(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-31
(45)【発行日】2025-02-10
(54)【発明の名称】自己免疫疾患の予防及び/又は治療のための医薬組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 31/519 20060101AFI20250203BHJP
A61K 31/197 20060101ALI20250203BHJP
A61P 29/00 20060101ALI20250203BHJP
A61P 37/06 20060101ALI20250203BHJP
A61P 19/02 20060101ALI20250203BHJP
A61K 33/26 20060101ALI20250203BHJP
【FI】
A61K31/519
A61K31/197
A61P29/00 101
A61P37/06
A61P19/02
A61K33/26
(21)【出願番号】P 2024504640
(86)(22)【出願日】2023-02-22
(86)【国際出願番号】 JP2023006410
(87)【国際公開番号】W WO2023167066
(87)【国際公開日】2023-09-07
【審査請求日】2024-11-01
(31)【優先権主張番号】P 2022030907
(32)【優先日】2022-03-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】510136312
【氏名又は名称】国立研究開発法人国立成育医療研究センター
(73)【特許権者】
【識別番号】508123858
【氏名又は名称】SBIファーマ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100113376
【氏名又は名称】南条 雅裕
(74)【代理人】
【識別番号】100179394
【氏名又は名称】瀬田 あや子
(74)【代理人】
【識別番号】100185384
【氏名又は名称】伊波 興一朗
(74)【代理人】
【識別番号】100137811
【氏名又は名称】原 秀貢人
(72)【発明者】
【氏名】梨井 康
【審査官】池田 百合香
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2014/010206(WO,A1)
【文献】WANG, Yixuan et al.,Chitosan/hyaluronan nanogels co-delivering methotrexate and 5-aminolevulinic acid: A combined chemo-,Carbohydrate Polymers,2021年10月27日,Vol.277, 118819,p.1-11
【文献】メトトレキサート錠 2mg「日医工」,医療用医薬品 添付文書,日医工株式会社,2019年06月
【文献】ITO, Hidenori et al.,Oral administration of 5-aminolevulinic acid induces heme oxygenase-1 expression in peripheral blood,European Journal of Pharmacology,2018年05月10日,Vol.833,p.25-33
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 31/00 ~ 33/44
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
リウマチ性関節炎の予防及び/又は治療のための医薬組成物であって、
(A)5-アミノレブリン酸
(5-ALA)、5-ALAメチルエステル、5-ALAエチルエステル、5-ALAプロピルエステル、5-ALAブチルエステル、5-ALAペンチルエステル、5-ALAヘキシルエステル、又はこれらのいずれかの薬理学的に許容される
塩、及び、
(B)メトトレキサート又はその薬理学的に許容される塩、
を含むことを特徴とする、
医薬組成物。
【請求項2】
リウマチ性関節炎の予防及び/又は治療のための医薬組成物であって、
前記医薬組成物は、
5-アミノレブリン酸
(5-ALA)、5-ALAメチルエステル、5-ALAエチルエステル、5-ALAプロピルエステル、5-ALAブチルエステル、5-ALAペンチルエステル、5-ALAヘキシルエステル、又はこれらのいずれかの薬理学的に許容される
塩、を含み、
メトトレキサート又はその薬理学的に許容される塩と併用されることを特徴とする、
医薬組成物。
【請求項3】
リウマチ性関節炎の予防及び/又は治療のための医薬組成物であって、
前記医薬組成物は、メトトレキサート又はその薬理学的に許容される塩を含み、
5-アミノレブリン酸
(5-ALA)、5-ALAメチルエステル、5-ALAエチルエステル、5-ALAプロピルエステル、5-ALAブチルエステル、5-ALAペンチルエステル、5-ALAヘキシルエステル、又はこれらのいずれかの薬理学的に許容される
