(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-04
(45)【発行日】2025-02-13
(54)【発明の名称】提供装置、提供方法、および、プログラム
(51)【国際特許分類】
H04W 4/029 20180101AFI20250205BHJP
H04M 11/00 20060101ALI20250205BHJP
H04W 8/08 20090101ALI20250205BHJP
H04W 64/00 20090101ALI20250205BHJP
【FI】
H04W4/029
H04M11/00 301
H04W8/08
H04W64/00 160
(21)【出願番号】P 2022024773
(22)【出願日】2022-02-21
【審査請求日】2024-08-21
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】500112146
【氏名又は名称】サイレックス・テクノロジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【氏名又は名称】新居 広守
(72)【発明者】
【氏名】辰己 雅一
(72)【発明者】
【氏名】香川 ちえり
(72)【発明者】
【氏名】西原 健太
【審査官】松原 徳久
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-182904(JP,A)
【文献】特開2015-211251(JP,A)
【文献】特開2014-127817(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08B13/00-15/02
19/00-31/00
H04B7/24-7/26
H04M3/00
3/16-3/20
3/38-3/58
7/00-7/16
11/00-11/10
H04W4/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の基地局それぞれから、当該基地局に端末が無線通信で接続しているか否かを示す接続情報を取得する取得部と、
前記取得部が取得した前記接続情報を用いて、前記複数の基地局のうちのどの基地局に前記端末が無線通信で接続しているかを示す図を示す画像データを生成する生成部と、
前記生成部が生成した前記画像データを表示装置に提供する提供部とを備え
、
前記接続情報は、複数の時間区間それぞれに対応付けて、当該時間区間に当該基地局に前記端末が接続しているか否かを示す
提供装置。
【請求項2】
前記生成部は、
前記複数の時間区間ごとに時系列で前記複数の基地局のうちのどの基地局に前記端末が接続しているか、を示す図を示す前記画像データを生成する
請求項1に記載の提供装置。
【請求項3】
前記生成部は、
前記複数の時間区間のうちの最後の時間区間において前記端末が前記複数の基地局のいずれにも接続していない場合には、前記端末が最後に、前記複数の基地局のいずれかに接続していた時間区間を特定時間区間として特定し、
前記複数の時間区間として、特定した前記特定時間区間を含む複数の時間区間を用いて前記画像データを生成する
請求項2に記載の提供装置。
【請求項4】
前記接続情報は、
さらに、現在時刻において当該基地局に前記端末が接続しているか否かを示し、
前記生成部は、前記現在時刻における前記接続情報を用いて、前記画像データを生成する
請求項1に記載の提供装置。
【請求項5】
前記生成部は、
前記画像データとして、前記複数の基地局が配置されている地図上に、前記複数の基地局のうち前記端末が接続している第一基地局を、前記複数の基地局のうち前記第一基地局を除く第二基地局と異なる態様で示す図を示す前記画像データを生成する
請求項1~4のいずれか1項に記載の提供装置。
【請求項6】
前記取得部は、
さらに、対象端末の指定をユーザから受け付け、
前記対象端末を前記端末として用いて前記接続情報を取得し、
前記生成部は、
前記対象端末を前記端末として用いて前記画像データを生成する
請求項1~5のいずれか1項に記載の提供装置。
【請求項7】
前記表示装置は、前記端末とは異なる
請求項1~6のいずれか1項に記載の提供装置。
【請求項8】
複数の基地局それぞれから、当該基地局に端末が無線通信で接続しているか否かを示す接続情報を取得し、
取得した前記接続情報を用いて、前記複数の基地局のうちのどの基地局に前記端末が無線通信で接続しているかを示す図を示す画像データを生成し、
生成した前記画像データを表示装置に提供
し、
前記接続情報は、複数の時間区間それぞれに対応付けて、当該時間区間に当該基地局に前記端末が接続しているか否かを示す
提供方法。
【請求項9】
