(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-30
(45)【発行日】2025-02-07
(54)【発明の名称】口腔ケアデバイスハンドルのためのアタッチメント
(51)【国際特許分類】
A61C 17/22 20060101AFI20250131BHJP
A46B 13/02 20060101ALI20250131BHJP
A61C 17/34 20060101ALI20250131BHJP
【FI】
A61C17/22 C
A46B13/02
A61C17/34 E
(21)【出願番号】P 2024543408
(86)(22)【出願日】2023-01-26
(86)【国際出願番号】 IB2023050683
(87)【国際公開番号】W WO2023144746
(87)【国際公開日】2023-08-03
【審査請求日】2024-07-22
(32)【優先日】2022-01-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】508117514
【氏名又は名称】ブラウン ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100137523
【氏名又は名称】出口 智也
(74)【代理人】
【識別番号】100141830
【氏名又は名称】村田 卓久
(74)【代理人】
【識別番号】100152423
【氏名又は名称】小島 一真
(74)【代理人】
【識別番号】100196047
【氏名又は名称】柳本 陽征
(72)【発明者】
【氏名】ノルベルト、シェーファー
【審査官】東 勝之
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/199081(WO,A1)
【文献】特表2013-535307(JP,A)
【文献】特表2016-523166(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0315758(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61C 17/22
A61C 17/34
A46B 13/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
口腔ケアデバイスハンドルに結合されるための口腔ケアデバイスアタッチメントであって、前記アタッチメントは、
前記口腔ケアデバイスハンドルに固定されるように意図された結合端部を有する外側アタッチメント管と、
駆動運動のために前記外側アタッチメント管に取り付けられたキャリアと、
前記キャリアに係合された軸であって、前記キャリアの前記駆動運動は前記軸によって画定される回転軸の周りの振動回転である、軸と、
前記外側アタッチメント管の内側に配置された運動伝達部であって、前記キャリアに結合された第1の端部を有し、上部プレートを有する結合ユニットを含む第2の端部をさらに有する、運動伝達部と、を備え、
前記上部プレートを有する前記結合ユニットは前記運動伝達部と一体であり、
前記外側アタッチメント管と前記運動伝達部の間にばねが配置され、前記運動伝達部は前記外側アタッチメント管の前記結合端部に向かう位置に付勢される、口腔ケアデバイスアタッチメント。
【請求項2】
前記結合ユニットは、前記アタッチメントがハンドルに取り付けられたときに、駆動シャフト結合端部の結合面に対して付勢されるように構成された結合面を備える、請求項1に記載の口腔ケアデバイスアタッチメント。
【請求項3】
前記ばねは、ばね定数によって特徴付けられ、前記ばね及び前記ばね定数は、前記アタッチメントが前記ハンドルに結合されたときに、前記結合ユニットの前記結合面が前記駆動シャフト結合端部の前記結合面と常に接触したままであるように選択される、請求項2に記載の口腔ケアデバイスアタッチメント。
【請求項4】
前記結合ユニットの結合面は、前記アタッチメントがハンドルに取り付けられたときに、駆動シャフト結合端部の平坦な結合面と接触し、前記結合面に対して付勢されるように構成される、請求項1に記載の口腔ケアデバイスアタッチメント。
【請求項5】
前記ばねは、前記運動伝達部の少なくとも一部を包囲するコイルばねである、請求項1に記載の口腔ケアデバイスアタッチメント。
【請求項6】
前記上部プレートは熱可塑性材料から作られている、請求項1に記載の口腔ケアデバイスアタッチメント。
【請求項7】
前記運動伝達部は、プラスチック射出成形によって作製された完全な一体部品である、請求項1に記載の口腔ケアデバイスアタッチメント。
【請求項8】
前記運動伝達部の前記結合ユニットは、磁気相互作用要素を含まない、請求項1に記載の口腔ケアデバイスアタッチメント。
【請求項9】
前記外側アタッチメント管は、本質的に円筒形の内側部分を備える、請求項1に記載の口腔ケアデバイスアタッチメント。
【請求項10】
前記本質的に円筒形の内側部分は、前記外側アタッチメント管と一体的に形成されている、請求項9に記載の口腔ケア装置取り付け具。
【請求項11】
前記ばねは、前記ばねの第1の端部が前記外側アタッチメント管の内面に接するように配置されている、請求項1に記載の口腔ケアデバイスアタッチメント。
【請求項12】
前記外側アタッチメント管の前記内面は当接突起を備え、
前記ばねの前記第1の端部は前記当接突起に当接する、請求項11に記載の口腔ケアデバイスアタッチメント。
【請求項13】
前記当接突起は環状の当接突起である、請求項12に記載の口腔ケアデバイスアタッチメント。
【請求項14】
前記当接突起は、前記外側アタッチメント管と一体的に形成されている、請求項12に記載の口腔ケアデバイスアタッチメント。
【請求項15】
前記ばねは、前記ばねの第2の端部が前記上部プレートの上部当接面に当接するように配置されている、請求項1に記載の口腔ケアデバイスアタッチメント。
【請求項16】
前記外側アタッチメント管の前記結合端部は、第1の機械的コネクタを備える、請求項1に記載の口腔ケアデバイスアタッチメント。
【請求項17】
前記第1の機械的コネクタは、長手方向スロットを備える、請求項16に記載の口腔ケアデバイスアタッチメント。
【請求項18】
前記長手方向スロットは、前記キャリアから離れるように配向した開放端と、前記キャリアに向かって配向した閉鎖端とを備える、請求項17に記載の口腔ケアデバイスアタッチメント。
【請求項19】
前記外側アタッチメント管の前記結合端部は、前記ハンドルの第2の機械的コネクタと着脱可能に結合可能な第1の機械的コネクタを備え、前記外側アタッチメント管と前記ハンドルの駆動シャフトハウジングとが互いに位置的に固定され、
前記第1の機械式コネクタ及び前記第2の機械式コネクタは、機械式結合要素によって互いに機械的に結合することができ、
前記機械的結合要素は、可撓性の機械的結合要素を備える、請求項1に記載の口腔ケアデバイスアタッチメント。
【請求項20】
前記機械的結合要素は、可撓性スナップフックを備える、請求項19に記載の口腔ケアデバイスアタッチメント。
