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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-29
(45)【発行日】2025-02-06
(54)【発明の名称】配合物および消泡剤としてのその使用
(51)【国際特許分類】
   B01D 19/04 20060101AFI20250130BHJP
   C09D 201/00 20060101ALI20250130BHJP
   C09D 7/63 20180101ALI20250130BHJP
   C09D 7/20 20180101ALI20250130BHJP
   C09D 7/61 20180101ALI20250130BHJP
   B32B 27/00 20060101ALI20250130BHJP
   B32B 27/20 20060101ALI20250130BHJP
【FI】
B01D19/04 A
B01D19/04 B
C09D201/00
C09D7/63
C09D7/20
C09D7/61
B32B27/00 101
B32B27/20 Z
【請求項の数】 13
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020212125
(22)【出願日】2020-12-22
(65)【公開番号】P2021109174
(43)【公開日】2021-08-02
【審査請求日】2023-10-12
(31)【優先権主張番号】20150732.4
(32)【優先日】2020-01-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】519414848
【氏名又は名称】エボニック オペレーションズ ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】Evonik Operations GmbH
【住所又は居所原語表記】Rellinghauser Strasse 1-11, 45128 Essen, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】110002538
【氏名又は名称】弁理士法人あしたば国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アレキサンダー シュルツ
(72)【発明者】
【氏名】フィリップ ファブレス
(72)【発明者】
【氏名】サッシャ ヘルワース
(72)【発明者】
【氏名】フランク シューベルト
(72)【発明者】
【氏名】マッティアス ロベルト
(72)【発明者】
【氏名】ヨハネス トロエンドリン
(72)【発明者】
【氏名】トーマス トマッラ
(72)【発明者】
【氏名】トルシュテン シールレ
(72)【発明者】
【氏名】ミヒャエル ギッペルト
(72)【発明者】
【氏名】ヨナス ウルバス
【審査官】池田 安希子
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-137963(JP,A)
【文献】特開平02-229538(JP,A)
【文献】特開昭49-024889(JP,A)
【文献】特開2005-013894(JP,A)
【文献】特開2011-126998(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 19/00 - 19/04
C09D 1/00 - 10/00
C09D 101/00 - 201/10
B32B 1/00 - 43/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリエーテルシロキサン、エステル基を末端基とし、ポリエーテルシロキサンとは異なるポリエーテル及び任意成分として、ヒュームドシリカ又は水からなる配合物であって、前記ポリエーテルが、完全な配合物に対して0.5~10重量%の量で配合物中に存在することを特徴とする、配合物。
【請求項2】
前記ポリエーテルが、スルフェート基、ホスホリレート基またはマレエート基から選択されるエステル基を末端基とすることを特徴とする、請求項1に記載の配合物。
【請求項3】
前記ポリエーテルがスルフェート基を末端基とすることを特徴とする、請求項1または2に記載の配合物。
【請求項4】
前記ポリエーテルが、酸基であることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の配合物。
【請求項5】
前記ポリエーテルが、完全な配合物に対して0.75~7.5重量%の量で存在することを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の配合物。
【請求項6】
消泡剤配合物であることを特徴とする、請求項1からのいずれか一項に記載の配合物。
【請求項7】
ポリエーテルシロキサンが、式(I)
【化1】
[式中、
平均分子中のR、RおよびRは同一でも異なっていてもよく、1~30個の炭素原子を有するアルキルラジカル、または-Z-(C2nO-)ラジカル(式中、Rは、水素ラジカルまたは1~8個の炭素原子を有するアルキルラジカルであり、
Zは、-O-、-(CH-O-または-CH-CH(CH)-CH-O-の式の二価ラジカルであり、p=2~6であり、
nは、2.7~4.0の平均数値であり、
mは、5~130の平均数値である)
を表し、
aおよびa’は一緒に4~1500の平均数値を有し、
bおよびb’は一緒に0~100の平均数値を有し、
cおよびc’は一緒に0~50の平均数値を有する]
により記載される一般式のものであることを特徴とする、請求項1からのいずれか一項に記載の配合物。
【請求項8】
式(I)中、b+b’、c+c’は>0であり、R、R、およびRは-Z-(C2nO-)ラジカルであり、Rは水素ラジカルまたは1~8個の炭素原子を有するアルキルラジカルであり、Zは式-O-、-(CH-O-または-CH-CH(CH)-CH-O-の二価ラジカルであり、p=2~6であり、モル重量(Mn)>1000であることを特徴とする、請求項に記載の配合物。
【請求項9】
消泡組成物の製造のための方法であって、請求項1からのいずれか一項に記載の配合物を、消泡される組成物に添加することを特徴とする、方法。
【請求項10】
配合物が、消泡される組成物に対して0.05~2重量%の量で、組成物に添加される、請求項に記載の方法。
【請求項11】
消泡される組成物が、コーティング剤、塗料およびワニスから選択されることを特徴とする、請求項または10に記載の方法。
【請求項12】
請求項1からの一項に記載の配合物を、組成物に対して0.05~2重量%の量で含む、組成物。
【請求項13】
コーティング剤、塗料またはワニスであることを特徴とする、請求項12に記載の組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリエーテルシロキサンを含む配合物であって、エステル基を末端基とし、ポリエーテルシロキサンとは異なるポリエーテルが、完全な配合物に対して0.5~10重量%の量で配合物中に存在することを特徴とする、配合物;消泡組成物の製造のための方法であって、本発明の配合物を、消泡される組成物に添加する、方法;およびコーティング剤、塗料またはワニスである、本発明による配合物を含む組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
消泡剤は、流体材料系における気泡の合体の促進をもたらす。この結果として、泡状物の形成が回避され、または相当に減少する。消泡剤を添加する前に泡状物分画が既に存在する場合、前記分画は不安定化される。消泡剤の製品分類は、既に多くの製品分野において数十年間使用されている。これらの製品の例には、食品、医薬、化粧品、紙、塗料およびコーティングが挙げられる。
【0003】
多くの周知の消泡剤は、US6,605,183、US5,914,362、US5,846,454およびUS4,690,713に記載されている。一般的に、これらはシリコーン油(ポリエーテル修飾されたシロキサン)および/またはシリカ粒子をベースとする。これらの消泡剤は、例えばEvonik Resource Efficiency GmbHからTEGO(登録商標)Antifoam、TEGO(登録商標)Foamex、およびTEGO(登録商標)Airexの商標名で入手可能である。
