量を手動で調整し、調整が完了した後に日常動作時に調整する必要がなく、音響温度測定部品の測定順序に基づいて、測定間隔時間内に、パージコントローラがパージプログラムに従って定期パージ分岐路電磁弁のオンオフを制御して、定期パージ分岐路のそれに連通する音波導管のパージを実現し、微圧パージ分岐路調圧
弁の調整と圧力計の数値の観察により、調圧弁調整分岐路の空気量を小さい流量に設定し、音波導管内の静圧を微正圧に保持し、炉床内の局所的な微正圧時に煙中の灰が音波導管に入ることを防止し、微圧パージ分岐路手動弁により現場で手動でパージし、明らかな詰まりが発生する場合、パージ空気量を増加させ、音波導管内に堆積された灰をタイムリーに吹き飛ばし、そして、パージコントローラが、音波導管内の圧力センサによって検出されたパラメータを受信し、パージ後の圧力降下速度に基づいて、測定孔の内部がスムーズであるか否かを判断し、ある音響温度測定部品の圧力伝達管内の圧力降下速度が遅くなる場合、該音響温度測定部品の次回の定期パージ時間を増加させて、測定孔がスムーズであることを保持するステップと、を含む、
ことを特徴とする請求項1~7のいずれか一項に記載の石炭焚きボイラの音響温度測定装置の詰まり防止パージシステムの使用方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、音響温度測定の技術分野に関し、具体的には、石炭焚きボイラの音響温度測定機器の詰まり防止パージシステム及び使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、石炭焚きボイラは、依然として高温プローブ熱電対などの接触式温度測定方法を用いて炉床内の高温煙温度を測定することが多く、音響温度測定技術の発展に伴い、現在、一部の石炭焚きボイラは、音響温度測定機器を適用して炉床内の高温煙温度を測定することになる。
【0003】
石炭焚きボイラの燃料が燃料炭であり、炉床内の煙の灰含有量が高いため、灰が音響温度測定機器の測定部品内に入ると測定部品の損傷を引き起こす可能性があり、測定孔の長期的な灰堆積がまた音響温度測定孔の詰まりを引き起こしやすく、ボイラ内の火炎が傾斜する場合、コーキング詰まり又は局所的高温による部品の損傷の状況が発生する可能性があり、音響温度測定機器が長周期に安定して動作するようにするために、詰まり防止パージシステムを同時に配置する必要がある。
【0004】
各音響温度測定部品に常に計器用圧縮空気を流してパージし詰まりを防止する場合、流量を合理的に設定しないと、大量のエネルギー浪費を引き起こすか又は詰まり防止効果に影響を与える。発電所の上流の計器用空気圧縮機に排水故障が発生する場合、計器用空気ベルトの水が音響温度測定部品を損傷する可能性がある。上流の空気源圧力が安定しない場合、詰まり防止パージ効果は、影響を受ける可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来技術における技術的課題を解決するために、本発明は、石炭焚きボイラの音響温度測定機器の詰まり防止パージシステム及び使用方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成し、上記技術的効果を達成するために、本発明は、以下の技術手段を用いる。
【0007】
石炭焚きボイラの音響温度測定機器の詰まり防止パージシステムは、
サージタンク及びそれと連通する自動排水弁を含み、前記サージタンクの内部に圧縮空気が充填され、下流パージ用空気を保圧する、自動排水サージタンクと、
パージ主管路であって、上流がサージタンクに接続され、下流が各音響温度測定部品に接続され、前記サージタンクとパージ主管路との間に主管路手動弁が設けられ、パージ主管路と各音響温度測定部品との間に微圧パージ分岐路及び定期パージ分岐路が設けられ、定期パージ分岐路のパージ圧力及び空気量がいずれも微圧パージ分岐路の場合より高い、パージ主管路と、を含み、正常動作時、主管路手動弁が開いており、サージタンク内の圧縮空気がパージ主管路を通過して各音響温度測定部品に到達し、途中でそれぞれ各微圧パージ分岐路及び定期パージ分岐路に接続されてパージを実現し、微圧パージ分岐路の空気量を制御することにより、音響温度測定部品の音波導管内の静圧を微正圧に保持する。
【0008】
