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特許7628248ベタ基礎形成用のプレキャストコンクリート基礎材、かかるプレキャストコンクリート基礎材を成形するための成形装置、かかる成形装置を用いて上記プレキャストコンクリート基礎材を成形する方法、及び上記プレキャストコンクリート基礎材を用いてベタ基礎を形成する方法
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  • 特許-ベタ基礎形成用のプレキャストコンクリート基礎材、かかるプレキャストコンクリート基礎材を成形するための成形装置、かかる成形装置を用いて上記プレキャストコンクリート基礎材を成形する方法、及び上記プレキャストコンクリート基礎材を用いてベタ基礎を形成する方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-31
(45)【発行日】2025-02-10
(54)【発明の名称】ベタ基礎形成用のプレキャストコンクリート基礎材、かかるプレキャストコンクリート基礎材を成形するための成形装置、かかる成形装置を用いて上記プレキャストコンクリート基礎材を成形する方法、及び上記プレキャストコンクリート基礎材を用いてベタ基礎を形成する方法
(51)【国際特許分類】
   E02D 27/01 20060101AFI20250203BHJP
【FI】
E02D27/01 102Z
E02D27/01 D
E02D27/01 101D
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2021066725
(22)【出願日】2021-04-09
(65)【公開番号】P2022161709
(43)【公開日】2022-10-21
【審査請求日】2024-03-08
(73)【特許権者】
【識別番号】517349739
【氏名又は名称】合同会社無限
(74)【代理人】
【識別番号】110003524
【氏名又は名称】弁理士法人愛宕綜合特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100113217
【弁理士】
【氏名又は名称】奥貫 佐知子
(74)【代理人】
【識別番号】100202496
【弁理士】
【氏名又は名称】鹿角 剛二
(74)【代理人】
【識別番号】100194629
【弁理士】
【氏名又は名称】小嶋 俊之
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 三男
【審査官】松本 泰典
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-096792(JP,A)
【文献】特開2006-283449(JP,A)
【文献】特開2013-044209(JP,A)
【文献】特開平09-268570(JP,A)
【文献】実開平05-026309(JP,U)
【文献】特開2009-220432(JP,A)
【文献】実開平02-120537(JP,U)
【文献】特開2010-070903(JP,A)
【文献】特開2015-021314(JP,A)
【文献】特開2001-207460(JP,A)
【文献】特開平07-042165(JP,A)
【文献】米国特許第06578333(US,B1)
【文献】特開2018-123537(JP,A)
【文献】特開2010-285845(JP,A)
【文献】実開昭54-028919(JP,U)
【文献】特開平11-240004(JP,A)
【文献】実開平04-126810(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02D 27/01
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベタ基礎を形成するためのプレキャストコンクリート基礎材であって、所要形状の底壁と、該底壁の側縁から上方に起立して平面視において該所要形状と同一形状の溝を形成する起立壁とを有し、該起立壁の下端部には該溝に連通する開口窓が形成されており、該起立壁によって形成される該溝の上面及び端面は開放されており、
該溝にコンクリートを打設することでベタ基礎の立ち上がり部が形成される、ことを特徴とするプレキャストコンクリート基礎材。
【請求項2】
該所要形状は、直線形状、L字形状、T字形状、又は十字形状である、請求項1に記載のプレキャストコンクリート基礎材。
【請求項3】
該底壁の上面には有底穴が形成されている、請求項1又は2に記載のプレキャストコンクリート基礎材。
【請求項4】
該底壁には上下方向に貫通する貫通穴が形成されており、該貫通穴を規定する該底壁の内周面には雌螺条が形成されている、請求項1乃至3のいずれかに記載のプレキャストコンクリート基礎材。
【請求項5】