塩、と併用されることを特徴とする、
医薬組成物。
【請求項4】
リウマチ性関節炎の予防及び/又は治療のための、同時又は異時に対象に適用される、組み合わせ医薬であって、
(A)5-アミノレブリン酸
(5-ALA)、5-ALAメチルエステル、5-ALAエチルエステル、5-ALAプロピルエステル、5-ALAブチルエステル、5-ALAペンチルエステル、5-ALAヘキシルエステル、又はこれらのいずれかの薬理学的に許容される
塩と
(B)メトトレキサート又はその薬理学的に許容される塩との、
組み合わせ医薬。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載の医薬組成物または医薬であって、
さらに鉄化合物を含む、又は、さらに鉄化合物と併用されることを特徴とする、
医薬組成物または医薬。
【請求項6】
請求項5に記載の医薬組成物または医薬であって、
前記鉄化合物がクエン酸第一鉄ナトリウムであることを特徴とする、
医薬組成物または医薬。
【請求項7】
リウマチ性関節炎の予防及び/又は治療のためのキットであって、
(A)5-アミノレブリン酸
(5-ALA)、5-ALAメチルエステル、5-ALAエチルエステル、5-ALAプロピルエステル、5-ALAブチルエステル、5-ALAペンチルエステル、5-ALAヘキシルエステル、又はこれらのいずれかの薬理学的に許容される
塩、及び、
(B)メトトレキサート又はその薬理学的に許容される塩、
を含むことを特徴とする、
キット。
【請求項8】
リウマチ性関節炎の予防及び/又は治療のための医薬の製造のための、
(A)5-アミノレブリン酸
(5-ALA)、5-ALAメチルエステル、5-ALAエチルエステル、5-ALAプロピルエステル、5-ALAブチルエステル、5-ALAペンチルエステル、5-ALAヘキシルエステル、又はこれらのいずれかの薬理学的に許容される
塩、及び、
(B)メトトレキサート又はその薬理学的に許容される塩、
の使用。
【請求項9】
リウマチ性関節炎を治療するための方法であって、
リウマチ性関節炎を患う非ヒト対象に対して、
(A)5-アミノレブリン酸
(5-ALA)、5-ALAメチルエステル、5-ALAエチルエステル、5-ALAプロピルエステル、5-ALAブチルエステル、5-ALAペンチルエステル、5-ALAヘキシルエステル、又はこれらのいずれかの薬理学的に許容される
塩、及び、
(B)メトトレキサート又はその薬理学的に許容される塩、
を、同時又は異時に適用するステップ、を含むことを特徴とする、
方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自己免疫疾患の予防及び/又は治療のための医薬組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
自己免疫疾患は、免疫系の異常により、免疫系が自己の正常な細胞や組織を攻撃することに起因する疾患であり、攻撃の対象となる細胞や組織の種類によって様々な病態が存在する。自己免疫疾患の治療においては、特に炎症を抑えることが重要であり、一般的に、免疫抑制剤、抗炎症剤、緩和療法等が用いられている。
【0003】
自己免疫疾患の中でも、特にリウマチ性関節炎(RA)の患者数は多く、日本では約70万~80万人、世界では約2300万人と推定されている。リウマチ性関節炎の多くは自己免疫に関連していることが知られているが、その病因は詳細には解明されておらず、不明な部分も多い(非特許文献1)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【文献】Lancet. 2017 Jun 10;389(10086):2328-2337
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、新規な自己免疫疾患の治療薬または治療方法を探索することを課題とした。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らはメトトレキサート(MTX)と5-ALA類とを併用することにより、細胞レベル(すなわち、in vitro)および生体レベル(すなわち、in vivo)において抗炎症性のタンパク質(例えば、HO-1)の発現が顕著に増加することを見出した。この新たな作用機序の発見を基礎として、本発明者らはメトトレキサート(MTX)と5-ALA類とを併用することにより、自己免疫疾患の治療効果が相乗的に高められ得ることを見出し、本発明を完成させるに到った。
【0007】
すなわち本発明は、一実施形態において、自己免疫疾患の予防及び/又は治療のための医薬組成物であって、
(A)下記式(I)で示される化合物:
【化1】
(式中、R
1は、水素原子又はアシル基を表し、R
2は、水素原子、直鎖若しくは分岐状アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又はアラルキル基を表す)
