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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-31
(45)【発行日】2025-02-10
(54)【発明の名称】接続金具
(51)【国際特許分類】
   E21D 5/10 20060101AFI20250203BHJP
   F16B 5/10 20060101ALI20250203BHJP
   E04B 1/61 20060101ALN20250203BHJP
【FI】
E21D5/10
F16B5/10 B
E04B1/61 502P
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2021060468
(22)【出願日】2021-03-31
(65)【公開番号】P2022156663
(43)【公開日】2022-10-14
【審査請求日】2024-02-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000006839
【氏名又は名称】日鉄建材株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100120868
【弁理士】
【氏名又は名称】安彦 元
(72)【発明者】
【氏名】藤本 雄充
(72)【発明者】
【氏名】吉田 幸司
(72)【発明者】
【氏名】大高 範寛
【審査官】松本 泰典
(56)【参考文献】
【文献】特開昭63-272817(JP,A)
【文献】特開2020-118189(JP,A)
【文献】特開平07-034786(JP,A)
【文献】実開平02-125095(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2015/0043977(US,A1)
【文献】特開2020-204163(JP,A)
【文献】実開平03-069093(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E21D 5/10
F16B 5/10
E04B 1/61
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の第1貫通孔が形成される第1ライナープレートと、複数の第2貫通孔が形成される第2ライナープレートと、を接続するための接続金具であって、
棒状に形成される棒状本体部を備え、
前記棒状本体部は、
前記棒状本体部の一端部側に形成され、一の第1貫通孔と一の第2貫通孔に挿入可能な第1挿入部と、
前記棒状本体部の他端部側に形成され、他の第1貫通孔と他の第2貫通孔に挿入可能な第2挿入部と、
前記第1挿入部と前記第2挿入部の間に形成され、第1ライナープレートに接触可能な第1接触部と、を有し、
前記第1挿入部は、
前記棒状本体部が折り曲げられて形成される第1折り曲げ部と、
前記第1折り曲げ部と前記棒状本体部の一端部との間で前記棒状本体部が折り曲げられて形成される第2折り曲げ部と、
前記第2折り曲げ部よりも前記棒状本体部の一端部側に第2ライナープレートに接触可能な第2接触部と、を有し、
前記第2挿入部は、
前記第1折り曲げ部の折り曲げ方向に沿って折り曲げられて形成される第3折り曲げ部と、
前記第3折り曲げ部よりも前記棒状本体部の他端部側に第2ライナープレートに接触可能な第3接触部と、を有し、
前記第1接触部と前記第2接触部は、互いに平行であり、
前記第1接触部と前記第3折り曲げ部との間に、前記第1ライナープレートから離間する方向に向けて前記第1接触部に対して傾斜される傾斜部を更に有すること
を特徴とする接続金具。
【請求項2】
前記第2挿入部は、周面にネジ切りされたネジ部を有し、
前記第3接触部は、前記ネジ部に螺合可能なものであること
を特徴とする請求項1記載の接続金具。
【請求項3】
複数の第1貫通孔が形成される第1ライナープレートと、複数の第2貫通孔が形成される第2ライナープレートと、を接続するための接続金具であって、
棒状に形成される棒状本体部を備え、
前記棒状本体部は、
前記棒状本体部の一端部側に形成され、一の第1貫通孔と一の第2貫通孔に挿入可能な第1挿入部と、
