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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-28
(45)【発行日】2025-02-05
(54)【発明の名称】釣用仕掛け
(51)【国際特許分類】
   A01K 85/00 20060101AFI20250129BHJP
   A01K 83/00 20060101ALI20250129BHJP
【FI】
A01K85/00 K
A01K85/00 B
A01K83/00 Z
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2021024251
(22)【出願日】2021-02-18
(65)【公開番号】P2022126271
(43)【公開日】2022-08-30
【審査請求日】2023-12-13
(73)【特許権者】
【識別番号】322013041
【氏名又は名称】株式会社ジャッカル
(74)【代理人】
【識別番号】100109911
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 義仁
(74)【代理人】
【識別番号】100071168
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 久義
(74)【代理人】
【識別番号】100099885
【弁理士】
【氏名又は名称】高田 健市
(72)【発明者】
【氏名】藤松 弘一
【審査官】田辺 義拓
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3223600(JP,U)
【文献】特開2017-000081(JP,A)
【文献】特開2020-014389(JP,A)
【文献】特許第6137905(JP,B2)
【文献】中国特許出願公開第104067992(CN,A)
【文献】米国特許第05537775(US,A)
【文献】中国特許出願公開第110742028(CN,A)
【文献】韓国公開特許第10-2013-0012383(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01K 85/00
A01K 83/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
釣針と、ヘッドとを備えた釣用仕掛けであって、
前記釣針は、軸部と、その軸部の先端側に設けられたベンド部と、前記軸部の基端側に設けられた挿着部とを有する線状材によって構成され、
前記ヘッドには、そのヘッドを貫通し、かつ前記挿着部を挿着するための釣針挿着孔が設けられ、
前記挿着部には、折返し端部が突出端となるようにU字状ないしヘアピン状に曲成された突出部が設けられ、
前記挿着部が、前記釣針挿着孔にその一端開口から引抜可能に挿入されて、前記突出部の前記折返し端部が前記釣針挿着孔の他端開口から引き出されるとともに、その引き出された前記折返し端部がアイとして構成され、
差込固定具が前記釣針挿着孔に引抜可能に圧入固定されて、その差込固定具に前記釣針が掛止することによって、前記ヘッドに対する前記釣針の外れ止めが図られるように構成され
前記挿着部は、前記突出部を2つ有し、その2つの突出部は互いに同方向に突出して並列に配置されて、
前記ヘッドの前記釣針挿着孔に、前記2つの突出部間を仕切るように仕切壁が設けられ、前記2つの突出部がその弾性力に基づいて前記仕切壁を挟持できるように構成されていることを特徴とする釣用仕掛け。
【請求項2】
前記差込固定具は、前記釣針の軸部にスライド自在に外嵌された差込パイプによって構成され、
そのスライド操作によって、前記差込パイプが前記釣針挿着孔に対し挿脱されるように構成されている請求項に記載の釣用仕掛け。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、錘体としてのヘッドに釣針が取り付けられたタチウオ用テンヤ等の釣用仕掛けに関する。
【背景技術】
