(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-03
(45)【発行日】2025-02-12
(54)【発明の名称】医療情報提供装置、医療情報提供方法、および医療情報提供プログラム
(51)【国際特許分類】
G16H 80/00 20180101AFI20250204BHJP
【FI】
G16H80/00
(21)【出願番号】P 2020179209
(22)【出願日】2020-10-26
【審査請求日】2023-09-29
(73)【特許権者】
【識別番号】514020389
【氏名又は名称】TIS株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大小田 恵子
【審査官】中元 淳二
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-163817(JP,A)
【文献】国際公開第2017/154711(WO,A1)
【文献】特開2003-303239(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 10/00-80/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
問診データに対するユーザの回答データを、ユーザ端末から受け付ける受付部と、
前記回答データに基づいて、前記ユーザの症状に対する緊急度を判定する判定部と、
前記回答データ、前記緊急度、および各医療機関に関する医療機関データに基づいて、前記ユーザに対するおすすめの医療機関を決定する決定部と、
前記おすすめの医療機関を、前記ユーザ端末に通知する通知部と
を備え、
前記判定部は、前記問診データの問診内容に対する肯定回答に応じて前記緊急度を判定し、
前記通知部は、前記判定された緊急度が最も低い場合、よりおすすめの医療機関が決定されるまで、詳細な病状を確認する問診データを前記ユーザ端末に通知する
ことを特徴とする医療情報提供装置。
【請求項2】
前記決定部は、前記ユーザに関するユーザデータにさらに基づいて、前記おすすめの医療機関を決定することを特徴とする請求項1に記載の医療情報提供装置。
【請求項3】
前記決定部は、前記緊急度が第1の分類に分類されると判定された場合、前記おすすめの医療機関として、119番へのコールを決定する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の医療情報提供装置。
【請求項4】
前記緊急度が第2の分類に分類されると判定された場合、
前記判定部はさらに、前記ユーザの年齢を判定し、
前記決定部は、前記年齢に基づいて、前記おすすめの医療機関として、医療電話相談または子供医療電話相談へのコールを決定することを特徴とする請求項3に記載の医療情報提供装置。
【請求項5】
前記受付部はさらに、前記医療機関の予約に関する要求を前記ユーザ端末から受け付け、
前記通知部はさらに、前記要求に応答して、前記問診データを前記ユーザ端末に送信する
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の医療情報提供装置。
【請求項6】
前記通知部はさらに、前記医療機関のWebサイト、ならびに前記おすすめの医療機関を通知するためのWebサイトおよび前記ユーザ端末にインストールされたアプリケーションの少なくとも1つを介した要求に応答して、前記問診データを前記ユーザ端末に送信することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の医療情報提供装置。
【請求項7】
情報処理装置が、
問診データに対するユーザの回答データを、ユーザ端末から受け付け、
前記回答データに基づいて、前記ユーザの症状に対する緊急度を判定し、
前記回答データ、前記緊急度、および各医療機関に関する医療機関データに基づいて、前記ユーザに対するおすすめの医療機関を決定し、
前記おすすめの医療機関を、前記ユーザ端末に通知
する処理を実行し、
前記判定する処理は、前記問診データの問診内容に対する肯定回答に応じて前記緊急度を判定し、
前記通知する処理は、前記判定された緊急度が最も低い場合、よりおすすめの医療機関が決定されるまで、詳細な病状を確認する問診データを前記ユーザ端末に通知する
処理を含むことを特徴とする医療情報提供方法。
【請求項8】
情報処理装置に、
問診データに対するユーザの回答データを、ユーザ端末から受け付け、
前記回答データに基づいて、前記ユーザの症状に対する緊急度を判定し、
前記回答データ、前記緊急度、および各医療機関に関する医療機関データに基づいて、前記ユーザに対するおすすめの医療機関を決定し、
前記おすすめの医療機関を、前記ユーザ端末に通知
する処理を実行させ、
前記判定する処理は、前記問診データの問診内容に対する肯定回答に応じて前記緊急度を判定し、
前記通知する処理は、前記判定された緊急度が最も低い場合、よりおすすめの医療機関が決定されるまで、詳細な病状を確認する問診データを前記ユーザ端末に通知する
処理を含むことを特徴とする医療情報提供プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、医療情報提供装置、医療情報提供方法、および医療情報提供プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
自分や家族に体調不良などの気になる症状がある時に、検索エンジンなどを利用して、その症状から病名や対策、医療機関を自分自身で調べるユーザは少なくない。そのため、ユーザに対して問診し、問診結果からおすすめの医療機関をユーザに提案する医療機関検索システムがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の医療機関検索システムは、問診結果(ユーザの症状)に対する緊急度などが考慮されておらず、医療機関に対するユーザの適切な仕分けが十分になされているとはいえない。そのため、病院へ行く必要がない場合や小さい病院で問題がない場合などであっても、とりあえず大きな総合病院に行くなどといった心理が働き、一定の病院に人が集中してしまう問題がある。
【0005】
