(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-03
(45)【発行日】2025-02-12
(54)【発明の名称】ライン供給装置および方法
(51)【国際特許分類】
B65H 51/32 20060101AFI20250204BHJP
【FI】
B65H51/32 C
B65H51/32 H
(21)【出願番号】P 2022538430
(86)(22)【出願日】2020-01-13
(86)【国際出願番号】 IB2020050234
(87)【国際公開番号】W WO2021144605
(87)【国際公開日】2021-07-22
【審査請求日】2023-01-05
(73)【特許権者】
【識別番号】599122503
【氏名又は名称】シュロニガー アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シュッツ ペーター
【審査官】山田 康孝
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-056762(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第00915538(EP,A1)
【文献】特表2019-507078(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 51/32
B65H 49/14
B65H 67/00
B21F 1/02
H01R 43/052
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1
のライン(1)および第2
のライン(2)を、ライン処理ステーション(9)に供給するためのライン供給装置(3)であって、ライン供給装置(3)は、ライン搬送経路(7)に沿って、
前記第1
のライン(1)および
前記第2
のライン(
2)を前記ライン搬送経路(7)に沿って作業搬送方向(8)に搬送するためのラインコンベヤ(4)であって、ライン入口(5)を有するラインコンベヤ(4)と、
キャリア(30)と、
を有し、
前記キャリア(30)が、
第1供給装置であって、
前記第1のラインのための第1のライン前処理装置(10)と、
前記第1のライン前処理装置(10)に割り当てられ、前記ライン入口(5)の領域において第1のライン(1)を前記ラインコンベヤ(4)に搬送するための第1のライン搬送装置(11)と、
を有する第1供給装置と、
第2供給装置であって、
前記第2のラインのための第2のライン前処理装置(20)と、
前記第2のライン前処理装置(20)に割り当てられ、前記ライン入口(5)の領域において第2のライン(2)を前記ラインコンベヤ(4)に搬送するための第2のライン搬送装置(21)と、
を有する第2供給装置と、
を備え、
前記キャリア(30)は、前記第1のライン搬送装置(11)または前記第2のライン搬送装置(21)を、前記ラインコンベヤ(4)の前記ライン入口(5)の領域におけるその作業位置に、または、その作業位置から、前記ライン搬送経路(7)の外側の休止位置に位置決めするために、移動可能であり、
前記第1のライン前処理装置(10)が、第1のライン(1)を直線化するための第1の直線化機構を有し、
前記第1のライン搬送装置(11)は、駆動装置(12)によって、ライン搬送経路(7)に沿ってラインコンベヤ(4)に対して相対的に移動可能であり、
前記第2のライン前処理装置(20)が、第2のライン(2)を直線化するための第1の直線化機構を有し、
前記第2のライン搬送装置(21)は、駆動装置(22)によって、ライン搬送経路(7)に沿ってラインコンベヤ(4)に対して相対的に移動可能である、
ことを特徴とするライン供給装置(3)。
【請求項2】
前記第1のライン前処理装置(10)が、ライン搬送経路(7)内のその作業位置に配置され、駆動装置(31)によって、作業位置から、ライン搬送経路(7)の外側の休止位置に移動可能であること、
および/または、
前記第2のライン前処理装置(20)が、ライン搬送経路(7)の外側のその休止位置に配置され、駆動装置(31)によって、休止位置から、前記第2のライン前処理装置(20)がライン搬送経路(7)内にある作業位置に移動可能であることを特徴とする、請求項1に記載のライン供給装置。
【請求項3】
前記キャリア(30)が、駆動装置(31)によって、ライン搬送経路(7)に対して相対的に横方向に移動可能であることを特徴とする、請求項1または2に記載のライン供給装置。
【請求項4】
前記第1のライン搬送装置(11)は、ライン搬送経路(7)に平行に、キャリア(30)に対して相対的に移動可能であり、
前記第2のライン搬送装置(21)は、ライン搬送経路(7)に平行に、キャリア(30)に対して相対的に移動可能であることを特徴とする、請求項1または2に記載のライン供給装置。
【請求項5】
第1のライン前処理装置(10)と第1のライン搬送装置(11)との間に第1のラインガイド(13)が延在し、第1のラインガイド(13)は、ガイド方向において長さが可変であること、
および/または、
前記第2のライン前処理装置(20)と前記第2のライン搬送装置(21)との間に第2のラインガイド(23)が延在し、第2のラインガイド(23)は、ガイド方向において長さが可変であることを特徴とする、請求項1または2に記載のライン供給装置。
【請求項6】
前記第1および第2のラインガイド(13)および前記第2のラインガイド(23)が、少なくとも2つの、押して相互に入り込むように移動可能な、入れ子式の、ガイドセクション(14,15;24,25)から形成されること、
および/または、
前記第1のラインガイド(13)および前記第2のラインガイド(23)が、少なくとも1つのばねストランドによって形成されることを特徴とする、請求項5に記載のライン供給装置。
【請求項7】
前記第1および第2のライン搬送装置(11,21)は、
その作業位置において前記ライン入口(5)に面し、ガイドチューブまたはガイドノズルの形態の、
第1のラインガイド要素(
16)および第2のラインガイド要素(26)をそれぞれ有し、
前記第1のラインガイド要素(
16)は、前記第
1のライン搬送装置(
11)の作業位置においては、前記ラインコンベヤ(4)の合流領域内に突出し、作業位置から外れた位置においては、前記合流領域の外側に配置され
