(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-03
(45)【発行日】2025-02-12
(54)【発明の名称】作業者割り当て方法、作業者割り当てプログラム及び作業者割り当て装置
(51)【国際特許分類】
G05B 19/418 20060101AFI20250204BHJP
H05K 13/00 20060101ALI20250204BHJP
G06Q 50/04 20120101ALI20250204BHJP
G06Q 10/10 20230101ALI20250204BHJP
【FI】
G05B19/418 Z
H05K13/00 Z
G06Q50/04
G06Q10/10 310
(21)【出願番号】P 2021124093
(22)【出願日】2021-07-29
【審査請求日】2023-12-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000010076
【氏名又は名称】ヤマハ発動機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001036
【氏名又は名称】弁理士法人暁合同特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】牛尾 有希
(72)【発明者】
【氏名】安間 公久
(72)【発明者】
【氏名】内田 聖人
【審査官】程塚 悠
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2005/009101(WO,A1)
【文献】特開2018-128766(JP,A)
【文献】特開2013-238914(JP,A)
【文献】特開2020-025125(JP,A)
【文献】特開2008-004053(JP,A)
【文献】特開2018-169734(JP,A)
【文献】特開2018-092970(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05B 19/418
H05K 13/00-13/08
G06Q 50/04
G06Q 10/10
B23Q 41/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を生産する基板生産設備で発生した作業に作業者を割り当てる作業者割り当て方法であって、
1以上の前記作業が発生した場合に、各前記作業者の位置と、発生した前記作業についての各前記作業者の習熟度とに基づいて、各前記作業に割り当てる前記作業者と各前記作業の作業順序とを表す作業計画を作成する作成工程を含
み、
前記作成工程において、前記作業に割り当てられている作業者が異なる複数の前記作業計画を作成し、
当該作業者割り当て方法は、
前記作成工程で作成した複数の前記作業計画のうち発生した全ての前記作業が最も早く終了する前記作業計画を所定の送信先に送信する送信工程を含み、
前記作成工程において、前記作業者が前記作業の作業位置まで移動する移動時間を短くする観点の前記作業計画と、各前記作業の作業時間を短くする観点の前記作業計画とを作成する、作業者割り当て方法。
【請求項2】
基板を生産する基板生産設備で発生した作業に作業者を割り当てる作業者割り当て方法であって、
1以上の前記作業が発生した場合に、各前記作業者の位置と、発生した前記作業についての各前記作業者の習熟度とに基づいて、各前記作業に割り当てる前記作業者と各前記作業の作業順序とを表す作業計画を作成する作成工程を含み、
前記基板生産設備は前記基板を生産する生産ラインを複数有し、
各前記作業者は担当する前記生産ラインが割り当てられており、
当該作業者割り当て方法は、
各前記作業者に当該作業者が担当する前記生産ラインの前記作業だけを割り当てるか、又は、担当する前記生産ライン以外の前記作業も割り当てるかの設定を受け付ける第1の受付工程を含み、
前記作成工程において、担当する前記生産ラインの前記作業だけを割り当てる設定がされている場合は各前記作業者に当該作業者が担当する前記生産ラインの前記作業だけを割り当て、担当する前記生産ライン以外の前記作業も割り当てる設定がされている場合は担当する前記生産ライン以外の前記作業も割り当てる、作業者割り当て方法。
【請求項3】
基板を生産する基板生産設備で発生した作業に作業者を割り当てる作業者割り当て方法であって、
1以上の前記作業が発生した場合に、各前記作業者の位置と、発生した前記作業についての各前記作業者の習熟度とに基づいて、各前記作業に割り当てる前記作業者と各前記作業の作業順序とを表す作業計画を作成する作成工程を含み、
前記基板生産設備は前記基板を生産する生産ラインを複数有し、
当該作業者割り当て方法は、
複数の前記生産ラインのうちいずれかの前記生産ラインの指定を受け付ける第2の受付工程を含み、
各前記作業者が前記作業計画に従って前記作業を行っているときに前記第2の受付工程で指定された前記生産ラインで新たな作業が発生した場合は、前記作成工程において、指定された前記生産ライン以外の前記作業を行っている前記作業者に当該新たな作業を割り当てた作業計画を作成し直す、作業者割り当て方法。
【請求項4】
請求項3に記載の作業者割り当て方法であって、
前記作成工程において、指定された前記生産ライン以外の前記作業を行っている前記作業者の現在の前記作業を中断させて前記新たな作業を割り込ませる、作業者割り当て方法。
【請求項5】
請求項3に記載の作業者割り当て方法であって、
前記作成工程において、指定された前記生産ライン以外の前記作業を行っている前記作業者の現在の前記作業の後、当該作業者の次の前記作業の前に前記新たな作業を割り込ませる、作業者割り当て方法。
【請求項6】
基板を生産する基板生産設備で発生した作業に作業者を割り当てる作業者割り当て方法であって、
1以上の前記作業が発生した場合に、各前記作業者の位置と、発生した前記作業についての各前記作業者の習熟度とに基づいて、各前記作業に割り当てる前記作業者と各前記作業の作業順序とを表す作業計画を作成する作成工程と、
発生した前記作業の習熟度が低い前記作業者に当該作業を優先して割り当てる教育優先を行うか否かの設定を受ける第3の受付工程
と、
を含み、
前記教育優先を行う設定がされている場合は、前記作成工程において、発生した前記作業に当該作業の習熟度が相対的に低い前記作業者を優先して割り当てる、作業者割り当て方法。
【請求項7】
基板を生産する基板生産設備で発生した作業に作業者を割り当てる作業者割り当て方法であって、
1以上の前記作業が発生した場合に、各前記作業者の位置と、発生した前記作業についての各前記作業者の習熟度とに基づいて、各前記作業に割り当てる前記作業者と各前記作業の作業順序とを表す作業計画を作成する作成工程と、
余剰時間教育を行うか否かの設定を受け付ける第4の受付工程
と、
を含み、
前記余剰時間教育を行う設定がされている場合は、前記作成工程において、目標時間内に全ての前記作業が終了する範囲で、発生した前記作業に当該作業の習熟度が相対的に低い前記作業者を優先して割り当てる、作業者割り当て方法。
【請求項8】
基板を生産する基板生産設備で発生した作業に作業者を割り当てる作業者割り当て方法であって、
1以上の前記作業が発生した場合に、各前記作業者の位置と、発生した前記作業についての各前記作業者の習熟度とに基づいて、各前記作業に割り当てる前記作業者と各前記作業の作業順序とを表す作業計画を作成する作成工程と、
