(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-30
(45)【発行日】2025-02-07
(54)【発明の名称】情報処理プログラム、情報処理装置、及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
A63B 71/06 20060101AFI20250131BHJP
A61B 5/11 20060101ALI20250131BHJP
A61B 5/22 20060101ALI20250131BHJP
A63B 69/00 20060101ALI20250131BHJP
G16H 20/30 20180101ALI20250131BHJP
【FI】
A63B71/06 J
A61B5/11 120
A61B5/22 100
A63B69/00 A
A63B69/00 C
G16H20/30
(21)【出願番号】P 2024161403
(22)【出願日】2024-09-18
【審査請求日】2024-11-13
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】520513875
【氏名又は名称】株式会社CaTe
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100195534
【氏名又は名称】内海 一成
(72)【発明者】
【氏名】寺嶋 一裕
【審査官】相川 俊
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2023/026784(WO,A1)
【文献】特開2009-213782(JP,A)
【文献】国際公開第2023/095581(WO,A1)
【文献】特開2023-138127(JP,A)
【文献】中国実用新案第212854460(CN,U)
【文献】特開2023-096823(JP,A)
【文献】特開平10-005369(JP,A)
【文献】特開2006-255028(JP,A)
【文献】特開2012-105756(JP,A)
【文献】国際公開第2009/063597(WO,A1)
【文献】"現役医師が挑む「心臓リハビリ」の課題。アプリによる運動療法で、日本の医療を前進させる",JAFCO[online],2024年08月30日,[2024年11月18日検索], <https://www.jafco.co.jp/andjafco-post/2024/08/30/000390/>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/22
A63B 69/00
A61B 5/11
G16H 20/30
A63B 71/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
運動種目を実施するユーザを撮影したユーザ動画を取得することと、
入力された動画に写った運動に関する評価結果を出力する評価モデルに、前記ユーザ動画を入力することと、
前記評価モデルから、前記評価結果として、前記ユーザ動画に写った前記ユーザの運動負荷量に関するユーザ運動評価を取得することと
をプロセッサに実行させ、
前記運動種目は、前記運動種目のとおりに運動を実施したときの運動負荷量が一定であるように定義され、
前記ユーザ運動評価は、前記ユーザ動画に写った前記ユーザの運動負荷量の推定値である推定負荷量の変動が変動設定範囲内であったことの評価を含む、
情報処理プログラム。
【請求項2】
前記ユーザの運動負荷量は、前記ユーザが運動しているときの酸素摂取量に基づいて定義されている、請求項1に記載の情報処理プログラム。
【請求項3】
前記ユーザ運動評価は、前記ユーザが前記運動種目を実施した場合の標準的な運動負荷量である標準負荷量と前記推定負荷量との差分の値が負荷設定範囲内であったことの評価を含む、請求項1又は2に記載の情報処理プログラム。
【請求項4】
前記運動種目は、複数の単位運動を含み、前記ユーザが前記複数の単位運動のそれぞれを実施した場合の標準的な運動負荷量である単位標準負荷量が等しくなるように定義されている、請求項1に記載の情報処理プログラム。
【請求項5】
前記ユーザ運動評価は、前記複数の単位運動のそれぞれについての前記ユーザの運動負荷量の推定値である単位推定負荷量の変動が単位変動設定範囲内であったことの評価を含む、請求項4に記載の情報処理プログラム。
【請求項6】
前記ユーザ運動評価は、前記単位標準負荷量と前記単位推定負荷量との差分の値が単位負荷設定範囲内であった単位運動の数を含む、請求項5に記載の情報処理プログラム。
【請求項7】
前記ユーザ運動評価は、前記推定負荷量の変動が0に近いほど高い値で算出されるスコアを含む、請求項1に記載の情報処理プログラム。
【請求項8】
前記ユーザ運動評価は、前記複数の単位運動のそれぞれについての前記ユーザの運動負荷量の推定値である単位推定負荷量の変動が0に近いほど高い値で算出される単位運動スコアを含む、請求項4に記載の情報処理プログラム。
【請求項9】
前記ユーザが実施する運動種目の標準負荷量は、前記ユーザの嫌気性代謝閾値に相当する運動負荷量である、請求項1に記載の情報処理プログラム。
【請求項10】
前記評価モデルは、
前記ユーザ動画の全期間のう
ち一部の期間又
は一部の時点における前記ユーザの状態を更に入力可能に構成され、
前記ユーザの運動負荷量のレベルが、前記ユーザ動画の全期間において、
前記一部の期間又は前記一部の時点における前記ユーザの状態に基づく推定レベルで一定であることを前記評価結果として出力するように構成される、
請求項1に記載の情報処理プログラム。
【請求項11】
前記評価モデルは、前記推定レベルが基準レベルである場合に前記ユーザの運動負荷量のレベルが前記基準レベルで一定であることを前記評価結果として出力するように構成される、請求項10に記載の情報処理プログラム。
【請求項12】
前記運動種目は、前記ユーザが立位で運動を実施できるように定義されている、請求項1に記載の情報処理プログラム。
【請求項13】
プロセッサを備える情報処理装置であって、
前記プロセッサは、
運動種目を実施するユーザを撮影したユーザ動画を取得し、
入力された動画に写った運動に関する評価結果を出力する評価モデルに、前記ユーザ動画を入力し、
前記評価モデルから、前記評価結果として、前記ユーザ動画に写った前記ユーザの運動負荷量に関するユーザ運動評価を取得し、
前記運動種目は、前記運動種目のとおりに運動を実施したときの運動負荷量が一定であるように定義され、
前記ユーザ運動評価は、前記ユーザ動画に写った前記ユーザの運動負荷量の推定値である推定負荷量の変動が変動設定範囲内であったことの評価を含む、
情報処理装置。
【請求項14】
プロセッサが、運動種目を実施するユーザを撮影したユーザ動画を取得することと、
前記プロセッサが、入力された動画に写った運動に関する評価結果を出力する評価モデルに、前記ユーザ動画を入力することと、
前記プロセッサが、前記評価モデルから、前記評価結果として、前記ユーザ動画に写った前記ユーザの運動負荷量に関するユーザ運動評価を取得することと
を含み、
前記運動種目は、前記運動種目のとおりに運動を実施したときの運動負荷量が一定であるように定義され、
前記ユーザ運動評価は、前記ユーザ動画に写った前記ユーザの運動負荷量の推定値である推定負荷量の変動が変動設定範囲内であったことの評価を含む、
情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理プログラム、情報処理装置、及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載されているように、被験者の生体信号に基づいて被験者のペダル漕ぎ動作の運動負荷を調整する心臓リハビリテーション支援装置が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
運動療法において、ユーザの運動負荷量が不足することによって、運動療法の有効性が低下する。また、ユーザの運動負荷量が過大になることによって、運動療法の安全性が低下する。ユーザの運動負荷量が安定するように支援することが求められる。
【0005】
本開示は、上述の点に鑑みてなされたものであり、ユーザの運動負荷量が安定するように運動を支援できる情報処理プログラム、情報処理装置、及び情報処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一実施形態に係る(1)情報処理プログラムは、運動種目を実施するユーザを撮影したユーザ動画を取得することと、入力された動画に写った運動に関する評価結果を出力する評価モデルに、前記ユーザ動画を入力することと、前記評価モデルから、前記評価結果として、前記ユーザ動画に写った前記ユーザの運動負荷量に関するユーザ運動評価を取得することとをプロセッサに実行させる。前記ユーザ運動評価は、前記ユーザ動画に写った前記ユーザの運動負荷量の推定値である推定負荷量の変動が変動設定範囲内であったことの評価を含む。
【0007】
(2)上記(1)に記載の情報処理プログラムにおいて、前記運動種目は、前記運動種目のとおりに運動を実施したときの運動負荷量が一定であるように定義されてよい。
【0008】
(3)上記(1)又は(2)に記載の情報処理プログラムにおいて、前記ユーザ運動評価は、前記ユーザが前記運動種目を実施した場合の標準的な運動負荷量である標準負荷量と前記推定負荷量との差分の値が負荷設定範囲内であったことの評価を含んでよい。
【0009】
