(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-30
(45)【発行日】2025-02-07
(54)【発明の名称】採用活動支援システム、採用活動支援サーバ、プログラム、および、採用活動支援方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/1053 20230101AFI20250131BHJP
【FI】
G06Q10/1053
(21)【出願番号】P 2024170930
(22)【出願日】2024-09-30
【審査請求日】2024-09-30
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】500346936
【氏名又は名称】パーソルキャリア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001106
【氏名又は名称】弁理士法人キュリーズ
(72)【発明者】
【氏名】桜井 貴史
(72)【発明者】
【氏名】植田 香織
(72)【発明者】
【氏名】石川 悟
(72)【発明者】
【氏名】▲浜▼田 悠輔
(72)【発明者】
【氏名】本田 俊宏
(72)【発明者】
【氏名】黒河 奈津子
【審査官】関 博文
(56)【参考文献】
【文献】特開2024-134647(JP,A)
【文献】特開2024-117867(JP,A)
【文献】特開2018-045690(JP,A)
【文献】特開2001-338106(JP,A)
【文献】特開2019-159579(JP,A)
【文献】ブレインワークス,企業経営に役立つ! ASP/SaaS徹底活用術 初版 ,第1版,日本,株式会社カナリア書房 佐々木 紀之,2009年05月10日,pp.51-61,第1版 ISBN: 978-4-7782-0102-9
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
求人者
の使用するユーザ端末から求人票情報
および採用活動進捗情報を含む採用活動情報を取得する情報取得部と、
前記採用活動情報に基づいて、前記求人票情報の採用活動の工程
ごとの課題を抽出する課題抽出部と、
過去の複数の採用活動情報に基づく採用活動の成功事例の課題と解決策との相関を学習した数理モデルに基づいて、前記採用活動情報と前記課題とから前記課題の解決策を生成する解決策生成部と、
前記課題
と前記解決策との組み合わせを前記求人者に提示する提示部と、
を備える採用活動支援システム。
【請求項2】
前記求人者が前記解決策を実施したことに基づいて前記数理モデルを更新する数理モデル更新部と、をさらに備える、
請求項1に記載の採用活動支援システム。
【請求項3】
前記提示部は、前記課題と前記解決策の組み合わせに対し、前記求人者から評価を受け付ける、
請求項
2に記載の採用活動支援システム。
【請求項4】
前記数理モデル更新部は、前記評価を用いて前記数理モデルを更新す
る、
請求項
3に記載の採用活動支援システム。
【請求項5】
前記解決策生成部は、前記解決策を実行した場合の採用決定率を算出し、
前記提示部は、前記採用決定率を前記求人者に提示する、
請求項
1に記載の採用活動支援システム。
【請求項6】
前記解決策は、求人者向けの採用活動に関する教育コンテンツおよび/またはサービスの提案を含む、
請求項
1に記載の採用活動支援システム。
【請求項7】
前記解決策は、前記求人票情報の求人要件の定義、前記求人要件の再調整、前記求人票情報のさらなる魅力化の少なくともいずれかの具体案を含む、
請求項
1に記載の採用活動支援システム。
【請求項8】
前記課題抽出部は、2つ以上の前記工程の組み合わせに対して前記課題を抽出する、
請求項1に記載の採用活動支援システム。
【請求項9】
求人者
の使用するユーザ端末から求人票情報
および採用活動進捗情報を含む採用活動情報を取得する情報取得部と、
前記採用活動情報に基づいて、前記求人票情報の採用活動の工程ごとの課題を抽出する課題抽出部と、
過去の複数の採用活動情報に基づく採用活動の成功事例の課題と解決策との相関を学習した数理モデルに基づいて、前記採用活動情報と前記課題とから前記課題の解決策を生成する解決策生成部と、
前記課題
と前記解決策との組み合わせを前記求人者に提示する提示部と、
を備える採用活動支援サーバ。
【請求項10】
求人者
の使用するユーザ端末から求人票情報
および採用活動進捗情報を含む採用活動情報を取得する情報取得ステップと、
前記採用活動情報に基づいて、前記求人票情報の採用活動の工程ごとの課題を抽出する課題抽出ステップと、
過去の複数の採用活動情報に基づく採用活動の成功事例の課題と解決策との相関を学習した数理モデルに基づいて、前記採用活動情報と前記課題とから前記課題の解決策を生成するステップと、
前記課題
と前記解決策との組み合わせを前記求人者に提示する提示ステップと、
をコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項11】
求人者
の使用するユーザ端末から求人票情報
および採用活動進捗情報を含む採用活動情報を取得する情報取得ステップと、
前記採用活動情報に基づいて、前記求人票情報の採用活動の工程ごとの課題を抽出する課題抽出ステップと、
過去の複数の採用活動情報に基づく採用活動の成功事例の課題と解決策との相関を学習した数理モデルに基づいて、前記採用活動情報と前記課題とから前記課題の解決策を生成するステップと、
前記課題
と前記解決策との組み合わせを前記求人者に提示する提示ステップと、
