(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-03
(45)【発行日】2025-02-12
(54)【発明の名称】積層体及び積層体の製造方法並びに熱電変換素子及び磁気センサ
(51)【国際特許分類】
H10N 15/20 20230101AFI20250204BHJP
H10D 48/40 20250101ALI20250204BHJP
H10N 52/00 20230101ALI20250204BHJP
【FI】
H10N15/20
H10D48/40 Z
H10N52/00 M
(21)【出願番号】P 2021028690
(22)【出願日】2021-02-25
【審査請求日】2023-11-17
(73)【特許権者】
【識別番号】504157024
【氏名又は名称】国立大学法人東北大学
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【氏名又は名称】及川 周
(72)【発明者】
【氏名】王 建
(72)【発明者】
【氏名】関 剛斎
(72)【発明者】
【氏名】高梨 弘毅
【審査官】黒田 久美子
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-033106(JP,A)
【文献】特開2020-043165(JP,A)
【文献】国際公開第2018/159138(WO,A1)
【文献】特開2001-094175(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H10N 15/20
H10D 48/40
H10N 52/00
G01R 33/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材と、
前記基材の上に設けられ、AlNを有し、かつAlNの結晶構造は、立方晶及び六方晶からなる群の中の少なくとも一種以上である緩衝層と、
前記緩衝層の上に設けられ、前記緩衝層に近い側から、
磁性材料を含む合金層と、
AlNを有し、かつAlNの結晶構造は、立方晶及び六方晶からなる群の中の少なくとも一種以上であるキャップ層と、を有する混合層と、を有し、
前記磁性材料は、多結晶であるCo基ホイスラー合金を有し、かつ膜形状であり、
前記Co基ホイスラー合金の結晶構造は、L2
1規則構造及びB2構造からなる群の中の少なくとも1種以上であり、
膜の厚さ方向に前記Co基ホイスラー合金の結晶方位が配向する
ことを特徴とする
積層体。
【請求項2】
前記磁性材料の化学組成は、組成式で、Co
αMn
βX
γで表され、
Xは、Ga、Al、Si及びGeからなる群の中の少なくとも1種以上であり、
αは1.8以上2.2以下の範囲で、βは0.8以上1.2以下の範囲で、γは0.8以上1.2以下の範囲である
ことを特徴とする請求項1に記載の
積層体。
【請求項3】
前記磁性材料において、前記膜の厚さ方向に配向する前記Co基ホイスラー合金の結晶方位のX線回折ピークの半値幅が1°以下である
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の
積層体。
【請求項4】
前記磁性材料において、前記膜の厚さが、2nm以上50nm以下である
ことを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の
積層体。
【請求項5】
前記混合層の上に、さらに1層以上の前記混合層を有する
ことを特徴とする請求項
1~4のいずれか一項に記載の積層体。
【請求項6】
前記緩衝層の厚さが10nm以上50nm以下であり、前記キャップ層の厚さが1nm以上50nm以下である
ことを特徴とする請求項1
~5のいずれか一項に記載の積層体。
【請求項7】
請求項
1~
6のいずれか一項に記載の積層体を有する熱電変換材料と、電極材料と、を有する
ことを特徴とする熱電変換素子。
【請求項8】
請求項
1~
6のいずれか一項に記載の積層体を含む磁気を検出する検出部を有する
ことを特徴とする磁気センサ。
【請求項9】
請求項
1~
6のいずれか一項に記載の積層体の製造方法であって、
基材の上にAlN層を設ける工程と、
前記AlN層の上にCo基ホイスラー合金を有する合金層を設ける工程と、
前記合金層の上にAlNを有するキャップ層を設ける工程と、
前記キャップ層が設けられた前記基材を400℃以上800℃以下で熱処理する工程と、を有する
ことを特徴とする積層体の製造方法。
【請求項10】
前記熱処理する工程で、圧力が10
-4Pa以下であり、熱処理時間が2時間以上である
ことを特徴とする請求項
