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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-31
(45)【発行日】2025-02-10
(54)【発明の名称】建物付設物
(51)【国際特許分類】
   E06B 9/58 20060101AFI20250203BHJP
   E06B 7/28 20060101ALI20250203BHJP
   E06B 9/17 20060101ALI20250203BHJP
【FI】
E06B9/58 A
E06B7/28 B
E06B9/17 Z
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021202361
(22)【出願日】2021-12-14
(65)【公開番号】P2023087848
(43)【公開日】2023-06-26
【審査請求日】2024-04-11
(73)【特許権者】
【識別番号】390005267
【氏名又は名称】YKK AP株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000442
【氏名又は名称】弁理士法人武和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】坂本 義貴
(72)【発明者】
【氏名】岩田 潤一
(72)【発明者】
【氏名】山本 理史
(72)【発明者】
【氏名】田中 敦也
(72)【発明者】
【氏名】相馬 剛
【審査官】鈴木 智之
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-169273(JP,A)
【文献】特開2019-190088(JP,A)
【文献】特開平08-028163(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 7/28
E06B 9/00
E06B 9/02
E06B 9/06-9/18
E06B 9/24-9/388
E06B 9/40-9/50
E06B 9/56-9/92
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
中空部を有する枠部材と、前記中空部の内部を通って前記中空部の室外側と室内側とに延びる配線と、を備えた建物付設物であって、
前記枠部材は、前記中空部の室外側の部分を区画する第1壁部と、前記中空部の室内側の部分を区画する第2壁部と、前記第1壁部に設けられて前記配線が挿通する第1挿通部と、前記第2壁部に設けられて前記配線が挿通する第2挿通部と、前記第1挿通部と前記第2挿通部の少なくとも一方の周りに装着された装着部を含む補強部材と、前記第1壁部の室外側に位置して、前記第1挿通部を室外側に向かって挿通する前記配線が配置される室外側中空部と、を有し、
前記装着部は、前記室外側中空部の内部に配置されて、前記第1挿通部の周りに装着された建物付設物。
【請求項2】
請求項に記載された建物付設物において、
前記枠部材は、前記第1壁部の室外側に位置して、前記室外側中空部の室外側の部分を区画する第3壁部を有し、
前記補強部材は、前記装着部から室外側に向かって突出して、前記室外側中空部の内部で前記第1壁部と前記第3壁部の間に配置される突壁部を有する建物付設物。
【請求項3】
請求項1又は2に記載された建物付設物において、
前記第1挿通部と前記第2挿通部は、前記枠部材の長手方向における位置が互いに相違する建物付設物。
【請求項4】
請求項1ないしのいずれかに記載された建物付設物において、
前記補強部材は、前記中空部の内部に配置されて、前記中空部の内部を通る前記配線をガイドするガイド部を有する建物付設物。
【請求項5】
請求項に記載された建物付設物において、
前記ガイド部は、前記第1挿通部と前記第2挿通部の間で延びる建物付設物。
【請求項6】
請求項1ないしのいずれかに記載された建物付設物において、
前記補強部材は、前記装着部から突出して、前記中空部の内部に配置される内壁部を有する建物付設物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、中空部を有する枠部材と、枠部材の中空部の内部を通って延びる配線を備えた建物付設物に関する。
【背景技術】
【0002】
シャッターを備えた建物付設物は、2×4工法(枠組壁工法)によって施工された建物の外壁に設置されて、建物に付設されることがある。2×4工法の外壁では、構造体であるまぐさが建物の開口部の上方に取り付けられて、まぐさの室外側にシャッターのシャッターケースが設けられる。シャッターの配線は、シャッターケース内の接続部と建物側の電源とに接続されて、シャッターへの電力の供給に使用される。しかしながら、強度の観点から、原則として、まぐさに貫通孔を開けることはできず、シャッターケースの室内側のまぐさを通して配線を配置することはできない。そのため、配線は、例えば、建物付設物の枠部材である縦枠部材の中空部を通って、中空部の室外側と室内側とに延びるように配置される。
【0003】