そこで、本開示では、ユーザに対し、より適切な医療情報を提供できる医療情報提供装置、医療情報提供方法、および医療情報提供プログラムを提案する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示によれば、問診データに対するユーザの回答データを、ユーザ端末から受け付ける受付部と、回答データに基づいて、ユーザの症状に対する緊急度を判定する判定部と、回答データ、緊急度、および各医療機関に関する医療機関データに基づいて、ユーザに対するおすすめの医療機関を決定する決定部と、おすすめの医療機関を、ユーザ端末に通知する通知部とを備えたことを特徴とする医療情報提供装置が提供される。
【0007】
また、本開示によれば、情報処理装置が、問診データに対するユーザの回答データを、ユーザ端末から受け付け、回答データに基づいて、ユーザの症状に対する緊急度を判定し、回答データ、緊急度、および各医療機関に関する医療機関データに基づいて、ユーザに対するおすすめの医療機関を決定し、おすすめの医療機関を、ユーザ端末に通知する処理を実行することを特徴とする医療情報提供方法が提供される。
【0008】
また、本開示によれば、情報処理装置に、問診データに対するユーザの回答データを、ユーザ端末から受け付け、回答データに基づいて、前記ユーザの症状に対する緊急度を判定し、回答データ、緊急度、および各医療機関に関する医療機関データに基づいて、ユーザに対するおすすめの医療機関を決定し、おすすめの医療機関を、ユーザ端末に通知する処理を実行させることを特徴とする医療情報提供プログラムが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本実施形態に係る情報処理システムの構成例を示す図である。
【
図2】本実施形態に係る医療情報提供装置100の機能構成例を示すブロック図である。
【
図3】本実施形態に係る問診データ121の例を示す図である。
【
図4】本実施形態に係る回答データ122の例を示す図である。
【
図5】本実施形態に係る医療機関データ123の例を示す図である。
【
図6】本実施形態に係るユーザデータ124の例を示す図である。
【
図7】本実施形態に係るおすすめの医療機関を通知するためのWebサイトの一例を示す図である。
【
図8】本実施形態に係るおすすめの医療機関を通知するためのアプリケーションの一例を示す図である。
【
図9】本実施形態に係る問診内容の埋め込まれた病院サイトの一例を示す図である。
【
図10】本実施形態に係る医療情報提供処理の流れを示すフローチャートである。
【
図11】本実施形態に係る医療情報提供装置100のハードウェア構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本実施形態について図面に基づいて詳細に説明する。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の部位には、同一の符号を付することにより重複する説明を省略する。
【0011】
なお、説明は以下の順序で行うものとする。
1.実施形態
1.1.システム構成例
1.2.機能構成例
1.3.機能の流れ
2.ハードウェア構成例
3.まとめ
4.効果
【0012】
<1.実施形態>
<<1.1.システム構成例>>
まず、本実施形態に係る情報処理システムの構成例について説明する。
図1は、本実施形態に係る情報処理システムの構成例を示す図である。
図1に示すように、情報処理システムは、医療情報提供装置100、ユーザ端末200、および医療機関装置300-1~300-n(nは任意の整数。以下、まとめて「医療機関装置300」という)を含む。
図1に示すように、医療情報提供装置100、ユーザ端末200、医療機関装置300はネットワークNを介して相互に通信可能に接続される。なお、ネットワークNは、有線、無線を問わず、インターネットなどの各種通信網を採用できる。
【0013】
医療情報提供装置100は、例えば、おすすめの医療機関などの医療情報を提供するサービス提供者によって管理されるサーバ装置である。医療情報提供装置100は、ユーザの現在地や居住地などに基づいてユーザごとに問診データを決定し、決定した問診データをユーザ端末200に送信する。また、医療情報提供装置100は、問診データに対するユーザの回答データを、ユーザ端末200から受け付け、回答データなどに基づいて、ユーザに対するおすすめの医療機関を決定し、ユーザ端末200に通知する。
【0014】
なお、医療情報提供装置100は、クラウドコンピューティングサービスの提供者によって管理されるクラウドサーバ装置であってもよいし、複数台のコンピュータで構成される分散型コンピューティングシステムであってもよい。医療情報提供装置100の機能構成の詳細については後述する。
【0015】
ユーザ端末200は、症状から医療機関などを検索するユーザが所有し使用する端末である。ユーザ端末200は、スマートフォンやタブレットPCなどのモバイル端末であってもよいし、ユーザの自宅などに設置される据え置き端末であってもよい。
【0016】
また、ユーザ端末200は、スマートフォンなどの携帯型無線電話機ではなく、固定電話などの電話機であってもよい。ユーザ端末200が固定電話などの電話機である場合は、例えば、ユーザが総合病院など医療機関に直接電話して診療の予約を行う場合などである。なお、ユーザ端末200が固定電話などの電話機である場合、
図1に示す情報処理システムのネットワークNは、部分的に電話回線に置き換えられる。
【0017】
ユーザは、自分や家族に体調不良などの気になる症状がある時に、ユーザ端末200を介して、検索エンジンなどを利用して医療機関などを検索する。また、ユーザは、ユーザ端末200を介して、医療情報提供装置100から提供される問診データを受信する。なお、問診データは、医療情報提供装置100によって提供されるWebサイトのほか、医療機関装置300によって提供される各医療機関のWebサイトや、ユーザ端末200にインストールされたアプリケーションなどを介して提供される。
【0018】
また、ユーザは、ユーザ端末200を介して、問診データに対する回答データを入力する。入力された回答データは、ユーザ端末200によって医療情報提供装置100に送信される。また、ユーザは、ユーザ端末200を介して、医療情報提供装置100から、回答データなどに基づいて決定されたおすすめの医療機関の通知を受信する。
【0019】
