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特許7627450ファン付きウェア用の衣服及びファン付きウェア
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-29
(45)【発行日】2025-02-06
(54)【発明の名称】ファン付きウェア用の衣服及びファン付きウェア
(51)【国際特許分類】
   A41D 13/002 20060101AFI20250130BHJP
【FI】
A41D13/002 105
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021026839
(22)【出願日】2021-02-22
(65)【公開番号】P2022128361
(43)【公開日】2022-09-01
【審査請求日】2024-02-22
(73)【特許権者】
【識別番号】520275928
【氏名又は名称】菊池 真
(73)【特許権者】
【識別番号】520275995
【氏名又は名称】株式会社大真
(73)【特許権者】
【識別番号】592171005
【氏名又は名称】株式会社セフト研究所
(73)【特許権者】
【識別番号】521060279
【氏名又は名称】株式会社ゴーゴープロダクション
(74)【代理人】
【識別番号】100125265
【弁理士】
【氏名又は名称】貝塚 亮平
(72)【発明者】
【氏名】菊池 真
(72)【発明者】
【氏名】市ヶ谷 弘司
(72)【発明者】
【氏名】市ヶ谷 透
(72)【発明者】
【氏名】二村 直範
【審査官】須賀 仁美
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-044265(JP,A)
【文献】特開2019-014998(JP,A)
【文献】特開2006-307354(JP,A)
【文献】特開2021-070885(JP,A)
【文献】国際公開第03/103424(WO,A1)
【文献】登録実用新案第3140666(JP,U)
【文献】特開2018-071032(JP,A)
【文献】特開2019-183333(JP,A)
【文献】登録実用新案第3225346(JP,U)
【文献】特開2020-125549(JP,A)
【文献】国際公開第02/067707(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2004/0083526(US,A1)
【文献】登録実用新案第3206518(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A41D13/002
A41D3/04
A41D27/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
衣服本体と、前記衣服本体の内側で襟口の近傍に取り付けられ、前記衣服本体と人体側との間に配置される通気性のスペーサ部材と、前記衣服本体の外部から空気を取り込んで前記襟口から排出する気流を形成するファンユニットを装着するための複数のファン装着穴と、を有し、前記スペーサ部材は前記衣服本体の前面側と背面側にそれぞれ設けられ
前記ファン装着穴が前記ファンユニットの使用数と同じか又はそれより多く設けられ、
前記ファンユニットが装着されない前記ファン装着穴を前記衣服本体の内側から塞ぐ閉塞部材を有し、前記閉塞部材は前記衣服本体に着脱自在に設けられていることを特徴とするファン付きウェア用の衣服。
【請求項2】
前記スペーサ部材が前記衣服本体に着脱自在に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のファン付きウェア用の衣服。
【請求項3】
前記スペーサ部材が、通気可能な立体構造を複数連結して平板状の外郭を有する形状に形成されたスペーサ本体と、該スペーサ本体が収容され、前記衣服本体に着脱自在なメッシュ状の袋体とを有していることを特徴とする請求項2に記載のファン付きウェア用の衣服。
【請求項4】
前記ファン装着穴の外側に設けられたメッシュ状の収容部と、前記ファンユニットが装着される前記ファン装着穴に対応する前記収容部に収容される通気性の外部スペーサとを有していることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のファン付きウェア用の衣服。
【請求項5】
前記衣服本体の内側に、前記衣服本体の内側と人体側との間の空間を前記ファン装着穴を含む上方空間部と前記ファン装着穴を含まない下方空間部とに区画する筒状の内側生地を有していることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載のファン付きウェア用の衣服。
