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▶ エルジー ディスプレイ カンパニー リミテッドの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-29
(45)【発行日】2025-02-06
(54)【発明の名称】表示装置及びその駆動方法
(51)【国際特許分類】
   G09G 3/3233 20160101AFI20250130BHJP
   G09G 3/20 20060101ALI20250130BHJP
   H04N 5/70 20060101ALI20250130BHJP
【FI】
G09G3/3233
G09G3/20 611H
G09G3/20 612T
G09G3/20 650J
H04N5/70 A
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2023507826
(86)(22)【出願日】2021-07-13
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-24
(86)【国際出願番号】 KR2021008958
(87)【国際公開番号】W WO2022030788
(87)【国際公開日】2022-02-10
【審査請求日】2023-02-13
(31)【優先権主張番号】10-2020-0097790
(32)【優先日】2020-08-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】501426046
【氏名又は名称】エルジー ディスプレイ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】趙元
(72)【発明者】
【氏名】金花英
(72)【発明者】
【氏名】朴俊民
【審査官】薄井 義明
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2019/0378459(US,A1)
【文献】特開2010-107768(JP,A)
【文献】特開2009-119263(JP,A)
【文献】特表2003-528394(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2019-0140760(KR,A)
【文献】特開2011-048045(JP,A)
【文献】特開2008-158222(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2020-0081975(KR,A)
【文献】韓国公開特許第10-2020-0080783(KR,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0189617(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G 3/20ー3233
H04N 5/70
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動素子及び発光素子を有するピクセルを備えた表示パネルと、
垂直ブランク期間の長さを変化させながら前記ピクセルに書き込まれる映像データをレンダリングし、レンダリングされた前記映像データの出力に先立ってレンダリング完了信号を出力するホストシステムと、
前記垂直ブランク期間内で前記レンダリング完了信号を基準にセンシング期間を設定するタイミングコントローラと、
前記センシング期間で前記駆動素子の電気的特性をセンシングするセンシング回路と、を含み、
前記センシング期間は前記垂直ブランク期間の終了時点から一定時間だけ先立つ第1タイミングで始まり、前記一定時間の長さは前記垂直ブランク期間の長さ変化に関係なく固定されている、表示装置。
【請求項2】
前記ホストシステムは、
一フレーム内でデータイネーブル信号がパルシング(pulsing)される垂直アクティブ期間の長さを固定し、
前記一フレーム内で前記データイネーブル信号がノンパルシング(non-pulsing)される前記垂直ブランク期間の長さを変化させる、請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記センシング期間は、前記第1タイミングに同期する前記レンダリング完了信号のパルシングエッジを基準に設定される、請求項1に記載の表示装置。
【請求項4】
前記垂直アクティブ期間内でディスプレイ駆動のための第1データ電圧及び前記第1データ電圧に同期するディスプレイ用スキャン信号を前記ピクセルに書き込み、
前記センシング期間内でセンシング駆動のための第2データ電圧及び前記第2データ電圧に同期するセンシング用スキャン信号を前記ピクセルに書き込む、
パネル駆動回路をさらに含む、請求項2に記載の表示装置。
【請求項5】
前記センシング期間が終了する第2タイミングと前記ディスプレイ用スキャン信号のパルシングエッジとの間に、前記センシング期間の間に非発光による輝度損失を補償するための輝度復元期間がさらに位置し、
前記ピクセルを対象とした前記輝度復元期間の長さは前記垂直ブランク期間の長さ変化に関係なく固定されている、請求項4に記載の表示装置。
【請求項6】
前記パネル駆動回路は、
前記輝度復元期間内で輝度補償ゲインがさらに適用された第3データ電圧及び前記第3データ電圧に同期する輝度復元用スキャン信号を前記ピクセルにさらに書き込む、請求項5に記載の表示装置。
【請求項7】
前記ピクセルは前記ディスプレイ用スキャン信号が順次印加される複数のピクセルグループラインのいずれか一のピクセルグループラインに属し、
同じフレーム内で、第1ピクセルグループラインにおける前記輝度復元期間の長さよりも第2ピクセルグループラインにおける前記輝度復元期間の長さが長く、
前記第1ピクセルグループラインのための前記ディスプレイ用スキャン信号の書込順序は前記第2ピクセルグループラインのための前記ディスプレイ用スキャン信号の書込順序よりも早い、請求項6に記載の表示装置。
【請求項8】
前記第1ピクセルグループラインに対する輝度補償ゲインが前記第2ピクセルグループラインに対する輝度補償ゲインよりも大きい、請求項7に記載の表示装置。
【請求項9】
前記垂直ブランク期間の終了時点は後続フレームの一番目のデータイネーブル信号の立ち上がりエッジを基準に決定される、請求項2に記載の表示装置。
【請求項10】
駆動素子及び発光素子を有するピクセルを備えた表示パネルと、
垂直ブランク期間の長さを変化させながら、前記ピクセルに書き込まれる映像データをレンダリングし、レンダリングされた前記映像データの出力に先立ってレンダリング完了信号を出力するホストシステムと、
前記垂直ブランク期間内で前記レンダリング完了信号を基準にセンシング期間を設定するタイミングコントローラと、
前記センシング期間で前記駆動素子の電気的特性をセンシングするセンシング回路と、を含み、
前記垂直ブランク期間は、フレーム周波数の割合によって長さが変わる可変期間と、フレーム周波数の割合に関係なく長さが固定された固定期間とを含み、
前記センシング期間は前記固定期間内に位置し、
前記センシング期間は、前記垂直ブランク期間の終了時点から前記固定期間だけ先立つ第1タイミングで始まり、前記第1タイミングと前記垂直ブランク期間の終了時点の間の第2タイミングで終わり、
前記固定期間の長さは前記センシング期間の長さよりも長い、表示装置。
【請求項11】
前記ホストシステムは、フレーム周波数の割合を変化させながら前記ピクセルに書き込まれる映像データをレンダリングし、レンダリングされた前記映像データに先立って前記レンダリング完了信号を出力する、請求項10に記載の表示装置。
【請求項12】
前記可変期間は、第1フレームに含まれた最終番目のデータイネーブル信号の立ち下がりエッジと前記レンダリング完了信号のパルシングエッジとの間に位置し、
前記固定期間は、前記レンダリング完了信号のパルシングエッジと第2フレームに含まれた一番目のデータイネーブル信号の立ち上がりエッジとの間に位置し、
前記第1フレームに引き続いて前記第2フレームが連続している、請求項10に記載の表示装置。
【請求項13】
一フレーム内で前記データイネーブル信号がパルシング(pulsing)される垂直アクティブ期間の長さは、前記第1フレーム及び前記第2フレームで互いに同一であり、
前記一フレーム内で前記データイネーブル信号がノンパルシング(non-pulsing)される垂直ブランク期間の長さは、前記第1フレーム及び前記第2フレームで互いに異なる、請求項12に記載の表示装置。
