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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-03
(45)【発行日】2025-02-12
(54)【発明の名称】青果物鮮度保持包装体
(51)【国際特許分類】
   B65D 85/50 20060101AFI20250204BHJP
   B65D 77/04 20060101ALI20250204BHJP
   B65D 81/26 20060101ALI20250204BHJP
【FI】
B65D85/50 120
B65D77/04 B
B65D81/26 E
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2021076338
(22)【出願日】2021-04-28
(65)【公開番号】P2022170294
(43)【公開日】2022-11-10
【審査請求日】2024-02-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000115980
【氏名又は名称】レンゴー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100130513
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 直也
(74)【代理人】
【識別番号】100074206
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 文二
(74)【代理人】
【識別番号】100117400
【弁理士】
【氏名又は名称】北川 政徳
(74)【代理人】
【識別番号】100130177
【弁理士】
【氏名又は名称】中谷 弥一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100161746
【弁理士】
【氏名又は名称】地代 信幸
(74)【代理人】
【識別番号】100166796
【弁理士】
【氏名又は名称】岡本 雅至
(72)【発明者】
【氏名】長瀬 聡一郎
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 朱音
(72)【発明者】
【氏名】藤本 丹民
【審査官】森本 哲也
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第90/008474(WO,A1)
【文献】特開平06-100045(JP,A)
【文献】特開2017-206311(JP,A)
【文献】米国特許第05433335(US,A)
【文献】特開平07-255373(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 85/50
B65D 77/04
B65D 81/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
穿孔により形成される微細孔によって通気性を有する合成樹脂フィルムからなるフィルム袋にエダマメを収納した個装体を、通気性を有する外装箱に箱詰めしてあり、
前記フィルム袋の23℃、60%RH環境におけるガス交換速度Eが1.0×10cc/m・day・atm以上2.0×10cc/m・day・atm以下であり、
前記フィルム袋は、1000ccの空気を注入して1kgfの荷重を1分間掛けた際に抜ける空気の体積が250cc以上980cc以下であり、
前記外装箱の外形面積に対する開口面積比率Rが0.001%以上60%以下であり、
前記エダマメが前記外装箱中に占める空間容積率が40%以上80%以下である鮮度保持包装体。
【請求項2】
前記合成樹脂フィルムが、厚さ15μm以上60μm以下のポリオレフィンフィルムである請求項1に記載の鮮度保持包装体。
【請求項3】
前記の穿孔により形成される前記微細孔の長径a、短径bの比a/bが1.0以上3.5以下である請求項2に記載の鮮度保持包装体。
【請求項4】
前記外装箱が段ボール箱からなり、前記開口面積比率Rが0.001%以上30%以下である請求項1乃至3のいずれかに記載の鮮度保持包装体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、青果物の鮮度を保持するための鮮度保持包装体に関する。
【背景技術】
【0002】
