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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-28
(45)【発行日】2025-02-05
(54)【発明の名称】エアロゾル生成装置および赤外線放射器
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/40 20200101AFI20250129BHJP
   A24F 40/46 20200101ALI20250129BHJP
   A24F 40/50 20200101ALI20250129BHJP
   A24F 40/465 20200101ALI20250129BHJP
【FI】
A24F40/40
A24F40/46
A24F40/50
A24F40/465
【請求項の数】 24
(21)【出願番号】P 2022542280
(86)(22)【出願日】2021-01-15
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-13
(86)【国際出願番号】 CN2021072245
(87)【国際公開番号】W WO2021143873
(87)【国際公開日】2021-07-22
【審査請求日】2022-09-05
(31)【優先権主張番号】202010041077.9
(32)【優先日】2020-01-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】517075997
【氏名又は名称】深▲せん▼市合元科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】SHENZHEN FIRST UNION TECHNOLOGY CO.,LTD
【住所又は居所原語表記】Bldg C, Tangwei High-Tech Park, Fuyong Str, Baoan Dist, Shenzhen, Guangdong, China
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】魯林海
(72)【発明者】
【氏名】胡瑞龍
(72)【発明者】
【氏名】厳冬君
(72)【発明者】
【氏名】李文娟
(72)【発明者】
【氏名】武建
(72)【発明者】
【氏名】戚祖強
(72)【発明者】
【氏名】雷宝霊
(72)【発明者】
【氏名】徐中立
(72)【発明者】
【氏名】李永海
【審査官】川口 聖司
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第108338415(CN,A)
【文献】中国実用新案第208925253(CN,U)
【文献】特開平06-034272(JP,A)
【文献】特表2019-520044(JP,A)
【文献】特表2019-520043(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/00-47/00
A61M 15/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸引可能な材料を加熱して喫煙用のエアロゾルを生成するためのエアロゾル生成装置であって、
吸引可能な材料を収容するためのチャンバと、
前記チャンバに赤外線を放射して吸引可能な材料を加熱するように構成された赤外線放射器と、を含み、
前記赤外線放射器は、前記チャンバの外面の周方向に沿って順次配置された少なくとも1つの第1の赤外線放射領域と少なくとも1つの第2の赤外線放射領域を含み、前記第1の赤外線放射領域と第2の赤外線放射領域は、独立して赤外線を前記チャンバに放射して吸引可能な材料の異なる部分を加熱するように、独立して起動可能に構成されることを特徴とする、エアロゾル生成装置。
【請求項2】
前記第1の赤外線放射領域と第2の赤外線放射領域とは、互いに分離していることを特徴とする、請求項1に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項3】
前記赤外線放射器は、
前記チャンバの外周を取り囲むように構成された基材と、
前記チャンバの周方向に沿って前記基材の表面に順次接合された第1の赤外線放射層および第2の赤外線放射層と、を含み、
前記第1の赤外線放射層の少なくとも一部は、前記第1の赤外線放射領域を形成し、前記第2の赤外線放射層の少なくとも一部は、前記第2の赤外線放射領域を形成することを特徴とする、請求項1または請求項2に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項4】
前記基材は、内面と外面を含み、
前記第1の赤外線放射層および第2の赤外線放射層はいずれも、前記基材の内面または前記基材の外面に位置することを特徴とする、請求項3に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項5】
前記第1の赤外線放射層は、前記基材に形成されたコーティング、または前記基材に接合された薄膜であり、
および/または、前記第2の赤外線放射層は、前記基材に形成されたコーティング、または前記基材に接合された薄膜であることを特徴とする、請求項3に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項6】
前記基材は、前記チャンバの軸方向に沿って延び、前記チャンバを取り囲む管状であり、
前記第1の赤外線放射層は、前記基材の外面に巻かれた薄膜であり、および/または、前記第2の赤外線放射層は、前記基材の外面に巻かれた薄膜であることを特徴とする、請求項3に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項7】
前記第1の赤外線放射層と第2の赤外線放射層は、前記基材の表面を完全に覆っておらず、前記基材の表面には、前記チャンバの周方向に沿って前記第1の赤外線放射層と第2の赤外線放射層との間に位置する空白領域が形成されることを特徴とする、請求項3に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項8】
前記赤外線放射器は、前記第1の赤外線放射層と第2の赤外線放射層に電力を供給するための導電素子をさらに含むことを特徴とする、請求項3に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項9】
前記導電素子は、前記基材に形成された導電コーティングであることを特徴とする、請求項8に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項10】
前記導電コーティングは、前記第1の赤外線放射層および第2の赤外線放射層と導電的に接続されるように、第1の赤外線放射層および第2の赤外線放射層と少なくとも部分的に重なり合うことを特徴とする、請求項9に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項11】
前記導電素子は、前記チャンバの軸方向に沿って延びるように構成されることを特徴とする、請求項8に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項12】
前記導電素子は、前記チャンバの周方向に沿って間隔をあけて配置された第1の導電素子、第2の導電素子および第3の導電素子を含み、
