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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-28
(45)【発行日】2025-02-05
(54)【発明の名称】トロリーシステム
(51)【国際特許分類】
   B60M 1/13 20060101AFI20250129BHJP
   B60M 1/20 20060101ALI20250129BHJP
   B60L 5/06 20060101ALI20250129BHJP
   B60L 5/08 20060101ALI20250129BHJP
   B60M 1/30 20060101ALI20250129BHJP
【FI】
B60M1/13 A
B60M1/20 Z
B60L5/06 A
B60L5/08 A
B60M1/30 321
【請求項の数】 23
(21)【出願番号】P 2023577241
(86)(22)【出願日】2022-05-09
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-31
(86)【国際出願番号】 EP2022062410
(87)【国際公開番号】W WO2022263054
(87)【国際公開日】2022-12-22
【審査請求日】2023-12-13
(31)【優先権主張番号】17/348,683
(32)【優先日】2021-06-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】508108578
【氏名又は名称】リープヘル マイニング イクイップメント ニューポート ニューズ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ブラウン ジョシュア
(72)【発明者】
【氏名】スミス ルーカス
【審査官】加藤 昌人
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第5960717(US,A)
【文献】実公昭58-12481(JP,Y2)
【文献】実開昭55-124336(JP,U)
【文献】独国特許出願公開第102006027906(DE,A1)
【文献】特開平9-104262(JP,A)
【文献】実公昭54-8398(JP,Y2)
【文献】特開平7-298404(JP,A)
【文献】特表2007-508977(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60M 1/13
B60M 1/20
B60L 5/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に電力を供給するためのトロリーシステムであって、前記トロリーシステムは、
導体を囲む絶縁ハウジングを備えるトロリー線であって、地面上に、固定されずに配置される可撓性の構造体である、トロリー線と、
前記トロリー線の前記導体との摺動による電気的接触を確立するように、前記車両上に取付がされた集電アセンブリと、
を備えたトロリーシステム。
【請求項2】
前記トロリーシステムは、前記集電アセンブリが、前記摺動による電気的接触を確立するために、前記地面から前記トロリー線を引上げるように構成された、
請求項1に記載のトロリーシステム。
【請求項3】
前記トロリー線は、基礎ブロックによって、少なくとも一端において前記地面に固定されている、
請求項1に記載のトロリーシステム。
【請求項4】
車両に電力を供給するためのトロリーシステムであって、前記トロリーシステムは、
トロリー線であって、
前記トロリー線は、地面上に、固定されずに配置される可撓性の構造体、及び、前記トロリー線に沿って延びる開口を密閉するための密閉機構を備えた絶縁ハウジングを持つ密閉された構造のうちの少なくとも1つである、
トロリー線と、
前記トロリー線の導体との摺動による電気的接触を確立するように、前記車両上に取付がされた集電アセンブリと、
を備え、
前記トロリー線は、基礎ブロックによって、少なくとも一端において前記地面に固定されていて、
前記基礎ブロックは、前記集電アセンブリのための入口ファネルを備えた
ロリーシステム。
【請求項5】
車両に電力を供給するためのトロリーシステムであって、前記トロリーシステムは、
トロリー線であって、
前記トロリー線は、地面上に、固定されずに配置される可撓性の構造体、及び、前記トロリー線に沿って延びる開口を密閉するための密閉機構を備えた絶縁ハウジングを持つ密閉された構造のうちの少なくとも1つである、
トロリー線と、
前記トロリー線の導体との摺動による電気的接触を確立するように、前記車両上に取付がされた集電アセンブリと、
を備え、
前記トロリー線は、モジュール化された部分で構成された
ロリーシステム。
【請求項6】
前記トロリー線は、前記導体を囲む絶縁ハウジングを備え、
前記絶縁ハウジングは、前記トロリー線に沿って延び、集電要素へのアクセスを可能にすることによって、前記導体との前記摺動による電気的接触を確立する少なくとも1つの開口を備えた、
請求項1に記載のトロリーシステム。
【請求項7】
前記絶縁ハウジングは、前記地面上に配置された下側部分、及び前記導体を覆うための上側部分を備え、
前記導体は、前記下側部分及び前記上側部分の間に配置され、
