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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-31
(45)【発行日】2025-02-10
(54)【発明の名称】投与方法と関連施設
(51)【国際特許分類】
   B01F 35/83 20220101AFI20250203BHJP
【FI】
B01F35/83
【請求項の数】 6
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020177145
(22)【出願日】2020-10-22
(65)【公開番号】P2021130109
(43)【公開日】2021-09-09
【審査請求日】2023-09-22
(31)【優先権主張番号】1911907
(32)【優先日】2019-10-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】516299279
【氏名又は名称】エクセル インダストリー
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【氏名又は名称】胡田 尚則
(74)【代理人】
【識別番号】100128495
【弁理士】
【氏名又は名称】出野 知
(74)【代理人】
【識別番号】100146466
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 正俊
(74)【代理人】
【氏名又は名称】板谷 一弘
(72)【発明者】
【氏名】ティボー コニョン
【審査官】瀧澤 佳世
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第05629863(US,A)
【文献】特表2015-525117(JP,A)
【文献】特開2008-093568(JP,A)
【文献】特開2002-282672(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0218678(US,A1)
【文献】特開2019-107601(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01F 35/83
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
注入製品をベース製品に投与する方法であって、以下のステップ:
(a)注入製品とベース製品を混合する装置(12;112,212)の供給、
(b)混合装置(12;112,212)内の、ベース製品の連続的な流れの設定であって、連続的な流れのベース製品の量が測定される設定、
(c)所与の時間(t;tx1,tx2)の、ベース製品の連続的な流れの中への注入製品の注入、
(d)所与の時間(t;tx1,tx2)に注入された注入製品の量(Q(t∈[0;t]);Qi1(t∈[0;tx1]);Qi2(t∈[0;tx2]))の測定、
(e)注入された注入製品の測定された量(Q(t∈[0;t]);Qi1(t∈[0;tx1]);Qi2(t∈[0;tx2]))の関数としての所望のベース製品の量(Q;QB1,QB2)の計算;
を含み、
ステップ(c)、(d)および(e)は、ステップ(c)の開始から経過した測定されたベース製品の量が所望のベース製品の量(Q; QB1,QB2)に等しいときに繰り返され、
ステップ(c)の間にのみ、注入製品がベース製品に注入され、
前記混合装置(12;112,212)は、注入チャネル(24; 124,224)を通じて注入製品が供給され、前記注入チャネル(24; 124,224)は、注入バルブ(28; 128,228)を備え、前記注入バルブ(28; 128,228)は、開位置と閉位置の間で可動であり、
前記注入バルブ(28; 128,228)は、前記注入ステップ(c)の開始時に開かれ、所与の時間の後の、前記注入ステップ(c)の終了時に閉じられる、
方法。
【請求項2】
ステップ(e)において、所望のベース製品の量(Q; QB1,QB2)が、ベース製品と注入製品との間の所望の量の比(B:I; B:I,B:I)から計算される、請求項1に記載の投与方法。
【請求項3】
ベース製品の所望の量(Q; QB1,QB2)が、所望の比(B:I; B:I,B:I)と所与の時間に注入された注入製品の量(Q(t∈[0;t]);Qi1(t∈[0;tx1]);Qi2(t∈[0;tx2]))との積に等しい、請求項2に記載の投与方法。
【請求項4】
所与の時間(t;tx1,tx2)が0.01秒~10秒である、請求項1~3のいずれか1項に記載の投与方法。
【請求項5】
注入バルブ(28; 128,228)は、コンピューター(14;114)によって制御され得る、請求項1~4のいずれか1項に記載の投与方法。
【請求項6】
