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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-31
(45)【発行日】2025-02-10
(54)【発明の名称】検査選別装置、検査装置及び選別装置
(51)【国際特許分類】
   G01N 23/18 20180101AFI20250203BHJP
   G01N 21/85 20060101ALI20250203BHJP
   B07C 5/36 20060101ALI20250203BHJP
【FI】
G01N23/18
G01N21/85 Z
B07C5/36
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2021054042
(22)【出願日】2021-03-26
(65)【公開番号】P2022151122
(43)【公開日】2022-10-07
【審査請求日】2023-12-19
(73)【特許権者】
【識別番号】598105802
【氏名又は名称】株式会社 システムスクエア
(74)【代理人】
【識別番号】100166545
【弁理士】
【氏名又は名称】折坂 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】森山 淳児
【審査官】井上 徹
(56)【参考文献】
【文献】特開平5-131176(JP,A)
【文献】特開2020-106304(JP,A)
【文献】特開2009-190827(JP,A)
【文献】特開2017-006878(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 23/00-23/2276
G01N 21/84-21/958
B07C 1/00-99/00
B65G 47/00
G01B 11/00-11/30
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
IEEE Xplore
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
平行に並んだ複数の搬送経路のそれぞれに存在する被検査物を所定の搬送方向に搬送するコンベアである搬送手段と、
前記コンベアにより搬送中の前記被検査物に向けて所定の電磁波を照射する照射手段と、
前記所定の搬送方向に対して直交方向に配列され、それぞれの前記搬送経路に対応して設けられる複数のセンサを備え、それぞれの前記センサが、到達した前記所定の電磁波を検出して所定の周期ごとに検出データを出力する検出手段と、
前記検出データを、前記検出データが前記検出手段から出力された周期の順序を示す情報に対応づけるとともに、前記検出データが出力された周期から、前記検出手段と選別機構との間の搬送所要時間に相当する周期数前の周期の順序を示す選別周期情報を出力する順序特定手段と、
前記検出データについて所定の検査を実行して検査結果を出力する検査手段と、
前記検出データの前記検査結果を、前記検出データが前記検出手段から出力された周期の順序を示す情報に対応付けて記憶する選別データ記憶手段と、
前記所定の搬送方向に対して直交方向に配列された、前記搬送経路ごとの前記選別機構を備え、前記選別周期情報の入力を契機に、前記選別データ記憶手段を参照して取得した、前記選別周期情報により示される周期の順序の、それぞれの前記センサの前記検出データの前記検査結果に基づき、それぞれの前記センサに対応する前記選別機構において所定の選別処理を実行する選別手段と、
を備える検査選別装置。
【請求項2】
前記順序特定手段による前記周期の順序を示す情報の対応付けに従い、前記検出手段が出力した前記検出データを、前記周期の順序を示す情報に対応付けて記憶する検出データ記憶手段を更に備え、
前記検査手段は、前記検出データ記憶手段に前記検出データが、前記搬送所要時間に相当する周期数より少ない複数周期分記憶されるごとに、前記複数周期分の前記検出データについて前記所定の検査を実行する
ことを特徴とする請求項1に記載の検査選別装置。
【請求項3】
平行に並んだ複数の搬送経路のそれぞれに存在する被検査物を所定の搬送方向に搬送するコンベアである搬送手段と、
前記コンベアにより搬送中の前記被検査物に向けて所定の電磁波を照射する照射手段と、
前記所定の搬送方向に対して直交方向に配列され、それぞれの前記搬送経路に対応して設けられる複数のセンサを備え、それぞれの前記センサが、到達した前記所定の電磁波を検出して所定の周期ごとに検出データを出力する検出手段と、
前記検出データを、前記検出データが前記検出手段から出力された周期の順序を示す情報に対応づけるとともに、前記検出データが出力された周期から、前記検出手段と選別機構との間の搬送所要時間に相当する周期数前の周期の順序を示す選別周期情報を出力する順序特定手段と、
それぞれの前記検出データについて所定の検査を実行して検査結果を出力する検査手段と、
を備える検査装置。
【請求項4】