請求項8に記載の提供方法をコンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、提供装置、提供方法、および、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
無線通信端末は、無線通信リンクによって基地局と接続し、無線通信を行う。無線通信端末は、無線通信を行うことで、ケーブルを用いずに通信することができる利点がある。
【0003】
無線通信端末を所持したユーザの滞在地を推定する技術がある(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ユーザが、無線通信端末の所在を失念してしまうことがある。また、無線通信端末は、ケーブルなどによる有線接続を有しないので、ユーザの意図に反して物陰に放置された場合等には、発見されることが容易でないことがある。
【0006】
このように、端末の所在を失念し、または、端末を発見できないユーザに対して、端末の所在を容易に把握させることができないという問題がある。
【0007】
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、端末の所在をユーザに容易に把握させ得る提供装置などを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の一態様に係る提供装置は、複数の基地局それぞれから、当該基地局に端末が無線通信で接続しているか否かを示す接続情報を取得する取得部と、前記取得部が取得した前記接続情報を用いて、前記複数の基地局のうちのどの基地局に前記端末が無線通信で接続しているかを示す図を示す画像データを生成する生成部と、前記生成部が生成した前記画像データを表示装置に提供する提供部とを備える提供装置である。
【0009】
これによれば、提供装置は、複数の基地局のうち端末が接続している基地局を示す図の画像を表示装置に表示させ、ユーザに視認させることができる。ユーザは、図の画像を視認することで、端末の所在を容易に把握することができる。とくに、提供装置が図の画像を用いることで、ユーザは、文字情報(文字または数字等)のみの場合よりも、より容易に端末の所在を把握することができる効果がある。このように、提供装置は、端末の所在をユーザに容易に把握させることができる。
【0010】
また、前記接続情報は、複数の時間区間それぞれに対応付けて、当該時間区間に当該基地局に前記端末が接続しているか否かを示し、前記生成部は、前記複数の時間区間ごとに時系列で前記複数の基地局のうちのどの基地局に前記端末が接続しているか、を示す図を示す前記画像データを生成してもよい。
【0011】
これによれば、提供装置は、端末が接続している基地局を、複数の時間区間ごとに時系列で示す図の画像を表示させ、ユーザに視認させる。これにより、ユーザは、端末が接続している基地局を時系列で把握することができ、例えば時系列で端末の行方をたどることができる。よって、提供装置は、端末の所在をユーザに、より容易に把握させることができる。
【0012】
また、前記生成部は、前記複数の時間区間のうちの最後の時間区間において前記端末が前記複数の基地局のいずれにも接続していない場合には、前記端末が最後に、前記複数の基地局のいずれかに接続していた時間区間を特定時間区間として特定し、前記複数の時間区間として、特定した前記特定時間区間を含む複数の時間区間を用いて前記画像データを生成してもよい。
【0013】
これによれば、提供装置は、端末が最後に複数の基地局のいずれかに接続していた時間区間を含めた複数の時間区間を時系列で示す図の画像を表示させ、ユーザに視認させる。これにより、ユーザは、端末が最後に基地局に接続していた時間区間と、その時間区間に接続していた基地局を容易に把握することができ、その時間区間に接続していた基地局の通信可能範囲内に端末がある可能性を認識し得る。よって、提供装置は、端末の所在をユーザに容易に把握させることができる。
【0014】
また、前記接続情報は、現在時刻において当該基地局に前記端末が接続しているか否かを示し、前記生成部は、前記現在時刻における前記接続情報を用いて、前記画像データを生成してもよい。
【0015】
これによれば、提供装置は、現在時刻において端末が接続している基地局を示す図の画像を表示させ、ユーザに視認させる。これにより、ユーザは、現在時刻において端末が接続している基地局を容易に把握することができる。よって、提供装置は、端末の所在をユーザに、より容易に把握させることができる。
【0016】
また、前記生成部は、前記画像データとして、前記複数の基地局が配置されている地図上に、前記複数の基地局のうち前記端末が接続している第一基地局を、前記複数の基地局のうち前記第一基地局を除く第二基地局と異なる態様で示す図を示す前記画像データを生成してもよい。
【0017】