前記少なくとも1つの開口は、前記下側部分及び前記上側部分の間に設けられる、
請求項6に記載のトロリーシステム。
【請求項8】
前記導体は、前記絶縁ハウジング内で延びる、少なくとも2つの導体線を備え、
前記絶縁ハウジングは、前記集電アセンブリの別個の集電要素群による、前記少なくとも2つの導体線へのアクセスを可能にする、少なくとも2つの開口群を備える、
請求項6に記載のトロリーシステム。
【請求項9】
前記トロリー線は、前記集電アセンブリが前記トロリー線と係合していない時に、前記少なくとも1つの開口を密閉して閉じるように構成された密閉機構を備え、
前記集電アセンブリは、前記少なくとも1つの開口を開けることによって、前記トロリー線の少なくとも1つの導体線へアクセスできるように構成された、
請求項6に記載のトロリーシステム。
【請求項10】
前記上側部分は、前記上側部分の封止領域を、前記下側部分の封止領域に密閉して接触するように押し付けることによって、前記少なくとも1つの開口を密閉して閉じるように構成された、
請求項7に記載のトロリーシステム。
【請求項11】
前記上側部分は、前記上側部分の前記封止領域を、前記下側部分の前記封止領域に密閉して接触させるための空間及び補強部のうちの少なくとも1つを備える。
請求項10に記載のトロリーシステム。
【請求項12】
車両に電力を供給するためのトロリーシステムであって、前記トロリーシステムは、
トロリー線であって、
前記トロリー線は、地面上に、固定されずに配置される可撓性の構造体、及び、前記トロリー線に沿って延びる開口を密閉するための密閉機構を備えた絶縁ハウジングを持つ密閉された構造のうちの少なくとも1つである、
トロリー線と、
前記トロリー線の導体との摺動による電気的接触を確立するように、前記車両上に取付がされた集電アセンブリと、
を備え、
前記トロリー線は、前記導体を囲む絶縁ハウジングを備え、
前記絶縁ハウジングは、前記トロリー線に沿って延び、集電要素へのアクセスを可能にすることによって、前記導体との前記摺動による電気的接触を確立する少なくとも1つの開口を備え、
前記絶縁ハウジングは、前記地面上に配置された下側部分、及び前記導体を覆うための上側部分を備え、
前記導体は、前記下側部分及び前記上側部分の間に配置され、
前記少なくとも1つの開口は、前記下側部分及び前記上側部分の間に設けられ、
凹部、前記下側部分及び前記上側部分の間の、前記絶縁ハウジングの少なくとも1つの側面上に設けられ、
前記少なくとも1つの開口は、前記凹部内に延びる
ロリーシステム。
【請求項13】
前記上側部分上に配置された前記凹部の上部は、前記少なくとも1つの開口及び前記導体に水が入らないようにするための水よけ突起群を備えた、
請求項12に記載のトロリーシステム。
【請求項14】
前記絶縁ハウジングは、ゴム及び強化ゴムのうちの少なくとも1つを含むゴム材料を含む、弾性材料から作られる、
請求項6に記載のトロリーシステム。
【請求項15】
前記トロリー線は、前記トロリー線に沿って延びる開口を密閉するための密閉機構を備えた前記絶縁ハウジングを持つ密閉された構造である、
請求項1に記載のトロリーシステム。
【請求項16】
前記集電アセンブリは、前記トロリー線に係合する、少なくとも1つのガイド要素を備え、
前記少なくとも1つのガイド要素は、前記集電アセンブリ上で回転可能に支持されることと、前記車両の速度と同期してモーターによって駆動されることとのうちいずれか一方又は両方が行われるガイドホイールを備えた、
請求項15に記載のトロリーシステム。
【請求項17】
前記少なくとも1つのガイド要素は、前記開口を開けるための凹部と係合し、前記集電アセンブリの集電要素が、前記開口を通って到達することによって、前記導体との前記摺動による電気的接触を確立する、
請求項16に記載のトロリーシステム。
【請求項18】
前記トロリー線に沿って延びる前記開口は、前記トロリー線の前記絶縁ハウジングの、2つの壁部分の間に設けられた細隙である、
請求項15に記載のトロリーシステム。
【請求項19】
前記集電アセンブリは、前記トロリー線の清掃のための、清掃機構を備える、
請求項1に記載のトロリーシステム。
【請求項20】
車両に電力を供給するためのトロリー線であって、前記トロリー線は、導体を囲む絶縁ハウジングを備え、前記トロリー線は、
地面上に、固定されずに配置される可撓性の構造体である、
ロリー線。
【請求項21】
前記トロリー線は、前記トロリー線に沿って延びる開口を密閉するための密閉機構を備えた前記絶縁ハウジングを持つ密閉された構造であり、
前記開口は、集電要素へのアクセスを可能にすることによって、前記導体との摺動による電気的接触を確立する、
請求項20に記載のトロリー線。
【請求項22】
車両に電力を提供するための方法であって、前記方法は、
地面上に固定されずに配置されたトロリー線を、前記車両の集電アセンブリと係合させることと、
前記集電アセンブリが前記地面から前記トロリー線の部分を引上げている状態で、前記トロリー線に沿って前記車両を移動させることと、
を含む方法であって、
前記集電アセンブリは、前記トロリー線の導体との摺動による電気的接触を確立し、前記摺動による電気的接触は、前記地面から引上げられた前記トロリー線の前記部分において確立される、
方法。
【請求項23】