【0004】
これらの消泡剤のいくつかは非常に良好な消泡性能を示すが、一部のコーティング組成物と相溶性がなく、結果として、最終的なコーティングが欠陥、例えば陥没孔を示すことが多くの場合観察された。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】US6,605,183
【文献】US5,914,362
【文献】US5,846,454
【文献】US4,690,713
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、本発明の目的は、消泡能力を低減させることなく、ポリエーテルシロキサンをベースとする周知の消泡剤の相溶性を高めることであった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
驚くべきことに、この課題は、ポリエーテルシロキサンと、エステル基を末端基とし、完全な配合物に対して0.5~10重量%の量で配合物中に存在するポリエーテルとを含む、請求項1に記載されている本発明による配合物を使用することにより解決することができることを、本発明者らは見出した。
【0008】
本発明は、したがって、ポリエーテルシロキサンを含む配合物であって、エステル基を末端基とし、ポリエーテルシロキサンとは異なるポリエーテルが、完全な配合物に対して0.5~10重量%の量で配合物中に存在することを特徴とする、配合物を提供する。
【0009】
本発明は、消泡組成物を製造するための方法であって、本発明の配合物を、消泡される組成物に添加する、方法も提供する。
【0010】
本発明は、コーティング剤、塗料またはワニスである、本発明による配合物を含む組成物をさらに提供する。
【0011】
本発明による配合物は、周知の消泡剤配合物と比較して、最終的なコーティングにおいて欠陥を形成することなく、良好なまたはさらにより良好な消泡能力を達成するという利点を有する。本発明による配合物の使用は、水性コーティング組成物において特に有利である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明による配合物、組成物、方法および使用を以降に実施例を用いて記載するが、これは本発明をこれらの例示的な実施形態に制限することをけっして意図するものではない。化合物の範囲、一般式または分類を以下に指定する場合、これらは明白に言及されている一致する範囲または群の化合物だけではなく、個々の値(範囲)または化合物を省くことにより得ることができるすべての部分範囲または部分群の化合物をも包含することを意図する。文書が本記載の文脈において引用される場合、それらの内容は、特に言及される事柄の観点から、本発明の開示内容の一部を十分に形成するであろう。以下で指定されるパーセンテージは、特に指示の無い限り重量によるものである。平均値が以下で報告される場合、これらは特に指示の無い限り数値の平均である。材料の特性、例えば粘度等が以下で言及される場合、これらは特に指示のない限り、25℃での材料の特性である。本発明において化学(実験)式が使用される場合、指定された指数は、絶対数であるだけでなく平均値でもある。
【0013】
本発明は、したがって、ポリエーテルシロキサンを含む配合物であって、エステル基を末端基とし、ポリエーテルシロキサンとは異なるポリエーテルが、完全な配合物に対して0.5~10重量%の量、好ましくは0.75~7.5重量%の量、およびより好ましくは1~5重量%の量で配合物中に存在することを特徴とする、配合物を対象とする。好ましくは、エステル基を末端基とするポリエーテルは、Si原を含有しない。好ましくは、エステル基を末端基とするポリエーテルは、スルフェート基、ホスホリレート基またはマレエート基から選択されるエステル基を末端基とする。エステル基を末端基とするポリエーテルは、エステル基としてのスルフェート基を末端基とすることがより好ましい。
【0014】
本発明によると、エチレンオキシドをベースとするオキシエチレン単位、またはプロピレンオキシドをベースとするオキシプロピレン単位、またはオキシエチレン単位とオキシプロピレン単位との混合物のいずれかを含有する、エステル基を末端基とする任意のポリエーテルを使用することができる。好ましくは、エステル基を末端基とするポリエーテルは、400g/molと10000g/molとの間の平均分子量数を有する。1~4個のヒドロキシ基を有する誘発剤、特にメタノール、エタノール、アリルアルコール、1-プロパノール、イソプロパノール、1-ブタノール、2-ブタノール、イソブタノール、1-ヘキサノールおよび8~20個の炭素原子を有する脂肪アルコール等の一ヒドロキシ官能性アルコールに由来するポリエーテルが好ましい。ポリエーテルは、両方の(すべての)末端において、エステル基を末端基とするであろう。好ましいポリエーテルは、1個の末端エステル基のみを有するものである。エステル基を末端基とするポリエーテルは、好ましくはポリプロピレングリコールモノブチルエーテルである。より好ましくは、エステル基を末端基とするポリエーテルは、スルフェート基を末端基とするポリプロピレングリコールモノブチルエーテルである。
【0015】
ポリエーテルシロキサンのポリエーテルは、エステル基を末端基としないことが好ましい。
【0016】
本発明による配合物は、シリカ、好ましくはヒュームドシリカを含むと有利であろう。本発明の配合物中に存在するシリカの量は、完全な配合物に対して好ましくは0.1~8重量%、より好ましくは2~5重量%である。
【0017】
本発明の配合物は、1種または複数の溶媒を含んでもよい。水が本配合物中に溶媒として存在することが有利であり得る。さらなる溶媒、例えば有機溶媒は、本発明の配合物中に存在することができる。しかし、本発明による好ましい配合物は、完全な配合物に対して5重量%未満、より好ましくは1重量%未満の有機溶媒を含む。
【0018】
本発明による配合物が水を含む場合、配合物は、好ましくはエマルション、より好ましくは水中油型エマルション(O/W型エマルション)である。本発明による配合物がエマルションである場合、エマルションは好ましくはマクロエマルションである。エマルションは、好ましくは1種または複数の好適な乳化剤、増粘剤、および/または好ましくは殺生物剤をさらに含有する。
【0019】
ポリエーテルシロキサンのポリエーテルラジカルは、Si-C結合またはSi-O-C結合を介してシロキサン骨格に連結されてもよい。好ましくは、本発明による配合物はポリエーテルシロキサンを含み、ポリエーテルラジカルはSi-O-C結合を介してシロキサン骨格に連結される。
【0020】
本発明による配合物中に存在するポリエーテルシロキサンのシロキサン骨格は、任意の種類、例えば直鎖または分岐鎖であってもよい。直鎖シロキサン骨格を有するポリエーテルシロキサンを使用する場合、末端ポリエーテル基を有するポリエーテルシロキサンを使用することが好ましい。直鎖または分岐鎖のポリエーテルシロキサンは、塩素、アルコキシおよびアセトキシ方法等の、任意の周知の合成方法により得ることができる。
【0021】
本発明による配合物中に存在するポリエーテルシロキサンのシロキサン骨格は、最も好ましくは、式(I)
【0022】
【化1】
(I)
【0023】
[式中、平均分子中のR、RおよびRは同一でも異なっていてもよく、1~30個、好ましくは8~22個の炭素原子を有するアルキルラジカル、または-Z-(C2nO-)ラジカル(式中、Rは水素ラジカルまたは1~8個の炭素原子を有するアルキルラジカルであり、Zは、式、-O-、-(CH-O-または-CH-CH(CH)-CH-O-の二価ラジカルであり、p=2~6であり、nは2.7~4.0の平均数値であり、mは5~130の平均数値である)を表し、aおよびa’は一緒に4~1500の平均数値を有し、bおよびb’は一緒に0~100の平均数値を有し、cおよびc’は一緒に0~50の平均数値を有する]
により記載される一般式のものである。
【0024】
