(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-28
(45)【発行日】2025-02-05
(54)【発明の名称】官能性の粉末粒子を産生する方法
(51)【国際特許分類】
C12N 1/06 20060101AFI20250129BHJP
C01B 33/18 20060101ALI20250129BHJP
C30B 35/00 20060101ALI20250129BHJP
C30B 29/66 20060101ALI20250129BHJP
C30B 29/06 20060101ALI20250129BHJP
C30B 33/00 20060101ALI20250129BHJP
C30B 29/08 20060101ALI20250129BHJP
C30B 29/36 20060101ALI20250129BHJP
C01B 33/02 20060101ALI20250129BHJP
【FI】
C12N1/06
C01B33/18 E
C30B35/00
C30B29/66
C30B29/06 B
C30B33/00
C30B29/08
C30B29/36 A
C01B33/02 Z
(21)【出願番号】P 2021512792
(86)(22)【出願日】2019-09-06
(86)【国際出願番号】 US2019050071
(87)【国際公開番号】W WO2020051536
(87)【国際公開日】2020-03-12
【審査請求日】2022-09-05
(32)【優先日】2018-09-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】521089960
【氏名又は名称】クレメナク ナノテック,インク.
(74)【代理人】
【識別番号】100082072
【氏名又は名称】清原 義博
(74)【復代理人】
【識別番号】110003797
【氏名又は名称】弁理士法人清原国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】クレメナク,ジェシー
【審査官】玉井 一輝
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-503554(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0174848(US,A1)
【文献】特開2004-159636(JP,A)
【文献】特開平11-290626(JP,A)
【文献】国際公開第2017/129814(WO,A1)
【文献】特表2006-525807(JP,A)
【文献】国際公開第2012/099185(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2011/0268779(US,A1)
【文献】KAMEL, L. et al.,Preparation and evaluation of nanoporous-pyramids structured silicon powder as an effective photocatalyst for degradation of methyl red,INTERNATIONAL JOURNAL OF ENVIRONMENTAL SCIENCE AND TECHNOLOGY,2017年,16,2101-2108
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C01B 33/00 -33/193
C30B 35/00
C30B 29/66
C30B 29/06
C30B 33/00
C30B 29/08
C30B 29/36
C12N 1/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
細胞における細胞膜を破裂させる方法であって、該方法は、
(a)1つ以上の表面をエッチングされた粉末粒子を含むチャンバを含有する容器を提供する工程であって、前記1つ以上の表面をエッチングされた粉末粒子はそれぞれ独立して、結晶、多結晶、半結晶、または非晶質の半導体もしくは絶縁体の粉末粒子を含み、前記表面をエッチングされた粉末粒子がそれぞれ、気孔、くぼみ、ナノワイヤー、円錐体、岩柱、珊瑚、コード、壁、ヒレ状部、畝状のもの、ピラミッド、および逆ピラミッドから選択される1つ以上の構造体を含むように、前記粉末粒子の表面はエッチングされ、前記表面をエッチングされた粉末粒子はそれぞれ、0.01~
1,000ミクロンの直径を有する、工程、および
(b)前記チャンバを含有する容器を介して前記細胞を含む組成物を流す工程であって、前記1つ以上の表面をエッチングされた粉末粒子は、物理的に、または化学的に前記細胞と相互作用し、それによって前記細胞膜を破裂させる、工程
を含む、方法。
【請求項2】
結晶、多結晶、半結晶、または非晶質の前記表面をエッチングされた粉末粒子は、第IVA族の元素、第IV-VI族の化合物、第II-IVB族の化合物、第I-VII族の化合物、第II-VI族の化合物、第III-V族の化合物、第IVーIV族の化合物、遷移金属酸化物、および3つ以上の元素を含む化合物から選択された元素または化合物の結晶、多結晶、半結晶、または非晶質の表面をエッチングされた粉末粒子である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記表面をエッチングされた粉末粒子は1つ以上の結晶粒を含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記表面をエッチングされた粉末粒子は、単一結晶粒からなる、請求項1から3のいずれか1つに記載の方法。
【請求項5】
前記表面をエッチングされた粉末粒
子は、増加した充填密度を提供するように構成された、異なるサイズ粒子の異種混合物を含む、請求項1から4のいずれか1つに記載の方法。
【請求項6】
前記表面をエッチングされた粉末粒子は、気孔、くぼみ、ナノワイヤー、円錐体、岩柱、珊瑚、ヒレ状部、畝状のもの、ピラミッド、および逆ピラミッドから選択される2つ以上の構造体を含む、請求項1から5のいずれか1つに記載の方法。
【請求項7】
前記1つ以上の構造体は、サブミリ構造体である、請求項1から6のいずれか1つに記載の方法。
【請求項8】
前記1つ以上の構造体は、マイクロ構造体およびナノ構造体から選択される、請求項1から7のいずれか1つに記載の方法。
【請求項9】
前記表面をエッチングされた粉末粒子の最小30%の平均直径は、表面をエッチングされた粉末粒子の最大10%の平均直径より200%小さい、請求項1から8のいずれか1つに記載の方法。
【請求項10】
前記表面をエッチングされた粉末粒子を大気から隔てるフィルムをさらに含む、請求項1から9のいずれか1つに記載の方法。
【請求項11】
前記粉末粒子の表面は、反射防止であるか、反射的であるか、吸着性であるか、導電性であるか、絶縁的であるか、帯電防止であるか、発光性であるか、抗菌性であるか、非湿潤性であるか、疎水性であるか、親水性であるか、防汚性であるか、研磨性であるか、付着防止であるか、滑り止めであるか、またはその組み合わせである、請求項1から10のいずれか1つに記載の方法。
【請求項12】
前記表面をエッチングされた粉末粒子は、1つ以上の細胞を溶解させ、前記表面をエッチングされた粉末粒子は、物理的にまたは化学的に前記細胞と相互作用する、請求項1から11のいずれか1つに記載の方法。
【請求項13】
前記表面をエッチングされた粉末粒子のうちの少なくとも1つを有する製品の表面構造体を接触させることにより、鋳型またはモールドとして前記
表面をエッチングされた粉末粒
子を使用し
て前記製品の
前記表面構造体を転写または複製する工程をさらに含む、請求項1から12のいずれか1つに記載の方法。
【請求項14】
細胞を溶解させる方法であって、該方法は、
(a)1つ以上の表面をエッチングされた粉末粒子を含むチャンバを含有する容器を提供する工程であって、前記表面をエッチングされた粉末粒子がそれぞれ、気孔、くぼみ、ナノワイヤー、円錐体、岩柱、珊瑚、コード、壁、ヒレ状部、畝状のもの、ピラミッド、および逆ピラミッドからなる群から選択される1つ以上のサブミリ構造体を含むように、粉末粒子の表面はエッチングされ、前記表面をエッチングされた粉末粒子の直径は、0.01~
1,000ミクロンである、工程、および
(b)前記チャンバを含有する容器を介して前記細胞を含む組成物を流す工程であって、前記1つ以上の表面をエッチングされた粉末粒子は前記細胞に接触し、それによって前記細胞を溶解する、工程、
を含む、方法。
【請求項15】
前記表面をエッチングされた粉末粒子はそれぞれ、
前記容器の壁または表面に埋め込まれない、または接着しない、請求項1から14のいずれか1つに記載の方法。
【請求項16】
前記表面をエッチングされた粉末粒子はそれぞれ、
前記容器を介して流れる、請求項15に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
相互参照
本出願は、2018年9月7日に出願された米国仮特許出願第62/728,570号の利益を主張し、その全体は引用によって本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
ケイ素は地殻の中に2番目に豊富な要素であり、構造体、鋼精錬とエレクトロニクス産業において商業的に使用される。純ケイ素は、真性半導体であるが、あまりにも低い導電率を有するので、その導電率を増大させるために小濃度の他の要素によりドーピングすることなくエレクトロニクスに使用することができない。具体的に、ケイ素の単結晶同素体は半導体業界において使用されるシリコンウエハーを生産するために使用される。最近の研究は、太陽光発電装置およびバッテリーに適用するためにシリコンウエハー上でのナノワイヤーの形成に注目している。ケイ素ナノワイヤーの合成方法は、レーザー・ビーム・アブレーション、イオン・ビーム・エッチング、化学蒸着および気液の固体成長があげられ、現在の研究は、特定の方向に沿ってナノワイヤーの制御的形成に注目している。
【発明の概要】
【0003】
従来のナノワイヤー製作方法は、しばしば高価な高温かつ高真空環境を要するので、処理された基板のサイズ、スケーラビリティと産生スループットが制限されてしまう。さらに、従来のナノワイヤー製作方法は、典型的に高純度の単結晶シリコンウエハーを必要とするものであり、このウエハーは産生するのに費用がかかり、その扁平した固定形状のため、見込まれる用途が制限されてしまう。ナノワイヤー等のナノ構造体を含む構造体を(例えば、結晶、多結晶、半結晶、非晶質の)半導体の粉末、粒子または粒上で産生する方法は、依然として大きく必要とされている。本開示は、このような必要性に対処するものであり、関連する利点も提供する。
【0004】
特定の態様では、本開示は、(例えば、粉末)粒子(例えば微粒子)上で構造体を形成する方法を提供し、該方法は、(a)1つ以上の(例えば、結晶、多結晶、半結晶または非晶質の)半導体あるいは絶縁体の粉末粒子を提供する工程と、(b)(例えば、随意に)1つ以上の粉末粒子から表面汚染物を取り除く工程と、(c)(例えば、随意に)1つ以上の粉末粒子から酸化物を取り除く工程と、(d)1つ以上の粉末粒子上で第1型の構造体を形成する工程であって、それによって、1つ以上のホモ官能性の粉末粒子を形成する工程と、(e)(例えば、随意に)、1つ以上のホモ官能性の粉末粒子上で第2型の構造体を形成する工程であって、それによって、1つ以上のヘテロ官能性の粉末粒子を形成する工程と、を含む。いくつかの実施形態では、第1型および/または第2型の構造体は、(例えば、随意に)気孔、くぼみ、クレーター、ナノワイヤー、円錐体、小尖塔状のもの、岩柱、珊瑚、コード、壁、溝、ヒレ状部、畝状のもの、断崖、ピラミッドと逆ピラミッドからからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、(例えば、結晶、多結晶、半結晶、または非晶質の)粉末粒子は、第IVA族の元素、第IV-VI族の化合物、第II-IVB族の化合物、第I-VII族の化合物、第II-VI族の化合物、第III-V族の化合物、第IVーIV族の化合物、遷移金属酸化物、および3つ以上の元素からなる化合物を含む(例えば、元素または化合物の結晶、多結晶、半結晶、または非晶質の)粉末粒子である。粉末粒子は1つ以上の結晶粒を含む場合があり、または、粉末粒子は単一結晶粒からなる場合がある。
【0005】
主題方法のうちのいずれかを実行する際に、本方法は(b)1つ以上の粉末粒子から表面汚染物を取り除く工程を含む場合がある。いくつかの実施形態では、本方法は(c)1つ以上の粉末粒子から酸化物を取り除く工程を含む。いくつかの実施形態では、本方法は、(e)1つ以上のホモ官能性の粉末粒子上で(例えば、第2型の)構造体を形成する工程であって、それによって、1つ以上のヘテロ官能性の粉末粒子を形成する工程含む。(d)を形成する工程は、粉末粒子の表面上でまたは気孔内に(例えば、第1型の)構造体を形成する工程を含む場合がある。(e)を形成する工程は、粉末粒子の表面上でまたは気孔内に(例えば、第2型の)構造体を形成する工程を含む場合がある。(d)と(e)を形成する工程の少なくとも1つは、リソグラフィーを含む場合がある。いくつかの実施形態では、(d)と(e)を形成する工程の各々は、金属補助化学エッチングおよび化学エッチングからなる群から選択されたプロセスを独立して含む。(d)と(e)を形成する工程の少なくとも1つは、金属補助化学エッチングを含む場合があり、ここで、金属補助化学エッチングは、粉末粒子の表面上に金属イオンを堆積させ、エッチング液に金属イオンを露出することによって粉末粒子をエッチングする工程を含む。金属イオンは、限定されないが、例えば、含むように貴金属と希少性のある金属から選択される場合がある。いくつかの実施形態では、エッチング液はプラズマ、ガスまたは溶液である。エッチング液は、エッチング液および酸化剤を含む溶液であってもよい。第1の型の構造体は、マイクロ構造体またはナノ構造体などのサブミリ構造体(submillistructure)であってもよい。いくつかの実施形態では、第2の型の構造体は、マイクロ構造体またはナノ構造体などのサブミリ構造体(submillistructure)である。本明細書に記載された方法は、1つ以上の官能性の粉末粒子を、フィルムコーティング、めっき、化学的官能化、ドーピング、ナノ粒子装飾、リソグラフィーおよびそれらの組み合わせからなる群から選択されるプロセスにさらす工程をさらに含む場合がある。第1の型の構造体および第2の型の構造体は、気孔、くぼみ、クレーター、ナノワイヤー、円錐体、小尖塔状のもの、岩柱、珊瑚、コード、壁、溝、ヒレ状部、畝状のもの、断崖、ピラミッドと逆ピラミッドからなる群から選択される場合がある。
【0006】
いくつかの実施形態では、本開示は、1つ以上の官能性の(例えば、結晶、多結晶、半結晶または非晶質の)(例えば、半導体または絶縁体の)粉末粒子を含む表面を提供し、ここで粉末粒子は、(例えば、随意に)気孔、くぼみ、クレーター、ナノワイヤー、円錐体、小尖塔状のもの、岩柱、珊瑚、コード、壁、溝、ヒレ状部、畝状のもの、断崖、ピラミッドと逆ピラミッドから選択される1つ以上の構造体を含み、および粉末粒子の直径は、0.01~10,000ミクロンである。(例えば、結晶、多結晶、半結晶、または非晶質の)粉末粒子は、第IVA族の元素、第IV-VI族の化合物、第II-IVB族の化合物、第I-VII族の化合物、第II-VI族の化合物、第III-V族の化合物、第IVーIV族の化合物、遷移金属酸化物、および3つ以上の元素からなる化合物からなる群から選択される(例えば、元素または化合物の結晶、多結晶、半結晶、または非晶質の)粉末粒子であり得る。いくつかの実施形態では、粉末粒子は、単一結晶粒等の1つ以上の結晶粒を含む。粉末粒子の直径は、0.1μm~1,000μmであってもよい。いくつかの実施形態では、粉末粒子は、気孔、くぼみ、クレーター、ナノワイヤー、円錐体、小尖塔状のもの、岩柱、珊瑚、コード、壁、溝、ヒレ状部、畝状のもの、断崖、ピラミッドと逆ピラミッドからなる群から選択される2つ以上の構造体を含む。1つ以上の構造体はマイクロ構造体またはナノ構造体などのサブミリ構造体(submillistructures)であってもよい。いくつかの実施形態では、粉末粒子の最小の30%の平均直径は、粉末粒子の最大の10%の平均直径より200%小さい。本明細書に記載された表面は、粉末粒子を大気から隔てるフィルムをさらに含む場合がある。本表面は、反射防止であり、反射的であり、吸収性であり、吸着性であり、接着性であり、屈折性であり、研磨性であり、導電性であり、絶縁的であり、化学反応が高いであり、化学的不活性であり、発光性であり、抗菌性であり、細胞溶解的であり、非湿潤性であり、疎水性であり、親水性であり、防汚性であり、付着防止であり、滑り止め的であり、帯電防止であり、またはその組み合わせであってもよい。いくつかの実施形態では、粉末粒子は、気孔、くぼみ、クレーター、ナノワイヤー、円錐体、小尖塔状のもの、岩柱、珊瑚、コード、壁、溝、ヒレ状部、畝状のもの、断崖、ピラミッドと逆ピラミッドからなる群から選択される1つ以上の構造体を含む。いくつかの態様では、本開示は、製品の表層構造体を転写するまたは複製する方法を提供し、該方法、鋳型またはカビと本明細書に評された、表面の含む1つ以上に官能性の(例えば結晶、多結晶、半結晶または非晶質の半導体、あるいは絶縁体の)粉末粒子を使用して含む。
【0007】
いくつかの態様では、本開示は、ヘテロ官能性の(例えば、結晶、多結晶または半結晶の半導体あるいは絶縁体の)粉末粒子を提供し、ここで粉末粒子は、2つ以上の型のサブミリ構造体(submillistructures)を含む。いくつかの態様では、本開示は、官能性の(例えば、結晶、多結晶、半結晶、または非晶質の半導体あるいは絶縁体の)粉末粒子を提供し、ここで粉末粒子は、サブミリ構造体を含み、フィルムコーティング、めっき、化学的官能化、ドーパント、ナノ粒子装飾または表面終端をさらに含む。いくつかの態様では、本開示は、ホモ官能性の(例えば、結晶、多結晶、半結晶または非晶質の半導体あるいは絶縁体の)粉末粒子を提供し、ここで粉末粒子は、気孔、クレーター、円錐体、小尖塔状のもの、岩柱、珊瑚、コード、壁、溝、ヒレ状部、畝状のもの、断崖、ピラミッドと逆ピラミッドからなる群から選択される構造体を含む。いくつかの態様では、本開示は、ホモ官能性の(例えば、結晶、多結晶、半結晶または非晶質の半導体あるいは絶縁体の)粉末粒子を提供し、ここで粉末粒子は、気孔、くぼみ、クレーター、ナノワイヤー、円錐体、小尖塔状のもの、岩柱、珊瑚、コード、壁、溝、ヒレ状部、畝状のもの、断崖、ピラミッドと逆ピラミッドからなる群から選択される構造体を含み、ここで粉末粒子は、元素のケイ素粒子ではない。本明細書に記載された粉末粒子の直径は、0.01μm~10,000μmであってもよい。いくつかの実施形態では、粒子の直径は0.1μm~1,000μmである。粒子は、第IVA族の元素、第IV-VI族の化合物、第II-IVB族の化合物、第I-VII族の化合物、第II-VI族の化合物、第III-V族の化合物、第IVーIV族の化合物、遷移金属酸化物、および3つ以上の元素を含む化合物からなる群から選択される元素または化合物の(例えば、結晶、多結晶、半結晶、または非晶質の)粉末粒子であってもよい。いくつかの実施形態では、粒子は1つ以上の結晶粒を含む。粒子は単一結晶粒からなる場合がある。2つ以上の型のサブミリ構造体(submillistructures)は、気孔、くぼみ、クレーター、ナノワイヤー、円錐体、小尖塔状のもの、岩柱、珊瑚、コード、壁、溝、ヒレ状部、畝状のもの、断崖、ピラミッドと逆ピラミッドからなる群から選択される場合がある。いくつかの実施形態では、2つ以上の型の構造体は、マイクロ構造体およびナノ構造体から選択される。
【0008】
本明細書に記載された粒子は、10nmおよび1mmの間の波長の(例えば、正反射性および/または散乱性の)全電磁放射線の最大で10%を反射する場合がある。いくつかの実施形態では、粒子は、10nmおよび400nmの間の波長の(例えば、正反射性および/または散乱性の)全電磁放射線の最大で10%を反射する場合がある。いくつかの実施形態では、粒子は、300nmおよび1,000nmの間の波長の(例えば、正反射性および/または散乱性の)全電磁放射線の最大で10%を反射する場合がある。いくつかの実施形態では、粒子は、700nmおよび1mmの間の波長の(例えば、正反射性および/または散乱性の)全電磁放射線の最大で10%を反射する場合がある。粒子は、2つ以上の重複構造体を含む場合がある。粒子は、規則的または不規則な形状であってもよい。本明細書に記載された粒子は、フィルムコーティング、めっき、化学官能化、ドーパント、ナノ粒子装飾または表面終端をさらに含む場合がある。いくつかの実施形態では、粒子は抗菌性を示す。
【0009】
いくつかの態様では、本開示は、細胞膜を破裂させる方法を提供し、該方法は、細胞を、本明細書に記載される(例えば、結晶、多結晶、半結晶、または非晶質の半導体あるいは絶縁体の)粉末粒子と接触させる工程を含み、ここで粉末粒子は、物理的に、または化学的に細胞と相互作用し、それによって細胞を破裂させる。
【0010】
