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特許7627078介護予定調整システム、介護予定調整方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-28
(45)【発行日】2025-02-05
(54)【発明の名称】介護予定調整システム、介護予定調整方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/22 20240101AFI20250129BHJP
【FI】
G06Q50/22
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2024214609
(22)【出願日】2024-12-09
【審査請求日】2024-12-09
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】522424407
【氏名又は名称】Hubbit株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004163
【氏名又は名称】弁理士法人みなとみらい特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】加藤(臼井) 貴紀
【審査官】梅岡 信幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-059038(JP,A)
【文献】特許第7320236(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G16H 10/00-80/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
介護予定調整システムであって、
記憶部と、受付部と、決定部と、通知部と、を備え、
前記記憶部は、被介護ユーザの認知機能情報を含む被介護ユーザ情報を記憶し、
前記受付部は、グループに所属するユーザの予定を受け付け、
前記グループは、被介護ユーザのケアを行う介護ユーザと、前記介護ユーザよりケアを受ける対象の被介護ユーザと、を含み、
前記決定部は、受け付けた前記グループに属するユーザの予定に基づいて介護予定日時を決定し、
前記通知部は、前記グループに属する前記被介護ユーザの前記被介護ユーザ情報に基づいて通知表現を決定し、前記介護予定日時に基づいて、前記グループに含まれる前記被介護ユーザの被介護ユーザ端末に前記通知表現における通知を行う、
介護予定調整システム。
【請求項2】
前記通知部は、前記被介護ユーザ情報に含まれる前記認知機能情報に基づいて通知の頻度を含む前記通知表現を決定し、通知を行う、
請求項1に記載の介護予定調整システム。
【請求項3】
前記通知部は、認知機能の問題の程度が高い被介護ユーザには高い頻度で通知を行うように前記通知表現を決定し、
認知機能の問題の程度が低い被介護ユーザには低い頻度で通知を行うように前記通知表現を決定する、
請求項2に記載の介護予定調整システム。
【請求項4】
前記通知部は、通知の音量、通知音声の内容のうち少なくとも一つを含む前記通知表現を決定し、通知を行う、
請求項2に記載の介護予定調整システム。
【請求項5】
前記通知部は、文字の大きさ、文章の表現、通知画像、前記通知画像の動きのうち少なくとも一つを含む前記通知表現を決定し、通知画面を表示させる処理を通知に係る処理として実行する、
請求項1に記載の介護予定調整システム。
【請求項6】
前記受付部は、前記被介護ユーザより第1の通知に対する回答を受け付け、
前記通知部は、通知から前記回答までの時間に基づいて、前記第1の通知の次の第2の通知の通知表現を決定し、前記第2の通知を行う、
請求項1に記載の介護予定調整システム。
【請求項7】
介護予定調整システムは、更に、候補提示部を備え、
前記候補提示部は、第1のユーザのユーザ端末より予定調整の要求を受け付けると、前記グループに属する他のユーザから受け付けた予定に基づいて候補日時を決定し、前記第1のユーザのユーザ端末に出力させ、
前記受付部は、前記第1のユーザの予定を受け付け、
前記決定部は、前記候補日時から選択された前記第1のユーザの予定を含む前記グループに属するユーザの予定に基づいて、前記介護予定日時を決定する、
請求項1に記載の介護予定調整システム。
【請求項8】
介護予定調整システムは、更に、
候補日時を出力する候補提示部を備え、
前記受付部は、電話と、アプリケーションと、を含む、予定受付媒体の選択を受け付け、
前記予定受付媒体として電話が選択されると、前記候補提示部は、前記候補日時を音声で出力させ、
前記予定受付媒体としてアプリケーションが選択されると、前記候補提示部は、前記候補日時を含む画面を出力する、
請求項1に記載の介護予定調整システム。
【請求項9】
コンピュータが実行する介護予定調整方法であって、
前記コンピュータの記憶部は、被介護ユーザの認知機能情報を含む被介護ユーザ情報を記憶し、
介護予定調整方法は、受付工程と、決定工程と、通知工程と、を備え、
前記受付工程では、グループに所属するユーザの予定を受け付け、
前記グループは、被介護ユーザのケアを行う介護ユーザと、前記介護ユーザよりケアを受ける対象の被介護ユーザと、を含み、
前記決定工程では、受け付けた前記グループに属するユーザの予定に基づいて介護予定日時を決定し、
