(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-29
(45)【発行日】2025-02-06
(54)【発明の名称】バラントランス
(51)【国際特許分類】
H01F 19/06 20060101AFI20250130BHJP
H01F 17/00 20060101ALI20250130BHJP
H01F 27/28 20060101ALI20250130BHJP
H01F 5/00 20060101ALI20250130BHJP
【FI】
H01F19/06
H01F17/00 B
H01F27/28 K
H01F5/00 M
(21)【出願番号】P 2021075567
(22)【出願日】2021-04-28
【審査請求日】2023-12-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000003067
【氏名又は名称】TDK株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115738
【氏名又は名称】鷲頭 光宏
(74)【代理人】
【識別番号】100121681
【氏名又は名称】緒方 和文
(72)【発明者】
【氏名】橋本 祐樹
(72)【発明者】
【氏名】阿部 敏之
(72)【発明者】
【氏名】奥村 武史
(72)【発明者】
【氏名】西川 朋永
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 将典
【審査官】後藤 嘉宏
(56)【参考文献】
【文献】特表2002-541658(JP,A)
【文献】特開2018-037574(JP,A)
【文献】特開2009-153106(JP,A)
【文献】特開2004-112991(JP,A)
【文献】特開平6-302443(JP,A)
【文献】特開2008-198929(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01F 19/06
H01F 17/00
H01F 27/28
H01F 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1乃至第4の端子電極と、
並列に接続された第1及び第3のコイルパターンと、
並列に接続された第2及び第4のコイルパターンと、
並列に接続された第5及び第7のコイルパターンと、
並列に接続された第6及び第8のコイルパターンと、を備え、
前記第1及び第3のコイルパターンと前記第5及び第7のコイルパターンは、前記第1の端子電極と前記第2の端子電極の間に直列に接続され、
前記第2及び第4のコイルパターンと前記第6及び第8のコイルパターンは、前記第3の端子電極と前記第4の端子電極の間に直列に接続され、
前記第1、第2、第3
、第4
、第5、第6、第7及び第8のコイルパターンがこの順に同軸状に積層されていることを特徴とするバラントランス。
【請求項2】
前記第1及び第3のコイルパターンの外周端は、前記第1の端子電極に共通に接続され、
前記第2及び第4のコイルパターンの外周端は、前記第3の端子電極に共通に接続され、
前記第5及び第7のコイルパターンの外周端は、前記第2の端子電極に共通に接続され、
前記第6及び第8のコイルパターンの外周端は、前記第4の端子電極に共通に接続され、
前記第1及び第3のコイルパターンの内周端は、前記第5及び第7のコイルパターンの内周端に共通に接続され、
前記第2及び第4のコイルパターンの内周端は、前記第6及び第8のコイルパターンの内周端に共通に接続されることを特徴とする請求項
1に記載のバラントランス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はバラントランスに関し、特に、複数のコイルパターンが同軸状に積層された構造を有するチップ型のバラントランスに関する。
【背景技術】
【0002】
通常、アンテナなどに接続される伝送線路は不平衡伝送線路である一方、半導体ICなどの高周波回路に接続される伝送線路は平衡伝送線路である。このため、不平衡伝送線路と平衡伝送線路とを接続する場合、これらの間には不平衡信号及び平衡伝送線路を相互に変換するバラントランスが挿入される。ここで、不平衡信号とは固定電位(例えば接地電位)を基準としたシングルエンド型の信号を指し、平衡信号とは差動型の信号を指す。特許文献1には、複数のコイルパターンが同軸状に積層された構造を有するチップ型のバラントランスが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載されたバラントランスでは、1次巻線と2次巻線の磁気結合を高めることは困難であった。
【0005】
したがって、本発明は、1次巻線と2次巻線の磁気結合が高められたバラントランスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によるバラントランスは、第1乃至第4の端子電極と、第1の端子電極と第2の端子電極の間に並列に接続された第1及び第3のコイルパターンと、第3の端子電極と第4の端子電極の間に並列に接続された第2及び第4のコイルパターンとを備え、第1、第2、第3及び第4のコイルパターンがこの順に同軸状に積層されていることを特徴とする。
