(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-03
(45)【発行日】2025-02-12
(54)【発明の名称】通信装置、通信装置の制御方法、通信装置の制御プログラム、情報処理装置、情報処理装置の制御方法、及び情報処理装置の制御プログラム
(51)【国際特許分類】
H04W 52/02 20090101AFI20250204BHJP
H04W 4/38 20180101ALI20250204BHJP
H04W 68/02 20090101ALI20250204BHJP
【FI】
H04W52/02 110
H04W4/38
H04W68/02
(21)【出願番号】P 2023130967
(22)【出願日】2023-08-10
【審査請求日】2023-10-23
(73)【特許権者】
【識別番号】501440684
【氏名又は名称】ソフトバンク株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002516
【氏名又は名称】弁理士法人白坂
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 司
(72)【発明者】
【氏名】倉谷 俊明
(72)【発明者】
【氏名】木戸 智晶
(72)【発明者】
【氏名】熊谷 優斗
【審査官】永田 義仁
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/194252(WO,A1)
【文献】特開2004-247801(JP,A)
【文献】特開平09-331288(JP,A)
【文献】特開平05-183487(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08C13/00-25/04
H03J9/00-9/06
H04B7/24-7/26
H04M1/00
1/24-3/00
3/16-3/20
3/38-3/58
7/00-7/16
11/00-11/10
99/00
H04Q9/00-9/16
H04W4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4、6
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基地局を介して、情報処理装置との間で無線通信を行う通信装置であって、
前記情報処理装置から前記通信装置へデータが送信されたことに応じた前記基地局からの着信を、所定間隔で待ち受ける通信部と、
前記基地局からの着信状況に応じて、前記通信部が前記基地局からの着信を待ち受ける前記所定間隔を変更する変更部と、
前記所定間隔が第1間隔の際に、前記基地局からの着信のタイミングを計時し記録する計時部と、
前記計時部による計時結果に基づいて、所定期間以上にわたって、前記基地局から所定時間以上着信のない時間帯である無着信時間帯を検出する検出部と、
を備え
、
前記変更部は、前記無着信時間帯における前記所定間隔を、前記第1間隔よりも長い第2間隔に変更する、通信装置。
【請求項2】
前記変更部は、前記無着信時間帯の終了時に、前記所定間隔を、前記第2間隔から前記第1間隔へ変更する、
請求項
1に記載の通信装置。
【請求項3】
前記所定時間は、前記第1間隔及び前記第2間隔で待ち受ける際の、前記通信装置における単位時間当たりの各消費電力と、前記変更部による前記所定間隔の変更時における消費電力とに応じて設定される、
請求項
1に記載の通信装置。
【請求項4】
前記通信部は、前記情報処理装置において、当該情報処理装置から前記通信装置へデータが送信されたタイミングの計時結果に基づいて検出された前記無着信時間帯に関する情報を、前記情報処理装置から受信し、
前記変更部は、前記情報に基づいて、前記所定間隔を変更する、
請求項
1に記載の通信装置。
【請求項5】
基地局を介して、情報処理装置との間で無線通信を行う通信装置が、
前記情報処理装置から前記通信装置へデータが送信されたことに応じた前記基地局からの着信を、所定間隔で待ち受けるステップと、
前記基地局からの着信状況に応じて、前記基地局からの着信を待ち受ける前記所定間隔を変更するステップと、
前記所定間隔が第1間隔の際に、前記基地局からの着信のタイミングを計時し記録するステップと、
前記計時するステップによる計時結果に基づいて、所定期間以上にわたって、前記基地局から所定時間以上着信のない時間帯である無着信時間帯を検出するステップと、
を実行する、通信装置の制御方法。
【請求項6】
基地局を介して、情報処理装置との間で無線通信を行う通信装置に、
前記情報処理装置から前記通信装置へデータが送信されたことに応じた前記基地局からの着信を、所定間隔で待ち受ける機能と、
前記基地局からの着信状況に応じて、前記基地局からの着信を待ち受ける前記所定間隔を変更する機能と、
前記所定間隔が第1間隔の際に、前記基地局からの着信のタイミングを計時し記録する機能と、
前記計時するステップによる計時結果に基づいて、所定期間以上にわたって、前記基地局から所定時間以上着信のない時間帯である無着信時間帯を検出する機能と、
を実現させる、通信装置の制御プログラム。
【請求項7】
基地局を介して、通信装置との間で無線通信を行う情報処理装置であって、
前記情報処理装置から前記通信装置へデータが送信されたことに応じた前記基地局からの着信を待ち受ける所定間隔が第1間隔である前記通信装置へデータを送信したタイミングを計時し記録する計時部と、
前記計時部による計時結果に基づいて、所定期間以上にわたって、前記基地局から前記通信装置への着信が生じない時間帯である無着信時間帯を検出する検出部と、
前記無着信時間帯において、前記通信装置における
前記所定間隔を
、前記第1間隔よりも長い第2間隔に変更させる指令を、前記通信装置へ送信する通信部と、を備える、情報処理装置。