混合装置(12;112,212)は、ベースチャネル(32;132)によってベース製品が供給され、注入チャネルは、測定装置(26;126,226)を通過する注入製品の量のための測定装置(26; 126、226)を備え、ベースチャネル(32;132)は、測定装置(34,134)を通過するベース製品の量を測定するための測定装置(34;134)を備える、請求項1~5のいずれか1項に記載の投与方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、注入製品をベース製品に投与するための方法、特に、仕上げおよび/または保護塗料製品の製造のための方法に関する。
【0002】
本発明はさらに、関連する投与施設に関する。
【背景技術】
【0003】
現在、ベース製品の連続的な流れが生成され、前のインターバルで流れたベース製品の量に応じて、一定のインターバルで注入バルブを介してベース製品に注入製品の量が注入される。
【0004】
これにより、ベース製品と注入製品の間で所望の比率を得ることができる。
【0005】
しかし、注入される注入製品の量を制御することは困難である。
【0006】
一方では、注入製品の注入期間は、インターバルで流れるベース製品の量の関数として、ならびに注入中の注入製品の流速の関数として調整されなければならない。
【0007】
他方では、注入時間は、通常、注入バルブの操作のモードと比較してかなり短い。したがって、流れたベース製品の量および注入製品の流速に応じて、注入製品の期間の非常に細かい理論的調整が、注入バルブで正確に実行されない場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、本発明の目的は、ベース製品と注入製品との間の投与の精度を改善することを可能にする投与方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この目的のために、本発明は、前述のタイプの投与方法に関し、以下のステップ:
(a)注入製品とベース製品を混合するための装置の供給、
(b)混合装置内の、ベース製品の連続的な流れの設定であって、連続的な流れのベース製品の量が測定される設定、
(c)所与の時間の、ベース製品の連続的な流れの中への注入製品の注入、
(d)所与の時間に注入された注入製品の量の測定、
(e)注入された注入製品の測定された量に基づくベース製品の所望の量の計算、
を含み、
ステップ(c)、(d)および(e)は、ステップ(c)の開始から経過した測定されたベース製品の量が所望のベース製品の量に等しいときに繰り返され、
ステップ(c)の間にのみ、注入製品がベース製品へ注入される、
方法。
【0010】
特定の実施形態によれば、この方法は、単独で、または技術的に実現可能な任意の組み合わせで、以下の特徴のうちの1つまたは複数:
-ステップ(e)では、ベース製品の所望の量は、ベース製品と注入製品との間の所望の量の比率から計算される;
-ベース製品の所望の量は、所望の比率の製品と、所与の時間に注入される注入製品の量に等しい;
-所与の時間は、0.01秒~10秒の間である;
-混合装置には、注入チャネルを介して注入製品が供給され、注入チャネルには注入バルブが設けられ、注入バルブは開位置と閉位置の間で可動である;
-注入バルブはコンピューターで制御できる;
-注入バルブは、注入ステップ(c)の開始時に開かれ、所与の時間の後の注入ステップ(c)の終了時に閉じられる;そして
-混合装置は、ベースチャネルを介してベース製品が供給され、注入チャネルは、測定装置を通過する注入製品の量を測定するための装置が備えられ、ベースチャネルは、測定装置を通過するベース製品の量を測定するための装置が備えられる、
を含む。
【0011】
本発明は、さらに、注入製品をベース製品に投与するための設備、特に、仕上げおよび/または保護塗料製品の製造のための設備に関連し、注入製品とベース製品を混合するための少なくとも1つの装置を含み、注入入口、ベース入口、および注入製品とベース製品の混合のための装置を含み、上記の投与方法を実施することができる投与設備に関連する。
【0012】
本発明は、それぞれの注入製品およびそれぞれのベース製品を混合するための少なくとも2つの装置を含む投与設備、特に、仕上げおよび/または保護塗料製品の製造のための投与設備にも関連し、各混合装置は、注入製品の入口、ベース製品の入口、および、注入製品とベース製品の混合物のための出口を含み、少なくとも2つの混合装置のうちの第1の出口は、少なくとも2つの混合装置の第2のベース製品の入口、または、第2の注入製品の入口に流体的に接続されており、投与設備は、上記の投与方法を実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
本発明は、例としてのみ与えられ、添付の図面を参照して作成された以下の説明を読むことにより、よりよく理解されるであろう:
