(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-30
(45)【発行日】2025-02-07
(54)【発明の名称】飲食料保管装置
(51)【国際特許分類】
B65D 83/763 20250101AFI20250131BHJP
B67D 3/04 20060101ALI20250131BHJP
B65D 47/34 20060101ALI20250131BHJP
B65D 83/767 20250101ALI20250131BHJP
【FI】
B65D83/76 120
B67D3/04 Z
B65D47/34 110
B65D83/76 200
(21)【出願番号】P 2024513310
(86)(22)【出願日】2022-12-06
(86)【国際出願番号】 KR2022019672
(87)【国際公開番号】W WO2023200065
(87)【国際公開日】2023-10-19
【審査請求日】2024-02-22
(31)【優先権主張番号】10-2022-0044575
(32)【優先日】2022-04-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】524069905
【氏名又は名称】シールビーノ カンパニー, リミテッド
【氏名又は名称原語表記】SEALVINO CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】G18, E-dong 802, 30, Songdomirae-ro, Yeonsu-gu, Incheon 21990, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110001612
【氏名又は名称】弁理士法人きさらぎ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キム,ジョン ジュン
【審査官】宮崎 基樹
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2011/0290826(US,A1)
【文献】特表2006-520440(JP,A)
【文献】実開平06-057839(JP,U)
【文献】英国特許出願公告第00432539(GB,A)
【文献】独国特許出願公開第102008030118(DE,A1)
【文献】韓国登録特許第10-1301917(KR,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 83/76
B65D 47/34
B67D 3/04
B65D 81/24-81/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲食料保管装置に関し、
飲食料を入れる容器と、
前記容器の内面に密着して上下方向に動き得るピストン部と、を含むが、
前記ピストン部は、内部が空いており、上下方向に動き得る首部を含み、
前記首部は、前記首部の上端に上向きに突出されて形成されており、外周面には第1排出溝が形成されており、前記容器内の飲食料または空気を排出する排出部と、前記排出部と離隔されたところに前記第1排出溝とは反対方向に上向きに傾斜して形成される第1流れ誘導部と、前記首部の上端の外周面の一部に上向きに傾斜して形成されている第2流れ誘導部と、前記第2流れ誘導部から上向きに突出されている流れ防止段差と、前記第2流れ誘導部と連結されて前記首部の上端の外周面の一部に前端に向かって下向きに傾斜して形成される排出口と、前記排出口と前記第1流れ誘導部との間に形成されており、前記排出された飲食料が溜まる第2溜まり部と、を含むこと
を特徴とする飲食料保管装置。
【請求項2】
前記首部は、前記排出部と前記第1流れ誘導部との間に形成されており、前記排出された飲食料が溜まる第1溜まり部を含むこと
を特徴とする請求項1に記載の飲食料保管装置。
【請求項3】
飲食料保管装置に関し、
飲食料を入れる容器と、
前記容器の内面に密着して上下方向に動き得るピストン部と、を含むが、
前記ピストン部は、内部が空いており、上下方向に動き得る首部を含み、
前記首部は、前記首部の上端に上向きに突出されて形成されており、外周面には第1排出溝が、下端には第1排出溝と連通する第2排出溝が形成されており、前記容器内の飲食料または空気を排出する排出部を含み、