、前記第2のラインガイド要素(26)は、前記第2のライン搬送装置(21)の作業位置においては、前記ラインコンベヤ(4)の合流領域内に突出し、作業位置から外れた位置においては、前記合流領域の外側に配置されることを特徴とする、請求項1または2に記載のライン供給装置。
【請求項8】
前記
第1のライン搬送装置
(11)は、
アクチュエータ(37)によって、
前記第
1のライン(
1)を固定する位置と
前記第1のライン(
1)を解放する位置との間で作動可能である
第1のライン固定装置(
17)を有し、
前記第2のライン搬送装置(21)は、
アクチュエータによって、前記第2のライン(2)を固定する位置と前記第2のライン(2)を解放する位置との間で作動可能である第2のライン固定装置(27)を有し、
前記
第1のライン固定装置(
17)
および第2のライン固定装置(27)は、
前記第1
のライン(1)および
前記第2のライン(
2)を
それぞれクランプするための少なくとも1つの移動可能な固定要素(38)を有することを特徴とする、請求項1から7のいずれか1項に記載のライン供給装置。
【請求項9】
前記
第1のライン固定装置(
17)が、
前記ライン搬送経路(7)に沿って前記
第1のラインガイド要素(
16)に対して相対的に移動可能であ
り、前記第2のライン固定装置(27)が、前記ライン搬送経路(7)に沿って前記第2のラインガイド要素(26)に対して相対的に移動可能であることを特徴とする、請求項7を引用する請求項8に記載のライン供給装置。
【請求項10】
前記ラインコンベヤ(4)が、コントローラ(32)によって制御されるアクチュエータ(35)を用いて、ラインコンベヤ(4)によってライン(1,2)を搬送可能な作業位置から、第1および第2のライン(1,2)を解放する位置に移動可能であることを特徴とする、請求項1~9のいずれか1項に記載のライン供給装置。
【請求項11】
前記ライン供給装置(3)は、前記第1および第2のライン前処理装置(10,20)、前記第1および第2のライン搬送装置(11,21)および前記ラインコンベヤ(4)、それらの駆動装置(12,22,18,28,31,36)および/またはアクチュエータ(33,34,35,37)を通って、制御するように形成された、コントローラ(32)を有することを特徴とする、請求項1~10のいずれか1項に記載のライン供給装置。
【請求項12】
前記第1および第2のライン搬送装置(11,21)は、第1および第2のライン(1,2)を検出および/または位置決定するために前記ライン供給装置(3)のコントローラ(32)に接続された少なくとも1つのセンサ(19,29)を有し、前記センサ(19,29)は、前記コントローラ(32)に接続されていることを特徴とする、請求項1~11のいずれか1項に記載のライン供給装置。
【請求項13】
少なくとも1つのライン処理ステーション(9)、切断ステーションおよび/または剥離ステーションおよび/または装着ステーションと、少なくとも1つの前記ライン処理ステーション(9)に第1および第2のライン(1,2)を供給するためのライン供給装置(3)とを有する、ライン処理装置であって、
請求項1~12のいずれか1項に記載のライン供給装置(3)が形成されていることを特徴とするライン処理装置。
【請求項14】
ライン供給装置(3)によって少なくとも1つの第1および第2のライン(1,2)を取り扱うための方法であり、第1および第2のライン(1,2)をライン処理ステーション(9)に供給するための方法、および/または、第1および第2のライン(1,2)を交換または除去するための方法であって、
請求項1~13のいずれか1項に記載のライン供給装置(3)が形成されていることを特徴とする方法。
【請求項15】
前記ライン供給装置(3)にて/から第1および第2のライン(1,2)を交換または除去するために、第1のライン(1)がラインコンベヤ(4)の作用領域から自動的に移動され、第1のライン(1)はライン搬送経路(7)の外側の休止位置に自動的に移動されること、
および/または、
第1および第2のライン(1,2)をライン供給装置(3)にて交換するために、第2のライン(2)が、ライン搬送経路(7)の外側の休止位置からラインコンベヤ(4)の作用領域に自動的に移動されることを特徴とする、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記ライン供給装置(3)にて/から第1および第2のライン(1,2)を交換または除去するために、
工程(a)において、ラインコンベヤ(4)は、ライン端部がラインコンベヤ(4)のライン入口(5)の領域に来るまで、ライン(1)を作業搬送方向(8)とは逆方向に搬送し、
工程(b)において、第1のライン搬送装置(11)は、少なくとも1つの駆動装置(12,31)によって、第1のライン(1)と共に、ラインコンベヤ(4)のライン入口(5)の領域におけるその作業位置から、ライン搬送経路(7)の外側の休止位置へ移動されることを特徴とする、請求項14または15に記載の方法。
【請求項17】
工程(a)の後、工程(b)の前および/または間に、第1のライン搬送装置(11)のライン固定装置(17)が第1のライン(1)を固定し、作業搬送方向(8)と反対のライン固定装置(17)の移動によってライン端部がラインコンベヤ(4)の作用領域から完全に外れることを特徴とする、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
工程(a)を実施するために、コントローラ(32)によって制御されるアクチュエータ(33)を用いて、好ましくは第1のライン前処理装置(10)の少なくとも1つの直線化機構が開かれることによって、第1のライン前処理装置(10)が、第1のライン(1)を解放する位置に移動されることを特徴とする、請求項16または17に記載の方法。
【請求項19】
工程(b)による第1のライン搬送装置(11)の移動は、作業搬送方向(8)に対して横方向の、第1のライン搬送装置(11)の移動を含み、
工程(b)によるライン搬送装置(11)の移動は、この横方向移動に先行する、作業搬送方向(8)と反対の移動を含むことを特徴とする、請求項16~18のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
請求項1~13のいずれか1項に記載のライン供給装置が形成され、
工程(b)の間または後に行われる、工程(c)において、
