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特許7627788OLED表示パネル及びOLED表示装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-29
(45)【発行日】2025-02-06
(54)【発明の名称】OLED表示パネル及びOLED表示装置
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/30 20060101AFI20250130BHJP
   H10K 59/131 20230101ALI20250130BHJP
   H10K 50/81 20230101ALI20250130BHJP
   H10K 59/35 20230101ALI20250130BHJP
   H10K 59/82 20230101ALI20250130BHJP
【FI】
G09F9/30 330
G09F9/30 365
G09F9/30 338
H10K59/131
H10K50/81
H10K59/35
H10K59/82
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2023571749
(86)(22)【出願日】2023-06-28
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-28
(86)【国際出願番号】 CN2023103366
(87)【国際公開番号】W WO2024103744
(87)【国際公開日】2024-05-23
【審査請求日】2023-11-20
(31)【優先権主張番号】202211449717.5
(32)【優先日】2022-11-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】517333336
【氏名又は名称】武漢華星光電半導体顕示技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】WUHAN CHINA STAR OPTOELECTRONICS SEMICONDUCTOR DISOLAY TECHNOLOGY CO.,LTD
【住所又は居所原語表記】305 Room,Building C5 Biolake of Optics Valley,No.666 Gaoxin Avenue,.Wuhan East Lake High-tech Development Zone Wuhan,Hubei 430079 China
(74)【代理人】
【識別番号】110002789
【氏名又は名称】弁理士法人IPX
(72)【発明者】
【氏名】サン・フェイシャン
(72)【発明者】
【氏名】リュウ・イ
【審査官】武田 知晋
(56)【参考文献】
【文献】特表2022-500684(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第115188792(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第115347002(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第114171574(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 9/30
H10K 59/131
H10K 50/81
H10K 59/35
H10K 59/82
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示領域及び前記表示領域の一方側に配置された非表示領域を含むOLED表示パネルであって、前記OLED表示パネルは、
信号配線と、
前記信号配線の一方側に配置され、前記信号配線に接続されたファンアウト配線と、を含み、
前記OLED表示パネルは、アノードを含む複数のサブピクセルを含み、前記アノードは、前記ファンアウト配線の前記信号配線から遠い側に配置され、前記ファンアウト配線は、前記非表示領域から前記表示領域に延伸し、前記OLED表示パネルは、前記アノードの前記信号配線に近い側に配置されたダミー配線をさらに含み、前記表示領域は、前記アノードの配置位置に対応する第1領域を含み、前記第1領域は、少なくとも1本の前記ファンアウト配線及び少なくとも1本の前記ダミー配線を含み、且つ各前記サブピクセルを通過するファンアウト配線と各前記サブピクセルを通過する前記ダミー配線は、各前記サブピクセルのアノードの中心に対して対称である、OLED表示パネル。
【請求項2】
前記表示領域を囲むように配置された上側ベゼル、左側ベゼル、下側ベゼル及び右側ベゼルを含み、前記ファンアウト配線は、第1配線部分及び第2配線部分を含み、前記第1配線部分と前記第2配線部分とが接続されており、前記第1配線部分は、前記左側ベゼルから前記右側ベゼルに向かう方向に沿って配置され、前記第2配線部分は、前記下側ベゼルから前記上側ベゼルに向かう方向に沿って配置され、前記表示領域は、前記第1配線部分の配置位置に対応する第2領域と、前記第2配線部分の配置位置に対応する第3領域と、前記ファンアウト配線が配置されていない第4領域とを含む、請求項1に記載のOLED表示パネル。
【請求項3】
少なくとも一部の前記ダミー配線は前記第4領域に配置され、且つ前記ファンアウト配線と前記信号配線との接続箇所で、前記第4領域に配置された前記ダミー配線と前記ファンアウト配線とは離間される、請求項2に記載のOLED表示パネル。
【請求項4】
少なくとも一部の前記ダミー配線は、前記第2領域と前記第3領域とのうちの少なくとも一方の領域に配置され、前記第2領域及び/又は前記第3領域に配置された前記ダミー配線は、隣接する前記ファンアウト配線のうちの1本の前記ファンアウト配線に接続され、且つ前記ダミー配線と、隣接する前記ファンアウト配線のうちの他の前記ファンアウト配線との間には間隔がある、請求項3に記載のOLED表示パネル。
【請求項5】
前記第1配線部分の長さは、前記下側ベゼルから前記上側ベゼルに向かう方向に沿って小さくなり、前記第2配線部分の長さは、前記左側ベゼルから前記表示領域の中央領域に向かう方向に沿って大きくなる、請求項2に記載のOLED表示パネル。
【請求項6】
前記ダミー配線は、第3配線部分及び第4配線部分を含み、前記第3配線部分は、前記第1配線部分と配置方向が同じであり、前記第4配線部分は、前記第2配線部分と配置方向が同じであり、少なくとも一部の前記第3配線部分は前記第4配線部分に接続され、前記第3配線部分の長さは、前記下側ベゼルから前記上側ベゼルに向かう方向に沿って大きくなり、前記第4配線部分の長さは、前記左側ベゼルから前記表示領域の中央領域に向かうにしたがって小さくなる、請求項5に記載のOLED表示パネル。
【請求項7】
隣接する前記第2配線部分のうち1つの前記第2配線部分と1つの前記第3配線部分は、交差して配置され、隣接する前記第2配線部分のうち他の第2配線部分と前記第3配線部分との間には間隔がある、請求項6に記載のOLED表示パネル。
【請求項8】
隣接する前記第2配線部分のうち1つの前記第2配線部分と1つの前記第3配線部分は、交差して配置され、且つ前記左側ベゼルから前記右側ベゼルに向かう方向に沿って、隣接する前記第2配線部分のうち他の前記第2配線部分と他の前記第3配線部分は、対応して接続され、且つ各前記第3配線部分同士が離間される、請求項6に記載のOLED表示パネル。
【請求項9】
前記ダミー配線と前記ファンアウト配線は、同一層に配置され、且つ前記ダミー配線の単位あたりの分布密度は、前記ファンアウト配線の単位あたりの分布密度と同じである、請求項6に記載のOLED表示パネル。
【請求項10】
前記サブピクセルは、赤色サブピクセルと、青色サブピクセルと、緑色サブピクセルとを含み、前記赤色サブピクセルを通過する前記ダミー配線と、前記青色サブピクセルを通過する前記ダミー配線と、前記緑色サブピクセルを通過する前記ダミー配線とのうちの少なくとも1本の前記ダミー配線は、対応するサブピクセルの前記アノードの中心に対して対称である、請求項2に記載のOLED表示パネル。
【請求項11】
前記赤色サブピクセルは第1アノードを含み、前記青色サブピクセルは第2アノードを含み、前記赤色サブピクセルを通過する前記ダミー配線は、前記第1アノードの中心に対して対称であり、前記青色サブピクセルを通過する前記ダミー配線は、前記第2アノードの中心に対して対称である、請求項10に記載のOLED表示パネル。
【請求項12】
前記緑色サブピクセルは第3アノードを含み、前記緑色サブピクセル内を通過するダミー配線は、前記第3アノードの中心に対して対称であり、且つ前記下側ベゼルから前記上側ベゼルに向かう方向に沿って、前記緑色サブピクセルを通過する前記ダミー配線は、前記第3アノードの中心線に対して対称である、請求項11に記載のOLED表示パネル。