配線を縦枠部材の中空部の室外側と室内側とに向かって通すため、配線の挿通部(孔、切欠き等)が中空部の室外側の部分と室内側の部分とに形成される。ところが、挿通部の形成に伴い、縦枠部材の配線が通る箇所の強度に影響が生じる虞がある。挿通部を含む縦枠部材の配線が通る箇所については、例えば、火災等の熱による変形、及び、変形による隙間の発生を抑制するため、強度を確保することが求められる。
【0004】
また、従来、建物付設物の配線構造として、金属製のブラケット本体の孔と金属製の蓋部材の孔のそれぞれに軟質の案内部材を嵌入する電動式開閉装置の配線構造が知られている(特許文献1参照)。従来の電動式開閉装置の配線構造では、案内部材の内部孔に電源線を挿通することで、ブラケット本体の孔と蓋部材の孔で電源線が擦れて損傷するのを防止している。しかしながら、従来の電動式開閉装置の配線構造の案内部材を縦枠部材の挿通部に嵌入したとしても、配線の損傷を防止できるだけで、縦枠部材の配線が通る箇所の強度を向上させるのは難しい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特許第5712072号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、前記従来の問題に鑑みなされたもので、その目的は、建物付設物の中空部を有する枠部材における配線が通る箇所の強度を向上することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、中空部を有する枠部材と、前記中空部の内部を通って前記中空部の室外側と室内側とに延びる配線と、を備えた建物付設物であって、
前記枠部材は、前記中空部の室外側の部分を区画する第1壁部と、前記中空部の室内側の部分を区画する第2壁部と、前記第1壁部に設けられて前記配線が挿通する第1挿通部と、前記第2壁部に設けられて前記配線が挿通する第2挿通部と、前記第1挿通部と前記第2挿通部の少なくとも一方の周りに装着された装着部を含む補強部材と、前記第1壁部の室外側に位置して、前記第1挿通部を室外側に向かって挿通する前記配線が配置される室外側中空部と、を有し、
前記装着部は、前記室外側中空部の内部に配置されて、前記第1挿通部の周りに装着された建物付設物である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、建物付設物の中空部を有する枠部材における配線が通る箇所の強度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第1実施形態の建物付設物を示す正面図である。
図2】第1実施形態の建物付設物の上部を示す縦断面図である。
図3】第1実施形態の建物付設物の枠部材を示す横断面図である。
図4】第1実施形態の枠部材の補強部材を含む部分を示す斜視図である。
図5図4に示す第1実施形態の枠部材を分解して示す斜視図である。
図6】第2実施形態の枠部材の補強部材を含む部分を示す斜視図である。
図7図6に示す第2実施形態の枠部材を分解して示す斜視図である。
図8図6に示す第2実施形態の枠部材の内部構造と配線を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の建物付設物の一実施形態について、図面を参照して説明する。
本実施形態の建物付設物は、建物に付設される構造物であり、シャッターを備えている。シャッターは、電動式のシャッター装置(電動シャッター)であり、電気を動力として電力により駆動される。以下では、建具用のシャッターを例にとり、建物付設物の2つの実施形態について説明する。建具、シャッター、及び、建物付設物は、建物の外壁に設置(付設)されて、建物の室内(屋内)と室外(屋外)の間に配置される。
【0011】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態の建物付設物1を示す正面図であり、閉じた状態のシャッター2を室外側からみて示している。図2は、第1実施形態の建物付設物1の上部を示す縦断面図であり、建具3及び建物10の外壁11のそれぞれの一部を示している。
図示のように、建物10は、2×4工法によって施工されており、外壁11に形成された開口部12と、開口部12の上方に取り付けられたまぐさ13と、開口部12の側方に取り付けられたまぐさ受け14を有している。まぐさ13は、開口部12の上縁部に沿って左右方向に延び、まぐさ受け14は、開口部12の側縁部に沿って上下方向に延びる。まぐさ13は、まぐさ受け14の上端部に載置されて、まぐさ受け14により受けられる。
【0012】
なお、建物10に付設された建物付設物1を正面からみたときに、上下となる方向が上下方向であり、左右となる方向が左右方向である。図1では、上下方向は鉛直方向であり、左右方向は水平方向である。室内外方向Sは、建物10に付設された建物付設物1における室内外方向(屋内外方向)である。また、室内外方向Sは、建物10に付設された建物付設物1を正面からみたときに、前後となる方向であり、図1では、左右方向に直交する水平方向である。このように、建物付設物1に関する方向は、建物10に付設された状態での方向で特定する。また、建物付設物1に関して室内側、室外側とは、建物10に付設された状態での室内側、室外側である。
【0013】
建物付設物1は、建物10の外壁11の開口部12に設置される建具3と、建具3に連結されたシャッター2を備えている。建具3は、開閉可能な窓(例えば、引き違い窓)であり、障子(図示せず)を囲む枠体4を備えている。枠体4は、方形状の開口枠(窓枠)であり、外壁11の開口部12に設置される。障子の移動により、枠体4の開口部が開閉される。