医療機関装置300は、各医療機関によって管理されるサーバ装置である。医療機関装置300は、ユーザ端末200からのアクセスに応答して、各医療機関に関する情報を公開するWebサイトを提供する。なお、上述したように、ユーザ端末200が固定電話などの電話機であって、ユーザが医療機関に直接電話してくる場合、医療機関装置300も固定電話などの電話機であってよい。
【0020】
なお、
図1では、本実施形態に係る情報処理システムとして、医療情報提供装置100、ユーザ端末200、および医療機関装置300の3種類のデバイスを少なくとも含むように示している。しかしながら、本実施形態に係る情報処理システムは、使用形態によって、医療機関装置300を含まなかったり、医療情報提供装置100および医療機関装置300を1つの装置にまとめたり、医療情報提供装置100をさらに細かく複数の装置に分散させたりするなどして構成できる。
【0021】
<<1.2.機能構成例>>
次に、本実施形態に係る医療情報提供装置100の機能構成例について説明する。
図2は、本実施形態に係る医療情報提供装置100の機能構成例を示すブロック図である。
図2に示すように、医療情報提供装置100は、通信部110、記憶部120、および制御部130を有する。
【0022】
通信部110は、ユーザ端末200や医療機関装置300など、他の装置との間の通信を制御する処理部であり、例えば、通信インターフェースである。
【0023】
記憶部120は、各種データや、制御部130が実行するプログラムを記憶する記憶装置の一例であり、例えば、メモリやハードディスクなどである。記憶部120は、問診データ121、回答データ122、医療機関データ123、およびユーザデータ124を記憶する。
【0024】
(問診データ121)
問診データ121は、何かしらの症状があるユーザやユーザの家族などに対する問診内容に関する情報を記憶するデータテーブルである。なお、説明を解かり易くするため、以下、症状があるユーザの家族などもまとめて「ユーザ」として説明する。
図3は、本実施形態に係る問診データ121の例を示す図である。
図3に示すように、問診データ121は、「問診ID、問診内容、緊急度、連絡先/診療科、備考」などを対応付けて記憶する。
【0025】
問診データ121に記憶される「問診ID」は、問診内容を一意に識別する識別子、例えば、シーケンス番号である。問診データ121に記憶される「問診内容」は、ユーザに対して問診する具体的な内容を示す。
【0026】
問診データ121に記憶される「緊急度」は、「問診内容」に対する回答が肯定的な回答であった場合のユーザに対する緊急度を示す。「緊急度」は、例えば、“高”、“中”、“低”であるが、さらに細かく分類されてもよい。また、
図3に示す「緊急度」に、“高”などの文字列を設定しているが、各緊急度を一意に示す数値などを設定してもよい。
【0027】
問診データ121に記憶される「連絡先/診療科」は、「問診内容」に対する回答が肯定的な回答であった場合にユーザが連絡すべき連絡先や受診すべき診療科を示す。具体的には、例えば、「緊急度」が“高”である場合の「連絡先/診療科」は、ユーザに対する迅速な対応が必要であるため、119番(災害救急情報センター)である。また、例えば、「緊急度」が“中”または“低”である場合の「連絡先/診療科」は、内科など具体的な診療科である。また、問診データ121に記憶される「備考」は、その他に、「問診内容」に対する回答が肯定的な回答であった場合にユーザに通知すべき内容(例えば、可能性のある病名)である。
【0028】
問診データ121は、医療従事者などによって予め作成され、医療情報提供装置100に記憶されるマスタデータである。問診データ121が、医療情報提供装置100によってユーザ端末200に送信されることにより、ユーザが問診内容に回答する。
【0029】
(回答データ122)
回答データ122は、問診内容に対するユーザの回答内容に関する情報を記憶するデータテーブルである。
図4は、本実施形態に係る回答データ122の例を示す図である。
図4に示すように、回答データ122は、「問診ID、問診内容、回答内容」などを対応付けて記憶する。
【0030】
回答データ122に記憶される「問診ID」は、問診データ121に記憶される「問診ID」と同様であり、回答データ122と問診データ121とを紐づけることができる。また、回答データ122に記憶される「問診内容」は、問診データ121に記憶される「問診内容」と同様であり、
図4に示す問診データ121を解かり易くするために示すものである。そのため、回答データ122は「問診内容」を含まなくてもよい。
【0031】
回答データ122に記憶される「回答内容」は、「問診内容」に対するユーザの回答内容を示す。「回答内容」は、例えば、“はい”、“いいえ”、“どちらでもない”(未回答含む)であるが、さらに細かく分類されてもよい。なお、「回答内容」も、“はい”などの文字列を設定しているが、各回答内容を一意に示す数値などを設定してもよい。
【0032】
回答データ122は、ユーザ端末200に送信された問診データ121に対してユーザが回答を入力することにより作成されるトランザクションデータである。ユーザ端末200を介してユーザが回答し、作成された回答データ122は、ユーザ端末200によって、医療情報提供装置100に送信され、記憶される。
【0033】
(医療機関データ123)
医療機関データ123は、問診内容に対するユーザの回答内容に応じてユーザにおすすめする医療機関に関する情報を記憶するデータテーブルである。
図5は、本実施形態に係る医療機関データ123の例を示す図である。
図5に示すように、医療機関データ123は、「医療機関ID、医療機関名、種別、場所、診療科目、設備、診療時間、休診日」などを対応付けて記憶する。
【0034】
医療機関データ123に記憶される「医療機関ID」は、医療機関を一意に識別する識別子であり、例えば、シーケンス番号である。医療機関データ123に記憶される「医療機関名」は、医療機関の名称を示す。医療機関データ123に記憶される「種別」は、病床の数などによって定めされる医療機関の種別を示す。
【0035】
医療機関データ123に記憶される「場所」は、医療機関の所在地を示す。例えば、「場所」と、ユーザの現在地とを突き合わせることにより、ユーザから最寄りの医療機関を検索できる。
【0036】
医療機関データ123に記憶される「診療科目」は、医療機関で対応可能な診療科目を示す。例えば、問診内容に対するユーザの回答内容により、ユーザの病名やユーザが受診すべき診療科が特定できる場合、特定した病名や診療科に対応する「診療科目」を検索することにより、ユーザにおすすめの医療機関を検索できる。
