(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-29
(45)【発行日】2025-02-06
(54)【発明の名称】画像センサにおける低電力及び低領域読み出し用の合成プログラム可能利得増幅器及びコンパレータ
(51)【国際特許分類】
H03F 3/70 20060101AFI20250130BHJP
H03G 3/10 20060101ALI20250130BHJP
H03F 3/45 20060101ALI20250130BHJP
H04N 25/78 20230101ALI20250130BHJP
H04N 25/616 20230101ALI20250130BHJP
【FI】
H03F3/70
H03G3/10 B
H03F3/45 220
H04N25/78
H04N25/616
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020130448
(22)【出願日】2020-07-31
【審査請求日】2022-09-29
(32)【優先日】2019-09-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】000131326
【氏名又は名称】株式会社シグマ
(74)【代理人】
【識別番号】110000626
【氏名又は名称】弁理士法人英知国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】サンダラビサ ラオ・ギダターリー
(72)【発明者】
【氏名】グレン・ジェイ・ケラー
【審査官】及川 尚人
(56)【参考文献】
【文献】特表2003-511920(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2005/0218985(US,A1)
【文献】特開2006-295593(JP,A)
【文献】再公表特許第2010/103580(JP,A1)
【文献】特開2016-096407(JP,A)
【文献】特開2010-045639(JP,A)
【文献】特開平05-157774(JP,A)
【文献】米国特許第06307497(US,B1)
【文献】特開平05-267458(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H03F 1/00-3/72
H03G 3/10
H04N 25/78
H04N 25/616
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像用の集積回路における切り替え可能増幅器及びコンパレータ回路であって、
複数の出力の列線を有する撮像アレイであって、前記列線の各々は、
反転入力、非反転入力、第1の差動出力、及び第2の差動出力を有するオペアンプであって、前記第1の差動出力は、前記反転入力に
スイッチを介して切り替え可能に結合され、前記第2の差動出力は、前記非反転入力に
スイッチを介して切り替え可能に結合されるオペアンプと、
前記反転入力に結合された第1のプレート及び前記第1の差動出力に
スイッチを介して切り替え可能に結合された第2のプレートを有する第1の帰還キャパシタと、
前記非反転入力に結合された第1のプレート及び前記第2の差動出力に
スイッチを介して切り替え可能に結合された第2のプレートを有する第2の帰還キャパシタと、
前記第1の差動出力と前記第2の差動出力との間に
スイッチを介して切り替え可能に結合された容量性負荷と、
前記第1の差動出力と前記第2の差動出力の間に
スイッチを介して切り替え可能に結合されたダイオードクランプ回路と、
前記第1の差動出力と前記第2の差動出力との間に
スイッチを介して切り替え可能に結合された抵抗負荷と、
に結合された撮像アレイを含む
、切り替え可能増幅器及びコンパレータ回路。
【請求項2】
前記反転入力と第1のスイッチ入力ノードとの間に結合された第1のサンプリングキャパシタであって、前記第1のスイッチ入力ノードは、信号入力ノードに
スイッチを介して切り替え可能に結合される第1のサンプリングキャパシタと、
前記非反転入力と第2のスイッチ入力ノードとの間に結合された第2のサンプリングキャパシタであって、前記第2のスイッチ入力ノードは、前記信号入力ノードに
スイッチを介して切り替え可能に結合され、かつ前記第1のスイッチ入力ノードに
スイッチを介して切り替え可能に結合される第2のサンプリングキャパシタと、
を更に含む、請求項1に記載の切り替え可能増幅器及びコンパレータ回路。
