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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-03
(45)【発行日】2025-02-12
(54)【発明の名称】薬剤供給システム
(51)【国際特許分類】
   A61J 3/00 20060101AFI20250204BHJP
【FI】
A61J3/00 310E
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2024001227
(22)【出願日】2024-01-09
【審査請求日】2024-11-21
(73)【特許権者】
【識別番号】593129342
【氏名又は名称】株式会社タカゾノ
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】木谷 昌史
(72)【発明者】
【氏名】藤江 義夫
(72)【発明者】
【氏名】宮本 章平
【審査官】山田 裕介
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-130337(JP,A)
【文献】特開2016-193379(JP,A)
【文献】特開2010-194331(JP,A)
【文献】特開平8-119201(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61J 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬剤包装装置を含む薬剤供給システムであって、
薬剤を収容する薬剤収容部と、
薬剤および薬剤収容部に関する情報を表示する表示部とを備え、
薬剤収容部に収容する薬剤を切り替えるとき、前記表示部は、切り替えの候補となる薬剤の一覧表を表示し、
前記一覧表は、薬剤ごとの、対象期間中に前記薬剤包装装置から払い出された数量を含む、薬剤供給システム。
【請求項2】
前記対象期間を変更可能である、請求項1に記載の薬剤供給システム。
【請求項3】
前記一覧表は複数の薬剤の情報を含み、前記数量の昇順または降順に並び替えが可能である、請求項1に記載の薬剤供給システム。
【請求項4】
前記一覧表は、薬剤の名称と、その薬剤を収容可能な薬剤収容部の種類とを含む、請求項1に記載の薬剤供給システム。
【請求項5】
前記一覧表において、薬剤の名称または薬剤収容部の種類によって切り替えの候補となる薬剤を抽出可能である、請求項1に記載の薬剤供給システム。
【請求項6】
薬剤に関する情報が薬剤ごとに登録されている薬剤マスタを記憶する記憶部をさらに備え、
切り替え元の薬剤の候補の一覧表は、前記薬剤マスタに薬剤収容部が登録されている薬剤のみを含み、前記薬剤マスタに薬剤収容部が登録されていない薬剤を含まない、請求項1に記載の薬剤供給システム。
【請求項7】
切り替え先の薬剤の候補の一覧表は、前記薬剤マスタに薬剤収容部が登録されている薬剤と、前記薬剤マスタに薬剤収容部が登録されていない薬剤と、の両方を含む、請求項6に記載の薬剤供給システム。
【請求項8】
前記表示部は、切り替え元の薬剤に関する情報と、切り替え先の薬剤に関する情報と、を同時に表示する、請求項1に記載の薬剤供給システム。
【請求項9】
切り替え元の薬剤を収容する薬剤収容部が複数ある場合に、切り替えの対象とする薬剤収容部を選択可能である、請求項1に記載の薬剤供給システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、薬剤供給システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特開2004-203433号公報(特許文献1)に記載された薬剤供給装置においては、予め設定された特定種類の薬剤がタブレットケースに収納されている。処方データに基づいて指定された薬剤が収納されたタブレットケースから、当該薬剤が排出される。タブレットケースに収納されていない薬剤は、複数の収納区画を有する薬剤フィーダから供給される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2004-203433号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
薬剤を収容する薬剤収容部は、一定の形状、寸法を有する異なる種類の薬剤を収容できるように構成されている。薬剤が採用されなくなったり、薬剤の寸法が変わったりしたときに、その薬剤を収容していた薬剤収容部を、別の薬剤に使えるようにすれば、薬剤収容部を有効活用できる。その場合、薬剤に対する薬剤収容部の登録を切り替える作業が求められる。
【0005】
本開示では、薬剤に対して薬剤収容部を登録する登録作業を支援することができる薬剤供給システムが提案される。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に従うと、薬剤包装装置を含む薬剤供給システムが提案される。薬剤供給システムは、薬剤を収容する薬剤収容部と、薬剤および薬剤収容部に関する情報を表示する表示部とを備えている。薬剤収容部に収容する薬剤を切り替えるとき、表示部は、切り替えの候補となる薬剤の一覧表を表示する。一覧表は、薬剤ごとの、対象期間中に薬剤包装装置から払い出された数量を含んでいる。
【発明の効果】
【0007】
本開示の薬剤供給システムによると、薬剤を収容する薬剤収容部の登録作業を容易に行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】薬剤包装装置の模式的な正面図である。
図2】カセットの斜視図である。
図3】薬剤供給システムの電気接続系統を示すブロック図である。
図4】薬剤マスタの一例を示す図である。
図5】対応データの一例を示す図である。
図6】薬剤に対するカセットの登録を切り替える処理動作の流れを示すフローチャートである。
図7】薬剤選択画面の一例を示す図である。
図8】切り替え登録画面の一例を示す図である。
図9】切り替えるカセットを選択した状態の切り替え登録画面を示す図である。
図10】新規登録画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施形態について図に基づいて説明する。以下の説明では、同一の部品および構成要素には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、これらについての詳細な説明は繰り返さない。図面では、説明の便宜上、構成を省略または簡略化している場合もある。実施形態から任意の構成が抽出され、それらが任意に組み合わされることも、当初から予定されている。
【0010】
<薬剤包装装置200>
図1は、薬剤包装装置200の模式的な正面図である。図1に示すように、実施形態に係る薬剤包装装置200は、筐体210と、主薬剤供給部220と、補助薬剤供給部270と、包装部280とを備えている。主薬剤供給部220、補助薬剤供給部270および包装部280の各々は、筐体210に収容されている。
【0011】
薬剤包装装置200は、処方箋に基づいて、薬剤を分包する。処方箋は、医師が患者に交付する。処方箋には、処方情報が記載されている。処方情報は薬剤情報を含む。薬剤情報は、薬名、分量、用法および用量を含む。薬剤供給装置は、薬剤を服用単位で供給する。包装部280は、薬剤供給装置から供給された薬剤を、服用単位で包装する。
【0012】
薬剤供給装置は、筐体210と、主薬剤供給部220と、補助薬剤供給部270とを備えている。主薬剤供給部220および補助薬剤供給部270の各々は、固形の薬剤を供給する。固形の薬剤としては、錠剤、丸剤、カプセル剤などが挙げられる。
【0013】
薬剤供給装置は、散剤供給部をさらに備えてもよい。散剤供給部は、粉粒状の薬剤を供給する。粉粒状の薬剤としては、散剤および顆粒剤などが挙げられる。
【0014】
主薬剤供給部220には、複数のカセット100が装着されている。複数のカセット100の各々には、予め設定された種類の薬剤が収容される。カセット100は、薬剤を収容する薬剤収容部の一例に対応する。複数のカセット100の各々は、当該カセット100に収容されている薬剤を1個ずつ供給可能である。
【0015】