発生した前記作業を細分化して複数の前記作業者に割り当てる細分化を行うか否かの設定を受け付ける第5の受付工程
と、
を含み、
細分化を行う設定がされており、且つ、前記作業者の数が前記作業の数より多い場合は、前記作成工程において、1つの前記作業を細分化して複数の前記作業者を割り当てる、作業者割り当て方法。
【請求項9】
基板を生産する基板生産設備で発生した作業に作業者を割り当てる作業者割り当て方法であって、
1以上の前記作業が発生した場合に、各前記作業者の位置と、発生した前記作業についての各前記作業者の習熟度とに基づいて、各前記作業に割り当てる前記作業者と各前記作業の作業順序とを表す作業計画を作成する作成工程と、
前記作業者が前記作業を行った作業時間が当該作業の標準作業時間より長かった場合に、当該作業者について当該作業の教育が必要であることを所定の通知先に通知する第1の通知工程
と、
を含む、作業者割り当て方法。
【請求項10】
基板を生産する基板生産設備で発生した作業に作業者を割り当てる作業者割り当て方法であって、
1以上の前記作業が発生した場合に、各前記作業者の位置と、発生した前記作業についての各前記作業者の習熟度とに基づいて、各前記作業に割り当てる前記作業者と各前記作業の作業順序とを表す作業計画を作成する作成工程と、
前記作業の実際の作業時間が許容作業時間を超過した場合に、前記許容作業時間を超過したことを所定の通知先に通知する第2の通知工程
と、
を含む、作業者割り当て方法。
【請求項11】
請求項1から
請求項10のいずれか一項に記載の作業者割り当て方法であって、
各前記作業者について、前記作業毎に当該作業の累積作業時間及び当該作業の累積作業回数の少なくとも一方に基づいて当該作業の習熟度を更新する更新工程を含む、作業者割り当て方法。
【請求項12】
基板を生産する基板生産設備で発生した作業に作業者を割り当てる作業者割り当てプログラムであって、
1以上の前記作業が発生した場合に、各前記作業者の位置と、発生した前記作業についての各前記作業者の習熟度とに基づいて、各前記作業に割り当てる前記作業者と各前記作業の作業順序とを表す作業計画を作成する作成処理をコンピュータに実行させ
、
前記作成処理において、前記作業に割り当てられている作業者が異なる複数の前記作業計画を作成し、
前記作成処理で作成した複数の前記作業計画のうち発生した全ての前記作業が最も早く終了する前記作業計画を所定の送信先に送信する送信処理を前記コンピュータに実行させ、
前記作成処理において、前記作業者が前記作業の作業位置まで移動する移動時間を短くする観点の前記作業計画と、各前記作業の作業時間を短くする観点の前記作業計画とを作成する、作業者割り当てプログラム。
【請求項13】
基板を生産する基板生産設備で発生した作業に作業者を割り当てる作業者割り当て装置であって、
各前記作業についての各前記作業者の習熟度が記憶されている記憶部と、
各前記作業者の位置を表す位置情報を取得する取得部と、
制御部と、
を備え、
前記制御部は、1以上の前記作業が発生した場合に、前記取得部によって取得した各前記作業者の位置と、発生した前記作業についての各前記作業者の習熟度とに基づいて、各前記作業に割り当てる前記作業者と各前記作業の作業順序とを表す作業計画を作成する作成処理を実行
し、
前記作成処理において、前記作業に割り当てられている作業者が異なる複数の前記作業計画を作成し、
前記作成処理で作成した複数の前記作業計画のうち発生した全ての前記作業が最も早く終了する前記作業計画を所定の送信先に送信する送信処理を実行し、
前記作成処理において、前記作業者が前記作業の作業位置まで移動する移動時間を短くする観点の前記作業計画と、各前記作業の作業時間を短くする観点の前記作業計画とを作成する、作業者割り当て装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で開示する技術は、作業者割り当て方法、作業者割り当てプログラム及び作業者割り当て装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、基板を生産する基板生産設備において、基板生産設備で発生した作業を行う作業者を管理する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。具体的には、特許文献1に記載の部品実装方法では、作業計画に従って実装基板を生産した場合の部品実装ラインの生産能力を、実装基板を生産するための作業を行うオペレータ(作業者に相当)の人数に応じて推定し、推定された生産能力が所定の目標生産能力以上であると判定されるオペレータの人数を部品実装ラインに割り当てる人数と決定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、基板生産設備で発生した作業を行う作業者を管理する従来の方法は、発生した作業を短時間で終了させる上で改善の余地があった。
本明細書では、基板を生産する基板生産設備で発生した全ての作業が短時間で終了するように作業者を割り当てる技術を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
基板を生産する基板生産設備で発生した作業に作業者を割り当てる作業者割り当て方法であって、1以上の前記作業が発生した場合に、各前記作業者の位置と、発生した前記作業についての各前記作業者の習熟度とに基づいて、各前記作業に割り当てる前記作業者と各前記作業の作業順序とを表す作業計画を作成する作成工程を含む、作業者割り当て方法。
【発明の効果】
【0006】
基板を生産する基板生産設備で発生した全ての作業が短時間で終了するように作業者を割り当てることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図2】作業者割り当て装置の電気的構成を示すブロック図
【
図3】作業計画の作成の仕方の設定を説明するための模式図
【
図8A】作成例3に係る割り込み前の作業計画の模式図
【
図9A】作成例4に係る割り込み前の作業計画の模式図
【
図13A】作成例7に係る発生した作業を示す模式図
【発明を実施するための形態】
【0008】
(本実施形態の概要)
(1)本開示に係る作業者割り当て方法は、基板を生産する基板生産設備で発生した作業に作業者を割り当てる作業者割り当て方法であって、1以上の前記作業が発生した場合に、各前記作業者の位置と、発生した前記作業についての各前記作業者の習熟度とに基づいて、各前記作業に割り当てる前記作業者と各前記作業の作業順序とを表す作業計画を作成する作成工程を含む。
【0009】
従来、基板を生産する基板生産設備で1以上の作業が発生した場合、どの作業者がどの作業を行うか、複数の作業をどのような順序で行うかなどを作業者(あるいは作業者を管理する管理者)が判断して対応していた。しかしながら、作業者が判断していたため判断が必ずしも適切に行われず、全ての作業が終了するまでに時間がかかることがあった。
【0010】
上記の作業者割り当て方法によると、各作業者の位置と発生した作業についての各作業者の習熟度とに基づいて、各作業に割り当てる作業者と各作業の作業順序とを表す作業計画を作成する。このため上記の作業者割り当て方法によると、作業者(あるいは管理者)の判断によって対応する場合に比べ、基板生産設備で発生した全ての作業が短時間で終了するように作業者を割り当てることができる。
【0011】
(2)前記作成工程において、前記作業に割り当てられている作業者が異なる複数の前記作業計画を作成し、当該作業者割り当て方法は、前記作成工程で作成した複数の前記作業計画のうち発生した全ての前記作業が最も早く終了する前記作業計画を所定の送信先に送信する送信工程を含んでもよい。
