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特許7628415ID連携システム、ID連携方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-31
(45)【発行日】2025-02-10
(54)【発明の名称】ID連携システム、ID連携方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 21/258 20110101AFI20250203BHJP
   G06F 16/735 20190101ALI20250203BHJP
   G06Q 30/0251 20230101ALI20250203BHJP
   H04L 67/02 20220101ALI20250203BHJP
【FI】
H04N21/258
G06F16/735
G06Q30/0251
H04L67/02
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020184693
(22)【出願日】2020-11-04
(65)【公開番号】P2022074563
(43)【公開日】2022-05-18
【審査請求日】2023-08-21
(73)【特許権者】
【識別番号】320005501
【氏名又は名称】株式会社電通
(74)【代理人】
【識別番号】110004185
【氏名又は名称】インフォート弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100121083
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 宏義
(74)【代理人】
【識別番号】100138391
【弁理士】
【氏名又は名称】天田 昌行
(74)【代理人】
【識別番号】100174528
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 晋朗
(74)【代理人】
【識別番号】100213643
【弁理士】
【氏名又は名称】新開 健一
(72)【発明者】
【氏名】朴 泰輝
【審査官】鈴木 順三
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-064620(JP,A)
【文献】国際公開第2017/183703(WO,A1)
【文献】特許第6569021(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 21/00 - 21/858
G06F 16/00 - 16/958
G06Q 30/00 - 30/08
H04L 67/00 - 67/75
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
テレビ(Television(TV))を識別するためのTV機器識別子(Identifier(ID))及びInternet Protocol(IP)アドレスを含む視聴ログのセットと、デバイスを識別するためのデバイスID及びIPアドレスを含むアクセスログのセットと、前記デバイスID及びユーザを識別するためのユーザIDとを含む属性調査結果のセットと、を取得する取得部と、
あるIPアドレスに対応するデバイスIDを前記アクセスログのセットから抽出し、当該IPアドレスに対応するTV機器IDを前記視聴ログのセットから抽出し、抽出された各デバイスID及び抽出されたTV機器IDの関連付けを、第1のテーブルに記憶する制御を行う制御部と、を有し、
前記制御部は、前記属性調査結果のセットから抽出される、あるデバイスIDに対応するユーザIDと、前記第1のテーブルから抽出される、当該デバイスIDに対応するTV機器IDと、の関連付けを、第2のテーブルに記憶する制御を行い、
前記制御部は、前記アクセスログのセットから抽出される、あるIPアドレスに対応するデバイスIDの数が第1の閾値未満である場合に、当該IPアドレスに対応するTV機器IDを前記視聴ログのセットから抽出し、抽出された各デバイスID及び抽出されたTV機器IDの関連付けを、前記第1のテーブルに記憶する制御を行い、
前記第1の閾値は、前記アクセスログのセットから抽出される、あるIPアドレスに対応するデバイスIDの種類に応じて異なるID連携システム。
【請求項2】
前記制御部は、前記第2のテーブルに、あるユーザIDに対応するTV機器IDの数が第2の閾値以上含まれる場合には、当該ユーザIDに関する関連付けを全て、前記第2のテーブルから削除する制御を行う請求項1に記載のID連携システム。
【請求項3】
前記制御部は、前記第2のテーブルの関連付けに基づいて、前記TV機器IDに対応する前記視聴ログと、前記ユーザIDに対応するユーザ属性と、を関連付ける制御を行う請求項1又は請求項2に記載のID連携システム。
【請求項4】
前記制御部は、前記視聴ログ及び前記ユーザ属性の関連付けに基づいて、放送枠ごとの視聴者の属性を抽出する請求項に記載のID連携システム。
【請求項5】
テレビ(Television(TV))を識別するためのTV機器識別子(Identifier(ID))及びInternet Protocol(IP)アドレスを含む視聴ログのセットと、デバイスを識別するためのデバイスID及びIPアドレスを含むアクセスログのセットと、前記デバイスID及びユーザを識別するためのユーザIDとを含む属性調査結果のセットと、を取得するステップと、
あるIPアドレスに対応するデバイスIDを前記アクセスログのセットから抽出し、当該IPアドレスに対応するTV機器IDを前記視聴ログのセットから抽出し、抽出された各デバイスID及び抽出されたTV機器IDの関連付けを、第1のテーブルに記憶する制御を行うステップと、
前記属性調査結果のセットから抽出される、あるデバイスIDに対応するユーザIDと、前記第1のテーブルから抽出される、当該デバイスIDに対応するTV機器IDと、の関連付けを、第2のテーブルに記憶する制御を行うステップと、を有し、
前記第1のテーブルに記憶する制御を行うステップにおいて、前記アクセスログのセットから抽出される、あるIPアドレスに対応するデバイスIDの数が第1の閾値未満である場合に、当該IPアドレスに対応するTV機器IDを前記視聴ログのセットから抽出し、抽出された各デバイスID及び抽出されたTV機器IDの関連付けを、前記第1のテーブルに記憶する制御を行い、
前記第1の閾値は、前記アクセスログのセットから抽出される、あるIPアドレスに対応するデバイスIDの種類に応じて異なるID連携システムのID連携方法。
【請求項6】
コンピュータに、
テレビ(Television(TV))を識別するためのTV機器識別子(Identifier(ID))及びInternet Protocol(IP)アドレスを含む視聴ログのセットと、デバイスを識別するためのデバイスID及びIPアドレスを含むアクセスログのセットと、前記デバイスID及びユーザを識別するためのユーザIDとを含む属性調査結果のセットと、を取得する手順と、
あるIPアドレスに対応するデバイスIDを前記アクセスログのセットから抽出し、当該IPアドレスに対応するTV機器IDを前記視聴ログのセットから抽出し、抽出された各デバイスID及び抽出されたTV機器IDの関連付けを、第1のテーブルに記憶する制御を行う手順と、