前記通知工程では、前記グループに属する前記被介護ユーザの前記被介護ユーザ情報に基づいて通知表現を決定し、前記介護予定日時に基づいて、前記グループに含まれる前記被介護ユーザの被介護ユーザ端末に前記通知表現における通知を行う、
介護予定調整方法。
【請求項10】
請求項9に記載の介護予定調整方法を前記コンピュータに実行させるコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
介護予定調整システム、介護予定調整方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、スマートフォンやタブレット等のデバイスの常用化によって複数の人の予定を調整するサービスが提供されるようになった。このような予定の調整のためのサービスは、例えば、高齢者等の介護の現場でも複数の人の予定を調整するために利用されている。
【0003】
特許文献1には、複数の異なる在宅医療・介護のサービス事業者の予定を調整してスケジュールを作成することができるシステムについて開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許7320236号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の発明は、在宅医療・介護の予定の調整を行っているが、調整した予定について、認知機能を含む身体機能が低下した高齢者等のケアを受ける者に対して適切な方法で通知することができなかった。
【0006】
本発明は、予定を調整し、介護・看護等のケアを受ける者に対して、適切な方法で通知を行うことができる技術を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
[1]介護予定調整システムであって、
記憶部と、受付部と、決定部と、通知部と、を備え、
前記記憶部は、被介護ユーザの認知機能情報を含む被介護ユーザ情報を記憶し、
前記受付部は、グループに所属するユーザの予定を受け付け、
前記グループは、被介護ユーザのケアを行う介護ユーザと、前記介護ユーザよりケアを受ける対象の被介護ユーザと、を含み、
前記決定部は、受け付けた前記グループに属するユーザの予定に基づいて介護予定日時を決定し、
前記通知部は、前記グループに属する前記被介護ユーザの前記被介護ユーザ情報に基づいて通知表現を決定し、前記介護予定日時に基づいて、前記グループに含まれる前記被介護ユーザの被介護ユーザ端末に前記通知表現における通知を行う、
介護予定調整システム。
[2]前記通知部は、前記被介護ユーザ情報に含まれる前記認知機能情報に基づいて通知の頻度を含む前記通知表現を決定し、通知を行う、
[1]に記載の介護予定調整システム。
[3]前記通知部は、前記認知機能情報に基づいて、認知機能が低い被介護ユーザには高い頻度、認知機能が高いユーザには低い頻度で通知を行うように前記通知表現を決定し、通知を行う、
請求項2に記載の介護予定調整システム。
[4]前記通知部は、通知の音量、通知音声の内容のうち少なくとも一つを含む前記通知表現を決定し、通知を行う、
請求項[2]に記載の介護予定調整システム。
[5]前記通知部は、文字の大きさ、文章の表現、通知画像、前記通知画像の動きのうち少なくとも一つを含む前記通知表現を決定し、通知画面を表示させる処理を通知に係る処理として実行する、
[1]~[4]の何れかに記載の介護予定調整システム。
[6]前記受付部は、前記被介護ユーザより第1の通知に対する回答を受け付け、
前記通知部は、通知から前記回答までの時間に基づいて、前記第1の通知の次の第2の通知の通知表現を決定し、前記第2の通知を行う、
[1]~[5]の何れかに記載の介護予定調整システム。
[7]介護予定調整システムは、更に、候補提示部を備え、
前記候補提示部は、第1のユーザのユーザ端末より予定調整の要求を受け付けると、前記グループに属する他のユーザから受け付けた予定に基づいて候補日時を決定し、前記第1のユーザのユーザ端末に出力させ、
前記受付部は、前記第1のユーザの予定を受け付け、
前記決定部は、前記候補日時から選択された前記第1のユーザの予定を含む前記グループに属するユーザの予定に基づいて、前記介護予定日時を決定する、
[1]~[6]の何れかに記載の介護予定調整システム。
[8]介護予定調整システムは、更に、
候補日時を出力する候補提示部を備え、
前記受付部は、電話と、アプリケーションと、を含む、予定受付媒体の選択を受け付け、
前記予定受付媒体として電話が選択されると、前記候補提示部は、前記候補日時を音声で出力させ、
前記予定受付媒体としてアプリケーションが選択されると、前記候補提示部は、前記候補日時を含む画面を出力する、
[1]~[7]の何れかに記載の介護予定調整システム。
[9]コンピュータが実行する介護予定調整方法であって、
前記コンピュータの記憶部は、被介護ユーザの認知機能情報を含む被介護ユーザ情報を記憶し、
介護予定調整方法は、受付工程と、決定工程と、通知工程と、を備え、
前記受付工程では、グループに所属するユーザの予定を受け付け、
前記グループは、被介護ユーザのケアを行う介護ユーザと、前記介護ユーザよりケアを受ける対象の被介護ユーザと、を含み、
前記決定工程では、受け付けた前記グループに属するユーザの予定に基づいて介護予定日時を決定し、
前記通知工程では、前記グループに属する前記被介護ユーザの前記被介護ユーザ情報に基づいて通知表現を決定し、前記介護予定日時に基づいて、前記グループに含まれる前記被介護ユーザの被介護ユーザ端末に前記通知表現における通知を行う、
介護予定調整方法。