(4)上記(1)から(3)までのいずれか1つに記載の情報処理プログラムにおいて、前記運動種目は、複数の単位運動を含んでよい。前記運動種目は、前記ユーザが前記複数の単位運動のそれぞれを実施した場合の標準的な運動負荷量である単位標準負荷量が等しくなるように定義されてよい。
【0010】
(5)上記(4)に記載の情報処理プログラムにおいて、前記ユーザ運動評価は、前記複数の単位運動のそれぞれについての前記ユーザの運動負荷量の推定値である単位推定負荷量の変動が単位変動設定範囲内であったことの評価を含んでよい。
【0011】
(6)上記(5)に記載の情報処理プログラムにおいて、前記単位標準負荷量と前記単位推定負荷量との差分の値が単位負荷設定範囲内であった単位運動の数を含んでよい。
【0012】
(7)上記(1)から(6)までのいずれか1つに記載の情報処理プログラムにおいて、前記ユーザ運動評価は、前記推定負荷量の変動が0に近いほど高い値で算出されるスコアを含んでよい。
【0013】
(8)上記(4)から(6)までのいずれか1つに記載の情報処理プログラムにおいて、前記ユーザ運動評価は、前記複数の単位運動のそれぞれについての前記ユーザの運動負荷量の推定値である単位推定負荷量の変動が0に近いほど高い値で算出される単位運動スコアを含んでよい。
【0014】
(9)上記(1)から(8)までのいずれか1つに記載の情報処理プログラムにおいて、前記ユーザが実施する運動種目の標準負荷量は、前記ユーザの嫌気性代謝閾値に相当する運動負荷量であってよい。
【0015】
(10)上記(1)から(9)までのいずれか1つに記載の情報処理プログラムにおいて、前記評価モデルは、前記ユーザ動画の全期間のうち少なくとも一部の期間又は少なくとも一部の時点における前記ユーザの状態を更に入力可能に構成され、前記ユーザの運動負荷量のレベルが、前記ユーザ動画の全期間において、前記ユーザの状態に基づく推定レベルで一定であることを前記評価結果として出力するように構成されてよい。
【0016】
(11)上記(10)に記載の情報処理プログラムにおいて、前記評価モデルは、前記推定レベルが基準レベルである場合に前記ユーザの運動負荷量のレベルが前記基準レベルで一定であることを前記評価結果として出力するように構成されてよい。
【0017】
(12)上記(1)から(11)までのいずれか1つに記載の情報処理プログラムにおいて、前記運動種目は、前記ユーザが立位で運動を実施できるように定義されてよい。
【0018】
本開示の一実施形態に係る(13)情報処理装置は、プロセッサを備える。前記プロセッサは、運動種目を実施するユーザを撮影したユーザ動画を取得し、入力された動画に写った運動に関する評価結果を出力する評価モデルに、前記ユーザ動画を入力し、前記評価モデルから、前記評価結果として、前記ユーザ動画に写った前記ユーザの運動負荷量に関するユーザ運動評価を取得し、前記ユーザ運動評価は、前記ユーザ動画に写った前記ユーザの運動負荷量の推定値である推定負荷量の変動が変動設定範囲内であったことの評価を含む。
【0019】
本開示の一実施形態に係る(14)情報処理方法は、プロセッサが、運動種目を実施するユーザを撮影したユーザ動画を取得することと、入力された動画に写った運動に関する評価結果を出力する評価モデルに前記ユーザ動画を入力することと、前記評価モデルから前記評価結果として前記ユーザ動画に写った前記ユーザの運動負荷量に関するユーザ運動評価を取得することとを含む。前記ユーザ運動評価は、前記ユーザ動画に写った前記ユーザの運動負荷量の推定値である推定負荷量の変動が変動設定範囲内であったことの評価を含む。
【発明の効果】
【0020】
本開示に係る情報処理プログラム、情報処理装置、及び情報処理方法によれば、ユーザの運動負荷量が安定するように運動が支援される。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本開示に係る情報処理システムの構成例を示すブロック図である。
【
図2】情報処理システムを用いてユーザの運動を支援する様子の一例を説明する模式図である。
【
図3】ユーザの運動を支援する情報処理装置の画面例を示す図である。
【
図4】ユーザの運動の評価結果を出力する手順例を示すフローチャートである。
【
図5】ユーザの運動をスコアで評価する手順例を示すフローチャートである。
【
図6】ユーザの運動を単位運動に分けて評価する手順例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
疾患等の治療又は予防のために運動を活用する運動療法が知られている。運動療法の対象ユーザは、適切な運動負荷量で運動を実施することが好ましい。ここで、運動負荷量は、対象ユーザが運動を実施したときに対象ユーザの身体にかかる負担を表す指標である。運動負荷量は、対象ユーザが運動を実施しているときの酸素摂取量又はエネルギー消費量等に基づいて定義されてよい。運動負荷量は、対象ユーザが運動を実施しているときの物理的な仕事量に基づいて定義されてもよい。運動負荷量は、これらの例に限られず種々の情報に基づいて定義されてもよい。
【0023】
運動療法において、運動療法の対象ユーザが高い運動負荷量で運動を実施するほど運動療法の有効性が高くなる。一方で、運動負荷量が高すぎる場合、対象ユーザの身体に過剰な負担がかかり安全性が低下する。したがって、運動療法において適切な運動負荷量として、運動療法の有効性と安全性とを両方とも高めることができる運動負荷量が定められる。
【0024】
また、運動を実施したときの運動負荷量が適切な運動負荷量から変動することによって、運動負荷量が高くなりすぎたり低くなりすぎたりする。運動負荷量が高くなりすぎたり低くなりすぎたりすることによって、運動療法の有効性又は安全性が低下する。したがって、運動療法において、安定した運動負荷量で運動することが求められる。
【0025】
運動負荷量は、同じ運動の繰り返しによって安定すると考えられる。実際に、運動の可動域とペースとを定義して連続で実施することによって、運動負荷量がプラトーに達する、すなわち酸素摂取量と心拍数が一定範囲に調整できることが確認されている。
【0026】
また、運動療法において適切な運動負荷量は、例えば運動療法の対象ユーザの嫌気性代謝閾値(AT;Anaerobic Threshold)に相当する運動負荷量である。対象ユーザの運動負荷量がAT前後に相当する運動負荷量であることによって、運動療法の効果が現れやすい。したがって、対象ユーザの運動負荷量をAT前後に相当する運動負荷量に調整できるように運動を定義することが好ましい。
【0027】
しかし、運動療法の効果が現れやすいように定義された運動を運動療法の対象ユーザが真似して運動を実施したとしても、定義された運動に対して対象ユーザの動きが異なることによって、運動負荷量が意図された値にならずに負荷不足又は過負荷になることがある。負荷不足の場合、運動療法の有効性が低下する。過負荷の場合、運動療法の安全性が低下する。そのため、対象ユーザが安定した運動負荷量で運動を実施できているかを確認することが求められる。
【0028】
運動療法の対象ユーザの運動負荷量を安定させるために、エルゴメータ等の運動負荷量を調整可能な機器を用いることが考えられる。しかし、対象ユーザは、エルゴメータ等の機器を利用するために機器が設置された施設に移動する必要がある。また、対象ユーザの自宅に機器を設置することは容易ではない。つまり、対象ユーザが運動療法を実施する際の利便性が低下する。対象ユーザが運動療法を実施する際の利便性が低いことによって、ユーザは、運動療法を手軽に実施できず、運動療法の実施を継続できないことがある。
【0029】
エルゴメータ等の機器を用いずに運動負荷量がプラトーに達するように運動を実施するために、例えば運動負荷量がプラトーに達するように定義された見本の運動に合わせた運動を実施することが考えられる。
【0030】
運動負荷量がプラトーに達するように運動を実施できていることを確認する手法として、見本の運動に運動療法の対象ユーザの動きが一致していることを確認することが考えられる。しかし、定義した運動の見本の動きに対象ユーザの動きが一致していない場合であっても、運動負荷量がプラトーに達する場合がある。したがって、運動負荷量がプラトーに達したことを見逃すことがある。
【0031】
また、運動負荷量がプラトーに達するように運動療法の対象ユーザが運動を実施できていることを確認する手法として、実際に対象ユーザの運動負荷量を測定してプラトーに達していることを確認することが考えられる。対象ユーザの運動負荷量を定義する情報として運動の実施中の対象ユーザの酸素摂取量を測定することは、対象ユーザの呼気ガスを分析する必要があることから容易ではない。また、対象ユーザの運動負荷量を定義ずる情報として運動の実施中の対象ユーザのエネルギー消費量を測定することも容易ではない。
【0032】
上述したように、運動負荷量がプラトーに達するように運動療法の対象ユーザが運動を実施できていることを確認することは難しい。運動負荷量がプラトーに達するように対象ユーザが運動を実施できていることを簡便に確認することが求められる。
【0033】
以下、本開示に係る情報処理システム1(
図1参照)によれば、運動負荷量がプラトーに達するように、すなわち安定な運動負荷量で運動療法の対象ユーザが運動を実施できていることを簡便に確認できることが説明される。安定な運動負荷量で対象ユーザが運動を実施できていることを簡便に確認できることによって、対象ユーザは、安定な運動負荷量になるように簡便に運動を調整して実施できる。つまり、本開示に係る情報処理システム1は、運動療法の対象ユーザが安定な運動負荷量で運動を実施することを支援できる。
【0034】
(情報処理システム1の構成例)