青果物を保管、輸送するための包装体として合成樹脂製のフィルム袋が一般に用いられている。この袋に所定の通気性を持たせて、袋の内部の水蒸気量や酸素濃度、二酸化炭素濃度を調整することで、青果物の鮮度を長期間に亘って保持する試みが行われている。内部に水蒸気が溜まって結露すると、その結露水に触れて内容物である青果物が傷むことがあるので、水蒸気を内部に溜めないように袋にパンチ穴を空けることが提案された。しかし、パンチ穴ほど大きい孔の場合、酸素透過度が高すぎて、袋内部で結露することはなくても酸素濃度が大気と変わらない状況になるため、青果物の鮮度を保持することができなかった。このため、より小さい孔を開けて適度な通気性を確保することが検討されている。
【0003】
例えば特許文献1には、熱を使用しない針でフィルムを穿孔することで、加工速度を低下させることなく合成樹脂フィルムに穿孔部を設けて、通気性を確保した青果物用の鮮度保持袋用フィルムが提案されている。
【0004】
ただし、袋に孔を開けすぎると、内容物である青果物を外部の圧力から保護することが難しくなる。これに対応して内容物の保護性能を確保するため、ピーク圧力(破裂強度)と透湿度との比を所定の範囲になるように調節した青果物鮮度保持包装袋が特許文献2に提案されている。
【0005】
一方で、孔が塞がってしまうと期待した通りの通気性が確保できなくなる。孔は青果物の自重によりフィルムが変形したり、箱詰めした際に箱の面に接したり、あるいは積み重ねて袋同士が接触したりして塞がってしまうことが考えられる。
【0006】
特許文献3には、貫通孔の形状をオーバル状にし、貫通孔の向きを調整することで、貫通孔の形状が変化することを抑制した鮮度保持包装袋が提案されている。
【0007】
特許文献4には、青果物包装体を梱包箱内に詰めるにあたり、梱包箱の底面と青果物包装体のフィルム部材とがなす角度を垂直又は傾斜させて、青果物包装体同士で細孔が塞がることを防止する詰め方が提案されている。
【0008】
特許文献5には、青果物包装体を平詰めで箱詰めする場合に、重ねる個数を調整することで細孔が塞がることを防止して鮮度保持効果を維持する詰め方が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】特開2020-029261号公報
【文献】特開2018-100112号公報
【文献】特許第6168228号公報
【文献】特開2020-37422号公報
【文献】特開2020-70079号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、これらの提案されている形態は、利用する状況次第では不都合が生じることがある。エダマメのように多数の莢をまとめて一つの袋に収納した個装体を複数個箱詰めして出荷する場合、その作業過程でいくつか問題を生じることが確認された。
【0011】
特許文献1に記載のフィルムを用いた袋は、非加熱針で加工した2方向の切れ目を有するが、外から圧力を受けると切れ目周囲の変形により切れ目が塞がってしまうことがある。エダマメを収納した個装体を外装箱へ箱詰めする際に、外装箱へ収容できる数を増やすために個装体に手で圧力をかけて空気を抜き、個装体一つあたりの容積を下げることが行われるが、特許文献1の袋をエダマメに用いると、この空気抜きの作業の際に切れ目が塞がって容易に空気が抜けず、箱詰め作業に時間がかかって生産性が悪化したり、場合によっては個装体が破裂したりするおそれもあった。
【0012】
特許文献2に記載の包装袋も、内容物を保護するためにクッション性を重視することで、空気が抜けにくくなっており、特許文献1と同様に箱詰め作業の生産性が悪化したり、破裂したりするおそれがあった。
【0013】
パンチ穴を開けた包装袋でエダマメを包装した場合、空気抜きが容易で箱詰め作業の生産性は高いものの、内部の酸素濃度が大気とほとんど変わらなくなるため、上記の通りエダマメの鮮度を保持することはできなかった。
【0014】
特許文献3に記載の包装袋は、エダマメに用いた例が検討されているものの、その包装袋を箱詰めで利用する状況が想定されたものではなく、エダマメを収納した個々の袋のままの状態で保管することを前提に酸素透過度が設定されている。このため、外装箱に箱詰めしようとすると、隣り合う包装袋同士の接触によって貫通孔が塞がりやすく、想定される鮮度保持効果を適切に発揮できないと考えられる。
【0015】
特許文献4に記載の青果物包装体は、青果物を包装した包装体を梱包箱に詰めることを想定しているものの、底面から水分を取り込むかどうかの点にのみ着目されている。文献では想定されていない、多数の莢のエダマメを収納した個装体を梱包箱に詰める作業の生産性は考慮されていなかった。
【0016】
特許文献5に記載の包装体の詰め方でエダマメを箱詰めしようとすると、適度な酸素透過度を確保するためには積み上げる袋の数に限界があり、一つの外装箱に箱詰めできる包装体の数が限定されるため、一箱当たりの収納数が少なくなり、ひいては輸送効率が悪くなってしまう。
【0017】
