(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-30
(45)【発行日】2025-02-07
(54)【発明の名称】CD73阻害剤、その製造方法と応用
(51)【国際特許分類】
C07H 19/23 20060101AFI20250131BHJP
A61K 31/706 20060101ALI20250131BHJP
A61P 1/04 20060101ALI20250131BHJP
A61P 1/18 20060101ALI20250131BHJP
A61P 3/00 20060101ALI20250131BHJP
A61P 7/00 20060101ALI20250131BHJP
A61P 7/06 20060101ALI20250131BHJP
A61P 9/00 20060101ALI20250131BHJP
A61P 9/04 20060101ALI20250131BHJP
A61P 9/10 20060101ALI20250131BHJP
A61P 11/06 20060101ALI20250131BHJP
A61P 13/12 20060101ALI20250131BHJP
A61P 17/00 20060101ALI20250131BHJP
A61P 17/02 20060101ALI20250131BHJP
A61P 17/06 20060101ALI20250131BHJP
A61P 19/02 20060101ALI20250131BHJP
A61P 19/10 20060101ALI20250131BHJP
A61P 21/00 20060101ALI20250131BHJP
A61P 25/16 20060101ALI20250131BHJP
A61P 25/28 20060101ALI20250131BHJP
A61P 29/00 20060101ALI20250131BHJP
A61P 31/00 20060101ALI20250131BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20250131BHJP
A61P 35/02 20060101ALI20250131BHJP
A61P 37/02 20060101ALI20250131BHJP
A61P 37/08 20060101ALI20250131BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20250131BHJP
【FI】
C07H19/23 CSP
A61K31/706
A61P1/04
A61P1/18
A61P3/00
A61P7/00
A61P7/06
A61P9/00
A61P9/04
A61P9/10 101
A61P11/06
A61P13/12
A61P17/00
A61P17/02
A61P17/06
A61P19/02
A61P19/10
A61P21/00
A61P25/16
A61P25/28
A61P29/00 101
A61P31/00
A61P35/00
A61P35/02
A61P37/02
A61P37/08
A61P43/00 105
A61P43/00 111
(21)【出願番号】P 2023116962
(22)【出願日】2023-07-18
(62)【分割の表示】P 2021556880の分割
【原出願日】2020-04-27
【審査請求日】2023-08-16
(31)【優先権主張番号】201910350348.6
(32)【優先日】2019-04-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201910510367.0
(32)【優先日】2019-06-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201911375322.3
(32)【優先日】2019-12-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】519166372
【氏名又は名称】アビスコ セラピューティクス カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】デン ハイビン
(72)【発明者】
【氏名】ユ ホンピン
(72)【発明者】
【氏名】チェン チュイ
(72)【発明者】
【氏名】シュウ ヤオチャン
【審査官】安藤 倫世
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/208980(WO,A1)
【文献】特表2019-501223(JP,A)
【文献】国際公開第2018/208727(WO,A1)
【文献】特表2021-515775(JP,A)
【文献】特表2021-527139(JP,A)
【文献】特表2022-524559(JP,A)
【文献】特表2022-527476(JP,A)
【文献】特表2022-529152(JP,A)
【文献】国際公開第2019/129059(WO,A1)
【文献】特表2019-529500(JP,A)
【文献】Bhattarai, Sanjay et al.,α,β-Methylene-ADP (AOPCP) Derivatives and Analogues: Development of Potent and Selective ecto-5'-N,Journal of Medicinal Chemistry,2015年,(2015), 58(15), 6248-6263
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07H
C07F
A61K
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(IIIb)の化合物、その立体異性体またはその薬学的に許容される塩であって、
【化1】
ここで、X
1は、CHであり、
各R
1は、水素、重水素、フッ素、塩素、シアノ基、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、ジデューテロメチル基、トリデューテロメチル基、C
3-6シクロアルキル基および3-6員複素環基から選ばれ、
R
4は、水素、重水素、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、C
2-4アルケニル基およびC
3-6シクロアルキル基から選ばれ、
R
5は、水素、重水素、フッ素、塩素、シアノ基、アジド基、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、C
2-6アルケニル基、C
2-6アルキニル基およびC
3-6シクロアルキル基から選ばれ、
R
7は、水素、重水素、ハロゲン、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基およびヒドロキシ基から選ばれ、
R
9は、水素、重水素、ハロゲン、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基およびヒドロキシ基から選ばれ、
R
10、R
11、R
12は、それぞれ独立して、水素、重水素、メチル基、エチル基、プロピル基およびイソプロピル基から選ばれ、
mは、0、1、2または3であることを特徴とする
前記式(IIIb)化合物、その立体異性体またはその薬学的に許容される塩。
【請求項2】
前記化合物が、下記の化合物から選ばれることを特徴とする
請求項1に記載の式(IIIb)の化合物、その立体異性体またはその薬学的に許容される塩。
【化2】
【請求項3】
請求項1に記載の式(IIIb)の化合物、その立体異性体またはその薬学的に許容される塩の製造方法であって、
下記の工程を含み、
【化3】
ここで、Pgは、ヒドロキシ保護基であり、アルカノイル基またはシリル保護基であり、X
1、R
1、R
4、R
5、R
7、R
9、R
10、R
11、R
12、mは、請求項1に記載の通りであることを特徴とする、前記請求項1に記載の式(IIIb)の化合物、その立体異性体またはその薬学的に許容される塩の製造方法。
【請求項4】
医薬組成物であって、
請求項1または2に記載の式(IIIb)の化合物、その立体異性体またはその薬学的に許容される塩および薬用可能な担体を含むことを特徴とする、前記薬物組成物。
【請求項5】
少なくとも部分的にCD73に媒介された癌または腫瘍、免疫関連疾患および障害、または代謝性疾患治療用薬物の製造における、請求項1または2に記載の式(IIIb)の化合物、その立体異性体またはその薬学的に許容される塩の使用。
【請求項6】
前記癌または腫瘍は、前立腺癌、結腸癌、直腸癌、膵臓腺癌、胃癌、子宮内膜癌、子宮頸癌、脳癌、肝癌、膀胱癌、卵巣癌、精巣癌、頭部癌、頸部癌、皮膚
癌、中皮内膜癌、白血球
癌、食道癌、乳癌、筋肉癌、結合組織癌、肺
癌、副腎癌、甲状腺癌、腎臓癌、骨癌、脳腫瘍、神経膠芽腫、中皮腫、腎細胞癌、肉
腫、絨毛癌、表皮基底細胞癌、精巣セミノーマから選ばれることを特徴とする
請求項5に記載の使用。
【請求項7】
前記皮膚癌は、メラノーマおよび基底細胞癌から選ばれ、
前記白血球癌は、リンパ腫および白血病から選ばれ、
前記肺癌は、小細胞肺癌および非小細胞癌から選ばれ、
前記肉腫は、カポジ肉腫であることを特徴とする
請求項6に記載の使用。
【請求項8】
前記癌または腫瘍は、メラノーマ、結腸癌、膵臓腺癌、乳癌、前立腺癌、肺癌、白血病、脳腫瘍、リンパ腫、卵巣癌、およびカポジ肉腫から選ばれることを特徴とする
請求項5に記載の使用。
【請求項9】
前記免疫関連疾患および障害は、関節リウマチ、腎不全、紅斑性狼瘡、喘息、乾癬、潰瘍性大腸炎、膵炎、アレルギー、線維症、貧血性線維筋痛症、アルツハイマー病、うっ血性心不全、脳卒中、大動脈弁狭窄症、動脈硬化症、骨粗鬆症、パーキンソン病、感染症、クローン氏病、潰瘍性大腸炎、アレルギー性接触皮膚炎および湿疹、全身性硬化症および多発性硬化症から選ばれることを特徴とする
請求項5に記載の使用。
【請求項10】
少なくとも部分的にCD73によって媒介された癌または腫瘍、自己免疫疾患および障害、または代謝性疾患の治療のための薬物として使用するための、請求項1または2に記載の式(IIIb)の化合物、その立体異性体またはその薬学的に許容される塩。
【請求項11】
前立腺癌、結腸癌、直腸癌、膵臓腺癌、胃癌、子宮内膜癌、子宮頸癌、脳癌、肝癌、膀胱癌、卵巣癌、精巣癌、頭部癌、頸部癌、皮膚
癌、中皮内膜癌、白血球
癌、食道癌、乳癌、筋肉癌、結合組織癌
、肺癌、副腎癌、甲状腺癌、腎臓癌、骨癌、脳腫瘍、神経膠芽腫、中皮腫、腎細胞癌、肉
腫、絨毛癌、表皮基底細胞癌、精巣セミノーマ、関節リウマチ、腎不全、紅斑性狼瘡、喘息、乾癬、潰瘍性大腸炎、膵炎、アレルギー、線維症、貧血性線維筋痛症、アルツハイマー病、うっ血性心不全、脳卒中、大動脈弁狭窄症、動脈硬化症、骨粗鬆症、パーキンソン病、感染症、クローン氏病、潰瘍性大腸炎、アレルギー性接触皮膚炎および湿疹、全身性硬化症および多発性硬化症の治療のための薬物として使用するための、請求項1または2に記載の式(IIIb)の化合物、その立体異性体またはその薬学的に許容される塩。
【請求項12】
前記皮膚癌は、メラノーマおよび基底細胞癌から選ばれ、
前記白血球癌は、リンパ腫および白血病から選ばれ、
前記肺癌は、小細胞肺癌および非小細胞癌から選ばれ、
前記肉腫は、カポジ肉腫であることを特徴とする
請求項11に記載の式(IIIb)の化合物、その立体異性体またはその薬学的に許容される塩。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
[技術分野]
本発明は、薬物合成の分野に属し、具体的に、CD73阻害剤、その製造方法と応用に関する。
【0002】
[背景技術]
CD73はエクト-5’-ヌクレオチダーゼ(Ecto-5’-nucleotidase,eNT)とも言われ、70kDaのタンパク質分子である。通常の場合、血管内皮細胞と一部の血液細胞に発現する。グリコシルホスファチジルイノシトール(GPI)を介して細胞膜表面に固定され、CD39とともにアデノシン三リン酸(ATP)の代謝を調節する。そのうち、CD39(膜外ヌクレオチド三リン酸加水分解酵素-NTPDase 1とも言われている)ATPを触媒してアデニル酸(AMP)を生成し、少量のアデノシン二リン酸(ADP)しか生成しない。一方、CD73の主な機能は細胞外ヌクレオチド(5’AMPなど)を触媒し、対応するヌクレオシド(アデノシンなど)に変換される。
【0003】
CD73の触媒により生成されたヌクレオシド、特にアデノシンは多くの異なる生理学的機能を持つ内部調節因子であると考えられている。アデノシンは心臓血管系、中枢神経系、呼吸器系、腎臓、脂肪細胞、血小板、および免疫系を調節することができる。免疫系では、細胞外アデノシンは多くの異なる免疫細胞に作用し、抗炎症反応を媒介することができる。多くの組織では、アデノシンは線維症のプロセスを促進することもできる。
【0004】
CD73の発現は、白血病、膀胱癌、神経膠腫、神経膠芽腫、卵巣癌、メラノーマ、前立腺癌、甲状腺癌、食道癌、乳癌など、多くの腫瘍細胞に見られる。CD73の発現は免疫抑制細胞(制御性T細胞Tregおよび骨髄由来抑制細胞MDSCを含む)の表面にも見られる。CD73の高発現は、乳癌や黒色腫をはじめとした多くの腫瘍の血管新生、浸潤、化学療法への耐性、腫瘍転移および癌患者の生存期間の短縮に関連していることも知られている。
【0005】
メカニズムに基づく研究では、悪性腫瘍細胞が化学療法やその他の圧力の作用下で大量のATPを放出し、それが急速にアデノシンに変換され、腫瘍の微小環境に蓄積することが示唆された。細胞死または細胞内圧による細胞外ATPの放出は免疫応答を活性化するが、ATP代謝物であるアデノシンには免疫抑制作用がある。最も重要なポイントとして、腫瘍内のアデノシンが、アデノシン受容体(A2Aなど)を活性化することにより、浸潤性エフェクターTリンパ球を阻害し、腫瘍の進展を促進することである。従って、主要組織における細胞外アデノシンの蓄積は腫瘍免疫回避の重要なメカニズムである。
【0006】
RNA阻害でCD73の発現を減少させるか、腫瘍細胞でCD73を過剰発現させると、腫瘍の成長と移動を調節できる。CD73ノックアウトマウスは、臓器移植拒絶反応や自然発生腫瘍を引き起こす可能性が低くなる。遺伝的手段でA2A受容体遺伝子を削除することでT細胞に依存する腫瘍拒絶反応を誘発できる。マウスモデルでは、マウスのCD73と結合できる抗体治療で、乳腺腫瘍の成長及び移動を抑制できる。
【0007】
従って、CD73を標的とすることは、潜在的な治療戦略を代表するものとし、抗腫瘍療法の有効性を高め、腫瘍のさらなる進展抑制に新しい治療戦略を提供した。また、D73を標的とすることは、免疫応答の増強、免疫効果の増強、炎症反応の増強により、アデノシンに媒介された他の疾患の治療にも有用であり、うつ病、パーキンソン病、睡眠障害
、線維症、その他の免疫性炎症性疾患などの神経障害、神経変性および中枢神経疾患などの治療に利用できる。
【0008】
そのため、CD73を標的とする好適な薬物の候補にできる薬品の研究開発は、癌その他の疾患を標的とする薬物の需要を満足させ、安全性が良くて特異性が強い利点をもたらすことができる。
【0009】
[発明の概要]
本出願の発明者は、幅広くて深い研究により、初めて下式(I)の構造を持つCD73
阻害剤、その製造方法と応用を開発した。本発明に関わる系列化合物は、CD73酵素活性に対し強力な阻害効果を有し、少なくとも部分的にCD73に媒介された癌、腫瘍、免疫関連疾患及び障害、代謝性疾患治療用薬物特にメラノーマ、結腸癌、膵臓腺癌、乳癌、前立腺癌、肺癌、白血病、脳腫瘍、リンパ腫、卵巣癌、およびカポジ肉腫治療用薬物の製造に幅広く利用でき、新世代のCD73阻害薬として開発されることが期待できる。これに基づき、本発明を完成させた。
【0010】
本発明の第一の側面では、一般式(I)の化合物、その立体異性体、プロドラッグまたはその薬学的に許容される塩を提供する。
【0011】
【0012】
ここで、「
【0013】
【0014】
X1は、NまたはCR17であり、
X2、X3は、それぞれ独立して、NまたはCであり、
X4、X5は、それぞれ独立して、NまたはCR18であり、
Yは、CH2、NH、OまたはSであり、
mは、0、1、2または3であり、nは、0、1、2または3であり、条件は、m+nが5を超えず、
R1は、水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、C3-10シクロアルキル基、3-10員複素環基、C5-10アリール基、5-10員ヘテロアリール基、-C0-8-SF5、-C0-8-S(O)rR19、-C0-8-O-R20、-C0-8-C(O)OR20、-C0-8-C(O)R21、-C0-8-O-C(O)R21、-C0-8-NR22R23、-C0-8-C(=NR22)R21、-C0-8-N(R2
2)-C(=NR23)R21、-C0-8-C(O)NR22R23または-C0-8-N(R22)-C(O)R21から選ばれるか、もしくは、m≧2の場合、その中の2つのR1はそれに直接連結する部分と4-10員シクロアルキル基、4-10員アリール基、4-10員複素環基または4-10員ヘテロアリール基を形成し、上記基は、任意に、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、ハロゲン置換C1-10アルキル基、重水素置換C1-10アルキル基、C3-10シクロアルキル基、3-10員複素環基、C5-10アリール基、5-10員ヘテロアリール基、=O、-C0-8-S(O)rR19、-C0-8-O-R20、-C0-8-C(O)OR20、-C0-8-C(O)R21、-C0-8-O-C(O)R21、-C0-8-NR22R23、-C0-8-C(=NR22)R21、-C0-8-N(R22)-C(=NR23)R21、-C0-8-C(O)NR22R23または-C0-8-N(R22)-C(O)R21から選ばれる1つまたは複数の置換基でさらに置換され、
R2、R3は、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、C3-10シクロアルキル基、3-10員複素環基、C5-10アリール基、5-10員ヘテロアリール基、-C0-8-O-R20、-C0-8-C(O)OR20、-C0-8-C(O)R21、-C0-8-O-C(O)R21、-C0-8-C(O)NR22R23または-C0-8-NR22R23から選ばれるか、もしくは、R2とR3とは、それに直接連結する炭素原子とともに3-10員シクロアルキル基または3-10員複素環基を形成するか、もしくは、R2とR3のいずれかとR1は、それに直接連結する基とともに4-10員シクロアルキル基または4-10員複素環基を形成し、もう一つは水素、重水素、ハロゲンまたはC1-10アルキル基から選ばれるか、上記基は、任意に、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、ハロゲン置換C1-10アルキル基、重水素置換C1-10アルキル基、C3-10シクロアルキル基、3-10員複素環基、C5-10アリール基、5-10員ヘテロアリール基、=O、-C0-8-S(O)rR19、-C0-8-O-R20、-C0-8-C(O)OR20、-C0-8-C(O)R21、-C0-8-O-C(O)R21、-C0-8-NR22R23、-C0-8-C(=NR22)R21、-C0-8-N(R22)-C(=NR23)R21、-C0-8-C(O)NR22R23または-C0-8-N(R22)-C(O)R21から選ばれる1つまたは複数の置換基でさらに置換され、
R4は、水素、重水素、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C3-10シクロアルキル基、3-10員複素環基、C5-10アリール基、5-10員ヘテロアリール基、-C0-8-S(O)rR19、-C0-8-C(O)OR20、-C0-8-C(O)R21、-C0-8-C(=NR22)R21または-C0-8-C(O)NR22R23から選ばれるか、上記基は、任意に、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、ハロゲン置換C1-10アルキル基、重水素置換C1-10アルキル基、C3-10シクロアルキル基、3-10員複素環基、C5-10アリール基、5-10員ヘテロアリール基、=O、-C0-8-S(O)rR19、-C0-8-O-R20、-C0-8-C(O)OR20、-C0-8-C(O)R21、-C0-8-O-C(O)R21、-C0-8-NR22R23、-C0-8-C(=NR22)R21、-C0-8-N(R22)-C(=NR23)R21、-C0-8-C(O)NR22R23または-C0-8-N(R22)-C(O)R21から選ばれる1つまたは複数の置換基でさらに置換され、
R5は、水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、C3-10シクロアルキル基、3-10員複素環基、C5-10アリール基、5-10員ヘテロアリール基、-SF5、-C0-8-S(O)rR19、-C0-8-O-R20、-C0-8-C(O)OR
20、-C0-8-C(O)R21、-C0-8-O-C(O)R21、-C0-8-NR22R23、-C0-8-C(=NR22)R21、-C0-8-N(R22)-C(=NR23)R21、-C0-8-C(O)NR22R23または-C0-8-N(R22)-C(O)R21から選ばれるか、上記基は、任意に、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、ハロゲン置換C1-10アルキル基、重水素置換C1-10アルキル基、C3-10シクロアルキル基、3-10員複素環基、C5-10アリール基、5-10員ヘテロアリール基、=O、-C0-8-S(O)rR19、-C0-8-O-R20、-C0-8-C(O)OR20、-C0-8-C(O)R21、-C0-8-O-C(O)R21、-C0-8-NR22R23、-C0-8-C(=NR22)R21、-C0-8-N(R22)-C(=NR23)R21、-C0-8-C(O)NR22R23または-C0-8-N(R22)-C(O)R21から選ばれる1つまたは複数の置換基でさらに置換されて、