前記第1の赤外線放射層は、前記第1の導電素子と第2の導電素子とが通電する場合前記チャンバに赤外線を放射するように、前記第1の導電素子と第2の導電素子との間に結合され、
前記第2の赤外線放射層は、前記第2の導電素子と第3の導電素子とが通電する場合前記チャンバに赤外線を放射するように、前記第2の導電素子と第3の導電素子との間に結合されることを特徴とする、請求項11に記載のエアロゾル生成装置
【請求項13】
前記導電素子は、前記チャンバの周方向に沿って延びるように構成されることを特徴とする、請求項8に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項14】
前記導電素子は、前記チャンバの軸方向に沿って対向する第1の導電素子と第2の導電素子、および前記チャンバの軸方向に沿って対向する第3の導電素子と第4の導電素子を含み、
前記第1の赤外線放射層は、前記第1の導電素子と第2の導電素子とが通電する場合前記チャンバに赤外線を放射するように、前記チャンバの軸方向に沿って第1の導電素子と第2の導電素子との間に結合され、
前記第2の赤外線放射層は、前記第3の導電素子と第4の導電素子とが通電する場合前記チャンバに赤外線を放射するように、前記チャンバの軸方向に沿って第3の導電素子と第4の導電素子との間に結合されることを特徴とする、請求項13に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項15】
前記基材は、前記チャンバの軸方向に沿って対向する第1の端と第2の端を含み、
前記導電素子は、前記チャンバの周方向に沿って延びるように構成され、
前記導電素子は、前記第1の端に設けられた第1の導電素子、および前記第2の端に設けられた第2の導電素子と第3の導電素子を含み、
前記第1の導電素子は、前記チャンバの軸方向に沿って前記第2の導電素子に対向する第1の部分、および前記第3の導電素子に対向する第2の部分を含み、
前記第1の赤外線放射層は、前記第1の部分と第2の導電素子とが通電する場合前記チャンバに赤外線を放射するように、前記チャンバの軸方向に沿って前記第1の部分と第2の導電素子との間に結合され、
前記第2の赤外線放射層は、前記第2の部分と第3の導電素子とが通電する場合前記チャンバに赤外線を放射するように、前記チャンバの軸方向に沿って前記第2の部分と第3の導電素子との間に結合されることを特徴とする、請求項8に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項16】
前記赤外線放射器は、
前記チャンバの外周を取り囲むように構成された基材と、
前記基材の表面に設けられた赤外線放射薄膜と、を含み、前記赤外線放射薄膜には、チャンバの軸方向に沿って延びる第1の導電コーティング、第2の導電コーティングおよび第3の導電コーティングが形成され、
前記第1の導電コーティング、第2の導電コーティング、および第3の導電コーティングは、前記チャンバの周方向に沿って順次配置され、前記赤外線放射薄膜を、前記第1の導電コーティングと第2の導電コーティングとの間に位置する前記第1の赤外線放射領域、および前記第2の導電コーティングと第3の導電コーティングとの間に位置する前記第2の赤外線放射領域に仕切ることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項17】
前記赤外線放射器は少なくとも、
前記チャンバを取り囲んで配置された第1の基材と第2の基材を含み、
前記第1の基材には第1の赤外線放射層が設けられ、前記第2の基材には第2の赤外線放射層が設けられ、前記第1の赤外線放射層の少なくとも一部は、前記第1の赤外線放射領域を形成し、前記第2の赤外線放射層の少なくとも一部は、前記第2の赤外線放射領域を形成することを特徴とする、請求項1または請求項2に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項18】
前記第1の基材および/または前記第2の基材は、前記チャンバから離反する方向に湾曲した円弧状に構成され、
および/または、前記第1の基材および/または前記第2の基材は、シート状に構成されることを特徴とする、請求項17に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項19】
前記赤外線放射器は、第3の赤外線放射領域および第4の赤外線放射領域をさらに含み、
前記第1の赤外線放射領域および前記第3の赤外線放射領域は、前記チャンバの径方向に沿って対向して設けられ、
前記第2の赤外線放射領域および前記第4の赤外線放射領域は、前記チャンバの径方向に沿って対向して設けられることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項20】
前記第1の赤外線放射領域および第2の赤外線放射領域は、交互に起動するように構成されることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項21】
前記第1の赤外線放射領域および第2の赤外線放射領域に結合されたブリッジ回路をさらに含み、
前記ブリッジ回路は、交互に導通または遮断することにより、第1の放射領域に供給される第1の電流、および第2の放射領域に供給される第2の電流を交互に形成し、前記第1の赤外線放射領域および第2の赤外線放射領域を交互に起動させるように構成されたトランジスタを含むことを特徴とする、請求項20に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項22】
前記第1の赤外線放射領域および前記第2の赤外線放射領域は、異なる赤外線放射スペクトルを有することを特徴とする、請求項1または請求項2に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項23】
前記第1の赤外線放射領域の赤外線放射スペクトルは、前記第2の赤外線放射領域の赤外線放射スペクトルと異なるピーク波長を有することを特徴とする、請求項22に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項24】
赤外線放射器は、長さ方向に沿って延びる管状に構成され、かつ周方向に沿って順次配置された第1の赤外線放射領域および第2の赤外線放射領域を含み、前記第1の赤外線放射領域および第2の赤外線放射領域は、独立して起動可能であり、独立して赤外線を放射して吸引可能な材料の異なる部分を加熱することを特徴とする、エアロゾル生成装置に用いられる赤外線放射器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2020年01月15日に中国特許局に提出された、「エアロゾル生成装置および赤外線放射器」と題する中国特許出願第202010041077.9号の優先権を主張し、その内容全体は参照により本出願に組み込まれる。
【0002】
本発明の実施例は、加熱式タバコの技術分野に関し、特に、エアロゾル生成装置および赤外線放射器に関する。
【背景技術】
【0003】
タバコ製品(タバコ、シガーなど)は、使用時にタバコ葉を燃焼させてタバコベイパーを発生させる。上記のようなタバコ葉を燃焼させる製品の代わりに、燃焼させずに化合物を放出する製品を作る試みがなされている。
【0004】
