(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-29
(45)【発行日】2025-02-14
(54)【発明の名称】マイクロフォンチップ及びマイクロフォン
(51)【国際特許分類】
H04R 19/04 20060101AFI20250206BHJP
【FI】
H04R19/04
(21)【出願番号】P 2022577176
(86)(22)【出願日】2022-09-16
(86)【国際出願番号】 CN2022119284
(87)【国際公開番号】W WO2024040648
(87)【国際公開日】2024-02-29
【審査請求日】2022-12-14
(31)【優先権主張番号】202222259249.7
(32)【優先日】2022-08-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】511027518
【氏名又は名称】エーエーシーアコースティックテクノロジーズ(シンセン)カンパニーリミテッド
【氏名又は名称原語表記】AAC Acoustic Technologies(Shenzhen)Co.,Ltd
【住所又は居所原語表記】A-Block, Nanjing University Research Center Shenzhen Branch, No.6 Yuexing 3rd Road, South Hi-Tech Industrial Park, Nanshan District, Shenzhen Guangdong 518057 People’s Republic of China
(74)【代理人】
【識別番号】110000648
【氏名又は名称】弁理士法人あいち国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】王 ▲凱▼杰
(72)【発明者】
【氏名】▲趙▼ ▲転▼▲転▼
【審査官】稲葉 崇
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2011/0216922(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0189444(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第101453683(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第104602172(CN,A)
【文献】中国実用新案第207603920(CN,U)
【文献】米国特許出願公開第2020/0413203(US,A1)
【文献】特開2008-99212(JP,A)
【文献】特開2008-22501(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第113873413(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04R 19/00-19/04
H04R 1/00-1/46
H04R 7/00-7/26
H04R 31/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フロントチャンバを有するベースと、前記ベースに設けられたコンデンサシステムとを含むマイクロフォンチップにおいて、前記コンデンサシステムが、前記ベースの上部に位置する振動膜と、前記振動膜と間隔を隔てて設けられたバックプレートとを含み、前記振動膜と前記バックプレートとの間に空気間隔が形成されるマイクロフォンチップであって、
前記マイクロフォンチップは、固定部を含み、前記振動膜と前記バックプレートは、前記固定部を介して前記ベースに接続され、
前記振動膜は、内膜部、外膜部及び支持部を含み、前記内膜部と前記外膜部との間には、間隔があり、前記支持部は、前記固定部と前記内膜部とを接続し、又は、前記固定部と前記外膜部とを接続し、
前記マイクロフォンチップは、支持部材を更に含み、前記支持部材は、前記バックプレートに接続され、前記バックプレートと前記内膜部との間に位置し、
動作状態でないときには、前記内膜部と前記バックプレート及び前記支持部材とが分離状態にあり、動作状態にあるときには、前記内膜部が前記支持部材に吸着され得るとともに、前記支持部材が前記内膜部を少なくとも2つの領域に仕切ることが可能であ
り、
前記振動膜の剛性は、仕切られた前記領域の数が多ければ多いほど前記振動膜の剛性が強くなるように、仕切られた前記領域の数によって調整され得ることを特徴とするマイクロフォンチップ。