【請求項6】
衣服本体と、前記衣服本体の内側で襟口の近傍に取り付けられ、前記衣服本体と人体側との間に配置される通気性のスペーサ部材と、前記衣服本体の外部から空気を取り込んで前記襟口から排出する気流を形成するファンユニットを装着するための複数のファン装着穴と、を有し、前記スペーサ部材は前記衣服本体の前面側と背面側にそれぞれ設けられ、
前記衣服本体の内側に、前記衣服本体の内側と人体側との間の空間を前記ファン装着穴を含む上方空間部と前記ファン装着穴を含まない下方空間部とに区画する筒状の内側生地を有していることを特徴とするファン付きウェア用の衣服。
【請求項7】
前記スペーサ部材が前記衣服本体に着脱自在に設けられていることを特徴とする請求項6に記載のファン付きウェア用の衣服。
【請求項8】
前記内側生地が、人体の胴囲の大きさに応じて下端部を密接させる絞り構成を有していることを特徴とする請求項5乃至のいずれか1項に記載のファン付きウェア用の衣服。
【請求項9】
前記衣服本体が、腕や脚の大きさに応じて袖口と脚口を密接させる絞り構成を有していることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載のファン付きウェア用の衣服。
【請求項10】
請求項1乃至9のいずれか1項に記載のファン付きウェア用の衣服と、前記複数のファン装着穴の少なくともいずれかに装着されるファンユニットと、を備えることを特徴とするファン付きウェア。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、服(ウェア)の内側に小型のファンを備え、外気を取り込み、服と体の間に沿って新鮮な空気を流すようにし、その過程で、暑さによりかいた汗を気化させ気化熱により体を冷却して、服の中を通った湿った空気を、襟元や袖口から排出するようにしたファン付きウェア用の衣服及びファン付きウェアに関し、特に、着ぐるみ等の全身を略密閉状態に覆う構成の空調化に好適なファン付きウェア用の衣服及びファン付きウェアに関する。
【背景技術】
【0002】
ファンの回転で外気を服の内方に流通させて汗を気化させ気化熱により冷却するファン付きウェアがある。この種のファン付きウェアは、ファンユニットと該ファンユニットを駆動する電源等を一体的に備えた状態(空調化構成)で使用され、ファンの回転によって外気を服の内方と人体側との間の隙間に強制的に流通させ、人体で生じた汗を気流で蒸発させてその際の気化熱により冷却する原理を利用している。空調化構成の一例を挙げると、例えば特許文献1の図9に記載されているように、ファンユニットは衣服の背面側下方の左右2箇所に配置され、ファンから取り込まれた外気は服と人体側との間の隙間を流通して、襟口や袖口から外部に排出されるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】国際公開2016/170626号
【文献】特許第4067034号公報
【文献】国際公開2003/103424号
【文献】特許第6017069号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、遊園地や商業施設等のイベント会場では、着ぐるみを着たパフォーマーによるアトラクションが行われることがある。着ぐるみは全身を略密閉状態に覆う構成であるため、内部に熱が籠り易く、パフォーマンスの低下を来し易い。特に夏場等の高温環境下では短時間で熱中症気味となり易く、パフォーマーが体調を崩し易い。このような問題を解消すべく、従来の空調化構成を適用しようとした場合、その構成上、ファンユニットの外気取り込み口が外部に露出することを避けられない。ファンユニットは一般的にプラスチックで形成されるため、着ぐるみの生地と材質及び色彩上の違和感が生じ、着ぐるみの外観を損なうことになる。特に有名なキャラクターの着ぐるみでは外観の見劣りは好ましくない。また、着ぐるみは通常の服に比べて重量があるため、襟口の部位から肩口にかけてその重さにより人体側に密接し易い。すなわち、襟口で気流排出の隙間が形成されにくく、小型モータによるファンユニットの吸引力では襟口への気流排出による首筋や頭部の冷却効果はあまり望めない。さらに、着ぐるみは一般的に人体に対して余裕を持った寸法となるため、人体と着ぐるみとの間には容積の大きい空間が存在し、低容量のファンユニットでは気流形成に無駄が生じ易く、人体との間の隙間容積が少ない通常の服におけるような効率的な冷却効果は望めない。
【0005】