図1図1は、第1の実施形態による投与設備の概略図であり、
図2図2は、第1の実施形態による投与方法のフローチャートであり、図1の投与設備によって実施することができ、
図3図3は、第2の実施形態による投与設備の概略図であり、
図4図4は、第2の実施形態による投与方法のフローチャートであり、図3の投与設備によって実施することができる。
【0014】
「上流」および「下流」という用語は、これ以降では、流体の流れの通常の意味で理解される。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(第1の実施形態)
【0016】
図1には、注入製品をベース製品に注入するための本発明による投与設備10の第1の例が示されている。
【0017】
このような設備によって、塗料または塗料ベースを形成する混合物を製造することが可能となる。
【0018】
注入製品およびベース製品は流体製品である。
【0019】
注入製品およびベース製品は、それぞれ20~5000センチポアズの粘度を有する。
【0020】
投与設備10は、注入製品およびベース製品を混合するための、少なくとも1つの、ここでは1つの、装置12を含む。
【0021】
投与設備10は、さらにコンピュータ14を含む。
【0022】
混合装置12は、注入製品が供給される注入入口15を含む。
【0023】
混合装置12は、注入入口15から延びる注入ライン16を含む。
【0024】
混合装置は、ベース製品が供給されるベース入口17を含む。
【0025】
混合装置12は、ベース入口17から延びるベースライン18を含む。
【0026】
混合装置12は、混合装置12からの注入製品とベース製品の混合物の出口を与えるために提供される出口19をさらに含む。
【0027】
混合装置12は、出口ライン20をさらに含む。
【0028】
注入ライン16およびベースライン18は、それぞれの混合装置の入口15、17から、注入ライン16およびベースライン18の一致する混合端22まで、それぞれ延びる。
【0029】
出口ライン20は、混合端22から混合装置12の出口19まで延びる。
【0030】
注入ライン16とベースライン18は、混合端22で交わる。
【0031】
注入ライン16からの注入製品とベースライン18からのベース製品は、混合端22で合流して出口20に入る。
【0032】
注入入口15には、注入チャネル24を通じて注入製品が供給される。
【0033】
注入チャネル24は、その測定装置を通過する注入製品の量Q、より具体的には体積の量を測定するための装置26を備える。
【0034】
測定装置26による測定は、連続的または定期的に、例えば、20kHzの周波数未満の一定のインターバルで実行される。
【0035】
測定装置26は、ここでは、バルブ28から100センチメートル未満の距離で配置される。
【0036】
注入チャネル24の測定装置26は、測定された量をコンピュータ14に送信することができる。
【0037】
注入チャネル24は、測定装置26と注入入口15との間、すなわち測定装置26の下流に注入バルブ28をさらに備える。
【0038】
注入バルブ28は、注入製品がバルブを通って流れる開位置と、注入製品がバルブを通って流れない閉位置との間で可動である。
【0039】
注入バルブ28、より具体的には、開位置と閉位置との間の注入バルブ28の動きは、コンピュータ14によって制御され得る。
【0040】
注入チャネル24は、ここでは、測定装置26の上流にグローバル注入バルブ30をも備える。
【0041】
グローバル注入バルブ30は、注入製品がバルブを通って流れる開位置と、注入製品がバルブを通って流れない閉位置との間で可動である。
【0042】
グローバル注入バルブ30は、注入チャネル24への注入製品の入口を制御する。
【0043】
グローバル注入バルブ30、より具体的には、開位置と閉位置との間のグローバル注入バルブ30の動きは、コンピュータ14によって制御され得る。
【0044】
ベース入口17には、ベースチャネル32を通じてベース製品が供給される。
【0045】
ベースチャネル32は、その測定装置を通過するベース製品の量Q、より具体的には体積の量を測定するための装置34を備える。
【0046】
測定装置34による測定は、連続的または定期的に、例えば、20kHzの周波数より低い一定のインターバルで実行される。
【0047】
測定装置34は、測定された量をコンピュータ14に送信することができる。
【0048】
ここで、ベースチャネル32には、測定装置34とベース入口17との間、すなわち測定装置34の下流にバルブがない。
【0049】
ベースチャネル32は、ここでは、測定装置34の上流にグローバルベースバルブ36をも備える。
【0050】
グローバルベースバルブ36は、ベース製品がバルブを通って流れる開位置と、ベース製品がバルブを通って流れない閉位置との間で可動である。