いくつかの態様では、本開示は、製品の特性を改変する方法を提供し、該方法は、1つ以上の官能性の(例えば、結晶、多結晶、半結晶、または非晶質の)(例えば、半導体または絶縁体の)粉末粒子を製品の中へ取り込む工程を含み、ここで粉末粒子は、1つ以上のサブミリ構造体(submillistructures)を含み、および粉末粒子の直径は、0.01μm~10,000μmである。(例えば、結晶、多結晶、半結晶、非晶質の)粉末粒子は、第IVA族の、第IV-VI族の、第II-IVB族の化合物、第I-VII族の化合物、第II-VI族の化合物、第III-V族の化合物、第IVーIV族の化合物、遷移金属酸化物、および3つ以上の元素からなる化合物からなる群から選択される元素または化合物の(例えば、結晶、多結晶、半結晶、または非晶質の)粉末粒子であってもよい。粉末粒子は1つ以上の結晶粒を含む場合がある。例えば、粉末粒子は単一結晶粒からなる場合がある。粉末粒子の直径は、0.1~1,000μmであってもよい。粉末粒子は、気孔、くぼみ、クレーター、ナノワイヤー、円錐体、小尖塔状のもの、岩柱、珊瑚、コード、壁、溝、ヒレ状部、畝状のもの、断崖、ピラミッドと逆ピラミッドからなる群から選択される2つ以上の構造体を含む場合がある。いくつかの実施形態では、1つ以上のサブミリ構造体(submillistructures)は、気孔、くぼみ、クレーター、ナノワイヤー、円錐体、小尖塔状のもの、岩柱、珊瑚、コード、壁、溝、ヒレ状部、畝状のもの、断崖、ピラミッドと逆ピラミッドからなる群から選択される。1つ以上の構造体は、マイクロ構造体およびナノ構造体から選択される場合がある。いくつかの例では、製品は、医療装置、調理容器具、装具、カウンタートップ、車両、船および航空機からなる群から選択される。前記製品は、事務用消耗品、事務装置、電子装置、容器、台所用具、調理容器具、家庭用品、織物、ハードウェア、消費者製品、車両および船舶、フィルタ、ポンプ、水生装置、表面、家具、装具、装置、建築材料、軍備、ツール、太陽電池、貨幣、医療用具、医療装置、紙品物、製造装置、食品加工装置および光学装置からなる群から選択される場合がある。いくつかの実施形態では、製品は、ゴム、プラスチック、金属、ガラス、またはセラミックを含む。改変する工程は、製品の、可視光の吸光度の減少させる工程、可視光の吸光度を増強する工程、光の反射率を減少させる工程、抗菌性を増強する工程、防泥性を増強する工程、疎水性を増強する工程、親水性を増強する工程、電気伝導率を増強する工程、電気抵抗率を増強する工程、フォトルミネセンスを増強する工程、表面エネルギーを増大させる工程、表面エネルギーを減少させる工程、摩擦係数を増大させる工程、および摩擦係数を減少させる工程の1つ以上を含む場合がある。取り込む工程は、製品を粉末粒子でコーティングする工程、または製品へ粉末粒子を埋め込む工程を含む場合がある。本明細書に記載された方法は、製品をフィルムコーティング、めっき、化学的官能化、ドーピング、ナノ粒子装飾、リソグラフィーおよびそれらの組み合わせからなる群から選択されるプロセスにさらす工程をさらに含む場合がある。
【0011】
本明細書に特定の実施形態では、細胞(またはその集団)を(例えば、物理的に、および/または、非化学的に)溶解させる方法が提供され、該方法は、細胞(あるいはその集団)を官能性の(例えば、結晶、多結晶、半結晶、または非晶質の)粉末粒子と接触させる工程を含み、ここで粉末粒子は、1つ以上のサブミリ構造体(submillistructures)を(例えば、本明細書の任意の適切な実施形態に記載されるように)含み、および粉末粒子の直径は、0.01~10,000ミクロンである。特定の実施形態では、官能性の粒子は、製品の表面で構成される。他の特定の実施形態では、官能性の粒子は、別の材料または表面の中にゆるい粉末状等で埋め込まれない。いくつかの実施形態では、細胞の全てまたは一部は、物理的に溶解され、ここで細胞の少なくとも30%が溶解される(例えば、細胞の少なくとも50%が溶解される)。本明細書に提供される任意の適切な粒子が随意に利用される。
【0012】
本明細書に特定の実施形態では、(例えば、製品の)低反射表面が提供され、該表面は、1つ以上の官能性の結晶、多結晶、半結晶、または非晶質の(例えば、半導体または絶縁体の)粉末粒子(例えば、その表面上で構成されている粒子の1つ以上、および/またはその表面に埋め込まれた粒子の1つ以上を含む表面)を含み、ここで粉末粒子は(例えば、随意に)、気孔、くぼみ、クレーター、ナノワイヤー、円錐体、小尖塔状のもの、岩柱、珊瑚、コード、壁、ヒレ状部、畝状のもの、断崖、ピラミッドと逆ピラミッドから選択される1つ以上の構造体を含み、および粉末粒子の直径は、0.01~10,000ミクロンである。特定の実施形態では、(例えば、反射光および/または散乱光の)反射率は、他の同等の表面より約25%未満(例えば、約15%未満、約10%未満、等)であり、1つ以上の粉末粒子は(例えば、IR、可視波長および/またはUV波長などの(本明細書に開示される例示および図面に記載される1つ以上の波長光等の)特定の波長で)欠けている。さらなる特定の実施形態では、(例えば反射光および/または散乱光の)表面の反射率は、(例えば、IR、可視波長および/またはUV波長などの特定の波長で)5%未満(例えば、4%未満、3%未満、2%未満、1%未満、0.5%未満、0.2%未満、等)である。特定の実施形態では、表面は、粉末粒子がその材料におよび/またはその材料中に取り込まれる(例えば、バルク)材料、および材料は、ケイ素または一酸化ケイ素である。いくつかの実施形態では、粉末粒子は、前述の請求項の1つの任意の粒子である。本明細書に提供される任意の適切な粒子が、随意に利用される。
【0013】
本明細書に他の実施形態では、製品の光反射率を改変する方法が提供され、該方法は、1つ以上の官能性の結晶、多結晶、半結晶、または非晶質の半導体あるいは絶縁体の粉末粒子を製品(例えば、表面および/またはそのバルク材料)の中へ取り込む工程を含み、ここで粉末粒子は、1つ以上のサブミリ構造体(submillistructures)を含み、および粉末粒子の直径は、0.01~10,000ミクロンである。いくつかの実施形態では、結晶、多結晶、半結晶、または非晶質の粉末粒子は、第IVA族の元素、第IV-VI族の化合物、第II-IVB族の化合物、第I-VII族の化合物、第II-VI族の化合物、第III-V族の化合物、第IVーIV族の化合物、遷移金属酸化物、および3つ以上の元素を含む化合物から選択される元素または化合物の結晶、多結晶、半結晶、または非晶質の粉末粒子である。特定の実施形態では、1つ以上のサブミリ構造体(submillistructures)は、気孔、くぼみ、クレーター、ナノワイヤー、円錐体、小尖塔状のもの、岩柱、珊瑚、コード、壁、ヒレ状部、畝状のもの、断崖、ピラミッドと逆ピラミッドから選択される。いくつかの実施形態では、(例えば、反射光および/または散乱光の)反射率は、他の同等の表面より約25%未満(例えば、約15%未満、約10%未満、等)であり、1つ以上の粉末粒子(例えば、IR、可視波長および/またはUV波長などの特定の波長で)欠けている。特定の実施形態では、(例えば反射光および/または散乱光の)表面の反射率は、5%未満(例えば、4%未満、3%未満、2%未満、1%未満、0.5%未満、0.2%未満、等)(例えば、IR、可視波長および/またはUV波長などの特定の波長で)である。本明細書に提供される任意の適切な粒子が、随意に利用される。
【0014】
本明細書にいくつかの実施形態では、色褪せに耐性のある色素(または製品あるいはその表面に取り込まれたその色素を含む製品)が提供され、該色素は、官能性の結晶、多結晶、半結晶、非晶質の(例えば、半導体または絶縁体の)粉末粒子を含み、ここで粉末粒子は、(例えば、随意に)気孔、くぼみ、クレーター、ナノワイヤー、円錐体、小尖塔状のもの、岩柱、珊瑚、コード、壁、ヒレ状部、畝状のもの、断崖、ピラミッドと逆ピラミッドから選択される1つ以上の構造体を含み、および粉末粒子の直径は、0.01~10,000ミクロンである。特定の実施形態では、粉末粒子は、前述の請求項の1つの任意の粒子である。本明細書に提供される任意の適切な粒子が、随意に利用される。
【0015】
特定の実施形態では、本明細書に色褪せに耐性のある製品を形成する方法が提供され、該方法は、製品(例えば、その表面または材料のバルク)の中へ1つ以上の光曝露からの色褪せに抵抗する官能性の結晶、多結晶、半結晶、非晶質の(例えば、半導体または絶縁体の)粉末粒子を取り込む工程を含み、ここで粉末粒子は、気孔、くぼみ、クレーター、ナノワイヤー、円錐体、小尖塔状のもの、岩柱、珊瑚、コード、壁、ヒレ状部、畝状のもの、断崖、ピラミッドと逆ピラミッドから選択される1つ以上の構造体を含み、および粉末粒子の直径は、0.01~10,000ミクロンである。本明細書に提供される任意の適切な粒子が、随意に利用される。
【0016】
いくつかの実施形態では、本明細書に官能性の結晶、多結晶、半結晶、または非晶質の(例えば、半導体または絶縁体の)粒子が提供され、該粒子は、気孔、くぼみ、クレーター、ナノワイヤー、円錐体、小尖塔状のもの、岩柱、珊瑚、コード、壁、ヒレ状部、畝状のもの、断崖、ピラミッドと逆ピラミッドから選択される1つ以上の構造体を含み、および粉末粒子の直径は、0.01~10,000ミクロンであり、およびここで、粒子結晶格子の少なくとも一部は、1つ以上の構造体で官能化されない他の同等の粒子に対して変化される。いくつかの実施形態では、粒子結晶格子の少なくとも一部は、同位体で拡張および/または収縮された。特定の実施形態では、粒子結晶格子の少なくとも一部は、異方的に拡張および/または収縮された。いくつかの実施形態では、粒子結晶格子は、1つ以上の構造体で官能化されない他の同等の粒子に対する<111>および/または<311>の結晶学的な方向に沿って少なくとも0.1%、異方的に拡張および/または収縮される。特定の実施形態では、バンド構造は、1つ以上の構造体で官能化されない他の同等の粒子に対して、粒子の少なくとも一部のために変化される。本明細書に提供される任意の適切な粒子が、随意に利用される。
【0017】
本明細書にいくつかの実施形態では、粒子の少なくとも一部のバンド構造を改変する方法が提供され、該プロセスは、(例えば、その表面上の)気孔、くぼみ、クレーター、ナノワイヤー、円錐体、小尖塔状のもの、岩柱、珊瑚、コード、壁、ヒレ状部、畝状のもの、断崖、ピラミッドと逆ピラミッドから選択される1つ以上の構造体を粒子の表面に提供する(例えば、請求項のいずれか1つのプロセスによる)工程を含み、ここで粉末粒子の直径は、0.01~10,000ミクロンであり、ここで粒子結晶格子の少なくとも一部は、1つ以上の構造体で官能化されない他の同等の粒子に対して同位体でおよび/または異方的に拡張および/または収縮される。特定の実施形態では、粒子結晶格子は、1つ以上の構造体で官能化されない他の同等の粒子に対して<111>および/または<311>の結晶学的な方向に沿って少なくとも0.1%、異方的に拡張および/または収縮される。本明細書に提供される任意の適切な粒子が、随意に利用される。
【0018】
本明細書にいくつかの実施形態では、(例えば、そのチャンバ内に1つ以上の細胞の溶解のための)キットが提供され、該キットは、容器および1つ以上の官能性の結晶、多結晶、半結晶、または非晶質の半導体あるいは絶縁体の粉末粒子を含み、ここで粉末粒子は、(例えば、随意に)気孔、くぼみ、クレーター、ナノワイヤー、円錐体、小尖塔状のもの、岩柱、珊瑚、コード、壁、ヒレ状部、畝状のもの、断崖、ピラミッドと逆ピラミッドから選択される1つ以上の構造体を含み、およびここで粉末粒子の直径は、0.01~10,000ミクロンであり、容器は、チャンバを含み、1つ以上の官能性の粒子は、チャンバ内に構成される。特定の実施形態では、本明細書に(例えば、そのチャンバ内に1つ以上の細胞の溶解のための)容器が提供され、該容器はチャンバを含み、チャンバは、内側表面またはその他の機能的表面を含み、容器は、その表面中に(埋め込まれた)またはその内側表面上に1つ以上の官能性の結晶、多結晶、半結晶、または非晶質の半導体または絶縁体の粉末粒子を含み、ここで粉末粒子は、(例えば、随意に)気孔、くぼみ、クレーター、ナノワイヤー、円錐体、小尖塔状のもの、岩柱、珊瑚、コード、壁、ヒレ状部、畝状のもの、断崖、ピラミッドと逆ピラミッドから選択される1つ以上の構造体を含み、および粉末粒子の直径は、0.01~10,000μmである。いくつかの実施形態では、結晶、多結晶、半結晶、または非晶質の粉末粒子は、第IVA族の元素、第IV-VI族の化合物、第II-IVB族の化合物、第I-VII族の化合物、第II-VI族の化合物、第III-V族の化合物、第IVーIV族の化合物、遷移金属酸化物、および3つ以上の元素を含む化合物から選択された元素または化合物の結晶、多結晶、半結晶、または非晶質の粉末粒子である。特定の実施形態では、粒子は、フィルムコーティング、化学官能化、ドーパント、ナノ粒子装飾または表面終端をさらに含む。いくつかの実施形態では、官能性の粒子は、容器の表面の中で構成される。特定の実施形態では、官能性の粒子は、別の材料または表面の中にゆるい粉末状等で埋め込まれない。いくつかの実施形態では、官能性の粒子は、要素、化合物、分子および粒子と機械的に結合し、化学的に結合し、相互作用し、または反応する。特定の実施形態では、官能性の粒子は、液体またはガス、化学反応の触媒作用または増進の工程、細胞の溶解の工程、液体またはガスからの微生物の除去の工程、またはその任意の組み合わせから汚染物質を抽出する。
【0019】
いくつかの実施形態では、本明細書に(例えば、製品の)バルク複合体が提供され、該複合体は、1つ以上の官能性の結晶、多結晶、半結晶、または非晶質の半導体あるいは絶縁体の粉末粒子(例えば、その表面以下に構成されている粒子の1つ以上を含むバルク)を含み、ここで粉末粒子は随意に気孔、くぼみ、クレーター、ナノワイヤー、円錐体、小尖塔状のもの、岩柱、珊瑚、コード、壁、ヒレ状部、畝状のもの、断崖、ピラミッドと逆ピラミッドから選択される1つ以上の構造体を含み、および粉末粒子の直径は、0.01~10,000μmである。特定の実施形態では、結晶、多結晶、半結晶、または非晶質の粉末粒子は、第IVA族の元素、第IV-VI族の化合物、第II-IVB族の化合物、第I-VII族の化合物、第II-VI族の化合物、第III-V族の化合物、第IVーIV族の化合物、遷移金属酸化物、および3つ以上の元素を含む化合物から選択された元素または化合物の結晶、多結晶、半結晶、または非晶質の粉末粒子である。いくつかの実施形態では、粉末粒子は1つ以上の結晶粒を含む。特定の実施形態では、粉末粒子は単一結晶粒からなる。いくつかの実施形態では、粉末粒子の直径は0.1~1,000μmである。特定の実施形態では、粉末粒子は、気孔、くぼみ、クレーター、ナノワイヤー、円錐体、小尖塔状のもの、岩柱、珊瑚、ヒレ状部、畝状のもの、断崖、ピラミッドと逆ピラミッドから選択される2つ以上の構造体を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の粒子構造体は、サブミリ構造体(submillistructures)である。特定の実施形態では、1つ以上の粒子構造体はマイクロ構造体およびナノ構造体から選択される。特定の実施形態では、粉末粒子の最小の30%の平均直径は、粉末粒子の最大の10%の平均直径より200%小さい。いくつかの実施形態では、その表面は、反射防止であり、反射的であり、吸着性であり、導電性であり、絶縁的であり、帯電防止であり、発光性であり、抗菌性であり、非湿潤性であり、疎水性であり、親水性であり、防汚性であり、付着防止であり、滑り止め的であり、またはその任意の組み合わせである。特定の実施形態では、バルクは帯電防止であり、光吸収性であり、光反射性であり、抗菌性であり、導電性であり、絶縁的であり、電気的抵抗性であり、発光性であり、またはその任意の組み合わせである。いくつかの実施形態では、バルク材料の少なくとも一部は、少なくとも1つ以上の官能性の粒子の一部をさらして削除される(例えば、または、バルク中の官能性の粒子は、バルク材料の表面に、またはその表面上でその他にさらされる)。
【0020】
特定の実施形態では、本明細書に提供される任意のサブミリ構造体(submillistructure)は、500μm未満、200μm未満、150μm未満、100μm未満、50μm未満等の寸法を有しており、例えば、少なくとも1nm、少なくとも2nm、少なくとも5nm、少なくとも25nm、少なくとも50nm、少なくとも100nm等の寸法を有する。
【0021】
参照による組み込み
本明細書で言及される全ての刊行物、特許、及び特許出願は、あたかも個々の刊行物、特許、又は特許出願が引用によって組み込まれるよう具体的且つ個別に示されるかのように、同じ程度まで引用により本明細書に組み込まれる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
本発明の新規な特徴は、とりわけ添付の特許請求の範囲において明記されている。本発明の特徴と利点をより良く理解するには、本発明の原理が用いられる例示的実施形態を説明する以下の詳細な説明と添付図面とを参照されたい。
【
図1】
図1は、ナノワイヤー/ピラー、円錐体、ピラミッド、逆ピラミッド、くぼみ、気孔、およびピラミッドとナノワイヤーを含むハイブリッドを含む、官能性の粉末粒子を装飾し得る構造体の例示的なグラフ式の断面の表示を提供する。構造体と粒子は正確な比率ではなく、これらの例に限定されない。
【
図2】
図2は、くぼみと気孔を含むヘテロ官能性の粉末粒子の走査電子顕微鏡検査(SEM)画像を示す。粒子は、実施例2で説明された方法(Si結晶粒子のAg金属補助化学エッチング(MACE))によって調製された。画像(a)は、ヘテロ官能性の粒子の上からの図を示し、画像(b)は、画像(a)の拡大図である。画像(c)は、(b)に示されるくぼみの拡大図を示し、くぼみ内の気孔構造体を示す。
【
図3】
図3は、有孔の官能性の粉末のSEM画像を示す。粒子は、Si結晶粒子のAg-MACEによって調製された。画像(b)は画像(a)の拡大図である。
【
図4】
図4は、ナノワイヤーを含む形態のSEM画像を示す。粒子は、Si結晶粒子のAg-MACEによって調製された。ナノワイヤーは、Ag-MACE中にエッチング液が静的だった時、形成された。粒子のセクションはナノワイヤーが欠けており、それらが正常な処理中に折り取られたからである。
【
図5】
図5は、岩柱ナノ構造体を含む官能性の粉末粒子を示す。粒子は、Si結晶粒子のAg-MACEによって調製された。画像(a)は、SEMによって画像化されるように官能性の粉末粒子を示す。画像(b)は、SEMによって画像化されるように官能性の粉末粒子の拡大図を示す。岩柱の不規則な相互連結した構造体が見られる。画像(c)は、SEMによって画像化されるように不規則な相互連結した岩柱構造体の上からの拡大図を示す。画像(d)は、表面で岩柱ナノ構造体を含む官能性の粉末粒子の断面図を示す。前方に構造体上で薄いPtコーティングが見られる。
【
図6】
図6は、ヘテロ官能性のナノワイヤーの例示的な断面図を示す。左側は、多孔質のナノワイヤーであり、右側は、本来のナノワイヤーから外部に延在する、より小さな二次ナノワイヤーを備えたナノワイヤーである。構造体および特徴は正確な比率ではない。
【
図7】
図7は、ウエハーまたは基板上でのナノ構造化のジオメトリの断面図を示す。ナノワイヤーおよびウエハーは正確な比率ではない。
【
図8】
図8は、プラスチックまたは他の媒体に埋め込まれた少数の官能性の粉末粒子を含む複合体の断面図を示す。粒子およびナノ構造化は正確な比率ではない。例示された構造体は全方向性である。
【
図9】
図9は、官能性の粉末粒子をコーティングまたは複合体の中へ統合するためのいくつかの可能な配置の断面図を示す。図(a)は、基板またはバルク媒体上の結合剤または接着剤の表面上の官能性の粉末粒子を示す。図(b)は、基板またはバルク媒体に完全に埋め込まれた官能性の粉末粒子を示す。図(c)は、埋め込まれた官能性の粉末粒子、および基板またはバルク媒体の表面での官能性の粉末粒子を示す。構造体および特徴は正確な比率ではない。配置は限定されない。
【
図10】
図10は、繊維内に埋め込まれた官能性の粉末粒子の表示を示す。構造体および特徴は正確な比率ではない。
【
図11】
図11は、官能性の粉末粒子および応用の交流電圧を利用する圧電気装置の例を示す。装置の設計はこの描写に限定されない。特徴および構造体は正確な比率ではない。
【
図12】
図12は、堆積およびDI―H
2Oを用いた洗浄の後の、粉末粒子の表面上の(a)Agと(b)Cuナノ粒子のSEM画像を示す。複数のAg粒子サイズドメインは画像(a)に見られる。立方的および有機的成形されたCu粒子は、画像(b)に見られる。
【
図13】
図13は、官能性の粉末粒子の表面を装飾するナノ粒子のSEM画像を示す。画像(a)は、Si結晶粒子のAg-MACEによって調製された官能性の粉末粒子のくぼみの表面を装飾するAgナノ粒子のSEM画像を示す。画像(b)は、気孔およびAgナノ粒子を含むSi粉末粒子のSEM画像を示す。画像(c)は、気孔およびAgナノ粒子を含むSi粉末粒子のSEM画像を示す。(c)に見られる気孔は(b)のよりも小さく、(c)でのAgナノ粒子は(b)のより大きい。
【
図14】
図14は、官能性の粉末粒子の合成および用途に図式的な提案されたプロセスを示す。
【
図15】
図15は、Cuナノ粒子で装飾されたくぼみおよび気孔を含む官能性の粒子のSEM画像を示す。粒子は、Si結晶粒子のCu-MACEによって調製された。
【
図16】
図16は、珊瑚構造体を含む形態のSEM画像を示す。粒子は、Si結晶粒子のAg-MACEによって合成された。これらの形態は抗菌性を有することが実証された。画像(a)は、珊瑚構造体を含む粒子を示し、(b)は(a)に見られる珊瑚構造体の上からの拡大図を示し、および(c)は、(b)に見られる珊瑚構造体の側面図を示す。観測角度は粗雑かつ複雑な珊瑚構造体を示す。画像は、複雑な珊瑚組織および形成された相互連結した構造体を表示する。
【
図17】
図17は、珊瑚構造体を含む形態のSEM画像を示す。粒子は、Si結晶粒子のAg-MACEによって合成された。画像(a)は不規則な珊瑚構造体を示し、(b)は、(a)に見られる珊瑚構造体の断面図を示す。
【
図18】
