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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-31
(45)【発行日】2025-02-10
(54)【発明の名称】空気調和機
(51)【国際特許分類】
   F24F 11/65 20180101AFI20250203BHJP
【FI】
F24F11/65
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2021026526
(22)【出願日】2021-02-22
(65)【公開番号】P2022128154
(43)【公開日】2022-09-01
【審査請求日】2023-07-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000000538
【氏名又は名称】株式会社コロナ
(74)【代理人】
【識別番号】100067356
【弁理士】
【氏名又は名称】下田 容一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100160004
【弁理士】
【氏名又は名称】下田 憲雅
(74)【代理人】
【識別番号】100120558
【弁理士】
【氏名又は名称】住吉 勝彦
(74)【代理人】
【識別番号】100148909
【弁理士】
【氏名又は名称】瀧澤 匡則
(74)【代理人】
【識別番号】100192533
【弁理士】
【氏名又は名称】奈良 如紘
(72)【発明者】
【氏名】莅戸 智史
(72)【発明者】
【氏名】皆川 大樹
【審査官】塩田 匠
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-189257(JP,A)
【文献】国際公開第2019/220488(WO,A1)
【文献】特開2018-189351(JP,A)
【文献】特開2019-039637(JP,A)
【文献】国際公開第2020/100395(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 11/00-11/89
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷媒が循環して流れる冷媒回路と、
前記冷媒回路に設けられて冷媒を圧縮可能な圧縮機と、
前記冷媒回路に設けられて冷媒の圧力を下げる膨張弁と、
前記冷媒回路に設けられて冷媒の流れる方向を切り替える四路切替弁と、
前記冷媒回路に設けられて冷媒と室内の空気との間で熱交換を行う室内熱交換器と、
室内から空気を取り込むと共に室内へ空気を送風する室内ファンと、
前記圧縮機と、前記膨張弁と、前記四路切替弁及び前記室内ファンを制御することにより、室内の空気を暖める暖房運転と、室内の空気を冷却する冷房運転と、室内の空気を除湿する除湿運転と、前記室内熱交換器による熱交換を行わずに前記室内ファンにより室内へ風を送る送風運転と、前記室内熱交換器の表面を結露させて前記室内熱交換器の表面を洗浄するための洗浄用冷房運転とを、実行する制御部と、を備えており、
前記冷房運転又は前記除湿運転の停止から計測開始される停止継続時間が、予め設定された基準時間を超える前に
前記制御部へ前記洗浄用冷房運転を開始する信号が手動により送信された場合、
前記洗浄用冷房運転を実行する前に、前記室内熱交換器に付着した水分を室内に戻すために前記暖房運転又は前記送風運転を実行し、
前記停止継続時間が前記基準時間を超えた後に、
前記制御部へ前記洗浄用冷房運転を開始する信号が手動により送信された場合、
前記制御部は、前記暖房運転又は前記送風運転を実行することなく、前記洗浄用冷房運転を実行する、空気調和機。
【請求項2】
前記停止継続時間が計測開始される直前に実行されていた前記冷房運転又は前記除湿運転の運転時間が長くなるにつれて、
前記室内熱交換器に付着した水分を室内に戻すための前記暖房運転又は前記送風運転の運転時間は、長く設定される、請求項1に記載の空気調和機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、室内熱交換器の表面を洗浄する洗浄運転機能を備えた空気調和機に関する。
【背景技術】
【0002】