9に記載の積層体の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、積層体及び積層体の製造方法並びに熱電変換素子及び磁気センサに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には非共線性のスピン構造を有する反強磁性体からなる熱電変換素子を備え、前記熱電変換素子には、異常ネルンスト効果により、面内の微小磁化方向と直交する方向に生じる温度差により電圧が発生することを特徴とする熱電変換デバイスが記載されている。
【0003】
特許文献2にはフェルミエネルギーの近傍にワイル点を有するバンド構造の物質からなり、異常ネルンスト効果により起電力を生じる熱電機構を有する、熱電変換素子が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第6611167号公報
【文献】国際公開第2019/009308号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1及び2に記載の磁性材料は単結晶のバルク試料又は単結晶の薄膜試料である。そのため、磁性材料を非単結晶基板あるいはフレキシブル基板に作製することが難しいという問題があった。また、磁性材料が単結晶でない場合、熱電変換効率が十分ではないという問題があった。
【0006】
本発明は上記の問題を鑑みてなされたものであり、非単結晶基板あるいはフレキシブル基板に作製することができかつ熱電変換効率に優れる磁性材料、積層体及び積層体の製造方法並びに前記積層体を有する熱電変換素子及び磁気センサを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するために、本発明は以下の手段を提供している。
(1)本発明に係る磁性材料の一様態は、多結晶であるCo基ホイスラー合金を有し、かつ膜形状であり、
前記Co基ホイスラー合金の結晶構造は、L21規則構造及びB2構造からなる群の中の少なくとも1種以上であり、
膜の厚さ方向に前記Co基ホイスラー合金の結晶方位が配向することを特徴とする。
(2)(1)に記載の磁性材料は、化学組成は、組成式で、CoαMnβXγで表され、
Xは、Ga、Al、Si及びGeからなる群の中の少なくとも1種以上であり、
αは1.8以上2.2以下の範囲で、βは0.8以上1.2以下の範囲で、γは0.8以上1.2以下の範囲であってもよい。
(3)(1)又は(2)に記載の磁性材料は、前記膜の厚さ方向に配向する前記Co基ホイスラー合金の結晶方位のX線回折ピークの半値幅が1°以下であってもよい。
(4)(1)~(3)のいずれか一項に記載の磁性材料は、前記膜の厚さが、2nm以上50nm以下であってもよい。
(5)本発明に係る積層体の一様態は、基材と、
前記基材の上に設けられ、AlNを有し、かつAlNの結晶構造は、立方晶及び六方晶からなる群の中の少なくとも一種以上である緩衝層と、
前記緩衝層の上に設けられ、前記緩衝層に近い側から、
請求項1~4のいずれか一項に記載の磁性材料を含む合金層と、
AlNを有し、かつAlNの結晶構造は、立方晶及び六方晶からなる群の中の少なくとも一種以上であるキャップ層と、を有する混合層と、を有することを特徴とする。
(6)(5)に記載の積層体は、前記混合層の上に、さらに1層以上の前記混合層を有してもよい。
(7)(5)又は(6)に記載の積層体は、前記緩衝層の厚さが10nm以上50nm以下であり、前記キャップ層の厚さが1nm以上50nm以下であってもよい。
(8)本発明に係る熱電変換素子の一様態は、(5)~(7)のいずれか一項に記載の積層体を有する熱電変換材料と、電極材料と、を有することを特徴とする。
(9)本発明に係る磁気センサの一様態は、(5)~(7)のいずれか一項に記載の積層体を含む磁気を検出する検出部を有することを特徴とする。
(10)本発明に係る積層体の製造方法の一様態は、(5)~(7)のいずれか一項に記載の積層体の製造方法であって、
基材の上にAlN層を設ける工程と、
前記AlN層の上にCo基ホイスラー合金を有する合金層を設ける工程と、
前記合金層の上にAlNを有するキャップ層を設ける工程と、
前記キャップ層が設けられた前記基材を400℃以上800℃以下で熱処理する工程と、を有することを特徴とする。
(11)(10)に記載の積層体の製造方法は、前記熱処理する工程で、圧力が10-4Pa以下であり、熱処理時間が2時間以上であってもよい。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、非単結晶基板あるいはフレキシブル基板に作製することができかつ熱電変換効率に優れる磁性材料、積層体及び積層体の製造方法並びに前記積層体を有する熱電変換素子及び磁気センサを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の実施形態に係る積層体の模式図である。
【
図2】Co基ホイスラー合金のL2
1規則構造及び電子構造の模式図である。
【
図3】本発明の実施形態に係る熱電変換素子の模式図である。
【
