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特許7627814アンテナ及びその準備方法、ミリ波センサー、及び端末
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-30
(45)【発行日】2025-02-07
(54)【発明の名称】アンテナ及びその準備方法、ミリ波センサー、及び端末
(51)【国際特許分類】
   H01Q 1/38 20060101AFI20250131BHJP
   H01Q 21/06 20060101ALI20250131BHJP
   H01Q 13/08 20060101ALI20250131BHJP
【FI】
H01Q1/38
H01Q21/06
H01Q13/08
【請求項の数】 21
(21)【出願番号】P 2023519650
(86)(22)【出願日】2021-08-26
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-17
(86)【国際出願番号】 CN2021114809
(87)【国際公開番号】W WO2022068482
(87)【国際公開日】2022-04-07
【審査請求日】2023-05-30
(31)【優先権主張番号】202011066537.X
(32)【優先日】2020-09-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】524397185
【氏名又は名称】深▲ジェン▼引望智能技術有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110004381
【氏名又は名称】弁理士法人ITOH
(72)【発明者】
【氏名】ユイ,ティーンティーン
(72)【発明者】
【氏名】リー,ハオウエイ
(72)【発明者】
【氏名】ガオ,シアーン
(72)【発明者】
【氏名】リウ,イーティーン
(72)【発明者】
【氏名】イエン,チェン
【審査官】麻生 哲朗
(56)【参考文献】
【文献】韓国登録特許第10-2007876(KR,B1)
【文献】中国特許出願公開第110391496(CN,A)
【文献】英国特許出願公開第02064877(GB,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01Q 1/38
H01Q 21/06
H01Q 13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
誘電体プレートの1つの表面に配置されているマイクロストリップフィーダを含むアンテナであって、
アンテナは、前記マイクロストリップフィーダの第1の側に位置する放射素子の第1グループ、又は前記マイクロストリップフィーダの第2の側に位置する放射素子の第2グループのうちの少なくとも1つをさらに備え、
放射素子の前記第1グループは少なくとも1つの第1結合スタブを含み、放射素子の前記第2グループは少なくとも1つの第2結合スタブを含み、
少なくとも1つの前記第1結合スタブ及び/又は少なくとも1つの前記第2結合スタブと、前記マイクロストリップフィーダとの間に、ギャップが存在し、
放射素子の前記第1グループと放射素子の前記第2グループとは、隣接する第1結合スタブと第2結合スタブとの2つのグループを含み、前記2つのグループの中で隣接する第1結合スタブと第2結合スタブとの間の距離は異なり、前記第1結合スタブの長さは互いに等しく、前記第2結合スタブの長さは互いに等しい、
アンテナ。
【請求項2】
少なくとも1つの前記第1結合スタブの数量は3以上であり、及び/又は少なくとも1つの前記第2結合スタブの数量は3以上であり、
少なくとも1つの前記第1結合スタブと前記マイクロストリップフィーダとの間のギャップの幅は、前記マイクロストリップフィーダの第1端から第2端まで、最初に減少し、次いで増加する規則を満たし、及び/又は、
少なくとも1つの前記第2結合スタブと前記マイクロストリップフィーダとの間のギャップの幅は、前記マイクロストリップフィーダの第1端から第2端まで、最初に減少し、次いで増加する規則を満たす、請求項1記載のアンテナ。
【請求項3】
少なくとも1つの前記第1結合スタブの数量と少なくとも1つの前記第2結合スタブの数量との合計は、3以上であり、
少なくとも1つの前記第1結合スタブと前記マイクロストリップフィーダとの間のギャップの幅と、少なくとも1つの前記第2結合スタブと前記マイクロストリップフィーダとの間のギャップの幅とは、前記マイクロストリップフィーダの第1端から第2端まで、最初に減少し、次いで増加する規則を満たす、請求項1又は2記載のアンテナ。
【請求項4】
少なくとも1つの前記第1結合スタブと少なくとも1つの前記第2結合スタブとが、前記マイクロストリップフィーダの2つの側に交互に分布している、請求項1ないし3のいずれか1項に記載のアンテナ。
【請求項5】
少なくとも1つの前記第1結合スタブの数量は3以上であり、及び/又は少なくとも1つの前記第2結合スタブの数量は3以上であり、
少なくとも1つの前記第1結合スタブの幅は、前記マイクロストリップフィーダの第1端から第2端まで、最初に増加し、次いで減少する規則を満たし、及び/又は、
少なくとも1つの前記第2結合スタブの幅は、前記マイクロストリップフィーダの前記第1端から前記第2端まで、最初に増加し、次いで減少する規則を満たす、請求項1ないし4のいずれか1項に記載のアンテナ。
【請求項6】
少なくとも1つの前記第1結合スタブの数量と少なくとも1つの前記第2結合スタブの数量との合計は、3以上であり、
少なくとも1つの前記第1結合スタブの幅と、少なくとも1つの前記第2結合スタブの幅とは、前記マイクロストリップフィーダの第1端から第2端まで、最初に増加し、次いで減少する規則を満たす、請求項1ないし4のいずれか1項に記載のアンテナ。
【請求項7】
放射素子の前記第1グループと放射素子の前記第2グループとに含まれる任意の2つのグループの中で、隣接する第1結合スタブと第2結合スタブとの間の距離は異なる、請求項1ないし6のいずれか1項に記載のアンテナ。
【請求項8】
放射素子の前記第1グループと放射素子の前記第2グループとに含まれる任意のグループの中で、互いに隣接する第1結合スタブと第2結合スタブとの間の距離は、d1ミリメートルであり、
d1は、0.4λ≦d1≦0.6λを満たし、λは、前記第1結合スタブ又は前記第2結合スタブを使用して前記誘電体プレートを透過される電磁波の波長である、請求項1ないしのいずれか1項に記載のアンテナ。
【請求項9】
前記マイクロストリップフィーダと任意の第1結合スタブとの間のギャップの幅は、0.076mm以上であり、0.9mm以下であり、及び/又は、
前記マイクロストリップフィーダと任意の第2結合スタブとの間のギャップの幅は、0.076mm以上であり、0.9mm以下である、請求項1ないしのいずれか1項に記載のアンテナ。
【請求項10】
少なくとも1つのマッチングスタブが、少なくとも1つの前記第1結合スタブのうちの1つ以上の第1結合スタブの少なくとも一方の側に配置され、及び/又は、
少なくとも1つのマッチングスタブが、少なくとも1つの前記第2結合スタブのうちの1つ以上の第2結合スタブの少なくとも一方の側に配置され、
前記マッチングスタブと前記マイクロストリップフィーダとの間、及び前記マッチングスタブと、1つ以上の前記第1結合スタブ及び/又は1つ以上の前記第2結合スタブとの間に、ギャップが存在する、請求項1ないしのいずれか1項に記載のアンテナ。
【請求項11】
少なくとも1つの前記第1結合スタブのうちの任意の第1結合スタブと、少なくとも1つの前記第2結合スタブのうちの任意の第2結合スタブとの少なくとも一方の側に、少なくとも1つのマッチングスタブが配置され、
前記マッチングスタブと前記マイクロストリップフィーダとの間、及び前記マッチングスタブと任意の第1結合スタブと任意の第2結合スタブとの間に、ギャップが存在する、請求項1ないし10のいずれか1項に記載のアンテナ。
【請求項12】
マッチングスタブは、任意の第1結合スタブと任意の第2結合スタブとの上側及び下側に配置されている、請求項1ないし11のいずれか1項に記載のアンテナ。
【請求項13】
少なくとも1つの前記第1結合スタブの長さと、少なくとも1つの前記第2結合スタブの長さとは、0.4λ以上であり、0.6λ以下であり、又は、
任意の第1結合スタブの長さと、任意の第2結合スタブの長さとは、0.4λ以上であり、0.6λ以下であり、λは、前記第1結合スタブ又は前記第2結合スタブを使用して前記誘電体プレートを透過される電磁波の波長である、請求項1ないし12のいずれか1項に記載のアンテナ。
【請求項14】
少なくとも1つの前記第1結合スタブの幅と少なくとも1つの前記第2結合スタブの幅とが、0.076mm以上であり、0.9mm以下であり、又は、
任意の第1結合スタブの幅と任意の第2結合スタブの幅とが、0.076mm以上であり、0.9mm以下である、請求項1ないし13のいずれか1項に記載のアンテナ。
【請求項15】
少なくとも1つの前記第1結合スタブ又は少なくとも1つの前記第2結合スタブ又はその両方が、矩形又は台形のパッチであり、又は、
任意の第1結合スタブ又は任意の第2結合スタブ又はその両方が、矩形又は台形のパッチである、請求項1ないし14のいずれか1項に記載のアンテナ。
【請求項16】
前記第1結合スタブの数量は5であり、及び/又は前記第2結合スタブの数量は5である、請求項1ないし15のいずれか1項に記載のアンテナ。
【請求項17】
回路基板と、
前記回路基板の第1表面に配置されている金属接地層と、
前記回路基板の第2表面に配置されている少なくとも1つのアンテナアレイとを少なくとも備え、
少なくとも1つの前記アンテナアレイのうちの1つ以上のアンテナアレイは、請求項1ないし16のいずれか1項に記載の少なくとも1つのアンテナを含む、ミリ波センサー。
【請求項18】
少なくとも1つの前記アンテナアレイは、少なくとも1つの送信アンテナアレイと少なくとも1つの受信アンテナアレイとを含み、
任意の送信アンテナアレイと任意の受信アンテナアレイとは、少なくとも1つのアンテナを含み、前記アンテナのマイクロストリップフィーダは、前記回路基板のフィードに電気的に接続されている、請求項17記載のミリ波センサー。
【請求項19】
前記回路基板の厚みは、5ミル(0.127mm)である、請求項17又は18記載のミリ波センサー。
【請求項20】
前記回路基板の誘電定数は、2以上であり、4以下である、請求項17ないし19のいずれか1項に記載のミリ波センサー。
【請求項21】
本体と、
前記本体に配置されている少なくとも1つのセンサーとを少なくとも備えている端末であって、
少なくとも1つの前記センサーは、請求項17ないし20のいずれか1項に記載の少なくとも1つのミリ波センサーを含む、端末。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、「ANTENNA AND PREPARATION METHOD THEREOF, MILLIMETER-WAVE SENSOR, AND TERMINAL」と題し、2020年9月30日に中国国家知的所有権庁に出願された中国特許出願第202011066537.X号の優先権を主張し、これは全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本出願は、アンテナ技術の分野、特に、アンテナ及びその準備方法、ミリ波センサー、及び端末に関する。
【背景技術】
【0003】
レーダー(Radar)は、電磁波を使用して目標を探知する電子デバイスである。レーダーは、電磁波を放射して目標を照射し、目標のエコーを受信する。これにより、レーダーは、目標から電磁波放射点までの距離、距離変化率(放射速度)、方位角、高さなどの情報を取得する。レーダーは、レーダー周波数帯に基づいて、水平線上レーダー、マイクロ波レーダー、ミリ波レーダー、レーザーレーダーに分類されることが可能である。ミリ波レーダーは、ミリ波(millimeter wave)帯で動作して探知するレーダーである。ミリ波帯とは、30GHzないし300GHz(波長は1mmないし10mm)の周波数領域の帯域を指す。ミリ波の波長は、マイクロ波とセンチメートル波の間にある。ミリ波レーダーの送信波長は、ミリメートルの範囲内であるため、ミリ波信号に必要なアンテナのサイズは、非常に小さい。
【0004】
現在、このアンテナは、主に電磁波を送受信するためにミリ波レーダーで使用されている。このアンテナは、回路基板上に配置されている。複数列のアンテナは、アンテナアレイを形成する。しかし、既存のアンテナは、帯域幅が小さく、長距離シナリオと中距離シナリオとでのミリ波レーダーの使用要件を十分に満たすことができない。そのため、アンテナの帯域幅をどのように増加させるかが、ミリ波レーダーで解決されるべき緊急の課題である。
【発明の概要】
【0005】
ギャップ結合による二重共振を実現し、アンテナの帯域幅を拡大するため、また、既存のアンテナの帯域幅では、長距離シナリオと中距離シナリオとでのミリ波レーダーの使用要件を十分に満たすことができないという問題を解決するために、アンテナ及びその準備方法、ミリ波センサー、及び端末を、本出願は提供する。