空気調和機が長期間使用されると、室内熱交換器に塵埃が付着する。そのため、空気調和機には、塵埃が付着した室内熱交換器の表面を洗浄する洗浄機能を備えたものがある。このような洗浄機能を備えた空気調和機に関する従来技術として、特許文献1に開示された技術がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2009ー300030号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
室内の湿度が低い場合、室内熱交換器に結露が発生しにくくなる。室内熱交換器の表面に付着した塵埃を洗い流すための水滴の量が少ないと、塵や埃が室内熱交換器の表面に付着したままとなり、改善が求められる。
【0005】
本発明は、室内の湿度を高めることにより、室内熱交換器の表面に結露を発生させやすくする空気調和機の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1では、冷媒が循環して流れる冷媒回路と、
前記冷媒回路に設けられて冷媒を圧縮可能な圧縮機と、
前記冷媒回路に設けられて冷媒の圧力を下げる膨張弁と、
前記冷媒回路に設けられて冷媒の流れる方向を切り替える四路切替弁と、
前記冷媒回路に設けられて冷媒と室内の空気との間で熱交換を行う室内熱交換器と、
室内から空気を取り込むと共に室内へ空気を送風する室内ファンと、
前記圧縮機と、前記膨張弁と、前記四路切替弁及び前記室内ファンを制御することにより、室内の空気を暖める暖房運転と、室内の空気を冷却する冷房運転と、室内の空気を除湿する除湿運転と、前記室内熱交換器による熱交換を行わずに前記室内ファンにより室内へ風を送る送風運転と、前記室内熱交換器の表面を結露させて前記室内熱交換器の表面を洗浄するための洗浄用冷房運転とを、実行する制御部と、を備えており、
前記冷房運転又は前記除湿運転の停止から計測開始される停止継続時間が、予め設定された基準時間を超える前に、前記制御部が前記洗浄用冷房運転を実行する場合、
前記洗浄用冷房運転を実行する前に、前記室内熱交換器に付着した水分を室内に戻すために前記暖房運転又は前記送風運転を実行する、空気調和機が提供される。
【0007】
請求項2に記載のごとく、好ましくは、前記停止継続時間が計測開始される直前に実行されていた前記冷房運転又は前記除湿運転の運転時間が長くなるにつれて、
前記室内熱交換器に付着した水分を室内に戻すための前記暖房運転又は前記送風運転の運転時間は、長く設定される。
【発明の効果】
【0008】
請求項1では、冷房運転 又は 除湿運転の停止から計測開始される停止継続時間が、予め設定された基準時間を超える前に、制御部が洗浄用冷房運転を実行する場合、洗浄用冷房運転を実行する前に、室内熱交換器に付着した水分を室内に戻すために暖房運転又は送風運転を実行する。通常、冷房運転又は除湿運転が実行されていた場合、室内の湿度が低くなる。洗浄用冷房運転を実行する前に、暖房運転又は送風運転を行うことにより、室内に湿気が戻る。室内の湿度を高めてから洗浄用冷房運転を実行することができる。室内熱交換器を効率的に洗浄することができる。
【0009】
請求項2では、室内熱交換器に付着した水分を室内に戻すための暖房運転又は送風運転が開始する前に実行されていた冷房運転又は除湿運転の運転時間が長くなるにつれて、暖房運転又は送風運転の運転時間も長くなるように設定されている。通常、冷房運転又は除湿運転の運転時間が長くなると室内の湿度も下がる。室内の湿度が下がった場合に、室内熱交換器に付着した水分を室内に戻すための暖房運転又は送風運転の運転時間を長くする。室内の湿度に応じて効率的に湿気戻し運転を実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施例による空気調和機の模式図である。
図2図1に示された空気調和機のブロック図である。
図3図1に示された空気調和機の空調運転の制御内容の前段を説明するフローチャートである。
図4図1に示された空気調和機の空調運転の制御内容の後段を説明するフローチャートである。
図5図1に示された空気調和機の洗浄運転の制御内容を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。
【0012】
<実施例>
図1には、内部を冷媒が流れる冷媒回路11を備えたエアコン装置10(空気調和機)が示されている。エアコン装置10は、室内Rを冷却する冷房運転と、室内Rを暖める暖房運転と、を行う機能を備えている。冷媒回路11は、室外Ouに配置された室外機20と、室内Rに配置された室内機30とを、含んでいる。以下、特に説明のない限り、冷媒の循環する方向は、冷房運転時を基準とする。