図4】本発明の実施形態に係る磁気センサを示す模式図である。
【
図5】本発明の実施形態に係る積層体の製造方法のフローチャートである。
【
図6】本発明の実施例に係る積層体のTEM写真である。
【
図7】本発明の実施例に係る積層体のX線回折の測定結果である。
【
図8】本発明の実施例の積層体に係るX線反射率の測定結果である。
【
図9】本発明の実施例に係る積層体の異常ネルンスト効果の測定結果である。
【
図10】本発明の実施例に係る積層体の異常ホール効果の測定結果である。
【
図11】本発明の実施例に係る積層体のTEM写真である。
【
図12】フレキシブル基板上に本発明の実施例に係る磁性材料を形成した場合の異常ネルンスト電圧の測定結果を示す図である。
【
図13】ポリイミド基板上に本発明の実施例に係る磁性材料を形成した積層体の写真である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<磁性材料>
まず、本発明の実施形態に係る磁性材料を説明する。本発明の実施形態に係る磁性材料は多結晶であるCo基ホイスラー合金を有する。Co基ホイスラー合金の結晶構造は、L21規則構造及びB2構造からなる群の中の少なくとも1種以上である。本発明の実施形態に係る磁性材料は膜形状である。膜の厚さ方向にCo基ホイスラー合金の結晶方位が配向する。膜形状として例えば薄膜が挙げられる。
【0011】
(Co基ホイスラー合金)
本実施形態において、磁性材料は多結晶であるCo基ホイスラー合金を有する。Co基ホイスラー合金の化学組成は、組成式で、CoαMnβXγで表されることが好ましい。ただし、Xは、Ga、Al、Si及びGeからなる群の中の少なくとも1種以上である。αは1.8以上2.2以下の範囲で、βは0.8以上1.2以下の範囲で、γは0.8以上1.2以下の範囲であることが好ましい。これにより、磁性材料の熱電変換効率および磁気センサの感度が更に向上する。Co基ホイスラー合金は多結晶である。これにより、磁性材料の変形性が向上する。磁性材料の化学組成は、例えばエネルギー分散型X線分析(Energy dispersive X-ray spectroscopy;EDS)で測定してもよい。なお、変形性とは、弾性域でのマクロな膜の変形量の大きさを示す。変形性が大きければ、弾性域でより大きな変形が許容されることを示す。また、変形性が小さければ、弾性域で変形が許容される量が小さいことを示す。
【0012】
(Co基ホイスラー合金の結晶構造)
本実施形態において、Co基ホイスラー合金の結晶構造は、L2
1規則構造及びB2構造からなる群の中の少なくとも1種以上である。これにより、磁性材料の熱電変換効率が更に向上する。
図2は、Co基ホイスラー合金のL2
1規則構造の模式図である(出典;特許文献2)。
図2に示すように、L2
1構造は4個の面心格子が入り子になっている構造である。4個の副格子をA、B、C、Dとすると、分数座標はそれぞれ(0、0、0)、(1/4、1/4、1/4)、(1/2、1/2、1/2)、(3/4、3/4、3/4)で表される。L2
1規則構造では、U原子がA及びCサイトを占め、V原子がBサイトを占め、W原子がDサイトを占める。
図2において、U原子がCoであり、V原子がGaであり、W原子がMnである。L2
1規則構造では、V原子とW原子とを完全に入れ替えてもよい。B2構造では、BサイトとDサイトを占めるV原子及びW原子の配置が無秩序化する。本実施形態においてCo基ホイスラー合金の結晶構造は、L2
1規則構造であることがより好ましい。これにより、磁性材料の熱電変換効率および磁気センサの感度が更に向上する。
【0013】
(膜形状)
本実施形態において、磁性材料は膜形状である。これにより、磁性材料の変形性が向上する。膜の厚さは2nm以上かつ50nm以下であることが好ましい。膜の厚さが2nm以上である場合、磁性材料の熱電変換効率および磁気センサの感度が更に向上する。膜の厚さは5nm以上であることが好ましく、8nm以上であることがより好ましく、10nm以上であることが更に好ましい。膜の厚さが50nm以下である場合、磁性材料の曲げ特性がさらに向上する。膜の厚さは40nm以下であることが好ましく、30nm以下であることがより好ましく、25nm以下であることが更に好ましい。
【0014】
(結晶方位の配向)
本実施形態において、膜の厚さ方向にCo基ホイスラー合金の結晶方位が配向する。これにより、磁性材料の熱電変換効率が向上する。膜の厚さ方向にCo基ホイスラー合金の結晶方位が配向するとは、膜の厚さ方向と平行な方向から磁性材料を見た時、同じ結晶面が観察されることを言う。膜の厚さ方向に配向するCo基ホイスラー合金の結晶方位のX線回折ピークの半値幅が1°以下であることが好ましい。これにより、Co基ホイスラー合金の結晶方位が膜の厚さ方向により高く配向する。また、Co基ホイスラー合金の結晶性が更に向上する。その結果、磁性材料の熱電変換効率および磁気センサの感度がさらに向上する。膜の厚さ方向に配向するCo基ホイスラー合金の結晶方位は(110)面であってもよい。また、本実施形態において、磁性材料は多結晶であるので、各々の結晶粒は、任意な結晶粒を膜の厚さ方向の軸周りに回転した結晶粒を有する。
