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特許7627339貨物を貨物容器内に降ろすことができる立体降ろしシステムおよびその制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-28
(45)【発行日】2025-02-05
(54)【発明の名称】貨物を貨物容器内に降ろすことができる立体降ろしシステムおよびその制御方法
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/137 20060101AFI20250129BHJP
【FI】
B65G1/137 A
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2023526464
(86)(22)【出願日】2021-07-08
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-09
(86)【国際出願番号】 CN2021105225
(87)【国際公開番号】W WO2022151678
(87)【国際公開日】2022-07-21
【審査請求日】2023-04-28
(31)【優先権主張番号】202110034970.3
(32)【優先日】2021-01-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】518238469
【氏名又は名称】浙江立▲ビアオ▼机器人有限公司
【氏名又は名称原語表記】ZHEJIANG LIBIAO ROBOTS CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】朱建強
【審査官】大塚 多佳子
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-067440(JP,A)
【文献】特許第4078936(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 1/137
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
仕分けプラットホーム(12)と、自動搬送台車(11)と、貨物識別装置と、測位装置と、貨物棚(2)と、輸送装置(4)と、降ろし装置(3)と、サーバーとを備え、
前記仕分けプラットホーム(12)に、貨物積み入口および貨物降ろし出口(13)が設けられており、
前記自動搬送台車(11)は、複数配置され、前記自動搬送台車が、前記仕分けプラットホーム(12)において走行するとともに載せている貨物(5)を前記貨物降ろし出口(13)で降ろすように構成され、
前記貨物識別装置は、前記仕分けプラットホーム(12)の貨物積み入口に取り付けられ、前記自動搬送台車(11)に載せられた貨物(5)を識別するように構成され、
前記測位装置は、前記自動搬送台車(11)が走行するときに前記自動搬送台車(11)の測位に使用され、
前記貨物棚(2)は、1つ以上設置され、前記貨物棚(2)が複数の貨物容器(21)を含み、各貨物容器(21)が前記貨物(5)を収容することができ、前記貨物棚(2)が前記貨物降ろし出口(13)に近接する位置に取り付けられ、
前記輸送装置(4)に輸送サポーターが固定され、
前記降ろし装置(3)は、前記輸送サポーターに固定され、前記輸送装置(4)の駆動により前記貨物降ろし出口(13)まで移動して前記自動搬送台車(11)から降ろされた貨物(5)を受けた後、特定の貨物容器(21)の近くに移動し、前記貨物(5)を該貨物容器(21)内に降ろすように構成され、
前記サーバーは、前記自動搬送台車(2)の制御手段に無線接続され、前記貨物識別装置、前記輸送装置(4)の制御手段および前記降ろし装置(3)の制御手段のそれぞれに有線接続または無線接続され、
前記降ろし装置(3)は、第1減速機(64)と、反転モータ(62)と、反転サポーター(63)と、反転トレー(60)と、第2減速機(66)と、揺動モータ(67)と、揺動バー(65)とを含み、
