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特許7628875船上電気通信ネットワーク及びそのような電気通信ネットワークを備えた船舶
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-03
(45)【発行日】2025-02-12
(54)【発明の名称】船上電気通信ネットワーク及びそのような電気通信ネットワークを備えた船舶
(51)【国際特許分類】
   H04L 12/28 20060101AFI20250204BHJP
【FI】
H04L12/28 400
H04L12/28 100A
【請求項の数】 12
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021072828
(22)【出願日】2021-04-22
(65)【公開番号】P2021180479
(43)【公開日】2021-11-18
【審査請求日】2024-03-14
(31)【優先権主張番号】102020000008635
(32)【優先日】2020-04-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】514146829
【氏名又は名称】フィンカンティエリ ソチエタ ペル アツィオニ
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 博史
(74)【代理人】
【識別番号】100135703
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 英隆
(72)【発明者】
【氏名】レナルドン,マッテオ
【審査官】吉田 歩
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2014/091507(WO,A1)
【文献】特開2008-171003(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0254986(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 12/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
鎖状の物理構成及びスター型の論理構成を有する船上電気通信ネットワーク(1)であって、
上記船上電気通信ネットワーク(1)は、上記船上電気通信ネットワーク(1)の複数のメイン配信センターのうちの1つのメイン配信センター(30)に機能的に接続された少なくとも1つの光ファイバー居住エリアローカル配信ネットワーク(10)を備え、
上記少なくとも1つの光ファイバー居住エリアローカル配信ネットワーク(10)は、
複数のサブグループ(S1~SN)に分割される複数のキャビンデッキ配信ポイント(31)と、
少なくとも複数(34)の水平キャビン配信ポイントDO-CN,1<j<Mとを備え、
キャビンデッキ配信ポイント(31)の各サブグループ(S1~SN)は、キャビン垂直配信直立構造物(M1~MM)に沿って分散され、
各キャビン垂直配信直立構造物(M1~MM)の第1のケーブル(32)は、上記メイン配信センター(30)に機能的に接続され、キャビンデッキ配信ポイント(31)の各サブグループ(S1~SN)の第1のキャビンデッキ配信ポイントを終端とし、
キャビンデッキ配信ポイントの1つのサブグループのキャビンデッキ配信ポイントは、キャビン垂直配信直立鎖のさらなる各ケーブル(33)によって、直列な鎖状構成として互いに相互接続され、
各水平キャビン配信ポイントDO-CN,1<j<Mは、複数の入力コネクタC-IN,1<i<Nの各入力コネクタにそれぞれ入る複数の入力光ファイバーF-IN1<i<Nと、複数の出力コネクタC-OT,1<i<Nの各出力コネクタからそれぞれ出る第2の複数の出力光ファイバーF-OT,1<i<Nとを有し、
第1の水平キャビン配信ポイントDO-CNは、各光信号(P-OS)を受信するように適応化された複数の入力光ファイバーF-IN1<i<Nを有する上記キャビンデッキ配信ポイント(31)のうちの1つに対応し、
上記複数(34)の水平キャビン配信ポイントDO-CN,1<j<Mのうちの1つの水平キャビン配信ポイントは、
ユーティリティ(UT)のコネクタ(UC)に接続された第1の出力光ファイバーF-OTであって、第1の入力光ファイバーF-INにおいて受信された光信号をユーティリティ(UT)の上記コネクタ(UC)に送るようにダウンストリームに配置された第1の出力光ファイバーF-OTと、
上記水平キャビン配信ポイントの各入力コネクタC-INi-1,2<i<Nにそれぞれ接続された後続の出力光ファイバーF-OT,2<i<Nであって、上記入力光ファイバーF-IN,1<i<Nにおいて受信された光信号を、ダウンストリームに配置された上記水平キャビン配信ポイントの入力コネクタC-Ini-1に送るようにダウンストリームに配置された後続の出力光ファイバーF-OT,2<i<Nのそれぞれとを有する、
船上電気通信ネットワーク(1)。
【請求項2】
上記少なくとも1つの光ファイバー居住エリアローカル配信ネットワーク(10)は、上記メイン配信センター(30)に機能的に接続された複数のスプリッタ(SP)を備え、
各スプリッタ(SP)は、上記メイン配信センター(30)の光ライン端末装置(30’)によって各光ファイバー配信ライン(LD)において分配された各光信号(S-OT)を入力において受信するように適応され、
各スプリッタは、上記受信された光信号(S-OT)を複数の光信号(P-OS)へ分割するように適応化され、
上記複数のスプリッタ(SP)によって提供される上記複数の光信号(P-OS)は、複数の光ファイバー(35)において分配される、
請求項1記載の船上電気通信ネットワーク(1)。
【請求項3】
上記少なくとも1つの光ファイバー居住エリアローカル配信ネットワーク(10)は、複数の光ファイバーグループ化接続(36)をさらに備え、
上記複数の光ファイバーグループ化接続(36)のうちの各光ファイバーグループ化接続は、上記複数の光ファイバー(35)のうちの設定された個数の光ファイバーを1つのグループにグループ化し、
上記複数の光ファイバーグループ化接続(36)は、1つのキャビン垂直配信直立構造物(M1~MM)の上記各第1のケーブル(32)の内側にそれぞれ設けられた複数のサブグループにグループ化され、
上記複数の光ファイバーグループ化接続(32)のうちの光ファイバーグループ化接続の各サブグループは、設定された個数の接続を含む、
