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特許7627259抗CD25抗体-フタロシアニン色素コンジュゲートおよび抗PD1抗体を使用したがんの処置のための近赤外(NIR)光免疫療法(PIT)
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-28
(45)【発行日】2025-02-05
(54)【発明の名称】抗CD25抗体-フタロシアニン色素コンジュゲートおよび抗PD1抗体を使用したがんの処置のための近赤外(NIR)光免疫療法(PIT)
(51)【国際特許分類】
   A61K 47/68 20170101AFI20250129BHJP
   A61K 39/395 20060101ALI20250129BHJP
   A61K 41/00 20200101ALI20250129BHJP
   A61K 31/409 20060101ALI20250129BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20250129BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20250129BHJP
   A61P 35/04 20060101ALI20250129BHJP
   A61P 37/04 20060101ALI20250129BHJP
   A61K 31/695 20060101ALI20250129BHJP
【FI】
A61K47/68
A61K39/395 D
A61K39/395 C
A61K39/395 N
A61K39/395 L
A61K41/00
A61K31/409
A61P43/00 121
A61P35/00
A61P35/04
A61P37/04
A61K31/695
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2022506056
(86)(22)【出願日】2020-07-29
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-14
(86)【国際出願番号】 US2020043999
(87)【国際公開番号】W WO2021021882
(87)【国際公開日】2021-02-04
【審査請求日】2023-07-27
(31)【優先権主張番号】62/880,514
(32)【優先日】2019-07-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/896,453
(32)【優先日】2019-09-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/931,405
(32)【優先日】2019-11-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518055877
【氏名又は名称】ラクテン・メディカル,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100102978
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 初志
(74)【代理人】
【識別番号】100160923
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 裕孝
(74)【代理人】
【識別番号】100119507
【弁理士】
【氏名又は名称】刑部 俊
(74)【代理人】
【識別番号】100142929
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 隆一
(74)【代理人】
【識別番号】100148699
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 利光
(74)【代理人】
【識別番号】100128048
【弁理士】
【氏名又は名称】新見 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100129506
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 智彦
(74)【代理人】
【識別番号】100205707
【弁理士】
【氏名又は名称】小寺 秀紀
(74)【代理人】
【識別番号】100114340
【弁理士】
【氏名又は名称】大関 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100121072
【弁理士】
【氏名又は名称】川本 和弥
(72)【発明者】
【氏名】ガルシア-グスマン ミゲル
(72)【発明者】
【氏名】ハイム ロジャー
(72)【発明者】
【氏名】フォン ジェリー
【審査官】石井 裕美子
(56)【参考文献】
【文献】特表2018-522055(JP,A)
【文献】特表2018-528268(JP,A)
【文献】ACC. Chem. Res.,2019年07月23日,Vol.52,pp.2332-2339
【文献】癌と化学療法,2019年01月,Vol.46, No.1,pp.28-33
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61k 9/00- 9/72
A61K 47/00-47/69
A61K 39/00-39/44
A61K 31/00-31/80
A61K 41/00-41/17
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
がんを処置するための、抗CD25抗体に連結されたフタロシアニン色素を含むコンジュゲートを含む医薬であって、
(a)前記コンジュゲートが、抗PD-1抗体と組み合わせて、初代腫瘍および腫瘍細胞の二次的集団を含むがんを有する対象に投与され;および
(b)前記コンジュゲートを投与した後、初代腫瘍が、
600nmまたは約600nmから、850nmまたは約850nmの波長で、かつ、
25J/cm2もしくは約25J/cm2から、400J/cm2もしくは約400J/cm2、または、2J/ファイバ長cmもしくは約2J/ファイバ長cmから、500J/ファイバ長cmもしくは約500J/ファイバ長cmの線量で
照射され、二次的集団は直接照射されない、ように用いられ、
初代腫瘍および/または二次的集団が、コンジュゲートのみ、コンジュゲートとそれに続く照射のみ、または抗PD-1抗体のみの投与と比較してより大きな程度、阻害される、
ことを特徴とする、前記医薬。
【請求項2】
がんを処置するための、抗PD-1抗体を含む医薬であって、
(a)前記抗PD-1抗体が、抗CD25抗体に連結されたフタロシアニン色素を含むコンジュゲートと組み合わせて、初代腫瘍および腫瘍細胞の二次的集団を含むがんを有する対象に投与され;および
(b)前記コンジュゲートを投与した後、初代腫瘍が、
600nmまたは約600nmから、850nmまたは約850nmの波長で、かつ、
25J/cm2もしくは約25J/cm2から、400J/cm2もしくは約400J/cm2、または、2J/ファイバ長cmもしくは約2J/ファイバ長cmから、500J/ファイバ長cmもしくは約500J/ファイバ長cmの線量で
照射され、二次的集団は直接照射されない、ように用いられ、
初代腫瘍および/または二次的集団が、コンジュゲートのみ、コンジュゲートとそれに続く照射のみ、または抗PD-1抗体のみの投与と比較してより大きな程度、阻害される、
ことを特徴とする、前記医薬。
【請求項3】
がんを処置するための、抗CD25抗体に連結されたフタロシアニン色素を含むコンジュゲートと抗PD-1抗体との組合せからなる医薬であって、
(a)前記コンジュゲートが、抗PD-1抗体と組み合わせて、初代腫瘍および腫瘍細胞の二次的集団を含むがんを有する対象に投与され;および
(b)前記コンジュゲートを投与した後、初代腫瘍が、
600nmまたは約600nmから、850nmまたは約850nmの波長で、かつ、
25J/cm2もしくは約25J/cm2から、400J/cm2もしくは約400J/cm2、または、2J/ファイバ長cmもしくは約2J/ファイバ長cmから、500J/ファイバ長cmもしくは約500J/ファイバ長cmの線量で
照射され、二次的集団は直接照射されない、ように用いられ、
初代腫瘍および/または二次的集団が、コンジュゲートのみ、コンジュゲートとそれに続く照射のみ、または抗PD-1抗体のみの投与と比較してより大きな程度、阻害される、
ことを特徴とする、前記医薬。
【請求項4】
二次的集団が、(i)転移性腫瘍細胞、(ii)侵襲性腫瘍細胞、または(iii)転移性腫瘍細胞および侵襲性腫瘍細胞を含む、請求項1~3のいずれか一項記載の医薬。
【請求項5】
抗PD-1抗体の第1の用量が、コンジュゲートの投与の前に投与される、請求項1~4のいずれか一項記載の医薬。
【請求項6】
抗PD-1抗体の第1の用量が、コンジュゲートの投与の少なくとも1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、8日、9日、10日、11日、12日、13日、14日、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、7週間、8週間、9週間または10週間前に投与される、請求項5記載の医薬。
【請求項7】
抗PD-1抗体が、
(i)(a)コンジュゲートの投与と同時に、若しくは(b)コンジュゲートの投与前に、1回、2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回または10回投与され、および
(ii)続いて、コンジュゲートの投与後、対象への抗PD-1抗体の投与が、0回、1回、2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回、10回または10回超行われる、請求項1~6のいずれか一項記載の医薬。
【請求項8】
抗PD-1抗体の第1の用量が、コンジュゲートの投与に続いて投与される、請求項1~4のいずれか一項記載の医薬。
【請求項9】
二次的集団が、固形腫瘍中に含まれる、請求項1~8のいずれか一項記載の医薬。
【請求項10】
抗CD25抗体が、機能的Fc領域を含む、請求項1~9のいずれか一項記載の医薬。
【請求項11】
抗CD25抗体が、バシリキシマブもしくはダクリズマブある、請求項1~10のいずれか一項記載の医薬。
【請求項12】
抗CD25抗体が、バシリキシマブである、請求項11記載の医薬。
【請求項13】
抗PD-1抗体が、ペムブロリズマブ(MK-3475、KEYTRUDA;ランブロリズマブ)、ニボルマブ(OPDIVO)、セミプリマブ(LIBTAYO)、トリパリマブ(JS001)、HX008、SG001、GLS-010、ドスタルリマブ(TSR-042)、チスレリズマブ(BGB-A317)、セトレリマブ(JNJ-63723283)、ピジリズマブ(CT-011)、ゲノリムズマブ(genolimzumab)(APL-501、GB226)、BCD-100、セミプリマブ(REGN2810)、F520、シンチリマブ(IBI308)、CS1003、LZM009、カムレリズマブ(SHR-1210)、SCT-I10A、MGA012、AK105、PF-06801591、AMP-224、AB122、AMG 404、BI 754091、HLX10、JTX-4014、AMP-514(MEDI0680)、Sym021、MGD019、MGD013、AK104、XmAb20717、RO7121661、CX-188、スパルタリズマブ、BCD-217、HX009、IBI308、PDR001、REGN2810、およびTSR-042(ANB011)からなる群より選択される、請求項1~12のいずれか一項記載の医薬。
【請求項14】
フタロシアニン色素が、Si-フタロシアニン色素である、請求項1~13のいずれか一項記載の医薬。
【請求項15】
Si-フタロシアニン色素が、IR700である、請求項14記載の医薬。
【請求項16】
コンジュゲートを投与した30分~96時間後に照射が行われる、請求項1~15のいずれか一項記載の医薬。
【請求項17】
がんが、結腸がん、結腸直腸がん、膵臓がん、乳がん、皮膚がん、肺がん、非小細胞肺がん、腎細胞がん、甲状腺がん、前立腺がん、頭頸部がん、消化器がん、胃がん、小腸のがん、紡錘細胞新生物、肝細胞がん、肝臓がん、末梢神経のがん、脳がん、骨格筋のがん、平滑筋のがん、骨がん、脂肪組織のがん、子宮頚がん、子宮がん、生殖器のがん、リンパ腫、および多発性骨髄腫からなる群より選択される、請求項1~16のいずれか一項記載の医薬。
【請求項18】
抗CD25抗体に連結されたフタロシアニン色素を含むコンジュゲートと抗PD-1抗体の対象への投与が、増強された応答をもたらし、
前記増強された応答が、コンジュゲートとそれに続く照射および抗PD-1抗体の投与の前の対象の全身性免疫と比較した対象の全身性免疫の増強を含み;および/または
増強された応答が、コンジュゲートのみ、コンジュゲートとそれに続く照射のみ、または抗PD-1抗体のみの投与と比較した腫瘍の阻害の増強を含む、
請求項1~17のいずれか一項記載の医薬。
【請求項19】
増強された応答が、相乗的応答であり、該相乗的応答が、初代腫瘍の成長、腫瘍体積、腫瘍寸法または腫瘍質量の相乗的低減、対象の二次的集団における細胞の数の相乗的低減、転移性または侵襲性腫瘍細胞の成長、腫瘍体積、腫瘍寸法、腫瘍質量または数の相乗的低減、あるいはそれらの任意の組み合わせを含む、請求項18記載の医薬。
【請求項20】
全身性免疫が、
(a)細胞傷害性Tリンパ球(CTL)活性アッセイ、腫瘍内T細胞疲弊アッセイ、腫瘍内エフェクターT細胞増殖アッセイ、T細胞受容体多様性アッセイ、活性化CD8+ T細胞アッセイ、循環制御性T細胞(Treg)アッセイ、腫瘍内Tregアッセイ、またはCD8+ T細胞:Tregアッセイの1つまたは複数;
(b)任意で対象における初代腫瘍の照射後4日目~28日目に対象から収集された、脾細胞または末梢血細胞または骨髄細胞またはリンパ節細胞を使用したCTL活性アッセイ;
(c)任意で対象における初代腫瘍の照射後4日目~28日目に対象から収集された、初代腫瘍または転移性腫瘍細胞塊または侵襲性腫瘍細胞塊から収集されたT細胞を使用した腫瘍内T細胞疲弊アッセイ;
(d)任意で対象における初代腫瘍の照射後4日目~28日目に対象から収集された、初代腫瘍または転移性腫瘍細胞塊または侵襲性腫瘍細胞塊から収集されたT細胞を使用した腫瘍内エフェクターT細胞増殖アッセイ;
(e)任意で対象における初代腫瘍の照射後4日目~28日目に対象から収集された、初代腫瘍または転移性腫瘍細胞塊または侵襲性腫瘍細胞塊または末梢循環から収集されたT細胞を使用したT細胞受容体多様性アッセイ;または
(f)任意で対象における初代腫瘍の照射後4日目~28日目に対象から収集された、初代腫瘍または転移性腫瘍細胞塊または侵襲性腫瘍細胞塊からの腫瘍中の制御性T細胞(Treg)の存在、数もしくは頻度および/または腫瘍内Treg細胞と腫瘍内CD8+ T細胞もしくは腫瘍内CD4+ T細胞の比を決定すること、
によって測定される、請求項18または19記載の医薬。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2019年7月30日に出願された「がん、腫瘍および腫瘍細胞の局所および全身処置のための組成物および方法(COMPOSITIONS AND METHODS FOR LOCAL AND SYSTEMIC TREATMENT OF CANCERS, TUMORS AND TUMOR CELLS)」という名称の米国仮特許出願第62/880,514号、2019年9月5日に出願された「がん、腫瘍および腫瘍細胞の局所および全身処置のための組成物および方法(COMPOSITIONS AND METHODS FOR LOCAL AND SYSTEMIC TREATMENT OF CANCERS, TUMORS AND TUMOR CELLS)」という名称の米国仮特許出願第62/896,453号、および2019年11月6日に出願された「がん、腫瘍および腫瘍細胞の局所および全身処置のための組成物および方法(COMPOSITIONS AND METHODS FOR LOCAL AND SYSTEMIC TREATMENT OF CANCERS, TUMORS AND TUMOR CELLS)」という名称の米国仮特許出願第62/931,405号の優先権を主張するものであり、それらの内容は、参照によりその全体が組み入れられる。
【0002】
分野
本開示は、がん、例えば、初代腫瘍もしくは原発腫瘍、転移性腫瘍細胞および/または侵襲性腫瘍細胞を含むがんを有する対象を処置するための、組成物、組み合わせ、方法および使用に関する。該方法は、対象に、IR700などのフタロシアニン色素とコンジュゲートされたCD25に結合するターゲティング分子を投与する工程と、免疫チェックポイント阻害剤を投与する工程と、それに続いて初代腫瘍または原発腫瘍にフタロシアニン色素の活性化に適した光の波長を照射する工程とを含む。本明細書に記載される方法および使用は、初代腫瘍、原発腫瘍、転移性腫瘍細胞および/または侵襲性腫瘍細胞を含む、腫瘍および腫瘍細胞の成長の低減および排除を提供する。また、がん、例えば、初代腫瘍もしくは原発腫瘍、転移性腫瘍細胞および/または侵襲性腫瘍細胞を含むがんを有する対象における腫瘍成長に対する全身性免疫を増強させるための、組成物、組み合わせ、方法および使用も提供される。
【背景技術】
【0003】
背景
がん転移は、がん関連死の主原因である。ある特定のタイプのがんに関していくつかの利用可能な処置があるにもかかわらず、原発腫瘍と転移性腫瘍の両方を伴うがんを包含するがんを効果的に処置するため、依然として治療戦略が緊急に必要とされている。特に、転移性がんを処置することは、依然として大きな臨床的課題である。
【発明の概要】
【0004】
概要
本明細書において、初代腫瘍などの腫瘍を含むがんだけでなく、転移性腫瘍細胞、侵襲性腫瘍細胞または浸潤性細胞などの腫瘍細胞の二次的集団を有するがんも包含する、がんを処置するための、組成物、組み合わせ、方法および使用が提供される。
【0005】
本明細書において、がんを処置するための方法および使用が提供される。任意の態様のいくつかでは、提供される方法および使用は、免疫チェックポイント阻害剤を、初代腫瘍および腫瘍細胞の二次的集団を含むがんを有する対象に投与する工程と;抗CD25抗体に連結されたフタロシアニン色素を含むコンジュゲートを対象に投与する工程と;コンジュゲートを投与した後、初代腫瘍に、600nmまたは約600nmから、850nmまたは約850nmの波長で、かつ、25J/cm2もしくは約25J/cm2から、400J/cm2もしくは約400J/cm2、または、2J/ファイバ長cmもしくは約2J/ファイバ長cmから、500J/ファイバ長cmもしくは約500J/ファイバ長cmの線量で照射する工程であって、二次的集団は直接照射されない、工程とを伴う。
【0006】
任意の態様のいくつかでは、初代腫瘍および/または二次的集団は、コンジュゲートのみ、コンジュゲートとそれに続く照射のみ、または免疫チェックポイント阻害剤のみの投与と比較してより大きな程度、阻害される。任意の態様のいくつかでは、免疫チェックポイント阻害剤は、PD-1阻害剤、PD-L1阻害剤またはCTLA-4阻害剤からなる群より選択される。任意の態様のいくつかでは、免疫チェックポイント阻害剤は、抗PD-1抗体、抗PD-L1抗体もしくは抗CTLA-4抗体、またはその抗原結合断片であるか、あるいはそれを含む。任意の態様のいくつかでは、免疫チェックポイント阻害剤は、抗PD-1抗体またはその抗原結合断片であるか、あるいはそれを含む。
【0007】
本明細書において、がんを処置するための方法および使用が提供される。任意の態様のいくつかでは、提供される方法および使用は、抗PD-1抗体を、初代腫瘍および腫瘍細胞の二次的集団を含むがんを有する対象に投与する工程と;抗CD25抗体に連結されたフタロシアニン色素を含むコンジュゲートを対象に投与する工程と;コンジュゲートを投与した後、初代腫瘍に、600nmまたは約600nmから、850nmまたは約850nmの波長で、かつ、25J/cm2もしくは約25J/cm2から、400J/cm2もしくは約400J/cm2、または、2J/ファイバ長cmもしくは約2J/ファイバ長cmから、500J/ファイバ長cmもしくは約500J/ファイバ長cmの線量で照射する工程であって、二次的集団は直接照射されない、工程とを伴い;初代腫瘍および/または二次的集団が、コンジュゲートのみ、コンジュゲートとそれに続く照射のみ、または抗PD-1抗体のみの投与と比較してより大きな程度、阻害される。
【0008】
任意の態様のいくつかでは、阻害は、腫瘍体積、腫瘍寸法または腫瘍質量の20%未満または約20%未満の増加、あるいは腫瘍体積、腫瘍寸法または腫瘍質量の低減、あるいは腫瘍細胞の数の低減の1つまたは複数を含む。任意の態様のいくつかでは、腫瘍体積、腫瘍寸法または腫瘍質量、あるいは腫瘍細胞の数の低減は、30%の低減もしくはそれ以上または約30%の低減もしくはそれ以上を含む。
【0009】
任意の態様のいくつかでは、二次的集団は、転移性腫瘍細胞を含む。任意の態様のいくつかでは、二次的集団は、侵襲性腫瘍細胞を含む。任意の態様のいくつかでは、二次的集団は、転移性腫瘍細胞および侵襲性腫瘍細胞を含む。
【0010】
任意の態様のいくつかでは、免疫チェックポイント阻害剤が、対象に、コンジュゲートと同時に投与される。任意の態様のいくつかでは、コンジュゲートを投与してから24~48時間以内に、免疫チェックポイント阻害剤が対象に投与される。任意の態様のいくつかでは、コンジュゲートを投与してから24時間±4時間以内に、免疫チェックポイント阻害剤が対象に投与される。
【0011】
任意の態様のいくつかでは、免疫チェックポイント阻害剤の第1の用量が、コンジュゲートの投与の前に投与される。任意の態様のいくつかでは、免疫チェックポイント阻害剤の第1の用量が、コンジュゲートの投与の少なくとも1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、8日、9日、10日、11日、12日、13日、14日、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、7週間、8週間、9週間または10週間前に投与される。
【0012】
任意の態様のいくつかでは、免疫チェックポイント阻害剤が、1回、2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回、10回または10回超、対象に投与される。任意の態様のいくつかでは、免疫チェックポイント阻害剤が、コンジュゲートの投与前に、1回、2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回または10回投与され、続いて、コンジュゲートの投与後、対象への免疫チェックポイント阻害剤の投与が、0回、1回、2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回、10回または10回超行われる。任意の態様のいくつかでは、免疫チェックポイント阻害剤が、コンジュゲートの投与と同時に投与され、続いて、コンジュゲートの投与後、対象への免疫チェックポイント阻害剤の投与が、0回、1回、2回、2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回、10回または10回超行われる。任意の態様のいくつかでは、免疫チェックポイント阻害剤が、コンジュゲートの投与後、1回、2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回、10回または10回超、対象に投与される。
【0013】
任意の態様のいくつかでは、抗PD-1抗体が、対象に、コンジュゲートと同時に投与される。任意の態様のいくつかではコンジュゲートを投与してから24~48時間以内に、抗PD-1抗体が対象に、投与される。任意の態様のいくつかでは、コンジュゲートを投与してから24時間±4時間以内に、抗PD-1抗体が対象に投与される。
【0014】
任意の態様のいくつかでは、抗PD-1抗体の第1の用量が、コンジュゲートの投与の前に投与される。任意の態様のいくつかでは、抗PD-1抗体の第1の用量が、コンジュゲートの投与の少なくとも1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、8日、9日、10日、11日、12日、13日、14日、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、7週間、8週間、9週間または10週間前に投与される。
【0015】
任意の態様のいくつかでは、抗PD-1抗体が、1回、2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回、10回または10回超、対象に投与される。任意の態様のいくつかでは、抗PD-1抗体が、コンジュゲートの投与前に、1回、2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回または10回投与され、続いて、コンジュゲートの投与後、対象への抗PD-1抗体の投与が、0回、1回、2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回、10回または10回超行われる。任意の態様のいくつかでは、抗PD-1抗体が、コンジュゲートの投与と同時に投与され、続いて、コンジュゲートの投与後、対象への抗PD-1抗体の投与が、0回、1回、2回、2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回、10回または10回超行われる。任意の態様のいくつかでは、抗PD-1抗体が、コンジュゲートの投与後、1回、2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回、10回または10回超、対象に投与される。
【0016】
任意の態様のいくつかでは、二次的集団は、固形腫瘍中に含まれる。
【0017】
任意の態様のいくつかでは、対象は、完全奏効を示す。
【0018】
任意の態様のいくつかでは、抗CD25抗体は、機能的Fc領域を含む。任意の態様のいくつかでは、抗CD25抗体は、バシリキシマブもしくはダクリズマブ、またはそのバイオシミラー、インターチェンジャブル、バイオベター、コピー生物製剤もしくはバイオジェネリックである。任意の態様のいくつかでは、抗CD25抗体は、バシリキシマブである。
【0019】
任意の態様のいくつかでは、抗PD-1抗体は、ペムブロリズマブ(MK-3475、KEYTRUDA;ランブロリズマブ)、ニボルマブ(OPDIVO)、セミプリマブ(LIBTAYO)、トリパリマブ(JS001)、HX008、SG001、GLS-010、ドスタルリマブ(TSR-042)、チスレリズマブ(BGB-A317)、セトレリマブ(JNJ-63723283)、ピジリズマブ(CT-011)、ゲノリムズマブ(genolimzumab)(APL-501、GB226)、BCD-100、セミプリマブ(REGN2810)、F520、シンチリマブ(IBI308)、CS1003、LZM009、カムレリズマブ(SHR-1210)、SCT-I10A、MGA012、AK105、PF-06801591、AMP-224、AB122、AMG 404、BI 754091、HLX10、JTX-4014、AMP-514(MEDI0680)、Sym021、MGD019、MGD013、AK104、XmAb20717、RO7121661、CX-188、スパルタリズマブ、BCD-217、HX009、IBI308、PDR001、REGN2810、およびTSR-042(ANB011)からなる群より選択される。
【0020】
任意の態様のいくつかでは、フタロシアニン色素は、Si-フタロシアニン色素である。任意の態様のいくつかでは、Si-フタロシアニン色素は、IR700である。
【0021】
任意の態様のいくつかでは、照射は、コンジュゲートを投与した30分~96時間後に行われる。任意の態様のいくつかでは、照射は、コンジュゲートを投与した24時間±4時間後に行われる。任意の態様のいくつかでは、初代腫瘍は、690±40nmの波長で照射される。任意の態様のいくつかでは、初代腫瘍は、50J/cm2もしくは約50J/cm2または100J/ファイバ長cmもしくは約100J/ファイバ長cmの線量で照射される。
【0022】
任意の態様のいくつかでは、該方法および使用はまた、(d)追加の治療剤または抗がん処置を投与する工程も伴う。
【0023】
任意の態様のいくつかでは、工程(a)、(b)、(c)または(d)の1つまたは複数が繰り返される。
【0024】
任意の態様のいくつかでは、がんは、結腸がん、結腸直腸がん、膵臓がん、乳がん、皮膚がん、肺がん、非小細胞肺がん、腎細胞がん、甲状腺がん、前立腺がん、頭頸部がん、消化器がん、胃がん、小腸のがん、紡錘細胞新生物、肝細胞がん、肝臓がん、末梢神経のがん、脳がん、骨格筋のがん、平滑筋のがん、骨がん、脂肪組織のがん、子宮頚がん、子宮がん、生殖器のがん、リンパ腫、および多発性骨髄腫からなる群より選択される。
【0025】
任意の態様のいくつかでは、二次集団は、初代腫瘍が位置する組織または臓器とは異なる、1つ、2つ、3つまたは3つを超える組織または臓器に位置する。
【0026】
いくつかの態様では、初代腫瘍および/または二次的集団は、コンジュゲートとそれに続く照射のみの投与と比較して、および免疫チェックポイント阻害剤のみの投与と比較して、より大きな程度、阻害される。いくつかの態様では、初代腫瘍および/または二次的集団は、コンジュゲートとそれに続く照射のみの投与と比較して、および抗PD-1抗体のみの投与と比較して、より大きな程度、阻害される。
【0027】
本明細書において、がんを有する対象における増強された応答を生じさせるための方法および使用が提供される。任意の態様のいくつかでは、該方法および使用は、免疫チェックポイント阻害剤を、腫瘍を含むがんを有する対象に投与する工程と;抗CD25抗体に連結されたフタロシアニン色素を含むコンジュゲートを対象に投与する工程であって、免疫チェックポイント阻害剤がコンジュゲートの前にまたはそれと同時に投与される、工程と;コンジュゲートを投与した後、腫瘍に、600nmまたは約600nmから、850nmまたは約850nmの波長で、かつ、25J/cm2もしくは約25J/cm2から、400J/cm2もしくは約400J/cm2、または、2J/ファイバ長cmもしくは約2J/ファイバ長cmから、500J/ファイバ長cmもしくは約500J/ファイバ長cmの線量で照射する工程とを伴う。
【0028】
任意の態様のいくつかでは、増強された応答は、コンジュゲートとそれに続く照射および免疫チェックポイント阻害剤の投与の前の対象の全身性免疫と比較した対象の全身性免疫の増強を含み;および/または、増強された応答は、コンジュゲートのみ、コンジュゲートとそれに続く照射のみ、または免疫チェックポイント阻害剤のみの投与と比較した腫瘍の阻害の増強を含む。
【0029】
任意の態様のいくつかでは、免疫チェックポイント阻害剤は、PD-1阻害剤、PD-L1阻害剤またはCTLA-4阻害剤からなる群より選択される。任意の態様のいくつかでは、免疫チェックポイント阻害剤は、抗PD-1抗体、抗PD-L1抗体もしくは抗CTLA-4抗体、またはその抗原結合断片であるか、あるいはそれを含む。任意の態様のいくつかでは、免疫チェックポイント阻害剤は、抗PD-1抗体またはその抗原結合断片であるか、あるいはそれを含む。
【0030】
本明細書において、がんを有する対象における増強された応答を生じさせるための方法および使用が提供される。任意の態様のいくつかでは、該方法および使用は、抗PD-1抗体を、腫瘍を含むがんを有する対象に投与する工程と;抗CD25抗体に連結されたフタロシアニン色素を含むコンジュゲートを対象に投与する工程であって、抗PD-1抗体がコンジュゲートの前にまたはそれと同時に投与される、工程と;コンジュゲートを投与した後、腫瘍に、600nmまたは約600nmから、850nmまたは約850nmの波長で、かつ、25J/cm2もしくは約25J/cm2から、400J/cm2もしくは約400J/cm2、または、2J/ファイバ長cmもしくは約2J/ファイバ長cmから、500J/ファイバ長cmもしくは約500J/ファイバ長cmの線量で照射する工程とを伴い;増強された応答が、コンジュゲートとそれに続く照射および抗PD-1抗体の投与の前の対象の全身性免疫と比較した対象の全身性免疫の増強を含み;および/または、増強された応答が、コンジュゲートのみ、コンジュゲートとそれに続く照射のみ、または抗PD-1抗体のみの投与と比較した腫瘍の阻害の増強を含む。
【0031】
任意の態様のいくつかでは、増強された応答は、相加的または相乗的である。
【0032】
任意の態様のいくつかでは、阻害は、腫瘍体積、腫瘍寸法または腫瘍質量の20%未満または約20%未満の増加、あるいは腫瘍体積、腫瘍寸法または腫瘍質量の低減、あるいは腫瘍細胞の数の低減の1つまたは複数を含む。任意の態様のいくつかでは、腫瘍体積、腫瘍寸法または腫瘍質量、あるいは腫瘍細胞の数の低減は、30%の低減もしくはそれ以上または約30%の低減もしくはそれ以上を含む。
【0033】
任意の態様のいくつかでは、腫瘍は、初代腫瘍および腫瘍細胞の二次的集団を含み、初代腫瘍は照射され、二次的集団は直接照射されない;腫瘍は、初代腫瘍および転移性腫瘍細胞を含み、初代腫瘍は照射され、転移性腫瘍細胞は直接照射されない;および/または、腫瘍は、初代腫瘍および侵襲性腫瘍細胞を含み、初代腫瘍は照射され、侵襲性腫瘍細胞は直接照射されない。
【0034】
任意の態様のいくつかでは、増強された応答は、相乗的応答であり、相乗的応答は、初代腫瘍の成長、腫瘍体積、腫瘍寸法または腫瘍質量の相乗的低減、対象の二次的集団における細胞の数の相乗的低減、転移性または侵襲性腫瘍細胞の成長、腫瘍体積、腫瘍寸法、腫瘍質量または数の相乗的低減、あるいはそれらの任意の組み合わせを含む。
【0035】
任意の態様のいくつかでは、コンジュゲートを投与してから24時間~48時間以内に、免疫チェックポイント阻害剤が対象に投与される。任意の態様のいくつかでは、コンジュゲートを投与してから24時間±4時間以内に、免疫チェックポイント阻害剤が対象に投与される。任意の態様のいくつかでは、免疫チェックポイント阻害剤の第1の用量が、コンジュゲートの投与の前に投与される。任意の態様のいくつかでは、免疫チェックポイント阻害剤の第1の用量が、コンジュゲートの投与の少なくとも1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、8日、9日、10日、11日、12日、13日、14日、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、7週間、8週間、9週間または10週間前に投与される。
【0036】
任意の態様のいくつかでは、コンジュゲートを投与してから24時間~48時間以内に、抗PD-1抗体が対象に投与される。任意の態様のいくつかでは、コンジュゲートを投与してから24時間±4時間以内に、抗PD-1抗体が対象に投与される。任意の態様のいくつかでは、抗PD-1抗体の第1の用量が、コンジュゲートの投与の前に投与される。任意の態様のいくつかでは、抗PD-1抗体の第1の用量が、コンジュゲートの投与の少なくとも1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、8日、9日、10日、11日、12日、13日、14日、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、7週間、8週間、9週間または10週間前に投与される。