【0012】
上記の作業者割り当て方法によると、作業に割り当てられている作業者が異なる複数の作業計画を作成し、作成した複数の作業計画のうち発生した全ての作業が最も早く終了する作業計画を所定の送信先に送信するので、発生した全ての作業が短時間で終了する可能性が高くなる。
【0013】
(3)前記作成工程において、前記作業者が前記作業の作業位置まで移動する移動時間を短くする観点の前記作業計画と、各前記作業の作業時間を短くする観点の前記作業計画とを作成してもよい。
【0014】
上記の「所定の送信先」は、例えば作業者が携帯する携帯端末であってもよいし、作業者の電子メールアドレスであってもよい。作業計画の送信先は作業者の携帯端末に限定されず、作業を管理する管理者が使用している端末装置あるいは管理者の電子メールアドレスであってもよい。
上記の作業者割り当て方法によると、移動時間だけを考慮して作業計画を作成する場合や、作業時間だけを考慮して作業計画を作成する場合に比べ、全ての作業が短時間で終了する可能性が高くなる。
【0015】
(4)前記基板生産設備は前記基板を生産する生産ラインを複数有し、各前記作業者は担当する前記生産ラインが割り当てられており、当該作業者割り当て方法は、各前記作業者に当該作業者が担当する前記生産ラインの前記作業だけを割り当てるか、又は、担当する前記生産ライン以外の前記作業も割り当てるかの設定を受け付ける第1の受付工程を含み、前記作成工程において、担当する前記生産ラインの前記作業だけを割り当てる設定がされている場合は各前記作業者に当該作業者が担当する前記生産ラインの前記作業だけを割り当て、担当する前記生産ライン以外の前記作業も割り当てる設定がされている場合は担当する前記生産ライン以外の前記作業も割り当ててもよい。
【0016】
上記の作業者割り当て方法によると、担当する生産ラインで発生した作業だけを割り当てるか、又は、担当する生産ライン以外の作業も割り当てるかのどちらかに固定されている場合に比べ、作業を割り当てる自由度が向上する。
【0017】
(5)前記基板生産設備は前記基板を生産する生産ラインを複数有し、当該作業者割り当て方法は、複数の前記生産ラインのうちいずれかの前記生産ラインの指定を受け付ける第2の受付工程を含み、各前記作業者が前記作業計画に従って前記作業を行っているときに前記第2の受付工程で指定された前記生産ラインで新たな作業が発生した場合は、前記作成工程において、指定された前記生産ライン以外の前記作業を行っている前記作業者に当該新たな作業を割り当てた作業計画を作成し直してもよい。
【0018】
上記の作業者割り当て方法によると、指定された生産ラインで発生した作業を、指定された生産ライン以外の作業を行っている作業者に割り当てるので、指定された生産ラインで発生した作業を短時間で終了できる。
【0019】
(6)前記作成工程において、指定された前記生産ライン以外の前記作業を行っている前記作業者の現在の前記作業を中断させて前記新たな作業を割り込ませてもよい。
【0020】
上記の作業者割り当て方法によると、指定された生産ライン以外で発生した作業を行っている作業者の現在の作業を中断させて新たな作業を割り込ませるので、指定された生産ラインで発生した作業を短時間で終了できる。
【0021】
(7)前記作成工程において、指定された前記生産ライン以外の前記作業を行っている前記作業者の現在の前記作業の後、当該作業者の次の前記作業の前に前記新たな作業を割り込ませてもよい。
【0022】
上記の作業者割り当て方法によると、指定された生産ライン以外で発生した作業を行っている作業者の現在の作業の後、当該作業者の次の作業の前に新たな作業を割り込ませるので、指定された生産ラインで発生した作業を短時間で終了できる。
【0023】
(8)発生した前記作業の習熟度が低い前記作業者に当該作業を優先して割り当てる教育優先を行うか否かの設定を受ける第3の受付工程を含み、前記教育優先を行う設定がされている場合は、前記作成工程において、発生した前記作業に当該作業の習熟度が相対的に低い前記作業者を優先して割り当ててもよい。
【0024】
上記の作業者割り当て方法によると、ある作業の習熟度が低い作業者がいる場合に、その作業者に当該ある作業を割り当てることにより、当該ある作業についてのその作業者の習熟度を向上させることができる。
【0025】
(9)余剰時間教育を行うか否かの設定を受け付ける第4の受付工程を含み、前記余剰時間教育を行う設定がされている場合は、前記作成工程において、目標時間内に全ての前記作業が終了する範囲で、発生した前記作業に当該作業の習熟度が相対的に低い前記作業者を優先して割り当ててもよい。
【0026】
ある作業の習熟度が低い作業者がいる場合に、教育のためにその作業者に当該ある作業を割り当てた場合、作業の習熟度が低いことから、目標時間内に全ての作業が終了しなくなる可能性がある。目標時間内に全ての作業が終了しないと基板生産設備が停止し、生産性が低下する可能性がある。
上記の作業者割り当て方法によると、全ての作業が終了する時間が目標時間を超えない範囲で作業者を教育できるので、生産性の低下を抑制しつつ作業者を教育できる。
【0027】
(10)発生した前記作業を細分化して複数の前記作業者に割り当てる細分化を行うか否かの設定を受け付ける第5の受付工程を含み、細分化を行う設定がされており、且つ、前記作業者の数が前記作業の数より多い場合は、前記作成工程において、1つの前記作業を細分化して複数の前記作業者を割り当ててもよい。
【0028】
上記の作業者割り当て方法によると、作業者の数が作業の数より多い場合は1つの作業を細分化して複数の作業者を割り当てることにより、作業が終了する時間を短縮できる。
【0029】
(11)前記作業者が前記作業を行った作業時間が当該作業の標準作業時間より長かった場合に、当該作業者について当該作業の教育が必要であることを所定の通知先に通知する第1の通知工程を含んでもよい。
【0030】
ある作業について作業者の作業時間が標準作業時間より長い場合は、その作業者はその作業の習熟度が低く、教育が必要であるといえる。
上記の作業者割り当て方法によると、例えば所定の通知先として作業者を管理する管理者の端末を設定しておけば、管理者はどの作業者にどの作業の教育が必要であるかの判断が容易になる。
【0031】
(12)前記作業の実際の作業時間が許容作業時間を超過した場合に、前記許容作業時間を超過したことを所定の通知先に通知する第2の通知工程を含んでもよい。
【0032】
ある作業者の作業の実際の作業時間が許容時間を超過した場合、そのままでは作業の遅れによって基板生産設備が停止する可能性がある。
上記の作業者割り当て方法によると、例えば所定の通知先として作業者を管理する管理者の端末を設定しておけば、管理者は許容時間を超過した作業を手伝うよう他の作業者に指示することにより、作業の遅れを抑制できる。
【0033】
(13)各前記作業者について、前記作業毎に当該作業の累積作業時間及び当該作業の累積作業回数の少なくとも一方に基づいて当該作業の習熟度を更新する更新工程を含んでもよい。
【0034】
上記の作業者割り当て方法によると、作業者の習熟度を自動で更新できるので、作業者を管理する管理者が手作業で習熟度を更新する場合に比べて管理者の負担を軽減できる。
【0035】
[本開示の実施形態の詳細]
以下に、本開示の実施形態について説明する。本開示はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【0036】