【0002】
タチウオをターゲットとするタチウオ釣り用の仕掛けとして、タチウオ用テンヤと称される仕掛けが周知である。このタチウオ用テンヤは、ヘッドと称される錘体に釣針が一体的に取り付けられた仕掛けであり、この仕掛けにエサを巻き付けて使用するものである。
【0003】
近年このような仕掛けにおいて、ヘッドに対し釣針が着脱自在に取り付けられたものが提案されている。例えば下記特許文献1に示す釣用仕掛けは、釣針の軸部(胴部)にU字状に屈曲形成された屈曲部が一体に連設される一方、ヘッドには屈曲部に対応して差込孔が形成されている。そして釣針のU字状屈曲部を弾性圧縮変形させつつヘッドの差込孔に挿入した後、弾性復帰させることによって、釣針の屈曲部を差込孔に係合してヘッドに釣針を抜け止め状態に取り付けるようにしている。一方、ヘッドから釣針を取り外す場合には、釣針の屈曲部を弾性圧縮変形させて差込孔に対する係合を解除した後、屈曲部を差込孔から抜き取るようにしている。
【0004】
このような釣針着脱式のヘッドにおいては、釣針が破損したような場合には、釣針だけを交換すれば良く、経済的に有効である。さらに釣り場の状況やターゲットに応じて、釣針およびヘッドとして所望の種類のものをそれぞれ個別に選択することができ、満足の行く組み合わせの仕掛けを確実に作製することができ、釣魚効果も十分に期待することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特許第6137905号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1に示す従来の釣針着脱式のヘッドにおいては、釣針を着脱する際には、釣針における微細な屈曲部を確実に弾性圧縮変形させる必要があるため、釣り人にとって、この変形操作は緻密で集中力が必要な面倒な作業となり、釣針のヘッドに対する着脱作業が困難であるという課題があった。
【0007】
この発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、釣針をヘッドに対し簡単に着脱することができるタチウオ用テンヤ等の釣用仕掛けを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明は以下の構成を要旨とするものである。
【0009】
[1]釣針と、ヘッドとを備えた釣用仕掛けであって、
前記釣針は、軸部と、その軸部の先端側に設けられたベンド部と、前記軸部の基端側に設けられた挿着部とを有する線状材によって構成され、
前記ヘッドには、そのヘッドを貫通し、かつ前記挿着部を挿着するための釣針挿着孔が設けられ、
前記挿着部には、折返し端部が突出端となるようにU字状ないしヘアピン状に曲成された突出部が設けられ、
前記挿着部が、前記釣針挿着孔にその一端開口から引抜可能に挿入されて、前記突出部の前記折返し端部が前記釣針挿着孔の他端開口から引き出されるとともに、その引き出された前記折返し端部がアイとして構成され、
差込固定具が前記釣針挿着孔に引抜可能に圧入固定されて、その差込固定具に前記釣針が掛止することによって、前記ヘッドに対する前記釣針の外れ止めが図られるように構成されていることを特徴とする釣用仕掛け。
【0010】
[2]前記挿着部は、前記突出部を2つ有し、その2つの突出部は互いに同方向に突出して並列に配置されている前項1に記載の釣用仕掛け。
【0011】
[3]前記ヘッドの前記釣針挿着孔に、前記2つの突出部間を仕切るように仕切壁が設けられ、前記2つの突出部がその弾性力に基づいて前記仕切壁を挟持できるように構成されている前項2に記載の釣用仕掛け。
【0012】
[4]前記差込固定具は、前記釣針の軸部にスライド自在に外嵌された差込パイプによって構成され、
そのスライド操作によって、前記差込パイプが前記釣針挿着孔に対し挿脱されるように構成されている前項1~3のいずれか1項に記載の釣用仕掛け。
【発明の効果】
【0013】