平行に並んだ複数の搬送経路のそれぞれに存在する被検査物を所定の搬送方向に搬送するコンベアである搬送手段と、前記コンベアにより搬送中の前記被検査物に向けて所定の電磁波を照射する照射手段と、前記所定の搬送方向に対して直交方向に配列され、それぞれの前記搬送経路に対応して設けられる複数のセンサを備え、それぞれの前記センサが、到達した前記所定の電磁波を検出して所定の周期ごとに検出データを出力する検出手段と、前記検出データを、前記検出データが前記検出手段から出力された周期の順序を示す情報に対応づけるとともに、前記検出データが出力された周期から、前記検出手段と選別機構との間の搬送所要時間に相当する周期数前の周期の順序を示す選別周期情報を出力する順序特定手段と、前記検出データについて所定の検査を実行して検査結果を出力する検査手段と、を備える検査装置から出力された前記検出データの検査結果を、前記検出データが前記検出手段から出力された周期の順序を示す情報に対応付けて記憶する選別データ記憶手段と、
前記所定の搬送方向に対して直交方向に配列された、前記搬送経路ごとの前記選別機構を備え、前記選別周期情報の入力を契機に、前記選別データ記憶手段を参照して、前記選別周期情報により示される周期の順序の、それぞれの前記センサにおける前記検出データの前記検査結果に基づき、それぞれの前記センサに対応する前記選別機構において所定の選別処理を実行する選別手段と、
を備える選別装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被検査物に照射され、被検査物を経て検出された電磁波に基づく当該被検査物の検査を行い、その検査結果に応じ所定の選別処理を実行する検査選別装置、検査装置及び選別装置に関する。
【背景技術】
【0002】
各種コンベアなどの搬送手段により、所定の搬送経路を水平搬送される被検査物にX線などの電磁波を照射して、被検査物を透過した、あるいは反射された電磁波の強弱などに基づき被検査物の内部や表面の検査を行い、検査結果に応じた選別処理を実行する検査装置が一般に知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2009-128231号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
被検査物を透過した、あるいは反射された電磁波は、検出手段において検出された後、検出データが検査手段に送られ、検査が実行される。一方、被検査物は検査の実行と並行して引き続き搬送手段により所定の搬送経路を搬送される。従来の検査装置では、検査手段による検査の終了後、更に一定のタイムラグの後に被検査物が選別手段に到達すると推定して、選別手段に当該被検査物の検査結果(典型的には良否の判定結果)に応じた選別処理(例えば、否の場合に搬送経路から排除する処理)を実行させる。
【0005】
しかし、検査手段による検査の所要時間は、被検査物の状態に依存し、必ずしも一定ではないため、検査結果が否である場合に被検査物が搬送経路から確実に排除されるよう、選別手段において搬送物が排除される状態を、被検査物の選別手段への推定到達タイミングの前後に一定の幅をもって継続させる必要がある。そのため、被検査物が同じ搬送経路を短い間隔で次々に搬送されてくる場合、排除すべき被検査物の前後にある別の被検査物が、その検査結果にかかわらず、まとめて排除されてしまうおそれがある。
【0006】
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、被検査物ごとに検査結果に応じて正しく選別を行うことが可能な検査選別装置、検査装置及び選別装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の検査選別装置は、平行に並んだ複数の搬送経路のそれぞれに存在する被検査物を所定の搬送方向に搬送する搬送手段と、被検査物に向けて所定の電磁波を照射する照射手段と、搬送方向に対して直交方向に配列され、それぞれの搬送経路に対応して設けられる複数のセンサを備え、それぞれのセンサが、到達した所定の電磁波を検出して所定の周期ごとに検出データを出力する検出手段と、検出データを、当該検出データが検出手段から出力された周期の順序を示す情報に対応づけるとともに、当該検出データが出力された周期から、検出手段と選別機構との間の搬送所要時間に相当する周期数前の周期の順序を示す選別周期情報を出力する順序特定手段と、検出データについて所定の検査を実行して検査結果を出力する検査手段と、検出データの検査結果を、当該検出データが検出手段から出力された周期の順序を示す情報に対応付けて記憶する選別データ記憶手段と、所定の搬送方向に対して直交方向に配列された、搬送経路ごとの選別機構を備え、選別周期情報の入力を契機に、選別データ記憶手段を参照して、選別周期情報により示される周期の順序の、それぞれのセンサの検出データの検査結果に基づき、それぞれのセンサに対応する選別機構において所定の選別処理を実行する選別手段と、を備える。
【0008】