第2のライン搬送装置(21)が、第2のライン(2)と共に、その休止位置から、ラインコンベヤ(4)のライン入口(5)の領域のその作業位置へ移動され、
第2のライン(2)の端部が、第2のライン搬送装置(21)によってラインコンベヤ(4)の作用領域内へ移動されることを特徴とする、請求項14~19のいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
工程(c)の前および/または間に、第2のライン搬送装置(21)のライン固定装置(27)が第2のライン(2)を固定すること、
および/または、
第2のライン(2)を固定する第2のライン搬送装置(21)のライン固定装置(27)が作業搬送方向(8)に移動されることによって、第2のケーブル(2)の端部がラインコンベヤ(4)の作用領域内へ移動されることを特徴とする、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
第2のライン(2)の端部がラインコンベヤ(4)の作用領域内へ移動された後、ラインコンベヤ(4)は、コントローラ(32)によって制御されるアクチュエータを用いて、解放位置から閉鎖位置に移動され、ライン固定装置(27)は、コントローラ(32)によって制御されるアクチュエータを用いて、第2のライン(2)を解放する位置に移動されることを特徴とする、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
第2のライン(2)を解放する位置までライン固定装置(27)が移動された後に、第2のライン(2)の前端部が所定の基準位置に到達するまで、ラインコンベヤ(4)が、ライン(2)を作業搬送方向(8)に搬送することを特徴とする、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
第1および第2のライン前処理装置(10,20)、第1および第2のライン搬送装置(11,21)およびラインコンベヤ(4)、および、それらの駆動装置(12,22,18,28,31)および/またはアクチュエータが、コントローラ(32)によって制御されることを特徴とする、請求項14~23のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前文に記載の、ラインをライン処理ステーションに供給するためのライン供給装置、並びに、ライン供給装置を用いて少なくとも1つのラインを取り扱うためのライン処理装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
EP3219654B1は、製造ステーションと、ケーブルを製造ステーションに搬送するためのケーブル搬送装置と、ケーブルを直線化するための直線化ユニットを有するケーブル前処理ステーションと、を有するケーブル処理装置を開示している。制御装置に接続された検出装置は、直線化ユニットの作業位置を検出する。作業位置に到達すると、ケーブル搬送装置は、ケーブルを通すために作動し、または、作業位置を離れると、ケーブル搬送装置は、ケーブルを出すために作動する。ケーブルを通すためにケーブル搬送装置が作動している間、操作者は、ボタンを押すことなく、ケーブル搬送装置のベルト駆動装置によってケーブルが捕捉されるまで、ガイドチューブによって指定されたケーブル搬送装置の入口に新しいケーブルを押し込むことができる。一実施形態では、ケーブル前処理ステーションは、機械の長手方向軸に対して横方向に移動することができる2つの直線化ユニットを含み、2つの直線化ユニットは、ケーブルを製造ステーションに任意選択的に供給するためのケーブル交換システムを形成する。
【0003】
この解決策の欠点は、操作者が手動でケーブルをケーブル搬送装置またはその入口に通さなければならないことである。これは、複雑でエラーを起こしやすい手順であるばかりでなく、非常に時間がかかり、その結果、製造プロセスにおける長い中断を受け入れなければならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、本発明の目的は、従来技術から生じる欠点を克服し、ラインの交換および/または除去が単純化されたライン供給装置を提供することである。これは、必要とされる時間を短縮し、ケーブル交換によって引き起こされる製造中断を最小限に抑えることを意図している。さらに、ケーブル交換プロセスの大規模な自動化の可能性が作り出されるべきである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的は、冒頭に述べたライン供給装置を用いて、ライン供給装置が、ライン搬送経路に沿って、
好ましくはラインを直線化するための少なくとも1つの直線化機構を有する第1のライン前処理装置と、
ラインをライン搬送経路に沿って作業搬送方向に搬送するためのラインコンベヤであって、ライン入口を有するラインコンベヤと、
第1のライン前処理装置に割り当てられ、ライン入口の領域においてラインをラインコンベヤに搬送するための第1のライン搬送装置と、
を有し、
第1のライン搬送装置が、ラインコンベヤのライン入口の領域におけるその作業位置に配置され、好ましくは、少なくとも1つの駆動装置によって、その作業位置から、好ましくはライン搬送経路の外側の休止位置に移動可能である
ことによって達成される。
【0006】
ここで、「ライン」という用語は、電気ラインまたは光ラインを含むことができることに留意されたい。ラインは、絶縁されていてもよいし、むき出しであってもよい。ラインは、ライン束に結合された1つ以上の導体を有することができる。単数または複数の導体が、例えば、シールドおよび/または絶縁体によって囲まれていてもよい。ラインは、特に、可撓性および/または柔軟性を有することができる。
【0007】
好ましくは、ラインは、ケーブル、例えば、電力ケーブル、データケーブル、光ファイバケーブル等である。有利には、ラインはケーブルであり、ライン関連の装置は、ケーブル供給装置、ケーブル搬送装置、ケーブルコンベヤ、ケーブル処理装置/ケーブル処理装置ステーション等である。
【0008】
ラインコンベヤにラインを搬送するためのライン搬送装置は、ラインコンベヤのライン入口の領域におけるその作業位置にある。ライン搬送装置をその作業位置から移動可能であるという事実により、ライン搬送装置によってラインをラインコンベヤの作用領域から出したり作用領域に入れたりすることが可能である。これは、ラインのこの移動がもはや手動で実行される必要がないことを意味し、これは、プロセスを単純化および短縮することを可能にするだけでなく、自動化のための前提条件も作り出す。