図1に示されるように、本開示に係る情報処理システム1は、情報処理装置10を備える。情報処理システム1は、必須ではないがサーバ20を更に備える。情報処理装置10とサーバ20とは、有線又は無線のネットワーク40を介して通信可能に接続される。情報処理装置10とサーバ20とは、ネットワーク40を介さずに直接通信可能に接続されてもよい。情報処理システム1は、必須ではないがウェアラブルデバイス30を更に備える。情報処理装置10とウェアラブルデバイス30とは、ネットワーク40を介さずに、又は、ネットワーク40を介して通信可能に接続される。
【0035】
<情報処理装置10>
情報処理装置10は、プロセッサ11と、記憶部12と、通信部13と、入力部14と、出力部15と、カメラ16とを備える。
【0036】
プロセッサ11は、情報処理装置10の動作を制御し、情報処理装置10の機能を実現する。プロセッサ11は、1つ以上の汎用プロセッサ又は専用回路を含んで構成されてよい。汎用プロセッサは、CPU(Central Processing Unit)又はGPU(Graphics Processing Unit)等を含んでよい。専用回路は、FPGA(Field-Programmable Gate Array)又はASIC(Application Specific Integrated Circuit)等を含んでよい。
【0037】
記憶部12は、情報処理装置10の動作に用いられる任意のデータ若しくは情報又はプログラムを格納する。記憶部12は、例えばOS(Operating System)等のシステムプログラム又はアプリケーションプログラムを格納してよい。アプリケーションプログラムは、例えばウェブブラウザ、治療用アプリケーション、リハビリアプリケーション、又はフィットネスアプリケーションのプログラムを含んでよい。治療用アプリケーション又はリハビリアプリケーションの対象となる疾患は、例えば、心疾患、高血圧症、糖尿病、脂質異常症、若しくは高脂血症等の生活習慣病、又は、肥満等の運動が症状の改善に寄与する可能性がある疾病を含んでよい。データは、例えば、情報処理において参照されるデータベース、又は、情報処理を実行することによって得られるデータ、すなわち情報処理の実行結果を含んでよい。
【0038】
記憶部12は、例えば半導体メモリ、磁気メモリ、又は光メモリ等を含んで構成されてよいが、これらに限られない。記憶部12は、例えば主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能してもよい。記憶部12は、磁気ディスク等の電磁記憶媒体を含んで構成されてよい。記憶部12は、非一時的なコンピュータ読み取り可能な媒体を含んで構成されてよい。記憶部12は、プロセッサ11に含まれてもよい。
【0039】
通信部13は、サーバ20等の他の装置と通信可能に構成される通信モジュールを含んでよい。通信モジュールは、例えば4G(4th Generation)又は5G(5th Generation)等の移動体通信規格に対応してよい。通信モジュールは、LAN(Local Area Network)等の通信規格に対応してもよい。通信モジュールは、有線又は無線の通信規格に対応してもよい。通信モジュールは、これらに限られず、種々の通信規格に対応してよい。
【0040】
入力部14は、情報処理システム1のユーザから情報又はデータ等の入力を受け付ける入力デバイスを含んで構成されてよい。入力デバイスは、例えば、タッチパネル若しくはタッチセンサ、又はマウス等のポインティングデバイスを含んで構成されてよい。入力デバイスは、物理キーを含んで構成されてもよい。入力デバイスは、マイク等の音声入力デバイスを含んで構成されてもよい。入力部14は、外部の入力デバイスに接続可能に構成される入力インタフェースを含んでよい。入力部14は、入力インタフェースを介して、外部の入力デバイスに入力された情報又はデータを取得可能に構成されてよい。
【0041】
出力部15は、情報処理システム1のユーザに対して情報又はデータ等を出力する出力デバイスを含んで構成されてよい。出力デバイスは、例えば、画像又は文字若しくは図形等の視覚情報を出力する表示デバイスを含んでよい。表示デバイスは、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)、有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ若しくは無機ELディスプレイ、又は、PDP(Plasma Display Panel)等を含んで構成されてよい。表示デバイスは、これらのディスプレイに限られず、他の種々の方式のディスプレイを含んで構成されてよい。表示デバイスは、LED(Light Emitting Diode)又はLD(Laser Diode)等の発光デバイスを含んで構成されてよい。表示デバイスは、他の種々のデバイスを含んで構成されてよい。出力デバイスは、例えば、音声等の聴覚情報を出力するスピーカ等の音声出力デバイスを含んでよい。出力デバイスは、これらの例に限られず、他の種々のデバイスを含んでよい。出力部15は、外部の出力デバイスに接続可能に構成される出力インタフェースを含んでよい。出力部15は、出力インタフェースを介して、情報又はデータを外部の出力デバイスに対して出力可能に構成されてよい。
【0042】
カメラ16は、撮影対象を撮影し、撮影対象の静止画像又は動画を出力する。本開示において、カメラ16は、運動療法の対象ユーザが運動を実施する姿を撮影対象として撮影し、撮影した動画を出力する。
【0043】
カメラ16は、撮影対象までの距離データを測定可能なステレオカメラを含んでもよい。カメラ16は、撮影対象の点群データを取得可能に構成されてもよい。情報処理装置10は、距離センサ又は点群データ生成デバイスをカメラ16と別体で備えてもよい。
【0044】
カメラ16は、情報処理装置10と別体の外部カメラとして構成されてもよい。カメラ16が外部カメラとして構成される場合、情報処理装置10は、例えば入力部14の入力インタフェースを介して外部カメラからユーザ動画を取得してよい。
【0045】
情報処理装置10は、スマートフォン若しくはタブレット等の携帯端末、又は、ノートPC(Personal Computer)若しくはタブレットPC等のPCを含んで構成されてよい。情報処理装置10は、これらの例に限られず、種々の機器を含んで構成されてよい。
【0046】
<サーバ20>
サーバ20は、サーバ制御部を備えてよい。サーバ制御部は、サーバ20の動作を制御し、サーバ20の機能を実現する。サーバ制御部は、1つ以上の汎用プロセッサ又は専用回路を含んで構成されてよい。汎用プロセッサは、CPU又はGPU等を含んでよい。専用回路は、FPGA又はASIC等を含んでよい。サーバ制御部は、情報処理装置10のプロセッサ11と同様に構成されてよい。
【0047】
サーバ20は、サーバ記憶部を備えてよい。サーバ記憶部は、サーバ20の動作に用いられる任意のデータ若しくは情報又はプログラムを格納する。サーバ記憶部は、情報処理装置10の記憶部12と同様に構成されてよい。
【0048】
サーバ20は、サーバ通信部を備えてよい。サーバ通信部は、情報処理装置10等の他の装置と通信可能に構成される通信モジュールを含んでよい。サーバ通信部は、情報処理装置10の通信部13と同様に構成されてよい。
【0049】
サーバ20は、サーバ入力部を備えてよい。サーバ入力部は、情報処理装置10の入力部14と同様に構成されてよい。サーバ20は、サーバ出力部を備えてよい。サーバ出力部は、情報処理装置10の出力部15と同様に構成されてよい。
【0050】
サーバ20は、1つ又は互いに通信可能な複数のサーバ装置を含んで構成されてよい。サーバ20は、クラウドサーバとして実現されてもよい。
【0051】
<ウェアラブルデバイス30>
ウェアラブルデバイス30は、運動療法の対象ユーザの身体に装着可能に構成される。ウェアラブルデバイス30は、センサを備えてよい。
【0052】
センサは、例えば心拍センサを含んでよい。心拍センサは、ウェアラブルデバイス30が運動療法の対象ユーザの身体に装着されたときに対象ユーザの心拍を計測し、対象ユーザの心拍の計測結果を出力する。心拍の計測結果は、心拍数を含んでよい。心拍の計測結果は、心拍波形を含んでよい。心拍センサは、光学式の計測技法によって心拍を計測するように構成されてよい。
【0053】
センサは、例えば加速度センサを含んでよい。加速度センサは、ウェアラブルデバイス30を装着した対象ユーザの部位の加速度を検出するように構成される。
【0054】
ウェアラブルデバイス30は、デバイス制御部を備えてよい。デバイス制御部は、ウェアラブルデバイス30の動作を制御し、ウェアラブルデバイス30の機能を実現する。デバイス制御部は、情報処理装置10のプロセッサ11と同様に構成されてよい。
【0055】
ウェアラブルデバイス30は、デバイス記憶部を備えてよい。デバイス記憶部は、ウェアラブルデバイス30の動作に用いられる任意のデータ若しくは情報又はプログラムを格納する。デバイス記憶部は、情報処理装置10の記憶部12と同様に構成されてよい。
【0056】
ウェアラブルデバイス30は、デバイス通信部を備えてよい。デバイス通信部は、情報処理装置10等の他の装置と通信可能に構成される通信モジュールを含んでよい。デバイス通信部は、情報処理装置10の通信部13と同様に構成されてよい。
【0057】
ウェアラブルデバイス30は、デバイス入力部を備えてよい。デバイス入力部は、情報処理装置10の入力部14と同様に構成されてよい。ウェアラブルデバイス30は、デバイス出力部を備えてよい。デバイス出力部は、情報処理装置10の出力部15と同様に構成されてよい。
【0058】
(情報処理システム1の動作例)
情報処理システム1は、