図18は、Si粒子の連続エッチングによって調製されたピラミッドおよび珊瑚構造体を含むヘテロ官能性の形態のSEM画像を示す。粒子は、最初にKOHエッチングによって、
図21に見られるように、ピラミッド構造体を形成しながら合成され、その後にAg-MACEによってさらに官能化された。
【
図19】
図19は、気孔ナノ構造体およびくぼみナノ構造体を含むヘテロ官能性の粒子の形態の例のSEM画像を示す。画像(a)は、三角形開口様のくぼみおよび気孔を含む形態を示す。官能性のSi結晶粒子は、Ag-MACEおよびその後の硝酸エッチングによって合成された。画像(b)は、くぼみ内での正方形開口の気孔を示す。形態は、Cu-MACEによって調製された。画像(c)は、三角形開口様の逆ピラミッドを備えた微多孔質の表面を示す。形態はCu-MACEによって合成された。
【
図20】
図20は、逆ピラミッド構造体を含む形態のSEM画像を示す。これらの形態はSi粒子のCu-MACEによって調製された。画像(a)は、くぼみの表面上の三角形開口様の逆ピラミッドを含む形態を示す。画像(b)は、マイクロスケールおよびナノスケールの逆ピラミッド構造体を含む形態を示す。画像(c)は、交差する逆ピラミッド構造体から形成された凸面構造体を含む形態を示す。
【
図21】
図21は、35%(重量/重量)のKOHを用いたSi粒子のエッチングによって調製された、直立ピラミッド構造体を含む形態のSEM画像を示す。
【
図22】
図22は、5%(重量/重量)のNaOHを含むCEエッチングによって調製された、直立ピラミッド構造体を含む形態のSEM画像を示す。画像(a)は、形態の側面図を示し、(b)は、ピラミッド構造体の上からの拡大図を示す。
【
図23】
図23は、1%(重量/重量)のKOHを用いた最初のエッチング、その後のAg-MACEの連続エッチングを含むヘテロ官能化を介して生成された、交差する畝状のものの形態を含むヘテロ官能性のSi粒子のSEM画像を示す。
【
図24】
図24は、HFおよびHNO
3(3:1 v/v)を含むCEエッチングによって調製された、(平均直径40μmの)官能性のSiC粒子の表面のSEM画像を示す。画像(a)は、交差するヒレ状部構造体を含む形態を示し、(b)は、壁構造体を含む形態の上からの図を示す。
【
図25】
図25は、(a)Rigaku Ultima IV 3 kWのX線回折計システムを用いて測定された、官能化されていないおよび官能性の結晶Si粉末のX線(Cu Kα
1)粉末回折データを示す。官能性の粉末は、実施例7で説明された方法によって調製された。ピーク位置のシフトは、官能性の粉末のSi(111)およびSi(311)ピークにみられ、<111>および<311>の方向のそれぞれに沿って格子の拡張および収縮を示す。表(b)は、ピーク適合結果を示す。
【
図26】
図26は、Rigaku Ultima IV 3 kWのX線回折計システムを用いて測定された、α-結晶型およびβ-結晶型の両方を含む、(平均直径40μmの)官能化されていない結晶SiC粉末のX線(Cu Kα
1)粉末回折データを示す。
【
図27】
図27は、付属の官能性のSi粒子、官能性のSiO粒子、官能化されていないSi粒子を介して官能化されたABSプラスチック基板の接触角の測定を示す。研磨されたSiウエハーおよび露出したABS基板は、比較のために示される。DI-H
2O接触角測定は、rame-hart Model 200 Standard Contact Angle Goniometerで実施された。官能性のABSプラスチック基板は、実施例16に記載された方法によって調製され、検査された表面で粒子の100%カバレージを有していた。(a)は、平均接触角測定結果を示す。サンプル1コーティングは、実施例11で説明された方法によって調製された官能性のSi粒子を含み、サンプル2は、実施例2で説明された方法によって調製された官能性のSi粒子を含み、サンプル3は、実施例7で説明された方法によって調製された官能性のSi粒子を含み、サンプル4は、実施例13で説明された方法によって調製された官能性のSiO粒子を含み、およびサンプル5は、(平均直径45μmの)官能化されていないSi粒子を含む。(b)は、サンプル3表面上のDI-H
2O点滴の例示的な側面図を示す。
【
図28】
図28は、Nicolet iS50 FT-IR光度計を用いて測定された、(A)官能化されていないSi粉末、(B)化学的に官能化されたSi粉末、(C)構造的に官能化されたSi粉末、および(D)化学的かつ構造的に官能化されたSi粉末のための対称的および非対称的な震動のC-Hモードの減衰全反射率赤外スペクトルを示す。
【
図29】
図29は、実施例16で説明された方法によって調製されたABSプラスチック基板上のナノ構造化された抗菌性表面コーティングでの大腸菌の生/死蛍光顕微鏡複合体Zスタック例示画像を示す。抗菌性の官能性の粒子は、バックグラウンドで見られ、棒状の特徴は染色された大腸菌である。ナノ構造体上の37°Cでの成長の1時間後、89±6%の細胞は死んでいることが確認された。
【
図30】
図30は、官能性の粉末を使用して細胞を溶解する方法を示す。図(a)は、官能性の粒子を含む容器を示し、(b)は、(a)から容器に添加された細胞を含む溶液を示し、(c)は、細胞および官能性の粒子を含む溶液の撹拌を示す。溶液中の細胞は、官能性の粒子との相互作用で溶解された。図(d)は、細胞の成分を含む溶液の抽出を示す。方法の設計はこの描写に限定されない。特徴および構造体は正確な比率ではない。
【
図31】
図31は、実施例25に説明された溶解プロトコルに従って一般細菌数によって生菌細胞の減少率を示す。処理(A)および処理(B)は、構造的に官能化された粉末粒子を含み、(C)は、官能化されていない(平均直径45μmの)Si粉末粒子を含み、および(D)は、対照として粉末を含まない。当初の細菌培養集団は、5.3×108/mLであり、方法は
図30に例示される。
【
図32】
図32は、異なるエッチング持続時間および撹拌速度のAg-MACEによって調製された、官能性の粒子のエッチングの深さの表を示す。エッチングの深さは、フォーカスド・イオン・ビーム(FIB)断面化およびSEMによって画定された。データは、他の方法で同一の条件によって調製された官能性のSi粒子のエッチング深さに対する撹拌速度およびエッチング時間の効果を実証する。
【
図33】
図33は、Ag-MACEを使用して、非晶質のSiO粒子上で産生された、官能性の表面のSEM画像を示す。画像(a)は、珊瑚構造体を示し、(b)は(a)に示される構造体の拡大図であり、(c)は、岩柱構造体を示し、(d)は(c)に示される構造体の拡大図である。
【
図34】
図34は、実施例13に記載される方法によって調製された、Rigaku Ultima IV 3 kWのX線回折計システムを用いて測定された、官能化されていない、および官能性(サンプルA)非晶質のSiO粉末(粒子直径は38~45μmである)のX線(Cu Kα
1)粉末回折データを示す。24°および50°2θの付近に集中する広幅のピークは、SiO粒子の結晶構造が非晶質であることを示す。
【
図35】
図35は、実施例15に記載される方法によって調製された、Ge粒子上のコード構造体を含む官能性の表面のSEM画像を示す。
【
図36】
図36は、実施例15に記載される方法によって調製された、Ge粒子上のコード構造体および三角形開口様くぼみ構造体を含む官能化されたヘテロ官能性の表面のSEM画像を示す。画像(b)は、画像(a)に示される構造体の拡大図である。
【
図37】
図37は、Shimadzu UV-2401 UV-VIS分光光度計を用いて45°入射角で測定された、いくつかの表面の反射するUV-VIS反射率データを示す。サンプル(A)は研磨されたSiウエハーであり、およびサンプル(B)は露出したABS基板を、比較のために示す。サンプル(C)、(D)、(E)、(F)は、実施例16に記載される方法によって調製された、官能性の基板である。サンプル(C)は、実施例11に記載される方法によって調製された、官能性のSi粒子でコーティングされたABSプラスチック基板である。サンプル(D)は、実施例13に記載される方法によって調製された、官能性の非晶質のSiO粒子でコーティングされたABSプラスチック基板である。サンプル(E)は、実施例2に記載される方法によって調製された、くぼみおよび気孔を含むヘテロ官能性のSi粒子でコーティングされたABSプラスチック基板である。サンプル(F)は、官能化されていない(平均直径45μmの)Si粒子でコーティングされたABSプラスチック基板である。サンプル(C)、(E)、および(F)の粒子表面は、サンプル(A)と同様の化学構成および結晶構造を有する。様々な表面形態は様々な可視光反射率スペクトルをもたらす。
【
図38】
図38は、いくつかのサンプル表面の光学写真を示す。(A)は、露出したABSプラスチック基板であり、および(B)、(C)、(D)は、実施例16に記載される方法によって調製されたコーティングされたABSプラスチック基板である。サンプル(B)は、実施例2に記載される方法によって調製された、くぼみおよび気孔を含むヘテロ官能性のSi粒子でコーティングされる。サンプル(C)は、実施例13に記載される方法によって調製された官能化された非晶質のSiO粒子でコーティングされる。サンプル(C)は、実施例11に記載される方法によって調製された官能化されたSi粒子でコーティングされる。
【発明を実施するための形態】
【0023】
粒子を官能化する方法
いくつかの態様では、本開示は、粉末粒子上で構造体を形成する方法を提供する。
図14は、粉末粒子上で構造体を形成する例示的な方法の概念の図式を提供する。いくつかの実施形態では、該方法は、(a)1つ以上の(例えば、結晶、多結晶、半結晶、非晶質の)(例えば、半導体または絶縁体の)粉末粒子を提供する工程と、(b)(例えば、随意に)、1つ以上の粉末粒子から表面汚染物を取り除く工程と、(c)(例えば、随意に)、1つ以上の粉末粒子から酸化物を取り除く工程と、(d)1つ以上の粉末粒子上で(例えば、第1型の)構造体を形成する工程であって、それによって、1つ以上のホモ官能性の粉末粒子を形成する工程と、(e)(例えば、随意に)、1つ以上のホモ官能性の粉末粒子上で(例えば、第2型の)構造体を形成する工程であって、それによって、1つ以上のヘテロ官能性の粉末粒子を形成する工程と、を含み、ここで、第1型および第2型の構造体は、(例えば、随意に)気孔、くぼみ、クレーター、ナノワイヤー、円錐体、小尖塔状のもの、岩柱、珊瑚、コード、壁、溝、ヒレ状部、畝状のもの、断崖、ピラミッドと逆ピラミッドからなる群から選択される。
【0024】
いくつかの態様では、本開示は、粉末粒子上で構造体を形成する方法を提供し、該方法は、1つ以上の(例えば、結晶、多結晶、半結晶、非晶質の)(例えば半導体または絶縁体の)粉末粒子を提供する工程と、1つ以上の粉末粒子上で第1型の構造体を形成する工程であって、それによって、1つ以上のホモ機能性粉末粒子を形成する工程と、を含む。(例えば、第1型の)構造体は、気孔、くぼみ、クレーター、ナノワイヤー、円錐体、小尖塔状のもの、岩柱、珊瑚、コード、壁、溝、ヒレ状部、畝状のもの、断崖、ピラミッドと逆ピラミッドからなる群から選択される場合がある。
【0025】
いくつかの態様では、本開示は、粉末粒子上で構造体を形成する方法を提供し、該方法は、(a)1つ以上の(例えば、結晶、多結晶、半結晶、非晶質の)(例えば半導体または絶縁体の)粉末粒子を提供する工程と、(b)1つ以上の粉末粒子から表面汚染物を取り除く工程と、(c)(例えば、随意に)、1つ以上の粉末粒子から酸化物を取り除く工程と、(d)1つ以上の粉末粒子上で(例えば、第1型の)構造体を形成する工程であって、それによって、1つ以上のホモ官能性の粉末粒子を形成する工程と、(e)1つ以上のホモ官能性の粉末粒子上で(例えば、第2型の)構造体を形成する工程であって、それによって、1つ以上のヘテロ官能性の粉末粒子を形成する工程と、を含み、ここで、第1型および/または第2型の構造体は、(例えば、随意に)気孔、くぼみ、クレーター、ナノワイヤー、円錐体、小尖塔状のもの、岩柱、珊瑚、コード、壁、ヒレ状部、畝状のもの、断崖、ピラミッドと逆ピラミッドからなる群から選択される。
【0026】
本明細書に記載された粉末加工方法は、ウエハーまたは他の基板を官能化するために使用される典型的な方法と実質的に異なる。他の基板と比較して粉末の増大した表面積は、官能化反応の反応速度および化学的と粒子の動態を含む反応特徴を変化させる場合がある。いくつかの実施例では、粉末粒子の表面上でナノ構造体の作製に使用された化学反応は、反応発熱と迅速な動力学により溶液温度を増大させる場合があり、それは反応速度を変化させる場合がある。対照的に、ウエハー上の同じ反応は、ウエハーの低い表面積により溶液温度の無視できる変動をもたらす場合がある。曝露した結晶学的な面またはジャンクションは官能化プロセスおよび結果として生じる形態に影響を及ぼす場合がある。いくつかの例では、ウエハーと比較して、粒子形成因子は、曝露した結晶学的な面またはジャンクションのより多い数および多様な選択範囲を提供する。反応溶液の攪拌、またはかき混ぜは、粉末とウエハーの化学反応に異なる影響を及ぼし、結果として異なる官能化をもたらす場合がある。いくつかの例では、粉末は溶液中に動いており、それは粉末粒子内に触媒ナノ粒子の移動、および/または粉末からの材料の溶解を変更する場合がある。様々な形態は、粉末粒子とウエハーの間の運動の差の結果として触媒動態の差により形成される場合がある。
【0027】
本明細書に記載された方法は、室温と大気圧で実施される場合がある。いくつかの実施形態では、圧力と温度は、粉末粒子の表面上で存在する構造体および形態を変化させるために調節される場合がある。本明細書に記載された反応は、開いているまたは閉められた反応容器において実施される場合がある。
【0028】
粉末粒子
本開示の粉末粒子は、結晶、多結晶、半結晶、非晶質であってもよい。好ましくは、粉末粒子は結晶または非晶質である。粒子は、固体であり、または気孔を含む場合があり、かつ規則または不規則な形状の場合がある。粉末粒子は、元素または混合物の結晶粒子であってもよい。好ましくは、粒子は、第IVA族の元素、第IV-VI族の化合物、第II-IVB族の化合物、第I-VII族の化合物、第II-VI族の化合物、第III-V族の化合物、第IVーIV族の化合物、遷移金属酸化物、および3つ以上の元素を含む化合物からなる群から選択される。粉末粒子は、半導体または絶縁体の元素または化合物、例えばSi、Ge、Sn、CuCl、CaO、MgO、GaAs、GaN、BN、BP、AlN、InN、InP、SiOおよびSiCから構成される場合がある。
【0029】
本開示の粉末粒子は、1つ以上の結晶粒を含む場合がある。随意に、粒子は単一結晶粒からなる。粉末粒子は、密接な物理的接触に保持された2つ、3つまたは4つ以上の結晶粒からなる場合がある。粉末粒子は不規則な形状であってもよいが、粒子の最長および最短のアスペクトに基づく平均有効直径を有する。粒子の平均有効直径は、0.1μm~10,000μm、または0.1μm~1,000μmなどの0.01μm~10,000μmであってもよい。粒子の平均有効直径は、少なくとも約0.01μm、0.1μm、1μm、10μm、100μm、1,000μm、10,000μm以上であってもよい。粒子の平均有効直径は、約10,000μm、1,000μm、100μm、10μm、1μm、0.1μm、0.01μmまたはそれ未満であってもよい。随意に、粉末粒子の平均有効直径は、0.1μm~100μm、0.1μm~10μm、1μm~10,000μm、1μm~1,000μm、1μm~100μm、10μm~10,000μm、10μm~1,000μm、または100μm~10,000μmであってもよい。平均有効直径および粉末粒子のサイズの分散は、修飾された粒子の望ましい特性および用途に基づいて選択される場合がある。
【0030】
粉末粒子の一群には特徴的なサイズ分散があってもよい。サイズ分散は、モノモーダル、バイモーダル、トリモーダル、またはマルチモーダルであってもよい。サイズ分散は、粉末粒子の特徴的なサイズ、例えば、平均直径、に基づいて決定される場合がある。粉末のサイズ分散は、粉末粒子のふるい分粒により決定される場合がある。粉末粒子のサイズ分散は、粒子の約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%または95%が、粒子の平均サイズの50%内にあるように、画定される場合がある。粒子のサイズ分散は、粒子の少なくとも約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%または95%以上が、粒子の平均サイズの50%内にあるように、画定される場合がある。粒子のサイズ分散は、粒子の約95%、90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%または10%以下が、粒子の平均サイズの50%内にあるように、画定される場合がある。特定の粒子のサイズ分散は、官能性の粉末材料の特定の物理的性質に関連づけられる場合がある。
【0031】
プレエッチング調製
粉末粒子上で構造体を形成する前に、1つ以上の粉末粒子から表面汚染物を取り除くことは有利な場合がある。表面汚染物は、粉末粒子の表面に置かれた望ましい材料以外に、任意の有機または無機のガス、液体または固体を含む場合がある。粉末粒子は、1つ以上の溶媒を有する一連液槽または溶液に配置することができる。随意に、1つ以上の粉末粒子は、少なくとも10分間、溶媒液槽、例えば、アセトン液槽に置かれる。粉末粒子は、少なくとも10分間、第2の溶媒液槽、例えば、メタノールまたはエタノール液槽にさらに置かれる場合がある。粉末粒子から表面汚染物を取り除く工程は、超音波処理を含む場合がある。いくつかの実施形態では、表面洗浄は粉末を酸液槽または酸化剤を用いて増強させた酸液槽に浸すことによって実施する場合があり、それは室温または高温で実施される場合がある。化学浴の各々は、さらなる継続的な処理を含む場合がある。例えば、アセトンによる化学浴またはエタノールによる化学浴は、少なくとも10分間、超音波処理が後続する少なくとも10分間の撹拌に含む場合がある。いくつかの実施形態では、粉末粒子は、少なくとも10分間、粉末を懸濁状態で保つために撹拌と超音波処理の両方が同時に実施される溶媒溶液に置かれる場合がある。いくつかの実施形態では、表面汚染物は、20°C、30°C、40°C、50°C、60°C、70°C、80°C、90°C、100°C、200°C、300°C、400°C、500°C、600°C、700°C、800°C、900°C、1000°Cまたはそれ以上の温度での長時間加熱を介して1つ以上の粉末粒子から取り除かれる場合もある。加熱は、1つ以上の様々な気体環境で生じる場合がある。いくつかの実施形態では、1つ以上の粉末粒子は、100mbar以下の圧力の真空で加熱される場合がある。粉末粒子は、空気、N2、CO2、He、H2、Arまたはその混合物を含む気体環境内で加熱される場合もある。
【0032】
本開示の方法は、1つ以上の粉末粒子から酸化物を取り除く工程も含む場合がある。1つ以上の粉末粒子は、酸性溶液または塩基性溶液で洗浄される場合がある。例えば、粉末粒子は、少なくとも5分間HF(>1M)および脱イオン化H2O(DI-H2O)の混合物を含む液槽で洗浄される場合がある。いくつかの実施形態では、液槽は、HF溶液にNH4Fを添加することによってバッファーされる場合がある。いくつかの実施形態では、液槽は、酸化物および他の表面原子の溶解を光促進するために照らされる場合がある。光の波長および強度は、粉末粒子の化学的性質に応じて変動される場合がある。粉末粒子は、化学浴の後にすすぎ剤(rinsing agent)(例えば、DI-H2O)ですすぐ場合がある。浸された粉末粒子は、ガスで乾燥され洗い流される場合がある。洗い流し用のガスは、望ましい表面の化学に応じてN2、He、H2または別のガスを含む場合がある。粉末粒子は、表面原子を再構成し、かつ残留表面湿気を蒸発させるために、液槽調製に続いて、熱的にアニーリングされる場合がある。いくつかの実施形態では、熱的なアニーリングは、上記化学浴方法が代わりに使用することができる。粉末粒子は、液槽処理または熱的なアニーリングの後、イオンに富んだ溶液に浸される場合がある。イオン種は、粒子の望ましい用途に応じて表面化学を変化させるために選択される。いくつかの実施形態では、イオンに富んだ溶液液槽の後にすすぎ剤(rinsing agent)(例えば、DI-H2O)による完全な洗浄は場合がある。
【0033】
エッチング方法
本明細書に記載される方法は、1つ以上の粉末粒子上で第1型の構造体を形成する工程であって、それによって、1つ以上のホモ官能性の粉末粒子を形成する工程を通常含む。いくつかの実施形態では、方法は、1つ以上のホモ機能性粉末粒子上で、第2型の構造体を形成する工程であって、それによって、1つ以上のヘテロ官能性の粉末粒子を形成する工程、をさらに含む場合がある。形成する工程は、粉末粒子の表面上で、または気孔内に構造体を形成することを含む場合がある。形成する方法は、望ましいバルクの構造および粉末の表面形態に基づいて選択される場合がある。具体的な構造的な修正はプラズマ、ガスまたは溶液の方法によってシングルまたはマルチプロセスのエッチングを含む場合がある。例えば、官能性の粉末粒子を作製する方法は、金属補助化学エッチング(MACE)およびその後の化学エッチング(CE)の繰返しの連続を含む場合がある。随意に、MACEは、CEなしで数回連続的に実施される場合がある。随意に、CEは、その後にMACEが実施される場合がある。様々なエッチング方法の順番は、表面構造の異なる形態を作製するために変化される場合がある。粉末粒子は、任意の表面の異物を取り除くために、任意のエッチング方法に続いて、すすぎ剤(rinsing agent)(例えば、DI-H2O)ですすぎ、N2、HeまたはH2などのガスで洗い流し、および/または熱的にアニーリングされてもよい。随意に、粒子は、メタノール、エタノールまたはアセトンなどの溶媒ですすぐ場合がある。