複数のカセット100は、上下方向および左右方向に並んで配置されている。図1に示される例では、主薬剤供給部220に、15個のカセット100が、上下方向に3列および左右方向に5列並んで配置されている。主薬剤供給部220に配置されるカセット100の個数は、15個より多くてもよい。
【0016】
複数のカセット100の各々には、一定の寸法範囲にある種々の薬剤が時間をずらして収容される。すなわち、複数のカセット100の各々が収容する薬剤は、一定の寸法範囲にある種々の薬剤の中で、適宜変更可能である。薬剤の寸法および薬剤の形状に合わせて準備した十種類程度のカセット100によって、ほとんどの種類の薬剤に対応して供給することができる。このように、複数のカセット100の各々は、一定の寸法範囲にある薬剤を供給可能である。
【0017】
本実施形態においては、複数のカセット100の各々には、不揮発性の記録媒体として、RFID(Radio Frequency Identification)タグ10が設けられている。RFIDタグ10には、カセット100を識別するための容器識別情報などが記憶されている。RFIDタグ10は、たとえばカセット100の前面に付与されている。カセット100に収容される薬剤は一種類に定まっていないため、カセット100には、収容される薬剤の名称は記載されていない。
【0018】
主薬剤供給部220には、複数のカセットベース250が設けられている。複数のカセットベース250の各々は、カセット100を着脱可能に支持する。カセットベース250は、カセット100を支持する支持部の一例に対応する。なお、カセットベース250の個数は、カセット100の個数と一致していなくてもよい。たとえば、カセット100の個数は、カセットベース250の個数より多くてもよい。この場合、複数のカセット100は、カセットベース250に対して適宜互いに差し替えられて使用される。
【0019】
補助薬剤供給部270は、対応するカセット100の存在しない薬剤を供給する。補助薬剤供給部270は、服用単位で薬剤を収容可能な複数の収容部を有する。補助薬剤供給部270は、複数の収容部から薬剤を順次供給する。
【0020】
複数の収容部は、マトリクス状に配置されている。複数の収容部の各々には、操作者による手まき作業によって、直接的または間接的に薬剤が投入される。複数の収容部の各々は、開閉可能な底部を有する。収容部の底部が開放されることで、収容部から薬剤が供給される。なお、補助薬剤供給部270の上記の構造は一例に過ぎず、同様の機能を有するものであれば、補助薬剤供給部270は、上記の構造とは異なる構造を有していてもよい。
【0021】
包装部280は、薬剤供給装置の下方に設けられている。包装部280は、長尺の包材に、薬剤供給装置から服用単位で供給された薬剤を投入して熱溶着しつつ順次搬送することにより、一連の包装袋を形成する。一連の包装袋の各々には、薬剤が服用単位で収容される。
【0022】
制御装置290は、薬剤包装装置200と電気的に接続されている。制御装置290の詳細は後述する。
【0023】
<カセット100>
図2は、カセット100の斜視図である。図2には、カセット100における薬剤収容室110の一部がカットされ、蓋部が取り外された斜視図が図示されている。カセット100は、薬剤収容室110と、ロータ120とを備えている。
【0024】
薬剤収容室110は、周壁111および排出口を有し、周壁111の内側に薬剤を収容するとともに、排出口から薬剤を排出する。周壁111の内面は、円筒状である。排出口は、カセット100の底面に形成されており、周壁111の径方向内側において周壁111の内面と隣接している。
【0025】
薬剤収容室110の底面における、周壁111の中心軸上の位置に、円形の開口部が設けられている。ロータ120と接続された図示しない駆動軸が、開口部に挿通される。駆動軸は、ロータ120と同軸上に位置しつつ周壁111の内側に回転可能に固定されている。すなわち、駆動軸は、薬剤収容室110に対して回転可能に固定されている。駆動軸は、ロータ120に、軸方向に着脱可能に装着されている。駆動軸は、ロータ120を回転駆動する。
【0026】
ロータ120は、薬剤収容室110の内部に設けられ、回転することで、薬剤収容室110に収容されている薬剤を排出口に搬送する。ロータ120は、周壁111の内側において薬剤収容室110の底面上に配置されている。ロータ120は、ロータ120の周方向の一方側に向かって回転する正転、および、ロータ120の周方向の他方側に向かって回転する逆転の両方可能に構成されている。なお、ロータ120は、必ずしも正転および逆転の両方可能である必要はなく、ロータ120の周方向の少なくとも一方に回転可能であればよい。
【0027】
ロータ120は、上側に凸状に傾斜した天面126および天面126と隣接する周面121を有する。天面126には、放射状に複数の溝部127が設けられている。天面126の中央部から円柱状の中央突出部128が突出している。中央突出部128の上端に、キャップ部160が取り付けられている。ロータ120が駆動軸に装着された状態のキャップ部160と、薬剤収容室110を閉じた状態の蓋部とは、隙間をあけて互いに対向している。
【0028】
周面121の下部には、ロータ120の周方向に互いに隙間125をあけて位置する複数の第1突出部122および複数の第2突出部123が設けられている。複数の第1突出部122および複数の第2突出部123の各々は、ロータ120の径方向から見て、略長方形状の形状を有している。ロータ120の径方向における複数の第1突出部122および複数の第2突出部123の各々の先端は、周壁111の内面とわずかに間隔をあけて対向している。
【0029】
複数の第1突出部122および複数の第2突出部123の各々は、ロータ120が回転した際に、隙間125に収容された薬剤を押圧して排出口に搬送可能に形成されている。具体的には、隙間125内に収容された薬剤は、ロータ120の回転に伴って、第1突出部122または第2突出部123に押圧されながらロータ120の周方向に搬送されて排出口に落下する。
【0030】
周面121には、少なくとも2つの第3突出部124がさらに設けられている。実施形態においては、複数の第2突出部123の各々の上方に1つずつ第3突出部124が配置されている。少なくとも2つの第3突出部124の各々のロータ120の径方向における先端は、周壁111の内面とわずかに間隔をあけて対向している。
【0031】
基材141は、周壁111の孔部に取り付けられている。円弧状の基材141に対して、この円弧に沿って互いに間隔をあけて複数の可撓性部材が接合されて、仕切部140が構成されている。仕切部140は、周壁111の内面から周面121における複数の第1突出部122および複数の第2突出部123より上方の位置に向けて延設されている。排出口と連通している隙間125は、仕切部140によって覆われており、上方から薬剤が進入することを防止されている。これによって、複数の薬剤が不所望に立て続けに排出口から排出されることが防止され、排出口から薬剤を1個ずつ供給することが可能とされている。
【0032】
上下方向に並んで位置する第2突出部123と第3突出部124との間に、ロータ120の回転時に仕切部140が通過する通路が設けられている。第3突出部124は、ロータ120が回転した際に、仕切部140上に位置する薬剤を押圧して仕切部140上から移動可能に形成されている。
【0033】
<薬剤供給システム>
図3は、薬剤供給システムの電気接続系統を示すブロック図である。薬剤包装装置200は、ネットワークを介して、制御装置290に電気的に接続されている。図3に示されるように、制御装置290に対して、複数の薬剤包装装置200が接続されていてもよい。薬剤供給システムは、第1の薬剤包装装置200(1号機201)、第2の薬剤包装装置200(2号機202)、および第3の薬剤包装装置200(3号機203)を含んでもよい。
【0034】
制御装置290は、制御部291と、操作部292と、表示部293と、記憶部294とを備えている。
【0035】
操作部292は、薬剤包装装置200を操作する操作者によって操作される。操作部292は、キーボード、マウスおよびタッチパネルなどの入力装置によって構成されている。操作者によって操作部が操作されることで、薬剤包装装置200を用いて薬剤を分包するために必要な情報が、制御装置290に入力される。
