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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-28
(45)【発行日】2025-02-05
(54)【発明の名称】コード収容具及びコード収容具セット
(51)【国際特許分類】
   B65D 85/00 20060101AFI20250129BHJP
【FI】
B65D85/00 C
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021040054
(22)【出願日】2021-03-12
(65)【公開番号】P2022139595
(43)【公開日】2022-09-26
【審査請求日】2024-01-10
(73)【特許権者】
【識別番号】521106245
【氏名又は名称】アンジュール株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112874
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 薫
(72)【発明者】
【氏名】中島 忠博
【審査官】吉澤 秀明
(56)【参考文献】
【文献】実開平05-054364(JP,U)
【文献】特開平10-338229(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0327681(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 85/00
B65D 85/04
B65D 85/671
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
巻回状態にされたコードが導入されたとき、該巻回状態を維持したままで保持可能な開口空間を有するコード収容部が形成されており、
前記コードが未収容状態のときには、該開口空間が狭小化され扁平状態に変形できる構成を備え、
前記コード収容部は、前記開口空間に収容された前記コードの両端部のそれぞれを外部へ引き出し可能な構成を備える、コード収容具。
【請求項2】
コード収容具であって、
巻回状態にされたコードが導入されたとき、該巻回状態を維持したままで保持可能な開口空間を有するコード収容部が形成されており、
前記コードが未収容状態のときには、該開口空間が狭小化され扁平状態に変形できる構成を備え、
前記コード収容部の前記開口空間を覆うように設けられた蓋状部を有し、
前記コード収容具の外側から前記コード収容部の中央方向へ外力を加えると、前記蓋状部が立ち上がって前記コード収容部がより広く開口することにより、前記コードの出し入れが容易化する構成を備える、コード収容具。
【請求項3】
巻回状態にされたコードが導入されたとき、該巻回状態を維持したままで保持可能な開口空間を有するコード収容部が形成されており、
前記コードが未収容状態のときには、該開口空間が狭小化され扁平状態に変形できる構成を備え、
前記コード収容部に収容された前記コードが巻き緩むときに、最外周側の前記コードが入り込むことにより巻き緩みを抑制可能な孔部を備える、コード収容具。
【請求項4】
可撓性を有するシートにより成形されている、請求項1~3のいずれか一項に記載のコード収容具。
【請求項5】
前記コード収容部の前記開口空間を覆うように設けられた蓋状部を有する、請求項1又は3に記載のコード収容具。
【請求項6】
一枚の合成樹脂シートから形成されている、請求項1~5のいずれか一項に記載のコード収容具。
【請求項7】
前記合成樹脂シートを所定形状に切断後に立体状に組み立てられた、請求項6に記載のコード収容具。
【請求項8】
巻回状態にされたコードが収容されている、請求項1~7のいずれか一項に記載のコード収容具。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか一項に記載のコード収容具と、
前記コード収容具とは別体に形成され、少なくとも前記コード収容部を内包するように覆って前記コード収容具に一体化されるカバー具と、
を少なくとも備える、コード収容具セット。
【請求項10】
巻回状態にされたコードが収容されている、請求項9に記載のコード収容具セット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コード収容具及びコード収容具セットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、コードを収容するコード収容具が知られている。このコード収容具の一例として、イヤホンを収容するイヤホンケースが開示されている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-172369号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のコード収容具は、コードを出し入れするのに手間が掛かり、且つ、コードを収容しない状態でも嵩張ってしまう。
【0005】
そこで、本発明は、コードを出し入れするのに手間が掛からず、且つ、コードを収容しない状態で嵩張るのを抑制できるコード収容具を提供することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、巻回状態にされたコードが導入されたとき、該巻回状態を維持したままで保持可能な開口空間を有するコード収容部が形成されており、前記コードが未収容状態のときには、該開口空間が狭小化され扁平状態に変形できる構成を備え、