請求項2記載の船上電気通信ネットワーク(1)。
【請求項4】
上記船上電気通信ネットワーク(1)は、上記複数のメイン配信センターのうちの上記1つのメイン配信センター(30)に機能的に接続された少なくとも1つの非居住エリアローカル配信ネットワーク(20)をさらに備え、
上記少なくとも1つの非居住エリアローカル配信ネットワーク(20)は、複数のサブグループ(A1~AN)に分割された複数の非居住エリアデッキ配信キャビネット(21)を備え、
非居住エリアデッキ配信キャビネットの各サブグループは、非居住エリア垂直配信直立構造物(R1~RN)に沿って分散され、
各非居住エリア垂直配信直立構造物(R1~RM)の第1のケーブル(22)は、上記メイン配信センター(30)に機能的に接続され、非居住エリアデッキ配信キャビネット(21)の各サブグループ(A1~AN)の第1の非居住エリアデッキ配信キャビネットを終端とし、
複数の非居住エリアデッキ配信キャビネットの1つのサブグループ(A1~AN)のうちの上記非居住エリアデッキ配信キャビネットは、非居住エリア垂直配信直立鎖のさらなる各ケーブル(23)によって、直列な鎖状構成として互いに相互接続される、
請求項1~3のうちの1つに記載の船上電気通信ネットワーク(1)。
【請求項5】
上記少なくとも1つの非居住エリアローカル配信ネットワーク(20)は、上記メイン配信センター(30)に機能的に接続された複数のスプリッタ(SP’)を備え、
各スプリッタ(SP)は、上記メイン配信センター(30)の光ライン端末装置(30’)によって各配信ライン(LD’)において分配された各光信号(S-OT)を入力において受信するように適応され、
各スプリッタ(SP’)は、上記受信された各光信号(S-OT)を複数の光信号(P-OS)へ分割するように適応化され、
上記複数のスプリッタ(SP)によって提供される上記複数の光信号(P-OS)は、複数の光ファイバー(24)において分配される、
請求項4記載の船上電気通信ネットワーク(1)。
【請求項6】
上記少なくとも1つの非居住エリアローカル配信ネットワーク(20)は、複数の光ファイバーグループ化接続(25)をさらに備え、
上記複数の光ファイバーグループ化接続(25)のうちの各光ファイバーグループ化接続は、上記複数の光ファイバー(24)のうちの設定された個数の光ファイバーを1つのグループにグループ化し、
上記複数の光ファイバーグループ化接続(25)は、1つの非居住エリア垂直配信直立構造物(R1~RM)の上記各第1のケーブル(22)の内側にそれぞれ設けられた複数のサブグループにグループ化され、
上記複数の光ファイバーグループ化接続(25)のうちの光ファイバーグループ化接続の各サブグループは、設定された個数の接続を含む、
請求項5記載の船上電気通信ネットワーク(1)。
【請求項7】
上記キャビン垂直配信直立構造物(M1~MM)は、上記船上電気通信ネットワーク(1)を設置可能である船舶(100)が長手方向に延在する平面に対して平行である水平基準面(PR)に対して実質的に垂直な方向に沿って垂直に延在する、
請求項1~6のうちの1つに記載の船上電気通信ネットワーク(1)。
【請求項8】
上記船舶(100)が長手方向に延在する平面に対して平行である上記水平基準面(PR)に対して実質的に垂直な方向に沿って、キャビン垂直配信直立鎖のさらなるケーブル(33)が垂直に延在する、
請求項7記載の船上電気通信ネットワーク(1)。
【請求項9】
上記複数(34)の水平キャビン配信ポイントDO-CN,1<j<Mは、上記船舶(100)が長手方向に延在する平面に対して平行である上記水平基準面(PR)に関して平行に延在する、
請求項7又は8記載の船上電気通信ネットワーク(1)。
【請求項10】
上記非居住エリア垂直配信直立構造物(R1~RM)は、上記船上電気通信ネットワーク(1)を設置可能である船舶(100)が長手方向に延在する平面に対して平行である水平基準面(PR)に対して実質的に垂直な方向に沿って垂直に延在する、
請求項4~6のうちのいずれか1つに記載の船上電気通信ネットワーク(1)。
【請求項11】
上記船舶(100)が長手方向に延在する平面に対して平行である上記水平基準面(PR)に対して実質的に垂直な方向に沿って、非居住エリア垂直配信直立鎖のさらなるケーブル(23)が垂直に延在する、
請求項10記載の船上電気通信ネットワーク(1)。
【請求項12】
請求項1~11のうちのいずれか1つに記載の船上電気通信ネットワーク(1)を備える船舶(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は海軍部門に関し、特に、船上電気通信ネットワーク及びそのような電気通信ネットワークを備えた船舶に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、居住エリア(キャビン)であるか非居住エリア(エンジンルーム、デッキ、船倉)であるかにかかわらず、船舶の互いに異なる複数のエリアのうちのすべてでないにしても大部分の間の通信を可能にすることは、提供されるサービスの効率、安全性、及び品質に関して基本的な要件となっているので、船上電気通信ネットワークは船舶における非常に重要な態様である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、例えば巡航船のような非常に大きなものまでも含む船舶の異なるエリアに到達できるようにすることは、特に何百個ものキャビンさえも含む居住エリアにおける、非常に侵襲的なケーブル敷設をともなうネットワークアーキテクチャを必要とし、このことは、長い設置時間を必要とし、時々、過剰な中間配信装置又はパネルの存在を必要とし、結果としてコストの増大をもたらす。
【0004】
さらに、現在の電気通信ネットワークは、居住を意図したもの以外のエリアにおいてさえ、後の時点におけるユーティリティの位置/個数の定義さえも妨げ、それにより、柔軟性をほとんど示さない。
【0005】
さらに、故障の場合には、既存の配線に対して速やかに、ただし過度に侵襲的になることなく介入できるように、有線リソースの適切なレベルの冗長性を提供することは、現時点においてなお非常に困難であるように見える。
【0006】
最後に、現在の電気通信ネットワークは、技術的進化の場合には、既に設置された船上アーキテクチャに対して徹底的に介入するのでなければ、容易に適応可能ではないという大きな制限を有し、おそらくは、すべての既存の配線を調べるのでなければ、装置及び/又はパネルの交換のために確実に長い介入時間及び非常に高い関連コストがかかる。
【0007】