【0037】
医療機関データ123に記憶される「設備」は、医療機関に備えられた設備や、その設備を使用して行える診療行為を示す。例えば、問診内容に対するユーザの回答内容により、ユーザの病名が特定できる場合、特定した病名に対して必要な医療行為に利用する「設備」を検索することにより、ユーザにおすすめの医療機関を検索できる。
【0038】
医療機関データ123に記憶される「診療時間」および「休診日」は、それぞれ、医療機関の診療時間および休診日を示す。例えば、現在時刻や曜日、またはユーザによって指定される予約日時と、「診療時間」および「休診日」とを突き合わせることにより、現在対応可能な医療機関や予約可能な医療機関に限定してユーザにおすすめの医療機関を検索できる。
【0039】
医療機関データ123は、医療機関ごとに予め作成され、医療情報提供装置100に記憶されるマスタデータである。なお、
図5に示す医療機関データ123は、「種別」や「診療科目」などの各種データに文字列を設定しているが、問診データ121や回答データ122同様、各種データを一意に示す数値などを設定してもよい。
【0040】
(ユーザデータ124)
ユーザデータ124は何かしらの症状があるユーザに関する情報を記憶するデータテーブルである。
図6は、本実施形態に係るユーザデータ124の例を示す図である。
図6に示すように、ユーザデータ124は、「ユーザID、ユーザ名、性別、年齢、居住地、現在地」などを対応付けて記憶する。
【0041】
ユーザデータ124に記憶される「ユーザID」は、ユーザを一意に識別する識別子、例えば、シーケンス番号である。「ユーザID」は、例えば、おすすめの医療機関などの医療情報を提供するサービスを利用するために、ユーザがユーザ情報を登録した場合に作成される。そのため、ユーザ情報の登録などを行っていない場合、ユーザデータ124は「ユーザID」を含まなくてよい。
【0042】
ユーザデータ124に記憶される「ユーザ名」、「性別」、「年齢」、および「居住地」は、それぞれ、ユーザの指名、性別、年齢、居住地を示す。「性別」も、“男”などの文字列を設定しているが、各性別を一意に示す数値などを設定してもよい。
【0043】
ユーザデータ124に記憶される「現在地」は、ユーザの現在地を示し、例えば、ユーザ端末200の現在の位置情報である。
【0044】
ユーザデータ124は、ユーザの入力情報などに基づいてユーザ端末200によって作成されるトランザクションデータである。ユーザデータ124は、例えば、回答データ122と併せて、ユーザ端末200によって、医療情報提供装置100に送信され、記憶される。または、ユーザがユーザ情報を登録している場合は、「現在地」以外のユーザデータ124はマスタデータであってよく、例えば、回答データ122と併せて、ユーザ端末200によって「ユーザID」が医療情報提供装置100に送信され、対応するユーザデータ124が検索される。この場合、ユーザデータ124に「現在地」は含まなくてよく、ユーザ端末200の現在の位置情報が、ユーザの現在地として、医療情報提供装置100に送信される。
【0045】
なお、記憶部120には、上記データ以外にも様々な情報を記憶できる。また、各データの構成は、上記内容に限定されない。
【0046】
制御部130は、医療情報提供装置100全体を司る処理部であり、例えば、プロセッサなどである。制御部130は、受付部131、判定部132、決定部133、通知部134を備える。なお、各処理部は、プロセッサが有する電子回路の一例やプロセッサが実行するプロセスの一例である。
【0047】
(受付部131)
受付部131は、問診データ121に対するユーザの回答データ122を、ユーザ端末200から受け付ける。これは、例えば、医療情報提供装置100によって提供されるWebサイト上で、ユーザ端末200を介してユーザによって入力された回答データ122を受信することである。
【0048】
図7は、本実施形態に係るおすすめの医療機関を通知するためのWebサイトの一例を示す図である。
図7は、ユーザ端末200のブラウザ上に表示されたおすすめの医療機関を通知するためのWebサイト400を示している。Webサイト400は、問診内容表示部410、および回答内容入力部411を含む。
【0049】
問診内容表示部410は、問診データ121に基づいて作成される問診内容を表示するユーザインタフェース(UI)である。例えば、問診内容表示部410に問診内容を表示する際に、ユーザの現在地を要求することで、ユーザの現在地を含む医療圏専用の問診データ121に基づいた問診内容を表示できる。また、問診内容表示部410に問診内容を表示する際に、ユーザにログインを要求することで、ユーザの居住地を含む医療圏専用の問診データ121に基づいた問診内容を表示できる。
【0050】
回答内容入力部411は、問診内容表示部410の問診内容に対する回答内容を入力するためのUIである。ユーザは、ユーザ端末200を介して、問診内容に対する回答内容を入力することにより、入力された回答内容に基づく回答データ122が医療情報提供装置100に送信される。
【0051】
なお、
図7の例では、入力された回答内容などに基づいて、医療情報提供装置100によっておすすめの医療機関が決定され、Webサイト400の中央上部におすすめの医療機関が表示される。また、
図7に示すように、おすすめの医療機関は、1つでなくてよく、複数表示してもよい。この際、おすすめ順など、所定の優先順に従っておすすめの医療機関を表示してもよい。そして、
図7に示すように、ユーザは、ユーザ端末200を介して、おすすめの医療機関から任意の医療機関を選択し(
図7の例では、乙内科クリニックを選択している)、Webサイト400から医療機関の予約を行うこともできる。
【0052】
また、受付部131は、問診データ121に対するユーザの回答データ122を、ユーザ端末200にインストールされたアプリケーションを介して受け付けることもできる。
図8は、本実施形態に係るおすすめの医療機関を通知するためのアプリケーションの一例を示す図である。
図8は、ユーザ端末200にインストールされた、おすすめの医療機関を通知するためのアプリケーション401を示している。
図8の左側に示すように、アプリケーション401も、問診内容表示部410、および回答内容入力部411を含む。また、