【0034】
金属補助化学エッチング(MACE)は、典型的に、1)粉末表面上に金属ナノ粒子を堆積すること、および2)酸性液槽または塩基性液槽でのエッチング、という2つのメイン工程を含む。2つの工程は、随意に単一の容器で同時に実施されてもよい。随意に、堆積およびエッチングのプロセスは単独に実施されてもよい。分離する際、金属ナノ粒子の堆積は、エッチングの前に一度または数回実施される場合がある。エッチングは、一度または数回実施される場合がある。随意に、その溶液は、磁気撹拌棒、オーバーヘッドスターラー(overhead stirrer)、循環ポンプ、インペラーまたは他の混合装置または撹拌装置の使用を通じて撹拌したりかき混ぜたりする場合がある。
【0035】
MACEプロセスのための粉末粒子上の金属ナノ粒子の堆積は、酸または塩基、DI-H2Oおよび(例えば、貴金属または希少性のある金属)イオンなどの金属イオンを含む溶液で起こる場合がある。例えば、HFは、少なくとも0.1Mの濃度で使用される場合がある。例えば、Agを含む、金属イオンの1つ以上の種が、使用することができる。AgNO3などの貴金属塩は、液槽へ金属イオンを導入するために使用することができる。いくつかの実施形態では、限定されないが、Fe(NO3)3、Cu(NO3)2、H2PtCl6、K2PtCl6、HAuCl4またはRhCl3を含む他の金属塩は、AgNO3が代わりに使用され、またはAgNO3と協調して使用される場合がある。金属イオンは、電気分解を含む他の方法によって液槽溶液へ導入することができる。溶液の温度、持続時間、撹拌とかき混ぜの速度、pH、化学組成、量、金属イオン濃度、および塩基または酸の濃度は、ナノ粒子堆積のサイズおよび表面カバレッジを制御するために調節することができる。金属イオンの2つ以上の種が粉末粒子表面上に堆積される場合、それらは、同一のまたは異なる表面濃度で同時にまたは単独の工程で堆積することができる。いくつかの実施形態では、その溶液は、金属ナノ粒子の堆積挙動を変化させるために照らされてもよい。光の波長および強度は、1つ以上の粉末粒子の物理的および化学的の性質に応じて変動される場合がある。金属ナノ粒子の表面カバレッジを変化させるために、粉末粒子は、MACEの後に熱的にアニーリングされる場合がある。
【0036】
あるいは、MACEは酸または塩基、酸化種およびDI-H2Oを含む溶液内で実施することができる。いくつかの実施形態では、DI-H2Oは、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールまたはアセトンなどの別の溶媒に部分的に、または完全に取り替えられてもよい。例えば、HFは、好ましくは4Mを超える濃度で、酸として選択され得、H2O2は酸化剤として選択され得る。いくつかの実施形態では、HFは、別の酸、例えば、H3PO4、HCl、または塩基、例えば、NH4F、に置換されてもよい。酸化種は、H2O2、O2ガス、オゾン、H2SO4、H2S2O8、NaClO、NaClO4、KMnO4とFe(NO3)3から選択されてもよい。随意に、試薬は、ある期間にわたって溶液に添加される場合がある。酸または塩基の濃度、酸化剤濃度、溶解持続時間、撹拌およびかき混ぜの速度、pH、化学組成、量、化学的添加の速度および温度は、粉末粒子表面上で実施されるエッチングの構造および形態を制御するために変動される場合がある。いくつかの実施形態では、溶液は、粒子の溶解を変化させるために照らされてもよい。光の波長および強度は、1つ以上の粉末粒子の物理的および化学的の性質、および望ましい表面の構造体および形態に応じて変動される場合がある。余分な金属ナノ粒子は、粉末粒子表面から取り除かれる場合がある。例えば、HNO3とDI-H2Oの溶液は、粒子表面から金属を取り除くために使用することができる。いくつかの実施形態では、金属は、酸性溶液、例えば、硫酸、過塩素酸、王水を使用して、粒子の表面から取り除かれる場合がある。いくつかの実施形態では、金属ナノ粒子の除去は、電気化学的方法、適切な化学的方法、または両方の方法の組み合わせを用いて達成され得る。いくつかの実施形態では、回収した金属ナノ粒子は、さらなる使用のために回復させ再利用してもよい。
【0037】
任意の主題の方法を実施する際に、1つ以上の粉末粒子の化学エッチング(CE)は金属補助化学エッチングを妨害し、その前またはその後に実施される場合がある。CEは、典型的に、本来化学的で機械的でない手段を使用して、選択的に表面物質を取り除くために任意の方法を含む。CE工程は、主題の方法において一度または数回実施される場合がある。CE方法は、処理された粉末粒子を有する酸溶液または塩基溶液を含む場合がある。例えば、CE液槽はKOHおよびDI-H2Oを含む場合がある。いくつかの実施形態では、KOHは、NH4F、HF、NaOH、LiOH、RbOH、CsOH、NH4OH、Sr(OH)2、Ca(OH)2、Ba(OH)2、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、またはHBrなどの酸種または塩基種で置換される場合がある。化学的濃度、溶液温度、持続時間、撹拌およびかき混ぜの速度、pH、化学組成、量、化学的添加の速度は、望ましい表層構造体および形態に応じて変動される場合がある。いくつかの実施形態では、溶液は、粉末粒子の表面溶解を増強させるために照らされてもよい。光の波長および強度は、1つ以上の粉末粒子の物理的および化学的性質に応じて変動される場合がある。
【0038】
追加的処理
粉末粒子上の1つ以上の構造体の形成後、結果として生じるホモまたはヘテロ粉末粒子は、1つ以上の追加的プロセスにかけられ得る。以下に記載される随意の追加的プロセスの組み合わせは、任意の順序で、そして任意の回数反復されて、実施され得る。いくつかの例では、任意の追加的プロセスは、官能性の粉末粒子を製品に組み込む前に実施される。あるいは、任意の追加的処理は、官能性の粉末粒子を製品に組み込んだ後に実施され得る。
【0039】
追加的処理方法は、1つ以上の粉末粒子をフィルムコーティングまたはめっき加工する方法を含む。フィルムコーティングまたはめっき加工は、結果として、粉末粒子の表面の全体表面または一部を覆う材料の薄いフィルムの、同一、半同一、非同一、またはパターン化された堆積をもたらす、任意のプロセスを含み得る。例えば、蒸着は、薄いフィルムを堆積させるために使用され得る。いくつかの実施形態では、化学浴、電気化学的方法、スピンコーティング、ディップコーティング、スプレー、オープンロールコーティング(roll-to-roll coating)、またはリソグラフィー法が使用され得る。
【0040】
追加的処理は、1つ以上の粉末粒子の表面を、化学的に官能化する方法を含む。化学的官能化は、1つ以上の粉末粒子の表面上に、反応場または非反応場を作り出す任意のプロセスを含み得る。例えば、粉末粒子の表面は、クロルヘキシジンジグルコネート、または(3-アミノプロピル)トリエトキシシランなどの、活性抗菌性化学薬品と結合し得る。あるいは、粒子の表面は、官能化化合物、オクタデシルトリクロロシラン(octadecyltrichlorosilane)、または1H,1H,2H,2H-パーフルオロデシルトリエトキシシラン(1H,1H,2H,2H-perfluorodecyltriethoxysilane)を含むがこれらに限定されない、例えばシラン化合物との反応を通して官能化することができ、粒子の基板への結合を改善することもできる、疎水性の高い表面を生成する。いくつかの実施形態では、表面は、分散剤またはペプチドで官能化され得る。いくつかの実施形態では、粒子の表面は、粒子が製品か媒体に結合または接着するのを補助するように官能化され得る。例えば、ジエトキシジフェニルシラン、アリルトリクロロシラン、トリエトキシ-p-トリルシラン(triethoxy-p-tolylsilane)、アリルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、または他の誘導体化されたシラン(derivatized silanes)は、ポリマー媒体中の粒子を、共有結合的または非共有結合的相互作用を通して結合させるために、使用され得る。粉末粒子表面は、選択される用途にとって望ましい材料特性に応じて、1を超える化学種で官能化され得る。化学的官能化は、表面エネルギー、表面積、表面粗さ、密度プロファイル、反射率、光学定数、帯電、バンドギャップ、剪断弾性率、可塑性、比重量、摩擦係数、音響的特性、熱特性、光学的特性、電気的特性、化学的特性、非共有相互作用、フォトルミネセンス、光吸収、疎水性、および親水性などの特性を変化させるための方法を含み得る。
【0041】
他の追加的処理は、中性子照射を介して、1つ以上の粉末粒子をドーピングする方法を含み得る。粉末粒子の中性子放射への曝露は、その電子的特性、バンド構造、またはそのバンドギャップを変化させ得る。MACEなどの方法を介して作り出されたサブミリ構造体は、半導体粒子のドーピングに対して感度が高いかもしれない。いくつかの例では、中性子照射前のナノ構造体形成は、望ましい電子的物性で増強された特定の構造および形態を可能にする。
【0042】
図12、13、および15で示されるように、別の追加的処理が、ナノ粒子による1つ以上の粉末粒子の装飾を含み得る。ナノ粒子は、ナノ粒子合成の任意の方法によって、官能性の粉末粒子の表面上に堆積、または分散され得る。例えば、ナノ粒子は、化学液槽に堆積され得る。いくつかの実施形態では、ナノ粒子は、蒸着によって堆積され得る。ナノ粒子装飾は、粉末粒子の物理的または化学的特性を変化させ、そして増強するために使用され得る。ナノ粒子は、粉末粒子の抗菌性特性を増強するために使用され得る。例えば、Ag、Cu、またはZnOナノ粒子は、それらの抗菌性活性のために、1つ以上の粉末粒子に加えられ得る。Ag、Au、およびCuなどのナノ粒子は、粉末粒子の電気的および光学的特性を増強し得る。ナノ粒子は、UV光吸収を増強するように、粉末粒子表面を装飾し得る。例えば、Al
2O
3またはZnOは、粉末粒子のUV光吸収特徴を増強し得る。ナノ粒子はまた、ナノ構造体をUV光分解から保護するために利用され得る。例えば、CeO
2ナノ粒子は、UV保護剤として使用され得る。
【0043】
構造体
本開示は、構造体を含む粉末粒子、これらの構造体を形成する方法、および粉末粒子を含む組成物を提供する。本明細書に開示される任意の構造体は、マイクロ構造体またはナノ構造体などの、サブミリ構造体を指し得る。本方法および組成物において適切な構造体の型の具体例は、気孔、くぼみ、クレーター、ナノワイヤー、円錐体、小尖塔状のもの、岩柱、珊瑚、コード、壁、ヒレ状部、畝状のもの、断崖、ピラミッド、および逆ピラミッドを含むが、これらに限定されない。官能性の粉末粒子を装飾し得るナノ構造体の例は、
図1に示される。
【0044】
くぼみ、クレーター、気孔は、粉末粒子上の刻み目を指す。くぼみおよびクレーターは、2未満の深さ対直径比率を有し得る。気孔という用語は、2以上の深さ対直径比率を有する任意の刻み目を指すために使用される。気孔は、必須ではないが、2つの開放端を有し得る。くぼみ、クレーター、および気孔は、幾何学的または有機的な形状の開口を有し得る。粒子表面上のくぼみおよび気孔の例示画像は、
図2、3、および19に示される。
【0045】
ナノワイヤー、小尖塔状のもの、およびピラーという用語は交換可能に用いられ、粉末粒子から外へ伸びる、細長い構造体を指す。ナノワイヤーまたはピラーは、2、3、4、5、6、7、8、9、10、またはそれ以上の、高さ対直径比率を有し得る。ナノワイヤーまたはピラーは、必須ではないが、円形断面を有し得る。ナノワイヤーまたはピラーは、類似の平均的断面積、または可変的断面積を有し得る。粉末粒子の表面上のナノワイヤーおよびナノピラーの例は、
図4に示される。円錐体という用語は、ベースから先端へ、断面積が継続的に減少するピラー構造体を指す。
【0046】
ピラミッドという用語は、ベースから先端へ、断面積が減少し、そして3以上の側面を有する粉末粒子から外へ伸びる、任意の構造体を指す。ピラミッド構造体は、必須ではないが、鋭角または平坦な側面を有し得る。ピラミッド構造体は、必須ではないが、切り取られた先端、または平坦な先端を有し得る。粉末粒子の表面上のピラミッド構造体の例は、
図21と22に示される。
【0047】
逆ピラミッドは、ベースから先端へ、断面積が減少し、そして3以上の側面を有する粒子の中へ伸びる、任意の凹状のピラミッド構造体を指す。逆ピラミッド構造体は、必須ではないが、平坦な側面、鋭角、または切り取られた先端あるいは平坦な先端を有し得る。粉末粒子の表面上の逆ピラミッド構造体の例は、
図20に示される。
【0048】
畝状のものまたは断崖という用語は、FWHM(半値全幅)の断面幅が、サブミクロンで、その長さより小さい、突出した、長さに沿って交差している構造体である。畝状のものまたは断崖は、長さに沿って湾曲している、または真っ直ぐなセクションから成り得る。畝状のものまたは断崖は、必須では無いが、囲われた、窪んだ領域を形成し得る。粉末粒子の表面上の畝状のものおよび断崖の例は、
図23に示される。
【0049】
壁という用語は、長さが高さまたは断面幅よりも大きく、そして長さに沿って、類似の幅対高さ比率から成る、突出構造体を指す。壁は、必須ではないが、ベースから頂部へ、一定の断面幅を有し得る。粉末粒子の表面上の壁の例は、
図24(b)に示される。
【0050】
ヒレ状部という用語は、長さが高さまたは断面幅よりも大きく、そして長さに沿って変化する高さから成る、突出構造体を指す。ヒレ状部は、必須ではないが、ベースから頂部へ、減少する断面積を有し得る。粉末粒子の表面上のヒレ状部の例は、
図24(a)に示される。
【0051】
コードという用語は、高さがベースの幅を超えない、細長い凸状構造体を指す。コードは、必須ではないが、半円断面形状を有し得る。コードは、必須ではないが、他のコードと平行であっても良い。粉末粒子の表面上のコードの例は、
図35に示される。
【0052】
岩柱という用語は、横方向に相互連結または相互接続された、可変断面積または可変断面形状の、突出したピラー様構造体を指す。
図5、33(c)、および33(d)は、岩柱として分類され得る、いくつかの横方向に相互連結されたナノピラーを描写する。
【0053】
珊瑚という用語は、形態が不規則であるか、または形状が幾何学的でない、任意の伸長構造体を指す。例えば、方向が長さに沿って変化し、そして断面積または断面形状が可変的である細長い構造体は、珊瑚と呼ばれるかもしれない。珊瑚は、必須ではないが、相互連結された、または相互接続された特徴を有し得る。他のクラスの構造体に容易に分類できない任意のナノ構造体またはミクロ構造体は、珊瑚であると考えられ得る。
図16、17、33(a)、および33(b)は、珊瑚として分類され得る不規則に形成されたナノスケール形成を描写する。
【0054】
単一の粉末粒子は、2以上の型の構造体を含み得る。いくつかの実施形態では、
図6に示されるように、構造体同士が互いに層になっている。例えば、粉末粒子は、ピラミッドの側面上にナノワイヤーを含み得る。ナノワイヤーは、ピラミッド、逆ピラミッド、クレーター、円錐体、岩柱、珊瑚、コード、壁、ヒレ状部、畝状のもの、断崖、または他のナノワイヤーの側面を装飾し得る。くぼみおよび気孔は、ナノワイヤー、クレーター、円錐体、ピラミッド、逆ピラミッド、珊瑚、コード、壁、ヒレ状部、畝状のもの、断崖、または岩柱、あるいは他のくぼみおよび気孔の表面を装飾し得る。単一の粉末粒子は、第1および第2の構造体の任意の組み合わせを含み得る。例えば、
図18は、ピラミッド構造体および珊瑚構造体を含むヘテロ官能性の形態を有する粒子を描写する。例えば、
図2は、くぼみおよび気孔を含む重複構造を有する粒子を描写する。例えば、
図36は、コードおよび三角形開口様のくぼみを含むヘテロ官能性の形態を有する粒子を描写する。
【0055】
第1および第2の構造体を含む、粉末粒子上に形成される構造体は、特徴的寸法によって特徴付けられ得る。特徴的寸法は、長さ、幅、高さ、直径、および円周などの特性を含み得る。粉末粒子上に形成される構造体の特徴的寸法は、一定かもしれず、あるいは構造体のボディにわたって可変的であるかもしれない。例えば、ピラミッド構造体または円錐体構造体は、ピラミッドのベースから先端へと減少する円周を有するものとして特徴付けられ得る。粉末粒子上に形成される構造体はまた、複数の特徴的寸法、例えば長さと半径、を有し得る。特定の特徴的寸法、または特徴的寸法の範囲は、官能性の粉末材料の、ある物理的特性に関連しているかもしれない。特定の構造体の特徴的寸法は、単一粒子上で変化し得るか、または粒子間で変化し得る。
【0056】
粉末粒子状に形成される構造体は、約1nm、10nm、25nm、50nm、75nm、100nm、200nm、300nm、400nm、500nm、600nm、700nm、800nm、900nm、1μm、10μm、100μm、または1000μmの特徴的寸法を有し得る。粉末粒子状に形成される構造体は、少なくとも、約1nm、10nm、25nm、50nm、75nm、100nm、200nm、300nm、400nm、500nm、600nm、700nm、800nm、900nm、1μm、10μm、100μm、または1000μm、あるいはそれ以上の特徴的寸法を有し得る。粉末粒子状に形成される構造体は、約1000μm、100μm、10μm、1μm、900nm、800nm、700nm、600nm、500nm、400nm、300nm、200nm、100nm、75nm、50nm、25nm、10nm、1nm、またはそれ未満の特徴的寸法を有し得る。
【0057】
粉末粒子上に形成される構造体の2つの特徴的寸法は、特定のアスペクト比を有し得る。例えば、アスペクト比は、特定の構造体に対する長さ対幅の比率を含み得る。アスペクト比は、特徴的寸法の平均値に基づいて計算され得る。例えば、可変直径を有する構造体は、構造体の長さにわたる平均直径に基づくアスペクト比を有し得る。特定の特徴的アスペクト比、またはアスペクト比の範囲は、官能性の粉末材料の、ある物理的特性に関連しているかもしれない。特定の構造体のアスペクト比は、単一粉末粒子上で、または2つの異なる粉末粒子間で、変化し得る。
【0058】
いくつかの場合では、粉末粒子上に形成された構造体は、1を超える特徴的または特質的寸法によって特徴付けられ得る。特徴的または特質的寸法は、幅、高さ、深さ、間隔、直径、先端直径、開口幅、先端間距離、ベース直径、およびピーク状態の幅を含み得る。いくつかの場合では、特徴的または特質的寸法は、特徴的な値または範囲を有し得る。範囲は、構造体寸法の最小および/または最大寸法によって定義され得る。下記の表Iは、本発明の様々な構造体のための、いくつかの近似の特徴的寸法を表示する。実際に観察される特性的寸法は、約5%、10%、15%、20%、25%、あるいは、言及された特性的寸法範囲を超えるまたは下回る。
【0059】
【0060】
官能性の粉末粒子上の構造体または構造体群は、約1:1000、1:100、1:10、1:5、1:2、1:1、2:1、5:1、10:1、100:1、または約1000:1の平均アスペクト比を有するものとして特徴付けられ得る。官能性の粉末粒子上の構造体または構造体群は、少なくとも、約1:1000、1:100、1:10、1:5、1:2、1:1、2:1、5:1、10:1、100:1、または約1000:1の平均アスペクト比を有するものとして特徴付けられ得る。官能性の粉末粒子上の構造体または構造体群は、約1:1000、1:100、1:10、1:5、1:2、1:1、2:1、5:1、10:1、100:1、または約1000:1を超えない、またはそれを下回る平均アスペクト比を有するものとして特徴付けられ得る。
【0061】
粉末粒子上の構造体は、特徴的サイズ分散を有し得る。サイズ分散は、モノモーダル、バイモーダル、トリモーダル、またはマルチモーダルであり得る。サイズ分散は、構造体の任意の特徴的寸法のために決定され得る。例えば、ピラーで官能化された官能性の粉末粒子は、ピラー長さの平均値周辺にモノモーダルのピラー長さ分散を有し得る。構造体のサイズ分散は、構造体の約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、または95%が、構造体の平均サイズの50%内になるように決定され得る。構造体のサイズ分散は、構造体の少なくとも約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、または95%、あるいはそれ以上が、構造体の平均サイズの50%内になるように決定され得る。構造体のサイズ分散は、構造体の約95%、90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、または10%以下が、構造体の平均サイズの50%内になるように決定され得る。特定の特徴的構造体サイズ分散は、官能性の粉末粒子のある物理的特性に関連しているかもしれない。特定の構造体のサイズ分散は、単一粉末粒子の領域間、または2つの異なる粉末粒子間で、変化し得る。
【0062】
粒子上の構造体は、特徴的表面密度を有し得る。表面密度は、単位面積当たりの特有構造体の数として定義され得る。表面密度は、構造体の単一タイプ(例えばピラー)ごとに計算されても良く、または、構造体の2つ以上のタイプの密度(例えば、粉末粒子上の全構造体の合計表面密度)を含み得る。特定の特徴的表面密度は、官能性の粉末粒子のある物理的特性に関連しているかもしれない。特定の構造体の表面密度は、単一粉末粒子の領域間、または2つの異なる粉末粒子間で、変化し得る。
【0063】