【0015】
ここで、X線回折ピークの半値幅とは、膜の厚さ方向に垂直な面をX線回折法で測定して得られるX線回折ピークの半値幅である。X線回折法は公知の方法使用することができる。
【0016】
本実施形態に係る磁性材料は上述の構成を有する。続いて、本実施形態に係る磁性材料の作用効果について説明する。Co基ホイスラー合金は、大きな異常ネルンスト効果(Anomalous Nernst effect;ANE)や異常ホール効果(Anomalous Hall effect;AHE)を示す。そのため、高感度センサや高効率熱電変換素子の候補材料として注目を集めている。
【0017】
Co基ホイスラー合金が大きな異常ネルンスト効果を示す理由として、電子構造のトポロジーが特徴的であることが挙げられる。
図3に示すように、Co
2MnGaは、フェルミエネルギーE
F近傍では、最も大きなフェルミ面を形成するバンドと別のバンドが交差して線形分散をなしている。双方のバンドの分散がほぼフラットになるので、状態密度(density of states;DOS)が大きくなる。Co
αMn
βX
γは、
図4のようなトポロジカルな電子構造を有するので、大きな異常ネルンスト効果を示すと考えられる。
【0018】
異常ネルンスト係数SANEは、下記の(1)式で表されると考えられている。
SANE=ρxxαxy-SSE×tanθAHE・・・(1)
ただし、ρxxは縦方向の比抵抗(longitudinal resistivity)、αxyは横方向の熱電伝導度(Transverse thermoelectric conductivity)、SSEはゼーベック係数、θAHEは異常ホール角である。
【0019】
(1)式に示すように、異常ホール係数が大きくなれば、異常ネルンスト係数も大きくなる傾向がある。そのため、異常ネルンスト係数が大きな材料は大きな異常ホール係数を示すことが多いと考えられている。
【0020】
上記の優れた特性を発現させるためには、単結晶成長させたバルク材料及び単結晶基板上に成長させた単結晶薄膜が作製されていた。しかしながら、単結晶成長させたバルク材料及び単結晶基板上に成長させた単結晶薄膜は、変形性が不十分であるので、様々な形状に変形させることが難しかった。そのため、Co基ホイスラー合金を実デバイスへ応用するのが難しかった。
【0021】
本実施形態に係る磁性材料は多結晶であるので、非単結晶基板あるいはフレキシブル基板に作製することができる。そのため、本実施形態に係る磁性材料は、単結晶成長させたバルク材料及び単結晶基板上に成長させた単結晶薄膜と比較して変形性が高い。また、本実施形態に係る磁性材料は、膜の厚さ方向にCo基ホイスラー合金の結晶方位が配向するので、大きな異常ネルンスト効果(ANE)や異常ホール効果(AHE)を示す。そのため、本実施形態に係る磁性材料は、高い熱電変換効率及び高い磁気感度を有する。
【0022】
続いて本発明の実施形態に係る積層体10について図面を用いて説明する。なお、同一の構成の場合は同一の符号を付して説明を省略する場合がある。
【0023】
<積層体10>
図1は、本発明の実施形態に係る積層体10の模式図を示す。
図1に示すように、本実施形態に係る積層体10は、基材20と、緩衝層30と、混合層40aと、混合層40bとを有する。混合層40aは、合金層41aと、キャップ層42aとを有する。混合層40bは、合金層41bと、キャップ層42bとを有する。
【0024】
緩衝層30は基材20の上に設けられている。混合層40aは緩衝層30の上に設けられている。混合層40bは混合層40aの上に設けられている。
【0025】
(基材20)
図1に示すように、基材20は、積層体10の基盤となる部分である。基材20は、耐熱性を有する材料で構成されている。基材20は、200℃以上で耐熱性があることが好ましい。これにより、Co基ホイスラー合金層のL2
1構造への規則化を一層促進する。基材20は、例えば耐熱性有する無機材料及び有機材料であってもよい。基材20として、熱酸化Si、Al
2O
3、SiO
2、Glass及びポリイミドが挙げられる。基材20は変形性を有することが好ましい。これにより、積層体の変形性がより向上する。基材20の厚さは特に限定されないが、例えば、下限は50nm以上であってもよい。また、上限は例えば1mmであってもよい。基材20が結晶構造を有する材料である場合、基材20は多結晶であってもよい。基材は、非単結晶基板あるいはフレキシブル基板であってもよい。
【0026】
(緩衝層30)