上述のことに照らして、できるだけ柔軟であり、かつ、必要とされる所定個数のユーティリティに対して、そのような個数がごく直近の瞬間に定義されても容易に適応可能であり、少なくとも近い未来において、任意の技術的進化に対して容易に、従って低コストで順応しうる、船上電気通信ネットワークを提供することの必要性が強く感じられる。
【0008】
本発明の目的は、従来技術を参照して上述した欠点を少なくとも部分的に除去できるようにする船上電気通信ネットワークであって、特に、できるだけ柔軟かつ冗長性を有し、短時間の可能な技術的進化にも適応可能であり、従って低コストである船上電気通信ネットワークを考案して提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
そのような目的は、請求項1に係る船上電気通信ネットワークによって達成される。
【0010】
本発明はまた、そのような電気通信ネットワークを備える船舶に関する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明に係る船上電気通信ネットワークが使用されてもよい船舶の例を概略的に示す図である。
図2】本発明に係る船上電気通信ネットワークを簡単化されたブロック図によって示す図である。
図3a図2の船上電気通信ネットワークのより詳細な部分を簡単化されたブロック図によって示す図である。
図3b図2の船上電気通信ネットワークのより詳細な部分を簡単化されたブロック図によって示す図である。
図3c図2の船上電気通信ネットワークのより詳細な部分を簡単化されたブロック図によって示す図である。
図4図3b及び図3cにおいて既に概略的に示した構成要素間の接続モードを簡単化されたブロック図によって示す図である。
図5a図2の船上電気通信ネットワークのさらに詳細な部分を簡単化されたブロック図によって示す図である。
図5b図2の船上電気通信ネットワークのさらに詳細な部分を簡単化されたブロック図によって示す図である。
図6図1の船舶の例の一部の拡大図である。
図7図6で使用した参照符号のうちのいくつかを追加した図2の簡単化されたブロック図を表す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明に係る船上電気通信ネットワーク及びそのような船舶の別の特徴及び利点は、添付図面を参照して、表示する非限定的な例示によって与えられる、好ましい実施形態について後述する説明から明らかになるであろう。
【0013】
図面において、同じ又は同様の構成要素は同じ数字又は英数字の参照符号で示されることに注意すべきである。
【0014】
上述の図面を参照して、ここで、本発明に係る船上電気通信ネットワークについて説明する。
【0015】
図1において、参照符号100によりその全体を示す船舶の例を示す。
【0016】
ここでの説明の目的で、「船舶」は、巡航、レクリエーション、及び観光客サービスのために使用されうる任意の船、例えば図1aに示すもののような巡航船を意味し、又は、軍事部門で使用されうる任意の船を意味する。
【0017】
船上電気通信ネットワーク1は、実際に、船舶100に設置可能である。
【0018】
特に図6を参照すると、船舶100は、水平基準面PR、例えば、船舶100が浸漬される水体を表す水平面に対して平行に延在する長手方向を有する。
【0019】
船舶100は、船舶1の水平基準面PRに対して平行に延在する長手方向をそれぞれ有する複数のデッキD1~D4を備える。
【0020】
さらに、船舶100は、船舶100が長手方向に延在する平面に対して平行である水平基準面PRに対して実質的に垂直な方向に沿ってそれぞれ延在する、複数の垂直エリアVZ1~VZ4を備える。
【0021】
複数の垂直エリアVZ1~VZ4は、例えば、耐火隔壁によって互いに分離される。
【0022】
上記複数のデッキD1~D4のうちの各デッキは、船舶100が長手方向に延在する平面に対して平行である水平基準面PRに対して平行に延在し、上記複数の垂直エリアVZ1~VZ4のうちの1つ又は複数の垂直エリアを備える。
【0023】
上記複数の垂直エリアVZ1~VZ4のうちの各垂直エリアは、船舶100が長手方向に延在する平面に対して平行である水平基準面PRに対して実質的に垂直な方向に沿って延在し、上記複数のデッキD1~D4のうちの1つ又は複数のデッキを備える。
【0024】
各図面(図1を除く)において、参照符号1は、全体として、本発明に係る船上電気通信ネットワークを示し、以下では単に電気通信ネットワーク又は簡単にネットワークという。
【0025】
船上電気通信ネットワーク1は、以下でも繰り返すように、鎖状の物理構成及びスター型の論理構成を有する。
【0026】
さらに、船上電気通信ネットワーク1は、物理的観点から見て、上記複数の垂直エリアVZ1~VZ4のうちの1つの垂直エリアの内側において、船舶100が長手方向に延在する平面に対して平行である水平基準面PRに対して実質的に垂直な方向に沿って、かつ、垂直に延在し、また、垂直に延在する電気通信ネットワーク1を内部に含む垂直エリアと交差する上記複数のデッキD1~D4のうちの各デッキに沿って、船舶100が長手方向に延在する平面に対して平行である水平基準面PRに対して平行に、かつ、水平に延在する。
【0027】
例えば、図7を参照すると、電気通信ネットワーク1は、垂直エリアVZ1の内側において、船舶100が長手方向に延在する平面に対して平行である水平基準面PRに対して実質的に垂直な方向に沿って垂直に延在し、また、デッキD1、D2、及びD3に沿って、水平基準面PRに対して平行に、かつ、水平に延在する。
【0028】
本発明の実施形態によれば、図2を参照すると、船上電気通信ネットワーク1は、1つ又は複数のメイン配信センター30に複数のユーティリティUTを接続する。
【0029】
メイン配信センター(ハードウェア及びソフトウェア)は、サーバ、オーディオ/ビデオソース、データ処理端末を含む。
【0030】
ユーティリティUTは、PCのためのデータソケット、パワーオーバーイーサネット電話機及びカメラ(PoE)、Wi-Fi送信機であってもよく、概して、通常、従来技術の船舶のネットワークに設置されうる任意の装置であってもよい。
【0031】
本発明によれば、電気通信ネットワーク1はパッシブ光ネットワーク(Passive Optical Network:PON)である。
【0032】
PON電気通信ネットワークは、メイン配信センター30からユーティリティUTへ一体化されたネットワークの部分、すなわち、特に、ネットワークのバックボーン及び分岐のみを備える。
【0033】
1つ又は複数のデータセンターは、電気通信ネットワークには含まれない。
【0034】