粉末粒子は、少なくとも約μm2当たり1構造体、μm2当たり5構造体、μm2当たり10構造体、μm2当たり15構造体、μm2当たり20構造体、μm2当たり25構造体、μm2当たり30構造体、μm2当たり40構造体、μm2当たり50構造体、μm2当たり100構造体、μm2当たり250構造体、μm2当たり500構造体、μm2当たり1000構造体、またはμm2当たり10000の構造体、あるいはそれ以上の構造体表面密度を有し得る。粉末粒子は、μm2当たり約10000構造体、μm2当たり1000構造体、μm2当たり500構造体、μm2当たり250構造体、μm2当たり100構造体、μm2当たり50構造体、μm2当たり40構造体、μm2当たり30構造体、μm2当たり25構造体、μm2当たり20構造体、μm2当たり15構造体、μm2当たり10構造体、μm2当たり5構造体、μm2当たり1構造体、またはそれ未満を超えない構造体表面密度を有し得る。
【0064】
官能性の粒子
いくつかの態様では、本開示は、ホモ官能性の(例えば、結晶、多結晶、半結晶または非晶質)の(例えば半導体あるいは絶縁体の)粉末粒子を提供し、ここで粉末粒子は、気孔、くぼみ、クレーター、ナノワイヤー、円錐体、小尖塔状のもの、岩柱、珊瑚、コード、壁、ヒレ状部、畝状のもの、断崖、ピラミッドと逆ピラミッドからなる群から選択される1つの型の構造体を含む。いくつかの態様では、本開示は、ホモ官能性の(例えば、結晶、多結晶、半結晶または非晶質)の(例えば半導体あるいは絶縁体の)粉末粒子を提供し、ここで粉末粒子は、気孔、くぼみ、クレーター、ナノワイヤー、円錐体、小尖塔状のもの、岩柱、珊瑚、コード、壁、ヒレ状部、畝状のもの、断崖、ピラミッドと逆ピラミッドからなる群から選択される構造体を含む。いくつかの態様では、本開示は、ホモ官能性の(例えば、結晶、多結晶、半結晶または非晶質)の(例えば半導体の)粉末粒子を提供し、ここで粉末粒子は、気孔、くぼみ、クレーター、ナノワイヤー、円錐体、小尖塔状のもの、岩柱、珊瑚、コード、壁、ヒレ状部、畝状のもの、断崖、ピラミッドと逆ピラミッドからなる群から選択される1つの型の構造体を含み、ここで粉末粒子は、元素のケイ素粒子では無い。いくつかの態様では、本開示は、官能性の(例えば、結晶、多結晶、半結晶、または非晶質)の(例えば半導体あるいは絶縁体の)粉末粒子を提供し、ここで粉末粒子は、サブミリ構造体を含み、フィルムコーティング、めっき、化学的官能化、ドーパント、ナノ粒子装飾または表面終端をさらに含む。他の態様では、本開示は、ヘテロ官能性の(例えば、結晶、多結晶、半結晶、または非晶質)の(例えば半導体あるいは絶縁体の)粉末粒子を提供し、ここで粉末粒子は、2つ以上の型の構造体を含む。2つ以上の型の構造体は、気孔、くぼみ、クレーター、ナノワイヤー、円錐体、小尖塔状のもの、岩柱、珊瑚、コード、壁、ヒレ状部、畝状のもの、断崖、ピラミッドと逆ピラミッドからなる群から選択される場合がある。
【0065】
官能性の粉末粒子の平均有効直径は、0.01~10,000μmで、例えば0.1~10,000μm、または0.1~1,000μmであるかもしれない。随意に、粉末粒子の平均有効直径は、0.1~100μm、0.1~10μm、1~10,000μm、1~1,000μm、1~100μm、10~10,000μm、10~1,000μm、または100~10,000μmであるかもしれない。
【0066】
官能性の粉末粒子は、ピラミッドの側面上のナノワイヤーなどの、2つ以上の重複構造体を含み得る。いくつかの実施形態では、ナノワイヤーは、ピラミッド、逆ピラミッド、円錐体、岩柱、珊瑚、コード、壁、ヒレ状部、畝状のもの、断崖、または他のナノワイヤーの側面を装飾しても良く、そして、くぼみと気孔は、ナノワイヤー、円錐体、ピラミッド、逆ピラミッド、珊瑚、コード、壁、ヒレ状部、または岩柱、あるいはくぼみと気孔の表面を装飾しても良い。単一の粉末粒子は、第1および第2の構造体の任意の組み合わせを含み得る。
【0067】
いくつかの例では、粒子は、10nmおよび1,050nmの間の波長の(例えば、正反射性および/または散乱性の)全電磁放射線の最大で平均0.1%を反射する。いくつかの実施形態では、粒子は、10nmおよび400nmの間の(例えば、正反射性および/または散乱性の)全電磁放射線の最大で平均0.01%、300nmおよび1,050nmの間の(例えば、正反射性および/または散乱性の)全電磁放射線の最大で平均0.1%、または700nmおよび1,050nmの間の(例えば、正反射性および/または散乱性の)全電磁放射線の最大で平均0.1%を反射し得る。いくつかの例では、
図37に見られるように、粒子は、190nmおよび900nmの間の波長間で45°の入射角の、全電磁放射線の最大で平均0.03%を反映する。いくつかの例では、粒子は、180nmおよび380nmの間の波長間で45°の入射角の、全電磁放射線の最大で平均0.046%と、380nmおよび740nmの間の波長間で45°の入射角の、全電磁放射線の最大で平均0.026%を反射する。いくつかの例では、粒子は、300nmおよび1,050nmの間の波長の(例えば、正反射性および/または散乱性の)全電磁放射線の最大で1%を反射する。いくつかの実施形態では、粒子は、10nmおよび400nmの間の(例えば、正反射性および/または散乱性の)全電磁放射線の最大で1%、300nmおよび1,050nmの間の(例えば、正反射性および/または散乱性の)全電磁放射線の最大で1%、または700nmおよび1,050nmの間の(例えば、正反射性および/または散乱性の)全電磁放射線の最大で1%を反射し得る。いくつかの例では、粒子は、10nmおよび1,050nmの間の波長の(例えば、正反射性および/または散乱性の)全電磁放射線の最大で平均10%を反射する。いくつかの実施形態では、粒子は、10nmおよび400nmの間の(例えば、正反射性および/または散乱性の)全電磁放射線の最大で10%、190nmおよび900nmの間の(例えば、正反射性および/または散乱性の)全電磁放射線の最大で10%、または700nmおよび1,050nmの間の(例えば、正反射性および/または散乱性の)全電磁放射線の最大で10%を反射し得る。いくつかの例では、粒子は、300nmおよび1,050nmの間の波長の(例えば、正反射性および/または散乱性の)全電磁放射線の最大で25%を反射する。いくつかの実施形態では、粒子は、10nmおよび400nmの間の(例えば、正反射性および/または散乱性の)全電磁放射線の最大で25%、190nmおよび900nmの間の(例えば、正反射性および/または散乱性の)全電磁放射線の最大で25%、または700nmおよび1,050nmの間の(例えば、正反射性および/または散乱性の)全電磁放射線の最大で25%を反射し得る。
【0068】
官能性の粒子の物理的および化学的特性
官能性の粉末粒子の構造体および組織は、粒子の少なくとも一部の物理的および/または化学的特性を変化させ得る。特性は、放射状におよび/または角度をなして、変化し得る。構造体と組織によって変化され得る、粉末粒子の特性および特徴の例は、表面エネルギー、表面積、表面粗さ、密度プロフィール、屈折率、光学定数、静電気、バンド構造、バンドギャップ、剪断弾性率、可塑性、摩擦係数、比重量、音響的特性、熱特性、光学的特性、電気的特性、化学的特性、非共有相互作用、フォトルミネセンス、光吸収、細胞溶解、オムニフォビック性(omniphobicity)、疎水性、および親水性を含むが、これらに限定されない。
【0069】
官能性の粉末粒子は、同様に構造的に官能化された一般的な基板よりも容易に、変化した材料特性を示し得る。構造的に官能化された粉末粒子は、Siウエハーなどの非粒子基板上の類似の構造よりも、複雑になるだろう。官能性の粉末粒子は、表面積対体積比率(または表面積対質量比率)が高く、非粉末粒子形態よりも小さいため、より多くの官能性の粉末粒子の質量または体積が、サブミリ構造体で構成される。(例えば、結晶、多結晶、半結晶、または非晶質の)粉末粒子上のサブミリ構造体は、粉末表面全体の官能化によって、非粒子基板上の構造体よりも広い方向範囲を示し得る。全方向性の構造体は、官能性の粉末粒子の特性を三次元適用のために増強し得る。官能性の粉末粒子は、非粒子基板上よりも広範囲の物理的な長さスケールという特徴をなす。より広範囲の長さスケールは、官能性の粉末粒子において、より広範囲の材料特性を提供し得る。
【0070】
官能性の(例えば、結晶、多結晶、および半結晶の)粉末粒子は、非官能性の粒子または非官能性の基板から変化した結晶格子構造およびバンド構造を有し得る。例えば
図25は、90分のエッチング後に、実施例7に記載の方法を介して調製された非官能性の結晶Si粉末および官能性の結晶Si粉末からのX線(Cu Kα
1)粉末回折データを示す。これらの官能性の粒子(45μmの平均直径)は、1.5μmの厚さの、構造的に官能化された表面を有する。この構造的官能化は、たとえ構造的官能化が粒子体積のごく少量にあたるとしても、結果として、硬いコアおよび官能化された表面を含む、官能性の粒子全体の、格子の拡張と収縮を引き起こす。<111>および<311>方向に沿った結晶格子の拡張および収縮は、それぞれSi(111)およびSi(311)のピークの、ピーク位置のシフトによって明らかである。結晶格子構造の変化は、非官能性の粒子または非官能性の基板と比較してバンド構造を変化させる可能性があり、この変化は、バルクの化学組成を変化させたり、バルクの結晶欠陥を導入したりすることなく行われる。
【0071】
官能性の粉末粒子は、熱特性を変化させ得る。熱膨張および収縮は、ナノ構造体への影響を減少させ得る。亀裂および他の機械的破壊は、官能性の粉末粒子において減少し得る。
【0072】
複数の官能性の粒子
官能性の粒子は、同様の粒子のホモ混合物の一部、または2つ以上の異形の粒子のヘテロ混合物の一部を形成し得る。1つの異形は、化学的組成、サイズ、形状、表面変化、表面上の構造体の型、サブ表面(subsurface)の構造体の型、化学的官能化、ナノ粒子装飾、表面終端、またはドーピングなどの、少なくとも1つの物理的または化学的特性で、他と異なる場合がある。
【0073】
いくつかの実施形態では、2以上の官能性の粒子の異形は、望ましい物理的特性を達成するために、ともに混合される。例えば、SiまたはGeなどの、異なる元素または合成物の種を含む官能性の粒子の混合物を、好ましい光学的特性を有する混合を提供するために使用することができる。粒子の充填密度は、異なるサイズを有する官能性の粒子を混ぜ合わせることによって増加させることができ、その結果、より小さな粒子がより大きな粒子間の空隙を占有または充填する。質量密度勾配は、異なるサイズの粒子を混ぜ合わせることによって形成され得る。屈折率の段階的光学指数も、異なるサイズの粒子を混ぜ合わせることによって形成され得る。粒子の混合物を形成することができ、そこでは、耐久性の有る特質を有する粒子や繊細な特質を有する粒子が存在する。例えば、逆ピラミッド構造体を有する大きな粒子を、ナノワイヤーに覆われた小さな粒子と混ぜ合わせても良い。小さな粒子は、より繊細なナノワイヤーが機械的なまたは他の破壊から保護されるように、より大きな粒子間の空隙を占有しても良い。
【0074】
均一または非均一のいずれかであるそれらの混合物は、様々な用途で使用され得る。例として、1つ以上の官能性の粒子を内含する容器を含む、流体フィルタまたはガスフィルタなどのフィルタが挙げられる。この例では、官能性の粒子は、フィルタを通して流体またはガスの流れとして、元素、化合物、分子、粒子、または細胞と、機械的にまたは化学的に結合、相互作用、または反応し得る。そのようなフィルタの適用は、流体またはガスからの汚染物質の抽出、特定の化学反応の触媒作用または増強、細胞内分析および細胞成分の採取のための細胞の溶解、および流体からの不要な微生物の除去を含む。官能性の粒子のこの高い表面積は、非官能性の粒子よりも大量の化学物質が、1粒子当たりに埋め込まれたり装飾されたりすることを可能にする。いくつかの実施形態では、官能性の粉末粒子は、分析カラムで利用され得る。いくつかの実施形態では、官能性の粉末粒子は、風味または芳香合成物などの官能基で変更され得る。いくつかの実施形態では、風味または芳香合成物を含むナノ粒子は、官能性の粉末粒子の表面上で、埋め込まれたり装飾されたりすることが可能である。官能性の粉末粒子は、他の材料上で、ナノ構造体を移動させたり、複製を作成したりすることができる。例えば、ナノワイヤーを備えた粉末粒子を、モールド、スタンプ、またはテンプレートとして使用し、より柔らかい材料の表面に構造体を作成することができる。
【0075】
官能性の粒子の複合体
いくつかの実施形態では、本開示は、1つ以上の官能性の(例えば、結晶、多結晶、半結晶または非晶質の)(例えば、半導体または絶縁体の)粉末粒子を含む表面を提供し、ここで粉末粒子は、随意に、気孔、くぼみ、クレーター、ナノワイヤー、円錐体、小尖塔状のもの、岩柱、珊瑚、コード、壁、ヒレ状部、畝状のもの、断崖、ピラミッドと逆ピラミッドから選択される1つ以上の構造体を含み、および粉末粒子の直径は、0.01μm~10,000μmである。粉末粒子の最小の30%の平均直径は、粉末粒子の最大の10%の平均直径より200%小さいかもしれない。随意に、粉末粒子の最小の10%の平均直径は、粉末粒子の最大の10%の平均直径より200%小さいかもしれず、粉末粒子の最小の1%の平均直径は、粉末粒子の最大の10%の平均直径より200%小さいかもしれず、粉末粒子の最小の30%の平均直径は、粉末粒子の最大の10%の平均直径より100%小さいかもしれず、または、粉末粒子の最小の10%の平均直径は、粉末粒子の最大の10%の平均直径よ50%小さいかもしれない。本明細書に記載された表面は、粉末粒子を大気から隔てるフィルムをさらに含む場合がある。表面は、反射防止性、反射性、抗菌性、疎水性、親水性、防汚性、非粘着性であるか、または選択された用途に望ましい物理的特性または物理的特性の組み合わせを有し得る。
【0076】
本明細書に記載の1つ以上の官能性の粒子は、例えば、
図9に示されるように、バルク材料、繊維、表面、または表面コーティングにおける成分または添加物として使用され得る。官能性の粒子の濃度、分布(例えば面外および面内位置)および配向は、所与の用途のために別々に決定され得る。官能性の粉末粒子は、非官能性の粒子と比較すると表面積が増加しているので、基板または媒体との相互作用を変化させ得る。例えば、官能性の粉末粒子は、非官能性の粒子と比較して、化学的部位または接合部位が増加し得る。官能性の粉末粒子は、より耐久性のある複合体を配合するために使用され得る。ナノ構造体のより小さな長さスケールは、半導体ウエハーなどの基板材と比較して、破壊伝播を阻害し得る。いくつかの例では、官能性の粒子の密度の減少は、非官能性の粒子と比較して、複合物の質量を低下させ得る。
【0077】
いくつかの例では、1つ以上の官能性の粒子は、少なくとも1つの粉末粒子が大気に露出するように、表面に埋め込まれる。この配置では、埋め込まれた官能性の粒子の構造体は、母材、媒体、繊維、結合剤、または接着剤の表面で、少なくとも部分的に露出する。随意に、1つ以上の官能性の粒子は、粒子が完全に露出するように、母材、媒体、結合剤、または接着剤に接着し得る。露出した粒子の高さは変化させることができ、そして互いに対する粒子の高さは、均一または非均一であり得る。また、露出した粒子の体積は変化させることができ、そして互いに対する粒子の体積は、均一または非均一であり得る。随意に、1つ以上の官能性の粒子は、粒子が完全に隠れるように、母材、媒体、結合剤、または接着剤に接着し得る。
【0078】
いくつかの例では、複合材料の表面の1つ以上の官能性の粉末粒子は、ナノ構造体のウエハーまたは基板と比較して、複合表面により広範囲の長さスケールを与ることができ、
図7および8に示されるように、材料の物理的特性を変化させ得る。例えば、樹脂中の官能性の粉末粒子で構成される複合体は、ナノスケールおよびマイクロスケールの特質が存在するため、半導体ウエハーなどの非粒子基板よりも広範囲の電磁放射線を吸収し得る。
【0079】
いくつかの例では、1つ以上の部分的に露出した官能性の粉末粒子は、複合材料の機械的特性を変化させ得る。複合体の表面の露出したナノ構造体は、粒子コア、またはマクロ表面に対するそれらの配向による損傷から、保護され得る。
【0080】
いくつかの例では、複合体の表面の1つ以上の官能性の粉末粒子は、複合表面の表面積を増加し得る。複合表面積は、半導体ウエハーなどの、非粒子基板の表面積を上回ることがある。1つ以上の露出した官能性の粉末粒子を含む複合体は、十分な表面充填密度を有する粉末粒子を組み込む場合、より大きな官能性密度(粒子の接触部面積当たりの官能性の表面積)を有し得る。
【0081】
表面特徴を変化させる方法
いくつかの例では、本開示は、製品の特徴を変化させる方法を提供し、該方法は、1つ以上の官能性の(例えば、結晶、多結晶、半結晶または非晶質の)(例えば、半導体または絶縁体の)粉末粒子を、製品に組み込む工程を含み、ここで粉末粒子は、随意に、気孔、くぼみ、クレーター、ナノワイヤー、円錐体、小尖塔状のもの、岩柱、珊瑚、コード、壁、ヒレ状部、畝状のもの、断崖、ピラミッドと逆ピラミッドから選択される1つ以上のサブミリ構造体を含み、ここで粉末粒子の直径は、0.01μm~10,000μmである。製品は、医療装置、調理器具、装具、カウンタートップ、車両、ボート、または航空機などの、本明細書に記載される任意の製品であり得る。製品は、オフィス消耗品、オフィス用品、電子機器、容器、台所用具、調理器具、家庭用品、織製品、ハードウェア、消費材、車両と船舶、フィルタ、ポンプ、水用器具、表面、家具、装具、装置、建築資材、軍用備品、ツール、太陽電池、貨幣、医療用品、医療装置、紙製品、製造機器、食品加工機器、および光学機器から選択され得る。いくつかの実施形態では、製品は、ゴム、プラスチック、金属、ガラス、またはセラミックを含む。いくつかの実施形態では、改変する工程は、製品の、可視光の吸光度を減少させる工程、可視光の吸光度を増強する工程、光の反射率を増強する工程、光の反射率を減少させる工程、抗菌性を増強する工程、防汚性を増強する工程、疎水性を増強する工程、親水性を増強する工程、電気伝導率を増強する工程、電気抵抗率を増強する工程、ルミネセンスを増強する工程、表面エネルギーを増強する工程、表面エネルギーを減少させる工程、摩擦係数を増大する工程、および摩擦係数を減少させる工程の1つ以上を含む。取り込む工程は、製品を粉末粒子でコーティングする工程、または製品へ粉末粒子を埋め込む工程を含む場合がある。
【0082】
抗菌性用途
本開示の官能性の粒子は、抗菌性表面を形成するために使用されても良い。抗菌性作用モードは、紫外線放射、マイクロ波放射、および加熱を含む、物理的または化学的なものであり得る。本明細書に記載される抗菌性の官能性の粒子は、1つ以上の抗菌性作用モードを呈し得る。いくつかの例では、抗菌性活性を提供し得るナノ構造体は、ナノワイヤー、小尖塔状のもの、円錐体、気孔、岩柱、珊瑚、コード、壁、ヒレ状部、畝状のもの、断崖、ピラミッド、逆ピラミッド、およびハイブリッド構造体を含み得る。抗菌性活性のためのナノワイヤーの高さは、10nmから5μmの範囲内であり得る。いくつかの実施形態では、抗菌性活性のためのナノワイヤーの高さは、10nmから200nm、50nmから500nm、100nmから1μm、250nmから2μm、または500nmから5μm内であり得る。抗菌性活性のためのナノワイヤーの直径は、10nmから1000nmの範囲内であり得る。いくつかの実施形態では、それらは、10nmから100nm、50nmから250nm、100nmから500nm、または250nmから1000nmの直径を有し得る。抗菌性活性のための、円錐体、気孔、岩柱、珊瑚、コード、壁、ヒレ状部、畝状のもの、断崖、ピラミッド、逆ピラミッド、およびハイブリッド構造体の伸長成分、または凸部の垂直成分は、1nmから5μmの範囲内にあり得る。いくつかの実施形態では、抗菌性活性のための、円錐体、気孔、岩柱、珊瑚、溝、ヒレ状部、畝状のもの、断崖、ピラミッド、逆ピラミッド、およびハイブリッド構造体の伸長成分、または凸部の垂直成分は、1nmから200nm、50nmから500nm、100nmから1μm、250nmから2μm、または500nmから5μm内にあり得る。抗菌性活性のための、円錐体、気孔、岩柱、珊瑚、溝、ヒレ状部、畝状のもの、断崖、ピラミッド、逆ピラミッド、およびハイブリッド構造体の伸長成分、または凸部成分の断面の狭い寸法に沿う幅は、1nmから10,000nmの範囲内にあり得る。いくつかの実施形態では、それらは、1nmから100nm、50nmから250nm、100nmから500nm、または250nmから1000nmの寸法を有し得る。
【0083】
物理的作用モード:細胞は、細胞膜と官能性の粒子表面との間の物理的相互作用によって、死滅または溶解され得る。抗菌性の活性および有効性は、細胞膜に接している粒子上の特定の型の構造体に依存し得る。任意の特定の理論による拘束は望まないが、細胞は、官能性の粒子と細胞膜との間の接着力が細胞膜の凝集力より大きくなる時に、死滅され得る。いくつかの例では、ウイルスは、ウイルスと官能性の粒子表面との間の相互作用によって、捕捉、固定、または不活性化され得る。
【0084】
いくつかの例では、細胞は、官能性の粉末粒子の表面上に吸着された時に、死滅され得る。細胞死の物理的モードは、表面が疎水性か親水性かによって変化し得る。例えば、疎水性表面を有する官能性の粉末粒子は、細胞膜内の脂質の疎水性尾部を引き付けて、細胞膜からの脂質分子の抽出を引き起こし得る。十分な量の脂質が抽出されると、細胞膜は破裂して、細胞死を引き起こし得る。いくつかの実施形態では、親水性表面を有する官能性の粉末粒子は、膜脂質の親水性頭部を吸着し、その結果、膜がナノ構造体表面上に広がることになる場合がある。膜の広がりが大きくなるにつれて、膜は破損に至るまで緊張して、細胞死を引き起こし得る。両方の例について、細胞死の物理的原因は、任意のナノ構造体による細胞膜貫通に関連していないかもしれない。いくつかの例では、粒子を化合物でさらに官能化させることによって、疎水性または親水性を変化、または増幅させても良い。
