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特許7627037MPM型決済システム、ユーザ端末、店舗事業者サーバ及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-28
(45)【発行日】2025-02-05
(54)【発明の名称】MPM型決済システム、ユーザ端末、店舗事業者サーバ及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 20/32 20120101AFI20250129BHJP
   G06Q 20/06 20120101ALI20250129BHJP
【FI】
G06Q20/32 300
G06Q20/06
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2021116094
(22)【出願日】2021-07-14
(65)【公開番号】P2023012590
(43)【公開日】2023-01-26
【審査請求日】2024-04-16
(73)【特許権者】
【識別番号】508207790
【氏名又は名称】有限会社 和晃
(74)【代理人】
【識別番号】100143568
【弁理士】
【氏名又は名称】英 貢
(72)【発明者】
【氏名】水科 晃
【審査官】野口 俊明
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-187589(JP,A)
【文献】特開2021-056636(JP,A)
【文献】特開2021-043692(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
店舗に設置される二次元コード提示器に提示された二次元コードをユーザ端末に読み取らせ、ユーザ端末側で選択指定した決済ブランドにより商品のクーポンを電子決済するMPM (Merchant Presented Mode) 型決済システムであって、
ユーザが利用する各種の決済ブランドを選択できる1つの決済アプリケーションがインストールされたカメラ付きのユーザ端末と、
当該店舗に設置される店舗IDを符号化した二次元コードを当該ユーザ端末に対して前記カメラにより読み取り可能に提示するための二次元コード提示器付きの店舗端末と、
前記決済アプリケーションの起動により動作する当該ユーザ端末から、前記二次元コードから取得された店舗IDを基にした電子決済の照合後に、ユーザによって種々の決済ブランドの中から選択指定された決済ブランドにより購入希望の商品のクーポンに関する電子決済の決済要求を受け付けて、前記店舗端末の事業者以外の他の事業者も共通利用する所定の中間サーバ経由で、若しくは直接的に、当該選択指定された決済ブランドに対応する決済サーバに対し、当該電子決済の決済要求に対する決済処理を実行させる機能を有する前記店舗端末の事業者専用の店舗事業者サーバと、を備え、
前記店舗事業者サーバは、その電子決済が完了した旨を示す決済完了情報を当該決済サーバから取得して前記ユーザ端末及び前記店舗端末に送信し、当該決済アプリケーション経由の決済履歴を管理する機能を有することを特徴とするMPM型決済システム。
【請求項2】
前記店舗事業者サーバは、前記中間サーバ経由で、当該選択指定された決済ブランドに対応する決済サーバに対し、当該電子決済の決済要求に対する決済処理を実行させる機能を有することを特徴とする、請求項1に記載のMPM型決済システム。
【請求項3】
前記店舗事業者サーバは、直接的に、当該選択指定された決済ブランドに対応する決済サーバに対し、当該電子決済の決済要求に対する決済処理を実行させる機能を有することを特徴とする、請求項1に記載のMPM型決済システム。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載のMPM型決済システムにおける、前記決済アプリケーションがインストールされたユーザ端末であって、
前記二次元コード提示器に提示された二次元コードを読み取り可能とするカメラと、
当該ユーザ端末の姿勢を検知する姿勢センサと、
前記決済アプリケーションの画面表示及びユーザ操作を可能とする端末ユーザインタフェースと、
前記決済アプリケーションの機能を実行する決済アプリ実行部を有する制御部と、を備え、
前記決済アプリ実行部は、前記決済アプリケーションの機能として、前記カメラで前記二次元コード提示器に提示された二次元コードを読み取る動作中に、前記姿勢センサによる姿勢検知を監視して、当該ユーザ端末が所定傾斜角度内で傾斜している間は、前記カメラによる撮影内容を前記端末ユーザインタフェースにおける前記決済アプリケーションの表示画面上で自動拡大させる機能を有することを特徴とするユーザ端末。
【請求項5】
当該ユーザ端末の本体を振動させる振動子を更に備え、
前記決済アプリ実行部は、前記決済アプリケーションの機能として、前記二次元コードの読み取り完了時に、前記振動子を作動させて当該ユーザ端末の本体を振動させる機能を有することを特徴とする、請求項4に記載のユーザ端末。
【請求項6】
請求項1から3のいずれか一項に記載のMPM型決済システムにおける、前記店舗端末の事業者専用の店舗事業者サーバであって、
前記決済アプリケーションの起動により動作する当該ユーザ端末から、電子決済の照合後に、ユーザによって種々の決済ブランドの中から選択指定された決済ブランドにより購入希望の商品のクーポンに関する電子決済の決済要求を受け付けて、前記店舗端末の事業者以外の他の事業者も共通利用する中間サーバ経由で、若しくは直接的に、当該選択指定された決済ブランドに対応する決済サーバに対し、当該電子決済の決済要求に対する決済処理を実行させる機能と、
その電子決済が完了した旨を示す決済完了情報を当該決済サーバから取得して前記ユーザ端末及び前記店舗端末に送信し、当該決済アプリケーション経由の決済履歴を管理する機能と、
を有することを特徴とする店舗事業者サーバ。
【請求項7】