【請求項21】
前記外側アタッチメント管は、前記外側アタッチメント管の外面に位置する少なくとも1つの開口部を備え、前記外面は、概ね前記アタッチメントの長手方向軸に沿って延びる、請求項1に記載の口腔ケアデバイスアタッチメント。
【請求項22】
前記外側アタッチメント管の前記結合端部は下縁部を備え、前記下縁部は実質的に前記アタッチメントの長手方向軸に直交しない平面を画定する、請求項1に記載の口腔ケアデバイスアタッチメント。
【請求項23】
前記軸によって画定される前記回転軸は、前記アタッチメントの長手方向軸に実質的に直交する、請求項1に記載の口腔ケアデバイスアタッチメント。
【請求項24】
前記軸は、前記外側アタッチメント管に係合されている、請求項1に記載の口腔ケアデバイスアタッチメント。
【請求項25】
前記アタッチメントは、交換可能なブラシヘッドであるとともに前記キャリアに取り付けられた複数の口腔ケア要素を備え、前記口腔ケア要素は毛束の形態である、請求項1に記載の口腔ケアデバイスアタッチメント。
【請求項26】
口腔ケアデバイスハンドルに結合されるための口腔ケアデバイスアタッチメントであって、前記アタッチメントは、
前記口腔ケアデバイスハンドルに固定されるように意図された結合端部を有する外側アタッチメント管であって、前記外側アタッチメント管の前記結合端部が、ハンドルの第2の機械的コネクタと着脱自在に結合可能な第1の機械的コネクタを備える、外側アタッチメント管と、
軸の周りの駆動運動のために前記外側アタッチメント管に取り付けられたキャリアであって、前記軸は前記キャリアに係合されており、前記キャリアの前記駆動運動は前記軸によって画定される回転軸の周りの振動回転であり、前記キャリアに取り付けられた複数の口腔ケア要素を備える、キャリアと、
前記外側アタッチメント管の内側に配置された運動伝達部であって、前記キャリアと結合された第1の端部を有し、上部プレートを有する結合ユニットを備えた第2の端部をさらに有し、前記運動伝達部は完全な一体部品である、運動伝達部と、
第1の端部及び第2の端部を備えたばねであって、前記外側アタッチメント管と前記運動伝達部との間に配置され、さらに前記運動伝達部の少なくとも一部の周囲に配置され、さらに前記ばねの前記第2の端部が前記運動伝達部の前記結合ユニットの前記上部プレートに当接するように配置され、さらに前記運動伝達部が前記外側アタッチメント管の前記結合端部に向かう位置に付勢される、ばねと、
を備えた、口腔ケアデバイスアタッチメント。
【請求項27】
前記アタッチメントは前記キャリアに取り付けられた複数の口腔ケア要素を備え、前記口腔ケア要素は毛束の形態であり、少なくとも1つの前記毛束は、別の毛束の形状とは異なる形状を有する、請求項26に記載の口腔ケアデバイスアタッチメント。
【請求項28】
前記外側アタッチメント管は、本質的に円筒形の内側部分を備える、請求項26に記載の口腔ケアデバイスアタッチメント。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、本質的に円筒形の駆動シャフト結合端部を有する口腔ケアデバイスハンドルの駆動シャフトに結合されるための口腔ケアデバイスアタッチメントに関する。
【背景技術】
【0002】
特に駆動シャフトが線形振動を提供する場合、電動歯ブラシなどの口腔ケアデバイスハンドルの駆動シャフトは、磁気引力によって交換ブラシヘッドなどの口腔ケアデバイスアタッチメント内に配置された運動伝達部に結合され得ることが知られている。運動伝達部は、駆動シャフトの線形振動が運動伝達部によってキャリアに伝達されるときに、キャリアが回転軸の周りの振動回転に駆動されるように、アタッチメントの外側管ハウジングに取り付けられたキャリアと結合されてもよい。そのような磁気結合は、摩耗しやすい機械的結合構成要素を回避し、磁気引力が結合相手を一緒に保つので、低ノイズで線形振動を伝達する働きをする。磁気結合パートナーは、軸方向表面上に接続する必要があるだけでよいので、例えば、駆動シャフト結合端部と口腔ケアデバイスハンドルのハウジングとの間の距離は、比較的小さく、例えば、1mm未満の円周方向距離又は間隙を伴って実現することができ、これは、全体的な結合面積を他の設計よりも小さくする。そのような結合概念は、例えば、文書欧州特許第2550938号B1で説明されている。
【0003】
しかし、磁気結合は、例えば、口腔ケアデバイスハンドルの駆動シャフトの結合端部に配置された磁石と、アタッチメント内に配置された運動伝達部のそれぞれの結合端部における更なる磁石又は磁化可能要素とを必要とする。これらの構成要素は、結合を比較的高価にする。
【0004】
したがって、口腔ケアデバイスハンドルの駆動シャフトの本質的に円筒形の結合端部と、口腔ケアデバイスハンドルのための口腔ケアデバイスアタッチメントの運動伝達部との間に、駆動シャフトの結合端部と口腔ケアデバイスハンドルのハウジングとの間の小さな円周方向の間隙を依然として可能にする、より安価な結合を提供する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【0006】
少なくとも1つの態様によれば、本質的に円筒形の駆動シャフト結合端部を有する口腔ケアデバイスハンドルに結合されるための口腔ケアデバイスアタッチメントが提供され、アタッチメントは、口腔ケアデバイスハンドルのハウジングに着脱可能に固定されるように意図された結合端部を有する外側アタッチメント管と、駆動運動のために外側アタッチメント管に取り付けられたキャリアと、外側アタッチメント管の内側に配置された運動伝達部であって、運動伝達部は、キャリアに結合された第1の端部と、本質的に円筒形の駆動シャフト結合端部に結合するために配置された第2の端部とを有し、第2の端部は、上部プレートと、上部プレートから延在する少なくとも1つの少なくとも部分的に変形可能な本質的に円筒形の壁要素、又は上部プレートから延在する少なくとも2つの弾性若しくは撓み可能な壁要素とをそれぞれ有する結合ユニットを有し、弾性若しくは撓み可能な壁要素の各々は、本質的に円筒形のレシーバレセプタクルが上部プレート及び1つの少なくとも部分的に変形可能な本質的に円筒形の壁要素によって、又は上部プレート及び少なくとも2つの弾性若しくは撓み可能な壁要素によって画定されるように、仮想レシーバシリンダの一部にわたって延在する、運動伝達部と、を有する。
【0007】
少なくとも1つの態様によれば、本質的に円筒形の駆動シャフト結合端部を有する口腔ケアデバイスハンドルの駆動シャフトに結合されるように構成された口腔ケアデバイスアタッチメントが提供され、アタッチメントは、口腔ケアデバイスハンドルに固定されるように意図された結合端部を有する外側アタッチメント管と、駆動運動のために外側アタッチメント管に取り付けられたキャリアと、外側アタッチメント管の内側に配置された運動伝達部であって、運動伝達部は、キャリアに結合された第1の端部と、本質的に円筒形の駆動シャフト結合端部に結合されるように構成された第2の端部とを有し、第2の端部は、上部プレートを有する結合ユニットを備える、運動伝達部と、を備え、外側アタッチメント管と運動伝達部との間にばねが配置され、運動伝達部は外側アタッチメント管の結合端部に向かう位置に付勢される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本開示は、例示的実施形態の詳細な説明及び図面の参照により、更に明瞭にされる。