[10][9]に記載の介護予定調整方法を前記コンピュータに実行させるコンピュータプログラム。
【発明の効果】
【0008】
[1]に係る発明により、予定の調整を行い、決定した予定について、ユーザの認知機能に応じた通知表現での通知を行うことができる。
【0009】
[2]に係る発明により、通知の頻度を含む通知表現によってユーザに適した通知を行うことができる。
[3]に係る発明により、認知機能が低いユーザには通知の回数を増やし、高いユーザに対しては頻度を低くすることでユーザの認知機能に対応する通知表現による通知を行うことができる。
【0010】
[4]に係る発明により、音声で通知を行う際にも適した通知表現によりユーザに適した通知を行うことができる。
【0011】
[5]に係る発明により、画面を利用して通知を行う際においてもユーザに適した通知を行うことができる。
【0012】
[6]に係る発明により、通知に対する回答を利用してそれ以降の通知の通知表現を決定して通知を行うことができる。
【0013】
[7]に係る発明により、他のユーザの入力した予定に基づいて、日時の候補を提示し、予定を決定することができる。
【0014】
[8]に係る発明により、アプリケーションと電話など、希望する媒体を利用してユーザの予定を入力することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】一実施形態のシステムの構成を示すブロック図。
図2】一実施系値のシステムのハードウェア構成図。
図3】一実施形態のシステムのデータ構成図。
図4】一実施形態のシステムの処理の流れ。
図5】一実施形態のシステムにおける画面表示例。
図6】一実施形態のシステムにおける画面表示例。
図7】一実施形態のシステムにおける画面表示例。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、添付図面を参照して、更に詳細に説明を行う。図面には好ましい実施形態が示されているが、多くの異なる形態で実施されることが可能であり、本明細書に記載されている実施形態に限定されない。
【0017】
例えば、本実施形態では、介護予定調整システムの構成、動作等について説明するが、実行される方法、装置、コンピュータプログラム等によっても同等の作用効果を奏することができる。プログラムは、コンピュータが読み取り可能な非一過性の記録媒体として提供されてもよいし、外部のサーバ装置からダウンロード可能に提供されてもよい。
【0018】
認知症を患う高齢者など、介護や医療等のケアを受ける者は、予定が通知されてもすぐに予定を忘れてしまい、予定に対応できない可能性が高い。そのため、本実施形態では、特に、被介護ユーザに対して介護等のケアを提供する介護ユーザが、認知症などの認知機能に困難を有する被介護ユーザに対するケアを提供する際の予定の調整を行い、調整した予定を被介護ユーザに対して適した表現で通知する場合について説明を行う。また、被介護ユーザは、介護ユーザによる介護や看護等のケアを受ける者であって、本実施形態では、高齢者であるが、例えば、訪問看護や医療のサービスを受ける者など、ケアを受ける者であればどのような者であってもよい。介護ユーザは、高齢者等の被介護ユーザに対するケアを提供する者であって、本実施形態では、介護事業者、被介護ユーザの家族、医師や看護師等である。
【0019】
また、本実施形態では、一人の高齢者について、その高齢者の家族や高齢者の担当の介護士の間でケアの予定を調整するなど、ケア対象の被介護ユーザとケアを行う介護ユーザとの間のグループで予定を調整する場合の例について説明を行う。
【0020】
図1は、一実施形態のシステムの構成を示すブロック図である。図1に示すように、介護予定調整システム0は、介護予定調整装置1、介護ユーザ端末2、被介護ユーザ端末3を備え、これらがネットワーク4を介して通信可能に構成される。なお、本実施形態では、介護ユーザ端末2と被介護ユーザ端末3が別の端末装置として記載されているが、例えば、被介護ユーザの家族である介護ユーザの端末装置(介護ユーザ端末2)が被介護ユーザ端末3として機能するなど、端末装置が介護ユーザ端末2及び被介護ユーザ端末3としての機能を備えていてもよい。
【0021】
介護予定調整装置1として、汎用のサーバやコンピュータ等のサーバ装置を1又は複数利用することができる。
【0022】
介護ユーザ端末2及び被介護ユーザ端末3として、パーソナルコンピュータやスマートフォン、タブレット等の端末装置20を利用することができる。なお、被介護ユーザは、視力に問題を有する可能性があるため、画面の大きいタブレット端末であることが好ましい。介護ユーザ端末2及び被介護ユーザ端末3は、介護予定調整装置利用プログラムを実行することで、介護予定調整装置1に接続し、後述する予定の調整等に関する処理を実行する。なお、介護予定調整装置利用プログラムは、図示しないプログラム提供装置よりダウンロードされたクライアントアプリケーション又は、端末装置20にプリインストール又は事前にダウンロードされたブラウザアプリケーションの何れであってもよい。
【0023】
ネットワーク4は、本実施形態では、IP(Internet Protocol)ネットワークであるが、通信プロトコルの種類、ネットワークの種類等にも制限はない。
【0024】
また、本実施形態では、画面表示を利用して予定の調整を行う場合に加え、電話を介して予定の調整を行う場合についても説明を行う。その際に提供される通話機能は、図1に図示しない外部の通話システムを介して実現されるが、介護予定調整システム0が通話に関する機能を備えていてもよい。