【請求項8】
基地局を介して、通信装置との間で無線通信を行う情報処理装置に、
前記情報処理装置から前記通信装置へデータが送信されたことに応じた前記基地局からの着信を待ち受ける所定間隔が第1間隔である前記通信装置へデータを送信したタイミングを計時し記録するステップと、
前記計時するステップによる計時結果に基づいて、所定期間以上にわたって、前記基地局から前記通信装置への着信が生じない時間帯である無着信時間帯を検出する検出部と、
前記無着信時間帯において、前記通信装置における
前記所定間隔を
、前記第1間隔よりも長い第2間隔に変更させる指令を、前記通信装置へ送信するステップと、
を実行させる、情報処理装置の制御方法。
【請求項9】
基地局を介して、通信装置との間で無線通信を行う情報処理装置に、
前記情報処理装置から前記通信装置へデータが送信されたことに応じた前記基地局からの着信を待ち受ける所定間隔が第1間隔である前記通信装置へデータが送信されたタイミングを計時し記録する機能と、
前記計時し記録する機能による計時結果に基づいて、所定期間以上にわたって、前記基地局から前記通信装置への着信が生じない時間帯である無着信時間帯を検出する機能と、
前記無着信時間帯において、前記通信装置における
前記所定間隔を
、前記第1間隔よりも長い第2間隔に変更させる指令を、前記通信装置へ送信する機能と、
を実現させる、情報処理装置の制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信装置、通信装置の制御方法、通信装置の制御プログラム、情報処理装置、情報処理装置の制御方法、及び情報処理装置の制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、各家庭の電気、水道、ガス等の使用量を表すメーター値等のデータを、無線ネットワークを用いて収集・中継し、遠隔の検針センタ等のデータ収集センタに伝送する遠隔データ収集システムが存在する(例えば、特許文献1)。この、メーターに通信機能を持たせたいわゆるスマートメーターは、近年のIoT(Internet of Things)/M2M(Machine to Machine)技術の広がりとともに普及が進んでいる。
【0003】
なお、IoT/M2M通信に関し、LTE(Long Term Evolution)等の移動通信システムに関する標準仕様の策定を進める3GPP(Third Generation Partnership Project)(登録商標)は、既存の移動通信向け無線ネットワーク(モバイルネットワーク/セルラーネットワーク)をIoT/M2M通信に利用するための検討を進め、IoT/M2M通信を含むMTC(Machine Type Communication)に関する標準化を行なっている。3GPPは、IoT/M2M通信に関して、例えば、非特許文献1,2の技術仕様群(リリース(Release))を公開している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【非特許文献】
【0005】
【文献】3GPP TS24.301 V13.6.1, 3rd Generation Partnership Project; Technical Specification Group Core Network and Terminals; Non-Access-Stratum (NAS) protocol for Evolved Packet System (EPS); Stage 3 (Release 13)
【文献】3GPP TS23.682 V13.5.0, 3rd Generation Partnership Project; Technical Specification Group Services and System Aspects; Architecture enhancements to facilitate communications with packet data networks and applications (Release 13)
【発明の概要】
【0006】
外部から電力を供給されず電池によって駆動されるIoT/M2Mデバイスは、電池寿命の観点から、消費電力を低減することが求められる。上記の非特許文献1,2は、IoT/M2Mデバイスの低消費電力化の技術として、eDRX(extended Discontinuous Reception)技術を公開している。eDRXは、IoT/M2Mデバイスが、下りリンクの信号を間欠的に受信し、受信しない間は無線通信機能を停止させる技術である。
【0007】
eDRXの低消費電力化の技術を柔軟に利用した、自装置の消費電力を抑える仕組みが必要とされていた。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一実施形態に係る、基地局を介して、情報処理装置との間で無線通信を行う通信装置は、情報処理装置から通信装置へデータが送信されたことに応じた基地局からの着信を、所定間隔で待ち受ける通信部と、基地局からの着信状況に応じて、通信部が基地局からの着信を待ち受ける所定間隔を変更する変更部と、を備える。
【0009】
本発明の一実施形態に係る通信装置は、所定間隔が第1間隔の際に、基地局からの着信のタイミングを計時し記録する計時部と、計時部による計時結果に基づいて、所定期間以上にわたって、基地局から所定時間以上着信のない時間帯である無着信時間帯を検出する検出部とをさらに備え、変更部は、無着信時間帯における所定間隔を、第1間隔よりも長い第2間隔に変更してもよい。
【0010】
本発明の一実施形態に係る通信装置において、変更部は、無着信時間帯の終了時に、所定間隔を、第2間隔から第1間隔へ変更してもよい。
【0011】