これによれば、提供装置は、端末が接続している基地局を地図上に示す図の画像を表示させ、ユーザに視認させる。これにより、ユーザは、地図に基づいて基地局の位置をより容易に、かつ直感的に把握することができる。
【0018】
また、前記取得部は、さらに、対象端末の指定をユーザから受け付け、前記対象端末を前記端末として用いて前記接続情報を取得し、前記生成部は、前記対象端末を前記端末として用いて前記画像データを生成してもよい。
【0019】
これによれば、提供装置は、ユーザが指定する対象端末について処理を実行することで、対象端末が無線通信で接続している基地局を示す図の画像を表示させ、ユーザに視認させる。これにより、ユーザは、対象端末が接続している基地局をより容易に把握することができる。よって、提供装置は、ユーザが指定する対象端末の所在をユーザに、より容易に把握させることができる。
【0020】
また、前記表示装置は、前記端末とは異なってもよい。
【0021】
これによれば、提供装置は、端末とは異なる表示装置に、当該端末が接続している基地局を示す図の画像を表示させる。これにより、端末の所在を失念し、または、端末を発見できないユーザが、その端末を発見することに寄与する。よって、提供装置は、端末の所在をユーザに容易に把握させることができる。
【0022】
また、本発明の一態様に係る提供方法は、複数の基地局それぞれから、当該基地局に端末が無線通信で接続しているか否かを示す接続情報を取得し、取得した前記接続情報を用いて、前記複数の基地局のうちのどの基地局に前記端末が無線通信で接続しているかを示す図を示す画像データを生成し、生成した前記画像データを表示装置に提供する提供方法である。
【0023】
これによれば、上記提供装置と同様の効果を奏する。
【0024】
また、本発明の一態様に係るプログラムは、上記の提供方法をコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【0025】
上記通信装置と同様の効果を奏する。
【0026】
なお、本発明は、装置として実現できるだけでなく、その装置を構成する処理手段をステップとする方法として実現したり、それらステップをコンピュータに実行させるプログラムとして実現したり、そのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能なCD-ROMなどの記録媒体として実現したり、そのプログラムを示す情報、データ又は信号として実現したりすることもできる。そして、それらプログラム、情報、データ及び信号は、インターネット等の通信ネットワークを介して配信してもよい。
【発明の効果】
【0027】
本発明により、提供装置は、端末の所在をユーザに容易に把握させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】
図1は、実施の形態に係る通信システムおよび提供装置の構成を示す模式図である。
【
図2】
図2は、実施の形態に係る接続情報の第一例を示す説明図である。
【
図3】
図3は、実施の形態に係る接続情報の第二例を示す説明図である。
【
図4】
図4は、実施の形態に係る生成部が生成する所在情報の一例を示す説明図である。
【
図5】
図5は、実施の形態に係る生成部が生成する画像データが示す図の画像の第一例を示す説明図である。
【
図6】
図6は、実施の形態に係る生成部が生成する画像データが示す図の画像の第二例を示す説明図である。
【
図7】
図7は、実施の形態に係る生成部が生成する画像データが示す図の画像の第三例を示す説明図である。
【
図8】
図8は、実施の形態に係る生成部が生成する画像データが示す図の画像の第四例を示す説明図である。
【
図9】
図9は、実施の形態に係る提供装置が実行する処理を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
【0030】
以下で説明する実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、より好ましい形態を構成する任意の構成要素として説明される。なお、同一の構成要素には同一の符号を付し、説明を省略する場合がある。
【0031】
(実施の形態)
本実施の形態において、端末の所在をユーザに容易に把握させ得る提供装置などについて説明する。
【0032】
図1は、本実施の形態に係る通信システム1および提供装置10の構成を示す模式図である。
【0033】
図1に示されるように、通信システム1は、提供装置10と、表示装置20と、基地局A1、A2およびA3(基地局A1等ともいう)とを含む。通信システム1が備える上記機器は、ネットワークNを介して通信可能に接続されている。ネットワークNは、ローカルエリアネットワークであってもよいし、インターネットへのアクセス回線およびインターネットを含む広域ネットワークであってもよい。ネットワークNには、他のネットワークまたは通信装置が接続されていてよい。