【請求項13】
前記左側ベゼルから前記右側ベゼルに向かう方向に沿って、隣接した列の前記緑色サブピクセルを通過する少なくとも一部のダミー配線は、前記赤色サブピクセル内に延伸し、及び/又は、隣接した列の前記緑色サブピクセルを通過する少なくとも一部のダミー配線は、前記青色サブピクセル内に延伸し、且つ前記赤色サブピクセル及び/又は前記青色サブピクセル内に延伸する前記ダミー配線と、前記赤色サブピクセル及び前記青色サブピクセルを通過するダミー配線とは離間される、請求項12に記載のOLED表示パネル。
【請求項14】
第1ソースドレイン層と第2ソースドレイン層とを含む駆動回路層を含み、前記第1ソースドレイン層は、前記信号配線を含み、前記第2ソースドレイン層は、前記ファンアウト配線及び前記ダミー配線を含む、請求項2に記載のOLED表示パネル。
【請求項15】
第1ソースドレイン層と、第2ソースドレイン層と、第3ソースドレイン層とを含む駆動回路層を含み、前記第1ソースドレイン層は、ソース及びドレインを含み、前記第2ソースドレイン層は、前記信号配線を含み、前記第3ソースドレイン層は、前記ファンアウト配線及び前記ダミー配線を含む、請求項2に記載のOLED表示パネル。
【請求項16】
前記第1ソースドレイン層と前記第2ソースドレイン層との間に配置された第1平坦化層と、前記第2ソースドレイン層と前記第3ソースドレイン層との間に配置された第2平坦化層と、をさらに含み、前記信号配線は、データ線を含み、前記ファンアウト配線は、前記第2平坦化層のビアを通過して前記データ線に接続されている、請求項15に記載のOLED表示パネル。
【請求項17】
前記第2ソースドレイン層に配置された電源信号線をさらに含み、前記ダミー配線はビアを通過して前記電源信号線に接続されている、請求項16に記載のOLED表示パネル。
【請求項18】
表示領域及び前記表示領域の一方側に配置された非表示領域を含むOLED表示パネルを含むOLED表示装置であって、前記OLED表示パネルは、
信号配線と、
前記信号配線の一方側に配置され、前記信号配線に接続されたファンアウト配線と、を含み、
前記OLED表示パネルは、アノードを含む複数のサブピクセルを含み、前記アノードは、前記ファンアウト配線の前記信号配線から遠い側に配置され、前記ファンアウト配線は、前記非表示領域から前記表示領域に延伸し、前記OLED表示パネルは、前記アノードの前記信号配線に近い側に配置されたダミー配線をさらに含み、前記表示領域は、前記アノードの配置位置に対応する第1領域を含み、前記第1領域は、少なくとも1本の前記ファンアウト配線及び少なくとも1本の前記ダミー配線を含み、且つ各前記サブピクセルを通過するファンアウト配線と各前記サブピクセルを通過する前記ダミー配線は、各前記サブピクセルのアノードの中心に対して対称である、OLED表示装置。
【請求項19】
前記OLED表示パネルは、前記表示領域を囲むように配置された上側ベゼル、左側ベゼル、下側ベゼル及び右側ベゼルを含み、前記ファンアウト配線は、第1配線部分及び第2配線部分を含み、前記第1配線部分と前記第2配線部分とが接続されており、前記第1配線部分は、前記左側ベゼルから前記右側ベゼルに向かう方向に沿って配置され、前記第2配線部分は、前記下側ベゼルから前記上側ベゼルに向かう方向に沿って配置され、前記表示領域は、前記第1配線部分の配置位置に対応する第2領域と、前記第2配線部分の配置位置に対応する第3領域と、前記ファンアウト配線が配置されていない第4領域とを含む、請求項18に記載のOLED表示装置。
【請求項20】
少なくとも一部の前記ダミー配線は前記第4領域に配置され、且つ前記ファンアウト配線と前記信号配線との接続箇所で、前記第4領域に配置された前記ダミー配線と前記ファンアウト配線とは離間される、請求項19に記載のOLED表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、ディスプレイの技術分野に関し、特にOLED表示パネル及びOLED表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
OLED(Organic Light-Emitting Diode,有機発光ダイオード)表示デバイスは、自発光、広色域、低電力消費、フレキシブル表示を実現できる等の利点により、広く応用されている。従来のOLED表示デバイスでは、ベゼルを狭くするために、ファンアウト配線を表示領域に配置するするFIAA(FanoutInAA)技術を採用することがある。しかし、FIAA技術では、表示領域における配線の密度が異なり、それにより視覚効果に表示不良が生じてしまう。また、発光効率を高めるために、OLED表示デバイスにはPLP(Pol-less Panel,偏光板なし表示パネル)技術が導入されることがあるが、PLP技術は、表示パネルの平坦性に対する要求がより高く、表示時に広視角における周囲のピンク味・青緑味の発光、色割れ、回折等の問題をさらに激化させ、表示パネルの表示不良を招く。
【0003】
そのため、従来のOLED表示デバイスは、FIAAにおける配線の配置密度の違いによる表示不良という技術的課題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願の実施例は、従来のOLED表示デバイスに存在している、FIAAにおける配線の配置密度の違いによる表示不良という技術的課題を解決するためのOLED表示パネル及びOLED表示装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の問題を解決するために、本願は次の技術的解決手段を提供する。
【0006】
本願の実施例は、
表示領域及び前記表示領域の一方側に配置された非表示領域を含むOLED表示パネルであって、前記OLED表示パネルは、
信号配線と、
前記信号配線の一方側に配置され、前記信号配線に接続されたファンアウト配線と、を含み、
前記OLED表示パネルは、アノードを含む複数のサブピクセルを含み、前記アノードは、前記ファンアウト配線の前記信号配線から遠い側に配置され、前記ファンアウト配線は、前記非表示領域から前記表示領域に延伸し、前記OLED表示パネルは、前記アノードの前記信号配線に近い側に配置されたダミー配線をさらに含み、前記表示領域は、前記アノードの配置位置に対応する第1領域を含み、前記第1領域は、少なくとも1本の前記ファンアウト配線及び少なくとも1本の前記ダミー配線を含み、且つ各前記サブピクセルを通過するファンアウト配線と各前記サブピクセルを通過する前記ダミー配線は、各前記サブピクセルのアノードの中心に対して対称である、OLED表示パネルを提供する。
【0007】
いくつかの実施例において、前記OLED表示パネルは、前記表示領域を囲むように配置された上側ベゼル、左側ベゼル、下側ベゼル及び右側ベゼルを含み、前記ファンアウト配線は、第1配線部分及び第2配線部分を含み、前記第1配線部分と前記第2配線部分とが接続されており、前記第1配線部分は、前記左側ベゼルから前記右側ベゼルに向かう方向に沿って配置され、前記第2配線部分は、前記下側ベゼルから前記上側ベゼルに向かう方向に沿って配置され、前記表示領域は、前記第1配線部分の配置位置に対応する第2領域と、前記第2配線部分の配置位置に対応する第3領域と、前記ファンアウト配線が配置されていない第4領域とを含む。
【0008】
いくつかの実施例において、少なくとも一部の前記ダミー配線が前記第4領域に配置され、且つ前記ファンアウト配線と前記信号配線との接続箇所で、前記第4領域に配置された前記ダミー配線と前記ファンアウト配線とが離間される。
【0009】
いくつかの実施例において、少なくとも一部の前記ダミー配線は、前記第2領域と前記第3領域とのうちの少なくとも一方の領域に配置され、前記第2領域及び/又は前記第3領域に配置された前記ダミー配線は、隣接する前記ファンアウト配線のうちの1本の前記ファンアウト配線に接続され、且つ前記ダミー配線と、隣接する前記ファンアウト配線のうちの他の前記ファンアウト配線との間には間隔がある。
【0010】
いくつかの実施例において、前記第1配線部分の長さは、前記下側ベゼルから前記上側ベゼルに向かう方向に沿って小さくなり、前記第2配線部分の長さは、前記左側ベゼルから前記表示領域の中央領域に向かう方向に沿って大きくなる。
【0011】
いくつかの実施例において、前記ダミー配線は、第3配線部分及び第4配線部分を含み、前記第3配線部分は、前記第1配線部分と配置方向が同じであり、前記第4配線部分は、前記第2配線部分と配置方向が同じであり、少なくとも一部の前記第3配線部分が前記第4配線部分に接続され、前記第3配線部分の長さは、前記下側ベゼルから前記上側ベゼルに向かう方向に沿って大きくなり、前記第4配線部分の長さは、前記左側ベゼルから前記表示領域の中央領域に向かうにしたがって小さくなる。
