(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-04
(45)【発行日】2025-02-13
(54)【発明の名称】部材転写方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/02 20060101AFI20250205BHJP
B23K 26/57 20140101ALI20250205BHJP
【FI】
H01L21/02 C
B23K26/57
(21)【出願番号】P 2020138133
(22)【出願日】2020-08-18
【審査請求日】2023-04-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000003964
【氏名又は名称】日東電工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100122471
【氏名又は名称】籾井 孝文
(74)【代理人】
【識別番号】100186185
【氏名又は名称】高階 勝也
(72)【発明者】
【氏名】上野 周作
(72)【発明者】
【氏名】平山 高正
【審査官】堀江 義隆
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2020/235997(WO,A1)
【文献】特開2003-077940(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/02
H01L 21/50
H01L 21/52
H01L 21/677
B23K 26/57
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の硬質基板上に配置された部材を第2の硬質基板に転写する方法であって、
紫外線吸収剤を含む第1の紫外線吸収層を介して、該第1の硬質基板と該部材とを積層して、積層体Aを形成する工程と、その後、
該積層体Aを、該部材が該第2の硬質基板側となるようにして、該第2の硬質基板に固定し、積層体Bを形成する工程と、その後
該第1の紫外線吸収層に紫外線を照射して、該積層体Bから該第1の硬質基板を剥離する剥離工程とを含み、
該紫外線吸収剤が、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤、サリチレート系紫外線吸収剤またはシアノアクリレート系紫外線吸収剤である、
部材転写方法。
【請求項2】
前記第1の硬質基板と、前記部材との間に、粘着剤層が配置されている、請求項1に記載の部材転写方法。
【請求項3】
前記第1の紫外線吸収層が、有機物から構成される、請求項1または2に記載の部材転写方法。
【請求項4】
前記第2の硬質基板上に、第2の紫外線吸収層が形成され、
該第2の紫外線吸収層が、前記部材と前記第2の硬質基板との間に配置されている、
請求項1から3のいずれかに記載の部材転写方法。
【請求項5】
第1の硬質基板と、第1の紫外線吸収層と、部材と、第2の硬質基板とをこの順に備え、
請求項1から4のいずれかに記載の部材転写方法に用いられる、
積層体。
【請求項6】
前記第1の紫外線吸収層が活性エネルギー線硬化型粘着剤をさらに含み、
前記剥離工程において、該第1の紫外線吸収層の全体に活性エネルギー線を照射して、粘着力を低下させた後に、レーザー光を照射して、前記積層体Bから前記第1の硬質基板を剥離する、
請求項1から4のいずれかに記載の部材転写方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、部材転写方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、電子部品の加工においては、工程間の移送等のため、基板をキャリアとして用い、当該基板上に配置された電子部品を他の基板に転写することが行われている。マイクロLED等の超小型チップを転写する際には、転写の際の位置精度をよくする観点から、硬質基板をキャリアとして用いることがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
硬質基板をキャリアとした場合、より具体的には、第1の硬質基板上に所定の粘着剤層を介して配置された電子部品(例えば、マイクロLED)を、粘着剤層付の第2の硬質基板上に転写する場合、しなりにくい硬質基板を用いているため、第1の硬質基板を基板の主面に対して垂直方向に離間させることとなる。そうすると、電子部品に負荷がかかり当該電子部品が破損したり、転写不良が生じたり等の問題が生じる。
【0005】
本発明は上記従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、硬質基板を用いつつも、良好に部材(被加工品)の転写を行うことができる部材転写方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の部材転写方法は、第1の硬質基板上に配置された部材を第2の硬質基板に転写する方法であって、第1の紫外線吸収層を介して、該第1の硬質基板と該部材とを積層して、積層体Aを形成する工程と、その後、該積層体Aを、該部材が該第2の硬質基板側となるようにして、該第2の硬質基板に固定し、積層体Bを形成する工程と、その後、該第1の紫外線吸収層に紫外線を照射して、該積層体Bから該第1の硬質基板を剥離する工程とを含む。
1つの実施形態において、上記第1の硬質基板と、上記部材との間に、粘着剤層が配置されている。
1つの実施形態において、上記第1の紫外線吸収層が、有機物から構成される。
1つの実施形態において、上記第1の紫外線吸収層が、無機物から構成される。
1つの実施形態において、上記第2の硬質基板上に、第2の紫外線吸収層が形成され、該第2の紫外線吸収層が、前記部材と前記第2の硬質基板との間に配置されている。
本発明の別の局面によれば、積層体が提供される。この積層体は、第1の硬質基板と、第1の紫外線吸収層と、部材と、第2の硬質基板とをこの順に備え、上記部材転写方法に用いられる。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、硬質基板を用いつつも、良好に部材(被加工品)の転写を行うことができる部材転写方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の1つの実施形態による部材転写方法を説明する概略図である。
【
図2】本発明の別の実施形態による部材転写方法を説明する概略図である。
【
図3】本発明の別の実施形態による部材転写方法を説明する概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
A.部材転写法の概要
図1は、本発明の1つの実施形態による部材転写方法を説明する概略図である。
図2は、本発明の別の実施形態による部材転写方法を説明する概略図である。本発明の部材転写方は、第1の硬質基板10上に配置された部材30を第2の硬質基板20に転写する方法である。当該方法は、第1の紫外線吸収層40を介して第1の硬質基板10と部材30とを積層して積層体Aを形成する工程(以下、積層工程ともいう)と、その後、積層体Aを、部材30が第2の硬質基板20側となるようにして、第2の硬質基板20に固定し、積層体Bを形成する工程(以下、固定工程ともいう)と、その後、第1の紫外線吸収層40に紫外線を照射して、上記積層体B(第2の硬質基板20)から第1の硬質基板10を剥離する工程(以下、剥離工程ともいう)を含む。紫外線吸収層(第1の紫外線吸収層40、第2の紫外線吸収層50(後述))とは、紫外線を吸収し得る特性を有する層であって、紫外線(好ましくは、UVレーザー光)の照射により、その表面の一部または全部において、剥離性を示す層をいう。