【請求項14】
前記第1フレームと前記第2フレームとはフレーム周波数が互いに異なる、請求項12に記載の表示装置。
【請求項15】
前記センシング期間を挟んで前記ピクセルを対象とした第1発光期間及び第2発光期間がさらに位置し、
前記第1発光期間の長さは前記第1フレーム及び前記第2フレームで互いに異なり、
前記第2発光期間の長さは前記第1フレーム及び前記第2フレームで互いに同一である、請求項14に記載の表示装置。
【請求項16】
前記第2発光期間の輝度が前記第1発光期間の輝度よりも高い、請求項15に記載の表示装置。
【請求項17】
駆動素子及び発光素子を有するピクセルを備えた表示装置の駆動方法であって、
垂直ブランク期間の長さを変化させながら前記ピクセルに書き込まれる映像データをレンダリングし、レンダリングされた前記映像データに先立ってレンダリング完了信号を出力する段階と、
前記垂直ブランク期間内で前記レンダリング完了信号を基準にセンシング期間を設定する段階と、
前記センシング期間で前記駆動素子の電気的特性をセンシングする段階と、を含み、
前記センシング期間は前記垂直ブランク期間の終了時点から一定時間だけ先立つ第1タイミングで始まり、前記一定時間の長さは前記垂直ブランク期間の長さ変化に関係なく固定されている、表示装置の駆動方法。
【請求項18】
駆動素子及び発光素子を有するピクセルを備えた表示装置の駆動方法であって、
垂直ブランク期間の長さを変化させながら、前記ピクセルに書き込まれる映像データをレンダリングし、レンダリングされた前記映像データに先立ってレンダリング完了信号を出力する段階と、
前記垂直ブランク期間内で前記レンダリング完了信号を基準にセンシング期間を設定する段階と、
前記センシング期間で前記駆動素子の電気的特性をセンシングする段階と、を含み、
前記垂直ブランク期間は、フレーム周波数の割合によって長さが変わる可変期間と、フレーム周波数の割合に関係なく長さが固定されている固定期間とを含み、
前記センシング期間は、前記固定期間内に位置し
前記センシング期間は、前記垂直ブランク期間の終了時点から前記固定期間だけ先立つ第1タイミングで始まり、かつ前記第1タイミングと前記垂直ブランク期間の終了時点の間の第2タイミングで終わり、
前記固定期間の長さは前記センシング期間の長さよりも長い、表示装置の駆動方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この明細書は電界発光表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電界発光表示装置は、発光層の材料によって、無機発光表示装置及び有機発光表示装置に区分される。電界発光表示装置の各ピクセルは自ら発光する発光素子を含み、映像データの階調によるデータ電圧で発光素子の発光量を制御して輝度を調節する。
【0003】
電界発光表示装置は、画像品位を高めるために、外部補償技術を採用している。外部補償技術は、ピクセルの電気的特性によるピクセル電圧または電流をセンシングし、センシングされた結果に基づいて入力映像のデータを変調することで、ピクセル間の電気的特性偏差を補償することである。
【0004】
ところが、従来の外部補償技術は、フレーム周波数が急変するとき、補償ピクセルと非補償ピクセルとの間の輝度偏差が大きくなって表示パネルにおける補償ピクセルの位置が使用者に認知されることがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、本明細書は、外部補償方式でピクセル間の電気的特性偏差を補償するとき、入力映像によってフレーム周波数が可変しても補償ピクセルの位置が使用者に認知されないようにした表示装置及びその駆動方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書の実施例による表示装置は、駆動素子及び発光素子を有するピクセル(PXL)を備えた表示パネルと、垂直ブランク期間(Vblank)の長さを変化させながら前記ピクセルに書き込まれる映像データをレンダリングし、レンダリングされた前記映像データに先立ってレンダリング完了信号を出力するホストシステムと、前記垂直ブランク期間内で前記レンダリング完了信号を基準にセンシング期間を設定するタイミングコントローラと、前記センシング期間で前記駆動素子の電気的特性をセンシングするセンシング回路とを含み、前記センシング期間は前記垂直ブランク期間の終了時点から一定時間だけ先立つ第1タイミングで始まり、前記一定時間の長さは前記垂直ブランク期間の長さ変化に関係なく固定されている。
【発明の効果】
【0007】
本実施例は、外部補償方式でピクセル間の電気的特性偏差を補償するとき、入力映像によってフレーム周波数が可変しても補償ピクセルの位置が使用者に認知されないようにすることができる。
【0008】
本実施例による効果は以上で例示した内容に限定されず、より多様な効果が本明細書内に含まれている。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本明細書の実施例による電界発光表示装置を示す図である。
図2図1の電界発光表示装置に含まれたピクセルアレイを示す図である。
図3図2のピクセルアレイに含まれた一ピクセルの等価回路図である。
図4】フレーム周波数を可変するためのホストシステムの構成を示す図である。
図5】第Nフレーム映像の処理完了時点のメモリ制御動作を説明するための図である。
図6】第N+1フレーム映像を処理している時点のメモリ制御動作を説明するための図である。
図7】ホストシステムとタイミングコントローラとの間に可変フレーム周波数による信号を取り交わすことを示す図である。
図8】入力映像によってフレーム周波数を可変するVRR技術を説明するための図である。
図9】入力映像によってフレーム周波数を可変するVRR技術を説明するための図である。
図10】外部補償技術においてセンシングピクセルが属するピクセルグループラインの位置によって輝度復元期間の長さが変わることを説明するための図である。
図11】外部補償技術においてセンシングピクセルが属するピクセルグループラインの位置によって輝度復元期間の長さが変わることを説明するための図である。
図12a】センシングによる輝度損失を補償するための輝度補償ゲインを輝度復元期間の長さによって異なるように設定した一例を示す図である。
図12b】センシングによる輝度損失を補償するための輝度補償ゲインを輝度復元期間の長さによって異なるように設定した一例を示す図である。
図13】本明細書の一比較例であって、垂直ブランク期間内で垂直アクティブ期間の最後のデータイネーブル信号を基準にセンシング期間を設定した例を示す図である。
図14】センシング期間を図13のように設定するとき、同じピクセルグループラインに対する輝度復元期間の長さがフレーム周波数の可変によって変わることを示す図である。
図15】本明細書の一実施例であって、垂直ブランク期間内でレンダリング完了信号を基準にセンシング期間を設定した例を示す図である。
図16】センシング期間を図15のように設定するとき、同じピクセルグループラインに対する輝度復元期間の長さがフレーム周波数の変化に関係なく固定される一例を示す図である。
図17】センシング期間を図15のように設定するとき、同じピクセルグループラインに対する輝度復元期間の長さがフレーム周波数の変化に関係なく固定される他の例を示す図である。
図18図17のセンシングピクセルグループラインに印加されるスキャン信号及びデータ電圧の駆動タイミングを示す図である。
図19】垂直ブランク期間でホストシステムからタイミングコントローラに伝送されるコントロールデータパケットを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本明細書の利点及び特徴とそれらを達成する方法は添付の図面に基づいて詳細に後述する実施例を参照すると明らかになるであろう。しかし、本明細書は以下で開示する実施例に限定されるものではなく、互いに異なる多様な形態に具現可能であり、ただ本実施例は本明細書の開示を完全にし、本明細書が属する技術分野で通常の知識を有する者に明細書の範疇を完全に知らせるために提供するものであり、本明細書は請求項の範疇によって定義されるだけである。
【0011】
本明細書の実施例を説明するための図面に開示された形状、サイズ、比率、角度、個数などは例示的なものなので、本発明が図面に示す事項に限定されるものではない。本明細書全般にわたって同じ図面符号は同じ構成要素を指称する。また、本明細書で言及する「含む」、「有する」、「なる」などを使う場合、「~のみ」を使わない限り、他の部分を付加することができる。構成要素を単数で表現する場合、特に明示的な記載事項がない限り、複数を含む場合を含む。