前記反転モータ(62)は、ハウジングが前記第1減速機(64)のハウジングと固定され、回転軸が前記第1減速機(64)の入力軸と固定され、前記反転モータ(62)が前記降ろし装置(3)の制御手段と電気的に接続され、
前記反転サポーター(63)は、前記第1減速機(64)の出力軸と固定され、
前記反転トレー(60)は、前記反転サポーター(63)と固定され、前記貨物(5)を収容するように構成され、
前記第2減速機(66)は、ハウジングが前記輸送サポーターに固定され、
前記揺動モータ(67)は、ハウジングが前記第2減速機(66)のハウジングと固定され、回転軸が前記第2減速機(66)の入力軸と固定され、前記揺動モータ(67)が前記降ろし装置(3)の制御手段と電気的に接続され、
前記揺動バー(65)は、一端が前記第2減速機(66)の出力軸と固定され、他端が前記第1減速機(64)のハウジングと固定され、
前記揺動モータ(67)の回転により前記反転トレー(60)を駆動して特定の貨物容器(21)の上まで揺動させることができ、前記反転モータ(62)の回転により前記貨物(5)を該貨物容器(21)内に降ろすことができる、
ことを特徴とする、貨物を貨物容器内に降ろすことができる立体降ろしシステム。
【請求項2】
仕分けプラットホーム(12)と、自動搬送台車(11)と、貨物識別装置と、測位装置と、貨物棚(2)と、輸送装置(4)と、降ろし装置(3)と、サーバーとを備え、
前記仕分けプラットホーム(12)に、貨物積み入口および貨物降ろし出口(13)が設けられており、
前記自動搬送台車(11)は、複数配置され、前記自動搬送台車が、前記仕分けプラットホーム(12)において走行するとともに載せている貨物(5)を前記貨物降ろし出口(13)で降ろすように構成され、
前記貨物識別装置は、前記仕分けプラットホーム(12)の貨物積み入口に取り付けられ、前記自動搬送台車(11)に載せられた貨物(5)を識別するように構成され、
前記測位装置は、前記自動搬送台車(11)が走行するときに前記自動搬送台車(11)の測位に使用され、
前記貨物棚(2)は、1つ以上設置され、前記貨物棚(2)が複数の貨物容器(21)を含み、各貨物容器(21)が前記貨物(5)を収容することができ、前記貨物棚(2)が前記貨物降ろし出口(13)に近接する位置に取り付けられ、
前記輸送装置(4)に輸送サポーターが固定され、
前記降ろし装置(3)は、前記輸送サポーターに固定され、前記輸送装置(4)の駆動により前記貨物降ろし出口(13)まで移動して前記自動搬送台車(11)から降ろされた貨物(5)を受けた後、特定の貨物容器(21)の近くに移動し、前記貨物(5)を該貨物容器(21)内に降ろすように構成され、
前記サーバーは、前記自動搬送台車(2)の制御手段に無線接続され、前記貨物識別装置、前記輸送装置(4)の制御手段および前記降ろし装置(3)の制御手段のそれぞれに有線接続または無線接続され、
前記輸送装置(4)は、縦方向移動手段(42)を含み、前記縦方向移動手段は、中空バー(422)と、第1タイミングプーリ(424)および第2タイミングプーリと、タイミングベルト(423)と、サーボモータ(421)と、スライドブロック(425)とを備え、
前記中空バー(422)は、地面に対して垂直に固定され、前記中空バー(422)に開口端部(4222)が設けられ、前記中空バー(422)の2つの外側面に凹溝(4221)が設けられ、
前記第1タイミングプーリ(424)および前記第2タイミングプーリは、前記中空バー(422)内の両端部にそれぞれ回動可能に固定され、
前記タイミングベルト(423)は、前記第1タイミングプーリ(424)および前記第2タイミングプーリと連結し、
前記サーボモータ(421)は、ハウジングが前記中空バー(422)と固定され、回転軸が前記第1タイミングプーリ(424)の中心軸または前記第2タイミングプーリの中心軸と固定され、前記サーボモータ(421)が前記輸送装置(4)の制御手段と電気的に接続され、
前記スライドブロック(425)は、突出ブロック(4252)と2つのスライドレール(4251)とを含み、前記突出ブロック(4252)が前記中空バー(422)の開口端部(4222)に嵌入されるとともに前記タイミングベルト(423)と固定され、前記スライドレール(4251)が前記凹溝(4221)に沿って往復移動しかできなく、前記スライドブロック(425)が前記輸送サポーターに固定される