順序特定手段による周期の順序を示す情報の対応付けに従い、検出手段が出力した検出データを、当該周期の順序を示す情報に対応付けて記憶する検出データ記憶手段を更に備え、検査手段は、検出データ記憶手段に検出データが、搬送所要時間に相当する周期数より少ない複数周期分記憶されるごとに、複数周期分の検出データについて所定の検査を実行してもよい。
【0009】
本発明の検査装置は、平行に並んだ複数の搬送経路のそれぞれに存在する被検査物を所定の搬送方向に搬送する搬送手段と、被検査物に向けて所定の電磁波を照射する照射手段と、搬送方向に対して直交方向に配列され、それぞれの搬送経路に対応して設けられる複数のセンサを備え、それぞれのセンサが、到達した所定の電磁波を検出して所定の周期ごとに検出データを出力する検出手段と、検出データを、当該検出データが検出手段から出力された周期の順序を示す情報に対応づけるとともに、当該検出データが出力された周期から、検出手段と選別機構との間の搬送所要時間に相当する周期数前の周期の順序を示す選別周期情報を出力する順序特定手段と、それぞれの検出データについて所定の検査を実行して検査結果を出力する検査手段と、を備える。
【0010】
本発明の選別装置は、平行に並んだ複数の搬送経路のそれぞれに存在する被検査物を所定の搬送方向に搬送する搬送手段と、被検査物に向けて所定の電磁波を照射する照射手段と、所定の搬送方向に対して直交方向に配列され、それぞれの搬送経路に対応して設けられる複数のセンサを備え、それぞれのセンサが、到達した所定の電磁波を検出して所定の周期ごとに検出データを出力する検出手段と、検出データを、当該検出データが検出手段から出力された周期の順序を示す情報に対応づけるとともに、当該検出データが出力された周期から、検出手段と選別機構との間の搬送所要時間に相当する周期数前の周期の順序を示す選別周期情報を出力する順序特定手段と、検出データについて所定の検査を実行して検査結果を出力する検査手段と、を備える検査装置から出力された検出データの検査結果を、当該検出データが検出手段から出力された周期の順序を示す情報に対応付けて記憶する選別データ記憶手段と、所定の搬送方向に対して直交方向に配列された、搬送経路ごとの選別機構を備え、選別周期情報の入力を契機に、選別データ記憶手段を参照して取得した、当該選別周期情報により示される周期の順序の、それぞれのセンサにおける検出データの検査結果に基づき、それぞれのセンサに対応する選別機構において所定の選別処理を実行する選別手段と、を備える。
【発明の効果】
【0011】
本発明の検査選別装置、検査装置及び選別装置によれば、被検査物ごとに検査結果に応じて正しく選別を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】検査選別装置100の構成の一例を示す正面図である。
図2】検査選別装置100の構成の一例を示す平面図である。
図3】検査選別装置100における選別処理を説明する図(1/9)である。
図4】検査選別装置100における選別処理を説明する図(2/9)である。
図5】検査選別装置100における選別処理を説明する図(3/9)である。
図6】検査選別装置100における選別処理を説明する図(4/9)である。
図7】検査選別装置100における選別処理を説明する図(5/9)である。
図8】検査選別装置100における選別処理を説明する図(6/9)である。
図9】検査選別装置100における選別処理を説明する図(7/9)である。
図10】検査選別装置100における選別処理を説明する図(8/9)である。
図11】検査選別装置100における選別処理を説明する図(9/9)である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の説明では、同一の部材には同一の符号を付し、一度説明した部材については適宜その説明を省略する。
【0014】
本発明の検査選別装置100の構成例を示す正面図を図1に、平面図を図2にそれぞれ示す。検査選別装置100は、搬送手段101、照射手段102、検出手段103、順序特定手段104、検出データ記憶手段105、検査手段106、選別データ記憶手段107及び選別手段108を備える。
【0015】
搬送手段101は、平行に並んだ複数の搬送経路のそれぞれに存在する被検査物Wを所定の搬送方向に搬送する。搬送手段101は、載置された被検査物Wを一定の方向に搬送できれば、任意の方式のコンベアを採用してよい。
【0016】
図1、2に示す例では搬送手段101は、被検査物WをY軸方向に搬送する。搬送手段101は、正面から見て、Y軸に直交するX軸方向に奥行きを持ち、複数の被検査物Wを、X軸方向の任意の位置に載置してY軸方向に搬送することが可能である。言いかえれば、被検査物Wが載置されたX軸方向の位置ごとに、Y軸方向に搬送経路を観念することができる。もっとも、検査選別装置100は、被検査物Wを検査し検査結果に応じて選別を実行するものであるため、実際に観念しうる搬送経路の数は、被検査物Wを経た電磁波を検出するセンサがX軸方向に配列された列数となる。図2では、検出手段103が、それぞれ被検査物Wに対応する4つのセンサL1~L4を備え、それに対応して4列の搬送経路C1~C4が観念される例を示している。
【0017】