図2に例示されるように、運動を実施するユーザ、すなわち運動ユーザ70の姿を、三脚で設置した情報処理装置10のカメラ16で撮影する。カメラ16は、運動ユーザ70が運動を実施する姿として運動ユーザ70の全身を正面又は斜め前方から撮影できるように設置されてよい。カメラ16は、運動ユーザ70から例えば2m程度離れて設置されてよい。カメラ16は、三脚等の高さ調整手段によって運動ユーザ70に対して適切な高さに設置されてよい。運動ユーザ70の姿をカメラ16で撮影した動画は、ユーザ動画とも称される。ユーザ動画は、運動ユーザ70の距離データ又は点群データを含んでもよい。
【0059】
本動作例において、運動ユーザ70は、運動療法の対象ユーザであるとする。運動療法は、心臓等のリハビリテーション、又は、運動指導を含んでよい。運動ユーザ70は、運動療法と関係なく運動を実施するユーザであってもよい。運動ユーザ70は、運動療法の計画又は指導に基づく運動負荷量になるように定義された運動を実施してよい。運動ユーザ70は、後述するように、運動の見本を示す動画を見ながら運動を実施してよい。運動ユーザ70は、口頭又は文書による運動の説明に基づいて運動を実施してもよい。
【0060】
情報処理装置10のプロセッサ11は、カメラ16からユーザ動画を取得する。プロセッサ11は、ユーザ動画を記憶部12に格納してよい。プロセッサ11は、ユーザ動画に基づいて、運動ユーザ70がプラトーに達した運動負荷量、すなわち一定の運動負荷量で運動を実施できているかを評価する。プロセッサ11は、運動ユーザ70が一定の運動負荷量で運動を実施できている場合に合格判定の評価を出力してよい。
【0061】
運動負荷量は、運動を実施する人物が身体の少なくとも一部の部位を動かすタイミングに応じて変動し得る。したがって運動負荷量の時間変化を短い時間間隔で捉えた場合に、運動負荷量の時間変化が大きくなって運動負荷量が一定になり得ないことがある。しかし、運動療法において要求される運動負荷量の安定性は、長いスパンで運動負荷量の時間変化を捉えたときに運動負荷量が一定であればよい。そこで、プロセッサ11は、例えば、運動において身体の少なくとも一部の部位を繰り返しで動かす周期に相当する期間で運動負荷量の移動平均を算出し、移動平均後の運動負荷量が一定である場合に合格判定の評価を出力してよい。移動平均を算出する期間は、上述した例に限られず運動の内容に応じて適宜設定されてよい。
【0062】
プロセッサ11は、運動ユーザ70が運動療法の計画又は指導に基づく運動負荷量になるように定義された運動を実施できているかを評価してもよい。
【0063】
以下、情報処理システム1の具体的な動作例が説明される。
【0064】
<ユーザプロファイル>
運動ユーザ70は、運動療法の対象ユーザである場合、運動療法の計画又は指導に基づく、運動ユーザ70に適した運動負荷量になるように定義された運動を実施してよい。情報処理装置10のプロセッサ11は、運動ユーザ70に適した運動負荷量になるように定義された運動を提案するために、運動ユーザ70のユーザプロファイルを管理してよい。ユーザプロファイルは、以下の表1に示されるように、運動ユーザ70を特定するID又はユーザ名と、運動ユーザ70の目標負荷量とを対応づける情報を含んでよい。表1において、ユーザ名がXYZである運動ユーザ70の目標負荷量は3.5METsである。
【0065】
【0066】
目標負荷量は、運動ユーザ70が運動を実施するときの運動負荷量の目標値に関する情報である。運動負荷量は、例えば、酸素摂取量、エネルギー消費量、若しくは心拍数等の項目、又はそれらを組み合わせた項目によって定義されてよい。
【0067】
一例として、目標負荷量は、エルゴメータの使用時に、心肺運動負荷検査、すなわちCPX検査によって運動ユーザ70の運動耐容能を計測した結果、又は、心拍センサによって心拍数を計測した結果に基づいて、運動療法を計画又は指導する医師等の担当者によって設定されてよい。CPX検査は、呼気ガス分析による、酸素摂取量、二酸化炭素排出量、1回換気量、呼吸数、若しくは分時換気量、又はそれらの組み合わせ等の測定結果に基づいて、検査対象の人物の嫌気性代謝閾値(AT)を決定できる。CPX検査は、ATに限られず、最大運動耐容能付近の運動強度に相当する最大酸素摂取量も決定できる。運動療法を計画又は指導する担当者は、運動ユーザ70がAT相当の運動負荷量で運動を実施するときの酸素摂取量又は心拍数に基づいて目標負荷量を設定してよい。
【0068】
目標負荷量は、計測結果に基づいて設定されずに、医師の判断によって設定されてもよい。また、別の例として、目標負荷量は、運動ユーザ70の運動耐容能を例えばCPX検査によって計測した結果に基づいてアルゴリズムによって決定されてよい。
【0069】
運動ユーザ70は、有酸素運動を安全かつ効果的に実施するために、運動ユーザ70のAT付近に相当する運動負荷量で運動を実施することが好ましい。したがって、運動ユーザ70の目標負荷量として、運動ユーザ70のATに相当する運動負荷量が設定されてよい。運動ユーザ70の目標負荷量として、他の基準で算出された運動負荷量が設定されてもよい。
【0070】
運動ユーザ70の運動療法に適した運動負荷量、又は、その運動負荷量に対応する運動種目は、運動ユーザ70の運動療法を計画又は指導する担当者によって決定されてよい。運動療法を計画又は指導する担当者は、例えば医療関係者、栄養士、又はトレーナを含んでよい。医療関係者は、医師、看護師、薬剤師、理学療法士、作業療法士、又は臨床検査技師等を含んでよい。運動ユーザ70の運動療法に適した運動負荷量、又は、その運動負荷量に対応する運動種目は、ユーザプロファイルにおいて運動ユーザ70を特定するID等に対応づけられてよい。
【0071】
医師は、運動処方の一例として、運動ユーザ70の運動負荷量の上限を設定してもよい。運動ユーザ70の運動負荷量の上限は、ユーザプロファイルにおいて運動ユーザ70を特定するID等に対応づけられてよい。運動負荷量の上限が設定された場合、設定された運動負荷量の上限を超える運動種目を運動ユーザ70が選択することは認められない。
【0072】
運動処方のために医師が使用する端末のディスプレイに運動処方用のUI(User Interface)画面が表示されてよい。UI画面は、例えば運動ユーザ70のCPXデータの表示、又は、運動ユーザ70が選択可能な複数の運動種目の見本動画の表示を含んでよい。各運動種目の見本動画は、運動種目に対応する運動負荷量に基づく順番に整列して表示されてよい。例えばCPX検査の計測結果に基づいて運動処方の対象者の運動負荷量の上限として3.6METsが推奨される場合に、3.4METs、3.6METs、及び3.8METsのそれぞれに対応する運動種目群の見本動画がUI画面に表示されてよい。医師がいずれかの運動種目群の見本動画を選択することによって、選択した見本動画に対応する運動種目に紐付けられた運動負荷量が運動ユーザ70の上限として設定される。
【0073】
医師の運動処方によって指定された運動負荷量の上限は、例えば2週間毎等の定期的な医療者指導又は主治医回診において医師の監督の下で医療者によって変更されてよい。
【0074】
ユーザプロファイルは、運動ユーザ70を特定するID又はユーザ名に、運動ユーザ70の身体情報を対応づける情報を含んでよい。身体情報は、運動ユーザ70の身体又は身体機能に関する情報である。一例として、身体情報は、運動ユーザ70のユーザの年齢、性別、体重、若しくは身長等の情報、又は、運動ユーザ70の疾患等に関する情報を含んでよい。
【0075】
ユーザプロファイルは、運動ユーザ70の運動療法を計画又は指導する担当者を特定する情報、又は、運動ユーザ70の担当医を特定する情報を含んでもよい。
【0076】
ユーザプロファイルは、情報処理装置10の記憶部12若しくはサーバ20のサーバ記憶部、又は他のデータベース等の記憶装置に格納されてよい。
【0077】
<運動種目>
運動ユーザ70は、運動療法の対象ユーザである場合、運動療法の対象運動種目を実施する。運動療法の対象運動種目は、運動療法の計画又は指導に基づく運動負荷量になるように定義された運動種目である。本開示において、対象運動種目は、そのとおりに運動を実施したときの運動負荷量が一定になるように定義されているとする。対象運動種目の標準負荷量は、対象ユーザの嫌気性代謝閾値に相当する運動負荷量であってよい。
【0078】
運動種目は、エルゴメータ等の特別な機器を用いずに運動を実施できるように定義されてよい。運動種目は、運動療法の対象ユーザが立位で運動を実施できるように定義されてよい。このようにすることで、運動療法の実施に際しての障害が少なくなる。
【0079】
運動療法の対象運動種目に関する情報は、情報処理装置10の記憶部12若しくはサーバ20のサーバ記憶部、又は他のデータベース等の記憶装置に格納されてよい。運動療法の対象運動種目に関する情報は、運動ユーザ70が運動療法の対象運動種目を実施するために必要な説明を含んでよい。対象運動種目の説明は、見本動画として提供されてよい。見本動画は、トレーナ等が運動種目の動きの見本を実演する動画である。対象運動種目の説明は、口述で説明する音声データ、又は、文章で説明する文字データ等として提供されてもよい。本動作例において、対象運動種目の説明は、見本動画として提供される。
【0080】
運動療法の対象運動種目に関する情報は、以下の表2に示されるように、運動種目を特定するID又は名称、及び、標準負荷量と対応づけられてよい。表2において、脚上げと称される運動種目の標準負荷量は4.5METsである。A体操と称される運動種目の標準負荷量は2.5METsである。
【0081】
【0082】