特に、PON電気通信ネットワークは、いくつかの従来技術のローカルエリアネットワークプロトコル(LAN)とともに、GPON/XG-PON/XGS-PONブロードバンド光ファイバーネットワーク技術を用いて実装される。
【0035】
特に図2を参照すると、ネットワーク1は、ネットワーク1の複数のメイン配信センターのうちの1つのメイン配信センター30に機能的に接続された少なくとも1つの光ファイバー居住エリアローカル配信ネットワーク10を備える。
【0036】
船舶100のトポロジー及び複数のメイン配信センター30の位置決めに依存して、居住エリアローカル配信ネットワーク10なしのメイン配信センター30が存在し、居住エリアローカル配信ネットワーク10に機能的に接続されてもよいことに注意すべきである。
【0037】
「居住エリア」は、乗客及び/又は乗組員のキャビンが存在する船舶のエリアを意味する。
【0038】
複数の配信センターは、船上電気通信ネットワーク1のいわゆるバックボーンであり、図面ではメイン配信センター30を除いて図示していない。
【0039】
光ファイバーバックボーンは、光ファイバーメッシュネットワークのトポロジーを有し、ここで、各ノードは、複数の配信センターのうちのメイン配信センターによって表される。
【0040】
図面において、複数のメイン配信センターを備える光ファイバーメッシュネットワークは図示されず、参照符号30で示す配信センターによって表されるノードのみが構成要素として表される。
【0041】
この点では、各メイン配信センターは、「Main Distribution Frame(主配線盤)」の頭字語MDFによっても知られる。
【0042】
各配信センターは、「Optical Line Terminal(光ライン端末)」の頭字語OLTによっても知られる、少なくとも1つの光ライン端末装置を備える。
【0043】
前のものと組み合わせて図2に示す実施形態によれば、ネットワーク1はさらに、複数のネットワーク配信センター1のうちのメイン配信センター30に機能的に接続された、少なくとも1つの非居住エリアローカル配信ネットワーク20を備える。
【0044】
「非居住エリア」は、例えば、エンジンルーム、接続デッキ、制御室、船倉などのような、居住部(乗客及び/又は乗組員のキャビン)をもたない船舶のエリアのうちの1つを意味する。
【0045】
船舶100のトポロジー及び複数のメイン配信センター30の位置決めに依存して、非居住エリアローカル配信ネットワーク20なしのメイン配信センター30が存在し、非居住エリアローカル配信ネットワーク20に機能的に接続されてもよいことに注意すべきである。
【0046】
少なくとも1つの非居住エリアローカル配信ネットワーク20について以下に説明する。
【0047】
ここで、特に図3a、図3b、及び図3cも参照すると、少なくとも1つの光ファイバー居住エリアローカル配信ネットワーク10は、サブグループS1~SNに分割された複数のキャビンデッキ配信ポイント31を備える。
【0048】
これらの装置は、Accomodation deck Distribution Point(居住デッキ配信ポイント)の頭字語から、ADPとも呼ばれる。
【0049】
キャビンデッキ配信ポイント31の各サブグループは、キャビン垂直配信直立構造物M1~MMに沿って分散される。
【0050】
キャビン垂直配信直立構造物M1~MMは、延在する電気通信ネットワークを内部に含む垂直エリアVZ1の内側に存在する上記複数のデッキD1~D4のうちの各デッキのより多くのキャビンに到達するように、水平基準面PRに対して実質的に垂直な方向に沿って垂直に延在する直立構造物を意味することに注意すべきである。
【0051】
従って、キャビン垂直配信直立構造物M1~MMは、ネットワーク1を設置可能である船舶100が長手方向に延在する平面に対して平行である水平基準面PRに対して実質的に垂直な方向に沿って垂直に延在する。
【0052】
図2では、ただ1つのキャビン垂直直立構造物M1が、その内部に、複数のキャビンデッキ配信ポイント31のうちのキャビンデッキ配信ポイントのサブグループS1を含むように図示されていることに注意すべきである。
【0053】
図3a、図3b、及び図3cでは、上記複数のキャビンデッキ配信ポイント31のうちのキャビンデッキ配信ポイントのS1,S2,…,SN(N=5である)で示す各サブグループをそれぞれ備える、5つのキャビン垂直直立構造物M1,M2,…,MM(M=5である)を示す。
【0054】
図2及び図3aに示すように、各キャビン垂直配信直立構造物M1~MMの第1のケーブル32は、メイン配信センター30に機能的に接続され、キャビンデッキ配信ポイント31の各サブグループS1~SNの第1のキャビンデッキ配信ポイントを終端とする。
【0055】
キャビン垂直配信直立構造物の第1のケーブルは、Accomodation Riser First Cable(居住立ち上がり第1ケーブル)の頭字語からARFCとも呼ばれることに注意すべきである。
【0056】
キャビンデッキ配信ポイントのサブグループS1~SNのうちのキャビンデッキ配信ポイントは、直列な鎖状構成(デイジーチェーン物理的構成)のキャビン垂直配信直立鎖のさらなる各ケーブル33によって互いに相互接続される。
【0057】
キャビン垂直配信直立鎖のさらなるケーブル33は、船舶100が長手方向に延在する平面に対して平行である上記水平基準面PRに対して実質的に垂直な方向に沿って垂直に延在する。
【0058】
キャビン垂直配信直立鎖のさらなるケーブル33は、Accomodation Riser Chain Cable(居住立ち上がり鎖状ケーブル)の頭字語からARCCとも呼ばれる。
【0059】
キャビン垂直配信直立鎖のさらなるケーブル33は、例えば、設定された個数の利用可能な光ファイバーを備えた、予めコネクタ化された12xMPO-MPO(Multifiber Push On(マルチファイバ-プッシュオン)の頭字語から)又は12xMTP-MTP(Multifiber Termination Push on(マルチファイバ-終端プッシュオン)の頭字語から)であり、以下でそれが数値例により説明する。
【0060】
以下で繰り返すように、任意の超過光ファイバーは予備としてみなされてもよいことに注意すべきである。
【0061】
少なくとも1つの光ファイバー居住エリアローカル配信ネットワーク10は、複数34の水平キャビン配信ポイントDO-CN,1<j<Mのうちの少なくとも1つをさらに備える。
【0062】
複数34の水平キャビン配信ポイントDO-CN,1<j<Mが、延在する電気通信ネットワーク1を内部に含む垂直エリアVZ1に位置したものの間における単一のデッキに沿って、水平基準面PRに並列に、水平に延在する複数の配信ポイントを意味することに注意すべきである。