【請求項3】
前記第1の帰還キャパシタの前記第2のプレートは、ポジティブランプ信号に
スイッチを介して切り替え可能に結合され、
前記第2の帰還キャパシタの前記第2のプレートは、ネガティブランプ信号に
スイッチを介して切り替え可能に結合される、請求項2に記載の切り替え可能増幅器及びコンパレータ回路。
【請求項4】
前記第1の帰還キャパシタは、互いに平行にプログラム可能に接続される複数の個別の第1の帰還キャパシタを含み、
前記第2の帰還キャパシタは、互いに平行にプログラム可能に接続される複数の個別の第2の帰還キャパシタを含む、請求項3に記載の切り替え可能増幅器及びコンパレータ回路。
【請求項5】
前記複数の個別の第1の帰還キャパシタは、パスゲートを通して互いに平行にプログラム可能に接続され、前記複数の個別の第2の帰還キャパシタは、パスゲートを通して互いに平行にプログラム可能に接続される、請求項3に記載の切り替え可能増幅器及びコンパレータ回路。
【請求項6】
前記複数の個別の第1の帰還キャパシタは、等しいキャパシタンスを有し、
互いに平行にプログラム可能に接続される前記複数の個別の第2の帰還キャパシタは、互いに対して重み付けされる容量値を有する、請求項4に記載の切り替え可能増幅器及びコンパレータ回路
。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像感知アレイに関する。特に、本発明は、画像センサにおける低電力及び小領域読み出し用の合成プログラム可能利得増幅器及びコンパレータに関する。
【背景技術】
【0002】
最初に
図1を参照すると、概略図は、画像感知アレイにおけるピクセルセンサの読み出し用の、相関2重サンプリングを備えた先行技術のプログラム可能利得増幅器(PGA)及び後続するコンパレータを示す。相関2重サンプリングを備えた先行技術のプログラム可能利得増幅器、及びコンパレータ用の入力信号は、参照数字14で示された電圧源V
pixに自らのドレインを接続したソースフォロワトランジスタ12のソースにおける典型的なピクセルセンサの出力として示される。ソースフォロワトランジスタ12のソースは、列線18上の参照数字16で示された電流を駆動する。
【0003】
先行技術において、列線18の出力電圧は、プログラム可能利得増幅器(PGA)20によって増幅され、プログラム可能利得増幅器(PGA)20は、相関2重サンプリング機能を提供する。PGA20の出力は、アナログ信号である。コンパレータ22は、当該技術分野において周知のように、PGA20のアナログ出力を線24上のランプ信号と比較する。
【0004】
コンパレータ22は、通常、ラッチが後に続く前置増幅器である。前置増幅器は、ラッチからのキックバック効果を低減し、かつまたその入力部において差動信号を増幅する。ラッチは、この前置増幅器出力をデジタル処理用のレールツーレールレベルに変換する。
【0005】
ここで
図2を参照すると、概略図は、
図1に描写されたものなどの相関2重サンプリングを備えた増幅器30及びコンパレータ22を含む先行技術のプログラム可能利得増幅器10をより詳細に示す。電圧V
columnは、スイッチ36が閉じられているとき、ss位相中にサンプリングキャパシタC
s34を通してオペアンプ30の反転入力32へと、かつスイッチ42が閉じられているとき、sr位相中にサンプリングキャパシタC
s40を通してオペアンプ30の非反転入力38へと列18からサンプリングされる。
【0006】
これらの2つのサンプリング位相ss及びsr中に、Clamp_1信号によって制御されるスイッチ44及び46は、閉じられており、出力ノード48を増幅器30の反転入力32に、かつ出力ノード50を増幅器30の非反転入力38に短絡させる。
【0007】
Clamp_1信号がデアサートされた後で、Clamp_2信号はアサートされ、クローバ(CB)信号が後に続く。Clamp_2信号は、スイッチ52を閉じ、コンパレータ22の出力ノードOut_P54をコンパレータ22の反転入力56に短絡させ、かつスイッチ58を閉じ、コンパレータ22の出力ノードOut_N60をコンパレータ22の非反転入力62に短絡させる。
【0008】
クローバ信号cbは、スイッチ64を閉じ、キャパシタ34及び40の入力プレートを一緒に短絡させる。クローバ信号cbはまた、スイッチ66を閉じ、増幅器30の出力ノード48とその反転入力32との間で帰還キャパシタCf68を接続し、かつスイッチ70を閉じ、増幅器30の出力ノード50とその非反転入力38との間で帰還キャパシタCf72を接続する。
【0009】