【0034】
基地局A1は、端末T1と無線通信で接続することができる基地局装置であり、例えばアクセスポイントである。無線通信の通信規格は、例えば、無線LANの通信規格であり、より具体的には、IEEE801.11a、b、g、n等である。
【0035】
基地局A1は、当該基地局A1から無線通信が可能な領域に位置している端末T1であって、無線通信が可能である状態にある端末T1と無線通信リンクを確立することで、無線通信の接続を開始する。また、基地局A1は、端末T1が上記領域の外へ出たり、端末T1の電源がOFFとなったりすると、無線通信リンクを切断することで、無線通信の接続を切断する。基地局A1は、時間情報に紐づけて、その時間に接続している端末(例えば端末T1)の識別情報を、接続情報として記憶装置に格納する。
【0036】
接続情報は、当該基地局A1に端末(例えば端末T1)が無線通信で接続しているか否かを示す情報である。接続情報は、より具体的には、複数の時間区間それぞれに対応付けて、当該時間区間に当該基地局A1に端末が接続しているか否かを示す情報である。また、接続情報は、現在時刻において当該基地局A1に端末が接続しているか否かを示す情報であってもよい。
【0037】
そして、基地局A1は、記憶装置に格納している接続情報を提供装置10に提供する。接続情報の提供は、基地局A1が自発的に提供装置10に送信することでなされてもよいし、提供装置10から受信する取得要求に応じて送信することでなされてもよい。
【0038】
基地局A2は、基地局A1と同様に、端末T1と無線通信で接続することができる基地局装置であり、基地局A1と独立に動作する。基地局A2は、基地局A1と同様に、時間情報に紐づけて、当該基地局A2に端末T1が無線通信で接続しているか否かを示す接続情報を記憶部に格納し、また、提供装置10に提供する。
【0039】
基地局A3は、基地局A1と同様に、端末T1と無線通信で接続することができる基地局装置であり、基地局A1と独立に動作する。基地局A3は、基地局A1と同様に、時間情報に紐づけて当該基地局A3に端末T1が無線通信で接続しているか否かを示す接続情報を記憶部に格納し、また、提供装置10に提供する。
【0040】
なお、ここでは、基地局A1等が3個である場合を例として説明するが、基地局A1の個数は3に限られず、1以上の任意の個数であってよい。
【0041】
端末T1は、基地局A1等のいずれかと無線通信で接続することができる無線通信端末である。無線LANの通信規格は、接続先の基地局A1等と同じである。端末T1は、基地局A1等のいずれかとの無線通信を介してネットワークNへ接続し、ネットワークNに接続された通信装置と通信することができる。端末T1は、例えば、ユーザが保有する情報端末(例えば、スマートフォン、タブレット、パーソナルコンピュータなど)であり、特に可搬型の情報端末であることが想定される。また、端末T1は、無線通信に用いられる無線回路(無線モジュール)を組み込んだ可搬型の通信機器(例えば、可搬型の生体情報モニタなどの医療機器など)や当該通信機器を取り付けた物品であってもよい。
【0042】
なお、ここでは、基地局A1等に接続し得る端末が、端末T1の1個である場合を例として説明するが、端末の個数は1に限られず、1以上の任意の個数であってよい。なお、端末T1は、通信システム1に含まれてもよいし、含まれなくてもよい。
【0043】
提供装置10は、端末に関する画像データを表示装置20に提供することで、端末の所在をユーザに容易に把握させることに寄与する。上記端末を対象端末ともいう。対象端末は、ユーザが提供装置10を用いて所在を把握することを意図している対象である端末であり得る。対象端末が端末T1である場合を例として説明する。
【0044】
図1に示されるように、提供装置10は、機能部として、取得部11と、生成部12と、提供部13とを備える。提供装置10が備える機能部は、提供装置10が備えるプロセッサ(不図示)がメモリ(不図示)を用いて所定のプログラムを実行することで実現され得る。提供装置10は、例えば、ローカルエリアネットワークに接続されたパーソナルコンピュータであってもよいし、インターネットを含む広域ネットワークに接続されたサーバ機器であってもよい。
【0045】
取得部11は、複数の基地局A1等それぞれから、当該基地局に端末T1が無線通信で接続しているか否かを示す接続情報を取得する。接続情報は、上記の通り、複数の時間区間それぞれに基地局A1に端末T1が接続しているか否かを示す情報である場合と、現在時刻において基地局A1に端末が接続しているか否かを示す情報である場合とがある。
【0046】