【
図1】電動歯ブラシとして実現される口腔ケアデバイスの図である。
【
図2】口腔ケアデバイス用の交換可能な口腔ケアアタッチメントの図であり、ここでアタッチメントは歯ブラシヘッドとして実現されている。
【
図3】従来技術から知られているように、口腔ケアハンドルと交換可能な口腔ケアアタッチメントとの間の結合部分を通る断面図である。
【
図4A】本開示において提案される口腔ケアデバイスアタッチメントの第1の例の断面図である。
【
図4B】第1の例による、運動伝達部の一部と、運動伝達部の第2の端部に設けられた結合ユニットとを示す図である。
【
図4C】運動伝達部が口腔ケアデバイスハンドルの駆動シャフトに結合されている状態における、
図4Aに示されるアタッチメントを通る断面図である。
【
図4D】
図4Aに示されたアタッチメントの部品の斜視図であり、
図4Aでは省略された機械的コネクタも示されており、外側アタッチメント管のみが示されている。
【
図5A】本開示において提案される口腔ケアデバイスアタッチメントの第2の例の断面図である。
【
図5B】第2の例による、運動伝達部の一部と、運動伝達部の第2の端部に設けられた結合ユニットとを示す図である。
【
図6A】本開示において提案される口腔ケアデバイスアタッチメントの第3の例の断面図である。
【
図6B】第3の例による、運動伝達部の一部と、運動伝達部の第2の端部に設けられた結合ユニットとを示す図である。
【
図7A】本開示において提案される口腔ケアデバイスアタッチメントの第4の例の断面図である。
【
図7B】第4の例による、運動伝達部の一部と、運動伝達部の第2の端部に設けられた結合ユニットとを示す図である。
【
図8A】本開示において提案される口腔ケアデバイスアタッチメントの第5の例の断面図である。
【
図8B】第5の例による、運動伝達部の一部と、運動伝達部の第2の端部に設けられた結合ユニットとを示す図である。
【
図9A】本開示において提案される口腔ケアデバイスアタッチメントの第6の例の断面図である。
【
図9B】第6の例による、運動伝達部の一部と、運動伝達部の第2の端部に設けられた結合ユニットとを示す図である。
【
図10A】本開示において提案される口腔ケアデバイスアタッチメントの第7の例の断面図である。
【
図10B】第7の例による、運動伝達部の一部と、運動伝達部の第2の端部に設けられた結合ユニットとを示す図である。
【
図11A】本開示において提案される口腔ケアデバイスアタッチメントの第8の例の断面図である。
【
図11B】第8の例による、運動伝達部の一部と、運動伝達部の第2の端部に設けられた結合ユニットとを示す図である。
【
図12A】本開示において提案される口腔ケアデバイスアタッチメントの第9の例の断面図である。
【
図12B】第9の例による、運動伝達部の一部と、運動伝達部の第2の端部に設けられた結合ユニットとを示す図である。
【
図13A】本開示において提案される口腔ケアデバイスアタッチメントの第10の例の断面図である。
【
図13B】第10の例による、運動伝達部の一部と、運動伝達部の第2の端部に設けられた結合ユニットとを示す図である。
【
図14】本質的に円筒形の駆動シャフト結合端部と駆動シャフトハウジングとを備える口腔ケアハンドルの上端部の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示によれば、本質的に円筒形の駆動シャフト結合端部を有する駆動シャフトを有する口腔ケアデバイスハンドルに、口腔ケアデバイスアタッチメントを結合するための解決策が提案される。駆動シャフトは、線形振動、すなわち長手方向軸に沿った駆動シャフトの振動運動を提供するように配置される。本質的に円筒形の駆動シャフト結合端部は、(a)4mm~8mmの範囲、好ましくは6.2mmなどの約6mmの直径、(b)本質的に円筒形の駆動シャフト結合端部を包囲するハンドルのハウジングの一部までの比較的小さい円周方向距離を有してもよく、円周方向の間隙又は距離は、約1mm未満、好ましくは約0.8mm未満、更に好ましくは約0.6mmの範囲であってもよく、及び/又は(b)少なくとも1つのくぼみ、円周方向溝を有してもよく、又はより小さい直径で続いてもよい。円周方向は一定でなくてもよく、すなわち、本質的に円筒形の駆動シャフト結合端部を包囲するハウジングは、非円形断面を有してもよく、又は本質的に円筒形の駆動シャフト結合端部に対して非同軸に配置されてもよい。これは、円周方向の間隙が、少なくとも1つの領域において例えば約0.6mmの間隙幅を有し、別の領域において例えば1.0mmの間隙幅を有することを意味し得る。間隙幅は、本質的に円筒形の駆動シャフト結合端部の長手方向軸に垂直な平面内で測定されると理解されるものとする。更に、本質的に円筒形の駆動シャフト結合端部は、4mm~20mmの範囲、好ましくは8mm~16mmの範囲、更に好ましくは13.8mmなどの約14mmの長手方向軸線の方向の長さ延長部を有することができる。
【0010】
図1は、口腔ケアデバイスアタッチメント10(本明細書では単に「アタッチメント」とも呼ばれる)及び口腔ケアデバイスハンドル20(本明細書では単に「ハンドル」とも呼ばれる)を備える例示的な口腔ケアデバイス1の図である。アタッチメント10は、外側アタッチメント管又はハウジング11と、両矢印Rによって示されるように駆動される振動回転のために外側アタッチメント管11に取り付けられるキャリア12とを備える(本明細書で提案されるアタッチメントは、振動回転に駆動されるキャリアを備えることに限定されないが)。ここでは、口腔ケア要素13がキャリア12に取り付けられている。ハンドルは、ハウジング21を備える。アタッチメント10は、ハンドル20に着脱可能に取り付けられ、好ましくは、外側アタッチメント管11は、ハンドル20のハウジング21に機械的に固定され、その結果、取り付けられた状態において、外側アタッチメント管11及びハウジング21は、互いに対して移動しない。より詳細に説明されるように、ハンドル20の駆動シャフトは、駆動シャフトによって提供される運動(典型的には、長手方向に沿った線形振動)が運動伝達部によって動作中にキャリア12に伝達されるように、外側アタッチメント管11内に配置された運動伝達部に着脱可能に接続される。口腔ケアデバイス1は、ここでは電動歯ブラシとして示され、アタッチメント10は交換可能なブラシヘッドとして示され、口腔ケア要素13は毛束として示される。
【0011】
図2は、分離して示された例示的なアタッチメント10Aの図である。アタッチメント10Aは、外側アタッチメント管又はハウジング11Aと、駆動運動のために外側アタッチメント管11Aに取り付けられたキャリア12Aと、キャリア12Aに取り付けられた複数の口腔ケア要素13Aとを備える。