前記ピストン部は、前記首部の内部に収容され、前記第2排出溝と挿入結合されて前記容器内の飲食料が移動する通路である排出管と、一端の溝に前記排出管が結合される内部キャップと、前記内部キャップの他端に挿入結合され、一端に第4排出溝が形成されている遮断キャップと、を更に含むが、
前記遮断キャップが前記内部キャップに挿入結合する際、前記第4排出溝の中心と前記内部キャップの溝の中心は互いにずれること
を特徴とする飲食料保管装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はワインや食酢など、空気に露出されたら変質しやすい飲食料を保管する飲食料保管装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、ワインはワイン瓶に入れられ、ワイン瓶の入口がコルクのような材質からなる栓で密閉されて包装されるが、このようなワインを楽しむためにコルクを開放したらワインが酸素と接触しながら数時間内に酸化してワインの本来の味ではなく酸味が出るようになる。
【0003】
よって、ワインの本来の味を感じるためには、ワイン瓶を開放してから早いうちにワイン瓶の内部に貯蔵されているワインを全部飲み干すことが最善である。ところが、このようにワインを一度に飲み干すことは現実的に難しいため、飲み残しのワインを酸化しないようにして保管する方法が必要である。
【0004】
このような従来技術としては特許文献1がある。従来技術はワイン瓶を再密封する際、ワイン瓶内部の酸素をより早く効果的に除去し得る酸素吸収部材を栓に設置し、ワイン瓶の内部に追加に流入される空気を許容した状態で酸素とワインの接触を減らすものであった。
【0005】
しかし、ワイン瓶を倒すと酸素吸収部材の保存機能が失われるという問題点がある。そこで、瓶の携帯し移動することができない、セラーにワイン瓶を倒して保管することができないという更なる問題点があり、特にセラーに保管することができなければ温度、紫外線に敏感なワインの保存は不可能である。
【0006】
また、それだけでなく、従来技術は酸素吸収部材が使い捨てであって保存し得る時間が短く、継続して新しい酸素吸収部材に入れ替えなければならないため、コストが多く発生するという問題点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明が解決しようとする課題は、追加の副資材を購入せずとも空気との接触を最小化し得る飲食料保管装置を提供することにある。
【0009】
本発明が解決しようとする他の課題は、容器の内部に追加に流入される空気を防止し得る飲食料保管装置を提供することにある。
【0010】
本発明が解決しようとするまた他の課題は、倒しても容器の内部に空気が流入されることを防止し、セラーに倒して保管し得る飲食料保管装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記のような技術的課題を解決するために、本発明の好ましい一側面によると、飲食料を入れる容器と、前記容器の内面に密着して上下方向に動き得るピストン部と、を含むが、前記ピストン部は、内部が空いており、上下方向に動き得る首部を含み、前記首部は、前記首部の上端に上向きに突出されて形成されており、外周面には第1ねじ部及び第1排出溝が形成されており、前記容器内の飲食料または空気を排出する排出部と、前記排出部と離隔されたところに前記第1排出溝とは反対方向に上向きに傾斜して形成される第1流れ誘導部と、前記排出部と前記第1流れ誘導部との間に形成されており、前記排出された飲食料が溜まる第1溜まり部とを含む飲食料保管装置を提供し得る。
【0012】
ここで、前記首部は、前記首部の上端の外周面の一部に上向きに傾斜して形成されている第2流れ誘導部と、前記第2流れ誘導部から上向きに突出されている流れ防止段差と、前記第2流れ誘導部と連結されて前記首部の上端の外周面の一部に前端に向かって下向きに傾斜して形成される排出口と、前記排出口と前記第1流れ誘導部との間に形成されており、前記排出された飲食料が溜まる第2溜まり部とを含み得る。
【0013】
ここで、前記排出部の下端には前記第1排出溝と連通する第2排出溝が形成されており、前記ピストン部は、前記首部の内部に収容され、前記第2排出溝と挿入結合されて前記容器内の飲食料が移動する通路である排出管を含み得る。