【0025】
<ハードウェア構成>
図2は、介護予定調整装置1及び端末装置20(介護ユーザ端末2、被介護ユーザ端末3)のハードウェア構成図である。
【0026】
図2(a)は、介護予定調整装置1のハードウェア構成図である。図2(a)に示すように、介護予定調整装置1は、処理部101、記憶部102、及び通信部103を有し、各部及び各工程の作用発揮に用いられる。
【0027】
処理部101は、命令セットを実行可能なCPUなどのプロセッサを有し、OSや介護予定調整プログラム等を実行する。
記憶部102は、命令セットを記憶可能なRAMなどの揮発性メモリ、OS、介護予定調整プログラム等を記録可能な、HDDやSSDなどの不揮発性の記録媒体を有する。なお、記憶部102は、複数のサーバ装置によって構成されてもよい。
通信部103は、ネットワークに物理的に接続するためのインタフェースを有し、ネットワーク4との通信制御を実行して、情報の入出力を行う。
【0028】
図2(b)は、端末装置20(介護ユーザ端末2、被介護ユーザ端末3)のハードウェア構成図である。図2(b)に示すように、端末装置20は、処理部201、記憶部202、通信部203、入力部204及び出力部205を有し、各部及び各工程の作用発揮に用いられる。
【0029】
処理部201は、命令セットを実行可能なCPUなどのプロセッサを有し、OSや介護予定調整装置利用プログラム等のプログラムを実行する。
記憶部202は、命令セットを記憶可能なRAMなどの揮発性メモリ、OSや介護予定調整サービスを含む複数のサービスを利用可能なアプリケーションプログラム(介護予定調整装置利用プログラム)等を記録可能な、HDDやSSDなどの不揮発性の記録媒体を有する。
通信部203は、ネットワークに接続するためのインタフェースを有し、ネットワーク4との通信制御を実行して、情報の入出力を行う。
入力部204は、タッチパネルやキーボードなどの入力処理が可能な操作入力デバイス、マイクなどの音声入力が可能な音声入力デバイスを有する。
出力部205は、ディスプレイなどの表示処理が可能な表示デバイス、スピーカなどの音声出力デバイスを有する。
【0030】
<介護予定調整システム0におけるデータ構成>
以下、図3を用いて本実施形態における介護予定調整システム0のデータ構成の例について説明を行う。記憶部102は、図3に示すユーザ情報や認知機能情報等の後述する介護予定の調整に係る処理において利用される各種データを記憶部102に記憶する。また、記憶部102は、通知のためのメッセージ(通知メッセージ)のテンプレートや通知時に再生される音声に関する音声データ等、通知のために必要な各種情報を記憶していてもよい。
【0031】
図3(a)において、被介護ユーザのユーザ情報である被介護ユーザ情報について説明を行う。被介護ユーザ情報は、高齢者等の被介護ユーザに関する情報であって、識別情報(ユーザID等)、名前を含むが、例えば、性別や連絡先、被介護ユーザが受けるケアに関する情報(訪問介護などのサービス名)等が含まれていてもよい。また、本実施形態において、被介護ユーザ情報は、認知機能に関する認知機能情報を含む。また、被介護ユーザ情報は、更に、聴力や視力などのその他の機能に関する能力情報を含んでいてもよい。
【0032】
認知機能情報は、被介護ユーザの認知機能に関する情報である。本実施形態では、被介護ユーザが事前にテストを行うことで特定された、日常生活自立度等の認知機能のレベル(認知レベル)であるが、その他の方法によって特定された認知機能に関する情報であってもよい。
【0033】
図3(b)において、介護ユーザのユーザ情報である介護ユーザ情報について説明を行う。介護ユーザ情報は、介護サービス事業者や家族等の介護ユーザに関する情報であって、識別情報(ユーザID等)と、ユーザ種別と、名前と、連絡先(メールアドレス、電話番号等)を含み、ケアを行う対象の被介護ユーザとユーザID等の識別情報を利用して関連付けて記憶される。
【0034】
また、本実施形態において、介護を受ける被介護ユーザと、その被介護ユーザに対してケアを提供する介護ユーザと、を含むグループに属するユーザのユーザ情報はユーザID等の識別情報によって関連付けて登録される。本実施形態では、ケアを受ける対象の被介護ユーザと介護ユーザとで1対多の関係で関連付けて登録されているため、被介護ユーザが特定されると、いずれのグループであるか特定可能に構成されている。また、図3に図示しないグループに関するグループ情報と、そのグループに属するユーザのユーザ情報と、が関連付けて登録されていてもよい。また、介護ユーザが複数の被介護ユーザのケアを行う場合など、介護ユーザが複数のグループに属するため、介護ユーザ情報が複数の被介護ユーザ情報と関連付けられていてもよい。
【0035】
ここでは被介護ユーザと介護ユーザ等のユーザの種別によって異なる構成を有するユーザ情報についての説明を行ったが、例えば、更に詳細なユーザの種別(例えば、介護ユーザの中の、家族、介護事業者、医療従事者等の種別)によってユーザ情報が異なる構成を有していてもよい。
【0036】
また、本実施形態では、ユーザは、事前にユーザID等の識別情報を利用してログインを行うことで識別されている。そのため、後述する処理では、この事前に行われたログインによって識別されるユーザのユーザ情報及び/又はユーザ情報と関連付けられた各種情報を利用して処理が行われる。
【0037】
<介護予定調整システム0の機能構成>