ことを特徴とする、貨物を貨物容器内に降ろすことができる立体降ろしシステム。
【請求項3】
前記サーボモータ(421)は、減速機構を備える
ことを特徴とする請求項に記載の、貨物を貨物容器内に降ろすことができる立体降ろしシステム。
【請求項4】
前記輸送装置(4)は、横方向移動手段(43)をさらに含み、
前記横方向移動手段は、前記縦方向移動手段(42)と同じ構造を有し、前記横方向移
動手段(43)の中空バー(432)がサポーターにより地面に対して水平に固定され、前記縦方向移動手段(42)の中空バー(422)が前記横方向移動手段(43)におけるスライドブロック(435)と固定され、前記横方向移動手段(43)のサーボモータ(431)が前記輸送装置(4)の制御手段と電気的に接続される
ことを特徴とする請求項に記載の、貨物を貨物容器内に降ろすことができる立体降ろしシステム。
【請求項5】
前記横方向移動手段(43)が2つ設置され、前記縦方向移動手段(42)が1つ設置され、前記縦方向移動手段(42)の上部および下部が2つの前記横方向移動手段(43)のスライドブロック(435)にそれぞれ固定される
ことを特徴とする請求項に記載の、貨物を貨物容器内に降ろすことができる立体降ろしシステム。
【請求項6】
前記自動搬送台車(11)から前記貨物(5)を降ろすとき、前記降ろし装置(3)が前記貨物(5)の近くに移動し、前記貨物(5)が前記降ろし装置(3)に接触した直後に、前記貨物(5)が完全に前記降ろし装置(3)に滑り落ちるまで前記降ろし装置(3)がゆっくりと下へ移動する
ことを特徴とする請求項1~のいずれか1項に記載の、貨物を貨物容器内に降ろすことができる立体降ろしシステム。
【請求項7】
前記仕分けプラットホーム(12)が複数層設置され、各層の仕分けプラットホーム(12)において前記自動搬送台車(11)が貨物の搬送、降ろしを行い、各層の仕分けプラットホーム(12)に前記貨物識別装置および前記測位装置が配置される
ことを特徴とする請求項に記載の、貨物を貨物容器内に降ろすことができる立体降ろしシステム。
【請求項8】
前記貨物棚(2)は、移動可能な貨物棚であり、前記貨物棚(2)における貨物容器(21)が取外し可能なものである
ことを特徴とする請求項1~のいずれか1項に記載の、貨物を貨物容器内に降ろすことができる立体降ろしシステム。
【請求項9】
前記貨物棚(2)の各層にそれぞれ2本の横桟(22)が平行に設置され、それに対応して前記貨物容器(21)に2つのフランジ部が設けられ、前記貨物容器(21)の2つのフランジ部が前記2本の横桟(22)にかけることができる
ことを特徴とする請求項に記載の、貨物を貨物容器内に降ろすことができる立体降ろしシステム。
【請求項10】
請求項1~のいずれか1項に記載の、貨物を貨物容器内に降ろすことができる立体降ろしシステムの制御方法であって、
前記輸送装置(4)により前記降ろし装置(3)を、前記貨物降ろし出口(13)に位置する自動搬送台車(11)における貨物(5)の近くに移動させ、前記自動搬送台車(11)により前記貨物(5)を降ろし始めるステップS1と、
前記貨物(5)が前記降ろし装置(3)に接触すると、前記貨物(5)が完全に前記降ろし装置(3)に滑り落ちるまで前記降ろし装置(3)がゆっくりと降下するステップS2と、
前記輸送装置(4)が通常速度に戻り、前記降ろし装置(3)を特定の前記貨物容器(21)の近くに輸送して貨物の降ろしを行うステップS3と、を含む
ことを特徴とする、貨物を貨物容器内に降ろすことができる立体降ろしシステムの制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ロボット貨物降ろしシステムおよびその制御方法に関する。
【0002】
関係出願の相互参照
本開示は、2021年1月12日に中国専利局に提出された、出願番号が2021100349703であり、名称が「貨物を貨物容器内に降ろすことができる立体降ろしシステムおよびその制御方法」である中国出願に基づいて優先権を主張し、その内容のすべては本開示に参照として取り込まれる。
【背景技術】
【0003】
