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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-30
(45)【発行日】2025-02-07
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/33 20060101AFI20250131BHJP
   G02B 3/00 20060101ALI20250131BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20250131BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20250131BHJP
   H10H 20/00 20250101ALI20250131BHJP
   H10H 20/85 20250101ALI20250131BHJP
   H10H 20/856 20250101ALI20250131BHJP
【FI】
G09F9/33
G02B3/00 A
G09F9/00 302
G09F9/30 349D
G09F9/30 349Z
H10H20/00 L
H10H20/85
H10H20/856
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2023569090
(86)(22)【出願日】2022-10-17
(86)【国際出願番号】 JP2022038600
(87)【国際公開番号】W WO2023119815
(87)【国際公開日】2023-06-29
【審査請求日】2024-04-04
(31)【優先権主張番号】P 2021208580
(32)【優先日】2021-12-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】弁理士法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】上條 陽一
(72)【発明者】
【氏名】今関 佳克
(72)【発明者】
【氏名】大澤 修一
(72)【発明者】
【氏名】宮坂 光一
(72)【発明者】
【氏名】亀井 義史
【審査官】川俣 郁子
(56)【参考文献】
【文献】特表2018-522413(JP,A)
【文献】特開2021-092646(JP,A)
【文献】特開2021-034441(JP,A)
【文献】特表2014-526120(JP,A)
【文献】特開2010-092973(JP,A)
【文献】特開平07-110660(JP,A)
【文献】特開2006-210627(JP,A)
【文献】特開2009-038315(JP,A)
【文献】国際公開第2021/241188(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 9/00-9/46
H10H 20/00
H10H 20/856
H10H 20/85
G02B 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の貫通孔を有するカバーガラスと、
複数の発光ダイオードと、
基板と、
前記複数の貫通孔の内側及び前記カバーガラスと前記基板との間に位置する樹脂層と、を有し、
前記複数の貫通孔の内側面は反射層で覆われ、
前記複数の発光ダイオードは平面視において前記複数の貫通孔の中に配置され、
前記カバーガラスは第1面と前記第1面とは反対側に位置する第2面とを有し、
前記複数の貫通孔は第1貫通孔を有し、
前記第1貫通孔は前記第1面に設けられた第1開口と前記第2面に設けられた第2開口とを含み、
前記第1貫通孔の内側における前記樹脂層は第2開口に対し凸形状を有する、
表示装置。
【請求項2】
前記第1開口及び前記第2開口の中心を通る面で切断した端面視において前記第1開口の幅は前記第2開口の幅より狭い、
請求項に記載の表示装置。
【請求項3】
前記第1開口及び第2開口の中心を通る面で切断した端面視において前記第2開口と前記第1貫通孔の母線とで形成される第1角は85度以上90度以内である、
請求項に記載の表示装置。
【請求項4】
前記第1開口及び前記第2開口の中心を通る面で切断した端面視において前記第1開口の幅は第2開口の幅より広い、
請求項に記載の表示装置。
【請求項5】
前記第1開口及び第2開口の中心を通る面で切断した端面視において前記1開口と前記第1貫通孔の母線とで形成される第2角は85度以上90度以内である、
請求項に記載の表示装置。
【請求項6】
前記凸形状の上端は前記第1開口及び第2開口の中心を通る端面視において前記第1面より下に位置する、
請求項に記載の表示装置。
【請求項7】
前記凸形状の上端は前記第1開口及び第2開口の中心を通る端面視において前記第1面より上に位置する、