【0006】
本出願の実施形態の第1の態様は、ミリ波センサーを提供する。これは、誘電体プレートの1つの表面に配置されているマイクロストリップフィーダを含み;アンテナは、マイクロストリップフィーダの第1の側に位置する放射素子の第1グループ、又はマイクロストリップフィーダの第2の側に位置する放射素子の第2グループのうちの少なくとも1つをさらに備え;放射素子の第1グループは少なくとも1つの第1結合スタブを含み、放射素子の第2グループは少なくとも1つの第2結合スタブを含む。
【0007】
少なくとも1つの第1結合スタブ及び/又は少なくとも1つの第2結合スタブと、マイクロストリップフィーダとの間に、ギャップが存在する。
【0008】
少なくとも1つの第1結合スタブ及び/又は少なくとも1つの第2結合スタブとマイクロストリップフィーダとの間に、ギャップが存在する。このようにして、少なくとも1つの第1結合スタブ及び/又は少なくとも1つの第2結合スタブとマイクロストリップフィーダとの間に共振構造(即ちLC)が形成され、アンテナは別の共振を発生させる。このようにして、アンテナは、2つの共振点を発生させ、一層大きな帯域幅を実現し、ミリ波レーダーの距離分解能を増加させることができ、短距離シナリオ、中距離シナリオ、及び長距離シナリオでのレーダーの使用要件を満たすことができる。従って、本出願のこの実施形態で提供されるアンテナは、一層大きな帯域幅をカバーし、既存のアンテナの帯域幅では、長距離シナリオと中距離シナリオとでミリ波レーダーの使用要件を満たすことができないという問題を解決する。
【0009】
可能な実施では、少なくとも1つの第1結合スタブの数量は3以上であり、及び/又は少なくとも1つの第2結合スタブの数量は3以上である。
【0010】
少なくとも1つの第1結合スタブとマイクロストリップフィーダとの間のギャップの幅は、マイクロストリップフィーダの第1端から第2端まで、最初に減少し、次いで増加する規則を満たし、及び/又は、
少なくとも1つの第2結合スタブとマイクロストリップフィーダとの間のギャップの幅は、マイクロストリップフィーダの第1端から第2端まで、最初に減少し、次いで増加する規則を満たす。
【0011】
少なくとも1つの第1結合スタブ及び/又は少なくとも1つの第2結合スタブとマイクロストリップフィーダとの間のギャップの幅は、マイクロストリップフィーダの第1端から第2端まで、最初に減少し、次いで増加する。これは、低サイドローブ効果を実現し、ミリ波センサーのサイドローブレベルの誤警報確率を減らし、レーダーの誤警報問題を可能な限り回避する。そのため、本出願のこの実施形態で提供されるアンテナは、帯域幅を増加させて、低サイドローブ効果を実現し、既存のアンテナでの帯域幅と低サイドローブとを同時に満たすことができないという問題を解決する。
【0012】
可能な実施では、少なくとも1つの第1結合スタブの数量と少なくとも1つの第2結合スタブの数量との合計は、3以上である。
【0013】
少なくとも1つの第1結合スタブとマイクロストリップフィーダとの間のギャップの幅と、少なくとも1つの第2結合スタブとマイクロストリップフィーダとの間のギャップの幅とは、マイクロストリップフィーダの第1端から第2端まで、最初に減少し、次いで増加する規則を満たす。少なくとも1つの第1結合スタブ及び/又は少なくとも1つの第2結合スタブとマイクロストリップフィーダとの間のギャップの幅は、マイクロストリップフィーダの第1端から第2端まで、最初に減少し、次いで増加する。これは、低サイドローブ効果を実現し、ミリ波センサーのサイドローブレベルの誤警報確率を減らし、レーダーの誤警報問題を可能な限り回避する。
【0014】
可能な実施では、少なくとも1つの第1結合スタブと少なくとも1つの第2結合スタブとが、マイクロストリップフィーダの2つの側に交互に分布している。
【0015】
可能な実施では、少なくとも1つの第1結合スタブの数量は3以上であり、及び/又は少なくとも1つの第2結合スタブの数量は3以上である。
【0016】
可能な実施では、少なくとも1つの第1結合スタブの幅は、マイクロストリップフィーダの第1端から第2端まで、最初に増加し、次いで減少する規則を満たし、及び/又は、
少なくとも1つの第2結合スタブの幅は、マイクロストリップフィーダの第1端から第2端まで、最初に増加し、次いで減少する規則を満たす。
【0017】
少なくとも1つの第1結合スタブ及び/又は少なくとも1つの第2結合スタブの幅は、マイクロストリップフィーダの第1端から第2端まで、最初に増加し、次いで減少するこれは、低サイドローブ効果を実現し、ミリ波センサーのマイナーローブレベルの誤警報確率を低減し、レーダーの誤警報問題を可能な限り回避する。
【0018】
可能な実施では、少なくとも1つの第1結合スタブの数量と少なくとも1つの第2結合スタブの数量との合計は、3以上である。
【0019】
可能な実施では、少なくとも1つの第1結合スタブの幅と、少なくとも1つの第2結合スタブの幅とは、マイクロストリップフィーダの第1端から第2端まで、最初に増加し、次いで減少する規則を満たす。
【0020】
可能な実施では、放射素子の第1グループと放射素子の第2グループとは、隣接する第1結合スタブと第2結合スタブとの2つのグループを含み、2つのグループの中で隣接する第1結合スタブと第2結合スタブとの間の垂直距離は異なる。これにより、低サイドローブを実現することができる。
【0021】
可能な実施では、放射素子の第1グループと放射素子の第2グループとに含まれる任意の2つのグループの中で、隣接する第1結合スタブと第2結合スタブとの間の垂直距離は異なる。これにより、低サイドローブを実現することができる。
【0022】
可能な実施では、放射素子の第1グループと放射素子の第2グループとに含まれる任意のグループの中で、互いに隣接する第1結合スタブと第2結合スタブとの間の距離は、d1ミリメートル(mm)であり;d1は、0.4λ≦d1≦0.6λを満たし、λは、第1結合スタブ又は第2結合スタブを使用して誘電体プレートを透過される電磁波の波長である。これにより、結合スタブは高ゲインを実現するために、共方向の重ね合わせを実現することを確実にする。
【0023】
可能な実施では、マイクロストリップフィーダと任意の第1結合スタブとの間のギャップの幅は、0.076mm以上であり、0.9mm以下であり、及び/又は、
マイクロストリップフィーダと任意の第2結合スタブとの間のギャップの幅は、0.076mm以上であり、0.9mm以下である。これにより、各結合スタブとマイクロストリップフィーダとの間に結合フィードを実施して、過度に大きなギャップによる結合効果の低下や、過度に小さなギャップによる共振発生の困難を回避することを確実にすることができる。
【0024】
可能な実施では、少なくとも1つのマッチングスタブが、少なくとも1つの第1結合スタブのうちの1つ以上の第1結合スタブの少なくとも一方の側に配置され、及び/又は、
少なくとも1つのマッチングスタブが、少なくとも1つの第2結合スタブのうちの1つ以上の第2結合スタブの少なくとも一方の側に配置されている。
【0025】
マッチングスタブとマイクロストリップフィーダとの間、及びマッチングスタブと、1つ以上の第1結合スタブ及び/又は1つ以上の第2結合スタブとの間に、ギャップが存在する。
【0026】
アンテナの放射スタブが増加するように、マッチングスタブが配置されている。マッチングスタブと結合スタブとの間に結合が実施されるため、アンテナがカバーする帯域幅は一層大きい。
【0027】
可能な実施では、マッチングスタブは、任意の第1結合スタブと任意の第2結合スタブとの上側及び下側に配置されている。
【0028】
可能な実施では、少なくとも1つの第1結合スタブの長さと、少なくとも1つの第2結合スタブの長さとは、0.4λ以上であり、0.6λ以下であり、又は、
任意の第1結合スタブの長さと、任意の第2結合スタブの長さとは、0.4λ以上であり、0.6λ以下であり、λは、第1結合スタブ又は第2結合スタブを使用して誘電体プレートを透過される電磁波の波長である。これにより、各結合スタブが必要な動作周波数帯域で動作することが確実にされ、アンテナの動作周波数が要件を満たすことが確実にされる。
【0029】
可能な実施では、少なくとも1つの第1結合スタブの幅と少なくとも1つの第2結合スタブの幅とが、0.076mm以上であり、0.9mm以下であり、又は、
任意の第1結合スタブの幅と任意の第2結合スタブの幅とが、0.076mm以上であり、0.9mm以下である。もし結合スタブの幅が0.076mm未満の場合には、通常、結合スタブの製造プロセスを実施することは困難である。従って、本出願のこの実施形態では、結合スタブの幅は、プロセス要件を満たすために0.076mm以上である。結合スタブの幅が0.9mmを超える場合には、マイクロストリップフィーダの両側に第1結合スタブと第2結合スタブとが交互に配置されるため、隣接する第1結合スタブと第2結合スタブとが干渉してアンテナのゲインが増加してしまう。また、ビーム形状が変化するため、要件を満たすことができない。
【0030】
可能な実施では、少なくとも1つの第1結合スタブ、又は少なくとも1つの第2結合スタブ、又はその両方が、矩形又は台形のパッチである。又は、任意の第1結合スタブ、又は任意の第2結合スタブ、又はその両方が、矩形又は台形のパッチである。
【0031】
可能な実施では、第1結合スタブの数量は5であり、及び/又は第2結合スタブの数量は5である。
【0032】
本出願の実施形態の第2の態様は、ミリ波センサーを提供する。これは、回路基板と;回路基板の第1表面に配置されている金属接地層と;回路基板の第2表面に配置されている少なくとも1つのアンテナアレイとを少なくとも備え;少なくとも1つのアンテナアレイのうちの1つ以上のアンテナアレイは、前述の実施のいずれかに係る少なくとも1つのアンテナを含む。
【0033】
本出願のこの実施形態で提供されるミリ波センサーは、上記のアンテナを含み、一層大きな帯域幅を実現し、ミリ波レーダーの距離分解能を増加させ、長い距離分解能で5GHzの帯域幅を実現するための要件を満たす。これに加えて、低サイドローブ効果を実現し、ミリ波センサーのマイナーローブレベルの誤警報確率を低減し、ミリ波センサーの誤警報問題を可能な限り回避する。
【0034】
可能な実施では、少なくとも1つのアンテナアレイは、少なくとも1つの送信アンテナアレイと少なくとも1つの受信アンテナアレイとを含み;任意の送信アンテナアレイと任意の受信アンテナアレイとは、少なくとも1つのアンテナを含み、アンテナのマイクロストリップフィーダは、回路基板のフィードに電気的に接続されている。
【0035】
可能な実施では、回路基板の厚みは、5ミル(Mil)である。
【0036】
可能な実施では、回路基板の誘電定数は、2以上であり、4以下である。
【0037】
本出願の実施形態の第3の態様は、端末を提供する。これは、本体と;本体に配置されている少なくとも1つのセンサーとを少なくとも備えている端末であって;少なくとも1つのセンサーは、前述の実施のいずれかに係る少なくとも1つのミリ波センサーを含む。さらに任意には、端末は、車両、無人航空機、スマートホームデバイス、スマート製造デバイスなどであってよい。
【0038】
本出願のこの実施形態で提供される端末は、上記のミリ波センサーを含み、一層大きな帯域幅を実現し、ミリ波レーダーの距離分解能を増加させ、長い距離分解能で5GHzの帯域幅を実現するための要件を満たす。これに加えて、低サイドローブ効果を実現し、ミリ波センサーのマイナーローブレベルの誤警報確率を低減し、ミリ波センサーの誤警報問題を可能な限り回避し、最も正確な目標の検出を確実にする。
【0039】
可能な実施では、ミリ波センサーは、ミリ波レーダーである。
【0040】
本出願の実施形態の第4の態様は、アンテナを準備する方法を提供する。これは、
誘電体プレートの1つの表面に少なくとも1つのマイクロストリップフィーダを形成するステップと、
マイクロストリップフィーダの第1の側に放射素子の第1グループを形成し、及び/又は、マイクロストリップフィーダの第2の側に放射素子の第2グループを形成するステップであり、放射素子の第1グループは、少なくとも1つの第1結合スタブを含み、放射素子の第2グループは、少なくとも1つの第2結合スタブを含む、形成するステップとを備えている。
【0041】
少なくとも1つの第1結合スタブ及び/又は少なくとも1つの第2結合スタブと、マイクロストリップフィーダとの間に、ギャップが形成される。
【0042】
可能な実施では、方法は、
誘電体プレートの他方の表面に金属接地層を形成するステップをさらに備えている。
【0043】
可能な実施では、誘電体プレートは、プリント回路基板(Printed Circuit Board, PCB)であってよい。
【0044】
可能な実施では、少なくとも1つの第1結合スタブの数量と少なくとも1つの第2結合スタブの数量との合計は、3以上である。
【0045】
少なくとも1つの第1結合スタブとマイクロストリップフィーダとの間のギャップの幅と、少なくとも1つの第2結合スタブとマイクロストリップフィーダとの間のギャップの幅とは、マイクロストリップフィーダの第1端から第2端まで、最初に減少し、次いで増加する規則を満たす。