自動搬送台車すなわちロボットによる貨物の仕分けおよび降ろしが広く応用されている。従来技術において、一般的に、貨物を必要に従って所定の出口に降ろす必要があり、例えば、地域によって貨物を異なる出口に降ろし、そして同一の出口からの貨物を梱包して発送する。貨物を貨物棚における特定の貨物容器内に降ろすニーズがあり、この場合、1つの貨物棚に複数の貨物容器が設置できるため、貨物棚を梱包場所に運べれば、すべての貨物を容易に梱包場所に運んで梱包することができる。したがって、ロボットにより仕分けられた貨物を如何にして貨物棚における特定の貨物容器内に降ろすことは本開示が解決しようとする課題となっている。
【発明の概要】
【0004】
本開示は、上記の要求に応えて、貨物を貨物容器内に降ろすことができる立体降ろしシステムおよびその制御方法を提供する。
【0005】
本開示に係る貨物を貨物容器内に降ろすことができる立体降ろしシステムは、仕分けプラットホームと、複数の自動搬送台車と、貨物識別装置と、測位装置と、1つ以上の貨物棚と、輸送装置と、降ろし装置と、サーバーとを備え、仕分けプラットホームに、貨物積み入口および貨物降ろし出口が設けられており、複数の自動搬送台車は、仕分けプラットホームにおいて走行するとともに載せている貨物を貨物降ろし出口で降ろすように構成され、貨物識別装置は、仕分けプラットホームの貨物積み入口に取り付けられ、自動搬送台車に載せられた貨物を識別するように構成され、測位装置は、自動搬送台車が走行するときに自動搬送台車の測位に使用され、該貨物棚は、複数の貨物容器を含み、各貨物容器が貨物を収容することができ、該貨物棚が貨物降ろし出口に近接する位置に取り付けられ、輸送装置に輸送サポーターが固定され、降ろし装置は、輸送サポーターに固定され、輸送装置の駆動により貨物降ろし出口まで移動して自動搬送台車から降ろされた貨物を受けた後、特定の貨物容器の近くに移動し、貨物を該貨物容器内降ろすように構成され、サーバーは、自動搬送台車の制御手段に無線接続され、貨物識別装置、輸送装置の制御手段および降ろし装置の制御手段のそれぞれに有線接続または無線接続される。
【0006】
任意で、前記降ろし装置は、第1降ろし伝動ローラおよび第2降ろし伝動ローラと、コンベアベルトと、降ろしモータとを含み、第1降ろし伝動ローラおよび第2降ろし伝動ローラは、それぞれの軸芯が輸送サポーターに回動可能に連結され、コンベアベルトは、第1降ろし伝動ローラおよび第2降ろし伝動ローラと連結し、前記貨物が載置されるように構成され、降ろしモータは、ハウジングが輸送サポーターに固定され、回転軸が第1降ろし伝動ローラの軸芯または第2降ろし伝動ローラの軸芯と固定され、該降ろしモータが、前記降ろし装置の制御手段と電気的に接続され、該降ろしモータが回転するとき、前記貨物を降ろすことができるように構成される。
【0007】
任意で、前記降ろし装置は、第1減速機と、反転モータと、反転サポーターと、反転トレーと、第2減速機と、揺動モータと、揺動バーとを含み、反転モータは、ハウジングが第1減速機のハウジングと固定され、回転軸が第1減速機の入力軸と固定され、反転モータが前記降ろし装置の制御手段と電気的に接続され、反転サポーターは、第1減速機の出力軸と固定され、反転トレーは、反転サポーターと固定され、該貨物を収容するように構成され、第2減速機は、ハウジングが前記輸送サポーターに固定され、揺動モータは、ハウジングが第2減速機のハウジングと固定され、回転軸が第2減速機の入力軸と固定され、揺動モータが降ろし装置の制御手段と電気的に接続され、揺動バーは、一端が第2減速機の出力軸と固定され、他端が第1減速機のハウジングと固定され、該揺動モータの回転により反転トレーを駆動して特定の貨物容器の上まで揺動させることができ、該反転モータの回転により貨物を該貨物容器内に降ろすことができる。
【0008】