請求項4又は5に記載のユーザ端末における前記制御部として構成されるコンピュータに、前記決済アプリ実行部を機能させるための前記決済アプリケーションとして構成されるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、店舗に設置される二次元コード提示器に提示された二次元コードをユーザ端末に読み取らせ、ユーザ端末側で選択指定した決済ブランドにより商品のクーポンを電子決済するMPM (Merchant Presented Mode) 型決済システム、ユーザ端末、店舗事業者サーバ及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、各種の決済ブランドと契約済みの店舗(以下、「決済契約店舗」と称する。)において、店舗ID(識別子)を符号化したQR(登録商標)コード(以下、「二次元コード」と称する。)を当該決済契約店舗に設置される二次元コード提示器に提示させることができる。そして、ユーザによってスマートフォン等のユーザ端末を利用してその二次元コードを読み取らせ、ユーザによって選択指定した決済ブランドにより購入希望の商品のクーポンを電子決済するMPM型決済システムが一般的に知られている(例えば、非特許文献1参照)。
【0003】
近年のユーザ端末は、カメラ付き移動端末として構成されている。そして、このユーザ端末用に、二次元コードを読み取り電子決済するための決済アプリケーション(ソフトウェア)が各種の決済ブランド毎に用意されている。一般的には、そのような各種の決済ブランド毎の決済アプリケーション(以下、「決済アプリ」と称する。)は、予めユーザ端末にインストールされているか、或いはインターネット経由で種々のサービスサーバからダウンロードすることができる。また、各種の決済ブランド毎の決済アプリは、購入希望の商品のクーポンもインターネット経由で取得して保持できる。そして、ユーザ端末は、ユーザによって選択指定する決済ブランド専用の決済アプリを起動させて、ユーザ端末のカメラにより二次元コード提示器に提示された二次元コードを読み取り、当該ユーザによって選択指定した決済ブランドにより購入希望の商品のクーポンを電子決済することができる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【文献】“コード決済に関する統一技術仕様ガイドライン”、[online]、一般社団法人キャッシュレス推進協議会、Ver.2.0、2020年4月27日、[令和3年3月15日検索]、インターネット〈URL:https://www.paymentsjapan.or.jp/wordpress/wp-content/uploads/2020/04/MPM_Guideline_2.0.pdf〉
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前述したように、非特許文献1には、ユーザによってスマートフォン等のユーザ端末を利用してその二次元コードを読み取らせ、ユーザによって選択指定した決済ブランドにより購入希望の商品のクーポンを電子決済するMPM型決済システムが知られている。
【0006】
ここで、図7を参照して、従来のMPM型決済システムの概略構成について説明する。尚、非特許文献1では、「静的QR(登録商標)コード」及び「動的QR(登録商標)コード」として区別したMPM型決済システムが開示されているが、図7に示す従来のMPM型決済システムでは、そのいずれにも対応できるシステム構成として例示している。
【0007】
図7は、従来のMPM型決済システム100の概略構成を示すブロック図である。
図7に示す従来のMPM型決済システム100は、ユーザが利用する従来の決済アプリがインストールされたカメラ付きのユーザ端末101と、決済契約店舗に設置される店舗IDを符号化した二次元コードを当該ユーザ端末101に対して読み取り可能に提示するための二次元コード提示器102a付きの店舗端末102と、当該ユーザ端末101から、二次元コードから取得された店舗IDを基にした電子決済の照合後に、ユーザによって選択指定した決済ブランド専用の決済アプリを用いて購入希望の商品のクーポンに関する電子決済の決済要求を受け付けて、当該決済ブランドに対応する決済サーバ104(各決済ブランドに対応付けられた決済メーカA,B,C等が提供する決済サーバ5A,5B,5C等のうち当該ユーザにより選択指定される決済ブランドに対応する決済サーバ)に対し当該電子決済の決済要求に対する決済処理を実行させ、その決済が完了した旨を示す決済完了情報を決済サーバ104から取得してユーザ端末101及び店舗端末102に送信する中間サーバ103と、を備える。
【0008】
ここで、ユーザ端末101には、各種の決済ブランド毎の複数の決済アプリがインストールされており、ユーザIDによる利用者登録済みの各決済アプリ上で、ユーザが購入希望する商品の電子決済用のクーポン情報が予め取得・保持されて、ユーザ操作で選択指定できるものとなっている。また、二次元コード提示器102aには、店舗IDを符号化した二次元コードが、固定(静的)又は店舗端末102からの操作で可変(動的)に提示されている。また、中間サーバ103は、インターネット経由で店舗端末103及び各種の決済サーバ104と通信接続され、ユーザ端末101とも、店舗端末102経由、或いは直接的な携帯電話網又は近距離無線通信で通信接続可能となっており、各種の決済ブランドと契約されている決済処理センタに設置されており、店舗端末102の事業者以外の他の事業者も共通利用するものとなっている。
【0009】
この従来のMPM型決済システム100において、まず、ユーザは、ユーザ端末101における各種の決済ブランド毎の複数の決済アプリの中から所望の決済ブランド専用の決済アプリを選択指定して起動し、この従来の決済アプリの機能として二次元コード提示器102aに提示された二次元コードを読み取り、その二次元コードから読み取った店舗IDを取得する。
【0010】
続いて、ユーザ端末101は、従来の決済アプリの機能として、二次元コードから店舗IDを取得すると、自動的に中間サーバ103と通信接続し、決済ブランド情報、ユーザID及び店舗IDを含む照合要求を中間サーバ103に送信する。
【0011】