【0012】
構成要素を解釈するに当たり、別途の明示的な記載がなくても誤差範囲を含むものと解釈する。
【0013】
位置関係についての説明の場合、例えば、「~上に」、「~の上部に」、「~の下部に」、「~のそばに」などによって二つの部分の位置関係を説明する場合、「すぐ」又は「直接」を使わない限り、二つの部分の間に一つ以上の他の部分が位置することもできる。
【0014】
第1、第2などを多様な構成要素を敍述するために使うことができるが、この構成要素はこれらの用語に限定されない。これらの用語はただ一構成要素を他の構成要素と区別するために使うものである。したがって、以下で言及する第1構成要素は本明細書の技術的思想内で第2構成要素になることもできる。
【0015】
明細書全般にわたって同じ参照符号は実質的に同一の構成要素を指称する。
【0016】
本明細書で、表示パネルの基板上に形成されるピクセル回路及びゲートドライバーはn型MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)構造のTFTによって具現されることができるが、これに限定されず、p型MOSFET構造のTFTによって具現されることもできる。TFTは、ゲート(gate)、ソース(source)及びドレイン(drain)を含む3電極素子である。ソースはキャリア(carrier)をトランジスタに供給する電極である。TFT内でキャリアはソースから流れ始める。ドレインはTFTからキャリアが外部に出る電極である。すなわち、MOSFETにおけるキャリアの流れはソースからドレインに流れる。n型TFT(NMOS)の場合、キャリアが電子(electron)であるので、ソースからドレインに電子が流れるようにソース電圧がドレイン電圧よりも低い電圧を有する。n型TFTにおいて電子がソースからドレイン側に流れるので、電流はドレインからソース側に流れる。これに反して、p型TFT(PMOS)の場合、キャリアが正孔(hole)であるので、ソースからドレインに正孔が流れるようにソース電圧がドレイン電圧よりも高い。p型TFTにおいて正孔がソースからドレイン側に流れるので、電流がソースからドレイン側に流れる。MOSFETのソース及びドレインは固定されたものではないということに気を付けなければならない。例えば、MOSFETのソース及びドレインは印加電圧によって変更可能である。よって、本明細書の実施例についての説明では、ソース及びドレインのうちのいずれか一方を第1電極と、ソースドレインのうちの他方を第2電極と記述する。
【0017】
以下の説明で、本明細書に係わる公知の機能または構成についての具体的な説明が本明細書の要旨を不必要にあいまいにする可能性があると判断される場合、その詳細な説明を省略する。以下、添付図面に基づいて本明細書の実施例を詳細に説明する。
【0018】
図1は本明細書の実施例による電界発光表示装置を示す図である。図2図1の電界発
光表示装置に含まれたピクセルアレイを示す図である。図3図2のピクセルアレイに含まれた一ピクセルの等価回路図である。図4はフレーム周波数を可変するためのホストシステムの構成を示す図である。図5は第Nフレーム映像の処理完了時点のメモリ制御動作を説明するための図である。そして、図6は第N+1フレーム映像を処理している時点のメモリ制御動作を説明するための図である。
【0019】
図1図3を参照すると、本明細書の実施例による表示装置は、表示パネル10、タイミングコントローラ11、パネル駆動回路121、13、及びセンシング回路122を含むことができる。パネル駆動回路121、13は、表示パネル10のデータライン15に連結されたデジタル/アナログコンバータ(以下、DACという)121と、表示パネル10のゲートライン17に連結されたゲートドライバー13とを含む。パネル駆動回路121、13、及びセンシング回路122はデータ集積回路12内に実装されることができる。
【0020】
表示パネル10は、多数のデータライン15及びリードアウトライン16と、多数のゲートライン17とを備えることができる。そして、データライン15、リードアウトライン16及びゲートライン17の交差領域にはピクセルPXLが配置されることができる。マトリックス状に配置されたピクセルPXLによって、表示パネル10の表示領域AAに図2のようなピクセルアレイが形成されることができる。
【0021】
ピクセルアレイで、ピクセルPXLは、一方向を基準に、ピクセルグループライン別に区分することができる。ピクセルグループラインLine1~Line4などのそれぞれはゲートライン17の延長方向(または水平方向)に隣り合う複数のピクセルPXLを含む。ピクセルグループラインは物理的信号ラインではなく、一水平方向に沿って互いに隣接して配置されたピクセルPXLの集合体を意味する。したがって、同じピクセルグループラインを構成するピクセルPXLは同じゲートライン17に連結されることができる。同じピクセルグループラインを構成するピクセルPXLは互いに異なるデータライン15に連結されることができるが、これに限定されない。同じピクセルグループラインを構成するピクセルPXLは互いに異なるリードアウトライン16に連結されることができるが、これに限定されず、互いに異なるカラーを具現する複数のピクセルPXLが一つのリードアウトライン16を共有することもできる。
【0022】
ピクセルアレイで、ピクセルPXLのそれぞれはデータライン15を介してDAC121に連結され、リードアウトライン16を介してセンシング回路122に連結されることができる。DAC121及びセンシング回路122はデータ集積回路12に内蔵されることができるが、これに限定されない。センシング回路122はデータ集積回路12の外側のコントロール印刷回路基板(図示せず)に実装されることもできる。
【0023】
ピクセルアレイで、ピクセルPXLのそれぞれは高電位電源ライン18を介して高電位ピクセル電源EVDDに連結されることができる。そして、ピクセルPXLのそれぞれはゲートライン17(1)~17(4)を介してゲートドライバー13に連結されることができる。
【0024】
ピクセルアレイで、ピクセルPXLは、第1カラーを具現するピクセルと、第2カラーを具現するピクセルと、第3カラーを具現するピクセルとを含むことができ、第4カラーを具現するピクセルをさらに含むこともできる。第1カラー~第4カラーは、赤色、緑色、青色、及び白色のうちの選択的な一つであり得る。
【0025】
それぞれのピクセルPXLは図3のように具現されることができるが、これに限定されない。k(kは整数)番目のピクセルグループラインに配置された一ピクセルPXLは、発光素子EL、駆動TFT(Thin Film Transistor)DT、ストレージキャパシタCst、第1スイッチTFT ST1、及び第2スイッチTFT ST2を含むことができ、第1スイッチTFT ST1及び第2スイッチTFT ST2は同じゲートライン17(k)に連結されることができる。
【0026】
発光素子ELはピクセル電流によって発光する。発光素子ELは、ソースノードNsに接続されたアノード電極と、低電位ピクセル電源EVSSに接続されたカソード電極と、アノード電極とカソード電極との間に位置する有機または無機化合物層とを含む。有機または無機化合物層は、正孔注入層(Hole Injection layer、HIL)、正孔輸送層(Hole transport layer、HTL)、発光層(Emission layer、EML)、電子輸送層(Electron transport layer、ETL)、及び電子注入層(Electron Injection layer、EIL)からなる。アノード電極に印加される電圧がカソード電極に印加される低電位ピクセル電源EVSSに比べて動作点電圧以上に高くなると、発光素子ELはターンオンされる。発光素子ELがターンオンされると、正孔輸送層(HTL)を通過した正孔と電子輸送層(ETL)を通過した電子とが発光層(EML)に移動して励起子を形成し、その結果、発光層(EML)で光が生成される。
【0027】
駆動TFT DTは駆動素子である。駆動TFT DTはゲートノードNgとソースノードNsとの間の電圧差によって発光素子ELに流れるピクセル電流を生成する。駆動TFT DTは、ゲートノードNgに接続されたゲート電極、高電位ピクセル電源EVDDに接続された第1電極、及びソースノードNsに接続された第2電極を備える。ストレージキャパシタCstはゲートノードNgとソースノードNsとの間に接続され、駆動TFT DTのゲート-ソース間の電圧を貯蔵する。