【0013】
室外機20は、冷房運転時及び暖房運転時における冷媒の循環する方向を切り替える四路切替弁21と、この四路切替弁21を通過した冷媒が流され冷媒を圧縮する圧縮機22と、この圧縮機22において圧縮され高温高圧となった冷媒が流れる室外熱交換器23と、この室外熱交換器23に向かって風を送るプロペラファン24と、室外熱交換器23を通過した冷媒を減圧する膨張弁25と、を有する。
【0014】
室内機30は、室内Rにおいて壁Waに掛けられている。室内機30は、室内から空気を取り込むと共に室内へ空気を送風する室内ファン31と、この室内ファン31が取り込んだ空気を冷却する室内熱交換器32と、室内ファン31及び室内熱交換器32を収納しているケース33と、を有している。
【0015】
ケース33は、室内ファン31が送り出す風の吹出口となる送風口33aを有する。送風口33aには、吹き出される送風の左右の向きを調整する左右ルーバ34と、吹き出される送風の上下の向きを調整する上下ルーバ35と、が配置されている。
【0016】
冷房運転について説明する。圧縮機22により高温高圧とされた冷媒は、室外熱交換器23において外気と熱交換を行い、熱を放出する。このとき、プロペラファン24が回転することによって、外気を強制的に室外熱交換器23の外周に流し、熱交換を促す。室外熱交換器23を通過し熱を放出した冷媒は、膨張弁25において減圧され、温度が低下する。温度が低下した冷媒は、室内熱交換器32へ流れる。
【0017】
室内熱交換器32に流れ込んだ低温の冷媒は、室内熱交換器32において室内Rの空気と熱交換を行い、室内Rの空気を冷却する。冷却された空気は、室内ファン31によって室内Rに送風される。室内ファン31は、空気を強制的に室内熱交換器32の外周に流し、冷媒との熱交換を促す。室内の空気を除湿する除湿運転や、後述する洗浄用冷房運転の動作原理は、上記の冷房運転と同様である。
【0018】
暖房運転時には、四路切替弁21が冷媒の流路を切り替え、冷房運転時とは逆方向に冷媒を循環させる。さらに、エアコン装置10は、室内熱交換器32による熱交換を行わずに室内ファン31により室内へ風を送る送風運転を行う機能も備えている。
【0019】
図2には、エアコン装置10(図1参照)の制御ブロック図が示されている。室内機30は、室内ファン31と、左右ルーバ34と、上下ルーバ35とを制御する室内制御部40(制御部)と、室内の温度を検出する室温センサ41と、室内制御部40により運転状況を表示する表示ランプ42と、リモコン12との間で所定の情報をやり取りするリモコン送受信部43と、室内の湿度を検出する湿度センサ46と、室内の人を感知する人感センサ47を内蔵している。
【0020】
室内制御部40は、リモコン送受信部43を介して受信したデータや、室温センサ41の検出値や、後述する設定温度や基準時間や、その他所定のプログラム等が記憶される記憶部44と、各種運転の経過時間を計測するタイマT1~T4と、を有している。
【0021】
室外機20は、室内制御部40と電気的に接続している室外制御部45を有している。室内制御部40は、室外制御部45を介して、四路切替弁21と、圧縮機22と、プロペラファン24と、膨張弁25とを制御可能である。
【0022】
エアコン装置10は、室内熱交換器32(図1参照)の表面に付着した塵埃を洗浄する洗浄運転を行う機能も備えている。洗浄運転以外の運転、具体的には暖房運転や冷房運転等により室内の空調を目的とした運転を空調運転とする。なお、各々の運転により、表示ランプ42の表示態様は互いに異なる。
【0023】
洗浄運転は、結露により室内熱交換器32の表面に水滴を生成させて塵埃を洗い流す洗浄用冷房運転と、洗浄用冷房運転後に実行されて室内熱交換器32の表面を乾燥させる乾燥運転とを含む。
【0024】
さらに、洗浄運転は、室内の湿度を高める湿気戻し運転を含む。洗浄用冷房運転の前に湿気戻し運転を実行することにより、室内の湿度を高めて洗浄用冷房運転の効率を高めることができる。なお、洗浄運転における各々の運転は、圧縮機22と、膨張弁25と、四路切替弁21及び室内ファン31を制御することにより実行される。
【0025】
図3を参照する。リモコン12(図2参照)から室内制御部40へエアコン装置10の運転開始の信号が送信された場合や、タイマ運転等その他のプログラムに基づいて、室内制御部40はエアコン装置10の運転を開始する(スタート)。