請求項に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態の一つは、カバーガラス、表示装置およびその製造方法に関する。特にマイクロLEDを搭載した表示装置およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
表示装置の一つとして、発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)が搭載されているLED表示装置が知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2021-92646号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の実施形態の一つは、新規な構造を有するカバーガラス、カバーガラスとLEDを搭載する表示装置を提供することを課題の一つとする。また、輝度の高い表示装置を提供することを課題の一つとする。また、正面輝度の高い表示装置を提供することを課題の一つとする。また、効率の高い表示装置を提供することを課題の一つとする。さらに、消費電力の低い表示装置を提供することを課題の一つとする。さらに、カバーガラスを搭載する薄型で軽量な表示装置を提供することを課題の一つとする。また、カバーガラスを搭載する表示装置の製造工程を簡略化することを課題の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の実施形態の一つは、カバーガラスである。このカバーガラスは、第1面と、第1面とは反対側に位置する第2面と、第1面に設けられた第1開口及び第2面に設けられた第2開口を含む第1貫通孔と、有し、第1貫通孔の内側面を覆う反射層と、を有する。
【0006】
本発明の実施形態の一つは、表示装置である。この表示装置は、複数の貫通孔を有するカバーガラスと、複数の発光ダイオードと、を有し、複数の貫通孔の内側面は反射層で覆われ、複数の発光ダイオードは平面視において前記複数の貫通孔の中に配置される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の一実施形態に係る表示装置の模式的上面図である。
図2】本発明の一実施形態に係る表示装置の模式的端面図である。
図3】本発明の一実施形態に係る表示装置の模式的端面図である。
図4】本発明の一実施形態に係る表示装置の模式的端面図である。
図5】本発明の一実施形態に係る表示装置の模式的端面図である。
図6】本発明の一実施形態に係る表示装置の模式的上面図である。
図7】本発明の一実施形態に係る表示装置の模式的端面図である。
図8】本発明の一実施形態に係る表示装置の模式的端面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の各実施形態について、図面等を参照しつつ説明する。但し、本発明は、その要旨を逸脱しない範囲において様々な態様で実施することができ、以下に例示する実施形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
【0009】
図面は、説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等につ
いて模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。本明細書と各図において、既出の図に関して説明したものと同様の機能を備えた要素には、同一の符号を付して、重複する説明を省略することがある。
【0010】
本明細書および請求項において、ある構造体の上に他の構造体を配置する態様を表現するにあたり、単に「上に」と表記する場合、特に断りの無い限りは、ある構造体に接するように、直上に他の構造体を配置する場合と、ある構造体の上方に、さらに別の構造体を介して他の構造体を配置する場合との両方を含むものとする。
【0011】
本明細書および請求項において、「ある構造体が他の構造体から露出するという」という表現は、ある構造体の一部が他の構造体によって覆われていない態様を意味し、この他の構造体によって覆われていない部分は、さらに別の構造体によって覆われる態様も含む。
【0012】
本明細書および請求項において、端面視という表現は、対象物を垂直に切断し、横から眺めたときを表す。端面図は、端面視したときの図を含むものとする。また、平面視という表現は、対象物を真上から眺めたときを表す。上面図または平面図は、平面視したときの図を含むものとする。
【0013】
<第1実施形態>
1.全体構成
本実施形態では、一実施形態に係る表示装置100の構造を記述する。図1は、実施形態に係る表示装置の模式的上面図である。図1に示すように、表示装置100は、図示しない基板(後述の回路基板130)、カバーガラス102、フレキシブルプリント回路基板104、ICチップ106(Integrated Circuit チップ)を有する。表示装置100は、表示領域108、周辺領域110、および端子領域112に区分される。