本発明は上述の点に鑑みてなされたものであり、その目的は、着ぐるみ等の全身を略密閉状態に覆う構成であっても外観の見劣りを来すことなく良好な冷却機能が得られ、パフォーマンスの向上にも寄与するファン付きウェア用の衣服及びファン付きウェアを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明は、着ぐるみ等の全身を略密閉状態に覆うものに直接空調化構成を施さず、インナーとして使用可能な構成とすることにより、着ぐるみ等の外観の見劣りを来すことなく効率的な冷却機能を得る、という考えに基づいている。
【0007】
具体的には、本発明に係るファン付きウェア用の衣服は、衣服本体(6)と、衣服本体(6)の内側で襟口(8)の近傍に取り付けられ、衣服本体(6)と人体(H)側との間に配置される通気性のスペーサ部材(10a~10c)と、衣服本体(6)の外部から空気を取り込んで襟口(8)から排出する気流を形成するファンユニット(68)を装着するための複数のファン装着穴(12a~12d)と、を有し、スペーサ部材(10a~10c)は衣服本体(6)の前面側(6、6b)と背面側(6c)にそれぞれ設けられていることを特徴とする。
【0008】
本発明に係るファン付きウェア用の衣服によれば、通気性を有するスペーサ部材により襟口の近傍で衣服本体と人体側との間に隙間が形成されるため、当該衣服(衣服本体)にファンユニットを取り付けてファン付きウェアとして使用する場合、着ぐるみの重さに拘わらず、ファンユニットで取り込まれた空気が襟口へ向かって流れる気流が形成され易くなる。これにより、人体で生じた汗が気流で蒸発してその際の気化熱によりファン付きウェア内での冷却機能が得られるとともに、汗をかき易い首筋も良好に冷却される。
【0009】
また、上記のファン付きウェア用の衣服では、スペーサ部材(10a~10c)が衣服本体(6)に着脱自在に設けられていることが好ましい。これによれば、スペーサ部材(10a~10c)を容易に取り外すことができ、洗濯がし易くなるとともに、ファン付きウェア用の衣服の収納保管、流通時の嵩張りをなくすことができる。
【0010】
また、上記のファン付きウェア用の衣服では、スペーサ部材(10a~10c)が、通気可能な立体構造を複数連結して平板状の外郭を有する形状に形成されたスペーサ本体(32)と、該スペーサ本体(32)が収容され、衣服本体(6)に着脱自在なメッシュ状の袋体(34)とを有していることが好ましい。これによれば、インジェクション成形等によりスペーサ本体(32)を容易に一体成形することができ、スペーサ本体(32)をメッシュ状の袋体(34)に収容することにより、スペーサ本体(32)の隙間形成機能及び通気性を保ちつつ、スペーサ本体(32)の劣化を抑制することができる。
【0011】
また、上記のファン付きウェア用の衣服では、ファン装着穴(12a~12d)がファンユニット(68)の使用数と同じか又はそれより多く設けられていることが好ましい。これによれば、外気取り込み口の位置を任意に変えることができ、この衣服(衣服本体)にファンユニットを取り付けてファン付きウェアとして使用する際に、アトラクションの内容やパフォーマンスの内容、あるいはパフォーマーの身体的個性に応じてファン付きウェアの冷却機能の最適化を図ることができる。
【0012】
また、上記のファン付きウェア用の衣服では、ファンユニット(68)が装着されないファン装着穴(12a~12d)を衣服本体(6)の内側から塞ぐ閉塞部材(44)を有し、閉塞部材(44)は衣服本体に着脱自在に設けられていることが好ましい。これによれば、ファンユニットが装着されないファン装着穴が開放されたままとなることによる気流形成の効率低下を抑制できるとともに、特にファン付きウェアが上着として使用される場合の外観の見劣りを抑制することができる。
【0013】
また、上記のファン付きウェア用の衣服では、ファン装着穴(12a~12d)の外側に設けられたメッシュ状の収容部(24、26、28、30)と、ファンユニット(68)が装着されるファン装着穴(12a~12d)に対応する収容部(24、26、28、30)に収容される通気性の外部スペーサ(46)とを有していることが好ましい。これによれば、着ぐるみの内面がファンユニットの外気取り込み口に押し当てられた状態でも外部スペーサの衣服本体の厚み方向を除く方向から空気が流入する通気路が確保されるため、この衣服(衣服本体)にファンユニットを取り付けてファン付きウェアとして使用する際に、ファンユニットによる空気吸引量の低下を抑制でき、良好な冷却機能を維持することができる。
【0014】
