IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社ナチュラルフィールドサプライの特許一覧

<>
  • 特許-パイプシャッター用シェード 図1
  • 特許-パイプシャッター用シェード 図2
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-31
(45)【発行日】2025-02-10
(54)【発明の名称】パイプシャッター用シェード
(51)【国際特許分類】
   E06B 9/18 20060101AFI20250203BHJP
【FI】
E06B9/18
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2023208090
(22)【出願日】2023-12-08
【審査請求日】2024-07-05
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】500011263
【氏名又は名称】株式会社ナチュラルフィールドサプライ
(74)【代理人】
【識別番号】100077470
【弁理士】
【氏名又は名称】玉利 冨二郎
(72)【発明者】
【氏名】川本 浩司
【審査官】河本 明彦
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-173036(JP,A)
【文献】登録実用新案第3165748(JP,U)
【文献】実開昭57-168696(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 9/18
E06B 9/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のパイプ群を横向きにして両端を縦方向のリンクで上下に繋いだパイプ列を左右に連続して設け、リンクと共にパイプ列を上方に巻き取り自在に構成したパイプシャッターに取り付けるシェードであって、パイプの幅より若干短い幅の柔軟性、可撓性を有する長尺なシートからなり、パイプ列の上下のパイプ間の前後を交互に縫うように取り付けられシートの上端部と下端部にパイプに接続固定できる締約具を設けたことを特徴とするパイプシャッター用シェード。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ガレージ扉等に使用されるパイプシャッターにおいて、低コストで日差しよけや目隠しのためのシェードを設けられるようにしたパイプシャッター用シェードに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ガレージの扉に用いられるシャッターというと、折りたたみ可能なパネルを用いた目隠しタイプと、パイプタイプがあり、このうち、パイプを用いたパイプシャッターは、多数のパイプを横向きにして縦方向のリンクで上下方向に並べて接続したパイプ列を複数列左右に連続して設けたシャッターである。
【0003】
このパイプシャッターは、パイプ間で素通し型となり、内外部から視界を遮らないタイプのシャッターであり、利点としては通気性が良く強風により振られたりせず、パネルシャッターに比較して軽量となるので、開閉動作における機器に負担をかけないことや、コスト的に安い点があり、反対に欠点としては、日差しを遮れない、パイプの隙間より小さいものが通り抜けてガレージ内の車などを傷つけてしまうおそれがある、外からガレージ内の車種などの情報が見えてしまうという点がある。
【0004】
ところで、ガレージの新築時にはコスト面からパイプが採用されるケースが多い。しかし実際に使い始めて、車の有無で不在が確認されるといった防犯上の問題やプライベートを守りたいという意味から目隠しシャッターが良かったと感じる人が多いが、せっかく設置したパネルシャッターを取り壊して新たに設置し直すのは抵抗がある。
【0005】
そのため、パイプシャッターをそのままに、新たにパイプシャッターの前後どちらかにシート状のシャッターを別途設けてシャッターシェードとすることが考えられる。
【0006】
また、パイプシャッターのパイプ間に、簡易な構造で容易に後付施設することができる小さなパネルを嵌め込むことにより、パイプシャッターの構造を変えずに、シャッターシェードを敷設する提案もなされている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】実用新案登録第3165748号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、パイプシャッターとは別にシート状のシャッターシェードを別途設ける手段においては、ガレージを開閉する際に、パイプシャッターの開閉動作みならず、シート状のシャッターシェードの開閉動作も必要となり、手間がかかることになる。
【0009】
また、特許文献1の方式は、パイプシャッターのパイプ間に小さなパネルを嵌め込む方式であり、パイプシャッターの構造そのまま利用し、シャッターシェード用の開閉動作も必要無い。しかし、パネルの設置数だけ重量増を伴うため、パイプシャッターの動作機構に想定外の負担がかかることになり、手動での開閉動作の場合、動作が重くなったり、機械式開閉の場合、機器に負担がかかり故障原因や寿命が短くなることになり、全て機能的に適合させるためには、全てやり直す必要が有り、多額の出費を余儀なくされる。
【0010】
そこで、この発明の目的は、既存のパイプシャッターをそのまま使用し、シャッター構造に負担をかけずに目隠しやサンシェード等のシェード機能を付加することができる、パイプシャッター用シェードを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の課題を解決するため、この発明は、複数のパイプ群を横向きにして両端を縦方向のリンクで上下に繋いだパイプ列を左右に連続して設け、リンクと共にパイプ列を上方に巻き取り自在に構成したパイプシャッターに取り付けるシェードであって、パイプの幅より若干短い幅の柔軟性、可撓性を有する長尺なシートからなり、パイプ列の上下のパイプ間の前後を交互に縫うように取り付けられシートの上端部と下端部にパイプに接続固定できる締約具を設けたことを特徴とするパイプシャッター用シェードである。
【0012】