なお、図1、2では、搬送手段101の途中に選別手段108が挿入された形で分割して表記しているが、搬送手段101は、実際には選別手段108の存在位置を含め連続的に搬送可能に構成され、選別手段108の表記は、表記位置において搬送中の被検査物Wに対して所定の選別処理が行うことが可能とされていることを意味する。
【0018】
照射手段102は、検出手段103に対向して配置され、搬送手段101により搬送される被検査物Wに所定の電磁波を照射する。照射する電磁波の種類は、例えば、X線、可視光、赤外線など、検査の内容に応じて適宜選択してよい。
【0019】
検出手段103は、搬送手段101による搬送方向に対して直交方向に配列され、それぞれの搬送経路に対応して設けられる複数のセンサを備え、それぞれのセンサが、到達した所定の電磁波を検出して所定の周期ごとに検出データを出力する。図2に、検出手段103が4つの搬送経路C1~C4に対応する4つのセンサL1~L4を備える例を示す。
【0020】
検出手段103のそれぞれのセンサは、所定の電磁波を検出可能な1以上の検出素子がX軸方向に1列に配列されたセンサであり、実際には、センサを構成するそれぞれの検出素子が検出データを出力する。各搬送経路のX軸方向の幅は、各センサを構成する検出素子のX軸方向の長さと配列される検出素子の個数との積として特定される。
【0021】
検出手段103の複数のセンサは、複数の検出素子からなるラインセンサを1以上用いて適宜構成してよい。例えばセンサが4つの場合、3本以下のラインセンサを分割して構成してもよいし、4本のラインセンサを用いて1対1に構成してもよいし、1つのセンサを2本以上のラインセンサを用いて構成してもよい。
【0022】
また、検出手段103の複数のセンサは、上記説明のようにX軸方向に1列に並んだ1又は複数のラインセンサにより構成してもよいし、Y軸方向に複数列配列してTDIセンサとして構成してもよい。
【0023】
それぞれのセンサが、電磁波を検出し検出データを蓄積して出力する所定の周期は、例えば、ラインセンサのY軸方向の幅を、搬送手段101の搬送速度で通過する所要時間としてもよい。所定の周期をこのように設定することで、センサを通過する被検査物Wを漏れなく検査することができる。
【0024】
順序特定手段104は、検出手段103から所定の周期ごとに各センサから検出データが出力される都度、当該検出データを検出データ記憶手段105に書き込む。このとき、所定の周期ごとの検出データを、出力された周期の順序を示す情報に対応づけて書き込む。周期の順序を示す情報は、順序を識別できる情報であれば任意であり、例えば単純に、1、2、3、・・・という整数情報であってもよい。センサが複数の検出素子からなる場合、センサの検出データの書き込みは、検査手段106における検査方法などに応じ、各検出素子の検出データをそれぞれ書き込んでもよいし、各検出素子の検出データの総和を書き込んでもよい。
【0025】
更に、順序特定手段104は、検出データを検出データ記憶手段105の或る順序に対応付けて書き込む都度、対応付けた順序から搬送所要時間に相当する周期数前の順序に対応付けられた検出データの検査結果を用いて選別処理を行うことを示す情報を選別手段108に通知する。
【0026】
検出手段103と選別手段108の選別機構との間の搬送所要時間は、検出手段103と選別手段108との間の距離と、搬送手段101による搬送速度とから特定される。検出手段103において、或る周期に被検査物Wの検出データが出力されたとすると、その周期から検出手段103と選別手段108との間の搬送所要時間に相当する周期数後の周期において、被検査物Wが選別手段108に到達していることになる。そのため、被検査物Wの検査を検出手段103から選別手段108への搬送中に済ませておくことで、選別手段108において検査結果に基づく所定の選別処理を被検査物Wに対して実行することができる。
【0027】
そして、各周期において、選別手段108がどの順序に対応づけられた検出データの検査結果に基づき選別処理を実行するかは、同じ周期に検出手段103から出力される検出データに対応付けられる順序に対して一義的に決まる。例えば、検出手段103において検出データが出力されてから4周期後に選別手段108に到達する場合において、検出手段103において或る周期に出力された検出データが、6周期のリングバッファを採用した検出データ記憶手段105の順序1に対応付けて記憶されるとき、当該周期に選別手段108では、4周期前に検出手段103から出力され順序3に対応付けられた検出データに対する検査結果に基づき選別処理が実施されることになる。
【0028】
そこで、順序特定手段104が、検出データを或る順序に対応付けて検出データ記憶手段105に書き込む都度、対応付けた当該順序から搬送所要時間に相当する周期数前の順序に対応付けられた検出データの検査結果を用いて選別処理を行うことを示す情報を選別手段108に通知する。例えば、検出データ記憶手段105に6周期のリングバッファが採用され、搬送所要時間が4周期に相当する場合、検出手段103において或る周期に出力された検出データを順序1に対応付けて検出データ記憶手段105に書き込むとき、選別手段108に4周期前の順序3を通知する。これにより、4周期前に検出手段103においてデータが検出された被検査物Wが選別手段108に到達したタイミングで、当該データの検査結果に基づく選別処理を行うことができる。