本開示の実施形態は、装置、方法、これらの装置または方法の機能を実現するためのコンピュータプログラム、そのコンピュータプログラムを記録した記録媒体等の種々の態様で実現できる。
【0037】
<実施形態1>
実施形態1を
図1ないし
図14に基づいて説明する。以降の説明では同一の構成要素には一部を除いて図面の符号を省略している場合がある。
【0038】
(1)基板生産設備
図1を参照して、実施形態1に係る基板生産設備2について説明する。基板生産設備2は基板を生産する生産ラインLを2ライン(生産ラインL1及びL2)備えている。各生産ラインLはローダー11、スクリーン印刷機12、印刷検査機13、ディスペンサ14、3台の表面実装機M(生産ラインL1の場合はM11、M12、M13、生産ラインL2の場合はM21、M22、M23)、実装後外観検査機15、リフロー装置16、硬化後外観検査機17及びアンローダー18を備えており、これらが複数のコンベア19を介して直列に接続されている。
【0039】
各生産ラインLにはそれぞれその生産ラインLの作業を担当する作業者(生産ラインL1は作業者A、生産ラインL2は作業者B)が一人割り当てられている。1つの生産ラインLに割り当てられる作業者の数は二人以上であってもよい。
各作業者はそれぞれ携帯電話やタブレットコンピュータなどの携帯端末30(所定の送信先の一例)を携帯している。携帯端末30はアクセスポイント32を介して通信ネットワーク33に無線接続されている。携帯端末30はGPS(Global Positioning System)などの衛星測位システムから送信された電波を受信して携帯端末30の位置(言い換えると作業者の位置)を検出する位置検出センサ(例えばGPSセンサ)を備えている。携帯端末30の位置を検出する方法はこれに限られず、他の方法で検出してもよい。
【0040】
管理者端末31(所定の通知先の一例)は各作業者を管理する管理者の端末である。管理者端末31は所謂パーソナルコンピュータであってもよいし、携帯電話やタブレットコンピュータなどの携帯端末であってもよい。
作業者割り当て装置1(コンピュータの一例)は生産ラインLで発生した作業に作業者を割り当てる装置である。
生産ラインLを構成している各装置、携帯端末30、管理者端末31及び作業者割り当て装置1は通信ネットワーク33を介して通信可能に接続されている。
【0041】
(2)生産ラインで発生する作業
生産ラインLでは各種の作業が発生する。例えばスクリーン印刷機12の場合は基板に印刷する半田ペーストを補給する作業や、スクリーン印刷機12の何らかのエラーに対処する作業などが発生する。例えば半田ペーストの量が所定量まで減少すると半田ペーストの補給作業が発生したことがスクリーン印刷機12から作業者割り当て装置1に通知される。何らかのエラーが発生した場合もエラー対処の作業が発生したことが作業者割り当て装置1に通知される。
【0042】
ディスペンサ14の場合は接着剤を補給する作業や、ディスペンサ14の何らかのエラーに対処する作業などが発生する。表面実装機Mの場合は部品を保持している部品テープが巻き回されているリールを交換する作業や、表面実装機Mの何らかのエラーに対処する作業などが発生する。
【0043】
理解を容易にするため、以降の説明では表面実装機Mで発生する作業を例に説明する。表面実装機Mでは種々のエラーが発生するが、以降の説明では表面実装機Mが備える実装ヘッドに関するエラーを例に説明する。表面実装機Mは部品テープや部品トレイなどによって供給される部品を実装ヘッドによって吸着し、部品を吸着している実装ヘッドを基板上の搭載位置に移動させて基板に部品を搭載する。その場合に、部品の吸着に失敗するエラー(以下、吸着エラーという)、部品を吸着している実装ヘッドを移動させているときに部品が落下するエラー(以下、部品落下エラーという)、吸着した部品が基板に搭載されず、実装ヘッドが部品を吸着したままで部品テープや部品トレイの位置まで戻ってくるエラー(以下、部品持ち帰りエラーという)などが発生する。
【0044】
(3)作業者割り当て装置の電気的構成
図2を参照して、作業者割り当て装置1の電気的構成について説明する。作業者割り当て装置1は所謂パーソナルコンピュータであり、制御部40、記憶部41、通信部42(取得部の一例)、表示部43、操作部44などを備えている。
制御部40はCPU40AやRAM40Bなどを備えている。記憶部41はハードディスクなどの不揮発性の記憶媒体を備える記憶装置である。記憶部41には生産ラインLで発生した作業に作業者を割り当てる作業者割り当てプログラムなどの各種のプログラムや後述する各種のデータが記憶されている。制御部40は記憶部41に記憶されているプログラムを実行することによって作業者割り当て装置1の各部を制御する。通信部42は作業者割り当て装置1が携帯端末30などの他の装置と通信するための通信回路である。制御部40は通信部42を介して各携帯端末30から位置情報を受信(取得の一例)する。表示部43は液晶ディプレイなどの表示装置である。操作部44はキーボード、マウス、タッチパネルなどの入力装置である。
【0045】
(4)記憶部に記憶されている各種のデータ
記憶部41に記憶されている各種のデータには習熟度テーブル、作業時間テーブル、標準/許容作業時間テーブル、生産ラインLを構成している各装置の位置を表す位置情報などが含まれる。以下、表1から表3を参照して、習熟度テーブル、作業時間テーブル、及び、標準/許容作業時間テーブルについて説明する。
【表1】
【0046】
表1は習熟度テーブルの一例である。習熟度テーブルには各作業者について作業毎にその作業者の習熟度が対応付けられている。習熟度は0から3の4段階で評価される。0が最も習熟度が低く、3が最も習熟度が高い。各作業の作業時間は作業者の習熟度が高いほど短くなる。
【表2】
【0047】
表2は作業時間テーブルの一例である。作業時間テーブルには作業者毎且つ作業毎にその作業の実際の作業時間が記録される。作業時間は1回の作業毎に記録される。具体的には例えば、作業者は作業を開始するときに携帯端末30を操作して作業者割り当て装置1に作業の開始を通知し、作業が終了すると携帯端末30を操作して作業の終了を通知する。作業者割り当て装置1は作業の開始が通知されたときから作業の終了が通知されたときまでの時間を作業時間として作業時間テーブルに記録する。
【表3】
【0048】
表3は標準/許容作業時間テーブルの一例である。標準/許容作業時間テーブルには各作業について標準作業時間と許容作業時間とが対応付けられている。標準作業時間はその作業の作業回数に対する標準的な作業時間である。標準作業時間は作業回数が多いほど短くなる。許容作業時間は各作業の作業時間として許容される時間である。作業時間が許容作業時間を超過した場合は、直ちに基板生産設備2が停止しないとしても、そのままでは基板生産設備2が停止する可能性がある。
【0049】
(5)作業者割り当て装置によって実行される処理
作業者割り当て装置1によって実行される以下の処理について説明する。
・作業計画の作成及び送信処理
・教育必要性通知処理
・作業遅延通知処理
・習熟度更新処理
【0050】
(5-1)作業計画の作成及び送信処理
作業者割り当て装置1は、基板生産設備2で1以上の作業が発生すると、各作業者の位置と、発生した作業についての各作業者の習熟度とに基づいて、各作業に割り当てる作業者と各作業の作業順序とを表す作業計画を作成し、作成した作業計画を各作業者の携帯端末30(所定の送信先の一例)に送信する。