図1は、更に、介護予定調整システム0の機能構成を示す図である。図1に示すように、介護予定調整装置1は、受付部11と、決定部12と、通知部13と、候補提示部14と、を備える。これは、ソフトウェア(記憶部102に一過的又は非一過的に記憶された介護予定調整プログラム)による情報処理が、ハードウェア(処理部101等)によって具体的に実現されたものである。
【0038】
<受付部11>
受付部11は、ユーザ端末(介護ユーザ端末2、被介護ユーザ端末3)等の他のコンピュータ装置から受け付けた、各種入力を受け付け、他の機能構成(例えば、決定部12)への受け渡しや記憶部102に記憶させる処理を実行する。また、受付部11は、ユーザの端末(介護ユーザ端末2、被介護ユーザ端末3)において、画面に表示されたGUIやキーボード、音声入力など、いずれの方法を利用して入力された情報を受け付けてもよい。なお、本実施形態では、受付部11は、ユーザ端末において入力された各種入力を受け付けるが、ユーザの予定に関する情報を管理する他のデータ管理装置等よりデータを受け付けてもよいし、記憶部102に記憶されているデータを受け付けて、他の機能構成に受け渡す処理を行ってもよい。
【0039】
本実施形態において、受付部11は、介護ユーザ端末2において入力された予定(候補日時等)を受け付ける。このとき、受付部11は、画面に表示されたGUIを介して入力された日時の入力を受け付けてもよいし、また、通話中に音声又は数字ボタンを介して入力された日時を受け付けるなど、ユーザが選択した予定受付媒体に対応する方法での入力を受け付けてもよい。本実施形態では、受付部11は、ユーザが対応可能な日時を予定として受け付けるが、更に、対応可能な日時の中での優先度などを受け付けてもよい。
【0040】
<決定部12>
決定部12は、介護ユーザを含むグループに属するユーザの予定に基づいて介護予定日時を決定する。認知症等の認知機能に困難を有する被介護ユーザに対応するため、本実施形態で決定部12は、介護ユーザのみから受け付けた予定に基づいて介護予定日時を決定するが、被介護ユーザの認知機能に問題がない場合や、問題が軽度の場合は、被介護ユーザの予定を受け付け、被介護ユーザを含むユーザの予定に基づいて介護予定日時を決定してもよい。また、決定部12は、全てのユーザが出席できる日時や、最も出席可能なユーザの数が多い日時、必須のユーザが出席可能でかつ最も出席可能なユーザの数が多い日時など、いずれの決定方法を利用して介護予定日時を決定してもよい。
【0041】
また、介護予定日時が決定されると、決定部12は、決定した介護予定日時と予定の調整の際にユーザから受け付けた予定に関する情報を含む予定情報を、参加するユーザのユーザ情報(介護ユーザ情報、被介護ユーザ情報)と関連付けて記憶部102に記憶させる。予定情報は、予定に関する情報であって、本実施形態では、日時(本実施形態では、介護予定日時)、予定名、参加者(参加するユーザ)を含む。また、予定情報は、予定に関するコメントや説明、開催する場所などに関する情報が含まれていてもよい。後述する処理では、このユーザ情報と関連付けて登録された予定情報を利用して通知に係る処理が行われる。
【0042】
<通知部13>
通知部13は、被介護ユーザ情報に基づいて、通知表現を決定し、決定された介護予定日時に基づく被介護ユーザ端末3への通知を行う。このとき、通知部13は、被介護ユーザの認知機能に合わせて、通知の頻度(通知を行う時間や間隔、回数など)、通知の際に流れる音声(通知音声)、音声の大きさ等の通知表現を決定し、決定した通知表現による通知を行う。また、通知部13は、更に、視力や聴力などの被介護ユーザの能力に基づいて、通知の際の音量の大小や通知の際のメッセージの文字の大小や画面の明るさ、光の点滅などの通知表現を決定してもよい。また、本実施形態では、通知部13は、予定(介護予定日時)の前日や当日など、予定が近づくと被介護ユーザに対する通知を行う。
【0043】
通知表現は、通知における表現であって、本実施形態では、通知の頻度、通知の際に流れる音声の内容(快い音声/不快な音声など)、通知の音声の音量、動画や静止画像等の通知画面に表示される画像(通知画像)、通知メッセージの内容、メッセージの文面(文章の易しさなど)、画面の発光の有無等の各種表現を含む。本実施形態では、通知部13が、通知画面を表示し、更に、通知のための音声を出力することで被介護ユーザ端末3における通知を行うため、通知表現は、画面表示に関連した表現と音声の出力に関連した表現を含む。本実施形態では、通知部13は、認知機能の問題の程度が高く、予定を忘れてしまう可能性が高い被介護ユーザに対しては、通知の頻度を上げ、文章を易しくするなど、認知機能に問題があるユーザが予定に対応できるように通知表現を決定する。また、通知部13は、通知音の音量を大きく、激しくする、通知の際に画面を点滅させるなど、被介護ユーザが気づきやすくするよう、通知表現を決定してもよい。なお、本実施形態では、認知機能の問題の程度が低く、予定を忘れてしまう可能性が低い被介護ユーザに対しては、通知部13は、問題の程度が高い被介護ユーザより通知の頻度を低く、また、メッセージの表現を難しくするよう、通知表現を決定する。
【0044】