【0051】
グローバルベースバルブ36、より具体的には、開位置と閉位置との間のグローバルベースバルブ36の動きは、コンピュータ14によって制御され得る。
【0052】
グローバルベースバルブ36は、ベースチャネル32へのベース製品の入口を制御する。
【0053】
次に、第1の実施形態による、注入製品をベース製品に投与する方法、特に、仕上げおよび/または保護塗料製品の製造のための方法を、図2を参照して説明する。
【0054】
この第1の実施形態による投与方法は、上記の投与設備によって実施されるのに適している。
【0055】
注入製品とベース製品を混合するための装置12、より具体的には、上記のような投与設備10が提供される。
【0056】
投与方法は、ここではコンピュータ14を介して実施される。
【0057】
コンピュータ14は、時計tを含む。
【0058】
グローバル注入バルブ30およびグローバルベースバルブ36は、それぞれの開位置にある。
【0059】
注入バルブ28は、最初は閉位置にある。
【0060】
ベース製品の連続的な流れが、より具体的には、ベースチャネル32を介した混合装置12のベースライン18に設定される。
【0061】
ベース製品の連続的な流れは、流速2ml/分~10l/分である。
【0062】
連続的な流れのベース製品の量は、ベースチャネル32の測定装置34を介して測定される。
【0063】
測定装置34による測定は、連続的または定期的に、例えば、20kHzの周波数より低い一定のインターバルで実行される。
【0064】
注入ステップの開始時に、注入バルブ28は、より具体的にはコンピュータ14を介して、開位置に動かされる。
【0065】
いくらかの注入製品は、注入ステップの間に、ベース製品の連続的な流れの中へ、より具体的には混合端22において、注入される。
【0066】
注入バルブ28は、所与の時間tの後に閉位置に動かされる。
【0067】
いくらかの注入製品は、ここでは注入ステップに対応する、所与の時間tの間、ベース製品の連続的な流れの中へ注入される。
【0068】
所与の時間tは、0.01秒~10秒である。
【0069】
より具体的には、注入バルブ28が開位置に動かされると、コンピュータ14は時計tをゼロに設定する。
【0070】
時計tが所与の時間tの値に達すると、注入バルブ28が閉位置に動かされる。したがって、ベース製品の連続的な流れのみが流れる。
【0071】
あるいは、時計tは、注入ステップの開始時に設定されず、コンピュータ14は、注入ステップの開始以降の変動tによる時計tの増加を検出する。
【0072】
注入チャネル24の測定装置26は、注入ステップ中に、すなわち、所与の時間tの間に測定装置26を通過した注入製品の量の測定値:Q(t∈[0;t])を提供する。
【0073】
注入ステップ中に測定装置26を通過した注入製品の量は、ベース製品の連続的な流れの中へ同時に注入された注入製品の量に等しいと考えられる。
【0074】
特に、注入製品は、通常の使用条件下では圧縮性ではない。加えて、測定装置26と混合端との間に注入製品の漏洩はない。
【0075】
測定値は、ベース製品の連続的な流れの中へ注入された注入製品の量を提供する。
【0076】
ベース製品の所望の量は、所与の時間の間に注入される注入製品の量Q(t∈[0;t])に基づいて計算される。
【0077】
より具体的には、ベース製品と注入製品との間の所望の量比、より具体的には、注入製品に対するベース製品は、事前に決定またはプログラムされる。
【0078】
例えば、注入製品に対するベース製品の所望の量の比B:Iは、2以上である。
【0079】
その場合、ベース製品の所望の量Qは、所望の比B:Iと所与の時間の間に注入された注入製品の量Q(t∈[0;t])との積に等しい。
【0080】
そこで、次のように記述する。
[数学1]
=B:I×Q(t∈[0;t])
【0081】
注入ステップの開始から測定装置34によって測定されたベース製品の量がQに等しいとき、投与方法は、注入ステップの開始時に再び開始される。
【0082】
測定装置34によって測定されたベース製品の量は、連続的な流れにおいて流れたベース製品の量に対応すると考えられる。
【0083】
特に、ベース製品は、通常の使用条件下では圧縮性ではない。さらに、測定装置34と混合端との間にベース製品の漏洩はない。
【0084】
一実施形態では、測定装置34を流れるベース製品の量の測定は、一定のインターバルで実行される。その結果、注入ステップの開始から測定装置34によって測定されたベース製品の量は、後者が実際にQに等しい場合、または最初の測定された量がQより大きい、つまり、値Qを超過している場合、Qに等しいと考えられる。
【0085】
したがって、投与方法は、以下のステップの反復を含む:
-所与の時間tの間、ベース製品の連続的な流れの中へ注入製品を注入すること、
-所与の時間tの間に注入された注入製品の量を測定すること、