【0009】
ライン搬送装置は、ラインをラインコンベヤに搬送するため、および、ラインコンベヤからラインまたはライン端部を引き受けるために使用される。
【0010】
ライン搬送装置は、ラインコンベヤのライン入口に対して相対的に移動可能である。換言すれば、ライン搬送装置は、(ラインコンベヤのライン入口の領域における)作業位置から、ライン入口から(さらに)距離を置いたさらなる位置に移動可能である。
【0011】
その作業位置において、ライン搬送装置は、ライン前処理装置とラインコンベヤとの間のライン搬送経路内にある。
【0012】
ラインは、ライン供給装置を通ってその長手方向延長部に沿って搬送される。
【0013】
ライン搬送経路は、その長手方向の範囲に沿ってラインがライン供給装置を通って移動される経路または進路を意味するものと理解されるべきである。ライン供給装置の動作中、ラインは、ライン搬送経路に沿って、ライン前処理装置、ライン搬送装置、およびラインコンベヤの順序で通過し、次に、処理ステーションの方向に移動する。
【0014】
ライン前処理装置は、好ましくは、ラインを直線化するための少なくとも1つの直線化機構を含む。直線化機構は、搬送されるラインと反対側から接触し、これをローラ行程と同様に「適切に直線化する」、ローラ配列を含む。直線化機構は、その作動によってローラ配列を、ラインを解放する位置へ移動するアクチュエータを含む。これは、ライン交換を容易にする。直線化機構は、直線化ローラの間で、および、直線化機構の前、後、または間で、ピボットまたは連結金具を有し、その結果、全体の直線化機構領域は、一種の「チャネル」を形成し、この「チャネル」は、直線化機構を開いたときの後方搬送時に、ラインが搬送方向軸を離れることや座屈を阻止する。
【0015】
直線化機構は、好ましくは2つの部分を含み、一方の部分のローラの回転軸は、他方の部分のローラの回転軸に対して、好ましくは本質的に90°の角度で傾斜している。
【0016】
2つの前処理装置の場合には、以下に説明するように、それらの直線化機構は、同じまたは同様の設計のものとすることができる。
【0017】
好ましい実施形態は、ライン供給装置が、好ましくはラインを直線化するための少なくとも1つの直線化機構を有する第2のライン前処理装置と、第2のライン前処理装置に割り当てられ、ライン入口の領域においてラインをラインコンベヤに搬送するための第2のライン搬送装置とを有し、第2のライン搬送装置が、ラインコンベヤのライン入口の領域におけるその作業位置に配置され、好ましくは、少なくとも1つの駆動装置によって、その作業位置から、好ましくはライン搬送経路の外側の休止位置に移動可能であることを特徴とする。第1のライン搬送装置および第2のライン搬送装置は、任意選択的に、それぞれの作業位置に移動されることができる。これは、一方のライン搬送装置がその作業位置にある間、他方のライン搬送装置がその作業位置の外側に配置されることを意味する。このようにして、所望のラインを常にラインコンベヤからライン処理ステーションに搬送することができ、一方、他のラインは待機位置または休止位置に留まる。現在待機位置または休止位置にあるライン搬送装置はまた、ラインを交換することを可能にし、一方、作業位置にあるライン搬送装置は、別のラインの搬送を可能にし、したがって、中断されない生産プロセスを可能にする。
【0018】
好ましい実施形態は、第1のライン前処理装置が、ライン搬送経路内のその作業位置に配置され、好ましくは駆動装置によって、作業位置から、ライン搬送経路の外側の休止位置に移動可能であることを特徴とする。
【0019】
好ましい実施形態は、第2のライン前処理装置が、ライン搬送経路の外側のその休止位置に配置され、好ましくは駆動装置によって、休止位置から、第2のライン前処理装置がライン搬送経路内にある作業位置に移動可能であることを特徴とする。
【0020】
これにより、ラインを、休止位置にあるライン前処理装置内に導入するまたは通すことができ、一方、作業位置にある他のライン前処理装置を、製造プロセスに使用することができる。
【0021】
好ましい実施形態は、第1のライン搬送装置は、ライン搬送経路に沿ってラインコンベヤに対して相対的に移動可能であること、および/または、第2のライン搬送装置は、ライン搬送経路に沿ってラインコンベヤに対して相対的に移動可能であることを特徴とする。このようにして、ライン搬送装置は、ラインコンベヤから離れるようにもラインコンベヤに向かうようにも移動可能であり、これは、ライン入口が合流部の形態で形成された場合で、ライン搬送装置またはライン搬送装置から突出する部分が作業位置においてその合流部内に突出する場合に、特に有利である。
【0022】
好ましい実施形態は、第1および第2のライン前処理装置および/または第1および第2のライン搬送装置が、共通のキャリアによって担持され、キャリアが、好ましくは駆動装置によって、ライン搬送経路に対して横方向に移動可能であることを特徴とする。このようにして、それぞれの装置の作業位置と休止位置との間の切り替えは、容易に、同期して、少数の駆動装置で実行されることができる。
【0023】
好ましい実施形態は、第1のライン搬送装置が、好ましくは第1の駆動装置によって、好ましくはライン搬送経路に平行に、キャリアに対して相対的に移動可能であり、第2のライン搬送装置が、好ましくは第2の駆動装置によって、好ましくはライン搬送経路に平行に、キャリアに対して相対的に移動可能であることを特徴とする。その結果、ラインコンベヤからの、またはラインコンベヤへのライン搬送装置の移動の自由度が、簡単な方法で実現される。
【0024】
好ましい実施形態は、第1のライン前処理装置と第1のライン搬送装置との間に第1のラインガイドが延在し、好ましくは、第1のラインガイドは、ガイド方向において長さが可変であること、および/または、第2のライン前処理装置と第2のライン搬送装置との間に第2のラインガイドが延在し、好ましくは、第2のラインガイドは、ガイド方向において長さが可変であることを特徴とする。ガイドは、ラインがラインコンベヤの作用領域から、特に作業搬送方向と反対に移動されるときに、ライン前処理装置とそれと関連するライン搬送装置との間のラインのたるみや座屈が防止されることを保証する。長さが可変であるガイドは、ライン前処理装置とそれと関連するライン搬送装置との間の距離も可変であり得る(例えば、ライン搬送装置がラインコンベヤから離れてライン前処理装置に向かって移動する場合、およびその逆の場合)という事実を考慮に入れる。