本発明の一実施形態に係る通信装置において、所定時間は、第1間隔及び第2間隔で待ち受ける際の、通信装置における単位時間当たりの各消費電力と、変更部による所定間隔の変更時における消費電力とに応じて設定されてもよい。
【0012】
本発明の一実施形態に係る通信装置において、通信部は、情報処理装置において、当該情報処理装置から通信装置へデータが送信されたタイミングの計時結果に基づいて検出された無着信時間帯に関する情報を、情報処理装置から受信し、変更部は、情報に基づいて、所定間隔を変更してもよい。
【0013】
本発明の一実施形態に係る通信装置の制御方法は、基地局を介して、情報処理装置との間で無線通信を行う通信装置が、情報処理装置から通信装置へデータが送信されたことに応じた基地局からの着信を、所定間隔で待ち受けるステップと、基地局からの着信状況に応じて、基地局からの着信を待ち受ける所定間隔を変更するステップと、を実行する。
【0014】
本発明の一実施形態に係る通信装置の制御プログラムは、基地局を介して、情報処理装置との間で無線通信を行う通信装置に、情報処理装置から通信装置へデータが送信されたことに応じた基地局からの着信を、所定間隔で待ち受ける機能と、基地局からの着信状況に応じて、基地局からの着信を待ち受ける所定間隔を変更する機能と、を実現させる。
【0015】
本発明の一実施形態に係る情報処理装置は、基地局を介して、通信装置との間で無線通信を行う情報処理装置であって、通信装置へデータを送信したタイミングを計時し記録する計時部と、計時部による計時結果に基づいて、所定期間以上にわたって、基地局から通信装置への着信が生じない時間帯である無着信時間帯を検出する検出部と、無着信時間帯において、通信装置における、情報処理装置から通信装置へデータが送信されたことに応じた基地局からの着信を待ち受ける所定間隔を変更させる指令を、通信装置へ送信する通信部と、を備える。
【0016】
本発明の一実施形態に係る情報処理装置の制御方法は、基地局を介して、通信装置との間で無線通信を行う情報処理装置に、通信装置へデータを送信したタイミングを計時し記録するステップと、計時するステップによる計時結果に基づいて、所定期間以上にわたって、基地局から通信装置への着信が生じない時間帯である無着信時間帯を検出する検出部と、無着信時間帯において、通信装置における、情報処理装置から通信装置へデータが送信されたことに応じた基地局からの着信を待ち受ける所定間隔を変更させる指令を、通信装置へ送信するステップと、を実行させる。
【0017】
本発明の一実施形態に係る情報処理装置の制御プログラムは、基地局を介して、通信装置との間で無線通信を行う情報処理装置に、通信装置へデータが送信されたタイミングを計時し記録する機能と、計時し記録する機能による計時結果に基づいて、所定期間以上にわたって、基地局から通信装置への着信が生じない時間帯である無着信時間帯を検出する機能と、無着信時間帯において、通信装置における、情報処理装置から通信装置へデータが送信されたことに応じた基地局からの着信を待ち受ける所定間隔を変更させる指令を、通信装置へ送信する機能と、を実現させる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態に係る通信システム及び通信装置を概略的に示す機能ブロック図である。
【
図2】
図2は、eDRX及びPSMの概略を説明する図である。
【
図3】
図3は、本発明の一実施形態に係る通信装置の制御フローの一例である。
【
図4】
図4は、本発明の一実施形態を説明するための概略図である。
【
図5】
図5は、本発明の一実施形態に係る、通信装置、基地局、及びコアネットワーク間のシーケンスの一例を示す図である。
【
図6】
図6は、本発明の一実施形態を説明するための概略図である。
【
図7】
図7は、本発明の一実施形態に係る、通信装置及びサーバ間のシーケンスの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以降、諸図面を参照しながら、本発明の一実施形態を詳細に説明する。なお、図は一例であって、本発明は図に示すものに限定されない。例えば、図示した通信装置(IoTデバイス)、サーバ(情報処理装置)、基地局の数、機能ブロック図、及びシーケンス図等は一例であって、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0020】
<システム構成>
図1は、本発明の一実施形態に係る通信システムの構成例を示す図である。通信システム600は、IoTデバイスである通信装置100(100A,100B,100C)とサーバ(情報処理装置)200との間の、各種データのやり取りを実現するシステムであってよい。
【0021】
通信システム600は、サーバ200、通信装置(UE:User Equipment)100(100A,100B,100C)、ネットワーク400を含んでよい。なお、ネットワーク400は、基地局(eNB:eNodeB)20と通信装置100とがデータをやり取りする無線アクセスネットワーク(E-UTRAN(Evolved Universal Terrestrial Radio Network))と、コアネットワーク(EPC:Evolved Packet Core)10とを含んでよい。なお、
図1において、通信装置100、基地局20、コアネットワーク10、サーバ200を構成する各構成要素は、プロセッサがメモリに格納されたプログラムを実行することによって動作するコンピュータ装置であってもよい。
【0022】
通信装置100は、基地局20に接続され、基地局20のセル内に存在(在圏)する各種IoTデバイスであってよい。なお、本発明の一実施形態において、通信装置100は、ガス(都市ガス、LPガス)、水道、電気等の図示しないメーター(測定装置)に接続され、メーターの検針データ等を送信するIoTデバイスであってよい。なお、通信装置100は、自装置またはメーターが備える内蔵電池からの電力供給を受けて駆動するものであってよい。