【0037】
任意の態様のいくつかでは、全身性免疫は、細胞傷害性Tリンパ球(CTL)活性アッセイ、腫瘍内T細胞疲弊アッセイ、腫瘍内エフェクターT細胞増殖アッセイ、T細胞受容体多様性アッセイ、活性化CD8+ T細胞アッセイ、循環制御性T細胞(Treg)アッセイ、腫瘍内Tregアッセイ、またはCD8+ T細胞:Tregアッセイの1つまたは複数によって測定される。任意の態様のいくつかでは、全身性免疫は、任意で対象における初代腫瘍の照射後4日目~28日目に対象から収集された、脾細胞または末梢血細胞または骨髄細胞またはリンパ節細胞を使用したCTL活性アッセイによって測定される。任意の態様のいくつかでは、全身性免疫は、任意で対象における初代腫瘍の照射後4日目~28日目に対象から収集された、初代腫瘍または転移性腫瘍細胞塊または侵襲性腫瘍細胞塊から収集されたT細胞を使用した腫瘍内T細胞疲弊アッセイによって測定される。任意の態様のいくつかでは、全身性免疫は、任意で対象における初代腫瘍の照射後4日目~28日目に対象から収集された、初代腫瘍または転移性腫瘍細胞塊または侵襲性腫瘍細胞塊から収集されたT細胞を使用した腫瘍内エフェクターT細胞増殖アッセイによって測定される。任意の態様のいくつかでは、全身性免疫は、任意で対象における初代腫瘍の照射後4日目~28日目に対象から収集された、初代腫瘍または転移性腫瘍細胞塊または侵襲性腫瘍細胞塊または末梢循環から収集されたT細胞を使用したT細胞受容体多様性アッセイによって測定される。
【0038】
任意の態様のいくつかでは、全身性免疫は、任意で対象における初代腫瘍の照射後4日目~28日目に対象から収集された、初代腫瘍または転移性腫瘍細胞塊または侵襲性腫瘍細胞塊からの腫瘍中の制御性T細胞(Treg)の存在、数もしくは頻度および/または腫瘍内Treg細胞と腫瘍内CD8+ T細胞もしくは腫瘍内CD4+ T細胞の比を決定することによって測定される。
【0039】
任意の態様のいくつかでは、抗CD25抗体は、機能的Fc領域を含む。任意の態様のいくつかでは、抗CD25抗体は、バシリキシマブもしくはダクリズマブ、またはそのバイオシミラー、インターチェンジャブル、バイオベター、コピー生物製剤もしくはバイオジェネリックである。任意の態様のいくつかでは、抗CD25抗体は、バシリキシマブである。
【0040】
任意の態様のいくつかでは、抗PD-1抗体は、ペムブロリズマブ(MK-3475、KEYTRUDA;ランブロリズマブ)、ニボルマブ(OPDIVO)、セミプリマブ(LIBTAYO)、トリパリマブ(JS001)、HX008、SG001、GLS-010、ドスタルリマブ(TSR-042)、チスレリズマブ(BGB-A317)、セトレリマブ(JNJ-63723283)、ピジリズマブ(CT-011)、ゲノリムズマブ(APL-501、GB226)、BCD-100、セミプリマブ(REGN2810)、F520、シンチリマブ(IBI308)、CS1003、LZM009、カムレリズマブ(SHR-1210)、SCT-I10A、MGA012、AK105、PF-06801591、AMP-224、AB122、AMG 404、BI 754091、HLX10、JTX-4014、AMP-514(MEDI0680)、Sym021、MGD019、MGD013、AK104、XmAb20717、RO7121661、CX-188、スパルタリズマブ、BCD-217、HX009、IBI308、PDR001、REGN2810、およびTSR-042(ANB011)からなる群より選択される。
【0041】
任意の態様のいくつかでは、免疫チェックポイント阻害剤が、1回、2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回、10回または10回超、対象に投与される。任意の態様のいくつかでは、抗PD-1抗体が、1回、2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回、10回または10回超、対象に投与される。
【0042】
任意の態様のいくつかでは、フタロシアニン色素は、Si-フタロシアニン色素である。任意の態様のいくつかでは、Si-フタロシアニン色素は、IR700である。
【0043】
任意の態様のいくつかでは、照射は、コンジュゲートを投与した30分~96時間後に行われる。任意の態様のいくつかでは、照射は、コンジュゲートを投与した24時間±4時間後に行われる。任意の態様のいくつかでは、腫瘍は、690±40nmの波長で照射される。任意の態様のいくつかでは、腫瘍は、50J/cm2もしくは約50J/cm2または100J/ファイバ長cmもしくは約100J/ファイバ長cmの線量で照射される。
【0044】
任意の態様のいくつかでは、該方法および使用はまた、(d)追加の治療剤または抗がん処置を投与する工程も伴う。
【0045】
任意の態様のいくつかでは、工程(a)、(b)、(c)または(d)の1つまたは複数が繰り返される。
【0046】
任意の態様のいくつかでは、がんは、結腸がん、結腸直腸がん、膵臓がん、乳がん、皮膚がん、肺がん、非小細胞肺がん、腎細胞がん、甲状腺がん、前立腺がん、頭頸部がん、消化器がん、胃がん、小腸のがん、紡錘細胞新生物、肝細胞がん、肝臓がん、末梢神経のがん、脳がん、骨格筋のがん、平滑筋のがん、骨がん、脂肪組織のがん、子宮頚がん、子宮がん、生殖器のがん、リンパ腫、および多発性骨髄腫からなる群より選択される。
【0047】
任意の態様のいくつかでは、増強された応答は、コンジュゲートとそれに続く照射のみの投与と比較して、および免疫チェックポイント阻害剤のみの投与と比較して、相加的応答または相乗的応答を含む。任意の態様のいくつかでは、増強された応答は、コンジュゲートとそれに続く照射のみの投与と比較して、および抗PD-1抗体のみの投与と比較して、相加的応答または相乗的応答を含む。
【0048】
いくつかの態様では、光免疫療法、例えば、感光性フタロシアニン色素-ターゲティング分子コンジュゲートを用いた光免疫療法を使用した、対象におけるがんを処置するための方法が提供される。いくつかの態様では、該方法は、がん、例えば、初代腫瘍もしくは原発腫瘍と侵襲性腫瘍細胞および/または転移性腫瘍細胞を含むがんを有する対象に、腫瘍微小環境に存在する細胞の表面上のCD25タンパク質に結合する抗体またはその抗原結合断片などのターゲティング分子に連結されたフタロシアニン色素を含有するコンジュゲートを投与する工程を含む。いくつかの態様では、コンジュゲートは、単独でまたは免疫チェックポイント阻害剤(ICI)と組み合わせて投与される。いくつかの態様では、コンジュゲートを投与した後、初代腫瘍または原発腫瘍に、500から900nmの波長で、少なくとも1J/cm2または1J/ファイバ長cmの線量で照射され、それにより対象における腫瘍が処置される。いくつかの態様では、照射のための波長は、600nmから850nm、例えば、660nmから740nmである。
【0049】
いくつかの態様では、がんは、初代腫瘍もしくは原発腫瘍または多発性初代腫瘍もしくは原発腫瘍、侵襲性腫瘍細胞および/または転移性腫瘍細胞を含む。
【0050】
がんを処置するための方法および使用が提供される。任意の態様のいくつかでは、該方法および使用は、(a)初代腫瘍または原発腫瘍および転移性腫瘍細胞を含むがんを有する対象に、ターゲティング分子に連結されたフタロシアニン色素を含むコンジュゲートであって、ターゲティング分子がCD25に結合するコンジュゲートを投与する工程と、(b)免疫チェックポイント阻害剤を対象に投与する工程と、(c)コンジュゲートを投与した後、初代腫瘍または原発腫瘍に、600nmまたは約600nmから、850nmまたは約850nmの波長で、かつ、25J/cm2もしくは約25J/cm2から、400J/cm2もしくは約400J/cm2、または、2J/ファイバ長cmもしくは約2J/ファイバ長cmから、500J/ファイバ長cmもしくは約500J/ファイバ長cmの線量で照射する工程とを伴い、対象における初代腫瘍または原発腫瘍および転移性腫瘍細胞の一方または両方の成長および/またはその体積の増加が阻害される。任意の態様のいくつかでは、転移性腫瘍細胞は直接照射されない。
【0051】
任意の態様のいくつかでは、転移性腫瘍細胞は、固形腫瘍中に含まれる。任意の態様のいくつかでは、初代腫瘍もしくは原発腫瘍、転移性腫瘍細胞または両方の成長阻害は、コンジュゲートおよび免疫チェックポイント阻害剤の一方のみの投与と比較して相乗的である。
【0052】
任意の態様のいくつかでは、対象は、完全奏効を示す。
【0053】
任意の態様のいくつかでは、ターゲティング分子は、抗体またはその抗原結合断片であるか、あるいは抗原結合断片を含む。任意の態様のいくつかでは、抗体は、抗CD25抗体である。任意の態様のいくつかでは、抗CD25抗体は、機能的Fc領域を含む。任意の態様のいくつかでは、抗CD25抗体は、バシリキシマブもしくはダクリズマブ、またはそのバイオシミラー、インターチェンジャブル、バイオベター、コピー生物製剤もしくはバイオジェネリックである。任意の態様のいくつかでは、抗CD25抗体は、バシリキシマブである。
【0054】
任意の態様のいくつかでは、免疫チェックポイント阻害剤は、PD-1阻害剤、PD-L1阻害剤またはCTLA-4阻害剤からなる群より選択される。任意の態様のいくつかでは、免疫チェックポイント阻害剤は、抗PD-1抗体、抗PD-L1抗体もしくは抗CTLA-4抗体、またはその抗原結合断片であるか、あるいはそれを含む。
【0055】
任意の態様のいくつかでは、免疫チェックポイント阻害剤は、抗PD-1抗体またはその抗原結合断片であるか、あるいはそれを含む。任意の態様のいくつかでは、抗PD-1抗体は、ペムブロリズマブ(MK-3475、KEYTRUDA)、ニボルマブ(OPDIVO)、セミプリマブ(LIBTAYO)、トリパリマブ(JS001)、HX008、SG001、GLS-010、ドスタルリマブ(TSR-042)、チスレリズマブ(BGB-A317)、セトレリマブ(JNJ-63723283)、ピジリズマブ(CT-011)、ゲノリムズマブ(APL-501、GB226)、BCD-100、セミプリマブ(REGN2810)、F520、シンチリマブ(IBI308)、GLS-010、CS1003、LZM009、カムレリズマブ(SHR-1210)、SCT-I10A、MGA012、AK105、PF-06801591、AMP-224、AB122、AMG 404、BI 754091、HLX10、JTX-4014、MEDI0680、Sym021、MGD019、MGD013、AK104、XmAb20717、RO7121661、CX-188、およびスパルタリズマブからなる群より選択される。
【0056】
任意の態様のいくつかでは、抗PD-L1抗体は、アテゾリズマブ(MPDL3280A、Tecentriq)、アベルマブ(BAVENCIO)、デュルバルマブ(MEDI4736、IMFINZI)、LDP、NM-01、STI-3031、KN035、LY3300054、M7824(MSB0011359C)、BMS-936559、MSB2311、BCD-135、BGB-A333、CBT-502、コシベリマブ(CK-301)、CS1001、FAZ053、MDX-1105、SHR-1316、TG-1501、ZKAB001、INBRX-105、MCLA-145、KN046、LY3415244、REGN3504、およびHLX20からなる群より選択される。
【0057】
任意の態様のいくつかでは、抗CTLA-4抗体は、イピリムマブ(YERVOY)、トレメリムマブ、AGEN1181、AGEN1884、ADU-1064、BCD-145、およびBCD-217からなる群より選択される。
【0058】
任意の態様のいくつかでは、コンジュゲートが、対象に、免疫チェックポイント阻害剤の投与の前に、それと同時に、またはその後に投与される。
【0059】
任意の態様のいくつかでは、免疫チェックポイント阻害剤が、1回、2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回、10回または10回超、対象に投与される。任意の態様のいくつかでは、免疫チェックポイント阻害剤が、コンジュゲートの投与前に、1回、2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回または10回投与され、続いて、コンジュゲートの投与後、対象への免疫チェックポイント阻害剤の投与が、0回、1回、2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回、10回または10回超行われる。任意の態様のいくつかでは、免疫チェックポイント阻害剤が、コンジュゲートの投与と同時に投与され、続いて、コンジュゲートの投与後、対象への免疫チェックポイント阻害剤の投与が、0回、1回、2回、2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回、10回または10回超行われる。任意の態様のいくつかでは、免疫チェックポイント阻害剤が、コンジュゲートの投与後、1回、2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回、10回または10回超、対象に投与される。
【0060】
任意の態様のいくつかでは、フタロシアニン色素は、Si-フタロシアニン色素である。任意の態様のいくつかでは、Si-フタロシアニン色素は、IR700である。
【0061】
任意の態様のいくつかでは、照射は、コンジュゲートを投与した30分~96時間後に行われる。任意の態様のいくつかでは、照射は、コンジュゲートを投与した24時間±4時間後に行われる。任意の態様のいくつかでは、初代腫瘍または原発腫瘍は、690±40nmの波長で照射される。任意の態様のいくつかでは、初代腫瘍または原発腫瘍は、50J/cm2もしくは約50J/cm2または100J/ファイバ長cmもしくは約100J/ファイバ長cmの線量で照射される。
【0062】
任意の態様のいくつかでは、工程(a)、(b)または(c)の1つまたは複数が繰り返される。
【0063】
任意の態様のいくつかでは、提供される方法または使用はさらに、(d)追加の治療剤または抗がん処置を投与する工程を伴う。
【0064】
任意の態様のいくつかでは、がんは、結腸がん、結腸直腸がん、膵臓がん、乳がん、皮膚がん、肺がん、非小細胞肺がん、腎細胞がん、甲状腺がん、前立腺がん、頭頸部がん、消化器がん、胃がん、小腸のがん、紡錘細胞新生物、肝細胞がん、肝臓がん、末梢神経のがん、脳がん、骨格筋のがん、平滑筋のがん、骨がん、脂肪組織のがん、子宮頚がん、子宮がん、生殖器のがん、リンパ腫、および多発性骨髄腫からなる群より選択される。任意の態様のいくつかでは、転移性腫瘍細胞は、初代腫瘍または原発腫瘍が位置する組織または臓器とは異なる、1つ、2つ、3つまたは3つを超える組織または臓器に位置する。
【0065】
(1)初代腫瘍または原発腫瘍および侵襲性腫瘍細胞を含むがんを有する対象に、ターゲティング分子に連結されたフタロシアニン色素を含むコンジュゲートであって、ターゲティング分子がCD25に結合するコンジュゲートを投与する工程と、(2)免疫チェックポイント阻害剤を対象に投与する工程と、(3)コンジュゲートを投与した後、初代腫瘍または原発腫瘍に、600nmまたは約600nmから、850nmまたは約850nmの波長で、かつ、25J/cm2もしくは約25J/cm2から、400J/cm2もしくは約400J/cm2、または、2J/ファイバ長cmもしくは約2J/ファイバ長cmから、500J/ファイバ長cmもしくは約500J/ファイバ長cmの線量で照射する工程とを伴い、対象における初代腫瘍または原発腫瘍および侵襲性腫瘍細胞の一方または両方の成長および/またはその体積の増加が阻害される、がんを処置するための方法および使用が提供される。任意の態様のいくつかでは、侵襲性腫瘍細胞は直接照射されない。
【0066】
がんを処置するための方法および使用が提供される。任意の態様のいくつかでは、該方法および使用は、侵襲性腫瘍細胞が固形腫瘍中に含まれることを伴う。
【0067】
任意の態様のいくつかでは、初代腫瘍もしくは原発腫瘍、侵襲性腫瘍細胞または両方の成長阻害は、コンジュゲートおよび免疫チェックポイント阻害剤の一方のみの投与と比較して相乗的である。
【0068】
任意の態様のいくつかでは、対象は、完全奏効を示す。
【0069】
任意の態様のいくつかでは、ターゲティング分子は、抗体またはその抗原結合断片であるか、あるいは抗原結合断片を含む。任意の態様のいくつかでは、抗体は、抗CD25抗体である。任意の態様のいくつかでは、抗CD25抗体は、機能的Fc領域を含む。任意の態様のいくつかでは、抗CD25抗体は、バシリキシマブもしくはダクリズマブ、またはそのバイオシミラー、インターチェンジャブル、バイオベター、コピー生物製剤もしくはバイオジェネリックである。任意の態様のいくつかでは、抗CD25抗体は、バシリキシマブである。
【0070】
任意の態様のいくつかでは、免疫チェックポイント阻害剤は、PD-1阻害剤、PD-L1阻害剤またはCTLA-4阻害剤からなる群より選択される。任意の態様のいくつかでは、免疫チェックポイント阻害剤は、抗PD-1抗体、抗PD-L1抗体もしくは抗CTLA-4抗体、またはその抗原結合断片であるか、あるいはそれを含む。
【0071】
任意の態様のいくつかでは、免疫チェックポイント阻害剤は、抗PD-1抗体またはその抗原結合断片であるか、あるいはそれを含む。がんを処置するための方法および使用が提供される。任意の態様のいくつかでは、該方法および使用は、抗PD-1抗体が、ペムブロリズマブ(MK-3475、KEYTRUDA)、ニボルマブ(OPDIVO)、セミプリマブ(LIBTAYO)、トリパリマブ(JS001)、HX008、SG001、GLS-010、ドスタルリマブ(TSR-042)、チスレリズマブ(BGB-A317)、セトレリマブ(JNJ-63723283)、ピジリズマブ(CT-011)、ゲノリムズマブ(APL-501、GB226)、BCD-100、セミプリマブ(REGN2810)、F520、シンチリマブ(IBI308)、GLS-010、CS1003、LZM009、カムレリズマブ(SHR-1210)、SCT-I10A、MGA012、AK105、PF-06801591、AMP-224、AB122、AMG 404、BI 754091、HLX10、JTX-4014、MEDI0680、Sym021、MGD019、MGD013、AK104、XmAb20717、RO7121661、CX-188、およびスパルタリズマブからなる群より選択されることを伴う。
【0072】
任意の態様のいくつかでは、抗PD-L1抗体は、アテゾリズマブ(MPDL3280A、Tecentriq)、アベルマブ(BAVENCIO)、デュルバルマブ(MEDI4736、IMFINZI)、LDP、NM-01、STI-3031、KN035、LY3300054、M7824(MSB0011359C)、BMS-936559、MSB2311、BCD-135、BGB-A333、CBT-502、コシベリマブ(CK-301)、CS1001、FAZ053、MDX-1105、SHR-1316、TG-1501、ZKAB001、INBRX-105、MCLA-145、KN046、LY3415244、REGN3504、およびHLX20からなる群より選択される。
【0073】
任意の態様のいくつかでは、抗CTLA-4抗体は、イピリムマブ(YERVOY)、トレメリムマブ、AGEN1181、AGEN1884、ADU-1064、BCD-145、およびBCD-217からなる群より選択される。
【0074】
がんを処置するための方法および使用が提供される。任意の態様のいくつかでは、該方法および使用は、コンジュゲートが、対象に、免疫チェックポイント阻害剤の投与の前に、それと同時に、またはその後に投与されることを伴う。
【0075】
任意の態様のいくつかでは、免疫チェックポイント阻害剤が、1回、2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回、10回または10回超、対象に投与される。任意の態様のいくつかでは、免疫チェックポイント阻害剤が、コンジュゲートの投与前に、1回、2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回または10回投与され、続いて、コンジュゲートの投与後、対象への免疫チェックポイント阻害剤の投与が、0回、1回、2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回、10回または10回超行われる。任意の態様のいくつかでは、免疫チェックポイント阻害剤が、コンジュゲートの投与と同時に投与され、続いて、コンジュゲートの投与後、対象への免疫チェックポイント阻害剤の投与が、0回、1回、2回、2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回、10回または10回超行われる。任意の態様のいくつかでは、免疫チェックポイント阻害剤が、コンジュゲートの投与後、1回、2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回、10回または10回超、対象に投与される。
【0076】
任意の態様のいくつかでは、フタロシアニン色素は、Si-フタロシアニン色素である。任意の態様のいくつかでは、Si-フタロシアニン色素は、IR700である。
【0077】
任意の態様のいくつかでは、照射は、コンジュゲートを投与した30分~96時間後に行われる。任意の態様のいくつかでは、照射は、コンジュゲートを投与した24時間±4時間後に行われる。
【0078】
任意の態様のいくつかでは、初代腫瘍または原発腫瘍は、690±40nmの波長で照射される。任意の態様のいくつかでは、初代腫瘍または原発腫瘍は、50J/cm2もしくは約50J/cm2または100J/ファイバ長cmもしくは約100J/ファイバ長cmの線量で照射される。
【0079】
任意の態様のいくつかでは、工程(1)、(2)または(3)の1つまたは複数が繰り返される。
【0080】
任意の態様のいくつかでは、提供される方法および使用はまた、(4)追加の治療剤または抗がん処置を投与する工程も伴う。
【0081】
任意の態様のいくつかでは、がんは、結腸がん、結腸直腸がん、膵臓がん、乳がん、皮膚がん、肺がん、非小細胞肺がん、腎細胞がん、甲状腺がん、前立腺がん、頭頸部がん、消化器がん、胃がん、小腸のがん、紡錘細胞新生物、肝細胞がん、肝臓がん、末梢神経のがん、脳がん、骨格筋のがん、平滑筋のがん、骨がん、脂肪組織のがん、子宮頚がん、子宮がん、生殖器のがん、リンパ腫、および多発性骨髄腫からなる群より選択される。
【0082】
また、腫瘍を有する対象における全身性免疫を増強するための方法および使用も提供される。任意の態様のいくつかでは、該方法および使用は、(a)腫瘍を有する対象に、抗CD25抗体に連結されたフタロシアニン色素を含むコンジュゲートを投与する工程と、(b)免疫チェックポイント阻害剤を対象に投与する工程と、(c)コンジュゲートを投与した後、腫瘍に、600nmまたは約600nmから、850nmまたは約850nmの波長で、かつ、25J/cm2もしくは約25J/cm2から、400J/cm2もしくは約400J/cm2、または、2J/ファイバ長cmもしくは約2J/ファイバ長cmから、500J/ファイバ長cmもしくは約500J/ファイバ長cmの線量で照射する工程とを伴い、対象の全身性免疫が、コンジュゲートおよび免疫チェックポイント阻害剤の投与の前の対象の全身性免疫と比較して増強される。
【0083】
任意の態様のいくつかでは、全身性免疫は、細胞傷害性Tリンパ球(CTL)活性アッセイ、腫瘍内T細胞疲弊アッセイ、腫瘍内エフェクターT細胞増殖アッセイ、またはT細胞受容体多様性アッセイの1つまたは複数によって測定される。
【0084】
任意の態様のいくつかでは、腫瘍は、初代腫瘍または原発腫瘍および転移性腫瘍細胞を含み、初代腫瘍または原発腫瘍は照射され、転移性腫瘍細胞は直接照射されない;または腫瘍は、初代腫瘍または原発腫瘍および侵襲性腫瘍細胞を含み、初代腫瘍または原発腫瘍は照射され、侵襲性腫瘍細胞は直接照射されない。
【0085】
任意の態様のいくつかでは、全身性免疫は、任意で対象における初代腫瘍または原発腫瘍の照射後4日目~28日目に対象から収集された、脾細胞または末梢血細胞または骨髄細胞またはリンパ節細胞を使用したCTL活性アッセイによって測定される。
【0086】
任意の態様のいくつかでは、全身性免疫は、任意で対象における初代腫瘍または原発腫瘍の照射後4日目~28日目に対象から収集された、初代腫瘍もしくは原発腫瘍または転移性腫瘍細胞塊または侵襲性腫瘍細胞塊から収集されたT細胞を使用した腫瘍内T細胞疲弊アッセイによって測定される。
【0087】
任意の態様のいくつかでは、全身性免疫は、任意で対象における初代腫瘍または原発腫瘍の照射後4日目~28日目に対象から収集された、初代腫瘍もしくは原発腫瘍または転移性腫瘍細胞塊または侵襲性腫瘍細胞塊から収集されたT細胞を使用した腫瘍内エフェクターT細胞増殖アッセイによって測定される。
【0088】
任意の態様のいくつかでは、全身性免疫は、任意で対象における初代腫瘍または原発腫瘍の照射後4日目~28日目に対象から収集された、初代腫瘍もしくは原発腫瘍または転移性腫瘍細胞塊または侵襲性腫瘍細胞塊または末梢循環から収集されたT細胞を使用したT細胞受容体多様性アッセイによって測定される。
【0089】
任意の態様のいくつかでは、全身性免疫は、任意で対象における初代腫瘍または原発腫瘍の照射後4日目~28日目に対象から収集された、初代腫瘍もしくは原発腫瘍または転移性腫瘍細胞塊または侵襲性腫瘍細胞塊からの腫瘍中の制御性T細胞(Treg)の存在、数もしくは頻度および/または腫瘍内Treg細胞と腫瘍内CD8+ T細胞もしくは腫瘍内CD4+ T細胞の比を決定することによって測定される。
【0090】
任意の態様のいくつかでは、抗CD25抗体は、機能的Fc領域を含む。任意の態様のいくつかでは、抗CD25抗体は、バシリキシマブもしくはダクリズマブ、またはそのバイオシミラー、インターチェンジャブル、バイオベター、コピー生物製剤もしくはバイオジェネリックである。任意の態様のいくつかでは、抗CD25抗体は、バシリキシマブである。任意の態様のいくつかでは、免疫チェックポイント阻害剤は、抗PD-1抗体、抗PD-L1抗体もしくは抗CTLA-4抗体、またはその抗原結合断片であるか、あるいはそれを含む。
【0091】
任意の態様のいくつかでは、免疫チェックポイント阻害剤は、抗PD-1抗体またはその抗原結合断片であるか、あるいはそれを含む。任意の態様のいくつかでは、抗PD-1抗体は、ペムブロリズマブ(MK-3475、KEYTRUDA;ランブロリズマブ)、ニボルマブ(OPDIVO)、セミプリマブ(LIBTAYO)、トリパリマブ(JS001)、HX008、SG001、GLS-010、ドスタルリマブ(TSR-042)、チスレリズマブ(BGB-A317)、セトレリマブ(JNJ-63723283)、ピジリズマブ(CT-011)、ゲノリムズマブ(APL-501、GB226)、BCD-100、セミプリマブ(REGN2810)、F520、シンチリマブ(IBI308)、GLS-010、CS1003、LZM009、カムレリズマブ(SHR-1210)、SCT-I10A、MGA012、AK105、PF-06801591、AMP-224、AB122、AMG 404、BI 754091、HLX10、JTX-4014、AMP-514(MEDI0680)、Sym021、MGD019、MGD013、AK104、XmAb20717、RO7121661、CX-188、スパルタリズマブ、BCD-217、HX009、IBI308、PDR001、REGN2810、およびTSR-042(ANB011)からなる群より選択される。
【0092】
任意の態様のいくつかでは、抗PD-L1抗体は、アテゾリズマブ(MPDL3280A、Tecentriq)、アベルマブ(BAVENCIO)、デュルバルマブ(MEDI4736、IMFINZI)、LDP、NM-01、STI-3031、KN035、LY3300054、M7824(MSB0011359C)、BMS-936559、MSB2311、BCD-135、BGB-A333、CBT-502、コシベリマブ(CK-301)、CS1001、FAZ053、MDX-1105、SHR-1316、TG-1501、ZKAB001、INBRX-105、MCLA-145、KN046、LY3415244、REGN3504、およびHLX20からなる群より選択される。
【0093】
任意の態様のいくつかでは、抗CTLA-4抗体は、イピリムマブ(YERVOY)、トレメリムマブ、AGEN1181、AGEN1884、ADU-1064、BCD-145、およびBCD-217からなる群より選択される。
【0094】
任意の態様のいくつかでは、コンジュゲートが、対象に、免疫チェックポイント阻害剤の投与の前に、それと同時に、またはその後に投与される。任意の態様のいくつかでは、免疫チェックポイント阻害剤が、1回、2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回、10回または10回超、対象に投与される。
【0095】
任意の態様のいくつかでは、フタロシアニン色素は、Si-フタロシアニン色素である。任意の態様のいくつかでは、Si-フタロシアニン色素は、IR700である。
【0096】
任意の態様のいくつかでは、照射は、コンジュゲートおよび免疫チェックポイント阻害剤を投与した30分~96時間後に行われる。任意の態様のいくつかでは、照射は、コンジュゲートおよび免疫チェックポイント阻害剤を投与した24時間±4時間後に行われる。
【0097】
任意の態様のいくつかでは、腫瘍は、690±40nmの波長で照射される。任意の態様のいくつかでは、腫瘍は、50J/cm2もしくは約50J/cm2または100J/ファイバ長cmもしくは約100J/ファイバ長cmの線量で照射される。
【0098】
任意の態様のいくつかでは、工程(a)、(b)、(c)または(d)の1つまたは複数が繰り返される。
【0099】
任意の態様のいくつかでは、腫瘍は、結腸がん、結腸直腸がん、膵臓がん、乳がん、皮膚がん、肺がん、非小細胞肺がん、腎細胞がん、甲状腺がん、前立腺がん、頭頸部がん、消化器がん、胃がん、小腸のがん、紡錘細胞新生物、肝細胞がん、肝臓がん、末梢神経のがん、脳がん、骨格筋のがん、平滑筋のがん、骨がん、脂肪組織のがん、子宮頚がん、子宮がん、生殖器のがん、リンパ腫、および多発性骨髄腫からなる群より選択される。
【0100】
また、対象における相乗的応答を生じさせるための方法および使用も提供される。いくつかの態様では、該方法および使用は、(1)初代腫瘍または原発腫瘍を含むがんを有する対象に、ターゲティング分子に連結されたフタロシアニン色素を含むコンジュゲートであって、ターゲティング分子がCD25に結合するコンジュゲートを投与する工程と、(2)免疫チェックポイント阻害剤を対象に投与する工程と、(3)コンジュゲートを投与した後、初代腫瘍または原発腫瘍に、600nmまたは約600nmから、850nmまたは約850nmの波長で、かつ、25J/cm2もしくは約25J/cm2から、400J/cm2もしくは約400J/cm2、または、2J/ファイバ長cmもしくは約2J/ファイバ長cmから、500J/ファイバ長cmもしくは約500J/ファイバ長cmの線量で照射する工程とを伴い、初代腫瘍または原発腫瘍の成長および/またはその体積の増加が、コンジュゲートのみまたは免疫チェックポイント阻害剤のみの投与と比較して相乗的に低減される。
【0101】
任意の態様のいくつかでは、がんは、転移性腫瘍細胞をさらに含み、転移性腫瘍細胞の成長および/またはその体積の増加が、コンジュゲートのみまたは免疫チェックポイント阻害剤のみの投与と比較して低減される。任意の態様のいくつかでは、転移性腫瘍細胞の成長またはその体積の増加の低減は、相乗的である。
【0102】
任意の態様のいくつかでは、がんは、侵襲性腫瘍細胞をさらに含み、侵襲性腫瘍細胞の成長および/またはその体積の増加が、コンジュゲートのみまたは免疫チェックポイント阻害剤のみの投与と比較して低減される。任意の態様のいくつかでは、侵襲性腫瘍細胞の成長またはその体積の増加の低減は、相乗的である。
【0103】
任意の態様のいくつかでは、ターゲティング分子は、抗体またはその抗原結合断片であるか、あるいは抗原結合断片を含む。任意の態様のいくつかでは、抗体は、抗CD25抗体である。任意の態様のいくつかでは、抗CD25抗体は、機能的Fc領域を含む。いくつかの態様では、抗CD25抗体は、抗体断片である。任意の態様のいくつかでは、抗CD25抗体は、バシリキシマブもしくはダクリズマブ、またはそのバイオシミラー、インターチェンジャブル、バイオベター、コピー生物製剤もしくはバイオジェネリックである。任意の態様のいくつかでは、抗CD25抗体は、バシリキシマブである。任意の態様のいくつかでは、免疫チェックポイント阻害剤は、PD-1阻害剤、PD-L1阻害剤またはCTLA-4阻害剤からなる群より選択される。任意の態様のいくつかでは、免疫チェックポイント阻害剤は、抗PD-1抗体、抗PD-L1抗体もしくは抗CTLA-4抗体、またはその抗原結合断片であるか、あるいはそれを含む。
【0104】
任意の態様のいくつかでは、免疫チェックポイント阻害剤は、抗PD-1抗体またはその抗原結合断片であるか、あるいはそれを含む。任意の態様のいくつかでは、抗PD-1抗体は、ペムブロリズマブ(MK-3475、KEYTRUDA;ランブロリズマブ)、ニボルマブ(OPDIVO)、セミプリマブ(LIBTAYO)、トリパリマブ(JS001)、HX008、SG001、GLS-010、ドスタルリマブ(TSR-042)、チスレリズマブ(BGB-A317)、セトレリマブ(JNJ-63723283)、ピジリズマブ(CT-011)、ゲノリムズマブ(APL-501、GB226)、BCD-100、セミプリマブ(REGN2810)、F520、シンチリマブ(IBI308)、GLS-010、CS1003、LZM009、カムレリズマブ(SHR-1210)、SCT-I10A、MGA012、AK105、PF-06801591、AMP-224、AB122、AMG 404、BI 754091、HLX10、JTX-4014、AMP-514(MEDI0680)、Sym021、MGD019、MGD013、AK104、XmAb20717、RO7121661、CX-188、スパルタリズマブ、BCD-217、HX009、IBI308、PDR001、REGN2810、およびTSR-042(ANB011)からなる群より選択される。
【0105】
任意の態様のいくつかでは、抗PD-L1抗体は、アテゾリズマブ(MPDL3280A、Tecentriq)、アベルマブ(BAVENCIO)、デュルバルマブ(MEDI4736、IMFINZI)、LDP、NM-01、STI-3031、KN035、LY3300054、M7824(MSB0011359C)、BMS-936559、MSB2311、BCD-135、BGB-A333、CBT-502、コシベリマブ(CK-301)、CS1001、FAZ053、MDX-1105、SHR-1316、TG-1501、ZKAB001、INBRX-105、MCLA-145、KN046、LY3415244、REGN3504、およびHLX20からなる群より選択される。
【0106】
任意の態様のいくつかでは、抗CTLA-4抗体は、イピリムマブ(YERVOY)、トレメリムマブ、AGEN1181、AGEN1884、ADU-1064、BCD-145、およびBCD-217からなる群より選択される。
【0107】