前記トロリー線は、前記トロリー線に沿って延びる開口を密閉するための密閉機構を備えた絶縁ハウジングを持つ密閉された構造であり、
前記集電アセンブリは、前記トロリー線に沿って延びる前記開口の部分を開け、前記絶縁ハウジングの前記開口の、前記開けられた部分を通って到達する集電体によって、前記トロリー線の前記導体との摺動による電気的接触を確立する、
請求項22に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に、採掘現場又は建設現場で、車両に対して電力を供給するためのトロリーシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
通常、トロリーシステムは、道路に沿って配置された支柱の間に取付がされた架線を備え、車両のパンタグラフ又は車両のトロリーアームが架線に接触することによって摺動による電気的接触を確立する。そのようなシステムは、多くのインフラを必要とし、据付のものであるため、道路及び車両が架線によって規定された経路を正確にたどるように、継続的なメンテナンスを必要とする。
【0003】
WO2020/186296 A1は、鉱山におけるトラックのためのトロリーシステムを記載しており、ここで、トロリー線は、トラックのための路面上に配置されることによって、トラックの車輪の間に配置されたトロリー線の上、又はトラックの隣の道路の横を走行する。
【発明の概要】
【0004】
本発明の目的は、改良されたトロリーシステムを提供することである。
【0005】
本願は、車両に電力を供給するためのトロリーシステムを記載し、前記システムは、トロリー線と、前記トロリー線の導体との摺動による電気的接触を確立するように、前記車両上に取付がされた集電アセンブリとを記載する。
【0006】
本願は、車両に電力を供給するためのトロリー線をさらに記載し、前記トロリー線は、導体を囲む絶縁ハウジングを備える。
【0007】
第1局面では、前記トロリー線は、地面上に、固定されずに配置される可撓性の構造体である。
【0008】
第2局面では、トロリー線は、前記トロリー線に沿って延びる開口を密閉するための密閉機構を備えた絶縁ハウジングを持つ密閉された構造であり、前記開口は集電体へのアクセスを可能にすることによって、導体との摺動による電気的接触を確立する。
【0009】
本願は、車両に電力を供給するための方法を、さらに記載する。
【0010】
第1局面では、方法は、
地面上に固定されずに配置されたトロリー線と、車両の集電アセンブリと係合させることと、
前記集電アセンブリが、前記地面上から前記トロリー線の部分を引上げることを実現する状態で、前記トロリー線に沿って前記車両を移動させることと、
を含む方法であって、
前記集電アセンブリは、地面から引き上げられたトロリー線の部分において、前記トロリー線の導体との摺動による電気的接触を確立する、方法である。
【0011】
ある実施形態では、摺動による電気的接触は、トロリー線の絶縁ハウジングの、開けられた部分を通って到達する集電要素を用いて確立され得る。
【0012】
第2局面では、方法は、
前記トロリー線に沿って延びる開口を密閉するための密閉機構を備えた絶縁ハウジングを持つ密閉された構造であるトロリー線を、前記車両の集電アセンブリと係合させることと、
前記集電アセンブリが、前記トロリー線に沿って延びる前記開口の部分を開けることを実現する状態で、前記トロリー線に沿って前記車両を移動させることと、
を含む方法であって、
前記集電アセンブリは、絶縁ハウジング内に配置された前記トロリー線の導体との摺動による電気的接触を確立し、集電要素は、前記絶縁ハウジングの前記開口の、前記開けられた部分を通って到達する、方法である。
【図面の簡単な説明】
【0013】
本発明は、ここに、実施形態及び図面に関して記載される。
【0014】
図面においては、以下の通りである。
図1図1は、トロリーシステムのある実施形態を示す。
図2図2は、基礎ブロックを備えたトロリー線の実施形態を示す。
図3図3は、ガイド要素を備えた集電アセンブリの実施形態を示す。
図4図4は、トロリー線の基礎ブロックに入る前の集電アセンブリの実施形態を示す。
図5図5は、透視図において、トロリー線と係合する集電アセンブリを示す。
図6図6は、断面図において、トロリー線と係合する集電アセンブリを示す。
図7a図7aは、密閉された状態における、断面図におけるトロリー線を示す。
図7b図7bは、開けられた状態における、断面図におけるトロリー線を示す。
図8図8は、車両に電力を供給するための方法の第1実施形態を示す。
図9図9は、車両に電力を供給するための方法の第2実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1は、車両1に電力を供給するためのトロリーシステムの概略図である。特に、トロリーシステムは、トロリー線10と、トロリー線の導体17との摺動による電気的接触を確立するために、車両1上に取付がされた集電アセンブリ20とを備える。
【0016】
本発明のトロリーシステムは、任意の種類の車両とともに用いられ得る。本発明の実施形態では、車両は、電気推進システムを備え、電気推進システムのモーターには、トロリーシステムを介して電力が供給される。
【0017】