前記属性調査結果のセットから抽出される、あるデバイスIDに対応するユーザIDと、前記第1のテーブルから抽出される、当該デバイスIDに対応するTV機器IDと、の関連付けを、第2のテーブルに記憶する制御を行う手順と、を実行させ
前記第1のテーブルに記憶する制御を行う手順において、前記アクセスログのセットから抽出される、あるIPアドレスに対応するデバイスIDの数が第1の閾値未満である場合に、当該IPアドレスに対応するTV機器IDを前記視聴ログのセットから抽出し、抽出された各デバイスID及び抽出されたTV機器IDの関連付けを、前記第1のテーブルに記憶する制御を行わせる、
ここで、前記第1の閾値は、前記アクセスログのセットから抽出される、あるIPアドレスに対応するデバイスIDの種類に応じて異なる、ためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ID連携システム、ID連携方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、テレビ(Television(TV))で視聴される番組の視聴情報を収集して分析し、番組の視聴率を取得することが行われている。例えば、特許文献1には、テレビ装置などのモニタ装置で視聴される番組の視聴情報を収集し、視聴する視聴者を個人単位で識別して、年齢、性別などの視聴者の属性について各番組の視聴状況を分析するシステムについて開示されている。
【0003】
テレビ放送においては、広告としてコマーシャル(Commercial Message(CM))が放送される。どのCMをどの時間帯に放送するか(広告枠選択、作案などと呼ばれてもよい)の作業は、プランナー、放送局における作案管理担当者(作案デスクなどと呼ばれてもよい)などが実施する。プランナーは、多数存在する広告キャンペーン(advertising campaign)について、番組の視聴率、CM対象商品/サービスの認知度、スポンサー競合などを考慮しつつ、CMのスケジュールを決定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2003-163949号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の視聴者の属性は、「氏名」、「性別」、「職業」、「住所」、「家族構成」のみである。これらの情報だけでは、必ずしも各番組に適切なCMを割り当てることが難しい。例えば、ある番組に20代男性の視聴者が多いからといって単に20代向けのCMを流しても、各人の人となり(趣味嗜好など)が異なるため、高い広告効果が得られるとは限らない。
【0006】
このため、番組単位で、視聴者の人となりが収集できれば好ましい。しかしながら、そのような方法は、まだ検討されていない。
【0007】
そこで本開示は、番組ごとの視聴者の人となりを好適に分析できるID連携システム、ID連携方法及びプログラムを提供することを目的の1つとする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の一態様に係るID連携システムは、テレビ(Television(TV))を識別するためのTV機器識別子(Identifier(ID))及びInternet Protocol(IP)アドレスを含む視聴ログのセットと、デバイスを識別するためのデバイスID及びIPアドレスを含むアクセスログのセットと、前記デバイスID及びユーザを識別するためのユーザIDとを含む属性調査結果のセットと、を取得する取得部と、あるIPアドレスに対応するデバイスIDを前記アクセスログのセットから抽出し、当該IPアドレスに対応するTV機器IDを前記視聴ログのセットから抽出し、抽出された各デバイスID及び抽出されたTV機器IDの関連付けを、第1のテーブルに記憶する制御を行う制御部と、を有し、前記制御部は、前記属性調査結果のセットから抽出される、あるデバイスIDに対応するユーザIDと、前記第1のテーブルから抽出される、当該デバイスIDに対応するTV機器IDと、の関連付けを、第2のテーブルに記憶する制御を行い、前記制御部は、前記アクセスログのセットから抽出される、あるIPアドレスに対応するデバイスIDの数が第1の閾値未満である場合に、当該IPアドレスに対応するTV機器IDを前記視聴ログのセットから抽出し、抽出された各デバイスID及び抽出されたTV機器IDの関連付けを、前記第1のテーブルに記憶する制御を行い、前記第1の閾値は、前記アクセスログのセットから抽出される、あるIPアドレスに対応するデバイスIDの種類に応じて異なる
【発明の効果】
【0009】
本開示の一態様によれば、番組ごとの視聴者の人となりを好適に分析できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、一実施形態に係るID連携システムの概略構成の一例を示す図である。
図2図2は、一実施形態に係るID連携方法のシーケンスの一例を示す図である。
図3図3は、一実施形態に係る、デバイスID及びデバイスのユーザの属性のマッチングのためのシーケンスの一例を示す図である。
図4図4は、一実施形態に係る、TV機器ID及びデバイスのユーザの属性のマッチングのためのシーケンスの一例を示す図である。
図5図5は、一実施形態に係るテレビ10の機能構成の一例を示す図である。
図6図6は、一実施形態に係るテレビ10などのハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本開示の一態様によれば、番組の視聴者に関する詳細な情報を分析でき、番組提供者、広告提供者、放送事業者、視聴者のそれぞれにとって、有益である。例えば、番組提供者にとっては、上記情報に基づいて、視聴者の感性/嗜好に沿った、より視聴者が増加すると期待される番組作りを行うことができる。広告提供者にとっては、上記情報に基づいて、視聴者の感性/嗜好に沿った、より高い広告効果を奏するCMを提供することができる。
【0012】
以下、本開示の実施形態について添付図面を参照して詳細に説明する。以下の説明では、同一の部には同一の符号が付される。同一の部は名称、機能などが同じであるため、詳細な説明は繰り返さない。
【0013】
(ID連携システム)
図1は、本開示の一実施形態に係るID連携システムの概略構成の一例を示す図である。図1に示すID連携システム1は、テレビ10と、デバイス20と、ルータ30と、マッチングサーバ40と、視聴ログ管理サーバ50と、広告配信サーバ60と、属性管理サーバ70と、を含む。なお、本開示のサーバは、装置、デバイス、回路などで読み替えられてもよい。
【0014】
テレビ(テレビ受像機)10は、放送を受信する機能を有する装置である。なお、放送は、公衆によって直接受信されることを目的とする電気通信の送信を意味し、無線放送、インターネット放送などを含んでもよい。例えば、テレビ10は、地上波放送、放送衛星(Broadcasting Satellite(BS))/通信衛星(Communications Satellite(CS))を用いた放送、インターネット放送(インターネットテレビ)などの少なくとも1つを受信する機能を有してもよい。テレビ10は、受信した放送を表示(描画)してもよい。