【0010】
上記部材は、特に限定されず、例えば、半導体素子、光半導体素子などの電子部品が、用いられ得る。固定工程前、上記部材は、第1の紫外線吸収層上に複数配置されていてもよく、1個配置されていてもよい。
【0011】
上記部材ひとつあたりの載置面積は、例えば、1μm2~1cm2である。また、複数の部材が配置される場合、その間隔は、例えば、2μm~5mmである。
【0012】
1つの実施形態において、上記部材30と上記第1の紫外線吸収層40とは一体で用いられる。部材30/第1の紫外線吸収層40とから構成される構成体(例えば、電子部品)としては、例えば、無機物である第1の紫外線吸収層40と組み合わされた部材30が挙げられ、具体的には、例えば、第1の紫外線吸収層40として、GaN(窒化ガリウム)系化合物結晶層を備える光半導体素子(LED)が挙げられる。この実施形態においては、
図1に示すように、上記方法により、部材30/第1の紫外線吸収層40とから構成される構成体が、第1の硬質基板10から第2の硬質基板20に転写される。
【0013】
別の実施形態においては、
図2に示すように、剥離工程において、第1の硬質基板10と第1の紫外線吸収層40とを含む積層体が、積層体B(第1の硬質基板10)から剥離され、したがって、上記転写方法により、部材30と第1の紫外線吸収層40とは離間する。本実施形態においては、第1の紫外線吸収層40として、有機物である第1の紫外線吸収層40が形成され得る。
【0014】
本発明によれば、紫外線の照射により、硬質基板の剥離が実現できるため、部材に不要な負荷をかけることなく、当該部材の転写を完了させることができる。なお、積層工程と固定工程との間において、部材を加工する任意の適切な工程を行ってもよい。
【0015】
B.積層工程
B-1.硬質基板
上記硬質基板(第1の硬質基板、第2の硬質基板)とは、曲げ弾性率が、1GPa以上である板上の成形体をいう。曲げ弾性率は、硬質基板を構成する材料に応じて、JIS K7171またはJIS R1602にそれぞれ準拠して、4点曲げ試験により測定することができる。
【0016】
上記硬質基板を構成する材料としては、任意の適切な材料が用いられ得る。硬質基板を構成する材料としては、例えば、ガラス、金属、シリコン、サファイア、プラスチック等が挙げられる。1つの実施形態においては、硬質基板としてポリエチレンテレフタレートから構成された硬質基板が用いられる。ポリエチレンテレフタレートから構成された硬質基板の厚みは、例えば、100μm以上である。
【0017】
上記硬質基板の紫外線(波長360nm)透過率は、好ましくは70%以上であり、より好ましくは80%~99.9%である。硬質基板が光透過性を有していれば、剥離工程における剥離を好ましく生じさせることができる。
【0018】
第1の硬質基板と第2の硬質基板は、同じ構成であってもよく、異なる構成であってもよい。
【0019】
B-2.第1の紫外線吸収層
1つの実施形態において、上記第1の紫外線吸収層は、有機物から構成される。別の実施形態においては、上記第1の紫外線吸収層は、無機物から構成される。
【0020】
(有機物から構成される第1の紫外線吸収層)
有機物から構成される第1の紫外線吸収層は、初期には(すなわち、紫外線照射前には)粘着性を有し、紫外線照射後に粘着力が低下して剥離性を示す層であり得る。1つの実施形態においては、第1の紫外線吸収層は、部分的な紫外線照射(例えば、UVレーザー光照射)により、部分的に粘着力が低下する層であり得る。
【0021】
1つの実施形態において、有機物から構成される第1の紫外線吸収層は、紫外線吸収剤を含む。好ましくは、有機物から構成される第1の紫外線吸収層は、活性エネルギー線硬化型粘着剤をさらに含む。
【0022】
第1の紫外線吸収層が紫外線吸収剤を含むことにより、UVレーザー光照射による被着体の剥離が可能となる。より詳細には、第1の紫外線吸収層にUVレーザー光を照射することにより、紫外線吸収剤が分解して発生するガス、および/または紫外線吸収剤が発熱することにより第1の紫外線吸収層が分解して発生するガスにより、第1の紫外線吸収層に変形が生じ、その結果、UVレーザー光が照射された部分において、剥離性が発現する。
【0023】
また、第1の紫外線吸収層が、活性エネルギー線硬化型粘着剤を含んでいれば、活性エネルギー線を照射することにより、第1の紫外線吸収層全体の粘着力が低下する。部材が貼着された第1の紫外線吸収層の全体に活性エネルギー線を照射して、粘着力を低下させた後に、上記のようにレーザー光を照射することにより、剥離後の糊残りを防止することができる。活性エネルギー線としては、例えば、ガンマ線、紫外線、可視光線、赤外線(熱線)、ラジオ波、アルファ線、ベータ線、電子線、プラズマ流、電離線、粒子線等が挙げられる。好ましくは、紫外線である。
【0024】
上記有機物から構成される第1の紫外線吸収層の波長355nmの光透過率は、好ましくは50%以下である。当該光透過率を低くすることにより、剥離の際のレーザー出力を低くすることができる。第1の紫外線吸収層の波長355nmの光透過率は、より好ましくは40%以下であり、さらに好ましくは30%以下である。このような範囲であれば、上記効果はより顕著となる。
【0025】
有機物から構成される第1の紫外線吸収層をステンレス板に貼着した際の23℃における初期粘着力は、好ましくは0.1N/20mm~20N/20mmであり、より好ましくは0.5N/20mm~15N/20mmである。このような範囲であれば、良好に部材を保持し得る紫外線吸収層を形成することができる。粘着力は、JIS Z 0237:2000に準じて測定される。具体的には、2kgのローラーを1往復により第1の紫外線吸収層をステンレス板(算術平均表面粗さRa:50±25nm)に貼着し、23℃下で30分間放置した後、剥離角度180°、剥離速度(引張速度)300mm/minの条件で、第1の紫外線吸収層を引きはがして測定される。紫外線吸収層は、活性エネルギー線照射およびレーザー光照射により粘着力が変化するが、本明細書において、「初期粘着力」とは、活性エネルギー線およびレーザー光を照射する前の粘着力を意味する。
【0026】
1つの実施形態においては、有機物から構成される第1の紫外線吸収層をステンレス板に貼着し、460mJ/cm2の紫外線を照射した後の23℃における粘着力は、好ましくは0.01N/20mm~2N/20mmであり、より好ましくは0.02N/20mm~1N/20mmである。このような範囲であれば、糊残り少なく部材の転写を行うことができる。上記紫外線照射は、例えば、紫外線照射装置(日東精機社製、商品名「UM-810」)を用いて、高圧水銀灯の紫外線(特性波長:365nm、積算光量:460mJ/cm2、照射エネルギー:70W/cm2、照射時間:6.6秒)を第1の紫外線吸収層に照射して行われる。
【0027】