【0012】
図3は、ここでは示されているだけのハウジング21Bを有するハンドル20B(部分的にのみ示されている)に着脱可能に取り付けられたアタッチメント10Bを備える口腔ケアデバイス1Bの上部を通る断面図である。アタッチメント10B及びハンドル20Bは、ここではハンドル20Bの駆動シャフト31Bの中心軸と一致する長手方向軸Lに沿って概ね延在する。断面図は、例えば欧州特許第2550940号B1に一般的に記載されているような口腔ケアデバイス1Bを示す。口腔ケアデバイス1Bにおいて、運動伝達部13Bは、第1の端部においてキャリア12Bと結合され、キャリア12Bは、複数の口腔ケア要素13Bを担持し、軸15Bの周り、すなわち軸15Bによって画定される回転軸の周りの駆動回転のために、アタッチメント10Bの外側アタッチメント管11Bに取り付けられる。運動伝達部13Bは、第2の端部に第1の磁気相互作用要素14Bを備え、本質的に円筒形の駆動シャフト結合端部30Bと解放可能に結合される。本質的に円筒形の駆動シャフト結合端部30Bは、第1の磁気相互作用要素14Bと磁気的に相互作用する第2の磁気相互作用要素32Bを備え、それにより、駆動シャフト31Bが長手方向軸Lに沿って直線往復運動を提供するとき、磁気相互作用要素14B及び32Bの両方が、通常動作において本質的に当接したままである。磁気相互作用は、磁石として実現される磁気相互作用要素14B及び32Bの各々によって、又はそれらのうちの一方が磁石として実現され、他方が磁化可能要素として実現されることによって確立される。第1の磁気相互作用要素14Bは、運動伝達部13Bの第2の端部に固定され、第2の磁気相互作用要素32Bは、本質的に円筒形の駆動シャフト結合端部30Bの一部である。アタッチメント10Bは典型的には使い捨て部品であることが意図され得るので、第2の磁気相互作用要素32Bを磁石として実現し、第1の磁気相互作用要素14Bを磁化可能要素として実現することが好ましい場合がある。本質的に円筒形の駆動シャフト結合端部30Bは、ここではキャップ34B、例えば金属キャップによって実現され、円筒形磁石、例えば円筒形NdFeBタイプ磁石であってもよい第2の磁気相互作用要素32Bは、一方では接着剤33Bによってキャップ34Bに固定され、他方では接着剤33Bによって駆動シャフト31Bに固定される。本質的に円筒形の駆動シャフト結合端部30Bは、
図3に示されるように、直径d及び長さlを有する。直径d及び長さlの可能性のある値は、前の段落で説明した。駆動シャフト31Bは、本質的に円筒形の駆動シャフト結合端部30Bよりも直径が小さくてもよいので、本質的に円筒形の駆動シャフト結合端部30Bの下に、すなわちハンドル20Bに面する下端部に、アンダーカットが設けられてもよい。したがって、本出願における用語「アンダーカット」の意味は、本質的に円筒形の駆動シャフト結合端部自体よりも直径が小さい、本質的に円筒形の駆動シャフト結合端部の下の部分であり、それは、全ての方向において、又は1つ若しくはいくつかの円周方向に分散された領域のみにおいてより小さくてもよい。アタッチメント10Bは、ここでは、ハンドル20Bの第2の機械的コネクタ26Bと着脱可能に結合される第1の機械的コネクタ16Bを備える結合端部を備え、それにより、外側アタッチメント管11B及び駆動シャフトハウジング22Bが互いに位置的に固定される。第1及び第2の機械的コネクタ16B及び26Bは、当技術分野で一般に知られているような可撓性スナップフックなどの機械的結合要素によって互いに機械的に結合することができる。駆動シャフト31Bは、シール35Bによって駆動シャフトハウジング22Bの中空部に対してシールされてもよく、その結果、液体が中空部に入ることができない。
【0013】
以下では、本開示による口腔ケアデバイスアタッチメントの10個の例示的実施形態が説明される。第10の例示的なアタッチメントを除く全ての例示的なアタッチメントは、上部プレートと、(a)上部プレートと共に、口腔ケアデバイスハンドルからの駆動シャフトの本質的に円筒形の駆動シャフト結合端部を受容するのに適したレシーバシリンダを画定する1つの少なくとも部分的に変形可能な本質的に円筒形の壁要素、又は(b)当該本質的に円筒形の駆動シャフト結合端部を受容するための本質的に円筒形のレシーバ容積又はレセプタクルを画定する少なくとも2つの弾性又は撓み可能又は旋回可能な壁要素のいずれかとを有する結合ユニットを備える。例示的実施形態において考慮される少なくとも3つの追加の態様があり、これらの態様は、個別に又は一緒に、すなわち、3つの態様のうちの2つを一緒に、又は3つの態様の全てを一緒に実施することができる。これらの3つの追加の態様は以下の通りである:
(1)外側アタッチメント管と運動伝達部との間に配置されたばねであって、結合ユニットを含む運動伝達部の第2の端部が、アタッチメントの結合端部に向かって付勢されるように、言い換えれば、取り付けられた状態で、かつ取り付けプロセス中に、本質的に円筒形の駆動シャフト結合端部に対して付勢される、ばね。
(2)結合ユニットと運動伝達部の残りの部分との間の分離可能な機械的結合であって、結合ユニットが、本質的に円筒形の駆動シャフト結合端部に取り付けることができ、アタッチメントの残りの部分が取り外されたときにそこに留まることができるアダプタとみなすことができるような、分離可能な機械的結合。
(3)変形可能な本質的に円筒形の壁要素に、又は少なくとも2つの弾性又は撓み可能又は旋回可能な壁要素の少なくとも1つに設けられた少なくとも1つの突起であって、本質的に円筒形の駆動シャフト結合端部のレセプタクル又はアンダーカットと相互作用するのに適した、突起。
【0014】
熱可塑性エラストマー又は天然ゴムから少なくとも1つの少なくとも部分的に変形可能な本質的に円筒形の壁要素を実現するための可能な材料選択は、非限定的に、以下の材料のうちの1つを含む:熱可塑性エラストマー(TPE)、ニトリルゴム(NBR)、シリコーンゴム、EPDMゴム、スチレン-ブタジエンゴム(SBR)。
【0015】
少なくとも部分的に変形可能な本質的に円筒形の壁要素又は少なくとも2つの弾性若しくは撓み可能な壁要素を熱可塑性材料から実現するための可能な材料選択は、非限定的に、以下の材料のうちの1つを含む:ポリプロピレン(PP)、ポリアミド(PA)、ポリオキシメチレン(POM)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、Hytrelなどの熱可塑性エラストマー(TPE)、又はポリブチレンテレフタレート(PBT)。上部プレート又はその一部が熱可塑性材料から作られる場合、上部プレートを実現するために同じ材料を選択することができる。
【0016】