【0063】
従って、複数34の水平キャビン配信ポイントDO-CN,1<j<Mは、上記船舶100が長手方向に延在する平面に対して平行である水平基準面PRに関して平行に延在する。
【0064】
上記複数34の水平キャビン配信ポイントのうちの各水平キャビン配信ポイントは、キャビン配信キャビネットCDC(Cabin Distribution Cabinetの頭字語から)が提供され、次いで光ネットワーク端末装置ONT(英語の頭字語Optical Network Terminal(光ネットワーク端末)から)を備える技術的キャビンコンパートメントを示すことに注意するべきである。
【0065】
従って、装置ONTの入力ポート及び出力ポートは、各水平キャビン配信ポイント(技術的コンパートメント)について利用可能である。
【0066】
ここで、図4に示すように、各水平キャビン配信ポイントDO-CN,1<j<Mは、複数の入力コネクタC-IN,1<i<Nの各入力コネクタにそれぞれ入る複数の入力光ファイバーF-IN1<i<Nと、複数の出力コネクタC-OT,1<i<Nの各出力コネクタからそれぞれ出る第2の複数の出力光ファイバーF-OT,1<i<Nとを有する。
【0067】
第1の水平キャビン配信ポイントDO-CNは、各光信号P-OSを受信するように適応化された複数の入力光ファイバーF-IN1<i<Nを有するキャビンデッキ配信ポイント31のうちの1つに対応する。
【0068】
上記複数34の水平キャビン配信ポイントのうちの1つの水平キャビン配信ポイントDO-CN,1<j<Mは、第1の入力光ファイバーF-INにおいて受信された光信号をユーティリティUTのコネクタUCに送るようにダウンストリームに配置されたユーティリティUTのコネクタUCに接続された第1の出力光ファイバーF-OTを有する。
【0069】
ユーティリティUTのコネクタUCは、ユーティリティUTの入力において提供されたコネクタのタイプに依存して、SCタイプ(Standard Connector(標準コネクタ))又はLCタイプ(Lucent Connector(発光コネクタ))のコネクタであってもよい。
【0070】
ユーティリティUTはキャビンであり、ここでは、通常のLANユーティリティ、例えば、TV、電話機、WiFiアクセスポイント、又は礼儀(courtesy)データソケットは、ユーティリティUTの入力コネクタUC(SCタイプ又はLCタイプのコネクタ)に接続された光ネットワーク端末装置ONTのダウンストリームに接続されてもよい。
【0071】
さらに、上記複数34の水平キャビン配信ポイントDO-CN,1<j<Mのうちのそのような水平キャビン配信ポイントは、水平キャビン配信ポイントの各入力コネクタC-INi-1,2<i<Nにそれぞれ接続された後続の出力光ファイバーF-OT,2<i<Nであって、入力光ファイバーF-IN,1<i<Nにおいて受信された光信号を、ダウンストリームに配置された水平キャビン配信ポイントの入力コネクタC-INi-1に送るようにダウンストリームに配置された後続の出力光ファイバーF-OT,2<i<Nのそれぞれ(すなわち、最初のものに加えて、光ファイバーのうちの任意のもの)を有する。
【0072】
言いかえれば、出力ファイバーは、時々、1つの水平キャビン配信ポイントから次のものに通過して、互い違いに、すなわち以下のように配置される。
【0073】
- 第1の光ファイバーは、ユーティリティUTのコネクタUC(SCタイプ又はLCタイプ)に接続されている。
- 第2の光ファイバー、第3の光ファイバー、第4の光ファイバーなどはそれぞれ、ダウンストリームに配置された水平キャビン配信ポイントの第1の光ファイバー、第2の光ファイバー、第3の光ファイバーなどになる。
【0074】
それによって、すべての各出力光ファイバーにおける光信号を送る第1の水平キャビン配信ポイントであって、それらを後続の水平キャビン配信ポイントにおいて交互に接続する第1の水平キャビン配信ポイントを例外として、他の任意の水平キャビン配信ポイントは、1つ又は複数の切断された出力光ファイバーを有するが、それらは、後続のキャビン配信ポイントに、ただし交互に接続され、従って未使用のままである、すなわち、それらは光信号を送らない。
【0075】
光信号を送るための予備の光ファイバーは、おそらくは故障の場合に使用されうる余分な光ファイバーを表す。
【0076】
理想的には、水平キャビン配信ポイント(技術的キャビンコンパートメント)は、技術的キャビンコンパートメントを(例えば、設定された最大個数の技術的キャビンコンパートメント、例えば12個の技術的キャビンコンパートメントのグループとして)互いに接続する。
【0077】
第1の水平キャビン配信ポイントDO-CN(キャビンデッキ配信ポイント34のうちの1つに対応する)が、(Accomodation Horizontal First Cableの頭字語から)AHFCとも呼ばれる第1のキャビン水平配信ケーブル32’によって、第2の水平キャビン配信ポイントDO-CNに接続されることに注意すべきである。
【0078】
次の水平キャビン配信ポイントDO-CN,2<i<Nは、直列な鎖状構成(デイジーチェーンとも呼ばれる)の水平配信鎖のさらなる各ケーブル33’によって、互いに相互接続される。
【0079】
水平配信鎖のさらなるケーブル33’は、船舶100が長手方向に延在する平面に対して平行である水平基準面PRに対して平行に延在する。
【0080】
水平キャビン配信鎖のさらなるケーブル33’は、Accomodation Horizontal Chain Cable(居住水平鎖状ケーブル)の頭字語からAHCCとも呼ばれる。
【0081】
図4を参照すると、N=5かつM=4である場合、上記複数34の水平キャビン配信ポイントのうちの1つの水平キャビン配信ポイントDO-CN,1<j<4、例えばコネクタDOーCNは、第1の入力光ファイバーF-INにおいて受信された光信号をユーティリティUTの(例えば、SCタイプ又はLCタイプの)コネクタUCに送るようにダウンストリームに配置されたユーティリティUTのコネクタUCに接続された第1の出力光ファイバーF-OTを有することに注意してもよい。
【0082】
さらに、上記複数34の水平キャビン配信ポイントのうちの水平キャビン配信ポイントDO-CNは、水平キャビン配信ポイントの各入力コネクタC-INi-1,2<i<Nにそれぞれ接続された後続の出力光ファイバーF-OT,2<i<Nであって、入力光ファイバーF-IN,1<i<Nにおいて受信された光信号を、ダウンストリームに配置された水平キャビン配信ポイント(DO-CN)の入力コネクタC-INi-1に送るようにダウンストリーム(DO-CN)に配置された後続の出力光ファイバーF-OT,2<i<Nのそれぞれ(すなわち、最初のものに加えて、光ファイバーのうちの任意のもの)を有する。