前記コード収容部は、前記開口空間に収容された前記コードの両端部のそれぞれを外部へ引き出し可能な構成を備える、コード収容具を提供する。
本発明は、コード収容具であって、
巻回状態にされたコードが導入されたとき、該巻回状態を維持したままで保持可能な開口空間を有するコード収容部が形成されており、
前記コードが未収容状態のときには、該開口空間が狭小化され扁平状態に変形できる構成を備え、
前記コード収容部の前記開口空間を覆うように設けられた蓋状部を有し、
前記コード収容具の外側から前記コード収容部の中央方向へ外力を加えると、前記蓋状部が立ち上がって前記コード収容部がより広く開口することにより、前記コードの出し入れが容易化する構成を備える、コード収容具も提供する。
本発明は、巻回状態にされたコードが導入されたとき、該巻回状態を維持したままで保持可能な開口空間を有するコード収容部が形成されており、
前記コードが未収容状態のときには、該開口空間が狭小化され扁平状態に変形できる構成を備え、
前記コード収容部に収容された前記コードが巻き緩むときに、最外周側の前記コードが入り込むことにより巻き緩みを抑制可能な孔部を備える、コード収容具も提供する。
前記コード収容具は、可撓性を有するシートにより成形されていてもよい。
前記コード収容具は、前記コード収容部の前記開口空間を覆うように設けられた蓋状部を有していてもよい。
前記コード収容具は、一枚の合成樹脂シートから形成されていてもよい。
前記コード収容具は、前記合成樹脂シートを所定形状に切断後に立体状に組み立てられていてもよい。
前記コード収容具は、巻回状態にされたコードが収容されていてもよい。
本発明は、前記コード収容具と、
前記コード収容具とは別体に形成され、少なくとも前記コード収容部を内包するように覆って前記コード収容具に一体化されるカバー具と、
を少なくとも備える、コード収容具セットも提供する。
前記コード収容具セットは、巻回状態にされたコードが収容されていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1Aは、本発明の第1実施形態に係るコード収容具の平面図である。図1Bは、本発明の第1実施形態に係るコード収容具の側面図である。
図2図2Aは、図1のコード収容具を押し潰した状態を示す斜視図である。図2Bは、図1のコード収容具を押し潰した状態を示す平面図である。
図3図3Aは、図1のコード収容具のコード出入口を変形させた状態を示す斜視図である。図3Bは、図1のコード収容具のコード出入口を変形例させた状態を示す側面図である。図3Bは、図1のコード収容具のコード出入口を変形させた状態を示す平面図である。
図4図1のコード収容具の使用例を示す図である。
図5図1のコード収容具の接合箇所を説明するための図である。
図6図6Aは、図1のコード収容具及びカバー具を備えるコード収容具セットの平面図である。図6Bは、図1のコード収容具及びカバー具を備えるコード収容具セットの側面図である。
図7図1のコード収容具及びカバー具を備えるコード収容具セットの使用例を示す図である。
図8図8Aは、図1のコード収容具の製造方法の工程1を示す図である。図8Bは、図1のコード収容具の製造方法の工程2を示す図である。
図9図9Aは、図1のコード収容具の製造方法の工程3を示す図である。図9Bは、図1のコード収容具の製造方法の工程4を示す図である。図9Cは、図1のコード収容具の製造方法の工程5を示す図である。
図10図10Aは、本発明の第2実施形態に係るコード収容具の平面図である。図10Bは、本発明の第2実施形態に係るコード収容具の側面図である。
図11図10のコード収容具の使用例を示す図である。
図12図12Aは、図10のコード収容具及びカバー具を備えるコード収容具セットの平面図である。図12Bは、図10のコード収容具及びカバー具を備えるコード収容具セットの側面図である。
図13図10のコード収容具及びカバー具を備えるコード収容具セットの使用例を示す図である。
図14図14Aは、図10のコード収容具の製造方法の工程1を示す図である。図14Bは、図10のコード収容具の製造方法の工程2を示す図である。
図15図15Aは、図10のコード収容具の製造方法の工程3を示す図である。図15Bは、図10のコード収容具の製造方法の工程4を示す図である。図15Cは、図10のコード収容具の製造方法の工程5を示す図である。
図16図16Aは、本発明の変形例に係るコード収容具が閉状態にあるときを示す斜視図である。図16Bは、本発明の変形例に係るコード収容具が開状態にあるときを示す斜視図である。
図17】本発明の第1実施形態に係るコード収容具に特有の作用について説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。以下に説明する実施形態は、本発明の代表的な実施形態を示したものであり、これにより本発明の範囲が狭く解釈されることはない。本明細書において、本発明に係るコード収容具及びコード収容具セットの各々が複数の効果を奏することが記載される場合でも、本発明に係るコード収容具及びコード収容具セットの各々は、少なくとも1つの効果を奏すればよい。本明細書に記載された効果はあくまで例示であって限定されるものではなく、また他の効果があってもよい。
【0009】
また、以下の順序で説明を行う。
1.導入
2.本発明の第1実施形態に係るコード収容具、並びに該コード収容具及びカバー具を備えるコード収容具セット
3.本発明の第2実施形態に係るコード収容具、並びに該コード収容具及びカバー具を備えるコード収容具セット
4.本発明の変形例
【0010】
1.導入