【0014】
枠体4は、互いに組み合わされて開口部を形成する上枠(図示せず)、下枠(図示せず)、及び、一対の縦枠20を有している。上枠、下枠、及び、縦枠20は、枠体4を構成する枠材である。上枠と下枠は、枠体4の上下の横枠であり、枠体4の上部と下部で左右方向(横方向)に延びる。一対の縦枠20は、枠体4の左右の側部に位置する側枠であり、枠体4の側部で上下方向(縦方向)に延びる。上枠、下枠、及び、左右の縦枠20は、互いに接続されて、枠組みされている。
【0015】
シャッター2は、建具3の枠体4の上部に設置されるシャッターケース30と、建具3の室外側で移動可能(昇降可能)なシャッターカーテン31と、一対のガイドレール32と、シャッターケース30の内部に収容された巻取軸40及び駆動部41を備えている。シャッターケース30は、箱状のケーシング(シャッターボックス)であり、枠体4及び建物10の外壁11に取り付けられる。シャッターカーテン31は、互いに回動可能に連結された複数のスラット31Aを有している。複数のスラット31Aは、それぞれ左右方向に延び、上下方向に順に並べて、互いに平行に配置されている。
【0016】
シャッターカーテン31は、シャッターケース30の内外に向かって移動するとともに、上下方向に移動して開閉する。シャッターカーテン31を閉めるときに、シャッターカーテン31は、シャッターケース30から繰り出されて、下方に移動する。また、シャッターカーテン31を開けるときには、シャッターカーテン31は、シャッターケース30に向かって巻き上げられて、上方に移動し、シャッターケース30の内部に収容される。
【0017】
まぐさ13は、シャッターケース30、巻取軸40、及び、駆動部41の室内側に位置する建物10の構造体であり、シャッターケース30、巻取軸40、及び、駆動部41は、まぐさ13の室外側に設置される。巻取軸40は、軸心回りに回転可能な筒状の回転軸であり、シャッターカーテン31は、巻取軸40に取り付けられている。駆動部41は、巻取軸40を駆動する電動式のモータ(電動モータ)であり、電気を動力として稼働する。駆動部41は、巻取軸40に連結され、巻取軸40を回転駆動して、巻取軸40を軸心回りの一方向と他方向とに回転させる。
【0018】
シャッターカーテン31を閉めるときに、巻取軸40は、駆動部41により、軸心回りの一方向に回転(図2では、時計回りに回転)して、シャッターカーテン31を繰り出す。シャッターカーテン31は、巻取軸40から下方に向かって繰り出されて展開し、シャッターケース30から下方に移動する。シャッターカーテン31を開けるときには、巻取軸40は、駆動部41により、軸心回りの他方向に回転(図2では、反時計回りに回転)して、シャッターカーテン31を巻き取る。シャッターカーテン31は、シャッターケース30に向かって上方に移動して、巻取軸40の周りに繰り出し可能に巻き取られる。
【0019】
シャッターカーテン31は、左右のガイドレール32に移動可能に連結されて、左右のガイドレール32の間で上下方向に移動する。ガイドレール32は、枠体4の一対の縦枠20のそれぞれに取り付けられて、縦枠20の長手方向(上下方向)に延びる。ガイドレール32は、シャッターケース30の下方に位置しており、シャッターケース30は、ガイドレール32の上方に配置される。ガイドレール32は、シャッターカーテン31の左右の側部に連結されて、シャッターカーテン31の開閉時(昇降時)に、シャッターカーテン31の左右の側部を上下方向にガイドする。シャッターカーテン31は、ガイドレール32により縦枠20の長手方向にガイドされる。
【0020】
建物付設物1は、建具3の枠体4(縦枠20)とシャッター2のガイドレール32を備えるとともに、枠部材5と配線6を備えている。枠部材5は、枠体4及びガイドレール32を含む建物付設物1の枠構造体を構成する部材である。ここでは、枠部材5は、枠体4の縦枠20とガイドレール32を含む枠構造体の縦枠部材であり、枠構造体の側部で上下方向に延びる。配線6は、電気配線用のケーブルであり、建物付設物1及び枠部材5の内外に渡って延びる。また、配線6は、シャッターケース30の内部と建物10の間で枠部材5の内部を通って延びる。
【0021】
配線6は、建物付設物1側の一端部に設けられた接続部6A(コネクタ)を有している。配線6の接続部6Aは、シャッターケース30の内部に配置されて、シャッター2の駆動部41の接続部42と接続されている。接続部42は、駆動部41のコード43の先端に設けられて、シャッターケース30に取り付けられている。配線6は、シャッター2の接続部42と建物10側の接続部(電源)(図示せず)の間で枠部材5の内部を通って延びる。枠部材5よりも室内側の箇所では、配線6は、まぐさ受け14及び建物10の縦枠材(図示せず)に形成された貫通孔15を挿通して建物10側の接続部まで延び、建物10側の接続部と接続される。
【0022】
図3は、第1実施形態の建物付設物1の枠部材5を示す横断面図であり、枠部材5を通る配線6を模式的に鎖線で示している。
