(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-31
(45)【発行日】2025-02-10
(54)【発明の名称】架台、及びポンプユニット
(51)【国際特許分類】
A62C 31/28 20060101AFI20250203BHJP
A62C 13/78 20060101ALI20250203BHJP
E04H 7/04 20060101ALI20250203BHJP
F16M 1/00 20060101ALI20250203BHJP
F16M 11/24 20060101ALI20250203BHJP
F04B 53/22 20060101ALN20250203BHJP
H05K 7/18 20060101ALN20250203BHJP
【FI】
A62C31/28
A62C13/78 A
E04H7/04
F16M1/00 N
F16M1/00 R
F16M1/00 S
F16M1/00 T
F16M11/24 H
F04B53/22
H05K7/18 D
(21)【出願番号】P 2021127599
(22)【出願日】2021-08-03
【審査請求日】2024-02-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000148209
【氏名又は名称】株式会社川本製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】木下 達也
(72)【発明者】
【氏名】高橋 利造
(72)【発明者】
【氏名】鷲津 維摩
【審査官】瀬戸 康平
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-185258(JP,A)
【文献】特開2007-126956(JP,A)
【文献】特開2010-037940(JP,A)
【文献】特開2012-062633(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A62C 13/76,31/28
E04H 7/04
F04B 53/22
F16M 1/00,11/24
H05K 7/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内側に被配置物を配置可能な配置スペースを有し、上下方向に延びる複数の支柱と、
前記複数の支柱の上部に設けられ、被載置物を載置可能な載置部と、
を備え、
前記被配置物を隣り合う2本の前記支柱の間を通過させる際に通過方向で前記被配置物と対向する前記支柱は、前記通過方向で前記被配置物と少なくとも対向する対向部が前記被配置物から退避可能に形成され、
前記対向部を含む前記支柱は、支柱本体を有し、
前記支柱本体は、長手方向で複数に分割可能に形成され、前記対向部を含む部分が他部に対して着脱可能な着脱部に形成され、下方の部分が前記着脱部となり、上方の部分が前記他部となり、前記着脱部及び前記他部が固定部材によって着脱可能に固定され、
前記着脱部は、前記支柱本体の一部を構成する第1支柱本体、及び、前記第1支柱本体の前記他部側の一端に設けられる第1端壁を備え、
前記他部は、前記支柱本体を前記第1支柱本体とともに構成する第2支柱本体、及び、前記第2支柱本体の前記着脱部側の一端に設けられる第2端壁を備え、
前記第2端壁は、前記着脱部が前記他部に固定された状態で、前記第1端壁に接触する、架台。
【請求項2】
内側に被配置物を配置可能な配置スペースを有し、上下方向に延びる複数の支柱と、
前記複数の支柱の上部に設けられ、被載置物を載置可能な載置部と、
を備え、
前記被配置物を隣り合う2本の前記支柱の間を通過させる際に通過方向で前記被配置物と対向する前記支柱は、前記通過方向で前記被配置物と少なくとも対向する対向部が前記被配置物から退避可能に形成され、
前記対向部を含む前記支柱は、前記対向部を含む着脱部と、前記着脱部を着脱可能に形成される他部と、を備え、前記着脱部の一端には板状に形成される端壁が設けられる、架台。
【請求項3】
前記支柱本体は、第1縦壁及び第2縦壁からなり、長手方向に直交する断面がL字形状に形成され、