このような製品の一例として、材料を燃焼させるのではなく、加熱することで化合物を放出する加熱装置が挙げられる。例えば、当該材料は、ニコチンを含むか含まないかを問わない非タバコ葉類製品やタバコ葉類製品であってもよい。別の例として、赤外線放射によってタバコ製品を加熱することで、化合物を放出させてエアロゾルを生成する赤外線加熱装置が挙げられる。従来技術としての特許第201821350103.0号には、ナノ遠赤外線コーティングおよび導電コーティングを石英管の外面に順次形成した加熱装置構造が提案され、導電コーティングが給電する電源に接続されると、ナノ遠赤外線コーティングは、電力供給により自体発熱すると同時に、電子遷移を起こして遠赤外線を発生させ、石英管内のタバコ製品に放射してタバコ製品を加熱する。以上の公知装置を使用する場合、赤外線放射コーティングは、加熱されるべきタバコ製品の領域を完全に取り囲むことで、タバコ製品からの揮発性物質が急速に放出される。
【発明の概要】
【0005】
従来技術における、加熱装置によるタバコ製品からの揮発性物質の急速な放出の問題を解決するために、本発明の実施例は、徐々に加熱することができるエアロゾル生成装置を提供する。
【0006】
以上より、本発明に係るエアロゾル生成装置は、吸引可能な材料を加熱して喫煙用のエアロゾルを生成するために使用され、
吸引可能な材料を収容するためのチャンバと、
前記チャンバに赤外線を放射して吸引可能な材料を加熱するように構成された赤外線放射器と、を含み、
前記赤外線放射器は、前記チャンバの周方向に沿って順次配置された少なくとも1つの第1の赤外線放射領域と少なくとも1つの第2の赤外線放射領域を含み、前記第1の赤外線放射領域と第2の赤外線放射領域は、独立して赤外線を前記チャンバに放射して吸引可能な材料の異なる部分を加熱するように、独立して起動可能に構成される。
【0007】
より好ましい実施形態では、上述した少なくとも1つの第1の赤外線放射領域と少なくとも1つの第2の赤外線放射領域は、順次制御でき、具体的には、交互または同時に起動でき、それによって、赤外線をそれぞれ独立して放射し、吸引可能な材料の異なる部分を加熱することができる。実施形態では、第1の赤外線放射領域と第2の赤外線放射領域などの、異なる赤外線放射領域は、周方向に沿って基材に接合された2つのコーティングまたは薄膜によってそれぞれ形成されてもよく、あるいは基材に形成された1つのコーティングまたは薄膜の周方向に沿った2つの部分によって形成されてもよい。
【0008】
より好ましい実施形態では、前記第1の赤外線放射領域と第2の赤外線放射領域とは、互いに分離している。
【0009】
より好ましい実施形態では、前記赤外線放射器は、
前記チャンバの軸方向に沿って延びる基材と、
前記チャンバの周方向に沿って前記基材の表面に順次接合された第1の赤外線放射層および第2の赤外線放射層と、を含み、
前記第1の赤外線放射層の少なくとも一部は、前記第1の赤外線放射領域を形成し、前記第2の赤外線放射層の少なくとも一部は、前記第2の赤外線放射領域を形成する。
【0010】
より好ましい実施形態では、前記基材は、前記チャンバに近い第1の面と、前記チャンバから離反する第2の面とを含み、
前記第1の赤外線放射層と第2の赤外線放射層は、いずれも前記基材の第1の面または第2の面に位置する。
【0011】
より好ましい実施形態では、前記第1の赤外線放射層は、前記基材に形成されたコーティング、または前記基材に接合された薄膜であり、
および/または、前記第2の赤外線放射層は、前記基材に形成されたコーティング、または前記基材に接合された薄膜である。
【0012】
より好ましい実施形態では、前記基材は、前記チャンバの軸方向に沿って延び、前記チャンバを取り囲む管状に構成され、
前記第1の赤外線放射層は、前記基材の外面に巻かれた薄膜であり、および/または、前記第2の赤外線放射層は、前記基材の外面に巻かれた薄膜である。
【0013】
より好ましい実施形態では、前記第1の赤外線放射層と第2の赤外線放射層は、前記基材の表面を完全に覆っておらず、前記基材の表面には、前記チャンバの周方向に沿って前記第1の赤外線放射層と第2の赤外線放射層との間に位置する空白領域が形成される。
【0014】
より好ましい実施形態では、前記赤外線放射器は、前記第1の赤外線放射層と第2の赤外線放射層に電力を供給するための導電素子をさらに含む。
【0015】
より好ましい実施形態では、前記導電素子は、前記基材に形成された導電コーティングである。
【0016】
より好ましい実施形態では、前記導電コーティングは、第1の赤外線放射層および第2の赤外線放射層と少なくとも部分的に重なり合い、さらに、前記第1の赤外線放射層および第2の赤外線放射層と導電的に接続される。
【0017】
より好ましい実施形態では、前記導電素子は、前記チャンバの軸方向に沿って延びるように構成される。
【0018】
より好ましい実施形態では、前記導電素子は、前記チャンバの周方向に沿って間隔をあけて配置された第1の導電素子、第2の導電素子および第3の導電素子を含み、
前記第1の赤外線放射層は、前記第1の導電素子と第2の導電素子とが通電する場合前記チャンバに赤外線を放射するように、前記第1の導電素子と第2の導電素子との間に結合され、
前記第2の赤外線放射層は、前記第2の導電素子と第3の導電素子とが通電する場合前記チャンバに赤外線を放射するように、前記第2の導電素子と第3の導電素子との間に結合される。
【0019】
より好ましい実施形態では、前記導電素子は、前記チャンバの周方向に沿って延びるように構成される。
【0020】
より好ましい実施形態では、前記導電素子は、前記チャンバの軸方向に沿って対向する第1の導電素子と第2の導電素子、および第3の導電素子と第4の導電素子を含み、
前記第1の赤外線放射層は、前記第1の導電素子と第2の導電素子とが通電する場合前記チャンバに赤外線を放射するように、前記チャンバの軸方向に沿って第1の導電素子と第2の導電素子との間に結合され、
前記第2の赤外線放射層は、前記第3の導電素子と第4の導電素子とが通電する場合前記チャンバに赤外線を放射するように、前記チャンバの軸方向に沿って第3の導電素子と第4の導電素子との間に結合される。
【0021】
より好ましい実施形態では、前記基材は、前記チャンバの軸方向に沿って対向する第1の端と第2の端を含み、前記導電素子は、前記チャンバの周方向に沿って延びるように構成され、
前記導電素子は、前記第1の端に設けられた第1の導電素子、および前記第2の端に設けられた第2の導電素子と第3の導電素子を含み、
前記第1の導電素子は、前記チャンバの軸方向に沿って前記第2の導電素子に対向する第1の部分、および前記第3の導電素子に対向する第2の部分を含み、
前記第1の赤外線放射層は、前記第1の部分と第2の導電素子とが通電する場合前記チャンバに赤外線を放射するように、前記チャンバの軸方向に沿って前記第1の部分と第2の導電素子との間に結合され、
前記第2の赤外線放射層は、前記第2の部分と第3の導電素子とが通電する場合前記チャンバに赤外線を放射するように、前記チャンバの軸方向に沿って前記第2の部分と第3の導電素子との間に結合される。
【0022】
より好ましい実施形態では、前記赤外線放射器は、
前記チャンバの軸方向に沿って延びる基材と、
前記基材の表面に接合された赤外線放射薄膜と、を含み、当該赤外線放射薄膜には、チャンバの軸方向に沿って延びる第1の導電コーティング、第2の導電コーティング、および第3の導電コーティングが形成され、
前記第1の導電コーティング、第2の導電コーティング、および第3の導電コーティングは、前記チャンバの周方向に沿って順次配置され、さらに、前記赤外線放射薄膜を、前記第1の導電コーティングと第2の導電コーティングとの間に位置する前記第1の赤外線放射領域、および前記第2の導電コーティングと第3の導電コーティングとの間に位置する前記第2の赤外線放射領域に仕切る。