-注入された注入製品の量に応じて所望されるベース製品の量を計算すること、および
-反復の開始以降に流れたベース製品の量が所望のベース製品の量と等しくなるまで連続的な流れのみを流すこと。
【0086】
注入ステップの各反復の開始時に、注入バルブ28は、所与の時間tの間、開位置に動かされる。示される実施形態においては、コンピュータ14の時計は、各反復で再びリセットされる。
【0087】
所与の時間tは、すべての反復で同一である。
【0088】
注入製品は、注入ステップの間にのみベース製品の中へ注入される。
【0089】
ユーザーがベース製品と注入製品を混合することを望む限り、このステップは連続して繰り返される。
【0090】
したがって、各反復において、注入製品の量Q(t∈[0;t])が、連続的な流れにおいて流れたベース製品の量Qに注入される。
【0091】
したがって、反復ごとに、ベース製品と注入製品との間で、所望の比B:Iに等しい量の比が得られる。
【0092】
さらに、この方法では、注入ステップの期間が固定されており、バルブを開く期間の各反復において調整する必要がないため、正確な投与が可能である。
(第2の実施形態)
【0093】
次に、本発明による投与設備の第2の実施形態を、図3を参照して説明する。
【0094】
投与設備110は、ここでは、それぞれの注入製品およびそれぞれのベース製品を混合する装置を少なくとも2つ、より具体的にはここでは2つの混合装置112、212を含む。
【0095】
投与設備110は、コンピュータ114をさらに含む。
【0096】
各混合装置112、212は、注入製品入口115、215、ベース製品入口117、217、および注入製品とベース製品の混合物のための出口119、219を含む。
【0097】
混合装置112、212のそれぞれは、第1の実施形態に関して説明した混合装置と同一である。
【0098】
第1の混合装置112は、第1の実施形態に関して説明されたものと同様の注入製品のチャネル124およびベース製品のチャネル132を介して供給される。
【0099】
より具体的には、注入チャネル124は、それを通過する注入製品の量を測定するための装置126を備え、測定装置126の下流に注入バルブ128を備え、この例では、測定装置126の上流にグローバル注入バルブ130を備えている。
【0100】
ベースチャネル132は、それを通過するベース製品の量を測定するための装置134をさらに備え、この例では、測定装置134の上流にグローバルベースバルブ136を備えている。
【0101】
ここで、第1の混合装置112の出口119は、第2の混合装置212のベース製品入口217に流体的に接続されている。
【0102】
より具体的には、中間チャネル232は、第1の混合装置112の出口119と、第2の混合装置212のベース製品入口217とを接続する。
【0103】
第2の混合装置212の注入製品入口215は、第2の注入チャネル224によって供給される。
【0104】
第2の注入チャネル224は、ここでは、設備の第1の実施形態に関して説明されたものと同様である。
【0105】
より具体的には、第2の注入チャネル224は、それを通過する注入製品の量を測定するための装置226を備え、測定装置226の下流に注入バルブ228を備え、この例では、測定装置226の上流にグローバル注入バルブ230を備えている。
【0106】
投与設備のすべてのバルブ128、130、136、228、230、より具体的には、開位置と閉位置との間のそれらのそれぞれの変位は、ここでは、コンピュータ114によって制御可能である。
【0107】
すべての測定装置126、134、226は、それぞれの測定された量をコンピュータ114に送信することができる。
【0108】
次に、第2の実施形態による投与方法を、図4を参照して説明する。
【0109】
この第2の実施形態による投与方法は、第2の実施形態に係る上記の投与設備によって実施されるのに適している。
【0110】
第2の実施形態に関して説明した投与設備110が提供される。
【0111】
投与設備110には、ここでは、ベース製品、第1の注入製品、および第2の注入製品が供給される。
【0112】
より具体的には、第1の混合装置112は、そのベース製品入口117にベース製品が供給され、その注入製品入口115に第1の注入製品が供給される。第2の装置212は、その注入製品入口215において第2の注入製品が供給される。
【0113】
ここでは、投与方法は、コンピュータ114を介して実施される。
【0114】
ここで、コンピュータ114は、2つの時計t、tを含む。
【0115】
グローバルバルブ130、136、230は、それぞれの開位置にある。
【0116】
注入バルブ128、228は、例えば、最初は閉位置にある。
【0117】
ベース製品への第1の注入製品の注入の投与は、第1の混合装置112において実行される。