【0036】
薬剤包装装置200を用いて薬剤を分包するために必要な情報としては、処方箋に基づく処方データおよび種々の設定情報が挙げられる。これらの情報は、外部のコンピュータである処方入力装置1から、制御装置290に入力されてもよい。
【0037】
表示部293は、液晶モニタなどの表示装置によって構成されている。表示部293は、各種の情報を表示する。表示部293に表示される情報は、たとえば、薬剤およびカセット100に関する情報である。
【0038】
記憶部294は、薬剤包装装置200の各種の動作を実行するためのプログラムを記憶するとともに、薬剤包装装置200を用いて薬剤を分包するために必要な情報を記憶する。記憶部294は、各種のデータを記憶するハードディスク装置またはSSD(Solid State Drive)などである。
【0039】
制御部291は、記憶部294に記憶されているプログラムに基づいて、薬剤包装装置200の動作を制御する。制御部291は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random access memory)、ROM(Read Only Memory)およびEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)などを有する。制御部291は、ASIC(application specific integrated circuit)またはDSP(digital signal processor)などの集積回路であってもよい。
【0040】
図3に示されるように、主薬剤供給部220における複数のカセットベース250の各々は、駆動部251と、読取部252とを備える。駆動部251は、カセット100を駆動する。駆動部251は、電気モータを含む。カセット100がカセットベース250に装着されると、駆動部251がカセット100のロータ120と連結される。駆動部251は、カセット100のロータ120を回転させる。
【0041】
読取部252は、アンテナなどを有している。読取部252は、カセット100のRFIDタグ10に記憶されている情報を読み取る。読取部252は、RFIDタグ10から容器識別情報を読み取る。読取部252は、カセット100を識別する情報を読み取る。
【0042】
薬剤包装装置200は、制御部240を備えている。読取部252によって読み取られた情報は、読取部252から制御部240に入力される。制御部240は、制御装置290の制御部291との間で通信が可能に構成されている。
【0043】
<薬剤マスタ300>
図4は、薬剤マスタ300の一例を示す図である。薬剤マスタ300はたとえば、制御装置290の記憶部294(図3)に記憶されている。薬剤供給システムを使用するユーザが、制御装置290の操作部292を操作して情報を入力することにより、薬剤マスタ300が作成され、また更新される。
【0044】
薬剤マスタ300には、薬剤に関する情報が薬剤ごとに登録されている。薬剤マスタ300は、薬剤識別情報欄310と、薬剤名称欄320と、採用/中止欄330と、第1のカセット識別情報欄340と、第1の号機欄350と、第2のカセット識別情報欄360と、第2の号機欄370とを含んでいる。
【0045】
薬剤識別情報欄310には、薬剤に固有のコードが含まれる。コードは、たとえばYJコードであってもよい。薬剤名称欄320には、薬剤の名称が含まれる。採用/中止欄330には、薬剤包装装置200から払い出される対象として採用され得る薬剤であるか否かの情報が含まれる。薬剤には採用フラグが関連付けられている。薬剤が薬剤マスタ300に追加されるときには採用フラグはオンとされており、薬剤マスタ300の採用/中止欄330では採用とされる。薬剤の採用フラグをオフにすることで、薬剤マスタ300の採用/中止欄330では中止とされる。採用/中止欄330において中止とされた薬剤は、薬剤包装装置200から払い出されなくなる。
【0046】
第1のカセット識別情報欄340および第2のカセット識別情報欄360には、薬剤に登録されているカセット100の識別情報が含まれる。カセット100の識別情報は、各カセット100に固有の、個別の識別番号である。識別情報に含まれる前3桁の、英大文字と2つの数字とは、カセット100の種類を表す識別番号である。識別番号に含まれる後4桁の、#記号と3つの数字とは、カセット100のシリアル番号である。同じ種類のカセット100は、カセット100の識別番号が同じになるが、シリアル番号は異なる。図4に示されるような7桁の識別番号を持つカセット100は、1つしかないことになる。
【0047】
第1の号機欄350には、薬剤包装装置200(図3に示される1号機201、2号機202および3号機203)のうち、第1のカセット識別情報欄340に示されるカセット100を装着することができる薬剤包装装置200の情報が含まれる。第2の号機欄370には、薬剤包装装置200(図3に示される1号機201、2号機202および3号機203)のうち、第2のカセット識別情報欄360に示されるカセット100を装着することができる薬剤包装装置200の情報が含まれる。
【0048】
図4には、薬剤情報301~306の6つの薬剤情報が示されているが、薬剤マスタ300に含まれる薬剤情報の数が任意であって、薬剤マスタ300に7つ以上の薬剤情報が含まれてもよいことは勿論である。
【0049】
薬剤情報301~306は、それぞれ、A~F錠に関する情報を含む。A錠に、識別番号がA23#001のカセット100が登録されている。識別番号A23#001のカセット100には、A錠が収容される。薬剤包装装置200を用いてA錠を分包するときには、主薬剤供給部220に装着されている識別番号A23#001のカセット100からA錠が排出されて、包装部280に供給されることが示されている。
【0050】
B錠に、識別番号がB51#001のカセット100が登録されている。C錠に、識別番号がA23#002のカセット100と、識別番号がA23#003のカセット100と、の複数のカセット100が登録されている。A23#002のカセット100は、C錠を収容するものとして登録されている。A23#003のカセット100もまた、C錠を収容するものとして登録されている。1種類の薬剤に対して、複数のカセット100を登録することが可能である。
【0051】
D錠、E錠およびF錠には、カセット100が登録されていない。全ての種類の薬剤に、その薬剤を収容するカセット100が登録されるわけではない。たとえば、使用頻度の少ない薬剤については、その薬剤を収容するカセット100の登録がされないことがある。
【0052】
D錠は採用/中止欄330で中止とされているので、薬剤包装装置200からD錠が払い出されることはない。E錠およびF錠は、採用/中止欄330で採用とされているので、薬剤包装装置200から払い出されることがある。E錠を収容するカセット100がない状況なので、薬剤包装装置200を用いてE錠を分包するときには、補助薬剤供給部270を使用して包装部280にE錠を供給することができる。F錠も同様に、補助薬剤供給部270を使用して供給することができる。
【0053】
<対応データ400>
図5は、対応データ400の一例を示す図である。対応データ400はたとえば、制御装置290の記憶部294(図3)に記憶されている。薬剤とカセット100との対応関係を示すマスターデータが、予め作成されており、そのマスターデータをCSV形式で制御装置290に取り込んだデータが、図5に示される対応データ400である。
【0054】
対応データ400は、薬剤名称欄410と、製薬会社名欄420と、薬剤識別情報欄430と、カセット種欄440とを含んでいる。
【0055】
薬剤名称欄410には、薬剤の名称が含まれる。製薬会社名欄420には、薬剤を製造した製薬会社の名称が含まれる。薬剤識別情報欄430には、薬剤に固有のコードが含まれる。コードは、たとえばYJコードであってもよい。カセット種欄440には、薬剤に対応するものとして規定されているカセット100の種類を示す、英大文字と2つの数字とからなる識別番号が含まれる。対応データ400はさらに、薬剤の形状、直径、厚みなどの情報を含んでもよい。
【0056】