運動種目の標準負荷量は、例えば標準的な身体機能を備える人物が対象の運動種目を実施したときの運動負荷量に関する情報である。言い換えれば、運動種目は、そのとおりに運動を実施したときの標準的な運動負荷量が標準負荷量になるように定義されている。運動種目の標準負荷量は、例えば、対象の運動種目を複数の人物に実施させた場合の各人物の平均酸素摂取量を呼気ガス分析によって測定し、平均酸素摂取量の測定結果に対して平均化等の統計処理を実行することによって導出されてよい。標準負荷量を導出するための測定項目は、平均酸素摂取量に限られずエネルギー消費量等の他の項目であってもよい。標準負荷量は、第三者機関によって設定された運動負荷量として取得されてもよい。
【0083】
標準負荷量は、一般的に認識される運動種目よりも細分化された運動に対応づけられてよい。一例として、運動種目は、フォーム、ペース、レップ数、又は、休憩の時間若しくは回数等の少なくとも1つの要素を変更した複数のバリエーションを含んでよい。標準負荷量は、一般的に認識される運動種目をバリエーションによって細分化した運動のそれぞれに対応づけられてよい。つまり、一般的に単一の種目として認識される運動は、フォーム、ペース、レップ数、又は休憩の詳細等を指定することによって、運動負荷量が少しずつ異なる複数の運動種目として定義され得る。例えば、腿上げは、一般的に単一の種目として認識される運動である。腿上げに含まれる少なくとも1つの要素を変更したバリエーションによって細分化した運動について、腿上げの中でも運動負荷量が0.2METsずつ異なる複数の運動種目が定義され得る。
【0084】
運動ユーザ70は、標準負荷量が運動ユーザ70のATに相当する運動負荷量以下である運動種目の見本動画を選択して再生し、見本動画を真似して運動を実施することによって有酸素運動を実施できる。運動療法が心臓リハビリテーションである場合、運動療法を計画又は指導する担当者は、標準負荷量が運動ユーザ70のATに相当する運動負荷量以下である運動種目を、運動ユーザ70の心臓リハビリテーションに適した運動負荷量の運動種目として決定してよい。
【0085】
運動ユーザ70は、標準負荷量が運動ユーザ70のATに相当する運動負荷量より大きい運動種目の見本動画を選択して再生し、見本動画を真似して運動を実施することによって無酸素運動を実施してもよい。
【0086】
運動ユーザ70は、標準負荷量が運動ユーザ70のATに相当する運動負荷量前後である運動種目の見本動画を選択して再生し、見本動画を真似して運動を実施することによって有酸素運動又は無酸素運動を実施してもよい。運動ユーザ70のATに相当する運動負荷量前後は、AT設定範囲内の運動負荷量であってよい。AT設定範囲の下限は、運動ユーザ70のATに相当する運動負荷量から第1所定値だけ低い運動負荷量である。AT設定範囲の上限は、運動ユーザ70のATに相当する運動負荷量から第2所定値だけ高い運動負荷量である。第1所定値及び第2所定値は適宜設定されてよい。第1所定値と第2所定値とは、同一の値であってよいし異なる値であってもよい。
【0087】
運動種目は、指標基準値に対応づけられてもよい。指標基準値は、指標基準値に対応する運動種目を標準的な身体機能を備える人物が実施したときの運動負荷量を指標化した値に関する情報である。
【0088】
一例として、運動種目は、複数の単位運動に細分化されてよい。単位運動は、運動種目の構成単位であり、運動種目が複数のパターンの動きを含む場合にそれぞれのパターンの動きが単位運動に相当し得る。例えば運動種目がダンスである場合、ダンスに含まれる個別の振り付けが単位運動に相当し得る。また、運動種目がスクワットである場合、人物が立っている状態からしゃがむ状態への移行、及び、人物がしゃがんだ状態から立ち上がった状態への移行のそれぞれが単位運動に相当し得る。
【0089】
単位運動は、上述した例よりもさらに細分化された動きであってもよい。例えば腿上げ運動において、単位運動は、左右いずれかの腿を1回上げる動きと下げる動きとに細分化された動きであってよい。
【0090】
単位運動は、まとまったパターンの動きであってもよい。例えば腿上げ運動において、単位運動は、左右の腿を複数回上げ下げする動きをまとめた動きであってもよい。また、例えばラジオ体操において、単位運動は、1から8まで数えながら実施する一連の動きであってよい。
【0091】
指標基準値は、指標基準値に対応する運動種目を複数の人物に実施させたときの各人物の運動負荷量を運動種目に含まれる単位運動毎に測定し、各人物について各単位運動の運動負荷量の測定結果を所定の計算式に適用して各人物の個人指標を算出し、各人物の個人指標を平均化することによって導出されてよい。指標基準値は、上述した標準負荷量の代替指標として用いられてもよい。
【0092】
上述したように、単位運動毎に運動負荷量が測定され得る。したがって、単位運動毎に標準負荷量が対応づけられ得る。単位運動に対応づけられる標準負荷量は、運動全体の標準負荷量と区別するために、単位標準負荷量とも称される。運動療法の対象運動種目に関する情報は、対象運動種目を細分化した単位運動毎に単位標準負荷量を対応づける情報を含んでよい。対象運動種目は、各単位運動の単位標準負荷量が等しくなるように定義されてよい。
【0093】
<運動ユーザ70による運動の実施>
運動ユーザ70は、運動ユーザ70の運動療法に適した運動負荷量になるように定義された対象運動種目の中から選択した運動種目を実施してよい。運動ユーザ70は、医師から処方された運動種目を実施してよい。本動作例において、運動ユーザ70は、実施する運動種目の見本動画を見ながら運動を実施する。以下、運動ユーザ70が見本動画を選択して再生し、見本動画を見ながら運動を実施する具体的な態様が説明される。
【0094】
情報処理装置10のプロセッサ11は、運動ユーザ70が見本動画を選択する入力を入力部14で受け付ける。プロセッサ11は、あらかじめ準備された全ての見本動画を運動ユーザ70に提示し、運動ユーザ70に見本動画を選択させてよい。プロセッサ11は、運動ユーザ70の運動負荷量の上限が設定された場合、設定された上限を超える運動負荷量になるように定義された運動種目の見本動画を運動ユーザ70に提示せず、設定された上限以下の運動負荷量になるように定義された運動種目の見本動画のみを運動ユーザ70に提示してよい。プロセッサ11は、運動ユーザ70の運動療法を計画又は指導する担当者によって運動ユーザ70に実施させる運動種目が決定された場合、決定された運動種目の見本動画のみを運動ユーザ70に提示してよい。
【0095】
プロセッサ11は、
図3に例示されるように、運動ユーザ70が選択した見本動画を再生し、情報処理装置10の出力部15である表示デバイスの見本動画枠72に表示する。プロセッサ11は、あらかじめ録画されてサーバ20又は情報処理装置10の記憶部12に格納された動画を見本動画として再生して表示デバイスに表示してよい。プロセッサ11は、サーバ20等の外部装置からリアルタイムで配信される見本動画を表示デバイスに表示してもよい。
【0096】
運動ユーザ70は、見本動画枠72に表示される見本動画を見ながら運動を実施する。
【0097】
プロセッサ11は、見本動画を再生する際に、動画の残り時間表示枠73を表示デバイスに表示してよい。プロセッサ11は、見本動画の再生、一時停止、停止、早送り、又は早戻し等の操作を入力するための操作ボタン74を表示デバイスに表示してよい。プロセッサ11は、見本動画の再生の制御に関する操作入力を、運動ユーザ70の発声による指示として入力部14で受け付けてもよい。
【0098】
プロセッサ11は、見本動画を表示する見本動画枠72に並んで位置するユーザ動画枠71にユーザ動画を表示してもよい。運動ユーザ70は、見本動画とユーザ動画とを比較しながら運動を実施することによって、見本動画で示される動きと運動ユーザ70自身の動きとの差異を認識しやすい。
【0099】
図2に例示されるように、運動ユーザ70は、ウェアラブルデバイス30を装着してよい。
図2の例においてウェアラブルデバイス30は運動ユーザ70の手首に装着されているが他の種々の部位に装着されてもよい。
【0100】
本動作例において、ウェアラブルデバイス30は、運動ユーザ70の心拍を計測し、心拍数を情報処理装置10に出力する。情報処理装置10のプロセッサ11は、通信部13又は入力部14を介してウェアラブルデバイス30から運動ユーザ70の心拍数の計測結果を取得する。プロセッサ11は、情報処理装置10の出力部15である表示デバイスに、心拍数表示枠75として運動ユーザ70の心拍数の計測結果を表示してよい。プロセッサ11は、心拍数表示枠75に、運動ユーザ70の現在の心拍数を表示してよいし、過去の心拍数の時間変化のグラフを表示してもよい。
【0101】
<運動ユーザ70が実施した運動の評価>
情報処理装置10のプロセッサ11は、ユーザ動画に基づいて、運動ユーザ70が実施する運動を評価する。プロセッサ11は、運動ユーザ70が運動を実施したときの運動負荷量の推定値である推定負荷量が一定であるかを評価してよい。プロセッサ11は、推定負荷量と見本動画に対応する運動種目の標準負荷量との差分を評価してよい。以下、運動ユーザ70が実施する運動を評価する具体的な態様が説明される。
【0102】
プロセッサ11は、運動ユーザ70が運動を実施した後にカメラ16からユーザ動画を取得し、ユーザ動画に基づいて運動ユーザ70が運動を実施したときの運動負荷量の推定値である推定負荷量が一定であったかを評価してよい。また、プロセッサ11は、ユーザ動画に基づいて推定負荷量と見本動画に対応する運動種目の標準負荷量との差分を評価してよい。
【0103】
プロセッサ11は、評価モデルを用いて運動ユーザ70が実施した運動を評価してよい。評価モデルは、動画が入力される動画入力部と、動画に写っている人物が実施した運動を評価する評価部と、評価結果を出力する評価結果出力部とを備える。