例えばパソコン、モニタ、プリンタ、スマートフォン等の機器に接続されるコード(配線)がデスク上に無造作に這い回されると、煩雑となり美観を損なうおそれがある。
また、このようなコードを収容、保持するハードケースがあるが、該ハードケースは、それ自体が嵩張るため、ポケットやバッグに入れて携帯するのに不便である。さらに、このようなハードケースでは、ケースを開閉するための構造及びコードを巻き付けるための構造を有しており、コードの出し入れに手間が掛かる。
【0011】
そこで、発明者は、このような問題に鑑みて、本発明の各実施形態に係るコード収容具、並びに該コード収容具及びカバー具を含むコード収容具セットを開発した。
【0012】
<2.本発明の第1実施形態に係るコード収容具、並びに該コード収容具及びカバー具を備えるコード収容具セット>
(コード収容具の構成)
以下、本発明の第1実施形態に係るコード収容具の構成について、図面を用いて説明する。
図1Aは、本発明の第1実施形態に係るコード収容具10の平面図である。図1Bは、本発明の第1実施形態に係るコード収容具10の側面図である。
【0013】
コード収容具10は、一例として、機器間の電気的な接続に用いられるコード(ケーブル)、イヤホン、ヘッドフォン等のコードを収容、保持対象とする。
以下では、コード収容具10の収容、保持の対象として、コードCを例にとって説明する。コードCとして、例えばUSBコード、HDMI(登録商標)コード、電源コード、VGAコード等が挙げられる。
【0014】
コード収容具10は、一例として、可撓性を有するシートにより成形されている。すなわち、コード収容具10は、弾性変形可能なシート(好ましくは柔軟性と強度を兼ね備えたシート)で成形されている。該シートの材料としては、例えばプラスチック、ビニール、シリコンゴム、合成ゴム、合成紙等が挙げられる。
コード収容具10は、一例として、透明又は半透明の材料からなる。なお、コード収容具10は、少なくとも一部が透明又は半透明であることが好ましいが、全体が不透明であってもよい。
【0015】
コード収容具10は、一例として、厚さが幅の20%未満の形態になりうる巻回状態のコードCを収容、保持するのに適した構造を有している。
【0016】
コード収容具10は、巻回状態にされたコードCが導入されたとき、該巻回状態を維持したままで保持可能な開口空間を有するコード収容部CSが形成されている。該開口空間は、後述するコード出入口A、開口A1、A2等の開口を有する内部空間である。
【0017】
コード収容具10は、一例として、平面視において、矩形(正方形を含む)の4つの角部が切り欠かれたような形状(以下では、この切り欠かれたような部分を「切欠状部」と呼ぶ)を有している(図1参照)。
【0018】
コード収容部CSは、一例として図1A及び図1Bに示すように、ベース部50と、該ベース部50に接続された第1及び第2押付構造部100、200とで構成されている。
【0019】
ベース部50は、巻回されたコードCが載置される載置部として機能する。ベース部50は、一例として、側面視で4隅(4つの切欠状部)に向けて反り上がる形状を有している。なお、ベース部50は、例えば平板状であってもよい。ベース部50には、コードCが、少なくとも一部が巻かれた状態で載置される(図1及び図4参照)。
【0020】
第1押付構造部100は、コード収容部CSの開口空間の一部を覆うように設けられた蓋状部である。第1押付構造部100は、ベース部50に載置されたコードCの一部C1(コードCの第1押付構造部100側の部分)をベース部50に押付可能である。第1押付構造部100は、一例として、ベース部50の一方の外縁部50aに接続されている(図1B参照)。
【0021】
第2押付構造部200は、コード収容部CSの開口空間の他部を覆うように設けられた蓋状部である。第2押付構造部200は、ベース部50に載置されたコードCの他部C2(コードCの第2押付構造部200側の部分)をベース部50に押付可能である。第2押付構造部200は、一例として、ベース部50の他方の外縁部50bに接続されている(図1B参照)。ここでは、他方の外縁部50bは、一方の外縁部50aに相対している。
【0022】
第1及び第2押付構造部100、200は、一例として、互いに対向している。以下、第1及び第2押付構造部100、200が互いに対向する方向を「第1方向」と呼ぶ。ベース部50に略平行で且つ第1方向に直交する方向を「第2方向」と呼ぶ。
【0023】
第1押付構造部100がコードCの一部C1をベース部50に押し付け、及び/又は、第2押付構造部200がコードCの他部C2をベース部50に押し付けている状態では、第1及び第2押付構造部100、200の少なくとも一方とベース部50とにより、巻回状態のコードCがその厚さ方向(第1及び第2方向のいずれにも直交する方向)に挟持される。
【0024】
第1及び第2押付構造部100、200は、一例として、コード収容具10に対してコードを出し入れするための開口であるコード出入口Aを形成するように互いに対向している。
【0025】
第1及び第2押付構造部100、200は、一例として、コードCを押し付け合うことが可能となるように互いに対向している。
【0026】
第1及び第2押付構造部100、200がコードCを押し付け合っている状態では、第1及び第2押付構造部100、200により、少なくとも一部が巻かれたコードCがその幅方向(第1方向)に挟持される。これにより、ベース部50に載置されたコードCを、巻回状態を維持しつつ保持することができる。
【0027】
第1押付構造部100は、一例として、第1傾斜曲面部100a及び第1張出部100bを含む。
【0028】