該貫通穴は該底壁の重心位置に形成されている、請求項4に記載のプレキャストコンクリート基礎材。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれかに記載のプレキャストコンクリート基礎材を成形するための成形装置であって、
固定の基台と、該基台に装着された内側金型及び外側金型とを備え、
該内側金型は該基台の上面から上方に突出し、
該外側金型はヒンジ手段を介して該基台に接続された複数個の板状外側金型片から構成されており、複数個の該外側金型片は夫々、内側面が該内側金型の外側面に近接した成形位置と該内側金型の外側面から離隔した離型位置との間を旋回自在であって、該外側金型片が該成形位置に位置するときには、上下方向において該外側金型片の上端位置は該内側金型の上端位置よりも上方に位置し、該外側金型片の内側面の所要部位には、該成形位置にあるときに該内側金型の外側面と面接触する膨出部が形成されている、成形装置。
【請求項7】
該膨出部は、該外側金型片が該成形位置にあるときに該内側金型の外側面と面接触する膨出端面、及び該膨出端面の外周縁から延出して該外側金型片の内側面に接続される膨出外周面を有し、該膨出外周面は該外側金型片の該内側面から該外側面に向かう方向に広がって延びている、請求項6に記載の成形装置。
【請求項8】
該内側金型の縦断面形状は上方に向かって先細り形状となっている、請求項6又は7に記載の成形装置。
【請求項9】
請求項6乃至8のいずれかに記載の成形装置を用いて請求項1乃至5のいずれかに記載のプレキャストコンクリート基礎材を製造する方法であって、
全ての該外側金型片が該成形位置にあるときに該外側金型の内側に未硬化状態のコンクリートを打設してプレキャストコンクリート基礎材成形体を形成する基礎材成形体打設工程と、
該プレキャストコンクリート基礎材成形体が硬化した後に全ての該外側金型片を該成形位置から該離型位置に旋回せしめる離型準備工程と、
該離型準備工程の後に該プレキャストコンクリート基礎材成形体を該内側金型から離型させる離型工程を含む方法。
【請求項10】
請求項9に記載の方法で請求項4又は5に記載のプレキャストコンクリート基礎材を製造する場合には、該離型準備工程において、該貫通穴及び該雌螺条を形成し、該貫通穴に上方からボルトを螺進せしめて該ボルトの先端で該内側金型の上面を押す方法。
【請求項11】
請求項9又は10に記載の方法で請求項4又は5に記載のプレキャストコンクリート基礎材を製造する場合には、該離型準備工程において、該貫通穴及び該雌螺条を形成し、該貫通穴に上方からアイボルトを螺着する方法。
【請求項12】
請求項1乃至5のいずれかに記載のプレキャストコンクリート基礎材を用いてベタ基礎を形成する方法であって、
捨てコンクリート上に複数個の該プレキャストコンクリート基礎材を所要とおりに連続して配列して該溝を無端状に接続する基礎材配列工程と、
該基礎材配列工程の後に該開口窓にスラブ筋の端部を挿入して該スラブ筋を配筋する配筋工程と、
該配筋工程の後に該溝の上面から未硬化状態のコンクリートを打設する基礎打設工程とを含む方法。
【請求項13】
該配筋工程の後であって且つ該基礎打設工程の前には、アンカーボルトを該プレキャストコンクリート基礎材の上端部に配設するアンカーボルト配設工程を遂行し、該アンカーボルトは該プレキャストコンクリート基礎材の上端部に跨設された支持具によって支持される、請求項12に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベタ基礎形成用のプレキャストコンクリート基礎材、かかるプレキャストコンクリート基礎材を成形するための成形装置、かかる成形装置を用いて上記プレキャストコンクリート基礎材を成形する方法、及び上記プレキャストコンクリート基礎材を用いてベタ基礎を形成する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば下記特許文献1及び2に示すとおり、従前より、プレキャストコンクリート基礎材を用いてベタ基礎を形成することは周知であった。ベタ基礎は土間部及び立ち上がり部を備えており、土間部及び立ち上がり部は共に内部に鉄筋が配筋されたコンクリート製である。特許文献1及び2に示されたプレキャストコンクリート基礎材は、建築現場において予め形成された捨てコンクリートの上面外周縁部に配置され、主にベタ基礎の立ち上がり部を構成する。上記捨てコンクリート上には鉄筋が配筋されており、配置されたプレキャストコンクリート基礎材の内側にコンクリートを打設して鉄筋を埋設することでベタ基礎の土間部は形成される。上述したとおりのプレキャストコンクリート基礎材は鉄筋を予め含んだ状態で工場にて成形され、鉄筋が外部に突出した状態のまま工場から建築現場に搬送される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2010-70903号公報
【文献】特開2011-64047号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
