(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-28
(45)【発行日】2025-02-05
(54)【発明の名称】面状採暖具
(51)【国際特許分類】
E04F 15/18 20060101AFI20250129BHJP
F24D 3/16 20060101ALI20250129BHJP
F24D 13/02 20060101ALI20250129BHJP
【FI】
E04F15/18 X
E04F15/18 F
F24D3/16 Z
F24D13/02 F
(21)【出願番号】P 2021086114
(22)【出願日】2021-05-21
【審査請求日】2024-04-17
(73)【特許権者】
【識別番号】396016973
【氏名又は名称】株式会社広電
(74)【代理人】
【識別番号】100090273
【氏名又は名称】國分 孝悦
(72)【発明者】
【氏名】石川 広
【審査官】坪内 優佳
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-044430(JP,A)
【文献】特開2003-343867(JP,A)
【文献】特開平11-159780(JP,A)
【文献】特開2005-294237(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0370762(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04F 15/00-15/22
F24D 1/00- 3/18
F24D 13/00-15/04
F24H 1/48- 1/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発熱部と、前記発熱部を上側から覆う上面部が設けられた外観部と
が接着されることで一体化された発熱ユニットと、
前記発熱ユニットを支持し、前記発熱部を発熱させるための電源が入力される本体ユニットと、を有する面状採暖具であって、
前記発熱ユニットと前記本体ユニットとが分離可能であることを特徴とする面状採暖具。
【請求項2】
前記発熱ユニットは、連結部を有し、
前記本体ユニットは、前記連結部に連結される被連結部を有することを特徴とする請求項1に記載の面状採暖具。
【請求項3】
前記連結部は、前記外観部を位置決めする機能を兼ねることを特徴とする請求項2に記載の面状採暖具。
【請求項4】
前記発熱部は、上側から見て略矩形状であって、
前記外観部は、更に、
前記上面部から一体で設けられ、前記発熱部を4つの側方から覆う側面部を有することを特徴とする請求項1ないし3の何れか1項に記載の面状採暖具。
【請求項5】
発熱部と、前記発熱部を上側から覆う上面部が設けられた外観部と、を有する発熱ユニットと、
前記発熱ユニットを支持し、前記発熱部を発熱させるための電源が入力される本体ユニットと、を有する面状採暖具であって、
前記発熱ユニットと前記本体ユニットとが分離可能であり、
前記発熱部は、上側から見て略矩形状であって、
前記外観部は、更に、
前記上面部から一体で設けられ、前記発熱部を4つの側方から覆う側面部を有することを特徴とする面状採暖具。
【請求項6】
前記外観部は、更に、
前記側面部から一体で設けられ、前記発熱部と前記本体ユニットとの間に位置する下面部を有することを特徴とする請求項4
または5に記載の面状採暖具。
【請求項7】
前記発熱ユニットは、前記発熱部を下側から覆う断熱部を有し、
前記断熱部は、
前記下面部と前記
発熱部との間に位置することを特徴とする請求項
6に記載の面状採暖具。
【請求項8】
前記本体ユニットは、
前記発熱部から繋がるケーブルを電気的に接続するためのインターフェース部を有することを特徴とする請求項1ないし
7の何れか1項に記載の面状採暖具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、面状採暖具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から床面に設置できる面状採暖具が提案されている。特許文献1には、発熱体を組み込んだ発熱体ユニットに電源パイパスが内蔵された暖房用電気ヒータが開示されている。このような暖房用電気ヒータでは、外観部と、電源が入力される部分とが一体で構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示された暖房用電気ヒータにおいて、近年の使用者の多様なニーズに合わせて、外観部の材質やデザインを変えたい場合であっても、電源が入力される部分が一体で構成されているために、外観部の材質やデザインを変えるのが困難であるという問題がある。
本発明は、上述したような問題点に鑑みてなされたものであり、外観部の材質やデザインを容易に変えることができるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、発熱部と、前記発熱部を上側から覆う上面部が設けられた外観部とが接着されることで一体化された発熱ユニットと、前記発熱ユニットを支持し、前記発熱部を発熱させるための電源が入力される本体ユニットと、を有する面状採暖具であって、前記発熱ユニットと前記本体ユニットとが分離可能であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、外観部の材質やデザインを容易に変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】面状採暖システムの構成の一例を示す斜視図である。
【
図2】面状採暖具を上側から見た分解斜視図である。
【
図3】面状採暖具を下側から見た分解斜視図である。
【
図4】面状採暖具の一部を切断した状態を示す断面図である。
【
図6】面状採暖具同士を接続するときの状態を下側から見た斜視図である。
【
図7】面状採暖具のうち下部ケースを省略した斜視図である。
【
図8】面状採暖具同士を電気的に接続するときの状態を示す断面図である。