前記棒状本体部の他端部側に形成され、他の第1貫通孔と他の第2貫通孔に挿入可能な第2挿入部と、
前記第1挿入部と前記第2挿入部の間に形成され、第1ライナープレートに接触可能な第1接触部と、を有し、
前記第1挿入部は、
前記棒状本体部が折り曲げられて形成される第1折り曲げ部と、
前記第1折り曲げ部と前記棒状本体部の一端部との間で前記棒状本体部が折り曲げられて形成される第2折り曲げ部と、
前記第2折り曲げ部よりも前記棒状本体部の一端部側に第2ライナープレートに接触可能な第2接触部と、を有し、
前記第2挿入部は、
前記第1折り曲げ部の折り曲げ方向に沿って折り曲げられて形成される第3折り曲げ部と、
前記第3折り曲げ部よりも前記棒状本体部の他端部側に第2ライナープレートに接触可能な第3接触部と、を有し、
前記第2挿入部は、前記第3折り曲げ部と前記棒状本体部の他端部との間で前記棒状本体部が折り曲げられて形成される第4折り曲げ部を更に有し、
前記第3接触部は、前記第4折り曲げ部よりも前記棒状本体部の他端部側に形成されること
を特徴とする接続金具。
【請求項4】
前記第2折り曲げ部は、前記棒状本体部の他端部から離間する方向に折り曲げられること
を特徴とする請求項1~3の何れか1項記載の接続金具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、接続金具に関する。
【背景技術】
【0002】
ライナープレートやコルゲート鋼板等の波形鋼板が互いに連結されて構造物が構築される。例えば、ライナープレート同士が複数連結されて、深礎杭、集水井、水中仮締切、橋脚等を構築する際の土留めとして用いられる。例えば、コルゲート鋼板同士が複数連結されて、水路として用いられる。
【0003】
従来、ライナープレート同士を連結する技術について、特許文献1~2の開示技術が提案されている。
【0004】
特許文献1に開示されたライナープレートの緊結金具は、上下のライナープレートの接触させたそれぞれのフランジの孔に挿入する差し込み部と、接触させた2枚のフランジを挟む挟持部からなることを特徴とする。
【0005】
特許文献2に開示されたライナープレートの仮止め具は、上下のライナープレートの接触させた双方のフランジの孔に挿入する差し込み部と、その2枚のフランジを挿入できる間隔のスリットを設けた挟持部と、差し込み部と挟持部とを接続する接続部とからなり、接続部から挟持部へかけて「く」の字状に折ったことを特徴とする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】実開平3-69093号公報
【文献】実開平2-125095号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、特許文献1、2の開示技術では、挟持部でフランジを挟み込むときやライナープレートから取り外すときには、専用の冶具やハンマー等の打撃手段で叩き込む必要がある。このため、騒音が発生してしまうという問題点があった。また、特許文献1、2の開示技術では、ライナープレートの内側の空間に突出して配置される。このため、本来必要とされるライナープレートの内径が確保できず、設計段階で内径を大きくする必要がある。
【0008】
そこで、本発明は、上述した問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、施工における騒音を低減することが可能となり、ライナープレートの内径を確保することが可能となる接続金具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る接続金具は、複数の第1貫通孔が形成される第1ライナープレートと、複数の第2貫通孔が形成される第2ライナープレートと、を接続するための接続金具であって、棒状に形成される棒状本体部を備え、前記棒状本体部は、前記棒状本体部の一端部側に形成され、一の第1貫通孔と一の第2貫通孔に挿入可能な第1挿入部と、前記棒状本体部の他端部側に形成され、他の第1貫通孔と他の第2貫通孔に挿入可能な第2挿入部と、前記第1挿入部と前記第2挿入部の間に形成され、第1ライナープレートに接触可能な第1接触部