(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-29
(45)【発行日】2025-02-06
(54)【発明の名称】放熱導流接続装置
(51)【国際特許分類】
H05K 7/20 20060101AFI20250130BHJP
【FI】
H05K7/20 B
(21)【出願番号】P 2024002148
(22)【出願日】2024-01-10
【審査請求日】2024-03-26
(31)【優先権主張番号】202311123069.9
(32)【優先日】2023-08-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】524014189
【氏名又は名称】杭州鵬成新能源科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100081961
【氏名又は名称】木内 光春
(74)【代理人】
【識別番号】100112564
【氏名又は名称】大熊 考一
(74)【代理人】
【識別番号】100163500
【氏名又は名称】片桐 貞典
(74)【代理人】
【識別番号】230115598
【氏名又は名称】木内 加奈子
(74)【代理人】
【識別番号】110000073
【氏名又は名称】弁理士法人プロテック
(74)【代理人】
【氏名又は名称】小林 生央
(72)【発明者】
【氏名】劉 永青
(72)【発明者】
【氏名】李 長龍
(72)【発明者】
【氏名】呉 志聰
(72)【発明者】
【氏名】胡 武君
(72)【発明者】
【氏名】林 晨歓
(72)【発明者】
【氏名】任 方圓
(72)【発明者】
【氏名】許 奇
【審査官】山田 拓実
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第113747753(CN,A)
【文献】中国実用新案第204795977(CN,U)
【文献】中国実用新案第207459230(CN,U)
【文献】中国実用新案第219421174(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 7/20
H01L 25/00-25/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
パワー基板と制御基板を接続して、大電流保護基板を構成するために用いられる、放熱導流接続装置であって、装置はアルミニウムベース及び複数のアルミニウム接続ストリップを含み、前記アルミニウム接続ストリップには、少なくとも1つの導流孔及び少なくとも4つの固定孔が設置され、
前記パワー基板は、前記アルミニウムベースに設置され、前記アルミニウムベースは、前記パワー基板を放熱するために用いられ、
いずれかの前記アルミニウム接続ストリップの場合、前記パワー基板と前記制御基板との間に前記アルミニウム接続ストリップを設置して、少なくとも2つの前記固定孔によって前記アルミニウム接続ストリップを下向きに前記パワー基板に設置し、少なくとも2つの前記固定孔によって前記アルミニウム接続ストリップを上向きに前記制御基板に設置し、前記導流孔を介して前記パワー基板と前記制御基板との間の大電流伝導を実現することを特徴とする放熱導流接続装置。
【請求項2】
前記アルミニウム接続ストリップの数は5つであることを特徴とする請求項1に記載の放熱導流接続装置。
【請求項3】
5つのアルミニウム接続ストリップはそれぞれ、第1アルミニウム接続ストリップ、第2アルミニウム接続ストリップ、第3アルミニウム接続ストリップ、第4アルミニウム接続ストリップ及び第5アルミニウム接続ストリップであり、
前記第1アルミニウム接続ストリップの導流孔は、前記パワー基板と前記制御基板上の負荷の正端子を接続するために用いられ、
前記第2アルミニウム接続ストリップの導流孔は、前記パワー基板と前記制御基板上の充電器の正端子を接続するために用いられ、
前記第3アルミニウム接続ストリップの導流孔は、前記パワー基板と前記制御基板上の電池の正端子を接続するために用いられ、
前記第4アルミニウム接続ストリップの導流孔は、前記パワー基板と前記制御基板上の電池の負端子を接続するために用いられ、
前記第5アルミニウム接続ストリップの導流孔は、前記パワー基板と前記制御基板上の負荷の負端子/充電器の負端子を接続するために用いられることを特徴とする請求項2に記載の放熱導流接続装置。
【請求項4】
前記第1アルミニウム接続ストリップ、前記第2アルミニウム接続ストリップ、前記第3アルミニウム接続ストリップの長さは同じで、すべて第1プリセット値であり、前記第4アルミニウム接続ストリップと前記第5アルミニウム接続ストリップの長さは同じで、両方とも第2プリセット値であり、前記第1プリセット値は、前記第2プリセット値より大きいことを特徴とする請求項3に記載の放熱導流接続装置。