また、上記のファン付きウェア用の衣服では、衣服本体(6)の内側に、衣服本体(6)の内側と人体側との間の空間を、ファン装着穴(12a~12d)を含む上方空間部とファン装着穴(12a~12d)を含まない下方空間部とに区画する筒状の内側生地(20)を有していることが好ましい。これによれば、ファン付きウェア内の空間を、襟口から排出するための気流を形成するのに必要最小限の空間に区画することができるので、当該衣服(衣服本体)にファンユニットを取り付けてファン付きウェアとして使用する際に、ファンユニットによって取り込まれた気流が無駄に流れず、襟口から排出するための気流形成を迅速、かつ、効率的に行うことができる。
【0015】
また、上記のファン付きウェア用の衣服では、内側生地(20)が、人体(H)の胴囲の大きさに応じて下端部を密接させる絞り構成を有していることが好ましい。これによれば、人体(H)の胴囲の大きさに拘わらず下方空間部への無駄な気流の流れを高精度に抑制できる。
【0016】
また、上記のファン付きウェア用の衣服では、衣服本体(6)が、腕や脚の大きさに応じて袖口(16a、16b)と脚口(18a、18b)を密接させる絞り構成を有していることが好ましい。これによれば、襟口を除く部分の空気の通りが抑制されるので、襟口から排出するための気流形成が一層効率的となる。
【0017】
さらに、上記したいずれかの構成を備えるファン付きウェア用の衣服と、当該衣服の複数のファン装着穴(12a~12d)の少なくともいずれかに装着されるファンユニット(68)と、を備えることで、本発明のファン付きウェア(2)を構成することができる。
なお、上記の括弧内の符号は、後述する実施形態における対応する構成要素の図面参照番号を参考のために示すものである。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、着ぐるみ等の全身を略密閉状態に覆う構成であっても外観の見劣りを来すことなく良好な冷却機能が得られ、パフォーマンスの向上にも寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の第1実施形態に係るファン付きウェアを示す図で、(a)は正面図、(b)は背面図である。
図2図1で示したファン付きウェアをその肩口と脚口側を切断して内側から見た展開図である。
図3図1で示したファン付きウェアにおけるスペーサ部材のうちの一つの取付構成を示す分解斜視図である。
図4図3で示したスペーサ部材の具体的構成を示す図で、(a)は平面図、(b)は(a)の一部を拡大した斜視図である。
図5図1で示したファン付きウェアのファン装着穴の閉塞構成を示す分解斜視図である。
図6図1で示したファン付きウェアの複数のファン装着穴のうちの一つに対応する外部スペーサの取付構成を示す分解斜視図である。
図7図1で示したファン付きウェアにおけるファンユニットを駆動する電源ユニットを収容する構成を示す分解斜視図である。
図8図1で示したファン付きウェアの脚口の一方の絞り構成を示す要部斜視図である。
図9図1で示したファン付きウェアの上に着ぐるみを着た状態の正面図である。
図10図9で示した着ぐるみを着た状態での概要縦断面図である。
図11図10の要部拡大図で、(a)は襟ぐり周辺の拡大図、(b)は(a)のX-X線での断面図である。
図12】(a)は図1で示したファン付きウェアの上に着ぐるみを着た場合の問題点を説明するための要部断面図、(b)は本発明による問題点を解消する構成を示す要部断面図である。
図13】第2実施形態における図11(a)相当図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0021】
[第1実施形態]
まず、図1及び図2を参照して、本実施形態に係るファン付きウェア2の構成の概要を説明する。図1(a)はファン付きウェア2を前面側(前身ごろ側)から見た図、図1(b)はファン付きウェア2を背面側(後身ごろ側)から見た図である。図2は、ファン付きウェア2をその肩口と脚口側で切断して内側から見た展開図である。
【0022】
着ぐるみ66(図9参照)に対するインナーとしてのファン付きウェア2は、前面側がスライドファスナー4で開閉可能に設けられた衣服(ウェア)本体6と、衣服本体6の内側で襟口8の近傍に取り付けられ、衣服本体6と人体側との間に隙間を形成する通気性のスペーサ部材10a、10b、10cと、衣服本体6の外部から空気を取り込んで襟口8から排出する気流を形成するファンユニット68(図10参照)を装着するための複数のファン装着穴12a~12d等を有している。衣服本体6は、左前身ごろ6a、右前身ごろ6b、後身ごろ6c、襟ぐり14、左袖口16a、右袖口16b、左脚口18a及び右脚口18b等を有している。また、衣服本体6の内側には、衣服本体6の内側と人体側との間の空間をファン装着穴12a~12dを含む上方空間部S1とファン装着穴12a~12dを含まない下方空間部S2とに区画する筒状の内側生地20が備えられている。各ファン装着穴12a~12dは衣服本体6と内側生地20とを貫通して形成されており、それぞれほつれ処理が施されている。ここで、襟口とは、襟ぐりで区画される開口部を意味する。また、人体側は、ファン付きウェア2の着用者が衣服を身に着けている場合にはその衣服の表面を、衣服を身に着けていない場合には身体の表面を意味する。