任意で、前記輸送装置は、縦方向移動手段を含み、縦方向移動手段は、中空バーと、第1タイミングプーリおよび第2タイミングプーリと、タイミングベルトと、サーボモータと、スライドブロックとを備え、中空バーは、地面に対して垂直に固定され、該中空バーに開口端部が設けられ、該中空バーの2つの外側面に凹溝が設けられ、第1タイミングプーリおよび第2タイミングプーリは、中空バー内の両端部にそれぞれ回動可能に固定され、タイミングベルトは、第1タイミングプーリおよび第2タイミングプーリと連結し、サーボモータは、ハウジングが中空バーと固定され、回転軸が第1タイミングプーリの中心軸または第2タイミングプーリの中心軸と固定され、該輸送装置の制御手段と電気的に接続され、スライドブロックは、突出ブロックと2つのスライドレールとを含み、該突出ブロックが中空バーの開口端部に嵌入されるとともにタイミングベルトと固定され、該スライドレールが凹溝に沿って往復移動しかできなく、該スライドブロックが前記輸送サポーターに固定される。
【0009】
任意で、前記輸送装置は、横方向移動手段をさらに含み、横方向移動手段は、縦方向移動手段と同じ構造を有し、該横方向移動手段の中空バーがサポーターにより地面に対して水平に固定され、縦方向移動手段の中空バーが横方向移動手段におけるスライドブロックと固定され、横方向移動手段のサーボモータが前記輸送装置の制御手段と電気的に接続される。
【0010】
前記自動搬送台車から貨物を降ろすとき、前記降ろし装置が貨物の近くに移動し、貨物が降ろし装置に接触した直後に、貨物が完全に降ろし装置に滑り落ちるまで降ろし装置がゆっくりと下へ移動する。
【0011】
任意で、前記仕分けプラットホームが複数層設置され、各層の仕分けプラットホームにおいて自動搬送台車が貨物の搬送、降ろしを行い、各層の仕分けプラットホームに貨物識別装置および測位装置が配置される。
【0012】
任意で、前記貨物棚は、移動可能な貨物棚である。
【0013】
前記貨物棚の各層にそれぞれ2本の横桟が平行に設置され、それに対応して前記貨物容器に2つのフランジ部が設けられ、該貨物容器の2つのフランジ部が2本の横桟にかける。
【0014】
任意で、前記貨物棚の貨物容器がマトリックス状に配列される。
【0015】
任意で、前記測位装置は、仕分けプラットホームに取り付けられ、自動搬送台車のセンサにより識別できる複数の位置マークを含む。該位置マークが、二次元コード、カラーマーク、グラフィックのサイズによるマークまたはグラフィックの数によるマークを含み、対応するセンサがカメラである。
【0016】
本開示は、貨物を貨物容器内に降ろすことができる立体降ろしシステムの制御方法をさらに提供する。該制御方法は、下記のステップを含む。
【0017】
ステップS1.輸送装置により降ろし装置を、貨物降ろし出口に位置する自動搬送台車における貨物の近くに移動させ、自動搬送台車により貨物を降ろし始める。
【0018】
ステップS2.貨物が降ろし装置に接触すると、貨物が完全に降ろし装置に滑り落ちるまで降ろし装置がゆっくりと降下する。
【0019】
ステップS3.輸送装置が通常速度に戻り、降ろし装置を特定の貨物容器の近くに輸送して貨物の降ろしを行う。
【0020】
本開示は、下記の利点を有する。貨物を仕分けたあとに直接貨物棚における特定の貨物容器内に降ろすことができる。これによって、貨物棚における貨物容器が密に配列することができ、従来技術より貨物出口の密度が大幅に増加し、スペース効率および降ろしの速度が向上する。また、自動搬送台車により貨物を降ろすとき、降ろし装置が貨物をゆっくりと受けることができ、このようにして、貨物に対する衝撃力を効果的に低減することができ、衝突による貨物の破損を低減することができる。
【0021】
本開示は、構造がコンパクトで、スペース効率が高く、降ろしの速度が速く、貨物の破損を低減できる有益な効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本開示に係るものの全体構造を示す模式図である。
図2】本開示において、貨物を降ろすときに降ろし装置が貨物の近くに移動した場合の模式的構成図である。
図3】本開示において、貨物が降ろし装置に接触した直後に降ろし装置がゆっくりと下へ移動するときの模式的構成図である。
図4】本開示に係る輸送装置および降ろし装置の模式的構成図である。
図5】本開示に係る縦方向移動手段の平面図である。
図6】本開示に係る、反転トレーを採用する降ろし装置の関連構造を示す模式図である。
図7】本開示に係る、反転トレーを採用する降ろし装置の関連構造を示す模式図である。
図8】本開示に係る、反転トレーを採用する降ろし装置の関連構造を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を参照しながら本開示をさらに説明する。