【0085】
いくつかの例では、細胞死滅割合(時間当たりの死滅細胞)または細胞溶解割合(時間当たりの溶解細胞)は、抗菌性の官能性の粉末粒子に機械的プロセスを施すことによって増加され得る。任意の機械的プロセスは、それが細胞上に追加的な力を課するように選択されても良く、その結果、官能性の粉末と次に細胞膜破損を引き起こし得る細胞膜との間に、引力の増加をもたらし得る。例えば、1つ以上の官能性の粒子を、細胞を破裂させるために機械的振動にかけても良い。いくつかの実施形態では、1つ以上の官能性の粒子を、細胞を破裂させるために機械的変形にさらしても良い。いくつかの例では、官能性の粉末粒子の機械的変形は、熱サイクル変形、または圧電変形によって達成され得る。
【0086】
化学的作用モード:いくつかの例では、1つ以上の官能性の粉末粒子は、活性的抗菌性化学成分を加える1つ以上の追加的プロセスにさらされ得る。そのような表面の官能化は、非官能性の粒子、ウエハー、または基板と比較して、官能性の粒子の表面積の増量によって補助され得る。例えば、AgまたはCuのナノ粒子で装飾された1つ以上の官能性の粒子は、抗菌特性を有する複合材を含み得る。いくつかの例では、金属ナノ粒子は、MACEプロセスから残余分として残留し得る。いくつかの例では、活性的抗菌性化学成分は、官能性の粒子に加えられても良い。いくつかの実施形態では、活性的化学成分は、抗菌特性を有していない構造的に官能化された粒子に加えられても良い。いくつかの実施形態では、官能性の粒子は、化学成分を複合体に一体化するためのビヒクルとして使用されても良い。
【0087】
他の物理的作用モード:いくつかの例では、1つ以上の官能性の粉末粒子は、その化学成分と結晶構造体が紫外線(UV)光の放射を可能にする場合に、抗菌性になり得る。UV光放射は、電界印加または他の方法によって促進され得る。例えば、官能性の粒子は、InGaN、UV放射半導体材料を含み得る。いくつかの実施形態では、InGaN、ダイヤモンド炭素、BN、AlN、AlGaN、またはAlGaInNは、抗菌性の官能性の粉末粒子のためのUV放射材料として選択され得る。
【0088】
いくつかの例では、官能性の粉末粒子は、マイクロ波放射が存在する状態で、抗菌特性を強化し得る。十分な強度のマイクロ波放射は、細胞を死滅させることができる。より低い強度では、マイクロ波放射は、細胞を著しく損傷させ得る。マイクロ波放射は、1つ以上の抗菌性の官能性の粒子が存在する状態で、協働で作用する2つ以上の細胞損傷メカニズムの結果として、細胞を死滅させることができる。そのような実施形態は、細胞を死滅させるのに必要なマイクロ波放射の強度を低下させることができる。
【0089】
いくつかの例では、1つ以上の官能性の粉末粒子は、効率的な光吸収のために設計されても良く、それによって、材料の抗菌性を増強し得る。効率的な吸光剤は、光エネルギーを熱に変換することができ、材料に接する細胞の、細胞損傷または細胞死を引き起こし得る。いくつかの例では、1つ以上の官能性の粉末粒子は、赤外線放射を効率的に放つように設計されても良く、それによって、材料の抗菌性を増強し得る。赤外線を介する細胞の照射は、十分な加温を促進し、微生物を損傷または死滅させ得る。例えば、材料に対する増強された赤外線(IR)発光スペクトルのために、GaAs粒子を官能化されるべき粒子として選択しても良い。いくつかの実施形態では、AlGaAsは、赤外線放射半導体粒子として選択され得る。
【0090】
いくつかの例では、官能性の粉末粒子は、官能性の粉末粒子の表面が細胞の接着を防止するように、選択され得る。そのような表面は、複合表面と接する細胞の成長と複製を阻害、または阻止し得る。
【0091】
他の例示的な用途
疎水性表面および親水性表面:本明細書に記載される1つ以上の官能性の粒子が、表面の疎水性または親水性を変化させるために、製品の表面に組み込まれても良い。表面エネルギー、表面化学、官能性の粒子のナノ組織とマイクロ組織は、各々、水とマクロ表面との間の相互作用に影響を及ぼす。適切な官能性の粒子は、所与の用途のために選択されても良い。例えば、
図27は、官能性のABSプラスチック基板のDI-H
2O接触角度測定結果の例を示す。サンプル1、2、3、および4は、構造的に官能化され、結果として疎水性の表面コーティングをもたらしたが、一方で、サンプル5は、官能化されていない粒子を含み、結果として親水性表面コーティングをもたらす。表面エネルギーの変化は、サンプル1、2、3、および5の接触角度を比較すると確認でき、これらのサンプルは全て同じSi化学組成物と結晶構造体を有しているが、サンプル1、2、および3の構造的官能化は、結果として大きな接触角度をもたらす。構造的に官能化された粒子の化学的官能化は、コーティングの疎水性または防汚性を上げることがある。
【0092】
反射防止表面:1つ以上の官能性の粉末粒子は、反射防止表面を作り出すように設計されても良い。有意な光量は、一般に、材料と空気の屈折率の差により、所与の表面の急勾配の表面/空気界面で反射される。官能性の粒子は、材料の広角の反射防止特性を強化するために、多方向のマイクロ構造体およびナノ構造体で設計されても良い。
図37は、実施例2(サンプルE)、実施例11(サンプルD)、および実施例13(サンプルC)に記載される方法を介して官能化された粉末で、実施例16に記載される方法を介してコーティングされたABSプラスチック基板からの、入射角45°(190-900nmの波長)の正反射率スペクトルの例を示す。官能化されたていないSi粒子(サンプルF)で、実施例16に記載される方法を介してコーティングされたABSプラスチック基板、露出したABS基材、および研磨されたSiウエハーが、参照として示される。
図37に示されるサンプルEの平均反射率は、190-900nm間の光で0.026%、190-380nm間で0.029%、380-740nm間で0.021%、および740-900nm間で0.033%である。
図37に示されるサンプルDの平均反射率は、190-900nm間の光で0.035%、190-380nm間で0.046%、380-740nm間で0.024%、および740-900nm間で0.045%である。
図37に示されるサンプルCの平均反射率は、190-900nm間の光で0.077%、190-380nm間で0.13%、380-740nm間で0.055%、および740-900nm間で0.062%である。
図37に示されるサンプルFの平均反射率は、380-900nm間の光で0.085%、380-740nm間で0.081%、および740-900nm間で0.095%である。非官能性のSi粉末粒子(サンプルF)を含む表面と、官能性の粒子(サンプルC、D、およびE)を含む表面との間の反射率の低下は、広範囲の波長にわたって顕著である。例えば、380-740nmの間のサンプルFの平均反射率は、さらにサンプルEのもののおよそ4倍である。
図2で見られるように、くぼみと気孔を含む、製品Eのヘテロ官能性の粒子形態は、幅広い波長の反射防止特性を補助する。さらに、これらの官能性の粒子表面複合体は、そのナノスケール、およびミクロスケールの形態によって、広い角度範囲にわたり反射を防止する。
【0093】
光吸収表面:1つ以上の官能性の粉末粒子は、光吸収表面を作り出すように設計されても良い。本明細書に記載される1つ以上の官能性の粒子は、物質密度勾配を形成するために、表面に埋め込まれていても良く、その結果、空気とバルク材料との間を滑らかに移行する屈折率勾配をもたらすかもしれない。そのような勾配は、広帯域光吸収体であり得る。いくつかの実施形態では、反射防止材料は、光子と官能性の粉末粒子との間の相互作用の数を増加させる複数の光散乱事象によって、光吸収特性を強化したものであっても良い。いくつかの実施形態では、ヘテロ官能性の形態の組み合わせは、広帯域光吸収を補助するかもしれない。例えば、
図37に示されるサンプルEの広帯域反射防止特性に見られるように、そしてそれは、
図2に見られるような、くぼみと気孔含む表面を伴うヘテロ官能性の粒子を含む。
【0094】
繊維:例えば、
図10に描写されるように、1つ以上の官能性の粉末粒子が、合成または天然繊維に埋め込まれていても良い。そのような繊維は、繊維製品、複合体、または他の材料に使用されても良い。官能性の粉末は、繊維上で様々な特性を与えるように選択されても良い。そのような用途は、繊維に、抗菌性、疎水性、親水性、反射防止性、光吸収性、静電防止性、改善された耐久性を含むがそれらに限定されない特性を持たせるようにする。
【0095】
圧電装置:1つ以上の官能性の粉末粒子は、例えば
図11に示されるように、圧電装置を含んでも良い。いくつかの例では、官能性の半導体粉末粒子は、絶縁材料に埋め込まれており、絶縁体のいずれか一方の側面で導電性材料に物理的に接触している。装置にわたる電界の適用は、結果として官能性の粉末粒子の機械的変化を引き起こすかもしれない。随意に、装置は、装置にわたる電界における変化によって、粒子または装置に作用する機械力の検知を可能にし得る。随意に、粒子の構造的官能化は、粒子の格子構造と、したがってそのバンド構造とを変化させるかもしれず、そしてその圧電特性の利用を補助し得る。
【0096】
静電防止用途:1つ以上の官能性の粉末粒子は、電荷の蓄積を低下させるために使用されても良い。媒体内に埋め込まれた1つ以上の官能性の粒子は、選択された半導体の電子特性により、複合体の抵抗全体を低下させ得る。例えば、1つ以上の官能性の粉末粒子が、プラスチックの電荷の蓄積を低下させるために、プラスチック内に埋め込まれても良い。官能性の粉末粒子の組み込みによって静電防止が可能になった材料は、ダストの蓄積に対してより抵抗的となり、そして電気ショックを引き起こす可能性を低下させ得る。随意に、1つ以上の官能性の粉末粒子は、製品の表面に添付され、そしてその後、導電性材料で修飾、コーティング、またはめっき加工され得る。マイクロ構造体とナノスケール構造体は、接触部面積当たりの静電容量を増加させるだろう。マイクロ構造体およびナノスケール形状と突出構造体は、表面からの放電を増加させるかもしれない。
図5(d)は、Ptでコーティングされた岩柱構造体の断面SEM画像を示す。
【0097】
単離されたナノ構造体:調製されたナノ構造体は、機械的分離または他の方法によって、1つ以上の官能性の粉末粒子の表面から採取され得る。いくつかの例では、半導体または絶縁体のナノスケール特性が、より広範囲のナノスケールおよびマイクロスケールの物理的挙動を伴う官能性の粉末粒子の特性よりも望ましい時に、分離されたナノ構造体は、バルク媒体で分散され得る。いくつかの例では、層ごとの成長方法は、1つ以上の官能性の粉末粒子と、表面に埋め込まれたナノ構造体を有する別の媒体との間に、界面を形成するために使用されても良い。そのような例では、粉末粒子コアをナノ構造体から分離することができ、後には、表面に埋め込まれた半導体または絶縁体のナノ粒子を有する媒体が残る。埋め込まれたナノ構造体は、媒体の表面上の他の構造体を成長させる触媒として使用されても良い。
【0098】
太陽光発電装置:1つ以上の官能性の粉末粒子は、太陽光発電装置の添加物または構成要素として適用されても良い。例えば、1つ以上のp型の官能性の粉末粒子が、太陽光発電装置における適用のための材料を作る出すために、n型の半導体でコーティングされても良い。官能性の粉末粒子ナノ構造体のサイズと形状は、そのバンド構造またはバンドギャップを変化させるかもしれず、このことは量子閉じ込めに起因し得る。したがって、官能性の粉末粒子の設計は、バンドギャップを、太陽光発電装置に最適となるように変化させることを可能にし得る。粒子表面のナノ構造体は、粉末表面上のナノ構造体およびミクロ構造体によって形成される、光散乱事象と屈折率勾配の増加によって、光吸収を増加させ得る。官能性の粉末粒子は、その表面の形態および構造によって、より広いバンド幅にわたって角度のより大きな範囲で、光を吸収し得る。光吸収の効率の上昇は、任意の特定のナノ構造体にのみ限定的であるわけではなく、官能性の粉末粒子のいくつかの異形によっても引き起こされ得る。
【0099】
光検出装置:いくつかの例では、1つ以上の官能性の粉末粒子は、光検出装置の添加物または構成要素として使用されても良い。粒子表面のナノ構造体は、粉末表面上のナノ構造体およびミクロ構造体によって形成される、光散乱事象と屈折率勾配の増加によって、光吸収を増加させ得る。官能性の粉末粒子は、その表面組織および構造によって、より広いバンド幅にわたって角度のより大きな範囲で、光を吸収し得る。光吸収の効率の上昇は、任意の特定のナノ構造体にのみ限定的であるわけではなく、官能性の粉末粒子のいくつかの異形によっても引き起こされ得る。
【0100】
光放射装置:いくつかの例では、1つ以上の官能性の粉末粒子は、光放出装置の添加物または構成要素として使用されても良い。例えば、発光ダイオード(LED)装置は、官能性の粉末の1つ以上の粒子を含んでも良い。発光材料と空気との間の反射率の大きな差が、結果として高い内部反射を引き起こし得るので、光の抽出はLED効率の重要な側面である。官能性の粉末粒子の表面上のナノ構造体は、粒子表面の物質密度勾配による屈折率勾配を提供し、LED材料と空気界面との間の内部反射の量を減少させ得る。例えば、粉末表面上の多孔性のピラミッド構造体は、物質密度勾配を提供するだろう。広範囲の表面のナノ構造体およびミクロ構造体は、LED用途のために使用されても良く、かつ、前述の構造体に限定されない。
【0101】
非限定的な例:本開示の1つ以上の官能性の粒子は多くの製品に組み込むことができ、例えば、キーボード、コンピューター、コンピューター周辺機器、コンピューターマウス、圧力感度のある接着性バッキングのフィルム、容器、瓶、器具、調理器具、台所用具、カーテン、飲料ディスペンサー、ショッピングカート、ハイドレーションパック、空気袋、バルブ、管材料、およびバッグ、流体パイプ、下水管、ガス管、フットウェア、電話と周辺装置、ビデオゲーム機とコントローラー、有人車と無人車、タイヤ、ボタン、孔、手すり、列車、日除け、まな板、乾燥ラック、流体タンク、排水管、管材料、フィルタ、トラップ、ネット、水中車、船舶、および水陸両用車、冷蔵庫、冷凍装置、指紋リーダーおよび掌紋リーダーなどの生態リーダーとスキャナー、プロペラ、加湿器、減湿器、シャワーマット、運動用、ジム用、およびヨガ用のマット、運動競技用器材、液体ディスペンサー、ハンドルとノブ、現金自動預払機、クレジットカードと他のプラスチックカード、汚物箱、ペット用ボウル、ペット用キャリー、大量輸送機器、電子機器、タイル、シャワー、トイレ、ゴミと再利用容器、レール、床、天井、壁、シートカバー、テーブル、カウンター、椅子、キャビネット、スイッチとスイッチ盤、食品準備台、食品ラップ、櫛、ブラシ、カミソリ、およびはさみなどの整髪用のツールと備品、シンク、水道栓、洗面器、ベンチトップ、棚、加工および包装用の装置と機械、食品および飲料用の加工および製造機器、食肉処理器、衣類、眼鏡類、バッグ、ジェット 桟橋、埠頭、およびポンツーンピラー(pontoon pillar)などの水用および海用の設備、海用および水用パイプとケーブル、オイルおよびガス用の設備、航空機、軍用車両、軍用備品とギヤー、羽目板、建築資材、コンクリート、織物/布、火器、塗料、表面被覆、ウェットスーツ、水用器具、照明、太陽電池、HVAC、望遠鏡、カメラとレンズ、光学デバイス、光検出器、ツール、マスク、グリップ、腕時計、冷却器、送受信無線機、ロッカー、貯蔵ビン、大型ごみ収納器、パッケージング、スクィージー、足場、貨幣、楽器と音楽装置、裁縫具、魚釣り用具、宝石、刃物、ロック、洗濯機と乾燥機、オーブン、食洗器、ストーブ、テレビ、カーペット、敷物と敷物類、ラグマット、戦闘用ギヤー、ペン、鉛筆、他の筆記具、事務用消耗品、家具、美術品、屋根、自動車、医療機器と措置、歯科用機器と装置、包帯、ベビーベッド、おしゃぶり、トレー、玩具、哺乳瓶と付属品、温度計、おむつ交換用テーブルとカバー、子ども用椅子、搾乳器、燃料ポンプ、充電ステーション、コード、自転車、オートバイ、リモコン、マットレス、プールと周辺装置、歩行器/杖、学用品、遊び場用具、カフェテリア用具、ホース、テント、雨除け用フライとタープ、傘、排水溝、グリル、燻製器、燻製装置、ゴム製品、プラスチック製品、装具、スピーカー、コンドーム、歯ブラシホルダー、スポンジ、タオル、ポンプ、ロープ、生体解析装置、生体細胞成分抽出/採取装置、グローブ、建築部品、オフィス用品、パッケージング、コンベヤベルト、製造機器、スクーター、ドローン、ケース、金属製品、ガラス製品、セラミック製品、本、レストランメニュー、紙と紙製品、電気ケーブル、食卓マット、保護カバー、および標識を含むが、それらに限定されない。製品は、オフィス消耗品、オフィス用品、電子機器、容器、台所用具、調理器具、家庭用品、繊維製品、ハードウェア、消費材、車両と船舶、フィルタ、ポンプ、水用器具、表面、家具、装具、装置、建築資材、軍用備品、ツール、太陽電池、貨幣、医療用品、医療装置、紙製品、製造機器、食品加工機器、および光学機器から選択され得る。随意に、製品は、ゴム、プラスチック、金属、ガラス、またはセラミックを含む。
【0102】
複合製品を作り出す方法
従来の技法は、本開示の1つ以上の官能性の粒子で、製品をコーティングするために使用されてもよい。例えば、接着剤、結合剤、または類似の材料が、少なくとも1つの官能性の粒子を製品に取り付けるために使用されても良い。官能性の粉末粒子は、完全に露出しているか、部分的に露出しているか、または製品表面上の接着媒体に完全に埋め込まれていても良い。
【0103】
官能性の粒子を熱可塑性プラスチックに埋め込む方法:1つ以上の官能性の粉末粒子は、熱可塑性プラスチックに加えられても良い。いくつかの例では、1つ以上の加熱された官能性の粉末粒子は、加熱された熱可塑性プラスチックの表面に加えられても良い。熱可塑性プラスチックおよび官能性の粒子の昇温は、熱可塑性プラスチックが粒子表面上に吸着することを可能にする。随意に、熱可塑性プラスチックは、バルク内に官能性の粉末粒子を含んでいても良い。熱可塑性プラスチックは、粒子がプラスチック媒体の中へ部分的に吸着されるか、または完全に吸収されるように凝固させて良い。随意に、プラスチック溶液は、一時的にプラスチックを液化するか融解させるために使用されても良い。随意に、粉末コーティング、静電塗装、またはオープンロール方式(roll-to-roll method)が、官能性の粒子を熱可塑性プラスチックに加えるのに使用されても良い。官能性の粒子を熱可塑性プラスチックに加える方法は、前述の方法に限定されない。
【0104】
官能性の粒子を成形材料に埋め込む方法:いくつかの例では、1つ以上の官能性の粉末粒子は、モールドまたはテンプレートの内面に一時的に固定される。モールドまたはテンプレートは、ガラス、セラミック、コンクリート、エラストマー、または金属を含む液体あるいは柔軟性のある材料で満たされる。成型された、またはテンプレート化された材料を凝固させ、モールドまたはテンプレートを取り出す。いくつかの例では、成型された、またはテンプレート化された材料は、材料表面上に埋め込まれた1つ以上の官能性の粉末粒子を保持するだろう。随意に、成型された、またはテンプレート化された材料は、粒子を保持していないかもしれないが、1つ以上の官能性の粉末粒子の表面のナノ構造体の跡を保持するだろう。他の例では、成型された、またはテンプレート化された材料は、1つ以上の官能性の粉末粒子のナノ構造部を保持し、他方、元々のモールドまたはテンプレートは、粉末粒子のバルク部を保持するだろう。
【実施例】
【0105】
実施例1:99.995%の純度で、10.0gの、粒子サイズ範囲10μm-150μmおよび28μmの平均粒子サイズの結晶Si粉末を、アセトンの液槽で10分間撹拌によって懸濁させる。その後、アセトン液槽を、10分間超音波処理する。アセトン/Si粉末混合物を濾過し、そしてSi粉末をメタノール液槽に移す。結晶Si粉末を、メタノールの液槽で10分間撹拌によって懸濁させる。その後、メタノール液槽を、10分間超音波処理する。メタノール/Si粉末混合物を濾過し、そしてDI-H2Oですすぐ。粉末を移し、5分間DI-H2Oおよび1.5MのHFの溶液に撹拌によって懸濁させ、天然のオキシドを取り除く。その後、粉末を濾過し、そしてDI-H2Oですすぐ。その後、Si粉末を、金属補助化学エッチング(MACE)にかける。Si粉末を、0.15MのHF、0.035MのAgNO3、およびDI-H2Oの溶液で、撹拌によって8分間懸濁させて、粉末粒子の表面上にAgナノ粒子を堆積させる。その後、粉末を濾過し、そして5.5MのHF、2MのH2O2、およびDI-H2Oの溶液へ移し、そして25℃の初期液槽温度で30分間撹拌によって懸濁させる。この反応は発熱性であり、したがって、液槽温度は上昇し、エッチング速度を加速させ得る。MACEプロセス後、Si粉末を濾過し、その後DI-H2Oで完全にすすぎ、そしてその後、窒素ガスをあてて残留湿気を取り除いても良い。結果として生じる材料は、ナノ構造表面を持つSi粉末である。
【0106】
実施例2:官能性のSi粉末を、実施例1に記載される方法によって調製する。その後、官能性のSi粒子を、7MのHNO3およびDI-H2Oの液槽に5分間さらし、Si粒子からAgを取り出し、そして回収する。Si粉末は、DI-H2Oで最終のすすぎを行い、そしてその後、窒素ガスをあてて残留湿気を取り除いても良い。結果として生じる材料は、ナノ構造表面を持つSi粉末である。回収した金属は、さらなる使用のために再利用しても良い。
【0107】