第1傾斜曲面部100aは、一例として、ベース部50の一方の外縁部50aに一端が接続され、第2押付構造部200に近づくほどベース部50から離れるようにベース部50に対して傾斜する曲面部である。第1傾斜曲面部100aは、一例として、外側に凸となるように湾曲している。第1傾斜曲面部100aは、一例として、ベース部50の一方の外縁部50aと、開口A1を形成するように複数箇所(例えば2箇所)で接続されている(図3A図3C参照)。
【0029】
詳述すると、第1傾斜曲面部100aは、図5に示すように、第2方向の一端部100a1がベース部50の一方の外縁部50aの第2方向の一端部50a1と接合され、第2方向の他端部100a2がベース部50の一方の外縁部50aの第2方向の他端部50a2と接合されている。各接合は、例えば熱融着、接着剤、両面テープ等によりなされている。
【0030】
図1に戻り、第1傾斜曲面部100aは、ベース部50に載置されたコードCの一部C1にベース部50側とは反対側から接触可能である。第1傾斜曲面部100aがベース部50に載置されたコードCの一部C1に接触している状態では、第1傾斜曲面部100aがベース部50から離れる方向に弾性変形しており、第1傾斜曲面部100aからコードCの一部C1にベース部50側に押圧する押圧力が作用している。
【0031】
第1張出部100bは、一例として、第1傾斜曲面部100aの他端からベース部50に沿って第2押付構造部200側に張り出している。
【0032】
第2押付構造部200は、一例として、第2傾斜曲面部200a及び第2張出部200bを含む。
【0033】
第2傾斜曲面部200aは、一例として、ベース部50の他方の外縁部50bに一端が接続され、第2押付構造部200に近づくほどベース部50から離れるようにベース部50に対して傾斜する曲面部である。第2傾斜曲面部200aは、一例として、外側に凸となるように湾曲している。第2傾斜曲面部200aは、一例として、ベース部50の他方の外縁部50bと、開口A2を形成するように複数箇所(例えば2箇所)で接続されている(図3A図3C参照)。
【0034】
詳述すると、第2傾斜曲面部200aは、図5に示すように、第2方向の一端部200a1がベース部50の他方の外縁部50bの第2方向の一端部50b1と接合され、第2方向の他端部200a2がベース部50の他方の外縁部50bの第2方向の他端部50b2と接合されている。各接合は、例えば熱融着、接着剤、両面テープ等によりなされている。
【0035】
図1に戻り、第2傾斜曲面部200aは、ベース部50に載置されたコードCの他部C2にベース部50側とは反対側から接触可能である。第1傾斜曲面部100aがベース部50に載置されたコードCの他部C2に接触している状態では、第2傾斜曲面部200aがベース部50から離れる方向に弾性変形しており、第2傾斜曲面部200aからコードCの他部C2にベース部50側に押圧する押圧力が作用している。
【0036】
第2張出部200bは、一例として、第2傾斜曲面部200aの他端からベース部50に沿って第1押付構造部100側に張り出している。第2張出部200bは、第1張出部100bに対向している。第1及び第2張出部2100b、200bは、コード収容具10に保持されたコードCの脱落を防止する脱落防止部としても機能する。
【0037】
第1及び第2傾斜曲面部100a、100bと、第1及び第2張出部100b、200bとにより、コード出入口Aが規定されている。
【0038】
コード収容具10は、コードCが未収容状態のときに開口空間が狭小化され扁平状態に変形できる構成を備える。
詳述すると、コード収容具10は、可撓性を有し、且つ、第1押付構造100aとベース部50との接合部及び第2押付構造200aとベース部50との接合部がヒンジのように機能するため、図2A(斜視図)及び図2B(平面図)に示すように、コードCを収容しない状態で高さ方向(第1及び第2方向のいずれにも直交する方向、以下同様)に簡単に押し潰すことが可能である。コード収容具10は、高さ方向に押し潰されることにより、扁平状態(例えば略平板状)となる。これにより、例えば、コード収容具10を携帯する際に扁平状態を維持させたまま小スペースで携帯することができる。さらに、コード収容具10を流通させる際、多数個を押し潰した状態で重ねてパッケージングすることもでき、省スペース化を図ることができる。なお、本明細書中、「扁平状態」とは、平板状のみならず、開口空間が狭小化され、平板状となる前の中途半端に押し潰された状態も含む。
【0039】
コード収容具10は、該コード収容具10の外側からコード収容部CSの中央方向へ外力を加えると、蓋状部としての第1及び第2押付構造部100、200が立ち上がってコード収容部CSがより広く開口することにより、コードCの出し入れが容易化する構成を備える。
詳述すると、コード収容具10は、可撓性を有し、且つ、開口A1、A2を有するため、図3A(斜視図)、図3B(側面図)及び図3C(平面図)に示すように、コード収容具10に外力を加えて弾性変形させることによりコード出入口Aを第1方向に簡単に大きく広げること(第2方向に簡単に大きく縮めること)が可能である。さらに、この際、コード収容具10は、ベース部50が側面視で4隅に向けて反り上がる形状を有しているため、該ベース部50を両外側から押圧してベース部50及び第1及び第2押圧構造部100a、200aを容易に弾性変形させることができる。
以上のように、コード収容具10は、外力を加えてコード出入口Aをより大きく開口させることができるので、コードCを容易にベース部50に載置させることができ、その後、上記外力を解除することによりコード収容具10が弾性復帰して元の形態に戻るため、ケーブCをコード収容具10に容易に保持させることができる。