【0024】
図1に示すように、貨物を貨物容器内に降ろすことができる立体降ろしシステムは、仕分けプラットホーム12と、複数の自動搬送台車11と、貨物識別装置と、測位装置と、輸送装置4と、1つ以上の貨物棚2と、降ろし装置3と、サーバーとを備える。
【0025】
仕分けプラットホーム12に、貨物積み入口および貨物降ろし出口13が設けられている。
【0026】
複数の自動搬送台車11は、仕分けプラットホーム12において走行するとともに載せている貨物5を貨物降ろし出口13で降ろすように構成される。
【0027】
貨物識別装置は、仕分けプラットホーム12の貨物積み入口に取り付けられ、作業員またはロボットにより自動搬送台車11に載せた貨物5を識別するように構成される。
【0028】
測位装置は、自動搬送台車11が走行するときに自動搬送台車11の測位に使用される。
【0029】
輸送装置4に輸送サポーターが固定される。
【0030】
貨物棚2は、複数の貨物容器21を含み、各貨物容器21が貨物5を収容することができ、該貨物棚2が貨物降ろし出口13に近接する位置に取り付けられる。一般的に、スペース効率および降ろし効率を向上させるため、貨物棚2に複数の貨物容器21が縦方向に沿って配置され得、複数の貨物容器21がマトリックス状に配列され得る。好ましくは、2つの貨物棚2が設置され、該2つの貨物棚2が輸送装置4の両側にそれぞれ位置し、これによって貨物を積むときの距離を短縮することができる。前記貨物棚2は、移動可能な貨物棚が好ましく、貨物棚2における貨物容器21は、取外し可能な構造であり、すなわち、貨物容器21が個別に移動可能なものであることが好ましい。
【0031】
降ろし装置3は、輸送サポーターに固定され、輸送装置4の駆動により貨物降ろし出口13まで移動して自動搬送台車11から降ろした貨物5を受けた後、特定の貨物容器21の近くに移動し、貨物5を該貨物容器21内に降ろすように構成される。
【0032】
サーバーは、自動搬送台車2の制御手段に無線接続され、貨物識別装置、輸送装置4の制御手段および降ろし装置3の制御手段のそれぞれに有線接続または無線接続される。
【0033】
従来技術に比べて、本開示は、下記の利点を有する。貨物5が貨物棚2における貨物容器21内に降ろされたあと、貨物棚2を梱包場所に移動させて貨物の梱包を行うことが簡単になり、これによって特定のニーズを満たすことができる。そして、貨物棚2における貨物容器21が密に配列されるため、従来技術より貨物出口の密度が大幅に増加し、スペース効率および降ろし速度が向上する。
【0034】
なお、各貨物容器21にそれぞれ番号が付けられ、各貨物容器21に、ある購買者またはある地域などに対応する1つ以上の貨物5、例えば、ある購買者が注文した2つの商品、ある省、市の購買者が注文した大量の貨物などが収容される。
【0035】
任意で、一実施例において、図1および図4に示すように、降ろし装置3は、第1降ろし伝動ローラ32および第2降ろし伝動ローラ34と、コンベアベルト35と、降ろしモータ31とを含む。
【0036】
第1降ろし伝動ローラ32および第2降ろし伝動ローラ34は、それぞれの軸芯が輸送サポーターに回動可能に連結される。本実施例において、輸送サポーターが、水平板41であり、その2つの側縁部に90度に折り曲がた折り部33が設置され、該折り部33が、第1降ろし伝動ローラ32および第2降ろし伝動ローラ34のそれぞれの軸芯を取り付けるためのものとして構成される。
【0037】
コンベアベルト35は、第1降ろし伝動ローラ32および第2降ろし伝動ローラ34と連結し、貨物5が載置されるように構成される。
【0038】
降ろしモータ31は、ハウジングが折り部33に固定され、回転軸が第1降ろし伝動ローラ32の軸芯または第2降ろし伝動ローラ34の軸芯と固定され、該降ろしモータ31が、降ろし装置3の制御手段と電気的に接続され、降ろしモータ31が回転するとき、貨物5を降ろすことができるように構成される。
【0039】
一般的に、降ろしモータ31として、減速モータを選択できる。複数の支持ローラを追加してもよく、該支持ローラが、コンベアベルト35の中間部を支持するように構成されて、載置可能な貨物5の最大重量を高める。