より好ましくは、本発明の配合物は、式(I)(式中、b+b’、c+c’>0、好ましくは2であり、R、R、およびRは-Z-(C2nO-)ラジカルであり、Rは水素ラジカルまたは1~8個の炭素原子を有するアルキルラジカルであり、Zは式-O-、-(CH-O-または-CH-CH(CH)-CH-O-の二価ラジカルであり、p=2~6であり、モル重量(Mn)>1000g/molであり、好ましくはそれぞれMnが1.000と6.000g/molとの間およびMwが8.000~20.000g/molであり、より好ましくはそれぞれMnが2.000~5.000g/molおよびMwが10.000~16.000g/molである)により記載されるポリエーテルシロキサンを含む。GPC曲線は単峰性であっても多峰性であってもよく、好ましくは多峰性である。
【0025】
本発明による配合物は、好ましくは消泡剤配合物である。
【0026】
消泡組成物を製造するための本発明による方法は、本発明による配合物を、消泡される組成物に添加することを特徴とする。好ましくは、配合物は、消泡される組成物に対して0.05~2重量%、より好ましくは0.1~0.5重量%の量で、組成物に添加される。
【0027】
本発明の(消泡される)組成物は、任意の種類とすることができる。好ましくは、本発明の組成物は、印刷用インク、オーバープリントワニスおよび他の塗料、ラッカー、インク、染料および顔料製品、ならびにアナログもしくはデジタルのコーティングまたは印刷工程を介して塗布されるコーティングから選択される。
【0028】
本発明の(消泡される)組成物は、フィルム、紙、カード、ボール紙、折畳み箱、ポーチ、バッグ、壁紙、小袋、衛生紙、ラベル、飲料用紙パック、板、木材表面、金属表面、プラスチック表面、ガラスおよび/またはセラミックスの印刷に特に好適である。
【0029】
特に良好な結果は、本発明の組成物が包装およびコーティング産業における製品、例えば、包装ならびに紙およびボール紙包装から作製された消費物品等に使用される場合に得ることができる。
【0030】
これらには特に以下のものが挙げられる:
- 段ボール(例えば、多様な異なる裏打ち紙(例えばボーガスペーパー、ブラウンボード、クラフトライナー、テストライナー、ならびに片面および両面コーティングされた単数および複数ボリューム品質(single- and multiple-volume qualities)のもの、例えばGD2またはKemiart Ultra)を有する、産業界および芸術/創造部門において使用される片面および複面品質のフルート型(例えばA、B、C、またはEフルート))
- 折畳み箱(例えば乾燥した食品、医薬および他の乾燥した品を包装するための片面コーティングされた品質、湿った、脂性の、または油性の品(例えば冷凍食品または脂肪)のための、両面コーティングされたおよび/またはラミネートされた品質)
- バッグ(例えばベーカーバッグ、手提げ紙袋、乾燥した、湿った、および脂性の品のための一重袋および重袋)
- 小袋(例えばセメント、猫砂、種子または乾燥飼料のような品のための一重小袋および重小袋)
- 衛生紙(例えばナプキン、キッチンタオル、化粧用ティッシュおよびトイレットペーパーであり、ウェットティッシュ(moist tissue)および含浸パッドも含む)
- 無菌梱包箱(例えばTetraPak(登録商標)、SIG Combibloc(登録商標)またはElopak(登録商標)からの包装)、ならびに
- 他の無菌ボール紙包装。
【0031】
プラスチックから作製された包装および消費物品の使用も、同様に好ましい。これらには特に以下のものが挙げられる:
- 単層形態の、または多層の複合物としての(ラミネートとも称される)、包装フィルム(例えば、PE、PP、OPP、BOPP、PET、PEN(ポリエチレンナフタレート、例えばTeonex(登録商標))、ポリエステル(例えばHostaphan(登録商標)またはMelinex(登録商標))、水和セルロースフィルム(Cellophan(登録商標))、PVC(ポリ塩化ビニル)、「バイオフィルム」、例えばPLA(ポリ乳酸)までを含む)、
- 保護フィルム、分離フィルム、装飾フィルム、(例えばKonrad Hornschuch AGからのd-c-fix(登録商標)、キャリアフィルム、転写フィルム、バリアフィルム、おむつフィルム(nappy film)、医療用フィルム、機能化フィルムおよび一般的な使用における他のフィルム
- 剛性プラスチック材料、例えばプラスチックシート(例えばRohm GmbHからのPlexiglas(登録商標)、ポリカーボネートシート、例えばMakrolon(登録商標)、PVCシート等)。
【0032】
加えて、金属基板への使用も可能であり、好ましい。これには、特に、アルミニウムホイルまたはアルミニウムを含有する複合材料(例えばヨーグルトポットの蓋、調理済み食品および動物栄養の蓋、医療用製品の包装および類似の包装のような)、ならびに複合シート(例えばDiBond(登録商標))ならびに金属シート(金属包装、例えばビスケット缶、標識、金属パネルおよび類似の消費物品のための)が挙げられる。
【0033】
加えて、使用は、建築および家具産業界、特にシート材料、例えば化粧板(例えばTrespa(登録商標)Meteon(登録商標)もしくはResopal(登録商標)(高圧ラミネート)またはEternit(登録商標)(繊維セメントシート)の商標名で入手可能)、内装および外装の使用のためのシートおよびパネル(例えばGFRP(ガラス繊維強化プラスチック)、Plexiglas(登録商標)、複合材料またはプラスチックから作製されたパネル(例えばDeceuninckからのPVCパネル))、乾式施工用ボード(例えばセッコウボード(例えばSaint-Gobain Rigips GmbHからのRigipsボード、またはKnauf Gips KGからのDrystarボードもしくはAquapanel(登録商標))、セッコウファイバーボード(例えば、Fermacell GmbHからのFermacell(登録商標))および他のもの、例えばセッコウブロックおよびスクリード構成要素)、ラミネート床(例えばKronotexからの装飾MDFシート(中密度繊維ボード))、ならびに家具および内装仕上げのための多様な異なるシート型(MDF、OSB(配向性ストランドボード)、合板(接着されたベニヤ層から作製されたシート)、マルチプレックスシート(異なる厚さおよび増大した強度の、ベニヤ層を有する合板の特定の型)、スクリーン印刷されたシート(スクリーン印刷によりフェノール系樹脂コーティングおよび型押しされた合板シート)、接着されたラミネートされた木材(接着され部分的にほぞ継ぎにされた固体の木で構成されたシート等)についても非常に可能であり好ましい。
【0034】
加えて、ガラスおよびセラミックス表面への使用も可能であり、好ましい。これらには特に、びん、ガラス、ならびにガラスおよびセラミックス材料で作製された他の容器(例えば、陶磁器または工業用セラミックス、例えば高温での適用のための断熱材またはるつぼ)、ならびに多様な異なる種類の板ガラスおよび面状セラミックス材料(例えば板ガラス(平坦、または多様な異なる曲率)、タイル、工業用セラミックス、例えば耐熱タイル)、安全ガラス(例えばSecurit(登録商標)または防弾ガラス)、ならびに工業用ガラス(例えば眼鏡用レンズ、レンズ、窓ガラス等)を明白に含む、多様な異なる強化されたまたはコーティングされたガラスおよびセラミックスが挙げられる。
【0035】
加えて、本発明の配合物の使用は、化粧用製品、例えばマニキュアにおいて、また万年筆、製図ペン、フェルトペン、ボールペンおよび他の筆記具における使用または塗布のための、インク、インディアンインクおよび他の顔料製品も可能であり好ましい。
【0036】
工業的および芸術的方法、例えば浸漬、噴霧、ローリング、ブラシの適用、型の適用、エアブラシ、カーテン塗布を用いた塗布のための、塗料、インク、インディアンインクならびに他の塗料およびワニス製品における本発明の配合物の使用も、さらに可能であり好ましい。
【0037】
本発明の(消泡)組成物を使用した(コーティングした)基材は、原則として、当業者に周知の任意の印刷可能かつコーティング可能な基材であり得る。これは、可撓性および剛性の基材の両方を意味する。
【0038】
以降に言及される基材は、より良好な例示としての役割を果たすことを意図され、特に好ましいが、これらの特定の基材への制限として考えられるべきではない。
【0039】
これらの適用における好適な基材には、慣習上市場に出ている様々な最終使用において使用される、多様な異なる品質のものが挙げられる。
【0040】