【0014】
表示領域108には、複数のLEDチップを含む複数の開口114が行方向(X方向)及び列方向(Y方向)に配置されている。複数の開口114は、図1に示すように、行列状(マトリクス状)に並び配置することができる。
【0015】
複数の開口114は、表示装置100の画素に相当する領域に設けられる。複数の各開口114の中に、単数または複数のLEDチップは設けられる。複数のLEDチップは、例えば、LEDチップ118R、LEDチップ118G、LEDチップ118B含むことができ、図1に示すように、LEDチップ118R、LEDチップ118G、LEDチップ118Bは開口114に配置される。複数のLEDチップ118は、図1に示すように、三角形の頂点の位置のように配置してもよいが、開口114の中に収まるように配置されればよい。
【0016】
また、上述したように各開口114の中に複数のLEDチップが設けられるとき、各LEDチップの射出する光の色は、赤、青、緑とすることができる。
【0017】
さらに、図示しないが、表示装置100は、図1に示す開口114と隣接する開口が結合されたような大きさの一つの開口を設けてもよい。つまり、図1に示す開口114は表示装置100の画素毎に設けられた例を示したが、2つまたは複数の画素に対して1つの開口を設けてもよい。
【0018】
複数の開口114の形状は、図1に示すように円形、または楕円形とすることができる。開口の形は、正円でなくともよい。開口の長さ122は、開口が円形であるとき、その円の中心を通り、開口の円周上に両端がある線分の長さを表すことができる。開口の長さ122は、例えば100μm以上120μm以下の範囲とすることができる。
【0019】
複数の開口114は、図1に示すように、カバーガラス102が有する複数の貫通孔124の開口とすることができる。したがって、複数の開口114の中に設けられる複数のLEDチップは、複数の貫通孔124の中に配置される。具体的には、図1に示すように、開口114および貫通孔124の中にLEDチップ118R、LEDチップ118G、LEDチップ118Bは配置される。また、このように配置されるLEDチップ118R、LEDチップ118G、LEDチップ118Bを複数のLEDチップ118と呼ぶこともできる。さらに、上述したように、各開口114および各貫通孔124の中に配置されるLEDチップは、単数のLEDチップでもよい。例えば、LEDチップ118Gが、貫通孔124に配置することができる。
【0020】
さらに、図示されないが、表示装置100は、図1に示す貫通孔124と隣接する貫通孔が結合されたような大きさの一つの貫通孔を設けてもよい。つまり、図1に示す貫通孔124は画素毎に設けられた例を示したが、2つまたは2つ以上の画素に対して1つの貫通孔を設けてもよい。したがって、一つの貫通孔124に2つまたは2つ以上のLEDチップ118R、2つまたは2つ以上のLEDチップ118G、2つまたは2つ以上のLEDチップ118Bが設けられてもよい。
【0021】
反射層126は、図1に示すように、複数の開口114の内側面に配置される。さらに、複数の開口114の内側に、図1に示すように、樹脂層128が配置される。
【0022】
周辺領域110は、表示領域108の周囲の領域である。周辺領域110は、図示していないが、各画素に設けられた画素回路を制御するためのドライバ回路及びドライバ回路から画素回路に接続される複数の配線が設けられる領域である。
【0023】
端子領域112は、上述したドライバ回路に接続された複数の配線が集約された領域である。フレキシブルプリント回路基板104は、端子領域112において複数の配線に電気的に接続される。図示しない外部装置から出力された映像信号(データ信号)又は制御信号は、フレキシブルプリント回路基板104に設けられた図示しない配線を介して、ICチップ106に入力される。ICチップ106は、映像信号に対して各種の信号処理を行ったり表示制御に必要な制御信号を生成したりする。ICチップ106から出力された映像信号及び制御信号は、フレキシブルプリント回路基板104を介して、表示装置100に入力される。
【0024】
2.全体構造
図2は、図1で示す鎖線A-A´に沿った端面の模式図を示す。図2に示すように、複数のLEDチップ118は、回路基板130の上に設けられる。上述したように、複数の貫通孔124はカバーガラス102に設けられ、複数のLEDチップ118は、複数の貫通孔124の内側に配置される。
【0025】
カバーガラス102は、上述したように、複数の貫通孔124を含み、複数の貫通孔124の内側面124-2は反射層126で覆われる。この場合、LEDチップ118の射出光は、貫通孔124を通り、カバーガラス102の外へ取り出される。また、LEDチップ118の射出光のうち拡散する光は、貫通孔の内側面を覆う反射層126に反射し、カバーガラス102の外へ取り出される。
【0026】