図5には、薬剤情報401~406の6つの薬剤情報が示されているが、対応データ400に含まれる薬剤情報の数が任意であって、対応データ400に7つ以上の薬剤情報が含まれてもよいことは勿論である。
【0057】
薬剤情報401~406は、それぞれ、A~F錠に関する情報を含む。A錠、C錠およびE錠に対応するカセット100の種類は、A23である。B錠およびD錠に対応するカセット100の種類は、B51である。同じ種類のカセット100に、複数種類の薬剤を収容可能である。F錠に対応するカセット100は規定されておらず、薬剤情報406のカセット種欄440では該当なしとされている。全ての種類の薬剤に、その薬剤に対応するカセット100が規定されるわけではない。特殊な形状および寸法の薬剤については、その薬剤に対応するカセット100が規定されないことがある。
【0058】
<カセット100の登録切り替え>
図6は、薬剤に対するカセット100の登録を切り替える処理動作の流れを示すフローチャートである。制御装置290の制御部291は、表示部293に情報を表示する。薬剤供給システムを使用するユーザは、表示部293に表示される情報を見て、操作部292を操作して、薬剤に対するカセット100の登録を切り替える。登録の切り替えとは、特定のカセット100に収容する薬剤を、現在収容することになっている薬剤から、別の薬剤に変更するように登録することをいう。
【0059】
カセット100に収容する薬剤を切り替えるとき、まずステップS1において、制御部291は、表示部293に、薬剤選択画面500を表示させる。
【0060】
図7は、薬剤選択画面500の一例を示す図である。薬剤選択画面500は、ある薬剤に登録済のカセット100に別の薬剤を収容するときに、薬剤に対するカセット100の登録を切り替えるための画面である。切り替え元の薬剤とは、その薬剤にカセット100が現在登録されている薬剤である。切り替え先の薬剤とは、その薬剤にカセット100を新たに登録しようとする薬剤である。薬剤選択画面500は、切り替え元の薬剤を選択するとともに切り替え先の薬剤を選択するための画面である。
【0061】
図7に示されるように、薬剤選択画面500は、切り替え元抽出部510と、切り替え先抽出部520と、対象期間表示530と、切り替え元一覧540と、切り替え先一覧550と、操作欄590とを含んでいる。
【0062】
切り替え元抽出部510は、カセット種入力部511と、薬剤名称入力部512と、製薬会社名入力部513とを含んでいる。ユーザは、カセット種入力部511に、カセット100の種類を示す識別番号を入力することができる。ユーザは、薬剤名称入力部512に、薬剤の名称を入力することができる。ユーザは、製薬会社名入力部513に、薬剤を製造した製薬会社の名称を入力することができる。
【0063】
ユーザが、カセット種入力部511、薬剤名称入力部512、および製薬会社名入力部513のいずれか1つまたは複数に入力することにより、切り替え元の候補となる薬剤が抽出される。切り替え元抽出部510の複数の入力部に入力することにより、AND条件で、薬剤が抽出される。たとえば、薬剤名称入力部512に薬剤の名称を入力することにより、その名称の薬剤を、切り替え元の候補となる薬剤として抽出することができる。またたとえば、カセット種入力部511に識別番号を入力することにより、その識別番号が示すカセット100の種類に対応する薬剤を、切り替え元の候補となる薬剤として抽出することができる。
【0064】
切り替え先抽出部520は、カセット種入力部521と、薬剤名称入力部522と、製薬会社名入力部523とを含んでいる。ユーザは、カセット種入力部521に、カセット100の種類を示す識別番号を入力することができる。ユーザは、薬剤名称入力部522に、薬剤の名称を入力することができる。ユーザは、製薬会社名入力部523に、薬剤を製造した製薬会社の名称を入力することができる。
【0065】
ユーザが、カセット種入力部521、薬剤名称入力部522、および製薬会社名入力部523のいずれか1つまたは複数に入力することにより、切り替え先の候補となる薬剤が抽出される。切り替え先抽出部520の複数の入力部に入力することにより、AND条件で、薬剤が抽出される。たとえば、薬剤名称入力部522に薬剤の名称を入力することにより、その名称の薬剤を、切り替え先の候補となる薬剤として抽出することができる。またたとえば、カセット種入力部521に識別番号を入力することにより、その識別番号が示すカセット100の種類に対応する薬剤を、切り替え先の候補となる薬剤として抽出することができる。
【0066】
対象期間表示530には、薬剤包装装置200から払い出された各々の薬剤の数量を計数する対象期間が表示される。ユーザは、期間初日指定部531に日付を入力または選択することにより、対象期間の初日を変更することができる。ユーザは、期間最終日指定部532に日付を入力または選択することにより、対象期間の最終日を変更することができる。ユーザは、対象期間の初日と最終日とを指定することにより、対象期間を任意に変更することができる。ユーザが、期間初日指定部531または期間最終日指定部532の右側に示される下向き黒三角印をクリックすることで、カレンダーが表示されてもよい。
【0067】
対象期間の初期値は、現在年月日から前の1ヶ月間であってもよい。期間最終日指定部532の初期値は、現在年月日であってもよい。期間初日指定部531の初期値は、現在年月日から1ヶ月前の翌日の日付であってもよい。
【0068】
切り替え元一覧540は、切り替え元の候補となる薬剤の一覧表である。表示部293は、切り替え元の候補となる薬剤の一覧表を表示する。切り替え元一覧540には、薬剤マスタ300においてカセット100が登録されている薬剤のみが含まれる。薬剤マスタ300においてカセット100が登録されていない薬剤は、切り替え元一覧540には含まれない。切り替え元抽出部510の入力部に何も入力されていなければ、切り替え元一覧540には、薬剤マスタ300においてカセット100が登録されている薬剤のすべてが表示される。
【0069】
切り替え元一覧540は、選択欄541と、薬剤名称表示欄542と、使用量表示欄543と、カセット種表示欄544と、採用/中止表示欄545とを含んでいる。
【0070】
薬剤名称表示欄542には、切り替え元の候補となる薬剤の名称が表示される。使用量表示欄543には、対象期間中に薬剤包装装置200から払い出された薬剤の数量が、薬剤ごとに表示される。カセット種表示欄544には、薬剤名称表示欄542に表示されている薬剤に登録されているカセット100の種類を示す、英大文字と2つの数字とからなる識別番号が表示される。カセット種表示欄544には、薬剤名称表示欄542に表示されている薬剤を収容可能なカセット100の種類が表示される。採用/中止表示欄545には、薬剤包装装置200から払い出される対象として採用されている薬剤であるか否かの情報が表示される。
【0071】
選択欄541には、薬剤ごとにチェックボックスが表示される。ユーザは、切り替え元一覧540に表示される薬剤のうちの1つの薬剤に対応する選択欄541を操作して、チェックボックスにチェックマークを付けることにより、その薬剤を切り替え元として選択する。切り替え元の薬剤として、1つの薬剤を選択可能である。複数の薬剤を切り替え元の薬剤として選択することはできない。選択欄541の複数のチェックボックスのうちの1つのチェックボックスにチェックマークを付けることが可能であり、2つ以上のチェックボックスにチェックマークを付けることはできない。
【0072】
図7に示される例では、切り替え元一覧540において、薬剤の名称によって切り替え元の候補となる薬剤が抽出されている。具体的に、切り替え元抽出部510の薬剤名称入力部512にC錠と入力されて、切り替え元の候補となる薬剤としてC錠が抽出されているので、切り替え元一覧540にはC錠が表示されている。カセット種表示欄544を見て、C錠に登録されているカセット100は、識別番号A23の種類のカセットであることがわかる。
【0073】
切り替え元一覧540には、図4に示される薬剤マスタ300においてカセット100が登録されている薬剤のみが含まれる。薬剤マスタ300においてカセット100が登録されていない薬剤は、切り替え元一覧540には含まれない。図4に示される例の場合、A錠、B錠およびC錠が切り替え元一覧540に含まれ、D錠、E錠およびF錠は切り替え元一覧540には含まれない。