【0014】
ここで、前記ピストン部は、前記首部の内部に収容され、一端のみぞに前記排出管が結合する内部キャップを含み得る。
【0015】
ここで、前記ピストン部は、前記内部キャップの他端に挿入結合され、一端に第4排出溝が形成されている遮断キャップを含むが、前記遮断キャップが前記内部キャップに挿入結合する際、前記第4排出溝の中心と前記内部キャップの溝の中心は互いにずれ得る。
【発明の効果】
【0016】
本発明は、ワインなど、空気と接触する際に変質しやすい飲食料を更に長く保管し得るという効果がある。
【0017】
また、本発明は、ワインを保管した状態で内部に保管されるワインが流れにくいように完璧にシーリングされて、携帯が可能でありながらもワインセラーなどに保管し得る効果がある。
【0018】
また、本発明は内部に保管される飲食料の量に関係なく空気との接触を最小化し得るため、保管期間を更に長く確保し得るという効果がある。
【0019】
また、本発明は追加の副資材を購入せずとも空気との接触を最小化し得るという効果がある。
【0020】
また、本発明は倒しても容器の内部に空気が流入されることを防止し、セラーに倒して保管し得るという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明の一実施例による飲食料保管装置の正面図である。
【
図2】本発明の一実施例によるピストン部の構成図である。
【
図3】本発明の一実施例による首部を説明するための図である。
【
図5】本発明の一実施例によるピストン部に栓が結合された使用概念図である。
【
図6】本発明の一実施例によって内部に飲食料を保管するために入れた後、空気を排出する使用概念図である。
【
図7】本発明の一実施例によって内部に飲食料を保管するために入れた後、空気を排出する使用概念図である。
【
図8】本発明の一実施例によって飲食料保管装置に保管されている飲食料を排出する使用概念図である。
【
図9】本発明の他の実施例によって内部に飲食料を保管するために入れる使用概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、添付した図面を参照して本発明に開示された実施例を詳細に説明するが、図面符号に関係なく、同じであるか類似した構成要素は同じ参照番号を与えてそれに関する重複する説明は省略する。以下の説明で使用される構成要素に対する接尾辞である「モジュール」及び「部」は、明細書作成の容易さのみを考慮して付与されるか混用されるものであって、それ自体では互いに区別される意味または役割を有しない。また、本明細書に開示された実施例を説明するに当たって、関連する公知技術に関する具体的な説明が本明細書に開示された実施例の要旨を不明確にする恐れがあると判断されれば、その詳細な説明を省略する。また、添付した図面は本明細書に開示された実施例を理解しやすくするためだけのものであって、添付した図面によって本明細書に開示された技術的思想は制限されず、本発明の思想及び技術範囲に含まれる全ての変更、均等物乃至代替物を含むと理解すべきである。
【0023】
第1、第2などのような序数を含む用語は多様な構成要素を説明するのに使用されるが、前記構成要素は前記用語に限らない。前記用語は一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的にのみ使用される。
【0024】
ある構成要素が他の構成要素に「連結されて」いるか「接続されて」いると言及されれば、その他の構成要素に直接連結されているか、または接続されていてもよいが、中間に他の構成要素が存在する可能性もあると理解すべきである。一方、ある構成要素が他の構成要素に「直接連結」されているか「直接接続」されていると言及されれば、その中間に他の構成要素が存在しないと理解すべきである。
【0025】
単数の表現は、文脈上明白に異なるように意味しない限り、複数の表現を含む。
【0026】
本出願において、「含む」または「有する」などの用語は明細書の上に記載された特徴、数字、ステップ、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものが存在することを指定するものであって、一つまたはそれ以上の他の特徴や数字、ステップ、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものの存在または付加可能性を予め排除しないと理解すべきである。