【0012】
いくつかの実施例において、隣接する前記第2配線部分のうち1つの前記第2配線部分と1つの前記第3配線部分は、交差して配置され、隣接する前記第2配線部分のうち他の第2配線部分と前記第3配線部分との間には間隔がある。
【0013】
いくつかの実施例において、隣接する前記第2配線部分のうち1つの前記第2配線部分と1つの前記第3配線部分は、交差して配置され、且つ前記左側ベゼルから前記右側ベゼルに向かう方向に沿って、隣接する前記第2配線部分のうち他の前記第2配線部分と他の前記第3配線部分は、対応して接続され、且つ各前記第3配線部分同士が離間される。
【0014】
いくつかの実施例において、前記ダミー配線と前記ファンアウト配線は、同一層に配置され、且つ前記ダミー配線の単位あたりの分布密度は、前記ファンアウト配線の単位あたりの分布密度と同じである。
【0015】
いくつかの実施例において、前記サブピクセルは、赤色サブピクセルと、青色サブピクセルと、緑色サブピクセルとを含み、前記赤色サブピクセルを通過する前記ダミー配線と、前記青色サブピクセルを通過する前記ダミー配線と、前記緑色サブピクセルを通過する前記ダミー配線とのうちの少なくとも1本の前記ダミー配線は、対応するサブピクセルの前記アノードの中心に対して対称である。
【0016】
いくつかの実施例において、前記赤色サブピクセルが第1アノードを含み、前記青色サブピクセルが第2アノードを含み、前記赤色サブピクセルを通過する前記ダミー配線は、前記第1アノードの中心に対して対称であり、前記青色サブピクセルを通過する前記ダミー配線は、前記第2アノードの中心に対して対称である。
【0017】
いくつかの実施例において、前記緑色サブピクセルが第3アノードを含み、前記緑色サブピクセル内を通過するダミー配線は、前記第3アノードの中心に対して対称であり、且つ前記下側ベゼルから前記上側ベゼルに向かう方向に沿って、前記緑色サブピクセルを通過する前記ダミー配線は、前記第3アノードの中心線に対して対称である。
【0018】
いくつかの実施例において、前記左側ベゼルから前記右側ベゼルに向かう方向に沿って、隣接した列の前記緑色サブピクセルを通過する少なくとも一部のダミー配線は、前記赤色サブピクセル内に延伸し、及び/又は隣接した列の前記緑色サブピクセルを通過する少なくとも一部のダミー配線は、前記青色サブピクセル内に延伸し、且つ前記赤色サブピクセル及び/又は前記青色サブピクセル内に延伸する前記ダミー配線と、前記赤色サブピクセル及び前記青色サブピクセルを通過するダミー配線とが離間される。
【0019】
いくつかの実施例において、前記OLED表示パネルは、第1ソースドレイン層と第2ソースドレイン層とを含む駆動回路層を含み、
前記第1ソースドレイン層は、前記信号配線を含み、前記第2ソースドレイン層は、前記ファンアウト配線及び前記ダミー配線を含む。
【0020】
いくつかの実施例において、前記OLED表示パネルは、第1ソースドレイン層と、第2ソースドレイン層と、第3ソースドレイン層とを含む駆動回路層を含み、前記第1ソースドレイン層は、ソース及びドレインを含み、前記第2ソースドレイン層は、前記信号配線を含み、前記第3ソースドレイン層は、前記ファンアウト配線及び前記ダミー配線を含む。
【0021】
いくつかの実施例において、前記OLED表示パネルは、前記第1ソースドレイン層と前記第2ソースドレイン層との間に配置された第1平坦化層と、前記第2ソースドレイン層と前記第3ソースドレイン層との間に配置された第2平坦化層と、をさらに含み、前記信号配線は、データ線を含み、前記ファンアウト配線は、前記第2平坦化層のビアを通過して前記データ線に接続されている。
【0022】
いくつかの実施例において、前記OLED表示パネルは、前記第2ソースドレイン層に配置された電源信号線をさらに含み、前記ダミー配線がビアを通過して前記電源信号線に接続されている。
【0023】
同時に、本願の実施例は、
表示領域及び前記表示領域の一方側に配置された非表示領域を含むOLED表示パネルを含むOLED表示装置であって、前記OLED表示パネルは、
信号配線と、
前記信号配線の一方側に配置され、前記信号配線に接続されたファンアウト配線と、を含み、
前記OLED表示パネルは、アノードを含む複数のサブピクセルを含み、前記アノードは、前記ファンアウト配線の前記信号配線から遠い側に配置され、前記ファンアウト配線は、前記非表示領域から前記表示領域に延伸し、前記OLED表示パネルは、前記アノードの前記信号配線に近い側に配置されたダミー配線をさらに含み、前記表示領域は、前記アノードの配置位置に対応する第1領域を含み、前記第1領域は、少なくとも1本の前記ファンアウト配線及び少なくとも1本の前記ダミー配線を含み、且つ各前記サブピクセルを通過するファンアウト配線と各前記サブピクセルを通過する前記ダミー配線は、各前記サブピクセルのアノードの中心に対して対称である、OLED表示装置を提供する。
【0024】
いくつかの実施例において、前記OLED表示パネルは、前記表示領域を囲むように配置された上側ベゼル、左側ベゼル、下側ベゼル及び右側ベゼルを含み、前記ファンアウト配線は、第1配線部分及び第2配線部分を含み、前記第1配線部分と前記第2配線部分とが接続されており、前記第1配線部分は、前記左側ベゼルから前記右側ベゼルに向かう方向に沿って配置され、前記第2配線部分は、前記下側ベゼルから前記上側ベゼルに向かう方向に沿って配置され、前記表示領域は、前記第1配線部分の配置位置に対応する第2領域と、前記第2配線部分の配置位置に対応する第3領域と、前記ファンアウト配線が配置されていない第4領域とを含む。
【0025】
いくつかの実施例において、少なくとも一部の前記ダミー配線が前記第4領域に配置され、且つ前記ファンアウト配線と前記信号配線との接続箇所で、前記第4領域に配置された前記ダミー配線と前記ファンアウト配線とが離間される。
【発明の効果】
【0026】
本願は、OLED表示パネル及びOLED表示装置を提供し、該OLED表示パネルは、表示領域及び表示領域の一方側に配置された非表示領域を含み、OLED表示パネルは、信号配線とファンアウト配線とを含み、ファンアウト配線は信号配線の一方側に配置され、ファンアウト配線は信号配線に接続されており、OLED表示パネルは、アノードを含む複数のサブピクセルを含み、アノードは、ファンアウト配線の信号配線から遠い側に配置され、ファンアウト配線は、非表示領域から表示領域に延伸し、OLED表示パネルは、アノードの信号配線に近い側に配置されたダミー配線をさらに含み、表示領域は、アノードの配置位置に対応する第1領域を含み、第1領域は、少なくとも1本のファンアウト配線及び少なくとも1本のダミー配線を含み、且つ各サブピクセルを通過するファンアウト配線と各サブピクセルを通過するダミー配線は各サブピクセルのアノードの中心に対して対称である。本願は、アノードの信号配線に近い側にダミー配線が配置され、少なくとも1本のダミー配線と少なくとも1本のファンアウト配線がアノード配置位置に対応して配置されることによって、ファンアウト配線が配置されていない領域又はファンアウト配線が不均一な領域をダミー配線により補填することができ、表示領域における配線の均一性が向上し、そして各サブピクセルを通過するファンアウト配線と各サブピクセルを通過するダミー配線とが、各サブピクセルのアノードの中心に対して対称になることによって、アノードの平坦性及び対称性を向上させ、発光材料の平坦性を向上させることができ、それにより各視角における視覚効果を一致させ、表示パネルの表示不良を改善する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
以下において、図面と併せて本願の具体的な実施形態を詳細に説明することにより、本願の技術的解決手段及び他の有益な効果を明らかにする。
図1】従来のOLED表示デバイスの模式図である。
図2】本願の実施例で提供されるOLED表示パネルの第1の模式図である。
図3】本願の実施例で提供されるOLED表示パネルにおける単一のサブピクセルの膜層図である。
図4a図3における単一のサブピクセルの各膜層の分解図である。
図4b図3における単一のサブピクセルの各膜層の分解図である。
図4c図3における単一のサブピクセルの各膜層の分解図である。
図4d図3における単一のサブピクセルの各膜層の分解図である。
図4e図3における単一のサブピクセルの各膜層の分解図である。
図4f図3における単一のサブピクセルの各膜層の分解図である。
図4g図3における単一のサブピクセルの各膜層の分解図である。
図4h図3における単一のサブピクセルの各膜層の分解図である。
図4i図3における単一のサブピクセルの各膜層の分解図である。
図4j図3における単一のサブピクセルの各膜層の分解図である。