【0046】
可能な実施では、少なくとも1つの第1結合スタブと少なくとも1つの第2結合スタブとが、マイクロストリップフィーダの2つの側に交互に分布している。
【0047】
可能な実施では、少なくとも1つの第1結合スタブの数量は3以上であり、及び/又は少なくとも1つの第2結合スタブの数量は3以上である。
【0048】
可能な実施では、少なくとも1つの第1結合スタブの幅は、マイクロストリップフィーダの第1端から第2端まで、最初に増加し、次いで減少する規則を満たし;及び/又は、少なくとも1つの第2結合スタブの幅は、マイクロストリップフィーダの第1端から第2端まで、最初に増加し、次いで減少する規則を満たす。
【0049】
可能な実施では、少なくとも1つの第1結合スタブの数量と少なくとも1つの第2結合スタブの数量との合計は、3以上である。
【0050】
可能な実施では、少なくとも1つの第1結合スタブの幅と、少なくとも1つの第2結合スタブの幅とは、マイクロストリップフィーダの第1端から第2端まで、最初に増加し、次いで減少する規則を満たす。
【0051】
可能な実施では、放射素子の第1グループと放射素子の第2グループとは、隣接する第1結合スタブと第2結合スタブとの2つのグループを含み、2つのグループの中で隣接する第1結合スタブと第2結合スタブとの間の距離は異なる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
図1】アンテナの構造の概略図である。
図2A】本出願の一実施形態によるアンテナの構造の概略図である。
図2B】本出願の一実施形態によるアンテナの構造の概略図である。
図2C】本出願の一実施形態によるアンテナの構造の概略図である。
図3A】本出願の一実施形態によるアンテナの構造の概略図である。
図3B】本出願の一実施形態によるアンテナの構造の概略図である。
図3C】本出願の一実施形態によるアンテナの構造の概略図である。
図3D】本出願の一実施形態によるアンテナの構造の概略図である。
図3E】本出願の一実施形態によるアンテナの概略的なシミュレーション図である。
図4】本出願の一実施形態によるアンテナの構造の概略図である。
図5】本出願の一実施形態によるアンテナの構造の概略図である。
図6】本出願の一実施形態によるアンテナの構造の概略図である。
図7A】本出願の一実施形態によるアンテナの構造の概略図である。
図7B】本出願の一実施形態によるアンテナの構造の概略図である。
図8A】本出願の別の一実施形態によるアンテナの構造の概略図である。
図8B】本出願の別の一実施形態によるアンテナの構造の概略図である。
図8C】本出願の別の一実施形態によるアンテナの構造の概略図である。
図8D】本出願の別の一実施形態によるアンテナの構造の概略図である。
図8E】本出願の別の一実施形態によるアンテナの構造の概略図である。
図9】本出願の一実施形態によるアンテナの構造の概略図である。
図10】本出願の一実施形態によるアンテナの構造の概略図である。
図11】本出願の一実施形態によるアンテナの構造の概略図である。
図12A】本出願の一実施形態によるアンテナの準備方法の中で、誘電体プレートの1つの表面に形成されたアンテナの構造の概略図である。
図12B】本出願の一実施形態によるアンテナの準備方法の中で、誘電体プレートの他方の表面に形成された金属接地層の概略図である。
図13A】本出願の一実施形態によるミリ波センサーの構造の概略図である。
図13B図13AのA-A方向の断面構造の概略図である。
図14】本出願の一実施形態による端末の構造の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0053】
参照番号の説明:
10:マイクロストリップフィーダ;10a:第1端;10b:第2端;21:放射素子の第1グループ;
21a,21b,21c,21d,21e:第1結合スタブ;22:放射素子の第2グループ;
22a,22b,22c,22d,22e:第2結合スタブ;23:マッチングスタブ;100:ミリ波センサー;
101:送信アンテナアレイ;102:受信アンテナアレイ;200:回路基板;200a:誘電体プレート;
210:誘電体プレートの第1表面;220:誘電体プレートの第2表面;
201,202,203,204,205,206:フィードポイント;300:金属接地層;400:端末;401:本体。
【0054】
本出願の実施形態で使用される用語は、本出願の特定の実施形態を説明するためにのみ使用されるが、本出願を制限することは意図されない。
【0055】
メインローブ:アンテナの放射パターンの中で、最大放射方向のローブを、メインローブと称し、メインローブのちょうど後ろのローブを、バックローブと称する。
【0056】
マイナーローブ(サイドローブ):アンテナの放射パターンの中で、メインローブとバックローブとの間のローブを、マイナーローブと称する。
【0057】
マイナーローブレベル:マイナーローブレベルは、最大放射方向のメインローブのパワー密度に対する、最大放射方向のマイナーローブのパワー密度の比の対数値を示す。
【0058】
図1は、レーダーに適用されたアンテナの構造の概略図である。図1に示すように、アンテナは、フィーダ1と、フィーダ1に電気的に接触する複数の放射パッチ2とを含む。複数の放射パッチ2の幅は、フィーダ1の中央からフィーダ1の両端まで減少する。しかし、この構造のアンテナをレーダーに使用した場合に、帯域幅が小さく(1GHz)、中距離及び長距離シナリオでのレーダーの使用要件を満たすことができず、長距離分解能で5GHzの帯域幅を実現するための要件を満たすには十分ではない。
【0059】
前述の問題を解決するために、本出願の実施形態は、アンテナ、ミリ波センサー、及び端末を提供する。マイクロストリップフィーダと複数の結合スタブとの間では、結合フィードを実施する。このように、結合スタブとマイクロストリップフィーダとの間には、ギャップがある。このギャップを利用することで、結合スタブとマイクロストリップフィーダとの間に共振構造(即ち、インダクタ(L)とコンデンサ(C)とを含む共振回路であり、簡単にLCと呼ぶ)が形成される。その結果、別の共振が結合され、アンテナは、2つの共振点を生成することができ、一層大きな帯域幅が実現できる。そのため、本出願のこの実施形態で提供されるアンテナは、帯域幅を増加させて、短距離シナリオ、中距離シナリオ、及び長距離シナリオでのレーダーの使用要件を満たし、既存のアンテナの帯域幅では、中距離シナリオと長距離シナリオとでのミリ波レーダーの使用要件を満たすことができないという問題を解決する。
【0060】
以下、本出願の実施形態の中で、アンテナ、ミリ波センサー及び端末について、添付図面を参照して詳細に説明する。
【0061】
[実施形態1]
図2Aに示すように、本出願のこの実施形態で提供されるアンテナは、直列給電アンテナであってよい。直列給電アンテナは、レーダーなどのセンサーに適用されてよい。アンテナは、マイクロストリップフィーダ10を含んでよい。マイクロストリップフィーダ10は、誘電体プレート200a(図12Aの後述の説明の中の)の1つの表面に配置されてよい。具体的には、誘電体プレート200aは、プリント回路基板(PCB)であってよい。アンテナはさらに、マイクロストリップフィーダ10の第1の側に位置する放射素子21の第1グループ、又はマイクロストリップフィーダ10の第2の側に位置する放射素子22の第2グループの少なくとも1つを含む。例えば、図2Aに示すように、アンテナは、マイクロストリップフィーダ10の第1の側(例えば図2Aでの右側)に位置する放射素子21の第1グループと、マイクロストリップフィーダ10の第2の側(例えば図2Aでの左側)に位置する放射素子22の第2グループとを含んでよい。これに代えて、図2Bに示すように、アンテナは、マイクロストリップフィーダ10の第1の側(例えば図2Bでの右側)に位置する放射素子21の第1グループを含んでよい。これに代えて、図2Cに示すように、アンテナはさらに、マイクロストリップフィーダ10の第2の側(例えば図2Cでの左側)に位置する放射素子22の第2グループを含む。
【0062】
当然、いくつかの例では、放射素子21の第1グループは、マイクロストリップフィーダ10の左側に位置してよい。放射素子22の第2グループは、マイクロストリップフィーダ10の右側に位置する。マイクロストリップフィーダ10の一端は、フィード(即ち、信号源)に電気的に接続されている。フィードは、マイクロストリップフィーダ10を介して2つのグループの放射素子に電流を供給する。電流は、例えば高周波電流であってよい。高周波電流とは、具体的には周波数が50Hz以上の交流による電流であり、放射素子から電磁波の方式で放射されることに留意するものとする。
【0063】
放射素子21の第1グループは、少なくとも1つの第1結合スタブを含む。放射素子22の第2グループは、少なくとも1つの第2結合スタブを含む。一例では、図2Aに示すように、放射素子21の第1グループは、5つの第1結合スタブを含む。5つの第1結合スタブは、それぞれ、第1結合スタブ21a、第1結合スタブ21b、第1結合スタブ21c、第1結合スタブ21d、及び第1結合スタブ21eである。放射素子22の第2グループは、5つの第2結合スタブを含んでよい。5つの第2結合スタブは、それぞれ第2結合スタブ22a、第2結合スタブ22b、第2結合スタブ22c、第2結合スタブ22d、及び第2結合スタブ22eである。当然、いくつかの例では、放射素子21の第1グループと射素子22の第2グループとは、5つの結合スタブを含むが、それに限定されない。これに代えて、放射素子の第1グループ又は放射素子の第2グループは、1つ以上の結合スタブを含んでよい。
【0064】
さらに任意には、図2Aに示すように、マイクロストリップフィーダ10の両側に第1結合スタブと第2結合スタブとを分布させると、マイクロストリップフィーダ10の両側で、少なくとも1つの第1結合スタブと少なくとも1つの第2結合スタブは、交互に分布される。例えば、図2Aに示すように、第2結合スタブ22a,第1結合スタブ21a,第2結合スタブ22b,第1結合スタブ21b,第2結合スタブ22c,第1結合スタブ21c,第2結合スタブ22d,第1結合スタブ21d,第2結合スタブ22e,及び第1結合スタブ21eが、マイクロストリップフィーダ10の第1端から第2端へ順次配置されてよい。
【0065】
本出願の設計では、少なくとも1つの第1結合スタブ及び/又は少なくとも1つの第2結合スタブと、マイクロストリップフィーダ10との間に、ギャップが存在する。このようにして、複数の第1結合スタブと複数の第2結合スタブとの両方と、マイクロストリップフィーダ10との間に、結合フィードが実施される。つまり、少なくとも1つの第1結合スタブと少なくとも1つの第2結合スタブとは、マイクロストリップフィーダ10と直接接触しない。マイクロストリップフィーダ10は、少なくとも1つの第1結合スタブと少なくとも1つの第2結合スタブとに、結合フィード方式で電流を供給する。
【0066】
例えば、図2Aに示すように、第1結合スタブ21aとマイクロストリップフィーダ10との間に、ギャップa1が存在し、第1結合スタブ21bとマイクロストリップフィーダ10との間に、ギャップb1が存在し、第1結合スタブ21cとマイクロストリップフィーダ10との間に、ギャップc1が存在し、第1結合スタブ21dとマイクロストリップフィーダ10との間に、ギャップd1が存在し、第1結合スタブ21eとマイクロストリップフィーダ10との間に、ギャップe1が存在する。第2結合スタブ22aとマイクロストリップフィーダ10との間に、ギャップa2が存在し、第2結合スタブ22bとマイクロストリップフィーダ10との間に、ギャップb2が存在し、第2結合スタブ22cとマイクロストリップフィーダ10との間に、ギャップc2が存在し、第2結合スタブ22dとマイクロストリップフィーダ10との間に、ギャップd2が存在し、第2結合スタブ22eとマイクロストリップフィーダ10との間に、ギャップe2が存在する。
【0067】
代替的には、図2Bに示すように、第1結合スタブ21aとマイクロストリップフィーダ10との間に、ギャップa1が存在し、第1結合スタブ21bとマイクロストリップフィーダ10との間に、ギャップb1が存在し、第1結合スタブ21cとマイクロストリップフィーダ10との間に、ギャップc1が存在し、第1結合スタブ21dとマイクロストリップフィーダ10との間に、ギャップd1が存在し、第1結合スタブ21eとマイクロストリップフィーダ10との間に、ギャップe1が存在する。
【0068】
代替的には、図2Cに示すように、第2結合スタブ22aとマイクロストリップフィーダ10との間に、ギャップa2が存在し、第2結合スタブ22bとマイクロストリップフィーダ10との間に、ギャップb2が存在し、第2結合スタブ22cとマイクロストリップフィーダ10との間に、ギャップc2が存在し、第2結合スタブ22dとマイクロストリップフィーダ10との間に、ギャップd2が存在し、第2結合スタブ22eとマイクロストリップフィーダ10との間に、ギャップe2が存在する。
【0069】
結合スタブは、具体的には、結合された方式(即ち、非接触方式)でマイクロストリップフィーダ10に電力を供給するタイプの放射器であることに留意するものとする。例えば、結合スタブは、金属パッチや金属層などのアンテナ放射器であってよい。