【0028】
第1スイッチTFT ST1は、スキャン信号SCAN(k)に応じてデータライン15とゲートノードNgとの間の電流の流れをオンさせることで、データライン15に充電されているデータ電圧をゲートノードNgに印加する。第1スイッチTFT ST1は、ゲートライン17(k)に接続されたゲート電極、データライン15に接続された第1電極、及びゲートノードNgに接続された第2電極を備える。第2スイッチTFT ST2は、スキャン信号SCAN(k)に応じてリードアウトライン16とソースノードNsとの間の電流の流れをオンさせることで、ピクセル電流によるソースノードNsの電圧をリードアウトライン16に伝達する。第2スイッチTFT ST2は、ゲートライン17(k)に接続されたゲート電極、ソースノードNsに接続された第1電極、及びリードアウトライン16に接続された第2電極を備える。
【0029】
このようなピクセル構造は一例示に過ぎなく、本明細書の技術的思想はピクセル構造に限定されず、駆動TFT DTの電気的特性(スレショルド電圧または電子移動度)をセンシングすることができる多様なピクセル構造に適用することができるというのに気を付けなければならない。
【0030】
ホストシステム14は多様なインターフェース回路を介してタイミングコントローラ11に連結されることで、パネル駆動に必要な各種の信号DATA、DE、SC-FLAGをタイミングコントローラ11に伝送する。ホストシステム14は、図4のように、グラフィックプロセッサユニットGPU及びメモリDDRを含むことで、入力映像ソースを所定のアプリケーションによって目的に合うように加工した後、タイミングコントローラ11に伝送することができる。映像ソースはストリーミング(streaming)の形態として入力されるので、データ加工のために映像ソースをメモリDDRに一時的に保存する必要がある。映像ソースは1フレーム単位で加工されることが通常的である。これは、データ加工にかかる費用及び複雑度を減らすためである。
【0031】
グラフィックプロセッサユニットGPUは、多様な映像処理コマンドに従って映像データを1フレーム単位で映像処理し、映像処理されたフレームデータをドロー(draw)コマンドを用いてメモリDDRに保存する方式でレンダリング動作を遂行する。メモリDDRは、レンダリング動作と伝送動作とが互いに異なる領域で同時に遂行できるように、図5及び図6のように、2個の領域A、Bに2分割されている。領域Aで第Nフレーム映像データに対するレンダリング動作が遂行されるうちに間領域Bで第N-1フレーム映像データがデータイネーブル信号DEに同期して伝送されることができる。第Nフレーム映像データに対するレンダリング動作が完了すると、グラフィックプロセッサユニットGPUは、領域Aから第Nフレーム映像データをデータイネーブル信号DEに同期させてタイミングコントローラ11に伝送する。ここで、グラフィックプロセッサユニットGPUは第N+1フレーム映像データに対する映像処理を遂行し、領域Bを対象として第N+1フレーム映像データに対するレンダリング動作を遂行する。
【0032】
入力映像の複雑度は実時間で変化することができる。レンダリング処理にかかる時間は、単純な映像よりも複雑な映像で長くなる。このような理由で、メモリDDRの第1領域でデータ伝送にかかる時間と第2領域でデータレンダリングにかかる時間とが一致しないことがある。例えば、前記第Nフレーム映像データよりも前記第N+1フレーム映像データが複雑な場合、領域Aで第Nフレーム映像データが伝送完了した時点でもグラフィックプロセッサユニットGPUが第N+1フレーム映像データに対するレンダリング動作を領域Bで依然として遂行していることがある。ここで、グラフィックプロセッサユニットGPUは、第N+1フレーム映像データに対するレンダリング動作が完了するまで垂直ブランク期間を拡張することで、第N+1フレーム映像データが不完全にレンダリングされた状態で伝送されることを事前に防止する。垂直ブランク期間の間にはデータイネーブル信号DEがトランジションなしにロジッグロー状態でのみ伝送されるので、映像データの伝送が不可である。
【0033】
このように、グラフィックプロセッサユニットGPUは、映像の複雑度によって垂直ブランク期間の長さを可変することで、データレンダリング時間を確保することができる。一フレームの間の垂直ブランク期間の長さが変わるとフレーム周波数が可変する。これをVRR(Variable Refresh Rate)技術と言う。VRR技術は、入力映像によってフレーム周波数を可変して映像のテアリング(tearing)現象を抑制し、より柔らかな映像画面を提供するためのものである。可変フレーム周波数の環境で、垂直ブランク期間の長さはフレーム周波数によって変わるが、垂直アクティブ期間の長さは固定される。垂直ブランク期間は、所定の可変フレーム周波数の範囲内で一番早いフレーム周波数で一番短く、フレーム周波数が遅くなるほど増加するように設定することができる。
【0034】
グラフィックプロセッサユニットGPUは、メモリDDRの第1領域または第2領域でデータレンダリング動作が完了すると、レンダリングが完了した映像データを伝送するに先立ち、垂直ブランク期間内でレンダリング完了信号SC-FLAGをタイミングコントローラ11に伝送する。グラフィックプロセッサユニットGPUは、レンダリング完了信号SC-FLAGをタイミングコントローラ11に伝送し、一定時間の後、トランジション状態のデータイネーブル信号DEと前記レンダリングが完了した後続フレームの映像データとを同期させてタイミングコントローラ11に伝送する。前記一定時間は、フレーム周波数の変化に関係なく固定長を有する。
【0035】
ホストシステム14は、アプリケーションプロセッサ、パーソナルコンピュータ、セットトップボックスなどから具現できるが、これに限定されない。ホストシステム14はシステムボード上に実装されることができるが、これに限定されない。ホストシステム14は、使用者命令/データを受信する入力部、及びメイン電源を発生するメイン電源部をさらに含むことができる。
【0036】
タイミングコントローラ11は、ホストシステム14から可変フレーム周波数に同期するデータイネーブル信号DE、入力映像データIDATA、及びレンダリング完了信号SC-FLAGなどを受信する。
【0037】
タイミングコントローラ11は、垂直ブランク期間内でレンダリング完了信号SC-FLAGを基準にセンシング期間を設定する。タイミングコントローラ11は、レンダリング完了信号SC-FLAGに合わせてセンシング駆動を具現することで、同じピクセルグループラインに対する輝度復元期間の長さがフレーム周波数の変化によって可変することを事前に防止し、センシング信頼性を高めることができる。タイミングコントローラ11は、同じピクセルグループラインに対する輝度復元期間の長さをフレーム周波数の変化に関係なく固定させることで、フレーム周波数が急変するとき、補償ピクセルと非補償ピクセルとの間の輝度偏差によって補償ピクセルの位置が使用者に認知される問題点を解決することができる。これについては図15図19に基づいて詳細に説明する。
【0038】
タイミングコントローラ11は、ディスプレイ駆動、センシング駆動、及び輝度復元駆動が時間的に分離されるように、パネル駆動回路121、13とセンシング回路122との動作タイミングを制御することができる。
【0039】
ディスプレイ駆動とは、1フレーム内の垂直アクティブ期間内でディスプレイ駆動のための第1データ電圧(以下、ディスプレイデータ電圧という)をピクセルグループラインに書き込んで入力映像を表示パネル10に再現する駆動である。センシング駆動とは、1フレーム内の垂直ブランク期間内で特定のピクセルグループライン(以下、センシングピクセルグループラインという)に配置されたピクセルPXLに第2データ電圧(以下、センシング用データ電圧という)を書き込んで当該ピクセルPXLの電気的特性をセンシング及び補償するための駆動である。そして、輝度復元駆動とは、前記センシング動作が完了した前記センシングピクセルグループラインのピクセルPXLに輝度補償ゲインが適用された第3データ電圧(以下、輝度復元用データ電圧という)を書き込むことで、センシング動作による輝度損失を補償するための駆動である。第3データ電圧は、第1データ電圧に輝度補償ゲインが適用された電圧であるので、第1データ電圧と異なることがある。輝度復元駆動はセンシングピクセルグループラインに配置されたピクセルPXLに後続フレームの第2データ電圧が書き込まれるまで遂行される。