少なくとも部分的に変形可能な本質的に円筒形の壁要素又は少なくとも2つの弾性又は撓み可能な壁要素をシートメタルから実現するための可能な材料選択は、非限定的に、以下の材料のうちの1つを含む:例えば規格EN 10027-2による材料番号1.4301、1.4303、1.4305、1.4306、1.4307、1.4310を有するステンレス鋼、及び好ましくは食品グレード材料として分類される良好な弾性特性を有する薄い箔を作製するのに適した他の非腐食性鋼又は他の金属。モリブデン、チタン又は合金のような他の金属材料も同様に使用することができるが、より高価になる傾向がある。上部プレート又はその一部が金属から作られる場合、上部プレートを実現するために同じ材料を選択することができる。
【0017】
図4A~
図4Dは、本明細書で提案されるアタッチメント100の第1の例の図である。
図4Aは、アタッチメント100の断面図であり、
図4Bは、結合ユニット200を備える運動伝達部140の第2の端部を示す詳細の斜視図であり、
図4Cは、アタッチメント100の下側部分及び本質的に円筒形の駆動シャフト結合端部30を備える駆動シャフト22の断面図であり、
図4Dは、
図4Aでは省略されている第1の機械的コネクタ300を更に備えるアタッチメント100’の部分的に透明な斜視図である。アタッチメント100又は100’の同一の特徴は、同じ参照番号を有する。
【0018】
図4Aに示すアタッチメント100は、外側アタッチメント管110と、外側アタッチメント管110の中空部内に配置された運動伝達部140とを有する。運動伝達部140は、口腔洗浄要素130を担持し、外側アタッチメント管110に対して駆動運動するように配置されたキャリア120に結合された第1の端部を有する。アタッチメント100は、口腔ケアデバイスのハンドルへのアタッチメント100の結合を可能にするための開口部111を含む下端部を有し、具体的には、ハンドルの駆動シャフトは、開口部111を介して中空部内に入り、運動伝達部140の第2の端部又は結合端部との接続を確立し、運動伝達部140の結合端部は、結合ユニット200を含む。結合ユニット200は、上部プレート210と、口腔ケアデバイスのハンドルの駆動シャフトの本質的に円筒形の駆動シャフト結合端部を受容するための仮想レシーバシリンダ251を画定する少なくとも部分的に変形可能な本質的に円筒形の壁要素220とを備える(
図4C参照)。アタッチメント100の下端部は、典型的には、第1の機械的コネクタ300を備え、これは、
図4A及び
図4Cでは省略されているが、
図4Dに示されている。
【0019】
図4Bは、運動伝達部140の下側部分を示し、「下側」は、結合ユニット200を備える運動伝達部140の第2の端部に関する。運動伝達部140は、キャリア120(
図4A参照)と結合される第1の端部に向かって延在する第1の部分141と、結合ユニット200に続く第2の部分143とを有する。ピボット142は、動作中の運動伝達部140の第1の部分141と第2の部分143との間の角形成を補償するために、運動伝達部140の第1の部分141と第2の部分143との間に提供される。ピボット142は、ここでは一体形成ヒンジとして実現される。結合ユニット200は、ここでは運動伝達部140と一体である上部プレート210を備え、完全な一体部分はプラスチック射出成形によって作製されてもよい。少なくとも部分的に変形可能な円筒形の壁要素220は、その弾性特性により壁要素220を少なくとも部分的に変形可能にするために、下端部から上部プレート210の高さまで延在するスロット221を備える。少なくとも部分的に変形可能な円筒形の壁要素220は、薄い曲げられた金属シートから作製されてもよく、例えば、金属シートは、50マイクロメートル~500マイクロメートル、好ましくは75マイクロメートル~250マイクロメートル、例えば75マイクロメートル、100マイクロメートル、125マイクロメートル、150マイクロメートル、175マイクロメートル、200マイクロメートル、225マイクロメートル又は250マイクロメートルの厚さを有してもよい。これらの厚さの値は、一般に、金属シート部品を含む全ての実施形態に適用可能である。少なくとも部分的に変形可能な円筒形の壁要素220は、上部プレート210から延在する少なくとも1つ、好ましくは少なくとも2つのかしめ突起211によって上部プレート210に接続されてもよい。これは、壁要素220が、(レーザ)溶接、接着、リベット留め、ねじ留めなどの他の又は追加の技法によって上部プレート210に固定され得ることを除外しないものとする。スロット221の代わりに、又はそれに加えて、壁要素220は、破線で示され、壁要素220の全長に沿って延在し得るスロット222を備え得る。結合ユニット200は、本質的に円筒形の駆動シャフト結合端部が仮想レシーバシリンダ251(
図4A参照)に入ることを可能にするレシーバ開口部250を備える。
【0020】
図4Cは、
図4Aに示されるものと同じ断面図を示すが、アタッチメント100の一部のみを示し、本質的に円筒形の駆動シャフト結合端部30を有する駆動シャフト31の上部を含み、ここでは、本質的に円筒形の駆動シャフト結合端部30が仮想レシーバシリンダ251内に受容される結合状態で示される。
図3に関連して既に説明したように、本質的に円筒形の駆動シャフト結合端部30は、磁石又は磁化可能要素32と、キャップ34と、キャップ34、磁石又は磁化可能要素32及び駆動シャフト31を一緒に固定的に接続する接着剤33とを備えることができる。しかし、ここでは、磁気相互作用能力は、本明細書で説明されるアタッチメントが本質的に円筒形の駆動シャフト結合端部30に機械的に取り付けられるので、重要ではないことに留意されたい。したがって、本質的に円筒形の駆動シャフト結合端部30は、単なるシリンダ、例えばプラスチックシリンダ又は金属シリンダであってもよい。本質的に円筒形の駆動シャフト結合端部30の下に、小径部分36が延在してもよく、その結果、前の段落で提供される「アンダーカット」の定義によるアンダーカットがそこに提供される。
図7Aから
図11Bに示される実施形態は、本質的に円筒形の駆動シャフト結合端部30の下にそのようなアンダーカットが存在することを利用する。アンダーカットを実現する小径部分の代わりに、溝又は個々のレセプタクルが、アンダーカットを実現するために本質的に円筒形の駆動シャフト結合端部30に設けられてもよいことに留意されたい。
【0021】
図4Dは、
図4A及び
図4Cに示されるアタッチメント100と本質的に同一であるが、透明に示される外側アタッチメント管110と、アタッチメント100’の下端部に配置される第1の機械的コネクタ300とを有するアタッチメント100’の斜視図であり、下端部という用語は、ハンドルと結合されるように意図されるアタッチメント100’の端部を指す。
図4Dに示す他の要素については既に説明したので、
図4A~
図4Cに関する上記説明を参照されたい。
【0022】
図5A及び
図5Bは、本明細書で提案されるアタッチメント100Aの第2の例の図である。
図4A及び
図4Bと比較して本質的に同一のままであるこの実施形態の要素は、再度説明されず(参照番号は、例えば、以下の実施形態において、120から120A又は120Bなどに変わる)、差異のみが強調される。このことは、以下の