図示のように、枠部材5の見込み方向は、室内外方向Sであり、枠部材5の見付け方向は、左右方向である。また、枠部材5の長手方向は、上下方向であり、枠部材5は、上下方向に延びる。枠部材5の縦枠20及びガイドレール32は、押出成形により成形された金属製(例えば、アルミニウム合金製)の形材からなる。縦枠20及び枠部材5は、中空形状に形成されており、建物10の外壁11から室外側に向かって突出して配置される。
【0023】
枠部材5の縦枠20は、2つの建物取付片21、22(第1建物取付片21、第2建物取付片22)と、枠体4(枠構造体)の外周側に位置する外周壁部23と、枠体4(枠構造体)の内周側に位置する内周壁部24と、2つのレール取付片25、26(第1レール取付片25、第2レール取付片26)を有している。建物取付片21、22は、縦枠20の室内側の端部に位置し、取付具(例えば、ねじ)(図示せず)により、建物10の外壁11に取り付けられる。
【0024】
外周壁部23と内周壁部24は、左右方向において互いに対向する対向壁部であり、建物取付片21、22から室外側に突出して、左右方向に離隔している。レール取付片25、26は、縦枠20の室外側の端部に位置し、左右方向に離隔して、室外側(ガイドレール32側)に突出している。第1レール取付片25は、ガイドレール32と係合する係合片であり、枠体4の外周側(外周壁部23側)に位置している。第2レール取付片26は、ガイドレール32と当接する当接片であり、枠体4の内周側(内周壁部24側)に位置している。
【0025】
枠部材5のガイドレール32は、縦枠20の室外側に配置されて、縦枠20の室外側の端部に取り付けられている。また、ガイドレール32は、シャッターカーテン31をガイドする溝状のガイド33と、2つの枠取付片34、35(第1枠取付片34、第2枠取付片35)を有している。枠取付片34、35は、ガイド33の室内側(縦枠20側)に位置し、左右方向に離隔して、室内側に突出している。第1枠取付片34は、縦枠20と係合する係合部であり、枠体4の外周側に位置している。第2枠取付片35は、縦枠20と当接する当接片であり、枠体4の内周側に位置している。
【0026】
ガイドレール32の第1枠取付片34と縦枠20の第1レール取付片25が互いに係合して、第1枠取付片34が第1レール取付片25に取り付けられる。また、ガイドレール32の第2枠取付片35と縦枠20の第2レール取付片26は、左右方向において、重ね合わせて配置されて、互いに当接する。その状態で、第2枠取付片35は、取付具(例えば、ねじ)(図示せず)により、第2レール取付片26に取り付けられる。これにより、ガイドレール32が縦枠20に取り付けられる。
【0027】
枠部材5は、中空形状に形成された2つの中空部50、51(第1中空部50、第2中空部51)と、室内外方向Sにおいて中空部50、51を区画する3つの壁部52、53、54(第1壁部52、第2壁部53、第3壁部54)と、配線6が挿通する2つの挿通部55、56(第1挿通部55、第2挿通部56)を有している。第1中空部50、第1壁部52、第2壁部53、第1挿通部55、及び、第2挿通部56は、縦枠20に設けられ、第3壁部54は、ガイドレール32に設けられている。また、第2中空部51は、縦枠20とガイドレール32の間に形成されている。
【0028】
中空部50、51は、第1壁部52を挟んで室内外方向Sに隣り合い、それぞれ枠部材5の長手方向(上下方向)に延びる。第1中空部50は、第2中空部51の室内側に位置する室内側中空部であり、第2中空部51は、第1中空部50の室外側に位置する室外側中空部である。また、第1中空部50は、枠部材5の主中空部であり、第2中空部51は、第1中空部50よりも体積(内部空間の体積)が小さい小中空部である。室内外方向Sにおける第2中空部51の寸法は、室内外方向Sにおける第1中空部50の寸法よりも小さい。
【0029】
配線6は、枠部材5の第1中空部50の内部を通って第1中空部50の室外側と室内側とに延びる。第1中空部50は、左右方向において、外周壁部23と内周壁部24の間に区画され、室内外方向Sにおいて、第1壁部52と第2壁部53の間に区画されている。外周壁部23、内周壁部24、及び、第1中空部50は、室内外方向Sに沿って配置される。第2中空部51は、左右方向において、第1レール取付片25と第2枠取付片35(第2レール取付片26)の間に区画され、室内外方向Sにおいて、第1壁部52と第3壁部54の間に区画されている。
【0030】
第1壁部52は、第2壁部53及び第1中空部50の室外側に位置する室外側壁部であり、第1中空部50の室外側の部分を区画する。第2壁部53は、第1壁部52及び第1中空部50の室内側に位置する室内側壁部であり、第1中空部50の室内側の部分を区画する。第1壁部52と第2壁部53は、第1中空部50の内部空間を挟んで、室内外方向Sに離隔して、室内外方向Sにおいて互いに対向して配置されている。第1壁部52は、第3壁部54及び第2中空部51の室内側に位置して、第2中空部51の室内側の部分を区画する。第3壁部54は、ガイドレール32の室内側の壁部であり、第1壁部52及び第2中空部51の室外側に位置して、第2中空部51の室外側の部分を区画する。また、第3壁部54は、第1壁部52と対向する対向壁部である。第1壁部52と第3壁部54は、第2中空部51の内部空間を挟んで、室内外方向Sに離隔して、室内外方向Sにおいて互いに対向して配置されている。
【0031】