【0118】
以下、第1の注入製品のベース製品への投与を第1の投与と呼ぶ。
【0119】
第1の投与は、第1の実施形態に関して記載された投与方法に従って実施される。
【0120】
第1の投与は、コンピュータ114によって、より具体的には、2つの時計のうちの第1のtを使用することによって、実施される。
【0121】
ベース製品に第1の注入製品を注入することが反復される各ステップは、第1の所与の時間tx1の間に実行される。
【0122】
したがって、第1の注入製品とベース製品からなる中間製品混合物は、出口119を通って第1の混合装置112を離れる。
【0123】
中間製品混合物は、中間製品チャネル232を介して第2の混合装置212のベース入口217を提供する。
【0124】
並行して、中間製品混合物への第2の注入製品の注入投与が、第2の混合装置212において実行される。
【0125】
中間製品混合物における第2の注入製品の投与は、以下、第2の投与と呼ばれる。
【0126】
中間製品混合物の連続的な流れが、より具体的には、第2の混合装置212のベースライン218において設定される。
【0127】
第2の投与は、中間チャネル232を第2の混合装置212のベースチャネルと見なして、第1の実施形態に関して記載された投与方法に従って実施される。
【0128】
第2の投与は、コンピュータ114によって、より具体的には、2つの時計のうちの第2のtを使用することによって、実施される。
【0129】
ベース製品に第2の注入からの製品を注入することが反復される各ステップは、所与の第2の時間tx2の間に実行される。
【0130】
第2の所与の時間tx2は、たとえば、第1の所与の時間tx1に等しい。あるいは、第2の所与の時間tx2は、第1の所与の時間tx1と異なってもよい。
【0131】
計算ステップの間に、所与の時間Qi2(t∈[0;tx2])の間に注入された第1の注入製品の量に基づいて、所望のベース量が計算される。
【0132】
より具体的には、ベース製品と第2の注入製品との間の所望の量比、より具体的には、第2の注入製品に対するベース製品は、事前に決定またはプログラムされる。
【0133】
例えば、注入製品に対するベース製品の所望の量の比B:Iは、2以上である。
【0134】
その場合、ベース製品の所望の量QB2は、所望の比B:Iと、所与の時間の間に注入された第2の注入製品の量Qi2(t∈[0;tx2])との積に等しい。
【0135】
そこで、次のように記述する。
[数学2]
B2=B:I×Qi2(t∈[0;tx2])
【0136】
第2の注入ステップの開始から測定装置134によって測定されたベース製品の量がQB2に等しいとき、第2の投与方法は、第2の注入ステップの開始時に再び開始される。
【0137】
ユーザーがベース製品、第1の注入製品、および第2の注入製品の所与の混合物を望む限り、これらのステップが繰り返される。
【0138】
代替的に、中間製品混合物と第2の注入製品との間の所望の量比が知られている。次に、計算ステップの間に、中間生成物混合物の所望の量が計算される。それから、第2の注入ステップの開始からの、測定装置134によって測定されたベース製品の量と、測定装置126によって測定された第1の製品の量との合計が、計算された値と等しいとき、第2の投与方法が、第2の注入ステップの開始時に再び始まる。
【0139】
第1の注乳製品の投与は、第1の混合装置112内で行われ、第2の注入製品の投与は、第2の混合装置212内で行われる。
【0140】
第1の製品を注入するステップの各反復において、第1の注入製品の量Qi1(t∈[0; tx1])が、ベース製品の連続的な流れを通じて流れたベース製品の量QB1で注入される。
【0141】
第2の製品を注入するステップの各反復において、第2の注入製品の量Qi2(t∈[0;tx2])が、中間混合物の連続的な流れを通じて流れたベース製品の量QB2で注入される。
【0142】
示されていない代替の実施形態では、第1の混合装置112の出口119は、チャネルによって第2の混合装置112の注入入口215に流体的に接続される。そのとき、前記チャネルは注入バルブを有する。そして、ベース入口217が、第1のベースチャネル124と同様の第2のベースチャネルによって提供される。そのとき、第2のベース製品への中間製品の注入の投与は、中間製品混合物を注入製品と見なすことにより、第1の実施形態において以前に記載されたものと同様である。
【0143】
第2の実施形態の反対に示される例では、2つの混合装置が示される。しかしながら、これは、明らかに2つより多い数の混合装置を含む設備の形で、および関連する方法に一般化され得ることが理解される。
【0144】
混合装置は、例えば、流れの方向に次々に直列に配置される。各混合装置の出口は、流れの方向に従って最後のものを除いて、流れの方向に従ってその次の混合装置の入口の1つに接続されている。