而して、上記特許文献1及び2に示すとおりのプレキャストコンクリート基礎材にあっては、鉄筋が外部に突出した状態のまま工場から建築現場まで搬送されることに起因して、外部に突出した鉄筋が搬送時に周囲の作業者或いは建築資材等を損傷させてしまう虞がある。更に、基礎材の重量が重く基礎材を移動させるためには大型のクレーンが必要となることから作業性が好ましくない。また、上記特許文献1及び2に示すとおりのプレキャストコンクリート基礎材を用いてベタ基礎を形成する方法にあっては、建築現場においてプレキャストコンクリート基礎材を配置するよりも前に予め広範囲にわたって捨てコンクリートを打設する必要があることから工期が長期化してしまう。そして、上記特許文献1及び2に示すとおりのプレキャストコンクリート基礎材を用いて形成したベタ基礎にあっては、立ち上がり部は工場で形成されたプレキャストコンクリートであるものの土間部は建築現場で打設されたコンクリートであることから、両者は一体成形されたわけではなく、両者の境界部分にはクラックが生じやすい。かようなクラックが生じると耐震強度が低下してしまう。
【0005】
本発明は上記事実に鑑みてなされたものであり、その主たる技術的課題は、軽量で安全に搬送することができるにも拘らず充分な耐震強度を維持できる、新規のベタ基礎形成用プレキャストコンクリート基礎材を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、上記主たる技術的課題を達成するプレキャストコンクリート基礎材として、ベタ基礎を形成するためのプレキャストコンクリート基礎材であって、所要形状の底壁と、該底壁の側縁から上方に起立して平面視において該所要形状と同一形状の溝を形成する起立壁とを有し、該起立壁の下端部には該溝に連通する開口窓が形成されており、該起立壁によって形成される該溝の上面及び端面は開放されており、
該溝にコンクリートを打設することでベタ基礎の立ち上がり部が形成される、ことを特徴とするプレキャストコンクリート基礎材が提供される。
【0007】
好ましくは、該所要形状は、直線形状、L字形状、T字形状、又は十字形状である。該底壁の上面には有底穴が形成されているのがよい。好適には、該底壁には上下方向に貫通する貫通穴が形成されており、該貫通穴を規定する該底壁の内周面には雌螺条が形成されているのがよい。この場合には、該貫通穴は該底壁の重心位置に形成されているのがよい。
【0008】
本発明に従って構成されるプレキャストコンクリート基礎材は、固定の基台と、該基台に装着された内側金型及び外側金型とを備え、該内側金型は該基台の上面から上方に突出し、該外側金型はヒンジ手段を介して該基台に接続された複数個の板状外側金型片から構成されており、複数個の該外側金型片は夫々、内側面が該内側金型の外側面に近接した成形位置と該内側金型の外側面から離隔した離型位置との間を旋回自在であって、該外側金型片が該成形位置に位置するときには、上下方向において該外側金型片の上端位置は該内側金型の上端位置よりも上方に位置し、該外側金型片の内側面の所要部位には、該成形位置にあるときに該内側金型の外側面と面接触する膨出部が形成されている成形装置から成形することができる。この場合には、該膨出部は、該外側金型片が該成形位置にあるときに該内側金型の外側面と面接触する膨出端面、及び該膨出端面の外周縁から延出して該外側金型片の内側面に接続される膨出外周面を有し、該膨出外周面は、該外側金型片の該内側面から該外側面に向かう方向に広がって延びているのが好ましい。該内側金型の縦断面形状は上方に向かって先細り形状となっているのがよい。
【0009】
上記成形装置を用いて本発明に従って構成されるプレキャストコンクリート基礎材を製造する方法としては、全ての該外側金型片が該成形位置にあるときに該外側金型の内側に未硬化状態のコンクリートを打設してプレキャストコンクリート基礎材成形体を形成する基礎材成形体打設工程と、該プレキャストコンクリート基礎材成形体が硬化した後に全ての該外側金型片を該成形位置から該離型位置に旋回せしめる離型準備工程と、該離型準備工程の後に該プレキャストコンクリート基礎材成形体を該内側金型から離型させる離型工程を含む方法がある。かかる方法にあっては、該離型準備工程において、該貫通穴及び該雌螺条を形成し、該貫通穴に上方からボルトを螺進せしめて該ボルトの先端で該内側金型の上面を押すのがよい。また、該離型準備工程において、該貫通穴及び該雌螺条を形成し、該貫通穴に上方からアイボルトを螺着するのが好ましい。
【0010】
本発明に従って構成されるプレキャストコンクリート基礎材を用いてベタ基礎を形成する方法としては、捨てコンクリート上に複数個の該プレキャストコンクリート基礎材を所要とおりに連続して配列して該溝を無端状に接続する基礎材配列工程と、該基礎材配列工程の後に該開口窓にスラブ筋の端部を挿入して該スラブ筋を配筋する配筋工程と、該配筋工程の後に該溝の上面から未硬化状態のコンクリートを打設する基礎打設工程とを含むのがよい。該配筋工程の後であって且つ該基礎打設工程の前には、アンカーボルトを該プレキャストコンクリート基礎材の上端部に配設するアンカーボルト配設工程を遂行し、該アンカーボルトは該プレキャストコンクリート基礎材の上端部に跨設された支持具によって支持されるのが好適である。