段ボールの最終使用では、コーティングされていない紙、例えばクラフトライナー、テストライナーおよびボーガスペーパーが存在する。これらの紙の品質の場合、裏打ち紙の印刷適性は、製品中に使用される古紙の割合および品質により相当影響を受ける。具体的に、通常ボーガスペーパーの場合のような雑多な古紙の割合が高い品質は、鮮明な印刷のために、定義された作用を有する消泡剤を必要とする。加えて、特に高品質の包装のための段ボールの場合、コーティングされた紙、例えばコーティングされたクラフトライナー(例えばMetsaBoardからのKemiart Ultra品質のもの)およびコーティングされたテストライナー(例えばPapyrusのような製造者により供給されるようなTopliner GD2)が高頻度に使用される。そのような種類の紙のコーティングは、印刷に必須の2つのパラメーターである、泡および泡状物の形成に影響を与える。泡および泡状物は、均質なコーティングを達成することを困難にし、定義された作用を有する消泡剤の使用を必要とするであろう。加えて、特定の適用、例えばパン生地および他の製菓材料の包装、または湿度感受性の品、例えば粉末の包装のための段ボールの場合、プラスチック、例えばPEまたはPETでコーティングされた紙の品質が使用される。加えて、バリアコーティング(例えばMichelmanからのX300グリースバリアコーティング)を備える紙の品質は、脂性の品(例えば食用油)の二次包装の製造にも使用される。
【0041】
折畳み箱および類似のボール紙包装の最終使用では、主にコーティングされた紙およびカードの品質が使用される。印刷適性および使用される基材に対する要求は、段ボールの最終使用について既に記載されたものと類似している。
【0042】
ポーチおよびバッグの最終使用では、通常、100g/m2未満のグラム重量を有するクラフト紙およびナトロン紙が使用される。これらは一般的に、されたとしても軽度にコーティングされるのみであり、カレンダー加工により圧縮される。印刷の特徴は、段ボールの製造のためにコーティングされた紙のものと類似している。包装バッグ、例えばベーカーバッグおよびブッチャーバッグの染色堅ろう度(長期にわたる接触が必要とされるDIN EN 646による堅ろう度)に対する高い規制の要求の結果として、定義された有効性および最小の移動可能性に関する要求は、これらの包装材料に対する塗料およびワニスの場合に特に高い。
【0043】
小袋包装の最終使用では、様々なコーティングされていないおよびコーティングされた紙が、裏打ち紙として使用される。産業界において角底袋(block bottom sack)とも称される小袋は、これらの性質および品の特定の重量により、様々な紙および/またはプラスチックの層から構成された多層構造を有する。包装される品により、裏打ち紙ならびに印刷のために使用される印刷用インクおよび印刷用ワニスに対する要求の両方に変動が存在する。具体的には、動物用の乾燥飼料または種子のような品の場合、消泡に関する要求は高い。その上、表面の耐摩耗性、耐ブロッキング性および定義された防滑性に関する高い要求は、組成物の性能に対して大きな課題をもたらし、これは組成物の特性が塗布される塗料またはワニスフィルムの均一性と密接に関係するためである。
【0044】
新聞紙の最終使用では、様々な通常コーティングされていない紙、およびコーティングされた紙も、裏打ち紙として使用される。印刷では、消泡剤は、フレキソ印刷、グラビア印刷、スクリーン印刷のような方法またはデジタル印刷方法、例えばインクジェット印刷が利用されている場合に使用される。この最終使用における消泡剤の性能についての課題は、特に最大1000m/分の速度に到達する非常に高速な印刷機の場合、基材の速度である。これは、泡および泡状物の回避のために極めて重要である。
【0045】
フォーム印刷およびピンストライピングインクの最終使用では、様々な紙の品質、通常軽度にコーティングされた品質が使用される。しかし、低コストのセグメントからの製品の場合、コーティングされていない紙も使用され、高品質形態および筆記用材料に対しては、コーティングされたおよびカレンダー加工された紙も基材として使用される。印刷は、フレキソ印刷により高頻度に達成され、頻度は低いもののグラビア印刷またはオフセット印刷により達成される。スクリーン印刷は通常、特殊な効果、例えば隆起のある構造、例えば点字、またはセキュリティ機能の印刷のためにのみ使用される。デジタル印刷方法、例えばインクジェット印刷は、ここでは非常に少量で実行するか、または印刷物の個別化のために従来の印刷方法のうちの1つと組み合わせるかのいずれかで採用される。新聞の最終使用と類似して、組成物に対する主要な要求は、欠陥のなく正確な印刷画像を達成するための泡および泡状物の回避である。この状況は、印刷された紙の再生利用能力と類似している。ここで、高分子量の配合物は、移動可能性に関するこれらの優れた特性とともに、品質の改善に積極的に貢献し、再生利用材料で製造された基材の品質の利用可能性を延長する。
【0046】
ギフト用包装紙の最終使用では、多様な非常に異なる紙の品質、および一部の場合、フィルム品質も使用される。範囲は、実質的にコーティングされていないもの、白色または茶色の材料として軽度にのみカレンダー加工されたまたは組み立てられた品質から、様々なコーティングおよびカレンダー加工された品質、高品質の金属化された基材および不織材料までにわたる。フィルムの場合、通常PETおよびOPPが印刷されるが、他のフィルムの種類も可能である。この適用における発泡剤についての課題には、物流管理および保管の理由から製造者が典型的に可能な限り1色系のみで製造するため、特に泡および泡状物の回避がある。その上、この極めて設計重視型の最終使用では、外見に対する、およびしたがって正確で欠陥のない印刷画像に対する要求は非常に高い。さらに、通常非常に高速な印刷速度(通常1分あたり200と500メートルとの間)は、消泡剤に対する高い需要をもたらす。採用される印刷方法は、慣例上、特にグラビア印刷およびフレキソ印刷である。スクリーン印刷は比較的稀に利用され、その場合、通常特別な効果、例えば隆起のある構造または非常に大きな効果顔料(例えば60μm以上の粒子径を有する真珠層顔料、光輝顔料またはフレーク)の印刷のためのみのものである。デジタル印刷方法、例えばインクジェットは通常、ここでは非常に少量で実行するか、または標本コレクションの作製のいずれかのために採用される。食品に近接して使用される品質の場合、その上、使用される成分の移動可能性が低いことが重要なパラメーターである。ここで、移動可能性に関する優れた特性を有する高分子量の消泡剤は、優れた因子である。
【0047】
装飾紙(消費物品、例えば家具、ラミネート床、厨房作業台等のための、天然のまたは人工の装飾を有する紙)の最終使用では、主に軽度から中程度のコーティングを有する吸収紙が使用される。それらの一部はバルク着色されている(bulk-colored)。加えて、プリプレグと呼ばれるものも印刷され、ここで装飾紙はメラミン樹脂溶液にあらかじめ含浸させられる。印刷は主にグラビア印刷により、通常1分あたり200~600メートルの機械の速度で達成される。この点において、高い印刷速度を有する他の適用においても記載されているものと同じ要求が、ここで適用される。フレキソ印刷は装飾紙の印刷における役割が低く、主により単純な品質、例えば戸棚後部壁用の装飾材料の製造において使用される。それにもかかわらず、ここで適用される消泡に関する要求は、既に記載された最終使用と非常に類似している。デジタル印刷方法、例えばインクジェットは、ここでは非常に少量で実行するか、または標本コレクションの作製のいずれかのために採用される。同時に、少量での実行の重要性は、個別の設計の傾向および注文ベースの製造の可能性の結果として、一定に増加しつつある。具体的に、一方で高い吸収率を有し、他方でメラミン樹脂表面を有する言及された基材の品質は、欠陥を回避するため、鮮明な印刷のために、定義された作用を有する消泡剤を必要とする。
【0048】
壁紙の最終使用では、多様な非常に異なる基材の品質が使用される。範囲は、コーティングされた紙からPVCコーティングされた紙(産業界ではビニルとも呼ばれる)、高品質のコーティングされていないおよびコーティングされた不織布型までにわたる。不織布は、壁紙部門においては、典型的に10%~20%の合成繊維含有量(通常PEまたはPP)を有する紙の品質を指す。使用される印刷方法は、同様に変動する。典型的に、製造者は、1つの製造ラインにおける設計観点から所望されるすべての効果を達成することを可能とするために、様々な印刷方法を互いに組み合わせる。通常、フレキソ印刷またはグラビア印刷は、回転スクリーン印刷、ロール塗布方法および散乱コーティングと組み合わせられる。一部の場合では、個別化および少量での実行のために、デジタル印刷方法、例えばインクジェットまたはトナーベースの印刷も使用される。