図8の右側に示すように、アプリケーション401にも、入力された回答内容などに基づくおすすめの医療機関が表示され、アプリケーション401から医療機関の予約を行うことができる。
【0053】
また、受付部131は、問診データ121に対するユーザの回答データ122を、医療機関装置300によって提供される医療機関のWebサイトを介して受け付けることもできる。
図9は、本実施形態に係る問診内容の埋め込まれた病院サイトの一例を示す図である。
図9は、ユーザ端末200のブラウザ上に表示された医療機関のWebサイト402を示している。Webサイト402も、問診内容表示部410や、回答内容入力部411(図示せず)を含み、ユーザがユーザ端末200を介して回答内容を入力できる。そして、Webサイト402にも、入力された回答内容などに基づくおすすめの医療機関を表示できる。
【0054】
Webサイト402の利用態様は、例えば、Webサイト402が大きな総合病院の医療機関のものであり、ユーザが症状から受診すべき医療機関の判断ができず、とりあえずWebサイト402を訪れるケースである。この場合、Webサイト402上で問診内容の表示および回答内容の入力を行うことで、ユーザに対して、Webサイト402に係る医療機関でない、より適切な医療機関(例えば、中小規模のクリニックなど)への受診を誘導できる。
【0055】
また、受付部131は、ユーザの現在地や、医療機関の予約に関する要求をユーザ端末200から受け付ける。ユーザの現在地は、上述したように、問診データ121の選択に用いることができる。また、医療機関の予約に関する要求とは、例えば、特定の医療機関の予約に関する要求である。当該要求を、特定の医療機関のWebサイト402や特定の医療機関への電話の自動応答で受け付けることにより、当該要求に応答して問診内容を、ユーザ端末200を介してユーザに示すことができる。そして、問診内容に対して、ユーザ端末200を介して入力される回答内容などに基づいて、ユーザに対してより適切な医療機関への受診を誘導できる。なお、ユーザ端末200が固定電話などの電話機である場合は、例えば、自動応答による音声で問診内容を示し、プッシュ応答によって回答内容を入力させることができる。
【0056】
(判定部132)
判定部132は、回答データ122に基づいて、ユーザの症状に対する緊急度を判定する。これは、例えば、回答データ122の「回答内容」が肯定的な回答(例えば、“はい”)であった問診データ121の「問診内容」に対応する「緊急度」を判定する。なお、「回答内容」が肯定的な回答であった問診データ121の「問診内容」が複数ある場合は、より高い「緊急度」を対象の緊急度に分類できる。例えば、
図3に示す問診データ121では、「緊急度」が“高”の「問診内容」に対する肯定回答が1つでもある場合、判定部132は、ユーザの症状に対する緊急度を“高”に分類する。また、「緊急度」が“高”の「問診内容」に対する肯定回答が1つもなく、“中”の「問診内容」に対する肯定回答が1つでもある場合、判定部132は、ユーザの症状に対する緊急度を“中”に分類する。「緊急度」が“高”および“中”の「問診内容」に対する肯定回答が1つもない場合、判定部132は、ユーザの症状に対する緊急度を“低”に分類する。なお、緊急度は3段階に限定されず、緊急度を、より細かく分類し、より多くの段階に分類することもできる。
【0057】
また、判定部132は、緊急度が“中”に分類されると判定された場合、さらに、ユーザの年齢を判定する。これは、例えば、ユーザデータ124の「年齢」から判定できる。また、ユーザデータ124が登録されていない場合は、ユーザ端末200を介して、ユーザに年齢の入力を促して、ユーザの年齢を判定できる。なお、年齢の判定は、緊急度が“中”に分類されると判定された場合に限定されず、その他の緊急度の場合に実行されてよい。
【0058】
(決定部133)
決定部133は、受付部131によって受け付けた回答データ122、および医療機関データ123に基づいて、ユーザに対するおすすめの医療機関を決定する。例えば、決定部133は、問診内容に対するユーザの回答内容により、ユーザの疾病やユーザが受診すべき診療科が特定できる場合、特定した疾病や診療科に対応する医療機関や必要な設備を備えた医療機関をおすすめの医療機関として決定できる。また、緊急を要す、直ぐに受診や治療が必要な疾病の場合、決定部133は、現在開いている医療機関に絞り込んで、おすすめの医療機関を決定できる。
【0059】
また、決定部133は、ユーザデータ124にさらに基づいて、おすすめの医療機関を絞り込んで決定できる。決定部133は、例えば、ユーザの居住地や現在地に基づいて、居住地や現在地から所定圏内にある医療機関に絞り込んで、おすすめの医療機関を決定できる。
【0060】
また、決定部133は、受付部131によって受け付けた回答データ122に基づいて、ユーザに対する緊急度が“高”に分類されると判定部132によって判定された場合、おすすめの医療機関として、119番へのコールを決定する。なお、例えば、医療情報提供装置100は、119番へのコールが決定された場合、ユーザ端末200を介してユーザに確認した上で、ユーザ端末200からの接続を119番に転送し、119番コールしてもよい。
【0061】
また、決定部133は、受付部131によって受け付けた回答データ122に基づいて、ユーザに対する緊急度が“中”に分類されると判定部132によって判定された場合、ユーザの年齢に基づいて、おすすめの医療機関として、医療電話相談または子供医療電話相談へのコールを決定する。より具体的には、決定部133は、ユーザが15歳以上である場合、医療電話相談(7119番)へのコールを決定し、15歳未満である場合、子供医療電話相談(8000番)へのコールを決定する。この場合も、医療情報提供装置100は、ユーザ端末200からの接続を各番号に転送し、各番号をコールしてもよい。
【0062】
(通知部134)
通知部134は、問診データ121や、決定部133によって決定されたおすすめの医療機関を、ユーザ端末200に通知する。これらの情報は、上述したように、ユーザ端末200のブラウザ上に表示されたおすすめの医療機関を通知するためのWebサイト400や医療機関のWebサイト402、ユーザ端末200にインストールされた、おすすめの医療機関を通知するためのアプリケーション401を介して通知できる。なお、受付部131の説明にて示したように、問診データ121は、医療機関の予約に関する要求に応答して、ユーザ端末200に送信できる。