【発明の効果】
【0011】
本発明に従って構成されるプレキャストコンクリート基礎材にあっては、建築現場において溝にコンクリートを打設することでベタ基礎の立ち上がり部が形成される。つまり、ベタ基礎の立ち上がり部はプレキャストコンクリート基礎材を成形する工場ではなく建築現場で完成することから、プレキャストコンクリート基礎材自身の重量は軽い。従って、本発明に従って構成されたプレキャストコンクリート基礎材によれば、これを移動させるのに必ずしも大型のクレーンは必要でなく、従って基礎工事の作業性が良好となる。更に、起立壁の下端部には上記溝に連通する開口窓が形成されているため、建築現場においてプレキャストコンクリート基礎材を所要とおりに配置した後に、開口窓にスラブ筋の端部を挿入することでスラブ筋を配筋することができる。従って、鉄筋を含んだ状態でプレキャストコンクリート基礎材を成形する必要はなく、搬送時に外部に鉄筋が突出することはない。それ故に、本発明に従って構成されたプレキャストコンクリート基礎材は、安全に搬送することができる。更に、本発明に従って構成されるプレキャストコンクリート基礎材を用いてベタ基礎を形成する方法によれば、建築現場で打設する捨てコンクリートはプレキャストコンクリート基礎材が配置される場所のみで充分であることから工期を短縮させることができる。そしてまた、本発明に従って構成されるプレキャストコンクリート基礎材を用いて形成されたベタ基礎にあっては、土間部及び立ち上がり部はつなぎ目なく一体的に形成されることから、土間部と立ち上がり部との境界部分にクラックが生じにくく充分な耐震強度を維持できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明に従って構成されたプレキャストコンクリート基礎材の好適実施形態の一つである直線形状プレキャストコンクリート基礎材の単体図。
図2】本発明に従って構成されたプレキャストコンクリート基礎材の好適実施形態の一つであるL字形状プレキャストコンクリート基礎材の単体図。
図3】本発明に従って構成されたプレキャストコンクリート基礎材の好適実施形態の一つであるT字形状プレキャストコンクリート基礎材の単体図。
図4-1】本発明に従って構成されたプレキャストコンクリート基礎材の好適実施形態の一つである十字形状プレキャストコンクリート基礎材の単体図。
図4-2】本発明に従って構成されたプレキャストコンクリート基礎材の好適実施形態の一つである十字形状プレキャストコンクリート基礎材の単体図。
図5】本発明に従って構成されるプレキャストコンクリート基礎材を成形するための成形装置の構造を示す図。
図6図5に示す成形装置を用いてプレキャストコンクリート基礎材を成形する方法を示す図。
図7図1乃至図4に示す各種プレキャストコンクリート基礎材を用いて基礎材配列工程を完了した直後の状態の一例を示す平面図。
図8図7の一部を拡大して示す斜視図。
図9】配筋工程を完了した直後の状態の一部を拡大して示す斜視図。
図10図9に示す状態の基礎構造を模式的に示す図。
図11】アンカーボルト配設工程を完了した直後の状態の基礎構造を模式的に示す図。
図12】基礎打設工程を完了した直後の状態の基礎構造を模式的に示す図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
後に図面を参照しながら説明するとおり、本発明に従って構成されるプレキャストコンクリート基礎材は所要形状の底壁とこの底壁の側縁から上方に起立する起立壁とを有しており、後述する成形装置により成形することができる。以下、本発明に従って構成されたプレキャストコンクリート基礎材の好適実施形態を示す添付図面を参照して、更に詳細に説明する。
【0014】
図1には、上記所要形状が直線形状である場合のプレキャストコンクリート基礎材が示されている。図1に示されるプレキャストコンクリート基礎材を直線形状プレキャストコンクリート基礎材としてその全体を符号2aで示し、後述する他の形状のプレキャストコンクリート基礎材と区別する。図1(a)乃至(d)は直線形状プレキャストコンクリート基礎材2aの斜視図、平面図、右側面図、A-A線断面図を夫々示すものである。直線形状プレキャストコンクリート基礎材2aは直線形状の底壁4aと、底壁4aの両側縁から上方に起立する起立壁6a-1及び6a-2とを有している。底壁4aの上面及び下面は共に平坦であり、底壁4aの上面には4つの有底穴8aが長手方向に間隔をおいて形成されている。また、底壁4aには上下方向に貫通する貫通穴10aも形成されており、貫通穴10aを規定する底壁4aの内周面には雌螺条12aが形成されている。貫通穴10aは底壁4aの重心位置に形成され、4つの有底穴8aは長手方向に見た貫通穴10aの両側に2つずつ形成され、有底穴8a及び貫通穴10aは夫々長手方向に延びる同一の直線上に等間隔をおいて配置されている。