【0015】
テレビ10は、ユーザの同意に基づいて、テレビ10に関する視聴ログ(テレビ視聴ログ、放送視聴ログ、視聴履歴、視聴データなどと呼ばれてもよい)を収集し、視聴ログ管理サーバ50に送信することができる。なお、本開示の「ログ」という文言は、ログデータ、データなどと互いに読み替えられてもよい。
【0016】
視聴ログは、テレビ10のIPアドレス、テレビ10の特定情報(テレビ特定情報、TV機器識別子(Identifier(ID))、TVIDなどと呼ばれてもよい)、視聴開始日時(又はテレビ10の電源オン時刻)、視聴終了日時(又はテレビ10の電源オフ時刻)、テレビ10の所在地を示す情報(例えば、郵便番号、住所)などが付されることが好ましい。
【0017】
視聴ログは、テレビ10で視聴されるコンテンツを時間情報に紐付けて記録した情報を含んでもよい。例えば、視聴ログは、視聴された番組情報(例えば、放送局を識別する放送局ID、時刻など)、視聴されたCMなどに関する情報を含んでもよい。視聴ログは、テレビ10を介した地上波放送などの視聴行動、タイムシフト再生、ブラウザ起動、ネットサービスの実行などの少なくとも1つを特定することができる情報を含んでもよい。視聴ログには、これらのイベントが発生した日時に対応するタイムスタンプが含まれてもよい。
【0018】
TV機器IDは、テレビ10のシリアル番号(製造番号)、製品型番、テレビ10において放送を再生するために必要なデバイス(例えば、B-CAS(BS Conditional Access Systems)(登録商標)カード)に関する情報、テレビ10における特定のサービスに利用する識別子(ログインIDなど)などの少なくとも1つであってもよいし、これらの値に基づいて算出した値(例えば、シリアル番号をハッシュ化した値)であってもよい。
【0019】
デバイス20は、ユーザの操作によりブラウザなどのアプリケーションを実行する装置である。デバイス20は、アプリケーションの動作に伴い、広告配信サーバ60から広告を受信してもよい。当該広告は、広告IDに基づいて、各デバイス20に対して配信される。
【0020】
ここで、広告IDは、例えば、ユーザによってオプトアウト可能な、匿名かつ一意な広告配信用の識別子(広告に関する識別子)である。広告IDは、デバイス20のブラウザに保存される小さなファイル(クッキー(Cookie))に関する固有のクッキーID(Cookie ID)であってもよい。なお、クッキーIDは、ブラウザごとにそれぞれ異なるIDであってもよい。広告IDは、クッキー情報などと呼ばれてもよい。
【0021】
また、広告IDは、デバイス20にインストールされるアプリケーションから取得される(アプリ経由で取得できる)識別子であってもよく、例えば、IDFA(Identification(Identifier) For Advertisers)、ADID(Advertising ID)、その他の広告識別子などであってもよい。なお、IDFA、ADIDなどの携帯端末で主に用いられるIDは、モバイル広告ID、モバイルIDなどと呼ばれてもよい。
【0022】
テレビ10及びデバイス20はそれぞれ、携帯電話、スマートフォン、タブレット型端末などの携帯端末(移動通信端末)であってもよいし、パソコン(Personal Computer(PC))、サーバ、テレビ(TV)、多機能テレビ、スマートTV、IP(Internet Protocol)TV、セットトップボックスなどの固定通信端末であってもよい。つまり、本明細書におけるテレビ10は、テレビ以外の装置(例えば、通信デバイス)で読み替えることができる。
【0023】
テレビ10及びデバイス20はそれぞれ、有線及び/又は無線(例えば、Long Term Evolution(LTE)、5th Generation New Radio(5G NR)、Wi-Fi(登録商標)など)を介して、ネットワーク(インターネットなど)と通信してもよい。
【0024】
ルータ30は、インターネットプロバイダからIPアドレスを割り当てられ、LAN(Local Area Network)内の装置とWAN(Wide Area Network)側の装置との通信を中継する。テレビ10及びデバイス20は、有線及び/又は無線(例えば、Wi-Fi(登録商標))でルータ30に接続される。同じLAN内に含まれるテレビ10及びデバイス20は、ルータ30を介して外部のネットワーク(インターネットなど)と通信する。
【0025】
図1の構成では、IPv4(IP Version 4)が利用される場合には、テレビ10及びデバイス20の通信において、通信相手から見えるIPアドレスはルータ30のIPアドレス(同一のIPアドレス)となる。これは、ルータ30のIPマスカレード(NAPT:Network Address Port Translation)機能などにより実現される。
【0026】
なお、IPアドレスはIPv4及びIPv6のいずれでもよいし、これらを拡張/変形したアドレスであってもよい。本明細書において、IPアドレスは、その他の情報(機器を特定するための所定のアドレス、識別情報など)で読み替えらえてもよい。
【0027】
マッチングサーバ40は、テレビ10を視聴するユーザの属性を、デバイス20のユーザの属性に基づいて判断する(例えば、両ユーザが同一と判断する)ための関連付けを実施する装置である。なお、本開示における「マッチング」は、「マッピング」、「関連付け」、「対応付け」などと互いに読み替えられてもよい。
【0028】
視聴ログ管理サーバ50は、テレビ10に関する視聴ログを管理(収集、分析など)する機能を有する装置である。視聴ログ管理サーバ50は、テレビ10のメーカーによって保有されてもよいし、テレビ10に放送を行う放送局(テレビ局)によって保有されてもよい。
【0029】
広告配信サーバ60は、デバイス20に対して、インターネット広告を配信する機能を有する装置であってもよい。広告は、例えば、テキスト、画像(静止画像、動画像)、音声、その他のメディア又はこれらの組み合わせにより構成されてもよい。なお、広告配信サーバ60は、広告以外のコンテンツをデバイス20に送信することができてもよい。
【0030】
広告配信サーバ60は、Data Management Platform(DMP)を含んで構成されてもよく、DMPを用いて配信する広告を決定してもよい。また、広告配信サーバ60は、Demand Side Platform(DSP)を利用する配信サーバであってもよいし、DSP以外の広告配信サーバ(アドサーバ)又はアドサーバを利用する配信サーバであってもよい。
【0031】
アドサーバは、特定の企業(例えば、Twitter(登録商標)社、Facebook(登録商標)社など)が提供するAPI(Application Programming Interface)(Ads-API)を利用する配信サーバであってもよい。また、アドサーバは、オンライン動画広告を配信する動画広告配信サーバであってもよいし、テレビ受像機向けに広告を配信するCMS(Content Management System)であってもよい。また、広告配信サーバ60は、DSP、API、動画広告配信及びCMSなどのアドサーバとの連携を、DMP(例えば、パブリックDMP)を介して行ってもよい。