そこでこの発明は、エダマメの個装体を箱詰めする作業の生産性を低下させることなく、鮮度保持効果も十分に発揮できる鮮度保持包装体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
この発明は、通気性を有する合成樹脂フィルムからなるフィルム袋にエダマメを収納した個装体を、通気性を有する外装箱に箱詰めしてあり、
前記フィルム袋の23℃、60%RH環境におけるガス交換速度Eが1.0×10cc/m・day・atm以上2.0×10cc/m・day・atm以下であり、
前記エダマメが前記外装箱中に占める空間容積率が40%以上80%以下である鮮度保持包装体により上記の課題を解決したのである。
【0019】
通気性を有する前記外装箱内に占めるエダマメの空間容積率を適切な範囲となるように箱詰めし、エダマメを収納するフィルム袋自体のガス交換速度Eも適正な範囲とすることで、外気との通気性を確保してエダマメの鮮度を保持することができる。また、上記の空間容積率の範囲で箱詰めすることで、輸送及び保管の効率をよくするとともに、詰めすぎによって個装体の通気性が損なわれて鮮度保持効果が低下することを抑止できる。
【0020】
この発明にかかる鮮度保持包装体を構成する前記個装体は、前記フィルム袋に1000ccの空気を注入して密封した後、1kgfの荷重を1分間掛けた際に抜ける空気の体積が250cc以上980cc以下である実施形態を採用することができる。消費者向けに小売りする量のエダマメを収納して箱詰めし、輸送保管する用途においては、この範囲となる空気の抜け性を確保できると、箱詰めの際に余分な空気を抜く作業がしやすく生産性を低下させることなく、かつ過度に空気が抜けすぎることもなく鮮度保持効果を発揮しやすい、好適な個装体となる。
【0021】
この発明にかかる鮮度保持包装体を構成する前記外装箱は、開口面積比率Rが0.001%以上60%以下である実施形態を採用することができる。
前記フィルム袋の23℃、60%RH環境におけるガス交換速度Eが、1.0×10cc/m・day・atm以上2.0×10cc/m・day・atm以下という条件と組み合わせることで、前記フィルム袋にエダマメを収納した前記個装体と前記外装箱の両方が適切に通気性を発揮でき、この発明にかかる鮮度保持包装体全体の通気性を十分に確保できる。
【0022】
この発明にかかる鮮度保持包装体の材料としては、熱を用いて穿孔された厚さが15μm以上60μm以下である前記合成樹脂フィルムを採用することができる。合成樹脂フィルム自体に穿孔して通気性を持たせることで、通気性のムラが少なく安定した性能を発揮でき、また、熱を用いて穿孔することでフィルムカスが生じにくく、フィルムカスがエダマメへ混入する事態を防止できる。
【0023】
特に、前記の穿孔により形成される微細孔の長径a、短径bの比a/bが1.0以上3.5以下である実施形態を採用することが好ましい。このような形状であると、エダマメを収納して箱詰めするにあたって、袋から空気を抜くために加圧しても、微細孔が変形しにくいことから、微細孔が塞がりにくく、また上記の空間容積率の範囲で外装箱に詰める限りはガス交換速度Eの低下も起こりにくい。
【0024】
また、前記外装箱が段ボール箱からなる場合は、前記開口面積比率Rが0.001%以上30%以下である実施形態を好適に採用することができる。
【発明の効果】
【0025】
この発明にかかる鮮度保持包装体により、エダマメを収納した個装体を多数箱詰めした鮮度保持包装体を、作業の負荷を抑えつつ生産することができる。この鮮度保持包装体に包装されたエダマメは、鮮度を保持したまま輸送保管することができ、外装箱に収納したまま生産地から消費地までの輸送を好適に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】この発明にかかる鮮度保持包装体の一部透視した斜視図
図2】鮮度保持包装体に箱詰めするエダマメをフィルム袋に収納した個装体の例図
図3】この発明にかかる鮮度保持包装体の、外装箱の中に個装体を縦詰めした例を示す平面図
図4】フィルム袋を構成する合成樹脂に形成させる穿孔部の模式図
図5】実施例における空気の抜け性の測定方法を示す写真
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、この発明について実施形態を挙げながら詳細に説明する。この発明は、エダマメの包装に用いる鮮度保持包装体である。
【0028】
この発明にかかる鮮度保持包装体1は、通気性を有する合成樹脂フィルムからなるフィルム袋11に複数莢のエダマメ2を収納した個装体13を、通気性を有する外装箱15に箱詰めしたものである。外装箱15として段ボール箱を用いた鮮度保持包装体1の実施形態例の斜視図を図1に、個々の個装体13の例を示す斜視図を図2に示す。また、個装体13を外装箱15に詰めた内部の状況の例を示す平面図を図3に示す。