と、を有し、前記第1挿入部は、前記棒状本体部が折り曲げられて形成される第1折り曲げ部と、前記第1折り曲げ部と前記棒状本体部の一端部との間で前記棒状本体部が折り曲げられて形成される第2折り曲げ部と、前記第2折り曲げ部よりも前記棒状本体部の一端部側に第2ライナープレートに接触可能な第2接触部と、を有し、前記第2挿入部は、前記第1折り曲げ部の折り曲げ方向に沿って折り曲げられて形成される第3折り曲げ部と、前記第3折り曲げ部よりも前記棒状本体部の他端部側に第2ライナープレートに接触可能な第3接触部と、を有し、前記第1接触部と前記第2接触部は、互いに平行であり、前記第1接触部と前記第3折り曲げ部との間に、前記第1ライナープレートから離間する方向に向けて前記第1接触部に対して傾斜される傾斜部を更に有することを特徴とする。
本発明に係る接続金具は、複数の第1貫通孔が形成される第1ライナープレートと、複数の第2貫通孔が形成される第2ライナープレートと、を接続するための接続金具であって、棒状に形成される棒状本体部を備え、前記棒状本体部は、前記棒状本体部の一端部側に形成され、一の第1貫通孔と一の第2貫通孔に挿入可能な第1挿入部と、前記棒状本体部の他端部側に形成され、他の第1貫通孔と他の第2貫通孔に挿入可能な第2挿入部と、前記第1挿入部と前記第2挿入部の間に形成され、第1ライナープレートに接触可能な第1接触部と、を有し、前記第1挿入部は、前記棒状本体部が折り曲げられて形成される第1折り曲げ部と、前記第1折り曲げ部と前記棒状本体部の一端部との間で前記棒状本体部が折り曲げられて形成される第2折り曲げ部と、前記第2折り曲げ部よりも前記棒状本体部の一端部側に第2ライナープレートに接触可能な第2接触部と、を有し、前記第2挿入部は、前記第1折り曲げ部の折り曲げ方向に沿って折り曲げられて形成される第3折り曲げ部と、前記第3折り曲げ部よりも前記棒状本体部の他端部側に第2ライナープレートに接触可能な第3接触部と、を有し、前記第2挿入部は、前記第3折り曲げ部と前記棒状本体部の他端部との間で前記棒状本体部が折り曲げられて形成される第4折り曲げ部を更に有し、前記第3接触部は、前記第4折り曲げ部よりも前記棒状本体部の他端部側に形成されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、施工における騒音を低減することが可能となり、ライナープレートの内径を確保することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、第1実施形態に係る接続金具を用いて接続されるライナープレートを示す斜視図である。
図2図2は、第1実施形態に係る接続金具を示す正面図である。
図3図3は、第1実施形態に係る接続金具を用いたライナープレートの接続方法を説明する図であって、第1挿入部を挿入した状態を示す正面図である。
図4図4は、第1実施形態に係る接続金具を用いたライナープレートの接続方法を説明する図であって、第1接触部を第1貫通孔の周縁に接触させてライナープレートを持ち上げる状態を示す斜視図である。
図5図5は、第1実施形態に係る接続金具を用いたライナープレートの接続方法を説明する図であって、第1接触部をフランジに接触させた第1実施形態に係る接続金具を示す斜視図である。
図6図6は、第1実施形態に係る接続金具を用いたライナープレートの接続方法を説明する図であって、ネジ部に第3接触部を螺合した状態を示す正面図である。
図7図7は、第2実施形態に係る接続金具を用いて接続されるライナープレートを示す正面図である。
図8図8は、第3実施形態に係る接続金具を用いて接続されるライナープレートを示す斜視図である。
図9図9は、第3実施形態に係る接続金具を示す斜視図である。
図10図10は、第3実施形態に係る接続金具を用いたライナープレートの接続方法を説明する図であって、図10(a)は、第1挿入部と第2挿入部を第1貫通孔と第2貫通孔に挿入する前の状態を示す正面図であり、図10(b)は、その側面図である。