クローバ信号cbはまた、スイッチ74及び76を閉じ、それぞれキャパシタCc78及び80を通して、増幅器30の出力ノード48及び50をそれぞれコンパレータ22の入力ノード56及び62に接続する。
【0010】
クローバ(cb)位相の終わりに、ノード48及び50における電圧間の差は、(Vss-Vsr)*Cs/Cfである。Vssは、ss位相中のVcolumnである。Vsrは、sr位相中のVcolumnである。この電圧は、cb位相中に、Ccキャパシタ78及び80上でサンプリングされる。
【0011】
Ramp_en信号がアサートされると、スイッチ82及び84は閉じられ、Out_P及びOut_Nノード54及び60における電圧間の差=Out_P-Out_N=(Vsr-Vss)*Cs/Cf-(Ramp_P-Ramp_N)である。この電圧は、後続のラッチによってレールツーレールに変換される。
【0012】
ここで
図3を参照すると、タイミング図は、
図2の相関2重サンプリングを備えた先行技術のプログラム可能利得増幅器及びコンパレータを操作するために印加されるss、sr、cb、Clamp_1、Clamp_2、及びRamp_en制御信号の相対的なタイミングを示す。
【0013】
領域、電力、及びノイズトレードオフは、
図2の開路設計において行われる必要がある。帰還キャパシタは、0Vの代わりに最小差動ランプ電圧に初期化される。
図2の先行技術の回路の出力は、次のとおりである。
【0014】
Out_P-Out_N=(Vsr-Vss)*Cs/Cf-(Ramp_P-Ramp_N)
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の態様によれば、切り替え可能増幅器及びコンパレータ回路は、反転入力、非反転入力、第1の差動出力、及び第2の差動出力を有するオペアンプであって、第1の差動出力は、反転入力に切り替え可能に結合され、第2の差動出力は、非反転入力に切り替え可能に結合されるオペアンプと、反転入力に結合された第1のプレート及び第1の差動出力に切り替え可能に結合された第2のプレートを有する第1の帰還キャパシタと、非反転入力に結合された第1のプレート及び第2の差動出力に切り替え可能に結合された第2のプレートを有する第2の帰還キャパシタと、第1の差動出力と第2の差動出力との間に切り替え可能に結合された容量性負荷と、第1の差動出力と第2の差動出力との間に切り替え可能に結合されたダイオードクランプ回路と、第1の差動出力と第2の差動出力との間に切り替え可能に結合された抵抗負荷と、を含む。
【0016】
本発明の態様によれば、切り替え可能増幅器及びコンパレータ回路は、反転入力と第1のスイッチ入力ノードとの間に結合された第1のサンプリングキャパシタであって、第1のスイッチ入力ノードは、信号入力ノードに切り替え可能に結合される第1のサンプリングキャパシタと、非反転入力と第2のスイッチ入力ノードとの間に結合された第2のサンプリングキャパシタであって、第2のスイッチ入力ノードは、信号入力ノードに切り替え可能に結合され、かつ第1のスイッチ入力ノードに切り替え可能に結合される第2のサンプリングキャパシタと、を更に含む。
【0017】
本発明の態様によれば、第1の帰還キャパシタの第2のプレートは、ポジティブランプ信号に切り替え可能に結合され、第2の帰還キャパシタの第2のプレートは、ネガティブランプ信号に切り替え可能に結合される。
【0018】
本発明の態様によれば、第1の帰還キャパシタは、互いに平行にプログラム可能に接続される複数の個別の第1の帰還キャパシタを含み、第2の帰還キャパシタは、互いに平行にプログラム可能に接続される複数の個別の第2の帰還キャパシタを含む。
【0019】
本発明の態様によれば、複数の個別の第1の帰還キャパシタは、パスゲートを通して互いに平行にプログラム可能に接続され、複数の個別の第2の帰還キャパシタは、パスゲートを通して互いに平行にプログラム可能に接続される。
【0020】
本発明の態様によれば、複数の個別の第1の帰還キャパシタは、等しいキャパシタンスを有し、互いに平行にプログラム可能に接続される複数の個別の第2の帰還キャパシタは、互いに対して重み付けされる容量値を有する。
【0021】
本発明の態様によれば、撮像アレイから単一の出力回路にデータをダウンロードするための方法は、アレイの列からのピクセルセンサ出力をサンプリングするように出力回路を構成するステップと、アレイの列からのリセット状態出力をサンプリングするように出力回路を構成するステップと、サンプリングされたピクセルセンサ出力及びサンプリングされたリセット状態出力から、プログラム可能利得相関2重信号サンプル値信号を生成するように出力回路を構成するステップと、プログラム可能利得相関2重信号サンプル値信号をランプ信号と比較するコンパレータとして出力回路を構成するステップと、を含む。
