(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-04
(45)【発行日】2025-02-13
(54)【発明の名称】荷受台昇降装置
(51)【国際特許分類】
B60P 1/44 20060101AFI20250205BHJP
【FI】
B60P1/44 E
B60P1/44 B
(21)【出願番号】P 2021010434
(22)【出願日】2021-01-26
【審査請求日】2023-10-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000163095
【氏名又は名称】極東開発工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002734
【氏名又は名称】弁理士法人藤本パートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】清藤 英樹
(72)【発明者】
【氏名】山元 敦生
(72)【発明者】
【氏名】石井 貴之
【審査官】渡邊 義之
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-248263(JP,A)
【文献】特開2019-217824(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第1127738(EP,A1)
【文献】独国特許出願公開第102013010526(DE,A1)
【文献】中国実用新案第201183461(CN,Y)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60P 1/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
貨物車両の荷箱の下に格納可能である荷受台昇降装置であって、
前記貨物車両のフレームに取り付けられた支持基部と、
前記支持基部に沿って前後移動可能に設けられたスライダと、
荷物を載置できる荷受台と、
前記荷受台を支持して昇降させる昇降機構と、
前記支持基部に設けられ、格納を行う際に前記スライダを前記貨物車両における前方に移動させたときに前記スライダと接する規制部材と、を備え、
前記支持基部は、前記貨物車両の前後方向に沿うように設けられたスライドレールであり、
前記スライダは、スライダ本体と、前記スライダ本体の少なくとも前部に取り付けられ、前記スライドレールに接しつつ前記スライドレールに沿って前後移動するスライダ移動部材と、を備え、
前記規制部材は、前記スライダを前記貨物車両における前方に移動させたときに前記スライダ移動部材と接する荷受台昇降装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、荷箱を有する貨物車両において、荷箱の下に格納可能に設けられる荷受台昇降装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
このような荷受台昇降装置に関し、例えば、特許文献1に示された構成が知られている。特許文献1に記載の構成では、荷箱の床下に格納した荷受台を、貨物車両における後方からの衝突荷重を緩衝するバンパとして兼用することができる。
【0003】
荷受台はアームに支持されている。アームはスライダに連結されていて、スライダは車体フレームに固定されたスライドレールに沿ってスライドする。
【0004】
荷受台はスライド引き込み動作により床下に格納される。格納がなされると、可動側の部材であって、スライダに接続されているクロスメンバが、固定側の部材である連結部材に設けられた緩衝パッドに当接する。この状態で荷受台に後方から衝突荷重がかかった場合、衝突荷重は前記クロスメンバおよび前記連結部材を介して車体が有するフレームに伝達される。
【0005】