図4k図3における単一のサブピクセルの各膜層の分解図である。
図4l図3における単一のサブピクセルの各膜層の分解図である。
図4m図3における単一のサブピクセルの各膜層の分解図である。
図4n図3における単一のサブピクセルの各膜層の分解図である。
図5】本願の実施例で提供されるOLED表示パネルの第2の模式図である。
図6】本願の実施例で提供されるOLED表示パネルの第3の模式図である。
図7】本願の実施例で提供されるOLED表示パネルの第4の模式図である。
図8】本願の実施例で提供されるOLED表示パネルの第5の模式図である。
図9図3における単一のサブピクセルの回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下において、本願の実施例における図面を参照しながら、本願の実施例における技術的解決手段を明確に、完全に説明する。当然ながら、説明される実施例は、本願の実施例の一部に過ぎず、全ての実施例ではない。本願における実施例に基づき、当業者が創造的な労力を要することなく得られた他の全ての実施例は、いずれも本願の保護範囲に属するものとする。
【0029】
図1に示すように、OLED表示デバイスは、ベゼルを狭くするためにFIAA技術を採用することがあり、図1から分かるように、FIAA技術ではファンアウト配線122が表示領域111に配置され、ファンアウト配線122とデータ線121が表示領域111で接続され、ファンアウト配線122とデータ線121との接続箇所を符号123で示す。信号の伝達過程において、信号の正常な伝達は、ファンアウト配線122とボンディング領域112のボンディングパッドとの接続によって実現される。ファンアウト配線122は表示領域111に配置され、且つファンアウト配線122は個別の膜層で配置されるため、ファンアウト配線122を配置可能なスペースが大きく、ボンディング領域112のボンディングパッドに接続する際に、非表示領域に位置する部分の長さを小さくすることができ、これによりベゼルを狭くすることができる。しかし、図1から分かるように、ファンアウト配線122とデータ線121との接続箇所の位置が異なることにより、ファンアウト配線の密度が異なる。これには具体的に以下のことが含まれる。第1に、一部の領域にファンアウト配線がなく、例えば、図1の第1領域131にファンアウト配線122がない。第2に、一部の領域にファンアウト配線が配置されるが、ファンアウト配線の横方向と縦方向での配置が不均一であり、例えば、図1において第2領域132にファンアウト配線122が配置されるが、最も下側のファンアウト配線122の横方向部分の右側のファンアウト配線が横方向ではなく、縦方向に配置されることが分かり、それによりファンアウト配線が横方向と縦方向で不均一になり、OLED表示パネルの表示時に表示不良が発生してしまう。且つOLED表示デバイスにPLP技術を導入することにつれて、表示パネルの視角及び輝度が大きくなり、広視角における周囲のピンク味・青緑味の発光、色割れ、回折等の問題をさらに激化させ、表示パネルの表示不良を招く。そのため、従来のOLED表示デバイスにはFIAAにおける配線の配置密度の違いによる表示不良という技術的課題がある。
【0030】
本願の実施例は、上記の技術的課題に対して、上記の技術的課題を緩和するためにOLED表示パネル及びOLED表示装置を提供する。
【0031】
図2から図7に示すように、本願の実施例は、OLED表示パネルを提供し、該OLED表示パネル2は、表示領域281及び前記表示領域281の一方側に配置された非表示領域282を含み、前記OLED表示パネル2は、
信号配線(例えば図4jにおけるデータ線254a)と、
前記信号配線の一方側に配置され、前記信号配線に接続されたファンアウト配線31と(図5においてファンアウト配線31と信号配線との接続箇所を符号331で示す)、を含み、
前記OLED表示パネル2は、アノード261aを含む複数のサブピクセル41を含み、前記アノード261aは、前記ファンアウト配線31の前記信号配線から遠い側に配置され、前記ファンアウト配線31は、前記非表示領域282から前記表示領域281に延伸し、前記OLED表示パネル2は、前記アノード261aの前記信号配線に近い側に配置されたダミー配線32をさらに含み、前記表示領域281は、前記アノードの配置位置に対応する第1領域283を含み、前記第1領域283は、少なくとも1本の前記ファンアウト配線31及び少なくとも1本の前記ダミー配線32を含み、且つ各前記サブピクセル41を通過するファンアウト配線31と各前記サブピクセル41を通過する前記ダミー配線32は、各前記サブピクセル41のアノード261aの中心に対して対称である。
【0032】
本願の実施例は、OLED表示パネルを提供し、該OLED表示パネルは、アノードの信号配線に近い側にダミー配線が配置され、少なくとも1本のダミー配線及び少なくとも1本のファンアウト配線がアノード配置位置に対応して配置されることによって、ファンアウト配線が配置されていない領域又はファンアウト配線が不均一な領域をダミー配線により補填することができ、表示領域における配線の均一性が向上し、そして各サブピクセルを通過するファンアウト配線と各サブピクセルを通過するダミー配線とが、各サブピクセルのアノードの中心に対して対称になることによって、アノードの平坦性及び対称性を向上させ、発光材料の平坦性を向上させることができ、それにより各視角における視覚効果を一致させ、表示パネルの表示不良を改善する。
【0033】
なお、図3は単一のサブピクセルでの膜層設計図であり、図4aから図4nは図3の膜層設計図における各膜層の分解図であり、単一のサブピクセルでは対称的に配置された2つの回路があるため、図4aから図4mにおける各膜層がいずれも対称的に配置されることが分かり、図4nはアノードの膜層図である。表示パネルは表示パネルの中心線を境に左側と右側に分割され、図5に左側のファンアウト配線31及びダミー配線32の配置方式のみが示されるが、右側のファンアウト配線31及びダミー配線32が左側のファンアウト配線31及びダミー配線32と対称的に配置されることは理解され得る。
【0034】
なお、単一のボンディングパッド33を例にしてファンアウト配線31とダミー配線32との違いを説明し、ファンアウト配線31とは、ボンディングパッド33から信号配線に途切れることなく接続される配線(ファンアウト配線31と信号配線との接続箇所を符号331で示す)を指し、ダミー配線32とは、ファンアウト配線31以外の他の配線を指す。
【0035】
なお、信号配線とファンアウト配線とが異なる層に位置し、且つダミー配線が配置された後、信号配線及びファンアウト配線を同一の図面に示しにくいため、図5においてファンアウト配線31と信号配線との接続箇所を符号331で示すのみであり、信号配線の配置方式については、図3図4nにおけるデータ線254aの配置方式を参照することができる。
【0036】
従来の表示デバイスでは、ファンアウト配線の配置方式は図1に示すように、一部の領域にファンアウト配線がなく、且つファンアウト配線の横縦方向での配置が不均一であることが分かり、こうしてアノードの下方の膜層が不均一になり、アノード層が不平坦になってしまい、その後で発光材料を製造する時に、各サブピクセルの発光材料が不均一になり、表示不良を招く。上記の技術的課題に対して、本願は、ダミー配線をアノードの信号配線に近い側に配置し、且つ少なくとも1本のダミー配線を第1領域に配置することによって、本願のダミー配線は、少なくともファンアウト配線のない領域(例えば、図1のデータ線121のみを有する領域)に配置され得、及び/又はファンアウト配線が横縦方向で不均一である領域(例えば、図1においてファンアウト配線122が配置された領域であり、但し、1つのファンアウト配線122の横方向部分の一方側に位置する他のファンアウト配線122は、横方向ではなく、縦方向に配置され、1つのファンアウト配線122の縦方向部分の一方側に位置する他のファンアウト配線122は、縦方向ではなく、横方向に配置される)に配置され得る。それにより少なくともファンアウト配線なし場合とファンアウト配線あり場合の不均一を改善し、及び/又はファンアウト配線あり場合の横縦方向の不均一を改善することができ(例えば、図5において横方向の第3配線部分321及び縦方向の第4配線部分322が配置されることにより、ファンアウト配線31が配置されたいずれかの領域での配線の横方向及び縦方向における長さ及び間隔を近くひいては等しくし、それにより配線を横方向及び縦方向に均一に配置する)、そして各サブピクセルを通過するファンアウト配線と各サブピクセルを通過するダミー配線とが、各サブピクセルのアノードの中心に対して対称になることによって、アノードの平坦性及び対称性を向上させ、表示パネルの表示不良を改善する。
【0037】