【0023】
サーバ200は、各通信装置100から送信された各メーターの検針値等を処理し、メーターの管理者へ必要なデータを受け渡す、IoT-PF(プラットフォーム)として機能してよい。サーバ200は、ネットワーク400を介して通信装置100を遠隔制御してもよく、管理者が待機する図示しない集中監視センタに接続されてよい。
【0024】
なお、通信装置100、基地局20、及びサーバ200の数は図示したものに限定されず、これ以上存在してもよい。また、通信システム600は、図示しないデータベースサーバをさらに備えてよく、データベースサーバは、本発明の一実施形態に係る通信システム600の機能の実現に必要な各種データを格納してもよい。
【0025】
サーバ200と通信装置100とは、所定のプロトコルに従ってデータの送受信を行ってよい。所定のプロトコルは、例えば、Open Mobile Alliance(OMA)によって策定されたプロトコルであるLightweight M2M(LwM2M)、MQTT(Message Queue Telemetry Transport)、及びCoAP(Constrained Application Protocol)等のプロトコルであってよい。
【0026】
通信システム600の各構成要素は、LTEにおけるIoT/M2Mデバイス向けの無線通信規格である、NB-IoT(Narrow Band IoT)、Category M(Cat.M:カテゴリーM)、Category M1(Cat.M1:カテゴリーM1)等を用いた通信を行ってよい。しかしながら、本発明はこれらに限らず、通信システム600において、例えば、第5世代(5G)の通信規格や、第6世代(6G)以降の通信規格が利用されてもよい。
【0027】
基地局20は、通信装置100との間で無線セッション(RRC Connection)を確立して直接に通信を行い、コアネットワーク10と通信装置100との間でパケットの転送を行う。基地局20は、通信装置100からの発信(上りリンクデータの通知)を受け付けたり、例えばサーバ200から送信された、通信装置100向けの下りリンクデータがある場合に、通信装置100を呼び出すためのページング(Paging)を送信したりする。
【0028】
コアネットワーク10は、図示しないMME(Mobility Management Entity:モビリティ管理エンティティ)、S-GW(Serving Gateway:サービング・ゲートウェイ)、P-GW(Packet Data Network Gateway:パケット・データ・ネットワーク・ゲートウェイ)等を含んでよい。MMEは、通信装置100の位置管理、認証管理や、各ノード間のセッションの管理(すなわち、通信ベアラの管理)等を行う機能を有する。また、MMEは、通信装置100を呼び出す際に、基地局20へページングを送信する機能も有する。S-GWは、基地局20とコアネットワーク10との間で、ユーザパケットのルーティングや転送を行うゲートウェイとしての機能を有する。P-GWは、コアネットワーク10以降のIP通信網で使用可能な通信装置100のIP(Internet Protocol)アドレスを割り当て、そのIPアドレスによって、通信装置100とネットワーク400の外部ネットワークとの通信を可能とするゲートウェイとしての機能を有する。
【0029】
<通信装置>
通信装置100は、基地局20を介して、サーバ100との間で無線通信を行ってよい。通信装置100は、制御部110、通信部120、入出力インタフェース(I/F)130、内蔵電池150、及び記憶部170を備えてよい。通信装置100の各構成要素は、プロセッサがメモリに格納されたプログラムを実行することによって処理が実行されるソフトウェアもしくはモジュールであってもよい。または、通信装置100を構成する各構成要素は、回路もしくはチップ等のハードウェアであってもよい。
【0030】
通信部120は、ネットワークアダプタ等のハードウェアや通信用ソフトウェア、及びこれらの組み合わせとして実装されてよい。通信部120は、所定の通信方式で基地局20との間で無線通信を行い、ネットワーク400を介して、サーバ200との間で各種データの送受信を行ってよい。なお、通信部120は、IoTデバイスにおける低消費電力化の規格であるLPWA(Low Power Wide Area)として、DRX(Discontinuous Reception)やeDRX、PSM(Power Saving Mode)に対応した通信が可能であってよい。すなわち、通信部120は、サーバ100から通信装置100へデータが送信されたことに応じた基地局20からの着信を、所定間隔で待ち受けてよい(所定間隔については後述する)。
【0031】
入出力I/F130は、図示しないメーターとの接続インタフェースであってよい。なお、通信装置100は、入出力I/F130を介して、メーターとは別個の通信装置としてメーター外部に接続されてもよいし、メーターの内部に、例えば通信ボードとして組み込まれていてもよい。また、入出力I/F130は、メーターから通信装置100へ電力を供給するインタフェースであってよい。
【0032】
内蔵電池150は、通信装置100を駆動する電力供給源であって、リチウム電池、リチウムイオン電池等であってよい。なお、一実施形態において、通信装置100は内蔵電池150を備えず、内蔵電池を備えるメーターから電力を供給されてもよい。
【0033】