実施例3:99.995%の純度で、10.0gの、粒子サイズ範囲10μm-150μmおよび28μmの平均粒子サイズの結晶Si粉末を、アセトンの液槽で10分間撹拌によって懸濁させる。その後、アセトン液槽を、10分間超音波処理する。アセトン/Si粉末混合物を濾過し、そしてSi粉末をメタノール液槽に移す。結晶Si粉末を、メタノールの液槽で10分間撹拌によって懸濁させる。その後、メタノール液槽を、10分間超音波処理する。メタノール/Si粉末混合物は濾過し、そしてDI-H2Oですすぐ。粉末を移し、5分間DI-H2Oおよび1.5MのHFの溶液に撹拌によって懸濁させ、天然のオキシドを取り除く。その後、粉末を濾過し、そしてDI-H2Oですすぐ。その後、Si粉末を、MACEにかける。Si粉末を、0.15MのHF、0.035MのAgNO3、およびDI-H2Oの溶液で、撹拌によって8分間懸濁させて、粉末粒子の表面上にAgナノ粒子を堆積させる。その後、粉末を濾過し、そして5.5MのHF、2MのH2O2、およびDI-H2Oの溶液へ移し、そして25℃の初期液槽温度で25分間撹拌によって懸濁させる。この反応は発熱性であり、したがって、液槽温度は上昇し、エッチング速度を加速させ得る。MACEプロセス後、Si粉末を濾過し、その後DI-H2Oで完全にすすぐ。
【0108】
その後、Si粉末を、MACEの次のラウンドにかける。Si粉末を、0.15MのHF、0.035MのAgNO3、およびDI-H2Oの溶液で、撹拌によって0.5分懸濁させて、粉末粒子の表面上に追加的Agナノ粒子を堆積させる。その後、粉末を濾過し、そして5.5MのHF、2MのH2O2、およびDI-H2Oの溶液へ移し、そして25℃の初期液槽温度で15分間撹拌によって懸濁させる。この反応は発熱性であり、たがって、液槽温度は上昇し、エッチング速度を加速させ得る。MACE後、Si粉末は、DI-H2Oで最終のすすぎを行い、そしてその後、窒素ガスをあてて残留湿気を取り除いても良い。結果として生じる材料は、ナノ構造表面を持つSi粉末である。
【0109】
実施例4:官能性のSi粉末を、実施例3に記載される方法によって調製する。その後、官能性のSi粒子を、7.85MのHNO3およびDI-H2Oの液槽に5分間さらし、Si粒子からAgを取り出し、そして回収する。Si粉末は、DI-H2Oで最終のすすぎを行い、そしてその後、真空チャンバの中に置いて残留湿気を取り除く。結果として生じる材料は、ナノ構造表面を持つSi粉末である。回収した金属は、さらなる使用のために再利用しても良い。
【0110】
実施例5:粒子サイズ範囲10μm-200μmの結晶のSi粉末を、アセトンの液槽で10分間撹拌によって懸濁させる。その後、アセトン液槽を、10分間超音波処理する。アセトン/Si粉末混合物を濾過し、そしてその後、Si粉末をメタノール液槽に移す。結晶Si粉末を、メタノールの液槽で10分間撹拌によって懸濁させる。その後、メタノール液槽を、10分間超音波処理する。メタノール/Si粉末混合物を濾過し、そしてその後、粉末を、80℃で少なくとも1時間加熱した真空オーブンに移動させる。その後、Si粉末を、化学エッチング(CE)にかける。Si粉末を、1.0MのKOHおよびDI-H2Oの溶液で、50℃の初期液槽温度で20分間撹拌させる。この反応は発熱性であり、したがって、液槽温度は上昇し、エッチング速度を加速させ得る。結果として生じる粉末形態、およびエッチング速度は、液槽温度、持続時間、およびかき混ぜによって決まる。溶液を撹拌することで、液槽の温度勾配を低下させ、結果として粒子間のより均一な官能化がもたらされる。随意に、静的な液槽は、結果として、粒子間で非均一に官能化された官能性の粒子をもたらすかもしれず、単一のバッチで構造的に官能化された粒子の分散を作り上げるのに有利であるかもしれない。CEプロセス後、Si粉末を濾過し、そして脱イオン水で完全にすすぐ。
【0111】
その後、Si粉末を、MACEにかける。Si粉末を、0.20MのHF、0.05MのAgNO3、およびDI-H2Oの溶液で、撹拌によって5分間懸濁させて、粉末粒子の表面上にAgナノ粒子を堆積させる。その後、粉末を濾過し、そして5.5MのHF、2MのH2O2、およびDI-H2Oの溶液へ移し、そして25℃の初期液槽温度で30分間撹拌によって懸濁させる。この反応は発熱性であり、したがって、液槽温度は上昇し、エッチング速度を加速させ得る。MACEプロセス後、Si粉末を濾過し、そしてその後DI-H2Oで完全にすすぐ。その後、Si粒子を、7.85MのHNO3およびDI-H2Oの液槽に5分間さらし、Si粒子からAgを取り出し、そして回収する。Si粉末は、DI-H2Oで最終のすすぎを行い、そしてその後、真空チャンバの中に置いて残留湿気を取り除く。結果として生じる材料は、ナノ構造表面を持つSi粉末である。
【0112】
実施例6:99.995%の純度で、10.0gの、粒子サイズ範囲10μm-150μmおよび28μmの平均粒子サイズの結晶Si粉末を、超音波処理し、そしてアセトンと次にメタノールの液槽でそれぞれ15分間撹拌によって懸濁させて、有機汚染物質を取り除く。洗浄されたSi粉末を、濾過し、そしてDI-H
2Oですすぐ。粉末を、濾過反応器に移し、そしてDI-H
2Oと1.35MのHFの溶液で、5分間400rpmでの撹拌によって懸濁させて、天然のオキシドを取り出す。その後、その溶液を、反応器から取り去る。その後、Si粉末を、MACEにかける。Si粉末は、0.15MのHF、0.035MのAgNO
3、およびDI-H
2Oの溶液で、400rpmでの撹拌によって懸濁させて、粉末粒子の表面上にAgナノ粒子を堆積させる。その後、その溶液を、8分後に反応器から取り去る。その後、粉末に、48%w/wのHF、30%w/wのH
2O
2、およびDI-H
2O(1:1:3v/v)を含む、最初は25℃の静的なエッチング溶液で、エッチングを施す。H
2O
2を、最初の10分間連続的に加える。エッチング持続時間、化学的濃度、温度、およびH
2O
2追加速度は、結果として生じるように意図されるナノ構造のSi粉末に応じて変化させる。エッチング溶液を反応器から取り去り、そしてその後、粉末をDI-H
2Oまたはエタノールですすぐ。随意に、粉末を、7.85MのHNO
3およびDI-H
2Oの液槽に5分間さらし、官能性の粒子からAgを取り出し、そして回収する。回収した金属は、さらなる使用のために再利用しても良い。粉末は、DI-H
2Oまたはエタノールで最終のすすぎを行い、そしてその後、50℃のオーブン、または真空チャンバの中に置いて残留湿気を取り除く。
図4は、60分のエッチング後に形成された、結果として生じたナノワイヤー表面の例を示す。
【0113】
実施例7:99.995%の純度で、10.0gの、粒子サイズ範囲10μm-150μmおよび28μmの平均粒子サイズの結晶Si粉末を、超音波処理し、そしてアセトンの液槽と次にメタノールの液槽でそれぞれ15分間撹拌によって懸濁させて、有機汚染物質を取り除く。洗浄されたSi粉末を、濾過し、そしてDI-H
2Oですすぐ。粉末を、濾過反応器に移し、そしてDI-H
2Oと1.35MのHFの溶液で、5分間400rpmでの撹拌によって懸濁させて、天然のオキシドを取り出す。その後、その溶液を、反応器から取り去る。その後、Si粉末を、MACEにかける。Si粉末は、0.15MのHF、0.035MのAgNO
3、およびDI-H
2Oの溶液で、400rpmでの撹拌によって懸濁させて、粉末粒子の表面上にAgナノ粒子を堆積させる。その後、その溶液を、8分後に反応器から取り去る。その後、粉末を、最初は25℃のエッチング溶液で、250rpmでの撹拌によって懸濁させる。フィルムまたは泡または外皮が溶液/空気界面で形成されるのを阻止するように、粉末含有溶液をかき混ぜる。フィルム、泡、または外皮は、結果的に、粒子間でヘテロ官能性の粒子をもたらすかもしれない。エッチング溶液は、48%w/wのHF、30%w/wのH
2O
2、およびDI-H
2O(1:1:3v/v)を含み、そして、H
2O
2を最初の10分間継続的に加える。エッチング持続時間、化学的濃度、温度、かき混ぜ速度、およびH
2O
2追加速度は、結果として生じるように意図されるナノ構造のSi粉末に応じて変化させても良い。
図17、16および5cと5dは、30分、60分、および90分のエッチング持続時間で結果として生じるナノ構造表面の例をそれぞれ示す。エッチング溶液を反応器から取り去り、そしてその後、粉末をDI-H
2Oまたはエタノールですすぐ。随意に、粉末を、7.85MのHNO
3、およびDI-H
2Oの溶液で、5分間250rpmでの撹拌によって懸濁させて、官能性の粒子からAgを取り出し、そして回収する。溶液を反応器から取り去り、そしてその後、粉末をDI-H
2Oまたはエタノールで最終のすすぎを行う。
【0114】
エッチング溶液の動きは、結果として生じるナノ構造に重要な影響を有する。例えば
図4と16で示されるナノ構造は、実施例6および上記(実施例7)に記載される手順から作り出した。エッチング溶液を撹拌しないこと(実施例6)と撹拌すること(実施例7)以外は、エッチング条件およびエッチング持続時間は同一である。しかし、
図4はナノワイヤーを含む形態を示し、一方で、
図16はサンゴ構造を含む形態を示す。さらに、結果として生じるエッチング深さ(表面とエッチングされていない固形微粒子コアの外端との間の距離)は、同じ持続時間では、
図32で見られるように、エッチング溶液を250rpmで撹拌する時より、エッチング溶液が静的である時の方が、10倍深くなる。結果的に、250rpmで撹拌する時より、エッチング溶液が静的である時の方が、エッチング深さ割合(エッチング深さ/時間)は、約10倍大きくなる。静的な場合、Agナノ粒子は、Si粒子の表面から粒子コアの方へ、比較的直線的な経路に沿って移動し、これによって、
図4に示される高アスペクト比のナノワイヤーを形成する。一方で、エッチング中のかき混ぜと動きは、Si粒子への移動間に、Agナノ粒子上に追加的な力を導入し、これによって、移動および結果として生じるエッチングされた構造に変化をもたらすかもしれない。
図16に確認されるように、撹拌は低アスペクト比の不規則な石炭構造をもたらすかもしれない。
【0115】
実施例6に記載される方法を介して形成されるナノワイヤー構造は、実施例7に記載される方法を介して形成される構造よりも、構造的に繊細である。例えば、溶液中で5分間250rpmで別々に粒子を撹拌は、結果として、実施例6の粒子からのナノワイヤーの大きな損傷および損失をもたらした。一方で、実施例7の粒子上に見られる相互連結された構造は、溶液中で、または通常のハンドリングによって、撹拌されることによる顕著な劣化を示さなかった。さらに、
図4は、追加的撹拌を受けなかった粒子を示すが、粒子表面のセクションには、通常のハンドリングによって破壊されたナノワイヤー(官能性の構造体)が存在しない。限定的では無いが岩柱およびサンゴなどの構造に見つけられる相互連結された構造的特徴は、機械的耐久性を提供する。
【0116】
図25は、90分のエッチング後の官能性の粉末粒子、ならびに比較のための非官能性のSi粒子からのX線回折データを示す。ピーク位置の変位が、官能性の粉末のSi(111)およびSi(311)のピークについて確認でき、このことは、<111>方向に沿った0.194%の格子伸長、および<311>方向に沿った0.143%の格子縮小を示す。一方で、Si(220)、Si(400)、およびSi(331)のピークの位置は変化しないままである。このX線データは、結晶単位細胞が、粒子の構造的官能化によって変形された、異方性であることを示唆する。
【0117】
実施例8:官能性のSi粉末を、実施例7に記載される方法によって90分のエッチング持続時間で調製する。粉末を、H
2SO
4およびH
2O
2(4:1v/v)に25分間加えて、有機残渣を取り除き、そして表面上にシラノール基を調製する。粉末を濾過し、DI-H
2Oで完全にすすぎ、その後75度で30分間乾燥させる。粉末を、トルエン中に調製された2.5mMのオクタデシルトリクロロシラン溶液に加え、そして120分間反応させる。その後、化学的に官能化された粉末を、濾過によって溶液から取り除き、クロロホルムですすぐ。
図28は、化学的および構造的に官能化されたSi粉末(サンプルD)、構造的に官能化されたSi粉末(サンプルC)、化学的に官能化されたSi粉末(サンプルB)、および非官能化Si粉末(サンプルA)の、減衰全反射フーリエ変換赤外線スペクトル(ATR-FTIR)を示す 。対称的および非対称的なC-Hストレッチのピーク位置に基づいて、2つの化学的に官能化された粉末(サンプルBおよびD)は両方共、秩序だった単分子層形成を示す。しかし、少なくとも3倍に増加した吸光度が、構造的および化学的に官能化された粉末(サンプルD)に見られ、このことは、構造的に官能化された粒子のより広い表面積の結果としての、一粒子あたりより多数の官能性の分子に対応する。さらに、この結果は、構造上官能化された粒子(サンプルCおよびD)が、官能化されていないSi粒子(サンプルAおよびB)の少なくとも3倍の表面積を有することを示す。化学的官能化は、構造的に官能化された粒子の疎水性をさらに増加させるかもしれない。通常、構造的に官能化された粒子は、官能化されていない粒子よりも大きな表面積によって、より大量の化学的官能化を可能にする。
【0118】
実施例9:99.995%の純度で、10.0gの、粒子サイズ範囲10μm-150μmおよび45μmの平均粒子サイズの結晶Si粉末を、超音波処理し、そしてアセトンと次にメタノールの液槽でそれぞれ15分間撹拌によって懸濁させて、有機汚染物質を取り除く。洗浄されたSi粉末を、濾過し、そしてDI-H
2Oですすぐ。粉末を、濾過反応器に移し、そしてDI-H
2Oと1.35MのHFの溶液で、5分間400rpmでの撹拌によって懸濁させて、天然のオキシドを取り出す。その後、その溶液を、反応器から取り去る。その後、Si粉末を、ワンステップMACEにかける。Si粉末を、4.6MのHF、0.55MのH
2O
2、0.035MのCu(NO
3)
2・2.5H
2O、およびDI-H
2Oの溶液で、250rpmでの撹拌によって懸濁させて、粉末粒子の表面にCuナノ粒子を堆積させ、そして粒子をエッチングする。溶液は、最初25度である。エッチング持続時間、化学的濃度、温度、および撹拌速度は、結果として生じるように意図されるナノ構造のSi粉末に応じて変化させても良い。
図20(a)および20(b)は、30分および10分のエッチング持続時間で、結果として生じたナノ構造表面の例をそれぞれ示す。エッチング溶液を反応器から取り去り、そしてその後、粉末をDI-H
2Oまたはエタノールですすぐ。随意に、粉末を、7.85MのHNO
3、およびDI-H
2Oの溶液で、5分間250rpmでの撹拌によって懸濁させて、官能性の粒子からCuを取り出し、そして回収する。回収した金属は、さらなる使用のために再利用しても良い。溶液を反応器から取り去り、そしてその後、粉末をDI-H
2Oまたはエタノールで最終のすすぎを行う。
【0119】
実施例10:99.995%の純度で、10.0gの、粒子サイズ範囲10μm-150μmおよび45μmの平均粒子サイズの結晶Si粉末を、超音波処理し、そしてアセトンの液槽と次にメタノールの液槽でそれぞれ15分間撹拌によって懸濁させて、有機汚染物質を取り除く。洗浄されたSi粉末を、濾過し、そしてDI-H
2Oですすぐ。その後、粉末を、最初は25℃のエッチング溶液で、250rpmでの撹拌によって懸濁させる。フィルムまたは泡または外皮が溶液/空気界面で形成されるのを阻止するように、粉末含有溶液をかき混ぜる。エッチング溶液は、6.7MのKOHおよびDI-H
2Oから成る。溶液の温度は反応の間上昇し、そして、9分後に溶液の上面でIR温度計によって測定された温度は、55℃であった。エッチング持続時間、化学的濃度、および溶液温度は、結果として生じるように意図されるナノ構造のSi粉末に応じて変化させても良い。
図21は、9分後に生成された、結果として生じたナノ構造表面の例を示す。エッチング溶液を反応器から取り去り、そしてその後、粉末をDI-H
2Oまたはエタノールですすぐ。
【0120】
実施例11:99.995%の純度で、10.0gの、粒子サイズ範囲75-150μmの結晶Si粉末を、超音波処理し、そしてアセトンの液槽と次にメタノールの液槽でそれぞれ15分間撹拌によって懸濁させて、有機汚染物質を取り除く。洗浄されたSi粉末を、濾過し、そしてDI-H
2Oですすぐ。その後、粉末を、エッチング溶液で、250rpmでの撹拌によって懸濁させる。エッチング溶液は、5%(w/w)のNaOHおよびDI-H
2Oから成り、最初は60℃である。溶液の上面でIR温度計によって測定された温度は、最初の5分間で71℃を最高温度として上昇し、その後、次の55分間で下降し、33℃の最終温度になった。エッチング持続時間、化学的濃度、および溶液温度は、結果として生じるように意図される構造のSi粉末に応じて変化させても良い。
図22は、15分後に生成された、結果として生じたナノ構造表面の例を示す。粒子を、濾過によって取り除き、そして、粉末をDI-H
2Oまたはエタノールですすぐ。
【0121】
実施例12:99.995%の純度で、10.0gの、粒子サイズ範囲75-150μmの結晶Si粉末を、超音波処理し、そしてアセトンの液槽と次にメタノールの液槽でそれぞれ15分間撹拌によって懸濁させて、有機汚染物質を取り除く。洗浄されたSi粉末を、濾過し、そしてDI-H
2Oですすぐ。その後、粉末を、エッチング溶液で、250rpmでの撹拌によって懸濁させる。フィルムまたは泡または外皮が溶液/空気界面で形成されるのを阻止するように、粉末含有溶液をかき混ぜる。エッチング溶液は、1%(w/w)のKOHおよびDI-H
2Oから成り、最初は60℃であり、そして、その後は加熱しない。エッチング持続時間、化学的濃度、および溶液温度は、結果として生じるように意図される構造のSi粉末に応じて変化させても良い。溶液を70分後に反応器から取り去り、そして粉末をDI-H
2Oで洗浄し、その後に反応器から取り去る。その後、Si粉末を、MACEにかける。官能性のSi粉末を、0.15MのHF、0.035MのAgNO
3、およびDI-H
2Oの溶液で、400rpmでの撹拌によって懸濁させて、官能性の粉末粒子の表面上にAgナノ粒子を堆積させる。その後、その溶液を、8分後に反応器から取り去る。その後、粉末を、最初は25℃のエッチング溶液で、250rpmでの撹拌によって懸濁させる。この反応は発熱性であり、そして、溶液の上面でIR温度計によって測定されたピーク温度は、5分で85℃である。フィルムまたは泡または外皮が溶液/空気界面で形成されるのを阻止するように、粉末含有溶液をかき混ぜる。エッチング溶液は、48%w/wのHF、30%w/wのH
2O
2、およびDI-H
2O(1:1:3v/v)を含み、そしてH
2O
2を最初の9分間継続的に加える。エッチング持続時間、化学的濃度、溶液温度、およびかき混ぜ速度は、結果として生じるように意図されるマイクロおよびナノ構造のSi粉末に応じて変化させても良い。
図23は、15分後に生成された、結果として生じたヘテロ官能性(heterofunctionalized)表面の例を示す。溶液を反応器から取り去り、そして粉末をDI-H
2Oまたはエタノールですすぐ。随意に、粉末を、7.85MのHNO
3、およびDI-H
2Oの溶液で、5分間250rpmでの撹拌によって懸濁させて、官能性の粒子からAgを取り出し、そして回収する。回収した金属は、さらなる使用のために再利用しても良い。溶液を反応器から取り去り、そしてその後、粉末をDI-H
2Oまたはエタノールで最終のすすぎを行う。
【0122】
実施例13:99%の純粋で、10.0gの、粒子サイズ範囲38~45μmの非晶質SiO粉末を、濾過反応器に移す。その後、SiO粉末を、MACEにかける。SiO粉末を、0.15MのHF、0.035MのAgNO
3、およびDI-H
2Oの溶液で、400rpmでの撹拌によって懸濁させて、粉末粒子の表面上にAgナノ粒子を堆積させる。その後、その溶液を、8分後に反応器から取り去る。その後、粉末を、最初は25℃のエッチング溶液で、250rpmでの撹拌によって懸濁させる。この反応は発熱性であり、そして、溶液の上面でIR温度計によって測定されたピーク温度は、2分で83℃である。フィルムまたは泡または外皮が溶液/空気界面で形成されるのを阻止するように、粉末含有溶液をかき混ぜる。エッチング溶液は、48%w/wのHF、30%w/wのH
2O
2、およびDI-H
2O(1:1:3v/v)を含み、そしてH
2O
2を最初の7.5分間継続的に加える。エッチング持続時間、化学的濃度、溶液温度、およびかき混ぜ速度は、結果として生じるように意図されるナノ構造のSiO粉末に応じて変化させても良い。
図33は、60分のエッチング持続時間の、結果として生じたナノ構造表面の例を示す。エッチング溶液を反応器から取り去り、そしてその後、粉末をDI-H
2Oまたはエタノールですすぐ。随意に、粉末を、7.85MのHNO
3、およびDI-H
2Oの溶液で、5分間250rpmでの撹拌によって懸濁させて、官能性の粒子からAgを取り出し、そして回収する。回収した金属は、さらなる使用のために再利用しても良い。溶液を反応器から取り去り、そしてその後、粉末をDI-H
2Oまたはエタノールで最終のすすぎを行う。
【0123】
実施例14:
図26のX線回折によって示されるα-相およびβ-相から成り、平均粒子がサイズ40μmである、純度99%で、3.0gの結晶Si粉末を、48%w/wのHFおよびHNO
3(3:1v/v)を含む反応器に移して、最初は80℃に加熱し、そして75-100℃に維持する。その後、粉末を、エッチング溶液で、241rpmでの撹拌によって懸濁させる。フィルムまたは泡または外皮が溶液/空気界面で形成されるのを阻止するように、粉末含有溶液をかき混ぜる。エッチング持続時間、化学的濃度、溶液温度、およびかき混ぜ速度は、結果として生じる意図したナノ構造のSiC粉末に応じて変化させても良い。
図24は、エッチング150分で、結果として生じたナノ構造表面の例を示す。粒子を、濾過によって取り除き、そして、粉末をDI-H