【0051】
具体的には、作業者割り当て装置1は、作業者が作業位置まで移動する移動時間を短くする観点の作業計画と、各作業の作業時間を短くする観点の作業計画とを作成し、作成した作業計画のうち発生した全ての作業が最も早く終了する作業計画を送信する。移動時間を短くする観点の作業計画及び作業時間を短くする観点の作業計画は、作業に割り当てられている作業者が異なる複数の作業計画の一例である。以下、具体的に説明する。
【0052】
(5-1-1)作業計画の作成の仕方の設定
図3を参照して、作業計画の作成の仕方の設定について説明する。作業者割り当て装置1は、作業計画の作成の仕方の設定を受け付ける設定画面を表示部43に表示する。作業者を管理する管理者は表示された設定画面で作業計画の作成の仕方を設定する。
【0053】
作業計画の作成の仕方の設定には、生産ラインについての設定(第1の受付工程及び第2の受付工程の一例)、習熟度についての設定(第3の受付工程及び第4の受付工程の一例)、及び、作業細分化についての設定(第5の受付工程の一例)の3つの設定項目がある。
生産ラインについての設定では「全てのライン」、「担当ラインのみ」、「指定ライン優先(割り込みあり)」及び「指定ライン優先(割り込みなし)」のいずれか1つが選択される。「指定ライン優先(割り込みあり)」及び「指定ライン優先(割り込みなし)」が選択された場合は優先する生産ラインLの指定も行われる。以降の説明では指定された生産ラインLのことを指定ラインという。
【0054】
「全てのライン」は、各作業者にその作業者が担当する生産ラインL以外の生産ラインLで発生した作業も割り当てる設定である。
「担当するラインのみ」は、各作業者にその作業者が担当する生産ラインLで発生した作業のみを割り当てる設定である。
【0055】
「指定ライン優先(割り込みあり)」及び「指定ライン優先(割り込みなし)」は、各作業者が作業計画に従って作業しているときに指定ラインで新たに作業が発生した場合に、その新たに発生した作業を、指定ライン以外の生産ラインL(以下、非指定ラインという)で発生した作業を行っている作業者に割り当てる設定である。作業者割り当て装置1は新たに発生した作業を割り当てた作業計画を作成し直して作業者に送信する。
【0056】
割り込みありは、指定ラインで新たに発生した作業を、非指定ラインで発生した作業を行っている作業者に、その作業者が現在行っている作業を中断して割り当てる設定である。この場合、非指定ラインで発生した作業を行っている作業者は現在行っている作業を中断し、指定ラインで新たに発生した作業を優先して行う。作業者は指定ラインで新たに発生した作業が終了した後、中断した作業を再開する。すなわち、割り込みありの場合は非指定ラインで発生した作業を行っている作業者が現在行っている作業よりも指定ラインで新たに発生した作業が優先される。
【0057】
割り込みなしは、非指定ラインで発生した作業を行っている作業者が現在行っている作業の中断はしないが、非指定ラインで発生した作業を行っている作業者が現在行っている作業の次の作業の前に、指定ラインで発生した新たな作業を割り込ませる設定である。すなわち、割り込みなしの場合は指定ラインで新たに発生した作業が、非指定ラインで発生した作業を行っている作業者の次の作業よりも優先される。
【0058】
習熟度についての設定では「習熟度優先」、「教育優先」及び「余剰時間教育」のいずれか1つが選択される。
「習熟度優先」は、発生した作業に作業者を割り当てるとき、その作業の習熟度が相対的に高い作業者を優先して割り当てる設定である。
「教育優先」は、発生した作業に作業者を割り当てるとき、教育のために、他の作業者に比べてその作業の習熟度が低い作業者(言い換えると相対的に作業習熟度が低い作業者)を優先して割り当てる設定である。
「余剰時間教育」は、発生した全ての作業が終了する時間が目標時間より短い場合(すなわち目標時間までに余剰時間がある場合)に、目標時間を超えない範囲で、発生した作業に、他の作業者に比べてその作業の習熟度が低い作業者(言い換えると相対的に作業習熟度が低い作業者)を割り当てる設定である。言い換えると、「余剰時間教育」は余剰時間がある場合にだけ作業者を教育する設定である。
【0059】
作業細分化についての設定では「作業細分化する」及び「作業細分化しない」のいずれか1つが選択される。
「作業細分化する」は、発生した作業の数よりも作業者の数の方が多い場合(言い換えると作業者の数に余裕がある場合)に、1つの作業を細分化して複数の作業者で分担する設定である。「作業細分化しない」は作業を細分化しない設定である。「作業細分化しない」が選択されている場合は1つの作業に一人の作業者が割り当てられる。
【0060】
(5-1-2)作業計画の作成例
以下、作業計画を作成する例について説明する。
【0061】
(作成例1)
作成例1は生産ラインLの設定として「全てのライン」、習熟度の設定として「習熟度優先」、作業細分化の設定として「作業細分化しない」が選択されている場合の例である。
図4に示すように、作成例1では生産ラインL1の表面実装機M11のリール交換、生産ラインL2の表面実装機M22の吸着エラー、生産ラインL2の表面実装機M23の吸着エラーがほぼ同時に発生している。
【0062】
移動時間を短くする観点の作業計画の作成について説明する。作業者の現在位置と作業位置との距離が近いほど移動時間が短くなることから、作業者割り当て装置1は、作業者の携帯端末30からその携帯端末30の位置(言い換えると作業者の位置)を表す位置情報を受信し、作業者の位置から近い位置で発生した作業を作業者に優先的に割り当てる。
【0063】
具体的には、
図4に示す例では生産ラインL1の作業者Aは生産ラインL1の表面実装機M11の近くにいるので、作業者割り当て装置1は作業者Aに表面実装機M11のリール交換を割り当てる。生産ラインL2の作業者Bは生産ラインL2の表面実装機M23の近くにいるので、作業者割り当て装置1は作業者Bに表面実装機M23の吸着エラーの対処を割り当てる。
【0064】
図4に示す例では作業者Aに割り当てた作業(生産ラインL1の表面実装機M11のリール交換)の方が、作業者Bに割り当てた作業(生産ラインL2の表面実装機M23の吸着エラーの対処)よりも処理時間が短いものとする。ここで処理時間とは、移動時間と作業時間とを合計した時間のことをいう。この場合、作業者割り当て装置1は、先に作業が終了する作業者Aに、未だ作業者に割り当てられていない作業のうち作業者Aの位置(すなわち表面実装機M11の近傍の位置)に最も近い位置で発生した作業を割り当てる。ただし、
図4に示す例では残りの作業が1つだけ(生産ラインL2の表面実装機M22の吸着エラーの対処だけ)であるので、作業者Aには移動時間によらず生産ラインL2の表面実装機M22の吸着エラーの対処が割り当てられる。
【0065】
図5に示す作業計画50は移動時間を短くする観点の作業計画を示している。
図5に示すように、作業計画50では生産ラインL1の作業者Aに生産ラインL1の表面実装機M11のリール交換と、生産ラインL2の表面実装機M22の吸着エラーの対処とがこの順で割り当てられており、生産ラインL2の作業者Bに生産ラインL2の表面実装機M23の吸着エラーの対処が割り当てられている。