【0023】
左前身ごろ6aの外側にはファンユニット68を動作させる不図示のスイッチ等の操作ユニットを入れるメッシュ状のポケット22が設けられており、右前身ごろ6bの外側には、着ぐるみ66でファンユニット68の外気取り込み口が塞がれても空気の吸引を可能にする外部スペーサ46(図6参照)を収容するためのメッシュ状のポケット(収容部)24がファン装着穴12aを覆うように設けられている。後身ごろ6cの外側にも同様の理由で、各ファン装着穴12b~12dをそれぞれ覆うようにメッシュ状のポケット(収容部)26、28、30が設けられている。ファン装着穴12a~12dは、ファンユニット68の実際の使用数よりも多く設けられている。本実施形態ではファンユニット68の使用数は2つであるが、ファン装着穴は4つ(12a~12d)設けられている。このように、ファンユニット68の位置を任意に変えることができる構成としているので、アトラクションの内容やパフォーマンスの内容、あるいはパフォーマーの身体的個性に応じてファン付きウェア2の冷却機能の最適化を図ることができる。本実施形態では、右前身ごろ6bのファン装着穴12aと、後身ごろ6cにおける中央のファン装着穴12cの2箇所にファンユニット68を装着した使用形態となっている。なお、複数形成されたファン装着穴に対して、取付けるファンユニット68の個数を調整することにより、取り込む風量も調整することができる。
【0024】
次に、スペーサ部材10a~10cについて詳細に説明する。左前身ごろ6aの内側には、上下方向に延びる直方体状のスペーサ部材10aがその上端が襟ぐり14に近接した状態で着脱に取り付けられている。右前身ごろ6bの内側にも同様に、上下方向に延びる直方体状のスペーサ部材10bがその上端が襟ぐり14に近接した状態で着脱自在に取り付けられている。また、後身ごろ6cの中央には、上下方向に延びる直方体状のスペーサ部材10cがその上端が襟ぐり14に近接した状態で着脱自在に取り付けられている。スペーサ部材10a、10bの上端は、襟ぐり14の形状に沿って斜めにカットされた形状となっている。
【0025】
右前身ごろ6bに取り付けられるスペーサ部材10bを例にその着脱構成を説明する。図3に示すように、スペーサ部材10bは、外郭が直方体状の通気性を有するスペーサ本体32と、該スペーサ本体32が収容されたメッシュ状の袋体34とを有している。袋体34の上端はスペーサ本体32を収容した後に溶着等の方法で閉塞される。右前身ごろ6bの内側にはスナップボタン36の凸部36aが4箇所に固定されており、これに対応して袋体34の右前身ごろ6bに対向する面にはスナップボタン36の凹部36bが4箇所に固定されている。スペーサ部材10a、10cも外郭形状が若干異なるだけで同様の構成となっている。これにより、洗濯時等の際にはスペーサ部材10a~10cを容易に取り外すことができる。なお、衣服本体6と各スペーサ部材10a~10cとの間におけるスナップボタン36の凹凸の配置は逆態様でもよい。
【0026】
スペーサ本体32と袋体34は、人体側の形状に沿って変形する柔軟性を有し、かつ、スペーサ本体32は、衣服本体6及び着ぐるみ66の重みによる人体側との間の押圧力で崩れずに通気性を維持できる強度を有している。スペーサ本体32は、矢印X、Y方向に通気可能な構成を有している。図3ではスペーサ本体32の構成を模式的に示しているが、具体的には、特許文献2の図1及び図2に記載のスペーサを採用している。このスペーサ(スペーサ本体32)は、図4に示すように、通気可能な立体構造である凸部38を可撓連結部40で縦横に連結した構成を有している。凸部38は、枠状部38aと、柱状部38bと、起立連結部38cとから構成され、枠状部38aが可撓連結部40で連結されている。スペーサ本体32は、ポリエチレンやポリプロピレン等の軟質プラスチックや熱可塑性エラストマー等の材料でインジェクション成形方法等により一体成形される。スペーサ本体32は、人体側の形状に沿って変形する柔軟性を有し、かつ、衣服本体6及び着ぐるみ66の重みによる人体側との間の押圧力で崩れずに通気性を維持できる強度を有していればその構造は特に限定されない。スペーサ本体32の構成としては、図4で示した構成の他に、例えば特許文献3の図6及び図7に記載のスペーサを好例として採用することができる。
【0027】