【請求項2】
前記支持部材は、閉鎖部と、仕切り部とを含み、
前記マイクロフォンチップの厚さ方向に沿って、前記閉鎖部は、前記内膜部の上方に設けられ、且つ前記内膜部の外周に近接して設けられ、
前記仕切り部は、前記閉鎖部の内周に接続されていることを特徴とする請求項1に記載のマイクロフォンチップ。
【請求項3】
前記支持部は、前記内膜部のエッジに沿って外向き延在し、且つ前記固定部に接続され、
前記外膜部は、前記固定部に固定接続されていることを特徴とする請求項1に記載のマイクロフォンチップ。
【請求項4】
前記支持部は、1つ又は複数設けられていることを特徴とする請求項3に記載のマイクロフォンチップ。
【請求項5】
前記外膜部は、少なくとも2つ設けられ、
少なくとも2つの前記外膜部は、前記内膜部のエッジに沿って外向き延在し、且つ前記内膜部を取り囲んで設けられ、
前記外膜部の延在する方向に沿って、前記外膜部は、一端が前記内膜部に接続され、他端が前記支持部に接続されていることを特徴とする請求項1に記載のマイクロフォンチップ。
【請求項6】
前記支持部は、前記外膜部の前記内膜部から離れる側のエッジ部に沿って外向き延在し、且つ前記固定部に接続されていることを特徴とする請求項5に記載のマイクロフォンチップ。
【請求項7】
前記外膜部と前記固定部の内周との間には、間隔があることを特徴とする請求項5に記載のマイクロフォンチップ。
【請求項8】
前記マイクロフォンチップは、電極シート及び電極ガイドを更に含み、
前記電極シートは、前記バックプレートの前記振動膜に近接する側に設けられ、且つ前記電極シートは、前記支持部材によって少なくとも2枚に分割され、
前記電極ガイドは、少なくとも2枚の前記電極シートを同時に引き出すために用いられることを特徴とする請求項1~7の何れか一項に記載のマイクロフォンチップ。
【請求項9】
前記バックプレートには、少なくとも2つの引き出し孔が開設され、
前記電極ガイドは、前記バックプレートの前記振動膜から離れる側に接続され、且つ一部の前記電極ガイドは、各前記引き出し孔を通って各前記電極シートに接続され得ることを特徴とする請求項8に記載のマイクロフォンチップ。
【請求項10】
マイクロフォン本体と、
前記マイクロフォン本体に取り付けられる、請求項1~
7の何れか一項に記載のマイクロフォンチップとを含むことを特徴とするマイクロフォン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンデンサ型マイクロフォンの技術分野に関し、特にマイクロフォンチップ及びマイクロフォンに関する。
【背景技術】
【0002】
無線通信の発展に伴い、全世界の携帯電話ユーザーはますます多くなり、携帯電話に対する人々の要求は、通話の実現に留まらず、高品質の通話効果も要求されている。特に現在のモバイルマルチメディア技術の発展に伴い、携帯電話の通話品質は、より重要になる。携帯電話のマイクロフォンは、携帯電話の音声ピックアップ装置として、その設計の良否が通話品質に直接影響を与える。
【0003】
現在よく使用されるマイクロフォンとして、主にコンデンサ型マイクロフォン及びMEMS(マイクロモータシステム)マイクロフォンがあり、それらは様々な端末装置に広く応用されている。コンデンサ型マイクロフォンは、振動膜及びバックプレートを含み、両者はMEMS音響センシング容量を構成し、且つMEMS音響センシング容量は、更に接続ディスクを介して処理チップに接続されて音響センシング信号を処理チップに出力して信号処理を行う。従来の技術における振動膜の運動がその構造の影響を受けるため、MEMSマイクロフォンチップの性能は悪い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、需要に応じて振動膜の剛性を効果的に増大し調整するマイクロフォンチップ及びマイクロフォンを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、マイクロフォンチップを提供する。当該マイクロフォンチップは、フロントチャンバを有するベースと、前記ベースに設けられたコンデンサシステムとを含み、前記コンデンサシステムが、前記ベースの上部に位置する振動膜と、前記振動膜と間隔を隔てて設けられたバックプレートとを含み、前記振動膜と前記バックプレートとの間には、空気間隔が形成され、
前記マイクロフォンチップは、固定部を含み、前記振動膜と前記バックプレートは、前記固定部を介して前記ベースに接続され、前記振動膜は、内膜部、外膜部及び支持部を含み、前記内膜部と前記外膜部との間には、間隔があり、前記支持部は、前記固定部と前記内膜部とを接続し、又は、前記固定部と前記外膜部とを接続し、