さらに、前記サージタンクの吸気口は、タンク本体の中下部に設けられ、その通気口は、タンク本体の上部に設けられ、発電所によって提供された計器用圧縮空気は、金属管路を介してサージタンクに接続され、計器用圧縮空気に水が含まれる場合、水分は、サージタンクの中下部に残留し、かつ自動排水弁によりサージタンクから排出され、下流パージ管路に入らない。
【0009】
さらに、前記微圧パージ分岐路には、調圧弁調整分岐路及び手動弁調整分岐路が取り付けられ、前記調圧弁調整分岐路及び手動弁調整分岐路の下流は、いずれも音響温度測定部品の音波導管に接続される。
【0010】
さらに、前記調圧弁調整分岐路には、微圧パージ分岐路調圧弁が取り付けられ、微圧パージ分岐路調圧弁の調整と圧力計の数値の観察により、調圧弁調整分岐路の空気量を小さい流量に設定し、音波導管内の静圧を微正圧に保持し、炉床内の局所的な微正圧時に煙中の灰が音波導管に入ることを防止する。
【0011】
さらに、前記手動弁調整分岐路には、現場で手動でパージする微圧パージ分岐路手動弁が取り付けられ、明らかな詰まりが発生する場合、パージ空気量を増加させ、音波導管内に堆積された灰をタイムリーに吹き飛ばす。
【0012】
さらに、前記定期パージ分岐路には、定期パージ分岐路手動弁及び定期パージ分岐路電磁弁が順に設けられ、前記定期パージ分岐路電磁弁の下流が音響温度測定部品の音波導管に接続され、定期パージ分岐路における圧縮空気は、順に定期パージ分岐路手動弁及び定期パージ分岐路電磁弁を通過した後に音波導管に入り、定期パージ分岐路手動弁により定期パージ分岐路の排気量を手動で調整する。
【0013】
さらに、前記定期パージ分岐路電磁弁は、定期パージ分岐路電磁弁回路によりパージコントローラに接続される。
【0014】
さらに、前記音波導管には、圧力センサが取り付けられ、前記圧力センサは、音波導管内の圧力センサ回路によりパージコントローラに接続される。
【0015】
さらに、前記音波導管は、部品接続フランジ、音波導管キャビティ、微風量正圧遮断エアダクト内部キャビティ、旋回パージエアダクト及び管座接続フランジを含み、前記音波導管キャビティの一端に部品接続フランジが設けられ、部品接続フランジは、音響温度測定部品を接続固定し、音波導管キャビティの対向する他端に管座接続フランジが設けられ、音波導管キャビティ全体は、90°円弧状エルボ構造を呈し、音波導管キャビティの他端に微風量正圧遮断エアダクト内部キャビティ、複数の旋回パージエアダクト及び複数の微風量正圧遮断エアダクト入口が設けられ、音波導管キャビティ内部は、旋回パージエアダクトと連通し、微風量正圧遮断エアダクト入口は、微風量正圧遮断エアダクト内部キャビティと連通し、微風量正圧遮断エアダクト内部キャビティに微風量正圧遮断エアダクト送風口が形成され、微風量正圧遮断エアダクト送風口は、音波導管キャビティ内部に設けられた音波導管内部キャビティと連通し、圧縮空気は、旋回パージエアダクトから円周方向の接線方向に沿って音波導管キャビティ内部に入り、パージ風は、旋回パージエアダクトを通過して旋回パージ風を形成し、少量の圧縮空気は、微風量正圧遮断エアダクト入口を通過して微風量正圧遮断エアダクト内部キャビティに入り、そして、微風量正圧遮断エアダクト送風口を通過して音波導管内部キャビティに入り、音波導管内部のヘッド部に剛性エアーカーテンを形成し、音波導管ヘッド部の微正圧を保持する。
【0016】
石炭焚きボイラの音響温度測定機器の詰まり防止パージシステムの使用方法は、
正常動作時、サージタンク内の圧縮空気がパージ主管路を通過して各音響温度測定部品に到達するように、主管路手動弁、定期パージ分岐路電磁弁、定期パージ分岐路手動弁、微圧パージ分岐路手動弁、微圧パージ分岐路調圧弁を開くステップと、
パージを必要とする場合、パージコントローラによりパージプログラムを設定し、定期パージ分岐路手動弁により定期パージ分岐路の排気量を手動で調整し、調整が完了した後に日常動作時に調整する必要がなく、音響温度測定部品の測定順序に基づいて、測定間隔時間内に、パージコントローラがパージプログラムに従って定期パージ分岐路電磁弁のオンオフを制御して、定期パージ分岐路のそれに連通する音波導管のパージを実現し、微圧パージ分岐路調圧弁調の調整と圧力計の数値の観察により、調圧弁調整分岐路の空気量を小さい流量に設定し、音波導管内の静圧を微正圧に保持し、炉床内の局所的な微正圧時に煙中の灰が音波導管に入ることを防止し、微圧パージ分岐路手動弁により現場で手動でパージし、明らかな詰まりが発生する場合、パージ空気量を増加させ、音波導管内に堆積された灰をタイムリーに吹き飛ばし、そして、パージコントローラが、音波導管内の圧力センサによって検出されたパラメータを受信し、パージ後の圧力降下速度に基づいて、測定孔の内部がスムーズであるか否かを判断し、ある音響温度測定部品の圧力伝達管内の圧力降下速度が遅くなる場合、該音響温度測定部品の次回の定期パージ時間を増加させて、測定孔がスムーズであることを保持するステップと、を含む。