続いて、中間サーバ103は、ユーザ端末101から送信される決済ブランド情報、ユーザID及び店舗IDを含む照合要求を受け付けて、当該決済ブランド情報に示される決済ブランドに対応付けられた決済サーバ104を判別し、対応する決済サーバ104に対して店舗IDを照合させる照合処理を実行させる。そして、中間サーバ103は、当該決済サーバ104から照合完了の旨を示す照合完了情報を受信すると、ユーザ端末101に返信する。尚、中間サーバ103は、決済サーバ104から照合不可の旨を示す照合不可情報を受信したときもユーザ端末101に返信するが、当該照合不可とされる電子決済の決済処理は受け付けないように動作する。
【0012】
続いて、ユーザ端末101は、従来の決済アプリの機能として、照合完了の旨を受信すると、自動的に中間サーバ103と通信接続し、当該ユーザID、当該店舗ID、ユーザが購入希望する商品の電子決済用の当該クーポン情報、当該決済ブランド情報、及び当該クーポン情報に関する取引金額を示す取引金額情報を含む決済要求を中間サーバ103に送信する。ここで、取引金額情報は、従来の決済アプリの機能として、クーポンの種別に応じて、当該クーポン情報に対応する固定の取引金額として自動的に指定される場合や、ユーザが取引金額を入力して指定する場合もある。また、ユーザ端末1から店舗事業者サーバ2に送信する電子決済の照合要求(決済ブランド情報、ユーザID及び店舗IDを含む。)と、当該電子決済の決済要求(ユーザID、店舗ID、ユーザが購入希望する商品の電子決済用の当該クーポン情報、当該決済ブランド情報、及び当該クーポン情報に関する取引金額を示す取引金額情報を含む。)とを、時系列に分けて送信する代わりに、この照合要求の送信動作を省略し、当該電子決済の決済要求の前処理に照合処理を組み入れて、当該電子決済の決済要求の送信で、照合と決済を一連の処理として動作する形態とすることもある。
【0013】
続いて、中間サーバ103は、ユーザ端末101から送信される決済要求を受け付けて、照合済みの当該決済ブランド情報及び店舗IDに対応する決済サーバ104を判別し、対応する決済サーバ104に対して当該決済要求に対する決済処理を実行させる。そして、中間サーバ103は、当該決済サーバ104から決済完了の旨を示す決済完了情報を受信すると、その旨をユーザ端末101及び店舗端末102に送信する。
【0014】
これにより、ユーザ端末101を操作するユーザは、選択指定した決済ブランドにより購入希望の商品のクーポンを電子決済することができる。そして、ユーザ端末101を操作するユーザ、及び店舗端末102を管理する店舗管理者は、当該電子決済が無事に完了したことを確認することができる。
【0015】
しかしながら、図7に示す従来のMPM型決済システム100では、ユーザ端末101において、各種の決済ブランド毎の複数の決済アプリをインストールさせておく必要があり、ユーザにとって電子決済操作が煩雑になり、ユーザ側にとって利便性の観点で改善の余地がある。
【0016】
また、図7に示す従来のMPM型決済システム100では、中間サーバ103が各種の決済ブランドと契約されている決済処理センタに設置されており、店舗端末102の事業者以外の他の事業者も共通利用するものとなっている。このため、例えば、店舗端末102の事業者が、例えば複数の店舗を展開する場合などでは、店舗毎の電子決済に関する情報を識別しながら収集するのが煩雑になり、店舗事業者側にとって利便性の観点で改善の余地がある。
【0017】
本発明の目的は、上述の問題に鑑みて、ユーザ側及び店舗事業者側の双方にとって利便性の高いMPM型決済システム、ユーザ端末、店舗事業者サーバ及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明のMPM型決済システムは、店舗に設置される二次元コード提示器に提示された二次元コードをユーザ端末に読み取らせ、ユーザ端末側で選択指定した決済ブランドにより商品のクーポンを電子決済するMPM型決済システムであって、ユーザが利用する各種の決済ブランドを選択できる1つの決済アプリケーションがインストールされたカメラ付きのユーザ端末と、当該店舗に設置される店舗IDを符号化した二次元コードを当該ユーザ端末に対して前記カメラにより読み取り可能に提示するための二次元コード提示器付きの店舗端末と、前記決済アプリケーションの起動により動作する当該ユーザ端末から、前記二次元コードから取得された店舗IDを基にした電子決済の照合後に、ユーザによって種々の決済ブランドの中から選択指定された決済ブランドにより購入希望の商品のクーポンに関する電子決済の決済要求を受け付けて、前記店舗端末の事業者以外の他の事業者も共通利用する所定の中間サーバ経由で、若しくは直接的に、当該選択指定された決済ブランドに対応する決済サーバに対し、当該電子決済の決済要求に対する決済処理を実行させる機能を有する前記店舗端末の事業者専用の店舗事業者サーバと、を備え、前記店舗事業者サーバは、その電子決済が完了した旨を示す決済完了情報を当該決済サーバから取得して前記ユーザ端末及び前記店舗端末に送信し、当該決済アプリケーション経由の決済履歴を管理する機能を有することを特徴とする。
【0019】
また、本発明のMPM型決済システムにおいて、前記店舗事業者サーバは、前記中間サーバ経由で、当該選択指定された決済ブランドに対応する決済サーバに対し、当該電子決済の決済要求に対する決済処理を実行させる機能を有することを特徴とする。
【0020】
また、本発明のMPM型決済システムにおいて、前記店舗事業者サーバは、直接的に、当該選択指定された決済ブランドに対応する決済サーバに対し、当該電子決済の決済要求に対する決済処理を実行させる機能を有することを特徴とする。
【0021】