又はその薬理学的に許容される塩若しくはエステル、及び、
(B)メトトレキサート又はその薬理学的に許容される塩、
を含むことを特徴とする、医薬組成物に関する。
【0008】
本発明の他の実施形態は、自己免疫疾患の予防及び/又は治療のための医薬組成物であって、前記医薬組成物は、
下記式(I)で示される化合物:
【化2】
(式中、R
1は、水素原子又はアシル基を表し、R
2は、水素原子、直鎖若しくは分岐状アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又はアラルキル基を表す)
又はその薬理学的に許容される塩若しくはエステル、を含み、
メトトレキサート又はその薬理学的に許容される塩と併用されることを特徴とする、
医薬組成物に関する。
【0009】
本発明の他の実施形態は、自己免疫疾患の予防及び/又は治療のための医薬組成物であって、前記医薬組成物は、メトトレキサート又はその薬理学的に許容される塩を含み、
下記式(I)で示される化合物:
【化3】
(式中、R
1は、水素原子又はアシル基を表し、R
2は、水素原子、直鎖若しくは分岐状アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又はアラルキル基を表す)
又はその薬理学的に許容される塩若しくはエステル、と併用されることを特徴とする、
医薬組成物に関する。
【0010】
本発明の他の実施形態は、自己免疫疾患の予防及び/又は治療のための、同時又は異時に対象に適用される、組み合わせ医薬であって、
(A)下記式(I)で示される化合物:
【化4】
(式中、R
1は、水素原子又はアシル基を表し、R
2は、水素原子、直鎖若しくは分岐状アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又はアラルキル基を表す)
又はその薬理学的に許容される塩若しくはエステルと
(B)メトトレキサート又はその薬理学的に許容される塩との、
組み合わせ医薬に関する。
【0011】
本発明の一実施形態においては、式(I)中、R1が、水素原子、炭素数1~8のアルカノイル基、及び、炭素数7~14のアロイル基からなる群から選択され、R2が、水素原子、直鎖又は分岐状の炭素数1~8のアルキル基、炭素数3~8のシクロアルキル基、炭素数6~14のアリール基、及び、炭素数7~15のアラルキル基からなる群から選択される、ことを特徴とする。
【0012】
本発明の一実施形態においては、式(I)中、R1及びR2が、水素原子であることを特徴とする。
【0013】
本発明の一実施形態においては、前記医薬組成物又は医薬が、さらに鉄化合物を含む、又は、さらに鉄化合物と併用されることを特徴とする。
【0014】
本発明の一実施形態においては、前記鉄化合物がクエン酸第一鉄ナトリウムであることを特徴とする。
【0015】
本発明の一実施形態においては、前記自己免疫が、リウマチ性関節炎又は乾癬であることを特徴とする。
【0016】
本発明の他の実施形態は、自己免疫疾患の予防及び/又は治療のためのキットであって、(A)下記式(I)で示される化合物:
【化5】
(式中、R
1は、水素原子又はアシル基を表し、R
2は、水素原子、直鎖若しくは分岐状アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又はアラルキル基を表す)
又はその薬理学的に許容される塩若しくはエステル、及び、
(B)メトトレキサート又はその薬理学的に許容される塩、
を含むことを特徴とする、キットに関する。
【0017】
本発明の一実施形態においては、前記キットが、前記式(I)で示される化合物、及びメトトレキサートの投与量及び投与方法の指示を含む説明書をさらに含むことを特徴とする。
【0018】
本発明の一実施形態においては、前記キットが、前記式(I)で示される化合物、メトトレキサート、及び鉄化合物の投与量及び投与方法の指示を含む説明書をさらに含むことを特徴とする。
【0019】
本発明の他の実施形態は、自己免疫疾患の予防及び/又は治療のための医薬の製造のための、(A)下記式(I)で示される化合物:
【化6】
(式中、R
1は、水素原子又はアシル基を表し、R
2は、水素原子、直鎖若しくは分岐状アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又はアラルキル基を表す)
又はその薬理学的に許容される塩若しくはエステル、及び、
(B)メトトレキサート又はその薬理学的に許容される塩、
の使用に関する。
【0020】
本発明の他の実施態様は、自己免疫疾患を治療するための方法であって、
自己免疫疾患を患う対象に対して、
(A)下記式(I)で示される化合物:
【化7】
(式中、R
1は、水素原子又はアシル基を表し、R
2は、水素原子、直鎖若しくは分岐状アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又はアラルキル基を表す)