【請求項5】
前記第1アルミニウム接続ストリップ、前記第2アルミニウム接続ストリップ、前記第3アルミニウム接続ストリップの設置方向は同じで、すべて第1方向であり、前記第4アルミニウム接続ストリップと前記第5アルミニウム接続ストリップの設置方向は同じで、両方とも第2方向であり、前記第1方向は、前記第2方向と垂直であることを特徴とする請求項4に記載の放熱導流接続装置。
【請求項6】
前記固定孔はネジ固定孔であることを特徴とする請求項1に記載の放熱導流接続装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電流板の放熱の技術分野に関し、特に放熱導流接続装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のパワー基板はリレーを用い、コストが高く、占有空間が多く、制御基板に接続されるワイヤーハーネスが多く、接続が複雑であり、全体的な放熱が遅い。パワー基板と制御基板との間に大電流を伝導する場合、従来の銅バスバー又は外部から購入した大電流コネクタを用いると、コストが高いだけでなく、占有空間も多くなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、放熱導流接続装置を提供し、放熱効果を向上させ、コストを削減することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的を達成するために、本発明は以下の解決手段を提供する。
【0005】
パワー基板と制御基板を接続して、大電流保護基板を構成するために用いられる、放熱導流接続装置であって、装置はアルミニウムベース及び複数のアルミニウム接続ストリップを含み、前記アルミニウム接続ストリップには、少なくとも1つの導流孔及び少なくとも4つの固定孔が設置され、
前記パワー基板は、前記アルミニウムベースに設置され、前記アルミニウムベースは、前記パワー基板を放熱するために用いられ、
いずれかの前記アルミニウム接続ストリップの場合、前記パワー基板と前記制御基板との間に前記アルミニウム接続ストリップを設置し、少なくとも2つの前記固定孔によって前記アルミニウム接続ストリップを下向きに前記パワー基板に設置し、少なくとも2つの前記固定孔によって前記アルミニウム接続ストリップを上向きに前記制御基板に設置し、前記導流孔を介して前記パワー基板と前記制御基板との間の大電流伝導を実現する。
【0006】
任意選択的に、前記アルミニウム接続ストリップの数は5つである。
【0007】
任意選択的に、5つのアルミニウム接続ストリップはそれぞれ、第1アルミニウム接続ストリップ、第2アルミニウム接続ストリップ、第3アルミニウム接続ストリップ、第4アルミニウム接続ストリップ及び第5アルミニウム接続ストリップであり、
前記第1アルミニウム接続ストリップの導流孔は、前記パワー基板と前記制御基板上の負荷の正端子を接続するために用いられ、
前記第2アルミニウム接続ストリップの導流孔は、前記パワー基板と前記制御基板上の充電器の正端子を接続するために用いられ、
前記第3アルミニウム接続ストリップの導流孔は、前記パワー基板と前記制御基板上の電池の正端子を接続するために用いられ、
前記第4アルミニウム接続ストリップの導流孔は、前記パワー基板と前記制御基板上の電池の負端子を接続するために用いられ、
前記第5アルミニウム接続ストリップの導流孔は、前記パワー基板と前記制御基板上の負荷の負端子/充電器の負端子を接続するために用いられる。
【0008】
任意選択的に、前記第1アルミニウム接続ストリップ、前記第2アルミニウム接続ストリップ、前記第3アルミニウム接続ストリップの長さは同じで、すべて第1プリセット値であり、前記第4アルミニウム接続ストリップと前記第5アルミニウム接続ストリップの長さは同じで、両方とも第2プリセット値であり、前記第1プリセット値は、前記第2プリセット値より大きい。
【0009】
任意選択的に、前記第1アルミニウム接続ストリップ、前記第2アルミニウム接続ストリップ、前記第3アルミニウム接続ストリップの設置方向は同じで、すべて第1方向であり、前記第4アルミニウム接続ストリップと前記第5アルミニウム接続ストリップの設置方向は同じで、両方とも第2方向であり、前記第1方向は、前記第2方向と垂直である。
【0010】
任意選択的に、前記固定孔はネジ固定孔である。
【発明の効果】
【0011】
本発明が提供する具体的な実施例によれば、本発明は以下の技術的効果を開示する。