図13A及び
図13Bまでの説明においても同様である。第1の例示的実施形態について説明したような一体形成ヒンジの代わりに、第2の例示的実施形態は、ピボット軸1421Aを有するスイベルジョイントによって実現されるピボット142Aを備える。ピボット142Aは、運動伝達部140Aの第1の部分141A及び第2の部分143Aが互いに対して旋回することを可能にして、第1の部分141Aと第2の部分143Aとの間の角形成の変化を可能にする。結合ユニット200Aは、上部プレート210Aと、駆動シャフトの本質的に円筒形の駆動シャフト結合端部を受容するための仮想レシーバシリンダ251Aを画定する少なくとも部分的に変形可能な本質的に円筒形の壁要素220Aとを備える。運動伝達部140Aの上部プレート210A及び第2の部分143Aは、非磁性鋼などの金属から作られてもよく、部分的に変形可能な本質的に円筒形の壁要素220Aは、やはり非磁性の薄い金属シート材料から作られてもよく、レーザ溶接又は接着、ねじ留め、リベット留めなどの任意の他の金属接続技術によって上部プレート210Aに接続されてもよい。
【0023】
図6A及び
図6Bは、本明細書で提案されるアタッチメント100Bの第3の例の図である。ここで、結合ユニット200Bと外側アタッチメント管110Bとの間にはばね250Bが配置されており、結合ユニット200Bは、アタッチメント110Bの下端部に設けられた開口部111Bに向かって付勢されている。ばね250Bは、ここでは、一端において、外側アタッチメント管110Bの内面に設けられた環状当接面112Bに当接しており、他端において、結合ユニット200Bの上部プレート210Bの上部当接面212Bに当接している。ばね250Bは、取り付けプロセスにおいて、駆動シャフトの本質的に円筒形の駆動シャフト結合端部上への結合ユニット200Bの取り付けを支持する。外側アタッチメント管110Bは、ばね250Bのためのガイドを提供する本質的に円筒形の内側部分113Bを備えてもよく、その結果、ばねは、側方に膨張又は移動することができない。結合ユニット200Bは、ここでは、上部プレート210Bと、少なくとも部分的に変形可能な本質的に円筒形の壁要素220Bとを備え、この壁要素は、プラスチックから作られてもよく、運動伝達部140Bと共に一体部品として実現されてもよい。先の実施形態に関して論じたように、少なくとも部分的に変形可能な本質的に円筒形の壁要素220Bは、少なくとも部分的に変形可能な本質的に円筒形の壁要素220Bの変形を支持するスロット又は他の切り欠き221Bを備えることができる。
【0024】
図7A及び
図7Bは、本明細書で提案されるアタッチメント100Cの第4の例の図である。アタッチメント100Cは、シャンパンボトル用の二次閉鎖部といくつかの類似点を有する結合ユニット200Cを備える。結合ユニット200Cは、結合ユニット200Cの上部プレート210Cに取り付けられた2つの撓み可能又は旋回可能な壁要素2210C及び2220Cを有する。2つの撓み可能な壁要素2210C及び2220Cは各々、復元ばね力に抗して、軸225Cの周りに、すなわち軸225Cによって画定される軸の周りに撓み可能又は旋回可能である。それらの静止位置において、2つの撓み可能な壁要素2210C及び2220Cは、駆動シャフトの本質的に円筒形の駆動シャフト結合端部を受容するための仮想レシーバシリンダ251Cを包囲する。2つの撓み可能な壁要素2210C及び2220Cの各々は、運動伝達部140Cの第2の部分143Cの当接面1431Cに各々当接するばね延長部2211C及び2221Cをそれぞれ備えるが、これは非限定的であると考えられ、復元ばね力は他の方法で提供されてもよい。2つの撓み可能な壁要素2210C又は2220Cのうちの1つが軸225Cの周りで本質的に半径方向外向きに偏向される場合、それぞれのばね延長部2211C又は2221Cは、運動伝達部140Cの第2の部分143Cに対して押され、したがって弾性的に変形し、それによって、偏向された壁要素2210C又は2220Cをその静止位置に押し戻す復元ばね力が生成される。図示の実施形態では、2つの撓み可能な壁要素2210C及び2220Cの各々は、下端部に設けられた切り欠き2212C及び2222Cを各々備え、半径方向内向きに延在する突起2213C及び2223Cをそれぞれ備える。突起2213C及び2223Cは、それらが設けられるそれぞれの撓み可能な壁要素2210C及び2220Cと一体であるものとして実現されてもよい。例えば、壁要素2210C及び2220Cは、薄い金属シート材料から作製されてもよく、突起2213C及び2223Cは、
図7Bに示されるように、金属シート材料の巻かれた、折り畳まれた、又は曲げられた片から作製されてもよい。本質的に円筒形の駆動シャフト結合端部が仮想レシーバシリンダ251Cに入ると、突起2213C及び2223Cは、2つの撓み可能な壁要素2210C及び2220Cを半径方向外向きに押し、それにより、突起2213C及び2223Cが、本質的に円筒形の駆動シャフト結合端部の下の小径部分などのアンダーカット、又は本質的に円筒形の駆動シャフト結合端部に設けられた溝若しくはレセプタクルにスナップ嵌めされるまで、それらが軸225Cを中心に枢動する。
【0025】
図8A及び
図8Bは、本明細書で提案されるアタッチメント100Dの第5の例の図である。アタッチメント100Dは、仮想レシーバシリンダ251Dを画定する2つの撓み可能な壁要素2210D及び2220Dを備える結合ユニット200Dを備える。第4の実施形態とは対照的に、2つの撓み可能な壁要素は、軸の周りに旋回可能であるように配置されないが、それらが作られる材料の弾性により撓み可能又は屈曲可能であるように配置され、例えば、それらは金属シート材料から作られてもよい。結合ユニット200Dの上部プレート210D及び運動伝達部140Dは、プラスチック射出成形によって作製され得る一体部品である。2つの撓み可能な壁要素2210D及び2220Dは、
図4Bを参照して既に説明したように、1つ又はいくつかのかしめ突起211D又は他の技法によって上部プレート210Dに接続されてもよい。更に、2つの撓み可能な壁要素2210D及び2220Dは各々、半径方向内向きに延在する突起2213D及び2223Dをそれぞれ備える。突起2213D及び2223Dは、スタンピング又は曲げ加工によって作られてもよい。ここで、明確にするために、この実施形態では、突起2213D及び2223Dは、第4の例示的実施形態に関して説明した突起とは異なる方法で実現されるが、これは限定するものとして理解されるべきではないことに留意されたい。突出部を実現するための全ての方法は、突起が使用される全ての実施形態において交換可能に使用されてもよく、具体的には、2つ以上の突起が全て同じ方法で作製される必要はない。
【0026】
図9A及び
図9Bは、本明細書で提案されるアタッチメント100Eの第6の例の図である。この実施形態は、
図8A及び