任意の態様のいくつかでは、コンジュゲートが、対象に、免疫チェックポイント阻害剤の投与の前に、それと同時に、またはその後に投与される。任意の態様のいくつかでは、免疫チェックポイント阻害剤が、1回、2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回、10回または10回超、対象に投与される。任意の態様のいくつかでは、免疫チェックポイント阻害剤が、コンジュゲートの投与前に、1回、2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回または10回投与され、続いて、コンジュゲートの投与後、対象への免疫チェックポイント阻害剤の投与が、0回、1回、2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回、10回または10回超行われる。任意の態様のいくつかでは、免疫チェックポイント阻害剤が、コンジュゲートの投与と同時に投与され、続いて、コンジュゲートの投与後、対象への免疫チェックポイント阻害剤の投与が、0回、1回、2回、2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回、10回または10回超行われる。任意の態様のいくつかでは、免疫チェックポイント阻害剤が、コンジュゲートの投与後、1回、2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回、10回または10回超、対象に投与される。
【0108】
任意の態様のいくつかでは、フタロシアニン色素は、Si-フタロシアニン色素である。任意の態様のいくつかでは、Si-フタロシアニン色素は、IR700である。
【0109】
任意の態様のいくつかでは、照射は、コンジュゲートを投与した30分~96時間後に行われる。任意の態様のいくつかでは、照射は、コンジュゲートを投与した24時間±4時間後に行われる。
【0110】
任意の態様のいくつかでは、初代腫瘍または原発腫瘍は、690±40nmの波長で照射される。任意の態様のいくつかでは、初代腫瘍または原発腫瘍は、50J/cm2もしくは約50J/cm2または100J/ファイバ長cmもしくは約100J/ファイバ長cmの線量で照射される。
【0111】
任意の態様のいくつかでは、工程(1)、(2)および(3)の1つまたは複数が繰り返される。
【0112】
任意の態様のいくつかでは、該方法および使用はまた、(4)追加の治療剤または抗がん処置を投与する工程も伴う。
【0113】
任意の態様のいくつかでは、がんは、結腸がん、結腸直腸がん、膵臓がん、乳がん、皮膚がん、肺がん、非小細胞肺がん、腎細胞がん、甲状腺がん、前立腺がん、頭頸部がん、消化器がん、胃がん、小腸のがん、紡錘細胞新生物、肝細胞がん、肝臓がん、末梢神経のがん、脳がん、骨格筋のがん、平滑筋のがん、骨がん、脂肪組織のがん、子宮頚がん、子宮がん、生殖器のがん、リンパ腫、および多発性骨髄腫からなる群より選択される。
【0114】
任意の態様のいくつかでは、転移性腫瘍細胞は、初代腫瘍または原発腫瘍が位置する組織または臓器とは異なる、1つ、2つ、3つまたは3つを超える組織または臓器に位置する。
[本発明1001]
がんを処置するための方法であって、
(a)抗PD-1抗体を、初代腫瘍および腫瘍細胞の二次的集団を含むがんを有する対象に投与する工程と;
(b)抗CD25抗体に連結されたフタロシアニン色素を含むコンジュゲートを対象に投与する工程と;
(c)コンジュゲートを投与した後、初代腫瘍に、
600nmまたは約600nmから、850nmまたは約850nmの波長で、かつ、
25J/cm 2 もしくは約25J/cm 2 から、400J/cm 2 もしくは約400J/cm 2 、または、2J/ファイバ長cmもしくは約2J/ファイバ長cmから、500J/ファイバ長cmもしくは約500J/ファイバ長cmの線量で
照射する工程であって、二次的集団は直接照射されない、工程と
を含み、
初代腫瘍および/または二次的集団が、コンジュゲートのみ、コンジュゲートとそれに続く照射のみ、または抗PD-1抗体のみの投与と比較してより大きな程度、阻害される、
前記方法。
[本発明1002]
阻害が、腫瘍体積、腫瘍寸法または腫瘍質量の20%未満または約20%未満の増加、あるいは腫瘍体積、腫瘍寸法または腫瘍質量の低減、あるいは腫瘍細胞の数の低減の1つまたは複数を含む、本発明1001の方法。
[本発明1003]
腫瘍体積、腫瘍寸法または腫瘍質量、あるいは腫瘍細胞の数の低減が、30%の低減もしくはそれ以上または約30%の低減もしくはそれ以上を含む、本発明1002の方法。
[本発明1004]
二次的集団が、転移性腫瘍細胞を含む、本発明1001~1003のいずれかの方法。
[本発明1005]
二次的集団が、侵襲性腫瘍細胞を含む、本発明1001~1003のいずれかの方法。
[本発明1006]
二次的集団が、転移性腫瘍細胞および侵襲性腫瘍細胞を含む、本発明1001~1005のいずれかの方法。
[本発明1007]
抗PD-1抗体が、対象に、コンジュゲートと同時に投与される、本発明1001~1006のいずれかの方法。
[本発明1008]
コンジュゲートを投与してから24~48時間以内に、抗PD-1抗体が対象に投与される、本発明1001~1007のいずれかの方法。
[本発明1009]
コンジュゲートを投与してから24時間±4時間以内に、抗PD-1抗体が対象に投与される、本発明1001~1008のいずれかの方法。
[本発明1010]
抗PD-1抗体の第1の用量が、コンジュゲートの投与の前に投与される、本発明1001~1009のいずれかの方法。
[本発明1011]
抗PD-1抗体の第1の用量が、コンジュゲートの投与の少なくとも1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、8日、9日、10日、11日、12日、13日、14日、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、7週間、8週間、9週間または10週間前に投与される、本発明1010の方法。
[本発明1012]
抗PD-1抗体が、1回、2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回、10回または10回超、対象に投与される、本発明1001~1011のいずれかの方法。
[本発明1013]
抗PD-1抗体が、コンジュゲートの投与前に、1回、2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回または10回投与され、続いて、コンジュゲートの投与後、対象への抗PD-1抗体の投与が、0回、1回、2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回、10回または10回超行われる、本発明1001~1012のいずれかの方法。
[本発明1014]
抗PD-1抗体が、コンジュゲートの投与と同時に投与され、続いて、コンジュゲートの投与後、対象への抗PD-1抗体の投与が、0回、1回、2回、2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回、10回または10回超行われる、本発明1001~1012のいずれかの方法。
[本発明1015]
抗PD-1抗体が、コンジュゲートの投与後、1回、2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回、10回または10回超、対象に投与される、本発明1001~1012のいずれかの方法。
[本発明1016]
二次的集団が、固形腫瘍中に含まれる、本発明1001~1015のいずれかの方法。
[本発明1017]
対象が、完全奏効を示す、本発明1001~1016のいずれかの方法。
[本発明1018]
抗CD25抗体が、機能的Fc領域を含む、本発明1001~1017のいずれかの方法。
[本発明1019]
抗CD25抗体が、バシリキシマブもしくはダクリズマブ、またはそのバイオシミラー、インターチェンジャブル、バイオベター、コピー生物製剤もしくはバイオジェネリックである、本発明1001~1017のいずれかの方法。
[本発明1020]
抗CD25抗体が、バシリキシマブである、本発明1019の方法。
[本発明1021]
抗PD-1抗体が、ペムブロリズマブ(MK-3475、KEYTRUDA;ランブロリズマブ)、ニボルマブ(OPDIVO)、セミプリマブ(LIBTAYO)、トリパリマブ(JS001)、HX008、SG001、GLS-010、ドスタルリマブ(TSR-042)、チスレリズマブ(BGB-A317)、セトレリマブ(JNJ-63723283)、ピジリズマブ(CT-011)、ゲノリムズマブ(genolimzumab)(APL-501、GB226)、BCD-100、セミプリマブ(REGN2810)、F520、シンチリマブ(IBI308)、CS1003、LZM009、カムレリズマブ(SHR-1210)、SCT-I10A、MGA012、AK105、PF-06801591、AMP-224、AB122、AMG 404、BI 754091、HLX10、JTX-4014、AMP-514(MEDI0680)、Sym021、MGD019、MGD013、AK104、XmAb20717、RO7121661、CX-188、スパルタリズマブ、BCD-217、HX009、IBI308、PDR001、REGN2810、およびTSR-042(ANB011)からなる群より選択される、本発明1001~1020のいずれかの方法。
[本発明1022]
フタロシアニン色素が、Si-フタロシアニン色素である、本発明1001~1021のいずれかの方法。
[本発明1023]
Si-フタロシアニン色素が、IR700である、本発明1022の方法。
[本発明1024]
コンジュゲートを投与した30分~96時間後に照射が行われる、本発明1001~1023のいずれかの方法。
[本発明1025]
コンジュゲートを投与した24時間±4時間後に照射が行われる、本発明1024の方法。
[本発明1026]
初代腫瘍が、690±40nmの波長で照射される、本発明1001~1025のいずれかの方法。
[本発明1027]
初代腫瘍が、50J/cm 2 もしくは約50J/cm 2 または100J/ファイバ長cmもしくは約100J/ファイバ長cmの線量で照射される、本発明1001~1026のいずれかの方法。
[本発明1028]
(d)追加の治療剤または抗がん処置を投与する工程をさらに含む、本発明1001~1027のいずれかの方法。
[本発明1029]
工程(a)、(b)、(c)または(d)の1つまたは複数が繰り返される、本発明1001~1028のいずれかの方法。
[本発明1030]
がんが、結腸がん、結腸直腸がん、膵臓がん、乳がん、皮膚がん、肺がん、非小細胞肺がん、腎細胞がん、甲状腺がん、前立腺がん、頭頸部がん、消化器がん、胃がん、小腸のがん、紡錘細胞新生物、肝細胞がん、肝臓がん、末梢神経のがん、脳がん、骨格筋のがん、平滑筋のがん、骨がん、脂肪組織のがん、子宮頚がん、子宮がん、生殖器のがん、リンパ腫、および多発性骨髄腫からなる群より選択される、本発明1001~1029のいずれかの方法。
[本発明1031]
二次集団が、初代腫瘍が位置する組織または臓器とは異なる、1つ、2つ、3つまたは3つを超える組織または臓器に位置する、本発明1001~1030のいずれかの方法。
[本発明1032]
初代腫瘍および/または二次的集団が、コンジュゲートとそれに続く照射のみの投与と比較して、および抗PD-1抗体のみの投与と比較して、より大きな程度、阻害される、本発明1001~1031のいずれかの方法。
[本発明1033]
がんを有する対象における増強された応答を生じさせるための方法であって、
(a)抗PD-1抗体を、腫瘍を含むがんを有する対象に投与する工程と;
(b)抗CD25抗体に連結されたフタロシアニン色素を含むコンジュゲートを対象に投与する工程であって、抗PD-1抗体がコンジュゲートの前にまたはそれと同時に投与される、工程と;
(c)コンジュゲートを投与した後、腫瘍に、
600nmまたは約600nmから、850nmまたは約850nmの波長で、かつ、
25J/cm 2 もしくは約25J/cm 2 から、400J/cm 2 もしくは約400J/cm 2 、または、2J/ファイバ長cmもしくは約2J/ファイバ長cmから、500J/ファイバ長cmもしくは約500J/ファイバ長cmの線量で
照射する工程と
を含み、
増強された応答が、コンジュゲートとそれに続く照射および抗PD-1抗体の投与の前の対象の全身性免疫と比較した対象の全身性免疫の増強を含み;および/または
増強された応答が、コンジュゲートのみ、コンジュゲートとそれに続く照射のみ、または抗PD-1抗体のみの投与と比較した腫瘍の阻害の増強を含む、
前記方法。
[本発明1034]
増強された応答が、相加的または相乗的である、本発明1033の方法。
[本発明1035]
阻害が、腫瘍体積、腫瘍寸法または腫瘍質量の20%未満または約20%未満の増加、あるいは腫瘍体積、腫瘍寸法または腫瘍質量の低減、あるいは腫瘍細胞の数の低減の1つまたは複数を含む、本発明1033または1034の方法。
[本発明1036]
腫瘍体積、腫瘍寸法または腫瘍質量、あるいは腫瘍細胞の数の低減が、30%の低減もしくはそれ以上または約30%の低減もしくはそれ以上を含む、本発明1035の方法。
[本発明1037]
腫瘍が、初代腫瘍および腫瘍細胞の二次的集団を含み、初代腫瘍は照射され、二次的集団は直接照射されない;
腫瘍が、初代腫瘍および転移性腫瘍細胞を含み、初代腫瘍は照射され、転移性腫瘍細胞は直接照射されない;および/または
腫瘍が、初代腫瘍および侵襲性腫瘍細胞を含み、初代腫瘍は照射され、侵襲性腫瘍細胞は直接照射されない、
本発明1033~1036のいずれかの方法。
[本発明1038]
増強された応答が、相乗的応答であり、該相乗的応答が、初代腫瘍の成長、腫瘍体積、腫瘍寸法または腫瘍質量の相乗的低減、対象の二次的集団における細胞の数の相乗的低減、転移性または侵襲性腫瘍細胞の成長、腫瘍体積、腫瘍寸法、腫瘍質量または数の相乗的低減、あるいはそれらの任意の組み合わせを含む、本発明1034~1037のいずれかの方法。
[本発明1039]
コンジュゲートを投与してから24時間~48時間以内に、抗PD-1抗体が対象に投与される、本発明1033~1038のいずれかの方法。
[本発明1040]
コンジュゲートを投与してから24時間±4時間以内に、抗PD-1抗体が対象に投与される、本発明1033~1039のいずれかの方法。
[本発明1041]
抗PD-1抗体の第1の用量が、コンジュゲートの投与の前に投与される、本発明1033~1040のいずれかの方法。
[本発明1042]
抗PD-1抗体の第1の用量が、コンジュゲートの投与の少なくとも1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、8日、9日、10日、11日、12日、13日、14日、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、7週間、8週間、9週間または10週間前に投与される、本発明1041の方法。
[本発明1043]
全身性免疫が、細胞傷害性Tリンパ球(CTL)活性アッセイ、腫瘍内T細胞疲弊アッセイ、腫瘍内エフェクターT細胞増殖アッセイ、T細胞受容体多様性アッセイ、活性化CD8 + T細胞アッセイ、循環制御性T細胞(Treg)アッセイ、腫瘍内Tregアッセイ、またはCD8 + T細胞:Tregアッセイの1つまたは複数によって測定される、本発明1033~1042のいずれかの方法。
[本発明1044]
任意で対象における初代腫瘍の照射後4日目~28日目に対象から収集された、脾細胞または末梢血細胞または骨髄細胞またはリンパ節細胞を使用したCTL活性アッセイによって、全身性免疫が測定される、本発明1033~1043のいずれかの方法。
[本発明1045]
任意で対象における初代腫瘍の照射後4日目~28日目に対象から収集された、初代腫瘍または転移性腫瘍細胞塊または侵襲性腫瘍細胞塊から収集されたT細胞を使用した腫瘍内T細胞疲弊アッセイによって、全身性免疫が測定される、本発明1033~1043のいずれかの方法。
[本発明1046]
任意で対象における初代腫瘍の照射後4日目~28日目に対象から収集された、初代腫瘍または転移性腫瘍細胞塊または侵襲性腫瘍細胞塊から収集されたT細胞を使用した腫瘍内エフェクターT細胞増殖アッセイによって、全身性免疫が測定される、本発明1033~1043のいずれかの方法。
[本発明1047]
任意で対象における初代腫瘍の照射後4日目~28日目に対象から収集された、初代腫瘍または転移性腫瘍細胞塊または侵襲性腫瘍細胞塊または末梢循環から収集されたT細胞を使用したT細胞受容体多様性アッセイによって、全身性免疫が測定される、本発明1033~1043のいずれかの方法。
[本発明1048]
任意で対象における初代腫瘍の照射後4日目~28日目に対象から収集された、初代腫瘍または転移性腫瘍細胞塊または侵襲性腫瘍細胞塊からの腫瘍中の制御性T細胞(Treg)の存在、数もしくは頻度および/または腫瘍内Treg細胞と腫瘍内CD8+ T細胞もしくは腫瘍内CD4+ T細胞の比を決定することによって、全身性免疫が測定される、本発明1033~1043のいずれかの方法。
[本発明1049]
抗CD25抗体が、機能的Fc領域を含む、本発明1033~1048のいずれかの方法。
[本発明1050]
抗CD25抗体が、バシリキシマブもしくはダクリズマブ、またはそのバイオシミラー、インターチェンジャブル、バイオベター、コピー生物製剤もしくはバイオジェネリックである、本発明1033~1049のいずれかの方法。
[本発明1051]
抗CD25抗体が、バシリキシマブである、本発明1050の方法。
[本発明1052]
抗PD-1抗体が、ペムブロリズマブ(MK-3475、KEYTRUDA;ランブロリズマブ)、ニボルマブ(OPDIVO)、セミプリマブ(LIBTAYO)、トリパリマブ(JS001)、HX008、SG001、GLS-010、ドスタルリマブ(TSR-042)、チスレリズマブ(BGB-A317)、セトレリマブ(JNJ-63723283)、ピジリズマブ(CT-011)、ゲノリムズマブ(APL-501、GB226)、BCD-100、セミプリマブ(REGN2810)、F520、シンチリマブ(IBI308)、CS1003、LZM009、カムレリズマブ(SHR-1210)、SCT-I10A、MGA012、AK105、PF-06801591、AMP-224、AB122、AMG 404、BI 754091、HLX10、JTX-4014、AMP-514(MEDI0680)、Sym021、MGD019、MGD013、AK104、XmAb20717、RO7121661、CX-188、スパルタリズマブ、BCD-217、HX009、IBI308、PDR001、REGN2810、およびTSR-042(ANB011)からなる群より選択される、本発明1033~1051のいずれかの方法。
[本発明1053]
抗PD-1抗体が、1回、2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回、10回または10回超、対象に投与される、本発明1033~1052のいずれかの方法。
[本発明1054]
フタロシアニン色素が、Si-フタロシアニン色素である、本発明1033~1053のいずれかの方法。
[本発明1055]
Si-フタロシアニン色素が、IR700である、本発明1054の方法。
[本発明1056]
コンジュゲートを投与した30分~96時間後に照射が行われる、本発明1033~1055のいずれかの方法。
[本発明1057]
コンジュゲートを投与した24時間±4時間後に照射が行われる、本発明1056の方法。
[本発明1058]
腫瘍が、690±40nmの波長で照射される、本発明1033~1057のいずれかの方法。
[本発明1059]
腫瘍が、50J/cm 2 もしくは約50J/cm 2 または100J/ファイバ長cmもしくは約100J/ファイバ長cmの線量で照射される、本発明1033~1058のいずれかの方法。
[本発明1060]
(d)追加の治療剤または抗がん処置を投与する工程をさらに含む、本発明1033~1059のいずれかの方法。
[本発明1061]
工程(a)、(b)、(c)または(d)の1つまたは複数が繰り返される、本発明1033~1060のいずれかの方法。
[本発明1062]
がんが、結腸がん、結腸直腸がん、膵臓がん、乳がん、皮膚がん、肺がん、非小細胞肺がん、腎細胞がん、甲状腺がん、前立腺がん、頭頸部がん、消化器がん、胃がん、小腸のがん、紡錘細胞新生物、肝細胞がん、肝臓がん、末梢神経のがん、脳がん、骨格筋のがん、平滑筋のがん、骨がん、脂肪組織のがん、子宮頚がん、子宮がん、生殖器のがん、リンパ腫、および多発性骨髄腫からなる群より選択される、本発明1033~1061のいずれかの方法。
[本発明1063]
増強された応答が、コンジュゲートとそれに続く照射のみの投与と比較して、および抗PD-1抗体のみの投与と比較して、相加的応答または相乗的応答を含む、本発明1033~1062のいずれかの方法。
【図面の簡単な説明】
【0115】
図1図1A~1Bは、抗PD-1抗体(RMP1-14)、PC61-IR700(抗CD25抗体-IR700コンジュゲート、照射なし)、PC61-IR700 PIT(抗CD25抗体-IR700コンジュゲートおよび照射)、PC61-IR700 PITと抗PD-1抗体の併用、および生理食塩水対照で処置した後の、マウスCT26-EphA2クローンc4D10同種移植モデルにおける腫瘍体積(図1A)および生存曲線(図1B)のインビボ変化を示す。
図2図2A~2Bは、抗PD-1抗体(RMP1-14)、PC61-IR700、PC61-IR700 PIT、およびPC61-IR700 PITと抗PD-1抗体の併用で処置した後の、照射された原発腫瘍(図2A)および照射されていない遠位腫瘍(図2B)の腫瘍体積のインビボ変化を示す。
図3図3A~3Bは、野生型ラットFc領域(PC61ラットWT)、野生型マウスFc領域(PC61マウスWT)またはN297Q変異型マウスFc領域(PC61マウスN297Q)を有する例示的な抗CD25抗体の、抗体投与後1日(図3A)および8日(図3B)のインビボの循環制御性T細胞(Treg)に対する効果を示す。
図4図4A~4Bは、抗PD-1および抗CD25(野生型Fc;mWT PC61)-IR700 PIT(図4A)と抗PD-1およびN297Q Fc変異型抗CD25(N297Q PC61)-IR700 PIT(図4B)の、非照射遠位腫瘍に対する相乗的効果を示す。
図5図5は、抗CD25-IR700と照射あり(PIT)、抗CD25-IR700コンジュゲートと照射なし(コンジュゲート)または生理食塩水対照で処置されている腫瘍を有するマウスからの、CD45+細胞に占める腫瘍内CD3+ CD4+ FoxP3+制御性T(Treg)細胞の割合を示す。
図6図6Aは、抗CD25-IR700 PIT、生理食塩水対照およびコンジュゲート(conj.)のみ(照射なし)対照で処置したマウスにおける腫瘍内CD8+ T細胞の比較を示す。図6Bは、生理食塩水対照およびコンジュゲート(conj.)のみ(照射なし)対照と比べた、抗CD25-IR700 PITで処置したマウスにおける腫瘍内疲弊CD8+ T細胞の比較を示す。図6Cは、抗CD25-IR700 PIT、生理食塩水対照およびコンジュゲート(conj.)のみ(照射なし)対照で処置したマウスにおける腫瘍内エフェクターCD8+ T細胞の比較を示す。
図7図7は、抗CD25-IR700と照射あり(PIT)、抗CD25-IR700コンジュゲートと照射なし(コンジュゲート)または生理食塩水対照で処置されている腫瘍を有するマウスからの、インビボの腫瘍内CD8+ T細胞活性化に対する抗CD25 PITの効果を示す。
図8図8A~8Bは、抗CD25-IR700と照射あり(PIT)、抗CD25-IR700コンジュゲートと照射なし(conj.)または生理食塩水対照で処置されている腫瘍担持マウスからの、照射後2時間(図8A)または照射後8日(図8B)の腫瘍内総CD8+ T細胞(CD3+ CD8+)とCD3+CD4+FoxP3+ Tregの比を示す。
図9図9は、抗CD25抗体-IR700および照射(PC61-IR700 PIT)またはPC61-IR700 PITと抗PD-1抗体(RMP1-14)の併用で過去に処置した動物(両方とも、初期処置後に完全奏効をもたらした)への反対側の腫瘍再負荷に関する結果、ならびにナイーブ(対照)動物における腫瘍体積の変化を示す。
図10図10は、初期腫瘍と同じ腫瘍タイプの再負荷後に完全奏効を示した、抗CD25抗体-IR700および照射(PC61-IR700 PIT)と抗PD-1抗体(RMP1-14)の併用で過去に処置されているマウスへの異なる腫瘍タイプ(4T1)の腫瘍再負荷に関する結果、ならびにナイーブ(対照)動物における腫瘍体積の変化を示す。
図11図11は、抗CD25抗体-IR700および照射(PC61-IR700 PIT)またはPC61-IR700 PITと抗PD-1抗体(RMP1-14)の併用で処置した完全奏効(CR)マウスから得られた脾細胞を腫瘍特異的抗原でプライミングした後にエフェクター:標的比30:1、15:1および7:1(または関連のない腫瘍細胞について250:1)で一緒にインキュベーションした後の、CT26腫瘍細胞または関連のない腫瘍細胞に対する細胞傷害性を示す。
図12図12A~12Bは、抗PD-1抗体(RMP1-14)、抗CD25抗体-IR700および照射(PC61-IR700 PIT)、PC61-IR700 PITと抗PD-1抗体の併用、およびCD8+ T細胞枯渇条件下でのPC61-IR700 PITと抗PD-1抗体の併用で処置した後の、照射された原発腫瘍(図12A)および照射されていない遠位腫瘍(図12B)の腫瘍体積のインビボ変化を示す。
図13-1】図13Aは、抗CD25-IR700コンジュゲートPIT(CD25 PIT)、抗CD25-IR700コンジュゲートと照射なし(CD25 Conj.)、抗CD25-IR700コンジュゲートPITを抗PD-1抗体と共に用いて(CD25 PIT+PD1)、抗CD25-IR700コンジュゲートと照射なしを抗PD-1抗体と共に用いて(CD25 Conj.+PD1)および生理食塩水対照で処置されている腫瘍を有するマウスからの、腫瘍内CD3+ CD4+ T細胞に占める総FoxP3+ Tregの割合を示す。図13Bは、抗CD25-IR700コンジュゲートPIT(CD25 PIT)、抗CD25-IR700コンジュゲートと照射なし(CD25 Conj.)、抗CD25-IR700コンジュゲートPITを抗PD-1抗体と共に用いて(CD25 PIT+PD1)、抗CD25-IR700コンジュゲートと照射なしを抗PD-1抗体と共に用いて(CD25 Conj.+PD1)および生理食塩水対照で処置されている腫瘍を有するマウスからの、腫瘍内CD4+FoxP3-ヘルパーT細胞とCD4+FoxP3+ Treg細胞の比を示す。
図13-2】図13Cは、抗CD25-IR700コンジュゲートPIT(抗CD25-IR700 PIT)、抗CD25-IR700コンジュゲートと照射なし(抗CD25-IR700)、抗CD25-IR700コンジュゲートPITを抗PD-1抗体と共に用いて(抗CD25-IR700 PIT+抗PD1)、抗CD25-IR700コンジュゲートと照射なしを抗PD-1抗体と共に用いて(抗CD25-IR700+抗PD1)および生理食塩水対照で処置されている腫瘍を有するマウスからの、腫瘍内CD8+ T細胞とFoxP3+ Treg細胞の比を示す。
図14図14は、抗CD25-IR700 PITによる腫瘍内Treg細胞の枯渇に関する提唱される作用機序の図解を示す。
【発明を実施するための形態】
【0116】
詳細な説明
本明細書において、がん、例えば、初代腫瘍または原発腫瘍または多発性原発腫瘍だけでなく転移性腫瘍細胞、例えば転移性がんも含むがん;ならびに/あるいは原発腫瘍または多発性原発腫瘍だけでなく侵襲性または浸潤性腫瘍細胞、例えば、侵襲性がんまたは浸潤性がんも含むがんを処置するための、組成物、組み合わせおよび方法が提供される。また、対象、例えば、侵襲性がん、浸潤性がんまたは転移性がんなどのがんを有する対象における全身性免疫を増強するための、組成物、組み合わせおよび方法も提供される。また、増強された応答、例えば、対象、例えば、侵襲性がん、浸潤性がんまたは転移性がんなどのがんまたは腫瘍を有する対象における処置または治療に対する増強された応答を生じさせるための、組成物、組み合わせおよび方法も提供される。
【0117】
提供される組成物、組み合わせ、方法および使用は、初代腫瘍もしくは原発腫瘍、転移性腫瘍細胞および/または侵襲性腫瘍細胞を含むがんを処置するために使用することができる。いくつかの態様では、CD25に結合するターゲティング分子とコンジュゲートされたフタロシアニン色素は、単独でまたは免疫チェックポイント阻害剤と組み合わせて使用される。本明細書に記載される方法および使用は、がん、例えば、転移性がんおよび/または侵襲性がんを処置する際に、転移性腫瘍細胞および/または侵襲性腫瘍細胞の位置を突き止めることおよび/またはそれらに直接照射することが不要であることを含め、様々な利点を提供する。本開示はまた、対象における、例えばがん再発に対する、全身性免疫を増強する際に予想外の特徴を提供する。
【0118】
提供される態様は、いくつかの状況において、フタロシアニン色素-ターゲティング分子コンジュゲート、例えば、抗CD25抗体-IR700コンジュゲートによるがんの処置とそれに続く初代腫瘍または原発腫瘍の照射が、照射された腫瘍、例えば、照射された初代腫瘍または照射された原発腫瘍の処置をもたらすだけでなく、照射部位から遠位にある腫瘍(例えば、転移した腫瘍)の効果的処置、および初期腫瘍の処置後に対象が完全奏効を有した後で誘導された腫瘍の効果的処置ももたらし、このことから腫瘍特異的な免疫記憶応答が示唆されるという観察に基づく。提供される態様は、抗CD25抗体-IR700コンジュゲートと免疫チェックポイント阻害剤、例えば抗PD-1抗体との併用処置が、照射された初代腫瘍または原発腫瘍と、遠位腫瘍または後に誘導された腫瘍、例えば腫瘍細胞の二次的集団を含む腫瘍、転移性腫瘍および/または侵襲性腫瘍の両方の処置において顕著な相乗的効果をもたらすというさらなる観察に基づく。したがって、提供される組成物、組み合わせ、方法および使用は、初代腫瘍または原発腫瘍または多発性原発腫瘍だけでなく転移性腫瘍細胞、例えば転移性がんも含むがん;ならびに/あるいは初代腫瘍または原発腫瘍または多発性原発腫瘍だけでなく侵襲性腫瘍細胞、例えば侵襲性がんも含むがんを包含する、がんの実質的に改善されかつ効果的な処置を提供することが実証される。提供される組成物、組み合わせ、方法および使用は、対象の免疫応答、例えば、免疫記憶応答を含むがんに対する全身免疫応答の増強または向上をもたらすことができ、このことは、処置後に発生し得る腫瘍に対して効果的であり得る。
【0119】
本明細書に提供される方法および使用は、1つまたは複数の初代腫瘍、例えば、原発腫瘍、および任意で、二次的細胞集団、例えば転移性腫瘍細胞および/または侵襲性腫瘍細胞を有する対象を、CD25に結合するターゲティング分子などのターゲティング分子に連結されたフタロシアニン色素を含むコンジュゲートで処置する工程と、コンジュゲートの投与後、1つまたは複数の初代腫瘍または原発腫瘍にフタロシアニン色素との使用に適した光波長を照射する工程とを含む。該方法のいくつかの態様は、免疫チェックポイント阻害剤を、コンジュゲートの投与の前に、それと同時に、またはそれに続いて投与する工程を含む。
【0120】
I. がん、例えば、侵襲性がんまたは転移性がんを処置するための方法および使用
いくつかの態様では、フタロシアニン色素-ターゲティング分子コンジュゲートであって、ターゲティング分子がCD25に結合するコンジュゲート(例えば、抗CD25抗体-IR700コンジュゲート)を含有する組成物の、がん、例えば、初代腫瘍または多発性腫瘍(例えば、1つまたは複数の原発腫瘍)だけでなくがん細胞の二次的集団、例えば転移性腫瘍細胞(例えば、転移性がん)、侵襲性腫瘍細胞(例えば、侵襲性がん)または浸潤性腫瘍細胞(例えば、浸潤性がん)も含むがんの治療または処置のための使用方法および使用が提供される。いくつかの態様では、がん細胞の二次的集団は、初代腫瘍に、例えば直接的または間接的に関連する。いくつかの態様では、二次的細胞集団は、初代腫瘍に直接由来しない。提供される方法および使用は、治療的方法および使用、例えば、がんを有する対象へのコンジュゲートの投与とそれに続くがんに関連する腫瘍(初代腫瘍など)または腫瘍の微小環境への特定の光波長および線量を使用した照射(または放射)を伴う、治療的方法および使用を含む。いくつかの局面では、照射(または放射)は、標的分子(例えば、CD25)を発現する細胞の照射依存的な溶解および死をもたらし、その結果、がんの治療効果または処置をもたらす(いくつかの場合に光免疫療法(PIT)と呼ばれる)。いくつかの局面では、該方法はまた、免疫チェックポイント阻害剤(例えば、抗PD-1抗体)などの免疫調節剤をフタロシアニン色素-ターゲティング分子コンジュゲートと組み合わせて投与する工程も伴う。いくつかの局面では、フタロシアニン色素-ターゲティング分子コンジュゲートと免疫チェックポイント阻害剤(例えば、抗PD-1抗体)の組み合わせが、提供される方法および使用、例えば、がんの処置のための提供される方法および使用において用いられる。
【0121】
使用は、そのような方法および処置における組成物および組み合わせの使用、ならびにそのような治療的方法を行うための医薬の調製におけるそのような組成物および組み合わせの使用を含む。いくつかの態様では、該方法および使用は、それにより、対象におけるがん、例えば、初代腫瘍(原発または非原発腫瘍である)と1つまたは複数の腫瘍細胞の二次的集団(例えば、転移性腫瘍細胞および/または侵襲性腫瘍細胞)、例えば、転移性および/または侵襲性がんを含む腫瘍およびがんを含む、がんを処置する。いくつかの態様では、二次的腫瘍細胞は、初代腫瘍に関連する。該方法および使用のいくつかの態様では、1を超える腫瘍が処置される。いくつかの局面では、また、対象における全身性免疫などの免疫機能を増強、上昇、増大、強化、増加、上昇または支援する際の、そのような組成物および組み合わせの方法および使用も提供される。
【0122】
該方法は、初代腫瘍を有する対象に、ターゲティング分子に連結されたフタロシアニン色素を含むコンジュゲートであって、ターゲティング分子がCD25に結合するコンジュゲートを投与する工程と、コンジュゲートの投与後、少なくとも初代腫瘍に、選択されたフタロシアニン色素に適した光の波長を照射する工程とを含む。いくつかの態様では、該方法は、免疫チェックポイント阻害剤、例えば抗PD-1抗体を、コンジュゲートの投与の前に、それと同時に、またはそれに続いて投与する工程を含む。いくつかの態様では、該方法は、追加の治療剤または抗がん処置をさらに投与する。
【0123】
いくつかの態様では、該方法は、がんに関連する腫瘍または腫瘍の微小環境(腫瘍微小環境;TME)、またはTMEに存在する細胞への光による照射を伴う。いくつかの局面では、腫瘍またはTMEに、治療または処置に適した光の波長が照射される。いくつかの態様では、フタロシアニン色素との使用に適した光波長は、吸収光の照射によって色素-コンジュゲートの活性化を達成する波長を有する光であって、光増感剤を励起して細胞殺傷をもたらし、それにより、病変(例えば、腫瘍)を低減または排除するか、腫瘍成長を低減または阻害するか、腫瘍細胞転移などの腫瘍細胞の二次的集団を低減、阻害または排除するか、侵襲性および/または転移性腫瘍細胞を低減、阻害または排除するか、それらの任意の組み合わせをもたらすような光を含む。
【0124】
いくつかの態様では、照射は、約500nm~900nm、約600nm~850nm、約650nm~800nmまたは約660nm~740nmの波長での照射である。いくつかの態様では、照射は、690+50nmの波長または690+20nmもしくは約690+20nmの波長での照射である。
【0125】