【0083】
より詳しくは:
- DO-CNの第2の出力光ファイバーF-OTは、DO-CNの第1の入力光ファイバーF-INにおいて受信された光信号をDO-CNの第1の入力コネクタC-INに送るように、DO-CNの第1の入力コネクタC-INに接続される。
- DO-CNの第3の出力光ファイバーF-OTは、DO-CNの第2の入力光ファイバーF-INにおいて受信された光信号をDO-CNの第2の入力コネクタC-INに送るように、DO-CNの第2の入力コネクタC-INに接続される。
- DO-CNの第4の出力光ファイバーF-OTは、DO-CNの第3の入力光ファイバーF-INにおいて受信された光信号をDO-CNの第3の入力コネクタC-INに送るように、DO-CNの第3の入力コネクタC-INに接続される。
- DO-CNの第5の出力光ファイバーF-OTは、第4の入力コネクタC-INに接続されるが、それは、第1の水平キャビン配信ポイントDO-CNにより入力において受信される任意の光信号を送るためには使用されない。
【0084】
前のものと組み合わせて図3aに示す実施形態によれば、少なくとも1つの居住エリアローカル配信ネットワーク10は、メイン配信センター30に機能的に接続された複数のスプリッタ(光分配器)SPを備える。
【0085】
スプリッタは、1つの入力光ファイバー(又は、2つは入力光ファイバー)をいくつかの出力光ファイバーに分割し、光信号パワーを対称的に分割することができる受動デバイスである(すなわち、それらは電力供給を必要としない)。
【0086】
従って、スプリッタは、1つの入力光ライン(又は2つの光ライン)を他の複数の装置への配信のためにいくつかの二次ラインに分割し、複数の分岐をカスケードとして形成する。
【0087】
より詳しくは、各スプリッタSPは、例えばSC(標準コネクタ)又はLC(発光コネクタ)タイプの各コネクタC-SP(又は2つのコネクタC-SP)によって、メイン配信センター30の光ライン端末30’(optical line terminal:OLT)により各配信ラインLDにおいて配信された1つ又は複数の各光信号S-OTを入力において受信するように適応化される。
【0088】
各スプリッタSPは、受信された1つ又は複数の各光信号S-OTを複数の光信号P-OSへ分割するように適応化される。
【0089】
各スプリッタSPによる分割は、1つの入力光ファイバーの場合には比1:N(又は、2つの入力光ファイバーの場合には2:N)に従って行われ、例えばN=16であることに注意すべきである。
【0090】
図3aは、分割比1:Nを有し、N=16であるスプリッタSPを示す。
【0091】
複数のスプリッタSPによって提供される複数の光信号P-OSは、複数の光ファイバー35にわたって分配される。
【0092】
前のものと組み合わせて図3aに示す実施形態によれば、少なくとも1つの光ファイバー居住エリアローカル配信ネットワーク10は、複数の光ファイバーグループ化接続36をさらに備える。
【0093】
上記複数の接続36のうちの各光ファイバーグループ化接続、例えば、一端においてSCタイプ又はLCタイプの複数のコネクタを有し、かつ、他端においてMPOタイプ又はMTPタイプのコネクタを有する予めコネクタ化されたケーブルは、複数の光ファイバー35のうちの設定された個数の光ファイバーを1つのグループにグループ化する。
【0094】
特に、光ファイバーのグループ化は、所定個数のコネクタを備えた光ファイバーケーブルの終端においてのみ行われ、次いで、これらの接続のそれぞれは、設定された個数の光ファイバーをグループ化する。
【0095】
従って、各コネクタは、光ファイバーケーブルの終端においてのみ、光ファイバーをグループ化する。
【0096】
各スプリッタが分割比1:16を有する実施例において、各光ファイバーグループ化接続は、12本の光ファイバーを1つのグループにグループ化する。
【0097】
実際、この例では、接続は、12本の光ファイバーの接続12LC-MPOである。
【0098】
説明された実施形態を再び参照すると、次いで、複数の光ファイバーグループ化接続36は、1つのキャビン垂直配信直立構造物M1~MMの各第1のケーブル32の内側にそれぞれ設けられた複数のサブグループにグループ化される。
【0099】
既に上述したように、光ファイバーのグループ化は、光ファイバーケーブルの終端においてのみ行われ、有限個数の単一の光ファイバーが、光ファイバーケーブルの終端に存在するコネクタにおいて挿入されてもよいという事実にリンクされる。
【0100】
従って、光ファイバーケーブルの終端に存在するコネクタは、光ファイバーのグループ化を可能にする。
【0101】
上記複数の接続32のうちの光ファイバーグループ化接続の各サブグループは、設定された個数の接続を含む。
【0102】
従って、キャビン垂直配信直立構造物M1-MMの各ケーブル32は、その内部で利用可能である設定された個数の光ファイバーを有する。
【0103】
各スプリッタが分割比1:16を有し、各光ファイバーグループ化接続が12本の光ファイバーのグループをグループ化する実施例において、光ファイバーグループ化接続の各サブグループは、例えば、12個の光ファイバーグループ化接続をグループ化する。
【0104】
従って、この実施例によれば、キャビン垂直配信直立構造物M1-MMの各ケーブル32は、合計で144本の利用可能な光ファイバーを有する。
【0105】
この実施例によれば、キャビン垂直配信直立鎖のさらなるケーブル33は、例えば、144本の利用可能な光ファイバーを備えた、予め前コネクタ化された12xMPO-MPO又は12xMTP-MTPである。
【0106】
任意の超過光ファイバーが予備とみなされてもよい。
【0107】
上述したもののうちの任意のもの組み合わせたさらなる実施形態によれば、ネットワーク1は、ネットワーク1の複数の配信センターのうちのメイン配信センター30に機能的に接続された、少なくとも1つの非居住エリアローカル配信ネットワーク20を備えることを繰り返す。
【0108】
少なくとも1つの非居住エリアローカル配信ネットワーク20は、Other area deck Distribution Cabinetの頭字語からODCとも呼ばれる、複数の非居住エリアデッキ配信キャビネット21を備え、これらはサブグループA1-ANに分割される。
【0109】