【0029】
検出データ記憶手段105は、検出手段103が出力した検出データを電磁的に記憶可能な任意の記憶媒体である。データを記憶させる際のデータ構造は任意であるが、本発明においては、検査データは処理に必要な時間だけ記憶が維持されれば足りるため、例えばリングバッファを採用することで、少ない記憶領域で検出データ記憶手段105の機能を実現することができる。
【0030】
検査手段106は、検出データ記憶手段105に記憶された検出データを読み出し、所定の検査を実行して検査結果を出力する。所定の検査は、例えば、検出データの値の大小により把握される被検査物Wの存否及び異物の存否の検査が挙げられるが、被検査物Wを経た電磁波の検出データから当該被検査物Wの状態を評価できるものであれば、検査の種別は問わない。
【0031】
センサが複数の検出素子からなる場合、センサの検出データの検査結果は、例えば、各検出素子による検出データのそれぞれを検査して、それぞれの検査結果に基づき任意の判定基準で総合評価することにより得てもよいし、各検出素子の検出データの総和を検査することにより得てもよい。
【0032】
検査手段106における検出データの検査は、例えば、各センサの検出データが所定の周期ごとに検出データ記憶手段105に書き込まれた都度、読み出して実行してもよいし、選別手段108での選別処理までに完了していれば足りることに鑑み、検出手段103から選別手段108までの搬送所要時間に相当する周期数より少ない複数周期分書き込まれるごとに、まとめて読み出して実行してもよい。
【0033】
更に、検査手段106は、出力した所定の周期ごとの各センサの検出データの検査結果を、選別データ記憶手段107に書き込む。このとき、所定の周期ごとの各センサの検出データの検査結果に、検出データ記憶手段105において対応付けられていたものと同じ周期の順序を示す情報に対応づけて記憶させる。すなわち、検出データ記憶手段105において順序1に対応付けて記憶されていた検出データの検査結果は、選別データ記憶手段107において順序1に対応付けて記憶させる。なお、所定の周期ごとの各センサの検出データの検査結果は、直接に選別データ記憶手段107に書き込んでもよいし、例えば、検出データ記憶手段105の当該検出データの記憶領域に上書きした上で、選別データ記憶手段107にコピーしてもよい。
【0034】
選別データ記憶手段107は、検出データ記憶手段105と同様に、データを電磁的に記憶可能な任意の記憶媒体であり、データを記憶させる際のデータ構造として、例えばリングバッファを採用することで、少ない記憶領域で選別データ記憶手段107の機能を実現することができる。
【0035】
選別手段108は、所定の搬送方向に対して直交方向に配列された、搬送経路ごとの選別機構を備える。図1では、搬送経路C1~C4のそれぞれに設けられたセンサL1~L4の搬送下流に選別機構S1~S4を備える例を示している。
【0036】
選別手段108は、順序特定手段104からの選別周期情報の通知を契機に、選別データ記憶手段107を参照して取得した、選別周期情報により示される周期の順序の、それぞれのセンサの検出データの検査結果に基づき、それぞれのセンサに対応する選別機構において所定の選別処理を実行する。
【0037】
例えば、検出データ記憶手段105に6周期のリングバッファが採用され、搬送所要時間が4周期に相当する場合、検出手段103において或る周期に出力された検出データを順序1に対応付けて検出データ記憶手段105に書き込んだとすると、選別手段108には4周期前の順序3が通知される。搬送経路が搬送経路C1~C4の4つである場合、選別手段108は、選別データ記憶手段107を参照して、順序3に対応付けて記憶されたセンサL1~L4における検出データのそれぞれの検査結果に基づき、センサL1~L4のそれぞれに対応する選別機構S1~S4において所定の選別処理を実行する。
【0038】
選別手段108における所定の選別処理としては、例えば、被検査物Wの合否を示す検査結果に基づく、合格物と不合格物との選別処理が挙げられる。この場合、選別機構は、合格物については搬送経路における搬送が継続されるように機能し、不合格物については搬送経路から排除されるように機能する。採用する選別機構の方式は任意であり、例えば、エアジェット方式、フリッパ方式、ドロップ方式などが挙げられる。
【0039】