【0040】
タイミングコントローラ11は、ディスプレイ駆動の際、データイネーブル信号DEなどのタイミング信号に基づいてデータ集積回路12の動作タイミングを制御するための第1データ制御信号DDCと、ゲートドライバー13の動作タイミングを制御するための第1ゲート制御信号GDCとを生成することができる。一方、タイミングコントローラ11は、センシング駆動の際、データイネーブル信号DEなどのタイミング信号に基づいてデータ集積回路12の動作タイミングを制御するための第2データ制御信号DDCと、ゲートドライバー13の動作タイミングを制御するための第2ゲート制御信号GDCとを生成することができる。また、タイミングコントローラ11は、輝度復元駆動の際、データイネーブル信号DEなどのタイミング信号に基づいてデータ集積回路12の動作タイミングを制御するための第3データ制御信号DDCと、ゲートドライバー13の動作タイミングを制御するための第3ゲート制御信号GDCとを生成することができる。
【0041】
タイミングコントローラ11は、ゲート及びデータ制御信号GDC、DDCに基づいて表示パネル10のピクセルグループラインに対するディスプレイ駆動タイミング、センシング駆動タイミング及び輝度復元駆動タイミングを個別的に制御することで、映像表示中に実時間でピクセルPXLの電気的特性をピクセルグループライン単位でセンシング及び補償することができる。
【0042】
タイミングコントローラ11は、一フレーム内の垂直アクティブ期間でディスプレイ駆動を具現するようにパネル駆動回路121、13の動作を制御することができ、前記一フレーム内で垂直アクティブ期間に先立つ垂直ブランク期間内でセンシング駆動を具現するようにパネル駆動回路121、13及びセンシング回路122の動作を制御することができる。そして、タイミングコントローラ11は、センシングされたピクセルグループラインを対象としたセンシング駆動の終了時点とディスプレイ駆動の開始時点との間で輝度復元駆動を具現するようにパネル駆動回路121、13の動作を制御することができる。
【0043】
垂直アクティブ期間はデータイネーブル信号DEのトランジション(transition)期間に対応し、ディスプレイ用データ電圧がすべてのピクセルグループラインに配置されたピクセルPXLに書き込まれる期間である。垂直ブランク期間はデータイネーブル信号DEのノントランジション(non-transition)期間に対応し、ディスプレイ用データ電圧の書込が中止される期間であり、センシング期間を含み、さらに輝度復元期間を部分的に含むことができる。センシング期間内でセンシング用データ電圧がセンシングピクセルグループラインに配置されたピクセルPXLに書き込まれ、前記センシング期間に引き続く輝度復元期間内で輝度復元用データ電圧が前記センシングピクセルグループラインに配置されたピクセルPXLに書き込まれることができる。
【0044】
ゲートドライバー13は、タイミングコントローラ11の制御の下で、ディスプレイ用スキャン信号SCANとセンシング用スキャン信号と輝度復元用スキャン信号とを区分して生成することができる。
【0045】
ディスプレイ駆動を具現するために、ゲートドライバー13は、垂直アクティブ期間で、第1ゲート制御信号GDCに応じてディスプレイ用スキャン信号を生成し、ピクセルグループラインに連結されたゲートライン17に順次供給することができる。
【0046】
センシング駆動を具現するために、ゲートドライバー13は、垂直ブランク期間内で、第2ゲート制御信号GDCに応じてセンシング用スキャン信号を生成し、センシングピクセルグループラインに連結されたゲートライン17に供給することができる。次いで、輝度復元駆動を具現するために、ゲートドライバー13は、第3ゲート制御信号GDCに応じて輝度復元用スキャン信号を生成し、前記センシングピクセルグループラインに連結されたゲートライン17にもっと供給することができる。
【0047】
垂直ブランク期間ごとに一ピクセルグループラインずつセンシング駆動される場合、複数の垂直ブランク期間での動作によってセンシングピクセルグループラインの位置がランダムに分散することができる。このようにセンシングピクセルグループラインの位置がランダムに分散すると、視覚的積分効果によってセンシングピクセルグループラインの位置が認知される副作用を最小化することができる。
【0048】
ゲートドライバー13は、ゲートドライバーインパネル(Gate-driver In Panel、GIP)方式によって表示パネル10の非表示領域NAに形成されることができる。
【0049】
DAC121はデータライン15に連結される。DAC121は、タイミングコントローラ11の制御の下で、ディスプレイ用データ電圧とセンシング用データ電圧と輝度復元用データ電圧とを区分して生成することができる。
【0050】
ディスプレイ駆動を具現するために、DAC121は、垂直アクティブ期間内で、レンダリングされた映像データDATAを第1データ制御信号DDCに応じてディスプレイ用データ電圧に変換し、前記ディスプレイ用データ電圧を前記ディスプレイ用スキャン信号SCANに同期させてデータライン15に供給することができる。
【0051】
センシング駆動を具現するために、DAC121は、垂直ブランク期間内で、第2データ制御信号DDCに応じて一定レベルのセンシング用データ電圧を生成し、前記センシング用データ電圧を前記センシング用スキャン信号に同期させてデータライン15に供給することができる。
【0052】
輝度復元駆動を具現するために、DAC121は、第3データ制御信号DDCに応じて輝度補償ゲインが反映された映像データDATAを輝度復元用データ電圧に変換し、前記輝度復元用データ電圧を前記輝度復元用スキャン信号に同期させてデータライン15に供給することができる。
【0053】
センシング回路122は、センシング駆動の際、リードアウトライン16を介してセンシングピクセルグループラインのターゲットピクセルPXLに連結される。センシング回路122は、垂直ブランク期間内に位置するセンシング期間で前記ターゲットピクセルPXLに含まれた駆動TFT DTの電気的特性をリードアウトライン16を介してセンシングする。センシング回路122は電圧センシング型として具現されることもでき、電流センシング型として具現されることもできる。
【0054】
電圧センシング型センシング回路122は、サンプリング回路と、アナログ/デジタルコンバータとを含むことができる。サンプリング回路は、リードアウトライン16の寄生キャパシタに貯蔵されたターゲットピクセルPXLの特定のノード電圧を直接サンプリングする。アナログ/デジタルコンバータは、サンプリング回路でサンプリングされたアナログ電圧をデジタルセンシング値に変換した後、タイミングコントローラ11に伝送する。
【0055】
電流センシング型センシング回路122は、電流積分器と、サンプリング回路と、アナログ/デジタルコンバータとを含むことができる。電流積分器は、ターゲットピクセルPXLに流れるピクセル電流を積分してセンシング電圧を出力する。サンプリング回路は、電流積分器から出力されるセンシング電圧をサンプリングする。アナログ/デジタルコンバータは、サンプリング回路でサンプリングされたアナログ電圧をデジタルセンシング値に変換した後、タイミングコントローラ11に伝送する。
【0056】
図7はホストシステムとタイミングコントローラとの間に可変フレーム周波数による信号を取り交わすことを示す図である。そして、図8及び図9は入力映像によってフレーム周波数を可変するVRR技術を説明するための図である。
【0057】
図7を参照すると、ホストシステム14は、入力映像のデータレンダリング時間を考慮して垂直ブランク期間の長さ(すなわち、データイネーブル信号のノントランジション期間の長さ)を変更させることでフレーム周波数を可変させる。フレーム周波数の可変によって、急激な映像変化による画面切断、画面震え、入力遅延などの問題を解決することができる。ホストシステム14は、入力映像のデータレンダリング時間によってフレーム周波数を40Hz~240Hzの周波数範囲内に調整するか、静止映像の場合、ホストシステム14はフレーム周波数を1Hz~10Hzの周波数範囲内に調整することができるが、これに限定されない。可変フレーム周波数の範囲はモデル及びスペックによって異なるように設定することができる。
【0058】