R6、R7は、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、C3-10シクロアルキル基、3-10員複素環基、C5-10アリール基、5-10員ヘテロアリール基、-C0-8-S(O)rR19、-C0-8-O-R20、-C0-8-C(O)OR20、-C0-8-C(O)R21、-C0-8-O-C(O)R21、-C0-8-C(O)NR22R23または-C0-8-NR22R23から選ばれるか、上記基は、任意に、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、ハロゲン置換C1-10アルキル基、重水素置換C1-10アルキル基、C3-10シクロアルキル基、3-10員複素環基、C5-10アリール基、5-10員ヘテロアリール基、=O、-C0-8-S(O)rR19、-C0-8-O-R20、-C0-8-C(O)OR20、-C0-8-C(O)R21、-C0-8-O-C(O)R21、-C0-8-NR22R23、-C0-8-C(=NR22)R21、-C0-8-N(R22)-C(=NR23)R21、-C0-8-C(O)NR22R23または-C0-8-N(R22)-C(O)R21から選ばれる1つまたは複数の置換基でさらに置換され、
R8、R9は、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、C3-10シクロアルキル基、3-10員複素環基、C5-10アリール基、5-10員ヘテロアリール基、-C0-8-S(O)rR19、-C0-8-O-R20、-C0-8-C(O)OR20、-C0-8-C(O)R21、-C0-8-O-C(O)R21、-C0-8-C(O)NR22R23または-C0-8-NR22R23から選ばれるか、上記基は、任意に、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、ハロゲン置換C1-10アルキル基、重水素置換C1-10アルキル基、C3-10シクロアルキル基、3-10員複素環基、C5-10アリール基、5-10員ヘテロアリール基、=O、-C0-8-S(O)rR19、-C0-8-O-R20、-C0-8-C(O)OR20、-C0-8-C(O)R21、-C0-8-O-C(O)R21、-C0-8-NR22R23、-C0-8-C(=NR22)R21、-C0-8-N(R22)-C(=NR23)R21、-C0-8-C(O)NR22R23または-C0-8-N(R22)-C(O)R21から選ばれる1つまたは複数の置換基でさらに置換され、
R10、R11、R12は、それぞれ独立して、水素、重水素、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、C3-10シクロアルキル基、3-10員複素環基、C5-10アリール基、5-10員ヘテロアリール基、-C0-8-C(O)OR20、-C0-8-C(O)R21または-C0-8-C(O)NR22R23から選ばれるか、上記基は、任意に、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、ハロゲン置換C1-10アルキル基、重水素置換C1-4アルキル基、C3-10シクロアル
キル基、3-10員複素環基、C5-10アリール基、5-10員ヘテロアリール基、=O、-C0-8-S(O)rR19、-C0-8-O-R20、-C0-8-C(O)OR20、-C0-8-C(O)R21、-C0-8-O-C(O)R21、-C0-8-NR22R23、-C0-8-C(=NR22)R21、-C0-8-N(R22)-C(=NR23)R21、-C0-8-C(O)NR22R23または-C0-8-N(R22)-C(O)R21から選ばれる1つまたは複数の置換基でさらに置換され、
R13、R14は、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、C3-10シクロアルキル基、3-10員複素環基、C5-10アリール基、5-10員ヘテロアリール基、-C0-8-S(O)rR19、-C0-8-O-R20、-C0-8-C(O)OR20、-C0-8-C(O)R21、-C0-8-O-C(O)R21、-C0-8-C(O)NR22R23または-C0-8-NR22R23から選ばれるか、もしくは、R13とR14とは、それに直接連結する炭素原子とともに3-10員シクロアルキル基または3-10員複素環基を形成し、上記基は、任意に、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、ハロゲン置換C1-10アルキル基、重水素置換C1-10アルキル基、C3-10シクロアルキル基、3-10員複素環基、C5-10アリール基、5-10員ヘテロアリール基、=O、-C0-8-S(O)rR19、-C0-8-O-R20、-C0-8-C(O)OR20、-C0-8-C(O)R21、-C0-8-O-C(O)R21、-C0-8-NR22R23、-C0-8-C(=NR22)R21、-C0-8-N(R22)-C(=NR23)R21、-C0-8-C(O)NR22R23または-C0-8-N(R22)-C(O)R21から選ばれる1つまたは複数の置換基でさらに置換され、
R15、R16は、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、C3-10シクロアルキル基、3-10員複素環基、C5-10アリール基、5-10員ヘテロアリール基、-C0-8-S(O)rR19、-C0-8-O-R20、-C0-8-C(O)OR20、-C0-8-C(O)R21、-C0-8-O-C(O)R21、-C0-8-NR22R23、-C0-8-C(=NR22)R21、-C0-8-N(R22)-C(=NR23)R21、-C0-8-C(O)NR22R23または-C0-8-N(R22)-C(O)R21から選ばれるか、もしくは、R15とR16とは、それに直接連結する炭素原子とともに3-10員シクロアルキル基または3-10員複素環基を形成し、上記基は、任意に、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、ハロゲン置換C1-10アルキル基、重水素置換C1-10アルキル基、C3-10シクロアルキル基、3-10員複素環基、C5-10アリール基、5-10員ヘテロアリール基、=O、-C0-8-S(O)rR19、-C0-8-O-R20、-C0-8-C(O)OR20、-C0-8-C(O)R21、-C0-8-O-C(O)R21、-C0-8-NR22R23、-C0-8-C(=NR22)R21、-C0-8-N(R22)-C(=NR23)R21、-C0-8-C(O)NR22R23または-C0-8-N(R22)-C(O)R21から選ばれる1つまたは複数の置換基でさらに置換され、
R17、R18は、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、C3-10シクロアルキル基、3-10員複素環基、C5-10アリール基、5-10員ヘテロアリール基、-SF5、-C0-8-S(O)rR19、-C0-8-O-R20、-C0-8-C(O)OR20、-C0-8-C(O)R21、-C0-8-O-C(O)R21、-C0-8-NR22R23、-C0-8-C(=NR22)R21、-C0-8-N(R22)-C(=NR23)R21、-C0-8-C(O)NR22R23または-C0-8-N(R22)-C(O)R21から選ばれるか、上記基は、任意に、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C1-10アルキル基、C2-1
0アルケニル基、C2-10アルキニル基、ハロゲン置換C1-10アルキル基、重水素置換C1-10アルキル基、C3-10シクロアルキル基、3-10員複素環基、C5-10アリール基、5-10員ヘテロアリール基、=O、-C0-8-S(O)rR19、-C0-8-O-R20、-C0-8-C(O)OR20、-C0-8-C(O)R21、-C0-8-O-C(O)R21、-C0-8-NR22R23、-C0-8-C(=NR22)R21、-C0-8-N(R22)-C(=NR23)R21、-C0-8-C(O)NR22R23または-C0-8-N(R22)-C(O)R21から選ばれる1つまたは複数の置換基でさらに置換され、
各R19は、それぞれ独立して、水素、重水素、ヒドロキシ基、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C3-10シクロアルキル基、3-10員複素環基、C5-10アリール基、5-10員ヘテロアリール基または-NR22R23から選ばれるか、上記基は、任意に、重水素、ハロゲン、ヒドロキシ基、カルボニル基、C1-10アルキル基、C1-10アルコキシ基、C3-10シクロアルキル基、C3-10シクロアルキルオキシ基、3-10員複素環基、3-10員複素環オキシ基、C5-10アリール基、C5-10アリールオキシ基、5-10員ヘテロアリール基、5-10員ヘテロアリールオキシ基または-NR22R23から選ばれる1つまたは複数の置換基でさらに置換され、
各R20は、それぞれ独立して、水素、重水素、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C3-10シクロアルキル基、3-10員複素環基、C5-10アリール基または5-10員ヘテロアリール基から選ばれるか、上記基は、任意に、重水素、ハロゲン、ヒドロキシ基、カルボニル基、シアノ基、C1-10アルキル基、C1-10アルコキシ基、C3-10シクロアルキル基、C3-10シクロアルキルオキシ基、3-10員複素環基、3-10員複素環オキシ基、C5-10アリール基、C5-10アリールオキシ基、5-10員ヘテロアリール基、5-10員ヘテロアリールオキシ基または-NR22R23から選ばれる1つまたは複数の置換基でさらに置換され、
各R21は、それぞれ独立して、水素、重水素、ヒドロキシ基、C1-10アルキル基、C1-10アルコキシ基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、C3-10シクロアルキル基、C3-10シクロアルキルオキシ基、3-10員複素環基、3-10員複素環オキシ基、C5-10アリール基、C5-10アリールオキシ基、5-10員ヘテロアリール基、5-10員ヘテロアリールオキシ基または-NR22R23から選ばれるか、上記基は、任意に、重水素、ハロゲン、ヒドロキシ基、シアノ基、C1-10アルキル基、C1-10アルコキシ基、C3-10シクロアルキル基、C3-10シクロアルキルオキシ基、3-10員複素環基、3-10員複素環オキシ基、C5-10アリール基、C5-10アリールオキシ基、5-10員ヘテロアリール基、5-10員ヘテロアリールオキシ基または-NR22R23から選ばれる1つまたは複数の置換基でさらに置換され、
各R22、R23は、それぞれ独立して、水素、重水素、ヒドロキシ基、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、C3-10シクロアルキル基、3-10員複素環基、C5-10アリール基、5-10員ヘテロアリール基、スルホニル基、メチルスルホニル基、イソプロピルスルホニル基、シクロプロピルスルホニル基、p-トルエンスルホニル基、アミノ基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基またはC1-10アルカノイル基から選ばれるか、上記基は、任意に、重水素、ハロゲン、ヒドロキシ基、C1-8アルキル基、C1-10アルコキシ基、C3-10シクロアルキル基、C3-10シクロアルキルオキシ基、3-10員複素環基、3-10員複素環オキシ基、C5-10アリール基、C5-10アリールオキシ基、5-10員ヘテロアリール基、5-10員ヘテロアリールオキシ基、アミノ基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基またはC1-10アルカノイル基から選ばれる1つまたは複数の置換基でさらに置換され、
もしくは、R22、R23はそれに直接連結する窒素原子とともに4-10員複素環基を形成し、上記基は、任意に、重水素、ハロゲン、ヒドロキシ基、C1-10アルキル基
、C1-10アルコキシ基、C3-10シクロアルキル基、C3-10シクロアルキルオキシ基、3-10員複素環基、3-10員複素環オキシ基、C5-10アリール基、C5-10アリールオキシ基、5-10員ヘテロアリール基、5-10員ヘテロアリールオキシ基、アミノ基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基またはC1-10アルカノイル基から選ばれる1つまたは複数の置換基でさらに置換され、各rはそれぞれ独立して、0、1または2である。
【0015】
好ましくは、前記の式(I)の化合物、その立体異性体、プロドラッグまたはその薬学的に許容される塩において、R15、R16は、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、C1-4アルキル基、C2-4アルケニル基、C2-4アルキニル基、C3-8シクロアルキル基、3-8員複素環基、-C0-4-O-R20、-C0-4-C(O)OR20または-C0-4-NR22R23から選ばれるか、もしくはR15とR16とは、それに直接連結する炭素原子とともに3-8員シクロアルキル基または3-8員複素環基を形成し、上記基は、任意に、重水素、ハロゲン、シアノ基、C1-4アルキル基、C2-4アルケニル基、C2-4アルキニル基、ハロゲン置換C1-4アルキル基、重水素置換C1-4アルキル基、C3-8シクロアルキル基、3-8員複素環基、-C0-4-O-R20、-C0-4-C(O)OR20または-C0-4-NR22R23から選ばれる1つまたは複数の置換基でさらに置換され、ここで、R20、R22、R23は式(I)化合物の通りであり、
好ましくは、前記の式(I)の化合物、その立体異性体、プロドラッグまたはその薬学的に許容される塩において、R15、R16は、それぞれ独立して、水素、重水素、フッ素、シアノ基、メチル基、エチル基、イソプロピル基、アリル基、エチニル基、シクロプロピル基、トリフルオロメチル基、トリデューテロメチル基、メトキシ基、トリフルオロメトキシ基、トリデューテロメトキシ基、アミノ基またはジメチルアミノ基から選ばれるか、もしくはR15とR16とは、それに直接連結する炭素原子とともに3-4員シクロアルキル基または4-5員複素環基を形成する。
【0016】
好ましくは、前記の式(I)の化合物、その立体異性体、プロドラッグまたはその薬学的に許容される塩において、R13、R14は、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、C1-4アルキル基、C2-4アルケニル基、C2-4アルキニル基、C3-8シクロアルキル基、3-8員複素環基、-C0-4-O-R20、-C0-4-C(O)OR20または-C0-4-NR22R23から選ばれるか、もしくは、R13とR14とは、それに直接連結する炭素原子とともに3-8員シクロアルキル基または3-8員複素環基を形成し、上記基は、任意に、重水素、ハロゲン、シアノ基、C1-4アルキル基、C2-4アルケニル基、C2-4アルキニル基、ハロゲン置換C1-4アルキル基、重水素置換C1-4アルキル基、C3-8シクロアルキル基、3-8員複素環基、-C0-4-O-R20、-C0-4-C(O)OR20または-C0-4-NR22R23から選ばれる1つまたは複数の置換基でさらに置換され、ここで、R20、R22、R23は、式(I)化合物の通りであり、
さらに好ましくは、前記の式(I)の化合物、その立体異性体、プロドラッグまたはその薬学的に許容される塩において、R13、R14はそれぞれ独立して、水素、重水素、フッ素、シアノ基、メチル基、エチル基、イソプロピル基、アリル基、エチニル基、シクロプロピル基、トリフルオロメチル基、トリデューテロメチル基、メトキシ基、トリフルオロメトキシ基、トリデューテロメトキシ基、アミノ基またはジメチルアミノ基から選ばれるか、もしくは、R13とR14とは、それに直接連結する炭素原子とともに3-4員シクロアルキル基または4-5員複素環基を形成する。
【0017】
好ましくは、前記の式(I)の化合物、その立体異性体、プロドラッグまたはその薬学的に許容される塩において、R17、R18は、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C1-4アルキル基、C2-4アルケニル基、C
2-4アルキニル基、C3-8シクロアルキル基、3-8員複素環基、C5-8アリール基、5-8員ヘテロアリール基、-SF5、-C0-4-S(O)rR19、-C0-4-O-R20、-C0-4-C(O)OR20、-C0-4-C(O)R21、-C0-4-O-C(O)R21、-C0-4-NR22R23、-C0-4-C(=NR22)R21、-C0-4-N(R22)-C(=NR23)R21、-C0-4-C(O)NR22R23または-C0-4-N(R22)-C(O)R21から選ばれるか、上記基は、任意に、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C1-4アルキル基、C2-4アルケニル基、C2-4アルキニル基、ハロゲン置換C1-4アルキル基、重水素置換C1-4アルキル基、C3-8シクロアルキル基、3-8員複素環基、C5-8アリール基、5-8員ヘテロアリール基、=O、-C0-4-S(O)rR19、-C0-4-O-R20、-C0-4-C(O)OR20、-C0-4-C(O)R21、-C0-4-O-C(O)R21、-C0-4-NR22R23、-C0-4-C(=NR22)R21、-C0-4-N(R22)-C(=NR23)R21、-C0-4-C(O)NR22R23または-C0-4-N(R22)-C(O)R21から選ばれる1つまたは複数の置換基でさらに置換され、ここで、R19、R20、R21、R22、R23、rは、式(I)化合物の通りである。
【0018】
好ましくは、前記の式(I)の化合物、その立体異性体、プロドラッグまたはその薬学的に許容される塩において、R6、R7は、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C1-4アルキル基、C2-4アルケニル基、C2-4アルキニル基、-C0-4-S(O)rR19、-C0-4-O-R20、-C0-4-C(O)OR20、-C0-4-C(O)R21、-C0-4-O-C(O)R21、-C0-4-NR22R23または-C0-4-C(O)NR22R23から選ばれるか、上記基は、任意に、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C1-4アルキル基、C2-4アルケニル基、C2-4アルキニル基、ハロゲン置換C1-4アルキル基、重水素置換C1-4アルキル基、C3-8シクロアルキル基、3-8員複素環基、C5-8アリール基、5-8員ヘテロアリール基、=O、-C0-4-S(O)rR19、-C0-4-O-R20、-C0-4-C(O)OR20、-C0-4-C(O)R21、-C0-4-O-C(O)R21、-C0-4-NR22R23、-C0-4-C(=NR22)R21、-C0-4-N(R22)-C(=NR23)R21、-C0-4-C(O)NR22R23または-C0-4-N(R22)-C(O)R21から選ばれる1つまたは複数の置換基でさらに置換され、
R8、R9は、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C1-4アルキル基、C2-4アルケニル基、C2-4アルキニル基、-C0-4-S(O)rR19、-C0-4-O-R20、-C0-4-C(O)OR20、-C0-4-C(O)R21、-C0-4-O-C(O)R21、-C0-4-NR22R23または-C0-4-C(O)NR22R23から選ばれるか、上記基は、任意に、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C1-4アルキル基、C2-4アルケニル基、C2-4アルキニル基、ハロゲン置換C1-4アルキル基、重水素置換C1-4アルキル基、C3-8シクロアルキル基、3-8員複素環基、C5-8アリール基、5-8員ヘテロアリール基、=O、-C0-4-S(O)rR19、-C0-4-O-R20、-C0-4-C(O)OR20、-C0-4-C(O)R21、-C0-4-O-C(O)R21、-C0-4-NR22R23、-C0-4-C(=NR22)R21、-C0-4-N(R22)-C(=NR23)R21、-C0-4-C(O)NR22R23または-C0-4-N(R22)-C(O)R21から選ばれる1つまたは複数の置換基でさらに置換され、ここで、R19、R20、R21、R22、R23、rは式(I)化合物の通りである。
【0019】
好ましくは、前記の式(I)の化合物、その立体異性体、プロドラッグまたはその薬学的に許容される塩において、R10、R11、R12は、それぞれ独立して、水素、重水
素、C1-4アルキル基、C2-4アルケニル基、C2-4アルキニル基、C3-8シクロアルキル基、3-8員複素環基、C5-8アリール基、5-8員ヘテロアリール基、-C0-4-C(O)OR20、-C0-4-C(O)R21または-C0-4-C(O)NR22R23から選ばれるか、上記基は、任意に、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C1-4アルキル基、C2-4アルケニル基、C2-4アルキニル基、ハロゲン置換C1-4アルキル基、重水素置換C1-4アルキル基、C3-8シクロアルキル基、3-8員複素環基、C5-8アリール基、5-8員ヘテロアリール基、=O、-C0-4-S(O)rR19、-C0-4-O-R20、-C0-4-C(O)OR20、-C0-4-C(O)R21、-C0-4-O-C(O)R21、-C0-4-NR22R23、-C0-4-C(=NR22)R21、-C0-4-N(R22)-C(=NR23)R21、-C0-4-C(O)NR22R23または-C0-4-N(R22)-C(O)R21から選ばれる1つまたは複数の置換基でさらに置換され、ここで、R19、R20、R21、R22、R23、rは、式(I)化合物の通りである。
【0020】