前記マイクロフォンチップは、支持部材を更に含み、前記支持部材は、前記バックプレートに接続され、前記バックプレートと前記内膜部との間に位置し、動作状態にあるときには、前記内膜部が前記支持部材に吸着され得るとともに、前記支持部材が前記内膜部を少なくとも2つの領域に仕切ることが可能である。
【0006】
可能な設計において、前記支持部材は、閉鎖部と、仕切り部とを含み、
前記マイクロフォンチップの厚さ方向に沿って、前記閉鎖部は、前記内膜部の上方に設けられ、且つ前記内膜部の外周に接近して設けられ、
前記仕切り部は、前記閉鎖部の内周に接続されている。
【0007】
可能な設計において、前記支持部は、前記内膜部のエッジに沿って外向き延在し、且つ前記固定部に接続され、
前記外膜部は、前記固定部に固定接続されている。
【0008】
可能な設計において、前記支持部は、1つ又は複数設けられている。
【0009】
可能な設計において、前記外膜部は、少なくとも2つ設けられ、
少なくとも2つの前記外膜部は、前記内膜部のエッジに沿って外向き延在し、且つ前記内膜部を取り囲んで設けられ、
前記外膜部の延在する方向に沿って、前記外膜部は、一端が前記内膜部に接続され、他端が前記支持部に接続されている。
【0010】
可能な設計において、前記支持部は、前記外膜部の前記内膜部から離れる側のエッジ部に沿って外向き延在し、且つ前記固定部に接続されている。
【0011】
可能な設計において、前記外膜部と前記固定部の内周との間には、間隔がある。
【0012】
可能な設計において、前記マイクロフォンチップは、電極シート及び電極ガイドを更に含み、
前記電極シートは、前記バックプレートの前記振動膜に近接する側に設けられ、且つ前記電極シートは、前記支持部材によって少なくとも2枚に分割され、
前記電極ガイドは、少なくとも2枚の前記電極シートを同時に引き出すために用いられる。
【0013】
可能な設計において、前記バックプレートには、少なくとも2つの引き出し孔が開設され、
前記電極ガイドは、前記バックプレートの前記振動膜から離れる側に接続され、且つ一部の前記電極ガイドは、各前記引き出し孔を通って各前記電極シートに接続され得る。
【0014】
本発明は、マイクロフォンを提供する。当該マイクロフォンは、マイクロフォン本体と、前記マイクロフォン本体に取り付けられる、上記マイクロフォンチップとを含む。
【発明の効果】
【0015】
本発明の効果は、以下のとおりである。支持部材を設けることにより動作状態の振動膜をn個の互いに分離された浮動領域に仕切り、振動膜の剛性を向上させる。また、動作状態の振動膜を2つ又は3つ又は4つ…又はn個の浮動領域に仕切ることにより振動膜の所要の剛性に調整することができる。振動膜が仕切られた数が多ければ多いほど、その剛性が強くなり、振動膜の厚さの削減又は振動膜の面積の増大を実施可能にし、更に振動膜の設計の実行可能性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明に関わるマイクロフォンチップの具体的な実施例における断面図である。
【
図3】
図1におけるバックプレート、支持部材及び振動膜の構造概略図である。
【
図4】
図1における支持部材と振動膜の構造概略図である。
【
図7】本発明に関わるマイクロフォンチップの別の具体的な実施例における構造概略図である。
【
図8】
図7における振動膜と固定部との係合の模式図である。
【
図10】本発明に関わるマイクロフォンチップの断面図である。
【
図12】
図10における電極ガイド、バックプレート、電極シート及び支持部材の係合の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下では、図面及び実施形態を参照しながら、本発明を更に説明する。
【0018】
本実施例は、電子デバイスに適用可能なマイクロフォンを提供し、その役割は、音声を受信し且つ音声を電気信号に変換することである。マイクロフォンは、マイクロフォン本体と、マイクロフォンチップ1とを含み、マイクロフォンチップ1は、マイクロフォン本体に取り付けられている。
【0019】
具体的には、
図1、
図7及び