しかしこの場合、前記衝突荷重は、荷受台、アーム、スライダ、クロスメンバ、連結部材、スライドレール、フレームの順で伝達されることから、伝達経路が迂遠である。また、伝達経路が迂遠であるため、衝突荷重が多くの部材にかかることにより、多くの部材が破損等の影響を受ける可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで本発明は、短縮した衝突荷重の伝達経路を有する荷受台昇降装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、貨物車両の荷箱の下に格納可能である荷受台昇降装置であって、前記貨物車両のフレームに取り付けられた支持基部と、前記支持基部に沿って前後移動可能に設けられたスライダと、荷物を載置できる荷受台と、前記荷受台を支持して昇降させる昇降機構と、前記支持基部に設けられ、格納を行う際に前記スライダを前記貨物車両における前方に移動させたときに前記スライダと接する規制部材と、を備えた荷受台昇降装置である。
【0009】
前記構成によれば、荷受台昇降装置が貨物車両の荷箱の下に格納された状態で、規制部材がスライダと接した状態となる。このため、格納中の荷受台昇降装置に後方から衝突荷重が加わったときに、衝突荷重が規制部材を介してスライダから支持基部に伝達される。よって、衝突の影響が抑制される。
【0010】
また、前記支持基部は、前記貨物車両の前後方向に沿うように設けられたスライドレールであり、前記スライダは、スライダ本体と、前記スライダ本体の少なくとも前部に取り付けられ、前記スライドレールに接しつつ前記スライドレールに沿って前後移動するスライダ移動部材と、を備え、前記規制部材は、前記スライダを前記貨物車両における前方に移動させたときに前記スライダ移動部材と接するものとできる。
【0011】
この構成によれば、スライダ移動部材が摩耗した場合でも、スライダ移動部材のみを交換すればよい。また、スライダ移動部材の材質を選択することにより、スライダを貨物車両における前方に移動させたときにスライダ移動部材と接する際の衝撃緩和の度合を調整できる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によると、短縮した衝突荷重の伝達経路を有する荷受台昇降装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の一実施形態に係る荷受台昇降装置が貨物車両に取り付けられた状態を示す側面図である。
【
図3】同荷受台昇降装置の格納状態を示す側面図である。
【
図4】同荷受台昇降装置で可動部分をスライドさせた状態を示す側面図である。
【
図5】同荷受台昇降装置の一部を接地させた状態を示す側面図である。
【
図6】同荷受台昇降装置の荷受台を展開させた状態を示す側面図であって、荷受台が接地した状態を実線で示し、荷受台を上昇させた状態を二点鎖線で示す。
【
図7】同荷受台昇降装置のスライドレールとスライダの一部を示す、
図2のVII矢視での縦断面図である。
【
図8】同荷受台昇降装置のスライドレールとスライダの一部を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の一実施形態に係る荷受台昇降装置1は、
図1に示すように、貨物車両Vにおける荷箱Bの後部下方に設けられる。なお、荷箱Bは、搬入口を閉じた状態で閉鎖空間となる箱状のものであっても、例えば上部が常時開放された荷台であってもよい。本実施形態の荷受台昇降装置1につき、
図2に斜視図、
図3に側面図を示す。図示の状態は、貨物車両Vにおける荷箱Bの後部下方に荷受台昇降装置1が格納された状態、すなわち貨物車両Vが走行可能な状態を表している。一方、
図4~
図6は、荷受台昇降装置1のうち可動側支持部材13を、
図3のスライド前端位置(前方位置)から荷箱Bの後方へスライドさせ、所定のスライド後端位置(後方位置)に到達させた後、荷受台19を展開および昇降させて荷物の積み降ろし作業をする使用状態を示す側面図である。
図1に示すように、貨物車両Vの車体2上には荷箱Bが搭載されている。本実施形態の車体2はフレーム(シャシフレーム、サブフレーム)を有している。車体2の後端下方には、いわゆる床下格納式の荷受台昇降装置1が格納されている。
【0015】
図4~
図6において、荷受台昇降装置1の車幅方向に左右一対設けられている固定側支持部材3は、それぞれ、車両前後方向に沿って水平に延びる、支持基部としてのスライドレール4と、これを車体2に架装するための複数(本実施形態では3個)の取付ブラケット5と、左右一対のスライドレール4の前端部を連結する角パイプからなる連結部材6とによって構成されている。連結部材6の車幅方向中央の後部には、