【0032】
広告配信サーバ60は、デバイス20のデバイスID(例えば、クッキーID又は広告ID)を取得する。広告配信サーバ60は、デバイス20に対してインターネット広告(以下、単に広告とも呼ぶ)を配信することができる。なお、広告配信サーバ60は、必ずしも広告を配信しなくてもよく、デバイスID取得サーバと呼ばれてもよい。
【0033】
広告配信サーバ60は、デバイス20のウェブアクセスログ(アクセスログ)を取得(受信、生成)してもよい。当該アクセスログは、デバイス20のIPアドレス、デバイス20の特定情報(デバイスIDと呼ばれてもよい)、デバイスIDが取得された時刻を示すタイムスタンプなどを含んでもよい。デバイスIDは、上述の広告ID(例えば、クッキーID、モバイル広告ID)、所定のサービスに利用する識別子(ログインIDなど)などの少なくとも1つであってもよい。
【0034】
広告配信サーバ60は、マッチングサーバ40と連携し、マッチング処理に成功したユーザ(デバイス20)に対して、テレビ10の視聴履歴が考慮された広告を配信してもよい。これにより、所定のテレビ番組を視聴するユーザに対して、好適な広告を配信し、高い広告効果を達成することができる。
【0035】
属性管理サーバ70は、デバイス20に対して、ユーザ(生活者)の属性を調査するためのアンケートを配信し、その結果を収集する装置であってもよい。本開示の実施形態において、「属性」は、デモグラフィック(性別、年齢、居住地域、収入、職業、学歴など)、趣味嗜好、生活習慣、生活意識、商品関与、メディア接触などを含む。例えば、「住宅購入に興味関心がある」、「子どもと同居していない」、「趣味が音楽である」、「ランニングに興味関心がある」、「女性かつフルタイム勤務である」、「男女25-39歳かつ、お酒が好き又はスナック菓子が好き」なども、本開示の「属性」に該当する。属性管理サーバ70は、DMPを用いて構成されてもよい。
【0036】
テレビ10、デバイス20など、各装置の機能構成及びハードウェア構成の一例については、後述する。
【0037】
なお、当該システム構成は一例であり、これに限られない。例えば、各装置は、図1ではそれぞれ1つずつ含まれる構成としたが、各機器の数はこれに限られず、複数存在してもよい。また、ID連携システム1は、一部の装置を含まない構成としてもよいし、所定の装置の機能が複数の装置により実現される構成としてもよい。
【0038】
また、複数の装置の機能が1つの装置により実現される構成としてもよい。例えば、マッチングサーバ40、視聴ログ管理サーバ50及び広告配信サーバ60は、1つのサーバ上で実装されてもよい。
【0039】
(ID連携方法)
本開示の一実施形態に係るID連携方法について、以下で説明する。各ID連携方法は、上述のID連携システムに適用されてもよい。
【0040】
<テレビとデバイスとの関連付け>
まず、テレビ10の視聴ログ及びデバイス20のデバイスIDの関連付けについて説明する。当該関連付けは、図2を用いて説明されるように、視聴ログ及びアクセスログに基づいて行われてもよい。
【0041】
図2は、本開示の一実施形態に係る、TV機器ID及びデバイスIDのマッチングのためのシーケンスの一例を示す図である。
【0042】
テレビ10は、視聴ログを視聴ログ管理サーバ50に送信する(ステップS101)。視聴ログの送信のタイミングは、周期的(例えば、1時間ごと、1日ごとなど)であってもよいし、任意のタイミングであってもよい。視聴ログ管理サーバ50は、多数のテレビ10の視聴ログを蓄積する(ステップS102)。視聴ログ管理サーバ50は、これらの視聴ログを、特定のテーブル(例えば、視聴ログテーブルと呼ばれてもよい)に記憶してもよい。
【0043】
なお、本開示において、テーブルは、セット、リスト、配列、メモリ領域、記憶領域、記憶装置などと互いに読み替えられてもよい。また、本開示のテーブルは、必ずしもテーブルとして実装されなくてもよく、関数などを用いて当該テーブルを用いた処理と同等の処理が実現できればよい。
【0044】
デバイス20は、Webブラウジング及び/又はアプリケーションの利用中に、広告配信サーバ60から広告を配信される(ステップS103)。ステップS103は省略されてもよい。広告配信サーバ60は、多数のデバイス20のアクセスログを蓄積してもよい(ステップS104)。広告配信サーバ60は、これらのアクセスログを、特定のテーブル(例えば、アクセスログテーブルと呼ばれてもよい)に記憶してもよい。
【0045】
ステップS103、S104において、デバイス20は、アプリ内の広告(バナー広告、動画広告など任意のWeb広告)がユーザによってクリックされたことを検出し、それに応じてデバイスID(例えば、モバイル広告ID)を広告配信サーバ60に送信し、広告配信サーバ60は、IPアドレス、当該デバイスID、タイムスタンプなどをアクセスログとして記憶してもよい。なお、デバイス20が特定のサイト設置タグを含むWebページにアクセスした場合に、広告配信サーバ60が当該デバイス20のデバイスID(例えば、クッキーID)を取得/生成し、アクセスログに含めてもよい。
【0046】
マッチングサーバ40は、視聴ログ管理サーバ50から、視聴ログを取得する(ステップS105)。なお、ステップS105では、視聴ログのうち全部が取得される必要はなく、一部(例えば、IPアドレス、TV機器ID、タイムスタンプ)が受信されてもよい。以下では、この一部の視聴ログも、単に視聴ログと呼ぶ。
【0047】
マッチングサーバ40は、広告配信サーバ60から、アクセスログを取得する(ステップS106)。なお、ステップS106では、アクセスログのうち全部が取得される必要はなく、一部(例えば、IPアドレス、デバイスID、タイムスタンプ)が受信されてもよい。以下では、この一部のアクセスログも、単にアクセスログと呼ぶ。
【0048】
マッチングサーバ40は、IPアドレスに基づいて、テレビ10のTV機器IDと、デバイス20のデバイスIDと、を関連付ける(ステップS107)。マッチングサーバ40は、テレビ10のIPアドレスとデバイス20のIPアドレスが、同一か否かを判断(マッチング)し、同一の場合には、対応するTV機器IDと、対応するデバイスIDとの組み合わせ(ユーザ情報と呼ばれてもよい)を保存する。1つのTV機器IDに対して、複数のデバイスIDが関連付けられてもよい。なお、当該ユーザ情報として、視聴ログの任意の情報、アクセスログの任意の情報が含まれてもよい。
【0049】
マッチングサーバ40は、ステップS105において関連付けられるTV機器ID及びデバイスIDの組を、特定のテーブル(例えば、TV機器ID-デバイスIDテーブルと呼ばれてもよい)に記憶してもよい。TV機器ID-デバイスIDテーブルには、デバイスIDの代わりに又はデバイスIDに加えて、デバイス20のIPアドレスが記憶されてもよい。
【0050】
なお、マッチングサーバ40は、視聴ログに付されるタイムスタンプと、アクセスログに付されるタイムスタンプと、に基づいて、マッチング処理の実施を行う対象か否かを判断してもよい。例えば、マッチングサーバ40は、両タイムスタンプで求められる時間差が所定の値(例えば、1日)以下の場合、これらの視聴ログ及びアクセスログに対してマッチング処理を行うように制御してもよい。時間経過によってIPアドレスは変動する可能性があるため、この構成によれば、同じ世帯に属すると思われるテレビ10とデバイス20を効果的に特定できる。