【0027】
図1は、本発明の一実施例による飲食料保管装置の正面図である。
【0028】
図1を参照すると、飲食料保管装置10は、容器100と、ピストン部200と、栓300とを含む。
【0029】
容器100は上端が開放されており、内部に飲食料を入れられる。
【0030】
ピストン部200は容器100の内面に密着したまま上下方向に動き得るため、残った飲食料の量によって容器100の内部の空気を効果的に除去し得る。
【0031】
栓300はピストン部200の上側からピストン部200と着脱され、容器100の内部に空気が入ることを防止する。
【0032】
図2は、本発明の一実施例によるピストン部の構成図である。
図3は、本発明の一実施例による首部を説明するための図である。
図4は、本発明の一実施例による栓の構成図である。
図5は、本発明の一実施例によるピストン部に栓が結合された使用概念図である。
【0033】
図2乃至
図5を参照すると、ピストン部200は、首部210と、排出管220と、ガイド部230と、下端キャップ240と、シーリング部250と、内部キャップ260と、防止キャップ270とを含む。
【0034】
首部210は内部が空いており、ユーザの操作によって上下方向に動いて容器100の内外部を移動する。また、首部210は、上部首部210-1と下部首部210-2とからなり、上部首部210-1及び下部首部210-2の外周面の一部にはねじ山があって互いに着脱され得る。上部首部210-1のねじ山の下側は下部首部210-2の内部に挿入され、下端キャップ240の第3排出溝241を介して下部首部210-2の内部に穿孔されている空き空間を介して移動した空気及び飲食料が遮断キャップ270及び内部キャップ260以外の他のところに排出できないようにする。
【0035】
首部210は、排出部211と、第1流れ誘導部212と、第2流れ誘導部213と、流れ防止段差214と、排出口215と、第1溜まり部216と、第2溜まり部217とを含む。
【0036】
排出部211は首部210の上端、好ましくは、上部首部210-1の上端に上向きに突出するように形成されていながら、排出部211は排出管220を介して移動した飲食料または容器100の内部の空気を排出する。
【0037】
また、排出部211の外周面には第1ねじ部211-1及び第1排出溝211-2が、下端には第2排出溝211-3が形成されている。
【0038】
第1ねじ部211-1は栓300の第2ねじ部330と結合及び脱着される。このように、第1ねじ部211-1が第2ねじ部330と結合及び脱着されることで、排出部211が栓300の水密部320と脱着されて排出部211が水密部320によって露出されるか塞がれるようになる。
【0039】
第1排出溝211-1は排出部211の外周面の一部の排出口215の方向に対応するところに形成され、排出管220及び第2排出口211-3を介して移動した飲食料または空気を排出する。
【0040】
第1排出溝211-1の直径は4mm乃至5mm以下であるが、これは第1排出溝211-2の直径が4mm以下であれば容器100内の圧力が容器100外の圧力より小さくて第1排出溝211-2を介して飲食料が排出されないという問題点があり、詳しくは、第1排出溝211-2を介して排出される飲食料の量が少なすぎて、第1、2溜まり部216、217に溜まった飲食料が排出部215の高さ以上になって排出部215を介して飲食料が排出されるまで多くの時間が所要されるという問題点がある。第1排出溝211-2の直径が5mm以上であれば排出圧力が強くて第1排出溝211-2を介して排出される飲食料が排出口215を超えて、つまり、飲食料保管装置10の外部にすぐに排出されるという問題点があるためである。
【0041】
第2排出溝211-3は排出部211の下端に第1排出溝211-2と連通するように形成され、排出管220の一端が挿入結合される。
【0042】
第1流れ誘導部212は首部210の上端、好ましくは、上部首部210-1の上端の排出部211と離隔されたところに第1排出溝211-2とは反対方向に上向きに傾斜して形成され、第1排出溝211-2を介して排出された後、第2溜まり部217及び第1溜まり部216のうち少なくともいずれか一つから溢れた飲食料を第2溜まり部217及び第1溜まり部216のうちいずれか一つに移動するように誘導する。