【0040】
コード収容部CSは、開口空間に収容されたコードCの両端部のそれぞれを外部へ引き出し可能な構成を備える。
詳述すると、コードCが不使用時にコード収容具10に収容、保持される場合は、例えば図1に示すように、コードCは全体が巻かれた状態でコード収容具10内に収容、保持される。
コードCが使用時(機器間の接続に用いられるとき)にコード収容具10に収容、保持される場合は、例えば図4に示すように、コードCの両端のコネクタ部を含まない中間部分が巻かれてコード収容具10内に保持され、且つ、コードCの一端及び他端のコネクタ部を含む部分がコード出入口Aの第2方向の一端部及び他端部を介して外部に引き出された状態で使用される。
【0041】
(コード収容具セット)
コード収容具セット1は、図6A及び図6Bに示すように、コード収容具10と、コード収容具10とは別体に形成され、少なくともコード収容部CSを内包するように覆ってコード収容具に一体化されるカバー具と、を少なくとも備える。
詳述すると、コード収容具セット1は、一例として、複数のコード収容具10により構成することができる。
コード収容具セット1は、コードCを収容した一の(内側の)コード収容具10と、該一のコード収容具10を収容するカバー具としての他の(外側の)コード収容具10とを有する。
他のコード収容具10は、一のコード収容具10よりも一回り大きく成形されており、コードCを保持した一のコード収容具10を保持及び保持解除可能である。
コードCを保持した一のコード収容具10を他のコード収容具10に収容、保持させる際には、上述した一のコード収容具10にコードCを収容、保持させる場合と同じ要領で他のコード収容具10を撓ませることにより(コード出入口Aを変形させることにより)行うことができる。
この際、他のコード収容具10は、ベース部50が、一のコード収容具10のベース部50の反対側を向いた状態で一方のコード収容具10を保持可能である。これにより、一及び他のコード収容具10のコード出入口A同士が重ならないようにすることができ、ひいてはコードCの露出を少なくすることができる。
【0042】
コードCが不使用時にコード収容具セット1に保持される場合は、例えば図6Aに示すように、コードCは全体が巻かれた状態で一のコード収容具10に収容、保持され、該一のコード収容具10が他のコード収容具10に収容、保持される。
コードCが使用時(機器間の接続に用いられるとき)にコード収容具10に収容、保持される場合は、例えば図7に示すように、コードCの両端のコネクタ部を含まない中間部分が巻かれて一のコード収容具10内に保持され、該一のコード収容具10が他のコード収容具10に収容、保持され、且つ、コードCの両端のコネクタ部を含む部分が一のコード収容具10のコード出入口A及び他のコード収容具10のコード出入口Aを介して(図6B参照)外部に引き出された状態で使用される。
【0043】
なお、ここでは、一のコード収容具10を保持、収容するカバー具として、
一のコード収容具10と同形態の他のコード収容具10を用いているが、一のコード収容具10とは異なる形態のものを用いてもよい。
【0044】
(コード収容具の製造方法の一例)
以下、コード収容具10の製造方法の一例について図8A図9Cを参照して簡単に説明する。コード収容具10は、一例として一枚の合成樹脂シートPから形成される。
(工程1)可撓性を有する合成樹脂シートPにコード収容具10の展開図1000-1を描画(例えば印刷)する(図8A参照)。
(工程2)合成樹脂シートPからコード収容具10の展開構造部1000-2(展開図1000-1による構造部)を切り出す(図8B参照)。
(工程3)展開構造部1000-2を図8Bの矢印D1、D2方向に折り曲げて、接合面JF1、JF2を例えば熱融着、接着剤、両面テープ等により接合し、接合構造部1000-3を生成する(図9A参照)。接合面JF1、JF2が接合された部分が接合部Jである。
(工程4)コード収容具10の形態になるよう型抜きする(図9B及び図9C参照)。具体的には、図9Aに示す接合構造部1000-3を図9Bに示す外側の灰色部分とその内側のコード収容具10となる部分1000-4とに分離して、コード収容具10を得る(図9C参照)。このとき、コード収容具10に接合部Jの一部が残存する。
【0045】
(コード収容具及びコード収容具セットの効果)
以下、第1実施形態に係るコード収容具10の効果について説明する。
コード収容具10は、巻回状態にされたコードCが導入されたとき、該巻回状態を維持したままで保持可能な開口空間を有するコード収容部CSが形成されており、コードCが未収容状態のときには、該開口空間が狭小化され扁平状態に変形できる構成を備える。
この場合、コード収容具10では、巻回状態のコードCをコード収容部CSに対して容易に出し入れ可能であり、且つ、コードCが未収容状態のときに扁平状態にすることが可能である。
結果として、コード収容具10によれば、コードCを出し入れするのに手間が掛からず、且つ、コードCを収容しない状態で嵩張ることを抑制できるコード収容具を提供することができる。
【0046】
一方、従来のコード収容具(例えば特開2019-172369号公報に記載のイヤホンケース)では、イヤホンを出し入れするのにケース本体とケース蓋体とを開け閉めすることに加えてイヤホンをコード巻回柱に対して巻回/巻回解除する必要があり、イヤホンを出し入れするのに手間が掛かっていた。さらに、イヤホンケースは、ハードケースでありそれ自体が嵩張るため、携帯等に不便であった。
【0047】