【0051】
マッチングサーバ40は、マッチング対象としないIPアドレスをステップS107の前に決定することが好ましい。例えば、マッチングサーバ40は、タイムスタンプが所定の期間(例えば、ある日)に含まれるアクセスログを抽出し、あるIPアドレスに対応するデバイスIDの数が所定の閾値未満である場合に、当該IPアドレスについてTV機器ID及びデバイスIDのマッチングを行ってもよい。
【0052】
また、マッチングサーバ40は、タイムスタンプが所定の期間(例えば、ある日)に含まれるアクセスログのうち、デバイスIDが特定の種類(例えば、クッキーID又はモバイルID)のログを抽出し、あるIPアドレスに対応する当該特定の種類のデバイスIDの数が所定の閾値未満である場合に、当該IPアドレスについてTV機器ID及びデバイスIDのマッチングを行ってもよい。このような構成によれば、マッチング対象から、個人の特定(分析)が難しいログを除くことができ、分析の精度の向上が期待できる。
【0053】
この所定の閾値は、デバイスIDの種類に応じて異なってもよい。例えば、デバイスIDがクッキーIDを対象とする場合、当該所定の閾値は閾値1(例えば、9)であってもよく、デバイスIDがモバイル広告IDを対象とする場合、当該所定の閾値は閾値2(例えば、6)であってもよい。
【0054】
<デバイスとユーザの属性との関連付け>
次に、デバイス20のデバイスIDと、当該デバイスのユーザの属性と、の関連付けについて説明する。
【0055】
図3は、一実施形態に係る、デバイスID及びデバイスのユーザの属性のマッチングのためのシーケンスの一例を示す図である。このシーケンスと図2のシーケンスとが実施される順番は、どちらが先でもよい。
【0056】
ステップS201において、属性管理サーバ70は、デバイス20に対して、ユーザ(生活者)の属性(例えば、性別、年齢、趣味嗜好、生活意識、商品関与、メディア接触など)を調査するためのアンケートを配信する。デバイス20は、ユーザの入力に基づいてアンケート結果を属性管理サーバ70に返信する。
【0057】
ステップS202において、属性管理サーバ70は、アンケート結果からユーザ属性を抽出し、抽出したユーザ属性を、デバイス20のデバイスIDと、ユニークID(Unique ID(UID))と、に関連付けて記憶する。属性管理サーバ70は、ステップS202において関連付けられるUID、デバイスID及びユーザ属性の組を、特定のテーブル(例えば、UID-ユーザ属性テーブルと呼ばれてもよい)に記憶してもよい。UID-ユーザ属性テーブルは、属性調査結果テーブルと呼ばれてもよい。
【0058】
ここで、デバイスIDの取得については、ステップS104で説明したのと同様の方法で取得されてもよい。UIDは、アンケートに回答したユーザ(生活者)に一意に対応するIDであり、ユーザIDなどと呼ばれてもよい。属性管理サーバ70は、UIDを適当な手法で生成してもよく、例えば、現在時刻、デバイスID、IPアドレスなどの少なくとも1つに基づいて生成してもよい。
【0059】
UID-ユーザ属性テーブルには、デバイスIDの代わりに又はデバイスIDに加えて、デバイス20のIPアドレスが記憶されてもよい。
【0060】
<テレビとユーザの属性との関連付け>
次に、テレビ10のTV機器IDと、デバイス20のユーザの属性と、の関連付けについて説明する。
【0061】
図4は、一実施形態に係る、TV機器ID及びデバイスのユーザの属性のマッチングのためのシーケンスの一例を示す図である。このシーケンスは、図2及び図3のシーケンスが終わった後に実施される。
【0062】
マッチングサーバ40は、ステップS107におけるTV機器ID及びデバイスIDの関連付けと、ステップS202におけるデバイスID及びUIDの関連付けと、に基づいて、TV機器ID及びUIDを関連付ける(ステップS301)。マッチングサーバ40は、同じデバイスIDに対応するTV機器ID及びUIDを、関連付けてもよい。マッチングサーバ40は、ステップS301において関連付けられるTV機器ID及びUIDの組を、特定のテーブル(例えば、TV機器ID-UIDテーブルと呼ばれてもよい)に記憶してもよい。
【0063】
なお、ステップS301の関連付けは、TV機器ID-デバイスIDテーブルと、TV機器ID-UIDテーブルと、の両方にIPアドレスが含まれる場合には、デバイスIDの代わりにIPアドレスに基づいて行われてもよい。この場合、アンケートに回答したデバイス20が、通常ユーザが利用する(広告配信サーバ60にアクセスする)デバイス20と異なる場合であっても、ルータ30に接続する限りは、IPアドレスは同じと想定される(IPv4の場合)ため、好適にマッチングできる。つまり、本開示では、UID-ユーザ属性テーブルについては、デバイスIDとIPアドレスは互いに読み替えられてもよい。
【0064】
マッチングサーバ40は、あるUIDに所定の閾値(例えば、3)以上の数のTV機器IDが関連付けられる場合には、当該UIDに関し、かつ1つ以上のTV機器IDに関する関連付けを、TV機器ID-UIDテーブルから除外(削除)してもよい。この構成によれば、ある期間においてユーザがいろいろな場所で別々のテレビ10を視聴しつつデバイス20をネットワークに接続した、というケースを好適に除外できる。このケースにおいて、ステップS301でUIDに関連付けられるTV機器IDは、友人宅、飲食店、病院などに設置されるテレビ10のTV機器IDを含むため、上記除外によれば、ユーザが操作できない(言い換えると、必ずしもユーザが見たくて見ているわけではない)TVについての視聴ログを、当該ユーザの視聴ログとして扱われることを回避できる。
【0065】
例えば、マッチングサーバ40は、あるUIDに上記所定の閾値以上の数のTV機器IDが関連付けられる場合には、当該UIDに関する関連付けを全て(当該UIDに関し、かつ任意のTV機器IDに関する全ての関連付け)、TV機器ID-UIDテーブルから除外(削除)してもよいし、当該UIDに関連付けられるTV機器IDの数が当該所定の閾値未満となるように、当該UIDに関し、かつ特定のTV機器IDに関する関連付けを、TV機器ID-UIDテーブルから除外(削除)してもよい。
【0066】
ここで、削除対象となる上記特定のTV機器IDは、対応する視聴ログの量が比較的少ないTV機器IDであってもよい。言い換えると、TV機器ID-UIDテーブルに残るTV機器IDは、対応する視聴ログの量が比較的多い(例えば、当該UIDに関するTV機器IDごとの視聴ログにおいて、1番目又は2番目に視聴ログが多い)TV機器IDであってもよい。対応する視聴ログの量が比較的多いTV機器IDに該当するテレビ10は、ユーザの自宅にあると推定されるためである。
【0067】
マッチングサーバ40は、ステップS301の関連付けに基づいて、TV機器IDに対応する視聴ログ(又は単にTV機器ID)と、UIDに対応するユーザ属性と、を関連付ける(ステップS302)。
【0068】