【0007】
本発明によれば、1次巻線を構成し互いに並列に接続された第1及び第3のコイルパターンと、2次巻線を構成し互いに並列に接続された第2及び第4のコイルパターンが交互に積層されていることから、1次巻線と2次巻線の磁気結合を高めることが可能となる。
【0008】
本発明によるバラントランスは、互いに並列に接続され、第1及び第3のコイルパターンに対して直列に接続された第5及び第7のコイルパターンと、互いに並列に接続され、第2及び第4のコイルパターンに対して直列に接続された第6及び第8のコイルパターンとをさらに備え、第5、第6、第7及び第8のコイルパターンがこの順に同軸状に積層されていても構わない。これによれば、より多くのターン数を確保することが可能となる。
【0009】
この場合、第1及び第3のコイルパターンの外周端は第1の端子電極に共通に接続され、第2及び第4のコイルパターンの外周端は第3の端子電極に共通に接続され、第5及び第7のコイルパターンの外周端は第2の端子電極に共通に接続され、第6及び第8のコイルパターンの外周端は第4の端子電極に共通に接続され、第1及び第3のコイルパターンの内周端は第5及び第7のコイルパターンの内周端に共通に接続され、第2及び第4のコイルパターンの内周端は第6及び第8のコイルパターンの内周端に共通に接続されていても構わない。これによれば、端子電極とコイルパターンの接続が容易となる。
【0010】
本発明によるバラントランスは、第1及び第3のコイルパターンに対して直列に接続された第5のコイルパターンと、第2及び第4のコイルパターンに対して直列に接続された第6のコイルパターンとをさらに備え、第1及び第3のコイルパターンの外周端は第1の端子電極に共通に接続され、第2及び第4のコイルパターンの外周端は第3の端子電極に共通に接続され、第5のコイルパターンの外周端は第2の端子電極に接続され、第6のコイルパターンの外周端は第4の端子電極に接続され、第1及び第3のコイルパターンの内周端は第5のコイルパターンの内周端に共通に接続され、第2及び第4のコイルパターンの内周端は第6のコイルパターンの内周端に共通に接続され、第5及び第6のコイルパターンのパターン幅は第1乃至第4のコイルパターンのパターン幅よりも広くても構わない。これによれば、ターン数の調整が容易であるとともに、各コイルパターンに流れる電流の電流密度の差を低減することが可能となる。
【発明の効果】
【0011】
このように、本発明によれば、1次巻線と2次巻線の磁気結合が高められたバラントランスを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、本発明の第1の実施形態によるバラントランス1の構造を説明するための略透視斜視図である。
【
図2】
図2は、バラントランス1の構造を説明するための略断面図である。
【
図3】
図3は、導体層L1,L3,L5,L7のパターン形状を説明するための略平面図である。
【
図4】
図4は、導体層L2,L4,L6,L8のパターン形状を説明するための略平面図である。
【
図5】
図5は、バラントランス1の等価回路図である。
【
図6】
図6は、周波数と結合係数の関係を示すグラフである。
【
図7】
図7は、周波数とインサーションロスの関係を示すグラフである。
【
図8】
図8は、本発明の第2の実施形態によるバラントランス2の構造を説明するための略透視斜視図である。
【
図9】
図9は、バラントランス2の構造を説明するための略断面図である。
【
図10】
図10は、導体層L1,L3,L5のパターン形状を説明するための略平面図である。
【
図11】
図11は、導体層L2,L4,L6のパターン形状を説明するための略平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の好ましい実施形態について詳細に説明する。
【0014】
<第1の実施形態>
図1は、本発明の第1の実施形態によるバラントランス1の構造を説明するための略透視斜視図である。また、
図2は、バラントランス1の構造を説明するための略断面図である。
【0015】
図1及び
図2に示すように、第1の実施形態によるバラントランス1は、この順に積層された8層の導体層L1~L8と、これら導体層L1~L8を埋め込む磁性素体3と、端子電極E1~E4とを備えている。導体層L1~L8は、それぞれコイルパターン10,20,30,40,50,60,70,80を有しており、絶縁樹脂層4によって覆われている。導体層L1~L8は、絶縁樹脂層4を介して磁性素体3に埋め込まれている。磁性素体3からは、4つの端子電極E1~E4が露出している。磁性素体3は、鉄(Fe)やパーマロイ系材料などからなる金属磁性体フィラーと樹脂バインダーを含む複合部材であり、コイルパターン10,20,30,40,50,60,70,80に電流を流すことによって生じる磁束の磁路を構成する。樹脂バインダーとしては、液状又は粉体のエポキシ樹脂を用いることが好ましい。
【0016】