ある実施形態では、車両1は、少なくとも1つの電動機によって駆動される車輪3を備える。ある実施形態では、車両は、少なくとも2つの車輪を備え、好ましくは、それぞれの車輪は電動機によって駆動される。車両は、少なくとも4つの車輪を備えてもよく、好ましくは、少なくとも2つの車輪は、少なくとも1つの電動機によって駆動される。特に、後輪は、少なくとも1つの電動機によって駆動されてもよい。
【0018】
ある実施形態では、車両はダンプトラックである。ダンプトラックは、積荷を輸送するための、シャーシ2とダンプボディ4を備え得る。ダンプ車体は、水平に正対する旋回軸を用いて、シャーシ2に旋回可能に取付がされ得る。車両は、ダンプ車体4を引き上げて下ろすためのアクチュエータ、特に油圧シリンダを備える。ダンプ車体4は、ダンプ車体が荷下ろし位置に引き上げられた時に、ダンプ車体において輸送された積荷が、ダンプ車体から滑り出るように構成され得る。
【0019】
本発明のトロリーシステムは、掘削機、トラック、又は掘削装置のような、他の車両及び可動装置にも、同様に使用されてもよい。
【0020】
ある実施形態では、トロリーシステムは、採掘現場で用いられてもよい。
【0021】
図1において示される実施形態では、集電アセンブリは、シャーシ2の底部側において、車両の車輪3の間に設けられる。この構成は、車両の運転者が、トロリー線に沿って運転することを容易にするであろう。
【0022】
代替の構成では、集電アセンブリは、シャーシの側面に設けられ得て、例えば、保持アームによって、シャーシの側面に取付がされてもよい。
【0023】
第1局面では、車両は、運転者のためのキャビンを備えてもよく、車両は、運転者によって、キャビンから手動で操縦されるように構成される。第1局面と組合せられ得る第2局面では、車両は、自律的に運転するように、又は遠隔操作で操縦されるように構成され得る。
【0024】
本明細書に記載される実施形態は、本願のさまざまな局面及び局面を組合せて援用する。これらの局面及び局面は、しかしながら、互いに独立して実現されてもよい。
【0025】
本発明の以下の実施形態は、図面を参照して記載され、下に記載される特徴に加えて、図面に示される全ての特徴を含み得る。この点において、図1を除く全ての図は、特定の実施形態の縮尺通りの図であることに注意されたい。しかしながら、実施形態の特徴は、図面に示される、さらなる特徴のいずれからも独立して、又は、異なる寸法及び異なる縮尺の要素を有する実施形態とともに、実行されてもよい。
【0026】
本願は、車両1に電力を供給するためのトロリーシステムを記載し、システムは、トロリー線10と、トロリー線10の導体17との摺動による電気的接触を確立するために、車両1上に取付がされた集電アセンブリ20とを備える。
【0027】
第1局面では、トロリー線10は、地面上に、固定されずに配置される可撓性の構造体である。したがって、トロリー線は道路設計の変更に適応するので、道路のメンテナンスは、もはや重要ではない。さらに、車両は、所定の経路をたどる必要はなく、依然としてトロリー線と接触することが可能であろう。もし道路又は車両の位置が変化するなら、トロリー線は、単に引きずられるだけでよい。
【0028】
第2局面では、トロリー線10は、トロリー線10に沿って延びる開口18を密閉するための密閉機構を備えた絶縁ハウジング13を持つ、密閉された構造である。これによって、トロリー線10の導体17は、絶縁ハウジング13において、密閉して囲まれ、それは、安全性及び信頼度を向上させる。集電アセンブリ20は、密閉機構を開き、開口18を介して貫入することによって、電気接触を確立するであろう。集電アセンブリ20がトロリー線の部分を通り過ぎた時、密閉機構は、再び、開口18を密閉し、導体17を囲むであろう。
【0029】
開口18は、特に、絶縁ハウジング13を通って導体17を含む空間に到達する、細隙の形状を有し得て、絶縁ハウジング13の、2つの隣接する壁部分の間に設けられ得る。
【0030】
以下に、より十分に記載されている実施形態では、開放動作を完了するために、動輪は、集電アセンブリ上に設けられてもよい。動輪は、電動式であってもよいし、電動式でなくでもよい。
【0031】
ある実施形態では、トロリーシステムは、集電アセンブリ20が、摺動による電気的接触を確立するために、地面からトロリー線10を引上げるように構成される。これによって、路面上の汚れがハウジング内に侵入する可能性、つまり電気接触を悪化させる可能性が低くなる。
【0032】
ある実施形態では、トロリー線10は、基礎ブロック11によって、少なくとも一端において地面に固定される。基礎ブロックは、トロリー線が、集電アセンブリによって引きずられないようにするであろう。さらに、それは、集電アセンブリがトロリー線と係合され得る、特定の入口点を規定する。
【0033】
ある実施形態では、基礎ブロック11は、集電アセンブリのための入口ファネル(entry funnel)12を備える。入口ファネルは、集電アセンブリとの係合を単純化する。
【0034】
ある実施形態では、トロリー線10は、モジュール化された部分で構成される。これは、トロリー線の輸送及びメンテナンスを単純化する。
【0035】
ある実施形態では、トロリー線10は、導体17を囲む絶縁ハウジング13を備え、絶縁ハウジングは、トロリー線10に沿って延び、集電要素へのアクセスを可能にすることによって、導体17との摺動による電気的接触を確立する少なくとも1つの開口18を備える。