通知部13は、認知レベルに基づいて、例えば、認知レベルが1であれば、予定当日の朝と予定の30分前の2回通知を行い、認知レベルが2であれば予定当日の朝と予定の30分前と5分前の3回通知を行うなど、認知レベルごとに設定された通知パターンで通知を行う。このように、本実施形態では、通知レベルごとに設定された通知表現によって通知を行う。また、記憶部102は、認知レベルごとの通知表現での通知を行うために必要な各種情報(例えば、認知レベルごとの通知音声、音量、通知回数、通知タイミング、通知画像、メッセージのテンプレート、文字サイズ、画面の光量等)を記憶していてもよい。本実施形態では、認知レベルごとに設定された通知表現により通知を行うが、例えば、通知音の音量は聴力に基づいて決定されるなど、一部の通知表現が被介護ユーザの認知機能以外の機能(感覚器官の機能、身体機能等)に基づいて決定されてもよい。また、例えば、記憶力と判断力のレベルなど、認知機能情報が認知機能に関する複数の項目のデータを含む場合、通知部13は、認知機能情報に含まれる複数の項目のデータに基づいてスコアを算出し、算出したスコアに基づいて、例えば、スコアが1~10の範囲であれば、通知回数を1回にするなど、スコアの範囲ごとに設定された通知表現により通知を行ってもよい。このとき、データの項目ごとに重みづけを行い、スコアの算出を行ってもよい。また、通知部13は、例えば、夜の方が認知機能に問題が生じやすい被介護ユーザの夜の予定に関する通知であれば、その日介護ユーザの昼の予定のときより認知レベルを1上げた場合の通知表現で通知を行うなど、被介護ユーザに認知機能に関する問題が発生しやすい時間帯に関する情報(時間帯情報)に基づいて通知表現を決定してもよい。
【0045】
<候補提示部14>
候補提示部14は、介護予定日時の候補を提示する。本実施形態において、候補提示部14は、音声で出力又は画面に表示することで候補の日時を提示する。また、候補提示部14は、例えば、他のユーザが参加できない日は候補から削除して提示するなど、グループに属する他のユーザから受け付けた予定に基づいて、提示する候補日時を決定して候補を提示してもよい。また、例えば、被介護ユーザの家族が打ち合わせの打診のため、自身が同席可能な日時を選択し、その後、家族により選択された候補日時の中から介護事業者等の介護ユーザが更に、自身が対応可能な日時を選択することで介護予定日時が決定されるなど、ユーザ種別によって予定調整時の候補の選択の順番や選択可能な範囲等が異なっていてもよい。また、候補提示部14は、グループに属するすべてのユーザの端末装置20に候補を提示してもよいし、グループに属するユーザのうちの一部のユーザ(例えば、「家族」といった特定のユーザ種別のユーザ)の端末装置20に候補を提示してもよい。
【0046】
本実施形態において、介護予定調整装置1は、ユーザにより選択された予定受付媒体(本実施形態では、アプリケーション、電話)を介して日時の候補を提示し、予定の入力を受け付けることができる。ユーザによりアプリケーションを予定受付媒体として選択された時、候補提示部14は、1又は複数の候補日時を選択可能な画面を表示させることで候補を提示する。また、ユーザにより電話が予定受付媒体として選択された時、候補提示部14は、通話等を介して音声により候補を出力することで候補日時を提示する。
【0047】
<介護予定調整方法>
以下、図4を用いて介護予定調整方法の処理の流れについての説明を行う。なお、ここで示す処理の流れは一実施形態における例であって、順番が前後するなど、異なる流れによって処理が実行されてもよい。
【0048】
本実施形態において、介護予定調整システム0は、本実施形態において、候補提示部14が候補となる日時を含む画面をユーザの端末装置に表示させることで候補となる日時を提示させる(S101)。また、候補提示部14は、候補日時を電話等を介して音声で出力することで提示してもよい。同じグループに属する1又は複数のユーザの端末装置20(介護ユーザ端末2、被介護ユーザ端末3)より、受付部11が、ユーザの予定を受け付けると(S201)、決定部12が、ユーザの端末装置20において入力された、1又は複数のユーザの予定に基づいて、介護予定日時を決定する(S102)。このとき、決定部12は、グループに属するすべてのユーザより受け付けた予定に基づいて介護予定日時を決定してもよいし、グループに属するユーザのうち、介護予定に関連する特定のユーザより受け付けた予定に基づいて介護予定日時を決定してもよい。また、介護予定日時が決定されると、通知部13は、グループに属する被介護ユーザの被介護ユーザ情報に基づいて、通知間隔や通知の内容等の通知表現を決定し(S103)、被介護ユーザ端末3への通知を行う(S104)。
【0049】
また、図5~6を用いて、介護予定調整方法において表示される画面の例について説明を行う。なお、図を用いて説明する画面の表示例は、一実施形態における例であって、図に示す例とは異なる構成の画面が表示されてもよい。
【0050】
図5において、予定調整依頼画面W1及び予定調整画面W2の画面表示の例について説明を行う。なお、本実施形態に示す例は、候補提示部14により、新規に日程の調整を依頼するユーザの端末(介護ユーザ端末2)と、日程の調整の依頼を受け、候補日時を選択するユーザの端末(介護ユーザ端末2)に表示される画面の例である。
【0051】
図5(a)に示す予定調整依頼画面W1は、予定の調整を関係者(グループに属する他のユーザ)に依頼する際に表示される画面であって、利用者(被介護ユーザ)と、調整希望範囲、調整希望曜日及び調整希望時間(候補日時)と、調整対象者と、を入力可能な入力欄を含む。ここでは、調整希望範囲に含まれる日程(例えば、10月29日~11月5日)の調整希望曜日の調整希望時間が候補日時として他のユーザに提示される。また、調整対象者として調整を行う対象の介護ユーザを選択することが可能であり、選択された被介護ユーザにケアを行う介護ユーザなど、被介護ユーザと同じグループに属する全ての介護ユーザ、指定されたユーザ種別の介護ユーザ、又は指定された介護ユーザ等の指定された範囲の介護ユーザに候補日時が提示される。