起立壁6a-1及び6a-2は夫々長手方向に延びる底壁4aの両側縁から上方に起立しており、起立壁6a-1及び6a-2の間には上面及び端面が開放されて長手方向に直線状に延びる溝14aが形成されている。溝14aは直線形状であって上記所要形状と同一である。図1(c)に示すとおり、起立壁6a-1及び6a-2の外側面16aは共に底壁4aの上面から実質上垂直に延出しているが、起立壁6a-1及び6a-2の内側面18aは底壁4aの上面から上方に向かって幾分外側に向かって傾斜して延出しており、起立壁6a-1及び6a-2の肉厚は基端から延出端に向かって漸次低減せしめられている。そして、起立壁の基端部には溝14aに連通する開口窓20aが形成されている。図1(b)及び(c)に示すとおり、図示の実施形態においては、開口窓20aは起立壁の内側面から外側面に向かって拡大せしめられている。その理由については後に言及する。図1に示す形態の直線形状プレキャストコンクリート基礎材2aにあっては、開口窓20aは起立壁6a-1にのみ形成されており起立壁6a-2には形成されていないが、後述するとおり、開口窓20aが2つの起立壁6a-1及び6a-2の基端部に形成される場合もある。
【0015】
図2には、上記所要形状がL字形状である場合のプレキャストコンクリート基礎材が示されている。図2に示されるプレキャストコンクリート基礎材をL字形状プレキャストコンクリート基礎材としてその全体を符号2bで示す。図2(a)乃至(d)はL字形状プレキャストコンクリート基礎材2bの斜視図、平面図、右側面図、A-A線断面図を夫々示すものである。L字形状プレキャストコンクリート基礎材2bは、上記所要形状がL字形状であることを除いて上述した直線形状プレキャストコンクリート基礎材2aと実質上同一の構成であるため、同一の構成については同一の番号に符号bをつけてその詳細な説明については省略する。L字形状プレキャストコンクリート基礎材2bは、平面視において共にL字形状である2つの起立壁6b-1及び6b-2を有し、開口窓20bは2つの起立壁6b-1及び6b-2のいずれか一方の下端部にのみ形成される。図2に示す形態のL字形状プレキャストコンクリート基礎材2bにあっては、開口窓20bは起立壁6b-1に形成されているが、後述するとおり、開口窓20bが起立壁6b-2に形成される場合もある。
【0016】
図3には、上記所要形状がT字形状である場合のプレキャストコンクリート基礎材が示されている。図3に示されるプレキャストコンクリート基礎材をT字形状プレキャストコンクリート基礎材としてその全体を符号2cで示す。図3(a)乃至(d)はT字形状プレキャストコンクリート基礎材2cの斜視図、平面図、正面図、A-A線断面図を夫々示すものである。T字形状プレキャストコンクリート基礎材2cは、上記所要形状がT字形状であることを除いて上述した直線形状プレキャストコンクリート基礎材2aと実質上同一の構成であるため、同一の構成については同一の番号に符号cをつけてその詳細な説明については省略する。T字形状プレキャストコンクリート基礎材2cは、平面視において直線状である1つの起立壁6c-1と、L字形状である2つの起立壁6c-2及び6c-3とを有し、図3(b)において一点鎖線で示されるとおり、起立壁6c-2及び6c-3の下端部にのみ開口窓20cが形成されている。図3に示す形態のT字形状プレキャストコンクリート基礎材2cにあっては、開口窓20cは起立壁6c-1に形成されていないが、後述するとおり、開口窓20cが起立壁6c-1にも形成されている場合もある。
【0017】
図4-1及び図4-2には、上記所要形状が十字形状である場合のプレキャストコンクリート基礎材が示されている。図4に示されるプレキャストコンクリート基礎材を十字形状プレキャストコンクリート基礎材としてその全体を符号2dで示す。図4-1(a)乃至図4-2(d)は十字形状プレキャストコンクリート基礎材2dの斜視図、平面図、正面図、A-A線断面図を夫々示すものである。十字形状プレキャストコンクリート基礎材2dは、上記所要形状が十字形状であることを除いて上述した直線形状プレキャストコンクリート基礎材2aと実質上同一の構成であるため、同一の構成については同一の番号に符号dをつけてその詳細な説明については省略する。十字形状プレキャストコンクリート基礎材2dは、平面視においてL字形状である4つの起立壁6d-1乃至6d-4を有し、図4-1(b)において一点鎖線で示されるとおり、全ての起立壁6d-1乃至6d-4の下端部に開口窓20dが形成されている。開口窓20dは起立壁6d-1乃至6d-4の各辺に1つずつ形成されている。
【0018】