【0036】
ある実施形態では、絶縁ハウジング13は、地面上に配置された下側部分16、及び導体17を覆うための上側部分15を備え、導体17は、下側部分16及び上側部分15の間に配置され、少なくとも1つの開口18は、下側部分及び上側部分の間に設けられる。
【0037】
ある実施形態では、開口18は、下側部分及び上側部分の間のハウジングの側面に設けられる。
【0038】
ある実施形態では、導体17は、絶縁ハウジング13内で延びる、少なくとも2つの導体線を備え、絶縁ハウジング13は、集電アセンブリの別個の集電要素群による、導体線へのアクセスを可能にする、少なくとも2つの開口群18を備える。
【0039】
ある実施形態では、開口18は、下側部分及び上側部分の間のハウジングの、2つの側面に設けられる。
【0040】
ある実施形態では、トロリー線10は、集電アセンブリが可撓性のトロリー線10と係合していない時、開口18を密閉するために構成された密閉機構19を備え、集電アセンブリは、開口18を開けることによって、可撓性のトロリー線の、少なくとも1つの導体線へアクセスできるように構成される。
【0041】
ある実施形態では、上側部分15は、上側部分15の封止領域19aを、下側部分の封止領域19bに、密閉して接触するよう押し付けることによって、開口18を密閉して閉じるように構成される。
【0042】
ある実施形態では、上側部分15は、上側部分の封止領域19aを、下側部分の封止領域19bに密閉して接触させるための、空間31及び補強部37のうちの少なくとも1つを備える。
【0043】
ある実施形態では、凹部14は、下側部分16及び上側部分15の間のハウジングの少なくとも1つの側面上に設けられ、少なくとも1つの開口18は、凹部14内に延びる。凹部は開口を保護し、集電アセンブリのためのガイド経路として、さらに機能するであろう。
【0044】
ある実施形態では、上側部分15上に配置された、凹部14の上部は、開口18及び導体17に水が入らないようにするための水よけ突起群(drip ledges)32を備える。
【0045】
ある実施形態では、下側部分は、地面から所定の距離において、導体17を保つための、統合された足部分38を備える。
【0046】
ある実施形態では、ハウジング13は、弾性材料、好ましくは、ゴム及び強化ゴム/ベルトゴムのようなゴム材料から作られる。
【0047】
ある実施形態では、集電アセンブリは、トロリー線と係合する、少なくとも1つのガイド要素22を備える。実施形態では、ガイド要素22は、トロリー線に沿って延びる凹部14と係合し得る。
【0048】
ある実施形態では、ガイド要素は、トロリー線の部分を地面から持ち上げるために、トロリー線と係合し得る。
【0049】
ある実施形態では、ガイド要素22は、集電アセンブリ上で回転可能に支持されることと、車両1の速度と同期してモーター23によって駆動されることとのうち、少なくとも一方が行われるガイドホイールを備える。これは、トロリー線上で、過度に引きずることを防止するであろう。
【0050】
ある実施形態では、ガイド要素22は、開口18を開けるための凹部14と係合し、集電アセンブリ20の集電要素21が、開口18を通って到達することによって、導体17との摺動による電気的接触を確立することを可能にする。
【0051】
ある実施形態では、集電体は、ブラシ、又は圧縮空気原のような、可撓性のトロリー線の清掃のための清掃機構を備える。
【0052】
本願は、トロリー線をさらに記載する。
【0053】
第1局面では、トロリー線は、導体17を囲む絶縁ハウジング13を備え、トロリー線は、地面上に、固定されずに配置される可撓性の構造体である。
【0054】
第2局面では、トロリー線は、導体17を囲む絶縁ハウジング13を備え、トロリー線は、トロリー線に沿って延びる開口18を密閉するための密閉機構19を備えた絶縁ハウジング13を持つ密閉された構造であり、開口18は、集電要素21へのアクセスを可能にすることによって、導体17との摺動による電気的接触を確立する。
【0055】
ある実施形態では、第1局面及び第2局面は、組合せで提供される。つまり、トロリー線は、地面上に、固定されずに配置される可撓性の構造体であり、トロリー線に沿って延びる開口28を密閉するための密閉機構19を備える。
【0056】
ある実施形態では、トロリー線は、トロリーシステムに関して、上述のとおり構成される。
【0057】
本願は、車両に電力を提供するための方法をさらに記載し、前記方法は、
地面上に固定されずに配置されたものと、前記トロリー線に沿って延びる開口を密閉するための密閉機構を備えた絶縁ハウジングを持つ密閉された構造とのうちの少なくとも1つであるトロリー線を、前記車両の集電アセンブリと係合させることと、
前記集電アセンブリが、前記地面上から前記トロリー線の部分を引上げることと、前記トロリー線に沿って延びる前記開口の部分を開けることとのうちの少なくとも1つを実現する状態で、前記トロリー線に沿って前記車両を移動させることと、
を含む方法であって、
前記集電アセンブリは、前記トロリー線の導体との摺動による電気的接触を確立し、前記摺動による電気的接触は、前記地面上から引上げられた前記トロリー線の前記部分と、前記絶縁ハウジングの前記開口の、前記開けられた部分を通って到達する集電体とのいずれか一方又は両方によって確立される方法である。