図11図11は、第3実施形態に係る接続金具を用いたライナープレートの接続方法を説明する図であって、図11(a)は、第2接触部と第3接触部をフランジに接触させた後の状態を示す正面図であり、図11(b)は、その側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、実施形態に係る接続金具を実施するための形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0013】
(第1実施形態)
接続金具1は、図1に示すように、第1ライナープレート8と、第2ライナープレートと、を接続するためのものである。
【0014】
第1ライナープレート8は、上下方向に波形に形成される波形鋼板と、波形鋼板の上端、下端及び両側端にそれぞれフランジ81を有する。フランジ81には、第1貫通孔82が形成される。
【0015】
第2ライナープレート9は、上下方向に波形に形成される波形鋼板と、波形鋼板の上端、下端及び両側端にそれぞれフランジ91を有する。フランジ91には、第2貫通孔92が形成される。
【0016】
接続金具1は、図2に示すように、断面円形状の棒状に形成される棒状本体部2を備える。棒状本体部2は、第1挿入部3と、第2挿入部4と、第1接触部21と、傾斜部22と、第5折り曲げ部23と、を有する。
【0017】
第1挿入部3は、棒状本体部2の一端部2a側に形成される。第1挿入部3は、一の第1貫通孔82と、一の第1貫通孔82に隣接する一の第2貫通孔92と、に挿入可能である。第1挿入部3は、第1折り曲げ部31と、第2折り曲げ部32と、第2接触部33と、を有する。
【0018】
第1折り曲げ部31は、所定の角度で棒状本体部2が折り曲げられる。例えば第1折り曲げ部31は、45°の角度で、棒状本体部2が折り曲げられる。
【0019】
第2折り曲げ部32は、第1折り曲げ部31と棒状本体部2の一端部2aとの間で棒状本体部2が折り曲げられる。第2折り曲げ部32は、第1折り曲げ部31が折り曲げられる第1折曲面の面内方向において、所定の角度で、棒状本体部2が折り曲げられる。例えば第2折り曲げ部32は、第1折り曲げ部31が折り曲げられる第1折曲面の面内方向において、45°の角度で、棒状本体部2が折り曲げられ、第1接触部21と平行に形成される。第2折り曲げ部32は、棒状本体部2の一端部2aが棒状本体部2の他端部2bとは離間する方向に折り曲げられる。なお、第2折り曲げ部32は、いかなる方向に折り曲げられてもよい。
【0020】
第2接触部33は、第2折り曲げ部32よりも棒状本体部2の一端部2a側に形成され、第2ライナープレート9のフランジ91に接触可能なものである。
【0021】
第2挿入部4は、棒状本体部2の他端部2b側に形成される。第2挿入部4は、一の第1貫通孔82とは異なる他の第1貫通孔82と、他の第1貫通孔82に隣接する他の第2貫通孔92に挿入可能なものである。第2挿入部4は、第3折り曲げ部41と、第3接触部43と、ネジ部49と、を有する。
【0022】
第3折り曲げ部41は、第1折り曲げ部31の折り曲げ方向に沿って棒状本体部2が折り曲げられる。第3折り曲げ部41は、第1折り曲げ部31が折り曲げられる第1折曲面の面内方向において、所定の角度で、棒状本体部2が折り曲げられる。例えば第3折り曲げ部41は、第1折り曲げ部31が折り曲げられる第1折曲面の面内方向において、90°の角度で、棒状本体部2が折り曲げられる。
【0023】
第3接触部43は、第3折り曲げ部41よりも棒状本体部2の他端部2b側に形成され、第2ライナープレート9のフランジ91に接触可能なものである。第3接触部43は、第2挿入部4の他端部2bの周面がネジ切りされるネジ部49に螺合可能なものである。第3接触部43は、ネジ部49に螺合可能なナット44と、ナット44に隣接して配置されるワッシャー45と、で構成される。第3接触部43は、ナット44とワッシャー45とが一体的に形成されるワッシャー付きナットが用いられる。第3接触部43は、ナット44とワッシャー45とが分離可能なものであってもよい。
【0024】
第1接触部21は、第1挿入部3と第2挿入部4との間に形成される。第1接触部21は、第1ライナープレート8のフランジ81に接触可能なものである。第1接触部21は、第2接触部33と平行に形成される。第1接触部21は、フランジ81、91と平行となるように一様な方向に延びて形成される。
【0025】