さらに、コード収容具10は、可撓性を有するコード収容具であって、コードCが載置されるベース部50と、ベース部50に接続され、ベース部50に載置されたコードCの一部C1をベース部50に押付可能な第1押付構造部100と、ベース部50に接続され、ベース部50に載置されたコードCの他部C2をベース部50に押付可能な第2押付構造部200と、を備える。この場合、ベース部50と、第1及び第2押付構造部100、200とを弾性変形させる(撓ませる)ことによりコードCの出し入れを行うことができ、且つ、コードCを収容させた後、該弾性変形を解除(弾性復帰)させることによりコードCを保持することができる。
【0048】
第1及び第2押付構造部100、200が、コードCを押し付け合うことが可能となるように互いに対向している。これにより、コードCを、巻回状態を維持しつつ保持することができる。
【0049】
第1及び第2押付構造部100、200は、コード収容具10に対してコードCを出し入れするためのコード出入口Aを形成するように互いに対向している。この場合、ベース部50と第1及び第2押付構造部100、200とを弾性変形させてコード出入口Aの形状を容易に変えることができ、コードCの出し入れを容易にすることができる。さらに、この場合、コードCの一部を保持した状態で該コードCの他部を出し入れしやすくすることもできる。
【0050】
ベース部50の一方の外縁部50aと第1押付構造部100とが、開口A1を形成するように複数箇所(例えば2箇所)で接続され、ベース部50の他方の外縁部50bと第2押付構造部200とが、開口A2を形成するように複数箇所(例えば2箇所)で接続されている。これにより、コード収容具10を変形させやすくなるので、コード収容具10に対してコードCをより容易に出し入れすることができる。
【0051】
第1押付構造部100は、第2押付構造部200側に張り出す第1張出部100bを有し、第2押付構造部200は、第1押付構造部100側に張り出す第2張出部200bを有している。これにより、第1及び第2張出部100b、200bの少なくとも一方に指を引っ掛けることにより、コード出入口Aをより容易に変形させることもできる。
【0052】
コード収容具10によれば、コードCをベース部50と第1及び第2押付構造部100、200の各々とで囲んで(但し、コード出入口Aを除く)保持するので、コードCを保護することができる。
【0053】
コード収容具10は、コードCを収容状態でも未収容状態でも嵩張らないので、携帯に便利であり、デスク上に置いたときに不使用時及び使用時のいずれにおいても美観が損なわれることを抑制でき、コードCを商品として販売するときのパッケージとしても利用できる。
【0054】
コード収容具10によれば、コードCを保持しない状態で押し潰してコンパクトな形態にできるので、携帯に便利であり、多数個を省スペースで流通させることもできる。
【0055】
コード収容具10は、透明又は半透明なので、コードCを外部から視認することができる。これにより、コード収容具10に保持されたものがコードであること、さらにはこのコードがどのようなコードであるかを認識させることもできる。
【0056】
コード収容具10は、例えばベース部50の外面に宣伝広告等を目的としたロゴ等の文字を印刷することにより、ノベルティとして利用することも可能である。
【0057】
巻回状態にされたコードCが収容されたコード収容具10によれば、コードCが収容された状態でコードCを機器間の接続に用いること、コードCが収容された状態で携帯すること、コードCが収容された状態で流通(例えば店頭販売)させること等に適している。
【0058】
一及び他のコード収容具10を備えるコード収容具セット1によれば、コードCを保持した一のコード収容具10を他のコード収容具10により、該他のコード収容具10のベース部50で一のコード収容具10のコード出入口Aを覆うように保持することができるので、コードCの保護性、パッケージング性に優れ、コードCを保持した状態で携帯すること及び商品として流通させることにより適している。
【0059】
巻回状態にされたコードCが収容されたコード収容具セット1によれば、コードCが収容された状態でコードCを機器間の接続に用いること、コードCが収容された状態で携帯すること、コードCが収容された状態で流通(例えば店頭販売)させること等により適している。
【0060】
コード収容具10では、第1及び第2傾斜曲面部100a、200aの傾斜角度を適宜変更することにより、種々の厚さの巻回状態のコードCを保持対象とすることができる。
【0061】
コード収容具10が一枚の合成樹脂シートPから形成される場合には、複数の型を作る必要がないので、低コスト化を図ることができる。
【0062】
さらに、コード収容具10が合成樹脂シートPを所定形状に切断後に立体状に組み立てられる場合には、生産性を向上することができる。
【0063】
<3.本発明の第2実施形態に係るコード収容具、並びに該コード収容具及びカバー具を備えるコード収容具セット>
(コード収容具の構成)
以下、本発明の第2実施形態に係るコード収容具20の構成について、図面を用いて説明する。
【0064】
図10Aは、コード収容具20の平面図である。図10Bは、コード収容具20の側面図である。
第2実施形態のコード収容具20は、第1及び第2押付構造部100、200の構成が異なる点を除いて、第1実施形態のコード収容具10と同様の構成を有する。
【0065】
コード収容具20は、一例として、厚さが幅の20%以上の形態になりうる巻回状態のコードCを収容、保持するのに適した構造部を有している。すなわち、コード収容具20は、コード収容具10の収容、保持の対象の巻回状態のコードCよりも厚さが厚い巻回状態のコードCを収容、保持の対象とする。