図8に示すように緩衝パッド61が設けられている。この緩衝パッド61は格納状態のクロスメンバ9に当接する。なお、この緩衝パッド61は特許文献1に記載の荷受台昇降装置に設けられていたものと同種のものである。スライドレール4は、下部の断面形状が横倒しのC字形状とされており、内部空間が下端側で外部と連通している。スライドレール4と各取付ブラケット5とは、ボルト・ナット7により締結されている。スライドレール4にはスライダ(支持板)8が、スライドレール4に沿って車両前後方向に移動可能(摺動可能)に装着されている。具体的には、スライドレール4の下方内面に、スライダ8のスライダ移動部材82が摺動する。なお、スライドレール4とスライダ8との詳しい関係については後述する。
【0016】
左右一対のスライダ8は、車幅方向に水平に延びる角パイプからなるクロスメンバ9を貫通させ、これらは互いに一体に溶接されている。スライダ8より車幅方向の外側には、支持ブラケット10,11が、クロスメンバ9と一体に溶接されている。これらの支持ブラケット10,11も、左右一対設けられている。
【0017】
左右一対のスライダ8の下部は、チャンネル材からなる連結部材12により連結されている(
図2参照)。スライダ8、クロスメンバ9および支持ブラケット10,11および連結部材12は、固定側支持部材3に対して車両前後方向にスライド可能な可動側支持部材13を構成している。
【0018】
支持ブラケット10には補助リンク14が一定範囲で回動可能に取り付けられており、この補助リンク14に、上アーム15およびリフトシリンダ(昇降駆動装置)16が回動可能に取り付けられている。リフトシリンダ16の先端は上アーム15の所定位置に接続されており、伸縮作動により上アーム15にトルクを付与する。また、支持ブラケット11には下アーム17が回動可能に取り付けられている。リフトシリンダ16は、例えば単動式の油圧シリンダからなる。
【0019】
上アーム15および下アーム17は、それらの支点および作用点を結ぶ四角形が平行四辺形となる平行リンクを構成し、リフトシリンダ16の伸縮作動により、その先端側を昇降作動させる。補助リンク14、上アーム15、リフトシリンダ16および下アーム17は、左右一対設けられ、荷受台19を支持して昇降させるアーム式の昇降機構18を構成している。
【0020】
荷受台19は、上アーム15および下アーム17の先端に水平に取り付けられたメインプレート(基部荷受台)191と、これに対して折り畳み・展開可能に接続されたサブプレート(先部荷受台)192と、メインプレート191とサブプレート192とを連結する連結部193とを備えている。連結部193は、一端部がメインプレート191の先端部に回動可能に連結されるとともに、他端部がサブプレート192の基端部に回動可能に連結されたヒンジを有する。
【0021】
以上の構成により、
図1~
図3に示すように、格納時にはメインプレート191上にサブプレート192が折り畳まれる。また、
図4~
図6に示すように、使用時にはサブプレート192が展開されることで、荷受台19には、メインプレート191の上面からサブプレート192の上面へ連続した荷受面19aが構成される。この荷受面19aには荷箱Bに対して積み降ろしされる荷物が載置される。
【0022】
このように荷受面19aが構成された状態でリフトシリンダ16を伸縮駆動させると、荷受台19を、荷箱Bの床面(図示しない)と荷受面19aとが略同一の高さ位置となる上昇位置(
図6の上側の位置)と、地面に接地した接地位置(
図6の下側の位置)との間で昇降させることができる。これにより、荷箱Bの後方において荷受台19を昇降させることで、貨物車両Vの荷箱Bに対して荷物を積み降ろすことができる。
【0023】
前述の左右一対のスライダ8のそれぞれには、後方へ突出するようにローラ取付板20が取り付けられ、その後端にガイドローラ21が回転自在に取り付けられている。このガイドローラ21に、サブプレート192の先端を乗せることができる。
【0024】
次に、荷受台昇降装置1を前方位置と後方位置との間でスライド(前後移動)させるスライドシリンダ(前後駆動装置)22について説明する。
図2は、スライドシリンダ22が最収縮した状態に対応している。
図4~
図6は、スライドシリンダ22が最伸長した状態に対応している。