傾斜部22は、第5折り曲げ部23を介して棒状本体部2が折り曲げられることにより、第1接触部21に対して傾斜されて形成される。
【0026】
次に、第1実施形態に係る接続金具1を用いて、第1ライナープレート8と第2ライナープレート9とを接続するライナープレートの接続方法について説明する。
【0027】
図3に示すように、ネジ部49に第3接触部43が設けられていない接続金具1を準備する。ライナープレートの接続方法では、先ず、接続金具1を第1ライナープレート8側に配置し、一の第1貫通孔82-1と一の第2貫通孔92-1とに、第1挿入部3を挿入する。このとき、フランジ81とフランジ91とが離間されていてもよい。
【0028】
次に、ライナープレートの接続方法では、図4に示すように、他の第1貫通孔82-2と他の第2貫通孔92-2とに、第2挿入部4を挿入する。このとき、第1接触部21は、第1ライナープレート8の第1貫通孔82-1の周縁に接触され、第2接触部33は、第2ライナープレート9のフランジ91に接触される。このため、第2接触部33を支点とし第1接触部21を作用点とした梃子の原理により、第1接触部21に接触させたフランジ81を持ち上げることができる。そして、持ち上がったフランジ81をフランジ91に接触させる。
【0029】
次に、ライナープレートの接続方法では、図5に示すように、更にフランジ81、91に平行な第1接触部21を、フランジ81、91に平行になるように第2挿入部4を挿入する。
【0030】
次に、ライナープレートの接続方法では、図6に示すように、第2挿入部4のネジ部49に第3接触部43を螺合し、第3接触部43をフランジ91に接触させる。これにより、ライナープレートの内側の空間に突出されることなく、第1接触部21と第2接触部33と第3接触部43とが、フランジ81とフランジ91とを挟んで固定することが可能となる。以上により、ライナープレートの接続方法が完了する。
【0031】
本実施形態によれば、棒状に形成される棒状本体部2を備え、棒状本体部2は、棒状本体部2の一端部2a側に形成され、一の第1貫通孔82-1と一の第2貫通孔92-1に挿入可能な第1挿入部3と、棒状本体部2の他端部2b側に形成され、他の第1貫通孔82-2と他の第2貫通孔92-2に挿入可能な第2挿入部4と、第1挿入部3と第2挿入部4の間に形成され、第1ライナープレート8に接触可能な第1接触部21と、を有し、第1挿入部3は、棒状本体部2が折り曲げられて形成される第1折り曲げ部31と、第1折り曲げ部31と棒状本体部2の一端部2aとの間で棒状本体部2が折り曲げられて形成される第2折り曲げ部32と、第2折り曲げ部32よりも棒状本体部2の一端部2a側に第2ライナープレート9に接触可能な第2接触部33と、を有し、第2挿入部4は、第1折り曲げ部31の折り曲げ方向に沿って折り曲げられて形成される第3折り曲げ部41と、第3折り曲げ部41よりも棒状本体部2の他端部2b側に第2ライナープレート9に接触可能な第3接触部43と、を有する。
【0032】
これにより、第1接触部21と第2接触部33と第3接触部43とが、フランジ81とフランジ91とを挟んで固定することが可能となる。このとき、従来のように専用の冶具やハンマー等で打撃することなく、ライナープレート同士を接続することができる。このため、施工における騒音を低減することが可能となる。
【0033】
また、本実施形態によれば、接続金具1を用いてライナープレート同士を接続したとき、接続金具1がライナープレートの内側の空間に突出されることなく配置される。このため、ライナープレートの内径を確保することが可能となる。
【0034】
本実施形態によれば、第2挿入部4は、周面にネジ切りされたネジ部49を有し、第3接触部43は、ネジ部49に螺合可能なものである。これにより、第3接触部43をネジ部49に螺合させ、第1挿入部3については特段締め付け作業を必要としない。このため、通常のボルトナットでライナープレートを接続する場合よりも、締め付け回数を低減することができ、施工時間を短縮することが可能となる。
【0035】
また、本実施形態によれば、第3接触部43がネジ部49に螺合されることにより、ライナープレート同士を締結力により接続することができる。ライナープレート同士を強固に接続することが可能となる。