【0043】
第2流れ誘導部213は首部210の上端、好ましくは、上部首部210-1の上端の外周面の一部に上向きに傾斜して形成されており、第1、2溜まり部216、217及び第1流れ誘導部212のうち少なくともいずれか一つから溢れた飲食料を第1、2溜まり部216、217及び第1流れ誘導部212のうち少なくともいずれか一つに移動するように誘導する。
【0044】
流れ防止段差214は第2流れ誘導部213から上向きに突出されており、第2流れ誘導部213を超えて飲食料が外部に溢れる溢れることを防止する。ここで、流れ防止段差214の高さは2mm以上であり得る。
【0045】
排出口215は第2流れ誘導部213と連結されて首部210の上端、好ましくは、上部首部210-1の上端の外周面の一部に前端に向かって下向きに傾斜して形成されており、飲食料が外部に排出されるようにする。ここで、排出口215の傾斜した角度は約25度であり、長さは5mm以上である。
【0046】
詳しくは、第1排出溝211-2を介して排出された飲食料は第2溜まり部217に排出され、第2溜まり部217及び第1溜まり部216に溜まってから排出された飲食料の高さが排出口215の高さ以上になれば排出口215を介して外部に排出される。この際、第1排出溝211-2を介して排出された飲食料の量が排出口215を介して排出される量より多くて、第2溜まり部217及び第1溜まり部216に溜まった飲食料が第1流れ誘導部212及び第2流れ誘導部213のうち少なくともいずれか一つに超えていくようになれば、傾斜した第1流れ誘導部212及び第2流れ誘導部213のうち少なくともいずれか一つによって第1流れ誘導部212及び第2流れ誘導部213のうち少なくともいずれか一つに超えてきた飲食料が第2溜まり部217及び第1溜まり部216のうち少なくともいずれか一つに誘導されて移動する。また、第2流れ誘導部213に超えてきた飲食料は流れ防止段差214によって塞がれて外部に溢れることができず、第2流れ誘導部213を介して第2溜まり部217及び第1流れ誘導部212のうち少なくともいずれか一つに誘導されて移動する。
【0047】
このように、飲食料が第1排出溝211-2を介して排出されて第2溜まり部217及び第1溜まり部216に溜まってから排出された飲食料の高さが排出口215以上になったら排出口215を介して外部に排出されるため、飲食料保管装置10を斜めにするかひっくり返さなくても飲食料をユーザがコップなどを利用して飲むことができ、飲食料保管装置10を斜めにするかひっくり返す際に飲食料保管装置10に空気が流入されるという問題点を予防し得る。また、第1流れ誘導部212、第2流れ誘導部213、及び流れ防止段差214によって第1排出溝211-2を介して排出される飲食料の量が多くても、外部に溢れずに第2溜まり部217及び第1溜まり部216に飲食料が誘導されて排出口215を介して外部に排出される。
【0048】
第1溜まり部216は排出部211と第1流れ誘導部212との間に、第2溜まり部217は排出部211と排出口215との間に形成されている。
【0049】
第1、第2溜まり部216、217は第1排出溝211-2を介して排出された飲食料が溜まるところであって、本発明の好ましい一実施例の飲食料保管装置10は、第1排出溝211-2を介して排出された飲食料が飲食料保管装置10の外部にすぐに排出されずに、先に第1、2溜まり部216、217に排出されて溜まった後、排出された飲食料の高さが排出口215の高さ以上になったら飲食料が排出口215を介して飲食料保管装置10の外部に排出される。ここで、第1溜まり部216には栓300の水密部320が排出部211と結合される際に挿入され得る。
【0050】
排出管220は首部210の内部、好ましくは、上部首部210-1の内部に収容され、一端は第2排出溝211-3に、他端は内部キャップ260と結合されて、容器内に入っている飲食料または容器内の空気が第3排出溝241を介して第1排出溝211-2に移動するようにする通路となる。ここで、排出管220の一端のうち一部は第2排出溝211-3に挿入される際に第1排出溝211-2と連結され得る。つまり、排出管220は排出部211に挿入され得る。
【0051】
排出管220の形が円形であれば