有機物から構成される第1の紫外線吸収層の厚みは、好ましくは50μm以下である。このような範囲であれば、剥離の際のレーザー出力をより低くすることが可能となる。第1の紫外線吸収層の厚みは、40μm以下であることがより好ましく、30μm以下であることがさらに好ましく、1μm~30μmであることより好ましい。このような範囲であれば、上記効果が顕著となる。
【0028】
・紫外線吸収剤:
紫外線吸収剤としては、紫外線(例えば、波長355nm)を吸収する化合物であれば、任意の適切な紫外線吸収剤が用いられ得る。紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤、サリチレート系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤等が挙げられる。なかでも好ましくは、トリアジン系紫外線吸収剤またはベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤であり、特に好ましくはトリアジン系紫外線吸収剤である。特に、粘着剤Aとしてアクリル系粘着剤を用いる場合に、当該アクリル系粘着剤のベースポリマーとの相溶性が高いことから、トリアジン系紫外線吸収剤は好ましく用いられ得る。トリアジン系紫外線吸収剤は、水酸基を有する化合物から構成されていることがより好ましく、ヒドロキシフェニルトリアジン系化合物から構成された紫外線吸収剤(ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤)であることが特に好ましい。
【0029】
ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤としては、例えば、2-(4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン-2-イル)-5-ヒドロキシフェニルと[(C10-C16(主としてC12-C13)アルキルオキシ)メチル]オキシランとの反応生成物(商品名「TINUVIN 400」、BASF社製)、2-[4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン-2-イル]-5-[3-(ドデシルオキシ)-2-ヒドロキシプロポキシ]フェノール)、2-(2,4-ジヒドロキシフェニル)-4,6-ビス-(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジンと(2-エチルヘキシル)-グリシド酸エステルの反応生成物(商品名「TINUVIN 405」、BASF社製)、2,4-ビス(2-ヒドロキシ-4-ブトキシフェニル)-6-(2,4-ジブトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン(商品名「TINUVIN 460」、BASF社製)、2-(4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン-2-イル)-5-[(ヘキシル)オキシ]-フェノール(商品名「TINUVIN 1577」、BASF社製)、2-(4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン-2-イル)-5-[2-(2-エチルヘキサノイルオキシ)エトキシ]-フェノール(商品名「アデカスタブ LA-46」、(株)ADEKA製)、2-(2-ヒドロキシ-4-[1-オクチルオキシカルボニルエトキシ]フェニル)-4,6-ビス(4-フェニルフェニル)-1,3,5-トリアジン(商品名「TINUVIN 479」、BASF社製)、BASF社製の商品名「TINUVIN 477」などが挙げられる。
【0030】
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(ベンゾトリアゾール系化合物)としては、例えば、2-(2-ヒドロキシ-5-tert-ブチルフェニル)-2H-ベンゾトリアゾール(商品名「TINUVIN PS」、BASF社製)、ベンゼンプロパン酸および3-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-5-(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシ(C7-9側鎖および直鎖アルキル)のエステル化合物(商品名「TINUVIN 384-2」、BASF社製)、オクチル3-[3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-(5-クロロ-2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)フェニル]プロピオネートおよび2-エチルヘキシル-3-[3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-(5-クロロ-2H-ベンゾトリアゾール-2イル)フェニル]プロピオネートの混合物(商品名「TINUVIN 109」、BASF社製)、2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4,6-ビス(1-メチル-1-フェニルエチル)フェノール(商品名「TINUVIN 900」、BASF社製)、2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-6-(1-メチル-1-フェニルエチル)-4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェノール(商品名「TINUVIN 928」、BASF製)、メチル3-(3-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-5-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート/ポリエチレングリコール300の反応生成物(商品名「TINUVIN 1130」、BASF社製)、2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-p-クレゾール(商品名「TINUVIN P」、BASF社製)、2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4,6-ビス(1-メチル-1-フェニルエチル)フェノール(商品名「TINUVIN 234」、BASF社製)、2-[5-クロロ-2H-ベンゾトリアゾール-2-イル]-4-メチル-6-(tert-ブチル)フェノール(商品名「TINUVIN 326」、BASF社製)、2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4,6-ジ-tert-ペンチルフェノール(商品名「TINUVIN 328」、BASF社製)、2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェノール(商品名「TINUVIN 329」、BASF社製)、2,2’-メチレンビス[6-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェノール](商品名「TINUVIN 