をコンピュータに実行させる採用活動支援方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、採用活動支援システム、採用活動支援サーバ、プログラム、および、採用活動支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、求人マッチングサービスは企業(求人者)と求職者のニーズを効率的に結びつける役割を担っている。求人サイト運営会社は、AI(Artificial Intelligence)やデジタル技術を活用したり、エージェントによる手厚いサポートやダイレクトスカウト等の付随サービスを拡充させたりすることで総合的なマッチング支援を強化している。
【0003】
求人マッチングサービスに求められる機能は、求人側と求職側に大きく分類できる。そのうち、求人側について、例えば、特許文献1では、求人票の改善箇所に関するアドバイスを提供する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、採用プロセスは、採用計画を策定して求人票を作成し、募集工程、選考工程を経て、採用決定に至るまで複数の工程を有する。そのため、採用活動が順調に進まないことに対して、複数の工程において課題が発生していることがあり、求人担当者が課題を正確に把握できないことがある。また、課題を把握することができても、その課題と採用活動のゴールに対して適切な解決策を見出すことができず、ネクストアクションにつながらないことがある。
さらに、採用活動経験が少ない場合や、採用戦略があいまいな場合には、そもそも課題を抽出する必要性を人事担当者等が感じにくい。
【0006】
さらに、人材紹介企業のスタッフが課題を特定し解決策を提示する場合、そのスタッフのスキルや経験に依存してしまうため、質のばらつきが生じる。
【0007】
そこで、本開示は、高品質かつ均質な採用活動支援を提供できる採用活動支援システム、採用活動支援サーバ、プログラム、および、採用活動支援方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る採用活動支援システムは、求人者から求人票情報を含む採用活動情報を取得する情報取得部と、前記採用活動情報に基づいて、前記求人票情報の採用活動の工程の課題を抽出する課題抽出部と、前記課題を前記求人者に提示する提示部と、を備える。
【0009】
本発明に係る採用活動支援サーバは、求人者から求人票情報を含む採用活動情報を取得する情報取得部と、前記採用活動情報に基づいて、前記求人票情報の採用活動の工程の課題を抽出する課題抽出部と、前記課題を前記求人者に提示する提示部と、を備える。
【0010】
また、本発明に係るプログラムは、求人者から求人票情報を含む採用活動情報を取得する情報取得ステップと、前記採用活動情報に基づいて、前記求人票情報の採用活動の工程の課題を抽出する課題抽出ステップと、前記課題を前記求人者に提示する提示ステップと、をコンピュータに実行させる。
【0011】
本発明に係る採用活動支援方法は、求人者から求人票情報を含む採用活動情報を取得する情報取得ステップと、前記採用活動情報に基づいて、前記求人票情報の採用活動の工程の課題を抽出する課題抽出ステップと、前記課題を前記求人者に提示する提示ステップと、を備える。
【発明の効果】
【0012】
本開示によれば、高品質かつ均質な採用活動支援を提供できる採用活動支援システム、採用活動支援サーバ、プログラム、および、採用活動支援方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の実施形態に係る採用活動支援システムを示す模式図である。
【
図2】本発明の実施形態に係る採用活動支援サーバの機能ブロック図である。
【
図3】本発明の実施形態に係る採用活動支援サーバの記憶部に記憶される情報の一例を示す図である。
【
図4】本発明の実施形態に係るユーザ端末の機能ブロック図である。
【
図5】本発明の実施形態に係る採用活動支援サービスのユーザ端末に表示される画面の具体例を示す図である。
【
図6】本発明の実施形態に係る採用活動支援システムによる採用活動支援処理を示すフローチャートである。
【
図7】コンピュータの基本構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態に係る採用活動支援システム1について説明する。実施形態を説明する全図において、共通の構成要素には同一の符号を付し、繰り返しの説明を省略する。
【0015】
<システム構成>
図1は、本発明の実施形態に係る採用活動支援システム1を示す模式図である。
【0016】
採用活動支援システム1は、採用活動支援サーバ100(以下単にサーバ100という)と、ユーザ端末200と、内部ツール300と、を備える。
図1に示すシステム構成例では、ユーザ端末200、内部ツール300はそれぞれ1つのみ表示しているが、複数でも構わない。サーバ100、ユーザ端末200、内部ツール300は、ネットワークNWに接続されており、ネットワークNWを介して相互に通信可能である。ネットワークNWは、インターネットおよびイントラネットを含む。ネットワークNWは、LAN(Local Area Network)および/またはWAN(Wide AreaNetwork)を含んでもよい。
【0017】
サーバ100、ユーザ端末200、内部ツール300は、それぞれ1または複数のコンピュータ900で構成される。コンピュータ900の基本構成については後述する。
【0018】