なお、図5ではダミー配線32と他の配線との接続箇所を符号332で示し、ファンアウト配線31と信号配線との接続箇所を符号331で示し、ダミー配線32と他の配線との接続箇所、及びファンアウト配線31と信号配線との接続箇所は、図5においてファンアウト配線に接続されているか否かに基づき区別でき、図5から分かるように、他の配線に接続されたダミー配線32は、ファンアウト配線31には接続されず、ファンアウト配線31に接続されたダミー配線32は、隣接するファンアウト配線31には接続されず、平坦化のための配線としてのみ機能し、ファンアウト配線31の信号にも影響を与えない。
【0038】
一実施例において、図6に示すように、前記OLED表示パネル2は、前記表示領域281を囲むように配置された上側ベゼル291、左側ベゼル292、下側ベゼル293及び右側ベゼル294を含み、前記ファンアウト配線31は、第1配線部分311と第2配線部分312とを含み、前記第1配線部分311と前記第2配線部分312とが接続されており、前記第1配線部分311は、前記左側ベゼル292から前記右側ベゼル294に向かう方向に沿って配置され、前記第2配線部分312は、前記下側ベゼル293から前記上側ベゼル291に向かう方向に沿って配置され、前記表示領域281は、前記第1配線部分311の配置位置に対応する第2領域284、前記第2配線部分312の配置位置に対応する第3領域285、及び前記ファンアウト配線31が配置されていない第4領域286を含む。
【0039】
ファンアウト配線が一部の領域にのみ配置されることにより、アノード層の平坦性が低くなり、さらに表示不良を招く技術的課題に対して、一実施例において、図6に示すように、少なくとも一部の前記ダミー配線32が前記第4領域286に配置され、且つ前記ファンアウト配線31と前記信号配線との接続箇所331で、前記第4領域286に配置された前記ダミー配線32と前記ファンアウト配線31とが離間される。ダミー配線を第4領域に配置することによって、ファンアウト配線が配置されていない領域はダミー配線により補填され、表示領域における各領域のいずれにおいても配線が配置されており、表示領域における配線の均一性が向上し、そして各サブピクセルを通過するファンアウト配線と各サブピクセルを通過するダミー配線は各サブピクセルのアノードの中心に対して対称であり、アノードの平坦性及び対称性を向上させ、発光材料の平坦性を向上させ、それにより表示効果を改善する。そしてファンアウト配線と信号配線との接続箇所で、ダミー配線とファンアウト配線とを離間することによって、ダミー配線がファンアウト配線の信号に影響を与えることを回避し、ファンアウト配線が正常に動作できるようにする。
【0040】
なお、見やすくするために、図6においてファンアウト配線と信号配線との接続箇所を1つだけ示しているが、実際には、ファンアウト配線は、いずれも信号配線に接続されており、各ファンアウト配線と信号配線との接続箇所の位置については、図5を参照することができる。
【0041】
具体的には、一部の領域にファンアウト配線がなく、例えば、図1の第1領域131にファンアウト配線122がないという上述した問題に対して、本願は、ダミー配線を第4領域に配置し、図6に示すように、ダミー配線32がファンアウト配線31と信号配線との接続箇所以外に配置され、且つダミー配線がファンアウト配線と同一の膜層に配置され得、それによりファンアウト配線が配置された膜層の均一性を向上させ、アノード層の平坦性を向上させ、表示パネルの表示効果を改善することができる。
【0042】
ファンアウト配線の不均一な配置により、アノード層の平坦性が低くなり、さらに表示不良を招くという技術的課題に対して、一実施例において、図5に示すように、少なくとも一部の前記ダミー配線32は前記第2領域284と前記第3領域285とのうちの少なくとも一方の領域に配置され、前記第2領域284及び/又は前記第3領域285に配置された前記ダミー配線32は、隣接するファンアウト配線31のうちの1本のファンアウト配線31に接続され、且つダミー配線32と、隣接するファンアウト配線31のうちの他のファンアウト配線31との間には間隔がある。ダミー配線を第2領域と第3領域とのうちの少なくとも一方の領域に配置し、ファンアウト配線における、縦方向配線のみを有する位置又は横方向配線のみを有する位置を補填することによって、表示パネルの各領域における配線の配置密度を近くひいては等しくし、そしてダミー配線はファンアウト配線と同一の膜層に配置することも、他の膜層に配置することで敷設することもでき、これによりアノードの下方に位置する膜層の均一性を向上させ、アノード層の平坦性を向上させ、表示パネルの表示効果を改善し、そしてダミー配線は隣接するファンアウト配線のうちの1本のファンアウト配線に接続され、ダミー配線と、隣接するファンアウト配線のうちの他のファンアウト配線との間には間隔があることによって、ダミー配線が隣接するファンアウト配線をオンにすることを回避し、ファンアウト配線が信号配線の信号を正常に伝達できるようにする。
【0043】
具体的には、一部の領域にファンアウト配線が配置されるが、ファンアウト配線の横方向及び縦方向での配置が不均一であるという上述した問題に対して、図5に示すように、本願は、ダミー配線32を第2領域284及び第3領域285に配置し、例えば、最も下側のファンアウト配線31の横方向部分の右側にダミー配線32を配置することによって、ファンアウト配線31の横方向の均一性を向上させることができる。且つ図5から分かるように、第3配線部分321が1本のファンアウト配線31に接続され、第3配線部分321と、該ファンアウト配線31に隣接するファンアウト配線31との間には間隔があり、それにより第3配線部分321が隣接するファンアウト配線をオンにすることを回避し、ファンアウト配線が信号を正常に伝達できるようにする。
【0044】
なお、第1配線部分の長さとは、第1配線部分の左端から第1配線部分の右端までの距離を指し、第2配線部分の長さとは、第2配線部分の上端から第2配線部分の下端までの距離を指し、同様に、第3配線部分の長さとは、第3配線部分の左端から第3配線部分の右端までの距離を指し、第4配線部分の長さとは、第4配線部分の上端から第2配線部分の下端までの距離を指す。また、第3配線と第4配線が離間されて配置されたため、第3配線部分の長さ及び第4配線部分の長さは、各離間部分の長さの総和であってもよい。
【0045】
一実施例において、図5図6に示すように、前記第1配線部分311の長さは、前記下側ベゼル293から前記上側ベゼル291に向かう方向に沿って小さくなり、前記第2配線部分312の長さは、前記左側ベゼル292から前記表示領域281の中央領域に向かう方向に沿って大きくなる。
【0046】
本願の実施例は、一部の領域にファンアウト配線が配置されるが、ファンアウト配線の横方向及び縦方向での配置が不均一であるという上述した問題に対する。具体的には、ファンアウト配線は、第1配線部分及び第2配線部分を含み、横方向の第1配線部分及び縦方向の第2配線部分が不均一に配置されている。本願の実施例において、配置されたダミー配線は第3配線部分及び第4配線部分を含み、第1配線部分及び第2配線部分の配置方向及び配置密度に基づいて第3配線部分及び第4配線部分を配置し、且つダミー配線はファンアウト配線と同一の膜層に配置することができ、それによりファンアウト配線が位置する膜層の均一性を改善し、ファンアウト配線が位置する膜層の平坦性を向上させることができ、さらにアノード層の平坦性を向上させることができ、そして各サブピクセルを通過するファンアウト配線と各サブピクセルを通過するダミー配線とが、各サブピクセルのアノードの中心に対して対称になることによって、アノードの対称性を向上させ、各視角における視覚効果を一致させ、表示パネルの表示効果を改善する。
【0047】
ファンアウト配線及びダミー配線の不均一な配置による平坦性の低下という技術的課題に対して、一実施例において、図5図6に示すように、前記ダミー配線32は、第3配線部分321及び第4配線部分322を含み、前記第3配線部分321は、前記第1配線部分311と配置方向が同じであり、前記第4配線部分322は、前記第2配線部分312と配置方向が同じであり、少なくとも一部の前記第3配線部分321が前記第4配線部分322に接続され、前記第3配線部分321の長さは、前記下側ベゼル293から前記上側ベゼル291に向かう方向に沿って大きくなり、前記第4配線部分の長さは、前記左側ベゼルから前記表示領域の中央領域に向かうにしたがって小さくなる。第3配線部分の幅を下から上に向かって大きくし、第3配線部分の幅の変化傾向を第1配線部分の幅の変化傾向と逆にすることによって、第3配線部分は第1配線部分の空き領域を補填することができ、ファンアウト配線が位置する膜層の横方向部分の均一性が向上する。第4配線部分の幅を左から右へ小さくし、第4配線部分の幅の変化傾向を第2配線部分の幅の変化傾向と逆にすることによって、第4配線部分は第2配線部分の空き領域を補填することができ、ファンアウト配線が位置する膜層の縦方向部分の均一性が向上し、それによりアノード層の平坦性を向上させ、表示パネルの表示効果を改善することができる。