図8Bに示される実施形態といくつかの類似点を有するが、ここでは、上部プレート210Eと、仮想レシーバシリンダ251Eを画定する2つの撓み可能な壁要素2210E及び2220Eとが、一体部品として、例えばプラスチック射出成形部品として一緒に実現される。一体部品はまた、運動伝達部140Eを備えてもよい。2つの撓み可能な壁要素2210E及び2220Eは、この場合も、各々、半径方向内向きに延在する突起2213E及び2223Eを備えてもよく、これらは、この実施形態では、プラスチック射出成形プロセスで作製されてもよい。
【0027】
図10A及び
図10Bは、本明細書で提案されるアタッチメント100Fの第7の例の図である。アタッチメント100Fは、運動伝達部140Fの少なくとも一部と着脱可能に結合される結合ユニット200を備える。より正確には、図示の実施形態では、運動伝達部140Fの第1の部分141Fは、第2の分離可能な結合部分1422Fと分離可能に結合される第1の離可能な結合部分1421Fで終端し、第1及び第2の離可能な結合部分1421F及び1422Fは、分離可能なボールジョイントとして実現され得る分離可能ジョイント142Fを一緒に形成する。第1の分離可能な結合部分1421Fは、ここでは、運動伝達部140Fの第1の部分141Fの球状端部として実現され、第2の分離可能な結合部1422Fは、ここでは、球状端部を受容することができる球状レシーバ容積を画定するいくつかの可撓性アームを備える。結合ユニット200Fは、ここでは、第2の分離可能な結合部分1422F及び運動伝達部140Fの第2の部分143Fと一体的に実現され、それにより、それらは一緒に分離可能なアダプタ400Fを形成し、アダプタ400Fはプラスチック射出成形部品として実現されてもよい。結合ユニット200Fは、ここでは、仮想レシーバシリンダ251Fを画定する2つの撓み可能な壁要素2210F及び2220Fを備え、2つの撓み可能な壁要素2210F及び2220Fの各々は、アンダーカットに係合することによって本質的に円筒形の駆動シャフト結合端部への1回限りのアタッチメントのみを可能にするように構造化され得る、半径方向内向きに延在する突起2213F及び2223Fをそれぞれ備える。結合ユニット200Fは、本質的に円筒形の駆動シャフト結合端部に取り付けられると、突起2213F及び2223Fを破壊することによってのみ取り外し可能であり得る。代替的に、突起2213F及び2223Fは、結合ユニット200Fが、突起2213F及び2223Fを破壊することなく、比較的高い力を加えることによってのみ、本質的に円筒形の駆動シャフト結合端部から取り外され得るように成形されてもよい。そのような取り外し力は、通常動作中にアダプタ400Fに作用する通常の力を十分に上回ってもよく、例えば、取り外し力は、15N超、20N超、又は25N超であってもよい。取り外し力は、特に、分離可能ジョイント142Fを分離するために必要な分離力よりも高く設定されるべきである。ここでの基本的な考え方は、結合ユニット200Fと、運動伝達部の第2の部分143Fと、第2の分離可能な結合部分1422Fとを備える一体部品が、本質的に円筒形の駆動シャフト結合端部に取り付けられたままであり、アタッチメント100Fの残りの部分は、摩耗したときに、又は異なる目的を果たす異なるアタッチメントを取り付けるために交換することができるということである。
【0028】
図11A及び
図11Bは、本明細書で提案されるアタッチメント100Gの第8の例の図である。第8の例示的実施形態は、
図10A及び
図10Bを参照して説明した第7の実施形態と、第3の実施形態に関して
図6A及び
図6Bを参照して説明したばね250Gとを組み合わせたものである。この第8の実施形態は、本明細書で説明される様々な態様が、それらが相互に排除しない範囲で組み合わせることができることを示すために具体的に提供される。
【0029】
図12A及び
図12Bは、本明細書で提案されるアタッチメント100Hの第9の例の図である。この第9の実施形態は、分離可能なピボットジョイント142Fを有する第7の実施形態の変形形態であり、第9の実施形態も分離可能なピボットジョイント142Hを備える。しかし、2つの撓み可能な壁要素の代わりに、第9の実施形態の結合部分200Hは、円筒形のレシーバ容積251Hを画定する変形可能な本質的に円筒形の壁要素220Hを備える。変形可能な本質的に円筒形の壁要素220Hは、合成ゴム又は天然ゴムなどのエラストマー材料から作製することができる。
【0030】
図13A及び
図13Bは、本明細書で提案されるアタッチメント100Iの第10の例の図である。第10の実施形態は、円筒形の壁要素を画定するための壁要素を備えていない限り、説明した全ての実施形態から逸脱している。代わりに、結合ユニット200Iは、アタッチメント100Iがハンドルに取り付けられたときに、本質的に円筒形の駆動シャフト結合端部の平坦な結合面に対して付勢されるように構成された平坦な結合面215Iを有する上部プレート210Iのみを備える。ばね250Iは、付勢力を加える働きをする。既に説明したように、ばね250Iは、外側アタッチメント管110Iの内側の環状当接突起と上部プレート210Iとの間に配置されている。上部プレート210Iは、外側アタッチメント管110Iの内側円筒形部分113Iによって案内されてもよい。ここで示されるものに加えて、上部プレート210Iは、平坦な結合表面215Iと本質的に円筒形の駆動シャフト結合端部の結合面との間の位置的な整列を確立するために、1つ又はいくつかの下方に延在する整列突起を備えてもよい。ばね250I及びばね250Iのばね定数は、平坦な結合面215Iが、本質的に円筒形の駆動シャフト結合端部の結合面と常に接触したままであるように選択されるべきである。次に、ハンドルの駆動は、駆動シャフトが上方に移動してばねを圧縮する段階において、ばね250Iに対して作用する必要があるが、この蓄積されたエネルギーは、ばね支持体が駆動シャフトを下方に押すときに再び解放される。ばねの塑性変形及び運動の熱への変換のみが、付加的な駆動損失を引き起こす。これは、付勢ばねを有する他の実施形態にも当てはまる。
【0031】
図14は、本質的に円筒形の駆動シャフト結合端部330と駆動シャフトハウジング322とを備える口腔ケアデバイスハンドル320の結合端部の斜視図である。既に説明したように、駆動シャフトハウジングは、口腔ケアデバイスアタッチメントの外側アタッチメント管を機械的に受容するように機能することができ、その結果、両者は互いに着脱可能に結合される。駆動シャフトハウジング322は、本質的に円筒形の駆動シャフト結合端部330を収容する駆動シャフトハウジング322の内側中空部も本質的に細長い断面形状を有するように、幾分細長い断面形状、例えば楕円形又は長円形を有する。好ましくは、本質的に円筒形の駆動シャフト結合端部330は、駆動シャフトハウジング322の中空部内に同軸に又は中心に配置されず、それにより、駆動シャフトハウジング322と本質的に円筒形の駆動シャフト結合端部330との間に一定でない幅を有する間隙323がもたらされる。