ホストシステム14は、図8のように、垂直アクティブ期間Vactiveの長さを固定し、入力映像のデータレンダリング時間によって垂直ブランク期間Vblankの長さを調整することで、フレーム周波数を可変することができる。例えば、図9のように、ホストシステム14は、144Hzモードを具現するために、第1垂直ブランク期間Vblank1を含むことができる。ホストシステム14は、100Hzモードを具現するために、第1垂直ブランク期間Vblank1よりも「X」期間だけ増加した第2垂直ブランク期間Vblank2を含むことができる。ホストシステム14は、80Hzモードを具現するために、第1垂直ブランク期間Vblank1よりも「Y」期間だけ増加した第3垂直ブランク期間Vblank3を含むことができる。ホストシステム14は、60Hzモードを具現するために、第1垂直ブランク期間Vblank1よりも「Z」期間だけ増加した第4垂直ブランク期間Vblank4を含むことができる。
【0059】
図10図12bは、外部補償技術で、センシングピクセルグループラインの位置による輝度復元期間の長さ偏差を補償するためのセンシングピクセルグループライン補償(Sensing pixel group Line Compensation、以下SLCという)技術を説明するための図である。
【0060】
図10のようにXHzの固定フレーム周波数の環境の場合、第N-1フレームの垂直ブランク期間Vblankで第m-1ピクセルグループラインのピクセル(すなわち、SCAN(m-1)を受けるピクセルグループラインのピクセル)がセンシングされ、第Nフレーム(XHz)の垂直ブランク期間Vblankで第4ピクセルグループラインのピクセル(すなわち、SCAN(4)を受けるピクセルグループラインのピクセル)がセンシングされる場合を説明する。
【0061】
第m-1ピクセルグループラインのピクセルは、第1ディスプレイ期間DTME1内で、第m-1ディスプレイスキャン信号SCAN(m-1)に応じてディスプレイ用データ電圧を充電(WT-DIS動作)した後、第1ディスプレイ期間DTME1の残りの時間の間に前記ディスプレイ用データ電圧による発光状態を維持する(HLD-DIS動作)。第1ディスプレイ期間DTME1は、第N-1フレームの垂直アクティブ期間Vactive及び垂直ブランク期間Vblankと部分的に重なる。
【0062】
第m-1ピクセルグループラインのピクセルは第1ディスプレイ期間DTME1に引き続くセンシング期間STME内で、センシング用スキャン信号に応じてセンシング用データ電圧を充電(WT-SEN動作)した後、非発光状態でセンシングされる。このセンシング期間STMEは第N-1フレームの垂直ブランク期間Vblank内に位置する。
【0063】
第m-1ピクセルグループラインのピクセルは、センシング期間STMEに引き続く第1輝度復元期間RTME1内で、輝度復元用スキャン信号に応じて輝度復元用データ電圧を充電(WT-RCV動作)した後、第1輝度復元期間RTME1の残りの時間の間に前記輝度復元用データ電圧による発光状態を維持する(HLD-RCV動作)。第1輝度復元期間RTME1は、第N-1フレームの垂直ブランク期間Vblank及び第Nフレームの垂直アクティブ期間Vactiveと部分的に重畳することができる。
【0064】
第4ピクセルグループラインのピクセルは、第2ディスプレイ期間DTME2内で、第4ディスプレイスキャン信号SCAN(4)に応じてディスプレイ用データ電圧を充電(WT-DIS動作)した後、第2ディスプレイ期間DTME2の残りの時間の間に前記ディスプレイ用データ電圧による発光状態を維持する(HLD-DIS動作)。第2ディスプレイ期間DTME2は、第Nフレームの垂直アクティブ期間Vactive及び垂直ブランク期間Vblankと部分的に重畳する。
【0065】
第4ピクセルグループラインのピクセルは、第2ディスプレイ期間DTME2に引き続くセンシング期間STME内で、センシング用スキャン信号に応じてセンシング用データ電圧を充電(WT-SEN動作)した後、非発光状態でセンシングの対象となる。このセンシング期間STMEは第Nフレームの垂直ブランク期間Vblank内に位置する。
【0066】
第4ピクセルグループラインのピクセルは、センシング期間STMEに引き続く第2輝度復元期間RTME2内で、輝度復元用スキャン信号に応じて輝度復元用データ電圧を充電(WT-RCV動作)した後、第2輝度復元期間RTME2の残りの時間の間に前記輝度復元用データ電圧による発光状態を維持する(HLD-RCV動作)。第2輝度復元期間RTME2は、第Nフレームの垂直ブランク期間Vblank及び第N+1フレームの垂直アクティブ期間Vactiveと部分的に重畳する。
【0067】
固定フレーム周波数の環境なので、第N-1フレームの垂直ブランク期間Vblankの長さと第Nフレームの垂直ブランク期間Vblankの長さとは同一である。また、第N-1フレームの垂直ブランク期間Vblank及び第Nフレームの垂直ブランク期間Vblankのそれぞれで、センシング期間STMEは同じ時間的長さを有する。また、固定フレーム周波数の環境なので、第m-1ピクセルグループラインのピクセルがディスプレイ駆動、センシング駆動、及び輝度復元駆動するのに必要な1フレームの長さと、第4ピクセルグループラインのピクセルがディスプレイ駆動、センシング駆動、及び輝度復元駆動するのに必要な1フレームの長さとは互いに同一である。
【0068】
第N-1フレームの垂直アクティブ期間Vactive内で、第m-1ディスプレイスキャン信号SCAN(m-1)は第4ディスプレイスキャン信号SCAN(4)よりも位相が遅い。よって、第m-1ピクセルグループラインのピクセルを対象とした第1ディスプレイ期間DTME1は相対的に短く、その代わりに第1輝度復元期間RTME1が相対的に長い。
【0069】
第Nフレームの垂直アクティブ期間Vactive内で、第4ディスプレイスキャン信号SCAN(4)は第m-1ディスプレイスキャン信号SCAN(m-1)よりも位相が遅い。よって、第4ピクセルグループラインのピクセルを対象とした第2ディスプレイ期間DTME2は相対的に長く、その代わりに第2輝度復元期間RTME2が相対的に短い。
【0070】
ところが、図11のように一画面内のモードピクセルに同じ明るさのイメージを表示するとき、センシングピクセルグループラインPXL-Bのピクセルは垂直ブランク期間Vblank内のセンシング期間STMEの間に発光しないので、非センシングピクセルグループラインPXL-Aのピクセルに比べて「△L」だけ低い輝度を発揮することができる。前記センシングピクセルグループラインPXL-Bは、図10の例で、第m-1及び第4ピクセルグループラインであり得る。
【0071】
図10の例で、第1輝度復元期間RTME1及び第2輝度復元期間RTME2はこのような輝度損失を補償するためのものである。第1輝度復元期間RTME1と第2輝度復元期間RTME2とは時間的長さが互いに異なるので、差別的に輝度補償ゲインを適用することができる。輝度補償ゲインが適用されると、図11のように、ディスプレイ期間に比べて輝度復元期間での輝度が相対的に高くなるので、一画面内のモードピクセルで実質的に同じ輝度を具現することができるようになる。
【0072】
輝度補償ゲインの大きさと輝度復元期間の時間的長さとは互いに反比例の関係を有することができる。センシングピクセルグループラインの相対的位置にかかわらず、すべてのセンシングピクセルグループラインは同じ長さのセンシング期間を有するので、同じ輝度損失分を有する。ただ、センシングピクセルグループラインは相対的位置によって互いに異なる長さの輝度復元期間を有するので、輝度損失分を補償することができる輝度補償ゲインの大きさがセンシングピクセルグループラインで異に適用されることができる。
【0073】
輝度補償ゲインの大きさは、図12aのように、所定の時間の大きさにグルーピングされた輝度復元ブロック期間別に差別的に設定することができる。このようにすると、輝度補償ゲインロジッグが簡素化し、補償処理速度が早い利点がある。
【0074】
輝度補償ゲインの大きさは、図12bのように、センシングピクセルグループラインごとに変わる個々の輝度復元期間別に差別的に設定することができる。このようにすると、補償の正確度が向上する利点がある。
【0075】
輝度補償ゲインによる映像データの補正動作はタイミングコントローラで遂行することができる。タイミングコントローラは、センシングピクセルグループラインのピクセルに書き込まれる映像データに輝度補償ゲインを適用するためのSLC補償ロジッグ回路をさらに含むことができる。
【0076】