【0052】
本実施形態では、予定調整依頼画面W1は、更に、招集メッセージを入力可能な入力欄を含む。招集メッセージは、依頼を受けたユーザの端末(介護ユーザ端末2)に表示される予定調整画面W2において、示されるメッセージである。また、テンプレートを選択することで招集メッセージのテンプレートが編集可能な状態で入力欄に表示されてもよい。また、図5(a)に示す予定調整依頼画面W1において入力された、予定調整の依頼に係る情報は、図5(b)に示す予定調整画面W2の表示に利用される。
【0053】
本実施形態において、受付部11は、予定の調整の依頼時に、更に、予定の名前や開催場所、参加者等の予定の詳細に関する情報を受け付ける。このとき受け付けた予定に関する情報が、介護予定日時の決定時に予定情報として登録される。なお、招待されたユーザのうち、いずれの候補日時でも参加できないユーザは、参加者として予定情報に登録されなくてもよい。
【0054】
図5(b)に示す予定調整画面W2は、候補提示部14により、予定の調整の依頼を受けたユーザ(本実施形態では介護ユーザ)の端末装置20に表示される画面であって、予定名表示領域と、招集メッセージ表示領域と、候補日時を選択して予定を入力可能な予定入力領域と、登録ボタンと、を含む。予定名表示領域は、調整の依頼を行ったユーザが入力した予定の名前を表示する領域である。招集メッセージ表示領域は、予定の調整の依頼を行ったユーザによるメッセージを表示する領域である。予定入力領域は、ユーザの予定を入力可能な領域であって、本実施形態では、候補日時の横に表示された〇(希望)、△(対応可能)、×(対応不可)の何れかを選択して押下することで予定が入力可能に構成されているが、カレンダーから選択したり、日時を入力するなど、図5に示す例とは異なる方法で予定を入力可能に構成されていてもよい。登録ボタンは、登録を行うためのボタンであって、押下されると、入力されたユーザの予定が介護予定調整装置1に送信される。また、図5(b)に示す例では、複数の候補が提示されているが、一つの候補日時が提示されてもよい。このとき、受付部11は、参加の可否をユーザの予定として受け付けてもよい。
【0055】
図6に示す通知画面W3は、通知部13により通知の際に被介護ユーザ端末3に表示される画面であって、通知メッセージと、確認ボタンと、を含む。また、通知画面W3は、更に、通知に関連する者(本実施形態では、訪問する介護ユーザ)の名前や予定の日時等を表示させてもよい。また、本実施形態において、被介護ユーザ端末3では、図6に示すような通知画面W3の表示と同時に、通知のための音声(メッセージの読み上げや通知音等)が出力される。
【0056】
通知メッセージは、通知の内容に関するメッセージであって、通知を受ける被介護ユーザの認知機能に応じて選択されたテンプレートに基づいて生成されたメッセージである。通知部13は、予定情報、被介護ユーザ情報等に基づいてテンプレートを埋めることで通知メッセージを作成して通知を行う。また、本実施形態における通知画面W3に表示される通知メッセージは、通知が行われるタイミングによって異なり、例えば、その日初めての通知であれば、図6に示すような「今日はデイサービスの予定が3時からあります。」といったメッセージであるが、予定が近づいたタイミング(例えば、予定の30分前)であれば、「デイサービスのお迎えはあと30分後に来ます。準備をしましょう。」など、予定までの時間を表示するように構成されている。また、メッセージのテンプレートがイベントの種別ごと(訪問介護の来訪、訪問医療の来訪、デイサービスの迎え、会議等)に用意され、通知部13は、ユーザにより選択されたイベント種別のテンプレートを利用したメッセージを生成して通知を行ってもよい。
【0057】
本実施形態では、通知部13は、認知レベルごとに事前に用意されるメッセージのテンプレートより、通知を受ける被介護ユーザの認知レベルに適したメッセージのテンプレート(例えば、認知レベル1の場合のメッセージのテンプレート)を選択し、予定の時間や関係者の名前(予定の参加者又は通知を受ける被介護ユーザの担当の介護ユーザの名前)等を当てはめることで生成したメッセージにより通知を行うが、外部の文章生成システムに対して指定した易しさの文章を生成するよう指示し、文章生成装置によって生成された文章をメッセージとして通知画面W3に表示してもよい。その際、通知部13は、文章生成装置に対して予定の内容や予定までの時間、来訪者の名前などの予定に関する情報と、認知レベル等の被介護ユーザに関する情報と、を提供して文章を生成するよう指示を行ってもよい。
【0058】
更に、通知部13は、機械学習を行った学習モデルである通知モデルを利用して通知を行ってもよい。通知モデルは、被介護ユーザの属性と、予定に関する情報と、今までに通知の際に被介護ユーザに対して通知されたメッセージと、に基づいて学習を行ったモデルである。なお、通知モデルは、認知レベルごとの通知されたメッセージに基づいて生成される、認知レベルごとのモデルであってもよいし、個々の被介護ユーザに以前通知されたメッセージに基づいて生成される被介護ユーザごとのモデルであってもよい。
【0059】