サーバ100は、ネットワークNWを介してアクセスする複数の利用者(求人者)の使用するユーザ端末200に対し、求人者の採用活動に関する課題とその解決策を提示する採用活動支援サービスを提供する情報処理装置である。採用活動支援サービスの利用者は、求人を行う求人者であり、例えば会社、企業、法人、官公庁、等である。
【0019】
ユーザ端末200は、求人者が使用する端末装置である。ユーザ端末200の機能構成は後述する。
【0020】
内部ツール300は、採用活動支援サービスの運営者が運用する採用活動支援ツールである。内部ツール300は、運営者が保有する過去から現在までの採用活動に関する膨大なマーケットデータに基づいて、採用ターゲットの最適化、求人票の魅力化、マクロな採用活動市場動向レポート、応募者・応募候補者の分析や面接対策、等の各種機能を提供する。内部ツール300と連携することで、上記各種機能を利用し、採用計画の精度向上、採用コスト削減、人材配置最適化、人材戦略高度化を容易に実現できる。なお、
図1では、内部ツール300は、サーバ100とは別に設けられているが、サーバ100の機能の一部としてサーバ100内に設けられてもよい。
【0021】
図2は、本発明の実施形態に係るサーバ100の機能ブロック図である。サーバ100は、通信部110と、記憶部120と、処理部130と、を備える。
【0022】
通信部110は、ネットワークインターフェースであり、ネットワークNWを介してユーザ端末200、内部ツール300と通信する。通信部110は、ユーザ端末200、内部ツール300から受信したデータを処理部130に渡すとともに、処理部130が生成したデータをユーザ端末200、内部ツール300に送信する。
【0023】
記憶部120は、磁気ハードディスクや半導体記憶装置等の記憶装置を用いて構成されている。記憶部120は、アプリケーションプログラム121と、内部データベース122と、数理モデル123と、を記憶する。
【0024】
アプリケーションプログラム121は、処理部130により実行され、主に、処理部130の各機能ユニットを実現するためのプログラムである。
【0025】
内部データベース122は、後述する採用活動データベース(以下、採用活動DBと称する)を含む。採用活動DBは、採用活動情報を管理・記憶するデータベースである。採用活動情報に含まれる情報については後述する。
【0026】
数理モデル123は、採用活動情報を学習したモデルである。
具体的には、過去の複数の採用活動情報と、当該採用活動情報に基づく採用活動の課題と解決策との相関を学習したモデルである。過去の複数の採用活動情報は、求人者情報、求人票情報、採用活動進捗情報、求職者情報、を含む。
より具体的には、数理モデル123は、過去の複数の採用活動情報と、当該採用活動情報に基づく採用活動の各工程の課題およびその解決策と、の相関を学習したモデルである。なお、学習対象には、1つの求人票について複数工程に共通する課題およびその解決策、1つの求人票について2以上の工程の前後関係に依存して発生が変化する課題およびその解決策、同一求人者の2以上の求人票に共通する所定の工程の課題およびその解決策、を含んでもよい。数理モデル123は、採用活動情報に基づく採用活動の成功事例の求人票の採用活動情報に基づいて課題と解決策との相関を学習したものでもよい。例えば、入力された求人票に対し数理モデル124が募集工程における課題として求人票の記載不足を抽出したときに、閲覧数や応募率の高い求人票に共通して記載されているキーワードを含む解決策を出力することができる。
学習は、さらに、業界ごと、職種ごと、地域ごと、採用工程の一部またはすべての大工程または小工程が実施完了するまでの期間ごと、に行われてもよい。
数理モデル123は、内部ツール300と連携されており、求人者の採用活動情報の少なくとも一部が入力として与えられることで、内部ツール300の機能を必要に応じて利用し、当該採用活動情報に基づく求人者の採用活動における課題と解決策を出力する。
【0027】
図3は、本発明の実施形態に係るサーバ100の内部データベース122に記憶される情報の一例を示す図である。
【0028】
図3に示すように、内部データベース122は、採用活動DBを含む。
【0029】
採用活動DBは、求人者ごと、かつ、求人ごと(求人票ごと)に求人者の採用活動に関する情報(採用活動情報)を記憶し管理するデータベースである。
【0030】
採用活動DBは、採用活動情報として、求人者情報と、求職者情報と、を含む。なお、求人者情報のうち求人者による入力や更新が必要な情報については、採用活動支援サービスの運営者側の担当者が入力や更新をしてもよい場合がある。
【0031】
求人者情報は、求人者IDと、求人者基本情報と、求人情報と、を含む。
求人者IDは、求人者を一意に識別するための識別子であり、求人者ごとにサーバ100が自動付与する。
求人者基本情報は、求人者の名称、業種、住所、等の基本情報である。求人者基本情報は、基本的には、求人者により採用活動支援サービスの新規登録時にサーバ100に登録する。
【0032】
求人情報は、求人ID、求人票情報、採用活動進捗情報、求人成否、解析結果、を含む。
求人IDは、求人(求人票)を一意に識別するための識別子であり、求人(求人票)ごとにサーバ100が自動付与する。
求人票情報は、求人者の求人条件に関する情報である。求人者は新規求人案件の発生に伴い、サーバ100に求人票情報を登録する。
【0033】
採用活動進捗情報は、活動進捗ID、工程種別、活動種別、活動詳細、を含む。
活動進捗IDは、活動進捗情報を一意に識別するための識別子であり、活動進捗情報ごとにサーバ100が自動付与する。