【0063】
以上、本実施形態に係る医療情報提供装置100の機能構成例について説明した。なお、
図2を用いて説明した上記の機能構成はあくまで一例であり、本実施形態に係る医療情報提供装置100の機能構成は係る例に限定されない。例えば、医療情報提供装置100は、必ずしも
図2に示す構成のすべてを備えず、一部の構成を医療情報提供装置100とは異なる別のコンピュータに備えることもできる。また、医療情報提供装置100は、判定部132および決定部133など、複数の構成を1つの構成として備えてもよい。本実施形態に係る医療情報提供装置100の機能構成は、仕様や運用に応じて柔軟に変形可能である。
【0064】
また、各構成要素の機能を、CPU(Central Proccessing Unit)などの演算装置がこれらの機能を実現する処理手順を記述した制御プログラムを記憶したROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)などの記憶媒体から制御プログラムを読み出し、そのプログラムを解釈して実行することにより行ってもよい。したがって、本実施形態を実施する時々の技術レベルに応じて、適宜利用する構成を変更することが可能である。また、医療情報提供装置100のハードウェア構成の一例については後述される。
【0065】
<<1.3.機能の流れ>>
次に、
図10を用いて、本実施形態に係る医療情報提供処理の手順について説明する。
図10は、本実施形態に係る医療情報提供処理の流れを示すフローチャートである。
【0066】
まず、
図10に示すように、ユーザ端末200は、医療情報提供装置100に対し、問診データ121を要求する(ステップS101)。より具体的には、問診データ121の要求とは、問診データ121に基づく問診内容の表示の要求である。問診内容の表示は、上述したように、おすすめの医療機関を通知するためのWebサイト400やアプリケーション401、医療機関のWebサイト402に含まれる問診内容表示部410を介して表示される。そのため、問診データ121の要求は、例えば、Webサイト400やWebサイト402の問診内容表示部410を含む所定のページへのアクセス、アプリケーション401の起動、などのタイミングで医療情報提供装置100に送信される。または、ユーザ端末200が固定電話などの電話機の場合は、例えば、自動応答メニューから、問診を行うことがユーザによって選択されたタイミングである。
【0067】
次に、医療情報提供装置100の受付部131は、問診データ121の要求をユーザ端末200から受信していない場合(ステップS102:No)、問診データ121の要求の受信を待つ。一方、問診データ121の要求を受信した場合(ステップS102:Yes)、医療情報提供装置100の通知部134は、問診データ121を、ユーザ端末200に送信する(ステップS103)。
【0068】
次に、ユーザ端末200は、問診データ121を医療情報提供装置100から受信していない場合(ステップS104:No)、問診データ121の受信を待つ。一方、問診データ121を受信した場合(ステップS104:Yes)、ユーザ端末200に問診データ121を示す(ステップS105)。より具体的には、問診データ121は、ユーザの医療情報提供装置100に対するアクセス方法によって、Webサイト400やアプリケーション401、Webサイト402に含まれる問診内容表示部410を介して表示される。または、ユーザ端末200が固定電話などの電話機の場合は、例えば、自動応答による音声で、問診データ121が示される(例えば、問診内容を1つずつ音声で質問する形式による)。
【0069】
次に、ユーザは、問診内容として示された問診データ121に対する回答データ122を、ユーザ端末200を介して回答内容として入力する(ステップS106)。より具体的には、回答データ122は、ユーザの医療情報提供装置100に対するアクセス方法によって、Webサイト400やアプリケーション401、Webサイト402に含まれる回答内容入力部411を介して入力される。または、ユーザ端末200が固定電話などの電話機の場合は、例えば、自動応答によって示される音声に対して、プッシュ応答によって回答データ122が入力される。
【0070】
次に、ユーザ端末200は、入力された回答データ122を医療情報提供装置100に送信する(ステップS107)。
【0071】
次に、医療情報提供装置100の受付部131は、回答データ122をユーザ端末200から受信していない場合(ステップS108:No)、回答データ122の受信を待つ。一方、回答データ122を受信した場合(ステップS108:Yes)、医療情報提供装置100の判定部132は、回答データ122に基づいて、ユーザの症状に対する緊急度を判定する(ステップS109)。より具体的には、判定部132の説明で上述したように、判定部132は、例えば、回答データ122の「回答内容」が肯定的な回答であった問診データ121の「問診内容」に対応する「緊急度」を判定する。
【0072】
判定部132による緊急度の判定(ステップS109)によって、緊急度が“高”に分類されると判定された場合(ステップS110:Yes)、決定部133は、おすすめの医療機関として、119番へのコールを決定し(ステップS111)、ステップS118に進む。
【0073】
一方、緊急度が“高”に分類されると判定されず(ステップS110:No)、“中”に分類されると判定された場合(ステップS112:Yes)、判定部132は、ユーザの年齢を判定する(ステップS113)。ユーザの年齢は、例えば、ユーザデータ124が登録されている場合は、ユーザデータ124の「年齢」から、ユーザデータ124が登録されていない場合は、ユーザ端末200を介したユーザ入力などから判定できる。
【0074】
判定部132によるユーザの年齢の判定(ステップS113)によって、ユーザの年齢が15歳以上と判定された場合(ステップS114:Yes)、決定部133は、おすすめの医療機関として、医療電話相談(7119番)へのコールを決定し(ステップS115)、ステップS118に進む。
【0075】
一方、ユーザの年齢が15歳未満と判定された場合(ステップS114:No)、決定部133は、おすすめの医療機関として、子供医療電話相談(8000番)へのコールを決定し(ステップS116)、ステップS118に進む。
【0076】