図1に示すように、緩衝層30は、基材20の上に設けられている。本実施形態において、緩衝層30は、AlNを有する。AlNの結晶構造は、立方晶及び六方晶からなる群の中の少なくとも一種以上である。これにより、合金層41aの結晶方位の配向を適切にすることができる。また、合金層41aを多結晶構造とすることができる。これにより、積層体10の変形性を向上させることができる。
【0027】
緩衝層30は、基材20と合金層41aとの間に配置されることで、合金層41aの結晶性を向上させることができる。その結果、合金層41aの中の結晶粒界以外の結晶欠陥を減少させることができる。その結果、積層体10の熱電変換効率および磁気センサの感度を向上させることができる。
【0028】
本実施形態において、緩衝層30の厚さは10nm以上かつ50nm以下であることが好ましい。緩衝層30の厚さは10nm以上である場合、合金層41aの結晶性をさらに向上させることができる。これにより、積層体10の熱電変換効率および磁気センサの感度をさらに向上させることができる。緩衝層30の厚さは18nm以上であることがより好ましい。一方、緩衝層30の厚さは50nm以下である場合、積層体10の厚さが小さくなり、曲げ変形性がさらに向上する。緩衝層30の厚さは30nm以下であることがより好ましい。
【0029】
(混合層40a)
図1に示すように、混合層40aは、緩衝層30の上に設けられている。混合層40aは、緩衝層に近い側から合金層41aと、キャップ層42aとを有する。合金層41aは、本発明の実施形態に係る磁性材料を有する。これにより、積層体10の変形性が向上する。また、積層体10の熱電変換効率および磁気センサの感度が向上する。合金層41aの効果及び好ましい構成は本発明の実施形態に係る磁性材料と同様である。
【0030】
本実施形態において、キャップ層42aは、AlNを有する。AlNの結晶構造は、立方晶及び六方晶からなる群の中の少なくとも一種以上である。これにより、合金層41a及び合金層41bの結晶方位の配向を適切にすることができる。また、合金層41a及び合金層41bを多結晶構造とすることができる。これにより、積層体10の変形性を向上させることができる。
【0031】
キャップ層42aは、合金層41aと合金層41bとの間に配置されることで、合金層41aと合金層41bの結晶性を向上させることができる。その結果、合金層41aと合金層41bの中の結晶粒界以外の結晶欠陥を減少させることができる。その結果、積層体10の熱電変換効率および磁気センサの感度をさらに向上させることができる。
【0032】
キャップ層42aの厚さは、1nm以上かつ50nm以下であることが好ましい。キャップ層42aの厚さは2nm以上である場合、合金層41a及び合金層41bの結晶性をさらに向上させることができる。これにより、積層体10の熱電変換効率をさらに向上させることができる。キャップ層42aの厚さは2nm以上であることがより好ましい。一方、キャップ層42aの厚さは5nm以下である場合、積層体10の変形性がさらに向上する。キャップ層42aの厚さは5nm以下であることがより好ましい。
【0033】
(混合層40b)
図1に示すように、混合層40bは、混合層40aの上に設けられている。混合層40bは、緩衝層に近い側から合金層41bと、キャップ層42bとを有する。合金層41bは、本発明の実施形態に係る磁性材料を有する。合金層41aの効果及び好ましい構成は本発明の実施形態に係る磁性材料と同様である。キャップ層42bの効果及び好ましい構成はキャップ層42aと同様である。
【0034】
本実施形態に係る積層体10は上述の構成を有する。続いて、本実施形態に係る積層体10の作用効果について説明する。積本実施形態に係る積層体10は、変形性に優れた基材を使用することができるので、変形性に優れている。また、合金層41a及び合金層41bを絶縁性があるAlNを有する層で挟みこむことで、合金層41a及び合金層41bの結晶配向の制御を容易にすること、及び結晶性の向上を促進することができる。これにより、積層体10が大きな異常ネルンスト効果(ANE)や異常ホール効果(AHE)を示す。そのため、本実施形態に係る積層体10は、高い熱電変換効率及び高い磁気感度を有する。
【0035】
本実施形態に係る積層体10は、混合層を3層以上有してもよい。合金層と、キャップ層又は緩衝層との間には拡散領域があってもよい。拡散領域は、合金層と、キャップ層又は緩衝層との中間の組成を有する。拡散領域は実質的に存在しないことが好ましい。
【0036】
<熱電変換素子>
続いて本発明の実施形態に係る熱電変換素子10aについて図面を用いて説明する。なお、同一の構成の場合は同一の符号を付して説明を省略する場合がある。
【0037】
図3は、本発明の実施形態に係る熱電変換素子10aの模式図を示す。
図3に示すように、本実施形態に係る熱電変換素子10aは、熱電変換材料11と電極材料12とを有する。
【0038】