好ましくは、前記の式(I)の化合物、その立体異性体、プロドラッグまたはその薬学的に許容される塩において、R2、R3は、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、C1-4アルキル基、C2-4アルケニル基、C2-4アルキニル基、C3-8シクロアルキル基、3-8員複素環基、-C0-4-O-R20、-C0-4-C(O)OR20または-C0-4-NR22R23から選ばれるか、もしくは、R2とR3とは、それに直接連結する炭素原子とともに3-8員シクロアルキル基または3-8員複素環基を形成るか、もしくは、R2とR3のいずれかとR1とは、それに直接連結する基とともに4-10員シクロアルキル基または4-10員複素環基を形成し、もう一つは水素、重水素、フッ素またはC1-4アルキル基から選ばれるか、上記基は、任意に、重水素、ハロゲン、シアノ基、C1-4アルキル基、C2-4アルケニル基、C2-4アルキニル基、ハロゲン置換C1-4アルキル基、重水素置換C1-4アルキル基、C3-8シクロアルキル基、3-8員複素環基、-C0-4-O-R20、-C0-4-C(O)OR20または-C0-4-NR22R23から選ばれる1つまたは複数の置換基でさらに置換され、ここで、R1、R20、R22、R23は、式(I)化合物の通りである。
【0021】
さらに好ましくは、前記の式(I)の化合物、その立体異性体、プロドラッグまたはその薬学的に許容される塩において、R2、R3は、それぞれ独立して、水素、重水素、フッ素、塩素、シアノ基、メチル基、エチル基、イソプロピル基、アリル基、エチニル基、シクロプロピル基、ヒドロキシメチル基、シアノ基メチル基、トリフルオロメチル基、トリデューテロメチル基、メトキシ基、トリフルオロメトキシ基、トリデューテロメトキシ基、アミノ基、メチルアミノ基またはジメチルアミノ基から選ばれるか、もしくは、R2とR3とは、それに直接連結する炭素原子とともに3-4員シクロアルキル基または4-5員複素環基を形成するか、もしくは、R2とR3のいずれかとR1とは、それに直接連結する基とともに4-6員シクロアルキル基または4-6員複素環基を形成し、もう一つは、水素、重水素またはメチル基から選ばれ、ここで、R1は式(I)化合物の通りである。
【0022】
好ましくは、前記の式(I)の化合物、その立体異性体、プロドラッグまたはその薬学的に許容される塩において、R4は、水素、重水素、C1-4アルキル基、C2-4アルケニル基、C3-8シクロアルキル基、3-8員複素環基、C5-8アリール基、5-8員ヘテロアリール基、-C0-4-S(O)rR19、-C0-4-C(O)OR20、-C0-4-C(O)R21、-C0-4-C(=NR22)R21または-C0-4-C(O)NR22R23から選ばれるか、上記基は、任意に、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C1-4アルキル基、C2-4アルケニル基、C2-4アルキニル基、ハロゲン置換C1-4アルキル基、重水素置換C1-4アルキル基、C3-8シクロアルキル基、3-8員複素環基、C5-8アリール基、5-8員ヘテロアリール基、
=O、-C0-4-S(O)rR19、-C0-4-O-R20、-C0-4-C(O)OR20、-C0-4-C(O)R21、-C0-4-O-C(O)R21、-C0-4-NR22R23、-C0-4-C(=NR22)R21、-C0-4-N(R22)-C(=NR23)R21、-C0-4-C(O)NR22R23または-C0-4-N(R22)-C(O)R21から選ばれる1つまたは複数の置換基でさらに置換され、ここで、R19、R20、R21、R22、R23、rは式(I)化合物の通りである。
【0023】
好ましくは、前記の式(I)の化合物、その立体異性体、プロドラッグまたはその薬学的に許容される塩において、R1は、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C1-4アルキル基、C2-4アルケニル基、C2-4アルキニル基、C3-8シクロアルキル基、3-8員複素環基、C5-8アリール基、5-8員ヘテロアリール基、-C0-4-SF5、-C0-4-S(O)rR19、-C0-4-O-R20、-C0-4-C(O)OR20、-C0-4-C(O)R21、-C0-4-O-C(O)R21、-C0-4-NR22R23、-C0-4-C(=NR22)R21、-C0-4-N(R22)-C(=NR23)R21、-C0-4-C(O)NR22R23または-C0-4-N(R22)-C(O)R21から選ばれるか、もしくは、m≧2の場合、その中の2つのR1は、それに直接連結する部分と4-8員シクロアルキル基、5-8員アリール基、4-8員複素環基または5-8員ヘテロアリール基を形成し、上記基は、任意に、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C1-4アルキル基、C2-4アルケニル基、C2-4アルキニル基、ハロゲン置換C1-4アルキル基、重水素置換C1-4アルキル基、C3-8シクロアルキル基、3-8員複素環基、C5-8アリール基、5-8員ヘテロアリール基、=O、-C0-4-S(O)rR19、-C0-4-O-R20、-C0-4-C(O)OR20、-C0-4-C(O)R21、-C0-4-O-C(O)R21、-C0-4-NR22R23、-C0-4-C(=NR22)R21、-C0-4-N(R22)-C(=NR23)R21、-C0-4-C(O)NR22R23或-C0-4-N(R22)-C(O)R21から選ばれる1つまたは複数の置換基でさらに置換され、ここで、R19、R20、R21、R22、R23、rは式(I)化合物の通りである。
【0024】
好ましくは、前記の式(I)の化合物、その立体異性体、プロドラッグまたはその薬学的に許容される塩において、式(I)の化合物は下記式(IIa)化合物、式(IIb)化合物または式(IIc)化合物の構造を有する。
【0025】
【化3】
ここで、各X
1は、それぞれ独立して、NまたはCHであり、各X
4は、それぞれ独立して、NまたはCHであり、各Yは、それぞれ独立して、CH
2またはOであり、
【0026】
各R1は、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、C1-4アルキル基、C3-6シクロアルキル基、3-6員複素環基、C5-6アリール基、5-6員ヘテロアリール基、-SF5、-S(O)rR19、-O-R20、-C(O)OR20、-C(O)R21、-O-C(O)R21または-NR22R23から選ばれるか、もしくは、m≧2の場合、その中の2つのR1は、それに直接連結する部分と5-6員シクロアルキル基、5-6員アリール基、5-6員複素環基または5-6員ヘテロアリール基を形成し、上記基は、任意に、重水素、ハロゲン、シアノ基、C1-4アルキル基、C2-4アルケニル基、C2-4アルキニル基、ハロゲン置換C1-4アルキル基、重水素置換C1-4アルキル基、C3-6シクロアルキル基、3-6員複素環基、C5-6アリール基、5-6員ヘテロアリール基、=O、-S(O)rR19、-O-R20、-C(O)OR20、-C(O)R21、-O-C(O)R21または-NR22R23から選ばれる1つまたは複数の置換基でさらに置換され、
R2は、水素、重水素、フッ素、塩素、シアノ基、メチル基、エチル基、イソプロピル基、アリル基、エチニル基、シクロプロピル基、ヒドロキシメチル基、シアノ基メチル基、トリフルオロメチル基、トリデューテロメチル基、メトキシ基、トリフルオロメトキシ基、トリデューテロメトキシ基、アミノ基、メチルアミノ基またはジメチルアミノ基から選ばれ、
各R4は、それぞれ独立して、水素、重水素、C1-4アルキル基、C2-4アルケニル基、C3-6シクロアルキル基、3-6員複素環基、C5-6アリール基または5-6員ヘテロアリール基から選ばれるか、上記基は、任意に、重水素、ハロゲン、シアノ基、C1-4アルキル基、C2-4アルケニル基、C2-4アルキニル基、ハロゲン置換C1-4アルキル基、重水素置換C1-4アルキル基、C3-6シクロアルキル基、3-6員複素環基、C5-6アリール基、5-6員ヘテロアリール基、=O、-S(O)rR19、-O-R20、-C(O)OR20、-C(O)R21、-O-C(O)R21または-NR22R23から選ばれる1つまたは複数の置換基でさらに置換され、
各R5は、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、C1-4アルキル
基、C3-6シクロアルキル基、3-6員複素環基、フェニル基、5-6員ヘテロアリール基、-SF5、メチルチオ基、メチルスルホニル基、イソプロピルスルホニル基、アミノスルホニル基、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、ヒドロキシ基、-C(O)OH、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、ホルミル基、アセチル基、アセトキシ基、アミノ基、ジメチルアミノ基、-C(=NR22)R21、-N(R22)-C(=NR23)R21、アミノカルボニル基、ジメチルアミノカルボニル基またはアセチルアミノ基から選ばれるか、上記基は、任意に、重水素、ハロゲン、シアノ基、C1-4アルキル基、C2-4アルケニル基、C2-4アルキニル基、ハロゲン置換C1-4アルキル基、重水素置換C1-4アルキル基、C3-6シクロアルキル基、3-6員複素環基、フェニル基、5-6員ヘテロアリール基、=O、メチルチオ基、メチルスルホニル基、イソプロピルスルホニル基、アミノスルホニル基、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、ヒドロキシ基、-C(O)OH、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、ホルミル基、アセチル基、アセトキシ基、アミノ基、ジメチルアミノ基、アミノカルボニル基、ジメチルアミノカルボニル基またはアセチルアミノ基から選ばれる1つまたは複数の置換基でさらに置換され、
各R6、R7は、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ビニル基、1-プロペニル基、2-プロペニル基、エチニル基、ヒドロキシ基、メトキシ基またはアセトキシ基から選ばれるか、上記基は、任意に、重水素、ハロゲン、シアノ基、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ビニル基、エチニル基、シクロプロピル基、トリフルオロメチル基、トリデューテロメチル基、ヒドロキシ基、メトキシ基またはアセトキシ基から選ばれる1つまたは複数の置換基でさらに置換され、
各R8、R9は、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ビニル基、1-プロペニル基、2-プロペニル基、エチニル基、シクロプロピル基、ヒドロキシ基、メトキシ基またはアセトキシ基から選ばれるか、上記基は、任意に、重水素、ハロゲン、シアノ基、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ビニル基、エチニル基、シクロプロピル基、トリフルオロメチル基、トリデューテロメチル基、ヒドロキシ基、メトキシ基またはアセトキシ基から選ばれる1つまたは複数の置換基でさらに置換され、
各R10、R11、R12は、それぞれ独立して、水素、重水素、C1-4アルキル基、C3-6シクロアルキル基、3-6員複素環基、C5-6アリール基、5-6員ヘテロアリール基、-C(O)OR20、-C(O)R21または-C(O)NR22R23から選ばれるか、上記基は、任意に、重水素、ハロゲン、シアノ基、C1-4アルキル基、C2-4アルケニル基、C2-4アルキニル基、ハロゲン置換C1-4アルキル基、重水素置換C1-4アルキル基、C3-6シクロアルキル基、3-6員複素環基、C5-6アリール基、5-6員ヘテロアリール基、=O、-S(O)rR19、-O-R20、-C(O)OR20、-C(O)R21、-O-C(O)R21、-NR22R23、-C(O)NR22R23または-N(R22)-C(O)R21から選ばれる1つまたは複数の置換基でさらに置換され、
各R19は、それぞれ独立して、水素、重水素、ヒドロキシ基、C1-4アルキル基、C2-6アルケニル基、C3-6シクロアルキル基、3-6員複素環基、C5-6アリール基、5-6員ヘテロアリール基または-NR22R23から選ばれるか、上記基は、任意に、重水素、ハロゲン、ヒドロキシ基、カルボニル基、C1-4アルキル基、C1-4アルコキシ基、C3-6シクロアルキル基、C3-6シクロアルキルオキシ基、3-6員複素環基、3-6員複素環オキシ基、C5-6アリール基、C5-6アリールオキシ基、5-6員ヘテロアリール基、5-6員ヘテロアリールオキシ基または-NR22R23から選ばれる1つまたは複数の置換基でさらに置換され、
各R20は、それぞれ独立して、水素、重水素、C1-4アルキル基、C2-4アルケニル基、C3-6シクロアルキル基、3-6員複素環基、C5-6アリール基または5-6員ヘテロアリール基から選ばれるか、上記基は、任意に、重水素、ハロゲン、ヒドロキ
シ基、カルボニル基、シアノ基、C1-4アルキル基、C1-4アルコキシ基、C3-6シクロアルキル基、C3-6シクロアルキルオキシ基、3-6員複素環基、3-6員複素環オキシ基、C5-6アリール基、C5-6アリールオキシ基、5-6員ヘテロアリール基、5-6員ヘテロアリールオキシ基または-NR22R23から選ばれる1つまたは複数の置換基でさらに置換され、
各R21は、それぞれ独立して、水素、重水素、ヒドロキシ基、C1-4アルキル基、C1-4アルコキシ基、C2-4アルケニル基、C2-4アルキニル基、C3-6シクロアルキル基、C3-6シクロアルキルオキシ基、3-6員複素環基、3-6員複素環オキシ基、C5-6アリール基、C5-6アリールオキシ基、5-6員ヘテロアリール基、5-6員ヘテロアリールオキシ基または-NR22R23から選ばれるか、上記基は、任意に、重水素、ハロゲン、ヒドロキシ基、シアノ基、C1-4アルキル基、C1-4アルコキシ基、C3-6シクロアルキル基、C3-6シクロアルキルオキシ基、3-6員複素環基、3-6員複素環オキシ基、C5-6アリール基、C5-6アリールオキシ基、5-6員ヘテロアリール基、5-6員ヘテロアリールオキシ基または-NR22R23から選ばれる1つまたは複数の置換基でさらに置換され、
各R22、R23は、それぞれ独立して、水素、重水素、ヒドロキシ基、C1-4アルキル基、C2-4アルケニル基、C2-4アルキニル基、C3-6シクロアルキル基、3-6員複素環基、C5-6アリール基、5-6員ヘテロアリール基、スルホニル基、メチルスルホニル基、イソプロピルスルホニル基、シクロプロピルスルホニル基、p-トルエンスルホニル基、アミノ基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基またはC1-4アルカノイル基から選ばれるか、上記基は、任意に、重水素、ハロゲン、ヒドロキシ基、C1-4アルキル基、C1-4アルコキシ基、C3-6シクロアルキル基、C3-6シクロアルキルオキシ基、3-6員複素環基、3-6員複素環オキシ基、C5-6アリール基、C5-6アリールオキシ基、5-6員ヘテロアリール基、5-6員ヘテロアリールオキシ基、アミノ基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基またはC1-4アルカノイル基から選ばれる1つまたは複数の置換基でさらに置換され、
もしくは、R22、R23は、それに直接連結する窒素原子とともに4-6員複素環基を形成し、上記基は、任意に、重水素、ハロゲン、ヒドロキシ基、C1-4アルキル基、C1-4アルコキシ基、C3-6シクロアルキル基、C3-6シクロアルキルオキシ基、3-6員複素環基、3-6員複素環オキシ基、C5-6アリール基、C5-6アリールオキシ基、5-6員ヘテロアリール基、5-6員ヘテロアリールオキシ基、アミノ基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基またはC1-4アルカノイル基から選ばれる1つまたは複数の置換基でさらに置換され、
各qは、それぞれ独立して、0、1、2または3であり、
各mは、それぞれ独立して、0、1、2または3であり、
各rは、それぞれ独立して、0、1または2である。
【0027】
さらに好ましくは、前記の式(I)の化合物、その立体異性体、プロドラッグまたはその薬学的に許容される塩において、各R1は、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、C1-4アルキル基、C3-6シクロアルキル基、3-6員複素環基、C5-6アリール基、5-6員ヘテロアリール基、-SF5、-S(O)rR19、-O-R20、-C(O)OR20、-C(O)R21、-O-C(O)R21または-NR22R23から選ばれるか、上記基は、任意に、重水素、ハロゲン、シアノ基、C1-4アルキル基、ハロゲン置換C1-4アルキル基、重水素置換C1-4アルキル基、C3-6シクロアルキル基、3-6員複素環基、=O、-O-R20、-C(O)OR20または-C(O)R21基から選ばれる1つまたは複数の置換基でさらに置換され、
各R4は、それぞれ独立して、水素、重水素、C1-4アルキル基、C2-4アルケニル基、C3-6シクロアルキル基、3-6員複素環基、C5-6アリール基または5-6員ヘテロアリール基から選ばれるか、上記基は、任意に、重水素、ハロゲン、シアノ基、C1-4アルキル基、ハロゲン置換C1-4アルキル基、重水素置換C1-4アルキル基
、C3-6シクロアルキル基、3-6員複素環基、=O、-O-R20、-C(O)OR20または-C(O)R21から選ばれる1つまたは複数の置換基でさらに置換され、
各R5は、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、C1-4アルキル基、C3-6シクロアルキル基、3-6員複素環基、フェニル基、5-6員ヘテロアリール基、-SF5、メチルチオ基、メチルスルホニル基、イソプロピルスルホニル基、アミノスルホニル基、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、ヒドロキシ基、-C(O)OH、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、、ホルミル基、アセチル基、アセトキシ基、アミノ基、ジメチルアミノ基、アミノカルボニル基、ジメチルアミノカルボニル基またはアセチルアミノ基から選ばれるか、上記基は、任意に、重水素、ハロゲン、シアノ基、C1-4アルキル基、ハロゲン置換C1-4アルキル基、重水素置換C1-4アルキル基、C3-6シクロアルキル基、3-6員複素環基、=O、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、ヒドロキシ基、-C(O)OH、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、ホルミル基、アセチル基またはアセトキシ基から選ばれる1つまたは複数の置換基でさらに置換され、
各R6、R7は、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ヒドロキシ基、メトキシ基またはアセトキシ基から選ばれるか、上記基は、任意に、重水素、ハロゲン、シアノ基、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ビニル基、エチニル基、シクロプロピル基、トリフルオロメチル基、トリデューテロメチル基、ヒドロキシ基、メトキシ基またはアセトキシ基から選ばれる1つまたは複数の置換基でさらに置換され、
各R8、R9は、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、ヒドロキシ基、メトキシ基またはアセトキシ基から選ばれるか、上記基は、任意に、重水素、ハロゲン、シアノ基、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、トリフルオロメチル基、トリデューテロメチル基、ヒドロキシ基、メトキシ基またはアセトキシ基から選ばれる1つまたは複数の置換基でさらに置換され、
各R10、R11、R12は、それぞれ独立して、水素、重水素、C1-4アルキル基、C3-6シクロアルキル基、3-6員複素環基、C5-6アリール基、5-6員ヘテロアリール基、-C(O)OR20、-C(O)R21または-C(O)NR22R23から選ばれるか、上記基は、任意に、重水素、ハロゲン、シアノ基、C1-4アルキル基、ハロゲン置換C1-4アルキル基、重水素置換C1-4アルキル基、C3-6シクロアルキル基、3-6員複素環基、=O、-S(O)rR19、-O-R20、-C(O)OR20、-C(O)R21または-O-C(O)R21から選ばれる1つまたは複数の置換基でさらに置換され、
各R19は、それぞれ独立して、水素、重水素、ヒドロキシ基、C1-4アルキル基またはC3-6シクロアルキル基から選ばれるか、上記基は、任意に、重水素、ハロゲン、ヒドロキシ基、カルボニル基、C1-4アルキル基、C1-4アルコキシ基またはC3-6シクロアルキル基から選ばれる1つまたは複数の置換基でさらに置換され、
各R20は、それぞれ独立して、水素、重水素、C1-4アルキル基またはC3-6シクロアルキル基から選ばれるか、上記基は、任意に、重水素、ハロゲン、ヒドロキシ基、カルボニル基、シアノ基、C1-4アルキル基、C1-4アルコキシ基またはC3-6シクロアルキル基から選ばれる1つまたは複数の置換基でさらに置換され、
各R21は、それぞれ独立して、水素、重水素、ヒドロキシ基、C1-4アルキル基またはC1-4アルコキシ基から選ばれるか、上記基は、任意に、重水素、ハロゲン、ヒドロキシ基、シアノ基、C1-4アルキル基、C1-4アルコキシ基またはC3-6シクロアルキル基から選ばれる1つまたは複数の置換基でさらに置換され、
各R22、R23は、それぞれ独立して、水素、重水素、ヒドロキシ基、C1-4アルキル基、C3-6シクロアルキル基、3-6員複素環基またはC1-4アルカノイル基から選ばれるか、上記基は、任意に、重水素、ハロゲン、ヒドロキシ基、C1-4アルキル基、C1-4アルコキシ基、C3-6シクロアルキル基、C3-6シクロアルキルオキシ
基、3-6員複素環基またはC1-4アルカノイル基から選ばれる1つまたは複数の置換基でさらに置換され、
またさらに好ましくは、前記の式(I)の化合物、その立体異性体、プロドラッグまたはその薬学的に許容される塩において、式(I)の化合物は下記式(IIIa1)化合物または式(IIIa2)化合物の構造を有する。
【0028】
【0029】