【0025】
好ましい実施形態は、ラインガイドが、少なくとも2つの、押して相互に入り込むように移動可能な、好ましくは入れ子式の、ガイドセクションから形成されること、および/または、ラインガイドが、少なくとも1つのばねストランドによって形成されることを特徴とする。その結果、ライン前処理装置とそれと関連するライン搬送装置との間の可変距離に、簡単な方法で対応することができる。
【0026】
好ましい実施形態は、第1のライン搬送装置および/または第2のライン搬送装置が、ライン搬送経路に沿って移動可能であり、および/または、ライン搬送経路から休止位置に移動可能であることを特徴とする。作業位置と休止位置との間のライン搬送装置の搬送は、2つの段階で実行することができ、少なくとも2つの自由度(ライン搬送経路に対して平行な移動および横方向の移動)によって実現することができる。しかしながら、ライン搬送装置をライン搬送経路から旋回させることも可能である。
【0027】
好ましい実施形態は、ライン搬送装置が、その作業位置においてライン入口に面し、好ましくは交換可能であって、好ましくはガイドチューブまたはガイドノズルの形態の、ラインガイド要素を有し、好ましくは、ラインガイド要素は、ライン搬送装置の作業位置においては、ラインコンベヤの合流領域内に突出し、作業位置から外れた位置においては、合流領域の外側に配置されることを特徴とする。ラインガイド要素は、ラインコンベヤへのラインの搬送を、特に信頼性があり、エラー耐性があるものにする。
【0028】
好ましい実施形態は、ライン搬送装置が、好ましくはアクチュエータによって、ラインを固定する位置とラインを解放する位置との間で作動可能であるライン固定装置を有し、好ましくは、ライン固定装置が、ラインをクランプするための少なくとも1つの移動可能な固定要素を有することを特徴とする。固定の利点は、ライン搬送装置が(ラインと共に)その作業位置とその休止位置との間を移動するとき、ラインが規定された位置に保持されることである。さらに、ラインは、ラインコンベヤの作用領域内への導入時には、規定された位置に保持され、ライン搬送装置の移動中には、ライン搬送装置に対して相対的に変位しないことが保証される。これにより、ライン端部を確実にラインコンベヤに搬送することができる。
【0029】
好ましい実施形態は、ライン固定装置が、好ましくは駆動装置によって、ライン搬送経路に沿ってラインガイド要素に対して相対的に移動可能であることを特徴とする。その結果、ラインコンベヤによって把持されるべきライン端部は、ラインガイド要素から所望の範囲まで突出するように配置され得る。この場合、ラインの突出端部は、ラインコンベヤの作用領域内に簡単に移動させることができる。
【0030】
好ましい実施形態は、ラインコンベヤが、好ましくはコントローラによって制御されるアクチュエータを用いて、ラインコンベヤによってラインを搬送可能な作業位置から、ラインを解放する位置に移動可能であることを特徴とする。ラインが解放されるとすぐに、ライン搬送装置は、保持しているラインまたはライン端部をラインコンベヤの作用領域内または作用領域外に移動させることができる。
【0031】
好ましくは、ラインコンベヤは、ベルトコンベヤの形態で形成され、好ましくは、ベルトコンベヤは、第1の(循環)ベルトと第2の(循環)ベルトとを含み、ライン搬送経路は、第1のベルトと第2のベルトとの間を走行する。第1のベルトは、(ラインを解放する位置に到達するために)第2のベルトから離れるように移動可能である。
【0032】
好ましい実施形態は、ライン供給装置が、ライン前処理装置、ライン搬送装置、およびラインコンベヤ、特に、それらの駆動装置および/またはアクチュエータを制御するように形成された、コントローラを有することを特徴とする。これは、自動化された製造プロセスだけでなく、ラインの、大幅に自動化された交換または除去も可能にする。
【0033】
好ましい実施形態は、ライン搬送装置が、ラインを検出および/または位置決定するためにライン供給装置のコントローラに接続された少なくとも1つのセンサを有し、好ましくは、センサは、コントローラに接続されていることを特徴とする。その結果、例えばライン固定装置を用いて、ライン搬送装置の内側のラインの正確な位置を確定し、および/またはその位置に到達することができる。
【0034】
本発明の目的はまた、少なくとも1つのライン処理ステーション、特に切断ステーションおよび/または剥離ステーションおよび/または装着ステーションと、少なくとも1つのライン処理ステーションにラインを供給するための本発明によるライン供給装置とを有する、ライン処理装置によって達成される。
【0035】
本発明の目的はまた、本発明によるライン供給装置によって少なくとも1つのラインを取り扱うための方法であり、特に、ラインをライン処理ステーションに供給するための方法、および/または、ラインを交換または除去するための方法によって達成される。
【0036】
好ましい実施形態は、ライン供給装置にて/からラインを交換または除去するために、(少なくとも一部がラインコンベヤの作用領域にある)(第1の)ラインがラインコンベヤの作用領域から自動的に移動され、好ましくは、(第1の)ラインはライン搬送経路の外側の休止位置に自動的に移動されること、および/または、ラインをライン供給装置にて交換するために、(第2の)ラインが、ライン搬送経路の外側の休止位置からラインコンベヤの作用領域に自動的に移動されることを特徴とする。これに関連して、自動とは、上述の動作がもはや手動で実行される必要がなく、コントローラによって制御される駆動装置およびアクチュエータを使用して完全に自動的に実行される必要があることを意味する。
【0037】
好ましい実施形態は、ライン供給装置にて/からラインを交換または除去するために、工程(a)において、ラインコンベヤが、好ましくはライン端部がラインコンベヤのライン入口の領域に来るまで、ラインを作業搬送方向とは逆方向に搬送し、工程(b)において、第1のライン搬送装置が、好ましくは少なくとも1つの駆動装置によって、ラインと共に、ラインコンベヤのライン入口の領域におけるその作業位置から、ライン搬送経路の外側の休止位置へ移動されることを特徴とする。
【0038】