前記第1端壁は、前記支柱の長手方向に直交する板状に形成され、
前記第2端壁は、前記第1端壁を支持し、
前記第1端壁は、外方に露出される請求項1に記載の架台。
【請求項4】
前記第2端壁の下面は、前記支柱の長手方向に直交する平面に形成され、
前記第2端壁は、外方に露出される請求項1又は請求項3に記載の架台。
【請求項5】
前記
支柱の長手方向に交差する方向で、前記着脱部
又は前記他部の周面に固定され、前記着脱部及び前記他部の移動を規制する、前記着脱部及び前記他部と別部材の移動規制部を備
える、請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の架台。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の前記架台と、
モータ及びポンプを有するポンプ装置と、
前記載置部に載置された呼水層と、
を備えるポンプユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内側に被配置物を配置し、上面に被載置物を載置可能な架台、及びポンプユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従前から、架台を備え、この架台の内側及び架台の上面のそれぞれに物品が配置される架台ユニットが知られている。このような架台ユニットの架台として、複数の支柱を備えて、これら複数の支柱の内側に、被配置物を配置する配置スペースを有するものが知られている。
【0003】
また、架台ユニットとして、例えば、設置場所に固定されたベース上に架台が固定され、配置スペースにモータが配置され、架台上に呼水槽が載置される消火ポンプユニットが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述の架台ユニットには以下の問題があった。すなわち、隣り合う2本の支柱の間に被配置物が配置される場合があり、配置スペースから被配置物を取り出すに際に被配置物が支柱に干渉するという問題がある。被配置物が支柱と干渉する場合、2本の支柱間を通して被配置物を取り出すことができないので、架台上の載置物を降ろし、架台をベースから取り外した後に、被配置物を取り出す為、被配置物の取り出し作業の効率が悪い。
【0006】
架台を大型化することで、隣り合う2本の支柱の間の距離を、被配置物が通過可能な距離にする構成が考えられるが、架台を大型化することで架台ユニットが大型化する、という問題がある。
【0007】
この為、本発明は、大型化を防止しつつ、架台から被配置物を取り出す作業を効率よく行うことができる架台、及びポンプユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様に係る架台は、内側に被配置物を配置可能な配置スペースを有し、上下方向に延びる複数の支柱と、前記複数の支柱の上部に設けられ、被載置物を載置可能な載置部と、を備え、前記被配置物を隣り合う2本の前記支柱の間を通過させる際に通過方向で前記被配置物と対向する前記支柱は、前記通過方向で前記被配置物と少なくとも対向する対向部が前記被配置物から退避可能に形成され、前記対向部を含む前記支柱は、支柱本体を有し、前記支柱本体は、長手方向で複数に分割可能に形成され、前記対向部を含む部分が他部に対して着脱可能な着脱部に形成され、下方の部分が前記着脱部となり、上方の部分が前記他部となり、前記着脱部及び前記他部が固定部材によって着脱可能に固定され、前記着脱部は、前記支柱本体の一部を構成する第1支柱本体、及び、前記第1支柱本体の前記他部側の一端に設けられる第1端壁を備え、前記他部は、前記支柱本体を前記第1支柱本体とともに構成する第2支柱本体、及び、前記第2支柱本体の前記着脱部側の一端に設けられる第2端壁を備え、前記第2端壁は、前記着脱部が前記他部に固定された状態で、前記第1端壁に接触する。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、大型化を防止しつつ、架台から被配置物を取り出す作業を効率よく行うことが可能な架台、及びポンプユニットを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の一実施形態に係る消火ポンプユニットの構成を示す正面図。