照射は、少なくとも1J/cm2または1J/ファイバ長cmの線量での照射であることができる。いくつかの態様では、病変は、2J/cm2もしくは約2J/cm2から約400J/cm2または2J/ファイバ長cmもしくは約2J/ファイバ長cmから約500J/ファイバ長cmの線量で照射される。いくつかの態様では、照射は、少なくとも2J/cm2、5J/cm2、10J/cm2、25J/cm2、50J/cm2、75J/cm2、100J/cm2、150J/cm2、200J/cm2、300J/cm2、400J/cm2もしくは500J/cm2、または少なくとも約2J/cm2、5J/cm2、10J/cm2、25J/cm2、50J/cm2、75J/cm2、100J/cm2、150J/cm2、200J/cm2、300J/cm2、400J/cm2もしくは500J/cm2の線量での照射である;または、病変は、少なくとも2J/ファイバ長cm、5J/ファイバ長cm、10J/ファイバ長cm、25J/ファイバ長cm、50J/ファイバ長cm、75J/ファイバ長cm、100J/ファイバ長cm、150J/ファイバ長cm、200J/ファイバ長cm、250J/ファイバ長cm、300J/ファイバ長cm、400J/ファイバ長cmもしくは500J/ファイバ長cm、または少なくとも約2J/ファイバ長cm、5J/ファイバ長cm、10J/ファイバ長cm、25J/ファイバ長cm、50J/ファイバ長cm、75J/ファイバ長cm、100J/ファイバ長cm、150J/ファイバ長cm、200J/ファイバ長cm、250J/ファイバ長cm、300J/ファイバ長cm、400J/ファイバ長cmもしくは500J/ファイバ長cmの線量で照射される。
【0126】
いくつかの態様では、照射は、25J/cm2から400J/cm2または約2J/ファイバ長cmから約500J/ファイバ長cmの線量での照射である。いくつかの態様では、照射は、5J/cm2から200J/cm2または20J/ファイバ長cmから500J/ファイバ長cmの線量での照射である。いくつかの態様では、照射は、約50J/cm2または100J/ファイバ長cmの線量での照射である。
【0127】
本明細書に提供される方法および使用のいくつかの態様では、照射は、フタロシアニン色素-ターゲティング分子コンジュゲートの投与後に成し遂げられる。いくつかの態様では、照射または照射は、フタロシアニン色素-ターゲティング分子コンジュゲート(例えば、IR700-抗CD25抗体コンジュゲート)を投与した30分~96時間または約30分間~96時間後に、例えば、30分~48時間、30分~24時間または12時間~48時間後に、例えば一般に、コンジュゲートを投与した少なくとも30分、1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、11時間、12時間、13時間、14時間、15時間、16時間、17時間、18時間、19時間、20時間、21時間、22時間、23時間、24時間後またはそれ以上後に行われるかまたは成し遂げられる。いくつかの態様では、照射は、コンジュゲートを投与した後約24時間以内もしくはコンジュゲートを投与した後24時間±4時間以内に、またはコンジュゲートを投与した後約20、21、22、23、24、24、26、27もしくは28時間以内に実施される。
【0128】
本明細書に記載される方法は、原発腫瘍などの対象における初代腫瘍、または初代腫瘍の腫瘍微小環境(TME)に照射する工程を含む。いくつかの態様では、本明細書に提供される方法および使用は、1つまたは複数の腫瘍を有する対象を処置する工程を含む。対象は、1つ、2つ、3つまたは3つを超える腫瘍を有し得る。そのような腫瘍は、1つまたは複数の組織または臓器に、例えば、1つの組織または臓器に、2つの異なる組織または臓器に、3つの異なる組織または臓器に、または3つを超える異なる組織または臓器にあり得る。
【0129】
いくつかの局面では、原発腫瘍は、対象における初代腫瘍または原始腫瘍のことを指すことができるが、本明細書に提供される方法および使用による照射のために選択される1つまたは複数の腫瘍のことも指すことができる。いくつかの態様では、初代腫瘍または追加腫瘍は、1つの固形腫瘍もしくは複数の固形腫瘍であり得るか、リンパ腫であり得るか、または白血病であり得る。腫瘍は、肺、胃、肝臓、膵臓、乳房、食道、頭頸部、脳、末梢神経、皮膚、小腸、結腸、直腸、肛門、卵巣、子宮、膀胱、前立腺、脂肪組織、骨格筋、平滑筋、血管、骨、骨髄、眼、舌、リンパ節、脾臓、腎臓、子宮頸部、男性生殖器、女性生殖器、精巣、または原発不明の腫瘍であることができる。
【0130】
該方法のいくつかの態様では、初代腫瘍または原発腫瘍の成長が阻害されるか、1つの原発腫瘍または複数の原発腫瘍の体積が低減されるか、または腫瘍の成長と体積の両方が低減される。該方法のいくつかの態様では、コンジュゲートのみ、コンジュゲートとそれに続く照射のみ、または抗PD-1抗体のみの投与などの単独療法と比較して、初代腫瘍または原発腫瘍の成長が阻害されるか、1つの原発腫瘍または複数の原発腫瘍の体積が低減されるか、または腫瘍の成長と体積の両方が低減される。
【0131】
いくつかの態様では、本明細書に提供される方法および使用は、1つまたは複数の腫瘍とさらに侵襲性腫瘍細胞などの腫瘍細胞の二次的集団も有する対象を処置する工程を含む。そのような態様のいくつかでは、二次的集団は、原発腫瘍などの腫瘍から生じた細胞が周囲組織に侵襲している場合を含む。該方法は、初代腫瘍および侵襲性腫瘍細胞を有する対象に、ターゲティング分子に連結されたフタロシアニン色素を含むコンジュゲートであって、ターゲティング分子がCD25に結合するコンジュゲートを投与する工程と、コンジュゲートの投与後、初代腫瘍に、選択されたフタロシアニン色素に適した波長を照射する工程とを含む。そのような態様のいくつかでは、腫瘍細胞の二次的集団は直接照射されない。いくつかの態様では、該方法は、免疫チェックポイント阻害剤を、コンジュゲートの投与の前に、それと同時に、またはそれに続いて投与する工程を含む。いくつかの態様では、該方法は、抗PD-1抗体を、抗CD25抗体-IR700コンジュゲートの投与の前に、それと同時に、またはそれに続いて投与する工程を含み、コンジュゲートの投与に続いて初代腫瘍の照射が行われる。
【0132】
いくつかの局面では、侵襲性腫瘍細胞は、原発腫瘍から生じた細胞のことを指し、初代腫瘍を有する対象の体内の原発腫瘍の同じ臓器または隣接臓器の周囲組織に侵襲している。いくつかの態様では、初代腫瘍は、原発腫瘍であり、侵襲性腫瘍細胞は、初代腫瘍に直接的または間接的に由来する。いくつかの態様では、侵襲性腫瘍細胞は、初代腫瘍に直接由来しない。
【0133】
本明細書に提供される方法および使用は、初代腫瘍および/または追加腫瘍の照射を含み、侵襲性腫瘍細胞の一部または全部には照射されない。いくつかの態様では、侵襲性腫瘍細胞の成長が阻害されるか、低減されるかまたは排除され、1つまたは複数の侵襲性腫瘍の体積、寸法または質量が低減されるか、またはそれらの任意の組み合わせがもたらされる。いくつかの態様では、1つまたは複数の侵襲性腫瘍細胞に対する効果と一緒に、初代腫瘍の成長も阻害されるか、低減されるかまたは排除され、初代腫瘍または追加腫瘍の体積、寸法または質量も低減される。
【0134】
いくつかの態様では、侵襲性腫瘍細胞は、固形腫瘍中に含有される。いくつかの態様では、侵襲性腫瘍細胞は、腹膜液、胸膜液および脳脊髄液を非限定的に含む体液中に含有される。いくつかの態様では、侵襲性腫瘍細胞は、腹膜滲出液(腹水)、胸膜滲出液および心膜滲出液を非限定的に含む1つの体腔または複数の体腔の滲出液中に含有される。
【0135】
いくつかの態様では、本明細書に提供される方法および使用は、初代腫瘍とさらに侵襲性および/または転移性腫瘍細胞などの腫瘍細胞の二次的集団(例えば、関連腫瘍細胞の二次的集団)も有する対象を処置する工程を含む。該方法は、初代腫瘍と侵襲性および/または転移性腫瘍細胞などの腫瘍細胞の二次的集団(例えば、関連腫瘍細胞の二次的集団)を有する対象に、ターゲティング分子に連結されたフタロシアニン色素を含むコンジュゲートであって、ターゲティング分子がCD25に結合するコンジュゲートを投与する工程と、コンジュゲートの投与後、初代腫瘍に、選択されたフタロシアニン色素に適した波長を照射する工程とを含む。そのような態様のいくつかでは、腫瘍細胞の二次的集団は直接照射されない。いくつかの態様では、該方法は、免疫チェックポイント阻害剤、例えば抗PD-1抗体を、コンジュゲートの投与の前に、それと同時に、またはそれに続いて投与する工程を含む。そのような方法では、初代腫瘍および/または転移性腫瘍細胞などの腫瘍細胞の二次的集団の成長(体積、寸法または質量)が阻害されるか、低減されるかまたは排除され、初代腫瘍および/または二次的細胞集団の1つまたは複数の体積、寸法または質量が低減されるか、またはそれらの任意の組み合わせがもたらされる。いくつかの態様では、初代腫瘍および/または二次的集団の阻害は、コンジュゲートのみ、コンジュゲートとそれに続く照射のみ、または抗PD-1抗体のみの投与によって達成される阻害より大きな程度、成し遂げられる。いくつかの態様では、阻害は、腫瘍が腫瘍体積、腫瘍寸法または腫瘍質量の20%未満の増加を示す場合;腫瘍体積、寸法または質量の変化なしの場合(すなわち、停止された腫瘍成長または進行);あるいは腫瘍が体積、寸法または質量の点で低減される場合;あるいは腫瘍細胞の数の低減がある場合に達成される。いくつかの局面では、腫瘍体積、腫瘍寸法または腫瘍質量、あるいは腫瘍細胞の数の低減は、30%の低減もしくはそれ以上または約30%の低減もしくはそれ以上を含む。
【0136】
本明細書における方法および使用のいずれかにおいて、初代腫瘍は、原発腫瘍または二次的腫瘍であることができる。いくつかの態様では、初代腫瘍および二次的集団は関連する。いくつかの態様では、二次的細胞集団は、初代腫瘍に直接的または間接的に由来する。いくつかの態様では、二次的集団は、初代腫瘍に由来しない。いくつかの態様では、初代腫瘍は原発腫瘍であり、二次的細胞集団は原発腫瘍に関連する;例えば、二次的細胞集団は、原発腫瘍に直接的または間接的に由来する。いくつかの態様では、初代腫瘍は原発腫瘍であり、腫瘍細胞の二次的集団は、二次原発腫瘍である。いくつかの態様では、初代腫瘍は二次的腫瘍であり、二次的細胞集団は二次的腫瘍に関連する。いくつかの局面では、腫瘍の二次的集団は、原発腫瘍から生じてかつ近位または遠位の健常組織に侵襲する細胞(すなわち、侵襲性腫瘍細胞)、あるいは原発腫瘍を有する対象の体内の1つの遠位の組織または臓器か複数の遠位の組織または臓器、例えば、原発腫瘍から隔たってまたは遠く離れて位置する組織または臓器に拡散する細胞(すなわち、転移性腫瘍細胞)を含む。いくつかの局面では、腫瘍細胞の二次的集団は、侵襲性と転移性の両方である。いくつかの局面では、腫瘍細胞の二次的集団は、浸潤性である。いくつかの局面では、腫瘍細胞の二次的集団は、転移性であり、初代腫瘍に直接的または間接的に関連する、例えば、由来する。他の局面では、腫瘍細胞の二次的集団は、転移性であり、初代腫瘍に直接関連しない。転移性腫瘍細胞は、肺、胃、肝臓、膵臓、乳房、食道、頭頸部、脳、末梢神経、皮膚、小腸、結腸、直腸、肛門、卵巣、子宮、膀胱、前立腺、脂肪組織、骨格筋、平滑筋、血管、骨、骨髄、眼、舌、リンパ節、脾臓、腎臓、子宮頸部、男性生殖器、女性生殖器、精巣、血液、骨髄、脳脊髄液または任意の他の組織もしくは臓器の1つまたは複数の場所に位置することができる。いくつかの態様では、転移性腫瘍細胞は、固形腫瘍中に含有される。いくつかの態様では、転移性腫瘍細胞は、循環腫瘍細胞であるか、液性腫瘍であるか、または腫瘍塊に関連しない。
【0137】
本明細書に提供される方法および使用のいくつかの態様では、二次的腫瘍細胞は、初代腫瘍より遠位にある転移性腫瘍細胞であり、転移性腫瘍細胞の一部または全部には照射されない、例えば、直接照射されない。該方法および使用のいくつかの態様では、コンジュゲートの投与後、初代腫瘍だけが照射され、侵襲性または転移性腫瘍細胞は直接照射されない。いくつかの態様では、初代腫瘍を含む1を超える腫瘍に照射されるが、腫瘍細胞の少なくとも1つの部位、例えば転移性腫瘍細胞を含有する部位には照射されない。
【0138】
II. 全身性免疫および/または応答を増強するための方法
また、本明細書において、対象、例えば、がんまたは腫瘍を有する対象における全身性免疫などの免疫機能を増強、上昇、増大または支援する際の、組成物および組み合わせの方法および使用も提供される。いくつかの態様では、本明細書における方法および使用は、がん、腫瘍またはがん性病変を有する対象における全身性免疫を増強する工程を含む。いくつかの局面では、「全身性免疫」は、がんまたは腫瘍に関連するものを含む、免疫学的攻撃に全身的に応答する対象の免疫系の能力のことを指す。いくつかの局面では、全身性免疫は、対象の適応免疫系および/または自然免疫系の全身性応答を含むことができる。いくつかの局面では、全身性免疫は、血流、リンパ節、骨髄、脾臓および/または腫瘍微小環境を含む種々の組織にわたる免疫応答を含み、いくつかの場合、組織および臓器ならびに組織および臓器の様々な細胞および因子の間の協調的応答を含む。また、本明細書において、対象、例えば、がんまたは腫瘍を有する対象における処置または治療に対する応答を増強、上昇または増大する際の、組成物および組み合わせの方法および使用も提供される。
【0139】
いくつかの局面では、提供される方法および使用は、対象に、ターゲティング分子に連結されたフタロシアニン色素を含むコンジュゲートであって、ターゲティング分子がCD25に結合するコンジュゲートを投与する工程と、免疫チェックポイント阻害剤を投与する工程と、コンジュゲートの投与後、腫瘍またはがん性病変、または腫瘍微小環境に照射する工程とを含む。波長、照射の線量および照射のタイミングに関する照射の条件は、例えば、本明細書に記載されるものである。免疫チェックポイント阻害剤は、本明細書に記載されるなど、コンジュゲートの投与の前に、それと同時に、またはそれに続いて投与することができる。いくつかの局面では、本明細書に提供される方法および使用は、対象における全身性免疫の増強をもたらし、これが次に、がんの治療または処置に対する増強された応答または相乗的応答をもたらすことができる。いくつかの態様では、本明細書に提供される方法および使用は、コンジュゲートのみ、コンジュゲートとそれに続く照射のみ、または抗PD-1抗体のみの投与と比較して、がんまたは腫瘍の処置または治療に対する増強された応答、例えば相乗的応答をもたらす。いくつかの局面では、増強された応答は、コンジュゲートとそれに続く照射および抗PD-1抗体の投与の前の対象の全身性免疫と比較した対象の全身性免疫の増強を含む。いくつかの局面では、増強された応答は、コンジュゲートのみ、コンジュゲートとそれに続く照射のみ、または抗PD-1抗体のみの投与と比較した、処置に対する増強された応答、例えば、追加的、相加的もしくは相乗的応答、および/またはより完全な応答、より永続的な応答もしくはより長く持続する応答を含む。
【0140】
本明細書に提供される方法および使用のいくつかの態様では、再発性腫瘍に対する全身性免疫が増加されるまたは増大される。いくつかの局面では、全身性免疫のレベル、強度または範囲は、腫瘍内CD8+ Tリンパ球の数、CD8+ Tリンパ球と制御性T細胞(Treg)の比、腫瘍内Tリンパ球疲弊(例えば、PD-1および/またはCTLA4マーカーを発現するCD3+CD8+細胞の割合)、腫瘍内活性化CD8+ Tリンパ球の数または割合(例えば、CD45+細胞に対する割合としてのKi67+またはCD69+ CD8細胞)、腫瘍細胞に対する脾細胞の細胞傷害性に基づく細胞傷害性腫瘍内Tリンパ球の拡大(例えば、PD-1および/またはCTLA4マーカーを発現しないCD3+CD8+細胞の割合)、あるいはそれらの任意の組み合わせまたはすべてに基づいて測定することができる。いくつかの局面では、腫瘍内CD8+ Tリンパ球は、CD3+CD8+細胞を含み、腫瘍内疲弊Tリンパ球は、PD-1+CTLA-4+CD3+CD8+細胞を含み、活性化腫瘍内CD8+ Tリンパ球は、CD3+CD8+Ki67+および/またはCD3+CD8+CD69+細胞を含み、細胞傷害性Tリンパ球の拡大は、PD-1-CTLA-4-CD3+CD8+細胞を含む。いくつかの局面では、腫瘍内CD8+ Tリンパ球、疲弊腫瘍内Tリンパ球、活性化CD8+ Tリンパ球、または拡大した細胞傷害性腫瘍内Tリンパ球は、白血球(CD45+細胞)および/または総CD8+ T細胞(例えば、CD3+CD8+CD45+細胞)に対する割合として測定される。そのような数または割合の決定は、本明細書に記載されるものを含むいくつかの周知の方法を使用して達成することができる。例えば、そのような数または割合は、腫瘍および/もしくは組織生検または循環免疫細胞を含有する血液試料の収集物の機械的解離などによって単一細胞懸濁液を生成し、続いて、染色およびフローサイトメトリー解析またはマスサイトメトリーを行うことによって決定することができる。他の方法は、組織および/または腫瘍生検の多重化免疫蛍光イメージングを含むことができる。
【0141】
そのような態様のいくつかでは、免疫性の強度または範囲が、処置前の同じ対象における免疫性の強度または範囲と比較される。そのような態様のいくつかでは、免疫性の強度または範囲が、対象の集団と比較される。そのような態様のいくつかでは、免疫性の強度または範囲が、閾値と比較される。いくつかの態様では、抗CD25 PITとチェックポイント阻害剤(例えば、抗PD-1抗体)の投与の併用などの併用療法後の免疫性の強度または範囲が、免疫チェックポイント阻害剤(例えば、抗PD-1抗体)または抗CD25コンジュゲートまたは抗CD25 PIT単独などの単剤の投与などの単独療法による処置後の免疫性の強度または範囲と比較される。
【0142】
いくつかの態様では、免疫性の強度または範囲は、CD3+CD8+ Tリンパ球などの腫瘍内CD8+ Tリンパ球の数によって測定され、CD45+細胞の総数に占める腫瘍内CD8+ Tリンパ球(例えば、CD3+CD8+ Tリンパ球)の割合が処置前と比較して処置後に増加するならば、再発性腫瘍に対する全身性免疫が増加されるまたは増大される。そのような例のいくつかでは、腫瘍内CD8+ Tリンパ球(例えば、CD3+CD8+ Tリンパ球)の数がCD45+細胞の総数の少なくとも30%または少なくとも約30%、例えば、CD45+細胞の総数の少なくとも30%、35%、36%、37%、38% 39%、40%、41%、42% 43%、44%、45%、46%、47%、48%、49%、50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%もしくはそれ以上、または少なくとも約30%、35%、36%、37%、38% 39%、40%、41%、42% 43%、44%、45%、46%、47%、48%、49%、50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%もしくはそれ以上であるならば、再発性腫瘍に対する全身性免疫が増加されるまたは増大される。いくつかの態様では、腫瘍内CD8+ Tリンパ球の割合は、腫瘍内CD45+細胞集団の少なくとも40%である。いくつかの態様では、腫瘍内CD45+細胞の集団に占める腫瘍内CD3+CD8+ T細胞の割合が処置前と比較して処置後に増加するならば、再発性腫瘍に対する全身性免疫が増加されるまたは増大される。そのような態様のいくつかでは、腫瘍内CD45+細胞の集団に占める腫瘍内CD3+CD8+ T細胞の割合は、処置前と比較して処置後に少なくとも5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、25%、30%もしくはそれ以上、または少なくとも約5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、25%、30%もしくはそれ以上増加される。いくつかの態様では、腫瘍内CD45+細胞の集団に占める腫瘍内CD3+CD8+ T細胞の割合は、処置前と比較して処置後に少なくとも10%増加される。
【0143】
いくつかの態様では、免疫性の強度または範囲は、疲弊腫瘍内CD8+ Tリンパ球の数、例えば、腫瘍内CD8+ Tリンパ球(例えば、CD3+CD8+ Tリンパ球)に対する割合としてのPD-1+CTLA-4+CD3+CD8+細胞の数によって測定され、腫瘍内CD3+CD8+ T細胞に占めるPD-1+CTLA-4+CD3+CD8+細胞の割合が処置前と比較して処置後に減少するならば、再発性腫瘍に対する全身性免疫が増加されるまたは増大される。そのような例のいくつかでは、処置後の腫瘍内CD3+CD8+ T細胞に占めるPD-1+CTLA-4+CD3+CD8+細胞の割合が20%未満または約20%未満、例えば、19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%またはそれ以下未満であるならば、再発性腫瘍に対する全身性免疫が増加される。いくつかの態様では、腫瘍内CD3+CD8+ T細胞に占めるPD-1+CTLA-4+CD3+CD8+細胞の割合が処置前と比較して処置後に低減するならば、再発性腫瘍に対する全身性免疫が増加されるまたは増大される。そのような態様のいくつかでは、腫瘍内CD3+CD8+ T細胞に占めるPD-1+CTLA-4+CD3+CD8+細胞の割合は、処置前と比較して少なくとも5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、25%、30%もしくはそれ以上、または少なくとも約5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、25%、30%もしくはそれ以上減少する。いくつかの態様では、腫瘍内CD3+CD8+ T細胞の集団に占める疲弊腫瘍内CD8+ T細胞(PD-1+CTLA-4+CD3+CD8+細胞)の割合は、処置前と比較して処置後に少なくとも10%減少する。
【0144】
いくつかの態様では、免疫性の強度または範囲は、活性化腫瘍内CD8+ Tリンパ球、例えば、CD3+CD8+Ki67+および/またはCD3+CD8+CD69+ Tリンパ球の数によって測定され、腫瘍内CD45+白血球に対する割合としての活性化腫瘍内CD8+ Tリンパ球、例えば、CD3+CD8+Ki67+および/またはCD3+CD8+CD69+ Tリンパ球の数が処置前と比較して処置後に増加するならば、再発性腫瘍に対する全身性免疫が増加されるまたは増大される。そのような態様のいくつかでは、腫瘍内CD3+CD8+Ki67+細胞の数が、処置後に、CD45+細胞の総数の少なくとも0.15%または少なくとも約0.15%、例えば、腫瘍内CD45+細胞の総数の少なくとも0.2%、0.25%、0.3%、0.35%、0.4%、0.45%、0.5%もしくはそれ以上、または少なくとも約0.2%、0.25%、0.3%、0.35%、0.4%、0.45%、0.5%もしくはそれ以上であるならば、再発性腫瘍に対する全身性免疫が増加されるまたは増大される。そのような態様の他の態様では、腫瘍内CD3+CD8+CD69+細胞の数が、処置後、CD45+細胞の総数の少なくとも0.5%または少なくとも約0.5%、例えば、腫瘍内CD45+細胞の総数の少なくとも0.6%、0.7%、0.8%、0.9%、1.0%、1.1%、1.2%、1.3%、1.4%、1.5%、1.6%、1.7%、1.8%、1.9%、2.0%、2.1%、2.2%、2.3%、2.4%、2.5%、2.6%、2.7%、2.8%、2.9%、3.0%もしくはそれ以上、または少なくとも約0.6%、0.7%、0.8%、0.9%、1.0%、1.1%、1.2%、1.3%、1.4%、1.5%、1.6%、1.7%、1.8%、1.9%、2.0%、2.1%、2.2%、2.3%、2.4%、2.5%、2.6%、2.7%、2.8%、2.9%、3.0%もしくはそれ以上、例えば、腫瘍内CD45+細胞の総数の少なくとも約1.0%であるならば、再発性腫瘍に対する全身性免疫が増加されるまたは増大される。いくつかの態様では、腫瘍内CD45+細胞に占める腫瘍内CD3+CD8+Ki67+および/またはCD3+CD8+CD69+ Tリンパ球の割合が処置前と比較して処置後に増加するならば、再発性腫瘍に対する全身性免疫が増加されるまたは増大される。そのような態様のいくつかでは、腫瘍内CD45+細胞に占めるCD3+CD8+Ki67+および/またはCD3+CD8+CD69+ Tリンパ球細胞の割合は、処置前の腫瘍内CD45+細胞に占めるCD3+CD8+Ki67+および/またはCD3+CD8+CD69+ Tリンパ球細胞の割合と比較して少なくとも1倍、2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、11倍、12倍、13倍、14倍、15倍、16倍、17倍、18倍、19倍、20倍、21倍、22倍、23倍、24倍、25倍、30倍、35倍、40倍、45倍、50倍、55倍、60倍もしくはそれ以上、または少なくとも約1倍、2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、11倍、12倍、13倍、14倍、15倍、16倍、17倍、18倍、19倍、20倍、21倍、22倍、23倍、24倍、25倍、30倍、35倍、40倍、45倍、50倍、55倍、60倍もしくはそれ以上増加される。いくつかの態様では、腫瘍内CD45+細胞に占める腫瘍内CD3+CD8+Ki67+ Tリンパ球細胞の割合は、処置前の腫瘍内CD45+細胞に占めるCD3+CD8+Ki67+ Tリンパ球細胞の割合と比較して少なくとも15倍または20倍増加される。いくつかの態様では、腫瘍内CD45+細胞に占める腫瘍内CD3+CD8+CD69+ Tリンパ球細胞の割合は、処置前の腫瘍内CD45+細胞に占めるCD3+CD8+CD69+ Tリンパ球細胞の割合と比較して少なくとも5倍増加される。
【0145】
いくつかの態様では、免疫性の強度または範囲は、腫瘍内細胞傷害性Tリンパ球、例えば、PD-1-CTLA-4-CD3+CD8+細胞の拡大によって測定され、CD8+ T細胞(例えば、CD3+CD8+ T細胞)に占める腫瘍内細胞傷害性Tリンパ球(例えば、PD-1-CTLA-4-CD3+CD8+細胞)の割合が処置前と比較して処置後に増加するならば、再発性腫瘍に対する全身性免疫が増加されるまたは増大される。そのような例のいくつかでは、腫瘍内細胞傷害性Tリンパ球(例えば、PD-1-CTLA-4-CD3+CD8+細胞)の数が、CD3+CD8+ T細胞の総数の少なくとも20%または少なくとも約20%、例えば、CD45+細胞の総数の少なくとも25%、30%、35%、40%、41%、42% 43%、44%、45%、46%、47%、48%、49%、50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%もしくはそれ以上、または少なくとも約25%、30%、35%、40%、41%、42% 43%、44%、45%、46%、47%、48%、49%、50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%もしくはそれ以上であるならば、再発性腫瘍に対する全身性免疫が増加されるまたは増大される。いくつかの態様では、腫瘍内PD-1-CTLA-4-CD3+CD8+細胞の割合は、腫瘍内CD3+CD8+ T細胞集団の少なくとも40%、45%、50%もしくは55%または少なくとも約40%、45%、50%もしくは55%である。いくつかの態様では、腫瘍内CD3+CD8+ T細胞の集団に占める腫瘍内PD-1-CTLA-4-CD3+CD8+細胞の割合が処置前と比較して処置後に増加するならば、再発性腫瘍に対する全身性免疫が増加されるまたは増大される。そのような態様のいくつかでは、腫瘍内CD3+CD8+ T細胞の集団に占める腫瘍内PD-1-CTLA-4-CD3+CD8+細胞の割合は、処置前の腫瘍内CD3+CD8+ T細胞の集団に占める腫瘍内PD-1-CTLA-4-CD3+CD8+細胞の割合と比較して処置後に少なくとも5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、50%、60%、70%、75%、80%もしくはそれ以上、または少なくとも約5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、50%、60%、70%、75%、80%もしくはそれ以上増加される。いくつかの態様では、腫瘍内CD3+CD8+ T細胞の集団に占める腫瘍内PD-1-CTLA-4-CD3+CD8+細胞の割合は、処置前の腫瘍内CD3+CD8+ T細胞の集団に占める腫瘍内PD-1-CTLA-4-CD3+CD8+細胞の割合と比較して処置後に少なくとも30%増加される。
【0146】
いくつかの態様では、本明細書に提供される方法および使用に従う処置は、制御性T細胞(Treg)、例えば腫瘍内CD4+FoxP3+ Tregの細胞死またはその数の低減を導く。よって、いくつかの態様では、全身性免疫のレベル、強度または範囲は、腫瘍内または循環制御性T細胞(Treg)の数または割合に基づいて測定することができる。いくつかの局面では、ある特定のTregなどのCD25発現細胞の表面への抗CD25コンジュゲートの結合と、CD25を発現する細胞の照射依存的な溶解および死を成し遂げるための照射は、CD25を発現する細胞の数の低減をもたらす。いくつかの局面では、そのような結果は、腫瘍内でのTregなどの免疫抑制細胞の数の低減を導き、ひいては、腫瘍における免疫抑制を緩和または後退させることができる。いくつかの局面では、そのような免疫抑制細胞の低減は、腫瘍内CD8+細胞傷害性T細胞またはCD4+ヘルパーT細胞などの腫瘍内T細胞の活性化および増殖をもたらすことができ、これらの細胞は、腫瘍細胞を排除し、腫瘍体積の低減および/または腫瘍の排除を導くことができる。いくつかの局面では、提供される態様に従う処置は、腫瘍内Tregの低減および/または腫瘍内CD8+とTregの比もしくは腫瘍内CD4+とTregの比の増加をもたらすことができる。
【0147】
いくつかの局面では、本明細書に提供される方法および使用に従う処置は、腫瘍内Tregの持続的または永続的な減少をもたらすことができる。いくつかの局面では、本明細書に提供される方法および使用に従う処置は、腫瘍内CD8+とTregの比または腫瘍内CD4+とTregの比の持続的または永続的な増加をもたらすことができる。いくつかの態様では、全身性免疫のレベル、強度または範囲は、腫瘍内CD8+とTregの比を決定することによって測定することができ、腫瘍内CD8+とTregの比が処置前と比較して処置後に増加するならば、再発性腫瘍に対する全身性免疫が増加されるまたは増大される。そのような例のいくつかでは、腫瘍内CD8+とTregの比が、処置前の腫瘍内CD8+とTregの比と比較して少なくとも1倍、1.1倍、1.2倍、1.3倍、1.4倍、1.5倍、1.6倍、1.7倍、1.8倍、1.9倍、2.0倍、2.1倍、2.2倍、2.3倍、2.4倍、2.5倍、2.6倍、2.7倍、2.8倍、2.9倍、3.0倍、3.1倍、3.2倍、3.3倍、3.4倍、3.5倍、3.6倍、3.7倍、3.8倍、3.9倍、4.0倍もしくはそれ以上、または少なくとも約1倍、1.1倍、1.2倍、1.3倍、1.4倍、1.5倍、1.6倍、1.7倍、1.8倍、1.9倍、2.0倍、2.1倍、2.2倍、2.3倍、2.4倍、2.5倍、2.6倍、2.7倍、2.8倍、2.9倍、3.0倍、3.1倍、3.2倍、3.3倍、3.4倍、3.5倍、3.6倍、3.7倍、3.8倍、3.9倍、4.0倍もしくはそれ以上増加するならば、再発性腫瘍に対する全身性免疫が増加されるまたは増大される。いくつかの態様では、全身性免疫のレベル、強度または範囲は、腫瘍内CD4+とTregの比を決定することによって測定することができ、腫瘍内CD4+とTregの比が処置前と比較して処置後に増加するならば、再発性腫瘍に対する全身性免疫が増加されるまたは増大される。いくつかの態様では、全身性免疫のレベル、強度または範囲は、腫瘍内TregとCD45+の比を決定することによって測定することができ、腫瘍内TregとCD45+の比が処置前と比較して処置後に減少するならば、再発性腫瘍に対する全身性免疫が増加されるまたは増大される。いくつかの局面では、そのような増加または減少は、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14日または3、4、5、6、7もしくは8週間またはより長く、あるいは約3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14日または3、4、5、6、7もしくは8週間またはより長く持続することができる。
【0148】
いくつかの局面では、全身性免疫のレベル、強度または範囲は、脾細胞または末梢血細胞または骨髄細胞またはリンパ節細胞を使用したCTL活性アッセイによって測定することができる。いくつかの態様では、細胞は、対象における初代腫瘍の照射後4日目~28日目に対象から収集される。
【0149】
いくつかの局面では、全身性免疫のレベル、強度または範囲は、初代腫瘍または転移性腫瘍細胞塊または侵襲性腫瘍細胞塊から収集されたT細胞を使用した腫瘍内T細胞疲弊アッセイによって測定することができる。いくつかの態様では、細胞は、対象における初代腫瘍の照射後4日目~28日目に対象から収集される。
【0150】
いくつかの局面では、全身性免疫のレベル、強度または範囲は、初代腫瘍または転移性腫瘍細胞塊または侵襲性腫瘍細胞塊から収集されたT細胞を使用した腫瘍内エフェクターT細胞増殖アッセイによって測定することができる。いくつかの態様では、細胞は、対象における初代腫瘍の照射後4日目~28日目に対象から収集される。
【0151】
いくつかの局面では、全身性免疫のレベル、強度または範囲は、初代腫瘍または転移性腫瘍細胞塊または侵襲性腫瘍細胞塊または末梢循環から収集されたT細胞を使用したT細胞受容体多様性アッセイによって測定することができる。いくつかの態様では、細胞は、対象における初代腫瘍の照射後4日目~28日目に対象から収集される。
【0152】
いくつかの局面では、全身性免疫のレベル、強度または範囲は、初代腫瘍または転移性腫瘍細胞塊または侵襲性腫瘍細胞塊からの腫瘍中の制御性T細胞(Treg)の存在、数もしくは頻度および/または腫瘍内Treg細胞と腫瘍内CD8+ T細胞もしくは腫瘍内CD4+ T細胞の比を決定することによって測定することができる。いくつかの態様では、細胞は、対象における初代腫瘍の照射後4日目~28日目に対象から収集される。
【0153】
いくつかの態様では、上記アッセイのいずれかを組み合わせて使用することができる。
【0154】
III. 本明細書における方法に従って使用するための組成物
いくつかの局面では、組成物および組み合わせであって、例えば、CD25タンパク質に結合する抗体またはその抗原結合断片などのターゲティング分子に連結されたフタロシアニン色素を含むコンジュゲート;および免疫チェックポイント阻害剤、例えば抗PD-1抗体を含む、組成物および組み合わせが提供される。いくつかの局面では、提供される方法および使用に従う処置の方法においてまたは処置レジメンにおいて、あるいはがんまたは腫瘍の処置のための医薬の製造において使用するための、組成物および組み合わせが提供される。いくつかの局面では、提供される方法および使用に従って使用するための、組成物および組み合わせが提供される。
【0155】
本明細書に提供される方法および使用は、CD25に結合するターゲティング分子、例えば、CD25に結合する(例えば、特異的に結合する)抗CD25抗体または抗原結合断片を含む、コンジュゲートを用いる。CD25は、CD8+細胞、CD4+FoxP3+制御性T細胞、活性化B細胞、いくつかの胸腺細胞、骨髄系前駆細胞およびオリゴデンドロサイトを含む活性化T細胞上に発現することができる。CD25はまた、インターロイキン2受容体アルファ鎖(IL2RA)、IDDM10、IL2R、TCGFR、p55またはIMD41としても知られている。
【0156】