好ましい実施形態は、工程(a)の後、好ましくは工程(b)の前および/または間に、ライン搬送装置のライン固定装置がラインを固定し、好ましくは、作業搬送方向と反対のライン固定装置の移動によってライン端部がラインコンベヤの作用領域から完全に外れることを特徴とする。
【0039】
好ましい実施形態は、工程(a)を実施するために、好ましくはコントローラによって制御されるアクチュエータを用いて、好ましくはライン前処理装置の少なくとも1つの直線化機構が開かれることによって、ライン前処理装置が、ラインを解放する位置に移動されることを特徴とする。
【0040】
好ましい実施形態は、工程(b)による第1のライン搬送装置の移動が、作業搬送方向に対して横方向の、第1のライン搬送装置の移動を含み、好ましくは、工程(b)によるライン搬送装置の移動が、この横方向移動に先行する、作業搬送方向と反対の移動を含むことを特徴とする。
【0041】
好ましい実施形態は、上述のように、ライン供給装置が、第2のライン前処理装置と第2のライン搬送装置とを備え、好ましくは工程(b)の間または後に行われる、工程(c)において、第2のライン搬送装置が、第2のラインと共に、その休止位置から、ラインコンベヤのライン入口の領域の作業位置へ移動され、第2のラインの端部(好ましくはライン先端)が、第2のライン搬送装置によってラインコンベヤの作用領域内へ移動されることを特徴とする。
【0042】
好ましい実施形態は、工程(c)の前および/または間に、第2のライン搬送装置のライン固定装置が第2のラインを固定すること、および/または、第2のラインを固定する第2のライン搬送装置のライン固定装置が作業搬送方向に移動されることによって、第2のラインの端部(好ましくはライン先端)がラインコンベヤの作用領域内へ移動されることを特徴とする。
【0043】
好ましい実施形態は、第2のラインの端部(好ましくはライン先端)がラインコンベヤの作用領域内へ移動された後、ラインコンベヤが、好ましくは、コントローラによって制御されるアクチュエータを用いて、解放位置から閉鎖位置に移動され、ライン固定装置が、好ましくは、コントローラによって制御されるアクチュエータを用いて、ラインを解放する位置に移動されることを特徴とする。
【0044】
好ましい実施形態は、第2のラインの端部がラインコンベヤの作用領域内へ移動された後、および/または、ラインコンベヤが解放位置から閉鎖位置に移動された後、第2のライン前処理装置の少なくとも1つの直線化機構が、(第2のラインに割り当てられた閉鎖位置へ)自動的に閉鎖されることを特徴とする。閉鎖位置の値は、コントローラのデータ記録に記憶することができ、そこから取り出すことができる。
【0045】
好ましい実施形態は、ラインを解放する位置までライン固定装置が移動された後に、好ましくはラインの前端部が所定の基準位置に到達するまで、ラインコンベヤが、ラインを作業搬送方向に搬送することを特徴とする。
【0046】
好ましい実施形態は、ライン前処理装置、ライン搬送装置、およびラインコンベヤ、特に、それらの駆動装置および/またはアクチュエータが、コントローラによって制御されることを特徴とする。
【0047】
本発明のさらなる利点、特徴、および詳細は、本発明の例示的な実施形態が図面を参照して説明される以下の説明から得られる。
【0048】
特許請求の範囲および図面の技術的内容と同様に、参照記号のリストは、本開示の一部である。これらの図は、一貫して包括的に記載されている。同一の参照符号は同一の構成要素を示し、異なる符号を有する参照符号は機能的に同一または類似の構成要素を示す。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【
図1】本発明によるライン供給装置の実施形態を示す。
【
図2】本発明によるライン供給装置のさらなる実施形態を示す。
【
図3】ラインを交換した後の
図2のライン供給装置を示す。
【
図6】コントローラと、コントローラに接続された駆動装置、アクチュエータ、およびセンサとを有するライン供給装置の、制御技術レベルを示す。
【発明を実施するための形態】
【0050】
図1は、ライン供給装置3の第1の実施形態を示す。これは、ライン(ワイヤ)1をライン処理ステーション9に供給するのに役立つ。ライン供給装置3は、ライン1が前処理される(第1の)ライン前処理装置10を、ライン搬送経路7に沿って備える。これは、例えば、ライン1を直線化するための直線化機構であってもよい。直線化に加えて、または直線化の代替として、ライン前処理装置10は、ラインの他の前処理、例えば、マーキング、ラベル付け、着色、および/または(部分的におよび/または断片的に)剥離、切断などを有することもできる。
【0051】
また、ライン供給装置3は、ライン1をライン搬送経路7に沿って作業搬送方向8に搬送するラインコンベヤ4を有し、ラインコンベヤ4は、(
図2でも分かるように)ライン入口5とライン出口6とを備えている。ライン入口5は、ライン搬送装置11に面している。ライン出口6は、処理ステーション9に面している。
【0052】
実施形態に示すように、ラインコンベヤ4は、ベルトコンベヤの形態で形成され、ベルトコンベヤは、第1の(循環)ベルトおよび第2の(循環)ベルトを含み、ライン搬送経路7は、第1のベルトと第2のベルトとの間を走行する。第1のベルトは、(ライン1を解放する位置に到達するために)第2のベルトから離れるように移動可能であってもよい。
【0053】
ライン供給装置3はまた、(第1の)ライン前処理装置10に割り当てられ、ライン入口5の領域においてライン1をラインコンベヤ4に搬送するための(第1の)ライン搬送装置11を含む。
【0054】
第1のライン搬送装置11は、その作業位置において、ラインコンベヤ4のライン入口5の領域に配置され、好ましくは少なくとも1つの駆動装置によって、その作業位置から移動可能である。
【0055】
図1において、ライン搬送装置11およびライン前処理装置10は、作業位置(実線)にある。破線にて、ライン搬送装置11およびライン前処理装置10の待機位置または休止位置が示されている。休止位置(アイドル位置)では、ライン搬送装置11は、ラインコンベヤ4に対して(より大きく)隔たったところにあり、および/または、ライン搬送経路7の外側にある(
図1)。
【0056】
ライン搬送装置11の(破線の)休止位置では、ライン1は交換されるか、次の使用を待つことができる。ライン搬送装置11に保持されたラインは、自動的にライン搬送経路およびラインコンベヤ4の作用領域に戻され得る。このために必要なことは、ライン搬送装置11を二重矢印に沿って移動させることだけである。