検査選別装置100における選別処理を、図2図11を参照しつつ具体的に説明する。図2図11は、搬送手段101における4つの搬送経路C1~C4のそれぞれに対応する検出手段103の4つのセンサL1~L4及び選別手段108の4つの選別機構S1~S4が設けられた検査系において、複数の被検査物Wが次々に搬送される場合の処理を時系列で例示したものである。被検査物Wは、後の検査の結果、合格となるものを白で、不合格となるものを黒で、予め表記している。なお、この例では、検出手段103と選別手段108の選別機構との間の搬送所要時間に相当する周期数は4周期としている。また、検査手段106における検査は、検出データ記憶手段105に検出データが3周期分記憶されるごとにまとめて実行する。また、検査手段106における検査結果は選別データ記憶手段107に直接書き込んでいる。また、検出データ記憶手段105及び選別データ記憶手段107には、順序が1~6で表現された6周期のリングバッファを採用している。また、検出データ記憶手段105においては、検出データが書き込まれていない記憶位置には0と記し、書き込まれた記憶位置にはVと記している。また、選別データ記憶手段107においては、検査結果が不合格である記憶位置には1と記し、それ以外の記憶位置には0と記している。また、検出データ記憶手段105及び選別データ記憶手段107の各記憶位置に記憶されたデータにつき、検査及び選別が済んだ記憶位置については記載を0に戻している。また、検出手段103は、各周期の検出データの出力の都度、選別手段108に、選択処理に用いる検出結果の、選別データ記憶手段107における記憶の順序を通知する。
【0040】
図2は、4つの搬送経路C1~C4上を複数の被検査物Wが、搬送手段101によりY軸方向に搬送され、1列目の2つが検出手段103の手前に到達した状態を示したものである。
【0041】
図3は、複数の被検査物Wが、図2に示す状態から1周期分搬送方向に移動し、1列目の2つの被検査物Wが検出手段103上に位置している状態であり、検出手段103のセンサL1~L4は、1列目の2つの被検査物Wが通過する1周期の間、到達した電磁波を検出し検出データを蓄積する。
【0042】
図4は、複数の被検査物Wが、図3に示す状態から更に1周期分搬送方向に移動し、1列目の2つの被検査物Wが検出手段103上を通過し終わり、2列目の2つの被検査物Wが検出手段103上に位置している状態を示したものである。
【0043】
検出手段103のセンサL1~L4は、このように1列目の通過が済んだ時点で1周期目の電磁波の検出を終え、センサL1~L4のそれぞれに蓄積された検出データを出力するとともに、2列目の2つの被検査物Wが通過する1周期の間、到達した電磁波を検出し検出データを蓄積する。順序特定手段104は、検出手段103から出力された検出データを順序1に対応付けて検出データ記憶手段105に書き込むとともに、搬送所要時間に相当する4周期前の順序3を選別手段108に通知する。選別手段108は、選別データ記憶手段107の順序3に対応付けられた検査結果を参照し、全て0であることから、選別機構S1~S4は、到達している搬送物の、搬送経路C1~C4における搬送が継続されるように機能する。ただし、図4の時点では到達している搬送物が存在しないため、具体的な動静は生じない。
【0044】
図5は、複数の被検査物Wが、図4に示す状態から更に1周期分搬送方向に移動し、2列目の2つの被検査物Wが検出手段103上を通過し終わり、3列目の1つの被検査物Wが検出手段103上に位置している状態を示したものである。
【0045】
検出手段103のセンサL1~L4は、このように2列目の通過が済んだ時点で2周期目の電磁波の検出を終え、センサL1~L4のそれぞれに蓄積された検出データを出力するとともに、3列目の1つの被検査物Wが通過する1周期の間、到達した電磁波を検出し検出データを蓄積する。順序特定手段104は、検出手段103から出力された検出データを順序2に対応付けて検出データ記憶手段105に書き込むとともに、搬送所要時間に相当する4周期前の順序4を選別手段108に通知する。選別手段108は、選別データ記憶手段107の順序4に対応付けられた検査結果を参照し、全て0であることから、選別機構S1~S4は、到達している搬送物の、搬送経路C1~C4における搬送が継続されるように機能する。ただし、図5の時点では到達している搬送物が存在しないため、具体的な動静は生じない。
【0046】
図6は、複数の被検査物Wが、図5に示す状態から更に1周期分搬送方向に移動し、3列目の1つの被検査物Wが検出手段103上を通過し終わり、4列目の3つの被検査物Wが検出手段103上に位置している状態を示したものである。
【0047】
検出手段103のセンサL1~L4は、このように3列目の通過が済んだ時点で3周期目の電磁波の検出を終え、センサL1~L4のそれぞれに蓄積された検出データを出力するとともに、4列目の1つの被検査物Wが通過する1周期の間、到達した電磁波を検出し検出データを蓄積する。順序特定手段104は、検出手段103から出力された検出データを順序3に対応付けて検出データ記憶手段105に書き込むとともに、搬送所要時間に相当する4周期前の順序5を選別手段108に通知する。選別手段108は、選別データ記憶手段107の順序5に対応付けられた検査結果を参照し、全て0であることから、選別機構S1~S4は、到達している搬送物の、搬送経路C1~C4における搬送が継続されるように機能する。ただし、図6の時点では到達している搬送物が存在しないため、具体的な動静は生じない。
【0048】
図7は、複数の被検査物Wが、図6に示す状態から更に1周期分搬送方向に移動し、4列目の3つの被検査物Wが検出手段103上を通過し終わり、5列目の1つの被検査物Wが検出手段103上に位置している状態を示したものである。