いくつかの態様では、ターゲティング分子は、バシリキシマブ(Simulect(登録商標))、ダクリズマブ、PC61などの抗CD25抗体、またはバシリキシマブ(Simulect(登録商標))、ダクリズマブもしくはPC61などの抗CD25抗体の抗原結合断片であることができる。任意の態様のいくつかでは、抗CD25抗体は、ダクリズマブである。いくつかの態様では、抗CD25抗体は、Fc領域を含むバシリキシマブである。
【0157】
任意の態様のいくつかでは、ターゲティング分子は、抗体またはその抗原結合断片であるか、あるいは抗原結合断片を含む。任意の態様のいくつかでは、抗体は、抗CD25抗体である。任意の態様のいくつかでは、抗CD25抗体は、機能的Fc領域を含む。任意の態様のいくつかでは、抗CD25抗体は、完全長Fc領域を含む。いくつかの態様では、抗CD25抗体は、抗体断片である。任意の態様のいくつかでは、抗CD25抗体は、バシリキシマブもしくはダクリズマブ、またはそのバイオシミラー、インターチェンジャブル、バイオベター、コピー生物製剤もしくはバイオジェネリックである。任意の態様のいくつかでは、抗CD25抗体は、バシリキシマブである。任意の態様のいくつかでは、抗CD25抗体は、Fc領域を含むバシリキシマブである。任意の態様のいくつかでは、抗CD25抗体は、抗体依存性細胞傷害(ADCC)活性を示すまたは増強されたADCC活性を示すように操作されているFc領域を含むバシリキシマブである。任意の態様のいくつかでは、抗CD25抗体は、完全長Fc領域を含むバシリキシマブである。任意の態様のいくつかでは、抗CD25抗体は、ADCC活性を示すまたは増強されたADCC活性を示すように操作されているFc領域を含むバシリキシマブである。任意の態様のいくつかでは、抗CD25抗体は、ADCC活性を示さないまたは低減されたADCC活性を示すFc領域を含むバシリキシマブである。任意の態様のいくつかでは、抗CD25抗体は、ダクリズマブである。任意の態様のいくつかでは、抗CD25抗体は、Fc領域を含むダクリズマブである。任意の態様のいくつかでは、抗CD25抗体は、機能的Fc領域を含むダクリズマブである。任意の態様のいくつかでは、抗CD25抗体は、完全長Fc領域を含むダクリズマブである。いくつかの態様では、ターゲティング分子は、抗CD25抗体の「相補性決定領域」または「CDR」を含む抗体または抗体断片、例えば、記載された抗体またはその抗原結合断片のいずれかであることができる。CDRは、典型的には、抗原のエピトープへの結合に関与する。各々の鎖のCDRは、典型的には、N末端から始めて順次番号付けされたCDR1、CDR2およびCDR3と称され、一般には、特定のCDRが位置する鎖によっても特定される。したがって、重鎖可変領域(VH)CDR3は、それが見いだされる抗体の重鎖の可変ドメイン中に位置するが、軽鎖可変領域(VL)CDR1は、それが見いだされる抗体の軽鎖の可変ドメインに由来するCDR1である。異なる特異性、例えば異なる抗原に対する異なる結合部位を有する抗体は、異なるCDRを有する。抗体によって変化するのはCDRであるが、CDR内の限られた数のアミノ酸位置だけが抗原結合に直接関わる。CDR内のこれらの位置は特異性決定残基(SDR)と呼ばれる。いくつかの態様では、ターゲティング分子は、バシリキシマブ(Simulect(登録商標))、ダクリズマブまたはPC61に由来するCDRを含む。いくつかの態様では、ターゲティング分子は、バシリキシマブ(Simulect(登録商標))である。いくつかの態様では、コンジュゲートの抗体は、本明細書に記載される抗CD25抗体のいずれか、例えば、バシリキシマブ(Simulect(登録商標))またはその抗原結合断片のバイオシミラー、インターチェンジャブルまたはバイオベターである。そのような抗体はまた、本明細書に記載される抗CD25抗体のいずれか、例えば、バシリキシマブ(Simulect(登録商標))またはその抗原結合断片のコピー生物製剤およびバイオジェネリックも含む。
【0158】
本明細書に提供される方法および使用のいくつかの態様では、抗CD25抗体は、機能的Fc領域を含む。本明細書に提供される方法および使用のいくつかの態様では、抗CD25抗体は、完全長Fc領域を含む。
【0159】
本明細書に提供される方法および使用において用いられるコンジュゲートは、フタロシアニン色素を含む。本明細書に提供される方法および使用のいくつかの態様では、フタロシアニン色素は、ケイ素配位金属を有するフタロシアニン色素(Si-フタロシアニン色素)である。いくつかの態様では、フタロシアニン色素は、式:
[式中、
Lは、リンカーであり;
Qは、ターゲティング分子への色素の付着のための反応性基であり;
R2、R3、R7、およびR8は、各々独立して、場合により置換されているアルキルおよび場合により置換されているアリールの中から選択され;
R4、R5、R6、R9、R10、およびR11は、各々独立して、水素、場合により置換されているアルキル、場合により置換されているアルカノイル、場合により置換されているアルコキシカルボニル、場合により置換されているアルキルカルバモイル、およびキレート配位子の中から選択され、ここで、R4、R5、R6、R9、R10、およびR11の少なくとも1つは、水溶性基を含み;
R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19、R20、R21、R22およびR23は、各々独立して、水素、ハロゲン、場合により置換されているアルキルチオ、場合により置換されているアルキルアミノおよび場合により置換されているアルコキシの中から選択され;そして
X2およびX3は、各々独立して、場合によりヘテロ原子が介在しているC1~C10アルキレンである]を含む。
【0160】
いくつかの態様では、フタロシアニン色素は、式:
[式中、
X1およびX4は、各々独立して、場合によりヘテロ原子が介在しているC1~C10アルキレンであり;
R2、R3、R7、およびR8は、各々独立して、場合により置換されているアルキルおよび場合により置換されているアリールから選択され;
R4、R5、R6、R9、R10、およびR11は、各々独立して、水素、場合により置換されているアルキル、場合により置換されているアルカノイル、場合により置換されているアルコキシカルボニル、場合により置換されているアルキルカルバモイル、およびキレート配位子の中から選択され、ここで、R4、R5、R6、R9、R10、およびR11の少なくとも1つは、水溶性基を含み;そして
R16、R17、R18およびR19は、各々独立して、水素、ハロゲン、場合により置換されているアルキルチオ、場合により置換されているアルキルアミノおよび場合により置換されているアルコキシの中から選択される]を含む。
【0161】
本明細書に提供される方法および使用のいくつかの態様では、Si-フタロシアニン色素は、IRDye 700DX(IR700)である。いくつかの態様では、反応性基を含有するフタロシアニン色素は、IR700 NHSエステル、例えば、IRDye 700DX NHSエステル(LiCor 929-70010、929-70011)である。いくつかの態様では、色素は、下記式を有する化合物である:
【0162】
本明細書における目的のために、「IR700」、「IRDye 700」または「IRDye 700DX」という用語は、色素が、抗体などに、例えば反応性基を介してコンジュゲートされたときの上記式を含む。
【0163】
いくつかの態様では、本明細書に提供される方法および使用と共に使用するための組成物は、ターゲティング分子に連結されたSi-フタロシアニン色素を含むコンジュゲートであって、ターゲティング分子がCD25に結合するコンジュゲートを含む。いくつかの態様では、組成物は、抗CD25-Si-フタロシアニン色素コンジュゲートである。いくつかの態様では、組成物は、抗CD25-IR700コンジュゲートである。いくつかの態様では、組成物は、抗CD25-IR700コンジュゲートであり、ここで、抗CD25部分は、バシリキシマブである。いくつかの態様では、組成物は、抗CD25-IR700コンジュゲートであり、ここで、抗CD25部分は、機能的Fc領域を含有するバシリキシマブである。いくつかの態様では、組成物は、抗CD25-IR700コンジュゲートであり、ここで、抗CD25部分は、Fc領域、例えば完全長Fc領域を含有するバシリキシマブである。いくつかの態様では、組成物は、抗CD25-IR700コンジュゲートであり、ここで、抗CD25部分は、Fc領域、例えば抗体依存性細胞傷害(ADCC)活性を示すまたは増強されたADCC活性を示すように操作されているFc領域を含有するバシリキシマブである。いくつかの態様では、組成物は、抗CD25-IR700コンジュゲートであり、ここで、抗CD25部分は、ダクリズマブである。
【0164】
IV. チェックポイント阻害剤併用療法
本明細書に提供される方法および使用は、免疫チェックポイント阻害剤を、コンジュゲートの投与の前に、それと同時に、またはそれに続いて投与する工程を含むことができる。例えば、該方法は、免疫チェックポイント阻害剤の1つまたは複数の用量を投与する工程と、ターゲティング分子に連結されたフタロシアニン色素を含むコンジュゲートであって、ターゲティング分子がCD25に結合するコンジュゲートを投与する工程と、コンジュゲートの投与後、初代腫瘍および任意で1つまたは複数の追加腫瘍に照射する工程とを含むことができる。該方法は、最初に、ターゲティング分子に連結されたフタロシアニン色素を含むコンジュゲートであって、ターゲティング分子がCD25に結合するコンジュゲートを投与する工程と、コンジュゲートの投与後、初代腫瘍および任意で1つまたは複数の追加腫瘍に照射する工程と、次いで、免疫チェックポイント阻害剤を、コンジュゲートの投与または照射(例えば、放射)工程のいずれかに続いて投与する工程とを含むことができる。該方法はまた、コンジュゲートの投与と同時に免疫チェックポイント阻害剤を投与する工程も含むことができる。
【0165】
いくつかの態様では、免疫チェックポイント阻害剤は、PD-1阻害剤、PD-L1阻害剤、CTLA-4阻害剤、またはそれらの組み合わせから選択される。いくつかの態様では、免疫チェックポイント阻害剤は、PD-1に結合する抗体もしくは抗原結合断片、PD-L1に結合する抗体もしくは抗原結合断片またはCTLA-4に結合する抗体もしくは抗原結合断片、またはそれらの組み合わせから選択される。
【0166】
本明細書に提供される方法および使用のいくつかの態様では、免疫チェックポイント阻害剤は、抗PD-1抗体である。いくつかの態様では、該方法と共に使用するための抗PD-1抗体は、ペムブロリズマブ(MK-3475、KEYTRUDA;ランブロリズマブ)、ニボルマブ(OPDIVO)、セミプリマブ(LIBTAYO)、トリパリマブ(JS001)、HX008、SG001、GLS-010、ドスタルリマブ(TSR-042)、チスレリズマブ(BGB-A317)、セトレリマブ(JNJ-63723283)、ピジリズマブ(CT-011)、ゲノリムズマブ(APL-501、GB226)、BCD-100、セミプリマブ(REGN2810)、F520、シンチリマブ(IBI308)、CS1003、LZM009、カムレリズマブ(SHR-1210)、SCT-I10A、MGA012、AK105、PF-06801591、AMP-224、AB122、AMG 404、BI 754091、HLX10、JTX-4014、AMP-514(MEDI0680)、Sym021、MGD019、MGD013、AK104、XmAb20717、RO7121661、CX-188、スパルタリズマブ、BCD-217、HX009、IBI308、PDR001、REGN2810、TSR-042(ANB011)、およびそれらの任意の組み合わせを含むが、それらに限定されない。
【0167】
本明細書に提供される方法および使用のいくつかの態様では、免疫チェックポイント阻害剤は、抗PD-L1抗体である。本明細書に提供される方法および使用において使用することができる抗PD-L1抗体は、アテゾリズマブ(MPDL3280A、Tecentriq、RG7446)、アベルマブ(BAVENCIO、MSB0010718C;M7824)、デュルバルマブ(MEDI4736、IMFINZI)、LDP、NM-01、STI-3031(IMC-001;STI-A1015)、KN035、LY3300054、M7824(MSB0011359C)、BMS-936559、MSB2311、BCD-135、BGB-A333、CBT-502(TQB-2450)、コシベリマブ(CK-301)、CS1001(WPB3155)、FAZ053、MDX-1105、SHR-1316(HTI-1088)、TG-1501、ZKAB001(STI-A1014)、INBRX-105、MCLA-145、KN046、LY3415244、REGN3504、HLX20、およびそれらの任意の組み合わせを含むが、それらに限定されない。
【0168】
本明細書に提供される方法および使用のいくつかの態様では、免疫チェックポイント阻害剤は、抗CTLA-4抗体である。例示的な抗CTLA-4抗体は、イピリムマブ(YERVOY)、トレメリムマブ(チシリムマブ、CP-675,206)、AGEN1181、AGEN1884、ADU-1064、BCD-145、BCD-217、ADG116、AK104、ATOR-1015、BMS-986218、KN046、MGD019、MK-1308、REGN4659、XmAb20717、XmAb22841、およびそれらの任意の組み合わせである。
【0169】
本明細書に提供される方法および使用のいくつかの態様では、免疫チェックポイント阻害剤は、PD-1、PD-L1またはCTLA-4に結合する抗体または抗原結合断片から選択され、コンジュゲートは、抗CD25-IR700コンジュゲートである。本明細書に提供される方法および使用のいくつかの態様では、免疫チェックポイント阻害剤は、PD-1に結合する抗体または抗原結合断片であり、コンジュゲートは、抗CD25-IR700コンジュゲートであり、ここで、コンジュゲートの抗CD25部分は、バシリキシマブであるかまたはそれに由来する。本明細書に提供される方法および使用のいくつかの態様では、免疫チェックポイント阻害剤は、PD-1に結合する抗体または抗原結合断片であり、コンジュゲートは、抗CD25-IR700コンジュゲートであり、ここで、コンジュゲートの抗CD25部分は、バシリキシマブであるかまたはそれに由来し、コンジュゲートの抗体部分は、機能的Fc領域を含む。該方法のいくつかの態様では、コンジュゲートは、抗CD25-IR700コンジュゲートであり、ここで、コンジュゲートの抗CD25部分は、機能的Fc領域を含むバシリキシマブであるかまたはそれに由来する。該方法のいくつかの態様では、コンジュゲートは、抗CD25-IR700コンジュゲートであり、ここで、コンジュゲートの抗CD25部分は、機能的Fc領域を含むバシリキシマブであるかまたはそれに由来し、抗PD-1抗体は、ペムブロリズマブ(MK-3475、KEYTRUDA)、ニボルマブ(OPDIVO)、またはセミプリマブ(LIBTAYO)である。
【0170】
本明細書に提供される方法および使用のいくつかの態様では、免疫チェックポイント阻害剤は、がんを有する対象に、抗CD25-IR700コンジュゲートの投与の前に、抗CD25-IR700コンジュゲートの投与と同時に、抗CD25-IR700コンジュゲートの投与の後にまたはそれらの任意の組み合わせにて投与することができる。
【0171】
本明細書に提供される方法および使用のいくつかの態様では、免疫チェックポイント阻害剤が、1回、2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回、10回または10回超、対象に投与される。
【0172】
いくつかの態様では、免疫チェックポイント阻害剤が、対象に、コンジュゲートの投与前に、1回、2回、3回、4回、5回または5回超投与される。いくつかの態様では、免疫チェックポイント阻害剤が、対象に、コンジュゲートの投与の12時間、24時間、48時間、96時間、1週間、2週間、3週間もしくは4週間前に、または約12時間、24時間、48時間、96時間、1週間、2週間、3週間もしくは4週間前に投与される。いくつかの態様では、免疫チェックポイント阻害剤が、対象に、コンジュゲートの投与前の1~4週間未満または1~3週間未満もしくは1~2週間未満に投与される。
【0173】
いくつかの態様では、免疫チェックポイント阻害剤が、対象に、コンジュゲートの投与後、1回、2回、3回、4回、5回または5回超投与される。いくつかの態様では、免疫チェックポイント阻害剤が、対象に、コンジュゲートの投与前およびコンジュゲートの投与後に投与される。
【0174】
本明細書に提供される方法および使用のいくつかの態様では、抗CD25コンジュゲートが、対象に、1回または1回超投与される。いくつかの態様では、コンジュゲートが、1回、2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回、10回または10回超、対象に投与される。いくつかの態様では、初代腫瘍(複数)は、コンジュゲートの各投与後、例えば、コンジュゲートの各投与後24時間±4時間以内に照射される。いくつかの態様では、初代腫瘍または1つもしくは複数の追加腫瘍、原発腫瘍由来の残留細胞または塊、侵襲性がん細胞または転移性腫瘍細胞などの残留病変が対象に留まっているならば、コンジュゲートが、1回超投与される。いくつかの態様では、残留病変が、コンジュゲートの先行投与後、2週間、3週間、4週間、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、1年または1年超より長い時期留まっているならば、コンジュゲートの投与が繰り返される。
【0175】
本明細書に提供される方法および使用のいくつかの態様では、抗CD25コンジュゲート、例えば、抗CD25-IR700コンジュゲートが投与され、該方法はまた、免疫チェックポイント阻害剤の投与も含み、その二重投与は、増強された効果、例えば、追加的、相加的または相乗的効果をもたらす。追加的、相加的または相乗的効果は、いずれかの単独療法単独(すなわち、対象へのコンジュゲートのみの投与、コンジュゲートとそれに続く照射のみの投与、またはチェックポイント阻害剤のみの投与)の効果を超える効果のことを指す。例えば、抗CD25-IR700コンジュゲートの投与およびチェックポイント阻害剤、例えば抗PD-1抗体の投与は、抗CD25-IR700コンジュゲートのみまたはチェックポイント阻害剤のみが投与される場合、または抗CD25-IR700コンジュゲートとそれに続く照射のみの投与が行われる場合よりも大きな効果を生み出す。いくつかの局面では、提供される方法および使用は、追加的、相加的または相乗的な抗腫瘍応答をもたらす;例えば、対象における初代腫瘍と二次的集団の一方または両方の成長ならびに/またはその体積、寸法もしくは質量および二次的集団における細胞の数の増加は、コンジュゲートのみ、コンジュゲートとそれに続く照射のみ、および/または抗PD-1抗体のみの投与と比較して、より大きな程度または範囲、阻害される。提供される方法または使用のいくつかの局面では、初代腫瘍の一方または両方の成長ならびに/またはその体積、寸法もしくは質量および対象における二次的集団の体積、寸法または細胞数の増加は、コンジュゲートとそれに続く照射のみの投与と比較しておよび抗PD-1抗体のみの投与と比較して、より大きな程度、阻害される。いくつかの態様では、阻害は、腫瘍体積、腫瘍寸法または腫瘍質量の20%未満の増加;腫瘍体積、寸法または質量の変化なし(すなわち、停止された腫瘍成長または進行);または腫瘍体積、腫瘍寸法または腫瘍質量の低減、あるいは腫瘍細胞の数の低減の1つまたは複数を含む。いくつかの態様では、阻害は、腫瘍細胞の数の20%未満の増加の1つまたは複数を含む。いくつかの態様では、該方法は、増強された応答、例えば、より完全な応答、より永続的な応答またはより長く持続する応答を生み出す。
【0176】
いくつかの態様では、該方法は、腫瘍成長の阻害、低減または排除、腫瘍体積、寸法または質量の低減、または完全奏効を有する対象の数の増加、およびそれらの任意の組み合わせの1つまたは複数を含む、初代腫瘍に対する増強された効果、例えば、追加的効果、相加的効果または相乗的効果を生み出す。いくつかの態様では、該方法は、腫瘍細胞成長の阻害、低減または排除、侵襲性腫瘍細胞の数または体積、寸法もしくは質量の低減、およびそれらの任意の組み合わせの1つまたは複数を含む(1つまたは複数の照射された腫瘍、例えば初代腫瘍に対する効果との組み合わせも含む)、侵襲性腫瘍細胞に対する増強された効果、例えば、追加的効果、相加的効果または相乗的効果を生み出す。いくつかの態様では、該方法は、転移性腫瘍細胞成長の阻害、低減または排除、転移性腫瘍細胞の数または体積、寸法もしくは質量の低減、およびそれらの任意の組み合わせの1つまたは複数を含む(1つまたは複数の照射された腫瘍に対する効果との組み合わせも含む)、転移性腫瘍細胞に対する増強された効果、例えば、追加的効果、相加的効果または相乗的効果を生み出す。いくつかの態様では、相乗的効果は、照射(すなわち、選択された光の波長による照射または放射)に直接曝露された腫瘍に対して達成される。いくつかの態様では、増強された効果は、照射されなかった腫瘍細胞に対して達成され(例えば、この場合、初代腫瘍は照射される)、相乗的効果は、照射されなかった転移性腫瘍細胞または侵襲性腫瘍細胞(例えば、照射された腫瘍より遠位に位置する照射されなかった転移性腫瘍細胞または侵襲性腫瘍細胞)に対して達成される。
【0177】
いくつかの態様では、該方法は、全身性免疫の増加または増大に対する相乗的効果を生み出す。いくつかの態様では、該方法は、本明細書に記載されるようなまたは公知の全身性免疫の尺度、例えば本明細書のセクションIIに記載されるもののいずれか、例えば、腫瘍内CD8+ Tリンパ球の数、CD8+ Tリンパ球と制御性T細胞(Treg)の比、腫瘍内Tリンパ球疲弊(例えば、PD-1および/またはCTLA4マーカーを発現するCD3+CD8+細胞の割合)、腫瘍内活性化CD8+ Tリンパ球の数または割合(例えば、CD45+細胞に対するKi67+またはCD69+ CD8細胞の割合)、腫瘍細胞に対する脾細胞の細胞傷害性に基づく細胞傷害性腫瘍内Tリンパ球の拡大(例えば、PD-1および/またはCTLA4マーカーを発現しないCD3+CD8+細胞の割合)、あるいはそれらの任意の組み合わせまたはすべてに対する相乗的効果を生み出す。いくつかの局面では、腫瘍内CD8+ Tリンパ球は、CD3+CD8+細胞を含み、腫瘍内疲弊Tリンパ球は、PD-1+CTLA-4+CD3+CD8+細胞を含み、活性化腫瘍内CD8+ Tリンパ球は、CD3+CD8+Ki67+および/またはCD3+CD8+CD69+細胞を含み、細胞傷害性Tリンパ球の拡大は、PD-1-CTLA-4-CD3+CD8+細胞を含む。
【0178】
いくつかの態様では、該方法は、相乗的効果を達成するための、抗CD25-IR700コンジュゲートおよび免疫チェックポイント阻害剤の投与を含む。いくつかの態様では、該方法は、増強された効果、例えば、相乗的効果または相加的効果を達成するための、抗CD25-IR700コンジュゲートおよび抗PD-1抗体の投与を含む。いくつかの態様では、抗CD25-IR700コンジュゲートは、機能的Fc領域を有するバシリキシマブを含み、免疫チェックポイント阻害剤は、ニボルマブなどの抗PD-1抗体であり、増強された効果、例えば、追加的、相加的または相乗的効果は、照射された腫瘍における腫瘍成長の低減、腫瘍体積の低減、腫瘍寸法の低減、腫瘍質量の低減もしくは完全奏効、および/または腫瘍細胞の二次的集団(侵襲性腫瘍細胞または転移性腫瘍細胞など)における非照射腫瘍細胞の成長、数、体積、寸法または質量の低減として見いだされる。いくつかの態様では、抗CD25-IR700コンジュゲートの投与および照射は、腫瘍内Tregの数の低減および/または腫瘍内CD8+とTregの比もしくは腫瘍内CD4+とTregの比の増加をもたらす。いくつかの態様では、抗PD-1抗体との併用処置は、腫瘍内Tregの数の低減および/または腫瘍内CD8+とTregの比もしくは腫瘍内CD4+とTregの比の増加に関して相乗的効果をもたらすことができる。
【0179】
V. 追加の治療剤
いくつかの局面では、提供される方法および使用は、追加の治療剤または抗がん処置の投与を伴う。いくつかの局面では、追加の治療剤は、免疫調節剤である。いくつかの局面では、追加の治療剤は、抗がん処置である。
【0180】
いくつかの態様では、免疫調節剤は、サイトカインである。いくつかの態様では、免疫調節剤は、サイトカインであるか、または腫瘍微小環境中のサイトカインの増加された発現を誘導する作用物質である。いくつかの局面では、「サイトカイン」は、ある細胞集団によって放出される、別の細胞に対して細胞間メディエーターとして作用するタンパク質の総称のことを指す。そのようなサイトカインの例は、リンホカイン、モノカインおよび伝統的なポリペプチドホルモンである。中でも、ヒト成長ホルモン、N-メチオニルヒト成長ホルモンおよびウシ成長ホルモンなどの成長ホルモン;副甲状腺ホルモン;チロキシン;インスリン;プロインスリン;リラキシン;プロリラキシン;卵胞刺激ホルモン(FSH)、甲状腺刺激ホルモン(TSH)および黄体形成ホルモン(LH)などの糖タンパク質ホルモン;肝細胞増殖因子;線維芽細胞増殖因子;プロラクチン;胎盤性ラクトゲン;腫瘍壊死因子-アルファおよび-ベータ;ミュラー管抑制因子;マウスゴナドトロピン関連ペプチド;インヒビン;アクチビン;血管内皮増殖因子;インテグリン;トロンボポエチン(TPO);NGF-ベータなどの神経成長因子;血小板成長因子;TGF-アルファおよびTGF-ベータなどのトランスフォーミング増殖因子(TGF);インスリン様成長因子-Iおよび-II;エリスロポエチン(EPO);骨誘導因子;インターフェロン-アルファ、ベータおよびガンマなどのインターフェロン;コロニー刺激因子(CSF)、例えば、マクロファージ-CSF(M-CSF);顆粒球-マクロファージ-CSF(GM-CSF);および顆粒球-CSF(G-CSF);インターロイキン(IL)、例えば、IL-1、IL-1アルファ、IL-2、IL-3、IL-4、IL-5、IL-6、IL-7、IL-8、IL-9、IL-10、IL-11、IL-12;IL-15、腫瘍壊死因子、例えばTNF-アルファまたはTNF-ベータ;ならびにLIFおよびkitリガンド(KL)を含む他のポリペプチド因子がサイトカインに含まれる。本明細書において使用される場合、サイトカインという用語は、天然源由来または組換え細胞培養物由来のタンパク質、および天然配列のサイトカインの生物学的に活性な同等物を含む。例えば、免疫調節剤は、サイトカインであり、サイトカインは、IL-4、TNF-a、GM-CSFまたはIL-2である。
【0181】
いくつかの態様では、免疫調節剤は、GM-CSF、CpG-ODN(CpGオリゴデオキシヌクレオチド)、リポ多糖(LPS)、モノホスホリルリピドA(MPL)、ミョウバン、組換えLeishmaniaポリタンパク質、イミキモド、MF59、ポリI:C、ポリA:U、1型IFN、Pam3Cys、Pam2Cys、完全フロイントアジュバント(CFA)、アルファ-ガラクトシルセラミド、RC-529、MDF2P、ロキソリビン、抗CD40アゴニスト、SIRPaアンタゴニスト、AS04、AS03、フラジェリン、レシキモド、DAP(ジアミノピメリン酸)、MDP(ムラミルジペプチド)およびCAF01(陽イオン性アジュバント製剤-01)の中から選択される。いくつかの態様では、免疫調節剤は、Toll様受容体(TLR)アゴニスト、アジュバントまたはサイトカインである。いくつかの態様では、免疫調節剤は、TLRアゴニストであり、TLRアゴニストは、TLR4アゴニスト、TLR7アゴニスト、TLR8アゴニストまたはTLR9アゴニストである、TLRアゴニストである。いくつかの態様では、TLRアゴニストは、トリアシル化リポタンパク質、ジアシル化リポペプチド、リポタイコ酸、ペプチドグリカン、ザイモサン、Pam3CSK4、dsRNA、polyLC、ポリG10、ポリG3、CpG、3M003、フラジェリン、リポ多糖(LPS)、真核生物リボソーム伸長および開始因子4aのLeishmania相同体(LeIF)、MED 19197、SD-101、ならびにイミダゾキノリンTLRアゴニストの中から選択される。
【0182】
いくつかの態様では、免疫調節剤は、1つまたは複数のインターロイキンまたは他のサイトカインを含有することができる。例えば、インターロイキンは、天然サイトカインの併用である白血球インターロイキン注射(Multikine)を含むことができる。
【0183】
いくつかの態様では、免疫調節剤は、Toll様受容体(TLR)アゴニストである。いくつかの態様では、そのようなアゴニストは、TLR4アゴニスト、TLR8アゴニスト、またはTLR9アゴニストを含むことができる。そのようなアゴニストは、ペプチドグリカン、ポリLC、CpG、3M003、フラジェリン、ならびに真核生物リボソーム伸長および開始因子4aのLeishmania相同体(LeIF)から選択され得る。
【0184】
いくつかの態様では、免疫調節剤は、腫瘍細胞の免疫原性を増強するもの、例えば、パツピロン(エポチロンB)、上皮成長因子受容体(EGFR)ターゲティングモノクローナル抗体7A7.27、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤(例えば、ボリノスタット、ロミデプシン、パノビノスタット、ベリノスタット、およびエンチノスタット)、n3-多価不飽和脂肪酸ドコサヘキサエン酸、プロテアソーム阻害剤(例えば、ボルテゾミブ)、シコニン(ムラサキ(Lithospermum erythrorhizon)の根の主成分)および腫瘍溶解性ウイルス、例えばTVec(タリモジンラヘルパレプベク)であることができる。いくつかの態様では、アントラサイクリン(antrhacyclins)(ドキソルビシン、ミトキサントロン)、BKチャネルアゴニスト、ボルテゾミブ、ボルテゾミブ(botrtezomib)+マイトマイシンC+hTert-Ad、強心配糖体+非ICD誘導因子、シクロホスファミド、GADD34/PP1阻害剤+マイトマイシン、LV-tSMAC、およびオキサリプラチンなどの免疫調節剤は、がんまたは腫瘍の免疫原性細胞死を活性化する。いくつかの態様では、免疫調節剤は、エピジェネティック療法、例えば、DNAメチルトランスフェラーゼ阻害剤(例えば、デシタビン、5-アザ-2'-デオキシシチジン)であることができる。
【0185】
例えば、いくつかの態様では、免疫調節剤は、DNAメチルトランスフェラーゼ阻害剤であることができ、これは、腫瘍関連抗原(TAA)の発現を調節することができる。TAAは、免疫応答をトリガーする、腫瘍細胞において産生される抗原物質である。TAAは、しばしば、腫瘍においてDNAメチル化によってダウンレギュレーションされて、免疫系を回避する。DNAメチル化の反転は、TAA発現を回復し、腫瘍細胞の免疫原性を増加させる。例えば、デシタビン(5-アザ-2'-デオキシシチジン)などの脱メチル化剤は、腫瘍細胞においてTAAの発現をアップレギュレートすることができ、かつ、がん性細胞の免疫認識を増加させることができる。光免疫療法は、細胞を破壊することによってTAAを免疫系にさらに曝すことになるだろう。
【0186】
いくつかの態様では、追加の治療剤は、抗がん剤などの抗がん処置において使用される作用物質または化合物である。これらは、腫瘍およびがんに関連する臨床症状または診断マーカーを緩和する、低減する、改善する、抑制するかまたはその奏効状態に置くもしくは保つことができ、かつ、本明細書に提供される組み合わせおよび組成物において使用できる、任意の作用物質を含む。いくつかの態様では、抗がん剤は、その治療効果が一般に腫瘍微小環境または腫瘍空間への抗がん剤の浸透または送達に関連するものである。いくつかの態様では、抗がん剤は、アルキル化剤、白金製剤、代謝拮抗剤、抗腫瘍抗生物質、トポイソメラーゼ阻害剤、有糸分裂阻害剤、コルチコステロイド、プロテアソーム阻害剤、キナーゼ阻害剤、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤、または抗体もしくはその抗原結合抗体断片である。いくつかの態様では、抗がん剤は、ペプチド、タンパク質または低分子薬である。
【0187】
いくつかの態様では、抗がん剤は、5-フルオロウラシル/ロイコボリン、オキサリプラチン、イリノテカン、レゴラフェニブ、ziv-アフィベルセプト、カペシタビン、シスプラチン、パクリタキセル、トプテカン(toptecan)、カルボプラチン、ゲムシタビン、ドセタキセル、5-FU、イホスファミド、マイトマイシン、ペメトレキセド、ビノレルビン、カルムスチンウエハー(carmustine wager)、テモゾロミド、メトトレキサート、カパシタビン、ラパチニブ、エトポシド、ダブラフェニブ、ベムラフェニブ、リポソーマルシタラビン、シタラビン、インターフェロンアルファ、エルロチニブ、ビンクリスチン、シクロホスファミド、ロムシン、プロカルバジン、スニチニブ、ソマストスタチン、ドキソルビシン、ペグ化リポソーム封入ドキソルビシン、エピルビシン、エリブリン、アルブミン結合パクリタキセル、イキサベピロン、コトリモキサゾール、タキサン、ビンブラスチン、テムシロリムス、テモゾロミド、ベンダムスチン、経口エトポシド、エベロリムス、オクトレオチド、ランレオチド、ダカルバジン、メスナ、パゾパニブ、エリブリン、イマチニブ、レゴラフェニブ、ソラフェニブ、ニロチニブ、ダサンチニブ、セレコキシブ、タモキシフェン、トレミフェン、ダクチノマイシン、シロリムス、クリゾチニブ、セルチニブ、エンザルタミド、酢酸アビラテロン、ミトキサントロン、カバジタキセル、フルオロピリミジン、オキサリプラチン、ロイコボリン、アファチニブ、セリチニブ、ゲフィチニブ、カボザンチニブ、オキサリプラチンまたはオーロロピリミジンである。
【0188】
いくつかの態様では、抗がん剤は、アルキル化剤である。アルキル化剤は、核酸と共有結合を形成してDNA合成を阻害することによってDNAを直接損傷する化合物である。例示的なアルキル化剤は、メクロレタミン、シクロホスファミド、イホスアミド(ifosamide)、メルファラン、クロラムブシル、ブスルファンおよびチオテパ、ならびにカルムスチンおよびロムスチンなどのニトロソウレア(nitrosurea)アルキル化剤を含むが、それらに限定されない。
【0189】
いくつかの態様では、抗がん剤は、抗体または抗原結合抗体断片である。
【0190】
いくつかの態様では、抗がん剤は、白金製剤である。白金製剤は、DNAに結合してDNAの架橋を引き起こし、これが最終的にアポトーシスをトリガーする。例示的な白金製剤は、シスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチン、サトラプラチン、ピコプラチン、ネダプラチン、トリプラチンおよびリポプラチンを含むが、それらに限定されない。
【0191】
いくつかの態様では、抗がん剤は、代謝拮抗剤である。代謝拮抗剤は、RNAおよびDNAの正常な構成要素と置き換わることによって、DNAおよびRNAの成長を妨害する。これらの作用物質は、細胞の染色体がコピーされているS期の間、細胞を損傷する。いくつかの場合、代謝拮抗剤は、白血病、乳房、卵巣および腸管のがん、ならびに他のタイプのがんを処置するために使用することができる。例示的な代謝拮抗剤は、5-フルオロウラシル(5-FU)、6-メルカプトプリン(6-MP)、カペシタビン(Xeloda(登録商標))、シタラビン(Ara-C(登録商標))、フロキシウリジン、フルダラビン、ゲムシタビン(Gemzar(登録商標))、ヒドロキシウレア、メトトレキサート、およびペメトレキセド(Alimta(登録商標))を含むが、それらに限定されない。
【0192】