また、判定部132による緊急度の判定(ステップS109)によって、緊急度が“高”または“中”に分類されると判定されなかった場合(ステップS112:No)、決定部133は、おすすめの医療機関を決定し(ステップS117)、ステップS118に進む。より具体的には、決定部133は、回答データ122および医療機関データ123に基づいて、ユーザの疾病やユーザが受診すべき診療科を決定し、決定した疾病や診療科に対応する医療機関や必要な設備を備えた医療機関をおすすめの医療機関として決定できる。この際、決定部133は、ユーザデータ124にさらに基づいて、ユーザの居住地や現在地から所定圏内にある医療機関に絞り込んだ上で、おすすめの医療機関を決定できる。なお、回答データ122により、さらに問診が必要な場合は、ステップS103に戻って、よりおすすめの医療機関が決定されるまで、処理を繰り返すことができる。具体的には、例えば、回答データ122が「めまいやふらつきがある」ことを示し、さらに「吐き気がある」や「頭痛がある」ことを示した場合、より詳細な症状を確認するために、「吐き気・嘔吐」や「頭痛」に関する詳細な問診をさらに行うことができる。この場合は、「吐き気・嘔吐」や「頭痛」に関するより詳細な問診データ121がユーザ端末200に送信される(ステップS103)。
【0077】
次に、通知部134は、決定されたおすすめの医療機関を、問診結果として、ユーザ端末200に通知する(ステップS118)。
【0078】
次に、ユーザ端末200は、問診結果を医療情報提供装置100から受信していない場合(ステップS119:No)、問診結果の受信を待つ。一方、問診結果を受信した場合(ステップS119:Yes)、ユーザ端末200に問診結果としておすすめの医療機関を示す(ステップS120)。おすすめの医療機関のも、ユーザの医療情報提供装置100に対するアクセス方法によって、Webサイト400やアプリケーション401、Webサイト402上に表示される。または、ユーザ端末200が固定電話などの電話機の場合は、例えば、自動応答による音声で、おすすめの医療機関が示される。ステップS120の後、
図10に示す医療情報提供処理は終了する。
【0079】
<2.ハードウェア構成例>
次に、本実施形態に係る医療情報提供装置100のハードウェア構成例について説明する。
図11は、本実施形態に係る医療情報提供装置100のハードウェア構成例を示すブロック図である。
図11を参照すると、医療情報提供装置100は、例えば、プロセッサ801と、ROM802と、RAM803と、ホストバス804と、ブリッジ805と、外部バス806と、インターフェース807と、入力装置808と、出力装置809と、ストレージ810と、ドライブ811と、接続ポート812と、通信装置813と、を有する。なお、ここで示すハードウェア構成は一例であり、構成要素の一部が省略されてもよい。また、ここで示される構成要素以外の構成要素をさらに含んでもよい。
【0080】
(プロセッサ801)
プロセッサ801は、例えば、演算処理装置または制御装置として機能し、ROM802、RAM803、ストレージ810、またはリムーバブル記録媒体901に記録された各種プログラムに基づいて各構成要素の動作全般またはその一部を制御する。
【0081】
(ROM802、RAM803)
ROM802は、プロセッサ801に読み込まれるプログラムや演算に用いるデータなどを格納する手段である。RAM803には、例えば、プロセッサ801に読み込まれるプログラムや、そのプログラムを実行する際に適宜変化する各種パラメータなどが一時的または永続的に格納される。
【0082】
(ホストバス804、ブリッジ805、外部バス806、インターフェース807)
プロセッサ801、ROM802、RAM803は、例えば、高速なデータ伝送が可能なホストバス804を介して相互に接続される。一方、ホストバス804は、例えば、ブリッジ805を介して比較的データ伝送速度が低速な外部バス806に接続される。また、外部バス806は、インターフェース807を介して種々の構成要素と接続される。
【0083】
(入力装置808)
入力装置808には、例えば、マウス、キーボード、タッチパネル、ボタン、スイッチ、およびレバーなどが用いられる。さらに、入力装置808としては、赤外線やその他の電波を利用して制御信号を送信することが可能なリモートコントローラ(以下、リモコン)が用いられることもある。また、入力装置808には、マイクロフォンなどの音声入力装置が含まれる。
【0084】
(出力装置809)
出力装置809は、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)、LCD、または有機ELなどのディスプレイ装置、スピーカ、ヘッドホンなどのオーディオ出力装置、プリンタ、携帯電話、またはファクシミリなど、取得した情報を利用者に対して視覚的または聴覚的に通知することが可能な装置である。また、本実施形態に係る出力装置809は、触覚刺激を出力することが可能な種々の振動デバイスを含む。
【0085】
(ストレージ810)
ストレージ810は、各種のデータを格納するための装置である。ストレージ810としては、例えば、ハードディスクドライブ(HDD)などの磁気記憶デバイス、半導体記憶デバイス、光記憶デバイス、または光磁気記憶デバイスなどが用いられる。
【0086】
(ドライブ811)
ドライブ811は、例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、または半導体メモリなどのリムーバブル記録媒体901に記録された情報を読み出し、またはリムーバブル記録媒体901に情報を書き込む装置である。
【0087】
(接続ポート812)
接続ポート812は、例えば、USB(Universal Serial Bus)ポート、IEEE1394ポート、SCSI(Small Computer System Interface)、RS-232Cポート、または光オーディオ端子などのような外部接続機器902を接続するためのポートである。
【0088】
(通信装置813)
通信装置813は、ネットワークに接続するための通信デバイスであり、例えば、有線または無線LAN、Bluetooth(登録商標)、またはWUSB(Wireless USB)用の通信カード、光通信用のルータ、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)用のルータ、または各種通信用のモデムなどである。