図2のように第2排出溝211-3の形は矩形に形成されてもよいが、必ずしもこれに限らず、第2排出溝211-3の形は円形に形成されてもよい。また、排出管220の形が円形であれば排出管220の直径は4mm乃至5mm以下でありながら、長さは5mm乃至40mm以下である。
【0052】
飲食料保管装置10の容器100に容量650mlの水を入れてから飲食料保管装置10をひっくり返した場合、排出管220の直径と長さによる空気が排出管220を介して容器100の内部に入ることに関する実験を行った。実験結果、排出管220の直径が6mm以上であれば排出管220の長さとは関係なく排出管220を介して容器100の内部に空気が流入され、容器100内の飲食料が排出されるという問題点が発生した。また、排出管220の直径が5mm以下である場合、排出管220の長さが5mm未満であれば排出管220を介して容器100の内部に空気が流入され、排出管220の長さが5mm以上であれば排出管220を介して容器100の内部に空気が流入されなかった。また、排出管220の直径が4mm以下または排出管220の長さが40mm以上であれば容器100内の圧力が容器100外の圧力より小さくて第1排出溝211-2を介して飲食料が排出されないという問題点、詳しくは、第1排出溝211-2を介して排出される飲食料の量が少なすぎて、第1、2溜まり部216、217に溜まった飲食料が排出部215の高さ以上になって排出部215を介して飲食料が排出されるまで多くの時間が所要されるという問題点が発生した。
【0053】
排出管220の直径が4mm乃至5mm以下でありながら長さが5mm乃至40mm以下でなければ、第1排出溝211-2を介して飲食料を排出できず、外部の空気が排出管220を介して容器100の内部に入ることを防げないということを確認した。
【0054】
また、本発明の好ましい一実施例では排出管220の断面の形が矩形である場合は、
図2のように第2排出溝211-3の形が矩形で、排出管220の断面の対角線の長さが4mm乃至5mm以下になるように提案する。これは、空気の場合は表面積を小さくするように球状になるが、排出管220の断面の対角線の長さが4mm未満であれば容器100の内部の空気が排出管220にかかって排出管220を介して移動できず、空気が第1排出溝211-2を介して外部に抜け出せないという問題点があるためである。逆に排出管220の断面の対角線の長さが5mm以上であれば、第1排出溝211-2を介して空気が入ってきたら、空気が排出管220を介して内部キャップ260に入って容器100の内部に入られるためである。
【0055】
また、本発明の好ましい一実施例では排出管220の断面の形が三角形であれば第2排出溝211-3の形が三角形で、排出管220の断面の最も長い辺の長さが4mm乃至5mm以下になるように提案する。これは、空気の場合は表面積を小さくするように球状になるが、排出管220の断面の最も長い辺の長さが4mm未満であれば容器100の内部の空気が排出管220にかかって排出管220を介して移動できず、空気が第1排出溝211-2を介して外部に抜け出せないという問題点があるためである。逆に排出管220の断面の最も長い辺の長さが5mm以上であれば、第1排出溝211-2を介して空気が入ってきたら、空気が排出管220を介して内部キャップ260に入って容器100の内部に入られるためである。
【0056】
ガイド部230は容器100の上端に固定され、中央に首部210が通る穴を形成して、首部210が上下方向に摺動する際に案内する役割をする。
【0057】
下端キャップ240は首部210の下端、好ましくは、下部首部210-2に結合され、中央には第3排出溝241が形成されて、第3排出溝241を介して容器100内の飲食料または容器100の内部の空気が首部210、好ましくは、下部首部210-2の内部の空き空間を介して移動する。ここで、下端キャップ240は首部210の下端、好ましくは、下部首部210-2の下端に一体型に形成され得る。
【0058】
シーリング部250は下端キャップ240の外周面に結合され、容器100の内面と密着された状態で維持されて飲食料が容器100の外に流出されることを防止する。そのためにシーリング部250はシリコンやゴムなどの材質からなって、容器100の内面と密着された状態を維持し得る。
【0059】