配線6は、第1中空部50を挟んだ室外側位置P1と室内側位置P2の間で、挿通部55、56を室内外方向Sに挿通して、第1中空部50を貫通する。室外側位置P1は、第1中空部50及び第1壁部52の室外側の位置であり、ここでは、第2中空部51の内部の位置である。室内側位置P2は、第1中空部50及び第2壁部53の室内側の位置である。配線6は、第1中空部50の内部を通って第1中空部50の室外側位置P1と室内側位置P2とに延び、枠部材5に設定された配線6が通る経路(配線経路)に沿って配置される。
【0032】
配線6は、第1中空部50の内部及び2つの挿通部55、56を通って、第1中空部50の室外側と室内側とに延びる。挿通部55、56は、例えば、挿通孔、挿通口、又は、切欠きである。第1挿通部55は、第1壁部52を室内外方向Sに貫通する室外側挿通部であり、第1中空部50の室外側の部分及び第2中空部51の室内側の部分で、第1中空部50の内部と室外側位置P1(第2中空部51の内部)とに向かって開放されている。第2挿通部56は、第2壁部53を室内外方向Sに貫通する室内側挿通部であり、第1中空部50の室内側の部分で、第1中空部50の内部と室内側位置P2とに向かって開放されている。
【0033】
配線6は、第1中空部50の内部と室外側位置P1の間で、第1壁部52に設けられた第1挿通部55を挿通して、第1中空部50の内部と室外側位置P1とに延びる。第2中空部51は、第1壁部52及び第1挿通部55の室外側に位置しており、配線6は、第1挿通部55を室外側に向かって挿通して、第2中空部51に配置される。配線6は、第2中空部51の内部を通って、枠部材5の長手方向に沿って上方のシャッターケース30(接続部42)に向けて延び、シャッターケース30の内部で接続部42と接続される。
【0034】
配線6は、第1中空部50の内部と室内側位置P2の間で、第2壁部53に設けられた第2挿通部56を挿通して、第1中空部50の内部と室内側位置P2とに延びる。建物10の貫通孔15は、第2壁部53及び第2挿通部56よりも室内側に位置している。配線6は、第2挿通部56を室内側に向かって挿通して、室内側の貫通孔15に向けて延び、貫通孔15を挿通して、建物10側の接続部と接続される。
【0035】
枠部材5は、第1壁部52の第1挿通部55と第2壁部53の第2挿通部56のうちの少なくとも一方(いずれか一方、又は、両方)の周り(周辺部57、58)に装着された装着部61を含む補強部材60を有している。第1挿通部55の周辺部57は、第1壁部52における第1挿通部55の周辺に位置する部分(第1周辺部)であり、第2挿通部56の周辺部58は、第2壁部53における第2挿通部56の周辺に位置する部分(第2周辺部)である。補強部材60の装着部61は、枠部材5の第1中空部50(壁部52、53)を補強する補強部であり、第1挿通部55の周辺部57と第2挿通部56の周辺部58のうちの少なくとも一方に装着される。
【0036】
枠部材5における配線6が通る箇所の強度は、挿通部55、56の分だけ、枠部材5の他の箇所の強度よりも低くなる虞がある。これに対し、補強部材60は、金属製の補強体であり、第1挿通部55と第2挿通部56の少なくとも一方の周り(周辺部57、58)を補強する。補強部材60により、第1中空部50及び枠部材5の強度が確保される。ここでは、補強部材60及び装着部61が第2中空部51の内部に配置されて、装着部61が第1挿通部55の周辺部57に装着される。補強部材60の装着部61は、取付具(例えば、ねじ、リベット)(図示せず)により、第1壁部52の第1挿通部55の周辺部57に取り付けられて、周辺部57の一部又は全体に装着される。その状態で、補強部材60により、第1挿通部55の周辺部57が補強される。
【0037】
図4は、第1実施形態の枠部材5の補強部材60を含む部分を示す斜視図であり、ガイドレール32及び配線6を省略している。図5は、図4に示す第1実施形態の枠部材5を分解して示す斜視図である。
図示のように、第1挿通部55と第2挿通部56は、枠部材5の長手方向にずらして形成されており、枠部材5の長手方向における位置が互いに相違している。枠部材5の長手方向において、第1挿通部55は、第2挿通部56よりも下側に位置する下側挿通部であり、第2挿通部56は、第1挿通部55よりも上側に位置する上側挿通部である。
【0038】
補強部材60は、装着部61に形成された貫通孔62と、第1挿通部55に室外側から重ねて配置される重ね挿通部63と、装着部61から室外側に向かって突出する突壁部64を有している(図3図5参照)。補強部材60及び装着部61は、第1壁部52の室外側、及び、第3壁部54の室内側に位置し、第1壁部52と第3壁部54の間に配置される。装着部61は、第1挿通部55の周辺部57に室外側から重ねて配置されて、第1挿通部55の周辺部57の室外側の部分に装着される。
【0039】
装着部61の貫通孔62は、枠部材5の長手方向における重ね挿通部63の両側に位置して、装着部61を室内外方向Sに貫通する。取付具は、室外側から装着部61の貫通孔62を貫通して、第1挿通部55の周辺部57に固定されて、装着部61を第1挿通部55の周辺部57に取り付ける。重ね挿通部63は、補強部材60の装着部61と突壁部64の間に形成されて、装着部61と突壁部64により囲まれる。配線6は、第1壁部52の第1挿通部55と補強部材60の重ね挿通部63を室内外方向Sに挿通する。
【0040】