図5には、本発明に従って構成されるプレキャストコンクリート基礎材を成形するための成形装置の一例として、図1に示す直線形状プレキャストコンクリート基礎材2aを成形するための成形装置の構造が示されている。全体を番号22aで示す成形装置は実質上水平な面上に固定される基台24aと、この基台24aに装着される内側金型26a及び外側金型28aとを有している。基台24aは紙面奥行方向に直線状に延在しており、その断面形状は略矩形形状である。基台24aの上面の紙面左右方向の両側側縁部には紙面奥行方向に直線状に延びる凹溝30aが形成されており、凹溝30aの紙面左右方向に見た外側面は開放されている。内側金型26aは適宜の固定手段によって基台24aの上面に固定されている。内側金型26aも紙面奥行方向に直線状に直線状に延在しており、基台24aの上面から上方に突出して上面は平坦に閉塞せしめられている。図示の実施形態においては、内側金型26aの縦断面形状は上方に向かって先細りする中空の台形形状である。外側金型28aは、凹溝30aに設けられたヒンジ手段32aを介して基台24aに接続された2個の板状外側金型片34aから構成され、2個の外側金型片34aは共に紙面奥行方向に直線状に延在している。図5に示されるとおり、2個の外側金型片34aは夫々紙面奥行方向に直線状に延在する内側金型26aの両側に1つずつ配置されている。そして、2つの外側金型片34aは共に、内側面が内側金型26aの外側面に近接した成形位置(図5において実線で示す位置)及び内側金型26aの外側面から離隔した離型位置(図5において二点鎖線で示す位置)の間を旋回自在である。外側金型片34aが成形位置に位置するときには、外側金型片34aは基台24aの上面に対して実質上垂直に起立し、外側金型片34aの上端は内側金型26aの上端よりも上方に位置する。このことから、全ての外側金型片34aが成形位置に位置するときには、外側金型28aの内側には、外側金型片34aの内側面と内側金型26aの外側面と基台24aの上面とによって規定される起立壁形成空間部36aと、外側金型28aの内側であって且つ内側金型26aよりも上方に規定される底壁形成空間部38aとが画成される。凹溝30aの存在に起因して、上記離型位置において外側金型片34aの内側面は内側金型26aの外側面から充分に離隔せしめられる。外側金型片34の内側面の所要部位には、成形位置にあるときに内側金型26の外側面と面接触する膨出部39が形成されている。膨出部39は、外側金型片34が成形位置にあるときに内側金型26の外側面と面接触する矩形形状の膨出端面39a、及び膨出端面39aの外周縁から延出して外側金型片34の内側面に接続される膨出外周面39bを有し、膨出外周面39bは外側金型片34の内側面から外側面に向かう方向に広がって延びている。図示は省略するが、成形装置22aは内側金型26a及び外側金型片34aの端面、紙面奥行方向の両側端面と当接して直線形状プレキャストコンクリート基礎材2aの長手方向の両側端面を規定する、基台24aに対して固定或いは旋回自在な端金型も備えている。
【0019】
次に、図6を参照して成形装置22aによって直線形状プレキャストコンクリート基礎材2aを成形する工程について説明する。最初に、図6(a)に示すとおり、全ての外側金型片34aが成形位置にあるときに外側金型28aの内側に未硬化状態のコンクリートを打設して直線形状プレキャストコンクリート基礎材成形体2a´を形成する(基礎材成形体打設工程)。図5も参照して説明すると、未硬化状態のコンクリートは上記した起立壁形成空間部36aのみならず底壁形成空間部38aにも打設される。起立壁形成空間部36a及び底壁形成空間部38aに打設されて硬化したコンクリートは夫々後に直線形状プレキャストコンクリート基礎材2aの起立壁6a及び底壁4aとなる。そのため、底壁形成空間部38aに打設されて硬化したコンクリートにおいて、後に底壁4aとなる部分を底壁4a´とする。図6(a)に示すとおり、直線形状プレキャストコンクリート基礎材成形体2a´は底壁4a´が上方に位置する状態で成形される。また、外側金型片34の内側面の所要部位には、成形位置にあるときに内側金型26の外側面と面接触する膨出部39が形成されていることに起因して、膨出部39が形成された部分にコンクリートは存在せず、かかる部分に直線形状プレキャストコンクリート基礎材成形体2a´の開口窓20a´が形成される。所望ならば、予め中実棒状の鉄筋がメッシュ状に組まれた周知のメッシュ筋を起立壁形成空間部36a及び底壁形成空間部38aに配設した後に未硬化状態のコンクリートを打設してもよい。この場合には、既に硬化したコンクリート片(図示せず)を予め基台24a上に配置しておき、メッシュ筋は上記コンクリート片上に配設される。
【0020】