内部キャップ260は首部210、好ましくは、上部首部210-1に挿入収容され、内部キャップ260は内部が空いており、一端には溝がって排出管220が結合され、他端は遮断キャップ270が挿入結合される。また、内部キャップ260は遮断キャップ270が挿入結合されても内部に空き空間があり、首部210、好ましくは、下部首部210-2の内部の空き空間を介して移動した容器100内の飲食料または容器100の内部の空気が遮断キャップ270の第4排出溝271を介して排出されて内部に貯蔵された後、一端に連結された排出管220を介して移動するようにする。
【0060】
遮断キャップ270はゴムまたはシリコン材質であって、内部キャップ260の他端に挿入結合され、上部首部210-1と下部首部210-2との間に介在されて隙間から空気や飲料が漏れることを防ぐ。内部キャップ260の他端に挿入された一端は直径2mm以上の第4排出溝271が遮断キャップ270の他端両側の先端から上向きに傾斜して形成されており、他端の下部には溝が形成されていて、内部は空いている。この際、遮断キャップ270の第4排出溝271は、遮断キャップ270が内部キャップ260に挿入結合する際、内部キャップ260の一端の排出管220が結合される溝の中心と対応せずにずれた位置に形成されている。つまり、第4排出溝271の中心と内部キャップ260の溝の中心は互いにずれている。このように、第4排出溝271が排出管220の溝の中心と対応せずにずれた位置に形成されることは、排出管220を介して流入された空気を容器100内に流入させずに内部キャップ260の空き空間に閉じ込めるためである。詳しくは、排出管220を介して内部キャップ260の空き空間に流入された空気は容器100の方向に下降するが、第4排出溝271の中心と内部キャップ260の溝の中心が互いにずれていて流入された空気が第4排出溝271に流入されず、第4排出溝217の上向きに傾斜した部分に移動して内部キャップ260の空き空間に閉じ込められる。これによって飲食料を排出するために飲食料保管装置10を斜めにするかひっくり返しても、排出管220を介して内部キャップ260の空き空間に流入された空気は容器100の方向に移動できない。
【0061】
また、第4排出溝271が排出管220の溝の中心と対応せずにずれた位置に形成されることは、第4排出溝271に飲食料を排出する際に内部キャップ260の空き空間に閉じ込められている空気を第1排出溝211-2を介して排出するためである。詳しくは、第4排出溝271の中心と内部キャップ260の溝の中心が一致すれば、圧力で飲食料のみすぐに内部キャップ260の溝に結合された排出管220を介して第1排出溝211-2を介して排出され、第4排出溝271以外の内部キャップ260の空き空間に閉じ込められている空気は排出されず、内部キャップ260の空き空間にずっと閉じ込められている状態が維持される。それに対し、本発明の好ましい一実施例のように第4排出溝271の中心と内部キャップ260の溝の中心が互いにずれていれば、第4排出溝271に排出された飲食料がすぐに内部キャップ260の溝に結合された排出管220に排出されず、内部キャップ260の溝に結合されてから、内部キャップ260の空き空間に閉じ込められている空気と共に内部キャップ260の溝に結合された排出管220を経て第1排出溝211-2を介して排出されるようにする。ここで、
図3には示していないが、遮断キャップ270の他端には取っ手があって、ユーザが遮断キャップ270を便利に分離するようにし得る。
【0062】
栓330は首部210の上端上側から首部210の上端に着脱されて容器100の内部に空気が入ることを防止し、筐体310と、水密部330と、第2ねじ部330とを含む。
【0063】
筐体310は上端が塞がれており、下端は開放されて排出口215を除いた首部210の上端に形成された排出部211、第1流れ誘導部212、第2流れ誘導部213、流れ防止段差214、第1溜まり部216、及び第2溜まり部217を収容し塞ぐ。
【0064】