図2に示すように、衣服本体6の内側における各ファン装着穴12a~12dの周囲には面状ファスナー42が固定されている。各ファン装着穴12a~12dのうち、使用されないファン装着穴は、図5に示すように、衣服本体6の内側から矩形の閉塞部材44で塞がれるようになっている。閉塞部材44は周囲に面状ファスナー42に係合する面状ファスナー44aを有しており、各ファン装着穴12a~12dに対する閉塞、開放の着脱操作が容易にできるようになっている。ファンユニット68の装着のために取り外された閉塞部材44は、内側生地20の適宜の位置に固定された不図示の面状ファスナーに係合されて保管される。閉塞部材44は厚手の布生地で形成されている。本実施形態において、衣服本体6と内側生地20は、通気性を有しないか通気性の極めて低い薄手の合成樹脂製の生地で形成されており、柔軟性を有している。
【0028】
図6は、右前身ごろ6bのファン装着穴12aに対応する外部スペーサ46の取付構成を示している。メッシュ状のポケット24は、上方が開口した収容形状を有し、右前身ごろ6bの外面に縫い付け等の方法により固定されている。ポケット24の上端部には布等による止め代24aが形成されており、止め代24aの内側には左右方向に間隔おいて小片状の面状ファスナー48が固定されている。これに対応して右前身ごろ6bの外面には面状ファスナー48に係合する小片状の面状ファスナー50が固定されている。外部スペーサ46は、スペーサ本体32と同様の材質、立体構成及び剛性を有しているので説明は省略する。ポケット24は柔軟性を有する合成樹脂で形成されており、外部スペーサ46を収容した後は、パフォーマーが飛んだり屈んだりした際に外部スペーサ46が抜けないように、面状ファスナー48と面状ファスナー50とが係合されて抜け止めされる。後身ごろ6cにおけるファン装着穴12b~12dに対応する外部スペーサ46の取付構成も同様であるので説明は省略する。また、左前身ごろ6aの外側に固定されているメッシュ状のポケット22も操作ユニットが抜けないようにポケット24と同様の抜け止め構成を有している。
【0029】
図2に示すように、左前身ごろ6aの内側には、ファンユニット68に電力を供給する電源ユニットを装着するための面状ファスナー52が固定されている。図7に示すように、ファンユニット68に電気的に接続される電源ユニット54は、面状ファスナー52を介して左前身ごろ6aの内側に着脱自在に取り付けられるメッシュ状のボックス56に収容される。ボックス56は面状ファスナー52に係合する面状ファスナー58を有しており、ポケット24等と同様の材料で形成されている。電源ユニット54を収容した後は、ボックス56の上端部の内方に対向して固定された小片の面状ファスナー60同士を係合して抜け止めされる。図7において、符号56aは止め代を示している。
【0030】
図1(b)及び図2に示すように、左袖口16a、右袖口16b、左脚口18a、右脚口18b及び内側生地20の下端部20aは、内部に紐を通したパイピング構成となっており、それぞれ腕や脚、胴囲の大きさに応じて密接に塞ぐ絞り手段62を有している。これらの絞り構成を右脚口18bを例にとって説明すると、図8に示すように、パイピング18b-1内には紐64が通されており、絞り手段62は、パイピング18b-1の背面側に形成された紐出し穴に固定されたハトメ62aと、バネを内蔵した紐ストッパ62bとを有している。紐64を絞ることにより脚の大きさ応じて密接に塞ぐことができ、右脚口18bの空気の通りを抑制することができる。左袖口16a、右袖口16b、左脚口18a及び内側生地20の下端部においても同様の絞り構成となっている。図1(a)では内側生地20の絞った状態を仮想線で示している。
【0031】
図9は、ファン付きウェア2の上に着ぐるみ66を着た状態を示している。インナーとしてのファン付きウェア2は、左袖口16a、右袖口16b、内側生地20の下端部、左脚口18a及び右脚口18bがそれぞれの絞り手段62により絞られており、装着者の体にフィットした状態となっている。すなわち、ファン付きウェア2において、襟口8のみが開放された状態となっている。左袖口16a、右袖口16b、内側生地20の下端部20a、左脚口18a及び右脚口18bを絞って体にフィットさせることにより、襟口8へ向けて空気を効率的に排出することができるだけでなく、パフォーマーの動きに対するファン付きウェア2のずれをなくすことができ、結果的に着ぐるみ66を着たパフォーマーのパフォーマンスを向上させることができる。なお、左袖口16a、右袖口16b、内側生地20の下端部20a、左脚口18a及び右脚口18bの絞り具合を調整することにより、必要に応じて着用者の脇下部や下腹部にも空気を流通させることが可能となる。
【0032】