【
図3】同消火ポンプユニットに用いられる架台の構成を示す斜視図。
【
図5】同消火ポンプユニットからモータを取り外す作業の一例を示す斜視図。
【
図6】同消火ポンプユニットから同モータを取り外す作業の一例を示す斜視図。
【
図7】他の実施形態に係る架台の要部の構成を示す斜視図。
【
図8】他の実施形態に係る架台の要部の構成を示す斜視図。
【
図9】他の実施形態に係る架台の要部を分解して示す斜視図。
【
図10】他の実施形態に係る架台の構成を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の一実施形態に係る架台ユニット1を、
図1乃至
図6を用いて説明する。
図1は、架台ユニット1の構成を示す正面図である。
図2は、架台ユニット1の構成を示す側面図である。
図3は、架台ユニット1に用いられる架台4の構成を示す斜視図である。
図4は、架台4の要部を拡大して示す斜視図である。
図5は、架台ユニット1からモータ32を取り外す作業の一例を示す斜視図である。
図6は、架台ユニット1からモータ32を取り外す作業の一例を示す斜視図である。
【0012】
図1及び
図2に示すように、架台ユニット1は、内側に配置スペース15を有する複数の支柱16、及び複数の支柱16の上部に設けられる載置部13を備える架台4と、配置スペース15に配置される被配置物32と、載置部13に載置される被載置物9と、を備える。
【0013】
本実施形態において、架台ユニット1は、被配置物32の一例であるモータ、及び被載置物9の一例である呼水槽を有する消火ポンプユニットを一例として説明する。以下、架台ユニット1を消火ポンプユニット1とし、被配置物32をモータ32とし、被載置物9を呼水槽9として説明する。
【0014】
図1乃至
図3に示すように、消火ポンプユニット1は、ベース2と、第1固定部材3と、架台4と、ポンプ装置5と、配管6と、性能試験装置7と、制御盤8と、呼水槽9と、を備える。消火ポンプユニット1は、二次側にスプリンクラーや消火栓等の放水手段が設けられる。
【0015】
ベース2は、消火ポンプユニット1を設置する設置場所に固定される。ベース2は、例えば、一方向に長い矩形枠状に形成される。この一方向は、例えば、ポンプ装置5の後述するポンプ31及びモータ32の並ぶ方向であり、モータ32の主軸の軸方向である。
【0016】
ベース2は、
図3に示すように、複数個所、例えば4カ所に、孔11を有する。孔11は、ベース2の上面の支柱16が配置される箇所に形成される。例えば、孔11は、ベース2の長手方向で一端部の、幅方向の両端部に1つずつ形成される。また、孔11は、長手方向で他端側の、幅方向で両端部に1つずつ形成される。
【0017】
第1固定部材3は例えばボルトであり、架台4をベース2に固定する。
【0018】
図1乃至
図3に示すように、架台4は、載置部13と、複数の支柱16と、第2固定部材14と、を備える。
載置部13は、例えば、枠状に形成される。載置部13は、呼水槽9を載置可能に形成される。載置部13の上面は、呼水槽9が載置可能な載置面である。
【0019】
複数の支柱16は、上下方向に延びる形状に形成される。複数の支柱16の上部、例えば上端部に載置部13が設けられる。複数の支柱16の内側は、モータ32を配置可能な配置スペース15である。複数の支柱16は、例えば4本の支柱16である。
【0020】
4本の支柱16は、配置スペース15の周方向に離間して配置される。本実施形態では、4本の支柱16は、例えば矩形の角に配置される。2本の支柱16は、ベース2の長手方向で一端部の幅方向で両端部に固定される。残り2本の支柱16は、ベース2の長手方向で他端部側の幅方向で両端部に固定される。隣接する2本の支柱の間は、隙間を有する
支柱16は、
図3に示すように、例えば、基部17と、支柱本体18と、を備える。基部17は、ベース2の上面に載置され、第1固定部材3によって、ベース2に固定される。基部17は、例えば、ボルト3が挿通可能な孔17aを有する平板状に形成される。