【0026】
ステップst1では、空調運転(洗浄運転以外の運転)を開始したかを判断する。
【0027】
空調運転を開始した場合、ステップst2では、フラグAを下ろす。フラグAが下りた状態は、"エアコン装置10の運転中"を意味する。フラグAが立った状態は、"エアコン装置10の停止中"を意味する。
【0028】
ステップst3では、フラグBを下ろす。フラグBが下りた状態は、"湿気戻し運転開始条件が整っていない"ことを意味する。フラグBが立った状態は、"湿気戻し運転の開始条件が整っている"ことを意味する。
【0029】
ステップst4では、現在実行している運転が冷房運転又は除湿運転か判断する。
【0030】
現在実行している運転が冷房運転でも除湿運転でもない場合、例えば、暖房運転又は送風運転を実行している場合、ステップst5では、空調運転が終了したか判断する。
【0031】
空調運転が終了すると、ステップst6では、フラグAを立てて(空調運転停止中)、終了する(エンド)。
【0032】
ステップst4にて、現在実行している運転が冷房運転又は除湿運転と判断した場合、ステップst7では、第1タイマT1を"0"からスタートさせる。
【0033】
ステップst8では、冷房運転又は除湿運転が終了したか判断する。
【0034】
図4を参照する。冷房運転又は除湿運転が終了した場合、ステップst9では、フラグAを立てる(空調運転の停止中)。
【0035】
ステップst10では、第1タイマT1をストップし、第1タイマT1の計測時間を記憶する。この記憶された時間T1は、冷房運転又は除湿運転が運転されていた運転時間である。
【0036】
ステップst11では、第2タイマT2を"0"からスタートさせる。第2タイマT2が計測する時間は、冷房運転又は除湿運転の停止から計測開始される停止継続時間である。
【0037】
ステップst12では、フラグBを立てる(湿気戻し運転の条件が整っている)。
【0038】
ステップst13では、第2タイマT2による計測時間(冷房運転又は除湿運転の停止継続時間T2)が予め設定された基準時間m1を経過したか判断する(第2タイマT2 > 基準時間m1)。
【0039】
停止継続時間T2が基準時間m1を経過した場合(第2タイマT2 > 基準時間m1)、ステップst14では、第2タイマT2をリセットする。
【0040】
ステップst15では、フラグBを下ろして(湿気戻し運転の開始不可)、終了する(エンド)。
【0041】
図5を参照する。次に洗浄運転の開始指示があった場合について説明する。なお、洗浄運転は、図3及び図4に示したフローチャートに関係なく任意のタイミングで開始可能である。
【0042】
ステップst16では、フラグAが立っているか(空調運転が停止中)判断する。
【0043】
空調運転が停止中の場合、ステップst17では、フラグBが立っているか(湿気戻し運転の開始条件が整っているか)判断する。なお、図4のステップst12~ステップst15に示した通り、湿気戻し運転の開始条件は、冷房運転又は除湿運転の停止から計測開始される停止継続時間(第2タイマT2の計測時間)が、予め設定された基準時間m1を超えていないことである。
【0044】
ステップst17にて、フラグBが立っている(湿気戻し運転の開始条件が整っている)場合、ステップst18では、室温センサ41により室温Trを検出する。
【0045】
ステップst19では、ステップst18にて検出した室温Trが、予め設定された基準温度Trsを下回っているか判断する(室温Tr < 基準温度Trs)。
【0046】
(暖房運転による湿気戻し運転)
室温Trが、基準温度Trsを下回っている場合(室温Tr < 基準温度Trs)、ステップst20では、湿気戻し運転として暖房運転を開始する。湿気戻し運転としての暖房運転では、通常の暖房運転よりも風量、設定温度等を大きく設定しても良い。
【0047】
暖房運転の開始後、ステップst21では、第3タイマT3を"0"からスタートさせる。
【0048】
ステップst22では、第3タイマT3が、予め設定される設定時間Ts1を経過したか判断する(第3タイマT3 > 設定時間Ts1)。なお、ステップst10にて記憶された第1タイマT1の計測時間(停止継続時間T2が計測開始される直前に実行されていた冷房運転又は除湿運転の運転時間)が長くなるにつれて、設定時間Ts1は長く設定される。
【0049】