又はその薬理学的に許容される塩若しくはエステル、及び、
(B)メトトレキサート又はその薬理学的に許容される塩、
を、同時又は異時に適用するステップ、を含むことを特徴とする、
方法に関する。
【0021】
なお、上記に述べた本発明の一又は複数の特徴を任意に組み合わせた発明も、本発明の範囲に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図2】
図2は、MTX及び/又は5-ALA/SFCの適用による、各遺伝子の発現量の変化を示す。
【
図3】
図3は、in vivoでのMTX及び/又は5-ALA/SFCの適用によるHO-1の発現量の変化を示す。
【
図4】
図4は、実施例3における足容積測定の結果を示す。
【
図5】
図5は、実施例3における関節炎スコア測定の結果を示す。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明は、自己免疫疾患の予防及び/又は治療のための、メトトレキサート(MTX)と5-ALA類との組み合わせに関する。本開示における自己免疫疾患とは、免疫系の異常により、免疫系が自己の正常な細胞や組織を攻撃することに起因する疾患を意味してよい。例示的な自己免疫疾患としては、リウマチ性関節炎又は乾癬を挙げることができる。
【0024】
一般的に、メトトレキサートのIUPAC名は、(S)-2-(4-(((2,4-diaminopteridin-6-yl)methyl)methylamino)benzamido)pentanedioic acidであり、下記の式(II)で表される。
【化8】
【0025】
対象へのメトトレキサートの投与量、投与経路は限定されないが、自己免疫疾患の治療(例えば、リウマチ性関節炎又は乾癬の治療)において一般的に使用されるメトトレキサートの投与量、投与経路が採用されてよい。非限定的な例として、対象の病態に応じて、1~25mg/週が経口または注射にて投与されてよい。なお、投与量が多い場合は、上記の量を週2~5回に分割して対象に投与してもよい。
【0026】
本開示において、5-ALA類とは、5-ALA若しくはその誘導体又はそれらの塩をいう。
【0027】
本開示において、5-ALAは、5-アミノレブリン酸を意味する。5-ALAは、δ-アミノレブリン酸ともいい、アミノ酸の1種である。
【0028】
5-ALAの誘導体としては、下記式(I)で表される化合物を例示することができる。式(I)において、R
1は、水素原子又はアシル基を表し、R
2は、水素原子、直鎖若しくは分岐状アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又はアラルキル基を表す。なお、式(I)において、5-ALAは、R
1及びR
2が水素原子の場合に相当する。
【化9】
【0029】
5-ALA類は、生体内で式(I)の5-ALA又はその誘導体の状態で有効成分として作用すればよく、生体内の酵素で分解されるプロドラッグ(前駆体)として投与することもできる。
【0030】
式(I)のR1におけるアシル基としては、ホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、バレリル、イソバレリル、ピバロイル、ヘキサノイル、オクタノイル、ベンジルカルボニル基等の直鎖又は分岐状の炭素数1~8のアルカノイル基や、ベンゾイル、1-ナフトイル、2-ナフトイル基等の炭素数7~14のアロイル基を挙げることができる。
【0031】
式(I)のR2におけるアルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル基等の直鎖又は分岐状の炭素数1~8のアルキル基を挙げることができる。
【0032】
式(I)のR2におけるシクロアルキル基としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロドデシル、1-シクロヘキセニル基等の飽和、又は一部不飽和結合が存在してもよい、炭素数3~8のシクロアルキル基を挙げることができる。
【0033】
式(I)のR2におけるアリール基としては、フェニル、ナフチル、アントリル、フェナントリル基等の炭素数6~14のアリール基を挙げることができる。
【0034】
式(I)のR2におけるアラルキル基としては、アリール部分は上記アリール基と同じ例示ができ、アルキル部分は上記アルキル基と同じ例示ができ、具体的には、ベンジル、フェネチル、フェニルプロピル、フェニルブチル、ベンズヒドリル、トリチル、ナフチルメチル、ナフチルエチル基等の炭素数7~15のアラルキル基を挙げることができる。
【0035】