【0048】
具体的には、第1配線部分及び第2配線部分は、所定角度で配置することができ、所定角度は、ファンアウト配線の実際の設計に基づいて決定され、所定角度の範囲は、0度を除く0度~180度であってもよく、例えば、第1配線部分と第2配線部分は、それぞれ横方向と縦方向に配置され、第1配線部分と第2配線部分は90度になる。
【0049】
上記実施例は、各第3配線部分の長さが大きくなること、及び各第4配線部分の長さが小さくなることを例にして詳細に説明したが、本願の実施例はこれに限定されず、例えば、各第3配線部分の長さが等しく、各第4配線部分の長さが等しくなってもよい。
【0050】
具体的には、横方向の第1配線部分及び縦方向の第2配線部分が不均一に配置される問題に対して、図5に示すように、第3配線部分321は、第1サブ部分321a及び第2サブ部分321bを含み、前記第1サブ部分321aは第2配線部分312と交差して配置され、且つ前記第1サブ部分321aは隣接する第2配線部分312のうちの1つの第2配線部分312に接続され、前記第1サブ部分321aと、隣接する第2配線部分312のうちの他の第2配線部分312との間には間隔があり、前記第4配線部分322は、第3サブ部分322a及び第4サブ部分322bを含み、前記第3サブ部分322aは隣接する第1配線部分311のうちの1つの第1配線部分311に接続され、前記第3サブ部分322aと、隣接する第1配線部分311のうちの他の第1配線部分311との間には間隔があり、前記第2サブ部分321bは第4サブ部分322bと交差して配置されている。第3配線部分321がそれぞれ第2配線部分312及び第4配線部分322と交差して配置されることによって、第4配線部分322はそれぞれ第1配線部分311及び第3配線部分321と交差して配置されるようになり、よって、第1配線部分及び第2配線部分が不均一に配置された領域を第3配線部分及び第4配線部分により補填することができ、ファンアウト配線が位置する膜層のいずれかの位置でも横方向に配置された配線及び縦方向に配置された配線を有し、ファンアウト配線が位置する膜層の平坦性が向上し、そして第3配線部分及び第4配線部分の幅を制御することによって、ファンアウト配線が位置する膜層の平坦性をさらに向上させ、アノード層の平坦性を向上させ、表示パネルの表示効果を改善することができる。
【0051】
一実施例において、図5に示すように、隣接する前記第2配線部分312のうちの1つの前記第2配線部分312と1つの前記第3配線部分321とが交差して配置され、隣接する前記第2配線部分312のうちの他の第2配線部分312と前記第3配線部分321との間には間隔がある。1つの第2配線部分と1つの第3配線部分とが交差して配置され、隣接する第2配線部分のうちの他の第2配線部分と第3配線部分との間には間隔があり、そして各サブピクセルを通過するファンアウト配線と各サブピクセルを通過するダミー配線とが各サブピクセルのアノードの中心に対して対称であることによって、第2配線部分に配置された第3配線部分を均一に配置し、ファンアウト配線が位置する膜層の平坦性を向上させ、アノード層の平坦性及び対称性を向上させ、表示パネルの表示効果を改善することができる。
【0052】
具体的には、第3配線部分と第2配線部分とが交差して配置された場合に、第3配線部分を第2配線部分に対して対称的に配置してもよく、それによりファンアウト配線が位置する膜層の平坦性及び対称性をさらに向上させ、アノード層の平坦性及び対称性が悪いことによる広視角における異なる視覚効果や、色割れ、回折等の表示不良の問題を改善する。
【0053】
一実施例において、図8に示すように、隣接する前記第2配線部分312のうちの1つの前記第2配線部分312と1つの前記第3配線部分321とが交差して配置され、且つ前記左側ベゼルから前記右側ベゼルに向かう方向に沿って、隣接する前記第2配線部分312のうちの他の前記第2配線部分312と前記第3配線部分321とが対応して接続され、且つ各前記第3配線部分321同士が離間される。隣接する第2配線部分のうち1つの第2配線部分と1つの第3配線部分とを交差して配置し、他の第2配線部分も第3配線部分に接続することによって、各第2配線部分のインピーダンスの均一性を向上させ、各ファンアウト配線のインピーダンスの不一致による表示不良を回避することができる。
【0054】
ファンアウト配線の分布密度が異なることにより、アノード層の平坦性が悪く、さらに表示不良を招く技術的課題に対して、一実施例において、図4l、図5に示すように、前記ダミー配線32と前記ファンアウト配線31とが同一層に配置され、且つ前記ダミー配線32の単位あたりの分布密度は、前記ファンアウト配線31の単位あたりの分布密度と同じである。ダミー配線とファンアウト配線とを同一層に配置することによって、ファンアウト配線が位置する膜層の均一性及び平坦性を改善して、アノード層の平坦性を改善することができる。同時に、ダミー配線の単位あたりの分布密度とファンアウト配線の単位あたりの分布密度とを同じとすることによって、ファンアウト配線が配置された膜層の均一性をさらに向上させ、アノード層の平坦性を向上させ、表示パネルの表示効果を改善することができる。
【0055】
具体的には、単位あたりの分布密度とは、単位面積における配線の配置密度を指し、例えば、1平方ミリメートル内で0.5平方ミリメートルのファンアウト配線を有すると、ファンアウト配線の単位あたりの分布密度は、0.5である。
【0056】
配置時にダミー配線が離間されて配置されることを考慮すると、ダミー配線の単位あたりの分布密度は、ファンアウト配線の単位あたりの分布密度よりもわずかに小さく、したがって、ダミー配線の単位あたりの分布密度とファンアウト配線の単位あたりの分布密度との差をある数値よりも小さくすることができ、該数値は、アノード層の平坦性に基づき決定して、具体的に限定することができる。
【0057】
ファンアウト配線の分布位置が不均一であることにより、アノード層の平坦性が悪く、さらに表示不良を招くという技術的課題に対して、一実施例において、図7に示すように、前記サブピクセル41は、赤色サブピクセル412、青色サブピクセル411及び緑色サブピクセル413を含み、前記赤色サブピクセル412を通過する前記ダミー配線32と、前記青色サブピクセル411を通過する前記ダミー配線32と、前記緑色サブピクセル413を通過する前記ダミー配線32とのうちの少なくとも1本の前記ダミー配線32は、対応するサブピクセル41の前記アノードの中心に対して対称である。赤色サブピクセル、青色サブピクセルや緑色サブピクセルを通過するダミー配線のうちの少なくとも1本のダミー配線をアノードの中心に対して対称とすることによって、アノードの平坦性及び対称性が高く、アノードに発光材料を配置する時に、発光材料を比較的平坦にすることができ、それによりOLED表示パネルの表示時に、正常に表示することができ、OLED表示パネルの表示不良の技術的課題が改善される。具体的には、図7にはサブピクセルが示されたが、サブピクセルは仮想的な概念であり、OLED表示パネルにおける構造に属さず、本願の実施例では単にダミー配線の配置方式を容易に説明するために用いられることは理解可能である。
【0058】
一実施例において、図7に示すように、前記赤色サブピクセル412が第1アノード422を含み、前記青色サブピクセル411が第2アノード421を含み、前記赤色サブピクセル412を通過する前記ダミー配線32は、前記第1アノード422の中心に対して対称であり、前記青色サブピクセル411を通過する前記ダミー配線32は、前記第2アノード421の中心に対して対称である。赤色サブピクセルを通過するダミー配線を第1アノードの中心に対して対称とし、青色サブピクセルを通過するダミー配線を第2アノードの中心に対して対称することによって、アノード層の配置時に、アノード層をダミー配線に対して対称的に配置することができ、アノード層の平坦性及び対称性を良好にし、よって、アノード層に発光材料を配置する時に、発光材料を比較的平坦にし、それによりOLED表示パネルは表示時に正常に表示でき、OLED表示パネルの表示不良の技術的課題を改善する。
【0059】