記憶部170は、通信装置100が動作するうえで必要とする各種プログラムや、各種データを記憶(格納)してよい。記憶部170は、例えば、半導体メモリ(磁気メモリ、フラッシュメモリ等)を含んでよい。また、記憶部170は、制御部110に対する作業領域を提供するメモリ(RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等)を含んでよい。また、本発明の一実施形態において、記憶部170は、DRA,eDRXに対応した動作を実行するための各種パラメーター、ネットワーク400に接続するための各種ネットワークパラメーター(例えば、IPアドレス等)、通信装置100に固有の識別情報(デバイスID等)を記憶してもよい。
【0034】
制御部110は、典型的にはプロセッサであって、例えばMPU(Micro Processing Unit)等で構成され、記憶部170に記憶されているプログラムを実行することにより、各実施形態に示す機能、方法を実行してよい。なお、一実施形態において、制御部110は、計時部111、検出部112、変更部113、及び判定部114を備えてよい。
【0035】
詳細は後述するが、各機能部の処理について簡単に説明する。計時部111は、基地局20からの着信のタイミングを計時し記録してよい。検出部112は、計時部111による計時結果に基づいて、所定期間以上にわたって、基地局20から所定時間以上着信のない時間帯である無着信時間帯を検出してよい。変更部113は、基地局20からの着信状況に応じて、通信部120が基地局20からの着信を待ち受ける所定間隔を変更してよい。判定部114は、各種判定処理を行ってよい。
【0036】
なお、制御部110は、通信装置100に、上述したDRX,eDRX、PSMに応じた処理を実行させてよい。また、制御部110は、自装置の再起動を実行したり、ネットワーク400への接続や、ネットワーク400との接続を解除するための各種処理を実行してよい。
【0037】
<省電力状態での動作について>
ここでIoTデバイスの省電力状態での動作について、
図2を用いて概略を説明する。
図2(a)、(b)は、それぞれ、eDRX、PSMの概略説明図である。
【0038】
<eDRX>
eDRXにおいて、通信装置100は、基地局20との間の無線セッションがある接続状態(RRC_CONNECTED)と、基地局20との間の無線セッションがないアイドル状態(RRC_IDLE)(待受け状態)との2つの状態を遷移する。
図2(a)は、eDRX動作時のアイドル状態(RRC_IDLE)における、通信装置100の無線機能を説明する図である。
図2(a)に示すように、eDRX動作時には、ページングの受信を試みる回数をDRX動作時よりも低頻度とし、PTW(Paging Time Window)の区間内のみ、DRX周期に従ってページングの受信が試みられ、PTW以外では、無線機能がオフにされる。なお、アイドル状態とは、接続状態よりも通信装置100の機能が制限された状態であってよい。例えば、通信装置100は、接続状態において、基地局20との間でデータの送受信(発信/着信)が可能であるが、アイドル状態においては、データの受信(着信)のみが可能であってよい。具体的には、例えば、通信装置100は、アイドル状態において、基地局20との間では、ページングや、ブロードキャスト情報の受信のみが可能であってよい。アイドル状態の通信装置100は、ページングを受信した場合にアイドル状態を解除し、基地局20との間の無線セッションを確立し、接続状態へ遷移してよい。
【0039】
ここで、従来のIoTデバイス等の通信機器は、常にページングの受信を試みるため、アイドル状態においても待機電力を消費することとなっていた。これに対し、通信装置100は、アイドル状態において、eDRXによりページングの受信を制御してよい。例えば、通信装置100は、アイドル状態において、ページングの受信を間欠的に実行してよい。すなわち、通信装置100は、ページングの受信を試みない期間には、自装置の無線機能を停止させ、スリープ状態としてよい。具体的には、通信装置100は、ページングの受信を試みるタイミングで、無線機能をオンにし、それ以外の時間では、無線機能をオフにしてよい。つまり、通信装置100は、間欠的にデータを受信することにより消費電力を低減可能な省電力状態で動作してよい。なお、eDRX動作中の通信装置100がページングの受信を試みる区間を、PTW(Paging Time Window)という。そして、PTWの始期から次のPTWの始期までの期間が、eDRX周期となる。通信装置100において、PTWの長さと、次のPTWまでの周期(eDRX周期)とが設定されることにより、アイドル状態における通信装置100の消費電力量を制御することができる。eDRX周期は、NB-IoTの場合最大で174分、Cat.M、Cat.M1の場合最大で43分に設定することが可能である。また、例えば、eDRX周期が81.92秒、PTWが2.56秒の場合、スリープ状態の長さは、81.92-2.56=79.36秒以下となる。
【0040】
<PSM>
図2(b)を参照して、通信装置100の省電力モード(PSM)動作について説明する。PSMにある通信装置100では、無線通信機能がほぼ停止されるため、ページングに反応せず、消費電力を削減することができる。通信装置100におけるPSMへの遷移制御は、2つのタイマー値(T3324,T3412)を用いて行われてよい。
図2(b)に示すように、タイマー値T3324は、通信装置100がアイドル状態にとどまる時間を指定し、T3324のタイマーが満了するまで、通信装置100は、ページングに反応することができる。タイマー値T3412は、位置登録エリアの更新タイマーであり、T3412のタイマーが満了すると、通信装置100は、TAU(Tracking Area Update:位置登録エリアの更新)を実施してよい。すなわち、T3324のタイマーが満了すると、通信装置100はPSMへと遷移し、T3412のタイマーが満了するまで、PSMを継続する。なお、通信装置100は、T3412のタイマーが満了するか、アプリケーションレイヤからデータ送信要求があった場合に、PSMから復帰してよい。