図11に示すように、マイクロフォンチップ1は、フロントチャンバ111を有するベース11と、ベース11に設けられた振動膜12と、振動膜と間隔を隔てて設けられたバックプレート13とを含み、振動膜12は、その振動方向に沿ってベース11とバックプレート13との間に接続され、振動膜12とバックプレート13との間には、空気間隔が形成される。振動膜12とバックプレート13は、コンデンサシステムを形成し、外部音声がフロントチャンバ111を介して振動膜12に伝達されると、振動膜12は、外部音圧を感じて振動し、振動膜12とバックプレート13との間の距離を変化させて容量変化を生じさせ、音声信号から電気信号への変換を実現する。
【0020】
図1、
図7及び
図11に示すように、マイクロフォンチップ1は、固定部17を含み、振動膜12とバックプレート13は、固定部17を介してベース11に接続されている。振動膜12は、内膜部121、外膜部122及び支持部123を含み、内膜部121と外膜部122との間には、間隔があり、支持部123は、固定部17と内膜部121とを接続し、又は固定部17と外膜部122とを接続する。マイクロフォンチップ1は、支持部材14を更に含み、支持部材14は、バックプレート13に接続され、バックプレート13と内膜部121との間に位置する。動作状態にあるときには、内膜部121が支持部材14に吸着され得るとともに、支持部材14が内膜部121を少なくとも2つの領域に仕切ることが可能である。
【0021】
本実施例において、支持部材14は、一定の高さを有し、マイクロフォンが動作しない時、内膜部121とバックプレート13及び支持部材14は、分離状態にある。マイクロフォンが動作する時、バイアス電圧で、内膜部121は、静電気力に誘引して支持部材14に吸着され、この時、支持部材14は、内膜部121を少なくとも2つの互いに分離された浮動領域に仕切る。支持部材14により動作状態の内膜部121を互いに分離されたn個の浮動領域に仕切り、内膜部121の剛性を向上させる。ここで、動作状態の振動膜12を2つ又は3つ又は4つ…又はn個の浮動領域に仕切ることにより、振動膜12の必要な剛性に調整することができ、振動膜12が仕切られた数が多ければ多いほど、その剛性が強くなり、振動膜12の厚さの削減又は振動膜12の面積の増大を実施可能にし、更に振動膜12の設計の実行可能性を向上させることができる。
【0022】
図3~
図5に示すように、支持部材14は、閉鎖部141及び仕切り部142を含み、マイクロフォンチップ1の厚さ方向に沿って、閉鎖部141は、内膜部121の上方に設けられ、且つ内膜部121の外周に近接して設けられ、マイクロフォンが動作する時、内膜部121は、静電気力に誘引して閉鎖部141に吸着され、閉鎖部141は、内膜部121を支持して動作状態に達するとともに、低減衰の現象の発生を回避し、マイクロフォンの信頼性を向上させる。仕切り部142は、閉鎖部141の内周に接続され、マイクロフォンは、動作状態で、仕切り部142により仕切られる。当該仕切り部142は、ロッド構造とすることができ、仕切り部142の両端は、閉鎖部141の内周に接続され、仕切り部142は、閉鎖部141を2つの部分に仕切ることにより、内膜部121を2つの浮動領域に対応して仕切る。
図3及び
図4に示すように、当該仕切り部142は、交差して設けられた2つの接続ロッドであり、動作時の内膜部121を4つの分離された浮動領域に仕切ることができる。
【0023】
図4及び
図6に示すように、具体的な実施例において、支持部123は、内膜部121のエッジに沿って外向き延在し、且つ固定部17に接続され、外膜部122は、固定部17に固定接続されている。
【0024】
この実施例において、振動膜12を加工することにより、振動膜12は、
図6に示すような内膜部121と、外膜部122と、支持部123とを形成する。内膜部121と外膜部122との間には、間隔があり、支持部123は、内膜部121と固定部17とを接続することにより内膜部121を固定し、それにより内膜部121が片持ち状態にあり、振動膜材料の応力が十分に解放されることを保証し、振動膜の順応性を向上させる。
【0025】
図4及び
図6に示すように、支持部123は、1つ設けられる。すなわち、振動膜12は、単一アームで接続して固定することができ、振動膜12の応力が解放されることを更に保証する。あるいは、振動膜12は、2つ、3つ等の複数の支持部123を設けてもよい。
【0026】
別の具体的な実施例において、
図7~
図9に示すように、外膜部122は、内膜部121を取り囲んで設けられ、且つ一部の外膜部122と内膜部121との間には隙間があり、一部の外膜部122は、内膜部121に接続され、支持部123は、外膜部122と固定部17とを接続し、内膜部121への拘束を減少させることにより、振動膜12の応力を効果的に解放させる。