【0036】
本実施形態によれば、第2折り曲げ部32は、棒状本体部2の他端部2bから離間する方向に折り曲げられる。これにより、支点となる第2接触部33から作用点となる第1接触部21までの距離をより長く確保できる。このため、第2接触部33を支点とし第1接触部21を作用点とした梃子の原理により、フランジ81を容易に持ち上げることができる。その結果、施工作業を容易に行うことが可能となる。
【0037】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態に係る接続金具1について説明する。
【0038】
第2実施形態に係る接続金具1では、図7に示すように、第2折り曲げ部32は、棒状本体部2の一端部2aが棒状本体部2の他端部2b側に向けて折り曲げられる形成される。第2折り曲げ部32は、第1折り曲げ部31と棒状本体部2の一端部2aとの間で棒状本体部2が折り曲げられて形成される。第2折り曲げ部32は、第1折り曲げ部31が折り曲げられる第1折曲面の面内方向において、所定の角度で、棒状本体部2が折り曲げられる形成される。例えば第3折り曲げ部41は、第1折り曲げ部31が折り曲げられる第1折曲面の面内方向において、90°の角度で、棒状本体部2が折り曲げられる。
【0039】
特に、本実施形態によれば、第2折り曲げ部32は、棒状本体部2の一端部2aが棒状本体部2の他端部2b側に向けて折り曲げられる。これにより、支点となる第2接触部33が、第1貫通孔82-1と第2貫通孔82-2の間に配置されるものとなる。このため、偶力の作用幅が小さくなり、フランジ81やフランジ91の変形を抑制することができる。
【0040】
(第3実施形態)
次に、第3実施形態に係る接続金具1について説明する。
【0041】
第3実施形態に係る接続金具1は、図8及び図9に示すように、断面円形状の棒状に形成される棒状本体部2を備える。棒状本体部2は、第1挿入部3と、第2挿入部4と、第1接触部21と、を有する。
【0042】
第1挿入部3は、棒状本体部2の一端部2a側に形成される。第1挿入部3は、一の第1貫通孔82と、一の第1貫通孔82に隣接する一の第2貫通孔92と、に挿入可能である。第1挿入部3は、第1折り曲げ部31と、第2折り曲げ部32と、第2接触部33と、を有する。
【0043】
第1折り曲げ部31は、所定の角度で棒状本体部2が折り曲げられる。例えば第1折り曲げ部31は、90°の角度で、棒状本体部2が折り曲げられる。
【0044】
第2折り曲げ部32は、第1折り曲げ部31と棒状本体部2の一端部2aとの間で棒状本体部2が折り曲げられる。第2折り曲げ部32は、第1折り曲げ部31が折り曲げられる第1折曲面の面内方向に直交する方向において、所定の角度で、棒状本体部2が折り曲げられる。例えば第2折り曲げ部32は、第1折り曲げ部31が折り曲げられる第1折曲面の面内方向に直交する方向において、90°の角度で、棒状本体部2が折り曲げられる。
【0045】
第2接触部33は、第2折り曲げ部32よりも棒状本体部2の一端部2a側に形成され、第2ライナープレート9のフランジ91に接触可能なものである。
【0046】
第2挿入部4は、棒状本体部2の他端部2b側に形成される。第2挿入部4は、一の第1貫通孔82とは異なる他の第1貫通孔82と、他の第1貫通孔82に隣接する他の第2貫通孔92に挿入可能なものである。第2挿入部4は、第3折り曲げ部41と、第4折り曲げ部42と、第3接触部43と、を有する。
【0047】
第3折り曲げ部41は、第1折り曲げ部31の折り曲げ方向に沿って棒状本体部2が折り曲げられる。第3折り曲げ部41は、第1折り曲げ部31が折り曲げられる第1折曲面の面内方向において、所定の角度で、棒状本体部2が折り曲げられる。例えば第3折り曲げ部41は、第1折り曲げ部31が折り曲げられる第1折曲面の面内方向において、90°の角度で、棒状本体部2が折り曲げられる。
【0048】