各ODCが光ネットワーク装置(Optical Network Unit:ONU)を備えることに注意すべきである。
【0110】
非居住エリアデッキ配信キャビネットの各サブグループは、非居住エリア垂直配信直立構造物R1~RNに沿って分散される。
【0111】
非居住エリア垂直配信直立構造物R1~RNは、延在する電気通信ネットワークを内部に含む垂直エリアVZ1に存在する上記複数のデッキD1~D4のうちのより多くのデッキに到達するように、水平基準面PRに対して実質的に垂直な方向に沿って垂直に延在する直立構造物を意味することに注意すべきである。
【0112】
従って、非居住エリア垂直配信直立構造物R1~RNは、ネットワーク1を設置可能である船舶100が長手方向に延在する平面に対して平行である水平基準面PRに対して実質的に垂直な方向に沿って垂直に延在する。
【0113】
図2では、ただ1つの非居住エリア垂直直立構造物R1が、その内部に、複数の非居住エリアデッキ垂直配信ポイント31のうちの非居住エリアデッキ垂直配信ポイントのサブグループA1を含むように図示されていることに注意すべきである。
【0114】
図5a及び図5bは、上記複数の非居住エリア配信キャビネット21のうちの非居住エリアデッキ配信キャビネットのA1,A2,…,AN(N=5である)で示す各サブグループをそれぞれ備える、5つの非居住エリア垂直直立構造物R1,R2,…,RM(M=5である)を示す。
【0115】
図2及び図5aに示すように、各非居住エリア垂直配信直立構造物R1~RMの第1のケーブル22は、メイン配信センター30に機能的に接続され、非居住エリアデッキ配信キャビネット21の各サブグループA1~ANの第1の非居住エリアデッキ配信キャビネットを終端とする。
【0116】
非居住エリア垂直配信直立構造物の第1のケーブル22は、Other Areas Riser First Cable(他エリア立ち上がり第1ケーブル)の頭字語からORFCとも呼ばれることに注意すべきである。
【0117】
複数の非居住エリアデッキ配信キャビネットの1つのサブグループA1~SNのうちの非居住エリアデッキ配信キャビネットは、非居住エリア垂直配信直立鎖のさらなる各ケーブル23によって、直列な鎖状構成として互いに相互接続され、これはデイジーチェーン物理構成とも呼ばれる。
【0118】
非居住エリア垂直配信直立鎖のさらなるケーブル23は、船舶100が長手方向に延在する平面に対して平行である水平基準面PRに対して実質的に垂直な方向に沿って垂直に延在する。
【0119】
非居住エリア垂直配信直立鎖のさらなるケーブル23は、Other area Riser Chain Cable(他エリア立ち上がり鎖状ケーブル)の頭字語からORCCとも呼ばれる。
【0120】
非居住エリア垂直配信直立鎖のさらなるケーブル23は、例えば、以下で数値例を用いて説明するように、設定された個数の利用可能な光ファイバーを備える予めコネクタ化された12xMPO-MPOである。
【0121】
以下で繰り返すように、任意の超過光ファイバーは予備としてみなされてもよいことに注意すべきである。
【0122】
非居住エリアの各デッキ配信キャビネットは、図2において参照符号UTで示すユーティリティに光信号を配信するように適応化される。
【0123】
より詳しくは、各ユーティリティUTは、光信号を受信するための(SCタイプ、はLCタイプの)各コネクタ(又はインターフェース)UCを備え、これらは次いで各光ネットワーク端末装置ONTに接続され、そのダウンストリームに、通常のLANユーティリティ、例えば、TV、電話機、カメラ、コンピュータ、WiFiアクセスポイント、又は礼儀データソケットが接続されてもよい。
【0124】
図5a及び図5bに示すように、各ユーティリティは、SCタイプ(標準コネクタ)又はLCタイプ(発光コネクタ)の1つ又は複数のコネクタUCに対応し、これらはそれぞれ、複数の従来技術のLANユーティリティをサポートする高密度ネットワーク端末装置ONTに対応する。
【0125】
さらに、図5a及び図5bに示すように、少なくとも1つの非居住エリアローカル配信ネットワーク10は、参照符号ODC1~ODCNで示すいくつかのODCグループを備えてもよく、これらはそれぞれ、複数の非居住エリア垂直配信直立構造物の非居住エリア垂直配信キャビネットの1つ又は複数を含む。
【0126】
前のものと組み合わせて図5aに示す実施形態によれば、少なくとも1つの非居住エリアローカル配信ネットワーク20は、メイン配信センター30に機能的に接続された複数のスプリッタ(光分配器)SP’を備える。
【0127】
より詳しくは、各スプリッタSP’は、例えばSC(標準コネクタ)又はLC(発光コネクタ)タイプの各コネクタC-SP’(又は2つのコネクタC-SP’)によって、メイン配信センター30の光ライン端末30’(OLT)により各配信ラインLD’において配信された1つ又は複数の各光信号S-OTを入力において受信するように適応化される。
【0128】
各スプリッタSP’は、受信された1つ又は複数の各光信号S-OTを複数の光信号P-OSへ分割するように適応化される。
【0129】
各スプリッタSP’による分割は、1つの入力光ファイバーの場合には比1:N(又は、2つの入力光ファイバーの場合には2:N)に従って行われ、例えばN=16であることに注意すべきである。
【0130】
図5aは、分割比1:Nを有し、N=16であるスプリッタSPを示す。
【0131】
複数のスプリッタSP’によって提供される複数の光信号P-OSは、複数の光ファイバー24にわたって分配される。
【0132】
前のものと組み合わせて図5aに示す実施形態によれば、
少なくとも1つの非居住エリアローカル配信ネットワーク20は、複数の光ファイバーグループ化接続25をさらに備える。
【0133】
上記複数の接続25のうちの各光ファイバーグループ化接続、例えば、一端においてSCタイプ又はLCタイプの複数のコネクタを有し、かつ、他端においてMPOタイプ又はMTPタイプのコネクタを有する予めコネクタ化されたケーブルは、複数の光ファイバー24のうちの設定された個数の光ファイバーを1つのグループにグループ化する。
【0134】
各スプリッタが分割比1:16を有する実施例において、各光ファイバーグループ化接続は、12本の光ファイバーを1つのグループにグループ化する。
【0135】
実際、この例では、接続は、12本の光ファイバーの接続12LC-MPOである。
【0136】
説明された実施形態を再び参照すると、次いで、複数の光ファイバーグループ化接続25は、1つの非居住エリア垂直配信直立構造物R1~RNの各第1のケーブル22の内側にそれぞれ設けられた複数のサブグループにグループ化される。