図8に示すように、外膜部122と固定部17の内周との間には、間隔があり、感度を効果的に向上させることができ、振動膜の拘束力を減少させ、応力を効果的に解放することができる。
【0027】
具体的には、
図8に示すように、外膜部122は、少なくとも2つ設けられ、少なくとも2つの外膜部122は、内膜部121のエッジに沿って外向き延在し、且つ内膜部121を取り込んで設けられている。外膜部122の延在する方向に沿って、外膜部122は、一端が内膜部121に接続され、他端が支持部123に接続されているため、外膜部122の中間部分と内膜部との間には隙間が形成され、応力を放出しやすく、振動膜の耐用年数を延長することに役立つ。
【0028】
図9に示すように、外膜部122が4つ設けられ、それ相応に、4つの支持部123も設けられている。
【0029】
更に、
図10~
図13に示すように、マイクロフォンチップ1は、電極シート15を更に含み、電極シート15は、バックプレート13の振動膜12に近接する側に設けられ、バックプレート13に支持部材14を設けるため、電極シート15を分割する必要がある。電極シート15は、支持部材14によって少なくても2枚に分割される。各電極シート15は、仕切り部142で仕切られた領域内に設けられている。同時に各電極シート15を引き出すことを実現するために、マイクロフォンチップ1は、電極ガイド16を更に含み、電極ガイド16は、同時に少なくとも2枚の電極シート15を引き出すことができ、それにより各電極シート15がそれぞれ引き出される必要があるという問題を解決する。
【0030】
具体的には、
図11及び
図12に示すように、バックプレート13には、少なくとも2つの引き出し孔133が開設され、少なくとも2つの引き出し孔133は、バックプレート13の中間部分に設けられ、且つ各引き出し孔133の位置が各電極シート15の位置に対応し、引き出し孔133の位置に対応する電極シート15は、開孔処理を行わない。電極ガイド16は、バックプレート13の振動膜12から離れる側に接続され、且つ一部の電極ガイド16は、各引き出し孔133を通って各電極シート15に接続することができる。
【0031】
より具体的には、
図12及び
図13に示すように、電極ガイド16は、接続された集約部161と、少なくとも2つのガイド部162とを含み、集約部161は、バックプレート13の振動膜12から離れる側に位置し、各ガイド部162は、引き出し孔133を通って対応する電極シート15に接続される。電極シート15は、電極ガイド16に対応する位置に開孔が開設されていない。バックプレート13には、音を伝導して音圧をバランスさせる音孔134が更に設けられ、音孔134は、引き出し孔133の外周に位置する。
【0032】
図13に示すように、電極シート15は、支持部材14によって4つの部分に分割され、対応的に、電極ガイド16には、4つのガイド部162が設けられ、バックプレート13には、4つの引き出し孔133が開設される。
【0033】
ここで、電極ガイド16の材質は、金属材質又は他の導電性材質であってもよい。
【0034】
以上は本発明の実施形態に過ぎず、当業者であれば本発明の思想を逸脱することなく改良を加えることができるが、これらは全て本発明の保護範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0035】
1 マイクロフォンチップ
11 ベース
111 フロントチャンバ
12 振動膜
121 内膜部
122 外膜部
123 支持部
13 バックプレート
131 引き出し孔
132 音孔
14 支持部材
141 閉鎖部
142 仕切り部
15 電極シート
16 電極ガイド
161 集約部
162 ガイド部
17 固定部
【要約】
【課題】本発明はコンデンサ型マイクロフォンの技術分野に関し、特にマイクロフォンチップとマイクロフォンに関する。
【解決手段】マイクロフォンチップはフロントチャンバを有するベースと、ベースに設けられたコンデンサシステムを含み、コンデンサシステムはベースの上部に位置する振動膜と、振動膜と間隔を隔てて設けられたバックプレートを含み、振動膜とバックプレートの間に空気間隔が形成され、振動膜とバックプレートは固定部を介してベースに接続され、振動膜は内膜部、外膜部と支持部を含み、内膜部と外膜部の間に間隔があり、支持部は固定部と内膜部と、又は、固定部と外膜部とを接続し、マイクロフォンチップは支持部材を更に含み、支持部材はバックプレートに接続され、バックプレートと内膜部の間に位置し、動作状態にある時には、内膜部が支持部材に吸着され得るとともに、支持部材が内膜部を少なくとも2つの領域に仕切ることが可能である。
【選択図】
図1