カバーガラス102は、例えば、ガラスや石英などで構成される。カバーガラス102の材料としては、貫通孔の加工、例えば、レーザやガラスエッチング等の手法を用いた加工が可能な材料を用いればよい。
【0027】
反射層126は、カバーガラス102表面に金属皮膜を密着させることで、形成することができる。反射層126は、カバーガラス102表面または裏面に形成された金属皮膜は、除去され、貫通孔124の内側面のみに金属皮膜を残すことで、形成される。カバーガラス102表面または裏面に金属皮膜を除去しない場合、回路基板130との間に電気容量が形成されることがある。また、反射層126の膜厚は、例えば1μm以上3μm以下の範囲とすることができる。
【0028】
反射層126は、反射率が高い材料を用いることができる。反射層126は、撥水性の高い材料を用いることができる。反射層126は、例えば、ニッケル、アルミニウム等の金属を用いることができる。また、反射層126は、反射率の高い金属を用いて撥水性を高める加工を行うことで形成することができる。反射率の高い材料を反射層126に用いることで、LEDチップ118の射出光のうち拡散する光を平行光に近づけることができるため、拡散する光の集光率が高くなり、正面輝度を向上させることができる。
【0029】
貫通孔124は、一対の開口を含む。図2に示すように、貫通孔124は、第1開口132と第2開口134を含む。カバーガラス102は、第1面136と、第1面136と反対側の面であって回路基板130と向かい合う第2面138を含み、第1面136と第2面138は反対側に位置する。したがって、貫通孔124の第1開口132は、第1面136に設けられ、貫通孔124の第2開口134は、第2面138に設けることができる。
【0030】
カバーガラス102の第2面138は、後述する半導体層118R-1より下に配置することができる。カバーガラス102の第2面138は、発光部となる半導体層118R-1の全体より下に配置することにより、反射層126が半導体層118R-1の上端から下端まで囲むことができ、LEDチップ118から射出された光のうち拡散する光を効果的に反射することができる。また、このような配置により、表示装置100は、カバーガラス102または回路基板130の横方向の光漏れを防ぐことができる。表示装置100は、樹脂層128のうち、カバーガラス102と回路基板130との間に配置される樹脂層128を通る光を減少することができる。
【0031】
カバーガラス102と回路基板130との間に樹脂層128を設けることができる。樹脂層128は、回路基板130の上に設けることができる。樹脂層128の上に、カバーガラス102の第2面を配置することができる。樹脂層128は、第2面138と接するように設けることができる。第2面138と回路基板130との間に位置する樹脂層128の膜厚は、カバーガラス102と回路基板130との貼り合わせ工程における温度、圧力にて、カバーガラス102と回路基板130により調整することができる。さらに、樹脂層128は、貫通孔124の内側に位置してもよい。貫通孔124の内側に位置する樹脂層128の膜厚は、第2面138と回路基板130との間に位置する樹脂層128の膜厚より厚い。また、貫通孔124の内側に位置する樹脂層128はLEDチップ118を覆うことができる。これにより、LEDチップ118の表面を保護することができ、後述するLEDチップ118の電極間の絶縁の確保や半導体表面の露出を防ぐことができる。
【0032】
樹脂層128は、紫外線硬化性樹脂、熱硬化性樹脂、二液混合反応性樹脂等を用いることができる。また、カバーガラス102と回路基板130の屈折率と同程度の屈折率を有する樹脂を用いることができる。例えば、OCR(Optical Clear Resin)等の樹脂を用いることができる。樹脂層128は、カバーガラス102と回路基板130とを貼り合わせるときの接着層としての機能を有する。したがって、樹脂層128は、接着層とすることができる。
【0033】
LEDチップ118Rは、半導体層118R-1を含むことができる。半導体層118R-1は、例えば、III属元素のアルミニウム、インジウム、ガリウム等とV属元素の窒素、リン、ヒ素等との化合物によって作られる半導体材料を用いることができる。半導体層118R-1を構成する材料は、発光色に応じて用いることができる。
【0034】
本実施例では、LEDチップ118Rは赤色の光を射出し、LEDチップ118Gは緑色の光を射出し、LEDチップ118Bは青色の光を射出する。
【0035】
LEDチップ118Rは、端子電極118R-2を含むことができる。端子電極118R-2は、半導体層118R-1と、接続電極120とを電気的に接続するための端子として機能する。図2では、説明を簡略にするため、端子電極118R-2および接続電極120を1つずつしか図示していないが、フリップチップ型のLEDのように、1つの半導体層118R-1に対して、2つの端子電極118R-2および接続電極120が設けられてもよい。
【0036】