いくつかの態様では、抗がん剤は、抗腫瘍抗生物質である。抗腫瘍抗生物質は、がん細胞内のDNAを変化させることによって作用し、それらが成長および増倍しないようにする。アントラサイクリンは、DNA複製に関与する酵素を妨害する抗腫瘍抗生物質である。これらの薬物は、一般に、細胞周期のすべての段階において作用する。これらを、多種多様ながんに対して広く使用することができる。例示的なアントラサイクリンは、ダウノルビシン、ドキソルビシン、エピルビシンおよびイダルビシンを含むが、それらに限定されない。他の抗腫瘍抗生物質は、アクチノマイシン-D、ブレオマイシン、マイトマイシン-C、およびミトキサントロンを含む。
【0193】
いくつかの態様では、抗がん剤は、トポイソメラーゼ阻害剤である。これらの薬物は、トポイソメラーゼ(DNAの鎖の分離を助けることで、S期の間に鎖をコピーできる)と呼ばれる酵素を妨害する。トポイソメラーゼ阻害剤は、ある特定の白血病、ならびに肺がん、卵巣がん、消化器がんおよび他のがんを処置するために使用することができる。例示的なトポイソメラーゼ(toposiomerase)阻害剤は、ドキソルビシン、トポテカン、イリノテカン(CPT-11)、エトポシド(VP-16)、テニポシドおよびミトキサントロンを含むが、それらに限定されない。
【0194】
いくつかの態様では、抗がん剤は、有糸分裂阻害剤である。有糸分裂阻害剤は、しばしば、植物アルカロイドおよび天然の植物性産物に由来する他の化合物である。これらは、細胞周期のM期における有糸分裂を停止させることによって作用するが、いくつかの場合では、酵素が細胞再生に必要なタンパク質を製造するのを妨げることによって、全ての段階において細胞を損傷することができる。例示的な有糸分裂阻害剤は、パクリタキセル(Taxol(登録商標))、ドセタキセル(Taxotere(登録商標))、イキサベピロン(Ixempra(登録商標))、ビンブラスチン(Velban(登録商標))、ビンクリスチン(Oncovin(登録商標))、ビノレルビン(Navelbine(登録商標))、およびエストラムスチン(Emcyt(登録商標))を含むが、それらに限定されない。
【0195】
いくつかの態様では、抗がん剤は、コルチコステロイドである。コルチコステロイドは、しばしば単にステロイドと呼ばれ、多くのタイプのがんの処置に有用である天然ホルモンおよびホルモン様薬物である。コルチコステロイドはまた、アレルギー反応を防ぐのを助けるために化学療法の前に使用することもでき、また、吐き気および嘔吐を防ぐのを助けるために化学療法の間および後に使用することもできる。例示的なコルチコステロイドは、プレドニゾン、メチルプレドニゾロン(Solumedrol(登録商標))、およびデキサメタゾン(Decadron(登録商標))を含むが、それらに限定されない。
【0196】
いくつかの態様では、抗がん剤は、プロテオソーム(proteosome)阻害剤、キナーゼ阻害剤またはヒストンデアセチラーゼ阻害剤などの別のタイプの化学療法薬である。他の態様では、抗がん剤は、がん治療に使用される抗体などの生物製剤である。
【0197】
VI. 方法および組成物と共に使用するためデバイス
いくつかの局面では、本明細書における方法および組成物と共に使用できるデバイスは、色素コンジュゲート組成物、例えば、フタロシアニン色素コンジュゲート(例えば、本明細書に記載されるものなどの抗CD25-IR700コンジュゲート)との使用に適した光波長の1つの波長(または複数の波長)での照射を提供する光拡散デバイスを含む。照射デバイスは、光源(例えば、レーザー)と、関心対象の領域に光を伝達する手段(例えば、対象の隔離された領域または隔離された病変もしくは腫瘍に照射するための1つまたは複数のファイバ)を含むことができる。
【0198】
本明細書に提供される方法および使用のいくつかの態様では、照射は、ディフューザー長0.5cm~10cmを含みかつ1.8±0.2cm離れて置かれた円筒形拡散ファイバを使用して行われる。いくつかの態様では、光照射線量は、20J/ファイバ長cmまたは約20J/ファイバ長cmから約500J/ファイバ長cmである。いくつかの態様では、病変は、間質性腫瘍である腫瘍であり、照射は、円筒形拡散ファイバを使用して行われる。いくつかの態様では、腫瘍は、10mmを超える深さであるかまたは皮下腫瘍である。
【0199】
いくつかの態様では、提供される方法は、対象における間質性腫瘍に、ディフューザー長0.5cm~10cmを含みかつ1.8±0.2cm離れて置かれた円筒形拡散ファイバで、100J/ファイバ長cmもしくは約100J/ファイバ長cmの光線量または400mW/cmもしくは約400mW/cmのフルエンス率で照射する工程を含む。いくつかの態様では、腫瘍は、10mmを超える深さであるかまたは皮下腫瘍である。いくつかの態様では、円筒形拡散ファイバは、腫瘍中に1.8±0.2cm離れて位置付けられたカテーテル内に置かれる。いくつかの態様では、カテーテルは、光学的に透明である。
【0200】
いくつかの態様では、病変は、表在性腫瘍である腫瘍である。いくつかの態様では、腫瘍は、10mm未満の厚さである。いくつかの態様では、照射は、表面照射用のマイクロレンズが先端に付いたファイバを使用して行われる。いくつかの態様では、光照射線量は、5J/cm2または約5J/cm2から約200J/cm2である。
【0201】
いくつかの態様では、提供される方法は、対象における表在性腫瘍に、表面照射用のマイクロレンズが先端に付いたファイバで、5J/cm2または約5J/cm2から約200J/cm2の光線量で照射する工程を含む。いくつかの態様では、光照射線量は、50J/cm2であるかまたは約50J/cm2である。
【0202】
いくつかの態様では、照射(本明細書において照射とも称される)は、WO2018/080952およびUS20180239074に記載されているものなどの「トップハット(top hat)」放射照度分布プロファイルを有するデバイスを用いる。
【0203】
VII. 定義
別途定義がなされない限り、本明細書において使用される専門用語、表記、ならびに他の技術用語および科学用語または用語法はすべて、特許請求される主題が関係する技術分野の当業者によって通常理解されるものと同じ意味を有すると意図される。いくつかの場合、通常理解されている意味を有する用語が、明確にするためにかつ/またはすぐに参照できるように本明細書において定義されるが、本明細書にそのような定義を含めることは、当技術分野において一般に理解されているものとの実質的な相違を表すと必ずしも解釈されるべきではない。
【0204】
本明細書において使用される場合、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」および「その(the)」は、文脈による明確な別途指示がなされない限り、複数の指示対象を含む。例えば、「1つの(a)」または「1つの(an)」は、「少なくとも1つの」または「1つまたは複数の」を意味する。本明細書に記載される局面および変形は、局面および変形「からなる」ならびに/または局面および変形「から本質的になる」を含むと理解される。
【0205】
本開示を通して、特許請求される主題の様々な局面は、範囲形式で提示される。範囲形式での記載は、単に便宜上および簡潔化のためであり、特許請求される主題の範囲に対する確固たる限定として解釈されるべきでないことが、理解されるべきである。したがって、範囲の記載は、可能な部分範囲およびその範囲内の個々の数値をすべて具体的に開示していると見なされるべきである。例えば、値のある範囲が提供される場合、その範囲の上限値と下限値の間の各介在値、およびその規定範囲内の任意の他の規定値または介在値が、特許請求される主題内に包含されることが理解される。これらのより小さな範囲の上限値および下限値は、独立的にそのより小さな範囲内に含まれてよく、これらもまた、規定範囲における任意の具体的に除外される限界値に従って、特許請求される主題内に包含される。規定範囲が限界値の一方または両方を含む場合、それら含まれた限界値の一方または両方を除外する範囲もまた、特許請求される主題内に含まれる。このことは、範囲の幅とは無関係に適用される。
【0206】
「約」という用語は、本明細書において使用される場合、この技術分野の当業者にとっては明白な、それぞれの値に関する通常の誤差範囲のことを指す。本明細書における「約」の付いた値またはパラメーターへの言及は、その値またはパラメーターそのものに向けられた態様を含む(および説明する)。例えば、「約X」に言及する説明は、「X」の説明を含む。
【0207】
本明細書において使用される場合、「コンジュゲート」は、化学コンジュゲートによって生産されるものおよび任意の他の方法によって生産されるものなどの光活性化可能な色素に直接的または間接的に連結されたターゲティング分子のことを指す。例えば、コンジュゲートは、1つまたは複数のターゲティング分子(細胞表面タンパク質に結合するかまたはそれを標的とするポリペプチドなど)に直接的または間接的に連結されたフタロシアニン色素(IR700分子など)のことを指すことができる。ターゲティング分子は、ポリペプチド、1を超えるポリペプチド、抗体または化学部分であることができる。
【0208】
本明細書において使用される場合、「抗CD25コンジュゲート」は、CD25に結合するターゲティング分子を有するコンジュゲートのことを指す。抗CD25コンジュゲートは、CD25に結合する抗体、抗原結合断片または他の部分であるターゲティング分子を有することができる。
【0209】
「モノクローナル抗体」は、Bリンパ球の単一クローンによってまたは単一抗体の軽鎖および重鎖遺伝子がトランスフェクトされた細胞によって産生される抗体である。モノクローナル抗体は、当業者に公知の方法によって、例えば、骨髄腫細胞と免疫脾細胞との融合物からハイブリッド抗体形成細胞を作製することによって生産される。モノクローナル抗体は、ヒト化モノクローナル抗体を含む。
【0210】
「特異的に結合する」は、非腫瘍タンパク質(例えばβ-アクチン)などの関連のないタンパク質への結合と比べて腫瘍特異的抗原などの抗原と特異的に免疫反応する、個々の抗体の能力のことを指す。例えば、CD25特異的結合剤は、インビトロまたはインビボで実質的にCD25タンパク質にのみ結合する。本明細書において使用される場合、「腫瘍特異的結合剤」という用語は、腫瘍特異的抗体、およびその調製物中の実質的に腫瘍特異的タンパク質にのみ結合する他の作用物質を含む。
【0211】
「抗体-IR700分子」または「抗体-IR700コンジュゲート」は、IR700にコンジュゲートされた腫瘍特異的抗体などの抗体を両方とも含む分子のことを指す。いくつかの例では、抗体は、がん細胞上の表面タンパク質に特異的に結合するヒト化抗体(ヒト化モノクローナル抗体など)である。
【0212】
「抗原」は、動物に注射されるかまたは吸収される組成物(腫瘍特異的タンパク質を含むものなど)を含め、動物において抗体の産生またはT細胞応答を刺激することができる化合物、組成物または物質のことを指す。抗原は、開示される抗原などの異種抗原によって誘導されるものを含め、特定の体液性または細胞性免疫の産物と反応する。「エピトープ」または「抗原決定基」は、B細胞および/またはT細胞が応答する抗原の領域のことを指す。一態様では、T細胞は、エピトープがMHC分子と共に提示される場合、エピトープに応答する。エピトープは、タンパク質の三次フォールディングによって近接する連続アミノ酸または非連続アミノ酸の両方から形成され得る。連続アミノ酸から形成されるエピトープは、典型的には、変性溶媒に曝露しても保持されるのに対し、三次フォールディングによって形成されるエピトープは、典型的には、変性溶媒で処理すると失われる。エピトープは、典型的には、少なくとも3個、より通常には、少なくとも5個、約9個または約8~10個のアミノ酸を固有の空間的立体構造中に含む。エピトープの空間的立体構造を決定する方法は、例えば、X線結晶構造解析および核磁気共鳴を含む。
【0213】
抗原の例は、免疫細胞によって認識されるものなどの抗原決定基を含有する、ペプチド、脂質、多糖および核酸を含むが、それらに限定されない。いくつかの例では、抗原は、腫瘍特異的ペプチド(がん細胞の表面上に見いだされるものなど)またはその免疫原性断片を含む。
【0214】
「免疫チェックポイント阻害剤」は、T細胞などの一部の免疫系細胞および一部のがん細胞によって作製されるある特定のタンパク質を遮断する薬物の一種のことを指す。これらのタンパク質は、免疫応答を抑制するのを助け、T細胞ががん細胞を殺傷するのを妨げ得る。これらのタンパク質が遮断されると、免疫系に対する「ブレーキ」が解除され、T細胞はがん細胞をより殺傷することができる。T細胞またはがん細胞上に見いだされるチェックポイントタンパク質の例は、PD-1/PD-L1およびCTLA-4/B7-1/B7-2を含む。いくつかの免疫チェックポイント阻害剤が、がんを処置するために使用される。
【0215】
本明細書において使用される場合、組み合わせは、2つ以上の項目の間の任意の会合のことを指す。組み合わせは、2つの組成物または2つの収集物などの2つ以上の別々の項目であることができ、2つ以上の項目の単一混合物などのそれらの混合物、またはそれらの変種であることができる。組み合わせの構成要素は、一般に機能的に関連または関係している。
【0216】
本明細書において使用される場合、「併用療法」は、単一疾患を処置するために対象に2つ以上の治療剤、例えば少なくとも2つまたは少なくとも3つの治療剤が与えられる処置のことを指す。いくつかの態様では、各療法は、独立した薬学的効果をもたらすことができ、一緒になって、相加的または相乗的な薬学的効果をもたらすことができる。
【0217】
本明細書において使用される場合、疾患または病態を有する対象を「処置すること」は、処置後、対象の症状が部分的または全体的に緩和されるかまたは安定した状態に保たれることを意味する。よって、処置することは、予防、治療および/または治癒を包含する。予防は、潜在的な疾患の抑制および/または疾患の症状もしくは進行の悪化の抑制のことを指す。
【0218】
本明細書において使用される場合、「処置」は、病態、障害または疾患または他の適応症の症状を改善するかまたは他の有益な形で変化させる任意の方法のことを意味する。
【0219】
本明細書において使用される場合、「治療効果」は、対象の処置から生じる、疾患または病態の症状を変化させる、典型的には向上させるまたは改善するか、疾患または病態を治癒する、効果のことを意味する。
【0220】
本明細書において使用される場合、「治療上有効な量」または「治療上有効な用量」は、少なくとも治療効果を生み出すのに十分な、作用物質、化合物、材料または化合物を含有する組成物の量のことを指す。よって、それは、疾患または障害の症状を抑制する、治癒する、改善する、停止するまたは部分的に停止するのに必要な量である。
【0221】
本明細書において使用される場合、処置による、例えば薬学的組成物または他の治療薬の投与による、特定の疾患または障害の症状の改善は、組成物または治療薬の投与に起因または関連し得る症状の、永久的か一時的か、持続的か一過性かにかかわることのない、あらゆる軽減のことを指す。
【0222】
本明細書において使用される場合、「対象」という用語は、ヒトなどの哺乳動物を含む動物のことを指す。
【0223】
本明細書において使用される場合、「任意の(optional)」または「任意で(または場合により)(optionally)」は、その後に記載される事象または状況が起こるまたは起こらないこと、その記載が、前記事象または状況が起こる場合とそれが起こらない場合を含むことを意味する。例えば、場合により置換されている基は、その基が置換されていないことまたは置換されていることを意味する。
【0224】
特許文書、科学論文およびデータベースを含めて、本出願において参照されるすべての刊行物は、それぞれの個々の刊行物が個々に参照により組み入れられていたかのように同程度に、すべての目的のためにその全体が参照により組み入れられる。本明細書において示される定義が、参照により本明細書に組み入れられる特許、特許出願、公開特許出願および他の刊行物において示される定義に反する場合、または、そうでなければ、該定義と一致しない場合、本明細書において示される定義が、参照により本明細書に組み入れられる定義に優先する。
【0225】
本明細書において使用されるセクション見出しは、構成を目的としたものにすぎず、記載される主題を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0226】
VIII. 例示的態様
中でも、本明細書に提供される態様は、下記である。
【0227】
1. がんを処置するための方法であって、
(a)原発腫瘍および転移性腫瘍細胞を含むがんを有する対象に、CD25に結合するターゲティング分子に連結されたフタロシアニン色素を含むコンジュゲートを投与する工程と、
(b)免疫チェックポイント阻害剤を対象に投与する工程と、
(c)コンジュゲートを投与した後、原発腫瘍に、
600nmまたは約600nmから、850nmまたは約850nmの波長で、かつ、
25J/cm2もしくは約25J/cm2から、400J/cm2もしくは約400J/cm2、または、2J/ファイバ長cmもしくは約2J/ファイバ長cmから、500J/ファイバ長cmもしくは約500J/ファイバ長cmの線量で
照射する工程と
を含み、
対象における原発腫瘍および転移性腫瘍細胞の一方または両方の成長および/またはその体積の増加が阻害される、
前記方法。
【0228】
2. 転移性腫瘍細胞が直接照射されない、態様1の方法。
【0229】
3. 転移性腫瘍細胞が、固形腫瘍中に含まれる、態様1または2の方法。
【0230】
4. 原発腫瘍、転移性腫瘍細胞または両方の成長阻害が、コンジュゲートおよび免疫チェックポイント阻害剤の一方のみの投与と比較して相乗的である、態様1~3のいずれかの方法。
【0231】
5. 対象が、完全奏効を示す、態様1~4のいずれかの方法。
【0232】
6. ターゲティング分子が、抗体またはその抗原結合断片であるか、あるいは抗原結合断片を含む、態様1~5のいずれかの方法。
【0233】
7. 抗体が、抗CD25抗体である、態様6の方法。
【0234】
8. 抗CD25抗体が、機能的Fc領域を含む、態様7の方法。
【0235】
9. 抗CD25抗体が、バシリキシマブもしくはダクリズマブ、またはそのバイオシミラー、インターチェンジャブル、バイオベター、コピー生物製剤もしくはバイオジェネリックである、態様7または8の方法。
【0236】
10. 抗CD25抗体が、バシリキシマブである、態様7~9のいずれかの方法。
【0237】
11. 免疫チェックポイント阻害剤が、PD-1阻害剤、PD-L1阻害剤またはCTLA-4阻害剤からなる群より選択される、態様1~10のいずれかの方法。
【0238】
12. 免疫チェックポイント阻害剤が、抗PD-1抗体、抗PD-L1抗体もしくは抗CTLA-4抗体、またはその抗原結合断片であるか、あるいはそれを含む、態様1~11のいずれかの方法。
【0239】
13. 免疫チェックポイント阻害剤が、抗PD-1抗体またはその抗原結合断片であるか、あるいはそれを含む、態様12の方法。
【0240】
14. 抗PD-1抗体が、ペムブロリズマブ(MK-3475、KEYTRUDA)、ニボルマブ(OPDIVO)、セミプリマブ(LIBTAYO)、トリパリマブ(JS001)、HX008、SG001、GLS-010、ドスタルリマブ(TSR-042)、チスレリズマブ(BGB-A317)、セトレリマブ(JNJ-63723283)、ピジリズマブ(CT-011)、ゲノリムズマブ(APL-501、GB226)、BCD-100、セミプリマブ(REGN2810)、F520、シンチリマブ(IBI308)、GLS-010、CS1003、LZM009、カムレリズマブ(SHR-1210)、SCT-I10A、MGA012、AK105、PF-06801591、AMP-224、AB122、AMG 404、BI 754091、HLX10、JTX-4014、MEDI0680、Sym021、MGD019、MGD013、AK104、XmAb20717、RO7121661、CX-188、およびスパルタリズマブからなる群より選択される、態様12または13の方法。
【0241】
15. 抗PD-L1抗体が、アテゾリズマブ(MPDL3280A、Tecentriq)、アベルマブ(Bavencio)、デュルバルマブ(MEDI4736、Imfinzi)、LDP、NM-01、STI-3031、KN035、LY3300054、M7824(MSB0011359C)、BMS-936559、MSB2311、BCD-135、BGB-A333、CBT-502、コシベリマブ(CK-301)、CS1001、FAZ053、MDX-1105、SHR-1316、TG-1501、ZKAB001、INBRX-105、MCLA-145、KN046、LY3415244、REGN3504、およびHLX20からなる群より選択される、態様12の方法。
【0242】
16. 抗CTLA-4抗体が、イピリムマブ(Yervoy)、トレメリムマブ、AGEN1181、AGEN1884、ADU-1064、BCD-145、およびBCD-217からなる群より選択される、態様12の方法。
【0243】
17. コンジュゲートが、対象に、免疫チェックポイント阻害剤の投与の前に、それと同時に、またはその後に投与される、態様1~16のいずれかの方法。
【0244】
18. 免疫チェックポイント阻害剤が、1回、2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回、10回または10回超、対象に投与される、態様1~17のいずれかの方法。
【0245】
19. 免疫チェックポイント阻害剤が、コンジュゲートの投与前に、1回、2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回または10回投与され、続いて、コンジュゲートの投与後、対象への免疫チェックポイント阻害剤の投与が、0回、1回、2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回、10回または10回超行われる、態様1~18のいずれかの方法。
【0246】
20. 免疫チェックポイント阻害剤が、コンジュゲートの投与と同時に投与され、続いて、コンジュゲートの投与後、対象への免疫チェックポイント阻害剤の投与が、0回、1回、2回、2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回、10回または10回超行われる、態様1~18のいずれかの方法。
【0247】
21. 免疫チェックポイント阻害剤が、コンジュゲートの投与後、1回、2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回、10回または10回超、対象に投与される、態様1~18のいずれかの方法。
【0248】
22. フタロシアニン色素が、Si-フタロシアニン色素である、態様1~21のいずれかの方法。
【0249】
23. Si-フタロシアニン色素が、IR700である、態様22の方法。
【0250】
24. コンジュゲートを投与した30分~96時間後に照射が行われる、態様1~23のいずれかの方法。
【0251】
25. コンジュゲートを投与した24時間±4時間後に照射が行われる、態様1~24のいずれかの方法。
【0252】
26. 原発腫瘍が、690±40nmの波長で照射される、態様1~25のいずれかの方法。
【0253】
27. 原発腫瘍が、50J/cm2もしくは約50J/cm2または100J/ファイバ長cmもしくは約100J/ファイバ長cmの線量で照射される、態様1~26のいずれかの方法。
【0254】
28. 工程(a)、(b)または(c)の1つまたは複数が繰り返される、態様1~27のいずれかの方法。
【0255】
29. (d)追加の治療剤または抗がん処置を投与する工程をさらに含む、態様1~28のいずれかの方法。
【0256】
30. がんが、結腸がん、結腸直腸がん、膵臓がん、乳がん、皮膚がん、肺がん、非小細胞肺がん、腎細胞がん、甲状腺がん、前立腺がん、頭頸部がん、消化器がん、胃がん、小腸のがん、紡錘細胞新生物、肝細胞がん、肝臓がん、末梢神経のがん、脳がん、骨格筋のがん、平滑筋のがん、骨がん、脂肪組織のがん、子宮頚がん、子宮がん、生殖器のがん、リンパ腫、および多発性骨髄腫からなる群より選択される、態様1~29のいずれかの方法。
【0257】
31. 転移性腫瘍細胞が、原発腫瘍が位置する組織または臓器とは異なる、1つ、2つ、3つまたは3つを超える組織または臓器に位置する、態様1~30のいずれかの方法。
【0258】
32. がんを処置するための方法であって、
(1)原発腫瘍および侵襲性腫瘍細胞を含むがんを有する対象に、CD25に結合するターゲティング分子に連結されたフタロシアニン色素を含むコンジュゲートを投与する工程と、
(2)免疫チェックポイント阻害剤を対象に投与する工程と、
(3)コンジュゲートを投与した後、原発腫瘍に、
600nmまたは約600nmから、850nmまたは約850nmの波長で、かつ、
25J/cm2もしくは約25J/cm2から、400J/cm2もしくは約400J/cm2、または、2J/ファイバ長cmもしくは約2J/ファイバ長cmから、500J/ファイバ長cmもしくは約500J/ファイバ長cmの線量で
照射する工程と
を含み、
対象における原発腫瘍および侵襲性腫瘍細胞の一方または両方の成長および/またはその体積の増加が阻害される、
前記方法。
【0259】
33. 侵襲性腫瘍細胞が直接照射されない、態様32の方法。
【0260】
34. 侵襲性腫瘍細胞が、固形腫瘍中に含まれる、態様32または33の方法。
【0261】
35. 原発腫瘍、侵襲性腫瘍細胞または両方の成長阻害が、コンジュゲートおよび免疫チェックポイント阻害剤の一方のみの投与と比較して相乗的である、態様32~34のいずれかの方法。
【0262】
36. 対象が、完全奏効を示す、態様32~35のいずれかの方法。
【0263】
37. ターゲティング分子が、抗体またはその抗原結合断片であるか、あるいは抗原結合断片を含む、態様32~36のいずれかの方法。
【0264】
38. 抗体が、抗CD25抗体である、態様37の方法。
【0265】
39. 抗CD25抗体が、機能的Fc領域を含む、態様38の方法。
【0266】
40. 抗CD25抗体が、バシリキシマブもしくはダクリズマブ、またはそのバイオシミラー、インターチェンジャブル、バイオベター、コピー生物製剤もしくはバイオジェネリックである、態様38または39の方法。
【0267】
41. 抗CD25抗体が、バシリキシマブである、態様38~40のいずれかの方法。
【0268】
42. 免疫チェックポイント阻害剤が、PD-1阻害剤、PD-L1阻害剤またはCTLA-4阻害剤からなる群より選択される、態様32~41のいずれかの方法。
【0269】
43. 免疫チェックポイント阻害剤が、抗PD-1抗体、抗PD-L1抗体もしくは抗CTLA-4抗体、またはその抗原結合断片であるか、あるいはそれを含む、態様32~42のいずれかの方法。
【0270】
44. 免疫チェックポイント阻害剤が、抗PD-1抗体またはその抗原結合断片であるか、あるいはそれを含む、態様43の方法。
【0271】
45. 抗PD-1抗体が、ペムブロリズマブ(MK-3475、KEYTRUDA)、ニボルマブ(OPDIVO)、セミプリマブ(LIBTAYO)、トリパリマブ(JS001)、HX008、SG001、GLS-010、ドスタルリマブ(TSR-042)、チスレリズマブ(BGB-A317)、セトレリマブ(JNJ-63723283)、ピジリズマブ(CT-011)、ゲノリムズマブ(APL-501、GB226)、BCD-100、セミプリマブ(REGN2810)、F520、シンチリマブ(IBI308)、GLS-010、CS1003、LZM009、カムレリズマブ(SHR-1210)、SCT-I10A、MGA012、AK105、PF-06801591、AMP-224、AB122、AMG 404、BI 754091、HLX10、JTX-4014、MEDI0680、Sym021、MGD019、MGD013、AK104、XmAb20717、RO7121661、CX-188、およびスパルタリズマブからなる群より選択される、態様43または44の方法。
【0272】
46. 抗PD-L1抗体が、アテゾリズマブ(MPDL3280A、Tecentriq)、アベルマブ(Bavencio)、デュルバルマブ(MEDI4736、Imfinzi)、LDP、NM-01、STI-3031、KN035、LY3300054、M7824(MSB0011359C)、BMS-936559、MSB2311、BCD-135、BGB-A333、CBT-502、コシベリマブ(CK-301)、CS1001、FAZ053、MDX-1105、SHR-1316、TG-1501、ZKAB001、INBRX-105、MCLA-145、KN046、LY3415244、REGN3504、およびHLX20からなる群より選択される、態様43の方法。
【0273】
47. 抗CTLA-4抗体が、イピリムマブ(Yervoy)、トレメリムマブ、AGEN1181、AGEN1884、ADU-1064、BCD-145、およびBCD-217からなる群より選択される、態様43の方法。
【0274】
48. コンジュゲートが、対象に、免疫チェックポイント阻害剤の投与の前に、それと同時に、またはその後に投与される、態様32~47のいずれかの方法。
【0275】
49. 免疫チェックポイント阻害剤が、1回、2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回、10回または10回超、対象に投与される、態様32~48のいずれかの方法。
【0276】
50. 免疫チェックポイント阻害剤が、コンジュゲートの投与前に、1回、2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回または10回投与され、続いて、コンジュゲートの投与後、対象への免疫チェックポイント阻害剤の投与が、0回、1回、2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回、10回または10回超行われる、態様32~49のいずれかの方法。
【0277】
51. 免疫チェックポイント阻害剤が、コンジュゲートの投与と同時に投与され、続いて、コンジュゲートの投与後、対象への免疫チェックポイント阻害剤の投与が、0回、1回、2回、2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回、10回または10回超行われる、態様32~49のいずれかの方法。
【0278】
52. 免疫チェックポイント阻害剤が、コンジュゲートの投与後、1回、2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回、10回または10回超、対象に投与される、態様32~49のいずれかの方法。
【0279】
53. フタロシアニン色素が、Si-フタロシアニン色素である、態様32~52のいずれかの方法。
【0280】
54. Si-フタロシアニン色素が、IR700である、態様53の方法。
【0281】
55. コンジュゲートを投与した30分~96時間後に照射が行われる、態様32~54のいずれかの方法。
【0282】
56. コンジュゲートを投与した24時間±4時間後に照射が行われる、態様32~55のいずれかの方法。
【0283】
57. 原発腫瘍が、690±40nmの波長で照射される、態様32~56のいずれかの方法。
【0284】
58. 原発腫瘍が、50J/cm2もしくは約50J/cm2または100J/ファイバ長cmもしくは約100J/ファイバ長cmの線量で照射される、態様32~57のいずれかの方法。
【0285】
59. 工程(1)、(2)または(3)の1つまたは複数が繰り返される、態様32~58のいずれかの方法。
【0286】
60. (4)追加の治療剤または抗がん処置を投与する工程をさらに含む、態様32~59のいずれかの方法。
【0287】
61. がんが、結腸がん、結腸直腸がん、膵臓がん、乳がん、皮膚がん、肺がん、非小細胞肺がん、腎細胞がん、甲状腺がん、前立腺がん、頭頸部がん、消化器がん、胃がん、小腸のがん、紡錘細胞新生物、肝細胞がん、肝臓がん、末梢神経のがん、脳がん、骨格筋のがん、平滑筋のがん、骨がん、脂肪組織のがん、子宮頚がん、子宮がん、生殖器のがん、リンパ腫、および多発性骨髄腫からなる群より選択される、態様32~60のいずれかの方法。
【0288】
62. 腫瘍を有する対象における全身性免疫を増強するための方法であって、
(a)腫瘍を有する対象に、抗CD25抗体に連結されたフタロシアニン色素を含むコンジュゲートを投与する工程と、
(b)免疫チェックポイント阻害剤を対象に投与する工程と、
(c)コンジュゲートを投与した後、腫瘍に、
600nmまたは約600nmから、850nmまたは約850nmの波長で、かつ、
25J/cm2もしくは約25J/cm2から、400J/cm2もしくは約400J/cm2、または、2J/ファイバ長cmもしくは約2J/ファイバ長cmから、500J/ファイバ長cmもしくは約500J/ファイバ長cmの線量で
照射する工程と
を含み、
対象の全身性免疫が、コンジュゲートおよび免疫チェックポイント阻害剤の投与の前の対象の全身性免疫と比較して増強される、
前記方法。
【0289】
63. 全身性免疫が、細胞傷害性Tリンパ球(CTL)活性アッセイ、腫瘍内T細胞疲弊アッセイ、腫瘍内エフェクターT細胞増殖アッセイ、またはT細胞受容体多様性アッセイの1つまたは複数によって測定される、態様62の方法。
【0290】
64. 腫瘍が、原発腫瘍および転移性腫瘍細胞を含み、原発腫瘍は照射され、転移性腫瘍細胞は直接照射されない;または
腫瘍が、原発腫瘍および侵襲性腫瘍細胞を含み、原発腫瘍は照射され、侵襲性腫瘍細胞は直接照射されない、
態様62または63の方法。
【0291】
65. 任意で対象における原発腫瘍の照射後4日目~28日目に対象から収集された、脾細胞または末梢血細胞または骨髄細胞またはリンパ節細胞を使用したCTL活性アッセイによって、全身性免疫が測定される、態様62~64のいずれかの方法。
【0292】
66. 任意で対象における原発腫瘍の照射後4日目~28日目に対象から収集された、原発腫瘍または転移性腫瘍細胞塊または侵襲性腫瘍細胞塊から収集されたT細胞を使用した腫瘍内T細胞疲弊アッセイによって、全身性免疫が測定される、態様62~64のいずれかの方法。
【0293】
67. 任意で対象における原発腫瘍の照射後4日目~28日目に対象から収集された、原発腫瘍または転移性腫瘍細胞塊または侵襲性腫瘍細胞塊から収集されたT細胞を使用した腫瘍内エフェクターT細胞増殖アッセイによって、全身性免疫が測定される、態様62~64のいずれかの方法。
【0294】
68. 任意で対象における原発腫瘍の照射後4日目~28日目に対象から収集された、原発腫瘍または転移性腫瘍細胞塊または侵襲性腫瘍細胞塊または末梢循環から収集されたT細胞を使用したT細胞受容体多様性アッセイによって、全身性免疫が測定される、態様62~64のいずれかの方法。
【0295】
69. 任意で対象における原発腫瘍の照射後4日目~28日目に対象から収集された、原発腫瘍または転移性腫瘍細胞塊または侵襲性腫瘍細胞塊からの腫瘍中の制御性T細胞(Treg)の存在、数もしくは頻度および/または腫瘍内Treg細胞と腫瘍内CD8+ T細胞もしくは腫瘍内CD4+ T細胞の比を決定することによって、全身性免疫が測定される、態様62~64のいずれかの方法。
【0296】
70. 抗CD25抗体が、機能的Fc領域を含む、態様62~69のいずれかの方法。
【0297】
71. 抗CD25抗体が、バシリキシマブもしくはダクリズマブ、またはそのバイオシミラー、インターチェンジャブル、バイオベター、コピー生物製剤もしくはバイオジェネリックである、態様62~70のいずれかの方法。
【0298】
72. 抗CD25抗体が、バシリキシマブである、態様62~71のいずれかの方法。