【0058】
本方法の2つの局面は、組合せられてもよい。さらに、本方法は、上述のトロリー線及びトロリーシステムを使用し得て、トロリーシステムの操作に関して、上述のように進め得る。
【0059】
本トロリーシステムのさらなる詳細、その要素及びその操作は、以下に記載される。
【0060】
集電アセンブリ20は、地面の上の、規定された高さにおいて、車両に取付がされてもよい。ある実施形態では、車両への接続機構が可撓性であることによって、集電アセンブリが、トロリー線の入口部分の高さの公差に適応することを可能にする。さらに、接続部は、水平方向にある程度の可撓性を有することによって、トロリー線との接続の確立を容易にし得る。そのような可撓性の接続は、例えば、ばね式の結合機構によって提供され得る。
【0061】
図2は、トロリー線10の入口部分の、特定の実施形態を示す。入口部分には、地面に対して固定された基礎ブロック11が設けられる。これによって、基礎ブロック11は、地面に対して特定の位置において、可撓性のトロリー線10の入口部分を固定し、トロリー線の他の部分は、地面上に、固定されずに配置されるであろう。
【0062】
集電アセンブリとの接続を確立する、基礎ブロック11の入口部分は、地面の上の規定された距離に配置される。この距離は、集電アセンブリが車両に設けられる高さに等しい。基礎ブロック11は、集電アセンブリのガイド要素を受けるための入口ファネル12を備え得る。
【0063】
基礎ブロック11は、集電アセンブリと可撓性のトロリー線との間に、接触を確立するための、規定された入口位置を提供する。さらに、それは、可撓性のトロリー線が、集電アセンブリとの係合によって引きずられることを防ぐ。可撓性のトロリー線は、基礎ブロック11の端部41から地面まで折れ曲がり、その先に、地面上に固定されずに位置するであろう。
【0064】
本発明のある実施形態によれば、可撓性のトロリー線は、基礎ブロックの地面にのみ接続される。特に、トロリー線の他の端は、道路上に、固定されずに配置され得る。代替の実施形態では、可撓性のトロリー線が、その延長線に沿った特定の位置において地面に接続するために、基礎ブロックは、トロリー線の延長線に沿って、及び/又は他の端部において設けられてもよい。
【0065】
トロリー線は、モジュール化された構造で構成されてもよく、この場合は、モジュール化されたトロリー線の部分は、互いに接続可能である。特に、可撓性のトロリー線の、連続する部分は、クリップコネクタを介して、互いに接続可能であってもよい。
【0066】
図2図6及び図7から分かるように、可撓性のトロリー線は、導体線17を囲む絶縁ハウジング13を備える。絶縁ハウジング13は、少なくとも1つ、好ましくは、その2つの側面において、開口18が設けられ、それは、導体線17へのアクセスを可能にするために開かれてもよい。
【0067】
実施形態では、ハウジング13は、上側部分15及び下側部分16を備え、開口(群)は、上側部分及び下側部分の間に設けられる。ハウジングの側面において、凹部14はトロリー線に沿って延びる。開口18は、凹部14の頂点に設けられる。
【0068】
図2から分かるように、基礎ブロックの入口ファネルは、基礎ブロックの2つの側面に設けられ、可撓性のトロリー線に沿って延びる凹部は、基礎ブロックの入口ファネル内に開く。基礎ブロックを通って延びる凹部14によって、集電アセンブリのガイド要素22は、入口ファネルを介して凹部に導かれるであろう。
【0069】
開口18は、同様に、基礎ブロックを通って、入口ファネルの頂点に沿って延びてもよいし、又は、基礎ブロックの後の可撓性のトロリー線に沿った位置から始まってもよい。
【0070】
図3は、集電アセンブリの実施形態を示す。集電アセンブリ20は、可撓性のトロリー線の導体線17との、摺動による電気的接触を確立するための、2つの集電要素21を備える。集電要素21は、開口18を通ってハウジング内に到達し、導体線17と接続するように構成される(図6を参照)。
【0071】
集電アセンブリは、可撓性のトロリー線との機械的接触を確立するためのガイド要素22を、さらに備える。
【0072】
特に、図5から分かるように、集電要素が、この部分内に電気的接触を確立するために、ガイド要素22は、可撓性のトロリー線の部分を地面から引き上げるであろう。
【0073】
さらに、実施形態では、集電要素21の、ハウジング内に配置された導体線へのアクセスを可能にするために、ガイド要素22は、絶縁ハウジング13の開口18を開けるように構成される。実施形態では、開口18は、ガイド要素22によって引き上げられた、可撓性のトロリー線の部分において開けられる。
【0074】
実施形態では、ガイド要素22は、可撓性のトロリー線に沿って延びる凹部14と係合する。特に、ガイド要素がハウジングを地面から離れさせるように、凹部の上側部分は、ガイド要素の上部に位置することになるであろう。ガイド要素の下側部分は、凹部の、上側部分及び下側部分の間の開口18を開き、凹部14の下側部分と接触するであろう。
【0075】
実施形態では、ガイド要素22は、集電アセンブリの接着部分に、回転可能に取付がされた車輪である。本発明のある実施形態では、車輪群のうちの少なくとも1つは、モーター23によって駆動される。
【0076】
