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特許7629288構築及び位置特定技術分野に焦点を当てた動的マップ生成
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-04
(45)【発行日】2025-02-13
(54)【発明の名称】構築及び位置特定技術分野に焦点を当てた動的マップ生成
(51)【国際特許分類】
   G01C 21/34 20060101AFI20250205BHJP
   G08G 1/00 20060101ALI20250205BHJP
   G08G 1/13 20060101ALI20250205BHJP
   B60W 60/00 20200101ALI20250205BHJP
   B60W 40/02 20060101ALI20250205BHJP
   G09B 29/00 20060101ALI20250205BHJP
   G16Y 10/40 20200101ALI20250205BHJP
   G16Y 20/10 20200101ALI20250205BHJP
   G16Y 20/20 20200101ALI20250205BHJP
   G16Y 40/60 20200101ALI20250205BHJP
【FI】
G01C21/34
G08G1/00 A
G08G1/13
B60W60/00
B60W40/02
G09B29/00 Z
G16Y10/40
G16Y20/10
G16Y20/20
G16Y40/60
【請求項の数】 15
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020174753
(22)【出願日】2020-10-16
(65)【公開番号】P2021076593
(43)【公開日】2021-05-20
【審査請求日】2023-10-06
(31)【優先権主張番号】16/662,994
(32)【優先日】2019-10-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518102470
【氏名又は名称】トヨタ リサーチ インスティテュート,インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100147555
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 公一
(74)【代理人】
【識別番号】100123593
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 宣夫
(74)【代理人】
【識別番号】100133835
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 努
(72)【発明者】
【氏名】スティーブン ジー.マッギル
(72)【発明者】
【氏名】ガイ ロスマン
(72)【発明者】
【氏名】ルーク エス.フレッチャー
【審査官】▲高▼木 真顕
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第06560531(US,B1)
【文献】特開2018-084492(JP,A)
【文献】特開2019-040445(JP,A)
【文献】国際公開第2019/131198(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/130945(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00 - 99/00
B60W 30/00 - 60/00
G05D 1/00 - 1/87
G01C 21/00 - 21/36
G09B 29/00 - 29/14
G16Y 10/00 - 40/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のナビゲーションのための計画的ルートを生成する方法であって、
データベース内の第1の特徴データセットに基づいて第1のマップを生成することであって、前記データベースは複数の特徴データセットを含み、前記第1の特徴データセットは、前記第1のマップに対応する第1の場所の第1の環境あるいは行動的特徴を示すことと、
前記第1のマップに基づいて第1のルートを生成することと、
第2の特徴データセットとして、前記第1のルートに沿って前記車両が動作している際の車両操作データを収集することであって、前記第2の特徴データセットは、前記第1のルートに関連する第2の環境あるいは行動的特徴を示すことと、
前記第2の特徴データセットを前記データベース内の前記複数の特徴データセットと比較することと、
前記データベース内の第3の特徴データセットであって前記第2の特徴データセットに類似する第3の特徴データセットに基づいて、前記第1のマップを第2のマップとして更新することであって、前記第3の特徴データセットは、前記第1の場所とは異なる第2の場所に関連する第3の環境あるいは行動的特徴を示すことと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記複数の特徴データセットは、環境データを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記環境データは、地理的エリアに関連するデータセットを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記複数の特徴データセットは、道路上の動作主体の行動データを含む、請求項1から3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記第2の特徴データセットは、環境データを含む、請求項1から4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記第2のマップに基づいて、前記第1のルートを第2のルートとして更新することをさらに含む、請求項1から5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記車両操作データの量が前記車両操作データの閾値量を満たすまで前記車両操作データを収集することであって、収集された前記車両操作データの量が前記閾値を超えると、前記第1のマップが前記第2のマップとして更新されることをさらに含む、請求項1から6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記第1のマップは、地理的エリアでの道路上の動作主体の行動の不確実性のレベルを表すヒートマップである、請求項1から7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記不確実性についてのデータを収集し、前記不確実性について収集されたデータの量が前記不確実性閾値を超えると、前記ヒートマップが前記第2のマップとして更新されることをさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