また、確認ボタン(「はい」)が押下されると、通知を確認した旨の回答が介護予定調整装置1に送信され、通知画面W3が閉じられる。また、本実施形態において、通知部13は、確認ボタンを押下することによって入力された通知に対する回答を受け付けると、通知から回答までの時間に基づいて、例えば、回答までの時間が長い場合、次回の通知までの間隔を短くするなど、次回の通知の頻度等の通知表現を決定してもよい。また、通知画面W3に表示された再度の通知を希望するか否かを選択させるボタンを押下することで入力された回答に基づいてその後の通知の間隔やタイミングを決定するなど、通知に対する回答の内容に基づいて、それ以降の通知に係る通知表現が決定されてもよい。
【0060】
また、本実施形態において、通知のために画面に表示される画像(通知画像)や、画面上の画像の動き、通知内容に関するメッセージの内容(利用する語句、文章の易しさ)、メッセージのフォントや文字の大きさ等の通知表現が通知を受ける被介護ユーザに対応する通知画面W3が表示されることで通知が行われる。また、例えば、視力が良くない被介護ユーザに対して、メッセージ等の文字を大きくするなど、認知機能以外のユーザの特徴に基づいて、通知表現が決定され、通知が行われてもよい。
【0061】
<他の実施形態>
また、本実施形態における介護予定調整システム0は、介護の業務に従事する介護事業者等の介護ユーザの勤務予定を管理するためのシステムとして機能してもよい。このとき、介護士の使用者等、複数の介護ユーザを管理する者の端末において、複数のユーザの予定が表示されるが、その他のユーザの端末に同様の構成の画面が表示されてもよい。以下、図7を用いて複数の介護ユーザの予定を管理する場合の例について説明を行う。なお、図7に示す複数の介護ユーザの予定は介護ユーザの使用者等の管理者や、介護ユーザ等、いずれのユーザの端末に表示されてもよい。その際、介護予定調整システム0は、図1には図示されない予定表示部15を備え、予定表示部15が、図7に示す予定を表示するための画面を表示する画面の表示に係る処理を行ってもよい。予定表示部15は、ユーザ情報と関連付けられた予定情報に基づいて、図7に示すような画面の表示に係る処理を行う。
【0062】
図7(a)において、調整された予定を表示するための予定表示画面W4を示す。予定表示画面W4は、ユーザごとの予定を表示するための画面であって、新規作成ボタンW41と、予定表示領域W42と、を含む。新規作成ボタンW41が押下されると、新たな予定の入力が可能となる。また、新規作成ボタンW41が押下されると、図5(a)に示す、予定調整依頼画面W1に遷移し、予定の調整の依頼が開始されてもよい。予定表示領域W42は、調整された予定を表示するための領域であって、時系列に沿って、ユーザの予定が列ごとに表示されている。
【0063】
また、図7(b)において、ある予定(例えば、「B 10:00 訪問」)が押下された際の予定表示画面W5の画面表示の例を示す。図5(b)に示す予定表示画面W5は、更に、予定詳細表示領域W51を含む。予定詳細表示領域W51は、予定の詳細な内容を表示するための画面であって、日時、訪問先、訪問先の住所、参加予定者、コメントを表示させる。
【0064】
また、図7に示す例では、複数のユーザ間で調整された予定が表示されているが、例えば、他のユーザと調整する必要が無い、特定のユーザのみに関する予定が表示されてもよい。また、予定の日時や予定の名前、場所、コメント等の予定に関する情報が入力可能な予定情報入力画面が表示され、予定に係る情報が入力されてもよい。また、このとき、候補提示部14は、予定に係る情報の入力を受け付けるため、図5(a)に示す予定調整依頼画面W1と同様の構成の画面を表示してもよい。
【0065】
また、通知部13は、被介護ユーザが子供である場合に、年齢に応じて通知に利用する漢字を限定するなど、メッセージに関する通知表現を決定してもよい。
【0066】
上述する例では、複数の介護ユーザの予定を管理する場合の例について説明を行ったが、当該介護予定調整システム0は、施設での介護サービスや介護予防サービス、オンライン診療、服薬指導、栄養指導等のサービスの提供におけるユーザ(被介護ユーザ)とサービスを提供する者(介護ユーザ)との間の予定の調整を行い、予定を通知する際にも利用されてもよい。
【符号の説明】
【0067】
0 介護予定調整システム
1 介護予定調整装置
11 受付部
12 決定部
13 通知部
14 候補提示部
2 介護ユーザ端末
3 被介護ユーザ端末
4 ネットワーク
【要約】
【課題】
予定を調整し、介護・看護等のケアを受ける者に対して、適切な方法で通知を行うことができる技術を提供することを課題とする。
【解決手段】
介護予定調整システムであって、
記憶部と、受付部と、決定部と、通知部と、を備え、
前記記憶部は、被介護ユーザの認知機能情報を含む被介護ユーザ情報を記憶し、
前記受付部は、グループに所属するユーザの予定を受け付け、
前記グループは、被介護ユーザのケアを行う介護ユーザと、前記介護ユーザよりケアを受ける対象の被介護ユーザと、を含み、
前記決定部は、受け付けた前記グループに属するユーザの予定に基づいて介護予定日時を決定し、
前記通知部は、前記グループに属する前記被介護ユーザの前記被介護ユーザ情報に基づいて通知表現を決定し、前記介護予定日時に基づいて、前記グループに含まれる前記被介護ユーザの被介護ユーザ端末に前記通知表現における通知を行う、
介護予定調整システム。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7