また、本発明のユーザ端末は、本発明のMPM型決済システムにおける、前記決済アプリケーションがインストールされたユーザ端末であって、前記二次元コード提示器に提示された二次元コードを読み取り可能とするカメラと、当該ユーザ端末の姿勢を検知する姿勢センサと、前記決済アプリケーションの画面表示及びユーザ操作を可能とする端末ユーザインタフェースと、前記決済アプリケーションの機能を実行する決済アプリ実行部を有する制御部と、を備え、前記決済アプリ実行部は、前記決済アプリケーションの機能として、前記カメラで前記二次元コード提示器に提示された二次元コードを読み取る動作中に、前記姿勢センサによる姿勢検知を監視して、当該ユーザ端末が所定傾斜角度内で傾斜している間は、前記カメラによる撮影内容を前記端末ユーザインタフェースにおける前記決済アプリケーションの表示画面上で自動拡大させる機能を有することを特徴とする。
【0022】
また、本発明のユーザ端末において、当該ユーザ端末の本体を振動させる振動子を更に備え、前記決済アプリ実行部は、前記決済アプリケーションの機能として、前記二次元コードの読み取り完了時に、前記振動子を作動させて当該ユーザ端末の本体を振動させる機能を有することを特徴とする。
【0023】
また、本発明の店舗事業者サーバは、本発明のMPM型決済システムにおける、前記店舗端末の事業者専用の店舗事業者サーバであって、前記決済アプリケーションの起動により動作する当該ユーザ端末から、電子決済の照合後に、ユーザによって種々の決済ブランドの中から選択指定された決済ブランドにより購入希望の商品のクーポンに関する電子決済の決済要求を受け付けて、前記店舗端末の事業者以外の他の事業者も共通利用する中間サーバ経由で、若しくは直接的に、当該選択指定された決済ブランドに対応する決済サーバに対し、当該電子決済の決済要求に対する決済処理を実行させる機能と、その電子決済が完了した旨を示す決済完了情報を当該決済サーバから取得して前記ユーザ端末及び前記店舗端末に送信し、当該決済アプリケーション経由の決済履歴を管理する機能と、を有することを特徴とする。
【0024】
また、本発明のプログラムは、本発明のユーザ端末における前記制御部として構成されるコンピュータに、前記決済アプリ実行部を機能させるための前記決済アプリケーションとして構成される。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、ユーザにとって利便性の高い態様でユーザ端末を介してMPM型決済システムにおける電子決済が可能となり、店舗事業者にとって利便性の高い態様でMPM型決済システムにおける店舗毎の電子決済に関する情報収集を行うことができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明による一実施形態のMPM型決済システムの概略構成を示すブロック図である。
図2】本発明による一実施形態のMPM型決済システムにおけるユーザ端末及び店舗事業者サーバの概略構成を示すブロック図である。
図3】本発明による一実施形態のMPM型決済システムの典型的な動作例を示すフローチャートである。
図4】(a)乃至(c)は本発明による一実施形態のMPM型決済システムにおけるユーザ端末の二次元コード読み取り動作に伴って変化する表示画面について説明する図であり、(d)はユーザ端末の二次元コード読み取り完了時の動作を示す図である。
図5】本発明による一実施形態のMPM型決済システムにおける店舗事業者サーバによる決済履歴管理テーブル例を示す図である。
図6】本発明による変形例のMPM型決済システムの概略構成を示すブロック図である。
図7】従来のMPM型決済システムの概略構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
〔システム構成〕
以下、図面を参照して、本発明による一実施形態のMPM型決済システム10について説明する。図1は、本発明による一実施形態のMPM型決済システム10の概略構成を示すブロック図である。尚、図1において、図7に示すものと同様の構成要素には同一の参照番号を付している。図1に示す本発明による一実施形態のMPM型決済システム10は、図7に示す従来のMPM型決済システム100と比較すると、図7に示すユーザ端末101の代わりに、本発明に係る決済アプリ(本願明細書中、従来のものと区別するため「TichetQRアプリ」とも称する。)をインストールしたユーザ端末1が用いられ、「TichetQRアプリ」に対応付けて動作する店舗事業者サーバ2(本願明細書中、「TichetQRサーバ」とも称する。)が新たに設けられている点で相違している。
【0028】
従って、本実施形態のMPM型決済システム10におけるユーザ端末1及び店舗事業者サーバ2の以外の構成要素である、二次元コード提示器102a付きの店舗端末102、中間サーバ103、及び決済サーバ104(各決済ブランドに対応付けられた決済メーカA,B,C等が提供する決済サーバ5A,5B,5C等のうち当該ユーザにより指定される決済ブランドに対応する決済サーバ)の構成は従来のものと同様であり、同様の機能を有する。
【0029】
より具体的には、図1に示す本発明による一実施形態のMPM型決済システム10は、ユーザが利用する本発明に係る決済アプリ(「TichetQRアプリ」)がインストールされたカメラ付きのユーザ端末1と、決済契約店舗に設置される店舗IDを符号化した二次元コードを当該ユーザ端末1に対して当該カメラにより読み取り可能に提示するための二次元コード提示器102a付きの店舗端末102と、本発明に係る決済アプリ(「TichetQRアプリ」)の起動により動作するユーザ端末1から、二次元コードから取得された店舗IDを基にした電子決済の照合後に、ユーザによって種々の決済ブランドの中から選択指定された決済ブランドにより購入希望の商品のクーポンに関する電子決済の決済要求を当該照合後に受け付けて(本実施形態では、照合要求を決済要求とは別に行うが、その決済要求の動作に照合動作を兼ねてもよい。)、店舗端末102の事業者以外の他の事業者も共通利用する中間サーバ103経由で(若しくは図6を参照して後述する変形例では直接的に)、当該選択指定された決済ブランドに対応する決済サーバ104に対し、当該電子決済の決済要求に対する決済処理を実行させる機能を有する店舗端末102の事業者専用の店舗事業者サーバ2(「TichetQRサーバ」)と、を備える。そして、店舗事業者サーバ2(「TichetQRサーバ」)は、その電子決済が完了した旨を示す決済完了情報を当該決済サーバ104から取得してユーザ端末1及び店舗端末102に送信し、当該本発明に係る決済アプリ(「TichetQRアプリ」)経由の決済履歴を管理する機能を有する。