【0021】
支柱本体18は、例えば、上下方向に延びる形状に形成される。支柱本体18は、配置スペース15にモータ32を横置きの姿勢で配置可能な高さを有する。支柱本体18は、例えば、第1縦壁20a及び第2縦壁20bを有し、外方に面する表面、及び内方に面する表面の双方が、交差する2つの平面を有する。ここで、外方とは、配置スペース15に対して外方であり、内方とは、配置スペース15側の方である。支柱本体18は、例えば、長手方向に直交する断面がL字形状のアングル材で形成される。
【0022】
複数の支柱16のうち、モータ32を隣り合う2本の支柱16の間を通して取り出す際に、取り出し方向でモータ32と対向する支柱16は、少なくとも、モータ32と対向する部分が、モータ32に対して退避可能に構成される。
【0023】
本実施形態では、退避の一例として、少なくとも、モータ32と取り出し方向で対向する対向部は、架台4の他部に対して分離することで、モータ32から退避できる。
【0024】
本実施形態では、例えばベース2の長手方向で一端部に配置された2本の支柱16の間を通してモータ32が配置スペース15に対して出し入れされる。そして、これら2本の支柱16の一方が、モータ32と通過方向で対向する。
【0025】
モータ32と通過方向で対向する支柱16を、着脱支柱16Aと称する。複数の支柱16のうち、着脱支柱16A以外の支柱16は、着脱支柱16Aの全部または一部が架台4から分離された状態であっても、モータ32を取り出す作業時の呼水槽9を安定して支持可能に形成される。モータ32を取り出す作業時の呼水槽9は、本実施形態では、貯水していない状態である。
【0026】
着脱支柱16Aは、全部、または、その一部が、架台4から分離可能に構成される。本実施形態の例では、
図3に示すように、着脱支柱16Aは、複数に分割可能に形成される。そして、複数に分割されたもののうち、対向部を含むものが、着脱支柱16Aの他部に着脱可能に形成される。ここで、複数に分割された着脱支柱16Aのうち、対向部を含むものを、着脱部22とする。着脱部22は1つまたは複数であってもよい。本実施形態において、着脱支柱16Aは長手方向で2分され、下方の部分が着脱部22となり、上方の部分が他部23となる。
【0027】
着脱部22は、支柱本体18の一部を構成する第1支柱本体18aと、第1支柱本体18aの他部23側の一端に設けられる第1端壁24と、を備える。第1端壁24は、支柱16の長手方向に交差する例えば直交する板状に形成される。第1端壁24は、例えば、第1縦壁20a及び第2縦壁20bが縁部に配置される矩形状に形成される。
図4に示すように、第1端壁24には、支柱16の長手方向に貫通する、孔24aが形成される。第1端壁24の上面となる他部23側の表面は、支柱16の長手方向に直交する平面に形成される。また、この表面は、着脱部22が他部23に固定された状態で、上下方向に直交する平面となる。
【0028】
他部23は、支柱本体18の他部を構成する第2支柱本体18bと、第2支柱本体18bの着脱部22側の一端に設けられる第2端壁25と、を備える。第2端壁25は、例えば、第1端壁24と同様の矩形の板状に形成される。第2端壁25には、支柱16の長手方向に貫通する25aが形成される。第2端壁25の下面は、支柱16の長手方向に直交する平面に形成される。また、第2端壁25の下面は、上下方向に直交する平面となる。第2端壁25の下面は、着脱部22が他部23に固定された状態で、第1端壁24の上面に面接触する。
【0029】
第2固定部材14は、着脱部22を他部23に着脱可能に固定する。第2固定部材14は、
図4に示すように、例えば、ボルト26と、ナット27と、を備える。ボルト26は、支柱16の長手方向に沿う姿勢で、着脱部22及び他部23を固定する。具体的には、ボルト26は、支柱16の長手方向に沿う姿勢で第1端壁24の孔24a及び第2端壁25の孔25aに挿通され、ナット27に螺合することで、着脱部22を他部23に固定する。
【0030】
ポンプ装置5は、
図1乃至