端子電極E1,E2は、例えば1次側端子(不平衡信号端子)として用いられ、端子電極E3,E4は、例えば2次側端子(平衡信号端子)として用いられる。この場合、不平衡信号端子を構成する端子電極E1,E2の一方は不平衡伝送線路に接続され、他方はグランド配線に接続される。端子電極E3,E4は、一対の平衡伝送線路に接続される。
【0017】
端子電極E1と端子電極E2の間には、導体層L1,L3,L5,L7に配置されたコイルパターン10,30,50,70が接続される。端子電極E3と端子電極E4の間には、導体層L2,L4,L6,L8に配置されたコイルパターン20,40,60,80が接続される。
【0018】
図3は、導体層L1,L3,L5,L7のパターン形状を説明するための略平面図である。
【0019】
図3に示すように、導体層L1,L3に含まれるコイルパターン10,30は、それぞれの外周端11,31が端子電極E1に共通に接続される。また、導体層L5,L7に含まれるコイルパターン50,70は、それぞれの外周端51,71が端子電極E2に共通に接続される。そして、導体層L1,L3,L5,L7に含まれるコイルパターン10,30,50,70の内周端12,32,52,72が短絡される。コイルパターン10,30は、外周端11,31から内周端12,32に向かって反時計回り(左回り)に巻回され、コイルパターン50,70は、外周端51,71から内周端52,72に向かって時計回り(右回り)に巻回されている。導体層L3,L5,L7に含まれる中継パターン33,53,73はコイルパターン30,50,70とは独立しており、後述するコイルパターン20,40,60,80の内周端22,42,62,82に接続される。導体層L1に設けられるダミーパターン13は、上層の導体層L2~L8においてこの部分の段差を防止するために設けられている。
【0020】
図4は、導体層L2,L4,L6,L8のパターン形状を説明するための略平面図である。
【0021】
図4に示すように、導体層L2,L4に含まれるコイルパターン20,40は、それぞれの外周端21,41が端子電極E3に共通に接続される。また、導体層L6,L8に含まれるコイルパターン60,80は、それぞれの外周端61,81が端子電極E4に共通に接続される。そして、導体層L2,L4,L6,L8に含まれるコイルパターン20,40,60,80の内周端22,42,62,82が短絡される。コイルパターン20,40は、外周端21,41から内周端22,42に向かって時計回り(右回り)に巻回され、コイルパターン60,80は、外周端61,81から内周端62,82に向かって反時計回り(左回り)に巻回されている。導体層L2,L4,L6に含まれる中継パターン23,43,63はコイルパターン20,40,60とは独立しており、コイルパターン10,30,50,70の内周端12,32,52,72に接続される。
【0022】
そして、本実施形態によるバラントランス1は、上記の構造を有するコイルパターン10,30,50,70とコイルパターン20,40,60,80が同軸状に交互に積層されている。このため、等価回路図である
図5に示すように、端子電極E1と端子電極E2の間には、並列接続されたコイルパターン10,30と、並列接続されたコイルパターン50,70が直列に接続され、端子電極E3と端子電極E4の間には、並列接続されたコイルパターン20,40と、並列接続されたコイルパターン60,80が直列に接続されることになる。ここで、各コイルパターン10,30,50,70のターン数は、4.5ターンであることから、合計で9ターンのコイルが端子電極E1と端子電極E2の間に接続されることになる。同様に、各コイルパターン20,40,60,80のターン数は、4.5ターンであることから、合計で9ターンのコイルが端子電極E3と端子電極E4の間に接続されることになる。
【0023】
図6は周波数と結合係数の関係を示すグラフ、
図7は周波数とインサーションロスの関係を示すグラフであり、いずれも符号Aは本実施形態によるバラントランス1の特性を示し、符号Bは一般的なバラントランスの特性を示している。一般的なバラントランスとは、コイルパターン10,30,50,70を全て直列に接続し、コイルパターン20,40,60,70を全て直列に接続したものであり、インダクタンス値を本実施形態によるバラントランス1と合わせるため、コイルパターンの総ターン数が9ターンに調整したものである。
【0024】
図6及び
図7に示すように、本実施形態によるバラントランス1は、一般的なバラントランスと比べて、結合係数が高く、且つ、特に高周波領域におけるインサーションロスが低いことが分かる。
【0025】
このように、本実施形態によるバラントランス1は、並列接続されたコイルパターン10,30と並列接続されたコイルパターン20,40がこの順に同軸状に積層され、並列接続されたコイルパターン50,70と並列接続されたコイルパターン60,80がこの順に同軸状に積層されていることから、1次巻線を構成するコイルパターン10,30,50,70と、2次巻線を構成するコイルパターン20,40,60,70の磁気結合を高めることが可能となる。
【0026】
しかも、端子電極E1~E4は、いずれも対応するコイルパターンの外周端に接続されていることから、コイルパターンと端子電極E1~E4の接続も容易である。