【発明の効果】
【0017】
従来技術に比べて、本発明の有益な効果は、以下のとおりである:
本発明は、石炭焚きボイラの音響温度測定機器の詰まり防止パージシステム及び使用方法を開示する。該システムは、サージタンク及びそれと連通する自動排水弁を含み、上記サージタンクの内部に圧縮空気が充填され、下流パージ用空気を保圧する、自動排水サージタンクと、パージ主管路であって、上流がサージタンクに接続され、下流が各音響温度測定部品に接続され、上記サージタンクとパージ主管路との間に主管路手動弁が設けられ、パージ主管路と各音響温度測定部品との間に微圧パージ分岐路及び定期パージ分岐路が設けられ、定期パージ分岐路のパージ圧力及び空気量がいずれも微圧パージ分岐路の場合より高い、パージ主管路と、を含み、正常動作時、主管路手動弁が開いており、サージタンク内の圧縮空気がパージ主管路を通過して各音響温度測定部品に到達し、途中でそれぞれ各微圧パージ分岐路及び定期パージ分岐路に接続され、微圧パージ分岐路の空気量を制御することにより、音響温度測定部品の音波導管内の静圧を微正圧に保持する。本発明に係る石炭焚きボイラの音響温度測定機器の詰まり防止パージシステム及び使用方法は、微圧パージ分岐路及び定期パージ分岐路によりパージを実現し、微圧パージ分岐路には、調圧弁調整分岐路及び手動弁調整分岐路が取り付けられ、調圧弁調整分岐路に微圧パージ分岐路調圧弁が取り付けられ、手動弁調整分岐路に微圧パージ分岐路手動弁が取り付けられ、定期パージ分岐路には、定期パージ分岐路手動弁及び定期パージ分岐路電磁弁が設けられ、手動弁、電磁弁のオンオフの制御により定期定量パージを実現し、音波導管内に堆積された灰をタイムリーに吹き飛ばすことができ、そして、パージ後の圧力降下速度に基づいて、測定孔の内部がスムーズであるか否かを判断し、音響温度測定部品の定期パージ時間をタイムリーに調整し、測定孔がスムーズであることを確保することができ、インテリジェント化レベルが高く、パージ効率が高く、満足な詰まり防止パージ効果を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図3】本発明の音波導管の構造を示す概略斜視図である。
【
図5】本発明の
図4における断面図であり、図aは、本発明の
図4におけるA-A断面図であり、図bは、本発明の
図4におけるB-B断面図であり、図cは、本発明の
図4におけるC-C断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、当業者が本発明の利点及び特徴をより容易に理解するように、本発明を詳細に説明することにより、本発明の保護範囲をより明らかに限定する。
【0020】
1つ以上の態様に関する基本的な理解を提供するために、以下、そのような態様の簡単な概要を示す。この概要は、すべての熟考された態様の外延的な要旨でなく、また、すべての態様のキー又は重大な要素を識別するものでもなければ、任意又はすべての態様の範囲を詳しく説明するものでもない。その唯一の目的は、後述するより詳細な説明の前段階として、1つ以上の態様のいくつかの概念を簡単な形式で提示することである。
【0021】
なお、本発明の説明において、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「頂」、「底」、「内」、「外」などの用語が示す方位又は位置関係は、図面に示す方位又は位置関係に基づくものであり、本発明を容易に説明するか又は説明を簡略化するためのものに過ぎず、示された装置又は部品が特定の方位を有し、特定の方位で構成され操作されなければならないことを指示又は暗示するものではないため、本発明を限定するものとして理解すべきではない。
【0022】
図1~5に示すように、石炭焚きボイラの音響温度測定機器の詰まり防止パージシステムは、自動排水サージタンク及びパージ主管路4を含み、