【0074】
薬剤マスタ300において、薬剤にカセット100が登録されているということは、その薬剤を収容するカセット100が存在することを意味する。カセット100が登録されている薬剤については、その薬剤を収容するカセット100が、薬剤包装装置200に装着されているか装着されていないかにかかわらず、存在することになる。
【0075】
カセット100が登録されていない薬剤については、その薬剤を収容しているカセット100が存在しないので、切り替え元一覧540に表示させないようにしている。カセット100が登録されていない薬剤については、その薬剤を収容するカセット100が薬剤包装装置200に装着されていることはあり得ないことになる。
【0076】
切り替え先一覧550は、切り替え先の候補となる薬剤の一覧表である。表示部293は、切り替え先の候補となる薬剤の一覧表を表示する。切り替え先一覧550には、薬剤マスタ300においてカセット100が登録されている薬剤と、薬剤マスタ300においてカセット100が登録されていない薬剤と、の両方が含まれる。切り替え先抽出部520の入力部に何も入力されていなければ、切り替え先一覧550には、薬剤マスタ300に含まれる薬剤のすべて(薬剤マスタ300においてカセット100が登録されている薬剤のすべておよび薬剤マスタ300においてカセット100が登録されていない薬剤のすべて)が表示される。
【0077】
切り替え先一覧550は、選択欄551と、薬剤名称表示欄552と、使用量表示欄553と、カセット種表示欄554と、登録表示欄555と、採用/中止表示欄556とを含んでいる。切り替え先一覧550はさらに、薬剤の形状、直径、厚みなどの情報を含んでもよい。
【0078】
薬剤名称表示欄552には、切り替え先の候補となる薬剤の名称が表示される。使用量表示欄553には、対象期間中に薬剤包装装置200から払い出された薬剤の数量が、薬剤ごとに表示される。
【0079】
カセット種表示欄554には、薬剤名称表示欄552に表示されている薬剤に対応するカセット100の種類を示す、英大文字と2つの数字とからなる識別番号が表示される。カセット種表示欄554には、薬剤名称表示欄552に表示されている薬剤を収容可能なカセット100の種類が表示される。
【0080】
薬剤マスタ300において、薬剤にカセット100が登録されていれば、その登録されているカセット100の種類を示す識別番号が、カセット種表示欄554に表示される。薬剤マスタ300において薬剤にカセット100が登録されていなければ、図5に示される対応データ400において、薬剤に対応するものとして規定されているカセット100の種類を示す識別番号が、カセット種表示欄554に表示される。薬剤マスタ300に登録されているカセット100と、対応データ400に規定されているカセット100とが異なる場合には、薬剤マスタ300に登録されるカセット100を優先して、カセット種表示欄554に表示する。
【0081】
登録表示欄555には、薬剤マスタ300において薬剤にカセット100が登録されているか否かが表示される。薬剤マスタ300においてカセット100が登録されている薬剤については、登録表示欄555に登録済と表示される。切り替え先一覧550には、薬剤マスタ300においてカセット100が登録されていない薬剤が含まれ、薬剤マスタ300にカセット100が登録されていない薬剤については、登録表示欄555に未登録と表示される。採用/中止表示欄556には、薬剤包装装置200から払い出される対象として採用されている薬剤であるか否かの情報が表示される。
【0082】
選択欄551には、薬剤ごとにチェックボックスが表示される。ユーザは、切り替え先一覧550に表示される薬剤のうちの1つの薬剤に対応する選択欄551を操作して、チェックボックスにチェックマークを付けることにより、その薬剤を切り替え先として選択する。切り替え先の薬剤として、1つの薬剤を選択可能である。複数の薬剤を切り替え先の薬剤として選択することはできない。選択欄551の複数のチェックボックスのうちの1つのチェックボックスにチェックマークを付けることが可能であり、2つ以上のチェックボックスにチェックマークを付けることはできない。
【0083】
図7に示される例では、切り替え先一覧550において、カセット100の種類によって切り替え先の候補となる薬剤が抽出されている。具体的に、切り替え先抽出部520のカセット種入力部521にA23と入力されているので、切り替え先一覧550には、識別番号A23のカセット100に収容可能な薬剤が表示されている。
【0084】
なお、切り替え元の薬剤が選択された時点で、その切り替え元の薬剤に対応するカセット100の種類によって切り替え先の候補となる薬剤が抽出されるようになっていてもよい。このとき、切り替え先抽出部520のカセット種入力部521に、切り替え元の薬剤に対応するカセット100の種類を示す識別番号が自動的に表示されてもよい。
【0085】
また逆に、切り替え先の薬剤が選択された時点で、その切り替え先の薬剤に対応するカセット100の種類によって切り替え元の候補となる薬剤が抽出されるようになっていてもよい。このとき、切り替え元抽出部510のカセット種入力部511に、切り替え先の薬剤に対応するカセット100の種類を示す識別番号が自動的に表示されてもよい。
【0086】
切り替え元一覧540、および、切り替え先一覧550に表示される複数の薬剤の情報は、ヘッダ部を操作することで、昇順または降順に並べ替えが可能である。たとえば、使用量表示欄543,553のヘッダ部の、使用量の文字を取り囲む矩形枠の内側をクリックすることで、対象期間中に薬剤包装装置200から払い出された薬剤の数量の昇順に並べ替えがされ、もう一度クリックすることで、薬剤の数量の降順に並べ替えがされる。またたとえば、登録表示欄555のヘッダ部の、登録の文字を取り囲む矩形枠の内側をクリックすることで、カセット100が登録されている薬剤が上に表示され、もう一度クリックすることで、カセット100が登録されていない薬剤が上に表示される。
【0087】
表示部293は、切り替え元一覧540と切り替え先一覧550との両方を、同時に表示する。表示部293は、切り替え元の薬剤に関する情報と、切り替え先の薬剤に関する情報とを、同時に表示する。切り替え元一覧540と切り替え先一覧550とは、表示部293において、上下に並んで配置されている。
【0088】
操作欄590は、薬剤選択画面500の最下部に表示されている。操作欄590に含まれる複数の矩形枠の内側にマウスポインタを合わせた状態でマウスをクリックしたり、画面をタップしたりすることによって、操作欄590を操作することができる。操作欄590は、CSV出力操作部591と、閉じ操作部592と、新規登録操作部593と、切り替え操作部594とを含んでいる。
【0089】
CSV出力操作部591を操作することにより、切り替え元一覧540と切り替え先一覧550とに表示されている内容が、CSV形式で出力される。閉じ操作部592を操作することにより、薬剤選択画面500が閉じられ、表示部293に表示される画面は別の画面に変えられる。新規登録操作部593を操作することにより、表示部293に表示される画面が、薬剤選択画面500から、新規登録画面700(図10)に変えられる。切り替え操作部594を操作することにより、表示部293に表示される画面が、薬剤選択画面500から、切り替え登録画面600(図8)に変えられる。
【0090】
図7に示される例では、切り替え元抽出部510の薬剤名称入力部512にC錠と入力されて、切り替え元一覧540にC錠が表示される。カセット種表示欄544に、C錠に登録されているカセット100の種類を示す識別番号A23が表示される。その識別番号A23が、切り替え先抽出部520のカセット種入力部521に入力されて、切り替え先一覧550には識別番号A23のカセット100に収容可能な薬剤が表示される。この場合、切り替え元のカセット100と切り替え先のカセット100とは同一のカセット種であるので、切り替えが可能とされる。
【0091】