2Oまたはエタノールですすぐ。
【0124】
実施例15:99.999%の純度で、3.3gの、粒子サイズ150μm未満の結晶Ge粉末を、反応器に移し、そして、そしてアDI-H
2Oおよび1.35MのHFの溶液で、5分間400rpmでの撹拌によって懸濁させて、天然オキシドを取り出す。その後、溶液を反応器から取り出す。その後、Ge粉末を、MACEにかける。Ge粉末を、0.14MのHF、0.035MのAgNO
3、およびDI-H
2Oの溶液中で、400rpmでの撹拌によって懸濁させて、粉末粒子の表面にAgナノ粒子を堆積させる。その後、溶液を、8分後に反応器から取り出す。その後、粉末を、最初は25℃のエッチング溶液で、250rpmでの撹拌によって懸濁させる。この反応は発熱性であり、そして、溶液の上面でIR温度計によって測定された温度は、12分で55℃である。フィルムまたは泡または外皮が溶液/空気界面で形成されるのを阻止するように、粉末含有溶液をかき混ぜる。エッチング溶液は、48%w/wのHF、30%w/wのH
2O
2、およびDI-H
2O(1:1:3v/v)を含み、そしてH
2O
2を最初の6分間継続的に加える。エッチング持続時間、化学的濃度、溶液温度、およびかき混ぜ速度は、結果として生じる意図されるナノ構造のGe粉末に応じて変化させても良い。
図35および36は、5分のエッチング持続時間の結果として生じた官能化された表面を示す。エッチング溶液を反応器から取り除き、そしてその後、粉末をDI-H
2Oまたはエタノールですすぐ。随意に、粉末を、7.85MのHNO
3、およびDI-H
2Oの溶液で、5分間250rpmでの撹拌によって懸濁させて、官能性の粒子からAgを取り出し、そして回収する。回収した金属は、さらなる使用のために再利用しても良い。溶液を反応器から取り去り、そしてその後、粉末をDI-H
2Oまたはエタノールで最終のすすぎを行う。
【0125】
実施例16:官能性の粉末を、実施例1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、または15で記載される方法を介して調製する。官能性の粉末を、プラスチックを一時的に化学溶剤で液化することによって、プラスチックに付ける。プラスチック溶剤の例としては、ジクロロメタン、ベンゼン、トルエン、n-ヘキサン、ヘキサン、石油エーテル、アセトン、アセタールアルデヒド(acetalaldehyde)、メタノール、アナリン、四塩化炭素、シクロヘキサン、ジエチルエーテル、キシレン、メチルエチルケトン、メチルアセテート、トリクロロエチレン、メチルメタクリレートモノマーが挙げられるが、これらに限定されない。溶剤および官能性の粉末を、任意の順序で、または同時にプラスチックに塗布しても良い。その後、溶剤を蒸発させ、そしてプラスチックを凝固させる。
図9(b)および9(c)に図示される通り、結果として生じた複合体は、プラスチック表面におよび/またはバルク内に付けられた官能性の粉末から成り、複雑な形または形状を有することができる(対照的に、構造的に官能化された剛性ウエハーでは、複雑な表面形状に対応できないだろう)。官能性の粉末表面は、プラスチック/大気界面で部分的に露出していて良い。
図38は、プラスチック溶剤を介して官能性の粒子でコーティングされた、ABSプラスチック基板を含む官能化表面の例を示す。任意に、粉末を、プラスチックの表面に静電的に塗布しても良い。
【0126】
実施例17:官能性の粉末を、実施例1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、または15で記載される方法を介して調製する。プラスチックを過熱し、一時的に融解させる。続いて、官能性の粉末を堆積させ、そして、粉末を製品におよび/または製品の中に付けながら、プラスチックを凝固させる。
図9(b)と9(c)に図示される通り、結果として生じたバルクおよび/または表面複合体は、プラスチック表面におよび/またはバルク内に付けられ官能性の粉末から成る。官能性の粉末表面は、プラスチック/大気界面で部分的に露出していて良い。任意に、粉末を、プラスチックの表面に静電的に塗布しても良い。
【0127】
実施例18:官能性の粉末を、実施例1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、または15で記載される方法を介して調製する。結合剤媒質を、製品の表面に塗布する。結合剤は、スプレー、ローリング(rolling)、コーティング、はけ塗り(brushing)、型押し(stamping)、または任意の他の堆積技術により塗布しても良い。官能性の粉末を結合剤媒質に堆積させ、その後に、
図9(a)に図示されるように、表面/大気界面で部分的に露出した官能性の粉末粒子でコーティングされた製品を残す。随意に、塗料を結合剤媒質として使用しても良い。
【0128】
実施例19:官能性の粉末を、実施例1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、または15で記載される方法を介して調製する。アクリル塗料、または別のポリマー塗料(あるいはコーティング)を、製品の表面に塗布する。続いて、官能性の粉末を、化学溶剤で塗料を一時的に液化することによって、塗面に付ける。プラスチック溶剤の例としては、ジクロロメタン、ベンゼン、トルエン、ヘキサン、ヘキサン(複数)、石油エーテル、アセトン、アセタールアルデヒド、メタノール、アナリン(analine)、四塩化炭素、シクロヘキサン、ジエチルエーテル、キシレン、メチルエチルケトン、メチルアセテート、トリクロロエチレン、メチルメタクリレートモノマーが挙げられるが、これらに限定されない。溶剤および官能性の粉末を、任意の順序で、または同時に塗面に塗布しても良いその後、溶剤を蒸発すせ、そして塗料を凝固させる。結果として生じた合成物は、塗面に付けられた官能性の粉末から成る。
図9(a)に図示される通り、官能性の粉末の表面は、塗料/大気界面で部分的に露出していても良い。随意に、粉末を、塗料の表面に静電気的に塗布しても良い。
【0129】
実施例20:官能性の粉末を、実施例1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、または15で記載される方法を介して調製する。官能性の粉末を、撹拌を介して金属付着塗料に懸濁させる。塗料を、1セットの医療装置または機器の作用表面に塗布し、薄い層状にする。塗料を乾燥させ、その後に、
図9(a)に図示されるように、塗料/大気界面で部分的に露出した官能性の粉末粒子で塗装された金属表面を残す。
【0130】
実施例21:官能性の粉末を、実施例1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、または15で記載される方法を介して調製する。官能性の粉末を、医療装置または機器などの製品を鋳造するためのモールドの内部表面に、一時的に固定する。モールドを液体プラスチックで充填し、そしてその後、プラスチックを凝固させる。官能性の粉末粒子をプラスチック表面に埋め込み、そこでナノ構造は、大気に部分的に曝露されていても良い。
【0131】
実施例22:官能性の粉末を、実施例1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、または15で記載される方法を介して調製する。粉末を、撹拌を介して、金属付着塗料に懸濁させる。塗料を、水上船の外面に塗布し、薄い層状にする。塗料を乾燥させ、その後に、塗料/大気界面で部分的に露出した官能性の粉末粒子で塗装された金属表面を残す。水上船表面のナノおよびミクロ構造の存在により、船こくは、および水生生物が水上船の表面に付着するのを防ぎ、そして抗力を下げるように機能する、防汚性および疎水性の特性を有し得る。
【0132】
実施例23:官能性の粉末を、実施例1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、または15で記載される方法を介して調製する。従来の粉末コーティング技法を使用して、熱硬化性ポリマー粒子を、帯電を介して表面に塗布する。続いて、官能性の粉末を、表面に塗布する。随意に、官能性の粉末を、帯電を介して表面に塗布しても良い。その後、製品を熱で硬化させて、官能性の粒子を製品表面に付ける。熱硬化性のポリマーは、基剤と官能性の粒子との間の結合剤として作用する。官能性の粉末の表面は、塗料/大気界面で部分的に露出していても良い。
【0133】
実施例24:官能性の粉末を、実施例1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、または15で記載される方法を介して調製する。金属製品の少なくとも一部を、熱を介して一時的に融解させる。続いて、官能性の粉末を、融解金属に塗布する。官能性の粒子を金属製品に付けながら、金属を凝固させる。
【0134】
実施例25:官能性の粉末を、実施例1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、または15で記載される方法を介して調製する。無菌の既定量の官能性の粉末を無菌の反応器に加えるか、または、無菌の官能性の粉末を無菌の反応器の内面に付ける。栄養ブロス(またはNaCl(例えば0.14M)などの別の溶液)などの水溶液(例えば500μL)に入れた大腸菌(E. coli)または カンジダ・アルビカンス(C. albicans)などの細胞を、官能性の粒子を含む反応器に加える。その後、反応器を閉じ、そしてシステム全体をかき混ぜる/ボルテックスにかける(例えば30秒間)。随意に、かき混ぜ/ボルテックス後、反応器を静置させ(例えば最高1時間)て、内容物を沈殿させるか、あるいは反応器を、内容物分離を補助するように遠心分離機にかける。
図30は、この方法の例示的描写の一例を示す。官能性の粒子は、細胞溶解速度を上げることができ、そして、例えば、DNA、RNA、巨大分子、タンパク質、細胞器官、および代謝物が挙げられるがそれらに限定されない細胞内成分抽出を可能にする。その後、これらの細胞内成分を、下流の分析、実験プロトコル、または検査で利用しても良い。随意に、官能性の粒子も、溶解および/または細胞内成分抽出を補助するように、化学的に官能化させても良い。
【0135】
非官能性の粒子による細胞溶解(例えば、(ビーズ打ち)は、官能性の粒子と比較して、長いかき混ぜ/ボルテックス持続時間を必要とするかもしれない。理由として、細胞溶解が非官能性の粒子と細胞との間のバリスティックな相互作用に依存するからである。これにより、反応器および温度高感度な内容物が昇温されるかもしれない。一方で、官能性の粒子による細胞融解はまた、粒子表面構造との相互作用を含み、そのため、溶解プロセスを補助し得る。官能性の粒子は、少ない力学的エネルギーで細胞を溶解することができ、したがって、結果として容器およびその内容物にかかる熱負荷または伝熱を抑えることができる(その結果として、細胞内成分への損傷を抑えることができる)。
【0136】
一実施例で、官能性の粒子を、実施例7に記載される方法を介して調製し、エッチング持続時間は60分、そして残留Ag取り除いた。これらの官能性の粒子を、殺菌し、そして無菌の反応器に、500のμLのLBブロス(OD600 1.1)に入った大腸菌と共に加えた。反応器を30秒間ボルテックスにかけ、そして1時間37℃で静置した。非官能性のSi粒子を用いることと比較して、官能性のSi粒子は、
図31で見られるように、溶解大腸菌の533%の増加を示した。非官能性のSi粒子は、バリスティックな相互作用を介して、細胞の9%を溶解させた。一方、官能性のSi粒子は、官能性の表層構造体と細胞膜との間の相互作用を介した追加的メカニズムを介して、細胞の57%を溶解させた。随意に、他の型の細胞を、この方法で溶解させても良い。かき混ぜに関する溶液の容積、持続時間、および強度は、用途に応じて変化させても良い。
【0137】
実施例26:製品の表面を、実施例16、17、18、19、23、または24で記載される方法を介して調製する。官能性の粒子の露出した組織は、物理的にコロニー形成を破壊する、または微生物を死滅させる抗菌性の特性を有しているかもしれない。
図29は、実施例16に記載の方法を介して、ABSプラスチック基板上に調製された表面の、例示的なZスタック組成(Z-stack composition)の蛍光顕微鏡画像を示し、官能性の粒子を、実施例7に記載される方法を介して調製し、エッチング持続時間は60分、そして残留Agは取り除いた。細胞の生存率をBacLight生/死蛍光キット(ヨウ化プロピジウム(Propidium Iodide)およびSYTO9成分でできたL7012)を使用して、製造者推奨方法によって測定した。3つの官能性の表面の顕微鏡写真図にわたる平均を出すと、89±6%の大腸菌(OD600 0.3に調節)が、最適成長条件(37℃)での1時間の接触後に死滅した。結果は、細菌が、官能性の粒子表面構造と細菌膜との間の物理的相互作用によって死滅したことを示し、このことは化学的抗菌性を促進する抵抗に依存しない。随意に、官能性の粒子を、さらに、コロニー形成を破壊する、または微生物を死滅させるように、化学的に官能化しても良い。随意に、粒子を官能化化合物でさらに官能化させることによって、疎水性または親水性を変化、または増幅させても良い。
【0138】
実施例27:官能性の粉末粒子を、実施例1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、または15で記載される方法を介して調製する。官能性の粒子は、多くの長さスケールにわたって、非官能性の相当物よりも大きい表面粗さを有し、そして、他の材料を磨耗させるまたは研磨するのに使用しても良い。例えば、摩耗性の官能性の粒子を、吹き付け加工、磨耗タンブリング(abrasive tumbling)における研削材として使用しても良い。
【0139】
実施例28:複合製品を、実施例16、17、18、19、23、または24に記載される方法を介して調製する。官能性の粒子は、多くの長さスケールにわたって、非官能性の相当物よりも大きい表面粗さを有し、そして、他の材料を磨耗させるまたは研磨するのに使用しても良い。官能性の粒子とその用途を、その摩滅特性または研磨特性によって選択する。製品を、他の材料または製品を磨耗させる、または研磨するために使用しても良い。
【0140】
実施例29:反射防止表面を、実施例16、17、18、19、23、または24に記載される方法を介して調製する。例えば、
図37は、45°の入射角での、いくつかの表面からの正反射率(190の-900nmの波長)のデータを示す。サンプルは、実施例2(サンプルE)、実施例11(サンプルD)、および実施例13(サンプルC)、そして非官能性のSi粉末粒子(サンプルF)に記載される方法を介して調製された官能性の粉末粒子で、実施例16に記載される方法を介してコーティングされたABSプラスチック基板を含む。露出したABS基板(サンプルB)および研磨されたSiウエハー(サンプルA)は、参照として示される。
図37に示されるサンプルEの平均反射率は、190-900nmの間の光で0.026%、190-380nmの間の光で0.029%、380-740nmの間の光で0.021%、そして740-900nmの間の光で0.033%である。サンプルDの平均反射率は、190-900nm間の光で0.035%、190-380nm間で0.046%、380-740nm間で0.024%、そして740-900nm間で0.045%である。サンプルCの平均反射率は、190-900nm間の光で0.077%、190-380nm間で0.13%、380-740nm間で0.055%、そして740-900nm間で0.062%である。サンプルFの平均反射率は、380-900nm間の光で0.085%、380-740nm間で0.081%、そして740-900nm間で0.095%である。非官能性のSi粉末粒子(サンプルF)を含む表面と、官能性の粒子(サンプルC、D、およびE)を含む表面との間の反射率の低下は、広範囲の波長にわたって顕著である。例えば、380-740nmの間のサンプルFの平均反射率は、さらにサンプルEのもののおよそ4倍である。さらに、これらの官能性の粒子表面複合体は、その、ナノスケール、およびミクロスケールの形態によって、広い角度範囲にわたり反射を防止する。
【0141】
実施例30:防汚性表面、または疎水性表面を、実施例16、17、18、19、23、または24に記載される方法を介して調整する。官能性の粒子によって表面上に形成される、マイクロスケールおよびナノスケールの組織は、製品の表面エネルギーを変化させる。例えば、
図27は、添付の官能性のSi粒子、官能性のSiO粒子、非官能性のSi粒子を介して官能化された、ABSプラスチック基板の接触角度測定値を示す。研磨されたSiウエハー、および露出したABS基板を、比較のために示す。官能性のABSプラスチック基板を、実施例16に記載される方法を介して調製し、検査表面上に100%広げた。サンプル1、2、3、4、および5上のSiウエハーおよび粒子は、天然のオキシドを含む。サンプル1、2、3、および4は、官能性の粒子を含み、そして90°を超える接触角度を有し、これらの表面が疎水性であることを示す。露出したABS基板、研磨されたSiウエハー、および実施例5は、90°未満の接触角度を有し、これらの表面が親水性であることを示す。表面エネルギーへの変質は、すべて同じSi化学組成物である、研磨されたSiウエハー、サンプル1、サンプル2、サンプル3、およびサンプル5の接触角度を比較して、確認できる。非官能性のSi粒子表面のサンプル5によって形成されるミクロスケールの組織は、Siウエハーと比較して、接触角度の増加を示す。サンプル1、2、および3は、それらの官能性の表面構造により、接触角度の増加を示す。低表面エネルギー、疎水性、およびいくつかの官能性の粒子の抗微生物特性の組み合わせは、結果として、防汚活性をもたらすことがある。随意に、化学的官能化は、コーティングの疎水性または防汚性を上げることがある。
【0142】
実施例31:表面を、実施例16、17、18、19、23、または24に記載される方法を介して調製する。続いて、導電性材料を、従来の技術を介して露出している官能性の粒子に適用して、接触部の少なくとも2倍である表面積を有する導電性表面を形成する。マイクロおよびナノスケール構造は、1つの接触部面積に対する静電容量を増加させるだろう。マイクロおよびナノスケール形状は、表面からの放電を増加させるかもしれない。
図5(d)は、Ptコーティングされた岩柱構造の断面SEM画像の例を示す。
【0143】
実施例32:官能性の粉末のバンド構造を、実施例1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、または15で記載される方法を介して官能性の粉末粒子を調製することによって、変化させる。構造的官能化は、結果として、結晶格子の異方的な伸縮をもたらすかもしれず、このことは結果として、粒子のバンド構造に変化をもたらすかもしれない。異方的な格子変質は、構造的に官能化される粒子の部分に局在化させても良く(すなわち、放射状に依存している)、または粒子全体を変化させても良い(すなわち、放射状に独立している)。この方法では、粒子の化学組成を変化させずに、バンド構造を変更させることができる。例えば、
図25は、実施例7に記載される方法を介して、90分間のエッチングで調製された非官能性のSi粒子および官能性の粉末粒子からの、X線回折データを示す。ピーク位置の変位が、官能性の粉末のSi(111)およびSi(311)のピークについて確認でき、このことは、<111>方向に沿った0.194%の格子伸長、および<311>方向に沿った0.143%の格子縮小を示す。一方で、Si(220)、Si(400)、およびSi(331)のピークの位置は変化しないままである。このX線データは、結晶単位セルが異方性を有し、表面での構造的官能化(厚さ1.5μm)によって、粒子全体(平均直径45μm)のために変形していることを示唆する。もし格子変質が放射依存であれば、(粒子コアおよび官能性の領域からのX線散乱の寄与によって)複数成分のブラッグピークをもたらしたことであろうが、これはX線データには存在しない。化学組成を変化させることなく、粒子の比較的小さな部分を構造的に官能化することによって、粒子全体の結晶格子を変化させた。
【0144】
実施例33:色あせに耐性のある不透明色素を、実施例1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、または15で記載される方法を介して調製する。いくつかの色素は、色を担う分子に損傷を与える高エネルギー放射(紫外線など)曝露のために、発色団に依存して褪色する。官能性の粒子の光学的特性は、バルク材特性およびその粒子表面構造の両方に依存する。例えば、
図37のサンプルA、C、E、およびFは、同じバルク組成および結晶構造を有するが、異なる表面の形態を有する。異なる表面構造は、光の反射率、および表面の外観に重要な影響を有する。サンプルEのマットブラック(matte black)の外観は、構造的に光を吸収する粒子の官能性の構造体によるものである。色素として使用される構造的に官能化された粒子は、分子構造のみに依存して色が決まるわけではないので、より褪色性に優れているかもしれない。
【0145】
本発明の好ましい実施形態が本明細書中で示され、記載されてきたが、このような実施形態はほんの一例として提供されているに過ぎないことが当業者に明らかであろう。当業者であれば、多くの変更、変化、および置換が、本発明から逸脱することなく思いつくだろう。本明細書に記載される本発明の実施形態の様々な代替案が、本発明の実施に際して利用され得ることを理解されたい。以下の請求項は本発明の範囲を定義するものであり、この請求項とその均等物の範囲内の方法、および構造体がそれによって包含されるものであるということが意図されている。