好ましい5-ALA誘導体としては、R1が、ホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリル基等である化合物が挙げられる。また、好ましい5-ALA誘導体としては、上記R2が、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル基等である化合物が挙げられる。また、好ましい5-ALA誘導体としては、上記R1とR2の組合せが、(ホルミルとメチル)、(アセチルとメチル)、(プロピオニルとメチル)、(ブチリルとメチル)、(ホルミルとエチル)、(アセチルとエチル)、(プロピオニルとエチル)、(ブチリルとエチル)の各組合せである化合物が挙げられる。
【0036】
5-ALA類のうち、5-ALA又はその誘導体の塩としては、薬理学的に許容される酸付加塩、金属塩、アンモニウム塩、有機アミン付加塩等を挙げることができる。酸付加塩としては、例えば塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、リン酸塩、硝酸塩、硫酸塩等の各無機酸塩、ギ酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、トルエンスルホン酸塩、コハク酸塩、シュウ酸塩、乳酸塩、酒石酸塩、グリコール酸塩、メタンスルホン酸塩、酪酸塩、吉草酸塩、クエン酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、リンゴ酸塩等の各有機酸付加塩を例示することができる。金属塩としては、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩等の各アルカリ金属塩、マグネシウム、カルシウム塩等の各アルカリ土類金属塩、アルミニウム、亜鉛等の各金属塩を例示することができる。アンモニウム塩としては、アンモニウム塩、テトラメチルアンモニウム塩等のアルキルアンモニウム塩等を例示することができる。有機アミン塩としては、トリエチルアミン塩、ピペリジン塩、モルホリン塩、トルイジン塩等の各塩を例示することができる。なお、これらの塩は使用時において溶液としても用いることができる。
【0037】
以上の5-ALA類のうち、もっとも望ましいものは、5-ALA、及び、5-ALAメチルエステル、5-ALAエチルエステル、5-ALAプロピルエステル、5-ALAブチルエステル、5-ALAペンチルエステル、5-ALAヘキシルエステル、5-ALAヘプチルエステル等の各種エステル類、並びに、これらの塩酸塩、リン酸塩、硫酸塩である。とりわけ、5-ALA塩酸塩、5-ALAリン酸塩を特に好適なものとして例示することができる。
【0038】
上記5-ALA類は、例えば、化学合成、微生物による生産、酵素による生産など公知の方法によって製造することができる。また、上記5-ALA類は、水和物又は溶媒和物を形成していてもよく、また5-ALA類を単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることもできる。
【0039】
上記5-ALA類を水溶液として調製する場合には、5-ALA類の分解を防ぐため、水溶液がアルカリ性とならないように留意する必要がある。アルカリ性となってしまう場合は、酸素を除去することによって分解を防ぐことができる。
【0040】
5-ALA類は安全性の高い物質であるため、対象への投与経路は限定されず、様々な投与経路を選択することができる。例えば、舌下投与を含む経口投与、吸入投与、カテーテルによる標的組織又は臓器への直接投与、注射や点滴を含む静脈内投与、シリンジによる皮下投与、貼付剤等による経皮投与、座薬、又は、経鼻胃管、経鼻腸管、胃ろうチューブ若しくは腸ろうチューブを用いる強制的経腸栄養法による投与等の非経口投与などを挙げることができる。最も単純な投与方法としては、経口投与を挙げることができる。
【0041】
5-ALA類の対象への投与量は、投与目的に応じて当業者(例えば、医師)が最適な量を決定してよい。具体的には、5-ALA換算で対象の体重1kgあたり、0.1mg~1000mg/日、0.2mg~500mg/日、0.3mg~250mg/日、0.4mg~100mg/日、0.5mg~40mg/日、または、0.5mg~20mg/日の投与量であってよい。
【0042】
本開示において、メトトレキサートと5-ALA類とは、対象に同時に投与されてもよいし、異時に投与されてもよい。すなわち、対象へのメトトレキサートの投与と実質的に同じタイミングで5-ALA類が投与されてもよいし、対象へのメトトレキサートの投与に先立って5-ALA類が投与されてもよいし、対象へのメトトレキサートの投与の後に5-ALA類が投与されてもよい。なお、メトトレキサートの対象への投与経路と5-ALA類の対象への投与経路は同じであってもよいし、異なってもよい。例えば、メトトレキサートと5-ALA類とを合剤として調製する場合は、必然的に両薬剤の投与経路は同じになるし、メトトレキサートと5-ALA類とをそれぞれ単独に投与する場合は、対象の病態や治療の方針に応じて両薬剤の投与経路を適宜選択することができる。
【0043】