【0041】
通信装置100、基地局20、及びMMEは、通信装置100ごとに設定されたeDRX周期やPSM動作時の各タイマー値に関する情報をそれぞれ共有してよい。すなわち、通信装置100、基地局20、MMEは、それぞれ、どのタイミングで通信装置100がPTWとなるかを算出してよい。そして、通信装置100、基地局20、MMEは、通信装置100のPTWの情報に基づいて同期し、基地局20は、通信装置100がページングを受信可能なタイミングに、通信装置100へページングを送出してよい。なお、通信装置100からネットワーク400への、上りリンクデータの送信(通信装置100による発信)は、eDRX周期に依存せず、任意のタイミングで行うことができる。
【0042】
<サーバ>
サーバ200は、制御部210、通信部220、及び記憶部270を備えてよい。制御部210は、典型的には中央処理装置(CPU)であってよい。制御部210は、記憶部270に記憶されるプログラムを読み出し、読み出したプログラムに含まれるコード又は命令を実行することによって、各実施形態に示す機能、方法を実行してよい。
【0043】
制御部210は、計時部211、検出部212、及び生成部213を備えてよい。計時部211は、通信装置100へデータを送信したタイミングを計時し記録してよい。検出部212は、計時部211による計時結果に基づいて、所定期間以上にわたって、基地局20から通信装置100への着信が生じない時間帯である無着信時間帯を検出してよい。生成部213は、無着信時間帯において、通信装置100における、サーバ200から通信装置100へデータが送信されたことに応じた基地局20からの着信を待ち受ける所定間隔を変更させる指令を生成してよい。
【0044】
記憶部270は、典型的には、HDD(Hard Disc Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等各種の記録媒体により実現され、サーバ200が動作するうえで必要とする各種プログラム及びデータを記憶する機能を有してよい。また、記憶部270には、サーバ200との通信を行うための、通信装置100及びメーターに関する情報が記憶されてよい。例えば、記憶部270には、各通信装置100を一意に識別可能な識別子である装置ID、通信装置100の位置情報、メーターを一意に識別可能な識別子であるメーターID、メーターの管理者に係る管理者ID、通信装置100とのネットワーク400を介した通信に必要なネットワークID等が記憶されてよい。
【0045】
通信部220は、NIC(Network Interface Card)等のハードウェアや通信用ソフトウェア、及びこれらの組み合わせとして実装されてよい。通信部220は、サーバ200と各通信装置100の間で確立されたベアラを用いて、ネットワーク400を介して各種データの送受信を行ってよい。
【0046】
<通信装置の制御フロー>
以降、本発明の一実施形態について、通信装置100の各機能部の処理とともに、
図3~7を用いて説明する。
図3は、一実施形態に係る通信装置100による処理を示すフローチャートの一例である。
【0047】
まず、アイドル状態において、通信部120は、所定間隔として第1間隔で着信を待ち受けてよい(ステップS11)。なお、ステップS11において、通信装置100はeDRXで動作中であってよいが、サーバ200からの着信状況を判定するため、「第1間隔」は、3GPPで規定されたeDRX周期のうち、より短い(すなわち、単位時間当たりに待ち受けを試みる回数がより多い)eDRX周期であってよい。
【0048】
計時部111は、基地局20からの着信のタイミングを計時し記録してよい(ステップS12)。検出部112は、計時部111による計時結果に基づいて、所定期間以上にわたって、基地局20から所定時間以上着信のない時間帯である無着信時間帯を検出してよい(ステップS13)。
【0049】
ここで、
図4を用いて、無着信時間帯の検出について説明する。
図4は、計時部111によって記録された計時結果の一例であってよい。
図4は、横軸を時刻、縦軸を日数とし、通信装置100において着信及び発信が生じたタイミングを、それぞれ色付きで示した概略図である。例えば、1日目に、通信装置100において、2:00~3:00の時間帯で発信が行われ、9:00~10:00、17:00~18:00の時間帯で着信が発生している。また、3日目に、通信装置100において、2:00~3:00の時間帯で発信が行われ、18:00~19:00の時間帯で着信が発生している。
【0050】
検出部112は、所定期間以上にわたって、基地局20から所定時間以上着信のない時間帯を、「無着信時間帯」として検出してよい。ここで、所定期間は、例えば1か月、2週間等であってよいが、これらに限定されない。また、所定期間は、メーカーの管理者によって設定されてもよい。
図4の例では、30日間にわたって記録が行われ、
図4において矢印T1A,T1Bで示す19:00~翌9:00の時間帯に、着信が発生していないことがわかる。したがって、検出部112は、「19:00~翌9:00」を、通信装置100における無着信時間帯として検出してよい。
【0051】
その後、通信装置100は、第1間隔での待ち受けを継続し、無着信時間帯(すなわち、19:00~翌9:00)にあるか否かを判定してよい(ステップS14)。無着信時間帯にあると判定された場合(ステップS14でYES)、CS15)。なお、「第2間隔」は、3GPPで規定されたeDRX周期のうち、設定された無着信時間帯において、待ち受け回数がより少ないものが設定されてよい。例えば、これに限定されるものではないが、第2間隔は、Cat.Mなら最大の43分(2621.44s)、NB-IoTなら最大の174分(10485.76s)等であってよい。無着信時間帯にあると判定されない場合(ステップS14でNO)、通信装置100は、第1間隔での着信待ち受けを継続してよい。