次いで、直線形状プレキャストコンクリート基礎材成形体2a´が硬化した後に、図6(b)に示すとおり、全ての外側金型片34aを成形位置から離型位置に旋回せしめ、直線形状プレキャストコンクリート基礎材成形体2a´を露呈せしめる(離型準備工程)。このとき、外側金型片34に形成された膨出部39が直線形状プレキャストコンクリート基礎材成形体2a´から離型せしめられる。図示の実施形態においては、外側金型片34に形成された膨出部39の膨出外周面39bが外側金型片34の内側面から外側面に向かう方向に広がって延びているため、膨出部39は充分容易に起立壁6´から離型せしめられる。図示の実施形態においては、離型準備工程において更に、底壁4a´の所要位置に貫通穴10a´及び雌螺条12a´を形成し(図6(c))、貫通穴10a´に上方から適宜のボルト40を上方から見て時計方向に回転することで螺進せしめて(図6(d))その先端で内側金型26aの上面を押す。このとき、図6(e)に示すとおり、ボルト40の先端が内側金型26aの上面と当接することでボルト40の下方への移動は阻止されるが、ボルト40の先端が内側金型26aの上面と当接したままボルト40が上記螺進を継続すると、ボルト40に形成された雄螺条41と貫通穴10a´に形成された雌螺条12a´との螺合によって直線形状プレキャストコンクリート基礎材成形体2a´は内側金型26aに対して上方に移動せしめられる。つまり、直線形状プレキャストコンクリート基礎材成形体2a´は一時的に内側金型26aから離型せしめられる。
【0021】
直線形状プレキャストコンクリート基礎材成形体2a´が一時的に内側金型26aから離型せしめられた後に、図6(f)に示すとおり、ボルト40を上方から見て反時計方向に回転して直線形状プレキャストコンクリート基礎材成形体2a´を内側金型26aに対して降下させ、両者を再び当接させる。その後に、ボルト40を更に反時計方向に回転させて、ボルト40を貫通穴10a´から螺脱せしめる。次いで、図6(g)に示すとおり、貫通穴10a´に上方からアイボルト42を螺着し、アイボルト42に適宜のワイヤー44を巻き付けて図示しないクレーンでアイボルト42を介して直線形状プレキャストコンクリート基礎材成形体2a´を上方に吊り上げて内側金型26aから離型せしめる(離型工程)。このとき、直線形状プレキャストコンクリート基礎材成形体2a´は離型準備工程において内側金型26aから既に一度離型していることから、離型工程において直線形状プレキャストコンクリート基礎材成形体2a´は内側金型26aから円滑に離型される。
【0022】
以上、直線形状プレキャストコンクリート基礎材2aを成形するための成形装置22a及びこれを用いて直線形状プレキャストコンクリート基礎材2aを製造する方法について説明したが、他の形状のプレキャストコンクリート基礎材(2b乃至2d)を製造するための成形装置及びかかる成形装置を用いて夫々の形状のプレキャストコンクリート基礎材を製造する方法についても同様にして構成されることから詳細な説明については省略する。念のため付言すると、底壁が所要形状である他の形状のプレキャストコンクリート基礎材2b乃至2dを成形するための成形装置にあっては、内側金型は平面視において上記所要形状と同一であり、外側金型を構成する板状外側金型片は上記所要形状が有する辺に応じて配設される。
【0023】
次に、図7乃至図12を参照して、図1乃至図4に示す各種プレキャストコンクリート基礎材2a乃至2dを用いてベタ基礎を形成する工程について説明する。図示は省略するが、まず、建築現場において所要とおりに周知の根切り及び割栗地業をした後に土間46の外周縁部に捨てコンクリート48を打設する。その後に、図7及び図8に示すとおり、捨てコンクリート48上に複数個の各種プレキャストコンクリート基礎材2a乃至2dを連続して配列してプレキャストコンクリート基礎材2a乃至2dの溝14a乃至14dを無端状に接続する(基材配列工程)。図8は容易に理解できるよう一部を省略して示している。捨てコンクリート48とプレキャストコンクリート基礎材2a乃至2dとの間には周知の調整モルタル50が配設されるのが良い。また、プレキャストコンクリート基礎材2a乃至2dを移動する際には、図8に示されるとおり、底板4a乃至4dに形成された貫通穴10a乃至10dに上面から(溝14a乃至14dの内側から)アイボルト42を螺着せしめ、かかるアイボルト42を適宜のクレーンで吊るのが好ましい。このとき、貫通穴10a乃至10dは底壁4a乃至4dの重心位置に形成されていることから、プレキャストコンクリート基礎材2a乃至2dを実質上水平な状態で安定して吊ることができる。基礎配列工程にあっては、各種プレキャストコンクリート基礎材2a乃至2dに形成された開口窓20a乃至20dはいずれも土間46側に配置され、土間46の反対側つまり平面視において建築物の外側には配置されない。それ故に、図7において符号2Aで示されるプレキャストコンクリート基礎材にあっては図1に示すプレキャストコンクリート基礎材2aとは異なり、開口窓20aは起立壁6a-1だけでなく起立壁6a-2にも形成されている。また、図7において符号2Bで示されるプレキャストコンクリート基礎材にあっては図2に示すプレキャストコンクリート2bとは異なり、開口窓20bは起立壁6b-1ではなく起立壁6b-2に形成されている。更に、図7において符号2Cで示されるプレキャストコンクリート基礎材にあっては図3に示すプレキャストコンクリート2cとは異なり、開口窓20cは起立壁6c-2及び6c-3だけでなく、起立壁6c-1にも形成されている。
【0024】