5-ALA類は生体内で代謝されてポルフィリン(主にプロトポルフィリンIX:PpIX)となる。PpIXは腫瘍等の組織に集積する性質と、所定の波長の光線を照射されると励起される性質とを兼ね備えており、この性質を利用した光線力学的治療(Photodynamic Therapy:PDT)や光線力学的診断(Photodynamic Diagnosis:PDD)に利用可能であることが知られている。しかし、実施例において示されるように、本発明はその効果を発揮するために光線の照射を必要としない。すなわち、本発明はPDTやPDDとは明確に異なる作用機序に基づく発明である。
【0044】
本開示において、5-ALA類は鉄化合物とともに対象に適用されてよい。生体内において5-ALA類と鉄化合物とは協働して、様々な効果を発揮することが知られている。ただし、鉄は生体内において通常存在する物質であるため、対象の生体において貯蔵鉄が十分に存在する場合や、対象が食事やサプリメントの摂取によって鉄を補給する場合には、本発明の所望の効果を得るために必ずしも鉄化合物を併用する必要はない。鉄化合物の非限定的な例としては、クエン酸第一鉄、クエン酸第一鉄ナトリウム(SFC)、クエン酸鉄ナトリウム、クエン酸鉄アンモニウム、ピロリン酸第二鉄、ヘム鉄、デキストラン鉄、乳酸鉄、グルコン酸第一鉄、DTPA鉄、ジエチレントリアミン五酢酸鉄ナトリウム、ジエチレントリアミン五酢酸鉄アンモニウム、エチレンジアミン四酢酸鉄ナトリウム、エチレンジアミン五酢酸鉄アンモニウム、トリエチレンテトラアミン鉄、ジカルボキシメチルグルタミン酸鉄ナトリウム、ジカルボキシメチルグルタミン酸アンモニウム鉄アンモニウム、ラクトフェリン鉄、トランスフェリン鉄、塩化第二鉄、三二酸化鉄、鉄クロロフィリンナトリウム、フェリチン鉄、フマル酸第一鉄、ピロリン酸第一鉄、含糖酸化鉄、酢酸鉄、シュウ酸鉄、コハク酸第一鉄、コハク酸クエン酸鉄ナトリウム、硫酸鉄、硫化グリシン鉄を挙げることができる。
【0045】
対象への鉄化合物の投与量は、対象への5-ALA類の投与量に対してモル比で0~100倍であればよく、0.01倍~10倍が望ましく、0.05倍~5倍がより望ましい。
【0046】
本明細書において用いられる用語は、特に定義されたものを除き、特定の実施態様を説明するために用いられるのであり、発明を限定する意図ではない。
【0047】
また、本明細書において用いられる「含む」との用語は、文脈上明らかに異なる理解をすべき場合を除き、記述された事項(部材、ステップ、要素、数字など)が存在することを意図するものであり、それ以外の事項(部材、ステップ、要素、数字など)が存在することを排除しない。
【0048】
異なる定義が無い限り、ここに用いられるすべての用語(技術用語及び科学用語を含む。)は、本発明が属する技術の当業者によって広く理解されるのと同じ意味を有する。ここに用いられる用語は、異なる定義が明示されていない限り、本明細書及び関連技術分野における意味と整合的な意味を有するものとして解釈されるべきであり、理想化され、又は、過度に形式的な意味において解釈されるべきではない。
【0049】
以下において、本発明を、実施例を参照してより詳細に説明する。しかしながら、本発明はいろいろな態様により具現化することができ、ここに記載される実施例に限定されるものとして解釈されてはならない。
【実施例】
【0050】
実施例1:in vitroにおける実験
8週齢の雌のC57BL/6NCrSlc(B6/N)マウスに対し、4%チオグリコレート(70157-100G, Sigma-Aldrich)を1ml腹腔内投与した。72時間後に腹膜マクロファージを回収し、10%FBSを添加したMEMα培地を用いて、5%CO
2、95%空気の条件下、37℃で24時間培養した。異なる濃度のMTX(M8407-100MG/Sigma-Aldrich Co.LLC)(100nM)及び/又は5-ALA塩酸塩/SFC(小松屋株式会社)(1mM/0.5mM)による刺激を24時間で行った。これらは2mlの6ウェル組織培養プレート(Greiner Bio-One)に5×10
6細胞/ウェルでプレーティングした(
図1)。
【0051】
次いで、培養した細胞からRNAサンプルを抽出し、オリゴ(dT)プライマーとSuper Script逆転写酵素(Invitrogen)を用いてcDNAに逆転写した。qRT-PCRにより、Applied Biosystem PRISM7700装置(Applied Biosystems)でTaqManシステム(18S及びArg1)及びSYBR Greenシステム(18s,HO-1,CD206,IL-10)を用いて遺伝子発現を解析した。標的遺伝子の閾値サイクル(Ct)値を18S rRNAのCt値で標準化した。最終結果は△△Ct法で解析した。標的特異的プライマー及びプローブの配列を表1及び表2に示す。
【表1】
【表2】
【0052】
実験結果の統計解析方法
結果は平均値及び標準偏差(平均値±SD)で表した。統計解析については、GraphPad Prism(バージョン 7.0, GraphPad Software, San Diego, CA)を用いて分析した。対応のない2つのグループの比較は片側のスチューデントのt検定を使用した。複数群の比較には,Tukeyの多重比較検定を用いた一元配置分散分析(One-way ANOVA)を用いた。