【0057】
図2および
図3は、ライン供給装置3が、第1のライン前処理装置10に加えて、第2のライン前処理装置20を備え、好ましくは、ライン2を直線化するための少なくとも1つの直線化機構も有する、さらなる実施形態を示す。
【0058】
図2および
図3において、ライン前処理装置10,20の直線化機構は、それぞれ、コントローラ32(
図6参照)によって制御されるアクチュエータ33,34を用いて、好ましくはそれぞれの直線化機構が開かれる(すなわち、ローラが離れる)ことによって、ライン1を解放する位置へ移動され得る。
【0059】
第2のライン前処理装置20には、(ライン入口5の領域において第2のライン2をラインコンベヤ4に搬送するための)第2のライン搬送装置21が割り当てられている。第2のライン搬送装置21は、その作業位置(
図3)において、ラインコンベヤ4のライン入口5の領域に配置され、好ましくは少なくとも1つの駆動装置22,31によって、その作業位置から移動可能である。
図2において、第2のライン搬送装置21は、第2のライン前処理装置20と共に休止位置にある。
【0060】
第1のライン搬送装置11は、第1のライン前処理装置10と共に、
図2では作業位置にあり、
図3では休止位置にある。
【0061】
第1のライン前処理装置10は、ライン搬送経路7内のその作業位置に配置されている(
図2)。それは、駆動装置31によって、作業位置からライン搬送経路7の外側の休止位置に移動可能である(
図3)。第2のライン前処理装置20は、ライン搬送経路7内のその作業位置に配置されている(
図3)。それは、駆動装置31によって、作業位置から、ライン搬送経路7の外側の休止位置に移動可能である(
図2)。
【0062】
第1のライン搬送装置11および第2のライン搬送装置21は、それぞれ、(自身の)駆動装置12,22によって、ライン搬送経路7に沿ってラインコンベヤ4に対して相対的に移動可能である。
【0063】
図2および
図3から分かるように、第1および第2のライン前処理装置10,20、および任意選択的に、第1および第2のライン搬送装置11,21は、共通のキャリア30によって担持されることができる。キャリア30は、駆動装置31によって、ライン搬送経路7に対して横方向に、好ましくは垂直に、移動可能である。
【0064】
第1のライン搬送装置11は、第1の駆動装置12によって、(ここではライン搬送経路7に平行に)キャリア30に対して相対的に移動可能である。同様に、第2のライン搬送装置21は、第2の駆動装置22によって、(ここではライン搬送経路7に平行に)キャリア30に対して相対的に移動可能である。
【0065】
これにより、第1のライン搬送装置11および/または第2のライン搬送装置21が、ライン搬送経路7に沿って移動可能であり、および/または、ライン搬送経路7から離れて、すなわちライン搬送経路7に対して横方向に、休止位置へ移動可能であることを確実にすることが容易になる。
【0066】
第1のライン前処理装置10と第1のライン搬送装置11との間、および、第2のライン前処理装置20と第2のライン搬送装置21との間には、それぞれラインガイド13,23を設けることができる。ラインガイド13,23は、好ましくは、ガイド方向において(すなわち、ライン搬送経路7に沿って)長さが可変である。
【0067】
長さの可変性は、例えば、少なくとも2つの、押して相互に入り込むように移動可能な、好ましくは入れ子式の、ガイドセクション14,15;24,25によって実現することができる。同様に、ラインガイド13;23は、その長さが可変である少なくとも1つのばねストランドによって形成されてもよい。
【0068】
ライン搬送装置11,21は、その作業位置においてラインコンベヤ4のライン入口5に面し、好ましくは交換可能な、ラインガイド要素16,26を有することができる。これは、ガイドチューブまたはガイドノズルの形態とすることができる。好ましくは、ラインガイド要素16,26は、それぞれのライン搬送装置11,21の作業位置において、ラインコンベヤ4の合流領域内に突出する(
図2、
図3)。作業位置から外れた位置においては、ラインガイド要素16,26は、ラインコンベヤ4の合流領域の外側に配置される。
【0069】
図2および
図3、また
図4および
図5は、ライン搬送装置がそれぞれライン固定装置17,27を有することができ、これらのライン固定装置は、ここではアクチュエータ37(
図5)によって、ライン1,2を固定する位置とライン1,2を解放する位置との間で作動可能であることを詳細に示している。固定要素38は、アクチュエータ37によって別の固定要素38に向かって移動可能であり、ラインをクランプすることができる。
【0070】
ライン固定装置17,18は、ライン搬送経路7に沿ってラインガイド要素16,26に対して相対的に移動可能である。この目的のために、駆動装置18,28を設けることができる。
【0071】
ラインコンベヤ4は、好ましくはコントローラ32によって制御されるアクチュエータ35によって、ラインコンベヤ4によってライン1,2を搬送可能な作業位置から、ライン1,2を解放する位置に移動され得る。
【0072】
ラインコンベヤ4の搬送駆動装置36、すなわちラインの搬送を生じさせる駆動装置は、
図2および
図3に概略的に示されている。
【0073】
図6から分かるように、ライン供給装置3は、ライン前処理装置10,20、ライン搬送装置11,21、およびラインコンベヤ4、特に、それらの駆動装置12,22,18,28,31,36および/またはアクチュエータ33,34,35,37を制御するために形成されたコントローラ32も有する。
【0074】
好ましくは、ライン搬送装置11,21は、ライン1,2を検出および/または位置決定するためにライン供給装置3のコントローラ32に接続された少なくとも1つのセンサ19,29を有し、好ましくは、センサ19,29は、コントローラ32に接続されている。
【0075】
ライン供給装置3と、下流の少なくとも1つのライン処理ステーション9、特に切断ステーションおよび/または剥離ステーションおよび/または装着ステーションとの組み合わせは、ライン処理装置を形成する。
【0076】