【0104】
評価部は、ユーザ動画に写っている運動ユーザ70の運動負荷量を評価してよい。運動ユーザ70の運動負荷量に関する評価結果は、ユーザ運動評価とも称される。評価部は、ユーザ動画に写っている運動ユーザ70の運動負荷量の推定値である推定負荷量が一定であったかを評価してよい。評価部によって推定負荷量が一定であったと評価された場合、評価結果出力部は、推定負荷量が一定であったことの評価結果を出力する。プロセッサ11は、評価モデルから推定負荷量が一定であったことの評価結果を取得した場合、ユーザ動画に写っている運動ユーザ70が実施した運動が合格であると判定してよい。
【0105】
評価部は、ユーザ動画に写っている期間における推定負荷量の変動が変動設定範囲内である場合に、推定負荷量が一定であったと評価してよい。変動設定範囲は適宜設定される範囲である。推定負荷量の変動は、ユーザ動画に写っている期間内の推定負荷量の最大値と最小値との差分として算出されてよい。推定負荷量の変動が推定負荷量の最大値と最小値との差分である場合、変動設定範囲は、推定負荷量の最大値と最小値との差分の上限として適宜設定される値以下又は未満の範囲として特定されてよい。推定負荷量の最大値と最小値との差分の上限は、推定負荷量の変動として許容される最大の値に設定されてもよい。変動設定範囲は、評価モデルに組み込まれてよい。変動設定範囲がユーザ動画とともに動画入力部に入力されるように評価モデルが構成されてもよい。評価部は、推定負荷量として、運動負荷量の瞬間的な推定値の移動平均を算出してもよい。
【0106】
評価部は、ユーザ動画に写っている運動ユーザ70の運動負荷量の推定値である推定負荷量と、ユーザ動画に写っている運動ユーザ70が真似した見本動画に対応する運動種目の標準負荷量との差分を評価してよい。見本動画に対応する運動種目の標準負荷量は、評価モデルに組み込まれてよい。標準負荷量が評価モデルに組み込まれる場合は、評価モデルは、見本動画毎に準備されてよい。見本動画に対応する運動種目の標準負荷量がユーザ動画とともに動画入力部に入力されるように評価モデルが構成されてもよい。
【0107】
評価部は、推定負荷量と標準負荷量との差分の値が負荷変動設定範囲内であるかを評価してよい。この場合、評価結果出力部は、推定負荷量と標準負荷量との差分の値が負荷設定範囲内であったことの評価結果を出力する。プロセッサ11は、推定負荷量と標準負荷量との差分の値が負荷設定範囲内であったことの評価結果を取得した場合に、ユーザ動画に写っている運動ユーザ70が実施した運動が合格であると判定してよい。負荷設定範囲は適宜設定される範囲である。負荷設定範囲は、評価モデルに組み込まれてよい。負荷設定範囲がユーザ動画とともに動画入力部に入力されるように評価モデルが構成されてもよい。
【0108】
評価部は、推定負荷量と標準負荷量との差分の値を算出してもよい。この場合、評価結果出力部は、推定負荷量と標準負荷量との差分の値を評価結果として出力する。プロセッサ11は、推定負荷量と標準負荷量との差分の値が負荷設定範囲内である場合に、ユーザ動画に写っている運動ユーザ70が実施した運動が合格であると判定してよい。
【0109】
評価部は、ユーザ動画に写っている運動ユーザ70が実施した運動の評価結果としてスコアを算出してよい。この場合、評価結果出力部は、スコアを評価結果として出力する。評価部は、推定負荷量の変動が0に近いほどスコアを高い値で算出してよい。評価部は、推定負荷量と標準負荷量との差分の値が0に近いほどスコアを高い値で算出してよい。プロセッサ11は、スコアがスコア閾値以上である場合に、ユーザ動画に写っている運動ユーザ70が実施した運動が合格であると判定してよい。
【0110】
評価モデルは、ユーザ動画とユーザ動画に写った運動ユーザ70が実施した運動の評価結果とを対応づけた教師データを用いた学習を実行することによって生成された学習済みモデルであってよい。教師データにおいてユーザ動画に対応づけられる評価結果は、ユーザ動画に写っている運動の実施中に運動を実施している運動ユーザ70の運動負荷量を実際に測定した結果に基づいて運動を評価することによって生成されてよい。運動負荷量の測定は、例えばCPX検査を含んでよい。運動負荷量の測定は、例えば心拍の計測を含んでよい。運動負荷量の測定は、これらの例に限られず、他の種々の手段によって実行されてよい。
【0111】
評価モデルは、学習済みモデルに限られず、ルールベース等の他の種々の態様のモデルであってもよい。
【0112】
<<運動の評価の手順例>>
プロセッサ11は、ユーザ動画に基づいてユーザ動画に写っている運動ユーザ70が実施した運動を評価するために、
図4に例示されるフローチャートの手順を含む情報処理方法を実行してよい。情報処理方法は、プロセッサ11に実行させる情報処理プログラムとして実現されてよい。情報処理プログラムは、非一時的なコンピュータ読み取り可能媒体に格納されてよい。
【0113】
プロセッサ11は、カメラ16から運動ユーザ70が運動を実施する姿を撮影したユーザ動画を取得する(ステップS1)。プロセッサ11は、ユーザ動画を評価モデルに入力する(ステップS2)。評価モデルは、入力されたユーザ動画に写った運動ユーザ70が実施した運動に関する評価結果を出力する。プロセッサ11は、評価モデルから運動ユーザ70が実施した運動に関する評価結果を取得して出力する(ステップS3)。プロセッサ11は、評価結果に基づいて運動ユーザ70が実施した運動の合格判定を出力してよい。プロセッサ11は、評価モデルから取得した評価結果そのものを出力してもよい。プロセッサ11は、ステップS3の手順の実行後、
図4のフローチャートの手順の実行を終了する。
【0114】
評価モデルが評価結果としてスコアを出力する場合、プロセッサ11は、
図5に例示されるフローチャートの手順を含む情報処理方法を実行してよい。
【0115】
プロセッサ11は、評価モデルからスコアを取得する(ステップS11)。プロセッサ11は、スコアがスコア閾値以上であるかを判定する(ステップS12)。
【0116】
プロセッサ11は、スコアがスコア閾値以上である場合(ステップS12:YES)、評価モデルに入力したユーザ動画に写った運動ユーザ70が実施した運動が合格であることを表す合格判定を出力する(ステップS13)。プロセッサ11は、ステップS13の手順の実行後、
図5のフローチャートの手順の実行を終了する。
【0117】
プロセッサ11は、スコアがスコア閾値以上でない場合(ステップS12:NO)、すなわちスコアがスコア閾値未満である場合、合格判定を出力せずに
図5のフローチャートの手順の実行を終了する。プロセッサ11は、スコアがスコア閾値未満である場合、評価モデルに入力したユーザ動画に写った運動ユーザ70が実施した運動が不合格であることを表す不合格判定を出力してもよい。
【0118】
<<運動の評価の小括>>
以上述べてきたように、本開示に係る情報処理装置10は、運動ユーザ70が運動を実施する姿を撮影したユーザ動画に基づいて、運動ユーザ70が実施した運動を簡便に評価できる。運動ユーザ70は、評価結果に応じて運動ユーザ70自身の運動を改善できる。その結果、運動ユーザ70の運動が適切に支援される。また、運動ユーザ70が運動療法を実施する場合に運動療法の有効性と安全性とが高められる。
【0119】
<単位運動の評価>
上述したように、運動種目は、単位運動に細分化され得る。情報処理装置10のプロセッサ11は、ユーザ動画に写った運動全体を通じて運動負荷量が一定であるかを評価するだけでなく、ユーザ動画に写った運動に含まれる単位運動毎に運動負荷量を評価してよい。プロセッサ11は、全ての単位運動について単位運動毎に運動負荷量を評価してよい。プロセッサ11は、少なくとも一部の単位運動について単位運動毎に運動負荷量を評価してもよい。逆に言えば、プロセッサ11は、一部の単位運動について運動負荷量を評価しなくてもよい。
【0120】
評価モデルは、運動を単位運動に細分化して単位運動毎に運動負荷量を評価した結果を出力するように構成されてよい。例えば、評価モデルは、入力部14に入力されたユーザ動画に写っている運動を単位運動に細分化して評価部に出力する細分化部を含んでよい。また、評価モデルの評価部は、運動を単位運動に細分化する機能を含むように構成されてもよい。
【0121】
評価部は、細分化された単位運動毎の運動負荷量を評価する。評価部は、ユーザ動画に写っている運動ユーザ70が実施した運動に含まれる単位運動の運動負荷量の推定値である単位推定負荷量が一定であったかを単位運動毎に評価してよい。具体的に、評価部は、単位推定負荷量の変動が単位変動設定範囲内であった場合に単位推定負荷量が一定であったと評価してよい。単位変動設定範囲は、変動設定範囲と同じ範囲、又は、変動設定範囲よりも狭い範囲若しくは広い範囲に設定されてよい。評価部は、単位推定負荷量として単位運動の運動負荷量の瞬間的な推定値の移動平均を算出してもよい。単位運動の長さが移動平均を算出できる程度の長さではない場合、評価部は、単位推定負荷量として単位運動の運動負荷量の瞬間的な推定値の平均を算出してもよい。
【0122】
評価部によって単位推定負荷量が一定であったと評価された単位運動が存在する場合、評価結果出力部は、単位推定負荷量が一定であったと評価された単位運動を特定する情報を評価結果として出力してよい。プロセッサ11は、評価結果において特定された単位運動が合格であると判定してよい。また、プロセッサ11は、合格であると判定した単位運動の数が所定数以上である場合に、ユーザ動画に写っている運動ユーザ70が実施した運動が合格であると判定してもよい。所定数は、ユーザ動画に写っている運動に含まれる単位運動の数に応じて適宜設定されてよい。所定数は、例えばユーザ動画に写っている運動に含まれる単位運動の数に所定の割合を乗じた値に設定されてよい。所定の割合は適宜設定されてよい。