【0030】
ここで、ユーザ端末1には、各種の決済ブランドを選択できる1つの決済アプリ(「TichetQRアプリ」)がインストールされており、ユーザIDによる利用者登録済みのその決済アプリ上で、ユーザが購入希望する商品の電子決済用のクーポン情報が予め取得・保持されている。決済アプリ(「TichetQRアプリ」)は、店舗端末102の事業者に対するユーザ登録(氏名・連絡先・生年月日・性別等)が必要なアプリケーションとして構成され、ユーザIDとパスワードで起動するようになっている。また、決済アプリ(「TichetQRアプリ」)は、購入希望の商品のクーポンをインターネット経由で取得して保持できる。
【0031】
従来と同様に、二次元コード提示器102aには、店舗IDを符号化した二次元コードが、固定(静的)又は店舗端末102からの操作で可変(動的)に提示されている。尚、中間サーバ103は、インターネット経由で店舗事業者サーバ2及び各種の決済サーバ104と通信接続されている。そして、本発明に係る店舗事業者サーバ2は、インターネット経由で店舗端末103と通信接続され、ユーザ端末1とも、店舗端末102経由、或いは直接的な携帯電話網又は近距離無線通信で通信接続可能となっており、決済契約店舗の運営を管理する店舗事業者管理センタ、若しくは決済契約店舗に設置されている。
【0032】
ところで、本発明に係るユーザ端末1は、各種の決済ブランド毎の複数の決済アプリをインストールさせておく必要がなく、各種の決済ブランドを選択できる1つの決済アプリ(「TichetQRアプリ」)がインストールされているため、ユーザにとって電子決済操作が簡単化し、ユーザ側にとって利便性の高いものとなっている。
【0033】
また、中間サーバ103は従来通り各種の決済ブランドと契約されている決済処理センタに設置されており、店舗端末102の事業者以外の他の事業者も共通利用するものとなっているが、本発明に係る店舗事業者サーバ2は、店舗端末102の事業者専用であり、他の事業者が利用できないものとなっている。このため、例えば、店舗端末102の事業者が、例えば複数の店舗を展開する場合などでは、店舗毎の電子決済に関する情報収集を行うのが容易化され、店舗事業者側にとって利便性の高いものとなっている。
【0034】
以下、より具体的に、図2を参照して、本発明に係るユーザ端末1、及び店舗事業者サーバ2の構成について詳細に説明する。図2は、本発明による一実施形態のMPM型決済システム10におけるユーザ端末1及び店舗事業者サーバ2の概略構成を示すブロック図である。
【0035】
(ユーザ端末)
図2に示すように、ユーザ端末1は、二次元コードを読み取り可能なカメラ11付きの一般的なスマートフォン又はタブレットであり、特に、本実施形態のユーザ端末1は、カメラ11、無線通信部12、姿勢センサ13、振動子14、端末UI(ユーザインタフェース)15、記憶部16、及び制御部17を備える。
【0036】
ユーザ端末1における制御部17は、中央演算処理ユニット(CPU)を有するコンピュータで構成することができ、記憶部16の所定の格納領域に格納されているプログラムを読み出して実行することで、被写体を撮像するカメラ11、外部機器(本例では店舗事業者サーバ2)との無線通信を可能とする無線通信部12、加速度センサ等のユーザ端末1の姿勢を検知する姿勢センサ13、ユーザ端末1の本体を振動させる振動子14、ユーザ端末1における決済アプリ(「TichetQRアプリ」)の画面表示及びユーザ操作を可能とする端末UI15を機能させ、特に、本実施形態に関する機能としては、決済アプリ実行部171を機能させる。
【0037】
即ち、記憶部16には本発明に係る各種の決済ブランドを選択できる1つの決済アプリ(「TichetQRアプリ」)がインストール済みであり、制御部17は、端末UI15を介するユーザ操作によって決済アプリ(「TichetQRアプリ」)を起動させて、決済アプリ実行部171を機能させるようになっている。決済アプリ(「TichetQRアプリ」)は、ユーザ操作によって各種の決済ブランドの中から所望の決済ブランドを選択でき、その決済アプリ上で、ユーザが購入希望する商品の電子決済用のクーポン情報が予め取得・保持されて、ユーザ操作で選択指定できるものとなっている。
【0038】
決済アプリ実行部171は、決済アプリ(「TichetQRアプリ」)の機能を実行する機能部であり、コード読取制御部1711、及び決済照合要求実行部1712を備える。
【0039】
コード読取制御部1711は、決済アプリ(「TichetQRアプリ」)上のユーザ操作によって各種の決済ブランドの中から所望の決済ブランドが選択された上で、カメラ11で二次元コード提示器102aに提示された二次元コードを読み取ると自動的にコード解読し、その二次元コードから読み取った店舗IDを取得する機能部である。
【0040】
決済照合要求実行部1712は、本発明に係る決済アプリ(「TichetQRアプリ」)の機能として、決済照合機能と、決済要求実行機能とを有する。
【0041】
決済照合要求実行部1712における決済照合機能は、コード読取制御部1711により二次元コードから店舗IDを取得すると、自動的に店舗事業者サーバ2と通信接続し、ユーザが指定する決済ブランド情報、ユーザID及び店舗IDを含む電子決済の照合要求を店舗事業者サーバ2に送信し、店舗事業者サーバ2に対して当該照合要求を受け付けさせて、当該決済ブランド情報に示される決済ブランドに対応付けられた決済サーバ104を判別させ、中間サーバ103経由で対応する決済サーバ104に対して店舗IDを照合させる照合処理を実行させるものとなっている。
【0042】