ステップS302に関連して、マッチングサーバ40は、視聴ログ(及び/又はTV機器ID)とユーザ属性(及び/又はUID)との組を、特定のテーブルに記憶してもよい。
【0069】
ステップS302に関連して、マッチングサーバ40は、視聴ログ管理サーバ50における視聴ログを、関連付けられたUID(又はUIDに対応するユーザ属性)が付与された視聴ログとして更新してもよい(そのような更新の指示を送信してもよい)。
【0070】
ステップS302に関連して、マッチングサーバ40は、属性管理サーバ70におけるUID-ユーザ属性テーブルのエントリを、関連付けられたTV機器ID(又はTV機器IDに対応する視聴ログ)が付与されたエントリとして更新してもよい(そのような更新の指示を送信してもよい)。
【0071】
マッチングサーバ40は、ステップS302の関連付けに基づいて、放送枠(番組)ごとの視聴者の属性を抽出してもよい(ステップS303)。例えばマッチングサーバ40は、ステップS302で関連付けられた各視聴ログに、ある番組を視聴したというログが含まれるかを判断し、含まれる場合には、対応するUIDのユーザがこの番組を視聴したとみなして、当該番組の視聴者の属性として当該ユーザ属性を含めてもよい。これにより、番組ごとに、視聴率より踏み込んだ視聴者の属性の割合などを導出することができ、好ましいCM割り当てを好適に決定できる。
【0072】
なお、ステップS303の処理は、視聴終了日時と視聴開始日時の差が所定の閾値(例えば、4時間)以上の視聴ログを除外して行われてもよい。この構成によれば、つけっぱなしの(誰も見ていないような)視聴ログを適切に無視することができる。
【0073】
マッチングサーバ40及び/又は広告配信サーバ60は、ステップS303で得られた放送枠(番組)ごとの視聴者の属性に基づいて、各放送枠のCM割り当てを決定してもよいし、UIDに対応するデバイスに対して視聴履歴を考慮した広告配信を行ってもよい。例えば、マッチングサーバ40及び/又は広告配信サーバ60は、ある番組のCMとして、当該番組をよく視聴する視聴者が興味/関心を持つ可能性の高いCMを割り当てるように制御してもよい。この構成によれば、例えば、年齢、性別だけでなく、興味、嗜好に基づく特定のターゲットを狙った番組にCMを放送することによって、当該特定のターゲットの視聴者により多くリーチできる効果的なCM放送が実現できる。
【0074】
以上説明した一実施形態によれば、例えば、意識、生活習慣などの様々なリッチプロフィールに基づいて、視聴ログの実数データの構成を把握することができる。また、各番組の視聴者層の詳細な属性が具体的に分析できるため、各番組の広告単価の適正化を図ることができる。
【0075】
なお、上記実施形態を、比較的視聴者が少ない放送に適用すると、より好適に視聴者を特定できると期待される。
【0076】
(機器の構成)
図5は、一実施形態に係るテレビ10の機能構成の一例を示す図である。本例に示すように、テレビ10は、制御部110と、記憶部120と、通信部130と、入力部140と、出力部150と、を有する。なお、図5では、本実施形態における特徴部分の機能ブロックを主に示しており、テレビ10は、他の処理に必要な他の機能ブロックも有してもよい。また、一部の機能ブロックを含まない構成としてもよい。
【0077】
制御部110は、テレビ10の制御を実施する。例えば、制御部110は、ユーザの操作に基づいて映像の表示を行ったり、視聴ログの送信を制御したりする。制御部110は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるコントローラ、制御回路又は制御装置により構成することができる。
【0078】
記憶部120は、テレビ10で利用する情報を記憶(保持)する。例えば、記憶部120は、視聴ログを逐次記憶する。記憶部120は、例えば、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるメモリ、ストレージ、記憶装置などにより構成することができる。
【0079】
通信部130は、マッチングサーバ40及び/又は視聴ログ管理サーバ50に対して、視聴ログを送信する。また、通信部130は、デバイス20及び/又はルータ30(マッチングサーバ40なども含む)から受信した種々の情報を制御部110に出力する。
【0080】
通信部130は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるトランスミッター/レシーバー、送受信回路又は送受信装置により構成することができる。なお、通信部130は、送信部及び受信部から構成されてもよい。
【0081】
入力部140は、ユーザからの操作により入力を受け付ける。また、入力部140は、所定の機器、記憶媒体などと接続され、データの入力を受け付けてもよい。入力部140は、入力結果を例えば制御部110に出力してもよい。
【0082】
入力部140は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるキーボード、マウス、ボタンなどの入力装置、入出力端子、入出力回路などにより構成することができる。また、入力部140は、表示部と一体となった構成(例えば、タッチパネル)としてもよい。
【0083】
出力部150は、所定のコンテンツの再生を行って、出力する。例えば、出力部150は、画像を表示する表示部、音声を出力する音声出力部などを含んで構成されてもよい。表示部は、例えば、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるディスプレイ、モニタなどの表示装置により構成することができる。また、音声出力部は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるスピーカーなどの出力装置により構成することができる。
【0084】
出力部150は、例えば、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明される演算器、演算回路、演算装置、プレイヤー、画像/映像/音声処理回路、画像/映像/音声処理装置、アンプなどを含んで構成することができる。
【0085】
デバイス20、ルータ30、マッチングサーバ40、視聴ログ管理サーバ50、広告配信サーバ60、属性管理サーバ70などについても、図5と同様の構成を有してもよい。当業者であれば、図5の説明におけるテレビ10関連の記載を、適宜読み替えて理解できる。
【0086】
以下、いくつかの部について例示的に説明する。なお、図5の各機能ブロックに対応する各装置の符号は、各装置を示す符号の最初の一桁の数字(例えば、デバイス20であれば「20」の最初の一桁の「2」)を図の最初の一桁の数字に適用して表す。
【0087】
デバイス20の制御部210は、ユーザの操作に従って、ブラウザなどのアプリケーションを実行する制御を行ってもよい。通信部230は、アプリケーションの動作に伴い、広告配信サーバ60に広告リクエストを送信し、広告を受信又は広告IDを送受信してもよい。
【0088】