【0066】
コード収容具20では、第1押付構造部100は、一例として、図10A及び図10Bに示すように、ベース部50の一方の外縁部50aに一端が接続されベース部50に対して立設可能な複数(例えば3つ)の第1立設部100cと、該複数の第1立設部100cの他端から第2押付構造部200側に延在する、第1傾斜曲面部100a及び第1張出部100bを含む第1延在部とを有する。
【0067】
複数の第1立設部100cは、一例として、ベース部50の一方の外縁部50aの第2方向の中間部に接続された第1立設部100cと、一方の外縁部50aの第2方向の一端部に接続された第1立設部100cと、一方の外縁部50aの第2方向の他端部に接続された第1立設部100cとを含む。ここでは、一方の外縁部50aの中間部に接続された第1立設部100cの横幅が他の第1立設部100cの横幅よりも大きい(例えば2倍以上)。
【0068】
コード収容具20では、第2押付構造部200は、一例として、ベース部50の他方の外縁部50bに一端が接続されベース部50に対して立設可能な複数(例えば3つ)の第2立設部200cと、該第2立設部200cの他端から第1押付構造部100側に延在する、第2傾斜曲面部200a及び第2張出部100bを含む第2延在部とを有する。
【0069】
複数の第2立設部200cは、一例として、ベース部50の他方の外縁部50bの第2方向の中間部に接続された第2立設部200cと、他方の外縁部50bの第2方向の一端部に接続された第2立設部200cと、他方の外縁部50bの第2方向の他端部に接続された第2立設部200cとを含む。ここでは、他方の外縁部50bの中間部に接続された第2立設部200cの横幅が他の第2立設部200cの横幅よりも大きい(例えば2倍以上)。
【0070】
コード収容具20では、複数(例えば2つ)の開口A1が形成されるように、ベース部50の一方の外縁部50aと複数(例えば3つ)の第1立設部100cとが接合され、且つ、複数(例えば3つ)の第1立設部100cと、第1傾斜曲面部100a及び第1張出部100bを含む第1延在部とが接合されている。
【0071】
コード収容具20では、複数(例えば2つ)の開口A2が形成されるように、ベース部50の他方の外縁部50bと複数(例えば3つ)の第2立設部200cとが接合され、且つ、複数(例えば3つ)の第2立設部200cと、第2傾斜曲面部200a及び第2張出部200bを含む第2延在部とが接合されている。
【0072】
各第1立設部100cは、ベース部50に沿って延びる折曲部BP1を有する。各第2立設部200cは、ベース部50に沿って延びる折曲部BP2を有する。
これにより、コード収容具20を簡単に高さ方向に折り畳んで扁平状態(例えば略平板状)にすることが可能であり、携帯の際に嵩張らず、流通の際に多数個をコンパクトにパッケージングすることができる。
【0073】
コード収容具20も、コード収容具10と同様にコードCの配線部の中間部を保持しつつ、コードCの一端及び他端のコネクタ部を含む部分を、コード出入口Aを介して外部に引き出して機器間の接続に用いることができる(図11参照)。
【0074】
(コード収容具セット)
コード収容具セット2は、図12A及び図12Bに示すように、コード収容具20と、コード収容具20とは別体に形成され、少なくともコード収容部を内包するように覆ってコード収容具に一体化されるカバー具と、を少なくとも備える。
コード収容具セット2は、一例として、複数のコード収容具20により構成することができる。
コード収容具セット2は、コードCを保持した一の(内側の)コード収容具20と、該一のコード収容具20を保持する他の(外側の)コード収容具20とを有する。
他のコード収容具20は、一のコード収容具20よりも一回り大きく成形されており、コードCを保持した一のコード収容具20を保持及び保持解除可能である。
コードCを保持した一のコード収容具20を他のコード収容具20に収容、保持させる際には、上述した一のコード収容具20にコードCを収容、保持させる場合と同じ要領で他のコード収容具20を撓ませることにより(コード出入口Aを変形させることにより)行うことができる。
この際、他のコード収容具20は、ベース部50が、一のコード収容具20のベース部50の反対側を向いた状態で一方のコード収容具20を保持可能である。これにより、一及び他のコード収容具20のコード出入口A同士が重ならないようにすることができ、ひいてはコードCの露出を少なくすることができる。
【0075】
コードCが不使用時にコード収容具セット2に収容、保持される場合は、例えば図12Aに示すように、コードCは全体が巻かれた状態で一のコード収容具20に収容、保持され、該一のコード収容具20が他のコード収容具10に収容、保持される。
コードCが使用時(機器間の接続に用いられるとき)にコード収容具20に収容、保持される場合は、例えば図13に示すように、コードCの両端のコネクタ部を含まない中間部分が巻かれて一のコード収容具20内に収容、保持され、該一のコード収容具20が他のコード収容具20に収容、保持され、且つ、コードCの両端のコネクタ部を含む部分が一のコード収容具20のコード出入口A及び他のコード収容具20のコード出入口Aを介して(図12B参照)外部に引き出された状態で使用される。
【0076】
なお、ここでは、一のコード収容具20を保持、収容するカバー具として、
一のコード収容具20と同形態の他のコード収容具20を用いているが、一のコード収容具20とは異なる形態のものを用いてもよい。
【0077】
(コード収容具の製造方法の一例)