【0123】
評価部は、単位運動毎に、単位標準負荷量と単位推定負荷量との差分の値が単位負荷設定範囲内であったかを評価してもよい。単位負荷設定範囲は、負荷設定範囲と同じ範囲、又は、負荷設定範囲よりも狭い範囲若しくは広い範囲に設定されてよい。評価部は、単位推定負荷量として単位運動の運動負荷量の瞬間的な推定値の移動平均を算出し、単位標準負荷量と単位推定負荷量との差分の値を算出してもよい。単位運動の長さが移動平均を算出するための期間よりも短い場合、評価部は、単位運動の運動負荷量の推定値の平均値を単位推定負荷量として算出してもよい。
【0124】
評価部によって単位標準負荷量と単位推定負荷量との差分の値が単位負荷設定範囲内であったと評価された単位運動が存在する場合、評価結果出力部は、単位標準負荷量と単位推定負荷量との差分の値が単位負荷設定範囲内であったと評価された単位運動を特定する情報を評価結果として出力してよい。プロセッサ11は、評価結果において特定された単位運動が合格であると判定してよい。また、プロセッサ11は、合格であると判定した単位運動の数が所定数以上である場合に、運動負荷量を評価した単位運動を含む運動の全体について合格であると判定してもよい。
【0125】
評価部は、単位運動の運動負荷量の評価結果として単位運動毎に単位運動スコアを算出してよい。この場合、評価結果出力部は、単位運動毎の単位運動スコアを評価結果として出力する。評価部は、単位推定負荷量の変動が0に近いほど単位運動スコアを高い値で算出してよい。評価部は、単位推定負荷量と単位標準負荷量との差分の値が0に近いほど単位運動スコアを高い値で算出してよい。
【0126】
プロセッサ11は、単位運動スコアが単位運動スコア閾値以上である場合に、単位運動スコアに対応する単位運動が合格であると判定してよい。また、プロセッサ11は、単位運動スコアが単位運動スコア閾値以上である単位運動の数が所定数以上である場合に、運動負荷量を評価した単位運動を含む運動の全体について合格であると判定してもよい。
【0127】
プロセッサ11は、各単位運動の単位運動スコアの平均値を算出し、平均値が単位運動スコア閾値以上であった場合に、運動負荷量を評価した単位運動を含む運動の全体について合格であると判定してもよい。
【0128】
プロセッサ11は、単位運動スコアが単位運動スコア閾値以上である単位運動の数が所定数以上であり、かつ、各単位運動の単位運動スコアの平均値が単位運動スコア閾値以上である場合に、運動負荷量を評価した単位運動を含む運動の全体について合格であると判定してもよい。
【0129】
評価モデルは、単位運動の運動負荷量を評価するように構成される場合、ユーザ動画とユーザ動画に写っている運動を単位運動に細分化する情報とを対応づけたデータを含む教師データを用いた学習を実行することによって生成された学習済みモデルであってよい。教師データは、単位運動を考慮しない評価モデルを生成するために用いる教師データと同様に、ユーザ動画とユーザ動画に写った運動ユーザ70が実施した運動の評価結果とを対応づけたデータを含んでよい。
【0130】
評価モデルは、単位運動の運動負荷量を評価するように構成される場合においても、学習済みモデルに限られず、ルールベース等の他の種々の態様のモデルであってよい。
【0131】
細分化した複数の単位運動のそれぞれは、同一の運動であってよい。例えばスクワットは、人物が立っている状態からしゃがみ、しゃがんだ状態から立ち上がるまでの運動を繰り返す運動種目である。1つの運動が繰り返される場合、繰り返される1つの運動が単位運動とみなされてよい。例えば1つの運動を20回繰り返す運動種目は、20個の単位運動に細分化されてよい。
【0132】
細分化した複数の単位運動は、少なくとも1つの異なる運動を含んでもよい。つまり、細分化した複数の単位運動の少なくとも1つの単位運動は異なる運動であってよい。例えばダンスは、異なる振り付けの動作を含む運動種目である。したがって、異なる振り付けの動作が互いに異なる単位運動とみなされてよい。
【0133】
細分化した複数の単位運動のうち互いに異なる単位運動は、同じ長さの時間で実施されるように定義された運動であってもよいし、異なる長さの時間で実施されるように定義された運動であってもよい。
【0134】
<<単位運動の評価の手順例>>
プロセッサ11は、ユーザ動画に基づいてユーザ動画に写っている運動ユーザ70が実施した運動を単位運動に細分化して評価するために評価モデルが単位運動スコアを出力する場合に、
図6に例示されるフローチャートの手順を含む情報処理方法を実行してよい。
【0135】
プロセッサ11は、運動ユーザ70が運動種目を実施する姿を撮影したユーザ動画を取得し、評価モデルにユーザ動画を入力し、ユーザ動画に含まれる単位運動の運動負荷量の評価結果として評価モデルから単位運動スコアを取得する(ステップS21)。プロセッサ11は、複数の単位運動のそれぞれに対応する単位運動スコアの平均値を算出し、単位運動スコアの平均値がスコア閾値以上であるかを判定する(ステップS22)。プロセッサ11は、単位運動スコアの平均値がスコア閾値以上である場合(ステップS22:YES)、ステップS24の手順に進む。
【0136】
プロセッサ11は、単位運動スコアの平均値がスコア閾値以上でない場合(ステップS22:NO)、すなわち単位運動スコアの平均値がスコア閾値未満である場合、単位運動毎に合格かを判定する。具体的に、プロセッサ11は、単位運動毎に単位運動スコアとスコア閾値とを比較し、単位運動スコアがスコア閾値以上になった単位運動を合格と判定する。そして、プロセッサ11は、合格と判定した単位運動の数が所定数以上であるかを判定する(ステップS23)。プロセッサ11は、合格と判定した単位運動の数が所定数以上でない場合(ステップS23:NO)、
図6のフローチャートの手順の実行を終了する。
【0137】
プロセッサ11は、単位運動スコアの平均値がスコア閾値以上である場合(ステップS22:YES)、又は、合格と判定した単位運動の数が所定数以上である場合(ステップS23:YES)、ユーザ動画に写った運動ユーザ70が実施する運動が合格であることを表す合格判定を出力する(ステップS24)。プロセッサ11は、ステップS24の実行後、
図6のフローチャートの手順の実行を終了する。プロセッサ11は、合格判定を出力する条件が満たされなかった場合、評価モデルに入力したユーザ動画に写った運動ユーザ70が実施した運動が不合格であることを表す不合格判定を出力してもよい。プロセッサ11は、
図6のフローチャートの手順において、ステップS22及びS23の両方の手順を実行せずにステップS22又はS23の一方の手順だけを実行してもよい。
【0138】
<<単位運動の評価の小括>>
以上述べてきたように、本開示に係る情報処理装置10は、運動ユーザ70が運動を実施する姿を撮影したユーザ動画に基づいて、運動ユーザ70が実施した運動を単位運動に細分化して単位運動毎の運動負荷量を簡便かつ詳細に評価できる。運動ユーザ70は、評価結果に応じて運動ユーザ70自身の運動を細かく改善できる。その結果、運動ユーザ70の運動が適切に支援される。また、運動ユーザ70が運動療法を実施する場合に運動療法の有効性と安全性とが高められる。
【0139】
プロセッサ11は、単位運動毎の運動負荷量の評価とあわせて、単位運動を考慮しない態様での運動負荷量の評価を実行してもよい。例えば、評価モデルは、単位運動毎に運動負荷量を評価した結果を出力するとともに、運動全体の運動負荷量を評価した結果を出力するように構成されてもよい。
【0140】
<運動ユーザ70の運動負荷量のレベルの評価>
情報処理装置10のプロセッサ11は、運動ユーザ70の運動負荷量をレベルとして捉え、ユーザ動画の全期間において運動ユーザ70の運動負荷量がどのレベルで一定であるかを評価してもよい。運動ユーザ70の運動負荷量のレベルは、運動ユーザ70の運動負荷量がAT設定範囲内である場合を基準レベルとして設定されてよい。また、運動ユーザ70の運動負荷量のレベルは、運動ユーザ70の運動負荷量がAT設定範囲の上限よりも大きい場合、基準レベルと同じ幅の範囲で区切られた、少なくとも1つの超過レベルとして設定されてよい。超過レベルは、例えば、レベル+1、又は、レベル+2のように基準レベルからの運動負荷量の超過の程度を含むように表現されてよい。レベル+1及びレベル+2は、それぞれ、基準レベルの1段階上及び2段階上のレベルを表す。また、運動ユーザ70の運動負荷量のレベルは、運動ユーザ70の運動負荷量がAT設定範囲の下限よりも小さい場合、基準レベルと同じ幅の範囲で区切られた、少なくとも1つの不足レベルとして設定されてよい。不足レベルは、例えば、レベル-1、又は、レベル-2のように基準レベルに対する運動負荷量の不足の程度を含むように表現されてよい。レベル-1及びレベル-2は、それぞれ、基準レベルの1段階下及び2段階下のレベルを表す。
【0141】
プロセッサ11は、ユーザ動画の全期間において運動ユーザ70の運動負荷量のレベルが一定であると評価した場合、ユーザ動画の少なくとも一部の期間内又は時点における運動ユーザ70の運動負荷量のレベルを推定することによって、運動ユーザ70の運動負荷量がユーザ動画の全期間においてどのレベルで一定になっているかを評価できる。
【0142】
プロセッサ11は、運動ユーザ70の運動負荷量のレベルを運動ユーザ70の運動中の状態に基づいて推定してよい。プロセッサ11は、ユーザ動画に写っている運動を実施中の少なくとも一部の期間又は時点における運動ユーザ70の状態に基づいて、ユーザ動画の全期間のうち少なくとも一部の期間又は時点における運動ユーザ70の運動負荷量のレベルを推定してよい。運動ユーザ70の運動中の状態は、運動負荷量を定義する酸素摂取量等の指標を含んでもよいし、含まなくてもよい。