生成部12は、取得部11が複数の基地局A1等から取得した接続情報を用いて、複数の基地局A1等のうちのどの基地局に、端末T1が無線通信で接続しているかを示す図を示す画像データを生成する。具体的には、生成部12は、取得部11が取得した接続情報を用いて、端末T1が複数の基地局A1等それぞれに接続していた時間区間を特定し、特定した時間区間を示す情報(所在情報ともいう)を生成する。そして、生成部12は、生成した所在情報に基づいて上記画像データを生成する。
【0047】
生成部12は、接続情報が、複数の時間区間それぞれに基地局A1に端末T1が接続しているか否かを示す情報である場合には、複数の時間区間ごとに時系列で複数の基地局A1等のうちのどの基地局に端末T1が接続しているか、を示す図を示す画像データを生成する。
【0048】
生成部12は、例えば、複数の時間区間として、特定時間区間を含む複数の時間区間を用いて画像データを生成してもよい。ここで、特定時間区間は、複数の時間区間のうちの最後の時間区間において端末T1が複数の基地局A1等のいずれにも接続していない場合に、端末T1が最後に複数の基地局A1等のいずれかに接続していた時間区間として、生成部12が特定する時間区間である。端末T1が最後に複数の基地局A1等のいずれかに接続していた時間区間は、言い換えれば、端末T1がいずれの基地局A1等とも接続されなくなった時間区間の直前の時間区間を意味する。
【0049】
なお、生成部12は、接続情報が現在時刻において当該基地局A1に端末T1が接続しているか否かを示す情報である場合には、現在時刻における接続情報を用いて、画像データを生成する。
【0050】
また、生成部12は、複数の基地局A1等が配置されている地図上に、複数の基地局A1等のうち端末T1が接続している基地局(第一基地局ともいう)を、複数の基地局A1等のうち第一基地局を除く基地局(第二基地局ともいう)と異なる態様で示す図を示す画像データを生成してもよい。
【0051】
提供部13は、生成部12が生成した画像データを表示装置20に提供する。提供部13は、画像データを表示装置20に提供することで、画像データに係る画像を表示装置20に表示させることで、ユーザに提示する。ユーザは、表示された画像を視認することで、端末T1の所在を容易に把握することが想定される。
【0052】
なお、取得部11は、さらに、対象端末の指定をユーザから受け付けてもよい。対象端末の指定は、例えば、対象端末を一意に識別し得る識別情報を含み得る。取得部11が対象端末の指定を受け付けた場合には、指定された対象端末を端末T1として生成部12および提供部13が処理を行い、複数の基地局A1等のうちのどの基地局に、指定された対象端末が接続しているかを示す図を示す画像データを表示装置20に提供する。
【0053】
表示装置20は、提供装置10から提供される画像データを取得し、取得した画像データに示される図の画像を表示画面に表示する。表示装置20は、表示画面を有する情報端末(例えば、スマートフォン、タブレット、パーソナルコンピュータなど)である。なお、表示装置20は、端末T1とは異なる装置であり得る。特に、対象端末が、ユーザが所在を把握することを意図している対象である端末である場合には、その対象端末が表示装置20として機能しても、ユーザの上記意図に応えることができないからである。
【0054】
図2は、本実施の形態に係る接続情報の第一例を示す説明図である。
図2に示される接続情報は、基地局A1が生成する接続情報の一例である。
【0055】
図2に示されるように、基地局A1が生成する接続情報は、複数の時間区間と、複数の時間区間それぞれに基地局A1に接続している端末とを対応付けて示している。
【0056】
例えば、
図2に示される接続情報は、時間区間「00:00:00~00:10:00」に基地局A1に接続している端末が、端末T1およびT2であることに基づいて生成された情報である。
【0057】
また、
図2に示される接続情報は、時間区間「00:20:00~00:30:00」に基地局A1に接続している端末が、端末T2であることに基づいて生成された情報である。
【0058】
他の時間区間についても、
図2に示されるとおりである。
【0059】
図3は、本実施の形態に係る接続情報の第二例を示す説明図である。
図3に示される接続情報は、基地局A2が生成する接続情報の一例である。接続情報の形式は、
図2に示されるものと同じである。
【0060】
例えば、
図3に示される接続情報は、時間区間「00:00:00~00:10:00」および「00:10:00~00:20:00」に基地局A2に接続している端末がないことに基づいて生成された情報である。
【0061】
また、
図3に示される接続情報は、時間区間「00:20:00~00:30:00」に基地局A2に接続している端末が、端末T1であることに基づいて生成された情報である。
【0062】
他の時間区間についても、
図3に示されるとおりである。
【0063】
図4は、本実施の形態に係る生成部12が生成した端末T1に関する所在情報の一例を示す説明図である。