第2の特徴データセットの不確実性レベルに基づいて、前記第1のルートを第2のルートとして更新することをさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
車両のナビゲーションのための計画的ルートを生成するシステムであって、
複数の特徴データセットを含むデータベースと、
前記データベース内の第1の特徴データセットに基づいて第1のマップを生成するように構成されたマップ生成器であって、前記第1の特徴データセットは、前記第1のマップに対応する第1の場所の第1の環境あるいは行動的特徴を示す、マップ生成器と、
前記第1のマップに基づいて第1のルートを生成するように構成された計画モジュールと、
前記第1のルートに沿って前記車両が動作している際の車両操作データを第2の特徴データセットとして収集するように構成された少なくとも1つのセンサであって、前記第2の特徴データセットは、前記第1のルートに関連する第2の環境あるいは行動的特徴を示す、センサと、
プロセッサであって、
前記第2の特徴データセットを前記データベース内の前記複数の特徴データセットと比較し、
前記データベース内の第3の特徴データセットであって前記第2の特徴データセットに類似する第3の特徴データセットに基づいて、前記第1のマップを第2のマップとして更新するように構成される、プロセッサであって、前記第3の特徴データセットは、前記第1の場所とは異なる第2の場所に関連する第3の環境あるいは行動的特徴を示す、プロセッサと、
を具備する、システム。
【請求項12】
前記システムは、自律型車両を含む、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記複数の特徴データセットは、環境データを含む、請求項11又は12に記載のシステム。
【請求項14】
前記環境データは、地理的エリア、時刻及び気象のうちの少なくとも1つに関連するデータセットを含む、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記複数の特徴データセットは、道路上の動作主体の行動データを含む、請求項11から14のいずれか1項に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、車両ナビゲーションのためのマップ生成、さらに具体的には、自律型車両及び半自律型車両のための動的マップ及び計画的ルートの作成に関する。
【背景技術】
【0002】
所与の地理的エリアでの運転者の行動は、別の地理的エリアでの運転者の行動とはある程度概ね異なる場合がある。例えば、大部分の地理的エリアでは運転者が、赤信号が表示される前に交差点を通過することができないであろう場合、交差点への進入を概ね回避することがある。他の地理的エリア(主要都市など)では運転者が、赤信号が表示される前に交差点を渡り切れないであろうかどうかに関係なく、交差点に入ることがある。
【0003】
所与の地理的エリアで運転者が概ねどのように行動するかを理解することが、その地理的エリアに自律型車両と半自律型車両とを配備するときに重要になる場合がある。配備前の地理的エリアのルート計画には、このような運転者の行動を示す運転データを収集するために、地理的エリア内で運転する車両が含まれる場合がある。しかし、このデータを収集するために任意のルートを運転することが、このデータを収集する最も効率的な方法ではない可能性がある。
【発明の概要】
【0004】
本開示の態様では、車両のルートを計画するためのシステム及び方法が提供される。一態様によれば、方法では、データベース内の第1の特徴データセットに基づいて第1のマップが生成され得る。データベースは、複数の特徴データセットを含み得る。第1のマップに基づいて第1のルートを生成し得る。車両操作データを第2の特徴データセットとして収集し得る。第2の特徴データセットは、データベース内の複数の特徴データセットと比較され得る。第1のマップは、データベース内の第3の特徴データセットに対する第2の特徴データセットの類似性に基づいて、第2のマップに更新され得る。
【0005】
本開示の別の態様によれば、車両ルートを生成するためのシステムが開示される。データベースには、複数の特徴データセットが含まれ得る。マップ生成器を、データベース内の第1の特徴データセットに基づいて第1のマップを生成するように構成し得る。計画モジュールを、第1のマップに基づいて第1のルートを生成するように構成し得る。車両操作データを第2の特徴データセットとして収集するように、少なくとも1つのセンサを構成し得る。第2の特徴データセットをデータベース内の複数の特徴データセットと比較するようにプロセッサを構成し得る。第1のマップは、データベース内の第3の特徴データセットに対する第2の特徴データセットの類似性に基づいて、第2のマップに更新され得る。
【0006】
これまでは、以下の詳細な説明をいっそうよく理解するために、本開示の特徴及び技術的利点をある程度広く概説した。本開示の追加の特徴及び利点を以下に説明する。本開示は、本開示と同じ目的を遂行するための他の構造を修正するか設計するための基礎として、容易に利用し得ることを当業者は理解されたい。このほか、そのような同等の構成は、添付の特許請求の範囲に記載されている本開示の教示から逸脱しないことを当業者は理解されたい。本開示の特性であると考えられる新規の特徴は、その機構及び操作方法の両方のほか、別の目的及び利点に関して、添付の図と併せて検討すると、以下の説明からいっそうよく理解されるであろう。しかし、各図は、例示及び説明のみを目的として提供されており、本開示の制限を規定することを意図するものではないことを明確に理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本開示の特徴、性質及び利点は、類似の参照文字が全体を通して対応して識別される図面と併せて解釈される場合、以下に記載する詳細な説明からいっそう明らかになるであろう。