【0049】
衛生紙(ナプキン、キッチンタオル、トイレットペーパー、化粧用ティッシュ等、ウェットティッシュ、含浸化粧用パッドおよび類似の製品を明白に含む)の最終使用では、主に非常に吸収性の高い紙が、軽度のカレンダー加工の有無を問わず使用される。しかし、一部の場合では、異なる合成繊維含有量(一般的に5%と100%との間)を有する不織品質が使用される。個別の最終使用では、1つまたは複数(典型的に2~4つ)の層の基材が使用される。印刷方法に関しては、主にフレキソ印刷が採用される。機械の速度は、一般的に、1分あたり150メートルから最大1分あたり500メートルの範囲である。しかし、一部の場合ではエンボス印刷が使用され、ここで色刷は、特定のエンボスローラーを用いた着色された接着剤の塗布により行われる。この方法は、トイレットペーパーの製造においてますます使用されつつある。
【0050】
ラベルの最終使用では、様々な軽度から高度にコーティングされた紙の品質が使用される。一部の場合では、金属化された品質も使用される。加えて、多様な異なるホイルの品質も使用される。しかし、低コスト部門からの製品の場合、コーティングされておらず軽度にカレンダー加工された紙も使用される。印刷は、フレキソ印刷、グラビア印刷またはオフセット印刷により高頻度に達成される。スクリーン印刷は通常、特殊な効果、例えば隆起のある構造、例えば点字、またはセキュリティ機能の印刷のためにのみ使用される。デジタル印刷方法、例えばインクジェット印刷は、ここでは非常に少量で実行するか、または印刷物の個別化のために従来の印刷方法のうちの1つと組み合わせるかのいずれかで採用される。フォーム印刷の最終使用と類似して、消泡剤に対する主要な要求は、欠陥のなく正確な印刷画像を達成するための泡および泡状物の回避である。
【0051】
無菌飲料包装および類似のボール紙包装の最終使用では、主にコーティングされた紙およびカードの品質が使用される。印刷適性および使用される消泡剤の要求は、段ボールの最終使用について既に記載されたものと類似している。印刷特徴は、段ボールの製造用にコーティングされた紙のものと類似している。この最終使用における高い規制の要求のために、定義された有効性および最小の移動可能性に関する要求は、これらの包装材料に対する塗料およびワニスの場合に特に高い。このことは、この観点において最適化された消泡剤の使用を必要とする。
【0052】
包装フィルムの最終使用では、多数のフィルムの品質が使用される。これらは、PE、PP、OPP、BOPP、PET、PEN(ポリエチレンナフタレート、例えばTeonex(登録商標))、ポリエステル(例えばHostaphan(登録商標)またはMelinex(登録商標))、水和セルロースフィルム(Cellophan(登録商標))、PVC(ポリ塩化ビニル)、「バイオフィルム」、例えばPLA(ポリ乳酸)までの範囲にわたる。この列挙は、単に例示的なものである。すべての他の潜在的に使用可能なフィルム基材が、明白に含まれる。これは、以降に言及される、様々なバリアまたは機能化またはエフェクトコーティングを有するフィルムの場合に等しく適用される。一部の場合では、これらのフィルムも、様々なバリアコーティング(PVDC、EVOH、SiOx、AlOx等)、機能化コーティング(例えば耐擦傷性および他の機械的特性を改善するためのナノ粒子、例えばTEGO(登録商標)Nanoresins)または金属化を提供されて使用される。
【0053】
印刷は通常、フレキソ印刷またはグラビア印刷により達成される。スクリーン印刷は通常、特殊な効果、例えば隆起のある構造、例えば点字、またはセキュリティ機能の印刷のためにのみ使用される。デジタル印刷方法、例えばインクジェット印刷は、ここでは非常に少量で実行するか、または印刷物の個別化のために従来の印刷方法のうちの1つと組み合わせるかのいずれかで採用される。ここでインクジェット印刷についてのさらなる使用の分野は、バーコードおよび製品の情報、例えば消費/賞味期限の印刷である。産業界では、この部門は、コーディングまたはマーキングとも称される。既に記載した非吸収性の基材の他の最終使用と類似して、消泡剤に対する主要な要求は、欠陥のなく正確な印刷画像を達成するための泡および泡状物の回避である。
【0054】
本発明は、
a)本発明による少なくとも1種の配合物と、
b)任意選択で1種または複数の顔料および充填剤と、
c)少なくとも1種の結合剤と、
d)任意選択で1種または複数のワックスと、
e)任意選択で少なくとも1種の溶媒と、
f)任意選択で1種または複数のフィルム形成助剤(合体剤)と、
g)任意選択で1種または複数のレオロジー添加剤と、
h)任意選択で1種または複数の湿潤剤と、
i)任意選択で1種または複数の中和剤と、
j)任意選択で他の構成成分(例えば遅延剤、滑り添加剤等)と
を含む組成物をさらに提供する。
【0055】
本発明により特に好ましい組成物は、
a)本発明による配合物と、
b)好ましくはピグメントホワイト6(ルチル型もしくはアナターゼ型のいずれかの二酸化チタン)、ピグメントブラック7(カーボンブラック)、ピグメントブルー15:3もしくはピグメントブルー15:4(フタロシアニン顔料)、ピグメントレッド57:1(BONAレーキ顔料(BONA=ベータ-オキシナフトエ酸))、ピグメントイエロー12、ピグメントイエロー13、(ジアリライドイエローおよびジアリライドオレンジ顔料)、ピグメントバイオレット23(ジオキサジン顔料)ならびに/またはピグメントグリーン7(フタロシアニン顔料)の群から選択される、1種または複数の顔料および充填剤と、
c)少なくとも1種の結合剤と、
d)任意選択で1種または複数のワックスと、
e)任意選択で少なくとも1種の溶媒と、
f)任意選択で1種または複数のフィルム形成助剤(合体剤)と、
g)任意選択で1種または複数のレオロジー添加剤と、
h)任意選択で1種または複数の湿潤剤と、
i)任意選択で1種または複数の中和剤と、
j)任意選択で他の構成成分(例えば遅延剤、滑り添加剤等)と
を含み、印刷染料、印刷用インクまたは印刷用ワニス、ならびに上述の基材および使用の分野のためのアナログまたはデジタルコーティング方法を用いて塗布された他の染料、ワニス、インク、染料製品、およびコーティングとしての使用に特に好適である。
【0056】
顔料および充填剤(構成成分b)):
以下の列挙では、顔料の種類を国際規格のカラーインデックスを利用して記載する。これらには特に、有機顔料:モノアゾイエローおよびモノアゾオレンジ顔料(例えばピグメントイエロー1、ピグメントイエロー74、ピグメントイエロー111またはピグメントオレンジ1)、ジアリライドイエローおよびジアリライドオレンジ顔料(例えばピグメントイエロー12、ピグメントイエロー13、ピグメントイエロー14、ピグメントオレンジ16)、ビスアセトアセタリド顔料(例えばピグメントイエロー16、ピグメントイエロー155)、ジスアゾピラゾロン顔料(例えばピグメントオレンジ13、ピグメントオレンジ34)、β-ナフトール顔料(例えばピグメントオレンジ5、ピグメントレッド1)、ナフトールAS顔料(例えばピグメントレッド2、ピグメントレッド170、ピグメントレッド184)、β-ナフトールレーキ顔料(例えばピグメントレッド49:2、ピグメントレッド53:1)、BONAレーキ顔料(BONA=ベータ-オキシナフトエ酸)(例えばピグメントレッド48:3、ピグメントレッド57:1)、ナフトールレーキAS顔料(例えばピグメントレッド151、ピグメントレッド247)、ナフタレンスルホン酸レーキ顔料(例えばピグメントイエロー104、ピグメントレッド60:1)、ベンゾイミダゾール顔料(例えばピグメントイエロー151、ピグメントイエロー181、ピグメントレッド208、ピグメントバイオレット32)、ジアゾ縮合顔料(例えばピグメントイエロー93、ピグメントレッド166、ピグメントレッド242)、金属錯体顔料(例えばピグメントイエロー150、ピグメントレッド257)、イソインドリノンおよびイソインドリン顔料(例えばピグメントイエロー110