360」、BASF社製)、メチル3-(3-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-5-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネートとポリエチレングリコール300との反応生成物(商品名「TINUVIN 213」、BASF社製)、2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-6-ドデシル-4-メチルフェノール(商品名「TINUVIN 571」、BASF社製)、2-[2-ヒドロキシ-3-(3,4,5,6-テトラヒドロフタルイミド-メチル)-5-メチルフェニル]ベンゾトリアゾール(商品名「Sumisorb 250」、住友化学(株)製)、2-(3-tert-ブチル-2-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)-5-クロロ-2H-ベンゾトリアゾール(商品名「SEESORB 703」、シプロ化成社製)、2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-メチル-6-(3,4,5,6-テトラヒドロフタルイミジルメチル)フェノール(商品名「SEESORB 706」、シプロ化成社製)、2-(4-ベンゾイルオキシ-2-ヒドロキシフェニル)-5-クロロ-2H-ベンゾトリアゾール(シプロ化成社製の商品名「SEESORB 7012BA」)、2-tert-ブチル-6-(5-クロロ-2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-メチルフェノール(商品名「KEMISORB 73」、ケミプロ化成社製)、2,2’-メチレンビス[6-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-tert-オクチルフェノール](商品名「アデカスタブ LA-31」、(株)ADEKA製)、2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-p-セルロース(商品名「アデカスタブ LA-32」、(株)ADEKA製)、2-(5-クロロ-2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-6-tert-ブチル-4-メチルフェノール(商品名「アデカスタブ LA-36」、(株)ADEKA製)などが挙げられる。
【0031】
上記紫外線吸収剤は、染料または顔料であってもよい。顔料としては、例えば、アゾ系、フタロシアニン系、アントラキノン系、レーキ系、ペリレン系、ペリノン系、キナクリドン系、チオインジゴ系、ジオキサンジン系、イソインドリノン系、キノフタロン系等の顔料が挙げられる。染料としては、アゾ系、フタロシアニン系、アントラキノン系、カルボニル系、インジゴ系、キノンイミン系、メチン系、キノリン系、ニトロ系等の染料が挙げられる。
【0032】
上記紫外線吸収剤を構成する化合物の分子量は、好ましくは100~1500であり、より好ましくは200~1200であり、さらに好ましくは200~1000である。このような範囲であれば、レーザー光照射により、より良好な変形部を形成し得る紫外線吸収層を形成することができる。
【0033】
上記紫外線吸収剤の最大吸収波長は、好ましくは300nm~450nmであり、より好ましくは320nm~400nmであり、さらに好ましくは330nm~380nmである。紫外線吸収剤の最大吸収波長と上記光重合開始剤の最大吸収波長との差は、好ましく10nm以上であり、より好ましくは25nm以上である。
【0034】
上記紫外線吸収剤の5%重量減少温度は、好ましくは350℃以下であり、より好ましくは330℃以下である。紫外線吸収剤の5%重量減少温度の下限は、例えば、100℃である。このような範囲であれば、レーザー光照射により、より良好な変形部を形成し得る紫外線吸収層を形成することができる。紫外線吸収剤の5%重量減少温度とは、紫外線吸収剤を昇温させた際の当該紫外線吸収剤の重量が、昇温前の重量に対して、5重量%減少した時点での温度を意味する。5%重量減少温度は、示差熱分析装置を用いて、昇温温度10℃/分、空気雰囲気下、流量25ml/分の測定条件で測定される。
【0035】
上記紫外線吸収剤の含有割合は、第1の紫外線吸収層中のベースポリマー100重量部に対して、好ましくは1重量部~50重量部であり、より好ましくは5重量部~20重量部である。このような範囲であれば、活性エネルギー線の照射により紫外線吸収層全体の粘着力を良好に低下させる際に、紫外線吸収層の硬化が良好に進み、かつ、レーザー光照射により、良好な剥離性を示す紫外線吸収層を形成することができる。
【0036】
・活性エネルギー線硬化型粘着剤:
1つの実施形態においては、活性エネルギー線硬化型粘着剤として、母剤となるベースポリマーと、該ベースポリマーと結合可能な活性エネルギー線反応性化合物(モノマーまたはオリゴマー)とを含む活性エネルギー線硬化型粘着剤(A1)が用いられる。別の実施形態においては、ベースポリマーとして活性エネルギー線反応性ポリマーを含む活性エネルギー線硬化型粘着剤(A2)が用いられる。好ましくは、上記ベースポリマーは、光重合開始剤と反応し得る官能基を有する。該官能基としては、例えば、ヒドロキシル基、カルボキシル基等が挙げられる。
【0037】
上記粘着剤(A1)において用いられるベースポリマーとしては、例えば、天然ゴム、ポリイソブチレンゴム、スチレン・ブタジエンゴム、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体ゴム、再生ゴム、ブチルゴム、ポリイソブチレンゴム、ニトリルゴム(NBR)等のゴム系ポリマー;シリコーン系ポリマー;アクリル系ポリマー等が挙げられる。これらのポリマーは、単独で、または2種以上組み合わせて用いてもよい。なかでも好ましくは、アクリル系ポリマーである。
【0038】
アクリル系ポリマーとしては、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステル、(メタ)アクリル酸アリールエステルなどの炭化水素基含有(メタ)アクリル酸エステルの単重合体または共重合体;該炭化水素基含有(メタ)アクリル酸エステルと他の共重合性モノマーとの共重合体等が挙げられる。(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸のメチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル、イソプロピルエステル、ブチルエステル、イソブチルエステル、s-ブチルエステル、t-ブチルエステル、ペンチルエステル、イソペンチルエステル、ヘキシルエステル、ヘプチルエステル、オクチルエステル、2-エチルヘキシルエステル、イソオクチルエステル、ノニルエステル、デシルエステル、イソデシルエステル、ウンデシルエステル、ドデシルエステルすなわちラウリルエステル、トリデシルエステル、テトラデシルエステル、ヘキサデシルエステル、オクタデシルエステル、およびエイコシルエステルが挙げられる。(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸のシクロペンチルエステルおよびシクロヘキシルエステルが挙げられる。(メタ)アクリル酸アリールエステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸フェニルおよび(メタ)アクリル酸ベンジルが挙げられる。上記炭化水素基含有(メタ)アクリル酸エステル由来の構成単位の含有割合は、ベースポリマー100重量部に対して、好ましくは40重量部以上であり、より好ましくは60重量部以上である。