基礎材配列工程の後に、図9及び図10に示すとおり、中実棒状の鉄筋を配筋する配筋工程を遂行する。図9は容易に理解できるよう一部を省略して示している。配筋工程では、開口窓20a乃至20dにスラブ筋52の端部54を挿入してスラブ筋52を配筋する。図10を参照することによって理解されるとおり、スラブ筋52の端部54は屈曲せしめられており、かかる端部54が溝14a乃至14d内に位置せしめられる。配筋工程にあっては更に、プレキャストコンクリート基礎材2a乃至2dの有底穴8a乃至8dの夫々に縦筋56を配筋すると共に、縦筋56に適宜の締結手段によって締結される横筋58をも配筋する。
【0025】
上記配筋工程の後にアンカーボルト60をプレキャストコンクリート基礎材2a乃至2dの上端部に配設するアンカーボルト配設工程を遂行する。アンカーボルト60はプレキャストコンクリート基礎材2a乃至2dの上端部に間隔をおいて複数配設され、図11に示すとおり、夫々のアンカーボルト60の下端部は周知の締結具62によって横筋58に締結される。所望ならば、アンカーボルト60の下端部は縦筋56に締結されてもよい。図11では、容易に理解できるよう縦筋56は省略している。一方、アンカーボルト60の上端部は支持具64によって支持される。支持具64は下方が開放されたコの字形状の板材であって、プレキャストコンクリート基礎材2a乃至2dの上端部に跨設される。支持具64の中央には上下方向に貫通する貫通穴が形成されており、この貫通穴にアンカーボルト60が挿通されることで支持具64がアンカーボルト60の倒れを防止する。かようにして配設されたアンカーボルト60は、プレキャストコンクリート基礎材2a乃至2dの上端を超えて上方に延出する。
【0026】
そして、上記アンカーボルト配設工程の後(つまり配筋工程の後)に各種プレキャストコンクリート基礎材2a乃至2dに形成された溝14a乃至14dの上面の任意の位置から未硬化状態のコンクリートを打設する基礎打設工程を遂行する。かくすると、未硬化状態のコンクリートは溝14a乃至14dから開口窓20a乃至20dを通過して土間46に流出し、スラブ筋52は埋設される。未硬化状態のコンクリートは、土間46にあっては開口窓20a乃至20dの上端位置を超える高さ位置まで、プレキャストコンクリート基礎材2a乃至2dにあっては溝14a乃至14dの上端位置まで夫々打設され、かくして縦筋56及び横筋58も埋設される。打設されたコンクリートが硬化することで、図12に示すとおり、ベタ基礎66の土間部68と立ち上がり部70とは繋ぎ目が存在することなく一体的に形成される。打設されたコンクリートが硬化した後に、支持具64はアンカーボルト60から除去される。
【0027】
本発明に従って構成されるプレキャストコンクリート基礎材2a乃至2dにあっては、建築現場において溝14a乃至14dにコンクリートを打設することでベタ基礎66の立ち上がり部70が形成される。つまり、ベタ基礎66の立ち上がり部70はプレキャストコンクリート基礎材2a乃至2dを成形する工場ではなく建築現場で完成することから、プレキャストコンクリート基礎材2a乃至2d自身の重量は軽い。従って、本発明に従って構成されたプレキャストコンクリート基礎材2a乃至2dによれば、これを移動させるのに必ずしも大型のクレーンは必要でなく、従って基礎工事の作業性が良好となる。更に、起立壁6a乃至6dの下端部には上記溝14a乃至14dに連通する開口窓20a乃至20dが形成されているため、建築現場においてプレキャストコンクリート基礎材2a乃至2dを所要とおりに配置した後に、開口窓20a乃至20dにスラブ筋52の端部54を挿入することでスラブ筋52を配筋することができる。従って、鉄筋を含んだ状態でプレキャストコンクリート基礎材を成形する必要はなく、搬送時に外部に鉄筋が突出することはない。それ故に、本発明に従って構成されたプレキャストコンクリート基礎材は、安全に搬送することができる。更に、本発明に従って構成されるプレキャストコンクリート基礎材2a乃至2dを用いてベタ基礎66を形成する方法によれば、建築現場で打設する捨てコンクリートはプレキャストコンクリート基礎材2a乃至2dが配置される場所のみで充分であることから工期を短縮させることができる。そしてまた、本発明に従って構成されるプレキャストコンクリート基礎材2a乃至2dを用いて形成されたベタ基礎66にあっては、土間部68及び立ち上がり部70はつなぎ目なく一体的に形成されることから、土間部68と立ち上がり部70との境界部分にクラックが生じにくく充分な耐震強度を維持できる。
【符号の説明】
【0028】
2a乃至2d:プレキャストコンクリート基礎材
4a乃至4d:底板
6a-1乃至6d-4:起立壁
14a乃至14d:溝
20a乃至20d:開口窓
22a:成形装置
24a:基台
26a:内側金型
28a:外側金型
32a:ヒンジ手段
34a:外側金型片
50:土間
52:スラブ筋
56:縦筋
58:横筋
60:ベタ基礎
62:(ベタ基礎の)土間部
64:(ベタ基礎の)立ち上がり部
図1
図2
図3
図4-1】
図4-2】
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12