一方、切り替え元の薬剤に登録されているカセット100と、切り替え先として選択しようとする薬剤に登録されているカセット100とが異なる種類のカセット100であれば、切り替え不可とされる。この場合には、切り替え操作部594を操作した時点で、アラートが発報される。たとえば、薬剤選択画面500上に、カセット種が異なるとのメッセージがポップアップ表示される。この場合には、切り替え操作部594を操作しても、表示部293に表示される画面が、切り替え登録画面600に切り替えられない。
【0092】
図6に戻って、ステップS2において、制御部291は、決定操作がされたか否かを判断する。ここでの決定操作とは、薬剤選択画面500において、切り替え元一覧540で1つの薬剤を選択し、かつ、切り替え先一覧550で1つの薬剤を選択した状態で、切り替え操作部594を操作することをいう。決定操作が未だされていないと判断されると(ステップS2においてNO)、ステップS2の判断が繰り返される。決定操作がされるまで、処理は待機される。
【0093】
決定操作がされたと判断されると(ステップS2においてYES)、ステップS3において、制御部291は、表示部293に、切り替え登録画面600を表示させる。図8は、切り替え登録画面600の一例を示す図である。図8に示されるように、切り替え登録画面600は、切り替え元表示部610と、切り替え先表示部650と、操作欄690とを含んでいる。表示部293は、切り替え元の薬剤に関する切り替え元表示部610と、切り替え先の薬剤に関する切り替え先表示部650とを、同時に表示する。切り替え元表示部610と切り替え先表示部650とは、表示部293において、左右に並んで配置されている。
【0094】
切り替え元表示部610は、薬剤名称620と、カセット情報一覧630とを含んでいる。薬剤名称620には、切り替え元として選択された薬剤の名称が表示される。カセット情報一覧630には、薬剤名称620に表示されている薬剤に登録されている、カセット100に関する情報が表示される。切り替え元表示部610には、切り替え元の薬剤の情報と、その薬剤に対して登録されているカセット100の情報とが表示される。
【0095】
カセット情報一覧630は、選択欄631と、カセット識別情報表示欄632と、1号機選択欄633と、2号機選択欄634と、3号機選択欄635とを含んでいる。
【0096】
カセット識別情報表示欄632には、薬剤名称620に表示されている薬剤に登録されている、カセット100の識別情報が表示される。カセット識別情報表示欄632には、カセット100の種類を示す識別番号と、カセット100のシリアル番号とを含む、7桁の識別番号が表示される。切り替え元の薬剤を収容するカセット100が複数ある場合には、それら複数のカセット100の各々の識別情報が、カセット識別情報表示欄632に表示される。
【0097】
1号機選択欄633、2号機選択欄634および3号機選択欄635には、カセット識別情報表示欄632に示されるカセット100を装着できるものとして規定されている薬剤包装装置200について、チェックマークが示される。
【0098】
図4を併せて参照して、薬剤マスタ300において、C錠には、識別番号A23#002のカセット100と識別番号A23#003のカセット100とが登録されており、いずれのカセット100も1号機201(図3)に装着できるものとして規定されている。そのため図8に示される切り替え元表示部610では、カセット情報一覧630の1行目において、カセット識別情報表示欄632に識別番号A23#002が表示され、1号機選択欄633にチェックマークが付されている。また切り替え元表示部610では、カセット情報一覧630の2行目において、カセット識別情報表示欄632に識別番号A23#003が表示され、1号機選択欄633にチェックマークが付されている。
【0099】
選択欄631には、カセット100ごとにチェックボックスが表示される。ユーザは、カセット情報一覧630に表示されるカセット100のうちの少なくとも1つのカセット100に対応する選択欄631を操作して、チェックボックスにチェックマークを付けることにより、そのカセット100を切り替え元として選択する。カセット情報一覧630に複数のカセット100の情報が表示されている場合に、切り替えの対象とするカセット100として、1つまたは複数のカセット100を選択することが可能である。
【0100】
切り替え先表示部650は、薬剤名称660と、カセット情報一覧670とを含んでいる。薬剤名称660には、切り替え先として選択された薬剤の名称が表示される。カセット情報一覧670には、薬剤名称660に表示されている薬剤に登録されている、カセット100に関する情報が表示される。切り替え先表示部650には、切り替え先の薬剤の情報と、その薬剤に対して登録されているカセット100の情報とが表示される。
【0101】
カセット情報一覧670は、カセット識別情報表示欄672と、1号機選択欄673と、2号機選択欄674と、3号機選択欄675とを含んでいる。
【0102】
カセット識別情報表示欄672には、薬剤名称660に表示されている薬剤に登録されている、カセット100の識別情報が表示される。カセット識別情報表示欄662には、カセット100の種類を示す識別番号と、カセット100のシリアル番号とを含む、7桁の識別番号が表示される。
【0103】
1号機選択欄673、2号機選択欄674および3号機選択欄675には、カセット識別情報表示欄672に示されるカセット100を装着できるものとして規定されている薬剤包装装置200について、チェックマークが示される。
【0104】
図4を併せて参照して、薬剤マスタ300において、E錠には、カセット100が登録されていない。そのため図8に示される切り替え先表示部650では、カセット100の情報が何も表示されない。もし、切り替え先として選択された薬剤が、薬剤マスタ300においてカセット100が登録されている薬剤であれば、カセット情報一覧670には、その薬剤に登録されているカセット100の情報が表示されることになる。
【0105】
操作欄690は、切り替え登録画面600の最下部に表示されている。操作欄690に含まれる複数の矩形枠の内側にマウスポインタを合わせた状態でマウスをクリックしたり、画面をタップしたりすることによって、操作欄690を操作することができる。操作欄690は、閉じ操作部692と、実行操作部694とを含んでいる。
【0106】
閉じ操作部692を操作することにより、切り替え登録画面600が閉じられ、表示部293に表示される画面は別の画面に変えられる。実行操作部694を操作することにより、カセット100の登録が、切り替え元の薬剤から、切り替え先の薬剤に切り替えられる。実行操作部694を操作するまでは切り替え元の薬剤に登録されていたカセット100が、実行操作部694を操作することにより、切り替え先の薬剤に登録されているカセット100として切り替えられる。
【0107】
図6に戻って、ステップS4において、制御部291は、実行操作がされたか否かを判断する。ここでの実行操作とは、切り替え登録画面600において、切り替え元表示部610のカセット情報一覧630で1つまたは複数のカセット100を選択した状態で、実行操作部694を操作することをいう。実行操作が未だされていないと判断されると(ステップS4においてNO)、ステップS4の判断が繰り返される。実行操作がされるまで、処理は待機される。
【0108】
図9は、切り替えるカセット100を選択した状態の切り替え登録画面600を示す図である。カセット情報一覧630の選択欄631を操作して切り替え元のカセット100を選択すると、切り替え先表示部650のカセット情報一覧670の最も下の行に、選択されたカセット100の情報が追加表示される。図9に示される例では、切り替え元表示部610に表示されている2つのカセット100のうち、識別番号A23#003のカセット100が選択されており、切り替え先表示部650には識別番号A23#003のカセット100の情報が追加表示されている。
【0109】
切り替え元表示部610において選択されたカセット100、および、切り替え先表示部650において追加されたカセット100を、他のカセット100と容易に区別できるように、表示を変更してもよい。たとえば、対象のカセット100の情報が表示されている列を、色分けしたり強調表示したりなどして、見分けやすくしてもよい。
【0110】
実行操作部694が操作されると、切り替え元の薬剤に対する、選択したカセット100の登録が解除される。切り替え先の薬剤に、選択したカセット100が登録される。