【0025】
スライドシリンダ22は、車幅方向において左右のスライドレール4の間に配置された左右一対のシリンダ23にて構成されている。シリンダ23は、例えば複動式の油圧シリンダからなる。左右のシリンダ23のシリンダ本体24は、その前後両端部が互いに前後逆向きに配置された状態で重ね合わされ、前後位置にて一体的に連結されている。
【0026】
以上の構成により、
図1~
図3に示す状態で格納されている荷受台19を使用する場合には、スライドシリンダ22を伸長作動により後方へスライドさせ、後方位置まで後退させる。次に、リフトシリンダ16を収縮作動させると、上アーム15および下アーム17が下方回動し、メインプレート191が着地する。このときサブプレート192はその先端がガイドローラ21に乗っているため、サブプレート192は連結部193を中心に、
図5の時計回り方向に回動する。
【0027】
次に、サブプレート192を手で起こしてメインプレート191の後方に水平に倒伏させる。このようして荷受台19が水平に展開される。この状態で、リフトシリンダ16を伸長作動させると、荷受台19を水平に維持したまま、
図6の上側に示す上昇位置まで荷受台19を上昇させることができる。また、上昇位置からリフトシリンダ16を収縮作動させれば、荷受台19を元の位置まで下降させることができる。
【0028】
なお、下アーム17が着地してからさらにリフトシリンダ16を収縮作動させると、補助リンク14の作用により荷受台19はその先端(後端)を下げるようにチルト作動して、
図6の下側に示すように地面に沿う。これにより、例えば、図示しないキャスタ付きのカート(荷物)を荷受台19の後方から前方へ移動させることでカートを荷受面19a上に容易に積み降ろしすることができる。
【0029】
荷受台19を格納するには、下アーム17が着地して荷受台19が水平である状態からサブプレート192を起立させ、さらに、ガイドローラ21に立てかける。次に、上アーム15および下アーム17を上昇させ、サブプレート192を自重によりメインプレート191上に畳み込む。そして、スライドシリンダ22を収縮作動させ、前方位置まで可動側支持部材13、昇降機構18および荷受台19を引き込み、
図1~
図3の格納状態とする。
【0030】
図2に示すように、クロスメンバ9の長手方向の一端部には、荷受台昇降装置1(具体的にはリフトシリンダ16及びスライドシリンダ22)の駆動を制御する制御装置を備えたパワーユニット30が取り付けられている。また、クロスメンバ9の長手方向の他端部には、荷受台19を昇降またはスライドさせるための操作指令を制御装置に出力するためのスイッチボックス31が取り付けられている。
【0031】
次に、衝突荷重の伝達経路を短縮するための構成について説明する。スライダ8は、スライダ本体81とスライダ移動部材82とを備える。スライダ本体81は板状であり、厚み方向が左右方向に一致し、板状の面の広がり方向が前後及び上下方向に一致するように配置される。スライダ本体81のうち上部はスライドレール4の内部空間に位置し、下部はスライドレール4の下方に位置する。
【0032】
スライダ移動部材82は、スライダ本体81の前部及び後部に交換可能に取り付けられ、スライドレール4の内部に位置する。スライダ移動部材82は、スライダ本体81の少なくとも前部に取り付けられていればよい。スライダ移動部材82はスライダ本体81に取り付けられたことで一体とされている。スライダ移動部材82は、スライドレール4の内面に規制されつつ、スライドレール4に沿って前後移動する。スライダ移動部材82は、例えば樹脂製とされているが、これは一例であって、種々の材質とできる。
【0033】