第3タイマT3が、設定時間Ts1を経過した場合(第3タイマT3 > 設定時間Ts1)、ステップst23にて洗浄用冷房運転を実行し、さらにステップst24にて乾燥運転を実行して、終了する(エンド)。洗浄用冷房運転と乾燥運転についての詳細な説明は省略する。
【0050】
(送風運転による湿気戻し運転)
室温Trが、予め設定された基準温度Trs以上の場合(室温Tr ≧ 基準温度Trs)、ステップst25では、湿気戻し運転として送風運転を開始する。
【0051】
ステップst26では、第4タイマT4を"0"からスタートさせる。
【0052】
ステップst27では、第4タイマT4が、予め設定された設定時間Ts2を経過したか判断する(第4タイマT4 > 設定時間Ts2)。なお、ステップst10にて記憶された第1タイマの計測時間(停止継続時間T2が計測開始される直前に実行されていた冷房運転又は除湿運転の運転時間)が長くなるにつれて、設定時間Ts2は長く設定される。
【0053】
第4タイマT4が、設定時間Ts2を経過した場合(第4タイマT4 > 設定時間Ts2)、ステップst23にて洗浄用冷房運転を実行し、その後ステップst24にて乾燥運転を実行して、終了する(エンド)。洗浄用冷房運転と乾燥運転についての詳細な説明は省略する。
【0054】
(実施例の効果)
(湿気戻し運転)
図5を参照する。ステップst17にてフラグBが立っている場合、即ち、図4のステップst12~ステップst15に示した通り、湿気戻し運転の開始条件は、冷房運転 又は 除湿運転が停止から計測開始される停止継続時間(第2タイマT2の計測時間)が、予め設定された基準時間m1を超えていない場合、ステップst23の洗浄用冷房運転を実行する前に、室内熱交換器32に付着した水分を室内に戻すために、ステップst20の暖房運転、又は、ステップst25の送風運転を実行する。
【0055】
冷房運転又は除湿運転が実行されていた場合(ステップst4参照)、室内の湿度が低くなる。ステップst23の洗浄用冷房運転を実行する前に、ステップst20の暖房運転、又は、ステップst25の送風運転を実行することにより、室内に湿気が戻る。室内の湿度を高めてから洗浄用冷房運転を実行することができる。室内熱交換器32を効率的に洗浄することができる。
【0056】
(湿気戻し運転の運転時間)
加えて、ステップst10にて記憶された第1タイマT1の計測時間(停止継続時間T2が計測開始される直前に実行されていた冷房運転又は除湿運転の運転時間)が長くなるほど、ステップst22の設定時間Ts1、又は、ステップst27の設定時間Ts2は、長くなるように設定される。
【0057】
通常、冷房運転又は除湿運転の運転時間が長くなると室内の湿度も下がる。室内の湿度が大きく下がった場合に、室内熱交換器32に付着した水分を室内に戻すための暖房運転又は送風運転の運転時間(設定時間Ts1,Ts2)を長くする。室内の湿度に応じて効率的に湿気戻し運転を実行することができる。
【0058】
なお、湿度センサ46を用いることにより、室内の湿度が所定の湿度以上の場合、湿気戻し運転(ステップst20,ステップst25)を実行せずに、ステップst23の洗浄用冷房運転を開始してもよい。湿度センサ46を用いることにより、湿気戻し運転(ステップst20,ステップst25)の運転時間中に湿度上昇が緩やかになった場合、運転時間(設定時間Ts1,Ts2)を経過する前に、湿気戻し運転の運転を終了してもよい。
【0059】
さらに、人感センサ47を用いることにより、室内に人が不在である場合に限り(ステップst20,ステップst25)、湿気戻し運転を実行してもよい。
【0060】
本発明の作用及び効果を奏する限りにおいて、本発明は実施例に限定されるものではない。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本発明の空気調和装置は、家庭用のエアコン装置に好適である。
【符号の説明】
【0062】
10…エアコン装置(空気調和機)
11…冷媒回路
21…四路切替弁
22…圧縮機
25…膨張弁
32…室内熱交換器
40…室内制御部(制御部)
41…室温センサ
T1…停止継続時間が計測開始される直前に実行されていた冷房運転又は除湿運転の運転時間
T2…冷房運転又は除湿運転が停止してから計測開始される停止継続時間
m1…予め設定された基準時間
Ts1…暖房運転の設定時間(運転時間)
Ts2…送風運転の設定時間(運転時間)
図1
図2
図3
図4
図5