発明[1]の釣用仕掛けによれば、釣針の挿着部をヘッドの釣針挿着孔に挿入して差込固定具を釣針挿着孔に圧入するだけで釣針をヘッドに取り付けることができるとともに、圧入された差込固定具を釣針挿着孔から引き抜いて挿着部を釣針挿着孔から抜き取るだけで釣針をヘッドから取り外すことができるため、釣針のヘッドに対する着脱作業を簡単かつ確実に行うことができる。
【0014】
発明[2]の釣用仕掛けによれば、挿着部に突出部が2つ設けられているため、2つの突出部が釣針挿着孔に挿着されることによって挿着部を安定した状態でヘッドに取り付けることができる。さらに2つの突出部の各折返し端部によって2つのアイを形成できるため、所望のいずれか一方のアイを選択して使用でき、優れた釣魚効果を得ることができる。
【0015】
発明[3]の釣用仕掛けによれば、釣針の挿着部を釣針挿着孔内に挿入した際に、並設された2つの突出部によって釣針挿着孔内の仕切壁を弾性挟持するように構成しているため、挿着部をより一層安定した状態でヘッドに取り付けることができる。
【0016】
発明[4]の釣用仕掛けによれば、釣針をヘッドに固定するための差込固定具としての差込パイプを、釣針の軸部にスライド自在に外嵌しているため、差込パイプをスライド操作するだけで釣針挿着孔に対し挿脱することができ、釣針のヘッドに対する着脱作業をより一層簡単に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1はこの発明の実施形態であるタチウオ用テンヤとしての釣用仕掛けにおいてエサを取り付けた状態で示す側面図である。
図2図2は実施形態の釣用仕掛けを示す側面断面図である。
図3図3図2の分解図である。
図4図4は実施形態の釣用仕掛けを分解して示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1図4はこの発明の実施形態である釣用仕掛けを示す図である。なお以下の説明においては、発明の理解を容易にするために、図1図3の紙面に向かって右側を「先端側」、左側を「基端側」、下側を「フトコロ(ゲイプ)側」、上側を「反フトコロ(反ゲイプ)側」として説明する。言うまでもなく、本発明の仕掛けは、前後左右上下方向が限定されるものではない。
【0019】
これらの図に示すように、本実施形態の釣用仕掛けは、タチウオ用テンヤを構成するものであり、掛け針としての釣針1と、差込固定具を構成する差込パイプ4と、錘体としてのヘッド5とを基本的な構成要素として備えている。
【0020】
釣針1は、金属製の線状材を成形して形成されたものであり、略直線状のシャンク部としての軸部(胴部)、軸部11の先端側に設けられ、かつ図1図3の下側に折り返すように曲成された曲がり部としてのベンド部12と、ベンド部12の先端に設けられたフックポイントとしての針先部13と、軸部11の基端側に設けられ、かつ取付状態ではヘッド5内に挿着される挿着部2とを一体的に備えている。
【0021】
挿着部2は、軸部11の基端側に設けられた第1突出部21と、第1突出部21の基端側に設けられた連結部25と、連結部25の基端側に設けられた第2突出部22と、第2突出部22の基端側に設けられた掛止部26とを一体的に備え、全体として「M」字状に形成されている。
【0022】
第1突出部21および第2突出部22は、それぞれ反フトコロ側(図1図3の上側)に向けて突出するようにヘアピン状ないしU字状に曲成された形状を有し、突出側の端部(突出端)である各折返し端部31,32が軸部11に対し反フトコロ側に配置され、かつ非突出側の端部である各開口部がフトコロ側(図1図3の下側)に向けて開口している。
【0023】
第1突出部21および第2突出部22は、軸部11の長さ方向に沿って並ぶように並列に配置されており、上記の連結部25によって、第1突出部21の両側片のうち基端側の片と、第2突出部22の両側片のうち先端側の片とが連結されている。
【0024】
連結部25は、突出部21,22とは反対側のフトコロ側(図1図3の下側)に向けて突出するようにヘアピン状ないしU字状に曲成された形状を有し、突出側の端部である折返し端部35が軸部11に対しフトコロ側に配置されている。
【0025】
また第2突出部22の基端側の片に連設される上記掛止部26は、基端側に向けて直線状に延びるように形成されている。