【0008】
図1】本開示の一態様によるルートを計画する方法を示す図である。
図2】本開示の一態様による例示的なヒートマップを示す図である。
図3】本開示の一態様によるヒートマップを生成する方法を示す図である。
図4】本開示の諸態様による動的マップ生成システムのハードウェア実装を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
添付の図面に関連して以下に記載する詳細な説明は、さまざまな構成の説明として意図されており、本明細書に記載の概念が実施され得る唯一の構成を表すことを意図するものではない。詳細な説明には、さまざまな概念を完全に理解するための具体的な詳細が含まれる。しかし、このような概念は、このような具体的な詳細なしで実施され得ることが当業者には明らかであろう。場合によっては、そのような概念を曖昧にすることを避けるために、周知の構造と構成要素がブロック図の形で示される。
【0010】
本開示の諸態様によれば、自律型車両及び半自律型車両をはじめとする車両の効率的な計画ルートを生成するためのシステム及び方法が提示される。ルートプランナー(route planner)が、効率的な方法で道路上の動作主体(road-agent)の環境データ及び行動データの不確実性(uncertainty)を低減する動的なマップ及びルートを生成する場合がある。以前に取得した正確な環境データ及び行動データから取得した既知のデータのみに基づいて従来のルート計画を実施する場合がある。この方法論は、無数の特徴セットのためのデータを調査して収集する国勢調査タイプの取り組みを必要とするため、非現実的でコストがかかる可能性がある。これとは別に、本明細書に記載するように、ある地理的又は行動的特徴セットからの既知のデータが、車両の現在の操作に関連する環境データ及び行動データを推定するために別の地理的及び行動的コンテキスト(geographical and behavioral context)にて車両によって使用され信頼され得る統計的取り組みを使用して、ルート計画を達成する場合がある。この代表的な情報を使用すると、直接的な経験的データの必要性が減り、膨大な量の情報と分析を収集して保存する時間とコストを節約する。
【0011】
図1は、本開示の一態様によるルートを計画する例示的な方法100を示す。ブロック102に示すように、ルートプランナーが、データベース104から選択された環境データ又は行動データなどの第1の特徴に基づいて、初期マップ情報を概算する場合がある。特徴が、例えば、地理的エリア(又は他の地理的データセット)、時刻、気象条件、人口統計情報、人口密度又は所与の時空間特徴などの形態をとることがあり得る。第1の特徴からのデータは、画像、マップ、業務記録、ソーシャルメディアサイト、クラウドソーシングによるデータ、行為登録、ドローン又はUAVデータなどのためのインターネット資源又はデータベース資源を含む追加の公的に利用可能な情報源を含み得るか、同情報源に連結され得るデータベース104から取得されてもよい。
【0012】
以下の説明では、地理的エリアを特徴として説明する場合があるが、当業者には、代わりに任意の1つ又は複数の他の特徴を使用し得ることが理解されるであろう。本明細書に記載のルートプランナーは、車両内の計算装置、クラウドサーバ、携帯機器、あるいは本明細書に記載のルート計画機能を実行可能な任意の他の装置(又は装置の組み合わせ)の形態をとってもよい。
【0013】
ルートプランナーは、概算されたマップ情報に基づいて、ブロック106に示す初期ルートを生成してもよい。ブロック108に示すように、車両が、初期ルートに沿って動作していてもよい。ブロック110に示すように、車両は、車両の環境のマップ情報を生成してもよい。一態様によれば、マップ情報の生成には、例えば、センサを使用して1つ又は複数のセンサからセンサ入力を収集することと、センサ入力を使用して(おそらく、他のデータと組み合わせて)マップ情報を生成することとが含まれてもよい。センサは、以下でさらに詳細に説明するように、ライダ(LIDAR)、レーダ(RADAR)、カメラ、光電センサ、あるいはここに挙げたセンサ又は他のセンサの任意の組み合わせの形態をとってもよい。
【0014】
一例によれば、車両が、特定の環境にて混雑した一方通行の通りでの道路上の動作主体の行動の不確実性を低減するように構成された特徴に従って動作していてもよい。このため、ルートプランナーは、混雑した一方通行の通りについてデータベースが選択した行動情報に基づいてマップ情報を概算してもよい。ルートプランナーは、概算マップ情報に基づいて初期ルートを生成し、混雑した一方通行の通りへの露出(exposure)が最大の状態で、初期ルートに沿って動作する車両を提供してもよい。
【0015】
ブロック112に示すように、車両はこのほか、初期ルートに沿って動作している間、それ自体の行動データを記録し、車両周りの道路上の動作主体(例えば、他の車両)の行動データを取得してもよい。他の道路上の動作主体の行動データセットの取得には、センサ入力をはじめとする関連データの使用が含まれる場合がある。車両がルートに沿って移動するとき、取得された行動データセット及び環境データセットは記録され、データベース104に送り返されてもよい。特徴(混雑した一方通行の通り)に関する不確実性のレベルは、車両によって得られた経験的データの増大により、低下する可能性がある。このため、ルートプランナーは、地理的エリア内の他の道路上の動作主体の行動の不確実性を低減することができる。
【0016】
ブロック114に示すように、ルートプランナーは、取得され記録されることになる行動データの閾値量を規定してもよい。データの閾値レベルをさらに取得する必要がある場合、ルート計画プロセスは、閾値に達するまで環境データ及び行動データを収集し続けてもよい。ブロック116に示すように、閾値に達すると、ルートプランナーは、データベース104から、所与の地理的エリア(又は任意の所与の1つ又は複数の特徴を有する情報)のための環境/行動データのセットを選択して、その結果、選択されたセットのデータは、車両によって取得された環境/行動データに集合的に類似する。例えば、ルートプランナーは、テキサス州オースティンでの道路上の動作主体の運転行動が、車両の現在の地理的エリアでの道路上の動作主体の運転行動に類似していると判定する場合がある。車両が識別し得る例示的な行動特徴セットには、現在の地理的エリアの停止標識での行動、現在の地理的エリアの所与のタイプの道路での行動、任意の場所の所与のタイプの道路での行動などが含まれるが、ここに挙げたものに限定されない。