一実施例において、図7に示すように、前記緑色サブピクセル413は、第3アノード423を含み、前記緑色サブピクセル413内を通過するダミー配線32は、前記第3アノード423の中心に対して対称であり、且つ前記下側ベゼルから前記上側ベゼルに向かう方向に沿って、前記緑色サブピクセル413を通過する前記ダミー配線32は、前記第3アノード423の中心線に対して対称である。ファンアウト配線が緑色サブピクセルの中心線に対して対称的に配置されることがあることに対して、本願は、ダミー配線を緑色サブピクセルの中心線に対して対称とすることによって、ファンアウト配線とダミー配線とを対称的に配置し、ファンアウト配線が位置する膜層の平坦性を改善し、アノード層の平坦性及び対称性を向上させ、OLED表示パネルの表示不良の技術的課題を改善することができる。
【0060】
具体的には、赤色サブピクセルと青色サブピクセルは同一行に位置し、緑色サブピクセルは、隣接する赤色サブピクセルの間に位置し、図8に示すように、前記ファンアウト配線31及びダミー配線32は、横方向における配置方式として、3本の配線を1つの繰り返し単位34とし、そのうち1つの配線が赤色サブピクセル又は青色サブピクセル内に配置され、他の2つの配線が青色サブピクセルと赤色サブピクセルとの間に配置されている。
【0061】
一実施例において、図8に示すように、前記左側ベゼルから前記右側ベゼルに向かう方向に沿って、隣接した列の前記緑色サブピクセル413を通過するダミー配線32の少なくとも一部は、前記赤色サブピクセル412内に延伸し、及び/又は隣接した列の前記緑色サブピクセル413を通過するダミー配線32の少なくとも一部は、前記青色サブピクセル411内に延伸し、且つ前記赤色サブピクセル412及び/又は前記青色サブピクセル411内に延伸する前記ダミー配線32と、前記赤色サブピクセル412及び前記青色サブピクセル411を通過するダミー配線32とが離間される。隣接した列の緑色サブピクセルを通過するダミー配線が赤色サブピクセル及び/又は青色サブピクセル内に延伸するようにすることによって、各第2配線部分のインピーダンスの均一性を向上させ、各ファンアウト配線のインピーダンスの不一致による表示不良を回避することができ、且つ赤色サブピクセル及び/又は青色サブピクセル内に延伸するダミー配線と赤色サブピクセル及び青色サブピクセルを通過するダミー配線とを離間することによって、ダミー配線が隣接するファンアウト配線をオンにすることを回避し、ファンアウト配線を正常に動作させる。
【0062】
上記の実施例は一画素設計を例としてダミー配線の配置方式について詳細に説明したが、本願の実施例はこれに限定されず、例えば、前記緑色サブピクセルを通過するダミー配線は、第3アノードの中心に対して対称であり、下側ベゼルから上側ベゼルに向かう方向に沿って、前記青色サブピクセル内を通過するダミー配線は、前記第2アノードの中心線に対して対称的に配置され、前記赤色サブピクセル内を通過するダミー配線は、前記第1アノードの中心線に対して対称的に配置されている。一実施例において、前記OLED表示パネルは、駆動回路層を含み、前記駆動回路層は、第1ソースドレイン層及び第2ソースドレイン層を含む。
【0063】
ここで、前記第1ソースドレイン層に前記信号配線が形成されており、前記第2ソースドレイン層は、前記ファンアウト配線及び前記ダミー配線を含む。信号配線、ファンアウト配線及びダミー配線の配置時に、信号配線を第1ソースドレイン層に配置し、ファンアウト配線を第2ソースドレイン層に配置することができ、それによりファンアウト配線を表示領域に配置し、ファンアウト配線が占用するベゼルを小さくすることができ、且つダミー配線を第2ソースドレイン層に配置することによって、ファンアウト配線が位置する膜層をダミー配線により平坦化することができ、第2ソースドレイン層の平坦性を向上させ、アノード層の平坦性を向上させ、表示パネルの表示効果を改善する。
【0064】
一実施例において、図2から図4nに示すように、前記OLED表示パネル2は、駆動回路層を含み、前記駆動回路層は、第1ソースドレイン層252、第2ソースドレイン層254及び第3ソースドレイン層256を含み、前記第1ソースドレイン層252は、ソース及びドレインを含み、前記第2ソースドレイン層254は、信号配線(例えばデータ線254a)を含み、前記第3ソースドレイン層256は、ファンアウト配線31及びダミー配線32を含む。信号配線、ファンアウト配線及びダミー配線の配置時に、信号配線を第2ソースドレイン層に配置し、ファンアウト配線を第3ソースドレイン層に配置することができ、それによりファンアウト配線を表示領域に配置し、ファンアウト配線が占用するベゼルを小さくすることができ、且つダミー配線を第3ソースドレイン層に配置することによって、ファンアウト配線が位置する膜層をダミー配線により平坦化することができ、第3ソースドレイン層の平坦性を向上させ、アノード層の平坦性を向上させ、表示パネルの表示効果を改善する。
【0065】
一実施例において、図2から図4nに示すように、前記OLED表示パネル2は、第1平坦化層253及び第2平坦化層255をさらに含み、前記第1平坦化層253は、前記第1ソースドレイン層252と前記第2ソースドレイン層254との間に配置され、前記第2平坦化層255は、前記第2ソースドレイン層254と前記第3ソースドレイン層256との間に配置され、前記信号配線は、データ線254aを含み、前記データ線254aは、前記第2ソースドレイン層254に配置され、前記ファンアウト配線31は、前記第2平坦化層255のビア255aを通過して前記データ線254aに接続される。信号配線にデータ線を含ませ、データ線を第2ソースドレイン層に配置し、ファンアウト配線を第3ソースドレイン層に配置することによって、ファンアウト配線は、第2平坦化層のビアを通過してデータ線に接続することができ、それによりデータ線の信号伝達を達成することができ、且つファンアウト配線を表示領域に配置することにより、ファンアウト配線が占用するベゼルを小さくし、表示パネルの狭ベゼルを実現する。
【0066】
ダミー配線のサスペンション配置により静電気が発生するおそれがある技術的課題に対して、一実施例において、図2から図4nに示すように、前記OLED表示パネル2は、電源信号線254bをさらに含み、前記電源信号線254bは、前記第2ソースドレイン層254に配置され、前記ダミー配線32は、ビアを通過して前記電源信号線254bに接続される。ダミー配線と電源信号線とを接続することによって、ダミー配線により発生する静電気による回路の破壊を回避することができ、且つダミー配線が電源信号線にのみ接続され、回路の正常な動作には影響を与えない。
【0067】
また、本願の実施例におけるOLED表示パネルの動作原理及び膜層構造について、OLED表示パネルにおける単一のサブピクセルの膜層設計及び回路設計によって説明する。
【0068】
図2から図4n、図9に示すように、図9図3における単一のサブピクセルの画素駆動回路図であり、OLED表示パネルは、画素駆動回路を含み、画素駆動回路は、第1トランジスタT1、第2トランジスタT2、第3トランジスタT3、第1リセットトランジスタT4、第1発光制御トランジスタT5、第2発光制御トランジスタT6、第2リセットトランジスタT7、保持コンデンサCst、昇圧用コンデンサCboost、電源信号線VDD、低電位信号線VSS、データ線Data、第1走査線PScan(n)、第2走査線PScan(n-1)、第3走査線NScan(n)、第4走査線NScan(n-5)及び発光制御線EMを含む。
【0069】
ここで、PScan(n)は現段の走査線を示し、PScan(n-1)は1段上の走査線を示し、且つ上記走査線はP型トランジスタを制御するために用いられる。NScan(n)は現段の走査線を示し、NScan(n-5)は5段上の走査線を示し、且つこれらの2本の走査線はN型トランジスタを制御するために用いられる。
【0070】
回路の動作原理は次のとおりである。第1段階で、第1リセットトランジスタT4及び第2リセットトランジスタT7がオンになり、第1リセット信号線VI-Gが出力するリセット信号により第1トランジスタT1のゲートをリセットし、第2リセット信号線VI-ANOが出力するリセット信号により画素発光単位LEDをリセットする。第2段階で、第2トランジスタT2及び第3トランジスタT3がオンになり、データ線Dataにより入力されたデータ信号を第1トランジスタT1ゲートに書き込む。第3段階で、第1発光制御トランジスタT5及び第2発光制御トランジスタT6がオンになり、画素発光単位LEDを発光させるように駆動する。
【0071】
本願の実施例は図2の回路図を例にして詳細に説明したが、本願の実施例はこれに限定されず、例えば7T1C(7つのトランジスタと1つのコンデンサ)回路を用いた表示パネルも本願の設計を採用することができる。
【0072】
一実施例において、図2に示すように、前記OLED表示パネル2は、基板21、遮光層22及びバッファ層23をさらに含み、前記遮光層22は、前記基板21と前記バッファ層23との間に位置する。
【0073】