ここで、各R1は、それぞれ独立して、水素、重水素、フッ素、塩素、シアノ基、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、ジデューテロメチル基、トリデューテロメチル基、C3-6シクロアルキル基または3-6員複素環基から選ばれ、
各R2は、それぞれ独立して、水素、重水素、フッ素、塩素、シアノ基、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、アリル基、エチニル基、シクロプロピル基またはヒドロキシメチル基から選ばれ、
各R4は、それぞれ独立して、水素、重水素、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、C2-4アルケニル基またはC3-6シクロアルキル基から選ばれ、
各R5は、それぞれ独立して、水素、重水素、フッ素、塩素、シアノ基、アジド基、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、C2-6アルケニル基、C2-6アルキニル基またはC3-6シクロアルキル基から選ばれ、
各R6は、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基またはヒドロキシ基から選ばれ、
各R8は、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基またはヒドロキシ基から選ばれ、
各R10、R11、R12は、それぞれ独立して、水素、重水素、メチル基、エチル基、プロピル基またはイソプロピル基から選ばれ、
各mは、独立して、0、1、2または3である。
【0030】
またさらに好ましくは、前記の式(I)の化合物、その立体異性体、プロドラッグまたはその薬学的に許容される塩において、式(I)の化合物は下記式(IIIb)化合物の構造を有する。
【0031】
【0032】
ここで、R1は、水素、重水素、フッ素、塩素、シアノ基、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、ジデューテロメチル基、トリデューテロメチル基、C3-6シクロアルキル基または3-6員複素環基から選ばれ、
R4は、水素、重水素、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、C2-4アルケニル基またはC3-6シクロアルキル基から選ばれ、
R5は、水素、重水素、フッ素、塩素、シアノ基、アジド基、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、C2-6アルケニル基、C2-6アルキニル基またはC3-6シクロアルキル基から選ばれ、
R7は、水素、重水素、ハロゲン、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基またはヒドロキシ基から選ばれ、
R9は、水素、重水素、ハロゲン、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基またはヒドロキシ基から選ばれる。
【0033】
R10、R11、R12は、それぞれ独立して、水素、重水素、メチル基、エチル基、プロピル基またはイソプロピル基から選ばれ、
mは、0、1、2または3である。
【0034】
またさらに好ましくは、前記の式(I)の化合物、その立体異性体、プロドラッグまたはその薬学的に許容される塩において、式(I)の化合物は下記式(IIIc)化合物の構造を有する。
【0035】
【0036】
R1は、水素、重水素、フッ素、塩素、シアノ基、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、ジデューテロメチル基、
トリデューテロメチル基、C3-6シクロアルキル基または3-6員複素環基から選ばれ、
R4は、水素、重水素、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、C2-4アルケニル基またはC3-6シクロアルキル基から選ばれ、
R5は、水素、重水素、フッ素、塩素、シアノ基、アジド基、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、C2-6アルケニル基、C2-6アルキニル基またはC3-6シクロアルキル基から選ばれ、
R6は、水素、重水素、ハロゲン、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基またはヒドロキシ基から選ばれ、
R8は、水素、重水素、ハロゲン、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基またはヒドロキシ基から選ばれ、
R10、R11、R12は、それぞれ独立して水素、重水素、メチル基、エチル基、プロピル基またはイソプロピル基から選ばれ、
mは、0、1、2または3である。
【0037】
最も好ましくは、前記の式(I)の化合物、その立体異性体、プロドラッグまたはその薬学的に許容される塩には下記の化合物を含むが、これらに限定されない:
【0038】
【化7】
本発明の第二の側面では、前記式(I)化合物、その立体異性体、プロドラッグまたはその薬学的に許容される塩の製造方法であって、以下に示される工程を含む:
【0039】
【化8】
ここで、Pgは、ヒドロキシ保護基であり、好ましくは、アルカノイル基またはシリル保護基であり、X
1、X
2、X
3、X
4、X
5、Y、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9、R
10、R
11、R
12、R
13、R
14、R
15、R
16、m、nは、式(I)化合物の通りである。
【0040】
本発明の第三の側面では、前記式(I)の化合物、その立体異性体、プロドラッグまたはその薬学的に許容される塩と薬用可能な担体とを含む医薬組成物を提供する。
本発明の第四の側面では、前記式(I)の化合物、その立体異性体、プロドラッグまたはその薬学的に許容される塩の少なくとも部分的にCD73に媒介された癌または腫瘍、免疫関連疾患及び障害、代謝性疾患治療用薬物の製造における応用を提供する。
【0041】
好ましくは、前記癌または腫瘍は、前立腺癌、結腸癌、直腸癌、膵臓腺癌、胃癌、子宮内膜癌、子宮頸癌、脳癌、肝癌、膀胱癌、卵巣癌、精巣癌、頭部癌、頸部癌、皮膚癌(メラノーマおよび基底細胞癌を含む)、中皮内膜癌、白血球癌(リンパ腫および白血病を含む)、食道癌、乳癌、筋肉癌、結合組織癌、肺癌(小細胞肺癌および非小細胞癌を含む)、副腎癌、甲状腺癌、腎臓癌、骨癌、脳腫瘍、神経膠芽腫、中皮腫、腎細胞癌、肉腫(カポシ肉腫を含む)、絨毛癌、表皮基底細胞癌、精巣セミノーマから選ばれる。
【0042】
さらに好ましくは、前記癌または腫瘍は、メラノーマ、結腸癌、膵臓腺癌、乳癌、前立腺癌、肺癌、白血病、脳腫瘍、リンパ腫、卵巣癌及びカポジ肉腫から選ばれる。
好ましくは、前記の免疫関連疾患及び障害は、関節リウマチ、腎不全、紅斑性狼瘡、喘息、乾癬、潰瘍性大腸炎、膵炎、アレルギー、線維症、貧血性線維筋痛症、アルツハイマー病、うっ血性心不全、脳卒中、大動脈弁狭窄症、動脈硬化症、骨粗鬆症、パーキンソン病、感染症、クローン氏病、潰瘍性大腸炎、アレルギー性接触皮膚炎および湿疹、全身性硬化症および多発性硬化症から選ばれる。
【0043】
本発明の第五の側面では、前記式(I)の化合物、その立体異性体、プロドラッグまたはその薬学的に許容される塩を少なくとも部分的にCD73によって媒介された癌または腫瘍、自己免疫疾患及び障害、代謝性疾患の治療のための薬物として使用される薬物を提供する。
【0044】
本発明の第六の側面では、前記式(I)の化合物、その立体異性体、プロドラッグまた
はその薬学的に許容される塩を前立腺癌、結腸癌、直腸癌、膵臓腺癌、胃癌、子宮内膜癌、子宮頸癌、脳癌、肝癌、膀胱癌、卵巣癌、精巣癌、頭部癌、頸部癌、皮膚癌(メラノーマおよび基底細胞癌を含む)、中皮内膜癌、白血球癌(リンパ腫および白血病を含む)、食道癌、乳癌、筋肉癌、結合組織癌、小細胞肺癌(肺癌および非小細胞癌)、副腎癌、甲状腺癌、腎臓癌、骨癌、脳腫瘍、神経膠芽腫、中皮腫、腎細胞癌、肉腫(カポシ肉腫を含む)、絨毛癌、表皮基底細胞癌、精巣セミノーマ、関節リウマチ、腎不全、紅斑性狼瘡、喘息、乾癬、潰瘍性大腸炎、膵炎、アレルギー、線維症、貧血性線維筋痛症、アルツハイマー病、うっ血性心不全、脳卒中、大動脈弁狭窄症、動脈硬化症、骨粗鬆症、パーキンソン病、感染症、クローン氏病、潰瘍性大腸炎、アレルギー性接触皮膚炎および湿疹、全身性硬化症および多発性硬化症の治療のための薬物として使用される薬物を提供する。
【0045】
[発明の実施形態]
詳述:相反する陳述がない限り、以下の明細書と請求の範囲で使用される用語は下記の意味となる。
【0046】
「アルキル基」とは、直鎖または分岐鎖含有の飽和の脂肪族炭化水素基をいうが、たとえば、「C1-10アルキル基」とは炭素原子を1~10個含む直鎖アルキル基および分岐鎖含有アルキル基をいい、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、t-ブチル基、s-ブチル基、n-ペンチル基、1,1-ジメチルプロピル基、1,2-ジメチルプロピル基、2,2-ジメチルプロピル基、1-エチルプロピル基、2-メチルブチル基、3-メチルブチル基、n-ヘキシル基、1-エチル-2-メチルプロピル基、1,1,2-トリメチルプロピル基、1,1-ジメチルブチル基、1,2-ジメチルブチル基、2,2-ジメチルブチル基、1,3-ジメチルブチル基、2-エチルブチル基、2-メチルペンチル基、3-メチルペンチル基、4-メチルペンチル基、2,3-ジメチルブチル基、n-ヘプチル基、2-メチルヘキシル基、3-メチルヘキシル基、4-メチルヘキシル基、5-メチルヘキシル基、2,3-ジメチルペンチル基、2,4-ジメチルペンチル基、2,2-ジメチルペンチル基、3,3-ジメチルペンチル基、2-エチルペンチル基、3-エチルペンチル基、n-オクチル基、2,3-ジメチルヘキシル基、2,4-ジメチルヘキシル基、2,5-ジメチルヘキシル基、2,2-ジメチルヘキシル基、3,3-ジメチルヘキシル基、4,4-ジメチルヘキシル基、2-エチルヘキシル基、3-エチルヘキシル基、4-エチルヘキシル基、2-メチル-2-エチルペンチル基、2-メチル-3-エチルペンチル基やその様々な分岐鎖異性体などを含むが、これらに限定されない。「C0-8」とはC0-8アルキル基を、「C0-4」とはC0-4アルキル基を、C0とは炭素原子が0であることを、「C1-4」とはC1-4アルキル基を言うもので、アルキル基の定義は前記の通りである。
【0047】
アルキル基は、任意に置換されたものまたは無置換のものでもよいが、置換されたものの場合、置換基は、独立して、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、ハロゲン置換C1-10アルキル基、重水素置換C1-10アルキル基、C3-10シクロアルキル基、3-10員複素環基、C5-10アリール基、5-10員ヘテロアリール基、=O、-C0-8-S(O)rR19、-C0-8-O-R20、-C0-8-C(O)OR20、-C0-8-C(O)R21、-C0-8-O-C(O)R21、-C0-8-NR22R23、-C0-8-C(=NR22)R21、-C0-8-N(R22)-C(=NR23)R21、-C0-8-C(O)NR22R23または-C0-8-N(R22)-C(O)R21から選ばれる1つまたは複数(1、2、3または4個が望ましい)の基であることが好ましい。
【0048】
「シクロアルキル基」とは飽和または部分不飽和の単環または多環の環状炭化水素の置換基をいうが、たとえば、「C3-10シクロアルキル基」とは炭素原子を3~10個含
むシクロアルキル基をいい、単環式シクロアルキル基、多環式シクロアルキル基に分かれ、中では、
単環式シクロアルキル基は、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロペンテニル基、シクロヘキシル基、シクロヘキセニル基、シクロヘキサジエニル基、シクロヘプチル基、シクロヘプタトリエニル基、シクロオクチル基などを含むが、これらに限定されない。
【0049】
多環式シクロアルキル基は、スピロ環、縮合環および架橋環のシクロアルキル基を含む。「スピロシクロアルキル基」とは、単環の間で一つの炭素原子(スピロ原子と呼ぶ)を共有する多環基をいい、これらの基は一つまたは複数の二重結合(1、2または3個が望ましい)を含んでもよいが、完全共役のπ電子系を有する環がない。環と環の間で共有するスピロ原子の数によってスピロシクロアルキル基はモノスピロシクロアルキル基、ジスピロシクロアルキル基またはポリスピロシクロアルキル基に分かれ、スピロシクロアルキル基は以下のものを含むが、これらに限定されない:
【0050】
【0051】
「縮合シクロアルキル基」とは、系における各環が系におけるほかの環と隣接する一対の炭素原子を共有する全炭素多環基をいい、その一つまたは複数の環は一つまたは複数の二重結合(1、2または3個が望ましい)を含んでもよいが、完全共役のπ電子系を有する環がない。構成環の数によって二環、三環、四環または多環の縮合シクロアルキル基に分かれ、縮合シクロアルキル基は以下のものを含むが、これらに限定されない:
【0052】
【0053】
「架橋シクロアルキル基」とは、任意の二つの環が直接連結しない二つの炭素原子を共有する全炭素多環基をいい、これらの基は一つまたは複数の二重結合(1、2または3個が望ましい)を含んでもよいが、完全共役のπ電子系を有する環がない。構成環の数によって二環、三環、四環または多環の架橋シクロアルキル基に分かれ、架橋シクロアルキル基は以下のものを含むが、これらに限定されない:
【0054】
【0055】
前記シクロアルキル基の環はアリール基、ヘテロアリール基または複素環基の環に縮合してもよいが、ここで、母体構造と連結した環はシクロアルキル基で、インダニル基、テトラヒドロナフチル基、ベンゾシクロヘプチル基などを含むが、これらに限定されない。
【0056】
シクロアルキル基は、任意に置換されたものまたは無置換のものでもよいが、置換されたものの場合、置換基は、独立して、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、ハロゲン置換C1-10アルキル基、重水素置換C1-10アルキル基、C3-10シクロアルキル基、3-10員複素環基、C5-10アリール基、5-10員ヘテロアリール基、=O、-C0-8-S(O)rR19、-C0-8-O-R20、-C0-8-C(O)OR20、-C0-8-C(O)R21、-C0-8-O-C(O)R21、-C0-8-NR22R23、-C0-8-C(=NR22)R21、-C0-8-N(R22)-C(=NR23)R21、-C0-8-C(O)NR22R23または-C0-8-N(R22)-C(O)R21から選ばれる1つまたは複数(1、2、3または4個が望ましい)の基であることが好ましい。
【0057】
「複素環基」とは、飽和または部分飽和の単環または多環の環状炭化水素の置換基で、そのうちの一つまたは複数(1、2、3または4個が望ましい)の環原子が窒素、酸素またはS(O)r(ここで、rは整数の0、1、2である)から選ばれるヘテロ原子で、-O-O-、-O-S-または-S-S-の環部分を含まず、残りの環原子が炭素である基をいう。たとえば、「5-10員複素環基」とは、5~10個の環原子を含む環基を、「3-10員複素環基」とは、3~10個の環原子を含む環基をいう。
【0058】
単環式複素環基は、ピロリジル基、ピペリジル基、ピペラジル基、モルホリル基、チオモルホリル基、ホモピペラジル基などを含むが、これらに限定されない。
多環式複素環基は、スピロ環、縮合環および架橋環の複素環基を含む。「スピロ複素環基」とは、単環の間で一つの原子(スピロ原子と呼ぶ)を共有する多環式複素環基で、そのうちの一つまたは複数(1、2、3または4個が望ましい)の環原子が窒素、酸素またはS(O)r(ここで、rは整数の0、1、2である)から選ばれるヘテロ原子で、残りの環原子が炭素である基をいう。これらの基は一つまたは複数の二重結合を含んでもよいが、完全共役のπ電子系を有する環がない。環と環の間で共有するスピロ原子の数によってスピロ複素環基はモノスピロ複素環基、ジスピロ複素環基またはポリスピロ複素環基に分かれる。スピロ複素環基は、以下のものを含むが、これらに限定されない:
【0059】
【0060】
「縮合複素環基」とは、系における各環が系におけるほかの環と隣接する一対の原子を共有する多環式複素環基をいい、一つまたは複数(1、2、3または4個が望ましい)の環は一つまたは複数(1、2または3個が望ましい)の二重結合を含んでもよいが、完全共役のπ電子系を有する環がなく、そのうちの一つまたは複数(1、2、3または4個が望ましい)の環原子が窒素、酸素またはS(O)r(ここで、rは整数の0、1、2である)から選ばれるヘテロ原子で、残りの環原子が炭素である。構成環の数によって二環、三環、四環または多環の縮合複素環基に分かれ、縮合複素環基は以下のものを含むが、これらに限定されない:
【0061】
【0062】
「架橋複素環基」とは、任意の二つの環が直接連結しない二つの原子を共有する多環式複素環基をいい、これらの環は一つまたは複数(1、2または3個が望ましい)の二重結合を含んでもよいが、完全共役のπ電子系を有する環がなく、そのうちの一つまたは複数(1、2、3または4個が望ましい)の環原子が窒素、酸素またはS(O)r(ここで、rは整数の0、1、2である)から選ばれるヘテロ原子で、残りの環原子が炭素である。
構成環の数によって二環、三環、四環または多環の架橋複素環基に分かれ、架橋複素環基は以下のものを含むが、これらに限定されない:
【0063】
【0064】
前記複素環基の環はアリール基、ヘテロアリール基またはシクロアルキル基の環に縮合してもよいが、ここで、母体構造と連結した環は複素環基で、以下のものを含むが、これらに限定されない:
【0065】
【0066】
複素環基は、任意に置換されたものまたは無置換のものでもよいが、置換されたものの場合、置換基は、独立して、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、ハロゲン置換C1-10アルキル基、重水素置換C1-10アルキル基、C3-10シクロアルキル基、3-10員複素環基、C5-10アリール基、5-10員ヘテロアリール基、=O、-C0-8-S(O)rR19、-C0-8-O-R20、-C0-8-C(O)OR20、-C0-8-C(O)R21、-C0-8-O-C(O)R21、-C0-8-NR22R23、-C0-8-C(=NR22)R21、-C0-8-N(R22)-C(=NR23)R21、-C0-8-C(O)NR22R23または-C0-8-N(R22)-C(O)R21から選ばれる1つまたは複数(1、2、3または4個が望ましい)の基であることが好ましい。
【0067】
「アリール基」とは全炭素の単環または縮合多環(すなわち隣接する炭素原子対を共有する環)の基で、共役のπ電子系を有する多環(すなわち隣接する炭素原子対を持つ環)の基をいい、たとえば、「C5-10アリール基」とは5~10個の炭素を含む全炭素アリール基を、「5-10員アリール基」とは5~10個の炭素を含む全炭素アリール基をいい、フェニル基やナフチル基を含むが、これらに限定されない。前記アリール基の環はヘテロアリール基、複素環基またはシクロアルキル環に縮合してもよいが、ここで、母体構造と連結した環はアリール環で、以下のものを含むが、これらに限定されない:
【0068】
【0069】
アリール基は、置換されたものまたは無置換のものでもよいが、置換されたものの場合、置換基は、独立して、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、ハロゲン置換C1-10アルキル基、重水素置換C1-10アルキル基、C3-10シクロアルキル基、3-10員複素環基、C5-10アリール基、5-10員ヘテロアリール基、=O、-C0-8-S(O)rR19、-C0-8-O-R20、-C0-8-C(O)OR20、-C0-8-C(O)R21、-C0-8-O-C(O)R21、-C0-8-NR22R23、-C0-8-C(=NR22)R21、-C0-8-N(R22)-C(=NR23)R21、-C0-8-C(O)NR22R23または-C0-8-N(R22)-C(O)R21から選ばれる1つまたは複数(1、2、3または4個が望ましい)の基であることが好ましい。
【0070】
「ヘテロアリール基」とは1つまたは複数(1、2、3または4個が望ましい)のヘテロ原子を含むヘテロ芳香族系で、前記ヘテロ原子が窒素、酸素またはS(O)r(ここで、rは整数の0、1、2である)から選ばれるヘテロ原子である基をいうが、たとえば、5-8員ヘテロアリール基とは5~8個の環原子を含むヘテロ芳香族系を、5-10員ヘテロアリール基とは5~10個の環原子を含むヘテロ芳香族系をいい、フリル基、チエニル基、ピリジル基、ピロリル基、N-アルキルピロリル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、イミダゾリル基、テトラゾリル基などを含むが、これらに限定されない。前記ヘテロアリール基の環はアリール基、複素環基またはシクロアルキル環に縮合してもよいが、ここで、母体構造と連結した環はヘテロアリール環で、以下のものを含むが、これらに限定されない:
【0071】
【0072】
ヘテロアリール基は、任意に置換されたものまたは無置換のものでもよいが、置換されたものの場合、置換基は、独立して、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基
、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、ハロゲン置換C1-10アルキル基、重水素置換C1-10アルキル基、C3-10シクロアルキル基、3-10員複素環基、C5-10アリール基、5-10員ヘテロアリール基、=O、-C0-8-S(O)rR19、-C0-8-O-R20、-C0-8-C(O)OR20、-C0-8-C(O)R21、-C0-8-O-C(O)R21、-C0-8-NR22R23、-C0-8-C(=NR22)R21、-C0-8-N(R22)-C(=NR23)R21、-C0-8-C(O)NR22R23または-C0-8-N(R22)-C(O)R21から選ばれる1つまたは複数(1、2、3または4個が望ましい)の基であることが好ましい。
【0073】