端子電極118R-2は、半導体層118R-1と、前述の複数の接続電極120とを電気的に接続するための端子として機能する。つまり、半導体層118R-1は、端子電極118R-2を介して接続電極120と電気的に接続することができる。本実施形態では、LEDチップがフリップチップ型であるLEDを例示したが、実際には、1つの半導体層118R-1に対して2つの接続電極120が設けられている。また、上述した構成を有するLEDチップは、LEDとして機能するため、上述した構成を有するLEDチップをLEDと呼ぶことができる。
【0037】
LEDチップ118Rは、後述する回路基板130に設けられた画素回路140と接続電極120を介して電気的に接続することができる。つまり、半導体層118R-1と端子電極118R-2は、接続電極120を介して画素回路140と電気的に接続することができる。
【0038】
各LEDチップ118R、LEDチップ118G、LEDチップ118Bが有する同じ構造については、説明を省略する。
【0039】
回路基板130は、表示領域108に設けられる複数の画素に相当する領域を有する。上述したように、複数の貫通孔124は、回路基板130の複数の画素に相当する領域と適合するように配置される。図2に示すように、回路基板130は、回路基板130の上に各画素に対応して、例えば、LEDチップ118を駆動する画素回路140を有する。支持基板101としては、例えば、ガラス基板、樹脂基板、セラミックス基板または金属基板を用いることができる。各画素回路140は、複数の薄膜トランジスタ(TFT)で構成される。各接続電極120は、各画素に配置され、それぞれ画素回路140に接続される。
【0040】
本実施形態では、支持基板101の上に、薄膜形成技術を用いて各画素回路140および各接続電極120を形成する例を示すが、この例に限られるものではない。例えば、第三者から既製品として支持基板101の上に画素回路140が形成された基板(いわゆるアクティブマトリクス基板)を取得してもよい。この場合、取得した基板上に、接続電極120を形成すればよい。また、本実施形態では、例えばフリップチップ型のLEDチップを実装する回路基板130について説明する。ただし、LEDチップ118Rは、回路基板130に対向する面に2つの電極を有するフリップチップ型の例に限られない。例えばLEDチップ118Rは、回路基板130に近い側にアノード電極(もしくはカソード電極)を有し、回路基板130から遠い側にカソード電極(もしくはアノード電極)を有する構造であってもよい。すなわち、LEDチップ118Rは、アノード電極とカソード電極との発光層を挟んだ構造を有するフェイスアップ型のLEDチップであってもよい。
【0041】
本実施形態では、支持基板101の上に12つの接続電極を配置した例を示しているが、本実施形態ではフリップチップ型のLEDチップ118Rを実装するため、実際には、各画素のLEDチップ118Rに少なくとも2つの接続電極120が形成される。フリップチップ型のLEDチップは、N型半導体に接続される端子電極およびP型半導体に接続される端子電極を有する。そのため、本実施形態では、各画素に1つのLEDチップを配置するため、各画素に対して、少なくとも2つの接続電極を配置する。ただし、LEDチップとして上述のフェイスアップ型のLEDチップを用いた場合には、支持基板上に、各画素のLEDチップに対して1つの接続電極が形成されていればよい。
【0042】
接続電極120は、例えば、導電性を有する金属材料で構成される。本実施形態では、金属材料として、錫(Sn)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、もしくはSn/Ni/Cuの積層体などを用いる。ただし、この例に限らず、後述するLEDチップ側の端子電極との間で共晶合金を形成し得る他の金属材料を用いることができる。接続電極120の厚さは、0.2μm以上5μm以下(好ましくは、1μm以上3μm以下)の範囲内で決めればよい。
【0043】
本実施形態では、説明を簡略にするため、端子電極118R-2および接続電極120を1つずつしか図示していないが、実際には、1つの半導体層118R-1に対して、2つの端子電極118R-2および接続電極120が設けられている。ただし、半導体層118R-1として上述のフェイスアップ型のLEDチップを用いた場合、各画素に対して1つの接続電極120が設けられた構造であってもよい。
【0044】
3.樹脂層の変形例
3-1.変形例1
ここで、樹脂層の構造の変形例について記述する。図3は、実施形態に係る表示装置の模式的端面図である。表示装置100では、図3に示すように、貫通孔124の内側に位置する樹脂層128は、カバーガラス102の第2面138に対し凸形状を有することができる。LEDチップ118Rから射出された光は、この樹脂層128の凸形状を有する部分を通ることにより、樹脂層128の外側面における反射を少なくすることができる。また、LEDチップ118Rから射出された光は、この樹脂層128の凸形状を有する部分を通ることにより、平行光になり得る。つまり、この形状により、LEDチップ118Rから射出される光の集光率を上げ、正面輝度をさらに向上させることができる。したがって、貫通孔124の内側に位置する樹脂層128はマイクロレンズ効果を持つことができる。