(熱電変換材料11)
図3に示すように、熱電変換材料11は、シート形状であるである。熱電変換材料11は、らせん形状に巻かれている。熱電変換材料11は、全体として円筒形状である。円筒の軸方向に温度勾配が生じることで、円筒の円周方向に起電力が生じる。これにより、熱電変換を行う。本実施形態において、熱電変換材料11は、本発明の実施形態に係る積層体を有する。これにより、熱電変換材料11は大きな変形性を有し、かつ大きな熱電変換効率を有する。熱電変換材料11の形状は特に限定させず、温度勾配を生じる物体又は環境に応じて様々な形状としてもよい。
【0039】
(電極材料12)
図3に示すように、電極材料12は、らせん形状に巻かれている熱電変換材料11の両端部に接続されている。これにより、熱電変換材料11で生じる起電力を電流として利用することができる。電極材料12は導電性のある材料であればよい。導電性のある材料として例えば銅線が挙げられる。
【0040】
<磁気センサ>
続いて本発明の実施形態に係る磁気センサ10bについて図面を用いて説明する。なお、同一の構成の場合は同一の符号を付して説明を省略する場合がある。
【0041】
図4は、本発明の実施形態に係る磁気センサ10bを示す模式図である。
図4に示すように、本実施形態に係る磁気センサ10bは、検出部13を有する。
【0042】
(検出部13)
検出部13は、磁界の検出を行う。本実施形態において、検出部13は、本発明の実施形態に係る積層体を有する。これにより、検出部13は大きな変形性を有し、かつ高い時期検出感度を有する。
【0043】
<積層体の製造方法>
続いて本発明の実施形態に係る積層体の製造方法について説明する。
図5は、本実施形態に係る積層体の製造方法のフローチャートを示す。
図5に示すように、本実施形態に係る積層体の製造方法は、以下の特徴を有する。
(a)基材の上にAlN層を設ける工程
(b)AlN層の上にCo基ホイスラー合金を有する合金層を設ける工程
(c)合金層の上にAlNを有するキャップ層を設ける工程
(d)キャップ層が設けられた基材を400℃以上800℃以下で熱処理する工程
【0044】
(基材の上にAlN層を設ける工程)
基材の上にAlN層を設ける工程では、基材の平らな面の上にAlN層を設ける。基材の上にAlN層を設ける方法は、気相成長法であってもよい。気相成長法として、Alターゲットへの窒素反応性スパッタする方法及びAlNターゲットからの直接スパッタする方法が挙げられる。Alターゲットへの窒素反応性スパッタの場合、スパッタガスとしてArとN2との混合ガスを用いてもよい。AlNターゲットからの直接スパッタの場合、スパッタガスとしてArガスを用いてもよい。基材の温度は室温としてもよい。基材は、熱酸化Si、Al2O3、SiO2、Glass及びポリイミドを用いてもよい。変形性を有する基材を使用することが好ましい。また、耐熱性を有する基材を使用することが好ましい。使用する基材の厚さは特に限定されないが、例えば、下限は50nm以上であってもよい。また、上限は例えば1mmであってもよい。
【0045】
(AlN層の上にCo基ホイスラー合金を有する合金層を設ける工程)
AlN層の上にCo基ホイスラー合金を有する合金層を設ける方法は、気相成長法をであってもよい。気相成長法として、真空蒸着法及びスパッタ法が挙げられる。スパッタ法は、合金ターゲットからのDCスパッタであってもよく、RFスパッタであってもよい。スパッタ法は、1つ以上のスパッタターゲットからの共スパッタでもよい。真空蒸着法は、共蒸着であってもよい。スパッタ法においては、放電によって生成された不活性ガスイオンが固体の原料であるターゲットに衝突することにより、原料の元素がはじき出される。はじき出された原料の元素は、AlN層の上に堆積する。これにより、合金層が形成される。真空蒸着法では、Co基ホイスラー合金を原料としてもよく、単体の金属を原料としてもよい。
【0046】
(合金層の上にAlNを有するキャップ層を設ける工程)
合金層の上にAlNを有するキャップ層を設ける工程では、Co基ホイスラー合金を有する合金層の上にAlN層を設ける。Co基ホイスラー合金を有する合金層の上にAlN層を設ける方法は、気相成長法であってもよい。気相成長法として、Alターゲットへの窒素反応性スパッタする方法及びAlNターゲットからの直接スパッタする方法が挙げられる。Alターゲットへの窒素反応性スパッタの場合、スパッタガスとしてArとN2との混合ガスを用いてもよい。AlNターゲットからの直接スパッタの場合、スパッタガスとしてArガスを用いてもよい。合金層の上にAlNを有するキャップ層を設ける方法は、基材の上にAlN層を設ける方法と同じであってもよい。
【0047】
(キャップ層が設けられた基材を400℃以上800℃以下で熱処理する工程)