【0029】
一つのフィルム袋11に収納するエダマメ2の莢数は特に限定されないが、市場で一般消費者に小売りする量であるとよい。外装箱15に箱詰めする個装体13の数は、少なくとも複数であり、前記個装体が少なすぎると、輸送及び保管の点で外装箱15に箱詰めするメリットが十分に得られなくなってしまう。さらに、個包装のまま輸送するよりも、かえって手間がかかる場合もあり、取り扱い性の点から問題となる。一方、大量に梱包しすぎると、外装箱が大きく、また重たくなり、鮮度保持包装体1の人手による取扱いが困難になる。また、外装箱を大きくせずに多数の個装体13を詰めすぎると、内容物であるエダマメ2が傷みやすくなるおそれがある。
【0030】
フィルム袋11を構成する合成樹脂フィルムは、特に材質を限定されるものではないが、エダマメ2に対して悪影響がなく、収納作業及び輸送過程において容易には破れない程度の耐久性を有することが必要である。これらを満たす合成樹脂としては、例えば、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィンフィルムが好適に用いられる。これは特に、安全性やコストの点からも望ましい。その中でも特に、防曇性を有するポリオレフィンフィルムであると、輸送保管時にエダマメ2から放出される水蒸気が結露して生じる、エダマメ2の腐敗の原因となる水滴の付着を抑制できるのでより好ましい。
【0031】
上記合成樹脂フィルムの厚さは、15μm以上が好ましく、20μm以上であるとより好ましい。15μm未満であると特に後述する穿孔したフィルムとする場合に破れやすくなり、穿孔された穿孔部の内側に形成された微細孔の大きさを好適な範囲に収めることが難しくなるおそれがある。一方、60μm以下が好ましく、50μm以下であるとより好ましい。60μmを超えると、好適な形状の穿孔部を形成させることが難しくなる。
【0032】
上記合成樹脂フィルムを用いてフィルム袋11を製袋する。フィルム袋の形態としては、例えば二方袋、三方袋、合掌袋、ガゼット袋などが挙げられるが、後述するガス交換速度Eを実現できるのであれば特に形態を限定されるものではない。また、製袋する手法やフィルム袋の収納口を密封する手法としては、ヒートシール、溶断シール、パックシール、チャックなどが挙げられるが、これも同様に後述するガス交換速度Eを実現できるのであれば特に手法を限定されるものではない。
【0033】
エダマメ2を収納するフィルム袋11は、23℃、60%RH環境におけるガス交換速度Eが、1.0×10cc/m・day・atm以上であると好ましく、1.2×10cc/m・day・atm以上であるとより好ましい。1.0×10cc/m・day・atm未満であると通気性が不十分になり、フィルム袋に収納したエダマメ2の鮮度が十分に保持できなくなるおそれが高くなる。一方、フィルム袋11のガス交換速度Eは、2.0×10cc/m・day・atm以下であると好ましく、1.8×10cc/m・day・atm以下であるとより好ましい。通気性が高すぎると、エダマメ2をフィルム袋に収納しても大気に曝している状況に近づきすぎて、鮮度保持効果が発揮されなくなってしまう。
【0034】
また、フィルム袋11にエダマメを収納して収納口を密封した個装体13は単に通気性を有するだけでなく、箱詰め作業の際に内部の空気を抜けやすくして箱詰め作業の生産性をよくするため、荷重を掛けたときに適切な量の空気が抜ける抜け性を有することが望ましい。この空気の抜け性としては、具体的には、フィルム袋に1000ccの空気を注入して密封した後、1kgfの荷重を1分間掛けた際に抜ける空気の体積が250cc以上であると好ましく、300cc以上であるとより好ましい。250cc以下であると、箱詰め作業時に個装体13の容積を縮小しようとしても、容易に空気が抜けずに箱詰め作業の生産性を低下させてしまうおそれが高くなる。一方で、980cc以下であると好ましく、800cc以下であるとより好ましい。980ccを超えるほどに抜けると、輸送中に内部の空気がほとんど抜けてしまってエダマメの保護性能と鮮度保持効果が発揮できなくなってしまうおそれがある。
【0035】
上記のガス交換速度E及び空気の抜け性を実現するため、上記合成樹脂フィルム自体が通気性を有することが望ましい。通気性を確保する構造としては、フィルムの製造後に熱針やレーザーを用いて、必要な数と大きさになる穿孔部を形成するように熱を用いて穿孔させたものが挙げられる。
【0036】
上記の合成樹脂フィルムに通気性を確保するために、熱針やレーザーにより穿孔したフィルムを採用する場合、穿孔時に熱がかかることで微細孔の周囲に溶融した樹脂が冷えて固まる。これにより、フィルムカスが残りにくく、収納するエダマメにフィルムカスが付着することを抑止できる。その穿孔した穿孔部21の拡大図を図4に示す。熱で一旦溶けて固まった周縁部23が分厚くなっており、その内側に微細孔22が形成される。この微細孔22は円形でもよいし、楕円形でもよい。