【0049】
検出手段103のセンサL1~L4は、このように4列目の通過が済んだ時点で4周期目の電磁波の検出を終え、センサL1~L4のそれぞれに蓄積された検出データを出力するとともに、5列目の3つの被検査物Wが通過する1周期の間、到達した電磁波を検出し検出データを蓄積する。順序特定手段104は、検出手段103から出力された検出データを順序4に対応付けて検出データ記憶手段105に書き込むとともに、搬送所要時間に相当する4周期前の順序6を選別手段108に通知する。選別手段108は、選別データ記憶手段107の順序6に対応付けられた検査結果を参照し、全て0であることから、選別機構S1~S4は、到達している搬送物の、搬送経路C1~C4における搬送が継続されるように機能する。ただし、図7の時点では到達している搬送物が存在しないため、具体的な動静は生じない。
【0050】
また、検出データ記憶手段105にセンサL1~L4の検出データが順序1~3の3周期分記憶されたことから、検査手段106は、当該3周期分の検出データを検出データ記憶手段105から読み出し、所定の検査を実行して、各周期のセンサL1~L4における検出データの検査結果を、選別データ記憶手段107の順序1~3にそれぞれ対応付けて書き込む。この3周期においては、順序1のセンサL2、順序2のセンサL3及び順序3のセンサL4における検出データの検査結果が不合格であるため、対応する記憶位置に1が記される。
【0051】
図8は、複数の被検査物Wが、図7に示す状態から更に1周期分搬送方向に移動し、5列目の1つの被検査物Wが検出手段103上を通過し終わり、6列目の2つの被検査物Wが検出手段103上に位置している状態を示したものである。
【0052】
検出手段103のセンサL1~L4は、このように5列目の通過が済んだ時点で5周期目の電磁波の検出を終え、センサL1~L4のそれぞれに蓄積された検出データを出力するとともに、6列目の2つの被検査物Wが通過する1周期の間、到達した電磁波を検出し検出データを蓄積する。順序特定手段104は、検出手段103から出力された検出データを順序5に対応付けて検出データ記憶手段105に書き込むとともに、搬送所要時間に相当する4周期前の順序1を選別手段108に通知する。選別手段108は、選別データ記憶手段107の順序1に対応付けられた検査結果を参照し、センサL2が1で、センサL1、L3及びL4が0であることから、センサL2に対応する選別機構S2は、到達している被検査物Wが搬送経路C2から排除されるように機能する。一方、センサL1、L3及びL4に対応する選別機構S1、S3及びS4は、到達している搬送物の、搬送経路C1、C3及びC4における搬送が継続されるように機能する。この例では、選別機構S3に被検査物Wが到達しているため、当該被検査物Wの搬送経路C3における搬送が継続される。
【0053】
図9は、複数の被検査物Wが、図8に示す状態から更に1周期分搬送方向に移動し、6列目の2つの被検査物Wが検出手段103上を通過し終わり、7列目の2つの被検査物Wが検出手段103上に位置している状態を示したものである。なお、図8において1列目の搬送経路C2にあった被検査物Wは、既に搬送経路C2から排除されている。
【0054】
検出手段103のセンサL1~L4は、このように6列目の通過が済んだ時点で6周期目の電磁波の検出を終え、センサL1~L4のそれぞれに蓄積された検出データを出力するとともに、7列目の2つの被検査物Wが通過する1周期の間、到達した電磁波を検出し検出データを蓄積する。順序特定手段104は、検出手段103から出力された検出データを順序6に対応付けて検出データ記憶手段105に書き込むとともに、搬送所要時間に相当する4周期前の順序2を選別手段108に通知する。選別手段108は、選別データ記憶手段107の順序2に対応付けられた検査結果を参照し、センサL3が1で、センサL1、L2及びL4が0であることから、センサL3に対応する選別機構S3は、到達している被検査物Wが搬送経路C3から排除されるように機能する。一方、センサL1、L2及びL4に対応する選別機構S1、S2及びS4は、到達している搬送物の、搬送経路C1、C2及びC4における搬送が継続されるように機能する。この例では、選別機構S1に被検査物Wが到達しているため、当該被検査物Wの搬送経路C1における搬送が継続される。
【0055】
図10は、複数の被検査物Wが、図9に示す状態から更に1周期分搬送方向に移動し、7列目の2つの被検査物Wが検出手段103上を通過し終わり、8列目の1つの被検査物Wが検出手段103上に位置している状態を示したものである。なお、図9において3列目の搬送経路C3にあった被検査物Wは、既に搬送経路C3から排除されている。
【0056】