、ピグメントイエロー185)、フタロシアニン顔料(例えばピグメントブルー15:3、ピグメントブルー15:4、ピグメントブルー16、ピグメントグリーン7)、キナクリドン顔料(例えばピグメントバイオレット19、ピグメントレッド122、ピグメントレッド202、ピグメントレッド282)、ペリレンおよびペリノン顔料(例えばピグメントレッド123、ピグメントレッド178、ピグメントブラック31、ピグメントブラック32、ピグメントオレンジ43、ピグメントレッド194)、チオインジゴ顔料(例えばピグメントレッド88、ピグメントレッド181)、アミノアントラキノン顔料(例えばピグメントイエロー147、ピグメント89、ピグメントレッド177、ピグメントブルー60、ピグメントバイオレット31)、ジオキサジン顔料(例えばピグメントバイオレット23、ピグメントバイオレット37)、トリアリールカルボニウム顔料(例えばピグメントブルー56、ピグメントブルー61、ピグメントバイオレット3、ピグメントバイオレット27、ピグメントブルー62、ピグメントレッド81:1、ピグメントレッド81:3)、キノフタロン顔料(例えばピグメントイエロー138)、ジケトピロロピロール(DPP)顔料(例えばピグメントレッド254、ピグメントレッド255)、アルミニウムレーキ顔料(例えばピグメントレッド172、ピグメントブルー24:1、ピグメントブルー63)、他の有機顔料(例えばピグメントイエロー148、ピグメントイエロー182、ピグメントオレンジ64、ピグメントレッド252、ピグメントブラウン22、ピグメントブラック1)が挙げられる。
【0057】
加えて、これらには特に、無機顔料:酸化鉄顔料(例えばピグメントイエロー42、ピグメントレッド101、ピグメントブラック11)、酸化クロム顔料(例えばピグメントグリーン17)、ウルトラマリン顔料(例えばピグメントブルー29、ピグメントバイオレット15、ピグメントレッド259);錯体無機有彩顔料(ルチル顔料:例えばピグメントブラウン24、ピグメントイエロー53、ピグメントイエロー164またはスピネル顔料:例えばピグメントブルー28、ピグメントブルー36、ピグメントグリーン50、ピグメントイエロー119、ピグメントブラウン29、ピグメントブラック22、ピグメントブラック27、ピグメントブラック28);カドミウム顔料(例えばピグメントイエロー35、ピグメントイエロー37、ピグメントオレンジ20、ピグメントレッド108);バナジン酸ビスマス顔料(例えばピグメントイエロー184);セリウムスルフィド顔料(例えばピグメントオレンジ75、ピグメントレッド265)、クロム酸塩顔料(例えばピグメントイエロー34、白色顔料:(例えばピグメントホワイト4(ジンクホワイト)、ピグメントホワイト5(硫酸バリウムおよび硫化亜鉛で構成されるリトポン)、ピグメントホワイト6(ルチル型またはアナターゼ型のいずれかの二酸化チタン)、ピグメントホワイト7(硫化亜鉛)、ピグメントホワイト14(カルシウム炭酸塩)、ピグメントホワイト21および22(鉛白));黒色顔料(例えばピグメントブラック1(アニリンブラック)、ピグメントブラック7(カーボンブラック))が挙げられる。
【0058】
加えて、これらには特に、効果顔料:真珠層顔料(例えばMerckからのIriodin(登録商標)顔料)、光輝顔料(例えばRJA Plastics GmbHからの光輝顔料製品)、フレーク(例えばRJA Plastics GmbHからのアルミニウム製品)、発光顔料(例えばHoneywellからのLumilux製品)、磁性顔料(例えばCathay Industriesからの酸化鉄製品)、防食顔料(例えばリン酸亜鉛、リン酸アルミニウム等)、金属効果顔料(例えばアルミニウム、銅、金青銅(銅-亜鉛合金)、亜鉛、および例えばCarl Schlenk AGまたはSilberline Manufacturing Co.,Inc.により製造されるような他の金属ベースとする顔料)が挙げられる。
【0059】
多くの最終使用において、以下の顔料:ピグメントホワイト6(ルチル型またはアナターゼ型のいずれかの二酸化チタン)、ピグメントブラック7(カーボンブラック)、ピグメントブルー15:3またはピグメントブルー15:4(フタロシアニン顔料)、ピグメントレッド57:1(BONAレーキ顔料(BONA=ベータ-オキシナフトエ酸))、ピグメントイエロー12、またはピグメントイエロー13、(ジアリライドイエローおよびジアリライドオレンジ顔料)、ピグメントバイオレット23(ジオキサジン顔料)、ピグメントグリーン7(フタロシアニン顔料)を使用することが、特に好ましい。
【0060】
好ましい充填剤は、例えば白亜(炭酸カルシウム)、マグネシウム(炭酸マグネシウム)、硫酸バリウム等である。「充填剤」という用語は、有機および無機の艶消し剤(例えばEvonik Industries AGからのAcematt(登録商標)およびAerosil(登録商標)製品)ならびに本明細書に記載されている用途に使用可能なすべての他の充填剤および艶消し剤も包含する。
【0061】
結合剤(構成成分c)):
以下は優先的に使用可能である:アクリレート結合剤(例えばInduprint(登録商標)の商標名の下でIndulor AGにより、またはDegalan(登録商標)の商標名の下でEvonik Industries AGにより製造されるような)、スチレンアクリレート結合剤(例えばJoncryl(登録商標)の商標名の下でBASF SEにより、またはIndurez(登録商標)の商標名の下でIndulor AGにより製造されるような)、ポリエステル結合剤(例えばAddBond(登録商標)またはDynapol(登録商標)の商標名の下でEvonik Industries AGにより製造されるような)、ポリオール樹脂(例えばVariPlus(登録商標)の商標名の下でEvonik Industries AGにより製造されるような)、マレイン酸塩およびフマル酸塩結合剤(例えばErkamar(登録商標)の商標名の下でRobert Kraemerにより製造されるような)、天然原料をベースとする結合剤(例えば糖、デンプン、セルロース、カゼイン、ダイズタンバク質およびそれらの誘導体をベースとする結合剤、ならびに天然原料をベースとする他の種類)、ポリビニルアルコール結合剤(例えばMakrovil(登録商標)の商標名の下でIndulor AGにより製造されるような)、ならびに本明細書に記載されている用途に使用可能なすべての他の結合剤。ここで、一部の結合剤を供給されたまま使用することが可能であり(例えばInduprint SE 900)、一方で他のものは、中和(例えばIndurez SR 10)または他の処理ステップ(例えばカゼイン)の後にのみ使用される。
【0062】
類似の効果を有するワックスおよび添加物(構成成分d)):
優先的に使用可能なワックスには、PEワックス、PPワックス、PTFEワックス、フィッシャートロプシュワックス,アミドワックス、パラフィンワックス、カルナウバワックス、およびすべての他のワックスおよび本明細書に記載されている用途に使用可能なワックス様の物質が挙げられる。
【0063】
溶媒(構成成分e)):
優先的に使用可能な溶媒は、好ましくは単独または互いに組み合わせた水または有機の溶媒(例えばエタノール,イソプロパノール,ブタノール,メトキシプロパノール,エトキシプロパノール、酢酸エチル,メチルエチルケトン)、ならびに任意の所望の組合せで本明細書に記載されている用途に使用可能なすべての他の溶媒である。水、エタノール、イソプロパノールおよび酢酸エチルを使用することが、特に好ましい。
【0064】
フィルム形成助剤(合体剤)(構成成分f)):
優先的に使用可能なフィルム形成助剤は、例えばグリコール、例えばDowanol DPnBだけでなく、アルコール、例えばエタノール、および本明細書に記載されている用途に使用可能なすべての他のフィルム形成助剤でもある。
【0065】
レオロジー添加剤(構成成分g)):
優先的に使用可能なレオロジー添加剤は、有機レオロジー添加剤(例えばアクリレート増粘剤(Indunal(登録商標)T 256の名の下でIndulor AGにより、またはRheovis(登録商標)AS 1125 SA(以前はLatekoll(登録商標)D)の名の下でBASF SEにより製造されるような))、またはポリウレタン増粘剤(例えばViscoPlus(登録商標)の商標名の下でEvonik Industries AGにより、またはTafigel(登録商標)Purの下でMunzing Chemieにより製造されるような)ならびに無機レオロジー添加剤(例えばAerosil(登録商標)の商標名の下でEvonik Industries AGまたはBentone(登録商標)でElementisにより製造されるような)である。