スライダ移動部材82を備えたスライダ8に対応して、スライドレール4には規制部材41が形成されている。本実施形態の規制部材41は、スライドレール4において、スライダ移動部材82が前後移動する内部空間を横断するようにして左右方向に貫通するよう設けられた、円柱形状のピンである。ピンである規制部材41は、スライダ移動部材82の移動方向(スライドレール4の長手方向に一致)の移動が制限されるようスライドレール4に固定されている。規制部材41は、荷受台昇降装置1を貨物車両Vの床下への格納を行う際に、スライダ8を貨物車両Vにおける前方に移動させたときにスライダ8におけるスライダ移動部材82と接する。このことが生じる場面は、例えば、スライドシリンダ22が最収縮した場合、または、センサの検知等により荷受台昇降装置1の可動側支持部材13を格納位置で停止させた場合(この場合、スライドシリンダ22は最収縮まで余裕のある状態である)が挙げられる。ただし後者の場合は、規制部材41とスライダ移動部材82との間に、スライドシリンダ22のストロークの余裕分よりも小さな隙間が保たれていて、規制部材41とスライダ移動部材82とが接しないこともあり得る。また、スライドレール4の前端部にスライダ移動部材82が接する前に、規制部材41とスライダ移動部材82とが接することになる。このようにして、規制部材41とスライダ移動部材82とが接することにより、スライダ8がそれ以上前方に移動することを阻止する。スライダ移動部材82は樹脂等の、押圧により変形または圧縮されることで衝撃を吸収する材質から形成されている。このため、スライダ移動部材82と接した際に圧縮することで、衝突荷重の一部を吸収して衝撃緩和できる。なお、規制部材41のうちスライダ移動部材82に対向する部分(本実施形態ではピンの径外位置)にゴム等からなる層を形成することにより衝撃緩和してもよい。
【0034】
ピンである規制部材41の一方側端部であって、スライドレール4の側方に位置する部分には、細長い板状の固定板42が設けられている。固定板42は規制部材41に対して周方向に移動しないように固定されている。固定板42はスライドレール4の側部に対してボルト43により固定されている。これにより、スライダ移動部材82が当接する際の力を受けて、ピンである規制部材41が軸方向回りに回転しないようにされている。なお、衝突荷重はこの固定板42にも伝達される。
【0035】
荷受台昇降装置1の固定側の部材と可動側の部材とは、従来から連結部材6に設けられていた緩衝パッド61とクロスメンバ9との当接に、規制部材41とスライダ移動部材82との当接が加わることになる。荷受台昇降装置1における下方の1箇所で、緩衝パッド61とクロスメンバ9とが当接し、上方の2箇所で、規制部材41とスライダ移動部材82とが当接する。このような固定側の部材と可動側の部材との関係により、スライダ移動部材82がゴム等の衝撃を吸収する素材から形成されている場合、緩衝作用を増大させられる。
【0036】
以上のように構成された本実施形態では、荷受台昇降装置1が貨物車両Vの荷箱の下に格納された状態で、規制部材41がスライダ8と接した状態となる。このため、格納中の荷受台昇降装置1に後方から衝突荷重L(
図8に示した、力の方向を示す矢印参照)が加わったときに、衝突荷重Lが規制部材41を介してスライダ8からスライドレール4に伝達される。よって、従来のように衝突荷重Lの伝達経路が長い伝達ルートに加え、伝達経路が短縮された別の伝達ルートを形成することが可能である。この短縮した伝達ルートを従来の伝達ルートに加えることで、荷受台昇降装置1の各部において衝突荷重を分散して負担できる。そして、各部の破損や損傷の発生を抑制できる。なお、この短縮した伝達ルートを従来の伝達ルートに対して併置ではなく、置き換えることもできる。
【0037】
そして、スライダ移動部材82がスライドレール4との摺動に伴い摩耗した場合でも、スライダ移動部材82のみを交換すればよい。また、スライダ移動部材82の材質を選択することにより、スライダ8を貨物車両Vにおける前方に移動させたときにスライダ移動部材82と接する際の衝撃緩和の度合を調整できる。
【0038】
以上、本発明につき一実施形態を取り上げて説明したが、本発明は前記実施形態に限定されない。例えば、スライドレール4には、例えばH鋼や角パイプを用いることもできる。これらの場合、スライダ8にスライダ移動部材82としてのローラを設けておき、このローラがH鋼や角パイプの上面及び下面に当接して回転するよう構成することもできる。
【0039】
また、スライドレール4が前記実施形態と同様の形状であっても、スライダ移動部材82がスライドレール4の内面に沿って回転するローラとして構成することもできる。
【符号の説明】
【0040】
1 荷受台昇降装置
4 支持基部、スライドレール
8 スライダ
18 昇降機構
19 荷受台
41 規制部材
81 スライダ本体
82 スライダ移動部材
B 荷箱
V 貨物車両
L 衝撃荷重