本発明は、アルミニウムベース及び複数のアルミニウム接続ストリップを含む放熱導流接続装置を開示し、パワー基板はアルミニウムベースに設置され、アルミニウムベースはパワー基板を支持すると同時に、パワー基板を放熱して、良好な放熱効果を達成する。パワー基板と制御基板との間にアルミニウム接続ストリップを設置して、アルミニウム接続ストリップ上の固定孔によってアルミニウム接続ストリップを下向きにパワー基板に設置し、アルミニウム接続ストリップを上向きに制御基板に設置し、導流孔を介してパワー基板と制御基板との間の大電流伝導を実現し、それにより外部接続部材の使用量を減少させ、占有空間を減少させるとともに使用コストを削減する。そして、銅バスバー及びいくつかの外部から購入した大電流コネクタの代わりに導流孔を使用して、大量のワイヤハーネスを減少させ、コストと空間をさらに低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
本発明の実施例又は従来技術における技術的解決手段をより明確に説明するために、以下に実施例で使用する必要のある図面を簡単に説明し、明らかに、以下の説明における図面は本発明の一部の実施例に過ぎず、当業者にとって、創造的な労働を要することなく、これらの図面に基づいて他の図面を取得することができる。
【0013】
【
図1】本発明の放熱導流接続装置の構造概略図である。
【
図2】本発明における第1アルミニウム接続ストリップの構造概略図である。
【
図3】本発明における第1アルミニウム接続ストリップの四面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施例における図面を参照して、本発明の実施例における技術的解決手段を明確かつ完全に説明し、明らかに、説明した実施例は本発明の一部の実施例に過ぎず、全ての実施例ではない。本発明の実施例に基づいて、当業者が創造的な労働を要さずに取得した全ての他の実施例は、本発明の技術的範囲に属する。
【0015】
本発明の目的、特徴及び利点をより明らかで分かりやすくするために、以下、図面及び具体的な実施形態を参照して、本発明をさらに詳しく説明する。
【0016】
図1に示すように、本発明は、パワー基板2と制御基板1を接続して、大電流保護基板を構成するために用いられる、放熱導流接続装置を提供し、装置は、アルミニウムベース3及び複数のアルミニウム接続ストリップを含み、前記アルミニウム接続ストリップには、少なくとも1つの導流孔及び少なくとも4つの固定孔が設置される。前記固定孔はネジ固定孔である。
【0017】
前記パワー基板2は前記アルミニウムベース3に設置され、パワー基板の機能は主に大電流を伝導することである。前記アルミニウムベース3は、前記パワー基板2を放熱するために用いられる。さらに、アルミニウムベースはアルミニウム基板及びアルミニウム製ベースを含み、それにより効率的な放熱を達成する。また、パワー基板において、リレーの代わりにハイパワーMOSトランジスタを使用して、コスト及び空間を大幅に節約できる。
【0018】
いずれかの前記アルミニウム接続ストリップの場合、前記パワー基板2と前記制御基板1との間に前記アルミニウム接続ストリップを設置して、少なくとも2つの前記固定孔によって前記アルミニウム接続ストリップを下向きに前記パワー基板に設置し、少なくとも2つの前記固定孔によって前記アルミニウム接続ストリップを上向きに前記制御基板に設置し、前記導流孔を介して前記パワー基板と前記制御基板との間の大電流伝導を実現する。ここで、制御基板は主にリン酸鉄リチウム電池パックの過充電、過放電、過電流、過温度、温度不足、短絡保護を提供し、充電過程における電圧バランス機能を提供し、さらに上位コンピュータソフトウェアを介してパラメータ設定及びデータ監視を行うことができる。
【0019】
一具体例では、
図1に示すように、第1ネジ固定孔9及び第4ネジ固定孔12は制御基板を上向きに固定し、第2ネジ固定孔10及び第3ネジ固定孔11はパワー基板を下向きに固定することにより、アルミニウム接続ストリップをパワー基板に密着させ、又は、第2ネジ固定孔10及び第3ネジ固定孔11はパワー基板及びアルミニウムベースを下向きに固定することにより、パワー基板とアルミニウムベースを密着させる。他のアルミニウム接続ストリップの取り付け方式は一致する。
【0020】
前記アルミニウム接続ストリップの数は5つである。5つのアルミニウム接続ストリップはそれぞれ、第1アルミニウム接続ストリップ、第2アルミニウム接続ストリップ、第3アルミニウム接続ストリップ、第4アルミニウム接続ストリップ及び第5アルミニウム接続ストリップであり、5つのアルミニウム接続ストリップの高さと全体形状は一致する。
【0021】
前記第1アルミニウム接続ストリップの導流孔は第1導流孔4であり、P+ポートであり、前記パワー基板と前記制御基板上の負荷の正端子を接続するために用いられる。
【0022】
前記第2アルミニウム接続ストリップの導流孔は第2導流孔5であり、C+ポートであり、前記パワー基板と前記制御基板上の充電器の正端子を接続するために用いられる。