【0023】
より好ましい実施形態では、前記赤外線放射器は少なくとも、
前記チャンバを取り囲んで配置された第1の基材と第2の基材を含み、
前記第1の基材には第1の赤外線放射層が設けられ、前記第2の基材には第2の赤外線放射層が設けられ、前記第1の赤外線放射層の少なくとも一部は、前記第1の赤外線放射領域を形成し、前記第2の赤外線放射層の少なくとも一部は、前記第2の赤外線放射領域を形成する。
【0024】
より好ましい実施形態では、前記第1の基材および/または前記第2の基材は、前記チャンバから離反する方向に湾曲した円弧状に構成され、
および/または、前記第1の基材および/または前記第2の基材は、シート状に構成される。
【0025】
より好ましい実施形態では、前記第1の放射領域および第2の放射領域は、いずれも2つあり、
2つの前記第1の放射領域は、前記チャンバの径方向に沿って対向して設けられ、また、
2つの前記第2の放射領域は、前記チャンバの径方向に沿って対向して設けられる。
【0026】
より好ましい実施形態では、前記第1の赤外線放射領域および第2の赤外線放射領域は、交互に起動するように構成される。
【0027】
より好ましい実施形態では、前記第1の赤外線放射領域および第2の赤外線放射領域に結合されたブリッジ回路をさらに含み、
前記ブリッジ回路は、交互に導通または遮断することにより、第1の放射領域に交互に供給される第1の電流、および第2の放射領域に交互に供給される第2の電流を形成し、前記第1の赤外線放射領域および第2の赤外線放射領域を交互に起動させるように構成されたトランジスタを含む。
【0028】
より好ましい実施形態では、前記第1の赤外線放射領域および前記第2の赤外線放射領域は、異なる赤外線発光スペクトルを有する。
【0029】
より好ましい実施形態では、前記第1の赤外線放射領域の赤外線発光スペクトルは、前記第2の赤外線放射領域の赤外線発光スペクトルと異なるピーク波長を有する。
【0030】
本発明は、さらに、エアロゾル生成装置に用いられる赤外線放射器を提供し、
周方向に沿って順次配置された第1の赤外線放射領域および第2の赤外線放射領域を含み、前記第1の赤外線放射領域および第2の赤外線放射領域は、独立して起動し、さらに赤外線を独立して放射し、吸引可能な材料の異なる部分を放熱することができるように構成される。
【0031】
上記エアロゾル生成装置は、吸引可能な材料がチャンバに収容される場合、その周方向に沿った異なる領域がそれぞれ第1の赤外線放射領域および第2の赤外線放射領域に対応し、かつ、使用時に第1の赤外線放射領域および第2の赤外線放射領域で独立して加熱することができるため、使用時に吸引可能な材料を一部から全体まで徐々に加熱することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
1つ以上の実施例は、それに対応する図面によって例示されており、これらの例示的な説明は、実施例を限定するものではなく、同じ参照数字番号を有する図面の素子は、類似の素子を示し、図面では、特に説明されていない限り、縮尺の限定を構成しない。
【0033】
図1】一実施例によって提供されるエアロゾル生成装置の模式図である。
図2図1に示すエアロゾル生成装置の断面図である。
図3図2の赤外線放射器の一実施例の模式図である。
図4図3の赤外線放射器を別の角度から見た時の模式図である。
図5図2の赤外線放射器の別の実施例の模式図である。
図6図2の赤外線放射器の別の実施例の模式図である。
図7】一実施例によって提出される赤外線放射薄膜の模式図である。
図8図7の赤外線放射薄膜で形成された赤外線放射器の模式図である。
図9】別の実施例によって提出される赤外線放射薄膜の模式図である。
図10】別の実施例によって提出される赤外線放射薄膜の模式図である。
図11】一実施例によって提出される第1の領域が発する赤外線の発光スペクトルである。
図12】一実施例によって提出される第2の領域が発する赤外線の発光スペクトルである。
図13】別の実施例によって提出される赤外線放射器の模式図である。
図14】一実施例によって提出される制御回路の構造を示す模式図である。
図15】別の実施例によって提出される赤外線放射器の模式図である。
図16】別の実施例によって提出される赤外線放射器の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
本発明を容易に理解するために、以下は図面および具体的な実施形態と合わせて、本発明をより詳細に説明する。
【0035】
本発明の一実施例は、タバコなどの吸引可能な材料を燃焼させるのではなく加熱し、吸引可能な材料の少なくとも1つの成分を揮発または放出させて喫煙用のエアロゾルを形成するエアロゾル生成装置を提案する。
【0036】
好ましい実施形態によれば、エアロゾル生成装置による吸引可能な材料の加熱は、3μm~15μmなどの、加熱効果を有する遠赤外線を放射することによって実行され、使用時に、赤外線の波長が吸引可能な材料の揮発成分の吸収波長と一致する場合、赤外線のエネルギーは吸引可能な材料によって容易に吸収され、さらに吸引可能な材料を加熱して少なくとも1つの揮発成分を揮発させ、喫煙用のエアロゾルを生成する。
【0037】
本発明の一実施例に係るエアロゾル生成装置の構造は図1および図2に示すように、装置全体が平たい円筒形として構成され、エアロゾル生成装置の外部部材は、
内部が中空構造であり、さらに赤外線放射などの必要な機能部品用の組立空間を形成するハウジング10と、
ハウジング10の長さ方向の上端に位置する上部カバー11と、を備え、当該上部カバー11は、エアロゾル生成装置が完全で美しい外観を有するようにハウジング10の上端を覆うことができる一方で、ハウジング10の上端部から取り外すこともでき、それによって、ハウジング10での各機能部品の着脱・交換を容易にする。
【0038】
さらに、図1および図2から分かるように、上部カバー11は、開口12を有し、吸引可能な材料Aは、当該開口12を介してハウジング10の長さ方向に沿って少なくとも部分的にハウジング10に収容されて加熱することができ、または当該開口12を介してハウジング10から取り外すこともできる。
【0039】
ハウジング10には、また、幅方向の一側に沿ったスイッチボタン13が設けられ、使用者は手動で当該スイッチボタン13を作動させて、エアロゾル生成装置の作動を開始または停止させるように制御することができる。
【0040】
さらに図2に示すように、ハウジング10内には、
電力を供給する電気コア14と、
エアロゾル生成装置の作動を制御するための、回路が集積された制御回路基板15と、
外部電源またはアダプタと接続すると、電気コア14を充電することができる、USB type-Cインターフェース、Pinピンインターフェースなどの、電気コア14を充電するための充電インターフェース16と、が設けられる。
【0041】
さらに、図2を参照すると、ハウジング10には、吸引可能な材料Aを加熱するための赤外線放射器20が設けられ、当該赤外線放射器20は、電気赤外線放射器として、電気コア14から電力が供給されるとき、ハウジング10に収容された吸引可能な材料Aに赤外線を放射して、吸引可能な材料Aを加熱するために使用される。
【0042】