作業計画50において生産ラインL1の作業者Aに割り当てられている表面実装機M11のリール交換の移動時間は、1以上の作業が発生したときの作業者Aの位置から表面実装機M11までの移動時間である。作業者Aに割り当てられている表面実装機M22の吸着エラーの対処の移動時間は、表面実装機M11から表面実装機M22までの移動時間である。すなわち、各作業の移動時間は作業者がその作業の前に何処にいたかによって異なる。
【0066】
図4を参照して、作業時間を短くする観点の作業計画の作成について説明する。習熟度が高いほど作業時間が短くなることから、作業時間を短くする観点の作業計画では、作業者割り当て装置1は、各作業に、他の作業者に比べてその作業の習熟度が高い作業者(言い換えると相対的に習熟度が高い作業者)を優先的に割り当てる。具体的には、表1に示すように生産ラインL1の作業者Aは吸着エラーの対処の習熟度が相対的に高いので、作業者割り当て装置1は作業者Aに生産ラインL2の表面実装機M22の吸着エラーの対処を割り当てる。ここで、
図4に示す例では吸着エラーの対処として生産ラインL2の表面実装機M22の吸着エラーの対処と生産ラインL2の表面実装機M23の吸着エラーの対処との2つが発生している。この場合、作業者割り当て装置1は移動時間を短くするために、これら2つの吸着エラーの対処のうち作業者Aの現在位置に近い位置で発生した吸着エラーの対処を割り当てる。一方、表1に示すように作業者Bはリール交換の習熟度が相対的に高いので、作業者割り当て装置1は作業者Bに生産ラインL1の表面実装機M11のリール交換を割り当てる。
【0067】
図4に示す例では生産ラインL1の作業者Aに割り当てた作業(生産ラインL2の表面実装機M22で発生した吸着エラーの対処)の方が、生産ラインL2の作業者Bに割り当てた作業(生産ラインL1の表面実装機M11のリール交換)よりも処理時間(=移動時間+作業時間)が短いものとする。この場合、作業者割り当て装置1は先に作業が終了する作業者Aに、未だ作業者に割り当てられていない作業のうち作業者Aの習熟度が高い作業を割り当てる。ただし、
図4に示す例では残りの作業が1つだけ(生産ラインL2の表面実装機M23の吸着エラーの対処だけ)であるので、作業者割り当て装置1は作業者Aの習熟度によらず生産ラインL2の表面実装機M23の吸着エラーの対処を割り当てる。
【0068】
図5に示す作業計画51は、作業時間を短くする観点で作成された作業計画を示している。作業計画51に示すように、生産ラインL1の作業者Aには生産ラインL2の表面実装機M22の吸着エラーの対処と、生産ラインL2の表面実装機M23の吸着エラーの対処とがこの順で割り当てられており、作業者Bには生産ラインL1の表面実装機M11のリール交換が割り当てられている。作業者Bは生産ラインL1の表面実装機M11までの距離が遠いことから、移動時間を短くする観点の作業計画に比べてリール交換の移動時間が長くなっている。
【0069】
図5から判るように、作成例1では移動時間を短くする観点の作業計画50よりも作業時間を短くする観点の作業計画51の方が、発生した全ての作業が早く終了する。このため、作業者割り当て装置1は作業時間を短くする観点の作業計画を作業者A及び作業者Bに送信する。
作成例1では作業時間を短くする観点の作業計画の方が移動時間を短くする観点の作業計画より早く終了するが、作業の発生の仕方によっては移動時間を短くする観点の作業計画の方が作業時間を短くする観点の作業計画より全ての作業が早く終了する場合もある。その場合は、作業者割り当て装置1は移動時間を短くする観点の作業計画を送信する。
【0070】
(作成例2)
作成例2は生産ラインの設定として「担当ラインのみ」、習熟度の設定として「習熟度優先」、作業細分化の設定として「作業細分化しない」が選択されている場合の例である。
【0071】
図6は発生した作業の一例である。
図6に示す例では生産ラインL1でリール交換及び吸着エラーが発生しており、生産ラインL2でリール交換が発生している。この場合、作業者割り当て装置1は各作業者にその作業者が担当している生産ラインLの作業のみを割り当てる。
ここでは生産ラインL1の作業者Aを例に説明する。
図7に示す作業計画52は作業者Aについて移動時間を短くする観点の作業計画である。移動時間を短くする観点の作業計画52の作成では、作業者割り当て装置1は最初に作業者Aの現在位置に近い作業である生産ラインL1の表面実装機M11のリール交換を割り当て、その後に表面実装機M12の吸着エラーの対処を割り当てる。
図7に示す作業計画53は、作業者Aについて作業時間を短くする観点の作業計画である。作業時間を短くする観点の作業計画53の作成では、作業者割り当て装置1は最初に作業者Aに生産ラインL1の表面実装機M12の吸着エラーの対処を割り当て、その後に表面実装機M11のリール交換を割り当てる。
【0072】
作成例2の場合、作業時間を短くする観点の作業計画53では最初に作業者Aが表面実装機M12まで移動する移動時間が長くなることから、移動時間を短くする観点の作業計画52の方が、発生した全ての作業が早く終了する。このため、作業者割り当て装置1は移動時間を短くする観点の作業計画52を作業者Aに送信する。作業者Bについても同様である。
【0073】
(作成例3)
作成例3は生産ラインの設定として「指定ライン優先(割り込みあり)」、習熟度の設定として「習熟度優先」、作業細分化の設定として「作業細分化しない」が選択されている場合の例である。作成例3では指定ラインとして生産ラインL1が指定されたものとする。
【0074】
図8Aに示すように、作業者Aは送信された作業計画55に従って生産ラインL1(指定ライン)の作業W1を行っており、作業者Bは送信された作業計画55に従って生産ラインL2(非指定ライン)の作業W2を行っているとする。
図8Aに示す例では、各作業者が作業計画55に従って作業を行っている途中の時点T1において生産ラインL1(指定ライン)で新たな作業W3が発生している。この場合、
図8Bに示すように、作業者割り当て装置1は、生産ラインL1で発生した新たな作業W3を作業者B(すなわち非指定ラインの作業を行っている作業者)に割り当てた作業計画56を作成し直して作業者A及び作業者Bに送信する。具体的には、作業者割り当て装置1は、生産ラインL1で新たに発生した作業W3を、生産ラインL2の作業者Bが現在行っている作業W2を中断させて割り込ませる。
【0075】
(作成例4)
作成例4は生産ラインの設定として「指定ライン優先(割り込みなし)」、習熟度の設定として「習熟度優先」、作業細分化の設定として「作業細分化しない」が選択されている場合の例である。作成例4も指定ラインとして生産ラインL1が指定されているものとする。
【0076】
図9Aに示す作業計画57では、時点T1において生産ラインL1で新たな作業W4が発生している。この場合、作業者割り当て装置1は、
図9Bに示す作業計画58のように、生産ラインL1で発生した新たな作業W4を、生産ラインL2の作業者Bが現在行っている作業W2の次の作業W3の前に割り込ませる。
【0077】
(作成例5)
作成例5は生産ラインの設定として「全てのライン」、習熟度の設定として「教育優先」、作業細分化の設定として「作業細分化しない」が選択されている場合の例である。
【0078】
図10は発生した作業の一例である。
図10に示す例では生産ラインL1の表面実装機M11でリール交換、表面実装機M12で吸着エラーが発生し、生産ラインL2の表面実装機M23でリール交換が発生している。