【0027】
<第2の実施形態>
図8は、本発明の第2の実施形態によるバラントランス2の構造を説明するための略透視斜視図である。また、
図9は、バラントランス2の構造を説明するための略断面図である。
【0028】
図8及び
図9に示すように、第2の実施形態によるバラントランス2は、この順に積層された6層の導体層L1~L6と、これら導体層L1~L6を埋め込む磁性素体3と、端子電極E1~E4とを備えている。導体層L1~L4の構成は第1の実施形態によるバラントランス1と同じであり、導体層L5,L6の構成が第1の実施形態によるバラントランス1と相違している。端子電極E1と端子電極E2の間には、導体層L1,L3,L5に配置されたコイルパターン10,30,50が接続される。端子電極E3と端子電極E4の間には、導体層L2,L4,L6に配置されたコイルパターン20,40,60が接続される。その他の基本的な構成は、第1の実施形態によるバラントランス1と同一であることから、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0029】
図10は、導体層L1,L3,L5のパターン形状を説明するための略平面図である。
【0030】
図10に示すように、導体層L1,L3に含まれるコイルパターン10,30のパターン形状は、第1の実施形態によるバラントランス1と同じである。導体層L5に含まれるコイルパターン50は、外周端51が端子電極E2に接続され、内周端52がコイルパターン10,30の内周端12,32に共通に接続される。
【0031】
図11は、導体層L2,L4,L6のパターン形状を説明するための略平面図である。
【0032】
図11に示すように、導体層L2,L4に含まれるコイルパターン20,40のパターン形状は、第1の実施形態によるバラントランス1と同じである。導体層L6に含まれるコイルパターン60は、外周端61が端子電極E4に接続され、内周端62がコイルパターン20,40の内周端22,42に共通に接続される。
【0033】
そして、本実施形態によるバラントランス2は、上記の構造を有するコイルパターン10,30,50とコイルパターン20,40,60が同軸状に交互に積層されている。このため、等価回路図である
図12に示すように、端子電極E1と端子電極E2の間には、並列接続されたコイルパターン10,30と、コイルパターン50が直列に接続され、端子電極E3と端子電極E4の間には、並列接続されたコイルパターン20,40と、コイルパターン60が直列に接続されることになる。ここで、各コイルパターン10,30のターン数は4.5ターンであり、コイルパターン50のターン数は2.5ターンであることから、合計で7ターンのコイルが端子電極E1と端子電極E2の間に接続されることになる。同様に、各コイルパターン20,40のターン数は4.5ターンであり、コイルパターン60のターン数は2.5ターンであることから、合計で7ターンのコイルが端子電極E3と端子電極E4の間に接続されることになる。
【0034】
本実施形態が例示するように、本発明によるバラントランスは、並列接続されるコイルパターンと並列接続されないコイルパターンが混在していても構わない。これによれば、全体の層数を削減することができるとともに、合計ターン数の調整が容易となる。しかも、本実施形態においては、コイルパターン50,60の径方向におけるパターン幅がコイルパターン10,20,30,40の径方向におけるパターン幅よりも広く、約2倍のパターン幅を有している。このため、各コイルパターンに流れる電流の電流密度の差を低減することが可能となる。さらに、本実施形態のように、1次巻線を構成するコイルパターン及び2次巻線を構成するコイルパターンをそれぞれ3層構造とした場合、一般的なバラントランスでは、1次巻線及び2次巻線のそれぞれの総ターン数を奇数とすることは困難であるが、本実施形態においては、1次巻線及び2次巻線のそれぞれの総ターン数を任意とすることが可能となる。
【0035】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、上記の実施形態に限定されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることはいうまでもない。
【0036】
例えば、第1の実施形態によるバラントランス1においては、異なる導体層に位置する2つのコイルパターンを並列に接続しているが、異なる導体層に位置する3以上のコイルパターンを並列に接続しても構わない。
【0037】
また、第1及び第2の実施形態によるバラントランス1,2においては、1次巻線と2次巻線のターン数が互いに等しいが、本発明においてこの点は必須でない。
【符号の説明】
【0038】
1,2 バラントランス
3 磁性素体
4 絶縁樹脂層
10,20,30,40,50,60,70,80 コイルパターン
11,21,31,41,51,61,71,81 外周端
12,22,32,42,52,62,72,82 内周端
13 ダミーパターン
23,33,43,53,63,73 中継パターン
E1~E4 端子電極
L1~L8 導体層