配線6によりシャッター2の接続部42と建物10側の接続部とを繋ぐ配線工事のときには、枠部材5を建物10に設置した状態で、配線6の接続部6Aを第2挿通部56に室内側から挿入して、配線6を室内側から室外側に向かって第2挿通部に挿通させる。また、配線6を第1中空部50の内部を室内側(第2挿通部56)から室外側(第1挿通部55)まで通して、配線6の接続部6Aを第1挿通部55に室内側から挿入する。これにより、配線6を室内側から室外側に向かって第1挿通部55及び重ね挿通部63を挿通させる。続いて、配線6を第1挿通部55及び重ね挿通部63から上方のシャッター2の接続部42に向かって引き出し、配線6の接続部6Aをシャッター2の接続部42に接続する。
【0041】
このように、配線工事のときに、配線6は、枠部材5の中空部50の室内側から中空部50の内部を通って中空部50の室外側に向かって延びる。また、配線6は、第1中空部50の室外側の第1挿通部55を挿通してシャッターケース30及び駆動部41(接続部42)まで延び、第1中空部50の室内側の第2挿通部56を挿通して建物側の接続部(電源)まで延びる。駆動部41は、配線6により、電源に繋がり、配線6を通して、電源から電気が供給される。
【0042】
補強部材60の突壁部64は、第2中空部51の内部(図3参照)で、室内外方向Sに沿って延び、第1壁部52と第3壁部54の間に配置される。また、突壁部64は、第1壁部52及び装着部61から第3壁部54に向かって突出して、第3壁部54に接触し、又は、第3壁部54との間に隙間をあけて配置される。
【0043】
補強部材60の突壁部64は、板状の遮り部(目隠し部)であり、第2中空部51内で、縦枠20の第2レール取付片26及びガイドレール32の第2枠取付片35に隣接して、第2レール取付片26に重ねて配置される。枠部材5の長手方向における第1挿通部55の箇所で、突壁部64は、第2レール取付片26に沿って配置されるとともに、第2中空部51の内部側から、第2レール取付片26、及び、第2レール取付片26と第2枠取付片35の間の箇所を覆う位置に配置される。
【0044】
火災等により、枠部材5が室外側から加熱されることがある。その際、枠部材5の第1挿通部55を含む箇所が変形して、枠部材5の第2中空部51の箇所に隙間が発生した場合には、第2中空部51に発生する隙間を含む貫通路が補強部材60の突壁部64により遮られる。具体的には、枠部材5の変形により、縦枠20の第1レール取付片25とガイドレール32の第1枠取付片34の間、及び、縦枠20の第2レール取付片26とガイドレール32の第2枠取付片35の間に隙間が発生する。これにより、第2中空部51の左右方向の両側の箇所で、縦枠20とガイドレール32の間に隙間が発生し、第2中空部51が両側の隙間を通して室外と室内とに繋がる。その結果、第2中空部51に貫通路が発生する。
【0045】
貫通路は、第2中空部51の両側の隙間を含み、第2中空部51を室外から室内まで貫通する。補強部材60の突壁部64は、第2中空部51の内部で、両側の隙間の間、及び、貫通路に配置されて、第2中空部51に発生する貫通路を遮る。その結果、隙間を通って第2中空部51の内部に火炎が入り込んだとしても、突壁部64により、火炎が遮られる。また、突壁部64により、火炎が第2中空部51の室外から室内に入り込むのが妨げられる。
【0046】
第1実施形態の建物付設物1では、補強部材60により、枠部材5における配線6が通る箇所の強度を向上させることができる。また、配線6を第1中空部50の2つの挿通部55、56を挿通させることで、配線6を枠部材5の第1中空部50を通して容易に配置することができる。補強部材60により、枠部材5における配線6が通る箇所の変形に対する剛性が高くなるため、火災等で枠部材5が加熱されたときに、枠部材5における配線6が通る箇所の変形を抑制することができる。これにより、枠部材5に隙間が発生するのを抑制できるとともに、枠部材5に貫通路が発生するのを抑制することができる。
【0047】
補強部材60の装着部61は、第2中空部51の内部に配置されて、第1挿通部55の周辺部57に装着される。そのため、補強部材60により、枠部材5の第1中空部50における第1挿通部55の箇所の強度を向上させることができる。また、例えば、建物付設物1の室外側における火災で、枠部材5が室外側から加熱されたときに、枠部材5の第1挿通部55の箇所の変形を抑制することができる。これにより、第2中空部51に隙間が発生するのを抑制できるとともに、第2中空部51に貫通路が発生するのを抑制することができる。
【0048】
補強部材60の突壁部64により、補強部材60の強度、及び、枠部材5の第1中空部50における第1挿通部55の箇所の強度を向上させることができる。また、枠部材5が室外側から加熱されて第2中空部51に隙間が発生したときには、隙間を含む貫通路を遮る遮り部として突壁部64が機能し、突壁部64により、第2中空部51に貫通路が発生するのを抑制することができる。なお、突壁部64は、装着部61の左右方向の任意の位置に接続することができる。従って、突壁部64は、装着部61の左右方向の一端部又は他端部に接続してもよく、装着部61の左右方向の一端部と他端部の間の中間部に接続してもよい。
【0049】