図11に示す作業計画59は教育優先の作業計画を示している。前述した表1に示すように、生産ラインL1の作業者Aは吸着エラーの対処に比べてリール交換の習熟度が低い。このため、作業者割り当て装置1は作業者Aの吸着エラーの対処の習熟度を向上させるために、作業者Aに表面実装機M11のリール交換と表面実装機M23のリール交換とを割り当てる。より具体的には、作業者割り当て装置1は、移動時間を短縮するために、生産ラインL1の作業者Aの現在位置に近い作業である表面実装機M11のリール交換を先に割り当て、その後に表面実装機M23のリール交換を割り当てる。一方、表1に示すように生産ラインL2の作業者Bはリール交換に比べて吸着エラーの対処の習熟度が低いため、作業者割り当て装置1は作業者Bに表面実装機M12の吸着エラーの対処を割り当てる。
【0079】
(作成例6)
作成例6は生産ラインの設定として「全てのライン」、習熟度の設定として「余剰時間教育」、作業細分化の設定として「作業細分化しない」が選択されている場合の例である。
例えば生産ラインL1の表面実装機M11でリール交換、表面実装機M13で吸着エラーが発生し、生産ラインL2の表面実装機M21で吸着エラー、表面実装機M23でリール交換が発生したとする。この場合に、発生した全ての作業が早く終了する作業計画として
図12Aに示す作業計画60が選択されたものとする。
【0080】
図12Aにおいて目標時間は、全ての作業が終了する目標時間である。目標時間は作業者割り当て装置1によって設定される。例えばリール交換が発生しても表面実装機Mは直ちには停止しないが、リールが交換されないといずれ停止する。作業者割り当て装置1は、リールが交換されないことによって表面実装機Mが停止する時間よりも前に目標時間を設定する。あるいは、吸着エラーが発生した場合は表面実装機Mが直ちに停止する。その場合に、復旧までの目標とする時間が設定されている場合は、作業者割り当て装置1はその時間を目標時間とする。目標時間の設定はこれらに限られるものではなく、適宜に設定できる。
【0081】
図12Aに示す作業計画60では、全ての作業が終了する時間が目標時間より短い。すなわち目標時間までに余剰時間がある。このため、
図12Bに示す作業計画61のように、作業者割り当て装置1は、余剰時間を超えない範囲で、教育のために各作業者にその作業者の習熟度が低い作業を割り当てる。具体的には、生産ラインL1の作業者Aはリール交換の習熟度が低いことから、作業者割り当て装置1は作業者Aに割り当てたいずれかの吸着エラーの対処に替えてリール交換(
図12Bに示す例では表面実装機M11のリール交換)を割り当てる。一方、生産ラインL2の作業者Bは吸着エラーの対処の習熟度が低いことから、作業者割り当て装置1は作業者Bに割り当てたいずれかのリール交換に替えて吸着エラーの対処(
図12Bに示す例では表面実装機M21の吸着エラーの対処)を割り当てる。
【0082】
図12Bに示す例では、作業者の割り当てを変更した後の作業計画61においても全ての作業が終了する時間が目標時間より短い。作業者割り当て装置1は目標時間を超えるまで割り当ての変更を繰り返し、目標時間を超える直前の作業計画を送信する。送信する作業計画は必ずしも目標時間を超える直前の作業計画でなくてもよい。例えば変更する作業は各作業者についてそれぞれ1つだけであってもよい。
【0083】
(作成例7)
作成例7は生産ラインの設定として「全てのライン」、習熟度の設定として「習熟度優先」、作業細分化の設定として「作業細分化する」が選択されている場合の例である。
【0084】
図13Aは発生した作業の一例である。
図13Aに示す例では生産ラインL1の表面実装機M11でリール交換が発生し、生産ラインL2では作業は発生していない。
図13Aに示すように、リール交換は新しいリールを用意する作業、現在使用中のリールを表面実装機M11から外す作業、新しいリールを表面実装機M11に装着する作業に細分化できる。これらの作業のうち新しいリールを用意する作業と、現在使用中のリールを表面実装機Mから外す作業とは、異なる作業者が並行して行うことができる。このため、作業者割り当て装置1は、「作業細分化する」が選択されている場合は、作業者の人数に余裕があれば作業を細分化し、細分化した作業にそれぞれ作業者を割り当てる。細分化した複数の作業について、どの作業にどの作業者を割り当てるかは適宜に決定できる。
【0085】
図13Bに示す作業計画62は作業を細分化した作業計画の一例である。
図13Bに示す例では生産ラインL1の作業者Aに新しいリールを用意する作業が割り当てられており、生産ラインL2の作業者Bに現在使用中のリールを表面実装機Mから外す作業と、新しいリールを表面実装機Mに装着する作業とが割り当てられている。細分化した作業にそれぞれ作業者を割り当てることにより、作業が終了する時間を短縮できる。
【0086】
(5-1-3)作業計画の作成及び送信のフロー
図14を参照して、作業計画の作成及び送信のフローについて説明する。本処理は基板生産設備2で1つ以上の作業が発生すると開始される。ここでは生産ラインの設定として「指定ライン優先(割り込みあり)」又は「指定ライン優先(割り込みなし)」が選択された場合を例に説明する。
【0087】
S101では、作業者割り当て装置1は各作業者の携帯端末30からその携帯端末30の位置(言い換えるとその携帯端末30を携帯している作業者の位置)を表す位置情報を受信する。
S102では、作業者割り当て装置1は、S101で受信した位置情報によって表される各作業者の位置と、各作業についての各作業者の習熟度とに基づいて、移動時間を短くする観点の作業計画と、作業時間を短くする観点の作業計画とを作成する(作成工程及び作成処理の一例)。
【0088】
S103では、作業者割り当て装置1はS102で作成した作業計画のうち発生した全ての作業が最も早く終了する作業計画を作業者の携帯端末30(所定の送信先の一例)に送信する(送信工程及び送信処理の一例)。
S104では、作業者割り当て装置1はS103で送信した作業計画の作業が全て終了したか否かを判断し、終了していない場合はS105に進み、終了している場合は処理を終了する。
【0089】
S105では、作業者割り当て装置1は指定ラインで新たな作業が発生しているか否かを判断する。作業者割り当て装置1は、新たな作業が発生していない場合はS104に戻り、発生している場合はS101に戻って処理を繰り返す。S101に戻った場合は非指定ラインの作業者の作業に当該新たな作業を割り込ませた作業計画が作成し直されて作業者に送信される。
【0090】
(5-2)教育必要性通知処理
作業者割り当て装置1は、各作業者について、作業時間テーブルを参照して作業毎に作業回数を集計するとともに、各作業の平均の作業時間を計算する。作業者割り当て装置1は、標準/許容作業時間テーブルを参照して、作業回数に対して平均の作業時間が標準作業時間より長いか否かを判断する。作業者割り当て装置1は、各作業者について平均の作業時間が標準作業時間より長い作業がある場合はその作業についてその作業者の教育が必要であることを管理者端末31(所定の通知先の一例)に通知する(第1の通知工程の一例)。作業者割り当て装置1は作業者の教育が必要であることを管理者の電子メールアドレスに宛てて電子メールで送信してもよい。
【0091】
(5-3)作業遅延通知処理
表2に示す標準/許容作業時間テーブルを参照して、作業遅延通知処理について説明する。作業時間が許容作業時間を超過した場合、直ちに基板生産設備2が停止しないとしても、そのままでは基板生産設備2が停止する可能性がある。作業者割り当て装置1は、携帯端末30から作業の開始が通知されると作業時間のカウントを開始し、カウントした時間が許容作業時間を超過した場合は、許容作業時間を超過したことを管理者端末31に通知する(第2の通知工程の一例)。作業者割り当て装置1は許容作業時間を超過したことを管理者の電子メールアドレスに宛てて電子メールで送信してもよい。