図10は、右前身ごろ6bのファン装着穴12aと後身ごろ6cのファン装着穴12cとを通る線での概要縦断面図である。ファン装着穴12a、12cにはそれぞれファンユニット68が装着されており、これに対応するポケット24、28には上述の外部スペーサ46が収容されている。ファン付きウェア2の前面側と背面側のファンユニット68で吸引されて衣服本体6の内方へ取り込まれた外気、すなわちファン付きウェア2と着ぐるみ66との間の空間の空気は、矢印で示すように、内側生地20で区画された上方空間部S1において、人体Hの胴部Haの周囲を陽圧下で上方に向かって流れる気流となる。この気流は、スペーサ部材10a、10b、10cを通って襟口8から排出され、人体Hの首筋Hbに沿って流れる。これにより、人体Hから生じた汗が気流で蒸発してその際の気化熱によりファン付きウェア2内での冷却機能が得られる。これに加えて、汗をかき易い首筋Hbも良好に冷却される。すなわち、太い血管が通って汗をかき易く熱中症対策からも重要な冷却対象部位となる首筋Hbを効果的に冷却することができる。
【0033】
上述のように、ファン付きウェア2の左袖口16a、右袖口16b、左脚口18a及び右脚口18bは絞り手段62で空気の通りを抑制されているので、ファンユニット68で取り込まれた外気による気流は襟口8に向かって集約的に流れることになる。また、本実施形態では、内側生地20によるファン付きウェア2内の空間間仕切り構成によって下方空間部S2に気流が流れないので、ファンユニット68によって取り込まれた気流が無駄に流れず、襟口8から排出するための気流形成が迅速、かつ、効率的に行われる。したがって、内側生地20によってファン付きウェア2内の空間を区画する構成は、ファンユニット68の小型化にも寄与する。ファン付きウェア2の左袖口16a、右袖口16b、左脚口18a及び右脚口18bを絞って空気の通りを抑制しているので、内側生地20による区画構成は必ずしも必要ではないが、区画することにより襟口8から排出するための気流形成が一層効率的となる。
【0034】
図11(a)に示すように、スペーサ部材10a、10b、10cは人体H側の形状に沿って変形し、かつ、通気性を維持できる形状を保つ。スペーサ部材10a、10b、10cの存在によって、襟ぐり14は人体Hからそれぞれ寸法d分離れた状態に維持される。これにより、図11(b)に示すように、襟ぐり14の部位では、スペーサ部材10a、10b、10cによる通気路とは別に前面側に空気排出口となる隙間70aが、背面側に空気排出口となる隙間70bがそれぞれ形成される。すなわち、スペーサ部材10a、10b、10cによって襟口8における気流の排出口面積が増大されている。本実施形態では上述のように、スペーサ部材10a、10b、10cはこれらの上端が襟ぐり14に近接した状態で配置されているが、襟口8における気流の排出口面積の増大化が阻害されない範囲(近傍)で各スペーサ部材10a、10b、10cの上端を襟ぐり14から離してもよい。
【0035】
スペーサ部材10a、10b、10cの存在によって、衣服本体6及び着ぐるみ66の重さに拘わらず隙間70a、70bが確実に形成されるので、スペーサ部材10a、10b、10cの通気性とも相まって、襟口8からの空気排出量を増大させることができる。これにより、全身を略密閉状態に覆う着ぐるみ66内であっても高い冷却機能が得られる。これらの隙間70a、70bはスペーサ部材10a、10b、10cの機械的強度によって維持されるので、襟口8からの空気の良好な排出機能を人体Hの動きの変化に拘わらず得ることができる。首筋Hbを流れる空気量が多くなることにより、熱中症対策の観点からも良好な冷却機能を得ることができる。スペーサ本体32の衣服本体6の厚み方向における高さは、良好な冷却機能を得る観点から少なくとも3mmとするのが望ましい。
【0036】
本実施形態のファン付きウェア2は、着ぐるみ66の中に着るインナータイプであるので、着ぐるみ66自体には何ら空調化構成は存在せず、よって空調化による外観の見劣りも生じない。パフォーマーの動きによっては、図12(a)に示すように、着ぐるみ66の内面がファンユニット68の外気取り込み口に強く押し当てられた状態となる場合があり得る。このような状態になると、ファンユニット68による空気吸引量が大きく低下又は消失し、良好な冷却機能が得られないおそれがある。しかしながら、上述の通り、本実施形態のファン付きウェア2では、ファンユニット68が装着されるファン装着穴12a、12cの外側には外部スペーサ46が収容されたメッシュ状のポケット24、28が設けられている。このため、図12(b)に示すように、着ぐるみ66の内面がファンユニット68の外気取り込み口に強く押し当てられた状態になっても外部スペーサ46の衣服本体6の厚み方向を除く側面から空気が流入する通気路が確保されるため、ファンユニット68による空気吸引量の低下が抑制され、良好な冷却機能が得られる。