【
図9】面状採暖具同士を機械的に接続するときの状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本実施形態に係る面状採暖具、面状採暖システムおよび接続部材について図面を参照して説明する。なお、説明を容易にするために、各図には必要に応じて、上側をUp、下側をLo、右側をRi、左側をLe、前側をFr、後側をRrとして示している。
【0009】
図1は、本実施形態に係る面状採暖システム10の構成の一例を示す斜視図である。
本実施形態の面状採暖システム10は、複数の面状採暖具100を水平方向に配列して隣り合う面状採暖具100同士を接続することで使用者の所望する任意の大きさに増設することができる。面状採暖システム10は、外部から電源が供給される親ユニットとしての面状採暖具100aと、面状採暖具100aを含む他の面状採暖具を通して電源が供給される子ユニットとしての面状採暖具100bとの2種類から構成される。また、面状採暖システム10は、複数の面状採暖具100を水平方向に隣り合って配列させるために面状採暖具100同士を接続する接続部材200を有する。
図1に示す面状採暖システム10は、1つの面状採暖具100aと、5つの面状採暖具100bとを有しており、左右方向に沿って3つ、前後方向に沿って2つがそれぞれ接続部材200を介して接続されている。なお、以下では、親ユニットと子ユニットとを区別する必要がない場合には単に面状採暖具100として説明する。
【0010】
面状採暖具100aと面状採暖具100bは、互いに外形が同一サイズである。また、面状採暖具100a、100bは、上側から見て4辺を有する略矩形状であって、左右方向の長さと前後方向の長さとが同一の正方形である。したがって、使用者が面状採暖具100a、100bを他の面状採暖具100a、100bに接続する場合に、縦横の向きを気にすることなく接続することができる。本実施形態の面状採暖具100a、100bは左右方向の長さと前後方向の長さが略200mmであるが、左右方向の長さと前後方向の長さは150mm~600mmの範囲であってもよく、寸法は限定されない。
【0011】
図2は、面状採暖具100aを上側から見た分解斜視図である。
図3は、面状採暖具100aを下側から見た分解斜視図である。
面状採暖具100aは、発熱ユニット110と、本体ユニット160とを有する。発熱ユニット110と本体ユニット160とは、それぞれ独立して構成され、分離可能である。
まず、発熱ユニット110について説明する。
発熱ユニット110は、発熱する機能を有する。また、発熱ユニット110は、本体ユニット160に対して分離可能である。発熱ユニット110は、外観部120と、発熱部130と、第1の断熱部140と、第2の断熱部150とを有し、上側から順に積層された積層体として構成される。
【0012】
外観部120は、発熱部130と、第1の断熱部140と、第2の断熱部150とを上側から覆う敷物部として機能する。外観部120は、使用者が触れたり、視認したりする部位であることから、使用者のニーズに合わせた材質で構成したりデザインを施したりする。具体的に、外観部120の材質は、肌触りを良くするためにフェルトにしたり、木目調等のデザインを印刷できるようにするためにシート状のポリ塩化ビニル(PVC)にしたりすることができる。また、外観部120は、単一の層で構成してもよく、厚みを増やすために複数の層を積層して構成してもよい。
【0013】
また、外観部120は、上面部121と、4つの側面部122と、4つの下面部123とを有する。上面部121は、上側から見て4辺を有する略矩形状であり、発熱部130、第1の断熱部140、第2の断熱部150を上側から覆う。側面部122は、上面部121から一体で設けられており、上面部121の4辺からそれぞれ下側に向かって折り返される。側面部122は、発熱部130、第1の断熱部140、第2の断熱部150を側方から覆う。下面部123は、側面部122から一体で設けられており、側面部122の下端の4辺からそれぞれ中央側に向かって折り返される。下面部123は、発熱部130、第1の断熱部140および第2の断熱部150を下側から覆う。したがって、外観部120は、発熱部130、第1の断熱部140および第2の断熱部150を一体化するように包み込む(後述する
図4を参照)。発熱ユニット110は、本体ユニット160に連結された状態では、下面部123は本体ユニット160の上側に位置する。なお、下面部123は、中央側に向かって折り返したときに隣り合う下面部123同士が重なり合わないように、一つ一つが台形状に形成される。また、下面部123は、第2の断熱部150を下側から覆った状態で第2の断熱部150によって位置決めされる。具体的には、下面部123は、それぞれ各辺に沿って離れた位置に一対の位置決め孔124を有し、位置決め孔124に後述するボス部151が挿入されることで位置決めされる。位置決め孔124は、被位置決め部の一例に対応する。
【0014】
発熱部130は、電源の供給を受けることで発熱する。発熱部130は、上側から見て4辺を有する略矩形状であり、外観部120と第1の断熱部140との間に配置される。本実施形態の発熱部130は、電流を熱に変換するPTCヒータが用いられる。PCTヒータは、温度が上がると抵抗値も上がる性質であるために飽和状態を維持することができ、発熱部130の温度をコントロールするための温度制御部を別途、設ける必要がない。ただし、発熱部130はPTCヒータである場合に限られず、ニクロム線等のヒータ線を用いてもよい。なお、発熱部130のサイズが小さい場合には、発熱部130を囲むようにダミーヒータ(例えば断熱材)を配置することで、発熱部130全体の大きさを所望の大きさになるように調整することができる。
【0015】
第1の断熱部140は、発熱部130からの熱が下側に放射されないように遮断する機能を有する。第1の断熱部140は、上側から見て4辺を有する略矩形状であり、発熱部130と第2の断熱部150との間に配置される。本実施形態の第1の断熱部140は、例えばフェルトが用いられる。ただし、第1の断熱部140はフェルトである場合に限られず、その他の断熱部材を用いてもよい。