一実施例において、図2に示すように、遮光層22の、基板21における投影の幅は、第1半導体層241のトレンチ領域と第2半導体層247のトレンチ領域との間の最も大きい幅よりも大きく、遮光層により第1半導体層及び第2半導体層のトレンチ領域を遮光し、外部光線が第1半導体層及び第2半導体層の性能に影響を与えることを回避する。
【0074】
一実施例において、図2に示すように、遮光層22は、第1ソースドレイン層252に接続され、遮光層と第1ソースドレイン層とが接続されることで、第1ソースドレイン層のインピーダンスを低下させる。
【0075】
一実施例において、図2に示すように、OLED表示パネル2は、第1半導体層241、第1ゲート絶縁層242、第1ゲート層243、第2ゲート絶縁層244、第2ゲート層245、第1層間絶縁層246、第2半導体層247、第3ゲート絶縁層248、第3ゲート層249、第2層間絶縁層251をさらに含み、OLED表示パネルにLTPO(Low Temperature Poly-Oxide,LTPO)技術を使用することによって、OLED表示パネルの電力消費を低下させることができる。
【0076】
一実施例において、第1半導体層の材料は、多結晶シリコンを含み、第2半導体層の材料は、金属酸化物を含む。
【0077】
一実施例において、図2に示すように、前記OLED表示パネル2は、第3平坦化層257、アノード層261、画素定義層262、発光材料層263、陰極層264をさらに含む。
【0078】
一実施例において、図2に示すように、前記OLED表示パネル2は、封止層27をさらに含み、封止層は、第1無機層、有機層及び第2無機層を含む。
【0079】
具体的には、図3は単一のサブピクセルでの膜層設計図であり、見やすくするために、図3に薄膜トランジスタのみが示され、図4aから図4nは図3の膜層設計図における各膜層の分解図であり、図4aから図4nにおいて各膜層の構造設計を説明する。
【0080】
図4aは第1半導体層の膜層設計である。図4bは第1ゲート層の膜層設計であり、第1ゲート層243は発光制御線243a及び第1走査線243bを含む。図4cは第2ゲート層の膜層設計であり、第2ゲート層245は第1リセット信号線245a、第3走査線の第1部分245c及び第4走査線の第1部分245bを含む。図4dは第2半導体層の膜層設計であり、図4eは第3ゲート層の膜層設計であり、第3ゲート層249は第3走査線の第2部分249b及び第4走査線の第2部分249aを含む。図4fは第1ソースドレイン層が第1半導体層のビア251aに接続された設計であり、即ち第1ゲート絶縁層、第2ゲート絶縁層、第1層間絶縁層、第3ゲート絶縁層及び第2層間絶縁層のビアである。図4gは第1ソースドレイン層が第2半導体層のビア251bに接続された設計であり、即ち第2層間絶縁層及び第3ゲート絶縁層のビアである。
【0081】
図4hは第1ソースドレイン層の膜層設計であり、第1ソースドレイン層252は第2リセット信号線252aを含む。図4iは第1平坦化層のビア253aの設計である。図4jは第2ソースドレイン層の膜層設計であり、第2ソースドレイン層254はデータ線254a及び電源信号線254bを含む。図4kは第2平坦化層のビア255aの設計である。図4lは第3ソースドレイン層の膜層設計であり、第3ソースドレイン層256はファンアウト配線31及びダミー配線32を含む。図4mは第3平坦化層のビア257aの設計である。図4nはアノード層の膜層設計であり、アノード層261はアノード261aを含む。
【0082】
具体的には、各膜層における配線及びビア内の設計については、図9における回路設計及び図3における膜層設計に基づいて決定することができ、ここでは重複説明を省略する。
【0083】
なお、配線をそれぞれ膜層図及び回路図によって説明したため、配線が異なる符号を有することになり、例えば、データ線は、回路図においてDataで表記され、膜層図において254aで表記されているが、両者が同一のデータ線であり、回路図と膜層図において異なる表記を使用する必要があるだけであることは理解可能である。同様に、例えば走査線、リセット信号線、発光制御線のような他の配線に対しても異なる表記を使用するが、ここでは重複説明を省略する。
【0084】
また、本願の実施例は、OLED表示装置を提供し、該OLED表示装置は、上記の実施例のいずれか1つに記載のOLED表示パネルを含む。
【0085】
上記の実施例から分かるように、
本願の実施例は、OLED表示パネル及びOLED表示装置を提供し、該OLED表示パネルは、表示領域及び表示領域の一方側に配置された非表示領域を含み、OLED表示パネルは、信号配線とファンアウト配線とを含み、ファンアウト配線は信号配線の一方側に配置され、ファンアウト配線は信号配線に接続されており、OLED表示パネルは、アノードを含む複数のサブピクセルを含み、アノードは、ファンアウト配線の信号配線から遠い側に配置され、ファンアウト配線は、非表示領域から表示領域に延伸し、OLED表示パネルは、アノードの信号配線に近い側に配置されたダミー配線をさらに含み、表示領域は、アノードの配置位置に対応する第1領域を含み、第1領域は、少なくとも1本のファンアウト配線及び少なくとも1本のダミー配線を含み、且つ各サブピクセルを通過するファンアウト配線と各サブピクセルを通過するダミー配線は各サブピクセルのアノードの中心に対して対称である。本願は、アノードの信号配線に近い側にダミー配線が配置され、少なくとも1本のダミー配線と少なくとも1本のファンアウト配線がアノード配置位置に対応して配置されることによって、ファンアウト配線が配置されていない領域又はファンアウト配線が不均一な領域をダミー配線により補填することができ、表示領域における配線の均一性を向上させ、そして各サブピクセルを通過するファンアウト配線と各サブピクセルを通過するダミー配線とが、各サブピクセルのアノードの中心に対して対称になることによって、アノードの平坦性及び対称性を向上させ、発光材料の平坦性を向上させることができ、それにより各視角における視覚効果を一致させ、表示パネルの表示不良を改善する。
【0086】
上記の実施例において、各実施例に対する説明の重点はそれぞれ異なっており、ある実施例で詳細に説明されなかった部分については他の実施例における関連する説明を参照することができる。
【0087】
以上、本願の実施例で提供されるOLED表示パネル及びOLED表示装置について詳細に説明した。本明細書では、本願の原理及び実施形態について具体的な例を用いて説明したが、以上の実施例の説明は、本願の技術的解決手段及びその主な要旨を容易に理解させるためのものに過ぎず、当業者であれば、前記各実施例に記載された技術的解決手段に対する修正、又はその技術的特徴の一部に対する同等な置換が可能であり、これらの修正又は同等な置換は、該当する技術的解決手段の本質を本願の各実施例の技術的解決手段の範囲から逸脱させるものではないことは、当然理解されるものである。
【符号の説明】
【0088】
2 :OLED表示パネル
21 :基板
22 :遮光層
23 :バッファ層
27 :封止層
31 :ファンアウト配線
32 :ダミー配線
33 :ボンディングパッド
34 :繰り返し単位
41 :サブピクセル
111 :表示領域
112 :ボンディング領域
121 :データ線
122 :ファンアウト配線
131 :第1領域
132 :第2領域
241 :第1半導体層
242 :第1ゲート絶縁層
243 :第1ゲート層
244 :第2ゲート絶縁層
245 :第2ゲート層
246 :第1層間絶縁層
247 :第2半導体層
248 :第3ゲート絶縁層
249 :第3ゲート層
251 :第2層間絶縁層
252 :第1ソースドレイン層
253 :第1平坦化層
254 :第2ソースドレイン層
255 :第2平坦化層
256 :第3ソースドレイン層
257 :第3平坦化層
261 :アノード層
262 :画素定義層
263 :発光材料層
264 :陰極層
281 :表示領域
282 :非表示領域
283 :第1領域
284 :第2領域
285 :第3領域
286 :第4領域
291 :上側ベゼル
292 :左側ベゼル
293 :下側ベゼル
294 :右側ベゼル
311 :第1配線部分
312 :第2配線部分
321 :第3配線部分
322 :第4配線部分
331 :接続箇所
411 :青色サブピクセル
412 :赤色サブピクセル
413 :緑色サブピクセル
421 :第2アノード
422 :第1アノード
423 :第3アノード
Cst :保持コンデンサ
T1 :第1トランジスタ
T2 :第2トランジスタ
T3 :第3トランジスタ
T4 :第1リセットトランジスタ
T5 :第1発光制御トランジスタ
T6 :第2発光制御トランジスタ
T7 :第2リセットトランジスタ
図1
図2
図3
図4a
図4b
図4c
図4d
図4e
図4f
図4g
図4h
図4i
図4j
図4k
図4l
図4m
図4n
図5
図6
図7
図8
図9