【0037】
この穿孔部21の微細孔22の長径aと短径bとの比a/bは、1.0以上であり、3.5以下であると好ましく、3.0以下であるとより好ましい。3.5を超えるほどに長径が長いと、箱詰め時に袋から空気を抜く際に周縁部23が微細孔22を塞ぎやすくなってしまい、通気性が損なわれるおそれが高くなる。
【0038】
また、短径bは0.05mm以上であると好ましく、0.10mm以上であると好ましい。0.05mm未満であると小さすぎて空気が交換されにくくなり、袋全体で通気性を確保するために必要な孔数が増えて生産効率が悪くなったり、上記のガス交換速度Eや空気の抜け性を確保することがそもそも難しくなったりするおそれがある。一方で、短径bが1.0mm以下であると好ましく、0.6mm以下であるとより好ましい。短径bが1.0mmを超えると空気の抜け性やガス交換速度Eが高くなりすぎ、鮮度保持効果が発揮できなくなってしまうだけでなく、輸送中の空気の抜けも多くなり、クッション性がなくなって保護性能を損なうおそれがある。さらに、個々の孔がはっきりと視認できるため、ブランド表示などの印刷部分の外観を損なうおそれがある。
【0039】
この発明にかかる鮮度保持包装体1は、通気性を有する外装箱15に複数の個装体13を箱詰めしたものである。外装箱15の形態は特に限定されるものではなく、図1及び図3に記載したような段ボール箱、プラスチック製の有孔コンテナ(以下「プラスチックコンテナ」という。)、木箱などを用いることができる。これらの外装箱の側面には、図1に示すような把手穴16や真空予冷用の通風口17が形成されていてもよいし、通気用の格子で区切られた孔を有していてもよい。ただし、底面以外は直方体の枠部分のみであるような、側面が完全に開放されている外枠型ケースである箱は好ましくない。外装箱15の材質としては、プラスチック、木材、段ボールなどが挙げられる。
【0040】
外装箱15の形態のうち、上記のプラスチックコンテナは耐久性とリユース性能が高く、通い箱としての利用が可能であるという利点を有する。また、通風口を多数設けても、形状を保ちやすく、強度を確保しやすい。一方で、やや重量があり、リユースのために回収するための手間や輸送コストを要する。また、リユース前に洗浄しなければならない場合がほとんどであり、洗浄の手間やコストも無視できない。
【0041】
外装箱15の形態のうち、上記の木箱は製造にあたって化石燃料由来の材料を必要としないため、環境負荷が小さいという利点がある。木製の板が側面を支えるため、主に側面に通風口を設けても、形状を保ちやすく、強度を確保しやすい。一方で、内容物に対する外装箱の重さが非常に大きく、箱詰め作業等の生産性の低下や輸送コストの上昇につながりやすい。木箱を形成する板を薄くしたり、板の面積を小さくしたりして軽量化することは当然に考えられるが、特に板の面積を小さくしすぎると、側面から個装体がはみ出しやすくなって、箱詰めができなくなったり、輸送保管時に個装体が破損したりするおそれがある。
【0042】
外装箱15の形態のうち、上記の段ボール箱は、ワンウェイで使用されるため衛生的な利用ができる。また、材料自体の通気性がよいため、開口面積を抑えることができ、箱としての強度を保ちやすい。段ボール箱の形状としては通気性と強度とを両立できれば特に限定されるものではなく、例えば図1に示すような、持ち運びのための把手穴16や、通気性を高めるための通風口17などを形成されたものでもよい。木箱やプラスチックコンテナに比べて軽量のため、箱詰め作業等の生産性もよく、未使用時にはシート状にして保管できるため、倉庫などでかさばらずに済む。箱自体はワンウェイになるが、材料としてはリサイクルできる仕組みが確立されており、総合的に見た環境負荷は小さいという利点もある。また、この発明にかかる鮮度保持包装体1では、エダマメ2をフィルム袋11に収納した個装体13の状態で箱詰めされているため、エダマメ2から放出される水蒸気による段ボール箱の強度低下を抑えることもできる。
【0043】
外装箱15の外形面積に対する開口面積比率Rが、0.001%以上であると好ましく、0.01%以上であるとより好ましい。0.001%未満であると、フィルム袋11が通気性を有していても、外装箱15の材料自体の通気性だけでは外気とのガス交換が不十分になり、鮮度保持効果を十分に発揮しきれなくなってしまう。なお、ここで上記した外形面積とは、主に直方体とみなせる箱の外枠部分が形成する実際の面又は仮想的な面の合計面積である。6面を覆う段ボールでは、把手穴16のような開口部を有する場合でも開口部がないものと仮想した6面の面積の合計である。フラップが重なっている部分は二重に加算しない。有孔のプラスチックコンテナなどでは、通気孔などの開口部がある各面については開口部が無いものと仮想した各面の面積の合計である。一方、Rが60%以下であると好ましく、50%以下であるとより好ましい。60%を超えると、個装体13がはみ出して外気と直接接触する状況に近づいてしまい、鮮度保持包装体1としての鮮度保持効果をほとんど発揮できなくなってしまう。なお、参考までに図1に示す把手穴16と通風口17を有する段ボール箱はRが0.5%程度である。