【0299】
73. 免疫チェックポイント阻害剤が、抗PD-1抗体、抗PD-L1抗体もしくは抗CTLA-4抗体、またはその抗原結合断片であるか、あるいはそれを含む、態様62~72のいずれかの方法。
【0300】
74. 免疫チェックポイント阻害剤が、抗PD-1抗体またはその抗原結合断片であるか、あるいはそれを含む、態様73の方法。
【0301】
75. 抗PD-1抗体が、ペムブロリズマブ(MK-3475、KEYTRUDA)、ニボルマブ(OPDIVO)、セミプリマブ(LIBTAYO)、トリパリマブ(JS001)、HX008、SG001、GLS-010、ドスタルリマブ(TSR-042)、チスレリズマブ(BGB-A317)、セトレリマブ(JNJ-63723283)、ピジリズマブ(CT-011)、ゲノリムズマブ(APL-501、GB226)、BCD-100、セミプリマブ(REGN2810)、F520、シンチリマブ(IBI308)、GLS-010、CS1003、LZM009、カムレリズマブ(SHR-1210)、SCT-I10A、MGA012、AK105、PF-06801591、AMP-224、AB122、AMG 404、BI 754091、HLX10、JTX-4014、MEDI0680、Sym021、MGD019、MGD013、AK104、XmAb20717、RO7121661、CX-188、およびスパルタリズマブからなる群より選択される、態様73または74の方法。
【0302】
76. 抗PD-L1抗体が、アテゾリズマブ(MPDL3280A、Tecentriq)、アベルマブ(Bavencio)、デュルバルマブ(MEDI4736、Imfinzi)、LDP、NM-01、STI-3031、KN035、LY3300054、M7824(MSB0011359C)、BMS-936559、MSB2311、BCD-135、BGB-A333、CBT-502、コシベリマブ(CK-301)、CS1001、FAZ053、MDX-1105、SHR-1316、TG-1501、ZKAB001、INBRX-105、MCLA-145、KN046、LY3415244、REGN3504、およびHLX20からなる群より選択される、態様73の方法。
【0303】
77. 抗CTLA-4抗体が、イピリムマブ(Yervoy)、トレメリムマブ、AGEN1181、AGEN1884、ADU-1064、BCD-145、およびBCD-217からなる群より選択される、態様73の方法。
【0304】
78. コンジュゲートが、対象に、免疫チェックポイント阻害剤の投与の前に、それと同時に、またはその後に投与される、態様62~77のいずれかの方法。
【0305】
79. 免疫チェックポイント阻害剤が、1回、2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回、10回または10回超、対象に投与される、態様62~78のいずれかの方法。
【0306】
80. フタロシアニン色素が、Si-フタロシアニン色素である、態様62~79のいずれかの方法。
【0307】
81. Si-フタロシアニン色素が、IR700である、態様80の方法。
【0308】
82. コンジュゲートおよび免疫チェックポイント阻害剤を投与した30分~96時間後に照射が行われる、態様62~81のいずれかの方法。
【0309】
83. コンジュゲートおよび免疫チェックポイント阻害剤を投与した24時間±4時間後に照射が行われる、態様62~82のいずれかの方法。
【0310】
84. 腫瘍が、690±40nmの波長で照射される、態様62~83のいずれかの方法。
【0311】
85. 腫瘍が、50J/cm2もしくは約50J/cm2または100J/ファイバ長cmもしくは約100J/ファイバ長cmの線量で照射される、態様62~84のいずれかの方法。
【0312】
86. 工程(a)、(b)、(c)または(d)の1つまたは複数が繰り返される、態様62~85のいずれかの方法。
【0313】
87. 腫瘍が、結腸がん、結腸直腸がん、膵臓がん、乳がん、皮膚がん、肺がん、非小細胞肺がん、腎細胞がん、甲状腺がん、前立腺がん、頭頸部がん、消化器がん、胃がん、小腸のがん、紡錘細胞新生物、肝細胞がん、肝臓がん、末梢神経のがん、脳がん、骨格筋のがん、平滑筋のがん、骨がん、脂肪組織のがん、子宮頚がん、子宮がん、生殖器のがん、リンパ腫、および多発性骨髄腫からなる群より選択される、態様62~86のいずれかの方法。
【0314】
88. 対象における相乗的応答を生じさせるための方法であって、
(1)原発腫瘍を含むがんを有する対象に、CD25に結合するターゲティング分子に連結されたフタロシアニン色素を含むコンジュゲートを投与する工程と、
(2)免疫チェックポイント阻害剤を対象に投与する工程と、
(3)コンジュゲートを投与した後、原発腫瘍に、
600nmまたは約600nmから、850nmまたは約850nmの波長で、かつ、
25J/cm2もしくは約25J/cm2から、400J/cm2もしくは約400J/cm2、または、2J/ファイバ長cmもしくは約2J/ファイバ長cmから、500J/ファイバ長cmもしくは約500J/ファイバ長cmの線量で
照射する工程と
を含み、
原発腫瘍の成長および/またはその体積の増加が、コンジュゲートのみまたは免疫チェックポイント阻害剤のみの投与と比較して相乗的に低減される、
前記方法。
【0315】
89. がんが、転移性腫瘍細胞をさらに含み、転移性腫瘍細胞の成長および/またはその体積の増加が、コンジュゲートのみまたは免疫チェックポイント阻害剤のみの投与と比較して低減される、態様88の方法。
【0316】
90. 転移性腫瘍細胞の成長またはその体積の増加の低減が、相乗的である、態様89の方法。
【0317】
91. がんが、侵襲性腫瘍細胞をさらに含み、侵襲性腫瘍細胞の成長および/またはその体積の増加が、コンジュゲートのみまたは免疫チェックポイント阻害剤のみの投与と比較して低減される、態様88の方法。
【0318】
92. 侵襲性腫瘍細胞の成長またはその体積の増加の低減が、相乗的である、態様91の方法。
【0319】
93. ターゲティング分子が、抗体またはその抗原結合断片であるか、あるいは抗原結合断片を含む、態様88~84のいずれかの方法。
【0320】
94. 抗体が、抗CD25抗体である、態様88~93のいずれかの方法。
【0321】
95. 抗CD25抗体が、機能的Fc領域を含む、態様94の方法。
【0322】
96. 抗CD25抗体が、バシリキシマブもしくはダクリズマブ、またはそのバイオシミラー、インターチェンジャブル、バイオベター、コピー生物製剤もしくはバイオジェネリックである、態様88~95のいずれかの方法。
【0323】
97. 抗CD25抗体が、バシリキシマブである、態様88~96のいずれかの方法。
【0324】
98. 免疫チェックポイント阻害剤が、PD-1阻害剤、PD-L1阻害剤またはCTLA-4阻害剤からなる群より選択される、態様88~97のいずれかの方法。
【0325】
99. 免疫チェックポイント阻害剤が、抗PD-1抗体、抗PD-L1抗体もしくは抗CTLA-4抗体、またはその抗原結合断片であるか、あるいはそれを含む、態様88~98のいずれかの方法。
【0326】
100. 免疫チェックポイント阻害剤が、抗PD-1抗体またはその抗原結合断片であるか、あるいはそれを含む、態様99の方法。
【0327】
101. 抗PD-1抗体が、ペムブロリズマブ(MK-3475、KEYTRUDA)、ニボルマブ(OPDIVO)、セミプリマブ(LIBTAYO)、トリパリマブ(JS001)、HX008、SG001、GLS-010、ドスタルリマブ(TSR-042)、チスレリズマブ(BGB-A317)、セトレリマブ(JNJ-63723283)、ピジリズマブ(CT-011)、ゲノリムズマブ(APL-501、GB226)、BCD-100、セミプリマブ(REGN2810)、F520、シンチリマブ(IBI308)、GLS-010、CS1003、LZM009、カムレリズマブ(SHR-1210)、SCT-I10A、MGA012、AK105、PF-06801591、AMP-224、AB122、AMG 404、BI 754091、HLX10、JTX-4014、MEDI0680、Sym021、MGD019、MGD013、AK104、XmAb20717、RO7121661、CX-188、およびスパルタリズマブからなる群より選択される、態様99または100の方法。
【0328】
102. 抗PD-L1抗体が、アテゾリズマブ(MPDL3280A、Tecentriq)、アベルマブ(Bavencio)、デュルバルマブ(MEDI4736、Imfinzi)、LDP、NM-01、STI-3031、KN035、LY3300054、M7824(MSB0011359C)、BMS-936559、MSB2311、BCD-135、BGB-A333、CBT-502、コシベリマブ(CK-301)、CS1001、FAZ053、MDX-1105、SHR-1316、TG-1501、ZKAB001、INBRX-105、MCLA-145、KN046、LY3415244、REGN3504、およびHLX20からなる群より選択される、態様99の方法。
【0329】
103. 抗CTLA-4抗体が、イピリムマブ(Yervoy)、トレメリムマブ、AGEN1181、AGEN1884、ADU-1064、BCD-145、およびBCD-217からなる群より選択される、態様99の方法。
【0330】
104. コンジュゲートが、対象に、免疫チェックポイント阻害剤の投与の前に、それと同時に、またはその後に投与される、態様90の方法。
【0331】
105. 免疫チェックポイント阻害剤が、1回、2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回、10回または10回超、対象に投与される、態様88~104のいずれかの方法。
【0332】
106. 免疫チェックポイント阻害剤が、コンジュゲートの投与前に、1回、2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回または10回投与され、続いて、コンジュゲートの投与後、対象への免疫チェックポイント阻害剤の投与が、0回、1回、2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回、10回または10回超行われる、態様88~105のいずれかの方法。
【0333】
107. 免疫チェックポイント阻害剤が、コンジュゲートの投与と同時に投与され、続いて、コンジュゲートの投与後、対象への免疫チェックポイント阻害剤の投与が、0回、1回、2回、2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回、10回または10回超行われる、態様88~105のいずれかの方法。
【0334】
108. 免疫チェックポイント阻害剤が、コンジュゲートの投与後、1回、2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回、10回または10回超、対象に投与される、態様88~105のいずれかの方法。
【0335】
109. フタロシアニン色素が、Si-フタロシアニン色素である、態様88~108のいずれかの方法。
【0336】
110. Si-フタロシアニン色素が、IR700である、態様109の方法。
【0337】
111. コンジュゲートを投与した30分~96時間後に照射が行われる、態様88~110のいずれかの方法。
【0338】
112. コンジュゲートを投与した24時間±4時間後に照射が行われる、態様88~111のいずれかの方法。
【0339】
113. 原発腫瘍が、690±40nmの波長で照射される、態様88~112のいずれかの方法。
【0340】
114. 原発腫瘍が、50J/cm2もしくは約50J/cm2または100J/ファイバ長cmもしくは約100J/ファイバ長cmの線量で照射される、態様88~113のいずれかの方法。
【0341】
115. 工程(1)、(2)および(3)の1つまたは複数が繰り返される、態様88~114のいずれかの方法。
【0342】
116. (4)追加の治療剤または抗がん処置を投与する工程をさらに含む、態様88~115のいずれかの方法。
【0343】
117. がんが、結腸がん、結腸直腸がん、膵臓がん、乳がん、皮膚がん、肺がん、非小細胞肺がん、腎細胞がん、甲状腺がん、前立腺がん、頭頸部がん、消化器がん、胃がん、小腸のがん、紡錘細胞新生物、肝細胞がん、肝臓がん、末梢神経のがん、脳がん、骨格筋のがん、平滑筋のがん、骨がん、脂肪組織のがん、子宮頚がん、子宮がん、生殖器のがん、リンパ腫、および多発性骨髄腫からなる群より選択される、態様88~116のいずれかの方法。
【0344】
118. 転移性腫瘍細胞が、原発腫瘍が位置する組織または臓器とは異なる、1つ、2つ、3つまたは3つを超える組織または臓器に位置する、態様89~117のいずれかの方法。
【0345】
119. がんを処置するための方法であって、
(a)免疫チェックポイント阻害剤を、初代腫瘍および腫瘍細胞の二次的集団を含むがんを有する対象に投与する工程と;
(b)抗CD25抗体に連結されたフタロシアニン色素を含むコンジュゲートを対象に投与する工程と;
(c)コンジュゲートを投与した後、初代腫瘍に、
600nmまたは約600nmから、850nmまたは約850nmの波長で、かつ、
25J/cm2もしくは約25J/cm2から、400J/cm2もしくは約400J/cm2、または、2J/ファイバ長cmもしくは約2J/ファイバ長cmから、500J/ファイバ長cmもしくは約500J/ファイバ長cmの線量で
照射する工程であって、二次的集団は直接照射されない、工程と
を含む、前記方法。
【0346】
120. 初代腫瘍および/または二次的集団が、コンジュゲートのみ、コンジュゲートとそれに続く照射のみ、または免疫チェックポイント阻害剤のみの投与と比較してより大きな程度、阻害される、態様119の方法。
【0347】
121. 免疫チェックポイント阻害剤が、PD-1阻害剤、PD-L1阻害剤またはCTLA-4阻害剤からなる群より選択される、態様119または120の方法。
【0348】
122. 免疫チェックポイント阻害剤が、抗PD-1抗体、抗PD-L1抗体もしくは抗CTLA-4抗体、またはその抗原結合断片であるか、あるいはそれを含む、態様119~121のいずれかの方法。
【0349】
123. 免疫チェックポイント阻害剤が、抗PD-1抗体またはその抗原結合断片であるか、あるいはそれを含む、態様122の方法。
【0350】
124. がんを処置するための方法であって、
(a)抗PD-1抗体を、初代腫瘍および腫瘍細胞の二次的集団を含むがんを有する対象に投与する工程と;
(b)抗CD25抗体に連結されたフタロシアニン色素を含むコンジュゲートを対象に投与する工程と;
(c)コンジュゲートを投与した後、初代腫瘍に、
600nmまたは約600nmから、850nmまたは約850nmの波長で、かつ、
25J/cm2もしくは約25J/cm2から、400J/cm2もしくは約400J/cm2、または、2J/ファイバ長cmもしくは約2J/ファイバ長cmから、500J/ファイバ長cmもしくは約500J/ファイバ長cmの線量で
照射する工程であって、二次的集団は直接照射されない、工程と
を含み、
初代腫瘍および/または二次的集団が、コンジュゲートのみ、コンジュゲートとそれに続く照射のみ、または抗PD-1抗体のみの投与と比較してより大きな程度、阻害される、
前記方法。
【0351】
125. 阻害が、腫瘍体積、腫瘍寸法または腫瘍質量の20%未満または約20%未満の増加、あるいは腫瘍体積、腫瘍寸法または腫瘍質量の低減、あるいは腫瘍細胞の数の低減の1つまたは複数を含む、態様119~124のいずれかの方法。
【0352】
126. 腫瘍体積、腫瘍寸法または腫瘍質量、あるいは腫瘍細胞の数の低減が、30%の低減もしくはそれ以上または約30%の低減もしくはそれ以上を含む、態様125の方法。
【0353】
127. 二次的集団が、転移性腫瘍細胞を含む、態様119~126のいずれかの方法。
【0354】
128. 二次的集団が、侵襲性腫瘍細胞を含む、態様119~126のいずれかの方法。
【0355】
129. 二次的集団が、転移性腫瘍細胞および侵襲性腫瘍細胞を含む、態様119~128のいずれかの方法。
【0356】
130. 免疫チェックポイント阻害剤が、対象に、コンジュゲートと同時に投与される、態様119~129のいずれかの方法。
【0357】
131. コンジュゲートを投与してから24~48時間以内に、免疫チェックポイント阻害剤が対象に投与される、態様119~130のいずれかの方法。
【0358】
132. コンジュゲートを投与してから24時間±4時間以内に、免疫チェックポイント阻害剤が対象に投与される、態様119~131のいずれかの方法。
【0359】
133. 免疫チェックポイント阻害剤の第1の用量が、コンジュゲートの投与の前に投与される、態様119~132のいずれかの方法。
【0360】
134. 免疫チェックポイント阻害剤の第1の用量が、コンジュゲートの投与の少なくとも1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、8日、9日、10日、11日、12日、13日、14日、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、7週間、8週間、9週間または10週間前に投与される、態様133の方法。
【0361】
135. 免疫チェックポイント阻害剤が、1回、2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回、10回または10回超、対象に投与される、態様119~134のいずれかの方法。
【0362】
136. 免疫チェックポイント阻害剤が、コンジュゲートの投与前に、1回、2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回または10回投与され、続いて、コンジュゲートの投与後、対象への免疫チェックポイント阻害剤の投与が、0回、1回、2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回、10回または10回超行われる、態様119~135のいずれかの方法。
【0363】
137. 免疫チェックポイント阻害剤が、コンジュゲートの投与と同時に投与され、続いて、コンジュゲートの投与後、対象への免疫チェックポイント阻害剤の投与が、0回、1回、2回、2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回、10回または10回超行われる、態様119~135のいずれかの方法。
【0364】
138. 免疫チェックポイント阻害剤が、コンジュゲートの投与後、1回、2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回、10回または10回超、対象に投与される、態様119~135のいずれかの方法。
【0365】
139. 抗PD-1抗体が、対象に、コンジュゲートと同時に投与される、態様122~129のいずれかの方法。
【0366】
140. コンジュゲートを投与してから24~48時間以内に、抗PD-1抗体が対象に投与される、態様122~130のいずれかの方法。
【0367】
141. コンジュゲートを投与してから24時間±4時間以内に、抗PD-1抗体が対象に投与される、態様122~131のいずれかの方法。
【0368】
142. 抗PD-1抗体の第1の用量が、コンジュゲートの投与の前に投与される、態様122~132のいずれかの方法。
【0369】
143. 抗PD-1抗体の第1の用量が、コンジュゲートの投与の少なくとも1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、8日、9日、10日、11日、12日、13日、14日、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、7週間、8週間、9週間または10週間前に投与される、態様142の方法。
【0370】
144. 抗PD-1抗体が、1回、2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回、10回または10回超、対象に投与される、態様122~143のいずれかの方法。
【0371】
145. 抗PD-1抗体が、コンジュゲートの投与前に、1回、2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回または10回投与され、続いて、コンジュゲートの投与後、対象への抗PD-1抗体の投与が、0回、1回、2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回、10回または10回超行われる、態様122~144のいずれかの方法。
【0372】
146. 抗PD-1抗体が、コンジュゲートの投与と同時に投与され、続いて、コンジュゲートの投与後、対象への抗PD-1抗体の投与が、0回、1回、2回、2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回、10回または10回超行われる、態様122~144のいずれかの方法。
【0373】
147. 抗PD-1抗体が、コンジュゲートの投与後、1回、2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回、10回または10回超、対象に投与される、態様122~144のいずれかの方法。
【0374】
148. 二次的集団が、固形腫瘍中に含まれる、態様119~147のいずれかの方法。
【0375】
149. 対象が、完全奏効を示す、態様119~148のいずれかの方法。
【0376】
150. 抗CD25抗体が、機能的Fc領域を含む、態様119~149のいずれかの方法。
【0377】
151. 抗CD25抗体が、バシリキシマブもしくはダクリズマブ、またはそのバイオシミラー、インターチェンジャブル、バイオベター、コピー生物製剤もしくはバイオジェネリックである、態様119~150のいずれかの方法。
【0378】
152. 抗CD25抗体が、バシリキシマブである、態様151の方法。
【0379】
153. 抗PD-1抗体が、ペムブロリズマブ(MK-3475、KEYTRUDA;ランブロリズマブ)、ニボルマブ(OPDIVO)、セミプリマブ(LIBTAYO)、トリパリマブ(JS001)、HX008、SG001、GLS-010、ドスタルリマブ(TSR-042)、チスレリズマブ(BGB-A317)、セトレリマブ(JNJ-63723283)、ピジリズマブ(CT-011)、ゲノリムズマブ(APL-501、GB226)、BCD-100、セミプリマブ(REGN2810)、F520、シンチリマブ(IBI308)、CS1003、LZM009、カムレリズマブ(SHR-1210)、SCT-I10A、MGA012、AK105、PF-06801591、AMP-224、AB122、AMG 404、BI 754091、HLX10、JTX-4014、AMP-514(MEDI0680)、Sym021、MGD019、MGD013、AK104、XmAb20717、RO7121661、CX-188、スパルタリズマブ、BCD-217、HX009、IBI308、PDR001、REGN2810、およびTSR-042(ANB011)からなる群より選択される、態様122~152のいずれかの方法。
【0380】
154. フタロシアニン色素が、Si-フタロシアニン色素である、態様119~153のいずれかの方法。
【0381】
155. Si-フタロシアニン色素が、IR700である、態様154の方法。
【0382】
156. コンジュゲートを投与した30分~96時間後に照射が行われる、態様119~155のいずれかの方法。
【0383】
157. コンジュゲートを投与した24時間±4時間後に照射が行われる、態様156の方法。
【0384】
158. 初代腫瘍が、690±40nmの波長で照射される、態様119~157のいずれかの方法。
【0385】
159. 初代腫瘍が、50J/cm2もしくは約50J/cm2または100J/ファイバ長cmもしくは約100J/ファイバ長cmの線量で照射される、態様119~158のいずれかの方法。
【0386】
160. (d)追加の治療剤または抗がん処置を投与する工程をさらに含む、態様119~159のいずれかの方法。
【0387】
161. 工程(a)、(b)、(c)または(d)の1つまたは複数が繰り返される、態様119~160のいずれかの方法。
【0388】
162. がんが、結腸がん、結腸直腸がん、膵臓がん、乳がん、皮膚がん、肺がん、非小細胞肺がん、腎細胞がん、甲状腺がん、前立腺がん、頭頸部がん、消化器がん、胃がん、小腸のがん、紡錘細胞新生物、肝細胞がん、肝臓がん、末梢神経のがん、脳がん、骨格筋のがん、平滑筋のがん、骨がん、脂肪組織のがん、子宮頚がん、子宮がん、生殖器のがん、リンパ腫、および多発性骨髄腫からなる群より選択される、態様119~161のいずれかの方法。
【0389】
163. 二次集団が、初代腫瘍が位置する組織または臓器とは異なる、1つ、2つ、3つまたは3つを超える組織または臓器に位置する、態様119~162のいずれかの方法。
【0390】
164. 初代腫瘍および/または二次的集団が、コンジュゲートとそれに続く照射のみの投与と比較して、および免疫チェックポイント阻害剤のみの投与と比較して、より大きな程度、阻害される、態様119~163のいずれかの方法。
【0391】
165. 初代腫瘍および/または二次的集団が、コンジュゲートとそれに続く照射のみの投与と比較して、および抗PD-1抗体のみの投与と比較して、より大きな程度、阻害される、態様122~164のいずれかの方法。
【0392】
166. がんを有する対象における増強された応答を生じさせるための方法であって、
(a)免疫チェックポイント阻害剤を、腫瘍を含むがんを有する対象に投与する工程と;
(b)抗CD25抗体に連結されたフタロシアニン色素を含むコンジュゲートを対象に投与する工程であって、免疫チェックポイント阻害剤がコンジュゲートの前にまたはそれと同時に投与される、工程と;
(c)コンジュゲートを投与した後、腫瘍に、
600nmまたは約600nmから、850nmまたは約850nmの波長で、かつ、
25J/cm2もしくは約25J/cm2から、400J/cm2もしくは約400J/cm2、または、2J/ファイバ長cmもしくは約2J/ファイバ長cmから、500J/ファイバ長cmもしくは約500J/ファイバ長cmの線量で
照射する工程と
を含む、前記方法。
【0393】
167. 増強された応答が、コンジュゲートとそれに続く照射および免疫チェックポイント阻害剤の投与の前の対象の全身性免疫と比較した対象の全身性免疫の増強を含み;および/または
増強された応答が、コンジュゲートのみ、コンジュゲートとそれに続く照射のみ、または免疫チェックポイント阻害剤のみの投与と比較した腫瘍の阻害の増強を含む、
態様166の方法。
【0394】
168. 免疫チェックポイント阻害剤が、PD-1阻害剤、PD-L1阻害剤またはCTLA-4阻害剤からなる群より選択される、態様166または167の方法。
【0395】
169. 免疫チェックポイント阻害剤が、抗PD-1抗体、抗PD-L1抗体もしくは抗CTLA-4抗体、またはその抗原結合断片であるか、あるいはそれを含む、態様166~168のいずれかの方法。
【0396】
170. 免疫チェックポイント阻害剤が、抗PD-1抗体またはその抗原結合断片であるか、あるいはそれを含む、態様169の方法。
【0397】
171. がんを有する対象における増強された応答を生じさせるための方法であって、
(a)抗PD-1抗体を、腫瘍を含むがんを有する対象に投与する工程と;
(b)抗CD25抗体に連結されたフタロシアニン色素を含むコンジュゲートを対象に投与する工程であって、抗PD-1抗体がコンジュゲートの前にまたはそれと同時に投与される、工程と;
(c)コンジュゲートを投与した後、腫瘍に、
600nmまたは約600nmから、850nmまたは約850nmの波長で、かつ、
25J/cm2もしくは約25J/cm2から、400J/cm2もしくは約400J/cm2、または、2J/ファイバ長cmもしくは約2J/ファイバ長cmから、500J/ファイバ長cmもしくは約500J/ファイバ長cmの線量で
照射する工程と
を含み、
増強された応答が、コンジュゲートとそれに続く照射および抗PD-1抗体の投与の前の対象の全身性免疫と比較した対象の全身性免疫の増強を含み;および/または
増強された応答が、コンジュゲートのみ、コンジュゲートとそれに続く照射のみ、または抗PD-1抗体のみの投与と比較した腫瘍の阻害の増強を含む、
前記方法。
【0398】
172. 増強された応答が、相加的または相乗的である、態様166~171のいずれかの方法。
【0399】
173. 阻害が、腫瘍体積、腫瘍寸法または腫瘍質量の20%未満または約20%未満の増加、あるいは腫瘍体積、腫瘍寸法または腫瘍質量の低減、あるいは腫瘍細胞の数の低減の1つまたは複数を含む、態様166~172のいずれかの方法。
【0400】
174. 腫瘍体積、腫瘍寸法または腫瘍質量、あるいは腫瘍細胞の数の低減が、30%の低減もしくはそれ以上または約30%の低減もしくはそれ以上を含む、態様173の方法。
【0401】
175. 腫瘍が、初代腫瘍および腫瘍細胞の二次的集団を含み、初代腫瘍は照射され、二次的集団は直接照射されない;
腫瘍が、初代腫瘍および転移性腫瘍細胞を含み、初代腫瘍は照射され、転移性腫瘍細胞は直接照射されない;および/または
腫瘍が、初代腫瘍および侵襲性腫瘍細胞を含み、初代腫瘍は照射され、侵襲性腫瘍細胞は直接照射されない、
態様166~174のいずれかの方法。
【0402】
176. 増強された応答が、相乗的応答であり、該相乗的応答が、初代腫瘍の成長、腫瘍体積、腫瘍寸法または腫瘍質量の相乗的低減、対象の二次的集団における細胞の数の相乗的低減、転移性または侵襲性腫瘍細胞の成長、腫瘍体積、腫瘍寸法、腫瘍質量または数の相乗的低減、あるいはそれらの任意の組み合わせを含む、態様167~175のいずれかの方法。
【0403】
177. コンジュゲートを投与してから24時間~48時間以内に、免疫チェックポイント阻害剤が対象に投与される、態様166~176のいずれかの方法。
【0404】
178. コンジュゲートを投与してから24時間±4時間以内に、免疫チェックポイント阻害剤が対象に投与される、態様166~177のいずれかの方法。
【0405】
179. 免疫チェックポイント阻害剤の第1の用量が、コンジュゲートの投与の前に投与される、態様166~178のいずれかの方法。
【0406】
180. 免疫チェックポイント阻害剤の第1の用量が、コンジュゲートの投与の少なくとも1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、8日、9日、10日、11日、12日、13日、14日、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、7週間、8週間、9週間または10週間前に投与される、態様179の方法。
【0407】
181. コンジュゲートを投与してから24時間~48時間以内に、抗PD-1抗体が対象に投与される、態様169~180のいずれかの方法。
【0408】
182. コンジュゲートを投与してから24時間±4時間以内に、抗PD-1抗体が対象に投与される、態様169~181のいずれかの方法。
【0409】
183. 抗PD-1抗体の第1の用量が、コンジュゲートの投与の前に投与される、態様169~182のいずれかの方法。
【0410】
184. 抗PD-1抗体の第1の用量が、コンジュゲートの投与の少なくとも1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、8日、9日、10日、11日、12日、13日、14日、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、7週間、8週間、9週間または10週間前に投与される、態様183の方法。
【0411】
185. 全身性免疫が、細胞傷害性Tリンパ球(CTL)活性アッセイ、腫瘍内T細胞疲弊アッセイ、腫瘍内エフェクターT細胞増殖アッセイ、T細胞受容体多様性アッセイ、活性化CD8+ T細胞アッセイ、循環制御性T細胞(Treg)アッセイ、腫瘍内Tregアッセイ、またはCD8+ T細胞:Tregアッセイの1つまたは複数によって測定される、態様166~184のいずれかの方法。
【0412】
186. 任意で対象における初代腫瘍の照射後4日目~28日目に対象から収集された、脾細胞または末梢血細胞または骨髄細胞またはリンパ節細胞を使用したCTL活性アッセイによって、全身性免疫が測定される、態様166~185のいずれかの方法。
【0413】
187. 任意で対象における初代腫瘍の照射後4日目~28日目に対象から収集された、初代腫瘍または転移性腫瘍細胞塊または侵襲性腫瘍細胞塊から収集されたT細胞を使用した腫瘍内T細胞疲弊アッセイによって、全身性免疫が測定される、態様166~185のいずれかの方法。
【0414】
188. 任意で対象における初代腫瘍の照射後4日目~28日目に対象から収集された、初代腫瘍または転移性腫瘍細胞塊または侵襲性腫瘍細胞塊から収集されたT細胞を使用した腫瘍内エフェクターT細胞増殖アッセイによって、全身性免疫が測定される、態様166~185のいずれかの方法。
【0415】
189. 任意で対象における初代腫瘍の照射後4日目~28日目に対象から収集された、初代腫瘍または転移性腫瘍細胞塊または侵襲性腫瘍細胞塊または末梢循環から収集されたT細胞を使用したT細胞受容体多様性アッセイによって、全身性免疫が測定される、態様166~185のいずれかの方法。
【0416】
190. 任意で対象における初代腫瘍の照射後4日目~28日目に対象から収集された、初代腫瘍または転移性腫瘍細胞塊または侵襲性腫瘍細胞塊からの腫瘍中の制御性T細胞(Treg)の存在、数もしくは頻度および/または腫瘍内Treg細胞と腫瘍内CD8+ T細胞もしくは腫瘍内CD4+ T細胞の比を決定することによって、全身性免疫が測定される、態様166~185のいずれかの方法。
【0417】
191. 抗CD25抗体が、機能的Fc領域を含む、態様166~190のいずれかの方法。
【0418】
192. 抗CD25抗体が、バシリキシマブもしくはダクリズマブ、またはそのバイオシミラー、インターチェンジャブル、バイオベター、コピー生物製剤もしくはバイオジェネリックである、態様166~191のいずれかの方法。
【0419】
193. 抗CD25抗体が、バシリキシマブである、態様192の方法。
【0420】
194. 抗PD-1抗体が、ペムブロリズマブ(MK-3475、KEYTRUDA;ランブロリズマブ)、ニボルマブ(OPDIVO)、セミプリマブ(LIBTAYO)、トリパリマブ(JS001)、HX008、SG001、GLS-010、ドスタルリマブ(TSR-042)、チスレリズマブ(BGB-A317)、セトレリマブ(JNJ-63723283)、ピジリズマブ(CT-011)、ゲノリムズマブ(APL-501、GB226)、BCD-100、セミプリマブ(REGN2810)、F520、シンチリマブ(IBI308)、CS1003、LZM009、カムレリズマブ(SHR-1210)、SCT-I10A、MGA012、AK105、PF-06801591、AMP-224、AB122、AMG 404、BI 754091、HLX10、JTX-4014、AMP-514(MEDI0680)、Sym021、MGD019、MGD013、AK104、XmAb20717、RO7121661、CX-188、スパルタリズマブ、BCD-217、HX009、IBI308、PDR001、REGN2810、およびTSR-042(ANB011)からなる群より選択される、態様169~193のいずれかの方法。