「アルケニル基」とは、少なくとも2個の炭素原子および少なくとも1個の炭素-炭素二重結合からなる、上記のように定義されるアルキル基をいうが、たとえば、C2-10アルケニル基とは2~10個の炭素を含む、直鎖または分岐鎖含有のアルケニル基をいう。ビニル基、1-プロペニル基、2-プロペニル基、1-ブテニル基、2-ブテニル基や3-ブテニル基などを含むが、これらに限定されない。
【0074】
アルケニル基は、置換されたものまたは無置換のものでもよいが、置換されたものの場合、置換基は、独立して、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、ハロゲン置換C1-10アルキル基、重水素置換C1-10アルキル基、C3-10シクロアルキル基、3-10員複素環基、C5-10アリール基、5-10員ヘテロアリール基、=O、-C0-8-S(O)rR19、-C0-8-O-R20、-C0-8-C(O)OR20、-C0-8-C(O)R21、-C0-8-O-C(O)R21、-C0-8-NR22R23、-C0-8-C(=NR22)R21、-C0-8-N(R22)-C(=NR23)R21、-C0-8-C(O)NR22R23または-C0-8-N(R22)-C(O)R21から選ばれる1つまたは複数(1、2、3または4個が望ましい)の基であることが好ましい。
【0075】
「アルキニル基」とは、少なくとも2個の炭素原子および少なくとも1個の炭素-炭素三重結合からなる、上記のように定義されるアルキル基をいうが、たとえば、C2-10アルキニル基とは2~10個の炭素を含む、直鎖または分岐鎖含有のアルキニル基をいう。エチニル基、1-プロピニル基、2-プロピニル基、1-ブチニル基、2-ブチニル基や3-ブチニル基などを含むが、これらに限定されない。
【0076】
アルキニル基は、置換されたものまたは無置換のものでもよいが、置換されたものの場合、置換基は、独立して、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、ハロゲン置換C1-10アルキル基、重水素置換C1-10アルキル基、C3-10シクロアルキル基、3-10員複素環基、C5-10アリール基、5-10員ヘテロアリール基、=O、-C0-8-S(O)rR19、-C0-8-O-R20、-C0-8-C(O)OR20、-C0-8-C(O)R21、-C0-8-O-C(O)R21、-C0-8-NR22R23、-C0-8-C(=NR22)R21、-C0-8-N(R22)-C(=NR23)R21、-C0-8-C(O)NR22R23または-C0-8-N(R22)-C(O)R21から選ばれる1つまたは複数(1、2、3または4個が望ましい)の基であることが好ましい。
【0077】
「アルコキシ基」とは-O-(アルキル基)をいうが、そのアルキル基の定義は前記の通りで、たとえば、「C1-10アルコキシ基」とは1~10個の炭素を含むアルコキシ基をいい、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基などを含むが、これらに限定されない。
【0078】
アルコキシ基は、任意に置換されたものまたは無置換のものでもよいが、置換されたものの場合、置換基は、独立して、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、ハロゲン置換C1-10アルキル基、重水素置換C1-10アルキル基、C3-10シクロアルキル基、3-10員複素環基、C5-10アリール基、5-10員ヘテロアリール基、=O、-C0-8-S(O)rR19、-C0-8-O-R20、-C0-8-C(O)OR20、-C0-8-C(O)R21、-C0-8-O-C(O)R21、-C0-8-NR22R23、-C0-8-C(=NR22)R21、-C0-8-N(R22)-C(=NR23)R21、-C0-8-C(O)NR22R23または-C0-8-N(R22)-C(O)R21から選ばれる1つまたは複数(1、2、3または4個が望ましい)の基であることが好ましい。
【0079】
「シクロアルキルオキシ基」とは-O-(無置換のシクロアルキル基)をいうが、そのシクロアルキル基の定義は前記の通りで、たとえば、「C3-10シクロアルキルオキシ基」とは3~10個の炭素を含むシクロアルキルオキシ基をいい、シクロプロピルオキシ基、シクロブチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基などを含むが、これらに限定されない。
【0080】
シクロアルキルオキシ基は、任意に置換されたものまたは無置換のものでもよいが、置換されたものの場合、置換基は、独立して、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、ハロゲン置換C1-10アルキル基、重水素置換C1-10アルキル基、C3-10シクロアルキル基、3-10員複素環基、C5-10アリール基、5-10員ヘテロアリール基、=O、-C0-8-S(O)rR19、-C0-8-O-R20、-C0-8-C(O)OR20、-C0-8-C(O)R21、-C0-8-O-C(O)R21、-C0-8-NR22R23、-C0-8-C(=NR22)R21、-C0-8-N(R22)-C(=NR23)R21、-C0-8-C(O)NR22R23または-C0-8-N(R22)-C(O)R21から選ばれる1つまたは複数(1、2、3または4個が望ましい)の基であることが好ましい。
【0081】
「3-10員複素環オキシ基」とは-O-(無置換の3-10員複素環基)をいうが、その3-10員複素環基の定義は前記の通りで、3-10員複素環オキシ基は、任意に置換されたものまたは無置換のものでもよいが、置換されたものの場合、置換基は、独立して、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、ハロゲン置換C1-10アルキル基、重水素置換C1-10アルキル基、C3-10シクロアルキル基、3-10員複素環基、C5-10アリール基、5-10員ヘテロアリール基、=O、-C0-8-S(O)rR19、-C0-8-O-R20、-C0-8-C(O)OR20、-C0-8-C(O)R21、-C0-8-O-C(O)R21、-C0-8-NR22R23、-C0-8-C(=NR22)R21、-C0-8-N(R22)-C(=NR23)R21、-C0-8-C(O)NR22R23または-C0-8-N(R22)-C(O)R21から選ばれる1つまたは複数(1、2、3または4個が望ましい)の基であることが好ましい。
【0082】
「C5-10アリールオキシ基」とは-O-(無置換のC5-10アリール基)をいうが、そのC5-10アリール基の定義は前記の通りで、C5-10アリールオキシ基は、任意に置換されたものまたは無置換のものでもよいが、置換されたものの場合、置換基は、独立して、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、ハロゲン置換C1-10アルキル基、重水素置換C1-10アルキル基、C3-10シクロアルキル基、3-10員複素環
基、C5-10アリール基、5-10員ヘテロアリール基、=O、-C0-8-S(O)rR19、-C0-8-O-R20、-C0-8-C(O)OR20、-C0-8-C(O)R21、-C0-8-O-C(O)R21、-C0-8-NR22R23、-C0-8-C(=NR22)R21、-C0-8-N(R22)-C(=NR23)R21、-C0-8-C(O)NR22R23または-C0-8-N(R22)-C(O)R21から選ばれる1つまたは複数(1、2、3または4個が望ましい)の基であることが好ましい。
【0083】
「5-10員ヘテロアリールオキシ基」とは-O-(無置換の5-10員複素環基)をいうが、その5-10員複素環基の定義は前記の通りで、5-10員ヘテロアリールオキシ基は、任意に置換されたものまたは無置換のものでもよいが、置換されたものの場合、置換基は、独立して、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、ハロゲン置換C1-10アルキル基、重水素置換C1-10アルキル基、C3-10シクロアルキル基、3-10員複素環基、C5-10アリール基、5-10員ヘテロアリール基、=O、-C0-8-S(O)rR19、-C0-8-O-R20、-C0-8-C(O)OR20、-C0-8-C(O)R21、-C0-8-O-C(O)R21、-C0-8-NR22R23、-C0-8-C(=NR22)R21、-C0-8-N(R22)-C(=NR23)R21、-C0-8-C(O)NR22R23または-C0-8-N(R22)-C(O)R21から選ばれる1つまたは複数(1、2、3または4個が望ましい)の基であることが好ましい。
【0084】
「C1-8アルカノイル基」とはC1-8アルキル基酸からヒドロキシ基を除いて残った1価の原子団をいうが、通常、「C0-7-C(O)-」とも表示され、たとえば、「C1-C(O)-」とはアセチル基を、「C2-C(O)-”」とはプロピオニル基を、「C3-C(O)-」とはブチリル基またはイソブチリル基をいう。
【0085】
「-C0-8-S(O)rR19」とは-S(O)rR19における硫黄原子がC0-8アルキル基に連結したものをいうが、そのC0アルキル基とは結合で、C1-8アルキル基の定義は上記の通りである。
【0086】
「-C0-8-O-R20」とは-O-R20における酸素原子がC0-8アルキル基に連結したものをいうが、そのC0アルキル基とは結合で、C1-8アルキル基の定義は上記の通りである。
【0087】
「-C0-8-C(O)OR20」とは-C(O)OR20におけるオキソがC0-8アルキル基に連結したものをいうが、そのC0アルキル基とは結合で、C1-8アルキル基の定義は上記の通りである。
【0088】
「-C0-8-C(O)R21」とは-C(O)R21におけるオキソがC0-8アルキル基に連結したものをいうが、そのC0アルキル基とは結合で、C1-8アルキル基の定義は上記の通りである。
【0089】
「-C0-8-O-C(O)R21」とは-O-C(O)R21における酸素原子がC0-8アルキル基に連結したものをいうが、そのC0アルキル基とは結合で、C1-8アルキル基の定義は上記の通りである。
【0090】
「-C0-8-NR22R23」とは-NR22R23における窒素原子がC0-8アルキル基に連結したものをいうが、そのC0アルキル基とは結合で、C1-8アルキル基の定義は上記の通りである。
【0091】
「-C0-8-C(=NR22)R21」とは-C(=NR22)R21におけるカルボニル基がC0-8アルキル基に連結したものをいうが、そのC0アルキル基とは結合で、C1-8アルキル基の定義は上記の通りである。
【0092】
「-C0-8-N(R22)-C(=NR23)R21」とは-N(R22)-C(=NR23)R21におけるカルボニル基がC0-8アルキル基に連結したものをいうが、そのC0アルキル基とは結合で、C1-8アルキル基の定義は上記の通りである。
【0093】
「-C0-8-C(O)NR22R23」とは-C(O)NR22R23におけるカルボニル基がC0-8アルキル基に連結したものをいうが、そのC0アルキル基とは結合で、C1-8アルキル基の定義は上記の通りである。
【0094】
「-C0-8-N(R22)-C(O)R21」とは-N(R22)-C(O)R21における窒素原子がC0-8アルキル基に連結したものをいうが、そのC0アルキル基とは結合で、C1-8アルキル基の定義は上記の通りである。
【0095】
「ハロゲン置換C1-10アルキル基」とはとはアルキル基における水素が任意にフッ素、塩素、臭素、ヨウ素の原子で置換された、炭素1~10個のアルキル基をいうが、ジフルオロメチル基、ジクロロメチル基、ジブロモメチル基、トリフルオロメチル基、トリクロロメチル基、トリブロモメチル基などを含むが、これらに限定されない。
【0096】
「ハロゲン置換C1-10アルコキシ基」とはアルキル基における水素が任意にフッ素、塩素、臭素、ヨウ素原子で置換された、炭素1~10個のアルコキシ基である。ジフルオロメトキシ基、ジクロロメトキシ基、ジブロモメトキシ基、トリフルオロメトキシ基、トリクロロメトキシ基、トリブロモメトキシ基などを含むが、これらに限定されない。
【0097】
「ハロゲン」とはフッ素、塩素、臭素またはヨウ素をいう。
「MeOH」とはタノールをいう。「DMF」とはN,N-ジメチルホルムアミドをいう。「DCE」とは1,2-ジクロロエタンをいう。「THF」とはテトラヒドロフランをいう。「PE」とは石油エーテルをいう。「EA / EtOAc」とは酢酸エチルをいう。「DCM」とはジクロロメタンをいう。「LiOH」とは水酸化リチウムをいう。「NaOH」とは水酸化リチウムをいう。「NaNO2」とは亜硝酸ナトリウムをいう。「CuI」とはヨウ化第一銅をいう。「Na2SO4とは硫酸ナトリウムをいう。”「HOAc」とは酢酸をいう。「NH4Oac」とは酢酸アンモニウムをいう。「Et3N」とはトリエチルアミンをいう。「NH4Cl」とは塩化アンモニウムをいう。「TFA」とはトリフルオロ酢酸をいう。「m-CPBA」とはm-クロロ過安息香酸をいう。「Pd(PPh3)4」とはテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウムをいう。「Pd(PPh3)2Cl2」とはビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムジクロリドをいう。
【0098】
「任意の」または「任意に」とは後記の事項または環境によって可能であるが必ずしも発生するわけではないという意味で、当該記述は当該事項または環境が発生する場合または発生しない場合を含み、置換されたものまたは無置換のものも含む。たとえば、「任意にアルキル基で置換された複素環基」とはアルキル基が存在しうるが必ずしも存在するわけではないという意味で、当該記述は複素環基がアルキル基で置換された場合および複素環基がアルキル基で置換されていない場合を含む。
【0099】
「置換」とは基における1個または複素の水素原子が互いに、独立して相応する数の置換基で置換されることをいう。もちろん、置換基はこれらが化学的に可能な位置にあるだ
けで、当業者は格別な努力を要することなく(実験的にまたは理論的に)置換が可能か不可能か確認することができる。たとえば、遊離水素を有するアミノ基またはヒドロキシ基は不飽和結合を有する炭素原子(たとえばオレフィン)と結合する場合不安定な可能性がある。
【0100】
「立体異性体」の英語名はstereoisomerで、空間内の分子内における原子の配列方式の違いによる異性体を指すもので、シス-トランス異性体と鏡像異性体に分けられ、鏡像異性体と鏡像異性体にも分けられる。単結合の回転による立体異性体は立体配置異性体(conformational stereo-isomer)と言われ、ときには回転異性体(rotamer)とも言われる。結合長、結合角、分子内の二重結合、環などに起因する立体異性体は、立体配置異性体(configuration stereo-isomer)と言われ、立体配置異性体は二種類に分けられる。そのうち、自由に回転できない二重結合または環形成炭素原子の単結合に起因する異性体は幾何異性体(geometric isomer)またはシス-トランス異性体(cis-trans isomer)と言われ、Z、E配置に分けられる。例えば、シス-2-ブチレンとトランス-2-ブチレンはペアとなった幾何異性体であり、分子に反軸対称性がないために旋光特性が異なる立体異性体は光学異性体(optical isomer)と言われ、R、S配置に分けられる。特別に明記しない限り、本発明に記載された「立体異性体」は上記鏡像異性体、立体配置異性体と立体配置異性体の一つから複数であると理解して良い。
【0101】
本発明では、「薬学的に許容される塩」は無機酸性塩および有機酸性塩を含む薬学的に許容される酸付加塩を指し、これらの塩は、当技術分野で知られている方法により調製することができる。
【0102】
「薬物組成物」とは、一つまたは複数の本明細書に記載された化合物あるいはその生理学/薬用可能な塩またはプロドラッグとほかの化学成分の混合物と、ほかの成分、たとえば、生理学/薬用可能な担体および賦形剤とを含有するものを表す。薬物組成物の目的は生物体への投与を促進し、活性成分の吸収に貢献することによって生物活性を発揮させることである。
【0103】
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳しく、全面的に説明するが、本発明を制限するものではなく、本発明は実施例の内容のみに限定されないものでもない。
本発明の化合物の構造は、核磁気共鳴(HNMR)および/または液相質量分析(LC-MS)によって確認された。NMRの化学シフト(?)は百万分の一(ppm)の単位
で表示する。NMRの測定は、Bruker AVANCE-400核磁気共鳴装置が使用され、測定の溶媒は重水素化ジメチルスルホキシド(DMSO-d6)、重水素化メタノール(CD3OD)および重水素化クロロホルム(CDCl3)で、内部標準はテトラメチルシラン(TMS)であった。
【0104】
液相質量分析LC-MSの測定はAgilent 6120質量分析装置を使用した。HPLCの測定はアジレントの1200DAD高圧液相クロマトグラフ (Sunfire C18 150 × 4.6 mmカラム)およびWaters 2695-2996高圧液相クロマトグラフ(Gimini C18 150 × 4.6 mmカラム)を使用した。
【0105】
薄層クロマトグラフィーのシリカゲル板は煙台黄海HSGF254または青島GF254のシリカゲル板が使用され、TLCに使用された規格は0.15 mm~0.20 mmで、薄層クロマトグラフィー法による製品の分離・精製に用いられた規格は0.4 mm~0.5 mmである。カラムクロマトグラフィーは通常煙台黄海シリカゲルの200
~300メッシュのシリカゲルが担体として使用された。
【0106】
本発明の実施例における出発原料は既知の市販品、あるいは本分野で既知の方法によって合成することができるものである。
特別に説明しない限り、本発明のすべての反応はいずれも連続的な磁気撹拌で、乾燥窒素またはアルゴンの雰囲気において行われ、溶媒は乾燥溶媒で、反応温度の単位はセルシウス度(℃)である。
【0107】
一、中間体の製造
中間体1 (R)-1-(3-(ペルフルオロ-λ6-スルファニル)フェニル)エタン-1-アミンの製造
【0108】
【0109】
工程一:(3-(1-エトキシビニル)フェニル)ペルフルオロ-λ6-スルファンの合成
【0110】
【0111】
(3-ブロモフェニル)ペルフルオロ-λ6-スルファン(1.0 g, 3.53 mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(20 mL)に溶かし、トリブチル(1-エトキシビニル)スズ(1.4 g, 3.89 mmol)とビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムジクロリド(248 mg, 0.353 mmol)を加え、80℃まで加温し、18時間撹拌する。反応後、直接に次工程の反応に用いる。
【0112】
工程二:1-(3-(ペルフルオロ-λ6-スルファニル)フェニル)エタン-1-オンの合成
【0113】
【0114】
ジオキサン塩酸塩溶液 (4N, 2 mL)を上記反応液に滴下し、0℃で2時間撹拌する。反応後、反応液を飽和重炭酸ナトリウム溶液でクエンチし、酢酸エチルで2回抽
出し、有機相を合わせ、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮乾固し、カラムクロマトグラフィーにより分離する[溶離剤:酢酸エチル/石油エーテル= 0~10%]。1-(3-(ペルフルオロ-λ6-スルファニル)フェニル)エタン-1-オン (670 mg, 収率77%)を得る。
【0115】
工程三:(R,Z)-2-メチル-N-(1-(3-(ペルフルオロ-λ6-スルファニル)フェニル)エチレン)プロパン-2-スルフェンアミドの合成
【0116】
【0117】
1-(3-(ペルフルオロ-λ6-スルファニル)フェニル)エタン-1-オン (670 mg, 2.72 mmol)、 (R)-(+)-Tert-ブチルスルフィンアミド(396 mg, 3.27 mmol)、チタン酸テトラエチル(3.76 g, 5.44 mmol)をテトラヒドロフラン (10 mL)に溶かし、70℃まで加温し、2時間撹拌する。反応後、反応液を酢酸エチル(150 mL)で希釈し、飽和重曹溶液でクエンチし、濾過し、濾液を食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮乾固し、カラムクロマトグラフィーにより分離する[溶離剤:酢酸エチル/石油エーテル= 0~30%]。(R,Z)-2-メチル-N-(1-(3-(ペルフルオロ-λ6-スルファニル)フェニル)エチレン)プロパン-2-スルフェンアミド (789 mg, 収率83%)を得る。MS m/z (ESI): 350 [M+H]+。
【0118】
工程四:(R)-2-メチル-N-((R)-1-(3-(ペルフルオロ-λ6-スルファニル)フェニル)エチル)プロパン-2-スルフェンアミドの合成
【0119】
【0120】
(R,Z)-2-メチル-N-(1-(3-(ペルフルオロ-λ6-スルファニル)フェニル)エチレン)プロパン-2-スルフェンアミド (400 mg, 1.15 mmol) をテトラヒドロフラン(10 mL,含水量20%)に溶かし、-50oCまで冷却し、水素化ホウ素ナトリウム (130 mg, 3.44 mmol)を加え、保温しながら1時間撹拌し、更に室温で1時間撹拌する。反応後、反応液をジクロロメタンで希釈し、不溶物を濾過した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮乾固し、カラムクロマトグラフィーにより分離する[溶離剤:酢酸エチル/石油エーテル= 0~80%]。(R,Z)-2-メチル-N-((R)-1-(3-(ペルフルオロ-λ6-スルファニル)フェニル)エチル)プロパン-2-スルフェンアミド (300 mg, 収率74%)を得る。MS m/z (ESI): 352 [M+H]+。
【0121】
工程五:(R)-1-(3-(ペルフルオロ-λ6-スルファニル)フェニル)エタン
-1-アミン塩酸塩の合成
【0122】
【0123】
(R,Z)-2-メチル-N-((R)-1-(3-(ペルフルオロ-λ6-スルファニル)フェニル)エチル)プロパン-2-スルフェンアミド(300 mg, 0.85