【0044】
外装箱15が段ボール箱の場合は、開口面積比率Rが0.001%以上30%以下であるとより好ましい。段ボール箱は特に側面部分で箱の圧縮強度を支持しているため、Rが高すぎると強度の点から問題となるおそれがある。一方で、上記の通り、材料自体の通気性が高いため、それほど多くの孔がなくても通気性を確保しやすい。
【0045】
この発明にかかる鮮度保持包装体1において、外装箱15への個装体13の詰め方は特に限定されない。例えば図3に示すような縦詰めでもよいし、上下方向に複数段を重ねる平詰めでもよい。ただし、鮮度保持包装体1の中に占める、外装箱15の容積中にエダマメ2自体が占める体積の割合(以下、「空間容積率」という)は、40%以上であると好ましく、45%以上であるとより好ましい。空間容積率が40%未満では輸送効率が悪く、かつ外装箱15の中で自由に動きすぎてしまい、かえってエダマメ2が傷むおそれがある。一方で、空間容積率は80%以下であると好ましく、75%以下であるとより好ましい。80%を超えると、個装体13中の空気をほとんど抜いて、エダマメ2同士が直接押し合うほどに詰め込まなければならず、エダマメ2自体が傷むおそれが高まる。また、外装箱15が段ボール箱の場合は封かんが難しくなるおそれもある。
【0046】
この発明にかかる鮮度保持包装体1は、エダマメ2の包装、輸送、保管に用いることで、包装体内外のガスが適度に交換されつつ、鮮度を長く保持することができる。また、個装体13から適度に空気が抜けるため、鮮度保持包装体1を作製するにあたり、作業にかかる時間と手間を大きく省くことができ、箱詰め作業の生産性を向上させることができる。
【実施例
【0047】
次に、この発明を実際に実施した実施例を挙げて、この発明をさらに具体的に示す。
【0048】
フィルム袋に用いる合成樹脂フィルムとして、次のものを用意した。これに、後述する表1に記載の仕様となるように、レーザー、非加熱針、パンチ加工による穿孔を行った。ただし、比較例1,2での非加熱針を用いて穿孔した微細孔はスリット状であり、比較例1,2においてのみ長径aはスリットの長さを、短径bはスリットの幅を示す。それぞれの実施例及び比較例において、穿孔した合成樹脂フィルムについて、下記の空気の抜け性及びガス交換速度Eを測定した。また、それぞれの実施例及び比較例において、穿孔した合成樹脂フィルムで製袋した袋にエダマメを収納して、収納口をヒートシールにより密封して個装体とし、表1に示すそれぞれの外装箱への箱詰めを行った。なお、穿孔前の合成樹脂フィルムとしては、次のフィルムを用いた。
・防曇二軸延伸ポリプロピレンフィルム(表中「防曇OPP」)・・厚さ30μm、フタムラ化学(株)製:AF-642
【0049】
【表1】
【0050】
<空気の抜け性測定>
それぞれのフィルムを用いて、ヒートシールして200mm×180mmの背貼り袋を作製し、その中にガス体シリンジを用いて1000ccの空気を注入した。袋にガス体シリンジの注射針を刺す際は、袋が裂けることを防ぐために、セロハンテープ(ニチバン(株)製CT405AP 18)を3枚重ねて貼った部分に注射針を突き刺した。空気の注入が完了し、注射針を抜いた後は速やかにセロハンテープにて針孔を塞ぎ、26×30cmのステンレス板(1kg)を、床面と平行になるように袋の上に乗せた。この状態の例を図5の写真に示す。その状態で1分間静置して、ステンレス板の自重により袋から空気を抜いた。1分経過後、速やかにステンレス板を袋の上から取り去り、ガス体シリンジの注射針を袋に突き刺して袋内の空気を脱気した。袋から空気がなくなるまでシリンジでの脱気を繰り返し、脱気した空気の合計体積からフィルム袋の空気の抜け性を評価した。その算出された抜けた空気の体積を空気の抜け性(cc)として表1に示す。
【0051】
<ガス交換速度E測定>