【0017】
ブロック118に示すように、ルートプランナーは、データベースから選択されたデータセット及び車両によって取得された行動データセットに基づいてマップ情報を更新してもよい。ルートプランナーは、環境/行動データベース104から取得されたデータを用いてマップ情報を更新して、現在の環境プロファイル又は行動プロファイルのデータセットに非常に類似している既知の特徴データセットを含めてもよい。ブロック120に示すように、ルートプランナーは、更新されたマップ情報に基づいて現在のルートをさらに更新してもよい。車両は、更新されたルート上で動作している間、引き続きマップ情報を生成し、車両周辺の環境及び道路上の動作主体の環境情報及び行動情報を取得してもよい。このため、ルートプランナーの反復プロセスにより、車両は環境情報及び行動情報を繰り返し取得しながら、引き続きさらに効率的なルートに沿って動作することができる。このように、ルートプランナーは、車両が初期ルート上で動作し続けた場合よりも効率的な方法で(例えば、さらに迅速に)地理的エリアでの道路上の動作主体の行動の不確実性を低減することができる。
【0018】
開示の一態様によれば、ルートプランナーは、最初に、例えば、テキサス州オースティン市などの都市の環境情報及び行動情報のセットを選択した可能性がある。車両が別の地理的な位置にあるにもかかわらず、ルートプランナーは、道路上の動作主体の現在の環境プロファイル及び行動プロファイルが、テキサス州オースティンの地理的エリア及び道路上の動作主体からの既知の環境データ及び行動データに非常に類似していると推定する場合がある。後続の反復では、更新されたルート上での動作中に追加の環境データ及び行動データを車両が取得した後、ルートプランナーは、現在の地理での道路上の動作主体の運転環境及び行動が、テキサス州オースティンよりもカリフォルニア州サンディエゴの道路上の動作主体の運転行動の方に実際には類似していると判定する場合がある。このため、ルートプランナーは、サンディエゴ市の環境データ及び行動データのセットを選択し、この選択されたデータのほか、車両によって取得された行動データに基づいて、更新されたルートを生成してもよい。ルートプランナーはこのほか、複数の既知の環境データセット及び行動データセットにわたって特徴データをセグメント化してもよい。例えば、ルートプランナーは、オースティンの一時停止標識での道路上の動作主体の運転行動がサンディエゴよりも類似していると判定し、このため、他の特徴セットをサンディエゴのものに更新しながら、オースティンのデータセットからの「一時停止標識での道路上の動作主体の行動」に関連するデータセットを保持する場合がある。即ち、識別された特徴のためのデータセットは、個別にセグメント化され、特徴ごとに適用される場合がある。
【0019】
本開示の一態様によれば、ルートプランナーは、ヒートマップ又は優先順位リストを生成して、マップのそれぞれのエリアから行動情報を取得する車両によって得られると推定される情報の量を概算してもよい。その結果、ルートプランナーは、生成されたヒートマップに基づいてルートを生成してもよい。図2は、本開示の一態様による例示的なヒートマップ200を示す。ヒートマップ200は、図2に示すマップなどの地理的エリアの形態であってもよく、あるいは優先順位リスト、グリッド又は当技術分野で知られている他の表現であってもよい。ヒートマップ200は、識別されたエリア、ルート又は他の目標及び位置を含んでもよい。このような目標及び位置に対しては、システムが確実性又は不確実性のレベルを有する。
【0020】
ヒートマップ200は、車両がそのルート又はエリアを移動することになった場合、既知の環境情報及び行動情報の量を前提として、取得されることになる情報の量を概算してもよい。例えば、ヒートマップ200は、第1の情報利得202に対して識別されたルート又はエリアを含んでもよい。第1の情報利得202に従って識別されるか分類されたエリアが、例えば、ルート又はエリアについてほとんど情報が知られていないことを示してもよい。本明細書に記載するように、ルートプランナーが、情報の不足が原因のそのようなルート又はエリアを回避するためにこの情報を利用してもよい。これとは逆に、ルートプランナーは、第1の情報利得202エリアに情報が不足していることを考慮して、そのルート又はエリアに関する追加情報を取得するためにそのようなエリアを探し求めることを選択してもよい。同じように、第2の情報利得204、第3の情報利得206及び第4の情報利得208を含む他の利得レベルで識別されたエリアを、ルートプランナーが使用して、システムセンサを用いてエリアを観察することによって、取得されることになる情報のレベル又は量に従って情報のエリアを識別してもよい。
【0021】
図2のヒートマップ200は、利得レベルが重ね合わされた地理的マップとして示されているが、当業者は、本開示の範囲から逸脱することなく、他の優先順位付け及び分類機構を実装し得ることを理解するであろう。
【0022】
ルートプランナーは、車両の動作モードに応じて、さらに効率的で便利なルートを提供するために、既知の好ましいデータを含むエリアを探し出すことを選択してもよい。これとは別に、ルートプランナーは、データが既知であるエリアを回避するためのルートを実施してもよい。これは、既知のデータが未知のデータエリアの不確実性を上回る不利なルート条件を提示するか、あるいは車両が学習モードで動作して、ルートの好感度に関係なく、追加の環境情報及び行動情報を調査して収集するという理由によるものである。
【0023】
図3は、本開示の一態様によるヒートマップを生成して使用する例示的な方法300を示す。ブロック302に示すように、初期ヒートマップを、環境及び行動データベース304からの既知のデータに基づいて生成してもよい。初期ヒートマップとルート計画では、1つ又は複数の特徴であって、追加のデータが収集された場合にそのような特徴に関連するデータの不確実性を低減すであろう、1つ又は複数の特徴を特定してもよい。例えば、初期ヒートマップが、いくつかの混雑した一方通行の通りでの道路上の動作主体の行動を取得することにより、所与の環境での道路上の動作主体の行動の不確実性を大幅に低減し得ることを示してもよい。このほか、混雑した一方通行の通りの特徴よりも程度は低いものの、夜間にいくつかの橋で道路上の動作主体の行動を取得することにより、別のかなりの量の不確実性が低減されるであろう。ブロック306に示すように、ルートプランナーは、混雑した一方通行の通りに沿って初期ルートを生成してもよい。