決済照合要求実行部1712における決済要求実行機能は、店舗事業者サーバ2経由で当該電子決済の照合完了の旨を受信すると、自動的に店舗事業者サーバ2と通信接続し、当該ユーザID、当該店舗ID、ユーザが購入希望する商品の電子決済用の当該クーポン情報、当該決済ブランド情報、及び当該クーポン情報に関する取引金額を示す取引金額情報を含む電子決済の決済要求を店舗事業者サーバ2(「TichetQRサーバ」)に送信し、店舗事業者サーバ2(「TichetQRサーバ」)に対して当該電子決済の決済要求を受け付けさせて、当該決済ブランド情報に示される決済ブランドに対応付けられた決済サーバ104を判別させ、中間サーバ103経由で対応する決済サーバ104に対し当該電子決済の決済要求に対する決済処理を実行させ、その決済が完了した旨を示す決済完了情報を中間サーバ103経由で取得させ、店舗事業者サーバ2(「TichetQRサーバ」)から当該ユーザ端末1及び店舗端末102に送信させるものとなっている。ここで、取引金額情報は、本発明に係る決済アプリ(「TichetQRアプリ」)の機能として、クーポンの種別に応じて、当該クーポン情報に対応する固定の取引金額として自動的に指定されるものと、ユーザが取引金額を入力して指定するものとがある。
【0043】
本発明に係る決済アプリ(「TichetQRアプリ」)上では、ユーザによる決済履歴が管理されて保持可能となっており、端末UI15の表示画面上でユーザによる決済履歴を確認できるようになっている。
【0044】
尚、コード読取制御部1711は、図4(a)乃至(c)を参照して後述するが、カメラ11で二次元コード提示器102aに提示された二次元コードを読み取る動作中に、姿勢センサ13による姿勢検知を監視しており、当該ユーザ端末1が所定傾斜角度内(例えば水平に対して15°から45°の範囲内)で傾斜している間は、カメラ11による撮影内容を端末UI15の表示画面上で自動拡大させる機能を有する。
【0045】
また、コード読取制御部1711は、図4(d)を参照して後述するが、二次元コードの読み取り完了時(コード解読時)に、振動子14を作動させてユーザ端末1の本体を振動させる機能を有する。
【0046】
(店舗事業者サーバ)
図2に示すように、店舗事業者サーバ2は、ユーザ端末1との無線通信を可能とする無線通信部21、中間サーバ103経由の決済サーバ104との有線又は無線の通信を可能とする通信部22、店舗端末102との有線又は無線の通信を可能とする通信部23、記憶部24、及び制御部25を備える。
【0047】
図2に示す店舗事業者サーバ2における制御部25は、中央演算処理ユニット(CPU)を有するコンピュータで構成することができ、記憶部24の所定の格納領域に格納されているプログラムを読み出して実行することで、ユーザ端末1との無線通信を可能とする無線通信部21、中間サーバ103経由の決済サーバ104との有線又は無線の通信を可能とする通信部22、店舗端末102との有線又は無線の通信を可能とする通信部23を機能させ、特に、本実施形態に関する機能としては、決済照合要求処理部251、及び決済履歴管理部252の各機能部を機能させる。
【0048】
決済照合要求処理部251は、ユーザ端末1からの電子決済の照合要求(決済ブランド情報、ユーザID及び店舗IDを含む。)を受け付けて、当該決済ブランド情報に示される決済ブランドに対応付けられた決済サーバ104を判別し、中間サーバ103経由で対応する決済サーバ104に対して店舗IDを照合させる照合処理を実行させる機能、及びユーザ端末1からの電子決済の決済要求(ユーザID、店舗ID、クーポン情報、決済ブランド情報、及び取引金額情報を含む。)を受け付けて、当該決済ブランド情報に示される決済ブランドに対応付けられた決済サーバ104を判別し、中間サーバ103経由で対応する決済サーバ104に対して当該電子決済の決済要求に対する決済処理を実行させ、その決済が完了した旨を示す決済完了情報を中間サーバ103経由で取得し、当該ユーザ端末1及び店舗端末102に送信する機能部である。
【0049】
決済履歴管理部252は、図5を参照して後述するが、本発明に係る決済アプリ(「TichetQRアプリ」)経由の決済履歴を管理する機能部である。
【0050】
(システム動作)
図3は、本発明による一実施形態のMPM型決済システム10の典型的な動作例を示すフローチャートである。
【0051】
本実施形態のMPM型決済システム10において、まず、ユーザは、ユーザ端末1における各種の決済ブランドを選択できる1つの決済アプリ(「TichetQRアプリ」)を起動し、この決済アプリ(「TichetQRアプリ」)上で、ユーザ操作によって各種の決済ブランドの中から所望の決済ブランドを選択し、ユーザが購入希望する商品の電子決済用のクーポン情報を選択指定する(ステップS1)。
【0052】
続いて、ユーザ端末1は、決済アプリ(「TichetQRアプリ」)の機能として動作するコード読取制御部1711により、二次元コード提示器102aに提示された二次元コードを読み取り、その二次元コードから読み取った店舗IDを取得する(ステップS2)。
【0053】
図4(a)乃至(c)は本実施形態のMPM型決済システム10におけるユーザ端末1の二次元コード読み取り動作に伴って変化する表示画面について説明する図であり、図4(d)はユーザ端末の二次元コード読み取り完了時の動作を示す図である。
【0054】
まず、図4(a)に示すように、コード読取制御部1711は、カメラ11で二次元コード提示器102aの二次元コード提示面Dに提示された二次元コードを読み取る動作中に、姿勢センサ13による姿勢検知を監視している。そして、コード読取制御部1711は、当該ユーザ端末1が所定傾斜角度内(例えば水平に対して15°から45°の範囲内)で傾斜していないときは、図4(b)に示すように端末UI15における決済アプリ(「TichetQRアプリ」)の表示画面U1上で通常表示画面を提示する。一方、コード読取制御部1711は、当該ユーザ端末1が所定傾斜角度内(例えば水平に対して15°から45°の範囲内)で傾斜している間は、図4(c)に示すようにカメラ11による撮影内容を端末UI15における決済アプリ(「TichetQRアプリ」)の表示画面U1上で自動拡大させる機能を有する。この機能は、従来の決済アプリ上では存在しない機能であり、これにより、二次元コード提示器102aに提示された二次元コードを読み取る動作中に、その二次元コード(図示“U2”)が大きく表示されるようになり、カメラフォーカス時間を大幅に短縮でき、二次元コードのコード解読時間を短縮化させ、操作性が向上するようになる。