マッチングサーバ40の通信部430は、テレビ(Television(TV))を識別するためのTV機器識別子(Identifier(ID))及びInternet Protocol(IP)アドレスを含む視聴ログのセット(例えば、視聴ログテーブル)と、デバイスを識別するためのデバイスID及びIPアドレスを含むアクセスログのセット(例えば、アクセスログテーブル)と、前記デバイスID及びユーザを識別するためのユーザIDとを含む属性調査結果(言い換えると、ユーザ属性)のセット(例えば、UID-ユーザ属性テーブル)と、を取得してもよい。通信部430、入力部440及び制御部410のいずれか又はこれらの組み合わせは、取得部と呼ばれてもよい。
【0089】
マッチングサーバ40の制御部410は、あるIPアドレスに対応するデバイスIDを前記アクセスログのセットから抽出し、当該IPアドレスに対応するTV機器IDを前記視聴ログのセットから抽出し、抽出された各デバイスID及び抽出されたTV機器IDの関連付けを、記憶部420の第1のテーブル(例えば、TV機器ID-デバイスIDテーブル)に記憶してもよい。
【0090】
マッチングサーバ40の制御部410は、前記属性調査結果のセットから抽出される、あるデバイスIDに対応するユーザIDと、前記第1のテーブルから抽出される、当該デバイスIDに対応するTV機器IDと、の関連付けを、記憶部420の第2のテーブル(例えば、TV機器ID-UIDテーブル)に記憶する制御を行ってもよい。
【0091】
マッチングサーバ40の制御部410は、前記アクセスログのセットから抽出される、あるIPアドレスに対応するデバイスIDの数が第1の閾値未満である場合に、当該IPアドレスに対応するTV機器IDを前記視聴ログのセットから抽出し、抽出された各デバイスID及び抽出されたTV機器IDの関連付けを、前記第1のテーブルに記憶する制御を行ってもよい。
【0092】
前記第1の閾値は、前記アクセスログのセットから抽出される、あるIPアドレスに対応するデバイスIDの種類に応じて異なってもよい。例えば、デバイスIDがクッキーIDである場合、当該第1の閾値は閾値1(例えば、9)であってもよく、デバイスIDがモバイル広告IDである場合、当該第1の閾値は閾値2(例えば、6)であってもよい。
【0093】
マッチングサーバ40の制御部410は、前記第2のテーブルに、あるユーザIDに対応するTV機器IDの数が第2の閾値(例えば、3)以上含まれる場合には、当該ユーザIDに関する関連付けを全て、前記第2のテーブルから削除する制御を行ってもよい。
【0094】
マッチングサーバ40の制御部410は、前記第2のテーブルの関連付けに基づいて、前記TV機器IDに対応する前記視聴ログと、前記ユーザIDに対応するユーザ属性と、を関連付ける制御を行ってもよい。
【0095】
マッチングサーバ40の制御部410は、前記視聴ログ及び前記ユーザ属性の関連付けに基づいて、放送枠ごとの視聴者の属性を抽出してもよい。
【0096】
なお、第1の閾値、第2の閾値などは、予め定められてもよいし、ユーザの入力などに基づいて決定されてもよい。
【0097】
(ハードウェア構成)
なお、上記実施形態の説明に用いたブロック図は、機能単位のブロックを示している。これらの機能ブロック(構成部)は、ハードウェア及び/又はソフトウェアの任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現手段は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的に結合した1つの装置により実現されてもよいし、物理的に分離した2つ以上の装置を有線又は無線によって接続し、これら複数の装置により実現されてもよい。
【0098】
例えば、本開示の一実施形態における装置(テレビ10など)は、本開示のID連携方法の処理を行うコンピュータとして機能してもよい。図6は、一実施形態に係るテレビ10などのハードウェア構成の一例を示す図である。上述のマッチングサーバ40などは、物理的には、プロセッサ1001、メモリ1002、ストレージ1003、通信装置1004、入力装置1005、出力装置1006、バス1007などを含むコンピュータ装置として構成されてもよい。
【0099】
なお、本開示において、装置、回路、デバイス、ユニット、サーバなどは、互いに読み替えることができる。マッチングサーバ40などのハードウェア構成は、図に示した各装置を1つ又は複数含むように構成されてもよいし、一部の装置を含まずに構成されてもよい。
【0100】
例えば、プロセッサ1001は1つだけ図示されているが、複数のプロセッサがあってもよい。また、処理は、1のプロセッサによって実行されてもよいし、処理が同時に、逐次に、又はその他の手法を用いて、2以上のプロセッサによって実行されてもよい。なお、プロセッサ1001は、1以上のチップによって実装されてもよい。
【0101】
マッチングサーバ40などにおける各機能は、プロセッサ1001、メモリ1002などのハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることによって、プロセッサ1001が演算を行い、通信装置1004による通信、メモリ1002及びストレージ1003におけるデータの読み出し及び/又は書き込みなどを制御することによって実現される。
【0102】
プロセッサ1001は、例えば、オペレーティングシステムを動作させてコンピュータ全体を制御する。プロセッサ1001は、周辺装置とのインターフェース、制御装置、演算装置、レジスタなどを含む中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)によって構成されてもよい。なお、上述の制御部110などの各部は、プロセッサ1001によって実現されてもよい。
【0103】
また、プロセッサ1001は、プログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュール、データなどを、ストレージ1003及び通信装置1004の少なくとも一方からメモリ1002に読み出し、これらに従って各種の処理を実行する。プログラムとしては、上述の実施形態において説明した動作の少なくとも一部をコンピュータに実行させるプログラムが用いられる。例えば、制御部110は、メモリ1002に格納され、プロセッサ1001において動作する制御プログラムによって実現されてもよく、他の機能ブロックについても同様に実現されてもよい。
【0104】
メモリ1002は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically EPROM)、RAM(Random Access Memory)、その他の適切な記憶媒体の少なくとも1つによって構成されてもよい。メモリ1002は、レジスタ、キャッシュ、メインメモリ(主記憶装置)などと呼ばれてもよい。メモリ1002は、一実施形態に係る方法を実施するために実行可能なプログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールなどを保存することができる。
【0105】