【0040】
本実施例において貨物を降ろすとき、降ろしモータ31の正回転または逆回転により、貨物5を左側または右側の貨物棚2に降ろすことができる。
【0041】
任意で、一実施例において、図6図7および図8に示すように、降ろし装置3は、第1減速機64と、反転モータ62と、反転サポーター63と、反転トレー60と、第2減速機66と、揺動モータ67と、揺動バー65とを含む。
【0042】
反転モータ62は、ハウジングが第1減速機64のハウジングと固定され、回転軸が第1減速機64の入力軸と固定され、該反転モータ62が降ろし装置3の制御手段と電気的に接続される。
【0043】
反転サポーター63は、対称に2つ設置され、第1減速機64の出力軸と固定される。
【0044】
反転トレー60は、反転サポーター63と固定され、貨物5を収容するように構成される。
【0045】
第2減速機66は、ハウジングが輸送サポーターに固定される。本実施例において、該輸送サポーターが縦板61である。
【0046】
揺動モータ67は、ハウジングが第2減速機66のハウジングと固定され、回転軸が第2減速機66の入力軸と固定され、該揺動モータ67が降ろし装置3の制御手段と電気的に接続される。
【0047】
揺動バー65は、一端が第2減速機66の出力軸と固定され、他端が第1減速機64のハウジングと固定され、強度を高めるため、揺動バー65が2つ設置され得る。
【0048】
揺動モータ67の回転により反転トレー60を駆動して特定の貨物容器21の上まで揺動させることができ、該反転モータ62の回転により貨物5を該貨物容器21内に降ろすことができる。
【0049】
本実施例において、一側の貨物棚2しか配置できない。
【0050】
任意で、一実施例において、図4図5に示すように、輸送装置4は、縦方向移動手段42を含む。
【0051】
縦方向移動手段42は、中空バー422と、第1タイミングプーリ424および第2タイミングプーリと、タイミングベルト423と、サーボモータ421と、スライドブロック425とを備える。
【0052】
中空バー422は、地面に対して垂直に固定され、該中空バー422に開口端部4222が設けられ、該中空バー422の2つの外側面に凹溝4221が設けられ、本実施例による中空バー422が地面に直接固定され得る。
【0053】
第1タイミングプーリ424および第2タイミングプーリは、中空バー422内の両端部にそれぞれ回動可能に固定される。
【0054】
タイミングベルト423は、第1タイミングプーリ424および第2タイミングプーリと連結する。
【0055】
サーボモータ421は、ハウジングが中空バー422と固定され、回転軸が第1タイミングプーリ424の中心軸または第2タイミングプーリの中心軸と固定され、該サーボモータ421が輸送装置4の制御手段と電気的に接続され、該サーボモータ421として減速機構付きのサーボモータを選択することができる。
【0056】
スライドブロック425は、突出ブロック4252と2つのスライドレール4251とを含み、該突出ブロック4252が中空バー422の開口端部4222に嵌入されるとともにタイミングベルト423と固定され、該スライドレール4251が凹溝4221に沿って往復移動しかできなく、該スライドブロック425が輸送サポーターに固定される。
【0057】
縦方向移動手段42のみを備える輸送装置4は、貨物5を同一列にある、高さの異なる貨物容器21内に降ろすことができる。任意で、複数列の貨物容器21を使用するため、縦方向移動手段42を備えるうえ、図4に示すように、輸送装置4は、横方向移動手段43をさらに含む。
【0058】
横方向移動手段43は、縦方向移動手段42と同じ構造を有し、横方向移動手段43の中空バー432がサポーターにより地面に対して水平に固定され、縦方向移動手段42の中空バー422が横方向移動手段43におけるスライドブロック435と固定され、横方向移動手段43のサーボモータ431が輸送装置4の制御手段と電気的接続される。
【0059】
横方向移動手段43と縦方向移動手段42を同じ構造にすることにより、コストを抑え、管理を容易にすることができるとともに、三次元の降ろしを実現することができる。