工程種別は、活動進捗の属する採用工程の種別を特定する情報である。工程種別は、求人者がユーザ端末200上で入力(選択、設定)する情報である。工程種別は、例えば、大項目として、前工程、募集工程、選考工程、後工程を含む。工程種別は、さらに、大項目を細分類した小項目を含む。前工程の小項目は、人事・経営層調整工程、人事・採用部署調整工程、求人条件検討工程、採用手法検討工程、求人票作成工程、母集団形成工程、求人票調整工程、を含む。募集工程の小項目は、求人票公開工程、求人票再調整工程、を含む。選考工程の小工程は、エントリ工程、書類選考工程、適性検査・試験工程、面接工程、を含む。後工程の小工程は、結果通知工程、入社前工程、を含む。
活動対象は、採用活動の対象を示す情報である。活動対象は、ターゲット母集団(全体)、ターゲット候補(個別)、応募者(求職者ID)、自社組織(人事、経営層、採用部署)、エージェント、を含む。
活動詳細は、採用活動の詳細な内容を示す情報である。活動詳細は、求人者がユーザ端末200上で入力したり、求人者が入力した情報に基づいてサーバ100が記憶する情報である。テキスト、画像、動画、音声、電子ファイル等いずれの形態の情報でもよい。活動詳細は、例えば、(求職者、ターゲット母集団内の求職者、スカウトした求職者からの)求人票の閲覧・応募、スカウト実施、書類選考結果(合格/不合格)、面接の実施、選考結果(合格/不合格)、(自社組織の)ヒアリング、(自社組織の)教育、(応募者からの)フィードバック、(エージェントからの)助言、等である。
募集工程で求職者から求人票に応募があった場合、当該求人票に対して新規の活動進捗情報が作成され、工程種別として募集工程が選択され、活動対象として応募者の求職者IDが記憶され、活動詳細として、応募が記憶される。また、例えば、求人者が応募者の選考合否を決定した場合、当該求人票に対して新規の活動進捗情報が生成され、工程種別として後工程が選択され、活動対象として応募者の求職者IDが記憶され、活動詳細として選考結果は合格であることが記録される。
【0034】
求人成否は、求人の最終的な結果が、求人(求人票)ごとに成功か不成功かを示す情報である。求人成否は、基本的に、求人者がユーザ端末200上で入力(選択、設定)する情報である。求人成否は、少なくとも、成功、不成功の2つの状態を含む。成功の定義は、原則として、求人者が希望している人材を採用できたことである。ユーザ端末200の求人成否の入力操作画面では、成功の定義があわせて表示される。
【0035】
解析結果は、課題関連情報と、採用決定率と、を含む。
課題関連情報は、課題ID、工程種別、課題、解決策、評価を含む。
課題IDは、課題を一意に識別するための識別子であり、課題ごとにサーバ100が自動付与する。
工程種別は、課題の抽出対象の採用工程の工程種別を示す情報である。工程種別の具体的な項目は採用活動進捗情報の工程種別と同様である。
課題は、課題の具体的な内容を示す情報である。課題は、サーバ100の後述する課題抽出部132が抽出する情報である。
解決策は、課題に対する解決策の具体的な内容を示す情報である。解決策は、サーバ100の後述する解決策生成部133が生成する情報である。
評価は、課題および/または解決策に対する、求人者からフィードバックされる良否の評価を示す情報である。評価は、例えば、よい、悪い、の二択でもよく、三択以上でもよい。
【0036】
採用決定率は、求人者情報、求人票情報、採用活動進捗情報、の少なくともいずれかに基づいてサーバ100の後述する解決策生成部133が算出する採用人材が決定する確率を示す情報である。
【0037】
求職者情報は、求職者ID、求職者基本情報、を含む。
求職者IDは、求職者を一意に識別するための識別子であり、求職者ごとにサーバ100が自動付与する。
求職者基本情報は、所属中・したことのある業界、所属中・したことのある職種、年齢、転職回数、住所、学歴(学校名)、年収、企業名、に関する情報を含む。
【0038】
図2に戻り、サーバ100の処理部130の説明を続ける。処理部130は、機能ユニットとして、情報取得部131と、課題抽出部132と、解決策生成部133と、提示部134と、進捗確認部135と、数理モデル更新部136と、を備える。処理部130は、記憶部120に格納されているアプリケーションプログラム121を実行することにより、これら各機能ユニットが実現され、採用活動支援処理の各工程を実行する。採用活動支援処理の詳細は後述する。
【0039】
情報取得部131は、ユーザ端末200から求人者の所定の求人(求人Aとする)について求人票情報と、採用活動進捗情報と、を含む採用活動情報を取得する。
【0040】
課題抽出部132は、採用活動情報に基づいて求人Aの採用活動の工程ごとの課題を抽出する。具体的には、課題抽出部132は、情報取得部131が取得した採用活動情報を数理モデル123を用いて解析して、採用活動の工程ごとに採用に関する課題を抽出する。
工程ごととは、大工程ごと、小工程ごと、および、それらの組み合わせを含む。
課題は、例えば、選考工程について「面接までの期間が長すぎる」、面接工程について「面接回数が多すぎる」、「圧迫面接の傾向がある」、等である。
課題抽出部132が課題を抽出するタイミングは、例えば、情報取得部131が、求人Aの求人票について、新規登録を受け付けたとき、登録済みの求人票について求人者が修正して、更新登録を受け付けたとき、求人Aの採用活動進捗情報を受け付けたとき、求人者からの要求があったとき、等である。
【0041】