図面の簡単な説明
【0022】
本発明は、実施形態及び図面に関連して以下でより詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】画像感知アレイにおけるピクセルセンサの読み出し用の、相関2重サンプリングを備えた先行技術のプログラム可能利得増幅器及びコンパレータを示す概略図である。
【
図2】
図1に描写されたような、相関2重サンプリングを備えた先行技術のプログラム可能利得増幅器及びコンパレータをより詳細に示す概略図である。
【
図3】
図2の相関2重サンプリングを備えた先行技術のプログラム可能利得増幅器及びコンパレータを操作するために印加される制御信号を示すタイミング図である。
【
図4】本発明の態様に従って、画像感知アレイにおけるピクセルセンサの読み出し用の、相関2重サンプリングを備えたプログラム可能利得増幅器及びコンパレータを含む合成増幅器及びコンパレータを示す概略図である。
【
図5】本発明の態様に従って、
図4に描写されたような、相関2重サンプリングを備えたプログラム可能利得増幅器及びコンパレータを含む合成増幅器及びコンパレータをより詳細に示す概略図である。
【
図6】
図5の合成増幅器及びコンパレータを構成するスイッチを制御するために印加される制御信号を示すタイミング図である。
【
図7】回路が動作のサンプル「ss」位相にある場合に、
図5の回路のスイッチの状態から結果として得られる等価回路を示す
図5の回路の概略図である。
【
図8】回路の動作のサンプル「ss」位相中の回路を構成するために、スイッチに印加される制御信号を示すブラケットを含む
図6のタイミング図である。
【
図9】回路が動作のサンプル「sr」位相にある場合に、
図5のダイアグラムの回路におけるスイッチの状態から結果として得られる等価回路を示す
図5の回路の概略図である。
【
図10】回路の動作のサンプル「sr」位相中の回路を構成するために、スイッチに印加される制御信号を示すブラケットを含む
図6のタイミング図である。
【
図11】回路が動作のプログラム可能利得増幅器位相にある場合に、
図5のダイアグラムの回路におけるスイッチの状態から結果として得られる等価回路を示す
図5の回路の概略図である。
【
図12】回路の動作のプログラム可能利得増幅器位相中の回路を構成するために、スイッチに印加される制御信号を示すブラケットを含む
図6のタイミング図である。
【
図13】回路が動作のコンパレータ位相にある場合に、
図5のダイアグラムの回路におけるスイッチの状態から結果として得られる等価回路を示す
図5の回路の概略図である。
【
図14】回路の動作のコンパレータ位相中に印加される制御信号を示すブラケットを含む
図6のタイミング図である。
【
図15A】通常は閉じられているスイッチとして構成されるパスゲートの概略図である。
【
図15B】通常は開いているスイッチとして構成されるパスゲートの概略図である。
【
図16】
図11に示される増幅器回路におけるプログラム可能利得を実現するための実例的な回路を示す概略図である。
【
図17】本発明の態様に従って、撮像アレイに、かつ相関2重サンプリングを備えたプログラム可能利得増幅器及びコンパレータを含む合成増幅器及びコンパレータに結合されたコントローラを示すブロック図である。
【0024】
【0025】
【0026】
【0027】
【0028】
【0029】
【0030】
【0031】
【0032】
【0033】
【0034】
【0035】
【0036】
【0037】
【0038】
【0039】
【0040】
【発明を実施するための形態】
【0041】
当業者は、以下の説明が、単に実例であり、決して限定ではないことを理解されよう。他の実施形態が、かかる当業者には容易に念頭に浮かぶであろう。
【0042】
ここで
図4を参照すると、概略図は、本発明の態様に従って、画像感知アレイにおけるピクセルセンサの読み出し用の、相関2重サンプリングを備えた増幅器26及びコンパレータを含む合成増幅器及びコンパレータ90を示す。本発明のアーキテクチャは、
図1の先行技術の配置のPGA20及びコンパレータ前置増幅器22を領域及び電力消費を低減する単一ブロック26に合成する。
【0043】
図4の合成増幅器及びコンパレータ90は、