【0421】
195. 免疫チェックポイント阻害剤が、1回、2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回、10回または10回超、対象に投与される、態様166~194のいずれかの方法。
【0422】
196. 抗PD-1抗体が、1回、2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回、10回または10回超、対象に投与される、態様169~195のいずれかの方法。
【0423】
197. フタロシアニン色素が、Si-フタロシアニン色素である、態様166~196のいずれかの方法。
【0424】
198. Si-フタロシアニン色素が、IR700である、態様197の方法。
【0425】
199. コンジュゲートを投与した30分~96時間後に照射が行われる、態様166~198のいずれかの方法。
【0426】
200. コンジュゲートを投与した24時間±4時間後に照射が行われる、態様199の方法。
【0427】
201. 腫瘍が、690±40nmの波長で照射される、態様166~200のいずれかの方法。
【0428】
202. 腫瘍が、50J/cm2もしくは約50J/cm2または100J/ファイバ長cmもしくは約100J/ファイバ長cmの線量で照射される、態様166~201のいずれかの方法。
【0429】
203. (d)追加の治療剤または抗がん処置を投与する工程をさらに含む、態様166~202のいずれかの方法。
【0430】
204. 工程(a)、(b)、(c)または(d)の1つまたは複数が繰り返される、態様166~203のいずれかの方法。
【0431】
205. がんが、結腸がん、結腸直腸がん、膵臓がん、乳がん、皮膚がん、肺がん、非小細胞肺がん、腎細胞がん、甲状腺がん、前立腺がん、頭頸部がん、消化器がん、胃がん、小腸のがん、紡錘細胞新生物、肝細胞がん、肝臓がん、末梢神経のがん、脳がん、骨格筋のがん、平滑筋のがん、骨がん、脂肪組織のがん、子宮頚がん、子宮がん、生殖器のがん、リンパ腫、および多発性骨髄腫からなる群より選択される、態様166~204のいずれかの方法。
【0432】
206. 増強された応答が、コンジュゲートとそれに続く照射のみの投与と比較して、および免疫チェックポイント阻害剤のみの投与と比較して、相加的応答または相乗的応答を含む、態様166~205のいずれかの方法。
【0433】
207. 増強された応答が、コンジュゲートとそれに続く照射のみの投与と比較して、および抗PD-1抗体のみの投与と比較して、相加的応答または相乗的応答を含む、態様166~206のいずれかの方法。
【実施例
【0434】
IX. 実施例
下記実施例は、例証の目的でのみ含まれるものであって、本発明の範囲を限定することを意図したものではない。
【0435】
実施例1:抗CD25抗体-IRDye 700コンジュゲートの生成
この実施例は、例示的な抗CD25抗体PC61に連結されたIRDye 700DX(IR700)を含有するコンジュゲートを調製するための、したがってPC61-IRDye 700DX(PC61-IR700コンジュゲート)を生産するための方法を説明する。
【0436】
マウスCD25に対して指向されるラットモノクローナル抗体(mAb)PC61(1mg、6.8nmol)とIRDye 700DX NHSエステル(IR700;LI-COR Bioscience, Lincoln, NE)(66.8μg、34.2nmol、DMSO中5mmol/L)とを、0.1mol/L Na2HPO4(pH 8.5)中、室温で30~120分間インキュベートした。混合物を、Sephadex G50カラム(PD-10;GE Healthcare, Piscataway, NJ)を使用して精製した。タンパク質濃度を、Coomassie Plusタンパク質アッセイキット(Pierce Biotechnology, Rockford, IL)を用いて、UV-Visシステム(8453 Value System;Agilent Technologies, Palo Alto, CA)で595nmでの吸収を測定することによって決定した。UV-Visシステムでの吸収によってIR700の濃度を測定して、各PC61分子にコンジュゲートされたフルオロフォア分子の数を確認した。PC61当たりのIR700の数は約3であった。
【0437】
PC61-IR700コンジュゲートの純度を分析用サイズ排除HPLC(SE-HPLC)によって確認した。SE-HPLCは、Chemstationソフトウェアによって制御されるPDA検出器を備えたAgilent 1100 HPLCシステム(Santa Clara, CA)を使用して実施した。SEクロマトグラフィーは、Shodex KW-803カラム(New Yok, NY)上、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)を1.0mL/minで使用して20分間溶離させることで実施した。PC61-IR700調製物は、強い会合を示し、SE-HPLCによって決定したところ検出可能なmAb凝集体を含有していなかった。
【0438】
IR700コンジュゲートのインビトロ結合特性を決定するために、Indo-Gen手順を使用したコンジュゲートの125I標識を実施した。mAbとIR700のコンジュゲーションの最小限の喪失が観察された。免疫反応性アッセイを過去に記載されているとおり実施した。簡潔に述べると、トリプシン処理の後、2×106個の腫瘍細胞を、1%ウシ血清アルブミン(BSA)を含有するPBS中に再懸濁した。125I-PC61-IR700(1mCi、0.2μg)を加え、氷上で1時間インキュベートした。細胞を洗浄し、ペレット化し、上清をデカントし、2470 Wizardガンマカウンター(Perkin Elmer, Shelton, CT)中で細胞を計数した。細胞への非特異的結合を過剰な非標識抗体(200μgの非標識PC61)の条件下で調べた。
【0439】
実施例2:抗CD25-IR700 PITおよび抗PD-1抗体は、インビボ腫瘍成長および生存を相乗的に阻害する
この実施例は、例示的な抗CD25抗体-IR700 PITを例示的な抗PD-1抗体と併用した、インビボ腫瘍成長に対する相乗的阻害効果を説明する。
【0440】
6~8週齢の免疫応答性BALB/cマウスに、3×106個のCT26-EphA2クローンc4D10ネズミ結腸がん細胞/マウスを右後脇腹に皮下接種した。同種移植腫瘍が約150mm3まで成長したら、マウスに、生理食塩水(100μL)、実質的に上記実施例1に記載のとおり生成したPC61-IR700コンジュゲート(100μg)、抗PD-1抗体クローンRMP1-14(100μg)、またはPC61-IR700コンジュゲート(100μg)とRMP1-14(100μg)の組み合わせを投与した。PC61-IR700コンジュゲートを4日目に、RMP1-14を4、6、8、および11日目に投与した。PC61-IR700コンジュゲートの投与の24時間後、PIT群の腫瘍に、690nmかつ100J/cm2の線量で照射した。腫瘍成長および生存を22日間にわたって観察した。腫瘍体積は、式:腫瘍体積=(幅×長さ)×高さ/2を使用して算出した。
【0441】
PC61-IR700-PITまたは抗PD-1(RMP1-14)単独療法を受けたマウスでは、腫瘍の成長は、生理食塩水またはPC61-IR700コンジュゲート単独とPITなしを受けた対照マウスにおける腫瘍成長と比較して実質的に阻害された(図1A;黒三角および白三角をそれぞれ白丸および黒丸と比較)。注目すべきことに、PC61-IR700-PITと抗PD-1抗体の併用で処置したマウスでは、腫瘍成長は相乗的にさらに阻害された(図1A、黒四角)。総合的な腫瘍成長の調査に加え、処置群間で完全奏効(CR)率も比較した。処置の25日後、PC61-IR700 PITで処置したマウスの7/20(35%)および抗PD-1(RMP1-14)単独療法で処置したマウスの1/12(8.3%)がCRを達成した一方で、生理食塩水のみまたはPC61-IR700コンジュゲート単独とPITなしの対照群では動物の1/16(6.25%)または0/12(0%)がCRを達成した。驚くべきことに、PC61-IR700コンジュゲートと抗PD-1処置の併用は、マウスの(17/23)73.9%でCRをもたらした(図1A)。併用療法は、PC61-IR700-PITまたは抗PD-1単独療法のいずれよりも実質的に大きなCR率を有しており、これらの2つの処置の効果は相乗的であった。これらの結果を裏付けて、PC61-IR700-PITまたは抗PD-1(RMP1-14)単独療法(それぞれ黒三角および黒丸)を受けたマウスは、生理食塩水またはPC61-IR700コンジュゲート単独とPITなしを受けた対照マウスと比較して延長された生存を示し(図1B、黒三角および白三角をそれぞれ白丸および黒丸と比較)、PC61-IR700 PITとPD-1抗体の併用で処置したマウスはさらに良好な(100%)生存を示した(図1B、黒四角)。これらの結果は、抗CD25 PITと抗PD-1療法との間の相乗的効果を支持する。
【0442】
実施例3:抗CD25-IR700 PITおよび抗PD-1は、非照射遠位腫瘍のインビボ成長を相乗的に阻害する
この実施例は、例示的な抗CD25抗体-IR700 PITを例示的な抗PD-1抗体(RMP1-14)と併用した、照射されなかった遠位腫瘍の成長に対する相乗的阻害効果を説明する。
【0443】
6~8週齢のBALB/cマウスに、3×106個のCT26-EphA2クローンc4D10細胞/マウスを右後と左後の両脇腹に皮下接種した。マウスの両側の同種移植腫瘍が約150mm3のサイズまで成長したら、マウスに、生理食塩水(100μL)、抗CD25抗体PC61-IR700コンジュゲート(100μg)、RMP1-14(100μg)、またはPC61-IR700コンジュゲート(100μg)とRMP1-14(100μg)の組み合わせを投与した。PC61-IR700コンジュゲートを4日目に、RMP1-14を4、6、8、および11日目に投与した。PC61-IR700コンジュゲートの投与の24時間後、PC61-IR700 PIT群のマウスの右脇腹の腫瘍に690nmかつ100J/cm2で照射した一方で、左脇腹の腫瘍には照射しなかった。したがって、右脇腹腫瘍は原発腫瘍としての役割を果たし、左脇腹腫瘍は遠位または転移性腫瘍としての役割を果たした。
【0444】
図2A~2Bに示すように、PC61-IR700コンジュゲートと照射あり(PC61-IR700 PIT;黒三角)またはRMP1-14単独療法(白三角)で処置したマウスでは、照射された原発腫瘍(図2A)および遠位の非照射腫瘍(図2B)の成長は、PC61-IR700コンジュゲートと照射なし(黒丸)で処置したマウスと比較して実質的に阻害された。PC61-IR700コンジュゲートと照射あり(PC61-IR700 PIT)と抗PD-1(RMP1-14)の併用で処置したマウスでは、照射された原発腫瘍(図2A)および遠位の非照射腫瘍(図2B)の成長はさらに阻害され、この阻害効果は相乗的であった(黒四角)。
【0445】
実施例4:循環制御性T細胞レベルに対する抗CD25抗体の効果
この実施例は、循環制御性T細胞(Treg)に対する例示的な抗CD25抗体の効果を説明する。
【0446】
BALB/cマウスに、抗CD25抗体(PC61抗体)(PC61 WT;n=8)、またはラットFc領域が野生型マウスFc領域に置き換わっているPC61抗体(PC61マウスWT;n=8)、またはエフェクター機能/ADCC活性を欠くN297Q変異型マウスFc領域に置き換わっているPC61抗体(PC61マウスN297Q;n=8)を100μg投与した。対照マウスに、比較のため生理食塩水100μlを投与した(n=6)。血液試料を抗体投与後1日目および8日目に収集し、単離したリンパ球をCD25、FoxP3、CD3およびCD4を含む細胞マーカーについて染色した。アイソタイプ対照も染色に使用した。フローサイトメトリーを使用して染色した細胞を解析し、CD3+CD4+ T細胞のCD25+FoxP3+の割合を条件毎に決定した。
【0447】
野生型ラットまたはマウスFcドメインを有するPC61を投与したマウスにおけるCD25+FoxP3+ T細胞の割合は、投与の翌日、生理食塩水対照と比較して低減され(図3A)、その低減は8日目も持続した(図3B)。CD25+FoxP3+ T細胞の割合は、変異型Fcを有するPC61の投与の翌日、野生型Fcドメインを有する抗体よりも、低減の範囲は小さかった(PC61マウスN297Q;図3A)。野生型Fcドメインを有する抗体で処置したマウスとは異なり、PC61マウスN297Qの投与後の低減は、回収されたCD25+FoxP3+ T細胞の割合が8日目に対照レベルと似ていたために一過性であった(図3B)。
【0448】
実施例5:非照射遠位腫瘍に対する抗CD25-IR700 PITおよび抗PD-1の相乗的効果
この実施例は、例示的な抗CD25抗体-IR700 PITを例示的な抗PD-1抗体(RMP1-14)と併用した、照射されなかった遠位腫瘍の成長に対する相乗的抗がん効果における循環制御性T細胞(Treg)枯渇の役割を説明する。
【0449】
6~8週齢のBALB/cマウスに、3×106個のCT26-EphA2クローンc4D10細胞/マウスを右後と左後の両脇腹に皮下接種した。マウスの両側の同種移植腫瘍が約130mm3~140mm3のサイズまで成長したら(移植後6日目)、マウスに、生理食塩水(100μL)、マウス野生型(mWT)Fc領域を含有する抗CD25抗体PC61-IR700コンジュゲート(mWT PC61-IR700)またはエフェクター機能を欠くN297Q変異型Fc領域(N297Q)を含有する抗CD25抗体PC61-IR700コンジュゲート(N297Q PC61-IR700)(100μg)、抗PD-1(RMP1-14;100μg)、WTまたはN297Q Fc領域を含有するPC61-IR700コンジュゲート(100μg)と抗PD-1(100μg)の組み合わせを投与した。mWT PC61-IR700およびN297Qコンジュゲートを6日目に、RMP1-14を6、8、10および12日目に投与した。PC61-IR700コンジュゲートの投与の24時間後、PC61-IR700 PIT群のマウスの右脇腹の腫瘍に690nmかつ100J/cm2で照射した一方で、左脇腹の腫瘍には照射を防ぐよう黒色ホイルで遮蔽した。したがって、右脇腹腫瘍は原発腫瘍としての役割を果たし、左脇腹腫瘍は照射されていない遠位腫瘍としての役割を果たした。移植後18日まで腫瘍体積を2~3日毎に測定した。mWT Fcドメインを有するコンジュゲートを伴う処置を投与したマウスの結果を図4Aに示す。ADCC能力のない変異型N297Q Fcドメインを有するコンジュゲートを伴う処置を投与したマウスの結果を図4Bに示す。
【0450】
生理食塩水のみ(白丸;図4Aおよび4B)を投与したマウスは、研究過程を通して進行性の腫瘍成長を示した。コンジュゲートのみ(mWTまたはN297Q)を投与したマウス(白三角、それぞれ図4Aおよび4B)も進行性の腫瘍成長を示した。コンジュゲート(mWTまたはN297Q)と抗PD-1の併用投与で照射なし(白四角、それぞれ図4Aおよび4B)は、生理食塩水対照と比較して幾分低減された腫瘍成長をもたらした。mWTコンジュゲートとのPIT(黒三角、図4A)は、生理食塩水対照と比較して低減された腫瘍成長をもたらした一方で、ADCC能力のないN297QコンジュゲートとのPIT(黒三角、図4B)は、腫瘍成長に対して効果がなかった。PITとmWTコンジュゲートおよび抗PD-1処置の併用(黒四角、図4A)は、腫瘍成長を実質的に停止した。PIT-抗PD-1併用処置の有効性は、N297Qコンジュゲートを投与したときには実質的に減少した(黒四角、図4B)。これらの結果を実施例4の結果とまとめると、抗CD25-IR700 PITの単独療法としてのまたは抗PD-1処置との併用した抗がん活性は、同時の持続的な循環Tregの枯渇を伴って、有意に増強されたことが示される。
【0451】
実施例6:腫瘍内制御性T細胞に対する抗CD25-IR700 PITの効果
この実施例は、例示的な抗CD25抗体-IR700 PITに応答した制御性T細胞(Treg)のインビボ枯渇を説明する。
【0452】
BALB/cマウスに、1×106個の4T1-EpCAM腫瘍細胞を右後脇腹に皮下接種した。腫瘍が平均約180mm3体積に達したら、マウスを、生理食塩水、抗CD25抗体PC61-IR700コンジュゲート単独またはPC61-IR700コンジュゲートと照射あり(PC61-IR700 PIT)で処置した。コンジュゲートの投与の24時間後、照射(PIT)群のマウスの腫瘍を100J/cm2の690nm光に曝露した。照射の2時間後、すべての群から腫瘍を切除し、単一細胞懸濁液へと処理した。次いで、懸濁細胞を、TregマーカーCD3、CD4、CD45およびFoxP3について染色した。フローサイトメトリーを使用して染色した細胞を解析し、CD3+CD4+リンパ球に占めるFoxP3細胞の割合を決定した。
【0453】
図5に示すように、PC61-IR700 PIT(丸)で処置した腫瘍担持マウスでは、腫瘍中のFoxP3+CD3+CD4+ T細胞の数は、生理食塩水(四角)またはPC61-IR700コンジュゲート単独(菱形)で処置したマウスと比較して有意に減少し(それぞれ、P<0.01およびP<0.0001)、このことは、抗CD25 PIT後の腫瘍中の即時のTreg低減を示している(図5)。CD8+ T細胞の低減は観察されなかった(データ示さず)。結果は、抗CD25 PITが腫瘍内制御性T細胞(Treg)の急性枯渇を導くことを示した。
【0454】
実施例7:抗CD25-IR700 PITは、インビボの腫瘍内CD8+ T細胞疲弊を緩和する
この実施例は、インビボの腫瘍内CD8+ T細胞疲弊に対する、例示的な抗CD25抗体-IR700 PITの緩和効果を説明する。
【0455】
BALB/cマウスに、CT26-EphA2クローンc4D10腫瘍細胞を接種した。腫瘍が平均150mm3体積に達したら、マウスを、生理食塩水、抗CD25抗体PC61-IR700コンジュゲート単独、またはPC61-IR700コンジュゲートと照射あり(PC61-IR700 PIT)で処置した。コンジュゲートの投与の24時間後、照射(PIT)群のマウスの腫瘍に690nmかつ100J/cm2で照射した。照射の2日後、すべての群から腫瘍を切除し、単一細胞懸濁液へと処理した。次いで、懸濁細胞を、CD3、CD45、CD8a、PD-1およびCTLA4を含む細胞マーカーについて染色した。アイソタイプ対照も染色に使用した。フローサイトメトリーを使用して染色した細胞を解析した。
【0456】
図6A~6Bに示すように、PC61-IR700 PITで処置したマウスでは、腫瘍内CD8+ T細胞(CD3+ CD8+)の割合は、生理食塩水またはPC61-IR700コンジュゲート単独(Conj.;照射なし)を受けたマウスのものと比較して有意に増加した(P<0.01)(図6A)。疲弊CD8+細胞(PD1+ CTLA-4+)の割合は、PC61-IR700 PIT後、生理食塩水またはコンジュゲート単独対照と比較して有意に減少した(P<0.0001)(図6B)。
【0457】
実施例8:抗CD25-IR700 PITは、インビボの非疲弊腫瘍内エフェクターCD8+ Tリンパ球を増加させる
この実施例は、インビボの腫瘍内エフェクターCD8+ Tリンパ球の拡大に対する、例示的な抗CD25抗体-IR700 PITの刺激効果を説明する。
【0458】
BALB/cマウスに、CT26-EphA2クローンc4D10腫瘍細胞を接種した。腫瘍が大体平均150mm3体積に達したら、マウスを、生理食塩水、PC61-IR700コンジュゲート単独またはPC61-IR700コンジュゲートと照射あり(PC61-IR700 PIT)で処置した。コンジュゲートの投与の24時間後、照射(PIT)群のマウスの腫瘍を100J/cm2の690nm光に曝露した。照射の8日後、すべての群から腫瘍を切除し、単一細胞懸濁液へと処理した。次いで、懸濁細胞を、CD3、CD45、CD8a、PD-1およびCTLA4を含む細胞マーカーについて染色した。アイソタイプ対照も染色に使用した。フローサイトメトリーを使用して染色した細胞を解析した。
【0459】
図6Cに示すように、PC61-IR700 PITで処置した腫瘍担持マウスでは、腫瘍中の非疲弊PD-1- CTLA-4- CD3+CD8+ T細胞の数は、生理食塩水またはPC61-IR700コンジュゲート単独(Conj.;照射なし)のみ投与したものと比較して有意に増加し(P<0.001)、このことは、PC61-IR700 PITが腫瘍微小環境においてエフェクターCD8+ T細胞の拡大を誘導したことを示している(図6C)。
【0460】
実施例9:抗CD25-IR700 PITは、増加した活性化CD8+ T細胞をもたらす
この実施例は、インビボの腫瘍内CD8+ T細胞活性化に対する例示的な抗CD25抗体-IR700 PITの効果を説明する。
【0461】
BALB/cマウスに、4T1-EpCAM腫瘍細胞を接種した。腫瘍が大体平均150mm3体積に達したら、マウスを、生理食塩水、抗CD25抗体PC61-IR700コンジュゲート単独、またはPC61-IR700コンジュゲートと照射あり(PC61-IR700 PIT)で処置した。コンジュゲートの投与の24時間後、照射(PIT)群のマウスの腫瘍に690nmかつ100J/cm2で照射した。照射の7日後、すべての群から腫瘍を切除し、単一細胞懸濁液へと処理した。次いで、懸濁細胞を、CD3、CD69、CD45、CD8a、Ki67を含む細胞マーカーについて染色した。アイソタイプ対照も染色に使用した。フローサイトメトリーを使用して染色した細胞を解析した。
【0462】
図7に示すように、PC61-IR700 PIT(丸)で処置したマウスでは、活性化CD8+ T細胞(CD3+ CD8+ Ki67+、左パネル;およびCD3+ CD8+ CD69+、右パネル)の数は、生理食塩水(四角)またはPC61-IR700コンジュゲート単独(Conj.;照射なし)(菱形)を受けたマウスと比較して有意に増加した(P<0.001)。これらの結果は、抗CD25 PITが、照射された腫瘍において増加した活性化CD8 T細胞をもたらすことを示している。
【0463】
実施例10:抗CD25-IR700 PITは、持続的な腫瘍内の増加したCD8+/Treg比をもたらす
この実施例は、処置に対する臨床応答の予測マーカーであるインビボの腫瘍内CD8+ T細胞と制御性T細胞(Treg)の比に対する、抗CD25 PITの効果を説明する。
【0464】
BALB/cマウスに、1×106個のCT26-EphA2クローンc4D10腫瘍細胞を右後脇腹に皮下接種した。腫瘍が大体平均150mm3体積に達したら、マウスを、生理食塩水、PC61-IR700コンジュゲート(100μg)単独(Conj.)、またはPC61-IR700コンジュゲート(100μg)と照射あり(PC61-IR700 PIT)で処置した。コンジュゲートの投与の24時間後、照射(PIT)群のマウスの腫瘍に690nmかつ100J/cm2で照射した。照射後2時間または8日の時点で、すべての群から腫瘍を切除し、単一細胞懸濁液へと処理した。次いで、懸濁細胞を、CD3、CD45、CD8a、CD4およびFoxP3を含む細胞マーカーについて染色した。アイソタイプ対照も染色に使用した。フローサイトメトリーを使用して染色した細胞を解析し、腫瘍内CD8+ T細胞とTregの比を決定した(図8A~8B)。
【0465】
図8Aに示すように、照射後2時間の時点で、PC61-IR700 PIT(三角)で処置したマウスの腫瘍は、生理食塩水(丸;P≦0.05)またはPC61-IR700コンジュゲート単独(照射なし)(四角;P≦0.05)を受けたマウスと比較して、増加した腫瘍内CD8+/Treg比を有していた。これらの結果は、抗CD25 PITが腫瘍内CD8 T細胞活性化をもたらすことを示している。PITを受けた動物の腫瘍中の増加したCD8+/Treg比は、照射の8日後に至るまで持続した(図8B;P≦0.0001)。これらの結果は、抗CD25 PITの単独処置は、処置した腫瘍内部でCD8+/Treg比の永続的な増加をもたらすことを示している。
【0466】
実施例11:抗CD25-PIT700 PITおよび抗PD-1処置後に完全奏効を有するマウスでの再負荷腫瘍の成長の拒絶
この実施例は、例示的な抗CD25抗体-IR700 PIT単独によるまたは例示的な抗PD-1抗体(RMP1-14)処置との併用による初期処置後に完全奏効を達成したマウスに新たに接種した腫瘍の成長の拒絶を説明する。
【0467】
6~8週齢のBALB/cマウスに、3×106個のCT26-EphA2クローンc4D10細胞/マウスを右後脇腹に皮下接種した。同種移植腫瘍が約150mm3のサイズまで成長したら、マウスに、生理食塩水(100μL)、抗CD25抗体PC61-IR700コンジュゲート(100μg)、抗PD-1抗体RMP1-14(100μg)、またはPC61-IR700コンジュゲート(100μg)とRMP1-14(100μg)の組み合わせを投与した。PC61-IR700コンジュゲートを4日目に、RMP1-14を4、6、8、および11日目に投与した。PC61-IR700の投与の24時間後、腫瘍に690nmかつ100J/cm2で照射した。初期腫瘍接種後42日目(処置後38日目)、完全奏効(腫瘍の消失あり)を達成したマウス(CRマウス)およびナイーブマウスにCT26-EphA2細胞を左後脇腹へ再負荷した。CT26-EphA2細胞の再負荷後に腫瘍成長を示さなかった動物について、初期腫瘍接種後78日目(処置後74日目)、4T1腫瘍(CT26とは異なる起源の同系マウス腫瘍株)を右腋窩に接種した。
【0468】
同じタイプの腫瘍細胞CT26-EphA2を再負荷したCRマウスでは、腫瘍細胞は、完全に拒絶され、PC61-IR700 PIT単独(5/5、100%)およびPC61-IR700 PITとRMP1-14の併用(17/17、100%)による初期処置群において腫瘍成長は観察されなかった一方で、過去に処置へ曝露されていないナイーブマウスでは腫瘍体積が増加した(図9)。右腋窩への4T1腫瘍細胞(当初接種されていたものとは異なるタイプの腫瘍細胞)の接種後、処置したマウスと過去に処置へ曝露されていないナイーブマウスとの間で4T1腫瘍の成長は同じように増加した(図10)。これらのデータは、再負荷された腫瘍細胞成長の拒絶が腫瘍特異的であることを示した。
【0469】
実施例12:抗CD25-IR700 PITおよび抗PD-1は、全身性免疫を増強する
この実施例は、例示的な抗CD25抗体-IR700 PITを例示的な抗PD-1抗体と併用した、インビボの全身性免疫に対する刺激効果を説明する。
【0470】
A. 細胞傷害性Tリンパ球(CTL)アッセイ
CT26-EphA2クローンc4D10腫瘍を接種したマウス由来の脾細胞の腫瘍特異的細胞傷害活性を評価するようにCTLアッセイを設計した。細胞傷害性は、CytoTox(商標)96 Non-Radioactive Cytotoxicity Assay(Promega;Cat. # G1780)を使用して評価した。このキットは、細胞死時に細胞から放出されるウェル中の乳酸デヒドロゲナーゼ(LDH)のレベルを測定した。脾臓を、抗CD25抗体PC61-IR700 PIT単独療法またはPC61-IR700 PITと抗PD-1(RMP1-14)の併用療法で処置した後に完全奏効を達成した腫瘍担持マウス(CRマウス)から、または処置ナイーブであった腫瘍担持マウスから採取した。細孔径70μmのセルストレーナー上での脾臓の機械的解離によって単一細胞懸濁液を調製した。得られた通過画分を集め、赤血球細胞を溶解した。懸濁した脾細胞を、CT26抗原AH1ペプチドで、インビトロで4日間プライミングした。その後、脾細胞(エフェクター細胞)とCT26-ephA2クローンc4D10標的細胞とを多種多様なエフェクター細胞:標的細胞比(E:T比)で4時間共インキュベートすることによって細胞傷害性アッセイを実施した。続いて、脾細胞を取り出し、標的細胞から放出されたLDHレベルを測定した。ヒト膵臓がん細胞株BxPC3細胞を関連のない対照標的細胞として使用した。
【0471】
B. 結果
PC61-IR700 PIT単独処置またはRMP1-14との併用処置したCRマウスでは、脾細胞は、標的腫瘍細胞に対してエクスビボで腫瘍特異的な免疫応答を示した(図11)。PC61-IR700 PIT単独で処置したCRマウスに由来する脾細胞について、結果は、標的腫瘍細胞に対して、E:T比31:1で標的細胞の100%、E:T比7.8:1で92%を殺傷可能な、明らかなE:T比依存的な細胞傷害効果を示した(図11)。PC61-IR700 PITをRMP1-14と共に用いて過去に処置したCRマウスに由来する脾細胞について、結果は、標的腫瘍細胞に対して、31:1比で標的細胞の91%、7.8:1比で75%を殺傷可能な、明らかなE:T比依存的な細胞傷害効果を示した。処置を受けていないナイーブマウスに由来する脾細胞について、結果は、標的腫瘍細胞に対して、いかなるE:T比でも標的細胞の11%以下しか殺傷できない、最低の細胞傷害効果を示した(図11)。さらに、BxPC3細胞(標的腫瘍細胞の対照としての役割を果たす関連のない腫瘍細胞タイプ)に対して250:1ほどの高さのE:T比でも15%未満の細胞傷害効果しかなかった。これらの結果は、抗CD25-IR700 PIT単独処置または抗PD-1との併用処置が、脾臓において腫瘍特異的な細胞傷害性T細胞の増加をもたらすことを明らかに示した。
【0472】
実施例13:抗CD25-コンジュゲートおよび抗PD-1処置のCD8+ T細胞活性および有効性
この実施例は、例示的な抗CD25抗体-IR700 PITを例示的な抗PD-1抗体と併用したインビボ腫瘍成長に対する効果が、機能的なCD8+ T細胞集団に依存的であったことを実証する。
【0473】
BALB/cマウスに、3×106個のCT26-EphA2クローンc4D10細胞をマウス1匹につき右後脇腹と左後脇腹の両方に皮下接種した。腫瘍細胞接種後4日目および7日目に抗CD8a抗体(BioXCell、クローン2.43、catalog# BP0061)(100μg/マウス)の腹腔内注射によって、CD8+ T細胞枯渇マウスを生成した。マウスの両側の同種移植腫瘍が約150mm3のサイズに成長したら、マウスに、生理食塩水、抗CD25抗体PC61-IR700コンジュゲート(100μg)、抗PD-1抗体RMP1-14(100μg)、またはPC61-IR700コンジュゲート(100μg)とRMP1-14(100μg)の組み合わせを投与した。PC61-IR700コンジュゲートを4日目に、RMP1-14を4、6、8、および11日目に投与した。PC61-IR700コンジュゲートの投与の24時間後、PIT群のマウスの右脇腹の腫瘍に690nmかつ100J/cm2の線量で照射した一方で、左脇腹の腫瘍には照射しなかった。したがって、右脇腹腫瘍は原発腫瘍としての役割を果たし、左脇腹腫瘍は遠位腫瘍としての役割を果たした。
【0474】
図12A~12Bに示すように、PC61-IR700コンジュゲートと照射あり(PC61-IR700 PIT)と抗PD-1(RMP1-14)の併用処置は、個々のPC61-IR700 PIT(黒三角)または抗PD-1(白三角)単独療法と比較して、免疫応答性BALB/cマウス(黒四角)において照射された腫瘍(右脇腹;図12A)と非照射遠位腫瘍(左脇腹;図12B)の両方の腫瘍成長を実質的かつ相乗的に阻害した。照射された腫瘍(右脇腹)と非照射遠位腫瘍(左脇腹)の両方の成長は、対照の生理食塩水群またはPC61-IR700コンジュゲートのみ(非照射)群と比較して実質的に阻害された(データ示さず)。驚くべきことに、CD8+ T細胞が枯渇したマウスでは、PC61-IR700 PITと抗PD-1の併用の腫瘍成長に対する阻害効果は、完全に無効化され(図12Aおよび12B;黒菱形)、このことは、併用処置の効果がCD8+ T細胞によって媒介されたことを示している。
【0475】
実施例14:CD25 PITおよび抗PD-1処置による免疫抑制腫瘍内制御性T細胞(Treg)の低減
この実施例は、例示的な抗CD25コンジュゲートPIT処置を抗PD-1抗体と併用した、腫瘍内CD8 T細胞とTregの比に対する効果を説明する。
【0476】
BALB/cマウスに、1×106個のCT26-EphA2クローンc4D10細胞を右後脇腹に皮下接種した。同種移植腫瘍が約150mm3のサイズまで成長したら、マウスに、生理食塩水対照、抗CD25抗体PC61-IR700コンジュゲート(100μg)、またはPC61-IR700コンジュゲート(100μg)と抗PD-1抗体(クローンRMP1-14、100μg)の組み合わせを投与した。PC61-IR700コンジュゲートを7日目に投与し、抗PD-1抗体を7、9、11および13日目に投与した。PC61-IR700コンジュゲートの投与の24時間後、PIT群のマウスの右脇腹の腫瘍に690nmかつ100J/cm2の線量で照射した。
【0477】
照射後の8日の時点で、処置群の各々にそれぞれ由来する第1サブセットおよび第2サブセットのマウスから腫瘍を切除した。切除した腫瘍を単一細胞懸濁液へと処理した。次いで、懸濁細胞を、CD3、CD45、CD4およびFoxP3を含む細胞マーカーについて染色した。アイソタイプ対照も染色に使用した。フローサイトメトリーを使用して染色した細胞を解析した。
【0478】
フローサイトメトリー解析は、抗CD25コンジュゲートPIT処置と抗PD-1抗体の併用(CD25 PIT+PD1)が、FoxP3+ Tregの永続的な低減を提供することを実証した(図13A)。併用処置によるFoxP3+ Tregの減少は、コンジュゲートと抗PD-1抗体の併用処置で照射なし(CD25 Conj.+PD1)(P≦0.01)と比較して、および抗CD25コンジュゲートPIT処置単独で抗PD-1抗体なし(CD25 PIT)(P≦0.05)と比較して有意であった。
【0479】
併用処置(CD25 PIT+PD1)はまた、CD4+ヘルパーT細胞(CD4+FoxP3-)とTreg細胞(CD4+FoxP3+)の比の有意な増加も提供した(図13B)。この増加は、コンジュゲートと抗PD-1抗体の併用で照射なし(CD25 Conj.+PD1)(P≦0.05)と比較して、および抗CD25コンジュゲートPIT処置単独で抗PD-1抗体なし(CD25 PIT)(P≦0.05)と比較して有意であった。抗CD25コンジュゲートPITを抗PD-1抗体と共に用いた効果は、腫瘍内CD4+とTregの比の相乗的増強を提供する。
【0480】
抗CD25コンジュゲートPIT処置単独(CD25 PIT)または抗PD-1抗体との併用(CD25 PIT+PD1)は、対照群と比較して、腫瘍内CD8 T細胞とFoxP3 Tregの比の実質的な増加をもたらした(図13C)。
【0481】
これらの結果は、抗CD25コンジュゲートPITと抗PD-1抗体処置の併用処置が、腫瘍内Tregの永続的な低減を誘起することを示している。提唱される作用機序を図14に描写する。
【0482】
本発明は、本明細書に開示される態様によって範囲が限定されるべきではなく、これは本発明の個々の局面の1つの例証として意図されており、あらゆる機能的同等物が本発明の範囲内である。本明細書に記載されるものに加えて、本発明の組成物および方法に対する様々な修飾が、当業者には前述の説明および教示から明らかであり、かつこれらも同様に本発明の範囲内に含まれることが意図される。このような修飾および他の態様は、本発明の真の範囲および精神から逸脱することなく実践することができる。
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図13-2】
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