【0111】
図6に戻って、ステップS4の判断において実行操作がされたと判断されると(ステップS4においてYES)、ステップS5において、制御部291は、表示部293に、作業案内画面を表示させる。作業案内画面は、ユーザに、カセット100を切り替えるための作業を案内する。
【0112】
カセット100を切り替えるための作業は、たとえば、対象のカセット100の清掃、対象のカセット100に貼られているラベルの張り替え、対象のカセット100への切り替え先の薬剤の充填、薬剤を充填した後の対象のカセット100の動作テスト、などを含む。作業案内画面は、カセット100を切り替えるための作業を行なうことをユーザに促すメッセージを含んでもよく、カセット100を切り替えるための作業の手順を示すメッセージを含んでもよい。
【0113】
ステップS6において、制御部291は、完了操作がされたか否かを判断する。作業案内画面は、変更完了操作部を含んでいる。ここでの完了操作とは、カセット100を切り替えるための作業がすべて完了した後に、変更完了操作部を操作することをいう。ユーザは、カセット100を切り替えるための作業がすべて完了すると、変更完了操作部を操作して、カセット100の切り替えを確定させる。
【0114】
完了操作が未だされていないと判断されると(ステップS6においてNO)、ステップS6の判断が繰り返される。完了操作がされるまで、処理は待機される。完了操作がされたと判断されると(ステップS6においてYES)、制御部291は、切り替え登録画面600を閉じて、表示部293に別の画面を表示させる。このようにして、薬剤に対するカセット100の登録を切り替える一連の処理を終了する(図6の「終了」)。
【0115】
<カセット100の新規登録>
図10は、新規登録画面700の一例を示す図である。図7に示される薬剤選択画面500において、切り替え先一覧550に表示された薬剤のうちの1つの薬剤を選択した状態で、新規登録操作部593を操作すると、制御部291は、表示部293に、新規登録画面700を表示させる。新規登録画面700は、選択した薬剤にカセット100を新規に登録するための画面である。図10に示されるように、新規登録画面700は、薬剤名称720と、カセット情報一覧730と、操作欄790とを含んでいる。
【0116】
薬剤名称720には、薬剤選択画面500で選択された薬剤の名称が表示される。カセット情報一覧730には、薬剤名称720に表示されている薬剤に登録されている、カセット100に関する情報が表示される。カセット情報一覧730は、カセット種表示欄731と、シリアルID表示欄732と、1号機選択欄733と、2号機選択欄734と、3号機選択欄735とを含んでいる。
【0117】
カセット種表示欄731には、薬剤名称720に表示されている薬剤に対応するカセット100の種類を示す識別番号が表示される。薬剤マスタ300において、薬剤にカセット100が登録されていれば、その登録されているカセット100の種類を示す識別番号が、カセット種表示欄731に表示される。薬剤マスタ300において薬剤にカセット100が登録されていなければ、図5に示される対応データ400において、薬剤に対応するものとして規定されているカセット100の種類を示す識別番号が、カセット種表示欄731に表示される。薬剤マスタ300に登録されているカセット100と、対応データ400に規定されているカセット100とが異なる場合には、薬剤マスタ300に登録されるカセット100を優先して、カセット種表示欄731に表示する。
【0118】
シリアルID表示欄732には、カセット100のシリアル番号が表示される。1号機選択欄733、2号機選択欄734および3号機選択欄735には、チェックボックスが表示される。シリアルID表示欄732に示されるカセット100を装着できるものとして規定する薬剤包装装置200について、1号機選択欄733、2号機選択欄734および3号機選択欄735の少なくとも1つのチェックボックスに、チェックマークが示される。
【0119】
操作欄790は、新規登録画面700の最下部に表示されている。操作欄790に含まれる複数の矩形枠の内側にマウスポインタを合わせた状態でマウスをクリックしたり、画面をタップしたりすることによって、操作欄790を操作することができる。操作欄790は、閉じ操作部792と、登録操作部794とを含んでいる。
【0120】
閉じ操作部792を操作することにより、新規登録画面700が閉じられ、表示部293に表示される画面は別の画面に変えられる。登録操作部794を操作することにより、カセット情報一覧730に入力されたカセット100が、薬剤名称720に示される薬剤に登録される。
【0121】
図10に示される新規登録画面700では、新たに導入したカセット100を登録する薬剤としてJ錠が選択され、J錠に対して新たに導入したカセット100を登録しようとする場合の例が示されている。薬剤名称720には、選択された薬剤の名称であるJ錠が表示されている。
【0122】
カセット情報一覧730には、既にJ錠に登録されているカセット100の情報が表示される。本例では、J錠に登録されているカセット100の種類を示す識別番号はB52である。カセット情報一覧730において、各行のカセット種表示欄731には、識別番号B52が表示される。
【0123】
本例では、J錠に、識別番号B52#001,B52#002の2つのカセット100が既に登録されている。カセット情報一覧730の1行目において、シリアルID表示欄732にシリアル番号#001が表示され、1号機選択欄733にチェックマークが付されている。カセット情報一覧730の2行目において、シリアルID表示欄732にシリアル番号#002が表示され、1号機選択欄733にチェックマークが付されている。
【0124】
カセット情報一覧730において、既に登録されているカセット100の情報が表示される行の下側に、新たに登録されるカセット100のための行が追加される。図10に示される例では、カセット情報一覧730の3行目が追加されている。この、カセット情報一覧730の3行目に示されるカセット100が、新たに登録されるカセット100である。
【0125】
図10では、カセット情報一覧730の3行目において、シリアルID表示欄732は空白であり、1号機選択欄733、2号機選択欄734および3号機選択欄735のチェックボックスにはチェックマークが付されていない状態である。ユーザは、シリアルID表示欄732にシリアル番号を入力し、1号機選択欄733、2号機選択欄734および3号機選択欄735の少なくとも1つのチェックボックスにチェックマークを付す。ユーザは、新たに登録するカセット100の情報の入力を完了すると、登録操作部794を操作する。これにより、J錠に対しての3つ目のカセット100の新規登録を確定させる。
【0126】
<作用および効果>
上述した説明と一部重複する部分もあるが、本実施形態の特徴的な構成、ならびにその作用および効果を列挙すると、以下のようになる。
【0127】
図7に示されるように、カセット100に収容する薬剤を切り替えるとき、表示部293は、切り替えの候補となる薬剤の一覧表を表示する。当該一覧表は、薬剤ごとの、対象期間中に薬剤包装装置200から払い出された数量である、使用量を含んでいる。
【0128】
切り替え元の薬剤の候補となる一覧表が対象期間中の薬剤の使用量を含んでいるので、使用量が少ない薬剤を、切り替え元の薬剤として選択することが容易になる。切り替え先の薬剤の候補となる一覧表が対象期間中の薬剤の使用量を含んでいるので、使用量の多い薬剤を切り替え先の薬剤として選択することが容易になる。使用量が少ない薬剤を切り替え元の薬剤とし、使用量が多い薬剤を切り替え先の薬剤とすることで、薬剤の効率的な供給ができるようになる。このようにして、薬剤に対して薬剤を収容するカセット100を登録する登録作業を容易に行なうことができるようになるので、カセット100の登録作業を支援することができる。
【0129】
図7に示されるように、薬剤包装装置200から払い出された薬剤を計数する対象期間を変更可能であってもよい。ユーザは、対象期間の初日と最終日とを指定することにより、対象期間を任意に変更することができる。任意の期間における使用量に基づいて、切り替え元の薬剤および切り替え先の薬剤を選択することができ、薬剤に対するカセット100の登録を切り替えて薬剤を効率的に供給することができる。