【0064】
図4に示される所在情報は、生成部12が接続情報を解析することで、時間区間ごとに端末T1が接続している基地局を特定し、端末T1が接続している基地局に「1」を記載し、それ以外の基地局に「0」を記載したものである。
【0065】
図4に示される所在情報は、複数の時間区間と、複数の時間区間それぞれに端末T1が接続している基地局とを対応付けて示している。
【0066】
例えば、
図4に示される所在情報は、時間区間「00:00:00~00:10:00」に、端末T1が基地局A1に接続していることを示している。
【0067】
また、
図4に示される所在情報は、時間区間「00:20:00~00:30:00」に、端末T1が基地局A2に接続していることを示している。
【0068】
他の時間区間についても、
図4に示されるとおりである。
【0069】
以降において、生成部12が所在情報に基づいて生成する画像データが示す図の画像について具体的に説明する。ここでは、時間区間ごとに時系列で、(1)端末T1が接続している基地局を示す画像と、(2)端末T1が接続している基地局を地図上に示す画像と、について説明するが、これらに限られない。
【0070】
(1)時間区間ごとに時系列で端末T1が接続している基地局を示す画像
図5は、本実施の形態に係る生成部12が生成する画像データが示す図の画像の第一例である画像41を示す説明図である。
【0071】
画像41は、複数の時間区間ごとに時系列で複数の基地局A1等のうちのどの基地局に端末T1が接続しているか、を示す図の画像である。
【0072】
画像41において、縦軸は時間区間を示しており、より下方に位置する時間区間が、より後の時間を示している。横軸は複数の基地局A1等それぞれを示している。また、各時間区間において、端末T1が接続している基地局を示す位置に図形(例えば斜線を施した矩形)が示されている。言い換えれば、画像41は、各時間区間に端末T1が接続している基地局を、時間区間と基地局とを軸として、マトリクス状に示す図である。
【0073】
例えば、画像41において、時間区間「00:00:00~00:10:00」において、基地局A1を示す位置に図形が示されている。これは、上記時間区間において、端末T1が基地局A1に接続していることを示している。
【0074】
また、例えば、画像41において、時間区間「00:20:00~00:30:00」において、基地局A2を示す位置に図形が示されている。これは、上記時間区間において、端末T1が基地局A2に接続していることを示している。
【0075】
なお、1つの時間区間において、2つの基地局に対応する位置に図形が配置されることもある。例えば、その1つの時間区間における前半の時間に端末T1が基地局A1に接続し、その後半の時間に端末T1が基地局A2に接続した場合には、その1つの時間区間において、基地局A1と基地局A2に対応する位置に図形が配置される。
【0076】
なお、図形は、矩形に限られず、円形、多角形もしくは線であってもよく、模様または着色であってもよい。
【0077】
なお、端末T1が接続している基地局を除く基地局を示す位置に図形が示されていてもよい。その場合、端末T1が接続している基地局を除いた他の基地局を示す位置の図形は、端末T1が接続している基地局を示す位置の図形と、ユーザにとって区別可能であることを要し、例えば、互いに異なる図形であること、または、同一の図形を互いに異なる表示態様で表示することなどを要する。
【0078】
画像41は、生成部12により生成され提供部13により表示装置20に提供される。表示装置20により表示される画像41を視認したユーザは、各時間区間に端末T1が接続している基地局をマトリクス状に示す図により、複数の時間区間ごとに時系列で複数の基地局A1等のうちのどの基地局に端末T1が接続しているかを容易に把握することができる。
【0079】
図6は、本実施の形態に係る生成部12が生成する画像データが示す図の画像の第二例である画像42を示す説明図である。
【0080】
画像42は、画像41と同様に、複数の時間区間ごとに時系列で複数の基地局A1等のうちのどの基地局に端末T1が接続しているか、を示す図の画像である。
【0081】
例えば、画像42において、時間区間「01:00:00~01:10:00」において、基地局A2を示す位置に図形が示されている。これは、上記時間区間において、端末T1が基地局A2に接続していることを示している。
【0082】
また、例えば、画像42において、時間区間「01:20:00~01:30:00」~「01:50:00~02:00:00」のそれぞれにおいて、図形が示されていない。これは、上記時間区間において、端末T1が、複数の基地局A1等のいずれにも接続していないことを示している。
【0083】