【0037】
ここで、ファンユニット68の構成を簡単に説明する。ファンユニット68は、例えば特許文献4に記載されているような従来から知られている構成のものである。すなわち、ファン72と不図示のモータを一体に備えた円筒状のファン収納部74をファン装着穴12a、12cに挿入して該ファン収納部74が一体に有する通気性フランジ74aを衣服本体6の外面に宛がい、衣服本体6の内側から係止用フランジ76をファン収納部74に係合・回転させて挟み込んで固定する構成を有している。通気性フランジ74aは円形で、衣服本体6の表面に平行かつ面一な状態で露出する。
【0038】
[第2実施形態]
図13を参照して本発明の第2実施形態を説明する。図13においても図11等と同様にスペーサ部材10a、10b、10cで示した袋体34に相当する構成を省略し、且つ模式的に表示している。なお、第1実施形態で既に説明した部分は同一符号で示して説明は適宜省略する。衣服本体6の左前身ごろ6aの内側に配置されるスペーサ部材10a-1と、右前身ごろ6bの内側に配置されるスペーサ部材10b-1は、スペーサ本体32を衣服本体6の厚み方向に2つ積層したものを袋体34と同様構成の不図示の袋体に収容した構成を有している。後身ごろ6cの内側に配置されるスペーサ部材10c-1も同様の積層構成を有している。
【0039】
スペーサ本体32の積層構成により、図11(a)で示した襟ぐり14の部位におけるスペーサ部材10a-1、10b-1、10c-1自体の通気路や隙間の開口度を大きくすることができ、空気の襟口8からの排出量を一層大きくすることができる。このため、冷却機能を一層向上させることができる。図13で示す構成ではスペーサ本体32を2段に重ねており、隙間寸法d´は図11(a)で示した構成の2倍となる。
【0040】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲、及び明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内において種々の変更が可能である。例えば、上記各実施形態では、スペーサ部材10a、10b、10cをスナップボタン36で着脱自在に設ける構成としたが、面状ファスナーで着脱自在に設ける構成としてもよく、さらには襟口8の近傍に縫い付け等の手段により衣服本体6と一体に固定してもよい。また、前面側がスライドファスナーで開閉される衣服本体6を例示したが、背面側がスライドファスナー4で開閉される衣服本体6でもよく、また、開閉手段はスライドファスナー4に限定されず、ボタンやホック等でもよい。なお、上記各実施形態では、スペーサ本体及びこのスペーサ本体を収容するメッシュ状の袋体とからなるスペーサ部材をスナップボタン等で衣服本体に着脱自在に設ける構成としたが、これ以外にも、図示は省略するが、衣服本体にメッシュ状部材を縫合、接着等の方法で固定し、衣服本体とメッシュ状部材とで袋状の空間を形成し、形成された袋状の空間にスペーサ本体の収納、収納状態からの取り外しが可能となるように構成しても良い。さらに、左袖口16a、右袖口16b、左脚口18a、右脚口18b及び内側生地20の下端部20aはゴム紐等の弾性部材で常時絞られた構成としてもよい。また、不使用のファン装着穴12b、12dを衣服本体6内側から閉塞部材44で着脱自在に塞ぐ構成としたが、衣服本体6の外面側から着脱自在に塞ぐようにしてもよい。また、スペーサ本体32の積層数は上記に限定されず、3層以上であってもよい。また、ファン付きウェア2を着ぐるみ66のインナーとして使用したが、人体側との間に隙間が形成されやすいつなぎ服等のインナーとしても使用でき、さらには、インナーではなく通常の上着として使用しても同様の冷却機能を得ることができる。
【符号の説明】
【0041】
2 ファン付きウェア
4 スライドファスナー
6 衣服(ウェア)本体
6a 左前身ごろ(前面側)
6b 右前身ごろ(前面側)
6c 後身ごろ(背面側)
8 襟口
10a、10b、10c、10a-1、10b-1、10c-1 スペーサ部材
12a、12b、12c、12d ファン装着穴
14 襟ぐり
20 内側生地
22、24、26、28、30 ポケット(収容部)
32 スペーサ本体
34 袋体
36 スナップボタン
36a 凸部
36b 凹部
44 閉塞部材
46 外部スペーサ
62 絞り手段
66 着ぐるみ
68 ファンユニット
70a、70b 隙間
H 人体
S1 上方空間部
S2 下方空間部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13