ある実施形態では、車輪22を駆動させるモーター23は、車両の速度に基づいて制御される。特に、モーターは、車両が地面の上を走行するのと同じ速度で、導体線に沿って車輪22を駆動させるように制御され得る。これは、可撓性のトロリー線にかかる抵抗を減少させるであろう。
【0077】
ある実施形態では、集電アセンブリ又は車両は、上述のように、モーター23を制御するように構成されたコントローラを備える。特に、コントローラは、マイクロプロセッサ、及び不揮発性メモリに記憶されたプログラムコードを備え得る。コントローラは、車両コントローラ、又は車両コントローラの一部と通信し得る。それは、入力パラメータとして、車両速度を受信し得る。プログラムコードは、マイクロプロセッサ上で動作している時にモーター23を制御することによって、車両速度と同期して動作し得る。
【0078】
ある実施形態では、トロリー線の反対側に配置されたガイドホイールのうちの少なくとも2つは、上述のように、1つ以上のモーターによって駆動される。
【0079】
実施形態では、集電アセンブリは、4つのガイド要素を備え、2つのガイド要素は、トロリー線のそれぞれの側面上に、縦に一列にトロリー線に沿って配置され、集電要素21は、トロリー線に沿ってガイド要素間に設けられる。それによって、ガイド要素は、開口18が開かれるところにトロリー線の部分を設けることになり、集電要素21は、この部分に設けられる。
【0080】
集電アセンブリには、導体線を清掃するための、特に、凹部14及び開口18からごみを除去するための清掃機構が、さらに装備され得る。例えば、清掃機構は、凹部及び/又は開口と係合する、1つ以上のブラシを備えてもよい。ブラシに加えて、又はブラシの代わりに、清掃機構は、加圧空気がノズルを介して導かれることによって、凹部、開口、及び/又は導体17を備えるトロリー線の内側領域を清掃する空気圧清掃機構を備えてもよい。
【0081】
清掃機構は、前方のガイド要素の前、又は前方のガイド要素及び集電要素21の間に設けられてもよい。
【0082】
集電アセンブリは、したがって、図5で示されるように、この引き上げられた部分において電気的接触を確立するために、可撓性のトロリー線の部分を、地面から引き上げるであろう。集電アセンブリが通過した後、トロリー線は、再び、地面に落下するであろう。
【0083】
可撓性のトロリー線、特にハウジング13の構造のさらなる詳細は、図6図7a及び図7bに示される。図6及び図7bは、開かれた状態におけるハウジングを示し、それは集電要素21の導体線17へのアクセスを可能にする。図7aは、閉じられた状態におけるハウジングを示し、ここで、導体線17はハウジングによって囲まれ、密閉部分19a及び19bは密閉して接触することによって、それらの間に設けられた開口18を閉じる。
【0084】
本発明のある実施形態では、ハウジングは、可撓性の弾性材料、特に、ゴム又は強化ゴム、ベルトゴムのようなゴム材料から作られる。
【0085】
ハウジングは、閉じられた位置において、開口に沿って密閉した接触を確立するように、及び、集電アセンブリに係合された時に、トロリー線の開口動作を改良するように、さらに構成され得る。
【0086】
特に、実施形態では、ハウジングの上側部分15は、トロリー線に沿って延びる空間31を備え、ドーム形上側部分35は、空間31の上方に屋根部分を形成し、強化された下側補強部37は、空間の下に底部として設けられる。底部37と屋根部分35とを接続する側面部分36は、外側に向かって斜めに延び、凹部14の上部を形成する。
【0087】
凹部14の上部を形成する、上側部分15の側面部分36には、開口18に水が入らないようにするための水よけ突起群32が設けられる。水よけ突起群32は、凹部14の上部に沿って延びる凹部群によって設けられ得る。
【0088】
封止領域19aは、側面部分36と底部37との間の境界に配置される。ある実施形態では、図7aに示される閉じられた状態において、底部37から下方に延びる凸部を形成してもよい。封止領域19aは、異なる形状であってもよい。
【0089】
図7a及び図7bから分かるように、ガイド要素が側面部分36と接触する時、上側部分15は変形され、側面部分36は、水平方向に対して、より角度が大きくなった状態で延びるであろう。同時に、ドーム形の屋根部分は曲率が増加し、側面部分の上端は互いに接近することが可能になるであろう。
【0090】
側面部分36のこの旋回運動により、上側部分15の封止領域19aは持ち上げられ、それらは下側部分16の封止領域19bから遠ざかるであろう。
【0091】
ハウジングの下側部分16は、実質的に台形の形状を有し、底部側40は地面に位置し、側面部分39は、底部側40の外側端部33から斜め内側に延び、側面部分39は、凹部14の下部を形成する。
【0092】
封止領域19bは、下側部分16の側面部分39と、下側部分16の上部との間の境界において、下側部分16の2つの側面に設けられる。
【0093】
ある実施形態では、図7aに示される閉じられた状態において、封止領域19bは、下側部分16の上部から上向きに延びる凸部として形成され得る。封止領域19bは、異なる形状であってもよい。
【0094】
上側部分及び下側部分は接続部34によって接続され、接続部34は、2つの平行な導体線17の間に配置され、導体線は、封止領域19a及び19bによって形成される密閉空間の内側に配置される。
【0095】