【0026】
なお釣針1の軸部11には、複数の針部材15が固着されており、針部材15に設けられたエサ付け針16が反フトコロ側に向けて突出するように配置されている。
【0027】
釣針1の軸部11の基端側には、パイプ状に形成されたプラスチック製差込パイプ4が設けられている。この差込パイプ4はそのパイプ孔内に軸部11が挿通されるように取り付けられており、軸部11に沿ってスライド移動できるように構成されている。
【0028】
差込パイプ4の先端側(図1図3の右側)の端部にはフランジ部41が形成されている。さらに差込パイプ4は、そのフランジ部41も含めた周胴部に、軸心に沿って連続して延びるスロット42が形成されており、差込パイプ4をそのスロット42を拡開するように弾性変形することによって、差込パイプ4を後付けで釣針1の軸部11に外嵌して挿着できるように構成されている。
【0029】
一方、ヘッド5は小魚等のベイトの頭部を模倣した外観形状に形成されており、図1図3の下側(フトコロ側)から上側(反フトコロ側)にかけて貫通する釣針挿着孔50が形成されている。この釣針挿着孔50は、釣針1の挿着部2および軸部11の基端側を挿入できるように、釣針挿着孔50の厚み寸法が、釣針1を構成する線状材の外径寸法よりも大きく形成されている。
【0030】
さらに釣針挿着孔50は、そのフトコロ側(図1図3の下側)の開口(一端開口)50aは、軸長方向(図1図3の左右方向)の寸法が広く形成されており、その一端開口50aから、釣針1の挿着部2および軸部11の基端側を挿入できるように構成されている。さらに釣針挿着孔50における反フトコロ側(図1図3の上側)の開口(他端開口)50bは、一端開口50aに比べて軸長方向の寸法が小さく形成されており、その他端開口50bから、挿着部2における第1および第2突出部21,22の折返し端部(突出端部)31,32を引き出した状態に配置できるよう構成されている。
【0031】
また釣針挿着孔50には、第1および第2突出部21,22間に対応して、仕切壁55が形成されている。釣針挿着孔50における仕切壁55によりも先端側(図1図3の右側)が、第1突出部21を収容可能な第1突出部用孔51として構成されるとともに、仕切壁55よりも基端側(図1図3の左側)が、第2突出部22を収容可能な第2突出部用孔52として構成されている。
【0032】
なお仕切壁55の幅寸法は、第1および第2突出部21,22間の寸法よりも厚く形成されており、後述するように釣針1の挿着部2を釣針挿着孔50に挿入する際には、第1および第2突出部21,22をその間の間隔を押し広げるよう弾性変形させつつ挿着部2を挿入するように構成されている。
【0033】
また釣針挿着孔50における軸部11の基端側に対応する部分であるパイプ圧入部54は、その径寸法が差込パイプ4の外径寸法に対応して形成されており、パイプ圧入部54内に、差込パイプ4を圧入して固定できるように構成されている。
【0034】
また釣針挿着孔50における掛止部26に対応する部分には、被掛止部56が設けられており、掛止部26が被掛止部56に当接掛止することによって、挿着部2がヘッド5に対し反フトコロ側(図1図3の上側)への移動が阻止されるように構成されている。
【0035】
以上の構成のヘッド5に、上記構成の釣針1を挿着するには図3に示すように、釣針1における差込パイプ4を先端側にスライド移動させて、第1突出部21から先端側に離間させた状態としておく。
【0036】
その状態で、釣針1における挿着部2および軸部11の基端側を、ヘッド5の釣針挿着孔50にその一端開口50a側から挿入し、第1突出部21および第2突出部22を第1突出部用孔51および第2突出部用孔52にそれぞれ挿通して、両突出部21,22の各折返し端部31,32を釣針挿着孔50の他端開口50bから引き出した状態に配置するとともに、連結部25の折返し端部35は、釣針挿着孔50に挿入せず一端開口50aからフトコロ側に突出した状態に配置しておく。
【0037】