【0039】
上記他の共重合性モノマーとしては、例えば、カルボキシ基含有モノマー、酸無水物モノマー、ヒドロキシ基含有モノマー、グリシジル基含有モノマー、スルホン酸基含有モノマー、リン酸基含有モノマー、アクリルアミド、およびアクリロニトリルなどの官能基含有モノマー等が挙げられる。カルボキシ基含有モノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、カルボキシエチル(メタ)アクリレート、カルボキシペンチル(メタ)アクリレート、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、およびクロトン酸が挙げられる。酸無水物モノマーとしては、例えば、無水マレイン酸および無水イタコン酸が挙げられる。ヒドロキシ基含有モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4-ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸6-ヒドロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸8-ヒドロキシオクチル、(メタ)アクリル酸10-ヒドロキシデシル、(メタ)アクリル酸12-ヒドロキシラウリル、および(4-ヒドロキシメチルシクロヘキシル)メチル(メタ)アクリレートが挙げられる。グリシジル基含有モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸グリシジルおよび(メタ)アクリル酸メチルグリシジルが挙げられる。スルホン酸基含有モノマーとしては、例えば、スチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、2-(メタ)アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、(メタ)アクリルアミドプロパンスルホン酸、スルホプロピル(メタ)アクリレート、および(メタ)アクリロイルオキシナフタレンスルホン酸が挙げられる。リン酸基含有モノマーとしては、例えば、2-ヒドロキシエチルアクリロイルホスフェートが挙げられる。アクリルアミドとしては、例えばN-アクリロイルモルホリンが挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。上記共重合性モノマー由来の構成単位の含有割合は、ベースポリマー100重量部に対して、好ましくは60重量部以下であり、より好ましくは40重量部以下である。
【0040】
アクリル系ポリマーは、そのポリマー骨格中に架橋構造を形成するために、多官能性モノマー由来の構成単位を含み得る。多官能性モノマーとして、例えば、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート(すなわち、ポリグリシジル(メタ)アクリレート)、ポリエステル(メタ)アクリレート、およびウレタン(メタ)アクリレートが挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。上記多官能性モノマー由来の構成単位の含有割合は、ベースポリマー100重量部に対して、好ましくは40重量部以下であり、より好ましくは30重量部以下である。
【0041】
上記アクリル系ポリマーの重量平均分子量は、好ましくは10万~300万であり、より好ましくは20万~200万である。重量平均分子量は、GPC(溶媒:THF)により測定され得る。
【0042】
上記粘着剤(A1)に用いられ得る上記活性エネルギー線反応性化合物としては、例えば、アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基、アリル基、アセチレン基等の重合性炭素-炭素多重結合を有する官能基を有する光反応性のモノマーまたはオリゴマーが挙げられる。該光反応性のモノマーの具体例としては、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸と多価アルコールとのエステル化物;多官能ウレタン(メタ)アクリレート;エポキシ(メタ)アクリレート;オリゴエステル(メタ)アクリレート等が挙げられる。また、メタクリロイソシアネート、2-メタクリロイルオキシエチルイソシアネート(2-イソシアナトエチルメタクリレート)、m-イソプロペニル-α,α-ジメチルベンジルイソシアネート等のモノマーを用いてもよい。光反応性のオリゴマーの具体例としては、上記モノマーの2~5量体等が挙げられる。光反応性のオリゴマーの分子量は、好ましくは100~3000である。
【0043】
また、上記活性エネルギー線反応性化合物として、エポキシ化ブタジエン、グリシジルメタクリレート、アクリルアミド、ビニルシロキサン等のモノマー;または該モノマーから構成されるオリゴマーを用いてもよい。
【0044】
さらに、上記活性エネルギー線反応性化合物として、オニウム塩等の有機塩類と、分子内に複数の複素環を有する化合物との混合物を用いてもよい。該混合物は、活性エネルギー線(例えば、紫外線、電子線)の照射により有機塩が開裂してイオンを生成し、これが開始種となって複素環の開環反応を引き起こして3次元網目構造を形成し得る。上記有機塩類としては、例えば、ヨードニウム塩、フォスフォニウム塩、アンチモニウム塩、スルホニウム塩、ボレート塩等が挙げられる。上記分子内に複数の複素環を有する化合物における複素環としては、オキシラン、オキセタン、オキソラン、チイラン、アジリジン等が挙げられる。
【0045】
上記粘着剤(A1)において、活性エネルギー線反応性化合物の含有割合は、ベースポリマー100重量部に対して、好ましくは0.1重量部~500重量部であり、より好ましくは5重量部~300重量部であり、さらに好ましくは40重量部~150重量部である。
【0046】
上記粘着剤(A2)に含まれる活性エネルギー線反応性ポリマー(ベースポリマー)としては、例えば、アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基、アリル基、アセチレン基等の炭素-炭素多重結合を有する官能基を有するポリマーが挙げられる。活性エネルギー線反応性ポリマーの具体例としては、多官能(メタ)アクリレートから構成されるポリマー;光カチオン重合型ポリマー;ポリビニルシンナマート等のシンナモイル基含有ポリマー;ジアゾ化されたアミノノボラック樹脂;ポリアクリルアミド;等が挙げられる。
【0047】
1つの実施形態においては、上記アクリル系ポリマーの側鎖、主鎖および/または主鎖末端に、活性エネルギー線重合性の炭素-炭素多重結合が導入されて構成された活性エネルギー線反応性ポリマーが用いられる。アクリル系ポリマーへの放射線重合性の炭素-炭素二重結合の導入手法としては、例えば、所定の官能基(第1の官能基)を有するモノマーを含む原料モノマーを共重合させてアクリル系ポリマーを得た後、第1の官能基との間で反応を生じて結合しうる所定の官能基(第2の官能基)と放射線重合性炭素-炭素二重結合とを有する化合物を、炭素-炭素二重結合の放射線重合性を維持したままアクリル系ポリマーに対して縮合反応または付加反応させる方法が、挙げられる。