【0052】
変更部113は、待ち受け時の所定間隔の変更、すなわち、eDRX周期の変更を、ネットワーク400(コアネットワーク10、MME)に対し登録してよい(ステップS16)。なお、登録処理について、
図5を用いて説明する。
図5は、登録処理における、通信装置100、基地局20、及びコアネットワーク(EPC)10(MME)間のシーケンス図であってよい。
【0053】
制御部110は、待ち受け動作の切替に伴い、自装置を再起動してよい(ステップT10)。再起動後、通信装置100は、基地局20との間で無線セッションの確立処理(RRC Connection Procedure)を実行し、これにより、通信装置100と基地局20との間の無線セッションが確立する(ステップT11)。無線セッションが確立すると、通信装置100は、基地局20を介して、ネットワーク400へのアタッチ(Attach)リクエストを送信してよい(ステップT12)。アタッチリクエストには、通信装置100において設定したいeDRX周期の値が含まれてよい。MMEは、通信装置100に使用するeDRX周期の値を設定し、通信装置100へアタッチアクセプトとして送信してよい(ステップT13)。eDRX周期の設定(更新)が完了すると、通信装置100と基地局20との間の無線セッションが解放されてよい(ステップT14)。なお、通信装置100は、設定したいeDRX周期の値を、アタッチリクエストに代わって、トラッキングエリアアップデート(TAU:Tracking Area Update)リクエストに含めて送信してもよい。その場合、MMEは、通信装置100に使用するeDRX周期を、TAUアクセプトに含めて通信装置100へ送信してよい。なお、通信装置100の再起動は必須でなくてもよい。
【0054】
図3に戻り、ネットワーク400へのeDRX周期の登録処理が完了すると、通信装置100は、第2間隔にて着信を待ち受けてよい(ステップS17)。
【0055】
上述のように、本発明の一実施形態によれば、基地局20からの着信が発生する可能性が低い時間帯が判定され、当該時間帯において、着信を待ち受ける間隔が、切り替わる前よりも長く変更されてよい。これにより、内蔵電池の消費電力を低減し、省電力化を実現することができる。
【0056】
なお、無着信時間帯以外の時間帯では、発生し得る着信へ迅速に対応するため、待ち受けを行う回数を増やすことが好ましい。
図6に、無着信時間帯が経過した場合の、一実施形態に係る通信装置100による処理を示すフローチャートの一例を示す。
【0057】
通信装置100は、無着信時間帯であるため、第2間隔で着信を待ち受けているものとする(ステップS21)。その後、判定部114は、無着信時間帯が終了したか否かを判定してよい(ステップS22)。無着信時間帯が終了したと判定されると(ステップS22でYES)、変更部113は、待ち受け間隔を、第2間隔から第1間隔に変更してよい(ステップS23)。なお、無着信時間帯の経過前である場合(ステップS22でNO)、通信部120は、第2間隔での着信の待ち受けを継続してよい。
【0058】
その後、登録処理(ステップS24)を経て、通信装置100は、第1間隔にて着信を待ち受けてよい。なお、ステップS24の登録処理は、
図3のステップS16と同様であるため説明を省略する。
【0059】
上述のように、本発明の一実施形態によれば、無着信時間帯が経過し、着信が発生する可能性が高い状態になったことに伴い、着信を待ち受ける間隔が、無着信時間帯にある場合よりも短く変更されてよい。これにより、サーバ200からの下りデータに対し、迅速な対応が可能となる。
【0060】
なお、一実施形態において、無着信時間帯として検出するための「所定時間」は、第1間隔及び第2間隔で待ち受ける際の、通信装置100における単位時間当たりの各消費電力と、変更部113による、着信を待ち受ける所定間隔の変更時における消費電力とに応じて設定されてよい。着信を待ち受ける間隔を変更する場合、上述した再起動や、MMEへの登録処理によっても電力を消費し得る。ここで、待ち受け間隔を長くしたことによって低減できる消費電力量を、待ち受け間隔の変更による消費分が上回ることは好ましくない。したがって、一実施形態によれば、第1間隔から第2間隔に切り替えた場合に低減できる単位時間当たりの消費電力量に、所定時間を乗じた値が、待ち受け間隔の変更による消費電力量よりも大きくなるように、所定時間が定められてよい。これにより、確実な省電力化が可能となる。
【0061】
なお、一実施形態において、無通信時間帯の検出は、サーバ200によって行われてもよい。すなわち、サーバ200において、サーバ200から通信装置100へデータが送信されたタイミングの計時結果に基づいて検出された無着信時間帯に関する情報が、サーバ200から通信装置100へ送信されてよい。変更部113は、サーバ100から受信した情報に基づいて、着信を待ち受ける所定間隔を変更してよい。
【0062】
このことを、
図7のシーケンス図を用いて説明する。まず、通信装置100において、通信部120は、所定間隔として第1間隔で着信を待ち受けてよい(ステップP11)。サーバ200の計時部211は、通信装置100へデータを送信し、送信した時刻を記録してよい(ステップP12)。サーバ200は、所定期間にわたってデータの送信と記録を継続し、検出部212は、計時部211による計時結果に基づいて、所定期間以上にわたって、通信装置100へ所定時間以上データ送信(発信)のない時間帯である無着信時間帯を検出し、生成部213は、検出した無着信時間帯に関する情報を、通信装置100へ送信してよい(ステップP13,P14)。通信装置100におけるステップP15~P18については、