水密部320は筐体310の底面の一部に突出するように形成され、ピストン部200と栓300が結合する際に排出部211の上側から排出部211に向かって垂直下向きに進入し第1溜まり部216に挿入されて、排出部211を塞いで外部の空気が排出部211を介して容器100に進入することと容器100内の飲食料が排出口211を介して外部に排出されることを防止する。ここで、図示していないが、水密部320と排出部211との間にはゴム素材またはシリコン素材のオーリングが更に結合されて外部の空気が排出部211を介して容器100に進入することを水密部320と共に防止し、容器100内の飲食料が排出口211を介して外部に排出されることを水密部320と共に防止するが、水密部320が排出部211に挿入されて結合する際、水密部320と排出部211との間には2mm以上の余裕空間があり得る。
【0065】
第2ねじ部330は水密部32の内周面に形成され、第1ねじ部211-1と結合及び脱着されて排出部211が水密部320と着脱されるようにする。
【0066】
図6及び
図7は、本発明の一実施例によって内部に飲食料を保管するために入れた後、空気を排出する使用概念図である。
【0067】
空いている飲食料保管装置10から上部首部210-1、排出管220、内部キャップ260、遮断キャップ270、及び栓300を除去した後(
図6(a))、下部首部210-2を介して他の容器400に入っている飲食料を空いている容器100に注ぐ(
図6(b))。
【0068】
図7(a)のように、更に上部首部210-1、排出管220、内部キャップ260、遮断キャップ270を下部首部210-2に結合した後、ピストン部200から栓300を脱着する。そして、
図7(b)のようにピストン部200を下向きに押して空気を排出する。詳しくは、ユーザが首部210を持って下向きに移動させたら、下端キャップ240及びシーリング部250が下向きに移動されながら容器100内の圧力によって容器100内に存在する空気が第3排出溝241と排出管220を介して第1排出溝211-2まで移動した後、外部に排出される。空気が全部排出されてからはピストン部200に栓300を結合し、外部の空気が排出部211を介して容器100内に入ることを防止する。
【0069】
図8は、本発明の一実施例によって飲食料保管装置に保管されている飲食料を排出する使用概念図である。
【0070】
図8(a)に示したように、ピストン部200から栓300を脱着して排出部211が外部に露出されるようにする。そして、
図8(b)のように、ピストン部200を下向きに押して飲食料を排出部211の外部に排出させる。詳しくは、ユーザが首部210を持って下向きに移動させたら、下端キャップ240及びシーリング部250が下向きに移動されながら容器100内の圧力によって容器100内に貯蔵されている飲食料が第3排出溝241と排出管220を介して第1排出溝211-2まで移動した後、第1排出溝211-2を介して外部に排出される。次に、第1排出溝211-2を介して排出された飲食料は第2溜まり部217に排出され、第2溜まり部217及び第1溜まり部216に溜まってから排出された飲食料の高さが排出口215の高さ以上になれば排出口215を介して外部に排出される。ここで、容器100に入っている飲食料を排出する際、上部首部210-1、排出管220、内部キャップ260、遮断キャップ270、及び栓300を除去した後、容器100を斜めにして下部首部210-2を介して排出してもよい。
【0071】
図9は、本発明の他の実施例によって内部に飲食料を保管するために入れる使用概念図である。
【0072】
空いている飲食料保管装置10の容器100からピストン部200及び栓300を除去した後(
図9(a))、他の容器400に入っている飲食料を空いている容器100に注ぐ(
図9(b))。
【0073】
これまで本発明による飲食料保管装置の実施例を説明したが、これは少なくとも一つの実施例として説明されるものであり、これによって本発明の技術的思想とその構成及び作用が制限されないため、本発明の技術的思想の範囲は図面または図面を参照して説明によって限定/制限されない。また、本発明で提示された発明の概念と実施例は本発明の同じ目的を行うために他の構造に修正されるか設計されるための基礎として本発明の属する技術分野の通常の知識を有する者によって使用され得るが、本発明の属する技術分野の通常の知識を有する者による修正及び変更された等価構造は特許請求の範囲で記述される本発明の技術的範囲に拘束されるものであって、特許請求の範囲で記述した発明の思想や範囲を逸脱しない限度内で多様な変化、置換、及び変更が可能である。
【符号の説明】
【0074】
100:容器
200:ピストン部
300:栓