【0048】
第1の官能基と第2の官能基の組み合わせとしては、例えば、カルボキシ基とエポキシ基、エポキシ基とカルボキシ基、カルボキシ基とアジリジル基、アジリジル基とカルボキシ基、ヒドロキシ基とイソシアネート基、イソシアネート基とヒドロキシ基が挙げられる。これら組み合わせのうち、反応追跡の容易さの観点からは、ヒドロキシ基とイソシアネート基の組み合わせや、イソシアネート基とヒドロキシ基の組み合わせが、好ましい。また、反応性の高いイソシアネート基を有するポリマーを作製するのは技術的難易度が高いところ、アクリル系ポリマーの作製または入手のしやすさの観点からは、アクリル系ポリマー側の上記第1の官能基がヒドロキシ基であり且つ上記第2の官能基がイソシアネート基である場合が、より好ましい。この場合、放射線重合性炭素-炭素二重結合と第2の官能基たるイソシアネート基とを併有するイソシアネート化合物としては、例えば、メタクリロイルイソシアネート、2-メタクリロイルオキシエチルイソシアネート、およびm-イソプロペニル-α,α-ジメチルベンジルイソシアネートが挙げられる。また、第1の官能基を有するアクリル系ポリマーとしては、上記のヒドロキシ基含有モノマー由来の構成単位を含むものが好ましく、2-ヒドロキシエチルビニルエーテルや、4-ヒドロキシブチルビニルエーテル、ジエチレングルコールモノビニルエーテルなどのエーテル系化合物由来の構成単位を含むものも好ましい。
【0049】
上記粘着剤(A2)は、上記活性エネルギー線反応性化合物(モノマーまたはオリゴマー)をさらに含んでいてもよい。
【0050】
上記活性エネルギー線硬化型粘着剤は、光重合開始剤を含み得る。
【0051】
光重合開始剤としては、任意の適切な開始剤を用いることができる。光重合開始剤としては、例えば、4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル(2-ヒドロキシ-2-プロピル)ケトン、α-ヒドロキシ-α,α’-ジメチルアセトフェノン、2-メチル-2-ヒドロキシプロピオフェノン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン等のα-ケトール系化合物;メトキシアセトフェノン、2,2-ジメトキシ-2-フェニルアセトフェノン、2,2-ジエトキシアセトフェノン、2-メチル-1-[4-(メチルチオ)-フェニル]-2-モルホリノプロパン-1等のアセトフェノン系化合物;ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、アニソインメチルエーテル等のベンゾインエーテル系化合物;ベンジルジメチルケタール等のケタール系化合物;2-ナフタレンスルホニルクロリド等の芳香族スルホニルクロリド系化合物;1-フェノン-1,1―プロパンジオン-2-(o-エトキシカルボニル)オキシム等の光活性オキシム系化合物;ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、3,3’-ジメチル-4-メトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物;チオキサンソン、2-クロロチオキサンソン、2-メチルチオキサンソン、2,4-ジメチルチオキサンソン、イソプロピルチオキサンソン、2,4-ジクロロチオキサンソン、2,4-ジエチルチオキサンソン、2,4-ジイソプロピルチオキサンソン等のチオキサンソン系化合物;カンファーキノン;ハロゲン化ケトン;アシルホスフィノキシド;アシルホスフォナート等が挙げられる。光重合開始剤の使用量は、任意の適切な量に設定され得る。
【0052】
1つの実施形態においては、400nm以下(好ましくは380nm以下、より好ましくは340nm以下)の範囲に最大吸収波長を有する光重合開始剤が用いられる。このような光重合開始剤を用いれば、活性エネルギー線を照射することにより紫外線吸収層全体の粘着力低下させる際、粘着剤の硬化反応が好ましく生じ、糊残りの特に少ない紫外線吸収層を形成することができる。
【0053】
上記光重合開始剤として、市販品を用いてもよい。例えば、400nm以下の範囲に最大吸収波長を有する光重合開始剤として、BASF社製の商品名「イルガキュア127」、「イルガキュア369」、「イルガキュア369E」、「イルガキュア379」、「イルガキュア379EG」、「イルガキュア819」、「イルガキュアTOP」、「イルガキュア784」、「イルガキュアOXE01」等が挙げられる。
【0054】
1つの実施形態においては、上記活性エネルギー線硬化型粘着剤は、光増感剤を含み得る。
【0055】
1つの実施形態においては、上記光増感剤は、上記光重合開始剤と併用され得る。当該光増感剤は、自らが光を吸収して得たエネルギーを光重合開始剤に渡すことで、光重合開始剤からラジカルを発生させることができるため、光重合開始剤自身の吸収ピークが無い長波長側の光で重合を進行させることができる。このため、光増感剤を含有させることにより、上記紫外線吸収剤の吸収波長と光重合開始剤からラジカルを発生さることが可能な波長との差を大きくすることが可能となる。その結果、第1の紫外線吸収層の光重合と紫外線吸収剤による剥離を互いに影響せずに行うことができる。1つの実施形態においては、光重合開始剤としての2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オン(例えば、BASF社製、商品名「イルガキュア651」)と、光増感剤とが併用される。このような光増感剤としては、川崎化成工業株式会社製の商品名「UVS-581」、9,10-ジエトキシアントラセン(例えば、川崎化成工業社製、商品名「UVS1101」)等が挙げられる。
【0056】
上記光増感剤のその他の例としては、9,10-ジブトキシアントラセン(例えば、川崎化成工業社製、商品名「UVS-1331」)、2-イソプロピルチオキサントン、ベンゾフェノン、チオキサントン誘導体、4,4’-ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン等が挙げられる。チオキサントン誘導体としては、例えば、エトキシカルボニルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン等が挙げられる。
【0057】
上記光増感剤の含有割合は、ベースポリマー100重量部に対して、好ましくは0.01重量部~2重量部であり、より好ましくは0.5重量部~2重量部である。
【0058】
好ましくは、上記活性エネルギー線硬化型粘着剤は、架橋剤を含む。架橋剤としては、例えば、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤、アジリジン系架橋剤、メラミン系架橋剤、過酸化物系架橋剤、尿素系架橋剤、金属アルコキシド系架橋剤、金属キレート系架橋剤、金属塩系架橋剤、カルボジイミド系架橋剤、アミン系架橋剤等が挙げられる。
【0059】
上記架橋剤の含有割合は、粘着剤のベースポリマー100重量部に対して、好ましくは0.5重量部~10重量部であり、より好ましくは1重量部~8重量部である。
【0060】