mmol)をジオキサン塩酸塩溶液 (4N, 5 mL)に溶かし、室温で一晩撹拌する。反応後、反応液を濃縮乾固し、(R)-1-(3-(ペルフルオロ-λ6-スルファニル)フェニル)エタン-1-アミンの塩酸塩 (270 mg)を得て、直接に次工程の反応に用いる。MS m/z (ESI): 248 [M+H]+。
【0124】
中間体2-4の製造は中間体1を参照する
【0125】
【0126】
中間体5 (S)-1-(2-フルオロ-4-(ペルフルオロ-λ6-スルファニル)フェニル)エタン-1-アミンの製造
【0127】
【0128】
工程一:2-フルオロ-N-メトキシ-N-メチル-4-(ペルフルオロ-λ6-スルファニル)ベンズアミドの合成
【0129】
【0130】
2-フルオロ-4-(ペルフルオロ-16-スルファニル)安息香酸(2 g, 7.6 mmol)をN-メチルピロリドン (10 mL)に溶かし、O-(7-アザベンゾトリアゾール-1-YL)-N、N、N、N-テトラメチルアルデヒドヘキサフルオロホスフェート (4.32 g, 11.3 mmol)、メトキシメチルアミン塩酸塩
(1.08 g, 11.3 mmol)とトリエチルアミン (1.53 g, 15.2 mmol)を加え、室温で16時間撹拌する。反応後、水でクエンチし、酢酸エチルで2回抽出し、有機相を合わせ、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮乾固し、カラムクロマトグラフィーにより分離する[溶離剤:石油エーテル~石油エーテル/酢酸エチル (30%)]。2-フルオロ-N-メトキシ-N-メチル-4-(ペルフルオロ-λ6-スルファニル)ベンズアミド (1.8 g, 収率76%)を得る。MS m/z (ESI): 309.8 [M+H]+。
【0131】
工程二:1-(2-フルオロ-4-(ペルフルオロ-λ6-スルファニル)フェニル)エタン-1-オンの合成
【0132】
【0133】
2-フルオロ-N-メトキシ-N-メチル-4-(ペルフルオロ-λ6-スルファニル)ベンズアミド(1.8 g, 5.8 mmol)をテトラヒドロフラン (40 mL)に溶かし、氷浴でメチルマグネシウムブロミド溶液 (12 mL, 12 mmol)を加え、1時間撹拌する。反応後、塩化アンモニウム飽和溶液でクエンチし、酢酸エチルで2回抽出し、有機相を合わせ、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、反応液を濃縮乾固し、カラムクロマトグラフィーにより分離する[溶離剤:石油エーテル~石油エーテル/酢酸エチル (5%)]。1-(2-フルオロ-4-(ペルフルオロ-λ6-スルファニル)フェニル)エタン-1-オン (1.2 g, 収率78%)を得る。
【0134】
工程三:(S,E)-N-(1-(2-フルオロ-4-(ペルフルオロ-λ6-スルファニル)フェニル)エチレン)-2-メチルプロパン-2-スルフェンアミドの合成
【0135】
【0136】
1-(2-フルオロ-4-(ペルフルオロ-λ6-スルファニル)フェニル)エタン-1-オン(700 mg, 2.65 mmol)、 (S)-2-メチルプロパン-2-スルフェンアミド(417 mg, 3.44 mmol)、チタン酸テトラエチル(2 mL)をテトラヒドロフラン (30 mL)に溶かし、50℃まで加温し、5時間撹拌する。反応後、反応液を飽和炭酸ナトリウム溶液でクエンチし、濾過し、酢酸エチルで2回抽出し、有機相を合わせ、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮乾固し、カラムクロマトグラフィーにより分離する[溶離剤:石油エーテル~石油エーテル/酢酸エチル (30%)]。(S,E)-N-(1-(2-フルオロ-4-(ペルフルオロ-λ6-スルファニル)フェニル)エチレン)-2-メチルプロパン-2-スルフェンアミド (700 mg, 収率72%)を得る。MS m/z (ESI): 367 [M+H]+。
【0137】
工程四:(S)-N-((S)-1-(2-フルオロ-4-(ペルフルオロ-λ6-スルファニル)フェニル)エチル)-2-メチルプロパン-2-スルフェンアミドの合成
【0138】
【0139】
(S,E)-N-(1-(2-フルオロ-4-(ペルフルオロ-λ6-スルファニル)フェニル)エチレン)-2-メチルプロパン-2-スルフェンアミド (700 mg,
1.91 mmol)をテトラヒドロフラン (20 mL)に溶かし、-50℃まで冷却し、水素化ホウ素ナトリウム (195 mg, 5.73 mmol)を加え、保温しながら30分撹拌する。反応後、反応液を飽和食塩水でクエンチし、酢酸エチルで2回抽出し、有機相を合わせ、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮乾固し、カラムクロマトグラフィーにより分離する[溶離剤:石油エーテル~石油エーテル/酢酸エチル (60%)]。(S)-N-((S)-1-(2-フルオロ-4-(ペルフルオロ-λ6-スルファニル)フェニル)エチル)-2-メチルプロパン-2-スルフェンアミド (700 mg, 収率99%)を得る。MS m/z (ESI): 370 [M+H]+。
【0140】
工程五:(S)-1-(2-フルオロ-4-(ペルフルオロ-λ6-スルファニル)フェニル)エタン-1-アミンの合成
【0141】
【0142】
(S)-N-((S)-1-(2-フルオロ-4-(ペルフルオロ-λ6-スルファニル)フェニル)エチル)-2-メチルプロパン-2-スルフェンアミド(700 mg,
1.89 mmol)をジオキサン塩酸塩溶液 (2N, 30 mL)に溶かし、室温で4時間撹拌する。反応後、反応液を濃縮乾固し、(S)-1-(2-フルオロ-4-(ペルフルオロ-λ6-スルファニル)フェニル)エタン-1-アミン (600 mg, 収率95%)を得る。MS m/z (ESI): 266 [M+H]+。
【0143】
中間体6 (R)-1-(2-フルオロ-4-(ペルフルオロ-λ6-スルファニル)フェニル)エタン-1-アミンの製造
【0144】
【0145】
工程一:(R,E)-N-(1-(2-フルオロ-4-(ペルフルオロ-λ6-スルファニル)フェニル)エチレン)-2-メチルプロパン-2-スルフェンアミドの合成
【0146】
【0147】
1-(2-フルオロ-4-(ペルフルオロ-λ6-スルファニル)フェニル)エタン-1-オン(500 mg, 1.89 mmol)、 (R)-2-メチルプロパン-2-スルフェンアミド(291 mg, 2.46 mmol)、チタン酸テトラエチル(2 mL)をテトラヒドロフラン (30 mL)に溶かし、50℃まで加温し、5時間撹拌する。反応後、反応液を飽和炭酸ナトリウム溶液でクエンチし、濾過し、酢酸エチルで2回抽出し、有機相を合わせ、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮乾固し、カラムクロマトグラフィーにより分離する[溶離剤:石油エーテル~石油エーテル/酢酸エチル (30%)]。(R,E)-N-(1-(2-フルオロ-4-(ペルフルオロ-λ6-スルファニル)フェニル)エチレン)-2-メチルプロパン-2-スルフェンアミド (450 mg, 収率65%)を得る。MS m/z (ESI): 368 [M+H]+。
【0148】
工程二:(R)-N-((R)-1-(2-フルオロ-4-(ペルフルオロ-λ6-スルファニル)フェニル)エチル)-2-メチルプロパン-2-スルフェンアミドの合成
【0149】
【0150】
(R,E)-N-(1-(2-フルオロ-4-(ペルフルオロ-λ6-スルファニル)フェニル)エチレン)-2-メチルプロパン-2-スルフェンアミド (450 mg,
1.22 mmol)をテトラヒドロフラン (20 mL)に溶かし、-50℃まで冷却し、水素化ホウ素ナトリウム (125 mg, 3.67 mmol)を加え、保温しながら30分撹拌する。反応後、反応液を飽和食塩水でクエンチし、酢酸エチルで2回抽出し、有機相を合わせ、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮乾固し、カラムクロマトグラフィーにより分離する[溶離剤:石油エーテル~石油エーテル/酢酸エチル (60%)]。(R)-N-((R)-1-(2-フルオロ-4-(ペルフルオロ-λ6-スルファニル)フェニル)エチル)-2-メチルプロパン-2-スルフェンアミド (380 mg, 収率84%)を得る。MS m/z (ESI): 370 [M+H]+。
【0151】
工程三:(R)-1-(2-フルオロ-4-(ペルフルオロ-λ6-スルファニル)フェニル)エタン-1-アミンの合成
【0152】
【0153】
(R)-N-((R)-1-(2-フルオロ-4-(ペルフルオロ-λ6-スルファニル)フェニル)エチル)-2-メチルプロパン-2-スルフェンアミド(380 mg,
1.03 mmol)をジオキサン塩酸塩溶液 (2N, 30 mL)に溶かし、室温で4時間撹拌する。反応後、反応液を濃縮乾固し、(R)-1-(2-フルオロ-4-(ペルフルオロ-λ6-スルファニル)フェニル)エタン-1-アミン (300 mg, 収率96%)を得る。MS m/z (ESI): 266 [M+H]+。
【0154】
中間体7 (2-(ペルフルオロ-λ6-スルファニル)フェニル)メチルアミン塩酸塩の製造
【0155】
【0156】
工程一:(2-(ペルフルオロ-λ6-スルファニル)フェニル)ヒドラジン塩酸塩の合成
【0157】
【0158】
ペルフルオロ(2-フルオロフェニル)-λ6-スルファン(3.0 g,13.5 mmol)をジメチルスルホキシド(15 mL)に溶かし、ヒドラジン水和物(30 mL)を加え、チューブを密封し、100℃で20時間反応させる。反応液を室温まで冷却し、1N水酸化ナトリウム水溶液(150 mL)と飽和水(150 mL)を加え、メチルtert-ブチルエーテルで抽出し(2 * 100 mL)、飽和食塩水(3 * 100 mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過する。濾液にジオキサン塩酸塩溶液(4 N,5 mL,20 mmol)を加え、室温で20分撹拌し、濃縮乾固し、(2-(ペルフルオロ-λ6-スルファニル)フェニル)ヒドラジン塩酸塩(3.5 g,収率96%)を得る。MS m/z (ESI): 235 [M+H]+。
【0159】
工程二:2-(ペルフルオロ-λ6-スルファニル)アニリン塩酸塩の合成
【0160】
【0161】
(2-(ペルフルオロ-λ6-スルファニル)フェニル)ヒドラジン塩酸塩をメタノール(50 mL)に溶かし、ラネーニッケルを加え、反応液を水素ガス雰囲気で室温で一晩撹拌する。濾過し、メタノール(20 mL)で濾過ケーキを洗浄し、濾液にジオキサン塩酸塩溶液(4 N,5 mL,20 mmol)を加え、室温で20分撹拌し、濃縮乾固し、2-(ペルフルオロ-λ6-スルファニル)アニリン塩酸塩(3.7 g粗品)を得て、直接に次工程の反応に用いる。MS m/z (ESI): 220 [M+H]+。
【0162】
工程三:ペルフルオロ(2-ヨードフェニル)-λ6-スルファンの合成
【0163】
【0164】
2-(ペルフルオロ-λ6-スルファニル)アニリン塩酸塩(3.7 g粗品)をテトラフルオロボレート溶液(30 mL)に溶かし、完全に溶解するまで加温する。反応液を0℃まで冷却し(氷浴)、氷浴冷却で撹拌しながら亜硝酸ナトリウム溶液(2.0 g,29 mmol,10 mL水)を滴下し、滴下後に更に冰浴で30分撹拌する。ゆっくりヨウ化カリウム溶液(7.2 g,43.4 mmol,15 mL水)を加え、滴下後に氷浴を撤去し、室温で撹拌しながら30分反応させる。反応液を酢酸エチル(2 * 100 mL)で抽出し、飽和重炭酸ナトリウム溶液とチオ硫酸ナトリウム溶液(2
*100 mL)で洗浄する。有機相で濃縮し、残留物をカラムクロマトグラフィーにより分離する[溶離剤:石油エーテル/酢酸エチル= 0~5%]。ペルフルオロ(2-ヨードフェニル)-λ6-スルファン(3.3 g,二ステップの収率77%)を得る。
【0165】
1H NMR (400 MHz, Chloroform-d) δ 8.15 (d, J = 7.9 Hz, 1H), 7.81 (dd, J = 8.4, 1.5 Hz, 1H), 7.45 (t, J = 8.0 Hz, 1H), 7.13 (t, J = 7.6 Hz, 1H)。
【0166】
工程四:2-(ペルフルオロ-λ6-スルファニル)ベンゾニトリルの合成
【0167】
【0168】
ペルフルオロ(2-ヨードフェニル)-λ6-スルファン(1.85 g,5.6 mmol)とシアン化銅(2.0 g,22.4 mmol)のN-メチルピロリドン混合液(12 mL)をマイクロ波100 ℃で2.5時間反応させる。反応液に酢酸エチル(100mL)、濃アンモニア(15mL)、水(100mL)を加え、室温で10分間撹拌し、分離する。有機層は飽和食塩水(100 mL)で洗浄し、濃縮し、残留物ををカラムクロマトグラフィーにより分離する[溶離剤:石油エーテル/酢酸エチル= 0~10%]。2-(ペルフルオロ-λ6-スルファニル)ベンゾニトリル(0.94 g,収率73%)を得る。
【0169】
1H NMR (400 MHz, Chloroform-d) δ 7.95 (d, J=8.3 Hz, 1H), 7.86 (d, J=7.6 Hz, 1H), 7.74 (t, J=8.0 Hz, 1H), 7.66 (t, J=7.6
Hz, 1H)。
【0170】
工程五:(2-(ペルフルオロ-λ6-スルファニル)フェニル)メチルアミン塩酸塩の合成
【0171】
【0172】
2-(ペルフルオロ-λ6-スルファニル)ベンゾニトリル(1.88 g,8.2 mmol)をテトラヒドロフラン(5 mL)に溶かし、ボランテトラヒドロフラン錯体溶液(1 N,50 mL,50 mmol)を加え、反応液を20時間還流反応させ、ボランテトラヒドロフラン錯体溶液(1 N,50 mL,50 mmol)を追加で加え、更に20時間還流反応させる。反応液を室温まで冷却し、メタノール(30mL)およびジオキサン塩酸塩溶液(4N、4mL、16mmol)をゆっくりと加え、添加完了後、更に1時間還流反応させ、濃縮、回転蒸発する。残留物にn-ペンタン(50 mL)を加え、室温で30分撹拌し、吸引ろ過し、濾過ケーキをn-ペンタン(20 mL)で洗浄し、乾燥して(2-(ペルフルオロ-λ6-スルファニル)フェニル)メチルアミン塩酸塩(2.22g)を得て、直接に次工程の反応に用いる。MS m/z (ESI): 234 [M+H]+。
【0173】
中間体8 (R)-5-フルオロ-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-アミンの製造
【0174】
【0175】
工程一:(R)-N-((R)-5-フルオロ-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-2-メチルプロパン-2-スルフェンアミドの合成
【0176】
【0177】
5-フルオロ-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-オン(5.0 g, 33.3 mmol)を無水テトラヒドロフラン(100 mL)に溶かし、(R)-2-メチルプロパン-2-スルフェンアミド(8.07 g, 66.6 mmol)とチタン酸テトライソプロピル(37.86 g, 133.2 mmol)を加え、反応液を塩素ガス雰囲気で24h加熱還流する。反応後に0℃まで冷却し、バッチごとに水素化ホウ素ナトリウム(5.04 g, 133.2 mmol)を加え、0℃で3時間反応させ、中間体が完全に反応した後に飽和食塩水を滴下し、反応をクエンチする。反応系を濾過し
た後、濾液を濃縮し、粗品はシリカゲル・カラムクロマトグラフィーにより分離する[溶離剤:石油エーテル/酢酸エチル=70/30]。(R)-N-((R)-5-フルオロ-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-2-メチルプロパン-2-スルフェンアミド(2.4 g,収率:28%)を得る。MS m/z (ESI): 256 [M+H]+。
【0178】
工程二:(R)-5-フルオロ-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-アミンの合成
【0179】
【0180】
(R)-N-((R)-5-フルオロ-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-2-メチルプロパン-2-スルフェンアミド(2.4 g, 9.40 mmol)をメタノール(10 mL)に溶かし、撹拌しながら塩酸メタノール溶液(4 M, 10 mL)を加え、室温で更に1時間撹拌する。反応系を濃縮後、水(10mL)と酢酸エチル(10mL)を加え、水相を分離し、凍結乾燥して、(R)-5-フルオロ-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-アミン塩酸塩(1.6 g, 収率:91%)を得る。MS m/z (ESI): 135 [M+H-NH3]+。
【0181】
中間体9-12の製造は中間体8の製造を参照する
【0182】
【0183】
中間体13 (S)-5-フルオロ-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-アミン
の製造
【0184】
【0185】
工程一:(S)-N-((S)-5-フルオロ-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-2-メチルプロパン-2-スルフェンアミドの合成
【0186】
【0187】
5-フルオロ-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-オン(5.0 g, 33.3 mmol)を無水テトラヒドロフラン(100 mL)に溶かし、(S)-2-メチルプロパン-2-スルフェンアミド(8.07 g, 66.6 mmol)とチタン酸テトライソプロピル(37.86 g, 133.2 mmol)を加え、反応液を塩素ガス雰囲気で24h加熱還流する。反応後に0℃まで冷却し、バッチごとに水素化ホウ素ナトリウム(5.04 g, 133.2 mmol)を加え、0℃で3時間反応させ、中間体が完全に反応した後に飽和食塩水を滴下し、反応をクエンチする。反応系を濾過した後、濾液を濃縮し、粗品はシリカゲル・カラムクロマトグラフィーにより分離する[溶離剤:石油エーテル/酢酸エチル(70/30)]。(S)-N-((S)-5-フルオロ-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-2-メチルプロパン-2-スルフェンアミド(2.4 g,収率:28%)を得る。MS m/z (ESI): 256
[M+H]+。
【0188】
工程二:(S)-5-フルオロ-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-アミンの合成
【0189】
【0190】
(S)-N-((S)-5-フルオロ-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)-2-メチルプロパン-2-スルフェンアミド(2.4 g, 9.40 mmol)をメタノール(10 mL)に溶かし、撹拌しながら塩酸メタノール溶液(4 M, 10 mL)を加え、室温で更に1時間撹拌する。反応系を濃縮後、水(10mL)と酢酸
エチル(10mL)を加え、水相を分離し、凍結乾燥して、(S)-5-フルオロ-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-アミン塩酸塩(1.5 g, 収率:85%)を得る。MS m/z (ESI): 135 [M+H-NH3]+。
【0191】
中間体14-17の製造は中間体13を参照する
【0192】
【0193】
中間体18 (R)-N-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-アミンの製造
【0194】
【0195】
工程一:(R)-N-Boc-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-アミンの合成
【0196】
【0197】
(R)- 2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-アミン塩酸塩(1.0 g, 5.89 mmol)をテトラヒドロフラン(15 mL)に溶かし、トリエチルアミン(
1.79 g, 17.68 mmol)とBoc酸無水物(1.42 g, 6.48
mmol)を加え、室温で一晩撹拌する。反応後に直接に反応系を濃縮し、粗品はカラムクロマトグラフィーにより分離する[溶離剤:酢酸エチル/石油エーテル(5/95)]。(R)-N-Boc-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-アミン(1.38 g,収率100%)を得る。
【0198】
工程二:Tert-ブチル (R)-(2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)(メチル)カルバメートの合成
【0199】
【0200】
(R)-N-Boc-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-アミン(1.38 g, 5.89 mmol)を無水N,N-ジメチルホルムアミド(8 mL)に溶かし、0 ℃で加入水素化ナトリウム(60%, 355 mg, 8.87 mmol)を加え、0℃で30分撹拌した後、ヨードメタン(2.52 g, 17.74 mmol)を加え、反応で室温まで昇温した後、更に3時間撹拌する。反応は水(50 mL)でクエンチシタン問、酢酸エチル(50 mL*3)で抽出する。有機相を合わせた後水で洗浄し、乾燥、濃縮後、粗品はカラムクロマトグラフィーにより分離する[溶離剤:酢酸エチル/石油エーテル(10/90)]。Tert-ブチル (R)-(2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)(メチル)カルバメート(1.3 g,収率89%)を得る。
【0201】