それぞれのフィルムを用いて、4辺をヒートシールして150mm×180mmの袋を作製し、穿孔フィルムの穿孔部分を避けて、サンプリングを行うための注射器用ノズルを取り付けた。次に、そのノズルを利用して袋をアスピレーターで脱気してから、ガス体シリンジを用いてその袋内に750ccの窒素ガス(純度99.99%以上)を充填した。窒素ガス充填直後に袋内のガスを1ccサンプリングし、パックドカラムを備えたガスクロマトグラフィー(TCD検出器)で酸素濃度を測定して、その値を初期酸素濃度(C)とした。その後、この袋を23℃、60%RHに設定した恒温恒湿器内で静置保管し、保管開始から30分、1時間、1時間30分が経過した時の袋内酸素濃度をガスクロマトグラフィーで測定した。なお、測定は全て大気中で行った。得られた測定値において、経過時間と袋内酸素濃度の間に比例関係が成り立つこと(相関関数0.98以上)を確認し、それが成り立たない場合は再度試験を行った。空気中の酸素濃度を21%として、保管開始から1時間30分経過後の袋内酸素濃度の測定値を用いて、下記の計算式により袋内の空気全体のガス交換速度Eを算出した。
E=(C-C)/CO2×V/t/s/P……(1)
ただし、各記号は次の通りである。
E:ガス交換速度(cc/m・day・atm)
:窒素ガス充填からt時間後における袋内酸素濃度(%)
:窒素ガス充填直後の袋内酸素濃度(%)
O2:空気中の酸素濃度(21%)
V:充填した窒素ガスの量(750cc)
t:ガス充填時からの経過時間(1.5hr=0.0625day)
s:袋の内表面積(0.054m
P:測定時の大気圧(1atm)
【0052】
<エダマメの空間容積率>
500ccのメスシリンダーに、袋に詰める予定のエダマメを莢ごと順次投入し、上端が500ccの標線に到達するまで投入した後、それらを取り出して質量を測定したところ、250gとなった。このため、今回用いたエダマメの単位体積あたりの見かけ容量を500cc/250gと算出した。外装箱に対する空間容積率を、エダマメの単位体積当たりの見かけ容積、外装箱に詰めたエダマメの総質量、および外装箱の容積から以下の式を用いて算出した。
【0053】
{外装箱に対するエダマメの空間容積率(%)}={エダマメの単位体積当たりの見かけ容積(500cc/250g)}×{外装箱に詰めたエダマメの総質量(g)}÷{外装箱の容積(cc)}×100(%)
その結果を、次のように評価した。
〇:空間容積率40%以上80%以下、△:空間容積率30%以上40%未満または80%超90%以下、×:空間容積率30%未満または90%超。
【0054】
<箱詰め作業性評価>
外装箱は、幅36cm、長さ33cm、高さ15cmの段ボール箱とした。三辺をヒートシールして製袋した200mm×180mmのフィルム袋にエダマメ約250gを入れて収納口をヒートシールして密封した個装体を表中に記載の「個装体数」分用意し、すべての個装体を一人で外装箱に縦詰めするのに要する時間を測定した。作業は3回繰り返して行い、かつ個人差によるばらつきも考慮するため、同一作業を人員を変えて行い、箱詰め作業性を作業に要した時間の平均値から次のように評価した。
〇:1.5分未満、△:1.5分以上3分未満、×:3分以上。
【0055】
<鮮度保持効果評価>
それぞれの実施例及び比較例の合成樹脂フィルムを用いて、三辺をヒートシールして製袋したフィルム袋に、エダマメ約250gを入れて収納口をヒートシールして密封した個装体を、それぞれの例の個装体数分作製した。それぞれの外装箱に、それぞれの個装体を表中に記載の個装体数分縦詰めし、12~27℃の変動環境下で7日間保管して、エダマメの品質を、外観変化、異臭の有無、質量変化の確認により総合的に見て次のように評価した。
〇:良好、△:悪い、×:著しく悪い。
【0056】
なお、外装箱として、次のものを用意した。
・段ボール箱(1)・・レンゴー(株)製、把手穴、通気孔あり。内寸:36cm×33cm×15cm。開口面積比率R=1.8%。
・段ボール箱(2)・・レンゴー(株)製、把手穴無し。内寸:36cm×33cm×15cm。開口面積比率R=0.005%。
・段ボール箱(3)・・レンゴー(株)製、天面無し。内寸:36cm×33cm×15cm。開口面積比率R=27%。
・プラスチックコンテナ・・三甲(株)製、サンテナーB#19-N。内寸:44cm×27cm×15cm。開口面積比率R=50%。
・発泡スチロール・・笠原工業(株)製、発泡スチロールBOX(L) TK-14H(大)、内寸:40cm×31cm×18cm。開口面積比率R=0%
・木箱・・パイン材製、内寸:36cm×33cm×15cm、開口面積比率R=72%
【0057】
<総合評価>
空間容積率、箱詰め作業性、及び鮮度保持効果の評価から、次のように総合評価とした。
〇:空間容積率、箱詰め作業性、鮮度保持効果のいずれも〇、△:空間容積率、箱詰め作業性、鮮度保持効果のいずれかが△、×:空間容積率、箱詰め作業性、鮮度保持効果のいずれかが×。
【0058】
<穿孔部の形状の違いによる比較>
(実施例1~4)