【0016】
第2の断熱部150は、発熱部130からの熱が下側に放射されないように遮断する機能を有する。第2の断熱部150は、上側から見て4辺を有する略矩形状であり、中央部が下側から外観部120の下面部123に覆われずに下側に露出しており、中央部の周囲である外周部が外観部120の下面部123と第1の断熱部140との間に配置される。本実施形態の第2の断熱部150は、例えばポリカーボネートが用いられる。ただし、第2の断熱部150はポリカーボネートである場合に限られず、ポリウレタン樹脂等のその他の断熱部材を用いてもよい。
また、第2の断熱部150は、下側に向かって突出する複数のボス部151を有する。ボス部151は、第2の断熱部150の各辺に近接した位置であって、それぞれ各辺に沿って離れた位置に一対で配置される。ボス部151は、下面に雌ネジ部152が形成されており(
図4を参照)、本体ユニット160の後述する連結孔173に挿入されることで、発熱ユニット110と本体ユニット160とが連結される。ボス部151は、連結部の一例に対応する。
また、ボス部151は、外観部120の下面部123を第2の断熱部150を下側から覆った状態に第2の断熱部150に対して位置決めする。具体的に、ボス部151は、下面部123の位置決め孔124に挿入されることで下面部123を位置決めする。ボス部151は、位置決め部の一例に対応する。
【0017】
なお、上述した発熱ユニット110は、外観部120の上面部121、発熱部130、第1の断熱部140、第2の断熱部150、外観部120の下面部123を、それぞれ両面テープ、接着剤等の公知の接着方法を用いて接着することで一体化することができる。また、発熱ユニット110は、上述した構成である場合に限られず、例えば、第1の断熱部140または第2の断熱部150の何れかを省略してもよく、発熱部130の下側にシート状の圧力スイッチを追加してもよく、適宜、変更することができる。
【0018】
次に、本体ユニット160について説明する。
本体ユニット160は、床面と接地して、発熱ユニット110と、外観部120上に載った使用者とを支持する。本体ユニット160は、上側から見て略矩形状であって、全体が略直方体であり、内部に後述する各部品を収納する空間が形成される。また、本体ユニット160は、発熱ユニット110の発熱部130を発熱させるための電源が入力される。本体ユニット160は、上部ケース161と、下部ケース181とを有する。
【0019】
上部ケース161は、本体ユニット160の上側に位置する部位である。上部ケース161は、上面部162と、4つの側面部163a~163dとを有する。
図3に示すように、上部ケース161の中央には基板164が取り付けられている。基板164は、外縁に複数の端子台165a、165bが固定される。親ユニットの面状採暖具100aは、側面部163aに外部電源(AC100V、AC200V等)と接続するための電源接続部166が取り付けられる。
図1に示すように、電源接続部166に電源コード20が差し込まれることで、電源コード20を介して外部電源から面状採暖具100aに電源が供給される。電源接続部166に繋がる2芯のケーブルは、基板164に固定された端子台165aの端子に繋がるように配線される。なお、子ユニットの面状採暖具100bは、他の面状採暖具100から電源が入力されることから電源接続部166を有していない。
【0020】
また、親ユニットおよび子ユニットの面状採暖具100a、100bは、共通して本体ユニット160の4辺それぞれの辺に接続部167a~167dを有する。接続部167a~167dは、水平方向に隣り合って配列される他の面状採暖具100に対して接続される。具体的に、接続部167a~167dは、水平方向に隣り合って配列される他の面状採暖具100の接続部167a~167dに対して接続部材200の後述する被接続部201を介して垂直方向に接続される。
【0021】
接続部167a~167dはそれぞれ、電源入出力部168と、係合部171a、171bとを有する。なお、
図3では接続部167a、167dの係合部171a、171bは、側面部163a、163dによって隠れている。
電源入出力部168は、他の面状採暖具100の電源入出力部168に対して電気的に接続される。具体的には、電源入出力部168は、接続部材200の後述する導通部202に接することで接続部材200を介して、他の面状採暖具100の電源入出力部168に対して電気的に接続される。電源入出力部168は、他の面状採暖具100からの電源を入力または他の面状採暖具100に対して電源を出力するための部位である。電源入出力部168は、上部ケース161の側面部163a~163dのそれぞれ幅方向の中央に位置する。後述する
図7に示すように、電源入出力部168は、上面部162に取り付けられたブロック状の支持部169の下面に、それぞれ幅方向に離れた状態で支持された一対のユニット側電極170を有する。一対のユニット側電極170は、少なくとも垂直方向の成分を有して突出しており、外力に応じて垂直方向に撓み可能である。具体的に、一対のユニット側電極170は、上部ケース161の内側から外側に向かうにしたがって下側になるように斜めに突出する弾性力を有する板金部材であり、板面(接触面)が水平方向と略平行である。一対のユニット側電極170に繋がる2芯のケーブルは、それぞれ基板164に固定された端子台165a、165bの端子に繋がるように配線される。
【0022】