図3に示すように、ベース2に載置され、ベース2に固定される。ポンプ装置5は、ポンプ31と、モータ32と、を備える。ポンプ31は、例えば、ベース2の架台4より他端側に配置される。
【0031】
モータ32の一部である端子台34は、ケーブル35が接続される。ケーブル35は、制御盤8に接続される。モータ32の一部である例えば端子台34は、ベース2の長手方向で、着脱支柱16A及び他の支柱16の間に配置される。端子台34は、モータ32を配置スペース15に対して出し入れする際に、出し入れ方向で着脱支柱16Aと対向する。
【0032】
配管6は、ポンプ31及び呼水槽9を接続する流路、及びポンプ31の二次側の流路を構成する。また、配管6の、呼水槽9及びポンプ31を接続する流路は、オリフィスを有し、ポンプ31の温度上昇を抑える為に、ポンプ31で増圧された水の一部を絞り、呼水槽9に逃がすことが可能に形成される。
【0033】
性能試験装置7は、配管6に設けられる。性能試験装置7は、例えば、配管6に接続された流量計付き配管である。
【0034】
制御盤8は、架台4の側方に配置される。制御盤8は、例えば、架台4に固定される。
【0035】
次に、モータ32を架台4の配置スペース15から取り出す作業の一例を、
図4乃至
図6を用いて説明する。なお、モータ32の取り出す前に、モータ32を取り出し可能な状態とする作業が完了している。ここで、取り出し可能な状態は、例えば、モータ32及びポンプ31の接続が解除され、モータ32及び制御盤8の接続が解除された状態である。
【0036】
作業者は、まず、着脱支柱16Aの着脱部22を、他部23から取り外す。作業者は、第1固定部材3を取り外すことで、着脱支柱16A及びベース2の固定を解除する。作業者は、次に、
図4に示すように、第2固定部材14を取り外すことで、着脱支柱16Aの着脱部22及び他部23の固定を解除する。作業者は、架台4の外方から、第2固定部材14を取り外す作業を行う。
【0037】
作業者は、次に、
図5に示すように、着脱部22を例えば水平方向に沿って外方に移動することで、架台4から取り外す。作業者は、着脱部22を取り外すと、
図6に示すように、モータ32を、ベース2の長手方向で一端部に配置された2本の支柱16の間を通して取り出す。このようにして、モータ32の取り出し作業が完了する。
【0038】
モータ32を配置スペース15に設置する場合は、作業者は、上述のように着脱部22を他部23から取り外した後、モータ32を、ベース2の長手方向で一端部に配置された2本の支柱16の間を通して配置スペース15に移動して設置する。次に、作業者は、モータ32が配置スペース15に設置すると、着脱部22を他部23の下方に配置する。次に作業者は、第2固定部材14によって、着脱部22及び他部23を固定する。次に、作業者は、第1固定部材3によって、着脱支柱16Aをベース2に固定する。このようにして、モータ32の配置作業が完了する。
【0039】
このように構成された消火ポンプユニット1では、着脱支柱16Aの着脱部22を取り外すことで、モータ32を2本の支柱16の間を通過させることができる。この為、2本の支柱16間の間隔を広げてモータ32が通過可能な間隔とするように架台4を大型化することがない。さらに、呼水槽9を載置部13から取り外し、架台4をベース2から取り外すことなく、着脱部22を取り外すだけで、モータ32を配置スペース15から取り出すことができるので、モータ32を配置スペース15から取り出す作業の効率を向上できる。結果、モータ32を配置スペース15から取り出して行うモータ32のメンテナンス作業の効率を向上できる。同様に、モータ32の配置スペース15への設置作業の効率も向上できる。
【0040】
このように、消火ポンプユニット1によって、大型化を防止しつつ、架台4の内側に配置されたモータ32を取り出す作業を効率よく行うことができる。
【0041】
また、端壁24、25が外方に露出される。この為、着脱部22及び他部23を固定する第2固定部材14を、架台4の外方から操作することができるので、着脱部22の他部23への着脱作業を行いやすい。
【0042】