図中の*,**,***,****はそれぞれ以下を意味する。
*:p<0.05
**:p<0.01
***:p<0.001
****:p<0.0001
【0053】
結果
qRT-PCR遺伝子解析の結果を
図2に示す。MTXと5-ALA/SFCの両方を適用することで、ヘムオキシゲナーゼ1(HO-1)の発現量が対照群/5-ALA/SFC単独投与群/MTX単独投与群に比べて有意に増加していた。
【0054】
HO-1は、ヘム分解の最初の律速段階を触媒する酵素であり、ほとんどの組織では、通常の状態ではこの酵素の発現は低いか、あるいは発現していない。しかし、炎症を起こした組織ではHO-1が高レベルで発現し、強い抗炎症作用を示すことが知られている。したがって、本実験の結果から、MTXと5-ALA/SFCとを組み合わせることによって、相乗的な抗炎症作用が奏されることが示唆される。
【0055】
さらに、
図2に示すとおり、MTXと5-ALA/SFCの両方を適用することで、M2マクロファージ関連因子であるIL-10、CD206、Arg1の発現も有意に増加していた。M2マクロファージは主に炎症の制御に働く因子であることが知られている。したがって、本結果から、MTXと5-ALA/SFCとを組み合わせることによって、相乗的な抗炎症作用が奏されることがさらに裏付けられた。
【0056】
実施例2:in vivoにおける実験
8週齢の雌のC57BL/6NCrSlc(B6/N)マウスに対し、4%チオグリコレート(70157-100G,Sigma-Aldrich)1mlを腹腔内投与した。その後、マウスをコントロール群、5-ALA/SFC群、MTX群、5-ALA/SFC+MTX群に分けた。コンロトール群には何も投与しなかった。5-ALA/SFC群には、4%チオグリコレートを投与した直後、24時間後、48時間後に5-ALA塩酸塩100mg/kgとSFC(小松屋株式会社)157mg/kgの経口投与を行った。MTX群には、4%チオグリコレートを投与した直後にMTX(M8407-100MG/Sigma-Aldrich Co.LLC)10mg/kgを皮下注射した。5-ALA/SFC+MTX群には、前記5-ALA/SFCの経口投与と前記MTXの皮下注射を両方行った。なお、チオグリコレート、5-ALA塩酸塩、SFC、MTXのいずれも投与していない群をNaive群とした。
【0057】
4%チオグリコレートの投与から72時間後に腹水中細胞を回収後、フローサイトメーター(FACSymphonyTM A3; Becton Dickinson)を用い、Live/Dead stain (L34957, Thermo Fisher Scientific)、抗CD11b-FITC抗体(BioLegend)及び抗HO-1-PE抗体(ab83214; Abcam)で染色し、FlowJo software (Version 10.5.0; BD Biosciences)にて解析した。死細胞をゲートアウト後、各群のHO-1発現を比較した。実験結果の統計解析方法は、実施例1で用いた統計解析方法と同じである。
【0058】
結果
フローサイトメーターによるMean Fluorescent Intensity (MFI)の結果を
図3に示す。この結果から、MTXと5-ALA及びSFCの使用により、HO-1の発現が、4%チオグリコレートのみを投与した対象群に比べて有意に増加したことが分かる。驚くべきことに、MTXと5-ALA及びSFCの併用は、相加的な程度を超えるHO-1の発現量増加をもたらした。このことから、MTXと5-ALA及びSFCの併用は、相乗的にHO-1の発現量を増加させることが示された。したがって、本結果から、MTXと5-ALA/SFCとを組み合わせることによって、相乗的な抗炎症作用が奏されることがさらに裏付けられた。
【0059】
考察
MTXは葉酸代謝拮抗機序をもつ免疫抑制剤であり、自己免疫疾患(特に、リウマチ性関節炎や乾癬)の治療薬として世界で広く使用されている薬剤である。ここで、本実施例の結果に示されるとおり、MTXと5-ALA/SFCとの組み合わせにより、相乗的な抗炎症作用が奏されることが示された。すなわち、MTXと5-ALA/SFCとの組み合わせにより、自己免疫疾患に対して相乗的に高められた治療効果が見込まれる。
【0060】
実施例3:コラーゲン関節炎(Collagen-induced arthritis:CIA)モデルを用いた実験
9週齢の雌のDA/Slcラットに対し、動物用簡易吸入麻酔装置(型式:NARCOBIT-E(II型)、株式会社夏目製作所)を用いたイソフルラン麻酔下で、投与部位である尾根部をバリカンで毛刈りし、シリンジ(テルモ株式会社)及び注射針(テルモ株式会社)を用いて、全ての動物の尾根部左右にそれぞれ0.05mLずつ、計0.1mLの症状惹起物質投与液を皮内投与した。症状惹起物質投与液は、インターチェンジャブル注射筒(株式会社トップ)にウシII型コラーゲン及び等量のAdjuvant Incomplete Freundを添加した後、よく混合することで調製した。