係合部171a、171bは、他の面状採暖具100に対して機械的に接続される。具体的には、係合部171a、171bは、接続部材200の後述する被係合部204a、204bに係合することで接続部材200を介して、他の面状採暖具100の係合部171a、71bに対して機械的に接続される。係合部171a、171bは、上部ケース161の側面部163a~163dの中央からそれぞれ幅方向の端部側に離れて位置する。ここで、側面部163a~163dの中央から係合部171aまでが距離L1であり、中央から係合部171bまでが距離L2であり、距離L1と距離L2とが異なっている。このように距離L1と距離L2とが異なるのは、係合部171bが他の部品、具体的には電源接続部166と干渉するのを防止するためである。ただし、距離L1と距離L2とが同じであってもよい。また、係合部171a、171bは、側面部163a~163dの内側の面から水平方向に突起状に突出している。
【0023】
基板164には電源入出力部168がそれぞれ互いに電気的に接続するように回路パターンが形成される。親ユニットの面状採暖具100aでは、外部電源から電源接続部166に供給された電源が回路パターンを介して4つの電源入出力部168に供給される。なお、親ユニットの面状採暖具100aの電源入出力部168は、電源接続部166に供給された電源を主に他の面状採暖具100bに対して出力することから電源出力部として機能する。一方、子ユニットの面状採暖具100bでは、他の面状採暖具100から、例えば電源入出力部168を通じて入力された電源は回路パターンを介して3つの電源入出力部168に供給される。
なお、複数の面状採暖具100を接続させた場合、電源入出力部168は隣り合う面状採暖具100の電源入出力部168との間で隣接するように位置する。
【0024】
また、上部ケース161の上面部162は、発熱部130に繋がるケーブルを本体ユニット160内に導くための貫通孔172を有する。発熱部130に繋がるケーブルは貫通孔172を挿通した後、それぞれ基板164に固定された端子台165bの端子に繋がるように配線される。端子台165bは、発熱部130から繋がるケーブルを電気的に接続するためのインターフェース部の一例に対応する。
【0025】
また、
図2に示すように、上部ケース161は、発熱ユニット110のボス部151が挿入される複数の連結孔173を有する。連結孔173は、上面部162の各辺に近接した位置であって、それぞれ各辺に沿って離れた位置に一対で配置される。
図3に示すように、連結孔173は、上部ケース161の下面から下側に向かって突出する円柱状の突起を上下方向に貫通する(
図4も参照)。連結孔173は、発熱ユニット110のボス部151が挿入されることで、本体ユニット160と発熱ユニット110とが連結される。連結孔173は、被連結部の一例に対応する。上部ケース161の下側から締結部材としての雄ネジ部174を、連結孔173を通してボス部151の雌ネジ部152に螺合することで、本体ユニット160と発熱ユニット110とが結合される。
また、上部ケース161は、4つの角部のそれぞれに下側に向かって突出する蓋着部175を有する。蓋着部175は、下面に雌ネジ部176が形成されている。
【0026】
下部ケース181は、本体ユニット160の下側に位置する部位である。下部ケース181は、底面部182と、4つの側面部183a~183dとを有する。側面部183a~183dは、それぞれ幅方向の中央に底面部182の中心側に向かって凹んだ凹部184を有する。また、
図3に示すように、下部ケース181は、4つの角部のそれぞれに蓋着孔185を有する。下部ケース181の下側から締結部材としての雄ネジ部186を、蓋着孔185を通して、上部ケース161の蓋着部175の雌ネジ部176に螺合することで、上部ケース161と下部ケース181とが結合される。
【0027】
本体ユニット160は、上部ケース161と下部ケース181とが結合された状態では、上部ケース161の側面部163a~163dと、下部ケース181の側面部183a~183dとが一定の隙間を介して対向する。本体ユニット160を下側から見た場合に、側面部163a~163dと、側面部183a~183dとの間の隙間を介して、側面部163a~163dの係合部171a、171bが露出される。
また、本体ユニット160は、上部ケース161と下部ケース181とが結合された状態では、上部ケース161の側面部163a~163dの支持部169と、下部ケース181の側面部183a~183dの中央の凹部184とがそれぞれ上下に位置する。本体ユニット160を下側から見た場合に、凹部184を介して、側面部163a~163dの支持部169の下面に位置する一対のユニット側電極170が露出される。
このように、本体ユニット160は、下部ケース181の底面部182が、係合部171a、171bおよび支持部169を下側から覆わない形状である。
【0028】
ここで、面状採暖具100の発熱ユニット110と本体ユニット160とが分離可能な構成について
図4(a)、
図4(b)を参照して説明する。なお、
図4(a)および
図4(b)は、それぞれボス部151の軸線の中心を通るように垂直方向に切断した断面図である。
図4(a)は、発熱ユニット110が本体ユニット160に対して連結された状態を示す断面図である。
図4(a)に示すように、発熱ユニット110のボス部151が、本体ユニット160の連結孔173に挿入されることで、本体ユニット160と発熱ユニット110とが連結される。更に、上部ケース161の下側から雄ネジ部174を連結孔173を通してボス部151の雌ネジ部152に螺合することで、本体ユニット160と発熱ユニット110とが結合される。
【0029】
図4(b)は、発熱ユニット110が本体ユニット160に対して連結されていない状態(分離した状態)を示す断面図である。まず、下部ケース181を上部ケース161から取り外した上で、
図4(b)に示すように、上部ケース161の下側から雄ネジ部174をボス部151の雌ネジ部152から取り外す。更に、本体ユニット160の連結孔173から発熱ユニット110のボス部151を抜き出すことで、発熱ユニット110を分解せずに一体のまま本体ユニット160に対して離脱される。このように、発熱ユニット110と本体ユニット160とが分離可能である。なお、発熱ユニット110の発熱部130から繋がるケーブルを、本体ユニット160の端子台165bから取り外すことで、発熱ユニット110が本体ユニット160から制限を受けない状態にすることができる。このように、発熱ユニット110と本体ユニット160とを分離可能にすることで、発熱ユニット110の外観部120の材質やデザインを容易に変えることができる。