また、第1端壁24及び第2端壁25は、支柱16の長手方向に当接する。そして、第2固定部材14のボルト26は、支柱16の長手方向に沿って孔24a、25aに挿通される。この為、着脱部22を他部23に固定する際には、第1端壁24及びが第2端壁25に上下方向で当接することで支持されるので、着脱部22を他部23に固定する作業中に着脱部22の位置がずれるということが生じにくいので、第2固定部材14による着脱部22及び他部23の固定作業を行いやすい。
【0043】
このように、本実施形態によれば、大型化を防止しつつ、架台4からモータ32取り出す作業を効率よく行うことが可能な架台4、及び消火ポンプユニット1を提供することができる。
【0044】
なお、本発明は、上述の実施形態に限定されない。例えば、
図7に示すように、着脱部22及び他部23の一方に移動規制部41が設けられてもよい。移動規制部41は、支柱16の長手方向に交差する方向例えば直交する方向で、着脱部22及び他部23の他方に当接することで、他部23に対する着脱部22の移動を規制する。移動規制部41は、支柱16の長手方向に交差する少なくとも一方向で他方に当接する。
【0045】
移動規制部41は、例えば、他部23に設けられる。移動規制部41は、他部23から、支柱16の長手方向に着脱部22側に突出している。移動規制部41は、支柱16の長手方向に直交する方向で他部23に当接することで、孔24a及び孔25aが対向する位置を越えて着脱部22が移動することを規制する。
【0046】
また、移動規制部41の着脱部22に面する第1面41aは、周方向に並びかつ互いに交差する2つの平面部を有する。第1面41aは、着脱部22の第1縦壁20a及び第2縦壁20bの配置スペース15側の表面に倣う、第1平面41a1及び第2平面41a2を有する。換言すると、第1面41aに面する第2面22aは、第1面41aに倣う面に形成される。さらに換言すると、第2面22aは、周方向に並びかつ互いに交差する2つの平面部を有する。第1面41a及び第2面22aは、互いに面接触すると孔24a及び孔25aが対向するように形成される。
【0047】
このように、移動規制部41の第1面41aが周方向に並びかつ互いに交差する2つの平面部を有し、着脱部22の第2面22aが第1面41aに倣う面に形成されることで、移動規制部41は、他部23に対する着脱部22の位置合わせを行うことが可能となる。
【0048】
また、着脱部22及び他部23の一方は、回転規制部が設けられてもよい。回転規制部は、着脱部22及び他部23の他方に周方向に当接することで、他部23に対する着脱部22の回転を規制する。
【0049】
本実施形態において、移動規制部41は、回転規制部としても機能する。すなわち、移動規制部41の第1面41aの2つの平面部間の稜部42に、着脱部22の第2面22aの角部19が嵌ることで、他部23に対して着脱部22を回転すると、角部19が稜部42に当接する。結果、他部23に対する着脱部22の回転が規制される。なお、回転規制部の構成は、移動規制部41に限定されない。
【0050】
このような移動規制部41は、例えば
図7に示すように、支柱16とは別部材が着脱部22または他部23の周面に固定されることで構成される。または、移動規制部41は、例えば
図8に示すように、着脱部22または他部23の端壁24、25に一体に、または別部材を固定することで構成される。なお、
図8では、一例として、移動規制部41が、第2端壁25に一体に形成された構成を示している。
【0051】
また、上述の例では、着脱部22及び他部23は、ボルト26が支柱16の長手方向に沿う姿勢で固定される構成が一例として説明されたが、これに限定されない。他の例では、ボルト26は、支柱16の長手方向に交差する方向、例えば直交する方向に沿う姿勢で、着脱部22及び他部23を固定してもよい。
【0052】
この一例として、
図9に示すように、他部23の下端部に、支柱16の長手方向に直交する方向に貫通する孔51が形成された固定用板部材52が固定され、着脱部22の上端部に、支柱16の長手方向に直交する方向に貫通する孔53が形成され、孔51、53にボルト26を通して当該ボルト26をナット27に螺合することで、着脱部22及び他部23を固定してもよい。なお、固定用板部材52が、着脱部22の上端部に固定され、孔53が他部23の下端部に形成されてもよい。