図7bに示される開かれた状態では、封止領域19bが、上側部分15の封止領域19aから離れるように、ガイド要素22との接触は下側部分16を変形させるであろう。ガイドホイール22は、停止状態のアセンブリよりも狭くなるように、横方向に配置される。それらがアセンブリと係合する時、てこ作用をもたらすことによって封止領域を開ける。
【0096】
実施形態では、下側部分16の底部側40は、凹状に変形され、外側端部33は中央部分に対して低くなるであろう。さらに、側面部分39が水平線に対して斜め上方に延びる角度は、開かれた状態では大きくなる。
【0097】
密着領域及び開口の構成を通して、ハウジングは、開口18を介してアクセス可能であり、少なくとも1つの導体線17を備えた、少なくとも1つの密閉された内側部分を備える。
【0098】
下側部分16は、実施形態では、重厚な本体として設けられる。代替の構成では、それは、同様に、空間を設けて構成されてもよい。上側部分15の空間及び形状は、封止領域の開口に対して、ばね式の抵抗を提供する。
【0099】
実施形態では、下側部分は、地面上の凹部14の一定の高さを確立する、小さい足部分を備える。道路の状態によって、この足部分の高さを高くすることによって、凹部及び開口18の地面からの距離を長くし得る。長くされた距離を有する実施形態は、図7aにおいて点線で示される。
【0100】
足部分は、下側部分の底部側40に接続された別個の本体41として設けられてもよいし、又は、単に、下側部分の高さを高くすることによって設けられてもよい。
【0101】
図7aに示される実施形態では、2つの導体線17が設けられ、それぞれは、トロリー線の側面上に配置された開口を介してアクセス可能である。
【0102】
実施形態では、集電要素21との摺動による電気的接触を向上させるために、2つの導体線は、互いの上に配置された2つの別個の物理的な線として、それぞれ構成される。代替の構成では、導体線17は、単一の線として、又は3つ以上の別個の物理的な導体線を備える複数の線として、同様に設けられ得る。
【0103】
トロリー線の2つの側面上に配置された2つの導体線17は、ハウジング13によって、互いから電気的に絶縁される。特に、ハウジングの上側部分と下側部分とを接続する、2つの導体線17の間に配置された接続部34は、絶縁材から形成され得る。
【0104】
ハウジングは、それによって、2つの別個の内側部分を形成し、それぞれは、開口18のうちの1つを介してアクセス可能であり、それぞれは、導体線17のうちの1つを備える。
【0105】
これらの内側部分のそれぞれは、トロリー線10が集電アセンブリ20と係合する時に、開口18を介して開けられ、開口18を介してアクセス可能である。
【0106】
トロリーシステムを操作するための方法の局面は、図8及び図9に示される。
【0107】
図8のステップ81に示されるように、本方法は、地面上に、固定されずに配置される、可撓性のトロリー線の集電アセンブリと係合することを含む。
【0108】
ステップ82は、トロリー線に沿って車両を移動させることを含み、トロリー線に沿って移動している間、集電アセンブリは、トロリー線の部分を地面から引上げる。
【0109】
ステップ83は、集電アセンブリ20の要素21を介して、地面から引き上げられたトロリー線の部分において、トロリー線の導体と摺動による電気的接触を確立することを含む。特に、摺動による電気的接触は、地面から引き上げられたトロリー線10の部分において、トロリー線10の絶縁ハウジング13の開けられた部分を通って到達する集電要素21を介して確立され得る。
【0110】
図9に示される第2局面において、ステップ91は、トロリー線を車両の集電アセンブリに係合させることを含み、トロリー線は、トロリー線に沿って延びる開口を密閉するための密閉機構を備えた絶縁ハウジングを持つ密閉された構造である。
【0111】
ステップ92は、トロリー線に沿って車両を移動させることを含み、集電アセンブリは、トロリー線に沿って移動している間、トロリー線に沿って延びる開口の部分を開ける。
【0112】
ステップ93は、絶縁ハウジングの内側に配置されているトロリー線の導体との、摺動による電気的接触を確立することを含み、集電要素は、開口の開かれた部分を通って到達する。
【0113】
本発明の実施形態では、ステップ81及びステップ91は組合せられ、トロリー線は、地面上に、固定されずに配置され、絶縁ハウジング及びトロリー線に沿って延びる開口を持つ、密閉された構造である。
【0114】
さらに、ステップ82及びステップ92は、組合せて実行されてもよい。特に、トロリー線に沿って移動している間、集電アセンブリは地面からトロリー線の部分を引上げ得て、引き上げられた部分の少なくとも一部において開口を開き得る。
【0115】
さらに、ステップ83及びステップ93は、組合せて実行されてもよい。特に、集電アセンブリは、トロリー線の引き上げられた部分において、絶縁ハウジングの内側に配置されたトロリー線の導体との摺動による電気的接触を確立し得て、集電体は、開口の開かれた部分を通って到達する。
【0116】
さらに、本方法は、システムに関して、上述のように実行され得て、特に、上述のようなトロリーシステムを操作するために使用され得る。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7a
図7b
図8
図9