ブロック308に示すように、車両はルートに沿って移動していてもよい。ブロック310及び312に示すように、初期ルートに沿って動作する車両から得られた環境データ及び行動データに基づいて、ルートプランナーは、そのデータの収集を反映するために、ブロック314に示すヒートマップを更新してもよい。ルートプランナーは、ブロック316に示すように、優先的な特徴(例えば、混雑した一方通行の通り)について収集されたデータの量が、特徴に関連する不確実性を所望のレベルより低くするのに充分であるかどうかを判定する閾値判定を実施してもよい。充分なデータがない場合、車両はルートに沿ってデータを収集し続けてもよい。ルートプランナーは、第1の特徴のために収集されたデータの量が充分であると判定してもよい。このため、混雑した一方通行の通りを運転することによって得られることになる情報の量は、このようなエリアから行動情報がすでに収集されているため、大幅に減少している。ブロック318に示すように、ルートプランナーは、この不確実性の低減を反映するためにヒートマップを更新してもよい。更新されたヒートマップはここでは、特定された橋で道路上の動作主体の動作を取得することによって道路上の動作主体の動作の不確実性が最も低減されるであろうことを示し、ルートプランナーはブロック320に示すように、このような橋に沿って、更新された計画ルートを生成してもよい。
【0024】
1つ又は複数の所与の特徴を有する(データベース104、304から選択された)環境情報及び行動情報のセットは、そのような特徴の任意の個別の概念を有するデータである必要はない。例えば、行動情報を、特徴ベクトルx=[f0、f1、f2、f3、…、fn]で表してもよい。ここで、f0-fnは、それぞれの特徴、例えば、都市、道路の種類、道路上の動作主体の種類、時間、気象などの値である。差分関数f(x1、x2)が、(ベクトルx1で表された)第1のデータセットと(ベクトルx2で表された)第2のデータセットとの間の差分値を出力してもよい。差分関数は、それぞれの環境データセットと行動データセットとの間の以前にラベル付けされた類似性に基づいて訓練されてもよい。差分関数はこのほか、データベース内の環境データセットと行動データセットとの間及び車両によって取得された環境データセットと行動データセットとの間の類似性を判定するために、使用されてもよい。
【0025】
図4は、本開示の諸態様による、マップ生成システム400のハードウェア実装の例を示す図である。マップ生成システム400は、車両、ロボット装置又は他の装置の構成要素であってもよい。例えば、図4に示すように、マップ生成システム400は、自動車428の構成要素であってもよい。バス、ボート、ドローン、シミュレータ又はロボットなどの他の装置がこのほか、マップ生成システム400を使用すると考えられるため、本開示の諸態様が、自動車428の構成要素であるマップ生成システム400に限定されることはない。自動車428は自律型であっても半自律型であってもよい。
【0026】
マップ生成システム400は、バス430によって概ね表されるバスアーキテクチャと共に実装されてもよい。バス430は、マップ生成システム400の特定の用途及び全体的な設計制約に応じて、任意の数の相互接続バス及びブリッジを含んでもよい。バス430は、プロセッサ420、通信モジュール422、位置モジュール418、センサモジュール402、移動モジュール426、計画モジュール424及びコンピュータ可読媒体414によって表された1つ又は複数のプロセッサ及び/又はハードウェアモジュールを含むさまざまな回路同士を連結してもよい。バス430はこのほか、タイミングソース、周辺機器、電圧調整器及び電力管理回路などのさまざまな他の回路を連結してもよい。ここに挙げた回路は当技術分野で周知であるため、これ以上説明しない。
【0027】
マップ生成システム400は、プロセッサ420に結合されたトランシーバ416と、センサモジュール402と、マップ生成器408と、環境及び行動(E/B)データベース412と、通信モジュール422と、位置モジュール418と、移動モジュール426と、計画モジュール424と、コンピュータ可読媒体414とを備えてもよい。トランシーバ416はアンテナ434に結合される。トランシーバ416は伝送媒体を介して他のさまざまな装置と通信する。例えば、トランシーバ416は、ユーザ又はリモート装置からの伝送を介してコマンドを受信してもよい。別の例として、トランシーバ416は、運転統計及び情報をマップ生成器408から(図示しない)サーバに送信してもよい。
【0028】
マップ生成器408は、コンピュータ可読媒体414に結合されたプロセッサ420を備えてもよい。プロセッサ420は、本開示による機能を提供するコンピュータ可読媒体414に保存されたソフトウェアの実行をはじめとする処理を実施してもよい。ソフトウェアは、プロセッサ420によって実行されると、マップ生成システム400に、自動車428、あるいはモジュール402、408、414、416、418、420、422、424、426のいずれかなどの特定の装置について説明されたさまざまな機能を遂行させる。コンピュータ可読媒体414はこのほか、ソフトウェアを実行するときにプロセッサ420によって操作されるデータを保存するために使用されてもよい。
【0029】
センサモジュール402は、第1のセンサ406、第2のセンサ404及び第3のセンサ410などのさまざまなセンサを介して測定値を取得するために使用されてもよい。第1のセンサ406は、2D画像を撮像するための立体カメラ又は赤-緑-青(RGB)カメラなどの視覚センサであってもよい。第2のセンサ404は、光検出及び測距(LIDAR)センサ又は無線検出及び測距(RADAR)センサなどの測距センサであってもよい。第3のセンサ410は、自動車428の内部環境の編集前の動画又は画像を取得するための車内カメラを含んでもよい。もちろん、例えば、熱検知器、音波探知機及び/又はレーザなどの他のタイプのセンサがこのほか、センサ404、406のいずれかとして考えられているため、本開示の態様が上記のセンサに限定されることはない。センサ404、406、410、406の測定値は、本明細書に記載の機能を実装するためのコンピュータ可読媒体414と併せて、プロセッサ420、センサモジュール402、マップ生成器408、通信モジュール422、位置モジュール418、移動モジュール426、計画モジュール424のうちの1つ又は複数によって、処理されてもよい。一構成では、第1のセンサ406及び第2のセンサ404によって捕捉されたデータは、トランシーバ416を介して外部装置に送信されてもよい。センサ404、406、410は、自動車428に結合されても、自動車428と通信してもよい。