図1に描写された先行技術の回路と共通の幾つかの要素を共有する。それらの共通要素は、
図1においてそれらを識別するために用いられる同じ参照数字を用いて明示される。
【0044】
先行技術の配置と同様に、合成増幅器及びコンパレータ90用の入力信号は、参照数字14で示された電圧源Vpixに自らのドレインを接続するソースフォロワトランジスタ12のソースにおける典型的なピクセルセンサの出力である。ソースフォロワトランジスタ12のソースは、列線18上で参照数字16で表された電流を駆動する。
【0045】
合成増幅器及びコンパレータ90は、相関2重サンプリングを備えたPGA及びコンパレータの両方として働く単一の増幅器26を用いる。ラッチ28は、コンパレータの出力を捕捉する。
【0046】
ここで
図5を参照すると、概略図は、本発明の態様に従って、
図4に描写されたものなどの合成増幅器及びコンパレータ90をより詳細に示す。
図5の回路は、
図2に描写された先行技術の回路と共通の幾つかの要素を共有する。それらの共通要素は、
図2において共通要素を識別するために用いられる同じ参照数字を用いて明示される。
【0047】
差動オペアンプ92は、サンプリングキャパシタCs34及びスイッチ36を通して列線18に自らの反転入力32を結合する。スイッチ36は、サンプルリセット(sr)信号によって制御される。差動オペアンプ92の非反転入力38は、サンプリングキャパシタCs40及びスイッチ42を通して列線18に結合される。スイッチ42は、サンプル信号(ss)によって制御される。
【0048】
差動オペアンプ92のポジティブ出力48は、クランプスイッチ44を通して差動オペアンプ92の反転入力32に結合される。差動オペアンプ92のネガティブ出力50は、クランプスイッチ46を通して差動オペアンプ92の非反転入力38に結合される。
【0049】
差動オペアンプ92のポジティブ出力48はまた、帰還キャパシタCf68と直列のスイッチ66を通して差動オペアンプ92の反転入力32に結合される。差動オペアンプ92のネガティブ出力50はまた、帰還キャパシタCf72と直列のスイッチ70を通して差動オペアンプ92の非反転入力38に結合される。スイッチ66及び70は、クローバ(cb)信号によって制御される。
【0050】
スイッチ66及び帰還キャパシタCf68の共通接続は、スイッチ94を通して、参照数字96におけるRamp_P信号に結合される。スイッチ70及び帰還キャパシタCf72の共通接続は、スイッチ98を通して、参照数字100におけるRamp_N信号に結合される。
【0051】
キャパシタ102a及び102bを含む容量性負荷は、スイッチ104a及び104bを通り、合成増幅器及びコンパレータ90の出力ノード54及び60(差動オペアンプ92の出力ノード48及び50と同じであるノード)を横切って選択的に接続される。ダイオード106a及び106bを含むダイオードクランプ回路は、スイッチ108a及び108bを通り、合成増幅器及びコンパレータ90の出力ノード54及び60を横切って選択的にそれぞれ接続される。抵抗器110a及び110bを含む抵抗負荷は、スイッチ112a及び112bを通り、合成増幅器及びコンパレータ90の出力ノード54及び60を横切って選択的にそれぞれ接続される。
【0052】
スイッチ104a、104b、108a、108b、112a、及び112bは、全て、信号RampConn2によってに制御される。スイッチ104a及び104bは、通常、信号RampConn2がデアサートされる場合に閉じられ、かつ信号RampConn2がアサートされる場合に開かれる。スイッチ64、108a、108b、112a、及び112bは、全て、通常、信号RampConn2がデアサートされる場合に開かれ、かつ信号RampConn2がアサートされる場合に閉じられる。
【0053】
ここで
図6を参照すると、タイミング図は、本発明の態様に従って、
図5の相関2重サンプリングを備えたプログラム可能利得増幅器及びコンパレータをその動作の全ての位相中に制御するために印加される制御信号を示す。制御信号ss、sr、cb、Clamp、RampConn、及びRampConn2は示され、
図5の回路の動作の様々な位相中の
図5の回路に対するそれらの制御信号の影響は、
図7、9、11及び13に示される。
【0054】
ここで
図7を参照すると、概略図は、回路が、動作のサンプルss位相にある場合に、
図5の回路の構成を描写し、かつ回路が、動作のサンプルss位相にある場合に、