【0089】
(リムーバブル記録媒体901)
リムーバブル記録媒体901は、例えば、DVDメディア、Blu-ray(登録商標)メディア、HD DVDメディア、各種の半導体記憶メディアなどである。もちろん、リムーバブル記録媒体901は、例えば、非接触型ICチップを搭載したICカード、または電子機器などであってもよい。
【0090】
(外部接続機器902)
外部接続機器902は、例えば、プリンタ、携帯音楽プレーヤ、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、またはICレコーダなどである。
【0091】
なお、本実施形態に係る記憶部120は、ROM802やRAM803、ストレージ810によって実現される。また、プロセッサ801によって実現される本実施形態に係る制御部130が、受付部131、判定部132、決定部133、通知部134を実現する各制御プログラムを、ROM802やRAM803などから読み出し実行する。また、本実施形態に係る通信部110が、ROM802やRAM803などからデータを読み出し、ホストバス804、ブリッジ805、外部バス806、インターフェース807を介して通信装置813にデータを送り、外部装置へのデータ送信を行う。また、通信部110は、通信装置813によって受信されたデータを、インターフェース807、外部バス806、ブリッジ805、ホストバス804を介してROM802やRAM803に書き込み、外部装置からのデータ受信を行う。
【0092】
<3.まとめ>
以上説明したように、医療情報提供装置100は、受付部131と、判定部132と、決定部133と、通知部134とを備える。受付部131は、問診データ121に対するユーザの回答データ122を、ユーザ端末200から受け付ける。判定部132は、回答データ122に基づいて、ユーザの症状に対する緊急度を判定する。決定部133は、回答データ122、緊急度、および各医療機関に関する医療機関データ123に基づいて、ユーザに対するおすすめの医療機関を決定する。通知部134は、おすすめの医療機関を、ユーザ端末200に通知する。
【0093】
これにより、医療情報提供装置100は、ユーザに対し、より適切な医療情報を提供できる。
【0094】
以上、添付図面を参照しながら本開示の好適な実施形態について詳細に説明したが、本開示の技術的範囲はかかる例に限定されない。本開示の技術分野における通常の知識を有する者であれば、請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
【0095】
<4.効果>
上述したように、医療情報提供装置100は、以下のような構成を取り様々な効果を奏し得る。しかしながら、本明細書に記載された効果は、あくまで説明的または例示的なものであって限定的ではない。つまり、本開示に係る技術は、上記の効果とともに、または上記の効果に代えて、本明細書の記載から当業者には明らかな他の効果を奏し得る。
【0096】
(1)問診データ121に対するユーザの回答データ122を、ユーザ端末200から受け付ける受付部131と、
回答データ122に基づいて、ユーザの症状に対する緊急度を判定する判定部132と、
回答データ122、緊急度、および各医療機関に関する医療機関データ123に基づいて、ユーザに対するおすすめの医療機関を決定する決定部133と、
おすすめの医療機関を、ユーザ端末200に通知する通知部134と
を備えたことを特徴とする医療情報提供装置100。
【0097】
これにより、医療情報提供装置100は、ユーザに対し、ユーザの症状に対する緊急度に応じた、より適切な医療情報を提供できる。その結果、医療機関に対するユーザの仕分けがより適切に行われ、一定の病院に人が集中してしまう問題を緩和できる。
【0098】
(2)決定部133は、ユーザに関するユーザデータ124にさらに基づいて、おすすめの医療機関を決定することを特徴とする前記(1)に記載の医療情報提供装置100。
【0099】
これにより、医療情報提供装置100は、ユーザに対し、さらに適切な医療情報を提供できる。
【0100】
(3)決定部133は、緊急度が第1の分類に分類されると判定された場合、おすすめの医療機関として、119番へのコールを決定する
ことを特徴とする前記(1)または(2)に記載の医療情報提供装置100。
【0101】
これにより、医療情報提供装置100は、ユーザに対し、緊急度に応じた適切な医療情報を提供できる。
【0102】
(4)緊急度が第2の分類に分類されると判定された場合、
判定部132はさらに、ユーザの年齢を判定し、
決定部133は、年齢に基づいて、おすすめの医療機関として、医療電話相談または子供医療電話相談へのコールを決定することを特徴とする前記(3)に記載の医療情報提供装置100。
【0103】
これにより、医療情報提供装置100は、ユーザに対し、緊急度に応じた適切な医療情報を提供できる。
【0104】
(5)受付部131はさらに、医療機関の予約に関する要求をユーザ端末200から受け付け、
通知部134はさらに、要求に応答して、問診データ121をユーザ端末200に送信する
ことを特徴とする前記(1)乃至(4)のいずれか1つに記載の医療情報提供装置100。
【0105】
これにより、医療情報提供装置100は、ユーザに対してより適切な医療機関への受診を誘導できる。
【0106】
(6)通知部134はさらに、医療機関のWebサイト402、ならびにおすすめの医療機関を通知するためのWebサイト400およびユーザ端末200にインストールされたアプリケーション401の少なくとも1つを介した要求に応答して、問診データ121をユーザ端末200に送信することを特徴とする前記(1)乃至(4)のいずれか一項に記載の医療情報提供装置100。
【0107】
これにより、医療情報提供装置100は、ユーザに対してより適切な医療機関への受診を誘導できる。
【符号の説明】
【0108】
100 医療情報提供装置
110 通信部
120 記憶部
121 問診データ
122 回答データ
123 医療機関データ
124 ユーザデータ
130 制御部
131 受付部
132 判定部
133 決定部
134 通知部
200 ユーザ端末
300 医療機関装置
400 Webサイト
401 アプリケーション
402 Webサイト
410 問診内容表示部
411 回答内容入力部