【0030】
位置モジュール418は、自動車428の位置を判定するために使用されてもよい。例えば、位置モジュール418は、全地球測位システム(GPS)を使用して、自動車428の位置を判定してもよい。通信モジュール422は、トランシーバ416を介した通信を容易にするために使用されてもよい。例えば、通信モジュール422は、WiFi、ロングタームエボリューション(LTE)、3Gなど、さまざまな無線プロトコルを介して通信能力を提供するように構成されてもよい。通信モジュール422はこのほか、マップ生成器408のモジュールではない自動車428の他の構成要素と通信するために使用されてもよい。
【0031】
移動モジュール426は、自動車428の移動を容易にするために使用されてもよい。一例として、移動モジュール426は、車輪の動きを制御してもよい。別の例として、移動モジュール426は、エンジン又はバッテリなどの自動車428の電源と通信してもよい。もちろん、本開示の諸態様が、車輪を介して移動を提供することに限定されることはなく、プロペラ、トレッド、フィン及び/又はジェットエンジンなど、移動を提供するための他のタイプの構成要素に対しても考慮されている。
【0032】
マップ生成システム400はこのほか、マップ生成器408によって実施された分析に基づいて、移動モジュール426を介してルートを計画するか、自動車428の移動を制御するための計画モジュール424を備えてもよい。一構成では、計画モジュール424は、ユーザ入力が衝突を引き起こすことが考えられる(例えば、予測される)ときに、ユーザ入力を無効にする。モジュールは、プロセッサ420にて実行され、コンピュータ可読媒体414に常駐する/保存されるソフトウェアモジュール、プロセッサ420に結合された1つ又は複数のハードウェアモジュール、あるいはその何らかの組み合わせであってもよい。
【0033】
マップ生成器408は、センサモジュール402、トランシーバ416、プロセッサ420、通信モジュール422、位置モジュール418、移動モジュール426、計画モジュール424及びコンピュータ可読媒体414と通信してもよい。一構成では、マップ生成器408は、センサモジュール402からセンサデータを受信してもよい。センサモジュール402は、センサ404、406、410からセンサデータを受信してもよい。本開示の諸態様によれば、センサモジュール402は、データにフィルタをかけてノイズを除去し、データをエンコードし、データをデコードし、データをマージし、フレームを抽出し、あるいは他の機能を実行してもよい。代替構成では、マップ生成器408は、センサ404、406、410から直接センサデータを受信してもよい。
【0034】
図4に示すように、マップ生成器408は、計画モジュール424及び移動モジュール426と通信して、ルートマップを生成し、ルートを計画し、生成されたマップに従って自動車428を操作してもよい。本明細書で説明するように、マップ生成器408は、E/Bデータベース412からの既知の環境データ及び行動データに依存して、データベース内の1つ又は複数の特徴に従って初期マップを生成してもよい。自動車428がルートに沿って進むにつれて、追加の環境データ及び行動データが、センサモジュール402、移動モジュール426などから取得されてもよい。追加のデータは、自動車428が現在動作しているマップを改良するか変更するために使用されてもよい。マップ生成器は、新たに取得された情報を用いて初期マップを適合させるか更新し、計画モジュール424と共に、自動車428が動作しているルートを更新してもよい。
【0035】
本開示の一態様によれば、マップ生成器408はこのほか、1つ又は複数のレベルの特徴データの不確実性を表すヒートマップを生成してもよい。ヒートマップは、特徴についてデータがどの程度知られているか(あるいは知られていないか)に応じて、さまざまなレベルの特徴データを表してもよい。計画モジュール424は、マップ生成器408によって生成されたヒートマップを使用して、自動車428のルートを定めてもよい。計画モジュール424は、本明細書で説明するように、いくつかの方法でヒートマップを実施してもよい。計画モジュール424は、ヒートマップに基づいてルートを生成して、いっそうよく知られている(不確実性が低い)エリアを通る代替ルートの方が効率的である(即ち、交通量が少ない、移動時間が速いなど)場合、不確実性が高いエリアを回避してもよい。
【0036】
これとは別に、計画モジュール424は、ヒートマップで識別された不確実性の高いエリアを探し出して、追加の環境データ及び行動データを取得して、これにより、不確実性を低減するようにルートを生成することを選択してもよい。計画モジュール424はこのほか、周知のエリアの特徴データが、効率的なルートにとって望ましくないことから、不確実性の高い方のエリアを通るルートを計画し、不確実性の低いエリアを回避してもよい。例えば、所与の地理的エリアでは、渋滞に関する不確実性のレベルが低い場合があり、他の環境パラメータが与えられた場合に渋滞が発生する可能性が非常に高いことを示す。このため、計画モジュール424は、結果として生じるルートが交通渋滞のある既知のエリアを通るルートよりも効率的であると推定されるため、(不確実性が高いにもかかわらず)不確実性の高い方のエリアに沿って、同エリアを通るルートを判定してもよい。
【0037】
教示に基づいて、当業者は、本開示の範囲が、本開示の任意の他の態様とは独立して実施されても、組み合わされても、本開示の任意の態様を網羅することを意図していることを理解する必要がある。例えば、記載された任意の数の態様を使用して、装置を実装しても、方法を実施してもよい。さらに、本開示の範囲は、本開示のさまざまな態様に加えて、あるいは同態様以外の他の構造、機能又は構造と機能を使用して実施されるそのような装置又は方法を網羅することを意図している。本開示の任意の態様を、請求項の1つ又は複数の要素によって具体化してもよいことを理解されたい。
【0038】
「例示的」という用語は、本明細書では、「例、実例又は例示として役立つ」ことを意味するために使用される。本明細書で「例示的」として記載されるいかなる態様も、他の態様よりも好ましいか有利であると必ずしも解釈されるべきではない。
【0039】