【0023】
前記第3アルミニウム接続ストリップの導流孔は第3導流孔6であり、B+ポートであり、前記パワー基板と前記制御基板上の電池の正端子を接続するために用いられる。
【0024】
前記第4アルミニウム接続ストリップの導流孔は第4導流孔7であり、B-ポートであり、前記パワー基板と前記制御基板上の電池の負端子を接続するために用いられる。
【0025】
前記第5アルミニウム接続ストリップの導流孔は第5導流孔8であり、P-/C-ポートであり、前記パワー基板と前記制御基板上の負荷の負端子/充電器の負端子を接続するために用いられる。
【0026】
前記第1アルミニウム接続ストリップ、前記第2アルミニウム接続ストリップ、前記第3アルミニウム接続ストリップの長さは同じで、すべて第1プリセット値であり、前記第1プリセット値は113mmであり、前記第4アルミニウム接続ストリップと前記第5アルミニウム接続ストリップの長さは同じで、両方とも第2プリセット値であり、前記第2プリセット値は70mmであり、前記第1プリセット値は、前記第2プリセット値より大きい。
【0027】
前記第1アルミニウム接続ストリップ、前記第2アルミニウム接続ストリップ、前記第3アルミニウム接続ストリップの設置方向は同じで、すべて第1方向であり、
図1に示すように、x軸方向に沿って配置され、前記第4アルミニウム接続ストリップと前記第5アルミニウム接続ストリップの設置方向は同じで、両方とも第2方向であり、
図1に示すように、y軸方向に沿って配置され、前記第1方向は、前記第2方向と垂直である。
【0028】
第1アルミニウム接続ストリップを例とし、
図2に示すように、前記アルミニウム接続ストリップには、1つの導流孔及び4つの固定孔が設置され、固定孔はネジ固定孔である。対応するアルミニウム接続ストリップには、第1導流孔4、第1ネジ固定孔9、第2ネジ固定孔10、第3ネジ固定孔11、第4ネジ固定孔12が設置される。
【0029】
図3は、
図2に対応する第1アルミニウム接続ストリップの四面図である。
【0030】
要約すると、本発明の装置において、アルミニウムベースは放熱及び固定支持の役割を果たし、アルミニウム接続ストリップは制御基板及びパワー基板を接続、支持及び固定する役割を果たし、安全で堅固で確実であり、大電流を伝導する役割も果たし、具体的には100アンペア以上さらには数百アンペアの大電流を安定して確実に伝導することができ、導流孔は銅バスバー及びいくつかの外部から購入した大電流コネクタを代替し、大量のワイヤハーネスを減少させ、コストと空間を大幅に低減させる。上記複数の部材で構成される大電流保護基板全体は、2000A以上の短絡電流に耐えることができ、短絡保護時間が50マイクロ秒以内に達することができ、従来のリレーの短絡保護時間が数十ミリ秒以上であることに比べて、装置の使用安全性を大幅に向上させる。
【0031】
本明細書の各実施例は漸進的に説明され、各実施例は他の実施例との相違点を重点的に説明し、各実施例の間の同じ又は類似する部分は互いに参照すればよい。実施例で開示されたシステムについては、実施例で開示された方法に対応するため、説明は比較的簡単であり、関連する部分は方法の説明を参照すればよい。
【0032】
本明細書では、具体的な例を用いて本発明の原理及び実施形態を説明したが、以上の実施例の説明は本発明の方法及びその核心思想を理解するのを助けるためのものに過ぎない。また、当業者であれば、本発明の趣旨に基づいて、具体的な実施形態及び応用範囲のいずれも変化できる。要約すると、本明細書の内容は本発明を限定するものとして解釈されるべきではない。
【符号の説明】
【0033】
1 制御基板
2 パワー基板
3 アルミニウムベース
4 第1導流孔
5 第2導流孔
6 第3導流孔
7 第4導流孔
8 第5導流孔
9 第1ネジ固定孔
10 第2ネジ固定孔
11 第3ネジ固定孔
12 第4ネジ固定孔
【要約】 (修正有)
【課題】放熱効果を向上させ、コストを削減する放熱導流接続装置を提供する。
【解決手段】放熱導流接続装置は、パワー基板2と制御基板1を接続し、アルミニウムベース3及び複数のアルミニウム接続ストリップを含み、アルミニウム接続ストリップには、少なくとも1つの導流孔4~8及び少なくとも4つの固定孔9~12が設置され、パワー基板はアルミニウムベースに設置され、アルミニウムベースはパワー基板を放熱するために用いられ、いずれかのアルミニウム接続ストリップの場合、パワー基板と制御基板との間にアルミニウム接続ストリップを設置して、少なくとも2つの固定孔によってアルミニウム接続ストリップを下向きにパワー基板に設置し、少なくとも2つの固定孔によってアルミニウム接続ストリップを上向きに制御基板に設置し、導流孔を介してパワー基板と制御基板との間の大電流伝導を実現する。
【選択図】
図1