工程三:(R)-N-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-アミンの合成
【0202】
【0203】
Tert-ブチル (R)-(2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)(メチル)カルバメート(1.3 g, 5.26 mmol)をアセトニトリル(10 mL)に溶かし、濃塩酸(5 mL)を加え、室温で3時間撹拌した後、減圧で大半のアセトニトリルを除去し、水相を凍結乾燥して、(R)-N-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-アミン(950 mg,収率98%)を得る。MS m/z (ESI): 148 [M+H]+。
【0204】
中間体19の製造は中間体18を参照する
【0205】
【0206】
中間体20 7-((3aR,4R,6aS)-4-(tert-ブトキシメチル)-2,2-ジメチル-3a,6a-ジヒドロ-4H-シクロペンタ[d][1,3]ジオキサゾール-6-イル)-2,4-ジクロロピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジンの製造
【0207】
【0208】
工程一:(3aR,6R,6aR)-6-(tert-ブトキシメチル)-2,2-ジメチルテトラヒドロ-4H-シクロペンタ[d][1,3]ジオキサゾール-4-オンの合成
【0209】
【0210】
窒素保護下でs-ブチル基リチウム(74.6 mL, 97 mmol)を-70℃でカリウム tert-ブトキシド (10.9 g, 97 mmol) のメチルtert-ブチルエーテル溶液(400 mL)に滴下する。-70℃で3時間撹拌した後、臭化リチウム (16.82 g, 190 mmol) のテトラヒドロフラン溶液(100 mL)を加える。反応液温度を-15℃まで上げ、30分撹拌する。更に反応液温度を-70℃まで下げ、臭化銅ジメチルスルフィド錯体 (9.98 g, 48 mmol) の硫化ジイソプロピル溶液(70 mL)を加え、10分撹拌した後、(3aR,6aR)-2,2-ジメチル-3a,6a-ジヒドロ-4H-シクロペンタ[d][1,3]ジオキサゾール-4-オン(5 g, 32 mmol)のテトラヒドロフラン溶液(50 mL)を加え、反応液温度を-30oCまで上げ、30分撹拌する。反応後、メタノールと酢酸(1:1)混合溶液(50mL)でクエンチし、塩化アンモニウムと3%アンモニア水(1:1)混合溶液を加え、水層を除去し、有機層を塩化アンモニウ
ム飽和溶液と3%アンモニア水(1:1)混合溶液及び食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮後にカラムクロマトグラフィーにより分離する[溶離剤:石油エーテル~石油エーテル/酢酸エチル (15%)]。(3aR,6R,6aR)-6-(tert-ブトキシメチル)-2,2-ジメチルテトラヒドロ-4H-シクロペンタ[d][1,3]ジオキサゾール-4-オン (6.8 g, 収率85%)を得る。
工程二:(3aR,6R,6aR)-6-(tert-ブトキシメチル)-4-(2,4-ジクロロピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-7-イル)-2,2-ジメチルテトラヒドロ-4H-シクロペンタ[d][1,3]ジオキサゾール-4-オールの合成
【0211】
【0212】
窒素保護下でs-ブチル基リチウム(22.8 mL, 56.9 mmol)を-70oCで2,4-ジクロロ-7-ヨードピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン
(13.7 g, 43.8 mmol) のテトラヒドロフラン溶液(300mL)に滴下する。-70℃で2時間撹拌した後、(3aR,6R,6aR)-6-(tert-ブトキシメチル)-2,2-ジメチルテトラヒドロ-4H-シクロペンタ[d][1,3]ジオキサゾール-4-オン(10.6 g, 43.8 mmol) のテトラヒドロフラン溶液(40 mL)を加え、更に-70℃で1時間撹拌する。反応後、塩化アンモニウム飽和溶液でクエンチし、酢酸エチルで抽出し、有機層を濃縮した後、カラムクロマトグラフィーにより分離する[溶離剤:石油エーテル~石油エーテル/酢酸エチル (15%)]。 (3aR,6R,6aR)-6-(tert-ブトキシメチル)-4-(2,4-ジクロロピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-7-イル)-2,2-ジメチルテトラヒドロ-4H-シクロペンタ[d][1,3]ジオキサゾール-4-オール (12 g, 収率64%)を得る。MS m/z (ESI): 430 [M+H]+。
【0213】
工程三:7-((3aR,4R,6aS)-4-(tert-ブトキシメチル)-2,2-ジメチル-3a,6a-ジヒドロ-4H-シクロペンタ[d][1,3]ジオキサゾール-6-イル)-2,4-ジクロロピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジンの合成
【0214】
【0215】
バージェス試薬 (14.3 g, 56 mmol) を(3aR,6R,6aR)-6-(tert-ブトキシメチル)-4-(2,4-ジクロロピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-7-イル)-2,2-ジメチルテトラヒドロ-4H-シクロペンタ[d][1,3]ジオキサゾール-4-オール (12 g, 28 mmol)のテトラヒドロフラン溶液 (200 mL)に加え、50oCまで加温し、4時間撹拌する。反応後、濃縮乾固し、カラムクロマトグラフィーにより分離する[石油エーテル~石油エーテル/酢酸エチル(15%)]。7-((3aR,4R,6aS)-4-(tert-ブトキシメチル)-2,2-ジメチル-3a,6a-ジヒドロ-4H-シクロペンタ[d][1,3]ジオキサゾール-6-イル)-2,4-ジクロロピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン (7 g, 収率61%)を得る。MS m/z (ESI): 412 [M+H]+。
【0216】
中間体21 (2R,3R,4R,5R)-2-(アセトキシメチル)-5-(4,6-ジクロロ-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-1-イル)テトラヒドロフラン-3,4-ジイルジアセテートの製造
【0217】
【0218】
工程一:エチル 5-アミノ-1-(4-メトキシベンジル)-1H-ピラゾール-4-カルボン酸エチルの合成
【0219】
【0220】
(4-メトキシベンジル)ヒドラジン塩酸塩(100.0 g,0.53 mol)を無水エタノール (1.6 L)に溶かし、トリエチルアミン (81.0 g,0.80 mol)を加える。反応液を室温で30分撹拌し、(エトキシメチレン)シアノ酢酸エチル(98.0 g,0.58 mol)を加える。反応混合物を一晩還流撹拌し、濃縮でエタノールを除去する。固体残留物に水(500mL)を加え、酢酸エチル(2*500 mL)で抽出し、有機相を合わせ、飽和食塩水(300 mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、吸引濾過し、濾液を濃縮して、エチル 5-アミノ-1-(4-メトキシベンジル)-1H-ピラゾール-4-カルボン酸エチル (135.0 g,収率92%)を得る。MS m/z (ESI): 276 [M+H]+。
【0221】
工程二:エチル 1-(4-メトキシベンジル)-4,6-オキソ-4,5,6,7-
テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-5-カルボン酸エチルの合成
【0222】
【0223】
ナトリウムエトキシド(84.0 g, 1.24 mmol)をエタノール(600
mL)に溶かし、0℃まで冷却する(氷浴)。マロン酸ジエチル(198 g,1.24 mol)を加え、氷浴を撤去し、室温で20分撹拌する。エチル 5-アミノ-1-(4-メトキシベンジル)-1H-ピラゾール-4-カルボン酸エチル(85 g,0.31 mol)を加え、反応混合液を4日還流撹拌する。減圧濃縮でエタノールを除去し、残留物に水(1.5 L)を加え、酢酸でpH ~5まで中和し、白色固体を吸引濾過し、水(500 mL)で洗浄し、真空干燥でエチル 1-(4-メトキシベンジル)-4,6-オキソ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-5-カルボン酸エチル(100.8 g,収率95%)を得る。MS m/z (ESI): 344 [M+H]+。
【0224】
工程三:1-(4-メトキシベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-4,6-ジオールの合成
【0225】
【0226】
エチル 1-(4-メトキシベンジル)-4,6-オキソ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-5-カルボン酸エチル(100.8 g, 0.29 mol)を25% NaOH 水溶液(700 mL)に溶かし、15時間還流反応させる。反応液を0℃まで冷却し、水(1L)で希釈し、酢酸でpH ~5までゆっくり中和し、白色固体を吸引濾過し、水(1L)で洗浄し、濾過ケーキの真空干燥で1-(4-メトキシベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-4,6-ジオール(78.0 g,収率98%)を得る。MS m/z (ESI): 272 [M+H]+。
【0227】
工程四:4,6-ジクロロ-1-(4-メトキシベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジンの合成
【0228】
【0229】
1-(4-メトキシベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-4,6-ジオール(30.0 g, 110 mmol)とフェニルホスホニルジクロリド(62.7 mL,442 mmol)を170℃で7時間撹拌し、反応させる。反応液を室温まで冷却し、ジクロロメタン(200 mL)で希釈し、混合液を激しく撹拌中の氷水混合液にゆっくり注ぎ、濃アンモニア水でpH ~7まで中和し、ジクロロメタン(2*300 mL)で抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濾液を濃縮する。残留物をカラムクロマトグラフィーにより分離する[石油エーテル/酢酸エチル = 0~8%]。4,6-ジクロロ-1-(4-メトキシベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン(18.3 g,収率 53%)を得る。MS m/z (ESI): 308/310 [M+H]+。
【0230】
工程五:4,6-ジクロロ-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジンの合成
【0231】
【0232】
4,6-ジクロロ-1-(4-メトキシベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン(28.0 g, 90.9 mmol)をリフルオロ酢酸(84 mL)に溶かし、60℃で撹拌し、17時間反応させる。反応濃縮し、残留物を酢酸エチル(500 mL)で希釈し、飽和重炭酸ナトリウム溶液(200 mL)で洗浄し、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、吸引濾過する。濾液を濃縮し、残留物をカラムクロマトグラフィーにより分離する[溶離剤:石油エーテル/酢酸エチル = 0~8%]。4,6-ジクロロ-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン(15.3 g,収率90%)を得る。MS m/z (ESI): 188/190 [M+H]+。
【0233】
工程六: (2R,3R,4R,5R)-2-(アセトキシメチル)-5-(4,6-ジクロロ-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-1-イル)テトラヒドロフラン-3,4-ジイルジアセテートの合成
【0234】
【0235】
4,6-ジクロロ-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン(3.0 g,16.0 mmol)をヘキサメチルジシラザン(30 mL)に溶かし、硫酸アンモニウム(421 mg,3.2 mmol)を加え、150℃で3.5時間撹拌し、反応させる。減圧と回転蒸発でヘキサメチルジシラザンを除去する。残留物をアセトニトリル(60 mL)に溶かし、(2S,3R,4R,5R)-5-(アセトキシメチル)テトラヒドロフラン-2,3,4-トリイルトリアセテート(5.59 g,17.6 mmol)を加える。反応液を0℃(氷浴)まで冷却し、トリメチルシリコーントリフルオロメタンスルホネート(4.33 mL,24.0 mmol)を加え、滴下後に室温までゆっくり昇温し、一晩撹拌する。反応液を減圧濃縮し、残留物に酢酸エチル(150 mL)を加え、飽和重炭酸ナトリウム溶液(150 mL)で洗浄し、分離する。水相は酢酸エチル(2*100 mL)で抽出する。有機相を合わせて、無水硫酸ナトリウムで干燥し、吸引濾過する。濾液を濃縮し、残留物をカラムクロマトグラフィーにより分離する[溶離剤:石油エーテル/酢酸エチル = 0~15%]。(2R,3R,4R,5R)-2-(アセトキシメチル)-5-(4,6-ジクロロ-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-1-イル)テトラヒドロフラン-3,4-ジイルジアセテート(4.98 g,収率70%)を得る。MS m/z (ESI): 446/448 [M+H]+。
【0236】
中間体22 (2R,3R,4R,5R)-2-(アセトキシメチル)-5-(4,6-ジクロロ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-1-イル)テトラヒドロフラン-3,4-ジイルジアセテートの製造
【0237】
【0238】
工程一: (2R,3R,4R,5R)-2-(アセトキシメチル)-5-(4,6-ジクロロ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-1-イル)テトラヒドロフラン-3,4-ジイルジアセテートの合成
【0239】
【0240】
4,6-ジクロロ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン (2.5 g, 13.2 mmol)をヘキサメチルジシラザン (15 mL)に溶かし、触媒量の硫酸アンモニウム (20 mg, 0.15 mmol)を加え、還流(135℃)まで加温し、3時間継続する。そして、反応液を遠心脱水し、さらにアセトニトリル(30 mL)おおび(2S,3R,4R,5R)-5-(アセトキシメチル)テトラヒドロフラン-2,3,4-トリイルトリアセテート(5.06 g,15.9 mmol)を加え、0℃まで冷却し、トリメチルシリコーントリフルオロメタンスルホネート(2.7 mL)を加えてから、室温まで昇温し、24時間撹拌する。反応後、飽和食塩水でクエンチし、酢酸エチルで2回抽出し、有機相を合わせ、飽和食塩水で洗浄し、无水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮後にカラムクロマトグラフィーにより、 (2R,3R,4R,5R)-2-(アセトキシメチル)-5-(4,6-ジクロロ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-1-イル)テトラヒドロフラン-3,4-ジイルジアセテート(5.0 g, 84%)を得る。MS m/z (ESI): 447 [M+H]+。
【0241】
二、具体的な実施例の化合物の製造
実施例1 (((((2R,3S,4R,5R)-5-(6-クロロ-4-(((R)-1-(4-(ペルフルオロ-λ6-スルファニル)フェニル)エチル)アミノ)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-1-イル)-3,4-ジヒドロキシテトラヒドロフラン-2-イル)メトキシ)(ヒドロキシ)リン)メチル)ホスホン酸の製造
【0242】
【0243】
工程一:(2R,3R,4R,5R)-2-(アセトキシメチル)-5-(6-クロロ-4-(((R)-1-(4-(ペルフルオロ-λ6-スルファニル)フェニル)エチル)アミノ)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-1-イル)テトラヒドロフラン-3,4-ジイルジアセテートの合成
【0244】
【0245】
(2R,3R,4R,5R)-2-(アセトキシメチル)-5-(4,6-ジクロロ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-1-イル)テトラヒドロフラン-3,4-ジイルジアセテート (200 mg, 0.55 mmol)と(R)-1-(4-(ペルフルオロ-λ6-スルファニル)フェニル)エタン-1-アミン (140 mg, 0.46 mmol)をテトラヒドロフラン (5 mL) に溶かし、N,N-ジイソプロピルエチルアミン (217 mg, 1.68 mmol)を加え、60℃まで加温し、2時間撹拌する。反応後に、濃縮乾固し、((2R,3R,4R,5R)-2-(アセトキシメチル)-5-(6-クロロ-4-(((R)-1-(4-(ペルフルオロ-λ6-スルファニル)フェニル)エチル)アミノ)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-1-イル)テトラヒドロフラン-3,4-ジイルジアセテートを得て、直接に次工程の反応に用いる。MS m/z (ESI): 658 [M+H]+。
【0246】
工程二:(2R,3R,4S,5R)-2-(6-クロロ-4-(((R)-1-(4-(ペルフルオロ-λ6-スルファニル)フェニル)エチル)アミノ)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-1-イル)-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-3,4-ジオールの合成
【0247】
【0248】
((2R,3R,4R,5R)-2-(アセトキシメチル)-5-(6-クロロ-4-(((R)-1-(4-(ペルフルオロ-λ6-スルファニル)フェニル)エチル)アミノ)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-1-イル)テトラヒドロフラン-3,4-ジイルジアセテート(0.30 g, 0.45 mmol)をメタノール(5 mL)に溶かし、過量のナトリウムメトキシド固体を加え、室温で3時間反応させてから、千分の一のギ酸水溶液(200 mL)を加えて反応をクエンチし、凍結乾燥後に、逆相カラムクロマトグラフィーにより分離する[C18カラム,溶離剤:水~水/アセトニトリル (0~100)]。(2R,3R,4S,5R)-2-(6-クロロ-4-(((R)-1-(4-(ペルフルオロ-λ6-スルファニル)フェニル)エチル)アミノ)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-1-イル)-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-3,4-ジオール(120 mg, 収率49%)を得る。MS m/z (ESI): 532 [M+H]+。
【0249】
工程三:(((((2R,3S,4R,5R)-5-(6-クロロ-4-(((R)-1-(4-(ペルフルオロ-λ6-スルファニル)フェニル)エチル)アミノ)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-1-イル)-3,4-ジヒドロキシテトラヒドロフラン-2-イル)メトキシ)(ヒドロキシ)リン)メチル)ホスホン酸の合成
【0250】
【0251】
(2R,3R,4S,5R)-2-(6-クロロ-4-(((R)-1-(4-(ペルフルオロ-λ6-スルファニル)フェニル)エチル)アミノ)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-1-イル)-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-3,4-ジオール(60 mg, 0.12 mmol)をリン酸トリメチル(2.5 mL)に溶かし、0℃でメチレンビス(ホスホン酸ジクロリド)(112 mg, 0.48 mmol)のリン酸トリメチル(0.5mL)溶液を滴下した後、保温で3時間反応させ、少量の氷塊で反応をクエンチし、逆相カラムクロマトグラフィーで分離する[C18カラム,溶離剤:水~水/アセトニトリル (5:1)]。(((((2R,3S,4R,5R)-5-(6-クロロ-4-(((R)-1-(4-(ペルフルオロ-λ6-スルファニル)フェニル)エチル)アミノ)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-1-イル)-3,4-ジヒドロキシテトラヒドロフラン-2-イル)メトキシ)(ヒドロキシ)リン)メチル)ホスホン酸(30 mg, 収率18%)を得る。MS m/z (ESI): 690 [M+H]+。
【0252】
1H NMR (400 MHz, D2O) δ 8.14 (s, 1H), 7.81-7.60 (m, 2H), 7.57-7.35 (m, 2H), 6.21-5.88 (m, 1H), 5.44-5.16 (m, 1H), 4.99-4.76 (m, 1H), 4.54-4.40 (m, 1H), 4.26-4.11 (m, 1H), 4.02-3.83 (m, 2H), 2.13 (t, J
= 20.1 Hz, 2H), 1.73-1.30 (m, 3H).