特定の態様が本明細書に記載されているが、このような態様の多くの変形及び順列が、本開示の範囲内にある。好ましい態様のいくつかの便益及び利点に言及しているが、本開示の範囲は、特定の便益、用途又は目的に限定されることを意図するものではない。むしろ、本開示の態様が、さまざまな技術、システム構成、ネットワーク及びプロトコルに広く適用可能であることが意図されている。ここに挙げたもののうちのいくつかは、例として、好ましい態様の図及び以下の説明に示される。詳細な説明及び図面は、限定するものではなく、本開示の単なる例示であり、本開示の範囲は、添付の特許請求の範囲及びその同等物によって規定される。
【0040】
本明細書で使用する場合、「判定する」という用語は、多種多様な行動を包含する。例えば、「判定する」は、計算、演算、処理、導出、調査、検索(例えば、表、データベース又は別のデータ構造での検索)、確認などを含む場合がある。さらに、「判定する」は、受信(例えば、情報の受信)、アクセス(例えば、メモリ内のデータへのアクセス)などを含む場合がある。さらに、「判定する」には、解決、選定、選択、確立などが含まれる場合がある。
【0041】
本明細書で使用する場合、項目のリストのうちの「少なくとも1つ」を指す句は、単一の部材を含むそのような項目の任意の組み合わせを指す。例として、「a、b又はcの少なくとも1つ」は、a、b、c、a-b、a-c、b-c及びa-b-cを網羅することを目的とする。
【0042】
本開示に関連して説明するさまざまな例示的な論理ブロック、モジュール及び回路は、本開示で考察する機能を実行するように特別に構成されたプロセッサと共に実装されるか実行されてもよい。プロセッサは、本明細書に記載の機能を実行するように設計されたニューラルネットワークプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ信号(FPGA)又は他のプログラム可能論理装置(PLD)、ディスクリートゲート又はトランジスタ論理、個別のハードウェアコンポーネント、あるいはその任意の組み合わせであってもよい。これとは別に、処理システムは、本明細書に記載のニューロンモデル及びニューラルシステムを実装するための1つ又は複数のニューロモーフィックプロセッサを備えてもよい。プロセッサは、本明細書に記載するように特別に構成されたマイクロプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ又は状態機械であってもよい。このほか、本明細書に記載するように、プロセッサを、計算装置の組み合わせ、例えば、DSPとマイクロプロセッサの組み合わせ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと組み合わせた1つ又は複数のマイクロプロセッサ、あるいは他の特別な構成として実装してもよい。
【0043】
本開示に関連して説明する方法又はアルゴリズムのステップは、ハードウェア、プロセッサによって実行されるソフトウェアモジュール又はこの2つの組み合わせに直接具体化されてもよい。ソフトウェアモジュールを、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、フラッシュメモリ、消去可能プログラム可能読み取り専用メモリ(EPROM)、電気的消去可能プログラム可能読み取り専用メモリ(EEPROM)、レジスタ、ハードディスク、リムーバブルディスク、CD-ROM又は他の光ディスク記憶装置、磁気ディスク記憶装置又は他の磁気記憶装置、あるいは命令又はデータ構造の形式で所望のプログラムコードを伝送するか保存するために使用することができ、コンピュータからアクセスすることができる任意の他の媒体をはじめとする記憶媒体又は機械可読媒体に常駐させてもよい。ソフトウェアモジュールが、単一の命令又は多くの命令を含み、いくつかの異なるコードセグメント全体にわたって、異なるプログラム間で、複数の記憶媒体にわたって分散されてもよい。記憶媒体を、プロセッサが記憶媒体から情報を読み取り、記憶媒体に情報を書き込むことができるように、プロセッサに結合してもよい。これとは別に、記憶媒体はプロセッサと一体化されてもよい。
【0044】
本明細書に開示する方法は、記載した方法を達成するための1つ又は複数のステップ又は行動を含む。方法のステップ及び/又は行動は、特許請求の範囲から逸脱することなく、互いに交換されてもよい。言い換えれば、ステップ又は行動の特定の順序が指定されていない限り、特定のステップ及び/又は行動の順序及び/又は使用は、特許請求の範囲から逸脱することなく変更されてもよい。
【0045】
説明した機能は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア又はその任意の組み合わせに実装されてもよい。ハードウェアに実装されている場合、ハードウェア構成の例には、装置内の処理システムが含まれてもよい。処理システムは、バスアーキテクチャと共に実装されてもよい。バスには、処理システムの特定の用途と全体的な設計上の制約に応じて、任意の数の相互接続のバス及びブリッジが含まれてもよい。バスは、プロセッサ、機械可読媒体及びバスインターフェースをはじめとするさまざまな回路同士を連結してもよい。バスインターフェースは、とりわけ、バスを介してネットワークアダプタを処理システムに接続するために使用されてもよい。ネットワークアダプタは、信号処理機能を実装するために使用されてもよい。特定の態様では、ユーザインターフェース(例えば、キーパッド、ディスプレイ、マウス、ジョイスティックなど)をこのほか、バスに接続してもよい。バスはこのほか、タイミングソース、周辺機器、電圧調整器、電力管理回路など、他のさまざまな回路を連結してもよい。ここに挙げた回路は、当技術分野では周知であるため、これ以上説明しない。
【0046】
プロセッサは、バスの管理と、機械可読媒体に保存されたソフトウェアの実行をはじめとする処理とを担当してもよい。ソフトウェアとは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるかどうかにかかわらず、命令、データ又はその任意の組み合わせを意味すると解釈されるものとする。
【0047】
ハードウェア実装では、機械可読媒体は、プロセッサとは別の処理システムの一部であってもよい。しかし、当業者が容易に理解するであろうように、機械可読媒体又はその任意の部分は、処理システムの外部にあってもよい。例として、機械可読媒体は、伝送回線、データによって変調された搬送波及び/又は装置とは別のコンピュータ製品を含んでもよい。ここに挙げたものはいずれも、バスインターフェースを介してプロセッサによってアクセスされてもよい。これとは別に、あるいはこれに加えて、機械可読媒体又はその任意の部分は、キャッシュ及び/又は特殊なレジスタファイルを伴う場合など、プロセッサに一体化されてもよい。考察したさまざまな構成要素は、ローカルコンポーネントなどの特定の位置を有するものとして説明されてもよいが、同構成要素はこのほか、分散演算システムの一部として構成されている特定の構成要素など、さまざまな方法で構成されてもよい。