【0130】
図7に示されるように、切り替えの候補となる薬剤の一覧表は、複数の薬剤の情報を含み、使用量の昇順または降順に並び替えが可能であってもよい。切り替え元の候補となる薬剤について、使用量の昇順に並び替えることで、使用量の少ない薬剤を切り替え元として容易に選択することができる。切り替え先の候補となる薬剤について、使用量の降順に並び替えることで、使用量の多い薬剤を切り替え先として容易に選択することができる。
【0131】
図7に示されるように、切り替えの候補となる薬剤の一覧表は、薬剤の名称と、その薬剤を収容可能なカセット100の種類とを含んでもよい。切り替え元の薬剤に登録されているカセット100と、切り替え先として選択しようとする薬剤に登録されているカセット100とが、同一のカセット種であって切り替えが可能であるかどうかを、容易に確認することができる。
【0132】
図7に示されるように、切り替えの候補となる薬剤の一覧表において、薬剤の名称またはカセット100の種類によって切り替えの候補となる薬剤を抽出可能であってもよい。採用中止となった、または使用量が少ないと予め認識されている薬剤を、その薬剤の名称によって抽出することで、切り替え元の薬剤として容易に選択することができる。切り替え元の薬剤に登録されているカセット100の種類で、切り替え先の候補となる薬剤を抽出することができ、これにより、切り替え元のカセット100と切り替え先のカセット100とを同一のカセット種にすることができ、確実に切り替えが可能なようにできる。
【0133】
図3に示されるように、薬剤供給システムは、記憶部294を備えてもよい。記憶部294は、図4に示される、薬剤に関する情報が薬剤ごとに登録されている薬剤マスタ300を記憶してもよい。図7に示されるように、切り替え元の薬剤の候補の一覧表は、薬剤マスタ300にカセット100が登録されている薬剤のみを含み、薬剤マスタ300にカセット100が登録されていない薬剤を含まなくてもよい。カセット100が登録されていない薬剤を収容しているカセット100が存在しないので、そのような薬剤を切り替え元一覧540に表示させないようにすることで、切り替え元の候補となる薬剤と、その薬剤に登録されているカセット100とを、確実に選択することができる。
【0134】
図7に示されるように、切り替え先の薬剤の候補の一覧表は、薬剤マスタ300においてカセット100が登録されている薬剤と、薬剤マスタ300においてカセット100が登録されていない薬剤と、の両方を含んでもよい。切り替え先の薬剤については、薬剤マスタ300にカセットが登録されている薬剤に限定せずに、候補となる薬剤を一覧表に表示することができる。切り替え先の候補となる薬剤の選択の幅を広げることができ、切り替え先としてより適切な薬剤を選択することができる。
【0135】
図8に示されるように、表示部293は、切り替え元の薬剤に関する情報と、切り替え先の薬剤に関する情報と、を同時に表示してもよい。薬剤に対するカセット100の登録を切り替えようとするユーザは、表示部293を見て、切り替え元の薬剤に関する情報と切り替え先の薬剤に関する情報とを同時に見ることができる。ユーザは、切り替え先の薬剤に新たに登録するカセット100を、切り替え元の薬剤に登録されているカセット100から選択して、登録を切り替えることができる。
【0136】
図8,9に示されるように、切り替え元の薬剤を収容するカセット100が複数ある場合に、切り替えの対象とするカセット100を選択可能であってもよい。ユーザは、切り替え先の薬剤に既に登録されているカセット100の状況に基づいて、切り替え元の薬剤に登録されているカセット100のうち、登録を切り替えるカセット100の数量を、適切に決めることができる。
【0137】
<付記>
以上の説明は、以下に付記する特徴を含む。
【0138】
(付記1)
薬剤包装装置を含む薬剤供給システムであって、
薬剤を収容する薬剤収容部と、
薬剤および薬剤収容部に関する情報を表示する表示部とを備え、
薬剤収容部に収容する薬剤を切り替えるとき、前記表示部は、切り替えの候補となる薬剤の一覧表を表示し、
前記一覧表は、薬剤ごとの、対象期間中に前記薬剤包装装置から払い出された数量を含む、薬剤供給システム。
【0139】
(付記2)
前記対象期間を変更可能である、付記1に記載の薬剤供給システム。
【0140】
(付記3)
前記一覧表は複数の薬剤の情報を含み、前記数量の昇順または降順に並び替えが可能である、付記1または付記2に記載の薬剤供給システム。
【0141】
(付記4)
前記一覧表は、薬剤の名称と、その薬剤を収容可能な薬剤収容部の種類とを含む、付記1から付記3のいずれか1つに記載の薬剤供給システム。
【0142】
(付記5)
前記一覧表において、薬剤の名称または薬剤収容部の種類によって切り替えの候補となる薬剤を抽出可能である、付記1から付記4のいずれか1つに記載の薬剤供給システム。
【0143】
(付記6)
薬剤に関する情報が薬剤ごとに登録されている薬剤マスタを記憶する記憶部をさらに備え、
切り替え元の薬剤の候補の一覧表は、前記薬剤マスタに薬剤収容部が登録されている薬剤のみを含み、前記薬剤マスタに薬剤収容部が登録されていない薬剤を含まない、付記1から付記5のいずれか1つに記載の薬剤供給システム。
【0144】
(付記7)
切り替え先の薬剤の候補の一覧表は、前記薬剤マスタに薬剤収容部が登録されている薬剤と、前記薬剤マスタに薬剤収容部が登録されていない薬剤と、の両方を含む、付記6に記載の薬剤供給システム。
【0145】
(付記8)
前記表示部は、切り替え元の薬剤に関する情報と、切り替え先の薬剤に関する情報と、を同時に表示する、付記1から付記7のいずれか1つに記載の薬剤供給システム。
【0146】
(付記9)
切り替え元の薬剤を収容する薬剤収容部が複数ある場合に、切り替えの対象とする薬剤収容部を選択可能である、付記1から付記8のいずれか1つに記載の薬剤供給システム。
【0147】
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0148】
1 処方入力装置、100 カセット、200,201,202,203 薬剤包装装置、290 制御装置、291 制御部、292 操作部、293 表示部、294 記憶部、300 薬剤マスタ、301~306,401~406 薬剤情報、310,430 薬剤識別情報欄、320,410 薬剤名称欄、330 採用/中止欄、340 第1のカセット識別情報欄、350 第1の号機欄、360 第2のカセット識別情報欄、370 第2の号機欄、400 対応データ、420 製薬会社名欄、440 カセット種欄、500 薬剤選択画面、510 切り替え元抽出部、511,521 カセット種入力部、512,522 薬剤名称入力部、513,523 製薬会社名入力部、520 切り替え先抽出部、530 対象期間表示、531 期間初日指定部、532 期間最終日指定部、540 切り替え元一覧、541,551,631 選択欄、542,552 薬剤名称表示欄、543,553 使用量表示欄、544,554,731 カセット種表示欄、545,556 採用/中止表示欄、550 切り替え先一覧、555 登録表示欄、590,690,790 操作欄、591 CSV出力操作部、592,692,792 閉じ操作部、593 新規登録操作部、594 切り替え操作部、600 切り替え登録画面、610 切り替え元表示部、620,660,720 薬剤名称、630,670,730 カセット情報一覧、632,662,672 カセット識別情報表示欄、650 切り替え先表示部、694 実行操作部、700 新規登録画面、732 シリアルID表示欄、794 登録操作部。
【要約】
【課題】薬剤に対して薬剤収容部を登録する登録作業を支援する。
【解決手段】薬剤包装装置を含む薬剤供給システムは、薬剤を収容するカセットと、薬剤およびカセットに関する情報を表示する表示部293とを備えている。カセットに収容する薬剤を切り替えるとき、表示部293は、切り替えの候補となる薬剤の一覧表を表示する。一覧表は、薬剤ごとの、対象期間中に薬剤包装装置から払い出された数量を含む。
【選択図】図7
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10