【0055】
尚、決済アプリ(「TichetQRアプリ」)は、店舗端末102の事業者に対するユーザ登録(氏名・連絡先・生年月日・性別等)が必要なアプリケーションとして構成され、ユーザIDとパスワードで起動するようになっている。そして、図4(b)に示すように、端末UI15における決済アプリ(「TichetQRアプリ」)の表示画面U1上では、予め取得済みの1以上の商品のクーポン情報を選択可能に表示するクーポンメニューU3、各種の決済ブランドの中から所望の決済ブランドを選択するためのメニューをタッチ操作で表示する決済ブランドメニューU4、ユーザによる決済履歴をタッチ操作で表示する決済履歴メニューU5、及びユーザIDに対応するユーザ登録内容をタッチ操作で表示するメニューU6が提示される。本例では、取引金額情報は、本発明に係る決済アプリ(「TichetQRアプリ」)の機能として、クーポンメニューU3でユーザがクーポンを選択指定した際に、当該クーポン情報に対応する固定の取引金額として自動的に指定されるものと、当該クーポン情報に応じて取引金額を入力して指定するメニューを提示するようになっている。
【0056】
また、図4(d)に示すように、コード読取制御部1711は、二次元コードの読み取り完了時(コード解読時)に、振動子14を作動させてユーザ端末1の本体を振動させる機能を有する。この機能は、従来の決済アプリ上では存在しない機能であり、これにより、ユーザは表示画面U1の確認をしなくても済むようになり、更には例えばブザー音で通知する場合では聞き取りにくいことや聞き逃しも多々あることから、ブザー音で通知するよりも操作性が向上するようになる。
【0057】
図3を参照するに、ユーザ端末1は、二次元コード提示器102aに提示された二次元コードから店舗IDを取得すると、決済アプリ(「TichetQRアプリ」)の機能として動作する決済照合要求実行部1712における決済照合機能により、自動的に店舗事業者サーバ2と通信接続し、ユーザが指定する決済ブランド情報、ユーザID及び店舗IDを含む電子決済の照合要求を店舗事業者サーバ2に送信する(ステップS3)。
【0058】
店舗事業者サーバ2は、決済照合要求処理部251の機能により、ユーザ端末1からの電子決済の照合要求(決済ブランド情報、ユーザID及び店舗IDを含む。)を受け付けて、当該決済ブランド情報に示される決済ブランドに対応付けられた決済サーバ104を判別し、中間サーバ103経由で対応する決済サーバ104に対して店舗IDを照合させる照合処理を実行させる(ステップS4,S5,S6)。そして、中間サーバ103は、当該決済サーバ104から照合完了の旨を示す照合完了情報を受信すると店舗事業者サーバ2に返信し、店舗事業者サーバ2はその照合完了情報をユーザ端末1に返信する。尚、中間サーバ103は、決済サーバ104から照合不可の旨を示す照合不可情報を受信したときも店舗事業者サーバ2に返信し、店舗事業者サーバ2はその照合不可情報をユーザ端末1に返信し、当該照合不可とされる決済ブランド情報、及び店舗IDを含む電子決済の決済処理は受け付けないように動作する。
【0059】
続いて、ユーザ端末1は、店舗事業者サーバ2経由で当該電子決済の照合完了の旨を示す照合完了情報を受信すると、自動的に店舗事業者サーバ2と通信接続し、当該ユーザID、当該店舗ID、ユーザが購入希望する商品の電子決済用の当該クーポン情報、当該決済ブランド情報、及び当該クーポン情報に関する取引金額を示す取引金額情報を含む電子決済の決済要求を店舗事業者サーバ2に送信する(ステップS7)。
【0060】
店舗事業者サーバ2は、決済照合要求処理部251の機能により、ユーザ端末1からの当該電子決済の決済要求(ユーザID、店舗ID、ユーザが購入希望する商品の電子決済用の当該クーポン情報、当該決済ブランド情報、及び当該クーポン情報に関する取引金額を示す取引金額情報を含む。)を受け付けて、当該決済ブランド情報に示される決済ブランドに対応付けられた決済サーバ104を判別し、中間サーバ103経由で対応する決済サーバ104に対し当該電子決済の決済要求に対する決済処理を実行させる(ステップS8,S9,S10)。そして、中間サーバ103は、当該決済サーバ104から決済が完了した旨を示す決済完了情報を受信すると店舗事業者サーバ2に返信し、店舗事業者サーバ2はその照合完了情報をユーザ端末1及び店舗端末102に送信する。
【0061】
そして、店舗事業者サーバ2は、決済履歴管理部252の機能により、図5に例示する決済履歴管理テーブルとして、本発明に係る決済アプリ(「TichetQRアプリ」)経由の決済履歴を管理する。
【0062】
図5は、本発明による一実施形態のMPM型決済システム10における店舗事業者サーバ2による決済履歴管理テーブル例を示す図である。決済履歴管理テーブルには、店舗ID、決済日時、クーポン情報で特定される商品ID(商品コード)及び商品の種別や金額等の概要を示す情報、決済ブランド情報、並びに、ユーザIDに基づくユーザ情報が自動的に記録される。これにより、店舗端末102の事業者は、どのようなユーザ(性別・年齢層当)が、どの店舗(地域)で、どのような商品を、どのような日時で、どの決済ブランドを利用して決済したかの情報収集を容易に実現でき、事業展開等の基礎データを容易に生成できるようになる。
【0063】
このように、本実施形態のMPM型決済システム10によれば、従来のMPM型決済システム100と同様に、ユーザ端末1を操作するユーザは、所望の決済ブランドにより購入希望の商品のクーポンを電子決済することができ、ユーザ端末1を操作するユーザ、及び店舗端末102を管理する店舗管理者も当該電子決済が無事に完了したことを確認することができるだけでなく、従来にはない以下の利点を有する。
【0064】
まず、本実施形態のMPM型決済システム10によれば、1つの決済アプリ(「TichetQRアプリ」)で、ユーザが各種の決済ブランドの中から所望の決済ブランドを選択できるので、ユーザにとって利便性の高い態様でユーザ端末1を介してMPM型決済システム10における電子決済が可能となる。