図2に示す好ましい実施形態において、エアロゾル生成装置は、径方向に沿って赤外線放射器20の外側に設けられた断熱部材30をさらに含む。より好ましい実施形態では、断熱部材30は、内部真空領域を有する真空断熱管などである。
【0043】
さらに、図2において、エアロゾル生成装置は、いずれも中空環状の上支持部材40および下支持部材50をさらに備え、赤外線放射器20および断熱部材30の両端をそれぞれ支持することで、赤外線放射器20および断熱部材30をハウジング10内に安定的に保持する。
【0044】
より好ましい実施形態では、赤外線放射器20は、周方向に沿って設けられた異なる赤外線放射領域を有し、吸引可能な材料Aに赤外線を独立して放射し、吸引可能な材料Aの異なる領域を加熱することができる。赤外線放射器20は、周方向に沿って設けられた異なる赤外線放射領域を有し、順次制御し、交互または同時に起動することで、吸引可能な材料Aの異なる部分をそれぞれ独立して加熱することができる。実施形態では、異なる赤外線放射領域は、周方向に沿って基材に形成された2つのコーティングまたは薄膜によってそれぞれ形成されてもよく、あるいは基材に形成された1つのコーティングまたは薄膜が導電コーティングによって周方向に沿って仕切って形成されてもよい。
【0045】
具体的には、赤外線放射器20は、長さ方向に沿って延びる管状であり、赤外線放射器20は、周方向に沿って順次配置された少なくとも1つの第1の赤外線放射領域および少なくとも1つの第2の赤外線放射領域を含み、第1の赤外線放射領域および第2の赤外線放射領域は互いに分離しており、第1の赤外線放射領域および第2の赤外線放射領域は、独立して赤外線をチャンバに放射して吸引可能な材料の異なる部分を加熱するように、独立して起動可能に構成される。
【0046】
具体的には、図3に示す好ましい実施形態において、エアロゾル生成装置は、吸引可能な材料を収容するためのチャンバ22を含み、前記赤外線放射器20は、チャンバ22に赤外線を放射して吸引可能な材料を加熱するように構成される。
【0047】
赤外線放射器20は、基材21と、第1の赤外線放射コーティング23および第2の赤外線放射コーティング24と、を含み、
基材21は、管状中空構造であり、剛性の担体および吸引可能な材料Aを収納する物体として、実施中に石英ガラス、セラミックやマイカなど高温耐性及び赤外線透過性のある材料、好ましくは、赤外線透過率95%以上の高温耐性材料などの透明材料で作成することができ、使用時に、当該基材21は、チャンバ22の軸方向に沿って延び、チャンバ22の外周を取り囲むように配置され、すなわち、基材21の管状中空の少なくとも一部は、吸引可能な材料Aを収容するチャンバ22を形成し、基材21は、外面と内面を含み、基材21の外面は、チャンバ22から離反する面であり、基材21の内面は、基材21aの前記チャンバ22に近い面であり、
第1の赤外線放射コーティング23および第2の赤外線放射コーティング24は、基材21の外面に形成されかつ周方向に沿って順次配置され、使用時に、第1の赤外線放射コーティング23、および第2の赤外線放射コーティング24は、通電する場合、自己発熱し、上記の3μm~15μmの遠赤外線など、吸引可能な材料Aの加熱に使用できる赤外線を放射することができる。赤外線の波長が吸引可能な材料Aの揮発性成分の吸収波長と一致する場合、赤外線のエネルギーが吸引可能な材料Aによって容易に吸収される。
【0048】
第1の赤外線放射コーティング23の少なくとも一部は、第1の赤外線放射領域を形成し、第2の赤外線放射コーティング24の少なくとも一部は、第2の赤外線放射領域を形成する。第1の赤外線放射コーティング23は、前記基材に形成されたコーティング、または前記基材に接合された薄膜であり、第2の赤外線放射コーティング24は、前記基材に形成されたコーティング、または前記基材に接合された薄膜である。
【0049】
通常の実施形態では、第1の赤外線放射コーティング23および第2の赤外線放射コーティング24は、ジルコニウムなどのセラミック系材料や、Fe-Mn-Cu系、タングステン系、または遷移金属およびそれらの酸化物材料からなるコーティングであり得る。
【0050】
好ましい実施形態では、第1の赤外線放射コーティング23および第2の赤外線放射コーティング24は、好ましくは、Mg、Al、Ti、Zr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Cr、Znなどの少なくとも1つの金属元素の酸化物からなり、これらの金属酸化物は、適当な温度に加熱されると加熱効果を有する遠赤外線を放射することができ、コーティングの厚さは、好ましくは、30μm~50μmにすることができ、上記金属元素の酸化物を大気圧プラズマ溶射によって基材21の外面に吹き付けて硬化させることで、基材21の表面にコーティングを形成することができる。
【0051】
さらに、図3に示す好ましい実施形態では、基材21は、外面が第1の赤外線放射コーティング23および第2の赤外線放射コーティング24によって完全に覆われておらず、かつ外面には、第1の赤外線放射コーティング23と第2の赤外線放射コーティング24との間に位置しかつ軸方向に沿って延びる第1の空白領域211、上端に近い第2の空白領域212、および下端に近い第3の空白領域213を有する。ここで、上端および下端はそれぞれ、軸方向に沿った基材21の両端を指す。
【0052】
使用時に、第1の空白領域211、第2の空白領域212および第3の空白領域213は、赤外線放射器20をハウジング10内部の固定・保持構造に適合させるか、または、その後、基材21の表面にリードを溶接するための空間として使用され、それによって、赤外線放射コーティングを印刷した後、組立または分解などの操作中に印刷された赤外線放射コーティングに摩耗が生じることを回避することができる。さらに、第1の空白領域211は、第1の赤外線放射コーティング23および第2の赤外線放射コーティング24を仕切るために使用される。
【0053】
さらに、赤外線放射器20は、前記第1の赤外線放射コーティング23および第2の赤外線放射コーティング24に電力を供給するための導電素子をさらに含み、本出願の実施例では、導電素子は、基材21に形成された導電コーティングである。当該導電コーティングは、第1の赤外線放射層および第2の赤外線放射層に少なくとも部分的に重なり合い、それにより、前記第1の赤外線放射層および第2の赤外線放射層を導電的に接続する。理解されるように、いくつかの他の実施例では、導電素子は、基材21の表面に覆われた導電薄膜、導電ピン、または他の構造で形成された導電デバイスであってもよく、ここでは限定されない。
【0054】
当該導電素子は、前記チャンバの周方向に沿って間隔をあけて配置された第1の導電素子、第2の導電素子および第3の導電素子を含み、第1の導電素子、第2の導電素子および第3の導電素子は、それぞれ導電コーティング、導電薄膜、導電ピンまたは他の構造の導電デバイスのうちの任意の1つの構造であってよく、あるいは、第1の導電素子、第2の導電素子および第3の導電素子は、それぞれ導電コーティング、導電薄膜、導電ピンまたは他の構造の導電デバイスのうちのいくつかの組合せにより形成される構造であってもよい。本出願の実施例では、当該第1の導電素子は第1の導電コーティングを例に挙げて説明し、当該第2の導電素子は第2の導電コーティングを例に挙げて説明し、第3の導電素子は第3の導電コーティングを例に挙げて説明する。
【0055】