検出手段103のセンサL1~L4は、このように7列目の通過が済んだ時点で7周期目の電磁波の検出を終え、センサL1~L4のそれぞれに蓄積された検出データを出力するとともに、8列目の1つの被検査物Wが通過する1周期の間、到達した電磁波を検出し検出データを蓄積する。順序特定手段104は、検出手段103から出力された検出データを順序1に対応付けて検出データ記憶手段105に書き込むとともに、搬送所要時間に相当する4周期前の順序3を選別手段108に通知する。選別手段108は、選別データ記憶手段107の順序3に対応付けられた検査結果を参照し、センサL4が1で、センサL1、L2及びL3が0であることから、センサL4に対応する選別機構S4は、到達している被検査物Wが搬送経路C3から排除されるように機能する。一方、センサL1、L2及びL3に対応する選別機構S1、S2及びS3は、到達している搬送物の、搬送経路C1、C2及びC3における搬送が継続されるように機能する。この例では、選別機構S1、S2及びS3に到達している被検査物Wは無いため、具体的な動静は生じない。
【0057】
また、検出データ記憶手段105にセンサL1~L4の検出データが順序4~6の3周期分記憶されたことから、検査手段106は、当該3周期分の検出データを検出データ記憶手段105から読み出し、所定の検査を実行して、各周期のセンサL1~L4における検出データの検査結果を、選別データ記憶手段107の順序4~6にそれぞれ対応付けて書き込む。この3周期においては、順序4のセンサL1及び順序6のセンサL3における検出データの検査結果が不合格であるため、対応する記憶位置に1が記される。
【0058】
図11は、複数の被検査物Wが、図10に示す状態から更に1周期分搬送方向に移動し、8列目の1つの被検査物Wが検出手段103上を通過し終わり、9列目の2つの被検査物Wが検出手段103上に位置している状態を示したものである。なお、図10において4列目の搬送経路C4にあった被検査物Wは、既に搬送経路C4から排除されている。
【0059】
検出手段103のセンサL1~L4は、このように8列目の通過が済んだ時点で8周期目の電磁波の検出を終え、センサL1~L4のそれぞれに蓄積された検出データを出力するとともに、9列目の2つの被検査物Wが通過する1周期の間、到達した電磁波を検出し検出データを蓄積する。順序特定手段104は、検出手段103から出力された検出データを順序2に対応付けて検出データ記憶手段105に書き込むとともに、搬送所要時間に相当する4周期前の順序4を選別手段108に通知する。選別手段108は、選別データ記憶手段107の順序4に対応付けられた検査結果を参照し、センサL1が1で、センサL2、L3及びL4が0であることから、センサL1に対応する選別機構S1は、到達している被検査物Wが搬送経路C1から排除されるように機能する。一方、センサL2、L3及びL4に対応する選別機構S2、S3及びS4は、到達している搬送物の、搬送経路C2、C3及びC4における搬送が継続されるように機能する。この例では、選別機構S2及びS4に被検査物Wが到達しているため、当該2つの被検査物Wの搬送経路C2及びC4における搬送が継続される。
【0060】
以降の周期についても、同様の処理が繰り返される。
【0061】
以上説明した本発明の検査選別装置によれば、被検査物ごとに検査結果に応じて正しく選別を行うことが可能となる。
【0062】
なお、本発明の検査選別装置は、検査選別装置として一体的に構成してもよいし、例えば、搬送手段101、照射手段102、検出手段103、順序特定手段104、検出データ記憶手段105及び検査手段106を備える検査装置と、選別データ記憶手段107及び選別手段108を備える選別装置とに分割して構成してもよい。
【0063】
本発明は上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。すなわち、本発明において表現されている技術的思想の範囲内で適宜変更が可能であり、その様な変更や改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含む。
【0064】
例えば、センサ及び搬送経路の個数、検出手段と選別手段との間の距離に相当する周期数、リングバッファにおける1周の順序の個数、まとめて検査を行う周期数などは、上記実施形態に示した数量でなくても、上記実施形態と同様の考え方で実現可能である。また、本発明の構成要件の各手段への分担の仕方も、上記実施形態で示した限りではなく、本発明において表現されている技術的思想の範囲内で適宜変更可能である。
【0065】
また、複数の周期及び/又は複数のセンサに跨る被検査物が存在しうることに鑑み、例えば、検査手段で複数の周期及び/又は複数のセンサの検出データに基づき、被検査物の存在範囲及び異常部分を特定した上で、いずれの周期及びセンサに対応する部分について選別機構を動作させるかを所定のルールに基づき決定して、これを検査結果として選別機構を動作させてもよい。
【符号の説明】
【0066】
100 検査選別装置
101 搬送手段
102 照射手段
103 検出手段
104 順序特定手段
105 検出データ記憶手段
106 検査手段
107 選別データ記憶手段
108 選別手段
C1~C4 搬送経路
L1~L4 センサ
S1~S4 選別機構
W 被検査物
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11