基材の上に緩衝層、合金層及びキャップ層を設けて得られる積層体を400℃以上800℃以下で熱処理する。これにより、合金層の中のCo基ホイスラー合金が多結晶となる。また、合金層の中のCo基ホイスラー合金の結晶方位が積層体の厚さ方向に配向する。さらに、合金層の中のCo基ホイスラー合金の結晶構造がL21規則構造及びB2規則構造からなる群の中の少なくとも1種以上となる。
【0048】
熱処理の温度が400℃未満である場合、合金層の中のCo基ホイスラー合金の結晶構造がL21規則構造及びB2規則構造からなる群の中の少なくとも1種以上とならない恐れがある。熱処理温度が430℃以上であることが好ましく、480℃以上であることがより好ましい。一方、熱処理温度が800℃超である場合、合金層の中のCo基ホイスラー合金の結晶構造がL21規則構造及びB2規則構造からなる群の中の少なくとも1種以上とならない恐れがある。また、合金層の中のCo基ホイスラー合金が多結晶とならない恐れがある。熱処理温度が650℃以下であることが好ましく、550℃以下であることがより好ましい。ここで、熱処理の温度とは、積層体の温度をいう。
【0049】
熱処理の圧力は、合金層の中のCo基ホイスラー合金の結晶構造がL21規則構造及びB2規則構造からなる群の中の少なくとも1種以上となる限り特に限定されない。熱処理の圧力は、10-4Pa以下であってもよい。熱処理の圧力は、合金層の中のCo基ホイスラー合金の結晶構造がL21規則構造及びB2規則構造からなる群の中の少なくとも1種以上となる限り特に限定されない。熱処理の圧力は、2時間以上であってもよい。
【0050】
積層体に合金層を2層以上設ける場合、合金層の上にAlNを有するキャップ層を設ける工程を行った後に、キャップ層の上にさらに合金層及びキャップ層を設ければよい。合金層及びキャップ層を設ける方法は、上述の方法と同様の方法を使用することができる。
【実施例】
【0051】
以下、実施例により本発明の効果をさらに具体的に説明する。実施例での条件は、本発明の実施可能性および効果を確認するために採用した一条件例であり、本発明はこの一条件例に限定されるものではない。本発明は、本発明の要旨を逸脱せず、本発明の目的を達成する限りにおいて、種々の条件を採用し得るものである。
【0052】
実施例では、基材として熱酸化Siを使用した。まず、Alターゲットへの窒素反応性スパッタを行うことで、基材の上にAlNの緩衝層を設けた。ターゲットはAl金属とし、雰囲気はAr及びN2の混合ガスとし、成膜温度は室温とした。そして、合金ターゲットからのDCスパッタを行うことで、緩衝層の上にCo2MnGa(CMG)合金層を設けた。ターゲットはCo2MnGa合金とし、雰囲気はArガスとし、成膜温度は室温とした。その後、合金層及びキャップ層をさらに設けた。これにより、合金層とキャップ層とを有する混合層は、合計2層となった。得られた積層体を熱処理の温度500℃、熱処理時間3時間、熱処理の圧力10-4Pa以下の条件で熱処理した。
【0053】
合金層の厚さを変化させることで、複数の積層体を作成した。実施例1の合金層の厚さは、2.5nmであった。実施例2の合金層の厚さは、5.0nmであった。実施例3の合金層の厚さは、12.5nmであった。実施例4の合金層の厚さは、25.0nmであった。実施例1~4のキャップ層の厚さは5nmであった。実施例1~4の緩衝層の厚さは10nm以上であった。
【0054】
得られた積層体の厚さ方向と水平な断面を透過型電子顕微鏡(Transmission Electron Microscope;SEM)で観察した。
図6は、本発明の実施例に係る積層体のTEM写真を示す。
図6に示すように、本実施例に係る積層体は、熱酸化Siの基材と、AlNの緩衝層とを有し、さらに、Co
2MnGaの合金層とAlNのキャップ層とを有する混合層を合計2層有する。各層の界面は急峻な界面を有していた。各層間で目立った相互拡散が無いことが観察された。また、Co
2MnGa(CMG)合金層は多結晶を有していたことが観察された。
【0055】
積層体の各層の結晶構造をX線回折法(X‐ray diffraction;XRD)で調べた。
図7は、本発明の実施例に係る積層体のX線回折の測定結果を示す。
図7に示すように、CMGの(220)面で強い回折ピークが見られた。つまり、Co
2MnGa(CMG)合金層は、非晶質ではなく結晶構造を有していたことが観察された。また、Co
2MnGa(CMG)合金の(110)面が積層体の厚さ方法と垂直に配向していることが観察された。さらに、合金層の厚さが12.5nmである実施例3が最も鋭い(220)面の回折ピークを有していた。
【0056】
図7に示すように、AlNの(002)面で強い回折ピークが見られた。つまり、AlNの緩衝層及びキャップ層は、AlNの(001)面が積層体の厚さ方法と垂直に配向していることが観察された。また、AlNの(001)面がCo
2MnGa(CMG)合金の(110)面と平行となる結晶方位関係を有していた。