【0145】
投与設備は、連続する注入の投与を独立して考慮して、上記のような投与方法を実施することができる。
【0146】
そのような投与設備は、例えば、単一のコンピュータによって制御される。
【0147】
投与方法の注入ステップの各反復について、ベース製品とそれぞれの注入製品との間で、所望の比率に等しい量の比率が得られる。
【0148】
したがって、各注入製品は、ベース製品に所望されるように計量される。
【0149】
さらに、この方法では、注入ステップの期間が固定されており、バルブを開く期間の各反復において調整する必要がないため、正確な投与が可能である。
本発明は、以下の態様を含んでいる。
(1)注入製品をベース製品に投与する方法であって、以下のステップ:
(a)注入製品とベース製品を混合する装置(12;112,212)の供給、
(b)混合装置(12;112,212)内の、ベース製品の連続的な流れの設定であって、連続的な流れのベース製品の量が測定される設定、
(c)所与の時間(t ;t x1 ,t x2 )の、ベース製品の連続的な流れの中への注入製品の注入、
(d)所与の時間(t ;t x1 ,t x2 )に注入された注入製品の量(Q (t∈[0;t ]);Q i1 (t ∈[0;t x1 ]);Q i2 (t ∈[0;t x2 ]))の測定、
(e)注入された注入製品の測定された量(Q (t∈[0;t ]);Q i1 (t ∈[0;t x1 ]);Q i2 (t ∈[0;t x2 ]))の関数としての所望のベース製品の量(Q ;Q B1 ,Q B2 )の計算;
を含み、
ステップ(c)、(d)および(e)は、ステップ(c)の開始から経過した測定されたベース製品の量が所望のベース製品の量(Q ; Q B1 ,Q B2 )に等しいときに繰り返され、
ステップ(c)の間にのみ、注入製品がベース製品に注入される、
方法。
(2)ステップ(e)において、所望のベース製品の量(Q ; Q B1 ,Q B2 )が、ベース製品と注入製品との間の所望の量の比(B:I; B:I ,B:I )から計算される、(1)に記載の投与方法。
(3)ベース製品の所望の量(Q ; Q B1 ,Q B2 )が、所望の比(B:I; B:I ,B:I )と所与の時間に注入された注入製品の量(Q (t∈[0;t ]);Q i1 (t ∈[0;t x1 ]);Q i2 (t ∈[0;t x2 ]))との積に等しい、(2)に記載の投与方法。
(4)所与の時間(t ;t x1 ,t x2 )が0.01秒~10秒である、(1)~(3)のいずれか1項に記載の投与方法。
(5)混合装置(12; 112,、212)は、注入チャネル(24; 124,224)を通じて注入製品が供給され、注入チャネル(24; 124,224)は、注入バルブ(28; 128,228)を備え、注入バルブ(28; 128,228)は、開位置と閉位置の間で可動である、(1)~(4)のいずれか1項に記載の投与方法。
(6)注入バルブ(28; 128,228)は、コンピューター(14;114)によって制御され得る、(5)に記載の投与方法。
(7)注入バルブ(28; 128,228)は、注入ステップ(c)の開始時に開かれ、所与の時間の後の、注入ステップ(c)の終了時に閉じられる、(5)または(6)に記載の投与方法。
(8)混合装置(12;112,212)は、ベースチャネル(24;124)によってベース製品が供給され、注入チャネルは、測定装置(26;126,226)を通過する注入製品の量のための測定装置(26; 126、226)を備え、ベースチャネル(24;124)は、測定装置(34,134)を通過するベース製品の量を測定するための測定装置(34;134)を備える、(5)~(7)のいずれか1項に記載の投与方法。
(9)注入製品をベース製品の中へ投与する設備(10;110)であって、注入製品とベース製品との少なくとも1つの混合装置(12;112,212)であって、注入入口(15;115,215)、ベース入口(17;117,217)および注入製品とベース製品との混合物の出口(19;119,219)を含む混合装置を含む、(1)~(8)のいずれか1項に記載の投与方法を実施することができる投与設備(10;110)。
(10)それぞれの注入製品およびそれぞれのベース製品を混合する、少なくとも2つの混合装置(112,212)を含む投与設備(110)であって、各混合装置(112,212)は、注入製品入口(115,215)、ベース製品入口(117,217)および注入製品とベース製品の混合物のための出口(119,219)を含み、少なくとも2つの混合装置のうちの第1の装置(112)の出口(119)は、少なくとも2つの混合装置のうちの第2の装置(212)のベース製品の入口(217)または注入製品の入口に流体的に接続されている、(1)~(8)のいずれか1項に記載の投与方法を実施することができる投与設備(110)。
図1
図2
図3
図4