導電コーティングは、チャンバ22の軸方向に沿って延びる。当該導電コーティングは、基材21に形成され、導電コーティングは、第1の赤外線放射コーティング23および第2の赤外線放射コーティング24に少なくとも部分的に重なり合い、さらに、前記第1の赤外線放射コーティング23および第2の赤外線放射コーティング24と電気的に接続される。
【0056】
当該導電コーティングは、基材21に印刷または塗布などにより形成された第1の導電コーティング25および第2の導電コーティング26を含み、これらの導電コーティングは、赤外線放射器20に電力を供給する電極として用いられ、その後電気コア14の正極と負極に接続された後、インターフェースを介して赤外線放射器20の各領域に電力を供給する。具体的には、図3に示すように、第1の導電コーティング25、および第2の導電コーティング26は、いずれも軸方向に沿って延び、かつ周方向に沿って第1の導電コーティング25と第2の導電コーティング26との間に一定の間隔が保持され、この間隔によって第1の空白領域211が形成される。
【0057】
また、使用時に、第1の導電コーティング25は、第1の赤外線放射コーティング23と少なくとも部分的に重なり合って導電接続を形成し、第2の導電コーティング26は、第2の赤外線放射コーティング24と少なくとも部分的に重なり合って導電接続を形成する。
【0058】
図4に示す別の角度から見た模式図を参照すると、赤外線放射器20は、軸方向に沿って延びる第3の導電コーティング27をさらに含み、当該第3の導電コーティング27は、第1の赤外線放射コーティング23および第2の赤外線放射コーティング24の両方とも部分的に重なり合って導電接続を形成し、使用時に、第1の導電コーティング25および第3の導電コーティング27は、第1の赤外線放射コーティング23の周方向に沿った両側端にそれぞれ形成されて導電し、さらに電気コア14の正電極と負電極にそれぞれ接続して、第1の赤外線放射コーティング23に電力を供給して赤外線を放射させることができる。同様に、第2の導電コーティング26および第3の導電コーティング27は、第2の赤外線放射コーティング24の周方向に沿った両側端にそれぞれ形成されて導電し、さらに電気コア14の正電極と負電極にそれぞれ接続して、第2の赤外線放射コーティング24に電力を供給して赤外線を放射させることができる。
【0059】
具体的には、第1の導電コーティング25、第2の導電コーティング26および第3の導電コーティング27は、それぞれ前記チャンバの周方向に沿って間隔をあけて配置され、前記第1の赤外線放射コーティング23は、前記第1の導電コーティング25と第3の導電コーティング27が通電する場合前記チャンバに赤外線を放射するように、前記第1の導電コーティング25と第3の導電コーティング27との間に結合され、前記第2の赤外線放射コーティング24は、前記第2の導電コーティング26と第3の導電コーティング27が通電する場合前記チャンバに赤外線を放射するように、前記第2の導電コーティング26と第3の導電コーティング27との間に結合される。
【0060】
材料として、第1の導電コーティング25、第2の導電コーティング26および第3の導電コーティング27は、低抵抗金属または合金、例えば、銀、金、パラジウム、プラチナ、銅、ニッケル、モリブデン、タングステン、ニオブまたはこれらの合金材料を採用する。
【0061】
さらに、図3および図4に示す好ましい実施形態では、第1の導電コーティング25、第2の導電コーティング26および第3の導電コーティング27には、溶接などにより導電的に接続された第1の導電ピン251、第2の導電ピン261、および第3の導電ピン271がそれぞれ設けられ、さらに、第1の導電コーティング25、第2の導電コーティング26および第3の導電コーティング27はそれぞれ、これらの導電するピンを介して電気コア14の電極に接続される。
【0062】
以上より、第1の赤外線放射コーティング23および第2の赤外線放射コーティング24は、使用時にそれぞれ独立して電力を供給し、赤外線を独立してまたは同時に放射して、吸引可能な材料Aの一部または全体を加熱することができる。
【0063】
別の実施例では、図5に示す赤外線放射器20aは、基材21aと、第1の赤外線放射コーティング23aおよび第2の赤外線放射コーティング24aと、を含み、
当該基材21aは、管状中空構造であり、基材21aの管状中空の少なくとも一部は、吸引可能な材料Aを収容するチャンバ22aを形成し、ここで、基材21aは、外面と内面を含み、基材21aの外面は、チャンバ22から離反する面であり、基材21aの内面は、前記チャンバ22に近い面であり、
第1の赤外線放射コーティング23aおよび第2の赤外線放射コーティング24aは、基材21aの内面に形成されかつ周方向に沿って順次配置され、
第1の赤外線放射コーティング23aおよび第2の赤外線放射コーティング24aの独立した電力供給を容易にするために、基材21aの内面には、軸方向に延びる第1の導電コーティング25a、第2の導電コーティング26a、および第3の導電コーティング27aがさらに設けられ、さらに、図5に示すように、第1の導電コーティング25aおよび第3の導電コーティング27aは、それぞれ第1の赤外線放射コーティング23aの周方向に沿った両側端に設けられて第1の赤外線放射コーティング23aに電力を供給し、第2の導電コーティング26aおよび第3の導電コーティング27aは、それぞれ第2の赤外線放射コーティング24aの周方向に沿った両側端に設けられて第2の赤外線放射コーティング24aに電力を供給する。当然ながら、第1の導電コーティング25aと第2の導電コーティング26aとの間には、一定の間隔があけられる。
【0064】
別の好ましい実施例では、赤外線放射器20bの構造は図6に示すとおりであり、管状の基材21bの外面には少なくとも、周方向に沿って順次間隔をあけて配置された第1の赤外線放射コーティング23b、第2の赤外線放射コーティング24b、第3の赤外線放射コーティング25b、および第4の赤外線放射コーティング26bと、それらの間に位置する第1の隙間27b、第2の隙間28b、第3の隙間29bと、が設けられる。
【0065】
また、それらを独立して操作するために、赤外線放射器20bは、基材21bの両端に設けられて、それらと部分的に重なり合って導電する導電コーティングをさらに含み、当該導電コーティングは、チャンバ22の周方向に沿って延び、当該導電コーティングは、第1の赤外線放射コーティング23bの両端に位置する第1の導電コーティング231bと第2の導電コーティング232b、および第2の赤外線放射コーティング24bの両端に位置する第3の導電コーティング241bと第4の導電コーティング242bを含み、第1の導電コーティング231bと第2の導電コーティング232b、および第3の導電コーティング241bと第4の導電コーティング242bは、チャンバ22の軸方向に沿って対向して設けられる。具体的には、第1の赤外線放射コーティング23bは、第1の導電コーティング231bと第2の導電コーティング232bが通電する場合チャンバ22に赤外線を放射するように、チャンバ22の軸方向に沿って第1の導電コーティング231bと第2の導電コーティング232bとの間に結合され、第2の赤外線放射コーティング24bは、第3の導電コーティング241bと第4の導電コーティング242bが通電する場合チャンバ22に赤外線を放射するように、チャンバ22の軸方向に沿って第3の導電コーティング241bと第4の導電コーティング242bとの間に結合される。
【0066】