解決策生成部133は、採用活動情報と課題とに基づいて課題ごとの解決策を生成する。具体的には、情報取得部131が取得した採用活動情報と、当該採用活動情報に基づいて課題抽出部が抽出した課題と、に基づいて、数理モデル123を用いて、課題ごとの解決策を生成する。解決策は、例えば、大区分として「求人票を修正する」か「他コンテンツで解決する」に分かれる。「求人票を修正する」ための具体的な解決策としては、前工程における、求人要件の定義の具体的内容案の提示、求人要件の再調整の提案、求人票のさらなる魅力化につながる具体的内容の提案、を含む。「他コンテンツで解決する」ための具体的な解決策としては、面接の進め方等、求人者向けの採用活動に関する教育コンテンツの提案、求人広告やダイレクトスカウトサービスなど、より採用活動を前進できる他サービスの提案を含む。解決策生成部133は、課題抽出部132が課題を抽出するたびに、抽出した課題に対して解決策を生成する。
【0042】
解決策生成部133は、提示した解決策を求人者が実行した場合の求人票の採用決定率を数理モデル123を用いて算出してもよい。
【0043】
提示部134は、課題抽出部132が抽出する課題と、解決策生成部133が生成する解決策と、を求人者の使用するユーザ端末200に提示(表示)する。
【0044】
提示部134は、採用決定率を求人者に提示(表示)してもよい。
【0045】
提示部134は、提示した課題と解決策に対し、求人者から評価を受け付けてもよい。具体的には、求人者の使用するユーザ端末200に、評価を受け付けるユーザインタフェイスを提供してもよい。評価の対象は、課題単独、その解決策単独、課題と解決策の両方にそれぞれ、提示した課題と解決策の組み合わせに対して、のいずれでもよい。
【0046】
進捗確認部135は、求人者に提示した解決策の実施状況を含む採用活動の進捗を確認するためのユーザインタフェイスを求人者のユーザ端末200に提示する。
【0047】
数理モデル更新部136は、求人者から受け付けた評価を用いて数理モデル123を再学習させて更新する。
【0048】
図4は、本発明の実施形態に係るユーザ端末200の機能ブロック図である。ユーザ端末200は、通信部210と、記憶部220と、制御部230と、表示部240と、操作部250と、を備える。通信部210、記憶部220、制御部230、表示部240、および、操作部250は、通信バス260を介して相互に電気的に接続される。ユーザ端末200は、例えばスマートフォン、タブレット型端末およびPC等である。
【0049】
<画面例>
次に、サーバ100が提供する採用活動支援サービスの画面例について説明する。
【0050】
図5は、本発明の実施形態に係るサーバ100がユーザ端末200に表示する採用活動支援サービスの画面例である画面D100を示す図である。
【0051】
図5に示す画面D100は、求人者の採用活動を支援するために、求人者の採用活動の良否の判定、課題、および解決策を示す課題特定レポート画面の例である。
【0052】
画面D100には、画面のタイトルを示すタイトル領域D110と、採用活動のポイントを示す領域D120と、採用プロセスごとに課題と解決策を示すための領域D130と、が配置されている。
【0053】
タイトル領域D110には、「採用活動 課題特定レポート 評価期間:評価期間202X/5/1-202X/7/22」の文字列が配置されている。
【0054】
領域D120には、求人者と、その求人票と、を特定する情報と「採用活動のポイント」の文字列と、採用活動のポイントの具体的内容を例示する「1.社会人経験年数は平均よりも広く、より多くの方のご紹介に繋がりやすい設定となっております。 2.選考はオンライン面接を導入できるとよいです。 3.他社平均よりも年収が低く、見直しを検討いただくことがよいでしょう。」の文字列と、とが配置されている。採用活動のポイントには、求人票の良い点、悪い点のうち、特に重要なものが要約されて表示されてもよい。例えば、領域D130に示される工程ごとの課題と解決策の組み合わせのうち、効果の出やすい組み合わせの上位の要約を示してもよい。
【0055】
領域D130内の上部には、「採用プロセスごとの課題と解決策」という文字列が配置されている。領域D130には、さらに、大工程領域D131と、小工程領域D132と、判定領域D133と、課題領域D134と、解決策領域D135と、がマトリクス形式で配置されている。
【0056】
大工程領域D131に配置される各項目は、採用活動DBの工程種別の大項目に対応している。また、小工程領域D132に配置される各項目は、採用活動DBの工程種別の小項目に対応している。なお、採用活動DBの前工程の小項目の人事・経営層調整工程、人事・採用部署調整工程、求人条件検討工程、採用手法検討工程、求人票作成工程、母集団形成工程、求人票調整工程は、それぞれ、
図5において、人事⇔経営層、人事⇔採用部署、求人条件、採用手法、求人票作成、母集団形成、求人票調整、と表記されている。同様に、採用活動DBの募集工程の小項目の求人票公開工程、求人票再調整工程は、
図5において、求人票公開、求人票再調停、と表記されている。採用活動DBの選考工程の小項目のエントリ工程、書類選考工程、適性検査・試験工程、面接工程は、
図5において、エントリ、書類選考、適性検査・試験、面接、と表記されている。採用活動DBの後工程の小項目の結果通知工程、入社前工程は、それぞれ、
図5において、結果通知、入社前、と表記されている。
【0057】
判定領域D133には、採用工程ごとの良否の判定を示すフェイスアイコンが工程ごとに配置されている。判定は、課題が抽出されなかった場合は「良い」ことを示すフェイスアイコンが、課題が抽出された場合には、「悪い」ことを示すフェイスアイコンが、配置される。
【0058】