【0053】
また、上述の例では、着脱支柱16Aの一部が着脱可能に形成される構成が一例として説明されたが、これに限定されない。他の例では、
図10に示すように、着脱支柱16Aが架台4に対して着脱可能に構成されている。
【0054】
また、上述の例では、架台4は、4本の支柱16を備える構成が一例として説明されたが、これに限定されない。架台4は、2本または3本の支柱16を備える構成であってもよく、または、5本以上の支柱16を備える構成であってもよい。
【0055】
また、上述の例では、架台4の複数の支柱16の一本が着脱支柱16Aである構成が一例として説明されたが、これに限定されない。架台4は、複数の着脱支柱16Aを備える構成であってもよい。
【0056】
また、上述の例では、架台ユニット1の一例として消火ポンプユニット1が説明されたが、これに限定されない。架台ユニット1は、消火ポンプユニット以外のポンプユニットであってもよい。例えば、架台ユニット1は、呼水槽9を備えず、載置部13に載置されるアキュムレータを備えるポンプユニットであってもよい。または、消火ポンプユニット1は、ポンプユニット以外の構成であってもよい。
【0057】
また、上述の例では、着脱部22は、着脱支柱16Aに着脱可能な例が説明されたが、これに限定されない。例えば、着脱支柱16Aが屈曲することで、着脱支柱16Aをモータ32と干渉しない位置に退避する構成であってもよい。または、着脱支柱16Aが、載置部13及びベース2に対してスライド可能に構成され、モータ32と干渉しない位置まで移動可能な構成であってもよい。このように、着脱支柱16Aまたは着脱部22が、退避可能であればよい。
【0058】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。更に、上記実施形態には種々の発明が含まれており、開示される複数の構成要件から選択された組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、課題が解決でき、効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明と同等の記載を付記する。
[1] 内側に被配置物を配置可能な配置スペースを有し、上下方向に延びる複数の支柱と、
前記複数の支柱の上部に設けられ、被載置物を載置可能な載置部と、
を備え、
前記被配置物を隣り合う2本の前記支柱の間を通過させる際に通過方向で前記被配置物と対向する前記支柱は、少なくとも対向する対向部が前記被配置物から退避可能に形成される、架台。
[2] 前記対向部を含む前記支柱は長手方向で複数に分割可能に形成され、前記対向部を含む部分が他部に対して着脱可能な着脱部に形成される、[1]に記載の架台。
[3] 前記着脱部及び前記他部の一方に設けられ、前記長手方向に交差する方向で他方に当接することで前記他部に対する前記着脱部の移動を規制する移動規制部が設けられる、
[2]に記載の架台。
[4] 前記移動規制部の前記他方に面する第1面は、周方向に並びかつ互いに交差する2つの平面部を有し、
前記他方の前記移動規制部に面する第2面は、前記第1面に倣う面に形成される、
[3]に記載の架台。
[5] 内側に配置スペースを有し、上下方向に延びる複数の支柱、及び前記複数の支柱の上部に設けられる載置部を備える架台と、
前記配置スペースに配置される被配置物と、
前記載置部に載置される被載置物と、
を備え、
前記被配置物を、隣り合う2本の前記支柱の間を通過させる際に通過方向で前記被配置物と通対向する前記支柱は、少なくとも対向する対向部が前記被配置物から退避可能に形成される、架台ユニット。
【符号の説明】
【0059】
1…架台ユニット、2…ベース、4…架台、5…ポンプ装置、9…呼水槽、13…載置部、15…配置スペース、16…支柱、16A…着脱支柱、17…基部、17a…孔、18…支柱本体、19…角部、22…着脱部、23…他部、24…第1端壁、25…第2端壁、31…ポンプ、32…モータ、33…モータ本体、34…端子台、41…移動規制部、42…稜部。