上述の駆動装置12,22,18,28,31,36の各々は、特に、電気、磁気、空気圧および/または油圧駆動装置を含むことができ、例えば、モータ、シリンダまたはシリンダピストンユニット、歯付きラック等として形成することができる。上述したアクチュエータ33,34,35,37は、同じまたは同様の方法で形成することができる。したがって、アクチュエータは、電気的に、磁気的に、空気圧的におよび/または油圧的に作動可能である。好ましくは、駆動装置およびアクチュエータの少なくともいくつか、好ましくは全てが制御インターフェースを有し、それを用いて駆動装置およびアクチュエータがコントローラ32に(有線または無線で)接続される。ラインを検出および/または位置決定する役割を果たすライン搬送装置11,21のセンサ19,29は、例えば、光学センサ(カメラを含む)、タッチセンサ、磁気センサまたは容量センサとすることができる。
【0077】
以下では、ライン供給装置3を用いて実施することができる、ライン1,2を取り扱うための方法であり、特に、ライン1,2をライン処理ステーション9に供給するための方法、および/または、ライン1,2を交換または除去するための方法を、より詳細に説明する。
【0078】
これにより、ライン1,2をライン供給装置3にて/から交換または除去するために、(現在はラインコンベヤ4内にある)ライン1をラインコンベヤ4から自動的に移動させることができる。この目的のために、ラインコンベヤ4は、ラインがライン入口5から出るように、作業搬送方向とは反対方向に作動される。次に、ライン1は、ライン搬送装置11によって、ライン搬送経路7の外側の休止位置に自動的に移動される(すなわち、ラインはライン搬送経路7に対して横方向に移動される)。ライン1を備えたライン搬送装置11の休止位置は
図3に示されている。
【0079】
工程(a)では、ラインコンベヤ4は、好ましくはライン端部がラインコンベヤ4のライン入口5の領域に来るまで、ライン1を作業搬送方向8とは逆方向に搬送することができる。
【0080】
工程(b)において、第1のライン搬送装置11は、ライン1と共に、ラインコンベヤ4のライン入口5の領域におけるその作業位置から、ライン搬送経路7の外側の休止位置へ移動させることができる(
図1の破線表示または
図3を参照)。これは、好ましくは、少なくとも1つの駆動装置12,31によって行われる。
【0081】
工程(a)の後、好ましくは工程(b)の前および/または間に、ライン搬送装置11のライン固定装置17は、ライン1を固定することができる。この場合、好ましくは、ライン端部は、作業搬送方向8と反対のライン固定装置17の移動によって、ラインコンベヤ4の作用領域から完全に外れる。
【0082】
工程(a)を実施するために、ライン前処理装置10は、好ましくはコントローラ32によって制御されるアクチュエータ33を用いて、例えばライン前処理装置10の少なくとも1つの直線化機構が開かれることによって、ライン1を解放する位置に移動され得る。
【0083】
工程(b)による第1のライン搬送装置11の移動は、作業搬送方向8に対して横方向の移動と、任意選択的に、この横方向移動に先行する、作業搬送方向8と反対の移動とを含むことができる。
【0084】
2つのライン搬送装置の場合(
図2および
図3)、好ましくは工程(b)の間または後に行われる、工程(c)において、第2のライン搬送装置21は、第2のライン2と共に、その休止位置から、ラインコンベヤ4のライン入口5の領域のその作業位置へ移動することができ、第2のライン2の端部(好ましくはライン先端)は、第2のライン搬送装置21によってラインコンベヤ4の作用領域内へ移動されることができる。
【0085】
また、第2のライン搬送装置21のライン固定装置27は、工程(c)の前および/または間に、第2のライン2を固定することもできる。さらに、第2のライン2を固定する第2のライン搬送装置21のライン固定装置27が作業搬送方向8に移動されることによって、第2のライン2の端部がラインコンベヤ4の作用領域内へ移動されることができる。
【0086】
第2のライン2の端部がラインコンベヤ4の作用領域内へ移動された後、ラインコンベヤ4は、好ましくは、コントローラ32によって制御されるアクチュエータ35を用いて、解放位置から閉鎖位置に移動され得る。次いで、ライン固定装置27は、好ましくは、コントローラ32によって制御されるアクチュエータ37を用いて、ライン2を解放する位置に移動される。
【0087】
ライン2を解放する位置までライン固定装置27が移動された後に、ラインコンベヤ4は、好ましくはライン2の前端部が(例えば処理ステーションにとって重要な)所定の基準位置に到達するまで、ライン2を作業搬送方向8に搬送する。
【0088】
自動運転では、ライン前処理装置10,20、ライン搬送装置11,21およびラインコンベヤ4、特に、それらの駆動装置12,22,18,28,31,36および/またはアクチュエータ33,34,35,37は、コントローラ32によって制御される。
【0089】
本発明は、記載された実施形態およびそこで強調された態様に限定されない。むしろ、本発明の概念内で多数の修正が可能であり、それらは専門的な行動の範囲内である。本発明の範囲から逸脱することなく、上述の手段および特徴を組み合わせることによって、さらなる設計変形を実施することも可能である。
【符号の説明】
【0090】
1 第1のライン、2 第2のライン、3 ライン供給装置、4 ラインコンベヤ、5 ライン入口、6 ライン出口、7 ライン搬送経路、8 作業搬送方向、9 処理ステーション、10 第1のライン前処理装置、11 第1のライン搬送装置、12 第1のライン搬送装置11のための駆動装置、13 ラインガイド、14 ガイドセクション、15 ガイドセクション、16 ラインガイド要素、17 ライン固定装置、18 ライン固定装置17の駆動装置、19 センサ、20 第2のライン前処理装置、21 第2のライン搬送装置、22 第2のライン搬送装置11のための駆動装置、23 ラインガイド、24 ガイドセクション、25 ガイドセクション、26 ラインガイド要素、27 ライン固定装置、28 ライン固定装置27の駆動装置、29 センサ、30 キャリア、31 キャリア30のための駆動装置、32 コントローラ、33 第1のライン前処理装置10のためのアクチュエータ、34 第2のライン前処理装置20のためのアクチュエータ、35 ラインコンベヤ4のためのアクチュエータ、36 ラインコンベヤ4の搬送駆動装置、37 ライン固定装置27のアクチュエータ、38 ライン固定装置27の固定要素。