【0057】
得られた積層体の合金層の表面粗さをX線反射率法(X-Ray Reflectometry;XRR)で測定した。
図8には、本発明の実施例の積層体に係るX線反射率の測定結果を示す。また、比較として、積層体を熱処理する前にX線反射率法で測定した測定結果を示す。
図8に示すように、本発明の実施例の積層体の合金層の表面粗さはRa 0.31nmであった。これにより、本実施例の積層体の合金層の表面粗さが低いことが観察された。また、積層体を熱処理する前の合金層の表面粗さはRa 0.85nmであった。つまり、熱処理により、しっかりした積層構造が形成されたことが観察された。
【0058】
得られた積層体の異常ネルンスト効果を評価した。異常ネルンスト効果を測定する方法として、積層体の膜面内方向に温度勾配を付与した状態で、積層体の面直方向の磁場を掃引し、温度勾配と磁場の両方向に直交する方向に発生する異常ネルンスト電圧を測定する方法を用いた。
図9には、本発明の実施例に係る積層体の異常ネルンスト効果の測定結果を示す。
図9に示すように、本実施例では2.5μV/K以上の異常ネルンスト係数が測定された。また、最大で5μV/Kの異常ネルンスト係数が測定された。つまり、本実施例は高い熱電変換効率を有することが分かった。
【0059】
得られた積層体の異常ホール効果を評価した。異常ホール効果を測定する方法として、積層体に電流を流し、電流と垂直な方向に磁界を作用させ、電流及び磁界と垂直な方向のホール起電力を測定する方法を用いた。
図10には、本発明の実施例に係る積層体の異常ホール効果の測定結果を示す。
図10に示すように、本実施例に係る積層体は、5%以上の大きな異常ホール効果を示した。さらに、最大で7.5%の大きな異常ホール効果を示した。つまり、本実施例は高い磁気感度を有する。
【0060】
得られた積層体の厚さに平行な断面を透過型電子顕微鏡(Transmission Electron Microscope;TEM)で観察した。
図11は、本発明の実施例に係る積層体のTEM写真を示す。
図11に示すように、Co
2MnGa(CMG)合金層の結晶方位は、積層体の厚さ方向に配向していることが観察された。また、Co
2MnGa(CMG)合金層は多結晶であることが観察された。
【0061】
従って、本実施例に係る積層体は、多結晶であるので、単結晶薄膜と比較して高い変形性を有する。また、Co2MnGa(CMG)合金層の非晶質ではなく結晶構造を有した。これにより、Co2MnGa(CMG)合金がトポロジカルな電子バンド構造を有する。また、Co2MnGa(CMG)合金層の結晶方位は、積層体の厚さ方向に配向していた。そのため、本実施例に係る積層体は、高い異常ネルンスト係数及び高い異常ホール角を示した。つまり、本実施例に係る積層体は、高い熱電変換効率及び高い磁気感度を有することが確認された。
【0062】
図12は、フレキシブル基板上に本発明の実施例に係る磁性材料を形成した場合の異常ネルンスト電圧の測定結果を示す。
図12に示すように、フレキシブル基板上に本発明の実施例に係る磁性材料は、4μV/K程度の大きな異常ネルンスト係数を有する。フレキシブル基板として、ポリイミド基板を使用した。
【0063】
図13は、ポリイミド基板上に本発明の実施例に係る磁性材料を形成した積層体の写真である。
図13に示すように、本発明の実施例に係る積層体は、高い可撓性を有する。
【0064】
明細書の全体において、ある部分がある構成要素を「有する」や「備える」とする時、これは、特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除くものではなく、他の構成要素をさらに含むことができるということを意味する。
【0065】
また、明細書に記載の「…部」、「…工程」の用語は、少なくとも1つの機能や動作を処理する単位を意味し、これは、ハードウェアまたはソフトウェアとして具現されてもよいし、ハードウェアとソフトウェアとの組み合わせで具現されてもよい。
【0066】
その他、本発明の趣旨に逸脱しない範囲で、前記実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、前記した変形例を適宜組み合わせてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0067】
以上のことから、本発明によれば、非単結晶基板あるいはフレキシブル基板に作製することができかつ熱電変換効率に優れる磁性材料、積層体及び積層体の製造方法並びに前記積層体を有する熱電変換素子及び磁気センサを提供することができるので、産業上の利用価値が高い。
【符号の説明】
【0068】
10 積層体
10a 熱電変換素子
10b 磁気センサ
12 電極材料
13 検出部
20 基材
30 緩衝層
40a、40b 混合層
41a、41b 合金層
42a、42b キャップ層