1つの実施形態においては、イソシアネート系架橋剤が好ましく用いられる。イソシアネート系架橋剤は、多種の官能基と反応し得る点で好ましい。上記イソシアネート系架橋剤の具体例としては、ブチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等の低級脂肪族ポリイソシアネート類;シクロペンチレンジイソシアネート、シクロへキシレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等の脂環族イソシアネート類;2,4-トリレンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート等の芳香族イソシアネート類;トリメチロールプロパン/トリレンジイソシアネート3量体付加物(日本ポリウレタン工業社製、商品名「コロネートL」)、トリメチロールプロパン/へキサメチレンジイソシアネート3量体付加物(日本ポリウレタン工業社製、商品名「コロネートHL」)、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体(日本ポリウレタン工業社製、商品名「コロネートHX」)等のイソシアネート付加物;等が挙げられる。好ましくは、イソシアネート基を3個以上有する架橋剤が用いられる。
【0061】
活性エネルギー線硬化型粘着剤は、必要に応じて、任意の適切な添加剤をさらに含み得る。添加剤としては、例えば、活性エネルギー線重合促進剤、ラジカル捕捉剤、粘着付与剤、可塑剤(例えば、トリメリット酸エステル系可塑剤、ピロメリット酸エステル系可塑剤等)、顔料、染料、充填剤、老化防止剤、導電材、帯電防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、剥離調整剤、軟化剤、界面活性剤、難燃剤、酸化防止剤等が挙げられる。
【0062】
(無機物から構成される第1の紫外線吸収層)
上記のとおり、無機物から構成される第1の紫外線吸収層と上記部材とは、組み合わせて用いられ得、ひとつの構成体(例えば、電子部品)を構成し得る。すなわち、無機物から構成される第1の紫外線吸収層は、上記構成体(例えば、電子部品)の一部であり得る。
【0063】
上記のような無機物から構成される第1の紫外線吸収層は、エピタキシャル層であり得る。上記のような無機物から構成される第1の紫外線吸収層としては、例えば、GaN(窒化ガリウム)系化合物結晶層等のIII族の窒化物からなる層が挙げられる。
【0064】
無機物から構成される第1の紫外線吸収層は、いわゆるレーザーリフトオフの手法により剥離性を発現する。例えば、高密度UVレーザー光が照射されることにより、無機物から構成される第1の紫外線吸収層が分解して、その結果、第1の紫外線吸収層と第1の硬質基板とが離間する。レーザーリフトオフの詳細は、例えば、国際公開第2012/011202号に記載されており、当該公報の記載は本明細書に参考として援用される。
【0065】
B-3.粘着剤層
上記積層体Aは、粘着剤層を備えていてもよい。1つの実施形態においては、第1の硬質基板と部材との間に粘着剤層が配置され得る。例えば、第1の硬質基板と第1の紫外線吸収層との間に、粘着剤層が配置され得る。また、粘着剤層と第1の紫外線吸収層とは、任意の適切な基材を介して、積層されていてもよい。基材としては、任意の適切な樹脂から構成された基材が用いられ得る。
【0066】
1つの実施形態において、上記粘着剤層は、紫外線硬化型の粘着剤を含む。当該粘着剤層は、紫外線照射により粘着力が向上する粘着剤層であってもよく、紫外線照射により粘着力が低下する粘着剤層であってもよい。粘着剤としては、例えば、上記活性エネルギー線硬化型粘着剤が用いられ得る。別の実施形態においては、上記粘着剤層は、感圧粘着剤を含む。感圧粘着剤としては、常用の粘着剤が用いられ得る。
【0067】
C.固定工程
上記積層工程により、積層体A(第1の硬質基板10/第1の紫外線吸収層40/部材30)を形成した後、固定工程において、当該積層体Aを第2の硬質基板20上に固定する。
【0068】
(第2の硬質基板)
第2の硬質基板としては、B-1項で説明した硬質基板が用いられ得る。
【0069】
図1および
図2に示すように、第2の硬質基板20上には、第2の紫外線吸収層50または粘着剤層が形成され得る。第2の紫外線吸収層50は、部材30と第2の硬質基板20との間に配置され得る。第2の紫外線吸収層50としては、有機物から構成される層であることが好ましい。このような紫外線吸収層としては、「有機物から構成される第1の紫外線吸収層」の項で説明した紫外線吸収層が挙げられ、すなわち、第2の紫外線吸収層50は、初期には(すなわち、紫外線照射前には)粘着性を有し、紫外線照射後に粘着力が低下して剥離性を示す層であり得る。第2の紫外線吸収層50が形成されていれば、剥離工程の後に、第2の硬質基板20/第2の紫外線吸収層50/部材30を含む積層体Cをさらなる移送工程に供し、レーザー光照射により積層体Cから容易に部材を剥離することができ、転写効率を向上させることができる。
【0070】
第2の硬質基板20上に第2の紫外線吸収層50が形成される場合、当該第2の硬質基板20と第2の紫外線吸収層50との間に、粘着剤層が配置されていてもよい。1つの実施形態において、上記粘着剤層は、紫外線硬化型の粘着剤を含む。当該粘着剤層は、紫外線照射により粘着力が向上する粘着剤層であってもよく、紫外線照射により粘着力が低下する粘着剤層であってもよい。粘着剤としては、例えば、上記活性エネルギー線硬化型粘着剤が用いられ得る。
【0071】
D.剥離工程
剥離工程においては、上記固定工程により形成された積層体B(第1の硬質基板10/第1の紫外線吸収層40/部材30/(第2の紫外線吸収層50)/第2の硬質基板20)の第1の紫外線吸収層40に紫外線(好ましくは、UVレーザー光)を照射して、第1の硬質基板10から部材30を剥離する。紫外線照射の諸条件は、第1の紫外線吸収層40に剥離性を生じさせ得る限り、第1の紫外線吸収層40の構成に応じて、任意の適切条件とすることができる。
【0072】
1つの実施形態において、第1の紫外線吸収層が、有機物から構成される場合(好ましくは、紫外線吸収剤を含む場合)、波長200nm~380nmのレーザー光を任意の適切な出力(例えば、0.01W~6W、好ましくは0.05W~5W)で第1の紫外線吸収層に照射することにより、紫外線吸収剤が分解して発生するガス、および/または紫外線吸収剤が発熱することにより粘着剤層が分解して発生するガスにより、第1の紫外線吸収層に変形が生じ、その結果、レーザー光が照射された部分において、剥離性が発現する。
【0073】
第1の紫外線吸収層が、有機物から構成される場合(好ましくは、紫外線吸収剤を含む場合)であって、当該第1の紫外線吸収層が、活性エネルギー線硬化型粘着剤を含む場合、上記のようにUVレーザー光を照射する前に、活性エネルギー線を第1の紫外線吸収層の全体に照射して、第1の紫外線吸収層の粘着力を低下させてもよい。活性エネルギー線としては、例えば、ガンマ線、紫外線、可視光線、赤外線(熱線)、ラジオ波、アルファ線、ベータ線、電子線、プラズマ流、電離線、粒子線等が挙げられる。好ましくは、紫外線である。紫外線の波長としては、好ましくは300nm~400nmである。照射量は、例えば、積算光量300mJ/cm2~1500mJ/cm2である。このように、レーザー光照射の前に、活性エネルギー線を照射すれば、糊残りを防止して、部材を転写することができる。