第1挿通部55と第2挿通部56を枠部材5の長手方向にずらして形成するときには、第1挿通部55と第2挿通部56を枠部材5の長手方向にずらさずに形成するときに比べて、枠部材5の第1中空部50の強度が高くなる。このように、枠部材5の長手方向における第1挿通部55の位置と第2挿通部56の位置を相違させることで、枠部材5の第1中空部50の強度の低下を抑制して、枠部材5の強度を確保することができる。
【0050】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態の建物付設物1について説明する。第2実施形態の建物付設物1では、補強部材のみが第1実施形態の補強部材60と相違する。そのため、以下では、補強部材について主に説明する。また、補強部材に関し、第1実施形態の補強部材60と同じ事項の説明は省略し、第1実施形態の補強部材60の構成に相当する構成には、第1実施形態の補強部材の構成と同じ名称を用いる。
【0051】
図6は、第2実施形態の枠部材5の補強部材70を含む部分を示す斜視図であり、ガイドレール32及び配線6を省略している。図7は、図6に示す第2実施形態の枠部材5を分解して示す斜視図である。図8は、図6に示す第2実施形態の枠部材5の内部構造と配線6を示す斜視図であり、第2建物取付片22、内周壁部24、及び、第2レール取付片26を除去した縦枠20を示している。
【0052】
図示のように、補強部材70は、第1実施形態の補強部材60の突壁部64に相当する部分を有していない。また、補強部材70は、装着部71、貫通孔72、及び、重ね挿通部73を有するとともに、ガイド部75と内壁部76を有している。装着部71は、枠部材5の長手方向に離隔して、補強部材70の上下の2箇所に形成され、枠部材5の長手方向における第1挿通部55の両側で周辺部57に装着される。重ね挿通部73は、2箇所の装着部71の間に形成される。
【0053】
補強部材70のガイド部75と内壁部76は、装着部71から突出して、第1中空部50の内部に配置される。ここでは、ガイド部75と内壁部76は、装着部71から第1中空部50の内部(室内側)に向かって突出して、第1挿通部55を挿通する。また、ガイド部75と内壁部76は、第1中空部50の内部で、室内外方向Sに沿って延び、第1壁部52と第2壁部53の間に配置される。ガイド部75と内壁部76は、装着部71及び第1壁部52から第2壁部53に向かって突出して、第2壁部53に接触し、又は、第2壁部53との間に隙間をあけて配置される。
【0054】
補強部材70のガイド部75は、枠部材5の第1中空部50の内部で、第1中空部50の内部を通る配線6をガイドする配線ガイドであり、第1挿通部55と第2挿通部56の間で配線6をガイドする。ガイド部75は、第1挿通部55の下部から第2壁部53(室内側)に向かって延び、第2挿通部56よりも下側に配置される。ガイド部75の第2壁部53側の端部(先端部)は、室内外方向Sにおいて、第2壁部53と対向して配置される。
【0055】
配線6は、第2挿通部56を第1中空部50の内部に向かって挿通し、第1中空部50の内部で下方に向けて配置される。ガイド部75は、第1中空部50の内部に挿通した配線6を受けて、第1挿通部55に向かって配線6をガイドする。配線6は、ガイド部75に沿って第1挿通部55まで配置されて、第1中空部50の内部から第1挿通部55を第2中空部51側(室外側)に向かって挿通する。
【0056】
補強部材70の内壁部76は、補強部材70を補強する補強壁部であり、装着部71及びガイド部75に接続して、補強部材70の強度を高める。内壁部76は、第1壁部52と第2壁部53の間で、第1中空部50の内面(ここでは、外周壁部23)に沿って配置される。第1中空部50の内部で、ガイド部75は、内壁部76から左右方向に突出し、内壁部76は、ガイド部75から枠部材5の長手方向に、かつ、第2挿通部56に向かって突出する。
【0057】
第2実施形態の建物付設物1では、補強部材70のガイド部75により、配線6を枠部材5の第1中空部50を通して容易に配置することができる。これにより、配線工事の作業性を向上させることができる。また、補強部材70の内壁部76により、補強部材70及び枠部材5の第1中空部50の強度を向上させることができる。
【0058】
なお、補強部材70のガイド部75は、室外側から室内側に向かってみたときに、室内外方向Sに対して、斜め上方に傾斜して配置し、第1挿通部55から斜め上方の第2挿通部56に向かって傾斜させてもよい。このように、ガイド部75は、第1中空部50の内部で、第1挿通部55と第2挿通部56の間に配置して、第1挿通部55と第2挿通部56の間で延びるようにしてもよい。この場合には、補強部材70のガイド部75により、第1中空部50の内部で、第1挿通部55又は第2挿通部56に向かって配線6をガイドして、配線6を枠部材5の第1中空部50を通して容易に配置することができる。
【0059】
第1挿通部55と第2挿通部56は、枠部材5の長手方向に完全にずらして形成され、枠部材5の長手方向における位置が完全に相違する。これに対し、枠部材5の長手方向において、第1挿通部55の位置と第2挿通部56の位置を互いに一致又は一部重複されてもよい。この場合でも、補強部材60、70により、枠部材5の強度を向上させることができる。また、第1実施形態の補強部材60の突壁部64を第2実施形態の補強部材70に設けてもよく、第2実施形態の補強部材70のガイド部75と内壁部76のいずれか一方又は両方を第1実施形態の補強部材60に設けてもよい。