【0070】
本出願のこの実施形態では、結合スタブとマイクロストリップフィーダ10との間にギャップがある。ギャップを使用することで、結合スタブとマイクロストリップフィーダ10との間に共振構造(即ち、インダクタ(L)とコンデンサ(C)とを含む共振回路であり、簡単にLCと呼ぶ)が形成され、別の共振が結合され、アンテナは一層大きな帯域幅を実現するために、2つの共振点(図3Dの以下の説明で)を生成することができる。そのため、本出願のこの実施形態で提供されるアンテナは、帯域幅を増加させ、短距離シナリオ、中距離シナリオ、及び長距離シナリオでのレーダーの使用要件を満たし、既存のアンテナの帯域幅では、中距離シナリオと長距離シナリオとでのミリ波レーダーの使用要件を満たすことができないという問題を解決する。
【0071】
可能なシナリオ及び環境では、本出願のこの実施形態で提供されるアンテナはテスト済みである。図3Dに示すように、帯域幅は5GHzに拡張することができる。結合スタブとマイクロストリップフィーダ10との間にギャップが形成され、帯域幅を増加させることができる。
【0072】
レーダー誤警報を減らすための低サイドローブをさらに実現するために、本出願のこの実施形態では、結合スタブとマイクロストリップフィーダ10との間のギャップの幅は、マイクロストリップフィーダ10の第1端から第2端まで、最初に減少し、次いで増加する規則を満たす。又は、結合スタブの幅は、マイクロストリップフィーダ10の第1端から第2端まで、最初に増加し、次いで減少する規則を満たす。これは、低サイドローブ効果を実現し、ミリ波センサーのサイドローブレベルの誤警報確率を減らし、レーダーの誤警報問題を可能な限り回避する。そのため、本出願のこの実施形態で提供されるアンテナは、帯域幅を増加させ、低サイドローブ効果を実現し、ミリ波センサーの誤警報問題を解決する。ここで、最初に減少し、次いで増加する規則は、連続的な減少と連続的な増加とに限定されないことに留意するものとする。マイクロストリップフィーダと、第1端から第2端までの延長方向に互いに隣接する結合スタブとの間のギャップの幅は、幅が全体として最初に減少し、次いで増加する傾向がある場合には、同じであってよい。同様に、最初に増加し、次いで減少する規則は、特定の傾向が満たされる場合には、連続増加と連続減少とに限定されない。後述する、最初に減少し、次いで増加する規則や、最初に増加し、次いで減少する規則については、本段落の記述を参照するものとする。
【0073】
以下では、低サイドローブ効果を実現するための各実施を、具体的に詳細に説明する。
【0074】
実施では、結合スタブとマイクロストリップフィーダ10との間のギャップの幅が、変更される。これは、低サイドローブ効果を実現する。具体的には、第1結合スタブの数量は、3以上である。例えば、図2Bに示すように、放射要素21の第1グループは、5つの第1結合スタブを含んでよい。5つの第1結合スタブは、それぞれ、第1結合スタブ21a,第1結合スタブ21b,第1結合スタブ21c,第1結合スタブ21d,及び第1結合スタブ21eである。第1結合スタブ21aとマイクロストリップフィーダ10との間に、ギャップa1が存在し、第1結合スタブ21bとマイクロストリップフィーダ10との間に、ギャップb1が存在し、第1結合スタブ21cとマイクロストリップフィーダ10との間に、ギャップc1が存在し、第1結合スタブ21dとマイクロストリップフィーダ10との間に、ギャップd1が存在し、第1結合スタブ21eとマイクロストリップフィーダ10との間に、ギャップe1が存在する。
【0075】
低サイドローブ効果を実現するために、第1結合スタブとマイクロストリップフィーダ10との間のギャップは、マイクロストリップフィーダ10の第1端から第2端まで、最初に減少し、次いで増加する。例えば、図3Aに示すように、第1結合スタブ21eとマイクロストリップフィーダ10との間のギャップe1の幅は、h1であり、第1結合スタブ21dとマイクロストリップフィーダ10との間のギャップd1の幅は、h2であり、第1結合スタブ21cとマイクロストリップフィーダ10との間のギャップc1の幅は、h3であり、第1結合スタブ21bとマイクロストリップフィーダ10との間のギャップb1の幅は、h4であり、第1結合スタブ21aとマイクロストリップフィーダ10との間のギャップa1の幅は、h5であり、h1>h2>h3<h4<h5である。言い換えれば、放射素子21の第1グループの中では、中間の第1結合スタブ21cとマイクロストリップフィーダ10との間のギャップc1の幅が、最も小さい。両端の、第1結合スタブ21aとマイクロストリップフィーダ10との間のギャップa1の幅と、第1結合スタブ21eとマイクロストリップフィーダ10との間のギャップe1の幅とが、最も大きい。このように、放射素子21の第1グループの中では、中間のギャップが小さく両端のギャップが大きい重み付け設計が、第1結合スタブとマイクロストリップフィーダ10との間に形成されている。
【0076】
第1結合スタブとマイクロストリップフィーダ10との間のギャップの幅は、マイクロストリップフィーダ10の第1端10aから第2端10bまで、最初に減少し、次いで増加する規則を満たす。これは、低サイドローブ効果を実現し、ミリ波センサーのマイナーローブレベルの誤警報確率を低減し、レーダーの誤警報問題を可能な限り回避する。
【0077】
又は、第2結合スタブの数量は、3以上である。例えば、図2Cに示すように、放射素子22の第2グループは、5つの第2結合スタブを含んでよい。5つの第2結合スタブは、それぞれ、第2結合スタブ22a,第2結合スタブ22b,第2結合スタブ22c,第2結合スタブ22d,及び第2結合スタブ22eである。
【0078】
図2Cに示すように、放射素子22の第2グループの中では、第2結合スタブ22eとマイクロストリップフィーダ10との間のギャップe2の幅は、f1であり、第2結合スタブ22dとマイクロストリップフィーダ10との間のギャップd2の幅は、f2であり、第2結合スタブ22cとマイクロストリップフィーダ10との間のギャップc2の幅は、f3であり、第2結合スタブ22bとマイクロストリップフィーダ10との間のギャップb2の幅は、f4であり、第2結合スタブ22aとマイクロストリップフィーダ10との間のギャップa2の幅は、f5であり、f1>f2>f3<f4<f5である。言い換えれば、放射素子22の第2グループの中では、中間の第2結合スタブ22cとマイクロストリップフィーダ10との間のギャップc2の幅が、最も小さい。両端の、第2結合スタブ22aとマイクロストリップフィーダ10との間のギャップa2の幅と、第2結合スタブ22eとマイクロストリップフィーダ10との間のギャップe2の幅とが、最も大きい。このように、放射素子22の第2グループの中では、中間のギャップが小さく両端のギャップが大きい重み付け設計が、第2結合スタブとマイクロストリップフィーダ10との間に形成されている。
【0079】
第2結合スタブとマイクロストリップフィーダ10との間のギャップの幅は、マイクロストリップフィーダ10の第1端10aから第2端10bまで、最初に減少し、次いで増加する規則を満たす。これは、低サイドローブ効果を実現し、ミリ波センサーのマイナーローブレベルの誤警報確率を低減し、レーダーの誤警報問題を可能な限り回避する。
【0080】
あるいは、第1結合スタブの数量は、3以上であり、さらに、第2結合スタブの数量は、3以上である。例えば、図3Aに示すように、放射素子21の第1グループは、5つの第1結合スタブを含んでよい。5つの第1結合スタブは、それぞれ、第1結合スタブ21a,第1結合スタブ21b,第1結合スタブ21c,第1結合スタブ21d,及び第1結合スタブ21eである。放射素子22の第2グループは、5つの第2結合スタブを含んでよい。5つの第2結合スタブは、それぞれ、第2結合スタブ22a,第2結合スタブ22b,第2結合スタブ22c,第2結合スタブ22d,及び第2結合スタブ22eである。
【0081】
第1結合スタブと第2結合スタブとは、マイクロストリップフィーダ10に沿って交互に分布される。例えば、図3Aに示すように、マイクロストリップフィーダ10の第1端10aから第2端10bまで、5つの第1結合スタブと5つの第2結合スタブとが交互に、第2結合スタブ22a,第1結合スタブ21a,第2結合スタブ22b,第1結合スタブ21b,第2結合スタブ22c,第1結合スタブ21c,第2結合スタブ22d,第1結合スタブ21d,第2結合スタブ22e,及び第1結合スタブ21eの順に、分布される。
【0082】
マイクロストリップフィーダ10と、第1結合スタブ及び第2結合スタブの両方との間には、ギャップが存在する。例えば、図3Aに示すように、第1結合スタブ21aとマイクロストリップフィーダ10との間には、ギャップa1が存在し、第1結合スタブ21bとマイクロストリップフィーダ10との間には、ギャップb1が存在し、第1結合スタブ21cとマイクロストリップフィーダ10との間には、ギャップc1が存在し、第1結合スタブ21dとマイクロストリップフィーダ10との間には、ギャップd1が存在し、第1結合スタブ21eとマイクロストリップフィーダ10との間には、ギャップe1が存在する。第2結合スタブ22aとマイクロストリップフィーダ10との間には、ギャップa2が存在し、第2結合スタブ22bとマイクロストリップフィーダ10との間には、ギャップb2が存在し、第2結合スタブ22cとマイクロストリップフィーダ10との間には、ギャップc2が存在し、第2結合スタブ22dとマイクロストリップフィーダ10との間には、ギャップd2が存在し、第2結合スタブ22eとマイクロストリップフィーダ10との間には、ギャップe2が存在する。
【0083】
第1結合スタブとマイクロストリップフィーダ10との間のギャップは、マイクロストリップフィーダ10の第1端10aから第2端10bまで、最初に減少し、次いで増加する。例えば、図3Aに示すように、第1結合スタブ21eとマイクロストリップフィーダ10との間のギャップe1の幅は、h1であり、第1結合スタブ21dとマイクロストリップフィーダ10との間のギャップd1の幅は、h2であり、第1結合スタブ21cとマイクロストリップフィーダ10との間のギャップc1の幅は、h3であり、第1結合スタブ21bとマイクロストリップフィーダ10との間のギャップb1の幅は、h4であり、第1結合スタブ21aとマイクロストリップフィーダ10との間のギャップa1の幅は、h5であり、h1>h2>h3<h4<h5である。言い換えれば、放射素子21の第1グループの中では、中間の第1結合スタブ21cとマイクロストリップフィーダ10との間のギャップc1の幅が、最も小さい。両端の、第1結合スタブ21aとマイクロストリップフィーダ10との間のギャップa1の幅と、第1結合スタブ21eとマイクロストリップフィーダ10との間のギャップe1の幅とが、最も大きい。このように、放射素子21の第1グループの中では、中間のギャップが小さく両端のギャップが大きい重み付け設計が、第1結合スタブとマイクロストリップフィーダ10との間に形成されている。
【0084】
第2結合スタブとマイクロストリップフィーダ10との間のギャップは、マイクロストリップフィーダ10の第1端10aから第2端10bまで、最初に減少し、次いで増加する。図3Aに示すように、放射素子22の第2グループの中では、第2結合スタブ22eとマイクロストリップフィーダ10との間のギャップe2の幅は、f1であり、第2結合スタブ22dとマイクロストリップフィーダ10との間のギャップd2の幅は、f2であり、第2結合スタブ22cとマイクロストリップフィーダ10との間のギャップc2の幅は、f3であり、第2結合スタブ22bとマイクロストリップフィーダ10との間のギャップb2の幅は、f4であり、第2結合スタブ22aとマイクロストリップフィーダ10との間のギャップa2の幅は、f5であり、f1>f2>f3<f4<f5である。言い換えれば、放射素子22の第2グループの中では、中間の第2結合スタブ22cとマイクロストリップフィーダ10との間のギャップc2の幅が、最も小さい。両端の、第2結合スタブ22aとマイクロストリップフィーダ10との間のギャップa2の幅と、第2結合スタブ22eとマイクロストリップフィーダ10との間のギャップe2の幅とが、最も大きい。このように、放射素子22の第2グループの中では、中間のギャップが小さく両端のギャップが大きい重み付け設計が、第2結合スタブとマイクロストリップフィーダ10との間に形成されている。
【0085】
図3Aに示すアンテナで、シミュレーションテストを行う。テスト結果を図3Dに示す。図3Dの曲線は、アンテナのリターンロス曲線である。この曲線から、アンテナが76GHzと81GHzとの2つの共振点を生成することが分かる。その結果、帯域幅を5GHzに拡張して、一層大きな帯域幅が実現できる。図3Eは、アンテナの放射パターンである。図3Eに示すように、低サイドローブは、76GHz,77GHz,78GHz,79GHz,80GHz,及び81GHzの動作周波数で実施される。これにより、ミリ波センサーのマイナーローブレベルの誤警報確率が低減される。言い換えれば、誤警報が発生しにくい。
【0086】