さらに、当該導電コーティングは、第3の赤外線放射コーティング25bの両端に位置する第5の導電コーティング251bと第6の導電コーティング252b、および第4の赤外線放射コーティング26bの両端に位置する第7の導電コーティング261bと第8の導電コーティング262bをさらに含む。第5の導電コーティング251b、第6の導電コーティング252b、第7の導電コーティング261bおよび第8の導電コーティング262bは、それぞれ電気コア14の正極と負極に接続することにより、実施中で赤外線放射コーティングに独立して電力を供給し、吸引可能な材料Aの部分を加熱することができる。
【0067】
または上記の図6に示すように、他の変形例では、第1の導電コーティング231b、第3の導電コーティング241b、第5の導電コーティング251bおよび第7の導電コーティング261bは、シームレスで接合して、連続的に導電する一体として形成され、さらに、その全体は基材21bの上部外面にある環状に形成され、全ての赤外線放射コーティングと部分的に重なり合って導電することもでき、それに対応して、第2の導電コーティング232b、第4の導電コーティング242b、第6の導電コーティング252bおよび第8の導電コーティング262bは依然として独立して分離されるため、使用時には電気コア14の正極と負極にそれぞれ接続して、赤外線放射コーティングに独立して電力を供給することができる。
【0068】
さらに別の好ましい実施形態では、赤外線放射器20cは、薄膜材料で構成された赤外線放射薄膜23cを含む。具体的には図7を参照すると、当該赤外線放射薄膜23cは、電気赤外線放射薄膜であり、赤外線放射機能を有する酸化亜鉛薄膜、希土類元素をドープした酸化錫薄膜、グラフェン薄膜などの材料を使用することができ、厚さは通常約30~500nmである。
【0069】
赤外線放射薄膜23cへの電力供給を容易にするために、赤外線放射薄膜23cには、電極として用いられる導電コーティング241c/242c/243cが形成され、その材料として、低抵抗金属または合金、例えば、銀、金、パラジウム、プラチナ、銅、ニッケル、モリブデン、タングステン、ニオブまたはこれらの合金材料を採用することができる。また、その後の導電コーティング241c/242c/243cの電極としての使用、および電気コア14の正極と負極への電気的接続を容易にするために、導電コーティング241c/242c/243cには、溶接などにより細長い導電ピン251c/252c/253cがさらに形成される。
【0070】
さらに、使用時には、上記の図7に示す赤外線放射薄膜23cは、管状の基材21cの表面に巻かれる。図8に示すように、当該基材21cは、赤外線放射薄膜23cに固定および支持を提供するために使用される。使用時には、第1の導電ピン251cおよび第2の導電ピン252cをそれぞれ独立して電気コア14の正極と負極に導電的に接続し、または第2の導電ピン252cおよび第3の導電ピン253cを電気コア14の正極と負極に導電的に接続することができ、これによって、第1の赤外線放射領域S1または第2の赤外線放射領域S2に独立して電力を供給することができ、使用時には、赤外線を独立してまたは同時に放射し、基材21cの内部チャンバ22cに収容された吸引可能な材料Aの一部または全部を加熱することができる。
【0071】
または別の変形では、図9に示す赤外線放射薄膜23dは、少なくとも2つ採用でき、それぞれの両端にはいずれも導電コーティング24dおよび導電ピン25dを有し、周方向に沿って基材21の外面に順次貼付されまたは巻かれるが、独立して給電する場合、赤外線放射薄膜23dの各々の導電ピン25dを介して電気コア14の正極と負極にそれぞれ接続するだけで、共通ピンを必要とせずに独立して給電することができる。
【0072】
または、より好ましい実施形態では、以上の赤外線放射薄膜23c/23dの導電コーティングはさらに、図6に示すように、周方向に沿った印刷手段により形成・配置され得る。
【0073】
赤外線放射薄膜は、以上のように赤外線を放射できる単一の薄膜材料で作製されるほかに、さらに別の好ましい実施形態では、図10に示すように、複数層の構造で作製され、
フレキシブル基板用基材231dと、フレキシブル基板用基材231dに形成された赤外線放射層232dと、
幅方向に沿って赤外線放射層232dの両側端および中央に形成された第1の導電コーティング241d、第2の導電コーティング242d、及び第3の導電コーティング243dと、を含み、第1の導電コーティング241d、第2の導電コーティング242d、第3の導電コーティング243dは、それぞれチャンバ22の軸方向に沿って延びる。前記第1の導電コーティング241d、第2の導電コーティング242dおよび第3の導電コーティング243dは、前記チャンバ22の周方向に沿って順次分布され、さらに、前記赤外線放射薄膜23cを、前記第1の導電コーティング241dと第2の導電コーティング242dとの間に位置する前記第1の赤外線放射領域S1、および前記第2の導電コーティング242dと第3の導電コーティング243dとの間に位置する前記第2の赤外線放射領域S2に仕切る。
【0074】
さらに、赤外線放射層232dには、第1の導電ピン251d、第2の導電ピン252d、第3の導電ピン253dが設けられ、第1の導電ピン251d、第2の導電ピン252d、第3の導電ピン253dは、それぞれ溶接などにより形成される。ここで、第1の赤外線放射領域S1は、第1の導電ピン251dと第2の導電ピン252dとの間に位置し、第2の赤外線放射領域S2は、第2の導電ピン252dと第3の導電ピン253dとの間に位置する。
【0075】
図10に示す好ましい実施形態では、赤外線放射薄膜23dは、より多様な材料から選択し、様々な品質で作製することができ、具体的には、フレキシブル基板用基材231dは、その後に赤外線放射材料を搭載する基板として使用され、かつ、その後に基材21の外面に巻き付けるためのフレキシブル材料の作製を容易にすることができ、選択される材料は、フレキシブルガラス、PI膜、フレキシブルのセラミックペーパーなどであってもよい。
【0076】
赤外線放射層232dは、印刷または蒸着などの工程によりフレキシブル基板用基材231dの表面に形成してもよく、具体的には、当該赤外線放射層232dは、実施において、吹付、ナイフコーティング、スピンコート、ロールコート、物理蒸着または化学蒸着などにより、赤外線を放射できる材料をフレキシブル基板用基材231dの表面に蒸着・硬化させて得ることができ、実施形態では、赤外線放射層232dの材料は、適当な温度に加熱されると加熱効果を有する遠赤外線を放射することができるMg、Al、Ti、Zr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Cr、Znなどの少なくとも1つの金属元素の酸化物からなり、厚さは好ましくは30μm~50μmにすることができる。
【0077】