【0074】
1つの実施形態において、第1の紫外線吸収層が、無機物から構成される場合、第1の紫外線吸収層を構成する材料の吸収端波長よりも短く、第1の硬質基板の吸収端波長よりも長い波長を有するレーザー光(エキシマレーザー光)が、第1の紫外線吸収層に照射される。例えば、第1の紫外線吸収層が、GaN(窒化ガリウム)系化合物結晶層である場合、GaNの吸収端波長(365nm)よりも短く、サファイア基板の吸収端波長(180nm)よりも長い波長を有する、例えば、波長248nmのエキシマレーザーが利用される。
【0075】
上記のようにして、第1の紫外線吸収層に剥離性を生じさせることにより、積層体Bから第1の硬質基板10を剥離して、上記部材30(実質的には、第1の紫外線吸収層40と部材30とから構成される構成体)を第2の硬質基板20上に転写することができる。あるいは、積層体Bから、第1の硬質基板10および第1の紫外線吸収層40を剥離して、上記部材30を第2の硬質基板20上に転写することができる。
【0076】
E.部材転写法の応用
1つの実施形態において、上記部分転写方法を複数回繰り返して、上記部材は、次々に転写され得る。この実施形態においては、上記第2の硬質基板上に第2の紫外線吸収層が形成されていることが好ましい。第2の紫外線吸収層は、上記のとおり、初期には(すなわち、紫外線照射前には)粘着性を有し、紫外線照射後に粘着力が低下して剥離性を示す層であり得る。第2の紫外線吸収層50が形成されていれば、転写効率を向上させることができる。
【0077】
具体的には、
図3に示すように、上記剥離工程を経て得られた積層体C(
図3(a)~(b))を、第3の硬質基板60上に積層し(
図3(c)~(d))、その後、第2の紫外線吸収層50に紫外線を照射して(
図3(e))、上記第2の硬質基板20から部材30を剥離する(
図3(f))。上記のとおり、積層体Cは、第2の硬質基板/第2の紫外線吸収層/部材、または、第2の硬質基板/第2の紫外線吸収層/部材/第1の紫外線吸収層の構成をとりうる。積層体Cを第3の硬質基板60に積層する際には、積層体Cの第2の硬質基板20とは反対側の面(図示例では、部材30)が、第3の硬質基板60側となるように、当該積層体Cが配置される。
【0078】
第3の硬質基板としては、B-1項で説明した硬質基板が用いられ得る。
【0079】
第3の硬質基板60上には、第3の紫外線吸収層70または粘着剤層が形成され得る。第3の紫外線吸収層70は、部材30と第3の硬質基板60との間に配置され得る。第3の紫外線吸収層70としては、有機物から構成される層であることが好ましい。このような紫外線吸収層としては、「有機物から構成される第1の紫外線吸収層」の項で説明した紫外線吸収層が挙げられ、すなわち、第3の紫外線吸収層70は、初期には(すなわち、紫外線照射前には)粘着性を有し、紫外線照射後に粘着力が低下して剥離性を示す層であり得る。第3の紫外線吸収層70が形成されていれば、剥離工程の後に、第3の硬質基板60/第3の紫外線吸収層70/部材30を含む積層体Dをさらなる移送工程に供し、レーザー光照射により積層体Dから容易に部材30を剥離することができ、転写効率を向上させることができる。
【0080】
第3の硬質基板上に第3の紫外線吸収層が形成される場合、当該第3の硬質基板と第3の紫外線吸収層との間に、粘着剤層が配置されていてもよい。1つの実施形態において、上記粘着剤層は、紫外線硬化型の粘着剤を含む。当該粘着剤層は、紫外線照射により粘着力が向上する粘着剤層であってもよく、紫外線照射により粘着力が低下する粘着剤層であってもよい。粘着剤としては、例えば、上記活性エネルギー線硬化型粘着剤が用いられ得る。
【0081】
1つの実施形態においては、上記第2の紫外線吸収層が紫外線硬化型粘着剤を含む層であって、上記積層体Cを第3の硬質基板に積層する前に、当該第2の紫外線吸収層に紫外線を照射して、当該第2の紫外線吸収層の粘着力を低下させる。紫外線照射の条件としては、例えば、紫外線の波長300nm~400nmで、照射量は、積算光量300mJ/cm2~1500mJ/cm2である。このように、第3の硬質基板に積層する前に、活性エネルギー線を照射すれば、部材を転写性を向上することができる。
【0082】
上記の操作を繰り返すことに、上記部材を、次々に転写することができる。
【実施例】
【0083】
[実施例1-1]
図2で説明されるように、エピタキシャル層40(第1の紫外線吸収層40)を介して表面に光半導体素子30(部材30)を形成したサファイア基板10(第1の硬質基板10)を用意した。
次いで、紫外線吸収剤を含む紫外線硬化型粘着剤層50(第2の紫外線吸収層50)が積層されたガラス基板20(第2の硬質基板20)上に、上記光半導体素子30(部材30)を接合した。
エピタキシャル層40(第1の紫外線吸収層40)に紫外線レーザー光(波長:248nm、照射エネルギー:1000J/cm
2)を照射して、サファイア基板10(第1の硬質基板10)を剥離することによって、光半導体素子30(部材30)をサファイア基板10(第1硬質基板10)から、ガラス基板20(第2の硬質基板20)に転写した。当該方法によれば、部材を破壊することなく、転写することが可能であった。
【0084】
[実施例1-2]
実施例1と同様の工程を行い、第2の硬質基板20上に、紫外線硬化型粘着剤層50(第2の紫外線吸収層50)を介して配置された光半導体素子30(部材30)が配置されて構成された積層体Cを得た。
次いで、ガラス基板20(第2の硬質基板20)を通して紫外線(波長:355nm~365nm、積算光量:1380mJ/cm
2)を、紫外線硬化型粘着剤層50(第2の紫外線吸収層50)に照射し、当該粘着剤層を硬化し、当該粘着剤層の光半導体素子30(部材30)に対する粘着力を低下させた(図示せず)。
次いで、
図3で説明されるように、紫外線吸収剤を含む紫外線硬化型粘着剤層70(第3の紫外線吸収層70)が積層されたガラス基板60(第3の硬質基板60)上に、上記光半導体素子30(部材30)を接合した。
次いで、紫外線硬化型粘着剤層50(第2の紫外線吸収層50)に、紫外線レーザー光(波長:355nm、照射エネルギー:10J/cm
2)を照射して、光半導体素子30(部材30)を剥離することによって、光半導体素子(部材)をガラス基板(第2の硬質基板)から、ガラス基板(第3の硬質基板)に転写した。当該方法によれば、部材を破壊することなく、転写することが可能であった。
【0085】
[実施例2-1、-2]
紫外線硬化型粘着剤層50(第2の紫外線吸収層50)を単層で構成したことに代えて、紫外線硬化型粘着剤層50(第2の紫外線吸収層50)とPET基材と感圧粘着剤層とから構成される両面粘着シートを用い、紫外線硬化型粘着剤層70(第3の紫外線吸収層70)を単層で構成したことに代えて、紫外線硬化型粘着剤層70(第3の紫外線吸収層70)とPET基材と感圧粘着剤層とから構成される両面粘着シートを用いたこと以外は、実施例1-1および1-2と同様にして、部材30の転写を行った。当該方法によっても、部材を破壊することなく、転写することが可能であった。
【符号の説明】
【0086】
10 第1の硬質基板
20 第2の硬質基板
30 部材
40 第1の紫外線吸収層
50 第2の紫外線吸収層
60 第3の硬質基板
70 第3の紫外線吸収層