この挿入時においては、挿着部2の掛止部26が、釣針挿着孔50の被掛止部56に当接することにより、位置決めされて挿着部2が適正な挿入位置に配置される。換言すると、挿着部2が必要以上に過度に挿入されるのを防止することができる。
【0038】
ここで既述したように釣針挿着孔50の仕切壁55の幅寸法は、第1および第2突出部21,22間の間隔よりも大きく形成されているため、第1および第2突出部21,22は、その間を拡開するように弾性変形した状態で第1および第2突出部用孔51,52に挿通されることとなり、その挿通状態では第1および第2突出部21,22はその弾性復元力で仕切壁55を挟持することになる。これにより釣針1の挿着部2は、ヘッド5の釣針挿着孔50内に挿通された状態で仮保持されて、簡単に抜け出して外れてしまうような不具合を防止することができる。
【0039】
こうして挿着部2を釣針挿着孔50に挿通して仮保持した状態で図1および図2に示すように、軸部11の差込パイプ4を基端側にスライド操作して、差込パイプ4を釣針挿着孔50におけるパイプ圧入部54内に圧入して本固定する。これにより、釣針1の軸部11が差込パイプ4を介して釣針挿着孔50内に掛止して、釣針1がヘッド5から外れてしまうのを確実に防止することができる。
【0040】
本実施形態の釣用仕掛けにおいて、釣針1をヘッド5に組み付けた状態においては、既述したように第1および第2突出部21,22の折返し端部31,32が釣針挿着孔50の他端開口50bから引き出された状態に配置しているが、本実施形態においては、この引き出された折返し端部31,32がラインを結着する第1アイ31および第2アイ32として構成されるものである。なお本実施形態においては、折返し端部31,32とアイ31,32とは同一の参照符号を付している。
【0041】
このように釣針1をヘッド5に組み付けることによって、本実施形態の釣用仕掛け(タチウオ用テンヤ)を作製することができる。
【0042】
本実施形態の釣用仕掛けにおいては図1に示すように、バイトとしての小魚等のエサAに釣針1のエサ付け針16を差し込むようにして、エサAを釣針1の軸部11の反フトコロ側に沿わせて配置しておき、針金6を巻き付けてエサAを釣針1の軸部11に固定するものである。この際、必要に応じて釣針1における連結部25の折返し端部(引出端部)35を針金固定用の孔として利用するようにすれば良い。
【0043】
なお本実施形態の釣用仕掛けにおいてラインは、第1および第2アイ31,32のいずれか一方に結着するようにすれば良い。
【0044】
一方、本実施形態の釣用仕掛けにおいて上記とは逆手順で釣針1をヘッド5から取り外すものである。すなわち差込パイプ4を軸部11に沿って先端側にスライド操作して、釣針挿着孔5のパイプ圧入部54から抜き取る。その後、釣針1の挿着部2を、ヘッド5に対しフトコロ側(図1図3の下側)に向けて引っ張って一端開口50aから抜き取ることによって、釣針1をヘッド5から取り外すものである。
【0045】
以上の構成の本実施形態の釣用仕掛けにおいては、釣針1をヘッド5に対し着脱自在に取り付けているため、釣針1またはヘッド5が破損したような場合には、釣針1またはヘッド5だけを交換すれば良く、経済的に有効である。さらに釣り場の状況やターゲットに応じて、釣針1およびヘッド5として最適な種類のものをそれぞれ個々に選択することができ、良好な釣魚効果を期待することができる。
【0046】
また本実施形態の釣用仕掛けにおいては、釣針1の挿着部2をヘッド5の釣針挿着孔50に嵌め込んで差込パイプ4を釣針挿着孔50に圧入するだけで釣針1をヘッド5に取り付けることができるとともに、圧入された差込パイプ4を釣針挿着孔50から引き抜いて挿着部2を釣針挿着孔50から取り出すだけで釣針1をヘッド5から取り外すことができる。このように本実施形態の釣用仕掛けにおいては、差込パイプ4を抜き差しするだけで釣針1をヘッド5に対し着脱することができ、例えば従来の釣用仕掛けのように、釣針をその微細な屈曲部等を指で摘まんで弾性変形させつつヘッドに着脱するような緻密で面倒な作業が不要であり、釣針1のヘッド5に対する着脱作業を簡単かつ確実に行うことができる。
【0047】