【0060】
任意で、図8に示すように、横方向移動手段43が2つ設置され、縦方向移動手段42が1つ設置され、縦方向移動手段42の上部および下部が2つの横方向移動手段43のスライドブロック435にそれぞれ固定され、該構造であれば安定性が比較的に良好である。
【0061】
任意で、図2および図3に示すように、仕分けプラットホーム12における自動搬送台車11から貨物5を降ろすとき、降ろし装置3が貨物5の近くに移動し、貨物5が降ろし装置3に接触した直後に、貨物5が完全に降ろし装置3に滑り落ちるまで降ろし装置3がゆっくりと下へ移動する。上記の実施例によれば、降ろし装置3は、コンベアベルト35または反転トレー60を備える。
【0062】
なお、従来技術では、自動搬送台車11から貨物を下すとき、一般的に、貨物5を直接出口に降ろし、該出口が自動搬送台車11に対して高さ方向においてある程度離れているため、貨物5が壊れやすいものである場合、衝撃力の作用で破損するおそれがある。本開示に係る貨物降ろし方法によれば、貨物5に対する衝撃力を効果的に低減させ、貨物の破損を低減させることができる。
【0063】
スペース効率を向上させるため、仕分けプラットホーム12が複数層設置され、各層の仕分けプラットホーム12において自動搬送台車11が貨物の搬送、降ろしを行い、各層の仕分けプラットホーム12に貨物識別装置および測位装置が配置される。
【0064】
本開示に係る貨物棚2は、移動可能な貨物棚であり、作業員またはロボットにより移動されることができる。
【0065】
任意で、貨物の取り出しを容易にするため、貨物棚2の各層にそれぞれ2本の横桟22が平行に設置され、それに対応して前記貨物容器21に2つのフランジ部が設けられ、該貨物容器21の2つのフランジ部が2本の横桟22にかけることができる。
【0066】
測位装置として、例えば、仕分けプラットホーム12に取り付けられ、自動搬送台車11のセンサにより識別できる複数の位置マークを含む。該位置マークが、二次元コード、カラーマーク、グラフィックのサイズによるマークまたはグラフィックの数によるマークを含み、対応するセンサがカメラであり、この部分について従来技術を利用できる。
【0067】
本開示は、貨物を貨物容器内に降ろすことができる立体降ろしシステムの制御方法をさらに提供する。該方法は、下記のステップを含む。
【0068】
ステップS1.輸送装置4により降ろし装置3を、貨物降ろし出口13に位置する自動搬送台車11における貨物5の近くに移動させ、自動搬送台車11により貨物5を降ろし始める。
【0069】
ステップS2.貨物5が降ろし装置3に接触すると、貨物5が完全に降ろし装置3に滑り落ちるまで降ろし装置3がゆっくりと降下する。
【0070】
ステップS3.輸送装置4が通常速度に戻り、降ろし装置3を特定の貨物容器21の近くに輸送して貨物の降ろしを行う。
【0071】
ステップS2における「ゆっくり」とは、例えば、通常の動作速度またはいわゆる「通常速度」よりも低い速度で降下すると理解され得る。通常の動作速度または「通常速度」は、所定の動作速度であってもよく、構造などの要因による降ろし装置の固有の定格速度であってもよく、無論、これらが例示的なのものにすぎず、限定するものではない。
【0072】
同様に、ステップS3における「通常速度」も上記のように解釈することができる。
【産業上の利用可能性】
【0073】
本開示は、貨物を貨物容器内に降ろすことができる立体降ろしシステムおよびその制御方法を提供する。本開示に係る発明によれば、貨物を仕分けたあとに直接貨物棚における特定の貨物容器内に降ろすことができる。これによって、貨物棚における貨物容器が密に配列することができ、従来技術より貨物出口の密度が大幅に増加し、スペース効率および降ろし速度が向上する。また、自動搬送台車により貨物を降ろすとき、降ろし装置が貨物をゆっくりと受けることができ、このようにして、貨物に対する衝撃力を効果的に低減することができ、衝突による貨物の破損を低減することができる。本発明は、構造がコンパクトで、スペース効率が高く、降ろし速度が速く、貨物の破損を低減できる有益な効果を有する。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8