第4折り曲げ部42は、第3折り曲げ部41と棒状本体部2の他端部2bとの間で棒状本体部2が折り曲げられる。第4折り曲げ部42は、第1折り曲げ部31が折り曲げられる第1折曲面の面内方向に直交する方向において、所定の角度で、棒状本体部2が折り曲げられる。例えば第4折り曲げ部42は、第1折り曲げ部31が折り曲げられる第1折曲面の面内方向に直交する方向において、90°の角度で、棒状本体部2が折り曲げられる。すなわち、第4折り曲げ部42は、第2折り曲げ部32と同一の方向に折り曲げられる。なお、第4折り曲げ部42は、いかなる方向に折り曲げられてもよい。
【0049】
第3接触部43は、第4折り曲げ部42よりも棒状本体部2の他端部2b側に形成され、第2ライナープレート9のフランジ91に接触可能なものである。
【0050】
第1接触部21は、第1挿入部3と第2挿入部4との間に形成される。第1接触部21は、第1ライナープレート8のフランジ81に接触可能なものである。第1接触部21は、第2接触部33と平行に形成される。第1接触部21は、フランジ81、91と平行となるように一様な方向に延びて形成される。
【0051】
次に、第3実施形態に係る接続金具1を用いて、第1ライナープレート8と第2ライナープレート9とを接続するライナープレートの接続方法について説明する。
【0052】
ライナープレートの接続方法では、先ず、図10(a)及び図10(b)に示すように、接続金具1を準備し、接続金具1を第1ライナープレート8側に配置する。
【0053】
次に、ライナープレートの接続方法では、一の第1貫通孔82-1と一の第2貫通孔92-1とに、第1挿入部3を挿入する。同時に、他の第1貫通孔82-2と他の第2貫通孔92-2とに、第2挿入部4を挿入する。このとき、第1接触部21をフランジ81に接触させる。そして、フランジ81とフランジ91とを接触させる。
【0054】
次に、ライナープレートの接続方法では、図11(a)及び図11(b)に示すように、接続金具1を90°回転させ、第2接触部33と第3接触部43とをフランジ91に接触させる。これにより、ライナープレートの内側の空間に突出されることなく、第1接触部21と第2接触部33と第3接触部43とが、フランジ81とフランジ91とを挟んで固定することが可能となる。以上により、ライナープレートの接続方法が完了する。
【0055】
特に、本実施形態によれば、第2挿入部4は、第3折り曲げ部41と棒状本体部2の他端部2bとの間で棒状本体部2が折り曲げられて形成される第4折り曲げ部42を更に有し、第3接触部43は、第4折り曲げ部42よりも棒状本体部2の他端部2b側に形成される。これにより、第1挿入部3と第2挿入部4については締め付け作業を必要としない。このため、施工時間を短縮することが可能となる。
【0056】
以上、この発明の実施形態のいくつかを説明したが、これらの実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。また、これらの実施形態は、適宜組み合わせて実施することが可能である。要するに、第1接触部21、第2接触部33及び第3接触部43を有する形態であれば実施することができる。さらに、この発明は、上記いくつかの実施形態の他、様々な新規な形態で実施することができる。したがって、上記いくつかの実施形態のそれぞれは、この発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更が可能である。このような新規な形態や変形は、この発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明、及び特許請求の範囲に記載された発明の均等物の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0057】
1 :接続金具
2 :棒状本体部
2a :一端部
2b :他端部
21 :第1接触部
22 :傾斜部
23 :第5折り曲げ部
3 :第1挿入部
31 :第1折り曲げ部
32 :第2折り曲げ部
33 :第2接触部
4 :第2挿入部
41 :第3折り曲げ部
42 :第4折り曲げ部
43 :第3接触部
44 :ナット
45 :ワッシャー
49 :ネジ部
8 :第1ライナープレート
81 :フランジ
82 :第1貫通孔
9 :第2ライナープレート
91 :フランジ
92 :第2貫通孔
図1
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