図5の回路のスイッチの状態から結果として得られる等価回路を示す。動作のサンプルss位相中に、列線上の信号は、サンプリングされる。
図5のスイッチ42、44、46、94、98、104a、及び104bは、閉じられており、ワイヤとして示される。
図5のスイッチ36、66、70、108a、108b、112a、及び112bは、開かれており、従って
図7には示されていない。
【0055】
図7で分かるように、電圧V
columnは、スイッチ42が閉じられている場合に、ss位相中にサンプリングキャパシタC
s40を通して、列18からオペアンプ92の非反転入力38までサンプリングされる。本明細書で開示されるように、オペアンプ92は、
図5の回路のPGA及びコンパレータの両方として働く。
【0056】
ここで
図8を参照すると、タイミング図は、スイッチの状態を制御するために、回路の動作のサンプルss位相中にスイッチに印加される制御信号を示す。
【0057】
ここで
図9を参照すると、概略図は、回路が動作のサンプルsr位相にある場合に、
図5の回路の構成を描写し、かつ回路が動作のサンプルsr位相にある場合に、
図5の回路のスイッチの状態からの結果として得られる等価回路を示す。動作のこの位相中に、列のリセット状態における列上の電圧は、サンプリングされる。スイッチ36、44、46、94、98、104a、及び104bは、閉じられている。スイッチ42、66、70、108a、108b、112a、及び112bは、開いている。
【0058】
図9で分かるように、動作のサンプルsr位相中に、V
column18の電圧は、Cs34上へサンプリングされる。サンプリングされたこの電圧は、信号電圧(Vss)である。増幅器92は、この位相中にリセットされる。
【0059】
帰還キャパシタCf68及び72はまた、RampConn信号によって制御されるスイッチ94及び98を通して、この位相中に、Ramp_P96及びRamp_N100を帰還キャパシタCf68及び72上でサンプリングすることによってリセットされる。
【0060】
電圧V
columnは、スイッチ36が閉じられている場合に、sr位相中にサンプリングキャパシタC
s34を通して、列18からオペアンプ92の反転入力32へ、かつスイッチ42が閉じられている場合に、ss位相中にサンプリングキャパシタC
s40を通して、オペアンプ92の非反転入力38へ列18からサンプリングされる。本明細書で開示されるように、オペアンプ92は、
図5の回路のPGA及びコンパレータの両方として働く。
【0061】
図10は、
図9に描写された回路の動作のサンプルsr位相中に、スイッチに印加される制御信号を示すタイミング図である。
【0062】
図7及び9に示されるこれらの2つのサンプリング位相sr及びss中に、Clamp信号によって制御されるスイッチ44と46は閉じられ、増幅器92の出力ノード48を増幅器92の反転入力32に短絡させ、かつ増幅器の出力ノード50を増幅器の非反転入力38に短絡させる。RampConn2信号は、これらの2つのサンプリング位相sr及びss中にデアサートされる。通常は閉じられているスイッチ104a及び104bは、増幅器92をより安定させるために、C
loadキャパシタ102a及び102bを接続する。これは、用いられる増幅器アーキテクチャに基づいて変わる可能性がある。スイッチ108a、108b、112a、及び112bは開いており、クランピングダイオード106a及び106b並びに抵抗負荷110a及び110bを回路から切断する。
【0063】
ここで
図11を参照すると、概略図は、回路が動作のプログラム可能利得増幅器位相にある場合に、
図5の回路の構成を描写する。動作のこの位相中に、スイッチ64、66、70、104a、及び104bは、閉じられている。スイッチ36、42、44、46、94、98、108a、108b、112a、及び112bは、開いている。
【0064】
オペアンプ92のPGAモードである回路動作のこの位相中に、Clamp信号がデアサートされた後で、cb信号は、アサートされる。クローバ信号cbは、スイッチ64を閉じ、Csキャパシタ34及び40の入力プレートを一緒に短絡させる。クローバ信号cbはまた、スイッチ66を閉じ、増幅器92の出力ノード48とその反転入力32との間で帰還キャパシタCf68を接続し、かつスイッチ70を閉じ、増幅器30の出力ノード50とその非反転入力38との間で帰還キャパシタCf72を接続する。
【0065】
帰還キャパシタCf68及び72並びにサンプリングキャパシタCs34及び40は、回路動作のクローバcb位相の終わりに、増幅器92の出力(出力ノード54及び60における電圧差)が、次のとおりであるように接続される。