以下、コード収容具20の製造方法の一例について図14A図15Cを参照して簡単に説明する。コード収容具20は、一例として一枚の合成樹脂シートPから形成される。
(工程1)可撓性を有する合成樹脂シートPにコード収容具20の展開図2000-1を描画(例えば印刷)する(図14A参照)。
(工程2)合成樹脂シートPからコード収容具20の展開構造部2000-2(展開図2000-1による構造部)を切り出す(図14B参照)。
(工程3)展開構造部2000-2を図14Bの矢印D1、D2方向に折り曲げて、接合面JF1、JF2を例えば熱融着、接着剤、両面テープ等により接合し、接合構造部2000-3を生成する(15A参照)。接合面JF1、JF2が接合された部分が接合部Jである。
(工程4)コード収容具20の形態になるよう各接合部Jの角部を切り落とす。(図15B及び図15C参照)。具体的には、図15Aに示す接合構造部2000-3の各接合部Jの角部を灰色に着色した接合構造部2000-4(図15B参照)の角部(灰色部分)を切り落として、コード収容具20を得る(図15C参照)。このとき、コード収容具20に接合部Jの一部(角部以外の部分)が残存する。
【0078】
(コード収容具及びコード収容具セットの効果)
第2実施形態のコード収容具20は、第1実施形態のコード収容具10と同様の効果を奏するとともに、コード収容具10の保持対象の巻回状態のコードCよりも厚さが厚い巻回状態のコードCを保持対象とすることができる。
第2実施形態のコード収容具20を複数有するコード収容具セット2によれば、第1実施形態のコード収容具10を複数有するコード収容具セット1と同様の効果を奏するとともに、コード収容具セット1の保持対象の巻回状態のコードよりも厚さが厚い巻回状態のコードを保持対象とすることができる。
【0079】
第2実施形態のコード収容具20では、第1及び第2立設部100c、200cの高さ寸法を適宜変更することにより、任意の厚さの巻回状態のコードを保持対象とすることができる。
【0080】
<4.本発明の変形例>
本発明のコード収容具は、上記各実施形態で説明した構成に限らず、適宜変更可能である。
【0081】
例えば、図16A及び図16Bに示す変形例のコード収容具30は、片開きのケース状の形態を有している。
詳述すると、コード収容具30は、コードが載置されるベース部50と、押付構造部200c(第2構造部)と、ベース部50と押付構造部200cとを接続する接続部60とを備える。コード収容具30は、さらに、ベース部50と接続部60とに接続されるカバー部70を備える。カバー部70は、断面略U字状であり、U字の両側部(マチ部)に折曲部BPを有している。これにより、該マチ部を押し潰して扁平状態とすることができる。カバー部70には、接続部60に対向する位置にコード出入口Aが形成されている。図16Aに示す押付構造部200cが閉状態にある(コード出入口Aが閉塞されている)コード収容具30に矢印P方向の外力を加えると、押付構造部200cが開状態となりコード出入口Aが開放され(図16B参照)、該外力を解除すると押付構造部200cが閉状態となりコード出入口Aが閉塞される。カバー部70とベース部50と押付構造部200cとにより開口Bが形成されており、例えば該開口Bを介してコードの両端のコネクタ部を含む部分を引き出して該コードを機器間の接続に用いることもできる。なお、カバー部70のベース部50との接続部側及びベース部50を巻回されたコードCに沿うような丸みを帯びた形状としてしてもよい。これにより、コードCをより良好に保持することができる。
【0082】
前述した開口A1、A2は、図17に示すように、コード収容部に収容された巻回状態のコードCが巻き緩むときに、最外周側の前記コードが入り込むことにより巻き緩みを抑制可能な孔部として機能しうる。
詳述すると、巻回された状態でコード収容具10に保持されたコードCは、弾性復帰により元の状態に戻ろうとするため、コード出入口Aを介して外部に脱落してしまうおそれがある。しかし、コード収容具10では、図17に示すように、開口A1、A2からコードCの一部が外部に出るのでコードCの弾性復帰力を逃がすことができ、コードCのコード出入口Aを介しての脱落を抑制できる。
【0083】
また、前述した開口A1、A2は、図17に示すように、コード収容部に収容された巻回状態のコードCがコード収容部CSに対して巻回方向に回転するのを抑制するストッパ部としても機能しうる。
【0084】
例えば、上記第2実施形態のコード収容具20において、第1及び第2立設部100c、200cの各々の数は、2つ以下であってもよいし、4つ以上であってもよい。いずれにしても、開口A1及び開口A2が少なくとも1つずつ形成されることが好ましい。
【0085】
例えば、上記第2実施形態のコード収容具20において、複数の第1及び第2立設部100c、200cの各々は、折曲部を有していなくてもよい。
【0086】
例えば、上記第2実施形態のコード収容具20において、第1及び第2張出部100b、200bの少なくとも一方が設けられていなくてもよい。
【0087】
例えば、上記第2実施形態のコード収容具20において、第1及び第2押付構造部100、200の各々は、傾斜曲面部の代わりに、ベース部50に略平行な平面部を有していてもよい。
【0088】
例えば、上記各実施形態のコード収容具において、蓋状部である押付構造部と、コード収容部とが異なる材料で構成されていてもよい。
【符号の説明】
【0089】
1、2:コード収容具セット、10、20:コード収容具、C:コード、CS:コード収容部。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17