防曇二軸延伸ポリプロピレンフィルムに、穿孔部の長径及び短径が表1に記載の値となるように条件を変えてレーザーにより穿孔した合成樹脂フィルムを得た。この合成樹脂フィルムについて空気の抜け性とガス交換速度Eについての評価を行うとともに、それぞれの合成樹脂フィルムの3辺をヒートシールして製袋したフィルム袋に約250gのエダマメを詰めて、残りの1辺の収納口をヒートシールして個装体を得た。この個装体を段ボール箱(1)に20体縦詰めして箱詰め作業性と鮮度保持効果を評価したところ、実施例1~4の範囲ではいずれも良好な結果を示した。
【0059】
<箱詰め個装体数の違いによる比較>
(実施例5、6)
実施例1の合成樹脂フィルム及びフィルム袋を用いて、同じ段ボール箱(1)に詰める個装体の数を16体(実施例5)、26体(実施例6)に変更して空間容積率を変化させたが、この範囲ではいずれも良好な結果を示した。
【0060】
<フィルム袋の空気の抜け性の違いによる評価>
(比較例1、2)
実施例1で用いた防曇二軸延伸ポリプロピレンフィルムを用い、非加熱針(比較例1、2)により穿孔したフィルムを製袋したフィルム袋を用いて、実施例1と同様に個装体を作製したところ、空気の抜け性が不十分となり、箱詰め作業に著しく時間がかかってしまった。
【0061】
(比較例3)
実施例1よりも穿孔部の長径aが長くなるようにして穿孔部を形成する代わりに、単位面積当たりの穿孔部の数を80個/mにまで減らした合成樹脂フィルムを用いて同様に個装体を作製したところ、空気の抜け性が不十分となり、箱詰め作業にやや時間がかかるようになってしまった。楕円の長径/短径比率が大きすぎると空気の抜け性が悪化してしまうことが確かめられた。
【0062】
(比較例4)
比較例3において、孔数を1.5倍となる120個にした以外は同様に個装体を作製したところ、空気の抜け性は確保できて箱詰め作業にかかる時間は短縮できるようになったが、一方でガス交換速度Eが上がり、エダマメの鮮度保持効果が不十分になってしまった。
【0063】
(比較例5)
穿孔部として、孔径6.0mmの円形となるパンチ穴を形成したフィルムを製袋したフィルム袋を用いて、実施例1と同様に個装体を作製したところ、空気が容易に抜けすぎて、空気の抜け性測定では内部の空気が完全に抜けてしまった。また、詰めた空気がすぐに抜けてしまうためにガス交換速度Eは測定できなかった。箱詰め作業の生産性は良好だが、エダマメの鮮度保持効果は全く発揮されなかった。
【0064】
<ガス交換速度の違いについての評価>
(比較例6、7)
実施例1において、孔数を半分にしたところ、空気の抜け性は確保できたものの、ガス交換速度Eが下がったため鮮度保持効果が不十分になってしまった(比較例6)。この比較例6について、外装箱に詰める個装体の数を20体から8体(比較例7)に減らしたところ、個装体の間隔が空いたことによって鮮度保持効果は確保できるようになった。ただし、エダマメの空間容積率は大きく低下し、輸送の効率化という点では実用的ではなく、ガス交換速度Eが低下しすぎると実用上問題が生じることが確かめられた。
【0065】
<空間容積率についての評価>
(比較例8、9)
実施例1において個装体を外装箱に詰める数を、20体から29体(比較例8)、8体(比較例9)に変更した。比較例8ではそれだけの数の個装体を詰めるためには十分に空気を抜いた上で箱詰めしなければならず、時間がかかりすぎて箱詰め作業の生産性に問題を生じてしまった。また、個装体の袋間の隙間がほとんどなく、孔が隣接する袋によって塞がれてしまうと考えられ、鮮度保持効果が不十分となってしまった。一方、個装体の数を減らした比較例9は空気をほとんど抜く必要がなく、そのまま詰めるために作業の生産性はよく、鮮度保持効果も実施例1と同様に確保されるが、一つの外装箱に詰められる数が少なすぎて、輸送及び保管の効率上は問題となった。
【0066】
<外装箱の違いによる評価>
(実施例7~9、比較例10,11)
実施例1において、外装箱を段ボール箱(2)(実施例7)、段ボール箱(3)(実施例8)、プラスチックコンテナ(実施例9)、発泡スチロール(比較例10)、木箱(比較例11)に変更して同様に個装体を詰めた。なお、発泡スチロールの比較例10のみ、内容積が大きくなるため、箱詰めする個装体の数を2体増やした。実施例7~9ではいずれも外装箱の開口面積比率Rが異なるものの、通気性が確保されており、鮮度保持効果に問題は生じなかった。一方、外装箱の開口面積比率Rが0%で通気性がない比較例10では、個装体の空気の抜け性及びガス交換速度Eが確保されていても、それらから抜け出た空気が外気と交換されないため、鮮度保持効果がまったく発揮されなかった。また、木箱は実質的に木枠であり、詰めた個装体を支えることができず、集合包装としての形式を保つことができなかった。
【符号の説明】
【0067】
1 鮮度保持包装体
2 エダマメ
11 フィルム袋
13 個装体
15 外装箱
16 把手穴
17 通風口
21 穿孔部
22 微細孔
23 周縁部
図1
図2
図3
図4
図5