課題領域D134および解決策領域D135には、課題抽出部132が抽出した工程ごとの課題(課題がある場合のみ)と、当該課題に対して解決策生成部133が生成した解決策(課題が有る場合のみ)、それぞれの具体的内容の組み合わせが示されている。
【0059】
課題と解決策の組み合わせの例として、
図5では、小項目「求人条件」に関して、「年収」という具体的な課題と、「他社平均を参考に見直し」という具体的な解決策が示されている。「他社平均を参考」の文字列には下線が付されており、当該文字列を選択(クリックまたはタップ)することで、競合他社の求人内容との比較や統計値等の参考情報をポップアップウィンドウ等で表示させてもよい。
また、小項目「面接」に関して、「面接形態」という具体的な課題と、「オンライン対応(地方応募者)」という具体的な解決策が示されている。「オンライン対応」の文字列は下線が付されており、当該文字列を選択(クリックまたはタップ)することで、運営者が提供する求人者向けのオンライン面接講座等の教育コンテンツの提案、応募者・応募候補者の分析や面接対策の機能を提供する内部ツール300への誘導等、参考情報の表示をしてもよい。または、オンライン対応することで、応募者母集団において地方応募者が増加数を示す情報を表示してもよい。
さらに、解決策の補足情報として、当該解決策を実行した場合の採用決定率を表示してもよい。
【0060】
このように、採用工程全体を俯瞰できる態様で、工程ごとに課題と解決策との組み合わせを表示することで、採用活動の全体像と課題の所在の把握が容易かつ効率的になり、採用活動のゴールやビジョンに対してネクストアクションのイメージがつきやすくなる。また、ネクストアクション実行への意欲が向上する。
【0061】
<システムの動作>
次に、上述した構成および機能を有する採用活動支援システム1の採用活動支援処理の動作についてフローチャートを用いて説明する。
採用活動支援処理は、採用活動情報取得工程、課題抽出工程、解決策生成工程、提示工程、進捗確認工程、数理モデル更新工程、を含む一連の処理である。採用活動支援処理は、求人者によって求人票情報が入力されたことに続いて、または、求人者により採用活動進捗情報が入力されたことに続いて、またはユーザからの要求に応じて実行される。
【0062】
図6は、本発明の実施形態に係る採用活動支援システム1による採用活動支援処理を示すフローチャートである。
【0063】
ステップS101において、ユーザ端末200は、求人者から採用活動情報の入力を受け付け、採用活動情報をサーバ100に送信する。具体的には、採用活動情報として、例えば、求人票情報または採用活動進捗情報の入力を受け付け、サーバ100に送信する。サーバ100の情報取得部131は、ユーザ端末200から採用活動情報を取得し、記憶部120に記憶する(採用活動情報取得工程)。
【0064】
ステップS102において、サーバ100の課題抽出部132は、ステップS101で取得した採用活動情報を解析し、採用活動の各工程ごとに課題を抽出する(課題抽出工程)。課題抽出部132は、抽出した工程ごとの課題を記憶部120に記憶する。
【0065】
ステップS103において、サーバ100の解決策生成部133は、ステップS102で抽出された課題に対する解決策を生成する(解決策生成工程)。
【0066】
ステップS104において、サーバ100の提示部134は、ステップS102で抽出された課題とステップS103で生成された解決策と、を求人者のユーザ端末200に提示(表示)する(提示工程)。
【0067】
ステップS105において、サーバ100は、ステップS104から所定の期間が経過したか否かを判定する。判定結果が真(YES)、すなわち、所定期間が経過した場合はステップS106に進む。一方、判定結果が偽(NO)、すなわち所定期間が経過していない場合はステップS105に戻る。
【0068】
ステップS106において、サーバ100の進捗確認部135は、ステップS104で提示した解決策の実施状況を含む採用活動の進捗を確認するためのユーザインタフェイスを求人者のユーザ端末200に提示する(進捗確認工程)。実施状況の確認は、「解決策を実施したか」という旨の第1質問に対する求人者の第1回答(はい、いいえ)の取得と、「はい」を選択した場合に追加される「課題と解決策の提案は役にたちましたか」という旨の第2質問に対する評価の第2回答(役に立った、わからない、役に立たなかった)の取得と、を含む。
【0069】
ステップS107において、ユーザ端末200は、実施状況の確認の質問に対する求人者の回答を取得しサーバ100に送信する。具体的には、ユーザ端末200は、ステップS106で提示されたユーザインタフェイスにおいて、求人者から、第1回答のみ(第1回答が「いいえ」の場合)、または、第1回答および第2回答(第1回答が「はい」の場合)、を受け付け、サーバ100に送信する。サーバ100は、回答を取得する(進捗確認工程)。
【0070】
ステップS108において、サーバ100の数理モデル更新部136は、ステップS107で取得した評価に関する第2回答に基づいて、数理モデル123を更新する処理を実行して(数理モデル更新工程)、当該フローを終了する。
【0071】
上述の各動作フローは、別個独立に実施する場合に限らず、2以上の動作フローを組み合わせて実施可能である。例えば、1つの動作フローの一部のステップを他の動作フローに追加してもよいし、1つの動作フローの一部のステップを他の動作フローの一部のステップと置換してもよい。各フローにおいて、必ずしも全てのステップを実行する必要は無く、一部のステップのみを実行してもよい。また、各フローにおいて、ステップ間の順序が適宜変更されてもよい。