【0137】
上記複数の接続25のうちの光ファイバーグループ化接続の各サブグループは、設定された個数の接続を含む。
【0138】
従って、非居住エリア垂直配信直立構造物M1-MMの各ケーブル32は、その内部で利用可能である設定された個数の光ファイバーを有する。
【0139】
各スプリッタが分割比1:16を有し、各光ファイバーグループ化接続が12本の光ファイバーのグループをグループ化する実施例において、光ファイバーグループ化接続の各サブグループは、例えば、12個の光ファイバーグループ化接続をグループ化する。
【0140】
従って、この実施例によれば、非居住エリア垂直配信直立構造物R1-RMの各ケーブル22は、合計で144本の利用可能な光ファイバーを有する。
【0141】
この実施例によれば、非居住エリア垂直配信直立鎖のさらなるケーブル23は、例えば、144本の利用可能な光ファイバーを備えた、予め前コネクタ化された12xMPO-MPO又は12xMTP-MTPである。
【0142】
任意の超過光ファイバーが予備とみなされてもよい。
【0143】
概して、少なくとも1つのローカルキャビン配信ネットワーク10を再び参照すると、上述のように、上記複数34の水平キャビン配信ポイントのうちの各水平キャビン配信ポイントは、キャビン配信キャビネットCDCが提供される技術的キャビンコンパートメントを示し、次いで、これは、光ネットワーク端末装置ONTを備える。
【0144】
従って、各技術的キャビンコンパートメントについて、装置ONTのポートが利用可能であり、それらは、実施形態によれば、8つのGE(PoE)ポート及び2つのPOTSポート(それらは3台の電話機を並列に、すなわち同じ番号で管理してもよい)を備える。
【0145】
キャビンの共用される技術的ルームの典型的な構成は、以下のものであってもよい。
【0146】
- GE#1 TVキャビン#1;
- GE#2 (PoE)WiFiキャビン#1;
- GE#3 (PoE)オンラインドアロックキャビン#1;
- GE#4 予備;
- GE#5 TVキャビン#2;
- GE#6 (PoE)WiFiキャビン#2;
- GE#7 (PoE)オンラインドアロックキャビン#2;
- GE#8 予備;
- POTS#1 電話機キャビン#1(並列で最大3個まで);
- POTS#2 電話機キャビン#2(並列で最大3個まで)。
【0147】
おそらくは、予備のポートは、VoIP電話通信のために使用されてもよく、又は、廊下において最大で2つまでのユーティリティのために使用されてもよい。
【0148】
いわゆる防火地域/居住甲板エリアについては、水平キャビン配信ポイント(ONT装置)の予備の光ファイバーを使用するか、追加の水平キャビン配信ポイント(ONT装置)を導入することが可能であり、これらは、技術的キャビンコンパートメントにおける水平キャビン配信ポイント(ONT装置)を参照して上述したように互いに接続された、すなわち、直列の鎖状接続(デイジーチェーン構成)を有し、ここで、出力光ファイバーの接続は標準コネクタSCに向かい、他の出力光ファイバーは、次の水平キャビン配信ポイントONTにおいて交互に接続されるということに注意すべきである。
【0149】
代替として、ユーティリティの個数が有意である場合、キャビンの外部のユーティリティに、ODC装置からの専用配信又は追加のCDC装置を提供することが可能である。
【0150】
上述したように、本発明のもう1つの目的は、上述した実施形態のうちのいずれかに係る電気通信ネットワーク1を備える船舶100である。
【0151】
本発明の目的が完全に達成されることに注意すべきである。
【0152】
ファイバトゥーキャビン(Fiber To Cabin:FTTC)ネットワークとしても知られる電気通信ネットワーク1は、単一の光ファイバー上で1~10Gbpsの接続性を可能にする、ITU-T G.984.2(GPON)及びG.9807.1(XG-PON及びXGS-PON)標準に適合したパッシブ光ネットワークである。
【0153】
電気通信ネットワーク1は、デイジーチェーン物理構成を有するが、2つのロジックレベル(中央OLT-周辺ONU/ONT-ユーティリティ)を有するスター型論理構成を有する。
【0154】
電気通信ネットワーク1の主な利点は以下の通りである。
【0155】
* 居住エリアのケーブル配線を削減すること(複数の予備の光ファイバーの存在に起因して、予め配置されたケーブル配線を利用可能にし、構成の準備ができた状態にすることができる)。
* 水平キャビン配信ポイント、ONT装置の存在に起因した、居住エリアのための中間配線盤(intermediate distribution frames;IDF)の存在を除去すること(又は少なくとも最小化すること)。
* 垂直配信直立構造物における予備の光ファイバーの利用可能性により、構築中のONT光学的ネットワーク端末装置の追加を可能にし、局所的なケーブルを配置することだけを必要とするので、エリアごとのユーティリティの定義における柔軟性を増大させ、非居住エリアにおいて、後の時点におけるユーティリティの最終的な位置/個数の定義さえも可能にすること。
* 従来技術の電気通信ネットワークに関する性能を維持又は改善すること。
【0156】
さらに、(検討された)技術がますます使用されるようになっているという事実を考慮すると、(ここまでリリースされた)新たな標準が以前の標準の受動的インフラストラクチャに関するものと同じ限界パラメータを保持するので、性能及びコストの両方に関して、おそらくはネットワークインフラストラクチャではなく、それに依存する電子回路をともなう発展を利用することができる。
【0157】
最後に、技術が使用される範囲を考慮して、サービスプロバイダによって採用されたサイバーセキュリティソリューションを利用することも可能であると考えられる。これらのソリューションは、より大きな規模で既に使用されている技術が同様の問題を扱うので、おそらくは、それ自体、そのような問題に対してより敏感なコンテキストにおいて実施されることがわかっている。
【0158】
当業者は、添付された特許請求の範囲から外れることなく、上述したそのような電気通信ネットワークを備える船上通信ネットワーク及び船舶の実施形態に対していくつかの変更及び適応化を行うことができ、又は、偶発的な必要性を満たすために構成要素を機能的に等価な他のもので置き換えることができる。可能な1つの実施形態に属するものとして説明した特徴のすべては、説明した他の実施形態に関わりなく実施されてもよい。
図1
図2
図3a
図3b
図3c
図4
図5a
図5b
図6
図7