さらに好ましい実施形態では、第1の赤外線放射領域S1は、第2の赤外線放射領域S2と異なる赤外線放射の波長および効率を有する。具体的には、吸引可能な材料Aには、それぞれが異なる最適な赤外線吸収波長を有する様々な有機成分が含まれ、例えば、吸引可能な材料Aに含まれるニコチンの最適な赤外線吸収波長は、エアロゾルを形成する湿潤剤グリセリンや植物性グリセリンと異なる。従って、実施形態では、第1の赤外線放射領域S1と第2の赤外線放射領域S2は、上記様々な成分に対する発光スペクトルを発することが好ましく、当然ながら、それぞれの発光スペクトルのピーク波長範囲が異なるため、各有機成分の加熱効率をバランスよく向上させる。例えば、図11および図12は、異なる2つの材料から作製した第1の赤外線放射領域S1および第2の赤外線放射領域S2のそれぞれは、給電される場合その自体の温度が一定の温度まで上昇した時に放射した赤外線放射スペクトルをそれぞれ示しており、図11および図12から分かるように、第1の赤外線放射領域S1および第2の赤外線放射領域S2のそれぞれの発射スペクトルは、吸引可能な材料Aにおける様々な有機成分の最適な吸収波長範囲にそれぞれ適合できる、異なるWLP(ピーク波長、最大放射パワーに対応する波長)を有する。すなわち、前記第1の赤外線放射領域S1および前記第2の赤外線放射領域S2は、異なる赤外線放射スペクトルを有し、前記第1の赤外線放射領域S1の赤外線放射スペクトルは、前記第2の赤外線放射領域S2の赤外線放射スペクトルと異なるピーク波長を有する。
【0078】
さらに別の変形例では、赤外線放射領域を複数有する部分またはいくつかの赤外線放射領域を同時に操作するために、操作を必要とする赤外線放射領域に対応するピンを電気コア14の正極と負極に接続すればよい。さらに操作を必要とする赤外線放射領域の数が多い場合、例えば、図6に示す4つの赤外線放射領域を有する赤外線放射器20bの場合、独立して接続する操作を減らすために、好ましい実施形態では、さらに赤外線放射器20eを提供し、図13に示すように、前記赤外線放射器20eは、管状の基材21eの外面に形成された赤外線放射コーティング23eと、軸方向に沿って延びる第1の導電コーティング241e、第2の導電コーティング242e、第3の導電コーティング243e、第4の導電コーティング244eとを含み、さらに、赤外線放射コーティング23eを、図13に示す第1の赤外線放射領域S1、第2の赤外線放射領域S2、第3の赤外線放射領域S3、第4の赤外線放射領域S4に仕切る。
【0079】
これに対応して、操作制御中において、第1の導電コーティング241e、第2の導電コーティング242e、第3の導電コーティング243e、第4の導電コーティング244eが、導電ピンを介して4つのN-M0Sトランジスタからなるブリッジ回路またはフルブリッジ回路に接続され、ブリッジ回路またはフルブリッジ回路が、前記第1の赤外線放射領域および第2の赤外線放射領域に結合されるような図14に示す方法を採用することができる。フルブリッジ回路は、交互に導通または遮断することにより、第1の放射領域に交互に供給される第1の電流、および第2の放射領域に供給される第2の電流を形成し、前記第1の赤外線放射領域および第2の赤外線放射領域を交互に起動させるように構成されたトランジスタを含む。
【0080】
当然ながら、実施例では、電流制限用の保護抵抗Rが追加される。具体的には、図14に示すブリッジ構造によれば、第1の導電コーティング241eの1つの接続端は、電圧入力端として電気コア14の正極Vin+に接続され、第3の導電コーティング243eの1つの接続端は接地し、制御過程では、MCUコントローラなどにより、Q1およびQ4を同時に導通させ、かつQ2およびQ3を遮断するように制御すると、図14の矢印r1に示す方向の電流が形成され、この場合、第1の導電コーティング241eと第2の導電コーティング242eによって給電される第1の赤外線放射領域S1、および第3の導電コーティング243eと第4の導電コーティング244eによって給電される第3の赤外線放射領域S3は、動作状態となるが、Q2およびQ3を同時に導通させ、かつQ1およびQ4を遮断するように制御すると、矢印r2に示す方向の電流が形成され、この場合、第1の導電コーティング241eと第4の導電コーティング244eによって給電される第4の赤外線放射領域S4、および第2の導電コーティング242eと第3の導電コーティング243eによって給電される第3の赤外線放射領域S3は、動作状態となる。さらに、ブリッジを構築する上記方法により、各領域を操作することで、吸引可能な材料Aの異なる領域への放射が可能となり、一部の加熱が実現される。当然ながら、上記実施形態に基づき、ブリッジを確実に構築できるように、上記導電コーティング241e/242e/243e/244eには、複数の導電ピンを溶接する必要があり、それによって図14に示すブリッジへの接続が確保される。
【0081】
本発明のさらに別の変形例では、異なる赤外線放射領域は、分離した基材にそれぞれ形成されてもよく、具体的な実施例は、図15を参照できる。
【0082】
本実施例では、基材21fは分割設定されており、基材21fは4つの分割部を含み、4つの分割部は、それぞれチャンバ22fを取り囲んで設けられた第1の基材211f、第2の基材212f、第3の基材213fおよび第4の基材214fである。第1の基材211f、第2の基材212f、第3の基材213fおよび第4の基材214fはそれぞれ、チャンバ22fの径方向に沿って外向きに湾曲した円弧状のシート構造であり、第1の基材211f、第2の基材212f、第3の基材213fおよび第4の基材214fは、順次接続して囲んでチャンバ22fを形成する。そのうち、チャンバ22fの径方向に沿って外向む方向は、チャンバ22fから離反する方向である。
【0083】
第1の基材211f、第2の基材212f、第3の基材213fおよび第4の基材214fのそれぞれには、赤外線放射コーティングが形成されるか、または赤外線放射薄膜23fが巻かれ、また、いずれも上記の独立した制御手段によって独立して起動し、さらに、チャンバ22fに収容された吸引可能な材料Aの異なる領域をそれぞれ加熱することができる。
【0084】
理解されるように、他のいくつかの実施例では、分割設定された基材21fは、2つの分割部のみを含んでもよく、2つの分割部は、チャンバを取り囲んで設けられた第1の基材、第2の基材である。第1の基材および第2の基材はそれぞれ、チャンバの径方向に沿って外向きに湾曲した円弧状のシート構造であり、第1の基材の両端および第2の基材の両端は、接続して囲んでチャンバを形成する。さらに、前記第1の基材には、第1の赤外線放射コーティングが設けられ、前記第1の赤外線放射コーティングの少なくとも一部は、前記第1の赤外線放射領域を形成し、前記第2の基材には、第2の赤外線放射コーティングが設けられ、前記第2の赤外線放射コーティングの少なくとも一部は、前記第2の赤外線放射領域を形成する。
【0085】
または、任意選択的な変化例では、図16に示すように、赤外線放射器20gは、
チャンバ22gを取り囲んで設けられた少なくとも2つの分離したシート状の基材21gを含んでもよく、例えば図15に示す好ましい数は3つである。
【0086】
分離した各シート状基材21gには、いずれも赤外線放射コーティング23gが設けられ、それによって、チャンバ22gに収容された吸引可能な材料Aの異なる領域を加熱する。
【0087】
なお、本発明の明細書およびその図面は、本発明の好ましい実施例を提供したが、本明細書で記載された実施例に限定されるものではなく、さらに、当業者にとって、上記の説明に基づいて改良または変形を行うことができ、これらの改良や変形は全て、本発明に添付された請求項の保護範囲に含まれるものとする。
図1
図2
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図5
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図11
図12
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図15
図16