【0060】
補強部材60、70の装着部61、71は、第1壁部52にのみ取り付けて、第1挿通部55の周辺部57にのみ装着してもよい。これに対し、装着部61、71は、第2壁部53にのみ取り付けて、第2挿通部56の周辺部58にのみ装着してもよい。また、2つの補強部材60、70の装着部61、71を、それぞれ第1壁部52と第2壁部53に取り付けて、第1挿通部55の周辺部57と第2挿通部56の周辺部58に装着してもよい。
【0061】
枠部材5は、縦枠部材に限定されず、縦枠部材以外の枠部材(例えば、上枠部材である建具3の枠体4の上枠、又は、下枠部材である建具3の枠体4の下枠)であってもよい。枠部材の構造に対応して、枠部材5に第2中空部51を設けないようにしてもよい。建具3は、引き違い窓以外の建具(例えば、開閉窓、固定窓)であってもよく、建物付設物1は、シャッター2を備えていない建物付設物であってもよい。本発明は、中空部を有する枠部材と配線を備えた種々の建物付設物に適用することができる。
【0062】
以上のとおり、建物付設物は、
中空部を有する枠部材と、前記中空部の内部を通って前記中空部の室外側と室内側とに延びる配線と、を備えた建物付設物であって、
前記枠部材は、前記中空部の室外側の部分を区画する第1壁部と、前記中空部の室内側の部分を区画する第2壁部と、前記第1壁部に設けられて前記配線が挿通する第1挿通部と、前記第2壁部に設けられて前記配線が挿通する第2挿通部と、前記第1挿通部と前記第2挿通部の少なくとも一方の周りに装着された装着部を含む補強部材と、を有する建物付設物である。
従って、建物付設物の中空部を有する枠部材における配線が通る箇所の強度を向上させることができる。
【0063】
前記枠部材は、前記第1壁部の室外側に位置して、前記第1挿通部を室外側に向かって挿通する前記配線が配置される室外側中空部を有し、
前記装着部は、前記室外側中空部の内部に配置されて、前記第1挿通部の周りに装着される。
従って、枠部材の中空部における第1挿通部の箇所の強度を向上させることができる。また、枠部材が室外側から加熱されたときに、枠部材の第1挿通部の箇所の変形を抑制することができる。これにより、枠部材の室外側中空部に隙間が発生するのを抑制できるとともに、枠部材の室外側中空部に貫通路が発生するのを抑制することができる。
【0064】
前記枠部材は、前記第1壁部の室外側に位置して、前記室外側中空部の室外側の部分を区画する第3壁部を有し、
前記補強部材は、前記装着部から室外側に向かって突出して、前記室外側中空部の内部で前記第1壁部と前記第3壁部の間に配置される突壁部を有する。
従って、突壁部により、補強部材の強度、及び、枠部材の中空部における第1挿通部の箇所の強度を向上させることができる。また、枠部材が室外側から加熱されて室外側中空部に隙間が発生したときには、隙間を含む貫通路を遮る遮り部として突壁部が機能し、突壁部により、室外側中空部に貫通路が発生するのを抑制することができる。
【0065】
前記第1挿通部と前記第2挿通部は、前記枠部材の長手方向における位置が互いに相違する。
従って、枠部材の中空部の強度の低下を抑制して、枠部材の強度を確保することができる。
【0066】
前記補強部材は、前記中空部の内部に配置されて、前記中空部の内部を通る前記配線をガイドするガイド部を有する。
従って、補強部材のガイド部により、配線を枠部材の中空部を通して容易に配置することができる。
【0067】
前記ガイド部は、前記第1挿通部と前記第2挿通部の間で延びる。
従って、補強部材のガイド部により、中空部の内部で、第1挿通部又は第2挿通部に向かって配線をガイドして、配線を枠部材の中空部を通して容易に配置することができる。
【0068】
前記補強部材は、前記装着部から突出して、前記中空部の内部に配置される内壁部を有する。
従って、補強部材の内壁部により、補強部材及び枠部材の中空部の強度を向上させることができる。
【符号の説明】
【0069】
1・・・建物付設物、2・・・シャッター、3・・・建具、4・・・枠体、5・・・枠部材、6・・・配線、6A・・・接続部、10・・・建物、11・・・外壁、12・・・開口部、13・・・まぐさ、14・・・まぐさ受け、15・・・貫通孔、20・・・縦枠、21・・・第1建物取付片、22・・・第2建物取付片、23・・・外周壁部、24・・・内周壁部、25・・・第1レール取付片、26・・・第2レール取付片、30・・・シャッターケース、31・・・シャッターカーテン、31A・・・スラット、32・・・ガイドレール、33・・・ガイド、34・・・第1枠取付片、35・・・第2枠取付片、40・・・巻取軸、41・・・駆動部、42・・・接続部、43・・・コード、50・・・第1中空部、51・・・第2中空部、52・・・第1壁部、53・・・第2壁部、54・・・第3壁部、55・・・第1挿通部、56・・・第2挿通部、57・・・周辺部、58・・・周辺部、60・・・補強部材、61・・・装着部、62・・・貫通孔、63・・・重ね挿通部、64・・・突壁部、70・・・補強部材、71・・・装着部、72・・・貫通孔、73・・・重ね挿通部、75・・・ガイド部、76・・・内壁部、P1・・・室外側位置、P2・・・室内側位置、S・・・室内外方向。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8