【0048】
機械可読媒体は、いくつかのソフトウェアモジュールを含んでもよい。ソフトウェアモジュールは、送信モジュール及び受信モジュールを含んでもよい。各ソフトウェアモジュールは、単一の記憶装置に常駐しても、複数の記憶装置に分散されてもよい。例として、引き金となる事象が発生したときにソフトウェアモジュールをハードドライブからRAMに読み込んでもよい。ソフトウェアモジュールの実行中に、プロセッサはアクセス速度を上げるためにいくつかの命令をキャッシュに読み込んでもよい。次に、1つ又は複数のキャッシュラインを、プロセッサによる実行のために、特別な目的のレジスタファイルに読み込んでもよい。以下のソフトウェアモジュールの機能に言及すると、そのような機能は、そのソフトウェアモジュールからの命令を実行するときにプロセッサによって実施されることが理解されよう。さらに、本開示の諸態様が、そのような態様を実施するプロセッサ、コンピュータ、機械又は他のシステムの機能の改善をもたらすことを理解されたい。
【0049】
機能は、ソフトウェアで実施される場合、コンピュータ可読媒体上に1つ又は複数の命令又はコードとして保存されるか送信されてもよい。コンピュータ可読媒体は、コンピュータ記憶媒体と、ある場所から別の場所へのコンピュータプログラムの転送を容易にする任意の記憶媒体を含む通信媒体との両方を含む。
【0050】
さらに、本明細書に記載の方法及び技術を実施するためのモジュール及び/又は他の適切な手段を、必要に応じて、ユーザ端末及び/又は基地局によってダウンロードしたり、及び/又は他の方法で取得したりすることができることを理解されたい。例えば、そのような装置は、本明細書に記載の方法を実施するための手段の転送を容易にするためにサーバに結合することができる。これとは別に、本明細書に記載のさまざまな方法を、記憶手段を介して提供することができ、その結果、ユーザ端末及び/又は基地局が、記憶手段を装置に結合するか提供するときにさまざまな方法を取得することができる。さらに、本明細書に記載の方法及び技術を装置に提供するための他の任意の適切な技術を利用することができる。
【0051】
特許請求の範囲は、上記の詳細な構成及び構成要素に限定されないことを理解されたい。特許請求の範囲から逸脱することなく、上記の方法及び装置の配置、動作及び詳細に、さまざまな修正、変更及び変形が施されてもよい。
【0052】
〔例1〕
車両のルートを計画する方法であって、
データベース内の第1の特徴データセットに基づいて第1のマップを生成することであって、データベースは複数の特徴データセットを含むことと、
第1のマップに基づいて第1のルートを生成することと、
第2の特徴データセットとして車両操作データを収集することと、
第2の特徴データセットをデータベース内の複数の特徴データセットと比較することと、
データベース内の第3の特徴データセットに対する第2の特徴データセットの類似性に基づいて、第1のマップを第2のマップに更新することと、
を含む、方法。
〔例2〕
複数の特徴データセットは環境データを含む、例1に記載の方法。
〔例3〕
環境データは、地理的エリアに関連するデータセットを含む、例2に記載の方法。
〔例4〕
複数のデータセットは道路上の動作主体の行動データを含む、例1に記載の方法。
〔例5〕
車両操作データは環境データを含む、例1に記載の方法。
〔例6〕
第2のマップに基づいて第1のルートを第2のルートに更新することをさらに含む、例1に記載の方法。
〔例7〕
閾値が満たされるまで車両操作データを収集することであって、収集された車両操作データが閾値を超えると、第1のマップが第2のマップに更新されることをさらに含む、例1に記載の方法。
〔例8〕
第1のマップは、第1の特徴データセットの不確実性レベルを表すヒートマップである、例1に記載の方法。
〔例9〕
不確実性閾値が満たされるまで車両の操作データを収集することであって、収集された車両の操作データが不確実性閾値を超えると、ヒートマップが第2のマップに更新されることをさらに含む、例8に記載の方法。
〔例10〕
第2の特徴データセットの不確実性レベルに基づいて第1のルートを第2のルートに更新することをさらに含む、例9に記載の方法。
〔例11〕
車両ルートを生成するシステムであって、
複数の特徴データセットを含むデータベースと、
データベース内の第1の特徴データセットに基づいて第1のマップを生成するように構成されたマップ生成器と、
第1のマップに基づいて第1のルートを生成するように構成された計画モジュールと、
車両の操作データを第2の特徴データセットとして収集するように構成された少なくとも1つのセンサと、
プロセッサであって、
第2の特徴データセットをデータベース内の複数の特徴データセットと比較し、
データベース内の第3の特徴データセットに対する第2の特徴データセットの類似性に基づいて、第1のマップを第2のマップに更新するように、構成されたプロセッサと、 を備える、システム。
〔例12〕
システムは自律型車両を含む、例11に記載のシステム。
〔例13〕
複数の特徴データセットは環境データを含む、例10に記載のシステム。
〔例14〕
環境データは、地理的エリア、時刻及び気象のうちの少なくとも1つに関連するデータセットを含む、例13に記載のシステム。
〔例15〕
複数の特徴データセットは道路上の動作主体の行動データを含む、例10に記載のシステム。
〔例16〕
車両操作データは環境データを含む、例10に記載のシステム。
〔例17〕
プロセッサは、第2のマップに基づいて第1のルートを第2のルートに更新するようにさらに構成される、例10に記載のシステム。
〔例18〕
少なくとも1つのセンサが、閾値が満たされるまで車両操作データを収集するように構成され、収集された車両操作データが閾値を超えると、第1のマップが第2のマップに更新される、例10に記載のシステム。
〔例19〕
第1のマップは、第1の特徴データセットの不確実性レベルを表すヒートマップである、例10に記載のシステム。
〔例20〕
少なくとも1つのセンサは、不確実性閾値が満たされるまで車両の操作データを収集するように構成され、ヒートマップは、収集された車両の操作データが不確実性閾値を超えると、第2のマップに更新される、例19に記載のシステム。
図1
図2
図3
図4