【0066】
湿潤剤(構成成分h)):
優先的に使用可能な湿潤剤は、例えば、有機系湿潤剤(例えばREWOPOL(登録商標)SB DO 75、水系に対する非常に良好な湿潤特性を有する高度に有効な乳化剤として使用される陰イオン界面活性剤、REWOPOL(登録商標)SB FA 50、スルホコハク酸二ナトリウム脂肪アルコールエトキシレート、活性な含有量30%、TEGOPREN(登録商標)6814、親有機性挙動のアルキル修飾されたシロキサン(液体シリコーンワックス)、SURFYNOL(登録商標)AS 5000、非イオン性動的湿潤剤、SURFYNOL(登録商標)AS 5020、非イオン性低発泡動的湿潤剤、SURFYNOL(登録商標)AS 5040、非発泡動的湿潤剤、SURFYNOL(登録商標)AS 5080、非イオン性有機スーパーウェッター(superwetter)、SURFYNOL(登録商標)AS 5140、界面活性化学物質の有標組合せをベースとする、配合された液体の湿潤剤、SURFYNOL(登録商標)AS 5160、スルホコハク酸ジイソオクチルナトリウムのエタノール/水中溶液、SURFYNOL(登録商標)AS 5180、アルコールアルコキシレート、TEGOPREN(登録商標)5840、無溶媒ポリエーテルシロキサン、TEGOPREN(登録商標)5847、カーテン塗布に好適な、紙、不織および衛生用途用の湿潤剤、中程度の発泡用の湿潤剤、TEGOPREN(登録商標)5878、高い耐水性を有する感圧接着剤用の湿潤剤、有機修飾シロキサン、TEGOPREN(登録商標)5885、疎水性、非イオン性のポリエーテルシロキサンをベースとする湿潤剤および分散剤、TEGO(登録商標)Surten W 111、Evonik Industries AGにより製造されるようなアルコールアルコキシレートのような製品)、ならびに本明細書に記載されている用途に使用可能なすべての他の湿潤剤である。
【0067】
中和剤(構成成分i)):
優先的に使用可能な中和剤は、アミン(例えばアンモニア、DEMA、TEA、AMP等)、無機中和剤、例えば水酸化ナトリウム溶液、水酸化カリウム溶液等、および本明細書に記載されている用途に使用可能なすべての他の中和剤である。
【0068】
他の成分(構成成分j)):
これらには、以下が含まれる:
【0069】
- 乾燥速度を調節するために使用される遅延剤(例えばグリセリン、プロパン-1,2-ジオール、グリコール、例えばポリエチレングリコール(例えばPEG200またはPEG400))
- 表面平滑度を調節するために使用される滑り添加剤(例えばEvonik Industries AGからのTEGO(登録商標)Glide482)
- 塗料またはワニスの誘導塗布装置、保管もしくは輸送容器または計量システムにおける腐食を最小化するために使用される防食剤(例えばRaschig GmbHからのCOBRATEC(登録商標)99)
- 例えばセキュリティ機能として切断線に印をつけるために、または(特に非顔料系の場合)塗布品質を確認するために使用されるマーカー(例えばBlankophor GmbH & Co. KGからBlankophor(登録商標)の名の下で販売されている製品)
- マイクロカプセル化された活性成分、例えばFollmann GmbH & Co KGからのマイクロカプセル化された芳香剤FOLCO SCENT(登録商標)
- 塗布された塗料またはワニス層の可撓化を持続させるために役立つ可塑剤(例えばEvonik Industries AGからのElatur(登録商標)CH)
- 困難な基材用の接着促進剤(例えばガラスまたはアルミニウムのような基材への接着の改善のための、Evonik IndustriesからのADDID(登録商標)900)
- 塗布された塗料またはワニス層の表面導電率の修正のための導電性添加剤(例えばEvonik Industries AGからのADDID(登録商標)240)
- 特定の表面効果のための添加剤(塗料およびワニスにおけるハンマー効果(hammered effect)の達成のための、Evonik Industries AGからのTEGO(登録商標)Hammer 501)
- 塗布された塗料およびワニス層の撥水効果を達成するために役立つ疎水化剤(例えばEvonik Industries AGからのTEGO(登録商標)Phobe 1650)
- ならびに好ましくは本明細書に記載されている用途に有利に使用可能なすべての他の構成成分。
【0070】
好ましい本発明の組成物は、
a)0.01重量%~20重量%、好ましくは0.05重量%~2重量%の、本発明による配合物と、
b)0.0重量%~75重量%、好ましくは2重量%~50重量%、より好ましくは4重量%~25重量%の、少なくとも1種の顔料、好ましくはピグメントホワイト6(ルチル型もしくはアナターゼ型のいずれかの二酸化チタン)、ピグメントブラック7(カーボンブラック)、ピグメントブルー15:3もしくはピグメントブルー15:4(フタロシアニン顔料)、ピグメントレッド57:1(BONAレーキ顔料(BONA=ベータ-オキシナフトエ酸))、ピグメントイエロー12、ピグメントイエロー13、(ジアリライドイエローおよびジアリライドオレンジ顔料)、ピグメントバイオレット23(ジオキサジン顔料)ならびに/またはピグメントグリーン7(フタロシアニン顔料)の群から選択される、少なくとも1種の顔料と、
c)0.5重量%~80重量%、好ましくは2重量%~40重量%、より好ましくは7重量%~30重量%の、少なくとも1種の結合剤と、
d)0.0重量%~10重量%、好ましくは0.5重量%~5重量%、より好ましくは1重量%~2重量%の、少なくとも1種のワックスと、
e)0.5重量%~80重量%、好ましくは10重量%~60重量%、より好ましくは20重量%~50重量%の、少なくとも1種の溶媒、好ましくは水、エタノール、イソプロパノールおよび/または酢酸エチルから選択される少なくとも1種の溶媒と、
f)0.5重量%~70重量%、好ましくは1重量%~10重量%、より好ましくは1重量%~3重量%の、少なくとも1種のフィルム形成助剤と、
g)0.0重量%~10重量%、好ましくは0.2重量%~5重量%、より好ましくは0.5重量%~2重量%の、少なくとも1種のレオロジー添加剤と、
h)0.0重量%~5重量%、好ましくは0.05重量%~2重量%、より好ましくは0.2重量%~1重量%の、少なくとも1種の湿潤剤と、
i)0.0重量%~15重量%、好ましくは0.1重量%~10重量%、より好ましくは0.2重量%~5重量%の、少なくとも1種の中和剤と、
j)0.0重量%~25重量%、好ましくは0.1重量%~10重量%、より好ましくは0.2重量%~5重量%の、少なくとも1種のjに列挙されている構成成分と
を含有し、
ここで、すべての構成成分の合計は100重量%となり、すべての重量によるパーセンテージは組成物の総重量に対するものである。
【0071】
本発明による組成物は、したがって、本発明による配合物を含む。好ましくは、本発明による組成物は、組成物に対して0.05~2重量%、より好ましくは0.1~0.5重量%の量で、本発明による配合物を含む。本発明による組成物は、好ましくはコーティング剤、塗料またはワニスである。
【0072】
さらなる説明がなくとも、当業者が上記の記載を最も広い範囲で利用することができることが推測される。好ましい実施形態および実施例は、したがって、単に説明的なものであるとして、しかしけっして開示を制限するものではないと考えられるであろう。
【0073】
以降に、実施例を参照して本発明の詳細を記載する。本発明の代わりの実施形態は、類似的に入手可能である。
【実施例
【0074】
試験方法:
a)酸価の決定
酸末端基の濃度を、DIN EN ISO 2114に従って、ポリマー(ポリエーテル)のmg KOH/g単位の滴定手段により決定する。
【0075】
b)OH価(OHN)の決定