【0061】
症状惹起物質はDay0のみ投与し、初日は各被験物質を症状惹起物質投与前に投与した。MTXは0.5w/v%メチルセルロース400溶液(MC)で懸濁した。ALAはアミノレブリン酸塩酸塩を用いており、以下で示す重量はアミノレブリン酸塩酸塩としての重量である。
【0062】
ラットを群1~群5(各群n=10)に分け、各被験物質を経口ゾンデ(有限会社フチガミ器械)及びシリンジ(テルモ株式会社)を用いて毎日1回、18日間連続して経口投与した。1日の投与量は以下に示すとおり。
[群1]MTX:0.02mg/kg
[群2]MTX:0.02mg/kg+ALA:100mg/kg+SFC:157mg/kg
[群3]ALA:100mg/kg+SFC:157mg/kg
[群4]ALA:100mg/kg
[群5(Control群)]MC:10ml/kg
【0063】
症状の評価として、足容積の増加と肉眼的な関節炎の程度のスコアリングの2つを用いた。
【0064】
足容積の測定はDay0(群分け前)、4、7、11、14、18にPlethysmometer(型式:MK-101P、室町機械株式会社)を用いて後肢の足容積を左右それぞれ測定した。片足につき3回ずつ足容積を測定し、3回の平均値を算出した。もう片方の足も同様に足容積を測定した。1個体の足容積測定値は、以下の数式で算出した。
[足容積測定値=(右足の平均値+左足の平均値)/2]
群分け前の測定値をPre値、群分け後の各測定ポイントでの測定値をPost値とし、各個体について足容積増大値(ΔmL)をPost値-Pre値で求めた。
【0065】
関節炎スコア測定はDay0(群分け前)、4、7、11、14、18にそれぞれ測定した。後肢及び前肢の状態を左右それぞれ観察し、症状なしはスコア0点、指など小関節1箇所の腫脹が見られるときはスコア1点、小関節2か所以上、あるいは大きな関節の腫脹が見られるときはスコア2点、1肢の腫脹が見られるときはスコア3点、1肢の全体において最大限に腫脹が見られるときはスコア4点として評価した。なお、左右の関節炎スコアの総和を、その個体のスコアとして算出した。
【0066】
また、足容積及びスコアについて、表計算ソフトExcel(Microsoft Corporation)により群平均値±標準誤差(Mean±S.E)を算出し、統計学的処理を行った。有意水準片側5%でスチューデントのt検定による群間比較を行った。また、相乗効果の判定には、群1と群5の平均値の群間差が群1と群5の群間差と群3と群5の群間差の合算値を上回るか否か、また、コルビーの式(理論値E=A+B-(A×B)/100)を用い、群2と群5の平均値の群間差割合が群1と群5の群間差割合Aと群3と群5の群間差割合Bから求められた理論値Eを上回るかを用いた。
【0067】
結果
(1)足容積の増大値
足容積測定の結果を
図4に示す。測定最終日のDay18において、群2と群5の群間差0.42mLは、群1と群5の群間差0.16mLと群3と群5の群間差0.09mLの合算値である0.25mLよりも大きかった。また、群5に対する群2の減少割合である40.8%はコルビーの式より求められた理論値24.2%よりも大きかった。また、Day18において群2と群5、群2と群3を比較した結果、いずれも有意に群2が低かった。また、群1と群2の群間差はp=0.08で群2が低い傾向にあった。すなわち、MTXと5-ALA/SFCとの組み合わせにより、各薬剤の単独の効果から予測される相加効果を越えた、驚くべき相乗的な症状抑制効果が見られた。
【0068】
(2)関節炎スコア
関節炎スコア測定の結果を
図5に示す。測定最終日のDay18において、群2と群5の群間差3.6は、群1と群5の群間差1.5と群3と群5の群間差0.0(コントロールより悪化)の合算値である1.5よりも大きかった。また、群5に対する群2の減少割合である30.5%はコルビーの式より求められた理論値12.7%よりも大きかった。また、Day18において群2と群5、群1と群2、群2と群3を比較した結果、いずれも有意に群2が低かった。すなわち、MTXと5-ALA/SFCとの組み合わせにより、各薬剤の単独の効果から予測される相加効果を越えた、驚くべき相乗的な関節炎スコア減少効果が見られた。
【0069】
考察
本実施例においては、コラーゲン関節炎(CIA)モデルラットを用いた実験においても、MTXと5-ALA/SFCとの組み合わせにより、相乗的な抗炎症作用が奏されることが確認された。なお、前述のとおり、MTXは葉酸代謝拮抗機序をもつ免疫抑制剤であり、自己免疫疾患(特に、リウマチ性関節炎や乾癬)の治療薬として世界で広く使用されている薬剤である。本実施例においても、MTXのみを投与した群(群1)においては一定の抗炎症作用が見られており、この結果は本実験系が適切な実験系であることを示している。
【配列表】