【0030】
次に、接続部材200について説明する。
接続部材200は、水平方向に隣り合う面状採暖具100同士を接続する。接続部材200は、いわゆるコネクタとして機能する。接続部材200は、隣り合う面状採暖具100の接続部167a~167dにそれぞれ接続することで、水平方向に隣り合う面状採暖具100同士を電気的および機械的に接続する。
図1に示す面状採暖システム10の例では、面状採暖具100の4辺のうち2辺で他の面状採暖具100が隣り合う場合には該2辺で接続部材200によって他の面状採暖具100と接続する。また、面状採暖具100の4辺のうち3辺で他の面状採暖具100が隣り合う場合には該3辺で接続部材200によって他の面状採暖具100と接続する。同様に、面状採暖具100の4辺で他の面状採暖具100が隣り合う場合には4辺で接続部材200により他の面状採暖具100と接続する。接続部材200は、水平方向に隣り合う面状採暖具100同士を接続した状態では床面と接地する。
【0031】
図5は、接続部材200の構成の一例を示す斜視図である。
図5(a)は接続部材200を介して隣り合う面状採暖具100同士を接続させる一例を示す斜視図である。
図5(b)は、接続部材200の構成の一例を示す斜視図である。
図5(a)に示すように、接続部材200は、一方の面状採暖具100に接続された状態から、他方の面状採暖具100に接続されることで、水平方向に隣り合う面状採暖具100同士を接続する。接続部材200は、水平方向に隣り合う面状採暖具100同士を接続した状態では、隣り合う面状採暖具100の間に跨るように配置される。
【0032】
図5(b)に示すように、接続部材200は、一方向に長い長尺状に形成され、基台部210と、ブラケット部220とを有する。ここでは、接続部材200の長尺方向を長手方向といい、長手方向と直交する水平方向を幅方向という。接続部材200は、基台部210とブラケット部220とに、被接続部201が組み込まれている。被接続部201は、面状採暖具100の接続部167a~167dに接続される。また、被接続部201は、水平方向に隣り合って配列される面状採暖具100それぞれの接続部167a~167dに対して垂直方向に着脱可能である。
【0033】
被接続部201は、導通部202と、被係合部204a、204bとを有する。
導通部202は、隣り合う面状採暖具100の電源入出力部168に対して接することで電気的に接続される。具体的には、導通部202は、一方の面状採暖具100の電源入出力部168と他方の面状採暖具100の電源入出力部168とに接することで、一方の面状採暖具100の電源入出力部168と他方の面状採暖具100の電源入出力部168とを導通させる。ここで、導通部202は、それぞれ長手方向に離れた一対で構成され、基台部210の上面および内部に設けられる。基台部210は、ブロック状であって、ブラケット部220によって支持される。基台部210は、上面の中央に長手方向に沿って凹状の水路部211を有する。水路部211は、長手方向の中央では深さが浅く、中央からそれぞれ長手方向に離れるにしたがって深くなるように傾斜している。水路部211が設けられている位置は、隣り合う面状採暖具100同士の境界に位置する部分である。また、基台部210は、全体的に弾力性のある材質が用いられる。本実施形態の基台部210はラバーが用いられる。ただし、基台部210はラバーである場合に限られず、この他の材質を用いてもよい。
【0034】
図5(c)は、導通部202を通るように基台部210を切断した状態を示す拡大斜視図である。導通部202はそれぞれ幅方向に亘って配置され、基台部210の中央で基台部210の上面には露出せずに、基台部210内に埋設されている。導通部202のうち埋設されている位置は、隣り合う面状採暖具100同士の境界に位置する部分である。導通部202は、基台部210に埋設されずに基台部210の上面に露出している部位が電源入出力部168のユニット側電極170と接するコネクタ側電極203である。幅方向に隣り合うコネクタ側電極203同士は導通しており、長手方向に隣り合うコネクタ側電極203同士は導通していない。長手方向に隣り合うコネクタ側電極203は、一つの面状採暖具100の一対のユニット側電極170に対してそれぞれ接する。本実施形態の導通部202は、板金部材であり、基台部210をインサート成形することによって一部を埋設させることができる。ここで、コネクタ側電極203の板面(接触面)は水平方向と平行である。なお、導通部202は板金部材である場合に限られず、スクリーン印刷等の他の電極を用いてもよく、別部品を上側から覆うことで埋設させてもよい。
【0035】
被係合部204a、204bは、隣り合う面状採暖具100の係合部171a、171bに対して係合することで、機械的に接続される。具体的には、被係合部204a、204bは、一方の面状採暖具100の係合部171a、171bと係合され、他方の面状採暖具100の係合部171a、171bと係合されることで、接続部材200を介して、一方の面状採暖具100と他方の面状採暖具100とを機械的に接続する。ここで、基台部210を挟んで長手方向に沿って直線上に離れた被係合部204a、204bを1組とすると、接続部材200は幅方向に離れて2組の被係合部204a、204bを有する。1組の被係合部204a、204bは、一つの面状採暖具100の係合部171a、171bに対してそれぞれ係合される。上側から見たときに、2組の被係合部204a、204bは、それぞれ垂直方向に沿った中心線C(
図5(b)参照)に対して点対称な構成である。ここで、被係合部204a、204bは、それぞれブラケット部220に設けられる。ブラケット部220は、中央に基台部210を下側から支持する支持部221と、支持部221の長手方向の両端部からそれぞれ互いに反対側に延びる延出部222a、222bとを有する。ブラケット部220は、床面と接地する。