【0066】
(Out_P)-(Out_N)=(Vsr-Vss)*Cs/Cf+(Ramp_P_i-Ramp_N_i)。この式で、Ramp_P_i及びRamp_N_iは、初期ランプ電圧である。この計算は、オフセットを考慮する。このオフセットを無視すること(即ち(Ramp_P_i-Ramp_N_i)=0)によって、式は、(Out_P)-(Out_N)=(Vsr-Vss)*Cs/Cfに単純化される。
【0067】
Vssは、
図7のss位相中のV
columnである。Vsrは、
図9のsr位相中のV
columnである。
【0068】
ここで
図12を参照すると、タイミング図は、
図11の回路の動作のプログラム可能利得増幅器位相中の回路を構成するために、スイッチに印加される制御信号を示す。
【0069】
図13は、
図5の回路の概略図であり、かつ回路が動作のコンパレータ位相にある場合に、
図5における回路のスイッチの状態から結果として得られる等価回路を示す。動作のこの位相中に、スイッチ94、98、108a、108b、112a、及び112bは、閉じられている。スイッチ36、42、44、46、64、66、70、104a、及び104bは、開いている。
【0070】
スイッチ108a及び108bは、コンパレータがより速く切り替わり得るようにするために、コンパレータモードにおける電圧スイングを低減するように回路の出力ノード54及び60を横切ってクランピングダイオード108a及び108bを接続する。スイッチ112a及び112bは、コンパレータの帯域幅を増加させるために、回路の出力ノード54及び60を横切って負荷抵抗器112a及び112bを接続する。
【0071】
Out_P及びOut_Nノード54及び60における電圧間の差=Out_P-Out_N=(Vss-vsr)*Cs/Cf-(Ramp_P-Ramp_N)である。この電圧は、後続のラッチによってレールツーレールに変換される。
【0072】
図14は、回路の動作のコンパレータ位相中に印加される制御信号を示すタイミング図である。
【0073】
ここでノード84及び86における差動電圧出力は、次のとおりである。
【0074】
(Out_P)-(Out_N)=(Vsr-Vss)*Cs/Cf)-(Ramp_P-Ramp_N)
【0075】
図5~14に関連して説明されるこの回路動作は、先行技術におけるのと同じ動作だが、しかし増幅器及びコンパレータ前置増幅器を合成することによって、その同じ動作を達成する。
【0076】
図1に描写された先行技術の増幅器及びコンパレータにおいてと同様に、本明細書で開示されかつ
図5で描写された合成増幅器及びコンパレータ90において、回路で用いられる様々なスイッチは、CMOSパスゲートを含んでもよい。通常は開いているスイッチとして構成されるパスゲートは、参照数字120によって識別され、かつ
図15Aに描写される。通常は閉じられたスイッチとして構成されるパスゲートは、参照数字122によって識別され、かつ
図15Bに描写される。両方のパスゲート120及び122は、主端子124及び制御端子126を有し、かつnチャネルトランジスタ130と平行に接続されたpチャネルトランジスタ128から形成される。
【0077】
パスゲート120は、制御入力126とpチャネルトランジスタ128のゲートとの間に接続されるインバータ132を有する。nチャネルトランジスタ130のゲートは、制御入力126に直接接続される。制御端子126上の低レベル信号は、パスゲート120をオフにして主端子124を互いに分離し、制御入力126上の高レベル信号は、パスゲート120をオンにして主端子124を一緒に接続する。
【0078】
パスゲート122は、制御入力126とnチャネルトランジスタ130のゲートとの間に接続されるインバータ134を有する。pチャネルトランジスタ128のゲートは、制御入力126に直接接続される。制御端子126上の低レベル信号は、パスゲート122をオンにして主端子124を一緒に接続し、制御入力126上の高レベル信号は、パスゲート122をオフにして主端子124を互いに分離する。当業者は、追加のインバータが、RampConn2信号と、通常は閉じられているように構成される
図15Aに示されるスイッチのいずれかにおける入力126との間に接続される場合に、スイッチの全てが
図15Aに示されるように構成され得ることを認識されよう。
【0079】
ここで
図16を参照すると、概略図は、キャパシタCf(