【0045】
凸形状を有する樹脂層128の上端128-1は、カバーガラス102の第1面より下に位置することができる。この上端の位置により、LEDチップ118Rが射出する光のうち平行光にならなかった光を反射層126で反射することで、LEDチップ118Rが射出した光の集光率を上げ、正面輝度をさらに向上させることができる。
【0046】
上述した樹脂層128の凸形状は、カバーガラス102と回路基板130とを樹脂層128を用いて貼り合わせる工程で形成することができる。つまり、上述した貼り合わせの工程にて、回路基板130に塗布された樹脂層128上にカバーガラス102が合わせられることで、回路基板130とカバーガラス102とに押された樹脂層128と、回路基板130と貫通孔124との間に位置する樹脂層128とが貫通孔124の内側に入り込み、入り込んだ樹脂層128が凸形状を有することができる。
【0047】
樹脂層128の凸形状は、反射層の材料の撥水性または、反射層の加工による撥水層により、調整してもよい。
【0048】
3-2.変形例2
さらに、樹脂層の構造の変形例について記述する。図4は、実施形態に係る表示装置の模式的端面図である。表示装置100では、図4に示すように、凸形状を有する樹脂層128の上端128-1は、カバーガラス102の第1面136より上に位置することができる。このように、凸形状を有する樹脂層128の上端128-1の位置を調整することにより、LEDチップ118からの発光点、または発光面から凸形状を有する樹脂層128までの焦点距離を調整することができる。
【0049】
樹脂層128は、第1開口132の内側に設けられる。上述したように、凸形状を有する樹脂層128の上端128-1は、カバーガラス102の第1面136より上に位置しているが、樹脂層128が第1開口132の内側に設けられることにより、隣接した貫通孔の内側に設けられる樹脂層が互いに接することを防ぐことができる。
【0050】
4.貫通孔の変形例
4-1.変形例1
ここで、貫通孔の構造の変形例について記述する。図5は、実施形態に係る表示装置の模式的端面図である。表示装置100では、図5に示すように、貫通孔124は異なる大きさの開口を有することができる。貫通孔124は、一対となる第1開口132と第2開口134を有する。第1開口132は、カバーガラス102の第1面136に設けることができる。第2開口134は、カバーガラス102の第2面138に設けることができる。第1開口132の幅は、図5に示すように、第2開口134の幅より狭い。
【0051】
ここで、表示装置100の模式的な端面図である図5の上面図を図6に示す。図5に示すB―B´の断面の模式図は、図6で示す鎖線B―B´に沿った断面に対応する。
【0052】
図6に示すように、図5で示す貫通孔124は、大きさの異なる第1開口132および第2開口134を設けることができる。図6に示すように、第2開口134の内側に第1開口132を設けることができる。
【0053】
第1開口132は円形を有するため、第1開口132の幅は、第1開口132の中心を通り、開口の円周上に両端がある線分の長さを表す。第2開口134も同様に、第2開口の幅は、第2開口134の中心を通り、開口の円周上に両端がある線分の長さを表すことができる。したがって、上面図においても、第1開口132の幅は、第2開口の幅より狭い。
【0054】
次に、図5および図6で示す貫通孔124を含む表示装置100の一部の模式的端面図を図7に示す。
【0055】
図6で示したように、貫通孔124の第1開口132は円形であるため、第1開口132の中心を有し、また図7に示すように、第1開口132は中心132-1を通るように設けられる。図7に示す第1開口132の中心132-1は、上述した第1開口132の中心を指すことができる。図6で示したように、貫通孔124の第2開口134も円形であるため第2開口134の中心を有し、また図7に示すように、第2開口134も同様に中心134-1を通るように設けられる。図7に示す第2開口134の中心134-1は、上述した第2開口134の中心を指すことができる。したがって、上述した第1開口132の幅は、第1開口132の中心132-1を通る線分132-2を表すことができる。第2開口134の幅も同様に、第2開口134の中心134-1を通る線分134-2を表すことができる。また、図7における第1開口132の中心132-1を通る線分132-2の長さは、図5における第1開口の幅に相当する。
【0056】