このように、複数の時間区間のうちの最後の時間区間「01:50:00~02:00:00」において端末T1が複数の基地局A1等のいずれにも接続していない場合には、端末T1が最後に、複数の基地局A1等のいずれかに接続していた時間区間「01:10:00~01:20:00」を、生成部12が特定時間区間として特定する。そして、表示装置20は、複数の時間区間として特定時間区間を含む複数の時間区間を用いて、画像42のような画像データを生成する。
【0084】
画像42を視認したユーザは、複数の時間区間のうちの最後の時間区間(つまり
図6における「01:50:00~02:00:00」)において端末T1が複数の基地局A1等のいずれにも接続していない場合に、端末T1が最後に、複数の基地局A1等のいずれかに接続していた時間区間と、その時間区間において接続していた基地局を容易に把握することができる。上記場合は、例えば、端末T1の電池残量が不足して端末T1の電源が落ちた場合に生じ得る。このような場合、ユーザは、端末T1の画像42を見ることで、端末T1の所在を把握することができ、端末T1を発見できる可能性がある。端末T1が最後に接続していた基地局A2の無線通信エリア内に端末T1が存在している蓋然性が高いからである。
【0085】
(2)時間区間ごとに時系列で端末T1が接続している基地局を地図上に示す画像
図7は、本実施の形態に係る生成部12が生成する画像データが示す図の画像の第三例である画像45を示す説明図である。
【0086】
画像45は、複数の基地局A1、A2、A3、A4、A5およびA6(A1等ともいう)が配置されている地図上に、複数の基地局A1等のうち端末T1が接続している基地局を示す図の画像である。画像45は、複数の基地局A1等が配置されている空間(オフィスまたは工場など)内の平面図に、複数の基地局A1等が配置されている位置を矩形で示し、かつ、複数の基地局A1等の通信可能範囲を破線の円形で示している。なお、上記通信可能範囲は、目安であってよく、厳密なものである必要はない。なお、地図には、上記空間に配置されている機材または什器等が記載されていてもよい。各基地局は予めその位置が特定されて地図上に表される。
【0087】
画像45は、時間区間「00:00:00~00:10:00」における、端末T1が接続している基地局を示すものである。画像45において、基地局A1の通信可能範囲が斜線により塗りつぶされており、この塗りつぶしによって、端末T1が接続している基地局(つまり基地局A1)が示されている。
【0088】
なお、複数の基地局A1等のうち基地局A1を除く他の基地局の通信可能範囲が塗りつぶされていない。つまり、端末T1が接続している基地局A1が、複数の基地局のうち基地局A1を除く基地局と異なる態様で示されている。このような態様により、ユーザは、端末T1が接続している基地局A1を、他の基地局と容易に区別して認識することができる。
【0089】
図8は、本実施の形態に係る生成部12が生成する画像データが示す図の画像の第四例である画像46を示す説明図である。
【0090】
画像46は、画像45と同様に、複数の基地局A1等が配置されている地図上に、端末T1が接続している基地局を示す図の画像である。
【0091】
画像46は、時間区間「00:20:00~00:30:00」における、端末T1が接続している基地局を示すものである。画像46において、基地局A2の通信可能範囲が斜線により塗りつぶされており、この塗りつぶしによって、端末T1が接続している基地局(つまり基地局A2)が示されている。
【0092】
なお、画像45または46は、それぞれ、一の時間区間において端末T1が接続している基地局を示す図の画像であるが、生成部12は、画像45および46を含む一の画像を生成してもよい。上記一の画像は、他の時間区間(例えば時間区間「00:10:00~00:20:00」)を含んでもよい。この場合、上記一の画像は、複数の時間区間ごとに時系列で複数の基地局A1等のうちのどの基地局に端末T1が接続しているか、を示す図に相当する。
【0093】
ここで、本実施の形態では、
図7および
図8に示されるように、空間(オフィスまたは工場など)内の平面図に複数の基地局A1等が配置されている例で説明したが、これに限らず、例えば空間内を階層ごと(例えば、1階、2階など)に複数の基地局A1等が配置されている場合には、生成部12はそれぞれの階層ごとに画像データを生成してもよい。この場合、階層を移動して利用される端末(通信機器)の所在を容易に把握することができる。
【0094】
図9は、本実施の形態に係る提供装置10が実行する処理を示すフロー図である。
【0095】
ステップS101において、取得部11は、複数の基地局A1等から端末の接続情報を取得する。
【0096】
ステップS102において、取得部11は、対象端末(つまり端末T1)の指定をユーザから受け付ける。なお、ステップS102は、必須の処理ではない。ステップS102の処理を実行しない場合、取得部11は、あらかじめ定められた端末を対象端末として以降の処理を実行する。