ストレージ1003は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、フレキシブルディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク(CD-ROM(Compact Disc ROM)など)、デジタル多用途ディスク、Blu-ray(登録商標)ディスク)、リムーバブルディスク、ハードディスクドライブ、スマートカード、フラッシュメモリデバイス(例えば、カード、スティック、キードライブ)、磁気ストライプ、データベース、サーバ、その他の適切な記憶媒体の少なくとも1つによって構成されてもよい。ストレージ1003は、補助記憶装置と呼ばれてもよい。なお、上述の記憶部120は、メモリ1002及び/又はストレージ1003によって実現されてもよい。
【0106】
通信装置1004は、有線ネットワーク及び無線ネットワークの少なくとも一方を介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュールなどともいう。通信装置1004は、SIMカードを含んでもよい。なお、上述の通信部130は、通信装置1004によって実現されてもよい。
【0107】
入力装置1005は、外部からの入力を受け付ける入力デバイス(例えば、キーボード、マウスなど)である。出力装置1006は、外部への出力を実施する出力デバイス(例えば、ディスプレイ、スピーカーなど)である。なお、入力装置1005及び出力装置1006は、一体となった構成(例えば、タッチパネル)であってもよい。なお、上述の入力部140及び出力部150は、それぞれ入力装置1005及び出力装置1006によって実現されてもよい。
【0108】
また、プロセッサ1001、メモリ1002などの各装置は、情報を通信するためのバス1008によって接続される。バス1007は、単一のバスによって構成されてもよいし、装置間で異なるバスで構成されてもよい。
【0109】
また、マッチングサーバ40などは、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードウェアを含んで構成されてもよく、当該ハードウェアにより、各機能ブロックの一部又は全てが実現されてもよい。例えば、プロセッサ1001は、これらのハードウェアの少なくとも1つで実装されてもよい。
【0110】
(変形例)
なお、本開示において説明した用語及び/又は本開示の理解に必要な用語については、同一の又は類似する意味を有する用語と置き換えてもよい。
【0111】
本開示において説明した情報、パラメータなどは、絶対値を用いて表されてもよいし、所定の値からの相対値を用いて表されてもよいし、対応する別の情報を用いて表されてもよい。また、本開示においてパラメータなどに使用する名称は、いかなる点においても限定的なものではない。
【0112】
本開示において説明した情報、信号などは、様々な異なる技術のいずれかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、又はこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
【0113】
情報、信号などは、複数のネットワークノードを介して入出力されてもよい。入出力された情報、信号などは、特定の場所(例えば、メモリ)に保存されてもよいし、テーブルを用いて管理してもよい。入出力される情報、信号などは、上書き、更新又は追記をされ得る。出力された情報、信号などは、削除されてもよい。入力された情報、信号などは、他の装置へ送信されてもよい。
【0114】
また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的な通知に限られず、暗示的に(例えば、当該所定の情報の通知を行わないことによって又は別の情報の通知によって)行われてもよい。
【0115】
ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称で呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、機能などを意味するよう広く解釈されるべきである。
【0116】
また、ソフトウェア、命令、情報などは、伝送媒体及び信号波形の少なくとも1つを介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、有線技術(同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(DSL:Digital Subscriber Line)など)及び無線技術(赤外線、マイクロ波など)の少なくとも一方を使用してウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び無線技術の少なくとも一方は、伝送媒体の定義内に含まれる。
【0117】
本開示において使用する「システム」及び「ネットワーク」という用語は、互換的に使用され得る。
【0118】
本開示において説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、本開示において説明した各態様/実施形態の処理手順、シーケンス、フローチャートなどは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本開示において説明した方法については、例示的な順序を用いて様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
【0119】
本開示において使用する「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
【0120】
本開示において使用する「第1の」、「第2の」などの呼称を使用した要素へのいかなる参照も、それらの要素の量又は順序を全般的に限定しない。これらの呼称は、2つ以上の要素間を区別する便利な方法として本開示において使用され得る。したがって、第1及び第2の要素の参照は、2つの要素のみが採用され得ること又は何らかの形で第1の要素が第2の要素に先行しなければならないことを意味しない。
【0121】
本開示において、「含む(include)」、「含んでいる(including)」及びこれらの変形が使用されている場合、これらの用語は、用語「備える(comprising)」と同様に、包括的であることが意図される。さらに、本開示において使用されている用語「又は(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
【0122】
本開示において、例えば、英語でのa, an及びtheのように、翻訳によって冠詞が追加された場合、本開示は、これらの冠詞の後に続く名詞が複数形であることを含んでもよい。
【0123】
以上、本開示に係る発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本開示に係る発明が本開示中に説明した実施形態に限定されないということは明らかである。本開示に係る発明は、特許請求の範囲の記載に基づいて定まる発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本開示の記載は、例示説明を目的とし、本開示に係る発明に対して何ら制限的な意味をもたらさない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6