【0036】
支持部221は、上側が開口する略直方体状であり、内部に基台部210を固定することで、基台部210を支持する。延出部222a、222bは、それぞれ被係合部204a、204bが設けられる。具体的に、被係合部204a、204bは、延出部222a、222bからそれぞれ一体で上側に向かって突出する板状部223を水平方向(幅方向)に開口する孔状である。ここで、1組の被係合部204a、204bに注目すると、被係合部204a、204bは、支持部221の中央からそれぞれ長手方向の端部側に離れて位置する。支持部221の中央から被係合部204aまでが距離L1であり、中央から被係合部204bまでが距離L2であり、距離L1と距離L2とが異なっている。距離L1は、上述した側面部163a~163dの中央から係合部171aまでの距離L1と同じである。距離L2は、上述した側面部163a~163dの中央から係合部171bまでの距離と同じである。また、接続部材200を長手方向に沿って見たとき、1組の被係合部204a、204bと1組の被係合部204a、204bとの間には、側面部163a~163dの厚み分以上の隙間がある。また、ブラケット部220は、基台部210よりも弾力性のない材質が用いられる。本実施形態のブラケット部220は、合成樹脂が用いられる。ただし、ブラケット部220は合成樹脂である場合に限られず、この他の材質を用いてもよい。
【0037】
次に、隣り合う面状採暖具100同士を接続部材200を用いて接続する場合について
図6~
図9を参照して説明する。
図6は、2つの隣り合う面状採暖具100同士を接続部材200を用いて接続するときの状態を下側(接地面側)から見た斜視図である。
図6に示すように、2つの隣り合う面状採暖具100の境界には、下部ケース181の側面部183bの凹部184と側面部183dの凹部184とにより、接続部材200の基台部210および支持部221が垂直方向に入り込むことができる空間が形成される(後述する
図8(a)の空間Sも参照)。また、上部ケース161の側面部163bと下部ケース181の側面部183bとの間、および、上部ケース161の側面部163dと下部ケース181の側面部183dとの間には、それぞれ接続部材200の被係合部204a、204bが形成された板状部223が垂直方向に入り込むことができる隙間が形成される(後述する
図9(a)の隙間Gも参照)。
【0038】
図7は、
図6のうち面状採暖具100の本体ユニット160の下部ケース181を省略した斜視図であり、面状採暖具100bの一部を二点鎖線で示している。
2つの隣り合う面状採暖具100同士を接続部材200を用いて接続する場合には、接続部材200が2つの面状採暖具100に跨がる位置、かつ2つの面状採暖具100のそれぞれ側面部163b、163dの中央の位置になるように、相対的に面状採暖具100同士と接続部材200とを垂直方向に離して配置する。このとき、
図7に示すように、接続部材200の基台部210と、面状採暖具100同士の支持部169とが垂直方向に離れて位置する。また、一方の面状採暖具100の側面部163bの係合部171a、171bと、接続部材200の1組の被係合部204a、204bとがそれぞれ垂直方向に離れて位置する。また、他方の面状採暖具100の側面部163dの係合部171a、171bと、接続部材200の1組の被係合部204a、204bとがそれぞれ垂直方向に離れて位置する。
【0039】
図8は、面状採暖具100同士を接続部材200を用いて電気的に接続するときの状態を示す断面図であり、接続部材200の導通部202を通るように垂直方向に切断した断面図である。
図8(a)は面状採暖具100同士を接続する前の状態を示し、
図8(b)は面状採暖具100同士を接続した後の状態を示す断面図である。
図8(a)に示すように、面状採暖具100の電源入出力部168のユニット側電極170は、上部ケース161の内側から外側に向かうにしたがって下側になるように斜めに突出している。この状態から、他方の面状採暖具100を接続部材200に対して垂直方向に近づけて、接続部材200の基台部210の幅方向の半分が本体ユニット160の凹部184内に入れ込むように接続する。次に、一方の面状採暖具100を接続部材200に対して垂直方向に近づけて、接続部材200の基台部210の幅方向の半分が本体ユニット160の凹部184内に入れ込むように接続する。
【0040】
図8(b)に示すように、接続部材200の基台部210が一方の面状採暖具100の本体ユニット160の凹部184内と他方の面状採暖具100の本体ユニット160の凹部184内とに入り込むことで、一方の面状採暖具100の電源入出力部168のユニット側電極170と他方の面状採暖具100の電源入出力部168のユニット側電極170とが、接続部材200の導通部202のコネクタ側電極203に接する。したがって、隣り合う面状採暖具100同士が接続部材200を介して電気的に接続される。親ユニットの面状採暖具100aと、子ユニットの面状採暖具100bとが電気的に接続された場合には、親ユニットの面状採暖具100aの電源接続部166に供給された電源が、子ユニットとしての面状採暖具100bに出力される。
【0041】
ここで、ユニット側電極170およびコネクタ側電極203は、それぞれ水平方向と平行な接触面であることから互いに面同士で接するために、ユニット側電極170とコネクタ側電極203との間で容量の大きい電力を送電することができる。
また、隣り合う面状採暖具100それぞれのユニット側電極170は、接続部材200の基台部210によって下側から押圧され、反力によって常に導通部202のコネクタ側電極203と接する方向に向かって付勢される。したがって、ユニット側電極170とコネクタ側電極203との間の接触を安定させることができる。更に、基台部210は弾力性のある材質であるために、使用者が動いたり歩いたりしたときに面状採暖具100に振動が生じたとしても、基台部210が振動を吸収できることから、ユニット側電極170とコネクタ側電極203との間でスパークが生じないように接触を更に安定させることができる。一方、基台部210を支持して床面と接地するブラケット部220は、基台部210よりも弾力性のない材質であることから、床面との間で安定して接地することができる。