【0097】
ステップS103において、生成部12は、対象端末がどの基地局に接続していたかを示す図を示す画像データを生成する。
【0098】
ステップS104において、生成部12は、ステップS103で生成した画像データを表示装置20に提供する。
【0099】
図9に示される一連の処理により、提供装置10は、端末T1の所在をユーザに容易に把握させることができる。
【0100】
以上のように、本実施の形態の提供装置は、複数の基地局のうち端末が接続している基地局を示す図の画像を表示装置に表示させ、ユーザに視認させることができる。ユーザは、図の画像を視認することで、端末の所在を容易に把握することができる。とくに、提供装置が図の画像を用いることで、ユーザは、文字情報(文字または数字等)のみの場合よりも、より容易に端末の所在を把握することができる効果がある。このように、提供装置は、端末の所在をユーザに容易に把握させることができる。
【0101】
また、提供装置は、端末が接続している基地局を、複数の時間区間ごとに時系列で示す図の画像を表示させ、ユーザに視認させる。これにより、ユーザは、端末が接続している基地局を時系列で把握することができ、例えば時系列で端末の行方をたどることができる。よって、提供装置は、端末の所在をユーザに、より容易に把握させることができる。
【0102】
また、提供装置は、端末が最後に複数の基地局のいずれかに接続していた時間区間を含めた複数の時間区間を時系列で示す図の画像を表示させ、ユーザに視認させる。これにより、ユーザは、端末が最後に基地局に接続していた時間区間と、その時間区間に接続していた基地局を容易に把握することができ、その時間区間に接続していた基地局の通信可能範囲内に端末がある可能性を認識し得る。よって、提供装置は、端末の所在をユーザに容易に把握させることができる。
【0103】
また、提供装置は、現在時刻において端末が接続している基地局を示す図の画像を表示させ、ユーザに視認させる。これにより、ユーザは、現在時刻において端末が接続している基地局を容易に把握することができる。よって、提供装置は、端末の所在をユーザに、より容易に把握させることができる。
【0104】
また、提供装置は、端末が接続している基地局を地図上に示す図の画像を表示させ、ユーザに視認させる。これにより、ユーザは、地図に基づいて基地局の位置をより容易に、かつ直感的に把握することができる。
【0105】
また、提供装置は、ユーザが指定する対象端末について処理を実行することで、対象端末が無線通信で接続している基地局を示す図の画像を表示させ、ユーザに視認させる。これにより、ユーザは、対象端末が接続している基地局をより容易に把握することができる。よって、提供装置は、ユーザが指定する対象端末の所在をユーザに、より容易に把握させることができる。
【0106】
また、提供装置は、端末とは異なる表示装置に、当該端末が接続している基地局を示す図の画像を表示させる。これにより、端末の所在を失念し、または、端末を発見できないユーザが、その端末を発見することに寄与する。よって、提供装置は、端末の所在をユーザに容易に把握させることができる。
【0107】
なお、本発明は、装置として実現できるだけでなく、その装置を構成する処理手段をステップとする方法として実現したり、それらステップをコンピュータに実行させるプログラムとして実現したり、そのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能なCD-ROMなどの記録媒体として実現したり、そのプログラムを示す情報、データ又は信号として実現したりすることもできる。そして、それらプログラム、情報、データ及び信号は、インターネット等の通信ネットワークを介して配信してもよい。
【0108】
以上、本発明の提供装置等について、実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、この実施の形態に限定されるものではない。本発明の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態に施したものや、異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、本発明の範囲内に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0109】
本発明は、端末の所在をユーザに把握させるサービス提供装置等に利用可能である。
【符号の説明】
【0110】
1 通信システム
10 提供装置
11 取得部
12 生成部
13 提供部
20 表示装置
41、42、45、46 画像
A1、A2、A3、A4、A5、A6 基地局
N ネットワーク
T1、T2 端末