図14に視覚化されるように、駆動シャフトの延長軸(
図3の軸Lを参照)に垂直な平面における、本質的に円筒形の駆動シャフト結合端部330と駆動シャフトハウジング322との間の間隙323の幅は、最小値w1及び最大値w2を有してもよく、一例では、最小幅w1は約0.6mmであってもよく、最大幅w2は約1.0mmであってもよい。より一般的には、限定はしないが、最小幅w1の範囲は0.3mm~0.9mmであってもよく、最大幅w2の範囲は0.6mm~2.0mmであってもよい。最小幅w1と最大幅w2との差は、少なくとも約0.1mm、好ましくは少なくとも0.2mm、更に好ましくは少なくとも約0.4mmであってもよい。本質的に円筒形の駆動シャフト結合端部330と駆動シャフトハウジング322との間の偏心配置の代わりに、又はそれに加えて、駆動シャフトハウジング322は、その内側壁に1つ又はいくつかのポケット3221、3222、3223を備えることができる。少なくとも1つのポケット3221、3222、3223は、少なくとも約10度、好ましくは少なくとも20度、より好ましくは少なくとも約30度、更により好ましくは少なくとも約45度の周方向延長部を有することができる。いくつかの例では、周方向延長部は、少なくとも60度であってもよい。いくつかの例では、駆動シャフトハウジング322は、2つ、3つ、4つ、又は5つのそのようなポケットを有し得る。好ましい例では、駆動シャフトハウジング322は、
図14に示されるように3つのポケットを有するが、
図14に示される寸法は単なる例示である。駆動シャフト延長軸(
図3の軸Lを参照)に沿った少なくとも1つのポケット3221、3222、3223の長さ延長部は、限定ではないが、少なくとも約1mm、好ましくは少なくとも約2mm、更に好ましくは少なくとも約3mm、また好ましくは約20mm未満であってもよい。間隙323の幅方向におけるポケットの深さは、少なくとも約0.05mm、好ましくは少なくとも約0.1mm、より好ましくは少なくとも約0.15mm、更により好ましくは少なくとも約0.2mmであってもよい。
【0032】
本質的に円筒形の駆動シャフト結合端部330と駆動シャフトハウジング320との間の間隙322の今説明した構造は、少なくとも部分的に変形可能な本質的に円筒形の壁要素、又は少なくとも2つの弾性若しくは撓み可能な壁要素の寸法に反映されてもよく、これらの要素は、多くの実施形態を参照して既に説明されている。これは、例えば、少なくとも部分的に変形可能な本質的に円筒形の壁要素の幅が、間隙によって提供される利用可能な空間を使用して、円周方向に変化し得ることを意味する。少なくとも部分的に変形可能な本質的に円筒形の壁要素は、次いで、間隙323の幅w1が最小である、より小さい幅を有してもよく、間隙323の幅w2が最大である、より大きい幅を有してもよい。実際に選択される幅は、様々な要素の公差に依存し、動作中の本質的に円筒形の駆動シャフト端部330の側方運動にも依存し得る。同じことが、少なくとも2つの弾性又は撓み可能な壁要素の1つ又は複数の幅に当てはまり、これらの壁要素のうちの少なくとも1つは、他方よりも大きい幅を有してもよい。壁要素(複数可)の幅を利用可能な間隙幅に適合させることは、結合の強度にとって有益であり得る。壁要素(複数可)はまた、少なくとも1つのポケット3221、3222、3223によって提供される幾何学的形状に適合してもよく、すなわち、壁要素(複数可)は、少なくとも1つのポケット3221、3222、3223に向かって突出するか、又は更にはその中に延在してもよいそれぞれの肉厚部を有してもよい。
【0033】
図13A及び
図13Bに示される実施形態の説明を参照すると、平坦な結合面215Iと本質的に円筒形の駆動シャフト結合端部の結合面との間の位置整列を確立するための1つ又はいくつかの下方に延在する整列突起は、少なくとも1つのポケット3221、3222、3223によって提供される空間内に延在するように、又は少なくとも1つのポケット3221、3222、3223と少なくとも位置整列するように寸法決めされてもよく、その結果、間隙の増加した幅が、突起と駆動シャフトハウジング322の内側壁との間の衝突を回避する。一例では、駆動シャフトハウジング322は、好ましくは円周方向に均等に分配された3つのポケット3221、3222、3223を備え、口腔ケアデバイスアタッチメントは、平坦な結合面と本質的に円筒形の駆動シャフト結合端部の結合面との間の位置的な整列を確立するために、円周方向に均等に分配された3つの下方に延在する整列突起を備える。
【0034】
一態様によれば、本質的に円筒形の駆動シャフト結合端部を有する口腔ケアデバイスハンドルに結合されるための口腔ケアデバイスアタッチメントが提案され、アタッチメントは、口腔ケアデバイスハンドルのハウジングに着脱可能に固定されるように意図された結合端部を有する外側アタッチメント管と、外側アタッチメント管に駆動運動するように取り付けられたキャリアと、外側アタッチメント管の内側に配置された運動伝達部とを備え、運動伝達部は、キャリアに結合された第1の端部と、本質的に円筒形の駆動シャフト結合端部に結合するように配置された第2の端部とを有し、第2の端部は、上部プレートと、上部プレートから延在する1つの弾性又は撓み可能な壁要素とを有する結合ユニットを備え、弾性又は撓み可能な壁要素は、内側に突出する突起を備える。
【0035】
前段落で説明した態様は、1つの弾性又は撓み可能な壁要素が、本質的に円筒形の駆動シャフト結合端部と駆動シャフトハウジングとの間の間隙の最大幅と位置的に整列するように配置されてもよい。そのような例では、結合ユニットは、分離可能なアダプタの少なくとも一部であってもよく、好ましくは、運動伝達部の少なくとも一部及び分離可能なアダプタは、分離可能なボールジョイントなどの分離可能な結合部によって結合される。これにより、最初に、1つの弾性又は撓み可能な壁要素を有する分離可能なアダプタを、内側に突出する突起が本質的に円筒形の駆動シャフト結合端部のアンダーカットにスナップ嵌めされるまで最大幅の間隙領域内に導入し、次いで、1つの弾性又は撓み可能な壁要素がより小さい幅の間隙領域を通って延在する位置に分離可能アダプタを回転させ、次いで、1つの弾性又は撓み可能な壁要素がより広い幅の間隙部分を通って再び延在する位置に分離可能アダプタを回転させて戻す前に、取り外すために利用可能な間隙幅がないために本質的に円筒形の駆動シャフト結合端から容易に分離することができない位置に、分離可能アダプタを回転させることが可能になる。本開示で説明されるような他の要素、例えば、付勢ばねも、この態様に追加されてもよい。
【0036】
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきではない。代わりに、別途指定されない限り、このような寸法は各々、列挙された値とその値を囲む機能的に同等な範囲との両方を意味することが意図される。例えば、「40mm」と開示された寸法は、「約40mm」を意味することが意図される。