図10図12bに基づいて前述したSLC技術は固定フレーム周波数の環境でシンプルなロジッグによって具現することができる。フレームごとにセンシングピクセルグループラインの位置は予め決定されるが、固定フレーム周波数の環境であるので、同じセンシングピクセルグループラインに対する輝度復元期間の長さはフレームが替わっても変わらない。すなわち、固定フレーム周波数の環境なので、センシングピクセルグループラインの位置のそれぞれに対して互いに異なる固定長を有するように輝度復元期間を予めマッチングすることができるものである。そして、互いに異なる固定長を有する輝度復元期間に対して輝度補償ゲインを差別的に予め決定することができるものである。
【0077】
図13は本明細書の一比較例であって、フレーム周波数の早さによって長さが変わる垂直ブランク期間内で垂直アクティブ期間の最後のデータイネーブル信号を基準にセンシング期間を設定した例を示す図である。そして、図14は、センシング期間を図13のように設定するとき、同じピクセルグループラインに対する輝度復元期間の長さがフレーム周波数の可変によって変わることを示す図である。
【0078】
図13を参照すると、タイミングコントローラは、フレーム周波数の早さによって長さが変わる垂直ブランク期間Vblank内で垂直アクティブ期間の最後のデータイネーブル信号Last DEの立ち下がりエッジFEを基準にセンシング期間を設定することができる。例えば、タイミングコントローラは、前記立ち下がりエッジFEを基準に△Tだけ遅延されたt1タイミングから始めてt2タイミングまでをセンシング期間に設定することができる。ここで、t2タイミングから始まる輝度復元期間の長さはフレーム周波数の早さによって変わる。
【0079】
可変フレーム周波数の環境で、図13のようにセンシング期間が設定される場合には前述したSLC技術を適用しにくい。なぜならば、同じセンシングピクセルグループラインに対する輝度復元期間の長さがフレーム周波数の早さによって変わるからである。
【0080】
例えば、図14のように、JHzのフレーム周波数を有する第N-1フレーム、及びJHzよりも早いKHzのフレーム周波数を有する第Nフレームのそれぞれで、第4ピクセルグループラインのピクセル(すなわち、SCAN(4)を受けるピクセルグループラインのピクセル)が連続してセンシングされることを仮定する。
【0081】
垂直ブランク期間Vblankは第Nフレームに比べて相対的にフレーム周波数が遅い第N-1フレームでもっと長く設定される。第N-1及び第Nフレームで輝度復元期間の長さは垂直ブランク期間Vblankの長さによって決定される。よって、同じ第4ピクセルグループラインを対象とした、第N-1フレームの第1輝度復元期間RTME1が第Nフレームの第2輝度復元期間RTME2よりも長くなる。
【0082】
このように輝度復元期間の長さがセンシングピクセルグループラインの相対的位置だけでなくフレーム周波数の早さによってもっと変わる可変フレーム周波数の環境では、タイミングコントローラがフレーム周波数の変化による輝度復元期間の長さ変化を予め予測することができないので、SLC技術を適用することが不可である。これをさらに説明すると次のようである。
【0083】
タイミングコントローラは、ホストシステムから可変フレーム周波数についての情報を別に受けるものではなく、ホストシステムから受けたデータイネーブル信号DEを参照して各フレームに対するフレーム周波数を判断する。タイミングコントローラは、特定のフレームでデータイネーブル信号DEのトランジション期間(すなわち、ロジッグロー電圧とロジッグハイ電圧との間で交互になるパルスが存在する期間)を当該フレームの垂直アクティブ期間Vactiveと判断し、データイネーブル信号DEのノントランジション期間(すなわち、前記パルスなしにロジッグロー電圧のみで維持される期間)を当該フレームの垂直ブランク期間Vblankと判断する。
【0084】
ところが、タイミングコントローラは、第Nフレームでデータイネーブル信号DEの一番目のパルスがライジングするまでは第N-1フレームの垂直ブランク期間Vblankの長さが予め分からなく、同様に第N+1フレームでデータイネーブル信号DEの一番目のパルスがライジングし始めるまでは第Nフレームの垂直ブランク期間Vblankの長さが予め分からない。言い換えれば、タイミングコントローラは、第N-1フレームでフレーム周波数(JHz)による第1輝度復元期間RTME1の長さを予測することができないので、適切な輝度補償ゲインを第1輝度復元期間RTME1に適用しにくい。同様に、タイミングコントローラは、第Nフレームでフレーム周波数(KHz)による第2輝度復元期間RTME2の長さを予測することができないので、適切な輝度補償ゲインを第2輝度復元期間RTME2に適用しにくい。
【0085】
同じセンシングピクセルグループラインを対象とした第1及び第2輝度復元期間RTME1、RTME2の長さ偏差を適切な輝度補償ゲインを介して補償することができなければ、センシングピクセルグループラインがラインディムとして視認されることがある。
【0086】
図15は本明細書の一実施例であって、垂直ブランク期間内でレンダリング完了信号を基準にセンシング期間を設定した例を示す図である。そして、図16はセンシング期間を図15のように設定するとき、同じピクセルグループラインに対する輝度復元期間の長さがフレーム周波数の変化に関係なく固定される一例を示す図である。
【0087】
図15を参照すると、本明細書の一実施例によるタイミングコントローラは、第N-1フレームの垂直ブランク期間Vblank内でホストシステムから伝送されたレンダリング完了信号SC-FLAGを基準にセンシング期間を設定する。レンダリング完了信号SC-FLAGは前記垂直ブランク期間Vblankの終了時点から一定時間TCだけ先立つ時点でパルシング(pulsing)され、センシング期間はレンダリング完了信号SC-FLAGのパルシングエッジを基準に設定される。ここで、パルシングエッジとは立ち上がりエッジ(rising edge)または立ち下がりエッジ(falling edge)を意味し、垂直ブランク期間Vblankの終了時点は第Nフレームの一番目のデータイネーブル信号の立ち上がりエッジREに同期する。そして、一定時間TCの長さはフレーム周波数の変化に関係なく固定され、前期間及び後期間を有する。
【0088】
タイミングコントローラは、長さが固定された一定時間TCで前期間(t01~t02)をセンシング期間として割り当て、後期間(t02~RE)を輝度復元期間として割り当てるので、図16のように同じピクセルグループラインに対する輝度復元期間の長さがフレーム周波数の変化によって可変しなくなる。第1タイミングt01はレンダリング完了信号SC-FLAGのパルシングエッジFEに同期することができる。
【0089】
タイミングコントローラは、前記垂直ブランク期間Vblankで前記固定された一定時間TCを除いた残りの期間を映像ホールド期間として割り当てる。垂直ブランク期間Vblank内で映像ホールド期間の開始時点は第N-1フレームの最後番目のデータイネーブル信号の立ち下がりエッジFEに同期することができる。
【0090】
映像ホールド期間の長さはフレーム周波数の早さによって可変するので、垂直ブランク期間Vblank内で可変期間と定義することができる。一方、センシング期間を含む一定時間TCはフレーム周波数の早さに関係なく長さが固定されるので、垂直ブランク期間Vblank内で固定期間と定義することができる。可変期間は第N-1フレームに含まれた最後番目のデータイネーブル信号DEの立ち下がりエッジFEとレンダリング完了信号SC-FLAGのパルシングエッジFEとの間に位置し、固定期間はレンダリング完了信号SC-FLAGのパルシングエッジFEと第Nフレームに含まれた一番目のデータイネーブル信号DEの立ち上がりエッジREとの間に位置することができる。
【0091】
図17は、センシング期間を図15のように設定するとき、同じピクセルグループラインに対する輝度復元期間の長さがフレーム周波数の変化に関係なく固定される他の例を示す図である。そして、図18図17のセンシングピクセルグループラインに印加されるスキャン信号及びデータ電圧の駆動タイミングを示す図である。
【0092】
図17及び図18を参照すると、本明細書の一実施例による電界発光表示装置は、外部補償方式でピクセル間の電気的特性偏差を補償するとき、入力映像によってフレーム周波数が可変しても補償ピクセルの位置が使用者に認知されないようにするためのものである。言い換えれば、この電界発光表示装置は、可変フレーム周波数の環境でSLC技術を適用するとき、同じピクセルグループラインに対する輝度復元期間の長さをフレーム周波数の早さに無関係に一定にすることで、センシングピクセルグループラインがラインディムとして視認されることを防止するためのものである。