図7、9及び11における参照数字68及び72)用のプログラム可能な値を提供することによって、
図11に示される増幅器回路におけるプログラム可能利得を実現するための実例的な回路140を示す。ノード142と144との間のCfの総容量は、スイッチ148-1、148-2、148-3、及び148-4の1つ又は複数に選択的に閉じることによって、キャパシタCf1(146-1)、Cf1+Cf2(146-1+146-2)、Cf1+Cf2+Cf3(146-1+146-2+146-3)、及びCf1+Cf2+Cf3+Cf4(146-1+146-2+146-3+146-4)の値間で変更され得る。スイッチ148-1、148-2、148-3、及び148-4は、
図15A及び15Bに示されるようなパスゲートとすることができる。
【0080】
キャパシタの全てが、同じ値(0.25Cf)を有する場合に、利得は、スイッチ148-1、148-2、148-3、及び148-4の1つ、2つ、3つ、又は4つ全てを閉じることによって、1、1.33、2、及び4間で選択可能とすることができる。当業者は、キャパシタ146-1、146-2、146-3、及び146-4の値が、等しい必要がなく、かつ他の選択可能な容量値を提供するために、重み付けする(例えば1-2-4-8)ことができることを認識されよう。
【0081】
ここで
図17を参照すると、ブロック図は、本発明の態様に従って、撮像アレイ154と、相関2重サンプリングを備えたプログラム可能利得増幅器26(列当たり1つ)及びコンパレータとに制御線152を結合するコントローラ150を示す。コントローラ150は、画像を捕捉するために、当該技術分野において周知の方法で、制御線152を通じて撮像アレイ154の動作を制御するように構成される。コントローラ150はまた、相関2重サンプリングを備えたプログラム可能利得増幅器及びコンパレータ26を構成するスイッチを制御する制御信号を供給するように、かつ本明細書で説明されるような様々なモードで、プログラム可能利得増幅器及びコンパレータ26の動作を指示する他の制御信号を供給するように構成される。
【0082】
プログラム可能利得増幅器及びコンパレータを合成することによって、画像センサにおける低電力及び低領域読み出し回路設計が提供される。本発明は、相関2重サンプリング、オフセット生成、及びランプ電圧との比較の1ステージ実装形態を提供する。増幅器は、ランプ位相中にコンパレータ前置増幅器として再構成される。別個のプログラム可能利得増幅器及びコンパレータステージと比較すると、このアーキテクチャは、低ノイズを提供する。何故なら、プログラム可能利得増幅器は、コンパレータモード中に動作可能ではなく、両方の位相中にただ1つの増幅器からのノイズに帰着するからである。このアーキテクチャはまた、より低い電力を用いる先行技術の増幅器と同じノイズ仕様を満たす。このアーキテクチャはまた、集積回路ダイ上でより小さい領域を消費する。
【0083】
先行技術のアーキテクチャは、コンパレータ入力に対してサンプリングするための2つの追加のサンプリングキャパシタ78及び80を要求する。単にサンプリングノイズだけを検討する。本発明と同じサンプリングノイズ性能を有するために、先行技術のアーキテクチャは、本発明によって要求されるサンプリングキャパシタの2倍のキャパシタンスを有するサンプリングキャパシタを要求する。これは、本発明によって要求されるサンプリングキャパシタ領域の6倍の領域である、先行技術のアーキテクチャ用のサンプリングキャパシタ領域を要求する。加えて、サンプリングキャパシタンスが、2倍にされるので、Cfはまた、ユニティーゲイン用に2倍にされる必要がある。従って、このアーキテクチャは、より小領域においてより低ノイズ性能を達成する。
【0084】
従来のアーキテクチャ用のコンパレータ入力において、2倍の数のサンプリングキャパシタを用いると、本発明のアーキテクチャと比較してプログラム可能利得増幅器に見られる負荷増加は、小さな信号整定用に4倍である。同じ整定性能用に、かつ1段増幅器を仮定すると、増幅器における電流は、同じユニティーゲイン周波数用に4倍に増加する必要がある。これは、寄生極ゆえに、増幅器領域及び二次効果における更なる増加に帰着する。従って、このアーキテクチャは、より小さい領域においてより低電力及びより低ノイズ性能を達成する。
【0085】
本発明の実施形態及び適用が示され説明されたが、上記で言及されたよりずっと多くの修正が、本明細書の発明的概念から逸脱せずに可能であることが、当業者には明白であろう。従って、本発明は、添付の特許請求の範囲の趣旨以外では制限されるべきではない。