【0065】
次に、本実施形態のMPM型決済システム10によれば、店舗端末102の事業者専用の店舗事業者サーバ2(他の事業者は利用不可)が設けられ、情報漏れに対する耐性が高く、尚且つその決済履歴管理部252の機能により、図5に例示する決済履歴管理テーブルとして、本発明に係る決済アプリ(「TichetQRアプリ」)経由の決済履歴を管理することができるので、店舗端末102の事業者は、電子決済の情報収集を容易に実現でき、事業展開等の基礎データを容易に生成できるようになる。
【0066】
次に、本発明に係る決済アプリ(「TichetQRアプリ」)をインストールした移動端末1の好適例によれば、カメラ11で二次元コード提示器102aに提示された二次元コードを読み取る動作中に、姿勢センサ13による姿勢検知を監視して、当該ユーザ端末1が所定傾斜角度内(例えば水平に対して15°から45°の範囲内)で傾斜している間は、カメラ11による撮影内容を端末UI15における決済アプリ(「TichetQRアプリ」)の表示画面U1上で自動拡大させる機能を有するので、二次元コードを読み取る動作中に、その二次元コードが大きく表示されるようになり、カメラフォーカス時間を大幅に短縮でき、二次元コードのコード解読時間を短縮化させ、操作性が向上するようになる。
【0067】
次に、本発明に係る決済アプリ(「TichetQRアプリ」)をインストールした移動端末1の好適例によれば、二次元コードの読み取り完了時(コード解読時)に、振動子14を作動させてユーザ端末1の本体を振動させる機能を有するので、ユーザは表示画面の確認をしなくても済むようになり、更には例えばブザー音で通知する場合では聞き取りにくいことや聞き逃しも多々あることから、ブザー音で通知するよりも操作性が向上するようになる。
【0068】
〔変形例〕
図6は、本発明による変形例のMPM型決済システム10の概略構成を示すブロック図である。尚、図6において、図1に示すものと同様の構成要素には、同一の参照番号を付している。
【0069】
図6に示す変形例のMPM型決済システム10は、図1に示すものと比較して、店舗端末102の事業者以外の他の事業者も共通利用する中間サーバ103の介在を省略し、店舗端末102の事業者専用の店舗事業者サーバ2(「TichetQRサーバ」)によって直接的に、決済サーバ104に対して上述した電子決済の照合要求処理及び決済要求処理を実行させるように構成している点で相違しており、その他の点は図1に示すものと同様である。この図6に示す変形例のMPM型決済システム10によれば、上述した図1に示すものと同様の利点を有しながら、店舗端末102の事業者以外の他の事業者が介在できないので、より一層、情報漏れに対する耐性(秘匿性)が高い態様で、店舗端末102の事業者は、電子決済の情報収集を容易に実現でき、事業展開等の基礎データを容易に生成できるようになる。
【0070】
以上、特定の実施形態の例を挙げて本発明を説明したが、本発明は前述の実施形態の例に限定されるものではなく、その技術思想を逸脱しない範囲で種々変形可能である。
【0071】
例えば、上述した図1及び図6に示すMPM型決済システム10では、ユーザ端末1から店舗事業者サーバ2に送信する電子決済の照合要求(決済ブランド情報、ユーザID及び店舗IDを含む。)と、当該電子決済の決済要求(ユーザID、店舗ID、ユーザが購入希望する商品の電子決済用の当該クーポン情報、当該決済ブランド情報、及び当該クーポン情報に関する取引金額を示す取引金額情報を含む。)とを、時系列に分けて送信することを想定した例を説明したが、この照合要求の送信動作を省略し、当該電子決済の決済要求の前処理に照合処理を組み入れて、当該電子決済の決済要求の送信で、照合と決済を一連の処理として動作する形態としてもよい。
【0072】
また、当該電子決済の照合要求及び決済要求において、ユーザIDも含めて送信する例を説明したが、決済アプリ(「TichetQRアプリ」)の起動時に、店舗事業者サーバ2に対してユーザIDの照合を行って通信接続を維持する形態とするときは、当該電子決済の照合要求及び決済要求において、ユーザIDを含めることは省略してもよい。
【0073】
また、上述した図1及び図6に示すMPM型決済システム10におけるユーザ端末1では、本発明に係る決済アプリ(「TichetQRアプリ」)上で、ユーザによる決済履歴が管理されて保持され、端末UI15の表示画面上でユーザによる決済履歴を確認できるようになっているとして説明したが、決済アプリ(「TichetQRアプリ」)上で決済履歴を保持する代わりに、店舗事業者サーバ2(「TichetQRサーバ」)に対してユーザによる決済履歴を問い合わせることで、ユーザが決済履歴を確認できるように動作する形態としてもよい。
【0074】
従って、本発明に係る遮蔽装置は、上述した実施形態の例に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載によってのみ制限される。
【産業上の利用可能性】
【0075】
本発明によれば、ユーザ側及び店舗事業者側の双方にとって利便性の高い態様でMPM型決済システムにおける店舗毎の電子決済に関する情報収集を行うことができるようになるので、MPM型の電子決済の用途に有用である。
【符号の説明】
【0076】
1 本発明に係るユーザ端末
2 本発明に係る店舗事業者サーバ
10 本発明に係るMPM型決済システム
11 カメラ
12 無線通信部
13 姿勢センサ
14 振動子
15 端末UI
16 記憶部
17 制御部
21 無線通信部
22 通信部
23 通信部
24 記憶部
25 制御部
102 店舗端末
102a 二次元コート提示器
103 中間サーバ
104,104A,104B,104C 決済サーバ
100 従来技術のMPM型決済システム
101 従来技術のユーザ端末
171 決済アプリ実行部
251 決済照合要求処理部
252 決済履歴管理部
1711 コード読取制御部
1712 決済照合要求実行部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7