【0092】
(5-4)習熟度更新処理
作業者割り当て装置1は、作業時間テーブルを参照して、各作業者について作業毎にその作業の累積作業時間を集計し、累積作業時間に応じて習熟度テーブルの習熟度を更新する。例えば、作業者割り当て装置1は、累積作業時間が0~10時間の場合は習熟度として0、10~20時間の場合は習熟度として1、20~30時間の場合は習熟度として2などのように更新する(更新工程の一例)。
【0093】
ここでは累積作業時間に基づいて習熟度を更新する場合を例に説明したが、累積作業回数に基づいて習熟度を更新してもよい。例えば累積作業回数が0~10回の場合は習熟度として0、10~20回の場合は習熟度として1、20~30回の場合は習熟度として2などのように更新してもよい。
【0094】
(6)実施形態の効果
実施形態1に係る作業者割り当て方法によると、各作業者の位置と発生した作業についての各作業者の習熟度とに基づいて、各作業に割り当てる作業者と各作業の作業順序とを表す作業計画を作成する。このため実施形態1に係る作業者割り当て方法によると、作業者(あるいは管理者)の判断によって対応する場合に比べ、基板生産設備2で発生した全ての作業が短時間で終了するように作業者を割り当てることができる。
【0095】
上記の作業者割り当て方法によると、作業に割り当てられている作業者が異なる複数の作業計画を作成し、作成した複数の作業計画のうち発生した全ての作業が最も早く終了する作業計画を所定の送信先に送信するので、発生した全ての作業が短時間で終了する可能性が高くなる。
【0096】
上記の作業者割り当て方法によると、移動時間を短くする観点の作業計画と作業時間を短くする観点の作業計画とを作成し、作成した作業計画のうち全ての作業が最も早く終了する作業計画を送信する。このため、移動時間だけを考慮して作業計画を作成する場合や、作業時間だけを考慮して作業計画を作成する場合に比べ、発生した全ての作業が短時間で終了する可能性が高くなる。
【0097】
上記の作業者割り当て方法によると、各作業者に担当の生産ラインLの作業だけを割り当てるか、又は、担当する生産ラインL以外の作業も割り当てるかの設定を受け付ける受付工程を含むので、担当する生産ラインLで発生した作業だけを割り当てるか、又は、担当する生産ラインL以外の作業も割り当てるかのどちらかに固定されている場合に比べ、作業を割り当てる自由度が向上する。
【0098】
上記の作業者割り当て方法によると、指定ラインで新たな作業が発生した場合に、非指定ラインで作業を行っている作業者に当該新たな作業を割り当てるので、指定ラインで発生した作業を短時間で終了できる。
【0099】
上記の作業者割り当て方法によると、「指定ライン優先(割り込みあり)」の場合は非指定ラインで発生した作業を行っている作業者の現在の作業を中断させて新たな作業を割り込ませるので、指定ラインで発生した作業を短時間で終了できる。
【0100】
上記の作業者割り当て方法によると、「指定ライン優先(割り込みなし)」の場合は非指定ラインで発生した作業を行っている作業者の現在の作業の後、当該作業者の次の作業の前に新たな作業を割り込ませるので、指定ラインで発生した作業を短時間で終了できる。
【0101】
上記の作業者割り当て方法によると、「教育優先」が設定されている場合は、各作業に当該作業の習熟度が相対的に低い作業者を優先して割り当てる。このため作業者の習熟度を向上させることができる。
【0102】
上記の作業者割り当て方法によると、「余剰時間教育」が設定されている場合は、目標時間内に全ての作業が終了する範囲で作業者を教育できるので、生産性の低下を抑制しつつ作業者を教育できる。
【0103】
上記の作業者割り当て方法によると、作業者の数が作業の数より多い場合は、1つの作業を細分化して複数の作業者を割り当てるので、作業が終了する時間を短縮できる。
【0104】
上記の作業者割り当て方法によると、作業者が作業を行った作業時間が当該作業の標準作業時間より長かった場合は、当該作業者について当該作業の教育が必要であることを管理者端末31に通知するので、管理者はどの作業者にどの作業の教育が必要であるかの判断が容易になる。
【0105】
上記の作業者割り当て方法によると、作業の実際の作業時間が許容時間を超過した場合に、許容時間を超過したことを管理者端末31に通知するので、管理者は許容時間を超過した作業を手伝うよう他の作業者に指示することにより、作業の遅れを抑制できる。
【0106】
上記の作業者割り当て方法によると、各作業者について、作業毎に当該作業の累積作業時間及び当該作業の累積作業回数の少なくとも一方に基づいて当該作業者の習熟度を自動で更新するので、作業を管理する管理者が手作業で習熟度を更新する場合に比べて管理者の負担を軽減できる。
【0107】
<他の実施形態>
本明細書によって開示される技術は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本明細書によって開示される技術的範囲に含まれる。
【0108】
(1)上記実施形態1では移動時間を短くする観点の作業計画と作業時間を短くする観点の作業計画とを作成し、いずれか全ての作業が最も早く終了する作業計画を送信する場合を例に説明した。これに対し、作成する作業計画はいずれか一方だけでもよい。例えば、作業時間を短くする観点の作業計画だけを作成してもよい。その場合に、習熟度が同じ作業者が複数いる場合は、作業位置の近くにいる作業者を割り当ててもよい。あるいは、移動時間を短くする観点の作業計画だけを作成してもよい。その場合に、移動時間が同程度の作業者が複数いる場合は、習熟度が高い作業者を割り当ててもよい。
【0109】
(2)上記実施形態1では基板生産設備2で発生する作業として表面実装機Mで発生する作業を例に説明したが、基板生産設備2で発生する作業は基板生産設備2で発生する任意の作業であってよい。
【0110】
(3)上記実施形態1では作業に割り当てられている作業者が異なる複数の作業計画を作成する例として移動時間を短くする観点の作業計画と作業時間を短くする観点の作業計画とを作成する場合を例に説明したが、複数の作業計画を作成する方法はこれに限られず、適宜に選択可能である。
例えば、作業者をランダムに作業に割り当てることによって複数の作業計画を作成し、そのうち発生した全ての作業が最も早く終了する作業計画を採用してもよい。
あるいは、移動時間を短くする観点の作業計画や作業時間を短くする観点の作業計画とは別に、ある特定の作業については移動時間を短くする観点で作業者を割り当て、別のある特定の作業については作業時間を短くする観点で作業者を割り当てた作業計画を作成し、それら複数の作業計画のうち発生した全ての作業が最も早く終了する作業計画を採用してもよい。
【符号の説明】
【0111】
1: 作業者割り当て装置(コンピュータの一例)
2: 基板生産設備
30: 携帯端末(所定の送信先の一例)
31: 管理者端末(所定の通知先の一例)
40: 制御部
41: 記憶部
42: 通信部(取得部の一例)
50: 作業計画
51: 作業計画
52: 作業計画
53: 作業計画
55: 作業計画
56: 作業計画
57: 作業計画
58: 作業計画
59: 作業計画
60: 作業計画
61: 作業計画
62: 作業計画
A: 作業者
B: 作業者
L(L1、L2): 生産ライン