【0042】
また、
図8(b)に示すように、隣り合う面状採暖具100の境界から液体Wが浸入した場合を想定する。液体Wは隣り合う面状採暖具100の発熱ユニット110の間を通過した後、更に本体ユニット160の間を通過して、接続部材200の基台部210に到達する可能性がある。ここで、基台部210の導通部202は、隣り合う面状採暖具100同士の境界に位置する部分が埋設されている。したがって、液体Wが基台部210に到達しても、液体Wが導通部202に接触してショートすることを防止することができる。更に、基台部210は水路部211を有するので、基台部210に到達した液体Wは水路部211に沿って基台部210外に排水される。
【0043】
図9は、面状採暖具100同士を接続部材200を用いて機械的に接続するときの状態を示す断面図であり、接続部材200の被係合部204bを通るように垂直方向に切断した断面図である。
図9(a)は面状採暖具100同士を接続する前の状態を示し、
図9(b)は面状採暖具100同士を接続した後の状態を示す図である。
図9(a)に示すように、上部ケース161の側面部163bと、下部ケース181の側面部183bとの間に隙間Gを有し、上部ケース161の側面部163dと、下部ケース181の側面部183dとの間に隙間Gを有する。また、面状採暖具100の係合部171a、171bは、側面部163d、163bの内側の面から水平方向に突起状に突出している。この状態から、他方の面状採暖具100を接続部材200に対して垂直方向に近づけて、接続部材200の板状部223が側面部163dと側面部183dとの間に入り込むように接続する。次に、一方の面状採暖具100を接続部材200に対して垂直方向に近づけて、接続部材200の板状部223が側面部163bと側面部183bとの間に入り込むように接続する。このとき、各板状部223の上端側が係合部171a、171bに接することで、各板状部223が側面部183d、183b側にそれぞれ撓み、係合部171a、171bが被係合部204a、204bに入り込むことで、各板状部223の撓みが元に戻るように復帰する。
【0044】
図9(b)に示すように、接続部材200の孔状の被係合部204aに他方の面状採暖具100の突起状の係合部171aが入り込むことで係合し、更に、接続部材200の孔状の被係合部204bに一方の面状採暖具100の突起状の係合部171bが入り込むことで係合する。したがって、隣り合う面状採暖具100同士が接続部材200を介して機械的に接続される。ここで、面状採暖具100の係合部171a、171bが電源入出力部168と異なる位置にあり、接続部材200の被係合部204a、204bが導通部202と異なる位置にある。したがって、係合部171a、171bおよび被係合部204a、204bは、電源入出力部168および導通部202に影響を受けずに、機械的に接続するのに適した形状にすることができる。
【0045】
また、隣り合う全ての面状採暖具100との間で接続部材200を介して接続することで、増設された面状採暖具100は電気的に接続された他の面状採暖具100を通して複数の経路から電源が入力される。したがって、面状採暖具100は、接続されている一つの面状採暖具100が故障することで電源を出力することができない状態であっても他の面状採暖具100を通じた経路から電源が入力されるので、他の面状採暖具100を通じて入力された電源を用いて発熱部130を発熱させたり、他の面状採暖具100に電源を出力させたりすることができる。
【0046】
面状採暖具100を接続部材200から離脱させる場合には、一方の面状採暖具100を接続部材200に対して垂直方向に離すように引き上げた後、他方の面状採暖具100も接続部材200に対して垂直方向に離すように引き上げる。このように面状採暖具100を垂直方向に離すように引き上げることで、ユニット側電極170とコネクタ側電極203とが接しなくなるので、隣り合う面状採暖具100同士の電気的な接続が解除される。また、突起状の係合部171a、171bが引き上げられることで、被係合部204a、204bが係合部171a、171bによって押圧されるために、各板状部223が側面部183d、183b側にそれぞれ撓む。更に、突起状の係合部171a、171bが引き上げられることで、係合部171a、171bが被係合部204a、204bから抜け出て係合しなくなるので、隣り合う面状採暖具100同士の機械的な接続が解除される。
なお、面状採暖具100を引き上げやすくするために、本体ユニット160の側面部163a~163dのうち少なくとも何れか一つの外側の面には、使用者の指を挿入して引き上げることができるような凹状に凹んだ操作部を有していてもよい。
【0047】
上述したように構成される面状採暖具100によれば、発熱部130と、発熱部130を上側から覆う上面部121が設けられた外観部120とを有する発熱ユニット110と、発熱ユニット110を支持し、発熱部130を発熱させるための電源が入力される本体ユニット160と、を有し、発熱ユニット110と本体ユニット160とが分離可能である。このように、発熱ユニット110と本体ユニット160とが分離可能であることから、発熱ユニット110の外観部120の材質やデザインを容易に変えることができる。また、使用者(消費者)の多様なニーズに合わせた製品バリエーションを用意することができる。更に、発熱ユニット110あるいは本体ユニット160の何れか一方に修理、交換が必要な場合には、発熱ユニット110と本体ユニット160とを分離することで容易に修理、交換することができる。
【0048】