この発明におけるパイプシャッターは、通常の市販されているパイプシャッターを指し、既存のパイプシャッターに取り付けるシェードであり、使用されるシートは、パイプ列の上下のパイプ間を縫って取り付けられる柔軟性、可撓性を有し、屋外で使用できる程度の耐候性を有する布製が好ましいが、合成樹脂製等でもよい。
【0013】
シート上端部と下端部の締約具としては特に限定されないが、締約バンドやシート端部をパイプに巻き付けてフック等で固定する等適宜手段が適用できる。
【発明の効果】
【0014】
以上のように、この発明のパイプシャッター用シェードによれば、元々敷設されているパイプシャッターをそのまま利用して、パイプシャッターの開閉設備もそのまま利用して、目隠しやサンシェード等のシェード機能を付加することができる。
【0015】
また、シートを既存のパイプの上下の隙間を縫うようにして取り付け、シート上端部と下端部を締約具でパイプに固定するだけの簡単な作業で取り付けることができる。
【0016】
更に、軽量なシートが主体であり、取り付けたパイプシャッターやその開閉機構に負担を与えることが無く、パイプシャッターの寿命やメンテナンスに悪影響を与えない。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】(A)は、この発明のパイプシャッター用サンシェードを、パイプシャッターに装着した状態を示す側面図で、(B)は(A)の上端部付近の斜視図、(C)は(A)の下端部付近の斜視図である。
図2】この発明のパイプシャッター用サンシェードを、パイプシャッターに装着した状態を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、この発明の実施形態を添付図面の図1図2に基づいて説明する。
まず、この発明のシェードを装着する例として、比較的短めのパイプ材1を縦方向のリンク2により上下左右に繋いで構成したパイプ列を複数列横に繋いで構成されたパイプシャッターを用いたガレージである。
【0019】
このパイプシャッターは、通常状態では、パイプ1群の隙間が空いており、ガレージが閉まっていても外から内部の様子が見え、また風雨も吹き込むようになっており、ガレージを開放するときは、図示しない既知の適宜な機構によりリンク2群を上方向に巻き上げることで、パイプ1群と共に上方に収納してガレージを開放する。
【0020】
上記パイプシャッターに、この発明のシェードを装着する。
シェードの本体は、長尺のシート3で、屋外用シェード生地であるため、風を逃がし耐候性に優れ、しなやかで軽量なもので、シャッターボックスに巻き取られた際、パイプシャッターに負担をかけないものが好ましく、更に、紫外線カットや撥水処理などの機能を備えたものが利用でき、車の保護にも適している。
【0021】
シート3の形状は、パイプシャッターを構成するリンク2、2間のパイプ1の長さより若干短い幅を有し、長さは、複数のパイプ1の前後を交互に縫うように設けられるため、パイプシャッターの上下長さより若干長めになっている。
【0022】
シート3の上端部には、締約具として、パイプ1に巻き付けて係止するためのホック4が図2では4個設けられており、シート3の上端部を最上段のパイプ1に巻き付けてから、ホック4を係合することで、シート3の上端部がパイプ1に固定できるようになっている。
【0023】
また、シート3の下端部には、締約具として、シート3を一定幅分折りたたんで補強した部分に、周囲をハトメにより補強した貫通孔5を4つ設けて、この貫通孔5とパイプ1とに屋外用耐候性結束バンド6を通し、締め付けることで、シート3の下端部をパイプ1に固定できるようになっている。
【0024】
まず、ホック4やバンド6によるシート3の上端、下端部の固定前に、図1及び2で示すように、パイプシャッターのパイプ1群の縦列ごとに、細長く加工された生地のシート3を、パイプ1とパイプ1の間を縫って上下のパイプ1の前後を交互に通過するように上下に並んでいる複数のパイプ1の間を通しておく。
【0025】
上下に並ぶパイプ1に対し前後に交互にシート3を通し、シート3の上端部をホック4で上端のパイプ1に固定した後、シート3全体を下に引っ張ってシート3の皺を無くしてから、シート3の最下端部の貫通孔5と、最下端にあるパイプ1とに屋外用耐候性結束バンド6を通して締め付けてシート3全体を固定する。
【0026】
続けて、別体のシート3を隣のパイプ1群に対して同様の手法で取り付けていくことで、パイプシャッター全面にシート3を取り付けていく(図2参照)。この際、図示のように隣り合うシート3の色調や模様等を変えてデザイン性を与えることもできる。
【0027】
また、シート3の上端部と下端部は、必ずしもパイプシャッターにおける最上段や最下段のパイプ1に取り付ける必要は無く、目隠しやサンシェードの目的を達成する範囲で、上方にあるいずれかのパイプ1、下方にあるいずれかのパイプ1に、それぞれホック3やバンド6で固定するようにしてもよい。
【0028】
なお、バンド6は屋外用耐候性結束バンドとして屋外使用に適しているが、一本でも切れた時がすべてのバンド6の交換時期であり、これが唯一必要なメンテナンスである。その費用も極めて安価なものである。また結束バンド6以外ではステンレス製の引張コイルバネ等も利用できる。
【0029】
また、シート3の上端部もホック4ではなく、下端部と同じ貫通孔5とバンド6で固定することもできるが、上端部については、劣化したバンドがシャッターボックス内に落ちないように図示のようなホック4を用いた方式が好ましい。
【符号の説明】
【0030】
1 パイプ
2 リンク
3 シート
4 ホック
5 貫通孔
6 バンド
【要約】
【課題】既存のパイプシャッターをそのまま使用し、シャッター構造に負担をかけずに目隠しやサンシェード等のシェード機能を付加することができる、パイプシャッター用シェードを提供すること。
【解決手段】複数のパイプ1群を横向きにして両端を縦方向のリンク2で上下に繋いだパイプ列を左右に連続して設けて構成したパイプシャッターに取り付けるシェードであって、パイプ1の幅より若干短い幅でパイプ列の上下のパイプ間を縫って取り付けられる柔軟性、可撓性を有するシート3の上端部と下端部にパイプ1に接続固定できる締約具4,6を設けたパイプシャッター用シェード。
【選択図】図1
図1
図2