従って、第1結合スタブと第2結合スタブとの両方とマイクロストリップフィーダ10との間のギャップの幅は、マイクロストリップフィーダ10の第1端10aから第2端10bまで、最初に減少し、次いで増加する規則を満たす。これは、低サイドローブ効果を実現し、ミリ波センサーのマイナーローブレベルの誤警報確率を低減し、レーダーの誤警報問題を可能な限り回避する。
【0087】
いくつかの例では、放射素子21の第1グループは、5つの第1結合スタブを含むが、これに限定されず、放射素子22の第2グループは、5つの第2結合スタブを含むが、これに限定されないことに留意するものとする。例えば、放射素子21の第1グループは代替的に、10ないし20の第1結合スタブを含んでよく、放射素子22の第2グループは代替的に、10ないし20の第2結合スタブを含んでよい。
【0088】
放射素子21の第1グループの中の第1結合スタブの数量は、放射素子22の第2グループの中の第2結合スタブの数量と同じであってよいことに留意するものとする。当然、いくつかの例では、放射素子21の第1グループの中の第1結合スタブの数量は代替的に、放射素子22の第2グループの中の第2結合スタブの数量と異なっていてよい。例えば、放射素子21の第1グループの中の第1結合スタブの数量は、8であってよく、放射素子22の第2グループの中の第2結合スタブの数量は、9であってよい。
【0089】
別の実施では、第1結合スタブの数量と第2結合スタブの数量との合計は、3以上である。例えば、図3Bに示すように、第2結合スタブの数量は、2であり、第1結合スタブの数量は、1であってよく、又は、図3Bに示すように4であってよい。このように、第1結合スタブの数量と第2結合スタブの数量との合計は、6である。低サイドローブ効果を実現するために、マイクロストリップフィーダ10の両側に第1結合スタブと第2結合スタブとが交互に分布している。さらに、第1結合スタブと第2結合スタブとの両方とマイクロストリップフィーダ10との間のギャップの幅は、マイクロストリップフィーダ10の第1端10aから第2端10bまで、最初に減少し、次いで増加する規則を満たす。例えば、図3Bに示すように、第2結合スタブ22bとマイクロストリップフィーダ10との間のギャップb2の幅は、f4であり、第2結合スタブ22aとマイクロストリップフィーダ10との間のギャップa2の幅は、f5であり、第1結合スタブ21dとマイクロストリップフィーダ10との間のギャップd1の幅は、h2であり、第1結合スタブ21cとマイクロストリップフィーダ10との間のギャップc1の幅は、h3であり、第1結合スタブ21bとマイクロストリップフィーダ10との間のギャップb1の幅は、h4であり、第1結合スタブ21aとマイクロストリップフィーダ10との間のギャップa1の幅は、h5であり、h2>h3<h4<f4<h5<f5である。
【0090】
マイクロストリップフィーダ10と、マイクロストリップフィーダ10の両側の第1結合スタブ及び第2結合スタブの両方との間のギャップの幅は、マイクロストリップフィーダ10の第1端10aから第2端10bまで、最初に減少し、次いで増加する規則を満たす。これは、低サイドローブ効果を実現し、ミリ波センサーのマイナーローブレベルの誤警報確率を低減し、レーダーの誤警報問題を可能な限り回避する。
【0091】
上記の2つの実施では、第1結合スタブ及び/又は第2結合スタブとマイクロストリップフィーダ10との間のギャップの幅が、マイクロストリップフィーダ10の第1端10aから第2端10bまで、最初に減少し、次いで増加する規則を満たす場合に、具体的には、第1結合スタブ及び/又は第2結合スタブとマイクロストリップフィーダ10との間のギャップの幅は、マイクロストリップフィーダ10の第1端10aから第2端10bまで、全体として、最初に減少し、次いで増加するという変化傾向があることに留意するものとする。例えば、第1結合スタブ及び/又は第2結合スタブとマイクロストリップフィーダ10との間のギャップの幅は、マイクロストリップフィーダ10の第1端10aから第2端10bまで、最初に順次減少し、次いで順次増加するという変化傾向があってよい。又は、第1結合スタブ及び/又は第2結合スタブとマイクロストリップフィーダ10との間のギャップの幅は、マイクロストリップフィーダ10の第1端10aから第2端10bまで、最初に減少し、次いで同じであり、次いで増加するという変化傾向があってよい。
【0092】
代替的に、減少又は増加のプロセスでギャップの同じ幅が存在してよい。例えば、図3Cに示すように、h0=h1>h2>h3<h4<h5であり、またf1>f2>f3<f4<f5である。代替的に、他のいくつかの例では、h0>h1=h2>h3<h4<h5であり、またf1>f2>f3=f4<f5である。従って、第1結合スタブと第2結合スタブとの両方とマイクロストリップフィーダ10との間のギャップの幅は、全体として最初に減少し、次いで増加する変化傾向を有するが、最初に順次減少し、次いで順次増加する変化傾向に限定されない。
【0093】
可能な実施では、マイクロストリップフィーダ10と任意の第1結合スタブとの間のギャップの幅は、0.076mm以上であり、0.9mm以下である。例えば、h1は0.8mm,h2は0.7mm,h3は0.6mm,h4は0.5mm,h5は0.4mmであってよい。ギャップの幅は、マイクロストリップフィーダ10の第1端10aから第2端10bまで、最初に減少し、次いで増加する規則を満たす。あるいは、マイクロストリップフィーダ10と任意の第2結合スタブとの間のギャップの幅は、0.076mm以上であり、0.9mm以下である。例えば、f1は0.85mm,f2は0.75mm,f3は0.65mm,f4は0.55mm,f5は0.45mmであってよい。ギャップの幅は、マイクロストリップフィーダ10の第1端10aから第2端10bまで、最初に減少し、次いで増加する規則を満たす。又は、マイクロストリップフィーダ10と任意の第1結合スタブとの間のギャップの幅と、マイクロストリップフィーダ10と任意の第2結合スタブとの間のギャップの幅とは、0.076mm以上であり、0.9mm以下である。マイクロストリップフィーダ10と第1結合スタブとの間のギャップの幅と、マイクロストリップフィーダ10と第2結合スタブとの間のギャップの幅とは、0.076mm以上であり、0.9mm以下である。これにより、各結合スタブとマイクロストリップフィーダ10との間に結合フィードを実施して、過度に大きなギャップによる結合効果の低下や、過度に小さなギャップによる共振発生の困難を回避することができることを確実にしてよい。ここで、本出願に含まれる値と値の範囲とは近似値であることに留意するものとする。製造プロセスの影響により、特定の範囲内に誤差が存在する場合があり、当業者はその誤差が無視されると考えてよい。
【0094】
放射素子21の第1グループの結合スタブの間のギャップは、放射素子22の第2グループの結合スタブの間のギャップと等しくてよいことに留意するものとする。例えば、ギャップe1のサイズは、ギャップe2のサイズと等しくてよい。つまり、f1=h1である。ギャップd1のサイズは、ギャップd2のサイズと等しくてよい。つまり、f2=h2である。ギャップc1のサイズは、ギャップc2のサイズと等しくてよい。つまり、f3=h3である。ギャップb1のサイズは、ギャップb2のサイズと等しくてよい。つまり、f4=h4である。ギャップa1のサイズは、ギャップa2のサイズと等しくてよい。つまり、f5=h5である。これに代えて、当然、いくつかの例では、放射要素21の第1グループの結合スタブの間のギャップは、放射要素22の第2グループの結合スタブの間のギャップとは異なってよい。例えば、f1≠h1,f2≠h2,f3≠h3,f4≠h4,及びf5≠h5である。
【0095】
可能な実施では、放射素子21の第1グループと放射素子22の第2グループとは、隣接する第1結合スタブと第2結合スタブとの少なくとも2つのグループを含む。例えば、放射素子21の第1グループは、第1結合スタブ21aを含んでよく、放射素子22の第2グループは、第2結合スタブ22aと第2結合スタブ22bとを含んでよく、第1結合スタブ21aは、第2結合スタブ22aと第2結合スタブ22bとに別々に隣接する。このように、隣接する第1結合スタブと第2結合スタブとの2つのグループは、それぞれ第1結合スタブ21aと第2結合スタブ22aとを有する一方のグループと、第1結合スタブ21aと第2結合スタブ22bとを有する他方のグループである。また、第1結合スタブ21aと第2結合スタブ22aとの距離は、m9であり、第1結合スタブ21aと第2結合スタブ22bとの間の距離は、m8であり、m8≠m9である。これにより、さらに、低サイドローブを実現することができる。
【0096】
任意の設計では、第1結合スタブと第2結合スタブとの間の距離は、第1結合スタブの中心と第2結合スタブの中心との間の垂直距離であってよい。上記の実施は、隣接する第1結合スタブと第2結合スタブとの2つのグループの中心間の垂直距離が異なることとして、代替的に理解可能である。さらに、特定の製品設計と測定とでは、第1結合スタブと第2結合スタブとの間の距離を決定するために複数の方式があってよいことに留意するものとする。これは、本出願では特に制限されない。その他の部分の結合スタブの間の距離に関する内容については、本段落の説明を参照するものとする。
【0097】
本出願のこの実施形態では、隣接する第1結合スタブと第2結合スタブとは、特に第1結合スタブと1つ又は2つの最も近い第2結合スタブとを示す。又は、マイクロストリップフィーダの延長方向に隣接する第1結合スタブ及び第2結合スタブとして、理解可能である。
【0098】
本出願のこの実施形態では、放射素子21の第1グループと放射素子22の第2グループとは、隣接する第1結合スタブと第2結合スタブとの2つのグループを含むが、これらに限定されない。放射素子21の第1グループと放射素子22の第2グループとは、隣接する第1結合スタブと第2結合スタブとの少なくとも2つのグループを含んでよい。任意には、放射素子21の第1グループと放射素子22の第2グループとが、隣接する第1結合スタブと第2結合スタブとの少なくとも2つのグループを含む場合に、放射素子21の第1グループと放射素子22の第2グループとに含まれる、任意の2つのグループの中の隣接する第1結合スタブと第2結合スタブとの間の距離は、異なる。
【0099】
例えば、図4に示すように、第2結合スタブ22aと第1結合スタブ21aとの間の距離は、m9であり、第2結合スタブ22bと第1結合スタブ21aとの間の距離は、m8であり、第2結合スタブ22bと第1結合スタブ21bとの間の距離は、m7であり、第2結合スタブ22cと第1結合スタブ21bとの間の距離は、m6であり、第2結合スタブ22cと第1結合スタブ21cとの間の距離は、m5であり、第1結合スタブ21cと第2結合スタブ22dとの間の距離は、m4であり、第2結合スタブ22dと第1結合スタブ21dとの間の距離は、m3であり、第1結合スタブ21dと第2結合スタブ22eとの間の距離は、m2であり、第2結合スタブ22eと第1結合スタブ21eとの間の距離は、m1であり、m1≠m2≠m3≠m4≠m5≠m6≠m7≠m8≠m9である。
【0100】
放射素子21の第1グループと放射素子22の第2グループとに含まれるいずれかのグループの中で、互いに隣接する第1結合スタブと第2結合スタブとの間の距離は、0.4λ以上であり、0.6λ以下であり、λは、第1結合スタブ又は第2結合スタブを使用して誘電体プレート200aを透過する電磁波の波長であるか、又は、λは、誘電体材料内の波長であると理解可能である。誘電体材料は、マイクロストリップフィーダ10と結合スタブとを支持するように構成された誘電体プレート200aである。任意の設計では、λは2.26ミリメートル(mm)であってよく、及び/又は任意のグループの中で互いに隣接する第1結合スタブと第2結合スタブとの間の距離は、0.904mm以上、また1.356mm以下であってよい。例えば、m1=1mm,m2=1.05mm,m2=1.1mm,m4=1.15mm,m5=1.18mm,m6=1.2mm,m7=1.25mm,m8=1.28mm,及びm9=1.3mmである。
【0101】
可能な実施では、放射素子21の第1グループと放射素子22の第2グループに含まれる任意のグループの中で、互いに隣接する第1結合スタブと第2結合スタブとの間の距離は、1.0mm以上、また1.3mm以下であってよい。
【0102】
図4に示すように、放射素子21の第1グループの中の隣接する2つの第1結合スタブの間の距離は、0.4λ以上、また1.2λ以下であってよい。任意には、λが2.26mmの場合に、放射素子21の第1グループの中の隣接する2つの第1結合スタブの間の距離m11は、0.904mm以上であり、2.7mm以下である。図4に示すように、放射素子21の第1グループの中の第1結合スタブ21cと第1結合スタブ21dとの間の距離m11は、2.0mmであってよく、又は、放射素子21の第1グループの中の第1結合スタブ21cと第1結合スタブ21dとの間の距離m11は、2.4mmであってよい。
【0103】