実施例 2-4化合物は実施例1の合成方法の製造を参照する。
【0253】
【0254】
上記製造で得た実施例化合物の核磁気共鳴データは下記の通り。
【0255】
【0256】
実施例5 (((((2R,3S,4R,5R)-5-(6-クロロ-4-(((S)-1-(2-フルオロ-4-(ペルフルオロ-λ6-スルファニル)フェニル)エチル)アミノ)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-1-イル)-3,4-ジヒドロキシテトラヒドロフラン-2-イル)メトキシ)(ヒドロキシ)リン)メチル)ホスホン酸の製造
【0257】
【0258】
工程一:(2R,3R,4R,5R)-2-(アセトキシメチル)-5-(6-クロロ-4-(((S)-1-(2-フルオロ-4-(ペルフルオロ-λ6-スルファニル)フェニル)エチル)アミノ)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-1-イル)テトラヒドロフラン-3,4-ジイルジアセテートの合成
【0259】
【0260】
(2R,3R,4R,5R)-2-(アセトキシメチル)-5-(4,6-ジクロロ-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-1-イル)テトラヒドロフラン-3,4-ジイルジアセテート (730 mg, 1.65 mmol)と (S)-1-(2-フルオロ-4-(ペルフルオロ-λ6-スルファニル)フェニル)エタン-1-アミン (600 mg, 1.98 mmol) をN-メチルピロリドン (15 mL) に溶かし、N,N-ジイソプロピルエチルアミン (608 mg, 4.95 mmol)を加え、90℃まで加温し、40時間撹拌する。反応後、水で希釈し、酢酸エチルで抽出し、有機相を合わせて濃縮した後、カラムクロマトグラフィーにより分離する[溶離剤:石油エーテル~石油エーテル/酢酸エチル (40%)]。(2R,3R,4R,5R)-2-(アセトキシメチル)-5-(6-クロロ-4-(((S)-1-(2-フルオロ-4-(ペルフルオロ-λ6-スルファニル)フェニル)エチル)アミノ)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-1-イル)テトラヒドロフラン-3,4-ジイルジアセテート (360 mg, 収率32%)を得る。MS m/z (ESI): 675 [M+H]+。
【0261】
工程二:(2R,3R,4S,5R)-2-(6-クロロ-4-(((S)-1-(2-フルオロ-4-(ペルフルオロ-λ6-スルファニル)フェニル)エチル)アミノ)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-1-イル)-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-3,4-ジオールの合成
【0262】
【0263】
(2R,3R,4R,5R)-2-(アセトキシメチル)-5-(6-クロロ-4-(((S)-1-(2-フルオロ-4-(ペルフルオロ-λ6-スルファニル)フェニル)エチル)アミノ)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-1-イル)テトラヒドロフラン-3,4-ジイルジアセテート(0.32 g, 0.48 mmol)をメタノール(20 mL)に溶かし、炭酸カリウムド(0.19 g, 1.44 mmol)を加え、室温で1時間反応させてから、千分の一のギ酸水溶液(200 mL)を加えて反応をクエンチし、凍結乾燥後に、逆相カラムクロマトグラフィーにより分離する[C18カラム,溶離剤:水~水/アセトニトリル (0~100)]。(2R,3R,4S,5R)-2-(6-クロロ-4-(((S)-1-(2-フルオロ-4-(ペルフルオロ-λ6-スルファニル)フェニル)エチル)アミノ)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-1-イル)-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-3,4-ジオール(240 mg, 収率91%)を得る。MS m/z (ESI): 549 [M+H
]+。
【0264】
工程三:(((((2R,3S,4R,5R)-5-(6-クロロ-4-(((S)-1-(2-フルオロ-4-(ペルフルオロ-λ6-スルファニル)フェニル)エチル)アミノ)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-1-イル)-3,4-ジヒドロキシテトラヒドロフラン-2-イル)メトキシ)(ヒドロキシ)リン)メチル)ホスホン酸の合成
【0265】
【0266】
(2R,3R,4S,5R)-2-(6-クロロ-4-(((S)-1-(2-フルオロ-4-(ペルフルオロ-λ6-スルファニル)フェニル)エチル)アミノ)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-1-イル)-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-3,4-ジオール(240 mg, 0.44 mmol)をリン酸トリメチル(3 mL)に溶かし、0℃でメチレンビス(ホスホン酸ジクロリド)(436 mg, 1.75 mmol)のリン酸トリメチル(0.5mL)溶液を滴下した後、保温で1時間反応させ、少量の氷塊で反応をクエンチし、逆相カラムクロマトグラフィーで分離する[C18カラム,溶離剤:水~水/アセトニトリル (5:1)]。(((((2R,3S,4R,5R)-5-(6-クロロ-4-(((S)-1-(2-フルオロ-4-(ペルフルオロ-λ6-スルファニル)フェニル)エチル)アミノ)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-1-イル)-3,4-ジヒドロキシテトラヒドロフラン-2-イル)メトキシ)(ヒドロキシ)リン)メチル)ホスホン酸(90 mg, 収率29%)を得る。MS m/z (ESI): 707 [M+H]+。
【0267】
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6+D2O) δ 8.38 (s, 1H), 7.96 (dd, J=10.4, 1.6 Hz, 1H), 7.76 (dd, J=8.4,1.6 Hz,1H), 7.62 (t, J=8.0
Hz, 1H), 6.08 (d, J=4.4 Hz, 1H), 6.03 (s, 1H), 5.15 - 5.13 (m, 1H), 4.53 (t, J=4.8 Hz, 1H), 4.26 (t, J=4.0 Hz, 1H), 4.04 - 4.02 (m, 2H), 3.86-3.83 (m, 1H), 2.12 (t, J= 20.0 Hz, 2H), 1.59 (d, J=6.8 Hz, 3H).
実施例 6-22化合物は実施例5の合成方法の製造を参照する。
【0268】
【0269】
上記製造で得た実施例化合物の核磁気共鳴データは下記の通り。
【0270】
【0271】
実施例23 (((((2R,3S,4R,5R)-5-(4-(((R)-5,7-ジフルオロ-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)アミノ)-6-メチル-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-1-イル)-3,4-ジヒドロキシテトラヒドロフラン-2-イル)メトキシ)(ヒドロキシ)リン)メチル)ホスホン酸の製造
【0272】
【0273】
工程一:(2R,3R,4S,5R)-2-(4-(((R)-5,7-ジフルオロ-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)アミノ)-6-メチル-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-1-イル)-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-3,4-ジオールの合成
【0274】
【0275】
(2R,3R,4S,5R)-2-(6-クロロ-4-(((R)-5,7-ジフルオロ-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)アミノ)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-1-イル)-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-3,4-ジオール(0.48 g, 1.06 mmol)をジオキサン/水(8 mL / 2
mL)に溶かし、窒素下で炭酸カリウム(0.44 g, 3.18 mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.37 g, 0.32 mmol)と2,4,6-トリメチル-1,3,5,2,4,6-トリオキサトリボリナン(0.40 g, 3.18 mmol)を加え、密封後にマイクロ波130℃で3時間反応させ、反応液に酢酸エチル(30 mL)を加え、順次水、飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した後、濾過濃縮し、逆相カラムクロマトグラフィーで分離する[C18カラム,溶離剤:水~水/アセトニトリル (0~100%)]。(2R,3R,4S,5R)-2-(4-(((R)-5,7-ジフルオロ-2,3-ジヒドロ-1H-インデン
-1-イル)アミノ)-6-メチル-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-1-イル)-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-3,4-ジオール(255 mg,
収率53%)を得る。MS m/z (ESI): 433 [M+H]+。
【0276】
工程二:(((((2R,3S,4R,5R)-5-(4-(((R)-5,7-ジフルオロ-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)アミノ)-6-メチル-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-1-イル)-3,4-ジヒドロキシテトラヒドロフラン-2-イル)メトキシ)(ヒドロキシ)リン)メチル)ホスホン酸の合成
【0277】
【0278】
(2R,3R,4S,5R)-2-(4-(((R)-5,7-ジフルオロ-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)アミノ)-6-メチル-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-1-イル)-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-3,4-ジオール(255 mg, 0.59 mmol)をリン酸トリメチル(3.0 mL)に溶かし、0℃でメチレンビス(ホスホン酸ジクロリド)(515 mg, 2.06 mmol)のリン酸トリメチル(2.0 mL)溶液を加えた後、保温で1時間反応させ、少量の氷塊で反応をクエンチし、保温で10分撹拌し、飽和重炭酸ナトリウム溶液でpH≧8に調節し、室温で5時間撹拌してから、逆相カラムクロマトグラフィーにより分離する[C18カラム,溶離剤:水~水/アセトニトリル (5:1)]。(((((2R,3S,4R,5R)-5-(4-(((R)-5,7-ジフルオロ-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)アミノ)-6-メチル-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-1-イル)-3,4-ジヒドロキシテトラヒドロフラン-2-イル)メトキシ)(ヒドロキシ)リン)メチル)ホスホン酸(136.5 mg, 収率35%)を得る。MS m/z (ESI): 591 [M+H]+。
【0279】
1H NMR (400 MHz, D2O) δ 8.15 (s, 1H), 6.99 (d, J=8.8 Hz, 1H), 6.83 (t, J=9.8 Hz, 1H), 6.48 (d, J=3.0 Hz, 1H), 6.39 (d, J=5.4 Hz, 1H), 5.51 (s, 1H), 4.93 (t, J=5.6 Hz, 1H), 4.62 (t, J=5.0 Hz, 1H), 4.33 (q, J=4.9 Hz, 1H), 4.07 (hept, J=5.4 Hz, 2H), 3.24 - 3.11 (m, 1H), 3.04 - 2.93 (m, 1H), 2.64 (dq, J=15.4, 8.1, 7.4 Hz, 1H), 2.53 (s, 3H), 2.25 - 2.15 (m, 1H),
2.05 (t, J=19.6 Hz, 2H).
実施例24化合物は実施例23の合成方法の製造を参照する。
【0280】
【0281】
上記製造で得た実施例化合物の核磁気共鳴データは下記の通り。
【0282】
【0283】
実施例25 (((((1R,2R,3S,4S)-4-(2-クロロ-4-(((R)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)アミノ)ピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-7-イル)-2,3-ジヒドロキシシクロペンチル)メトキシ)(ヒドロキシ)リン)メチル)ホスホン酸の製造
【0284】
【0285】
工程一:7-((3aR,4R,6aS)-4-(tert-ブトキシメチル)-2,
2-ジメチル-3a,6a-ジヒドロ-4H-シクロペンタ[d][1,3]ジオキサゾール-6-イル)-2-クロロ-N-((R)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)ピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-4-アミンの合成
【0286】
【0287】
7-((3aR,4R,6aS)-4-(tert-ブトキシメチル)-2,2-ジメチル-3a,6a-ジヒドロ-4H-シクロペンタ[d][1,3]ジオキサゾール-6-イル)-2,4-ジクロロピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン (500
mg, 1.21 mmol) と (R)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-アミン (326 mg, 2.42 mmol) を1,4-ジオキサン (20 mL)に溶かし、N,N-ジイソプロピルエチルアミン (446 mg, 3.63 mmol)を加え、室温で4時間撹拌する。反応後、水で希釈し、酢酸エチルで抽出し、有機相を合わせて、濃縮後にカラムクロマトグラフィーにより分離する[溶離剤:石油エーテル~石油エーテル/酢酸エチル (20%)]。7-((3aR,4R,6aS)-4-(tert-ブトキシメチル)-2,2-ジメチル-3a,6a-ジヒドロ-4H-シクロペンタ[d][1,3]ジオキサゾール-6-イル)-2-クロロ-N-((R)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)ピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-4-アミン (670 mg, 収率91%)を得る。MS m/z (ESI): 509 [M+H]+。
【0288】
工程二:(1R,2S,5R)-5-(tert-ブトキシメチル)-3-(2-クロロ-4-(((R)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)アミノ)ピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-7-イル)シクロペンテン-3-エン-1,2-ジオールの合成
【0289】
【0290】
7-((3aR,4R,6aS)-4-(tert-ブトキシメチル)-2,2-ジメチル-3a,6a-ジヒドロ-4H-シクロペンタ[d][1,3]ジオキサゾール-6-イル)-2-クロロ-N-((R)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)ピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-4-アミン (670 mg, 1.31 mmol) を90% 酢酸(40 mL)に溶かし、60℃まで加温し、16時間撹拌する。反応後、濃縮してからカラムクロマトグラフィーにより分離する[溶離剤:
ジクロロメタン~ジクロロメタン/メタノール (10%)]。(1R,2S,5R)-5-(tert-ブトキシメチル)-3-(2-クロロ-4-(((R)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)アミノ)ピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-7-イル)シクロペンテン-3-エン-1,2-ジオール(600 mg, 収率97%)を得る。MS m/z (ESI): 469 [M+H]+。
【0291】
工程三:(1S,2R,3R,5S)-3-(tert-ブトキシメチル)-5-(2-クロロ-4-(((R)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)アミノ)ピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-7-イル)シクロペンタン-1,2-ジオールの合成
【0292】
【0293】
(1R,2S,5R)-5-(tert-ブトキシメチル)-3-(2-クロロ-4-(((R)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)アミノ)ピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-7-イル)シクロペンテン-3-エン-1,2-ジオール (600 mg, 1.28 mmol) とクラブトリー触媒 (100 mg)
をジクロロメタン (100 mL)に溶かしてから室温で水素化し、16時間撹拌する。反応後、濃縮してからカラムクロマトグラフィーにより分離する[溶離剤:石油エーテル~石油エーテル/酢酸エチル (50%)]。 (1S,2R,3R,5S)-3-(tert-ブトキシメチル)-5-(2-クロロ-4-(((R)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)アミノ基)ピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-7-イル)シクロペンテン-1,2-ジオール(500 mg, 収率83%)を得る。MS m/z (ESI): 471 [M+H]+。
【0294】
工程四:(1R,2S,3S,5R)-3-(2-クロロ-4-(((R)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)アミノ)ピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-7-イル)-5-(ヒドロキシメチル)シクロペンタン-1,2-ジオールの合成
【0295】
【0296】
(1S,2R,3R,5S)-3-(tert-ブトキシメチル)-5-(2-クロロ-4-(((R)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)アミノ)ピロロ[2
,1-f][1,2,4]トリアジン-7-イル)シクロペンテン-1,2-ジオール (500 mg, 1.06 mmol)をアセトニトリル(4 mL)に溶かし、ジオキサン塩酸塩溶液 (4 mL, 1N)を加え、室温で1時間反応させる。濃縮後に逆相カラムクロマトグラフィーにより分離する[C18カラム,溶離剤:水~水/アセトニトリル (0~50%)]。 (1R,2S,3S,5R)-3-(2-クロロ-4-(((R)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)アミノ)ピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-7-イル)-5-(ヒドロキシメチル)シクロペンテン-1,2-ジオール (200 mg, 収率46%)を得る。MS m/z (ESI): 415 [M+H]+。
【0297】
工程五: (((((1R,2R,3S,4S)-4-(2-クロロ-4-(((R)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)アミノ)ピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-7-イル)-2,3-ジヒドロキシシクロペンチル)メトキシ)(ヒドロキシ)リン)メチル)ホスホン酸の合成
【0298】
【0299】
(1R,2S,3S,5R)-3-(2-クロロ-4-(((R)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)アミノ)ピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-7-イル)-5-(ヒドロキシメチル)シクロペンテン-1,2-ジオール (200
mg, 0.48 mmol)をリン酸トリメチル (3 mL)に溶かし、0℃下でメチレンビス(ホスホン酸ジクロリド) (481mg, 1.93 mmol)のリン酸トリメチル(0.5 mL)溶液を加えた後、保温で1時間反応させ、少量の氷塊で反応をクエンチしてから、逆相カラムクロマトグラフィーにより分離する[C18カラム,溶離剤:水~水/アセトニトリル (5:1)]。 (((((1R,2R,3S,4S)-4-(2-クロロ-4-(((R)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)アミノ)ピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-7-イル)-2,3-ジヒドロキシシクロペンチル)メトキシ)(ヒドロキシ)リン)メチル)ホスホン酸 (65
mg, 収率24%)を得る。MS m/z (ESI): 573 [M+H]+。
【0300】
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6 +D2O) δ 7.31 -
7.17 (m, 4H), 6.99 (d, J=4.4 Hz, 1H), 6.54 (d, J=4.4 Hz, 1H), 5.82 (t, J=8.0 Hz, 1H), 4.00 - 3.90 (m, 3H), 3.80 - 3.78
(m, 1H), 3.59 - 3.51 (m, 1H), 3.05 - 3.00 (m, 1H), 2.93 - 2.85 (m, 1H), 2.56 -2.51 (m, 2H), 2.33 - 2.19 (m, 3H), 2.04 - 2.00 (m, 1H), 1.30 -1.27 (m, 1H).
実施例 26-39化合物は実施例25の合成方法の製造を参照する。
【0301】
【0302】
上記製造で得た実施例化合物の核磁気共鳴データは下記の通り。
【0303】
【0304】
生物学的測定・評価
一、invitroでのCD73酵素活性の評価
本発明では、invitroで合成された可溶性状態のCD73のマラカイトグリーンでCD73に対する化合物の阻害活性の特徴を測定する。実験過程は以下のようになる。
【0305】
1、本実験の酵素反応は384ウェルプレートで行われ、濃度36ng/mLのCD73(R&D systems #5795-EN-010)と異なる濃度の化合物及び50μM のAMPは40μLの反応系(25 mM Tris pH 7.5, 5 mM MgCl2, 0.005% Tween-20)において25℃で30分間インキュベート反応する。
【0306】
2、そして、各ウェルに10μLのマラカイトグリーン溶液(malachite green solution, Sigma)を添加することにより、反応を停止する。
3、試薬メーカーに提示された取扱説明書に従い、発生された無機リン酸塩(inorganic phosphate)の濃度を測定する。
【0307】
4、生成物の濃度に基づいてCD73酵素活性を計算し、次に非線形回帰で異なる濃度での本発明の化合物の阻害パーセンテージを分析し、IC50値を測定する。本発明の実施例に記載された化合物の実験結果は表1の通りである。
【0308】
二、細胞表面のCD73酵素活性評価(Cell Titer Glo(CTG)実験)
本発明は、CD73を内因的に発現するヒト乳癌細胞MDA-MB-231で、細胞表面に発現されるCD73酵素の活性に対する化合物の阻害効果を評価する。使用される細胞は、中国科学院のセルバンクからのものです。実験過程は以下のようになる。
【0309】
1、測定前に20000/ウェルのMDA-MB231細胞を96ウェルプレートに接種する。
2、RPMI1640, 10%ウシ胎児血清(Gibco, 10099-141)を37℃,5% CO2培養箱に置いて一晩培養する(測定時に、無血清RPMI培地で細胞を3回洗浄する)。
【0310】
3、50μlの異なる濃度で希釈された化合物の無血清培地を細胞に加え、15分インキュベートする。
4、25μL 1.2mM AMPを加え、37℃で2時間インキュベートし、細胞から25μLの上清液を取り出し、25μL 100μM のATPと混合してから、CTG (Promega,#G7573)の方法で試料のAMP濃度を測定する。
【0311】
5、次に、反応後の細胞培養上清液中の基質AMPレベルの低下率を定量的に測定することにより、本発明実施例の化合物および陽性化合物の細胞表面CD73酵素活性に対する阻害効果を評価する。
【0312】
6、最後に、Graphpad Prismの4パラメーターカーブフィッティングで、最大酵素活性阻害を引き起こした化合物半数阻害濃度(IC50)を測定する。本発明の実施例に記載された化合物の実験結果は表1の通りである。
【0313】
【0314】
具体的な実施例の化合物活性データから、本発明の系列化合物はCD73酵素学的及び細胞活性に対して強い阻害作用を有することが示唆された。
各文献がそれぞれ単独に引用されるように、本発明に係るすべての文献は本出願で参考として引用する。また、本発明の上記の内容を読み終わった後、当業者が本発明を各種の変動や修正をすることができるが、それらの等価の形態のものは本発明の請求の範囲に含まれることが理解されるはずである。