また、外観部120は、上面部121から一体で設けられ、発熱部130を4つの側方から覆う側面部122を有する。このように、側面部122が発熱部130を側方から覆うことで、発熱ユニット110の上面および側面が共通の外観部120で覆われるために一体感のある美観を与えることができる。また、複数の面状採暖具100を水平方向に配列した場合には、隣り合う面状採暖具100の上面部121同士を連続させることができるので、複数の面状採暖具100に亘って色合いを一定にしたり、模様を連続させたりすることができ、デザイン性を向上させることができる。また、上面部121と側面部122との境界が外側に向って湾曲状に膨らむように形成されることから、隣り合う面状採暖具100の上面部121同士の間の隙間を小さくすることができる。
【0049】
また、外観部120は、側面部122から一体で設けられ、発熱部130と本体ユニット160との間に位置する下面部123を有する。このように、下面部123が発熱部130と本体ユニット160との間に位置することで、上面部121および側面部122が上側に浮き上がってしまうことを抑制することができる。
【0050】
また、上述したように構成される面状採暖具100によれば、他の面状採暖具100と水平方向に隣り合って配列させるために他の面状採暖具100に対して接続する場合に、他の面状採暖具100に対して垂直方向に着脱可能な接続部167a~167dを有する。したがって、接続部167a~167dは他の面状採暖具100に対して垂直方向に着脱可能であるために、水平方向に2つの面状採暖具100を離しておくためのスペースを必要としないことから水平方向にスペースがない場合であっても、面状採暖具100を容易に他の面状採暖具100に接続することができる。
【0051】
また、接続部167a~167dは、他の面状採暖具100に対して電気的に接続される電源入出力部168と、他の面状採暖具100に対して電源入出力部168と異なる位置で機械的に接続される係合部171a、171bと、を有する。したがって、係合部171a、171bは、電源入出力部168に影響を受けないことから、機械的に接続するのに適した形状にすることができる。
【0052】
また、電源入出力部168は、少なくとも垂直方向に突出しており、外力に応じて垂直方向に撓み可能なユニット側電極170を有する。したがって、ユニット側電極170は、他の面状採暖具100側(接続部材200)から垂直方向で押圧され、反力によって常に接する方向に向かって付勢されるので、ユニット側電極170と他の面状採暖具100側(接続部材200)との間の接触を安定させることができる。
【0053】
また、係合部171a、171bは、水平方向に突出しており、他の面状採暖具100側(接続部材200)の孔状の被係合部204a、204bに対して係合する突起状である。したがって、係合部171a、171bが被係合部204a、204bから垂直方向に離脱させにくくすることができ、機械的な接続の強度を向上させることができる。なお、本実施形態では係合部171a、171bが突起状であり、被係合部204a、204bが孔状である場合について説明したが、この場合に限られず、係合部171a、171bが孔状であり、被係合部204a、204bが突起状であってもよい。また、係合部171a、171bと被係合部204a、204bは、垂直方向に相対的に近づけていくことで係合する構造であることが好ましいが、両者が係合可能な形状であればどのような形状であってもよい。
【0054】
また、上述したように構成される接続部材200は、複数の面状採暖具を水平方向に隣り合って配列させるために面状採暖具同士を接続するように、隣り合う面状採暖具それぞれの接続部167a~167dに対して垂直方向に着脱可能な被接続部201を有する。したがって、被接続部201は接続部167a~167dに対して垂直方向に着脱可能であるために、水平方向に2つの面状採暖具100を離しておくためのスペースを必要としないことから水平方向にスペースがない場合であっても、面状採暖具100を容易に他の面状採暖具100に接続することができる。
【0055】
なお、本実施形態の面状採暖システム10は、親ユニットの面状採暖具100aと子ユニットの面状採暖具100bとが異なる構成である場合について説明したが、この場合に限られない。面状採暖システム10は、複数の面状採暖具100が全て面状採暖具100aと同一の構成であってもよい。この場合には、複数の面状採暖具100aのうち一つの面状採暖具100aの電源接続部166を外部電源と接続することで、他の面状採暖具100に電源を供給することができる。
【0056】
また、本実施形態の面状採暖システム10は、面状採暖具100を接続部材200に対して上側から垂直方向に接続する場合について説明したが、この場合に限られず、床面に接地している面状採暖具100に対して接続部材200を上側から垂直方向に接続するように構成してもよい。この場合、
図6において、LoとUpを反対にして、本体ユニット160の上側に発熱ユニット110に配置することで実現できる。ただし、接続部材200を上側から垂直方向に接続する場合には、発熱ユニット110を本体ユニット160から分離した状態で接続することが好ましい。
【0057】
以上、本発明を上述した実施形態を用いて説明したが、本発明は上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲内で変更等が可能であり、変形例を適宜、組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0058】
10:面状採暖システム 100(100a、100b):面状採暖具 110:発熱ユニット 120:外観部 121:上面部 122:側面部 123:下面部 130:発熱部 140:第1の断熱部 150:第2の断熱部 151:ボス部 165a、165b:端子台 167a~167d:接続部 168:電源入出力部 170:ユニット側電極 171a、171b:係合部 173:連結孔 200:接続部材 201:被接続部 202:導通部 204a、204b:被係合部 210:基台部 211:水路部