放射素子22の第2グループの中の隣接する2つの第2結合スタブの間の距離は、0.4λ以上、また1.2λ以下であってよい。任意には、λが2.26mmの場合に、放射素子22の第2グループの中の隣接する2つの第2結合スタブの間の距離m10は、0.904mm以上であり、2.7mm以下である。例えば、放射素子22の第2グループの中の第2結合スタブ22bと第2結合スタブ22cとの間の距離m10は、1.8mmであってよく、又は、放射素子22の第2グループの中の第2結合スタブ22bと第2結合スタブ22cとの間の距離m10は、2.3mmであってよい。
【0104】
本出願のこの実施形態では、第1結合スタブと第2結合スタブとは、マイクロストリップフィーダ10に沿って交互に分布しているため、隣接する2つの第1結合スタブの間の距離、又は隣接する2つの第2結合スタブの間の距離は、互いに隣接する第1結合スタブと第2結合スタブとの間の距離よりも大きくてよいことに留意するものとする。例えば、m11は、m4よりも大きくてよい。又は、m10は、m6よりも大きくてよい。
【0105】
可能な実施では、アンテナはさらに、マッチングスタブ23を含む。少なくとも1つのマッチングスタブは、少なくとも1つの第1結合スタブのうちの1つ以上の第1結合スタブの少なくとも一方の側に配置されている。例えば、図5に示すように、1つのマッチングスタブ23は、各第1結合スタブの一方の側に配置されている。これに代えて、当然、いくつかの例では、マッチングスタブ23は、いくつかの第1結合スタブの一方の側又は両側に配置されてよい。又は、少なくとも1つのマッチングスタブは、少なくとも1つの第2結合スタブのうちの1つ以上の第2結合スタブの少なくとも一方の側に配置されている。例えば、図5に示すように、1つのマッチングスタブ23は、各第2結合スタブの一方の側に配置されている。これに代えて、当然、いくつかの例では、マッチングスタブ23は、いくつかの第2結合スタブの一方の側又は両側に配置されてよい。又は、少なくとも1つのマッチングスタブ23は、少なくとも1つの第1結合スタブのうちの1つ以上の第1結合スタブの少なくとも一方の側と、少なくとも1つの第2結合スタブのうちの1つ以上の第2結合スタブの少なくとも一方の側とに配置されてよい。
【0106】
マッチングスタブとマイクロストリップフィーダ10との間、及び、マッチングスタブと1つ以上の第1結合スタブ及び/又は1つ以上の第2結合スタブとの間には、ギャップが存在する。このように、マッチングスタブ23と第1結合スタブ及び/又は第2結合スタブとの間に結合が実施されるため、アンテナがカバーする帯域幅は一層大きい。
【0107】
別の実施では、図6に示すように、マッチングスタブ23は、第1結合スタブと第2結合スタブとの両側に配置されている。第1結合スタブと第2結合スタブとの両方と、両側でのマッチングスタブ23との間には、ギャップが存在する。マッチングスタブ23とマイクロストリップフィーダ10との間には、ギャップが存在する。マッチングスタブ23は、結合スタブの両側に配置されるため、アンテナの放射性能は向上し、アンテナがカバーする帯域幅は一層大きい。マッチングスタブ23は、特に、アンテナの帯域幅を増加させるための、マッチング放射器を指すことに留意するものとする。
【0108】
可能な実施では、結合スタブとマイクロストリップフィーダ10との間のギャップの幅を変更することに基づいて、結合スタブの幅を変更して、低サイドローブ効果をさらに実現することができる。本出願のこの実施形態では、第1結合スタブの数量は3以上であり、第2結合スタブの数量は3以上である。少なくとも1つの第2結合スタブの幅は、マイクロストリップフィーダ10の第1端10aから第2端10bまで、最初に増加し、次いで減少する規則を満たす。少なくとも1つの第1結合スタブの幅は、マイクロストリップフィーダ10の第1端10aから第2端10bまで、最初に増加し、次いで減少する規則を満たす。図7Aに示すように、第1結合スタブ21a、第1結合スタブ21b、第1結合スタブ21c、第1結合スタブ21d、及び第1結合スタブ21eの幅は、それぞれg5,g4,g3,g2,及びg1であり、g5<g4<g3>g2>g1である。放射素子21の第1グループでは、中間の第1結合スタブ21cの幅が最も大きく、両端の第1結合スタブ21aと第1結合スタブ21eとの幅が最も小さい。
【0109】
第2結合スタブ22a、第2結合スタブ22b、第2結合スタブ22c、第2結合スタブ22d、第2結合スタブ22eの幅は、それぞれk5,k4,k3,k2,及びk1であり、k5<k4<k3>k2>k1である。つまり、放射素子22の第2グループは、中間の第2結合スタブ22cの幅が最も大きく、両端の第2結合スタブ22aと第2結合スタブ22eとの幅が最も小さい。
【0110】
本出願の実施形態では、第1結合スタブと第2結合スタブとの幅は、マイクロストリップフィーダ10の第1端10aから第2端10bまで、最初に増加し、次いで減少する規則を満たす。これは、低サイドローブ効果をさらに実現し、ミリ波センサーのマイナーローブレベルの誤警報確率を低減し、レーダーの誤警報問題を可能な限り回避する。
【0111】
あるいは、いくつかの例では、第2結合スタブの数量は3以上である。少なくとも1つの第2結合スタブの幅は、マイクロストリップフィーダ10の第1端10aから第2端10bまで、最初に増加し、次いで減少する規則を満たす。例えば、図7Bに示すように、第2結合スタブ22a、第2結合スタブ22b、第2結合スタブ22c、第2結合スタブ22d、第2結合スタブ22eの幅は、それぞれk5,k4,k3,k2,及びk1であり、k5<k4<k3>k2>k1である。放射素子21の第1グループの中の第1結合スタブの幅は、同じであってよい。
【0112】
あるいは、いくつかの例では、第1結合スタブの数量は3以上である。少なくとも1つの第1結合スタブの幅は、マイクロストリップフィーダ10の第1端10aから第2端10bまで、最初に増加し、次いで減少する規則を満たす。図7Aでは、放射素子21の第1グループの中の第1結合スタブの幅の変化(例:g5<g4<g3>g2>g1)を参照することができる。
【0113】
少なくとも1つの第2結合スタブの幅及び/又は少なくとも1つの第1結合スタブの幅は、マイクロストリップフィーダ10の第1端10aから第2端10bまで、最初に増加し、次いで減少する規則を満たすこと、具体的には、少なくとも1つの第2結合スタブの幅及び/又は少なくとも1つの第1結合スタブの幅は、マイクロストリップフィーダ10の第1端10aから第2端10bまで、全体として最初に増加し、次いで減少する規則を満たすことに留意するものとする。少なくとも1つの第2結合スタブの幅、及び/又は少なくとも1つの第1結合スタブの幅は、マイクロストリップフィーダ10の第1端10aから第2端10bまで、最初に順次増加し、次いで順次減少する規則を満たすことを意味するものではない。例えば、少なくとも1つの第2結合スタブの幅、及び/又は少なくとも1つの第1結合スタブの幅が、マイクロストリップフィーダ10の第1端10aから第2端10bまで減少又は増加した場合に、隣接する2つの結合スタブの同じ幅が存在してよい。
【0114】
可能な実施では、少なくとも1つの第1結合スタブと少なくとも1つの第2結合スタブとの幅が、0.076mm以上であり、0.9mm以下であり、又は、任意の第1結合スタブと任意の第2結合スタブとの幅が、0.076mm以上であり、0.9mm以下である。例えば、第1結合スタブ21a,第1結合スタブ21b,第1結合スタブ21c,第1結合スタブ21d,及び第1結合スタブ21eの幅は、それぞれg5,g4,g3,g2,及びg1であり、g5=0.2,g4=0.4,g3=0.6,g2=0.4,及びg1=0.2である。第2結合スタブ22a,第2結合スタブ22b,第2結合スタブ22c,第2結合スタブ22d,及び第2結合スタブ22eの幅は、それぞれk5,k4,k3,k2,及びk1であり、k5=0.1,k4=0.5,k3=0.9,k2=0.5,及びk1=0.1である。
【0115】
可能な実施では、少なくとも1つの第1結合スタブの長さ及び少なくとも1つの第2結合スタブの長さは、0.4λ以上であり、0.6λ以下であり、又は、任意の第1結合スタブの長さ及び任意の第2結合スタブの長さは、0.4λ以上であり、0.6λ以下であり、λは、第1結合スタブ又は第2結合スタブを使用して誘電体プレート200aを透過する電磁波の波長であるか、又は、λは、誘電体材料内の波長であると理解可能である。誘電体材料は、マイクロストリップフィーダ10と結合スタブとを支持するように構成された誘電体プレート200aである。任意の設計では、λは2.26ミリメートル(mm)であってよく、及び/又は、少なくとも1つの第1結合スタブの長さ及び少なくとも1つの第2結合スタブの長さ、又は任意の第1結合スタブの長さ及び任意の第2結合スタブの長さは、0.904mm以上であり、1.356mm以下である。
【0116】
可能な実施では、第1結合スタブの長さと第2結合スタブの長さとは、同じであってよく、又は少なくとも1つの第1結合スタブの長さと少なくとも1つの第2結合スタブの長さは、同じである。第1結合スタブの長さと第2結合スタブの長さとは、1.0mm以上、また1.2mm以下であってよい。例えば、図7Aに示すように、第1結合スタブ21a,第1結合スタブ21b,第1結合スタブ21c,第1結合スタブ21d,及び第1結合スタブ21eの長さは、それぞれL5,L4,L3,L2,及びL1であり、L5=L4=L3=L2=L1=1.1mm,又はL5=L4=L3=L2=L1=1.2mmである。
【0117】
第2結合スタブ22a,第2結合スタブ22b,第2結合スタブ22c,第2結合スタブ22d,及び第2結合スタブ22eの長さは、それぞれL5,L4,L3,L2,及びL1であり、L5=L4=L3=L2=L1=1.0mm,又はL5=L4=L3=L2=L1=1.15mmである。
【0118】
当然、いくつかの例では、第1結合スタブの長さと第2結合スタブの長さとが異なってよい。例えば、第1結合スタブの長さは、さらに、マイクロストリップフィーダ10の第1端10aから第2端10bまで、最初に増加し、次いで減少してよい。第2結合スタブの長さは、さらに、マイクロストリップフィーダ10の第1端10aから第2端10bまで、最初に増加し、次いで減少してよい。
【0119】
可能な実施では、少なくとも1つの第1結合スタブ、又は少なくとも1つの第2結合スタブ、又はその両方が、矩形又は台形のパッチである。又は、任意の第1結合スタブ、又は任意の第2結合スタブ、又はその両方が、矩形又は台形のパッチであってよい。
【0120】
当然、いくつかの他の例では、第1結合スタブと第2結合スタブとの形状は、矩形又は台形を含むが、これらに限定されない。例えば、代わりに多角形又は円の形状であってよい。矩形パッチは、具体的には金属パッチ、例えば、銅シート又はアルミニウムシートであってよい。
【0121】
[実施形態2]
本出願のこの実施形態では、第1結合スタブ及び/又は第2結合スタブの幅を変更して、低サイドローブを実現する。例えば、少なくとも1つの第1結合スタブ及び/又は少なくとも1つの第2結合スタブと、マイクロストリップフィーダ10との間のギャップは、同じである。例えば、図8Aに示すように、5つの第1結合スタブ(即ち、第1結合スタブ21a,第1結合スタブ21b,第1結合スタブ21c,第1結合スタブ21d,及び第1結合スタブ21e)とマイクロストリップフィーダ10との間のギャップa1,b1,c1,d1,及びe1は、同じであってよい。5つの第2結合スタブ(即ち、第2結合スタブ22a,第2結合スタブ22b,第2結合スタブ22c,第2結合スタブ22d,及び第2結合スタブ22e)とマイクロストリップフィーダ10との間のギャップa2,b2,c2,d2,及びe2は、同じであってよい。
【0122】
低サイドローブ効果を実現するために、第1結合スタブの数量は3以上であってよく、第2結合スタブの数量は3以上であってよい。また、少なくとも1つの第1結合スタブの幅は、マイクロストリップフィーダ10の第1端10aから第2端10bまで、最初に増加し、次いで減少する規則を満たす。少なくとも1つの第2結合スタブの幅は、マイクロストリップフィーダ10の第1端10aから第2端10bまで、最初に増加し、次いで減少する規則を満たす。
【0123】
例えば、図8Aに示すように、第1結合スタブ21a,第1結合スタブ21b,第1結合スタブ21c,第1結合スタブ21d,及び第1結合スタブ21eの幅は、それぞれg5,g4,g3,g2,及びg1であり、g5<g4<g3>g2>g1である。放射素子21の第1グループでは、中間の第1結合スタブ21cの幅が最も大きく、両端の第1結合スタブ21aと第1結合スタブ21eとの幅が最も小さい。
【0124】
第2結合スタブ22a,第2結合スタブ22b,第2結合スタブ22c,第2結合スタブ22d,及び第2結合スタブ22eの幅は、それぞれk5,k4,k3,k2,及びk1であり、k5<k4<k3>k2>k1である。言い換えれば、放射素子22の第2グループでは、中間の第2結合スタブ22cの幅が最も大きく、両端の第2結合スタブ22aと第2結合スタブ22eとの幅が最も小さい。
【0125】