【0072】
<コンピュータの基本構成>
図7はコンピュータ900の基本的なハードウェア構成を示すブロック図である。コンピュータ900は、制御部901と、記憶部902と、通信部903と、入力部904と、出力部905とを有する。制御部901、記憶部902、通信部903、入力部904、および出力部905は、通信バス910を介して相互に電気的に接続される。
【0073】
制御部901は、CPU(Central Processing Unit:中央処理ユニット、プロセッサともいう)を含み、コンピュータ900の各部を制御するとともに、記憶部902に記憶される各種のプログラムを読み出して実行する装置である。
【0074】
記憶部902は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等の主記憶装置と、ハードディスク等の補助記憶装置とを含み、コンピュータ900のオペレーティングシステムや各種のアプリケーションを実行するための各種のプログラム、および、これらのプログラムによって利用されるデータを記憶する装置である。上述したフローチャートに示す処理は、サーバ100、ユーザ端末200、内部ツール300を構成する各コンピュータそれぞれの制御部901が、それぞれの記憶部902の中に記憶されているプログラムを実行することによって実現される。
【0075】
通信部903は、外部の装置と通信するための装置であり、制御部901の指示に従ってデータの送受信を行う。サーバ100、ユーザ端末200、内部ツール300を構成する各コンピュータはそれぞれ、この通信部903を用いて、
図1に示したネットワークNWを含む他の装置との間で通信を行う。
【0076】
入力部904は、外部からの入力を受け付けて制御部901に供給する装置であり、例えばキーボード、マウス、タッチパネル、カメラを含んで構成される。出力部905は、制御部901の処理結果を外部に出力する装置であり、例えばディスプレイ、スピーカーを含んで構成される。
<プログラム>
ここで、本実施形態に係るサーバ100の各機能ユニットを実現するためのプログラムについて説明する。
【0077】
サーバ100は、コンピュータ900に実装される。そして、サーバ100の各構成要素の動作は、プログラムの形式で記憶部902の補助記憶装置に記憶される。制御部901は、プログラムを記憶部902の補助記憶装置から読みだして記憶部902の主記憶装置に展開し、当該プログラムに従って上記処理を実行する。また、制御部901は、プログラムに従って、上記した記憶部120に対応する記憶領域を記憶部902の主記憶装置に確保する。
【0078】
当該プログラムは、具体的には、プロセッサと、記憶部とを備えるコンピュータ900に実行させるためのプログラムであって、求人者から求人票情報を含む採用活動情報を取得する情報取得ステップと、前記採用活動情報に基づいて、前記求人票情報の採用活動の工程の課題を抽出する課題抽出ステップと、前記課題を前記求人者に提示する提示ステップと、を実行させるプログラムである。
【0079】
なお、記憶部902の補助記憶装置は、一時的でない有形の媒体の一例である。一時的でない有形の媒体の他の例としては、入力部904を介して接続される磁気ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、DVD-ROM、半導体メモリ等が挙げられる。また、このプログラムがネットワークNWを介してコンピュータ900に配信される場合、配信を受けたコンピュータ900が当該プログラムを記憶部902の主記憶装置に展開し、上記処理を実行してもよい。
【0080】
また、当該プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、当該プログラムは、前述した機能を記憶部902の補助記憶装置に既に記憶される他のプログラムとの組み合わせで実現するもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【0081】
上述した本実施形態に係る採用活動支援システム1によれば、高品質かつ均質な採用活動支援を提供できる。
求人者の採用活動の工程ごとに具体的な採用課題が明確になり、その課題に有効な解決策を迅速に得られることで、求人者は、採用活動の効率化と採用成功率の向上が期待できる。
また、過去の採用活動情報を学習した数理モデル123を用いて、課題と解決策とを求人者に提示できるため、採用活動を支援する人材紹介者のスタッフのスキルや経験に依存することなく、一貫して高品質なアドバイスを求人者に提供できる。
【0082】
なお、本発明は上述した実施形態に限定されず、種々の変形を採用することができる。
【0083】
例えば、上記実施形態において、解決策に対する評価は求人者から受け付けていたが、当該求人票に応募した応募者からの評価を受け付けてもよい。例えば、解決策が「面接工程」において「オンライン面接を導入したほうがよい」という解決策であった場合に、応募後のアンケートにおいて「オンライン面接があることは、あなたの応募動機にプラスとなりましたか?」等の質問をして求職者から回答(評価)を取得してもよい。これにより、課題に対する解決策の求職者側の視点での効果を学習でき、課題と解決策の提案の有効率が向上する。
【0084】
また、上記実施形態において、課題抽出部132は、工程ごとに課題を抽出していたが、2つ以上の工程の組み合わせに対して課題を抽出してもよい。例えば、エントリ工程と面接工程との組み合わせについて、「エントリから面接までの期間が長すぎる」という課題を抽出してもよい。これにより、複数工程に関連する複合的な課題を抽出できる。