自動排水サージタンクは、サージタンク1及び自動排水弁2を含み、発電所によって提供された計器用圧縮空気が金属管路を介してサージタンク1に接続され、サージタンク1は、内部に圧縮空気が充填された後に一定の高圧力を保持し、下流パージ用空気を保圧し、サージタンク1の吸気口がタンク本体の中下部に設けられ、その通気口がタンク本体の上部に設けられ、計器用圧縮空気に水が含まれる場合、水分は、サージタンク1の中下部に残留し、一定量に達すると自動排水弁2によりサージタンク1から排出され、下流パージ管路に入らず、
パージ主管路4は、金属管路を溶接して構成された圧縮空気輸送管路であり、上流がサージタンク1に接続され、下流が各音響温度測定部品に接続され、末端がT型管により、それぞれ微圧パージ分岐路5と定期パージ分岐路6である2つの分岐路に変換され、サージタンク1とパージ主管路4との間に主管路手動弁3が設けられ、主管路手動弁3は、ユニットが停止し冷却した後に手動で閉じられることにより、空気供給管路を閉じ、不必要な空気消費を減少させ、正常動作時、主管路手動弁3が開いており、サージタンク1内の圧縮空気は、パージ主管路4を通過して各音響温度測定部品に到達し、途中でT型管によりそれぞれ各微圧パージ分岐路5及び定期パージ分岐路6に接続される。
【0023】
具体的な実施形態として、微圧パージ分岐路5には、調圧弁調整分岐路及び手動弁調整分岐路が取り付けられ、下流がいずれも音響温度測定部品の音波導管7(音響温度測定音響伝達装置)に接続される。調圧弁調整分岐路には、微圧パージ分岐路調圧弁14が取り付けられ、微圧パージ分岐路調圧弁14の調整と圧力計の数値の観察により、調圧弁調整分岐路の空気量を小さい流量に設定し、目的は、小さい空気消費量により音波導管7内の静圧を微正圧に保持し、炉床内の局所的な微正圧時に煙中の灰が音波導管7に入ることを防止することである。手動弁調整分岐路には、現場で手動でパージする微圧パージ分岐路手動弁13が取り付けられ、明らかな詰まりが発生する場合、パージ空気量を増加させ、音波導管7内に堆積された灰をタイムリーに吹き飛ばす。
【0024】
定期パージ分岐路6には、定期パージ分岐路手動弁12及び定期パージ分岐路電磁弁11が設けられ、定期パージ分岐路電磁弁11の下流が音響温度測定部品の音波導管7に接続され、定期パージ分岐路6における圧縮空気は、順に定期パージ分岐路手動弁12及び定期パージ分岐路電磁弁11を通過した後に音波導管7に入る。圧縮空気の圧力パラメータに基づいて定期パージ分岐路手動弁12を適切な開度に調整して、単回のパージの圧力要求を満たし、定期パージ分岐路電磁弁11により単回のパージの開始及び終了を制御する。定期パージ分岐路手動弁12は、定期パージ分岐路6の排気量を手動で調整するものであり、調整が完了した後に日常動作時に調整する必要がない。定期パージ分岐路電磁弁11は、定期パージ分岐路電磁弁回路8によりパージコントローラ10に接続される。定期パージ分岐路6のパージ圧力及び空気量は、いずれも微圧パージ分岐路5の場合より高く、定期パージの目的は、測定孔の内部が堆積された灰又はコークスで塞がれることを防止することである。
【0025】
音波導管7には、圧力センサが取り付けられ、該圧力センサは、音波導管7内部の静圧パラメータを測定でき、音波導管内の圧力センサ回路9によりパージコントローラ10に接続される。
【0026】
パージコントローラ10は、プログラムが書き込まれたPLCであり、パージプログラムを内蔵し、パージコントローラ10が定期パージ設定を担当し、内蔵されたパージプログラムにより、定期パージ分岐路電磁弁11のオンオフを制御することにより、定期パージを実現する。音響温度測定部品の測定順序に基づいて、測定間隔時間内に、定期パージ分岐路6を制御して音波導管7を一つずつパージする。音響温度測定部品の測定順序に基づいて、測定間隔時間内に、定期パージ分岐路を制御して音波導管を一つずつパージする。そして、パージコントローラ10は、音波導管7内の圧力センサのパラメータにアクセスし、パージ後の圧力降下速度に基づいて、測定孔の内部がスムーズであるか否かを判断し、ある温度測定部品の圧力伝達管内の圧力降下速度が遅くなる場合(即ち、局所的な詰まりが発生し始める)、該温度測定部品の次回の定期パージ時間を増加させて、測定孔がスムーズであることを保持する。
【0027】