【0093】
図17及び図18のように、第N-1~第N+1フレームがそれぞれ互いに異なるフレーム周波数、例えば、「IHz」、「KHz」、及び「LHz」を有する可変フレーム周波数の環境で、第Nフレームでの第1輝度復元期間RTME1の長さ及び第N+1フレームでの第2輝度復元期間RTME1の長さをフレーム周波数に関係なく同じに設定することができる。これは、センシング期間STMEがレンダリング完了信号SC-FLAGを基準とした一定時間TC内に位置することによって可能になる。
【0094】
図1図17及び図18を一緒に参照して、可変フレーム周波数の環境での電界発光表示装置の動作を簡単に説明すれば次のようである。ここでは、第4ピクセルグループラインに配置されたターゲットピクセルがセンシング駆動されると仮定する。
【0095】
タイミングコントローラ11は、第N-1フレームの垂直ブランク期間Vblank1でホストシステム14からレンダリング完了信号SC-FLAGを受信し、垂直ブランク期間Vblank1内でレンダリング完了信号SC-FLAGを基準にセンシング期間STMEを設定し、パネル駆動回路121、13のセンシング駆動に必要な第2ゲート及びデータ制御信号GDC、DDCと、パネル駆動回路121、13の輝度復元駆動に必要な第3ゲート及びデータ制御信号GDC、DDCとを出力する。
【0096】
パネル駆動回路121、13は、センシング期間STMEで第2ゲート及びデータ制御信号GDC、DDCを基準にセンシング駆動のための第2データ電圧Vdata2と、前記第2データ電圧Vdata2に同期するセンシング用スキャン信号P2とを生成する。パネル駆動回路121、13は、センシング期間STME内で第2データ電圧Vdata2及びセンシング用スキャン信号P2をターゲットピクセルに書込(WT-SEN動作)してターゲットピクセルをセンシング駆動させる。センシング駆動の際、ターゲットピクセルに含まれた駆動素子は第2データ電圧Vdata2によってオン動作する一方で、ターゲットピクセルに含まれた発光素子は発光しない。このようなセンシング期間STMEで、センシング回路122は、ターゲットピクセルに含まれた駆動素子の電気的特性(スレショルド電圧及び/または移動度)をセンシングする。
【0097】
パネル駆動回路121、13は、センシング期間STMEに引き続く第1輝度復元期間RTME1で第3ゲート及びデータ制御信号GDC、DDCを基準に輝度復元駆動のための第3データ電圧Vdata3と、前記第3データ電圧Vdata3に同期する輝度復元用スキャン信号P3とを生成する。輝度復元駆動のための第3データ電圧Vdata3は、前記センシング期間STMEの間の非発光による輝度損失を補償するために輝度補償ゲインが適用されたデータ電圧である。輝度補償ゲインは、図12a及び図12bと同じ方法で少なくとも一つ以上のピクセルグループライン単位で予め設定されている。パネル駆動回路121、13は、第1輝度復元期間RTME1内で輝度補償ゲインが適用された第3データ電圧Vdata3及び輝度復元用スキャン信号P3をターゲットピクセルに書込(WT-RCV動作)してターゲットピクセルを輝度復元駆動させる(HLD-RCV動作)。このようなWT-RCV動作は第N-1フレームの垂直ブランク期間Vblank1内で遂行され、HLD-RCV動作は、第Nフレームの垂直アクティブ期間Vactive内でディスプレイ用スキャン信号P1がターゲットピクセルに書き込まれるまで遂行される。
【0098】
タイミングコントローラ11は、第Nフレームの垂直アクティブ期間Vactiveでホストシステム14から第Nフレームのレンダリング映像データDATA及びデータイネーブル信号DEを受信し、パネル駆動回路121、13のディスプレイ駆動に必要な第1ゲート及びデータ制御信号GDC、DDCを生成する。タイミングコントローラ11は、第Nフレームのレンダリング映像データDATA及び第1ゲート及びデータ制御信号GDC、DDCをパネル駆動回路121、13に出力する。パネル駆動回路121、13は、第Nフレームの垂直アクティブ期間Vactiveで第1データ電圧Vdata1及びディスプレイ用スキャン信号P1をターゲットピクセルに書込(WT-DIS動作)してターゲットピクセルをディスプレイ駆動させる(HLD-DIS動作)。このようなWT-DIS動作は第Nフレームの垂直アクティブ期間Vactive内で遂行され、HLD-DIS動作は第N+1フレームの垂直ブランク期間(Vblank2)でレンダリング完了信号SC-FLAGが受信されるまで維持される。
【0099】
このような本実施例によれば、同じピクセルグループラインに対する輝度復元期間RTME1またはRTME2の長さはフレーム周波数の早さに関係なく一定になる。このようになる理由は、タイミングコントローラ11がレンダリング完了信号SC-FLAGを基準に垂直ブランク期間の固定期間内でセンシング駆動が遂行されるようにパネル駆動回路を制御するからである。
【0100】
本実施例によれば、輝度復元期間の長さがフレーム周波数の変化によっては変わらず、ディスプレイスキャン信号SCAN(1)~SCAN(m)の書込順によって異なるように予め設定されているので、タイミングコントローラ11は、図12a及び図12bのような方法で輝度復元期間の長さに合う輝度補償ゲインを選択してパネル駆動回路121、13に供給することができる。すると、パネル駆動回路121、13は、適切な輝度補償ゲインが適用された第3データ電圧を生成してセンシングピクセルグループラインのターゲットピクセルに書き込むことで、センシングピクセルグループラインがラインディムとして視認されることを防止することができる。
【0101】
本実施例によれば、連続した第1フレームのフレーム周波数と第2フレームのフレーム周波数とが互いに異なるとき、一フレーム内でデータイネーブル信号がパルシング(pulsing)される垂直アクティブ期間の長さは、前記第1フレーム及び第2フレームで互いに同一である。一方、一フレーム内でデータイネーブル信号がノンパルシング(non-pulsing)される垂直ブランク期間の長さは、前記第1フレーム及び前記第2フレームで互いに異なる。
【0102】
本実施例で、センシング期間STMEを挟んでディスプレイ期間DTMEと輝度復元期間RTME1またはRTME2とが位置する。ここで、センシング期間STME、ディスプレイ期間DTME、及び輝度復元期間RTME1またはRTME2は同じピクセルを対象とする。ディスプレイ期間DTMEは第1発光期間と言え、輝度復元期間RTME1またはRTME2は第2発光期間と言える。第2発光期間の輝度は、センシング期間STMEの間の輝度損失を補償することができるように、第1発光期間の輝度よりも高い。これは輝度補償ゲインの適用によって可能になる。このような差別的輝度の具現によってセンシングピクセルと非センシングピクセルとの間の輝度偏差が減少する。言い換えれば、差別的輝度具現による認知的積分効果によってセンシングピクセルグループラインがラインディムとして視認されなくなる。
【0103】
図19は垂直ブランク期間でホストシステムからタイミングコントローラに伝送されるコントロールデータパケットを示す図である。
図19を参照すると、ホストシステムは、レンダリング完了信号SC-FLAGをコントロールデータパケットに加工して伝送することができる。レンダリング完了信号SC-FLAGはパケットスタート信号及びパケットアンド信号によってパケッティング(packeting)されて伝送されるので、伝送過程で発生する信号歪みを最小化することができる。
【0104】
以上で説明した内容から、当業者であれば本明細書の技術思想を逸脱しない範囲内で多様な変更及び修正が可能であるというのが分かるであろう。したがって、本明細書の技術的範囲は明細書の詳細な説明に記載した内容に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって決定されなければならないであろう。
[発明の実施のための形態]
【0105】
発明の実施のための形態は前述した「発明を実施するための形態」で充分に説明した。
図1
図2
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図12a
図12b
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図18
図19