【0085】
また、上記実施形態の
図5の課題特定レポート画面では、評価は、2段階評価で、フェイスアイコンを用いて示されていたが、多段階評価、または、点数評価であってもよい。これにより、より詳しく課題の優先度を把握できる。
【0086】
また、上記実施形態の採用活動支援処理のフローのステップS106からステップS108は、ステップS105におけるタイマの完了をトリガとして実行されていたが、予め設定された任意のトリガ、または、ユーザからの要求に基づいて実行されてもよい。
【0087】
また、上記実施形態では、記憶部120に記憶される「求人成否」は求人の最終的な結果のみであったが、例えば、工程や、工程に含まれる要素ごとに成否の情報を取得または記憶してもよい。例えば、前工程における求人票という要素についての成否を記憶してもよい。求人票の成否は、「ターゲット母集団が形成できている」こと、または、求人票の応募条件に類似する求人票群の統計値より良い採用活動実績(閲覧者数・応募者数が平均以上であること)等により、サーバ100側が自動で判断して記憶してもよい。
【0088】
また、上記実施形態の
図5に示す課題特定レポートに、ベンチマークとなる競合他社数社の求人内容との比較、ターゲット母集団や過去の類似案件の応募者が興味を持つキーワードの提示、の情報をあわせて掲載してもよい。
【0089】
(付記)
上述の実施形態に関する特徴について付記する。
(付記1)
求人者から求人票情報を含む採用活動情報を取得する情報取得部と、
前記採用活動情報に基づいて、前記求人票情報の採用活動の工程の課題を抽出する課題抽出部と、
前記課題を前記求人者に提示する提示部と、
を備える採用活動支援システム。
これにより、求人者の採用活動の工程ごとに具体的な採用課題が明確になる。
(付記2)
前記採用活動情報と前記課題とに基づいて前記課題の解決策を生成する解決策生成部をさらに備え、
前記提示部は、前記解決策を前記求人者に提示する、
付記1に記載の採用活動支援システム。
これにより、課題の解決策を迅速に得られる。
(付記3)
前記解決策生成部は、過去の複数の採用活動情報に基づく採用活動の成功事例の課題と解決策との相関を学習した数理モデルに基づいて前記解決策を生成する、
付記2に記載の採用活動支援システム。
これにより、課題により有効な解決策を得られる。
(付記4)
前記提示部は、前記課題と前記解決策の組み合わせに対し、前記求人者から評価を受け付ける、
付記3に記載の採用活動支援システム。
これにより、評価を課題と解決策の特定にフィードバックできる。
(付記5)
前記評価を用いて前記数理モデルを更新する数理モデル更新部をさらに備える、
付記4に記載の採用活動支援システム。
これにより、より有効な課題と解決策の組み合わせを提示できる。
(付記6)
前記解決策生成部は、前記解決策を実行した場合の採用決定率を算出し、
前記提示部は、前記採用決定率を前記求人者に提示する、
請求項2に記載の採用活動支援システム。
これにより、解決策の有効性を容易に把握でき、実行に移す場合の判断材料とできる。
(付記7)
前記解決策は、求人者向けの採用活動に関する教育コンテンツおよび/またはサービスの提案を含む、
請求項2に記載の採用活動支援システム。
解決策のひとつとして求人者に提供できる。
(付記8)
前記解決策は、前記求人票情報の求人要件の定義、前記求人要件の再調整、前記求人票情報のさらなる魅力化の少なくともいずれかの具体案を含む、
請求項2に記載の採用活動支援システム。
解決策のひとつとして求人者に提供できる。
(付記9)
前記課題抽出部は、2つ以上の前記工程の組み合わせに対して前記課題を抽出する、
付記1に記載の採用活動支援システム。
解決策のひとつとして求人者に提供できる。
(付記10)
求人者から求人票情報を含む採用活動情報を取得する情報取得部と、
前記採用活動情報に基づいて、前記求人票情報の採用活動の工程の課題を抽出する課題抽出部と、
前記課題を前記求人者に提示する提示部と、
を備える採用活動支援サーバ。
(付記11)
求人者から求人票情報を含む採用活動情報を取得する情報取得ステップと、
前記採用活動情報に基づいて、前記求人票情報の採用活動の工程の課題を抽出する課題抽出ステップと、
前記課題を前記求人者に提示する提示ステップと、
をコンピュータに実行させるプログラム。
(付記12)
求人者から求人票情報を含む採用活動情報を取得する情報取得ステップと、
前記採用活動情報に基づいて、前記求人票情報の採用活動の工程の課題を抽出する課題抽出ステップと、
前記課題を前記求人者に提示する提示ステップと、
をコンピュータに実行させる採用活動支援方法。
【符号の説明】
【0090】
1 :採用活動支援システム
100 :採用活動支援サーバ
110 :通信部
120 :記憶部
123 :数理モデル
130 :処理部
131 :情報取得部
132 :課題抽出部
133 :解決策生成部
134 :提示部
135 :進捗確認部
136 :数理モデル更新部
200 :ユーザ端末
300 :内部ツール
D100 :画面
NW :ネットワーク
【要約】
【課題】高品質かつ均質な採用活動支援を提供できる採用活動支援システム、採用活動支援サーバ、プログラム、および、採用活動支援方法を提供する。
【解決手段】求人者から求人票情報を含む採用活動情報を取得する情報取得部131と、前記採用活動情報に基づいて、前記求人票情報の採用活動の工程の課題を抽出する課題抽出部132と、前記課題を前記求人者に提示する提示部134と、を備える。
【選択図】
図2