具体的な実施形態として、音波導管7は、部品接続フランジ71、音波導管キャビティ72、旋回パージエアダクト74及び管座接続フランジ75などを含み、音波導管キャビティ72の一端に部品接続フランジ71が設けられ、部品接続フランジ71は、音響温度測定部品(発音部品又は収音部品)を接続固定し、音波導管キャビティ72の対向する他端に管座接続フランジ75が設けられ、管座接続フランジ75は、音波導管全体を水冷壁の温度測定管座に接続固定し、音波導管キャビティ72全体は、90°円弧状エルボ構造を呈し、音響温度測定一次部品は、鉛直下向きに取り付けられ、音波導管キャビティ72内の灰は、自重の影響を受けて音響温度測定一次部品の内部に入りにくい。
【0028】
具体的な実施形態として、音波導管キャビティ72の円弧状エルボの末端の水平部に複数の旋回パージエアダクト74が間隔をあけて設けられ、好ましくは、円周方向の接線方向に沿って4つの旋回パージエアダクト74が均一に設けられ、合計で4つの吸気口があり、旋回パージエアダクト74の一端は、傾斜式で音波導管キャビティ72内に挿入され、旋回パージエアダクト74の他端は、音波導管キャビティ72から伸び出して、旋回パージ空気管路に接続され、圧縮空気は、旋回パージエアダクト74から円周方向の接線方向に沿って音波導管キャビティ72内部に入り、パージ風は、旋回パージエアダクト74を通過して旋回パージ風を形成し、一般的なストレートパージ風に比べて、パージ外乱が大きく、パージ風は、音波導管キャビティ72の内壁に沿って前向きに旋回して、音波導管キャビティ72の内壁面の灰をよりよく持ち出すことができる。
【0029】
音波導管キャビティ72の管座接続フランジ75に近接する右端の水平部の末端の外部に鋼管710が同心状に外嵌され、該鋼管710と音波導管キャビティ72との間の環状空間は、微風量正圧遮断エアダクト内部キャビティ77であり、微風量正圧遮断エアダクト内部キャビティ77は、音波導管キャビティ72に平行に設けられた複数の補強リブ709により複数の個別領域に仕切られ、補強リブ709は、微風量正圧遮断エアダクト内部キャビティ77の内部空間を維持し、変形を防止する。
【0030】
音波導管キャビティ72と鋼管710には、複数の微風量正圧遮断エアダクト入口73が傾斜して設けられ、微風量正圧遮断エアダクト内部キャビティ77の末端にスリット微風量正圧遮断エアダクト送風口76が形成され、音波導管キャビティ72の内部に音波導管内部キャビティ78が形成され、微風量正圧遮断エアダクト入口73の一端は、音波導管キャビティ72と鋼管710から伸び出し、微風量正圧遮断エアダクト入口73の対向する他端は、微風量正圧遮断エアダクト内部キャビティ77と連通してから、微風量正圧遮断エアダクト送風口76を介して音波導管内部キャビティ78と連通し、圧縮空気は、微風量正圧遮断エアダクト入口73を通過して微風量正圧遮断エアダクト内部キャビティ77に入り、そして、微風量正圧遮断エアダクト送風口76を通過して音波導管内部キャビティ78に入り、音波導管内部に剛性エアーカーテンを形成し、射出された環状気流が音波導管内部キャビティ78のフランジコネクタに近接する端面に形成した剛性エアーカーテンは、円錐形であり、送風口の風速が高く、全体的な剛性が高く、音波導管ヘッド部の微正圧を保持し、炉床内の煙中の灰が音波導管内部に入ることを防止することができる。
【0031】
微風量正圧遮断エアダクト送風口76と管座接続フランジ75のコネクタ端面は、前向きに約20°の夾角を形成して、外部の煙を外向きに押し、さらに、灰が入ることを防止するとともに、送風口の面積が小さく、空気消費量が少ない。
【0032】
より具体的な実施形態として、微風量正圧遮断エアダクト入口73が2つ設けられ、2つの微風量正圧遮断エアダクト入口73は、それぞれ音波導管キャビティ72の両側に傾斜して設けられ、微風量正圧遮断エアダクト入口73と音波導管キャビティ72都の間の夾角を実際の必要に応じて柔軟に設計する。
【0033】
本発明の具体的に説明されない部分又は構造は、従来技術又は従来の製品を用いればよく、ここでは説明を省略する。
【0034】
以上は、本発明の実施例に過ぎず、本発明の特許請求の範囲を限定するものではなく、本発明の明細書及び図面の内容を利用して行われる等価構成又は等価フロー変更、或いは、他の関連する技術分野に直接的又は間接的に適用したものは、いずれも同様に本発明の特許請求の範囲に含まれる。