さらに、貫通孔124は、母線124-1を有することができる。図7に示すように、端面視における第1開口132上の点と端面視における第2開口134上の点を結ぶ線を母線124-1とすることができる。また、図7に示す母線124-1は、図5に示す母線124-1に相当する。貫通孔124は、図7に示すように、母線124-1と第2開口134の中心134-1を通る線分134-2で形成される第1角θ134-3を有する。また、図7に示す第1角θ134-3は、図5に示す母線124-1と第2開口134で形成される角に相当する。第1角θ134-3は、例えば、85度以上90度以下の範囲とすることができる。
【0057】
4-2.変形例2
さらに、貫通孔の構造の変形例について記述する。図8は、実施形態に係る表示装置の模式的端面図である。表示装置100では、図8に示す貫通孔124は、図5に示した貫通孔124の第1開口132と第2開口134の大きさの関係が異なる。具体的には、図8に示すように、第1開口132の幅を第2開口134の幅より広く設けることができる。つまり、図5に示した貫通孔124の第1開口132と第2開口134の幅の関係が逆となっている。したがって、図8に示すように、貫通孔124の母線124-1と第1開口132とで形成される第2角θ132-3が、例えば、85度以上90度以下の範囲とすることができる。
【0058】
さらに、図示しないが、上面図において第1開口132の内側に第2開口134が設けられる。
【0059】
表示装置100では、複数のLEDチップ118R、LEDチップ118G、およびLEDチップ118Bを有し、回路基板130の上に複数の貫通孔124を有するカバーガラス102が設けられる。複数の貫通孔124の内側面124-2は反射層126に覆われ、複数のLEDチップ118は複数の貫通孔124の内側に配置され、複数のLEDチップ118は反射層126に囲まれる構成を有する。この構成により、複数のLEDチップ118から射出される光のうち拡散する光は反射層126によって表示装置100の外部へ射出される。
【0060】
さらに、表示装置100では、複数のLEDチップ118を有する回路基板130と複数の貫通孔124を有するカバーガラス102との間に樹脂層128が設けられる。また、樹脂層128は複数の貫通孔124の内側にさらに設けられ、樹脂層128は、貫通孔124の内側に設けられる複数のLEDチップ118を覆う。この構成により、樹脂層128は複数のLEDチップ118を保護する。
【0061】
また、表示装置100では、貫通孔124の内側に設けられた樹脂層128は、凸形状を有する。複数のLEDチップ118から射出される光のうち拡散する光は表示装置100の外部へ射出され、表示装置100は、かつ簡便な構成を有する。このため、本実施形態によれば、表示装置100において、カバーガラス102が有する貫通孔124の内側に反射層126が設けられることで、表示装置100の輝度、特に正面輝度が向上するため、低消費電力化を図ることができる。
【0062】
さらに、カバーガラス102が有する貫通孔124に凸形状の樹脂層が設けられるため、カバーガラス102上に集光レンズを別途設置する必要がなく、表示装置100の製造工程の簡略化を図ることができ、低コスト化を図ることができる。また、カバーガラス102上に集光レンズを設けないため、薄型化を図ることができ、さらに軽量化を図ることができる。
【0063】
本発明の実施形態として上述した実施形態は、相互に矛盾しない限りにおいて、適宜組み合わせて実施することができる。各実施形態を基にして、当業者が適宜構成要素の追加、削除もしくは設計変更を行ったもの、又は、工程の追加、省略もしくは条件変更を行ったものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含まれる。
【0064】
また、上述した実施形態の態様によりもたらされる作用効果とは異なる他の作用効果であっても、本明細書の記載から明らかなもの、又は、当業者において容易に予測し得るものについては、当然に本発明によりもたらされるものと解される。
【符号の説明】
【0065】
100:表示装置、101:支持基板、102:カバーガラス、104:フレキシブルプリント回路基板、106:ICチップ、108:表示領域、110:周辺領域、112:端子領域、114:開口、118B:LEDチップ、118B-1:半導体層、118B-2:端子電極、118:LEDチップ、118G:LEDチップ、118R:LEDチップ、118R-1:半導体層、120:接続電極、122:開口の長さ、124:貫通孔、124-1:母線、124-2:内側面、126:反射層、128:樹脂層、128-1:上端、130:回路基板、132:第1開口、132-1:第1開口の中心、132-2:第1開口の線分、132-3:第1開口の第2角θ、134:第2開口、134-1:第2開口の中心、134-2:第2開口の線分、134-3:第2開口の第1角θ、136:第1面、138:第2面、140:画素回路
図1
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図8