OH価を、German Society for Fat Science(Deutschen Gesellschaft fur Fettwissenschaft)のDGF C-V 17 a(53)方法に従って決定する。この方法では、試料をピリジンの存在下で無水酢酸と反応させ、無水酢酸の消費を、フェノールフタレインに対するエタノール中の0.5n KOHを用いた滴定により決定する。
【0076】
c)分子量の決定
GPC測定を、ポリエーテルの多分散度Mw/Mnならびに平均分子量MwおよびMnを決定するために使用する。測定を、PSSからのSECcurity 1260クロマトグラフを用いて以下のように行う:カラムの組合せSDV1000/10000Å(長さ65cm)、温度30℃、移動相としてTHF、流速1ml/分、試料濃度10g/l、屈折率検出器PSS SECcurity1260RI、プロピレングリコール標準の使用。
【0077】
【表1-1】
【0078】
【表1-2】
【0079】
試験配合物の調製および試験方法
A1.黄色木材ステイン配合物
黄色木材ステイン配合物を、表Bに示されるような原料を混合することにより調製した。
【0080】
【表2】
【0081】
【表3】
【0082】
A2.黄色木材ステイン試験方法
試験を、2作業日で行った。A1による50gの黄色木材ステイン配合物を、180mLのPEビーカーに供給した。10gの純水を、PEビーカーへと添加した。その後、本発明による配合物を上記の表Bに提示されたような量で添加し、3cmのディソルバーディスクを使用して、3分間、1500rpmの速度で混ぜ合わせた。材料を、次いで24時間未変化で放置し、後に60μmのワイヤーバー(Erichsenにより供給される)を使用して黒色PVCホイル(Putz Folienにより供給される)に塗布し、コーティングを得た。コーティングを、非相溶性に対する1から相溶性に対する10までの尺度を使用して、欠陥について目視で確認した。
【0083】
B1.Flexoink K1配合物
K1配合物の調製を、VMA Getzmannから供給されるTLMバスケットミルを使用して行った。表Dは、原料および配合物の調製に使用される原料の量の列挙である。
【0084】
ポジションD1の原料を、バスケットミル中へと導入した。ポジションD3およびD4の原料を、撹拌下で添加した。後に、ポジションD2の原料を、よりわずかに撹拌しながら添加した。ポジションD5の2/3の量を後に添加した。分散を4時間、4000rpmで続けた。分散の終了の10分前に、ポジションD5の残りの1/3を添加した。全体の分散工程中で、過剰な空気が分散体に進入することを回避しなければならない。
【0085】
【表4】
【0086】
B2.Flexoink K1試験方法
B1による50gのFlexoink K1配合物を、120mLのPEビーカーに供給した。後に本発明による配合物を上記の表Dに提示されたような量で添加し、3cmのディソルバーディスクを使用して、1分間、1500rpmの速度で混ぜ合わせた。材料を、次いで2分間、5000rpmの速度を使用して泡立てた。結果として生じた45gの泡状物を100mLのメスシリンダーに供給し、得られた容量を読み取った。容量が低いほど、本発明による配合物の消泡剤としての性能は良好であった。後に、発泡した材料をPEビーカーへと注ぎ戻し、泡状物の崩壊を観察した。
【0087】
本発明の消泡剤配合物の相溶性を、12μmのワイヤーバー(Erichsenにより供給される)を使用して試験し、コーティングを得た。基材として、Putz Folienにより供給されるMelinex 401 CW(100μm厚さ)ポリエステルフィルムを使用した。コーティングを、非相溶性に対する1から相溶性に対する10までの尺度を使用して、欠陥について目視で確認した。
【0088】
C.建築用コーティング1の配合および試験
50gの分散塗料(Alpinaweiss Das Original、Alpina Farben GmbH)に、分散塗料の量に対して0.4重量%の本発明の配合物を添加し、3cmのディソルバーディスクを有するGetzmann CV-Plus Dispermatを使用して、5分間、1500rpmの速度で混ぜ合わせた。混合物を、次いで24時間未変化で放置し、後に50μmのワイヤーバー(Erichsenにより供給される)を使用してガラス板に塗布した。
【0089】
コーティングを、非相溶性に対する1から相溶性に対する10までの尺度を使用して、欠陥について目視で確認した。
[実施例1a]
【0090】
カルボキシ末端ポリエーテルの調製:
29.0mg KOH/gのOH価(酸価0.05mg KOH/g、水分量0.08重量%)を有する2114gのPGMBE、ポリプロピレングリコールモノブチルエーテルを、撹拌子、加熱マントル、および還流凝縮器を備えた4Lフラスコ中へと充填し、約80℃に加熱した。窒素を使用して、フラスコの内容物を、窒素を使用して不活性とした。続いて、112.4gの固体の無水マレイン酸(99重量%)を、数回に分けて、粉末漏斗を介して撹拌下で20分間以内に添加した。融解した無水物および均質な反応混合物を得た。反応温度を130℃に上げ、反応混合物をその温度で4.5時間撹拌した。液体でほぼ無色の得られた生成物を、70℃未満の温度に冷却し、フラスコから除去した。生成物の酸価を、28.0mg KOH/gと決定した。
[実施例1b]
【0091】
硫酸末端ポリエーテルの調製:
29.0mg KOH/gのOH価(酸価0.05mg KOH/g、水分量0.08重量%)を有する997.4gのPGMBE、ポリプロピレングリコールモノブチルエーテルを、撹拌子、滴下漏斗、および還流凝縮器を備えた2Lフラスコ中へと充填し、氷浴を使用して約17℃に冷却した。窒素を使用して、フラスコの内容物を、窒素を使用して不活性とした。続いて、60.1gのクロロスルホン酸(99重量%)を、撹拌下で25分間以内に滴下漏斗から添加した。反応温度を、氷浴を使用して冷却することにより約25℃に保持した。均質な反応混合物は、反応中に茶色となった。クロロスルホン酸の添加の終了後、混合物をさらに90分間、25℃の温度で撹拌した。後に、反応中に生成した塩化水素を、25分間以内に、20mbarの真空での蒸留を使用して、25~30℃の温度で除去した。茶色を有する均質な液体生成物を得た。
[実施例1c]
【0092】
リン酸化ポリエーテルの調製
29.0mg KOH/gのOH価(酸価0.05mg KOH/g、水分量0.08重量%)を有する1001gのPGMBE、ポリプロピレングリコールモノブチルエーテルを、撹拌子、加熱マントル、滴下漏斗および還流凝縮器を備えた2Lフラスコ中へと充填し、100℃に加熱した。窒素を使用して、フラスコの内容物を、窒素を使用して不活性とした。続いて、80℃に加熱した43.2gのリン酸(P含有量85重量%)を、撹拌しながら滴下漏斗から2時間以内に添加した。反応混合物を、始終100℃に保持した。反応混合物の反応中、混合物の色は茶色となった。リン酸の添加が完了した後、反応混合物をさらに4時間、100℃で撹拌した。後に、茶色の反応生成物をBECO K2フィルタープレートにより流出させた。
[実施例2]
【0093】
消泡剤配合物の調製
消泡剤配合物を、異なる消泡剤と実施例1a~1cにおいて得られた異なる量のポリエーテルを混合することにより調製した。表2aは、使用される消泡剤およびポリエーテル、ならびに使用されるポリエーテルの量についての概要を提示する。ポリエーテルの量を、消泡剤の量に対する重量%で得る。例2.0、2.10、および2.20は、比較例/配合物(本発明によらない)である。
【0094】
【表5】
[実施例3]
【0095】
消泡剤配合物の性能の試験
実施例2の消泡剤配合物を、A1/A2、B1/B2、およびCに提示する試験系を用いて試験した。組成物および試験結果を、表3に提示する。
【0096】
【表6】
【0097】
実施例から、本発明による消泡剤配合物が、本発明によらない配合物よりも、良好なまたはより良好な相溶性、および良好なまたはより良好な消泡挙動を有することが分かる。
【0098】
【表7】
【0099】
実施例3b.1~3b.12および3b.14~19から、本発明による消泡剤配合物が、本発明によらない配合物(3b.0および3b.15)よりも、良好なまたはより良好な相溶性を有することが分かる。
【0100】
【表8】
【0101】
実施例3c.1~3c.6から、本発明による消泡剤配合物が、本発明によらない配合物(3c.0)よりも良好な相溶性を有することが分かる。