図3のステップS14~S17と同様であるため説明を省略する。
【0063】
このように、データの送信元であるサーバ100側で、無着信時間帯の検出を行うことにより、無着信時間帯の検出精度を上げることができる。
【0064】
本発明を諸図面や実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形や修正を行うことが容易であることに注意されたい。従って、これらの変形や修正は本発明の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各構成部、各ステップ等に含まれる機能等は論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の構成部やステップ等を1つに組み合わせたり、或いは分割したり、必要に応じて適宜省略又は変更することが可能である。また、上記実施の形態に示す構成を適宜組み合わせることとしてもよい。例えば、通信装置100が備えるとして説明した各機能部は、サーバ200によって実現されてもよい。
【0065】
例えば、上述では、通信装置100において発生した着信の計時が、24時間(1日)行われる態様について説明した。しかしながら、着信の計時は、あらかじめ設定された所定の時間帯のみ行われてもよい。例えば、所定の時間帯として、0:00~5:00が設定され、その時間帯のみ着信の記録が行われてもよい。これにより、記録に要する電力の消費を抑えることができる。
【0066】
また、上述では、通信装置100を、メーターに設置されるIoTデバイスとして説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されず、通信装置100としては、橋や道路等のインフラ監視に用いられるIoTセンサや、ウェアラブルデバイスなどであってよい。
【0067】
なお、例えば、通信装置100Aと100Bとが、同一の管理者によって管理されている場合、サーバ200からのデータ送信が、同一のタイミングで発生することが考えられる。したがって、通信装置100Aにおいて検出された無着信時間帯を、他の通信装置100Bに適用し、通信装置100Bの消費電力を低減させてもよい。
【0068】
また、上述では、通信装置100がeDRXで動作し、eDRX周期を変更する態様について説明した。しかしながら、無着信時間帯によっては、eDRX動作からPSM動作へ遷移することで、消費電力をより低減できてよい。PSMにある通信装置100は、最大13日間にわたって無線通信機能がほぼ停止されるため、ページングに反応せず、消費電力を削減することができる。
【0069】
本開示の各実施形態のプログラムは、通信装置や情報処理装置に読み取り可能な記憶媒体に記憶された状態で提供されてもよい。記憶媒体は、「一時的でない有形の媒体」に、プログラムを記憶可能であってよい。プログラムは、例えば、ソフトウェアプログラムや情報処理装置プログラムを含んでよい。
【0070】
記憶媒体は適切な場合、1つ又は複数の半導体ベースの、又は他の集積回路(IC)(例えば、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、特定用途向けIC(ASIC)等)、ハード・ディスク・ドライブ(HDD)、ハイブリッド・ハード・ドライブ(HHD)、光ディスク、光ディスクドライブ(ODD)、光磁気ディスク、光磁気ドライブ、フロッピィ・ディスケット、フロッピィ・ディスク・ドライブ(FDD)、磁気テープ、固体ドライブ(SSD)、RAMドライブ、セキュア・デジタル・カードもしくはドライブ、任意の他の適切な記憶媒体、又はこれらの2つ以上の適切な組合せを含むことができる。記憶媒体は、適切な場合、揮発性、不揮発性、又は揮発性と不揮発性の組合せであってよい。
【0071】
また、本開示のプログラムは、当該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して、サーバ200に提供されてもよい。
【0072】
また、本開示の各実施形態は、プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
【0073】
なお、本開示のプログラムは、例えば、JavaScript(登録商標)、Python等のスクリプト言語、C言語、Go言語、Swift,Koltin、Java(登録商標)等の任意のプログラミング言語を用いて実装されてよい。
【0074】
以上説明した本開示の各態様によれば、5G以降のネットワーク技術に向けたIoTデバイスの監視や保守に係る技術を提供することにより、持続可能な開発目標(SDGs)の目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」の達成に貢献できる。
【符号の説明】
【0075】
100 通信装置
110 制御部
111 切替部
112 変更部
113 取得部
114 計時部
120 通信部
130 入出力I/F
140 センサ
150 内蔵電池
170 記憶部
10 コアネットワーク(EPC)
20 基地局(eNB)
200 サーバ(情報処理装置)
210 制御部
211 計時部
212 検出部
213 生成部
220 通信部
270 記憶部
400 ネットワーク
600 通信システム
【要約】 (修正有)
【課題】IoT/M2Mデバイスにおいて、自装置の消費電力を抑える。
【解決手段】通信システム600において、基地局20を介して、情報処理装置200との間で無線通信を行う通信装置100は、情報処理装置200から通信装置100へデータが送信されたことに応じた基地局20からの着信を、所定間隔で待ち受ける通信部120と、基地局20からの着信状況に応じて、通信部120が基地局20からの着信を待ち受ける所定間隔を変更する変更部113とを備える。
【選択図】
図1