これに代えて、第1結合スタブの数量は3以上であってよく、少なくとも1つの第1結合スタブの幅は、マイクロストリップフィーダ10の第1端10aから第2端10bまで、最初に増加し、次いで減少する規則を満たす。図8Bに示すように、第1結合スタブ21a,第1結合スタブ21b,第1結合スタブ21c,第1結合スタブ21d,及び第1結合スタブ21eの幅は、それぞれg5,g4,g3,g2,及びg1であり、g5<g4<g3>g2>g1である。放射素子21の第1グループでは、中間の第1結合スタブ21cの幅が最も大きく、両端の第1結合スタブ21aと第1結合スタブ21eとの幅が最も小さい。
【0126】
これに代えて、第2結合スタブの数量は3以上であってよく、少なくとも1つの第2結合スタブの幅は、マイクロストリップフィーダ10の第1端10aから第2端10bまで、最初に増加し、次いで減少する規則を満たす。図8Cに示すように、第2結合スタブ22a,第2結合スタブ22b,第2結合スタブ22c,第2結合スタブ22d,及び第2結合スタブ22eの幅は、それぞれk5,k4,k3,k2,及びk1であり、k5<k4<k3>k2>k1である。
【0127】
これに代えて、可能な実施では、少なくとも1つの第1結合スタブの数量と少なくとも1つの第2結合スタブの数量との合計は、3以上である。少なくとも1つの第1結合スタブと少なくとも1つの第2結合スタブとの幅は、マイクロストリップフィーダ10の第1端10aから第2端10bまで、最初に増加し、次いで減少する規則を満たす。例えば、図8Dに示すように、第1結合スタブ21b,第2結合スタブ22a,及び第2結合スタブ22bが、マイクロストリップフィーダ10の両側に配置されている。第1結合スタブ21b,第2結合スタブ22a,及び第2結合スタブ22bの幅は、それぞれg4,k5,及びk4である。3つの結合スタブの幅は、マイクロストリップフィーダ10の第1端10a(例えば、頂端)から第2端10b(例えば、底端)まで、最初に増加し、次いで減少する。即ち、k5<k4>g4である。
【0128】
本出願のこの実施形態では、第1結合スタブと第2結合スタブとの両方とマイクロストリップフィーダ10との間に、ギャップが存在する。このようにして、第1結合スタブと第2結合スタブとの両方とマイクロストリップフィーダ10との間に、共振構造(即ちLC)が形成され、アンテナは別の共振を発生させる。このようにして、アンテナは、2つの共振点を発生させ、一層大きな帯域幅を実現し、ミリ波レーダーの距離分解能を増加させることができる。第1結合スタブと第2結合スタブとの幅は、マイクロストリップフィーダ10の第1端10aから第2端まで、最初に増加し、次いで減少するこれは、低サイドローブ効果を実現し、ミリ波センサーのマイナーローブレベルの誤警報確率を低減し、レーダーの誤警報問題を可能な限り回避する。
【0129】
可能な実施では、少なくとも1つの第2結合スタブの幅、及び/又は少なくとも1つの第1結合スタブの幅が、マイクロストリップフィーダ10の第1端10aから第2端10bまで、最初に増加し、次いで減少する規則を満たす場合に、具体的には、少なくとも1つの第2結合スタブの幅、及び/又は少なくとも1つの第1結合スタブの幅は、マイクロストリップフィーダ10の第1端10aから第2端10bまで、全体として最初に増加し、次いで減少する変化傾向を有する。例えば、図8Eに示すように、k5<k4<k3=k0>k2>k1、またg5<g4<g3>g2>g1=g0である。従って、マイクロストリップフィーダ10の第1端10aから第2端10bまで、少なくとも1つの第2結合スタブの幅、及び/又は少なくとも1つの第1結合スタブの幅が、最初に増加し、次いで減少した場合に、隣接する結合スタブの同じ幅が存在してよい。しかし、結合スタブは、マイクロストリップフィーダ10の第1端10aから第2端10bまで、全体として最初に増加し、次いで減少する変化傾向を有する。
【0130】
可能な実施では、放射素子21の第1グループと放射素子22の第2グループとは、隣接する第1結合スタブと第2結合スタブとの少なくとも2つのグループを含む。例えば、図9に示すように、放射素子21の第1グループは、第1結合スタブ21aを含み、放射素子22の第2グループは、第2結合スタブ22aと第2結合スタブ22bとを含んでよい。このように、隣接する第1結合スタブと第2結合スタブとの2つのグループは、それぞれ第1結合スタブ21aと第2結合スタブ22aとを有する一方のグループと、第1結合スタブ21aと第2結合スタブ22bとを有する他方の隣接グループである。また、第1結合スタブ21aと第2結合スタブ22aとの間の距離は、n9であり、第1結合スタブ21aと第2結合スタブ22bとの間の距離は、n8であり、n8≠n9である。これにより、さらに低サイドローブを実現することができる。任意には、距離は、2つの結合スタブの中心間の垂直距離であってよい。
【0131】
本出願のこの実施形態では、放射素子21の第1グループと放射素子22の第2グループとは、隣接する第1結合スタブと第2結合スタブとの2つのグループを含むが、これらに限定されない。放射素子21の第1グループと放射素子22の第2グループとは、隣接する第1結合スタブと第2結合スタブとの少なくとも2つのグループを含んでよい。放射素子21の第1グループと放射素子22の第2グループとが、隣接する第1結合スタブと第2結合スタブとの少なくとも2つのグループを含む場合に、放射素子21の第1グループと放射素子22の第2グループとに含まれる任意の2つのグループの中で、隣接する第1結合スタブと第2結合スタブとの間の距離は、異なる。
【0132】
例えば、図9に示すように、第2結合スタブ22aと第1結合スタブ21aとの間の距離は、n9であり、第2結合スタブ22bと第1結合スタブ21aとの間の距離は、n8であり、第2結合スタブ22bと第1結合スタブ21bとの間の距離は、n7であり、第2結合スタブ22cと第1結合スタブ21bとの間の距離は、n6であり、第2結合スタブ22cと第1結合スタブ21cとの間の距離は、n5であり、第1結合スタブ21cと第2結合スタブ22dとの間の距離は、n4であり、第2結合スタブ22dと第1結合スタブ21dとの間の距離は、n3であり、第1結合スタブ21dと第2結合スタブ22eとの間の距離は、n2であり、第2結合スタブ22eと第1結合スタブ21eとの間の距離は、n1であり、n1≠n2≠n3≠n4≠n5≠n6≠n7≠n8≠n9である。
【0133】
放射素子21の第1グループと放射素子22の第2グループとに含まれる任意のグループの中で、互いに隣接する第1結合スタブと第2結合スタブとの間の距離は、0.4λ以上であり、0.6λ以下であり、λは、第1結合スタブ又は第2結合スタブを使用して誘電体プレート200aを透過する電磁波の波長であるか、又は、λは、誘電体材料内の波長であると理解可能である。誘電体材料は、マイクロストリップフィーダ10と結合スタブとを支持するように構成された誘電体プレート200aである。任意の設計では、λは2.26ミリメートル(mm)であってよく、及び/又は任意のグループの中で互いに隣接する第1結合スタブと第2結合スタブとの間の距離は、0.904mm以上、また1.356mm以下であってよい。例えば、n1=1mm,n2=1.05mm,n2=1.1mm,n4=1.15mm,n5=1.18mm,n6=1.2mm,n7=1.25mm,n8=1.28mm,及びn9=1.3mmである。
【0134】
可能な実施では、放射素子21の第1グループと放射素子22の第2グループとに含まれる任意のグループの中で、互いに隣接する第1結合スタブと第2結合スタブとの間の距離は、1.0mm以上、また1.3mm以下であってよい。
【0135】
可能な実施では、図9に示すように、放射素子21の第1グループの中の隣接する2つの第1結合スタブ(例えば、第1結合スタブ21e及び第1結合スタブ21d)の間の距離n11は、0.4λ以上、また1.2λ以下であってよい。任意には、λが2.26mmの場合に、放射素子21の第1グループの中の隣接する2つの第1結合スタブの間の距離n11は、0.904mm以上であり、2.7mm以下である。例えば、放射素子21の第1グループの中の第1結合スタブ21cと第1結合スタブ21dとの間の距離n11は、2.5mmであってよく、又は、放射素子21の第1グループの中の第1結合スタブ21cと第1結合スタブ21dとの間の距離n11は、2.3mmであってよい。
【0136】
放射素子22の第2グループの中の隣接する2つの第2結合スタブ(例えば、第2結合スタブ22b及び第2結合スタブ22c)の間の距離n10は、0.4λ以上、また1.2λ以下であってよい。任意には、λが2.26mmの場合に、放射素子22の第2グループの中の隣接する2つの第2結合スタブの間の距離は、0.904mm以上であり、2.7mm以下である。例えば、放射素子22の第2グループの中の第2結合スタブ22bと第2結合スタブ22cとの間の距離n10は、2.26mmであってよく、又は、放射素子22の第2グループの中の第2結合スタブ22bと第2結合スタブ22cとの間の距離n10は、2.52mmであってよい。
【0137】
本出願のこの実施形態では、第1結合スタブと第2結合スタブとは、マイクロストリップフィーダ10に沿って交互に分布しているため、隣接する2つの第1結合スタブの間の距離、又は隣接する2つの第2結合スタブの間の距離は、互いに隣接する第1結合スタブと第2結合スタブとの間の距離よりも大きくてよい。例えば、n11は、n2よりも大きくてよい。又は、n10は、n6よりも大きくてよい。
【0138】
可能な実施では、アンテナはさらに、マッチングスタブ23を含む。少なくとも1つのマッチングスタブは、少なくとも1つの第1結合スタブのうちの1つ以上の第1結合スタブの少なくとも一方の側に配置されている。例えば、図5に示すように、1つのマッチングスタブ23は、各第1結合スタブの一方の側に配置されている。これに代えて、当然、いくつかの例では、マッチングスタブ23は、いくつかの第1結合スタブの一方の側又は両側に配置されてよい。又は、少なくとも1つのマッチングスタブは、少なくとも1つの第2結合スタブのうちの1つ以上の第2結合スタブの少なくとも一方の側に配置されている。例えば、図10に示すように、1つのマッチングスタブ23は、各第2結合スタブの一方の側に配置されている。これに代えて、当然、いくつかの例では、マッチングスタブ23は、いくつかの第2結合スタブの一方の側又は両側に配置されてよい。又は、少なくとも1つのマッチングスタブ23は、少なくとも1つの第1結合スタブのうちの1つ以上の第1結合スタブの少なくとも一方の側と、少なくとも1つの第2結合スタブのうちの1つ以上の第2結合スタブの少なくとも一方の側とに配置されてよい。
【0139】
マッチングスタブとマイクロストリップフィーダ10との間、また、マッチングスタブと、1つ以上の第1結合スタブ及び/又は1つ以上の第2結合スタブとの間には、ギャップが存在する。このように、マッチングスタブ23と、第1結合スタブ及び/又は第2結合スタブとの間に結合が実施されるため、アンテナがカバーする帯域幅は一層大きい。
【0140】
別の実施では、図11に示すように、マッチングスタブ23は、第1結合スタブと第2結合スタブとの両側に配置されている。第1結合スタブと第2結合スタブとの両方と、両側でのマッチングスタブ23との間には、ギャップが存在する。マッチングスタブ23とマイクロストリップフィーダ10との間には、ギャップが存在する。マッチングスタブ23は結合スタブの両側に配置されるため、アンテナの放射性能が向上し、アンテナがカバーする帯域幅は一層大きい。
【0141】
本出願は、前述の実施形態で提供されたアンテナを準備する方法をさらに提供する。この方法は、次のステップを含む。
【0142】
ステップ(a):誘電体プレート200aの1つの表面に、少なくとも1つのマイクロストリップフィーダ10を形成する。例えば、図12Aに示すように、誘電体プレート200aの第1表面210に1つのマイクロストリップフィーダ10を形成する。マイクロストリップフィーダ10は、誘電体プレート200aの一方の端(例えば、図12Aの上端)から他方の端(例えば、図12Aの下端)まで延びて配置されてよい。
【0143】
ステップ(b):マイクロストリップフィーダ10の第1の側に、放射素子21の第1グループを形成し、及び/又はマイクロストリップフィーダ10の第2の側に、放射素子22の第2グループを形成する。放射素子21の第1グループは、少なくとも1つの第1結合スタブを含む。放射素子22の第2グループは、少なくとも1つの第2結合スタブを含む。例えば、図12Aに示すように、放射素子21の第1グループは、マイクロストリップフィーダ10の第1の側に形成され、放射素子22の第2グループは、マイクロストリップフィーダ10の第2の側に形成されている。当然、いくつかの例では、放射素子21の第1グループは、マイクロストリップフィーダ10の第1の側に形成されてよく(図2Bに示すように)、放射素子22の第2グループは、マイクロストリップフィーダ10の第2の側に形成されてよい(図2Cに示すように)。
【0144】
少なくとも1つの第1結合スタブ及び/又は少なくとも1つの第2結合スタブと、マイクロストリップフィーダ10との間に、ギャップが形成されている。例えば、少なくとも1つの第1結合スタブとマイクロストリップフィーダ10との間に、ギャップが形成され、又は、少なくとも1つの第2結合スタブとマイクロストリップフィーダ10との間に、ギャップが形成され、又は、少なくとも1つの第1結合スタブと少なくとも1つの第2結合スタブとの両方と、マイクロストリップフィーダ10との間に、ギャップが形成されている。