また本実施形態の釣用仕掛けにおいては、釣針1の挿着部2に並列配置に2つの突出部21,22を形成して、その2つの突出部21,22を釣針挿着孔50内に配置するようにしているため、例えば突出部を1つにする場合等と比較して、2つの突出部21,22を釣針挿着孔50内の広い範囲に配置できて、挿着部2を安定した状態でヘッド5に取り付けることができる。
【0048】
さらに釣針1の挿着部2を釣針挿着孔50内に挿入した際に2つの突出部21,22によって釣針挿着孔50内の仕切壁55を弾性挟持するように構成しているため、挿着部2をより一層安定した状態でヘッド5に取り付けることができる。
【0049】
その上さらに、2つの突出部21,22によって釣針挿着孔50内の仕切壁55を弾性挟持することによって、挿着部2を釣針挿着孔50内に仮保持させることができる。このため差込パイプ4を釣針挿着孔50に圧入する際に、挿着部2が不用意に釣針挿着孔50から抜け落ちて釣針1が落下してしまうような不具合を確実に防止できるとともに、差込パイプ4を抜き取った直後に、挿着部2が釣針挿着孔50から抜け落ちて釣針1が落下してしまうような不具合も確実に防止できる。従って差込パイプ4の挿脱操作を効率良くスムーズに行うことができ、ひいては釣針1のヘッド5に対する着脱作業を一層簡単に行うことができる。
【0050】
また本実施形態においては、釣針1をヘッド5に固定するための差込固定具としての差込パイプ4を、釣針1の軸部11にスライド自在に外嵌しているため、差込パイプ4をスライド操作するだけで釣針挿着孔50に対しロック(固定)および解除することができ、釣針1のヘッド5に対する着脱作業をより一層簡単に行うことができる。その上さらに、差込固定具としての差込パイプ4が釣針1に連結した形態となるため、差込固定具を単独品とする場合と比較して、差込固定具の脱落や紛失を有効に防止できて、使い勝手の良い釣用仕掛けを提供することができる。
【0051】
もっとも本発明においては、差込固定具を必ずしも釣針1に挿着する必要はなく、差込固定具を釣針1とは別に取り扱うように単独品として構成しても良い。この場合例えば、釣針挿着孔50における釣針1の軸部11のフトコロ側(図1図3の下側)に差込固定具を圧入して、軸部11を差込固定具に掛止させることによって釣針1の抜け止め(固着)を図るようにしても良い。換言すると、本発明においては、差込固定具は、軸部11の外周位置に限られず、軸部11に対し掛止して釣針1の抜け止めを図ることができる位置であればどのような位置に取り付けるようにしても良い。
【0052】
また本実施形態においては、2つの突出部21,22の各折返し端部31,32をそれぞれアイとして構成しているため、2つのアイ31,32のうち、釣り場の状況やターゲットに応じて適切なアイを選択して使用することができ、釣魚効果をより一層向上させることができる。
【0053】
なお上記実施形態においては、本発明の釣用仕掛けをタチウオ用テンヤとして用いる場合を例に挙げて説明したが、本発明は、タチウオ用テンヤに限られず、釣針とヘッドとを備えた釣用仕掛けであればどのような仕掛けにも用いることができる。
【0054】
また上記実施形態においては、釣針1の挿着部2に突出部を2つ設ける場合を例に挙げて説明したが、それだけに限られず、本発明においては釣針の挿着部に突出部を1つだけ設けても良いし、3つ以上設けるようにしても良い。
【0055】
また上記実施形態においては、ヘッド5の釣針挿着孔50内に仕切壁55を設ける場合を例に挙げて説明したが、それだけに限られず、本発明においては、釣針挿着孔内に必ずしも仕切壁55を設ける必要はない。
【産業上の利用可能性】
【0056】
この発明の釣用仕掛けは、タチウオ釣りに用いられるタチウオ用テンヤとして好適に用いることができる。
【符号の説明】
【0057】
1:釣針
11:軸部
12:ベンド部
2:挿着部
21:第1突出部
22:第2突出部
31:折返し端部(第1アイ)
32:折返し端部(第2アイ)
4:差込パイプ(差込固定具)
5:ヘッド
50:釣針挿着孔
50a:一端開口
50b:他端開口
55:仕切壁
図1
図2
図3
図4