【0143】
運動ユーザ70の運動中の状態は、自覚的運動強度として測定されてよい。自覚的運動強度は、運動を実施したときの主観的な負担度を数値として表す指標である。自覚的運動強度として、例えばBorg指数が代表的な指標として知られている。Borg指数は、6から20までの整数によって主観的な負担度を表す。運動ユーザ70が運動を実施したときに感じたBorg指数が13である場合に、運動ユーザ70の運動負荷量のレベルが運動ユーザ70のATに相当する運動負荷量のレベル、すなわち基準レベルになっていると考えられる。プロセッサ11は、運動ユーザ70の運動中の状態として、例えば運動ユーザ70が運動を実施した後に運動ユーザ70からBorg指数の入力を入力部14で受け付けることによって運動ユーザ70の自覚的運動強度の測定結果を取得してよい。
【0144】
運動ユーザ70の運動中の状態は、トークテストによって測定されてよい。トークテストは、医師又は理学療法士等の専門家によって実施される。トークテストによって、運動ユーザ70の運動負荷量が、運動ユーザ70のAT相当の運動負荷量前後であるか外れているかが判定される。言い換えれば、トークテストによって、運動ユーザ70の運動負荷量が、AT設定範囲内であるかAT設定範囲外であるかが判定される。トークテストは、トークテストを模倣した学習済みモデルを用いて実施されてもよい。プロセッサ11は、運動ユーザ70の運動中の状態として、例えば運動ユーザ70が運動を実施した後のトークテストの判定結果を取得してよい。
【0145】
運動ユーザ70の運動中の状態は、運動ユーザ70がかいた汗若しくは運動ユーザ70の血中に含まれる乳酸の分析結果、又は、運動ユーザ70の呼気ガスの分析結果に基づいて測定されてよい。プロセッサ11は、運動ユーザ70の運動中の状態として、例えば運動ユーザ70が運動を実施している間又は運動を実施した後の運動ユーザ70の汗若しくは血中に含まれる乳酸の分析結果又は運動ユーザ70の呼気ガスの分析結果を取得してよい。
【0146】
運動ユーザ70の運動中の状態は、ユーザ動画の全期間における運動ユーザ70の平均的な状態として取得されてよい。運動ユーザ70の運動中の状態は、ユーザ動画の全期間のうち1つの期間内における運動ユーザ70の平均的な状態として取得されてよい。運動ユーザ70の運動中の状態は、ユーザ動画の全期間のうち複数の期間のそれぞれにおける運動ユーザ70の平均的な状態を更に平均化した状態として測定されてよい。運動ユーザ70の運動中の状態は、ユーザ動画の全期間のうち1つの時点における運動ユーザ70の瞬間的な状態として測定されてよい。運動ユーザ70の運動中の状態は、ユーザ動画の全期間のうち複数の時点のそれぞれにおける運動ユーザ70の瞬間的な状態を平均化した状態として測定されてよい。
【0147】
評価モデルの入力部は、ユーザ動画に写っている運動を実施中の少なくとも一部の期間又は時点における運動ユーザ70の状態を入力可能に構成されてよい。評価モデルの評価部は、入力部に入力された運動ユーザ70の状態に基づいて、その状態に対応する期間又は時点における運動ユーザ70の運動負荷量のレベルを推定してよい。運動ユーザ70の運動負荷量のレベルの推定結果は、推定レベルとも称される。
【0148】
評価部は、ユーザ動画に基づいてユーザ動画の全期間において運動ユーザ70の運動負荷量のレベルが一定であると評価し、かつ、運動ユーザ70の運動負荷量のレベルを推定できた場合、運動ユーザ70の運動負荷量のレベルが推定レベルで一定であると評価してよい。さらに、評価部は、運動ユーザ70の運動負荷量の推定レベルが運動ユーザ70の基準レベルである場合、ユーザ動画の全期間において運動ユーザ70の運動負荷量のレベルが基準レベルで一定であると評価してもよい。
【0149】
上述してきた例において、運動ユーザ70の運動負荷量のレベルを判定する際に用いる各レベルの幅は、AT設定範囲の幅に設定された。この場合、変動設定範囲の幅がAT設定範囲の幅と同一又はAT設定範囲の幅未満に設定されてよい。変動設定範囲の幅がAT設定範囲の幅に基づいて設定されることによって、ユーザ動画の少なくとも一部の期間内又は時点における運動ユーザ70の運動負荷量のレベルが基準レベルであれば、運動ユーザ70の運動負荷量が変動設定範囲内で変動しても、ユーザ動画の全期間において運動ユーザ70の運動負荷量のレベルが少なくともレベル±1に収まる。つまり、評価部は、ユーザ動画の少なくとも一部の期間内又は時点における運動ユーザ70の運動負荷量のレベルが基準レベルであれば、運動ユーザ70の運動負荷量のレベルが基準レベル又はレベル±1の範囲内で一定であると評価できる。
【0150】
基準レベルの幅がAT設定範囲の幅未満に設定されてもよい。このようにすることで、運動ユーザ70の運動負荷量が変動設定範囲内で変動しても、ユーザ動画の全期間において運動ユーザ70の運動負荷量のレベルが基準レベルに収まりやすくなる。
【0151】
さらに、基準レベルの幅及び変動設定範囲の幅がAT設定範囲の幅の1/3未満に設定されてもよい。このようにすることで、ユーザ動画の少なくとも一部の期間内又は時点における運動ユーザ70の運動負荷量のレベルが基準レベルであれば、運動ユーザ70の運動負荷量が変動設定範囲内で変動しても、ユーザ動画の全期間において運動ユーザ70の運動負荷量のレベルが基準レベルに収まる。つまり、評価部は、ユーザ動画の少なくとも一部の期間内又は時点における運動ユーザ70の運動負荷量のレベルが基準レベルであれば、運動ユーザ70の運動負荷量のレベルが基準レベル又はレベル±1の範囲内で一定であると評価できる。
【0152】
プロセッサ11は、評価モデルにユーザ動画とともに、ユーザ動画に写っている運動を実施中の少なくとも一部の期間又は時点における運動ユーザ70の状態を入力することによって、運動ユーザ70の運動負荷量がユーザ動画の全期間において一定であることの評価結果とともに、運動ユーザ70の運動負荷量のレベルがユーザ動画の全期間において推定レベル又は基準レベル若しくはレベル±1の範囲内で一定であることの評価結果を取得できる。この場合、プロセッサ11は、運動ユーザ70の運動負荷量を定義する酸素摂取量等の値を測定しなくてもよい。その結果、簡便に運動が評価される。
【0153】
ユーザ動画の全期間において運動ユーザ70の運動負荷量のレベルが基準レベル又はレベル±1の範囲内で一定であることを評価すれば、運動ユーザ70がAT相当の運動負荷量前後で安全に運動を実施できていることが分かる。その結果、運動ユーザ70の運動が適切に支援される。また、運動ユーザ70が運動療法を実施する場合に運動療法の有効性と安全性とが高められる。
【0154】
<運動のリアルタイム評価>
プロセッサ11は、運動ユーザ70が運動を実施している間に、ユーザ動画に基づいて運動ユーザ70の運動負荷量が一定であるかをリアルタイムで評価してよい。また、プロセッサ11は、運動ユーザ70が運動を実施している間に、ユーザ動画に基づいて運動ユーザ70の運動負荷量と見本動画に対応する運動種目の標準負荷量との差分をリアルタイムで評価してよい。また、プロセッサ11は、運動ユーザ70の運動中の少なくとも一部の期間又は時点における状態を取得し、ユーザ動画と運動ユーザ70の状態とに基づいて運動ユーザ70の運動負荷量のレベルが推定レベル又は基準レベル若しくはレベル±1の範囲内で一定であることをリアルタイムで評価してよい。
【0155】
本開示において、リアルタイムで評価することは、評価対象の運動のうち途中の評価時点までに実施された内容の評価を、評価時点から所定時間内の遅延で出力することを意味する。運動ユーザ70の運動がリアルタイムで評価されることによって、運動ユーザ70は、運動の実施中に動きを改善できる。その結果、運動ユーザ70の運動が適切に支援される。また、運動療法の有効性と安全性とが両方とも運動の実施中に高められる。
【0156】
本開示に係る実施形態について、諸図面及び実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形又は改変を行うことが可能であることに注意されたい。したがって、これらの変形又は改変は本開示の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各構成部に含まれる機能などは論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の構成部を1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。
【符号の説明】
【0157】
1 情報処理システム
10 情報処理装置(11:プロセッサ、12:記憶部、13:通信部、14:入力部、15:出力部、16:カメラ)
20 サーバ
30 ウェアラブルデバイス
40 ネットワーク
70 運動ユーザ
71 ユーザ動画枠
72 見本動画枠
73 残り時間表示枠
74 操作ボタン
75 心拍数表示枠
【要約】
【課題】ユーザの運動負荷量が安定するように運動を支援できる情報処理プログラム、情報処理装置、及び情報処理方法を提供する。
【解決手段】情報処理プログラムは、運動種目を実施するユーザ70を撮影したユーザ動画を取得することと、入力された動画に写った運動に関する評価結果を出力する評価モデルにユーザ動画を入力することと、評価モデルからユーザ動画に写ったユーザ70の運動負荷量に関するユーザ運動評価を取得することとをプロセッサに実行させる。ユーザ運動評価は、ユーザ動画に写ったユーザ70の運動負荷量の推定値である推定負荷量の変動が変動設定範囲内であったことの評価を含む。
【選択図】
図2