【0145】
図12Aに示すように、放射素子21の第1グループは、第1結合スタブ21a、第1結合スタブ21b、第1結合スタブ21c、第1結合スタブ21d、及び第1結合スタブ21eを含んでよい。放射素子22の第2グループは、第2結合スタブ22a、第2結合スタブ22b、第2結合スタブ22c、第2結合スタブ22d、及び第2結合スタブ22eを含んでよい。マイクロストリップフィーダ10と、第1結合スタブ21a、第1結合スタブ21b、第1結合スタブ21c、第1結合スタブ21d、及び第1結合スタブ21eのそれぞれとの間には、ギャップが存在する。マイクロストリップフィーダ10と、第2結合スタブ22a、第2結合スタブ22b、第2結合スタブ22c、第2結合スタブ22d、及び第2結合スタブ22eのそれぞれとの間には、ギャップが存在する
【0146】
少なくとも1つの第1結合スタブ及び/又は少なくとも1つの第2結合スタブと、マイクロストリップフィーダ10との間に、ギャップが存在する。このようにして、第1結合スタブと第2結合スタブとの両方とマイクロストリップフィーダ10との間に、共振構造(即ちLC)が形成され、アンテナは別の共振を発生させる。このようにして、アンテナは、2つの共振点を発生させ、一層大きな帯域幅を実現し、ミリ波レーダーの距離分解能を増加させることができる。
【0147】
本出願のこの実施形態では、誘電体プレート200aは、プリント回路基板(PCB)であってよい。誘電体プレート200aの誘電定数は、2以上であってよく、4以下であってよい。誘電体プレート200aの厚みは、5ミル(Mil)であってよい。
【0148】
別の可能な実施では、マイクロストリップフィーダ10と少なくとも1つの放射素子のグループとが、誘電体プレート200aの第1表面210に形成される前又は後に、金属接地層300が誘電体プレート200aの他方の表面に配置されることを、この方法はさらに含む。例えば、図12Bに示すように、金属接地層300は、誘電体プレート200aの第2表面220に形成される。各結合スタブは、ビアホールを介して金属接地層300に電気的に接続されてよい。
【0149】
金属接地層300は、誘電体プレート200aの第2表面220を完全に又は部分的に覆ってよい。
【0150】
金属接地層300は、具体的には金属材料でできた金属層である。
【0151】
本出願で提供される準備方法を使用して準備したアンテナは、実施形態1又は実施形態2で提供したアンテナであることに留意するものとする。従って、アンテナの準備方法では、アンテナの中で、マイクロストリップフィーダ10と、第1結合スタブと、第2結合スタブとの幅、長さ及びギャップの変更の規則や、他のパラメータや構造の変更については、実施形態1と実施形態2との記述を参照するものとする。詳細については、ここでは再度説明しない。
【0152】
本出願はさらに、ミリ波センサー100を提供する。図13Aに示すように、ミリ波センサー100は、少なくとも、回路基板200と、回路基板200の一方の表面に位置する金属接地層300と、回路基板200の他方の表面に位置する少なくとも1つのアンテナアレイとを含む。少なくとも1つのアンテナアレイのうちの1つ以上のアンテナアレイは、上記の任意の実施形態での少なくとも1つのアンテナを含む。例えば、各アンテナアレイは、1つのアンテナ(図13Aに示すように)を含んでよい。又は、各アンテナアレイは、2つのアンテナを含んでよい。図13Bに示すように、金属接地層300は、回路基板200の裏面(即ち、図13Bの下向きの面)に位置する。アンテナアレイは、回路基板200の前面(即ち、図13Aの上向きの面)に位置する。フィードポイント(例えば、フィードポイント201、フィードポイント202、フィードポイント203、フィードポイント204、フィードポイント205、又はフィードポイント206)を介して、各マイクロストリップフィーダ10は、無線周波数モジュールのフィードに電気的に接続されてよい。具体的には、フィードポイントは、フィーダを介してフィードに電気的に接続されている。フィードは、無線周波数モジュールの中の信号源であることに留意するものとする。
【0153】
可能な実施では、図13Aに示すように、少なくとも1つのアンテナアレイは、少なくとも1つの送信アンテナアレイ101と、少なくとも1つの受信アンテナアレイ102とを含む。任意の送信アンテナアレイと、任意の受信アンテナアレイとは、少なくとも1つのアンテナを含む。例えば、図13Aに示すように、送信アンテナアレイ101と受信アンテナアレイ102とは、間隔をおいて回路基板200上に配置されている。各送信アンテナアレイ101と各受信アンテナアレイ102とは、上記のいずれかの実施形態の中の少なくとも1つのアンテナを含んでよい。さらに、アンテナのマイクロストリップフィーダ10は、回路基板200のフィードに電気的に接続される。アンテナのマイクロストリップフィーダ10と、第1結合スタブと、第2結合スタブとは、回路基板200の1つの表面に配置されている。従って、本出願のこの実施形態では、回路基板200は、実施形態1、実施形態2、及び実施形態3の誘電体プレート200aであってよい。
【0154】
可能な実施では、回路基板200は、高周波回路基板であってよい。高周波回路基板は、高い電磁周波数を有する特殊な回路基板である。一般に、高周波は、1GHzを超える周波数と定義されてよい。この回路基板は、物理的な性能、精度、技術的なパラメータの要求が高く、自動車の衝突防止システム、衛星システム、又は無線システムの分野で、しばしば使用される。本出願の実施形態では、回路基板200の厚みHは、5milであってよい。つまり、回路基板200の厚みHは、0.127mmであってよい。
【0155】
可能な実施では、回路基板200の誘電定数は、2以上であってよく、4以下であってよい。例えば、回路基板200の誘電定数は、3又は2.5であってよい。
【0156】
本出願のこの実施形態のアンテナは、実施形態1と実施形態2との任意のもののアンテナであってよいことに留意するものとする。従って、アンテナの構造については、実施形態1と実施形態2との内容を参照するものとする。本出願の実施形態では、アンテナの構造については詳しく説明しない。
【0157】
本出願の実施形態で提供されるミリ波センサー100は、上記の任意の実施形態のアンテナを含み、一層大きな帯域幅を実現し、ミリ波レーダーの距離分解能を増加させ、長い距離分解能で5GHzの帯域幅を実現するための要件を満たす。これに加えて、低サイドローブ効果を実現し、ミリ波センサー100のマイナーローブレベルの誤警報確率を低減し、ミリ波センサー100の誤警報問題を可能な限り回避する。このため、端末に使用する場合に、ミリ波センサー100は、自動運転又はアシスト運転での端末の高度運転支援システム(Advanced Driving Assistance System, ADAS)能力を向上させることができる。ミリ波センサー100は、例えば、車両対全て(Vehicle-to-Everything,V2X),ロングタームエボリューション車両(Long Term Evolution-Vehicle,LTE-V),車車間(Vehicle-to-Vehicle)などの車両のインターネットで使用することができる。
【0158】
さらに本出願は、端末400を提供する。端末400は、例えば、車両、無人航空機、ロボット、スマートホームデバイス、又はスマート製造デバイスなどの、センサーを伴う固定又は移動端末であってよい。
【0159】
本出願の実施形態では、端末400が車両である例を、特に説明に使用する。車両は、電気自動車/電気自動車(Electric Vehicle、略してEV)又は電気配膳トロリー、又は電動の宅配用車両であってよい。これに代えて、端末400は、純電気自動車(Pure Electric Vehicle/Battery Electric Vehicle,略してPEV/BEV),ハイブリッド電気自動車(Hybrid Electric Vehicle,略してHEV),航続距離延長電気自動車(Range Extended Electric Vehicle,略してREEV),プラグインハイブリッド電気自動車(Plug-in Hybrid Electric Vehicle,略してPHEV),及び新エネルギー自動車(New Energy Vehicle)であってよい。
【0160】
図14に示すように、端末400は、少なくとも本体401と、本体401に配置された少なくとも1つのセンサーとを含む。少なくとも1つのセンサーは、上記のいずれかの実施形態では、少なくとも1つのミリ波センサー100を含む。例えば、図14では、3つのセンサーが本体401に配置されている。3つのセンサーは、全て前述の実施形態でのミリ波センサー100であってよく、又は、3つのセンサーのうち1つ又は2つが、前述の実施形態でのミリ波センサー100であってよい。本出願の実施形態では、3つのセンサー全てがミリ波センサー100である例を、特に説明に使用する。
【0161】
図14に示すように、本体401のフロントバンパーに、2つのミリ波センサー100を、本体401のリアバンパーに、1つのミリ波センサー100を配置する。ミリ波センサー100の数量は、3つであるが、これに限定されないことに留意するものとする。例えば、ミリ波センサー100は、本体401の両側に別々に配置してよい。
【0162】
本体401の構造については、既存車両の構造を参照することに留意するものとする。本出願のこの実施形態では、詳細については再度説明しない。
【0163】
本出願のこの実施形態では、ミリ波センサー100は、ミリ波レーダー、ミリ波距離センサー、又はミリ波周囲光センサーである。
【0164】
本出願のこの実施形態で提供される端末は、ミリ波センサー100を含み、一層大きな帯域幅を実現し、ミリ波レーダーの距離分解能を増加させ、長い距離分解能で5GHzの帯域幅を実現するための要件を満たし、長距離シナリオと中距離シナリオとでの車両40の正確な検出を確実にする。これに加えて、低サイドローブ効果を実現し、ミリ波センサー100に対するマイナーローブレベルの誤警報確率を低減し、レーダーの誤警報問題を可能な限り回避し、端末の正確な検出を確実にする。さらに、ミリ波センサー100は、一層大きな帯域幅と低サイドローブ効果とを実現するので、端末に含まれるミリ波センサー100は、自動運転又はアシスト運転での端末の高度運転支援システム(ADAS)能力を向上させることができる。例えば、車両対全て(V2X)、ロングタームエボリューション車両(LTE-V)、車車間(V2V)などの車両のインターネットで使用してよい。
【0165】
本出願の実施形態の説明では、他に特に明確かつ限定的でない限り、「設置」、「との接続」、及び「接続」という用語は広い意味で理解されるものとすることに留意するものとする。例えば、接続は固定接続であってよく、中間媒体を使用して間接接続であってよく、2つの要素間の内部接続、又は2つの要素間の相互作用関係であってよい。技術の通常の技能を有する者にとって、本出願の実施形態での前述の用語の特定の意味は、特定の状況に基づいて理解可能である。
【0166】
本出願の実施形態での装置又は要素、又は暗示される装置又は要素は、特定の方向を有し、特定の方向に構築及び操作される必要があるため、本出願の実施形態に対する制限として解釈することはできない。本出願の実施形態の説明で、「複数」の意味は、他に厳密かつ具体的に指定されない限り、2つ以上である。
【0167】
本出願の実施形態の明細書、請求項及び添付図面の中で、「第1」、「第2」、「第3」、「第4」等の用語(存在する場合)は、類似の対象を区別することを意図しているが、必ずしも特定の順序又は順序を示すものではない。そのように称したデータは、適切な状況において交換可能であり、その結果、本出願に記載された本出願の実施形態は、図示された又は記載された順序以外の順序で実施されてよいことを理解するものとする。これに加えて、「含む」、「有する」、及びその任意の変種は、非排他的包含物をカバーすることを意図している。例えば、一連のステップ又はユニットを含むプロセス、方法、システム、製品又はデバイスであり、これは、必ずしも明確に列挙されたステップ又はユニットに限定されないが、そのようなプロセス、方法、製品又はデバイスに明確に列挙されていない又は固有でない他のステップ又はユニットを含んでよい。
【0168】
最後に、上記の実施形態は、単に本出願の実施形態を限定する以外の、本出願の実施形態の技術的解決策を記述するためのものであることに留意するものとする。本出願の実施形態は、上記の実施形態を参照して詳細に記述されているが、本出願の実施形態の技術的解決策の範囲から逸脱することなく、上記の実施形態に記述された技術的解決策を修正したり、その技術的特徴の一部又は全部を同等に置換したりすることができることを、当業者は理解するものとする。
図1
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8A
図8B
図8C
図8D
図8E
図9
図10
図11
図12A
図12B
図13A
図13B
図14